JPWO2014129203A1 - 超音波診断装置および超音波診断装置の制御方法 - Google Patents

超音波診断装置および超音波診断装置の制御方法 Download PDF

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Abstract

超音波診断装置において、表示器が接続可能に構成された超音波診断装置であって、傾斜角度測定部を備えた超音波探触子が接続可能に構成され、測定対象を含む被検体に対して前記超音波探触子を介して超音波を送信する送信処理と、前記超音波探触子を介して前記測定対象からの反射超音波に基づく受信信号をフレーム毎に取得する受信処理とを行う送受信部と、前記超音波探触子の傾斜角度が所定の角度範囲に含まれる状態、又は傾斜角度変動が所定の基準値以下である状態の少なくともいずれかにおいて、前記超音波探触子により前記測定対象から取得された反射超音波に基づくフレームの受信信号が所定の基準を満たすときに、前記所定の基準を満たしたフレームの受信信号に基づき生成された断層画像を前記表示器に表示させ当該表示を継続させるフリーズ表示処理部とを備えた。

Description

本開示は、超音波診断装置および超音波診断装置の制御方法に関する。
近年、脳梗塞や心筋梗塞などの虚血性疾患のような循環器系疾患に罹る患者が増加している。これらの疾患を予防するには、動脈硬化の兆候を早期に発見し治療を行うことが重要である。動脈硬化を判定する指標として、頚動脈における内膜中膜複合体の厚さ(Intima−Media Thickness:以下、IMTとする)の測定が注目されている。IMTは、頚動脈における初期の粥状硬化を知る重要な指標である。このIMTの測定には、非侵襲的かつ簡便に実施できるという理由で超音波検査が広く用いられている。
図9は、頚動脈の血管の長軸方向(血管が伸長した方向)における断面(以下、長軸断面とする)を示した模式図である。血管は、血管壁200と血管内腔201からなる。血管壁200は、内側から外側に向けて、内膜204、中膜206、外膜202から構成される。内中膜203は、内膜204と中膜206との複合体であり、IMTは内中膜203の厚さを指す。超音波診断装置を用いて、血管内腔201と外膜202との間に内中膜203を視認することができる。IMTの測定においては、通常、血管の長軸方向(血管が伸長した方向)に沿った断面(以後、「長軸断面」と称する)の超音波診断画像である2次元画像に基づきIMTの測定が行われる。具体的には、図14における血管内腔201と内膜204との境界(以後、「内腔内膜境界」とする)205、および中膜206と外膜202との境界(以後、「中膜外膜境界」とする)207を検出し、その境界間の距離を測定することでIMTを測定できる。
IMT測定は、その疾病の性質上、定期的に行う必要であり、正確な診断を行うためには毎回同一の位置でIMT測定を行うことが望ましい。従来、汎用の超音波診断装置に搭載されている距離測定機能を用いて手動で上記境界を設定することによりなされていた。この場合、IMTの測定対象領域を抽出しそこへ超音波探触子を案内する操作は、操作者が自ら行わなければならない。その結果、熟練者でなければ測定が難しく、また測定の精度を高めるためには検査時間を要した。これに対し、近年ではIMT測定のための操作の一部を自動的に行う超音波診断装置が提案されている(例えば、特許文献1)。
特開2010−022565号公報 WO2011/099103号公報
しかしながら、上記超音波診断装置においても、IMTを含む被検体の特性計測や疾患に対する診断部位の特定が、簡便な操作で行えるという点では不十分であり、超音波診断装置の使い勝手をさらに向上させることが必要である。本開示は、操作者にとりより使い勝手のよい超音波診断装置および超音波診断装置の制御方法を提供することを目的とする。
本開示の一態様に係る超音波診断装置は、表示器が接続可能に構成された超音波診断装置であって、傾斜角度測定部を備えた超音波探触子が接続可能に構成され、測定対象を含む被検体に対して前記超音波探触子を介して超音波を送信する送信処理と、前記超音波探触子を介して前記測定対象からの反射超音波に基づく受信信号をフレーム毎に取得する受信処理とを行う送受信部と、前記超音波探触子の傾斜角度が所定の角度範囲に含まれる状態、又は傾斜角度変動が所定の基準値以下である状態の少なくともいずれかにおいて、前記超音波探触子により前記測定対象から取得された反射超音波に基づくフレームの受信信号が所定の基準を満たすときに、前記所定の基準を満たしたフレームの受信信号に基づき生成された断層画像を前記表示器に表示させ当該表示を継続させるフリーズ表示処理部とを備えたことを特徴とする。
本開示の一態様に係る超音波診断装置および超音波診断装置の制御方法によれば、上記構成により、IMTを含む被検体の特性計測や疾患に対する診断部位の特定において不要なフリーズ表示処理を抑制することができ、簡便な操作で診断部位の特定が可能となる。そのため、超音波診断装置の使い勝手を向上させることができる。
実施の形態1に係る超音波診断装置1の機能ブロック図の一例である。 実施の形態1に係る超音波診断装置1の受信信号判定部における心拍同期信号の判定方法を説明するための補助図の一例であり、(a)は、血管断面の模式図、(b)は、拍動による血管径の時間的変化を示す模式図の一例である。 実施の形態1に係る超音波診断装置1の判定部11の機能ブロック図の一例である。 実施の形態1に係る超音波診断装置1の受信信号判定部111における血管中心の判定を説明するための模式図の一例であり、(a)は、被検体の皮膚表面に配置した超音波探触子2から送信された超音波が血管中心211近傍を捉えている場合、(b)は、超音波が血管中心211近傍を通らない場合を示す。 実施の形態1に係る超音波診断装置1の心拍同期信号取得部による心拍同期信号の取得方法を説明するための模式図の一例である。 実施の形態1に係る超音波診断装置1の動作を示すフローチャートの一例である。 実施の形態1に係る超音波診断装置における傾斜角度判定部の機能を説明するための補助図の一例である。 実施の形態2に係る超音波診断装置における傾斜角度判定部の機能を説明するための補助図の一例である。 頚動脈の血管の長軸断面を示した模式図の一例である。
≪発明を実施するための形態に至った経緯について≫
発明者らは、超音波診断装置を用いてIMTを測定する際の動作について検討した。一般的に、超音波診断装置は、超音波探触子を介して頚動脈を含む被検体に対し繰り返し超音波を送受信することでフレーム毎に断層画像を生成する。そして、生成した断層画像を断層画像として逐次表示器に更新表示を行うとともに、特定のフレームにおいて測定されたIMTの値を表示器に表示する。しかしながら、従来の超音波診断装置では、表示器にIMT値が表示される場合に、断層画像はフレーム毎に逐次更新表示されるため、表示されているフレームの断層画像とIMT値の測定対象となったフレームとが対応しないものとなっていた。
これに対し、IMT測定を行うことが可能な基準を満たしたフレームに対し、フレームの断層画像を静止画像として表示器に表示させ当該表示を継続する(以下、「フリーズ表示」とする)処理を行うことが考えられる。これに関連する技術として、例えば、特許文献2には、超音波探触子を介して取得した受信信号や受信信号から所定の処理が施された信号が所定の基準が満たしたときに、当該フレームの断層画像をフリーズ表示する技術が開示されている。この技術を用いれば、表示されているフレームの断層画像とIMT値の測定対象となったフレームとが対応させることができると考えられる。

しかしながら、上述のような受信信号に基づいてフリーズ表示処理を行う構成では、受信信号が一定の条件を満たしている場合にはフリーズ表示処理が行われる。その結果、超音波探触子を被検体皮膚表面で動かして所望の測定対象を探索している際中に、受信信号が一定の条件を満たしている場合にはフリーズ表示処理が行われてしまうことになる。
また、例えば、IMT測定のように定期的な検査を必要とし、その検査を毎回、ほぼ同一の測定位置で行う必要がある検査では、以下のような問題もある。すなわち、超音波探触子が必要な測定位置に当てられていないにもかかわらず、受信信号が一定の条件を満たしている場合にはフリーズ表示処理が行われてしまい、使い勝手の十分な向上が図れない。
そこで、発明者らは、定期的な検査において毎回、ほぼ同一の測定位置で検査を行う必要がある場合においても、使い勝手を向上させることができる技術について鋭意検討を行い、本実施の形態に係る超音波診断装置および超音波診断装置の制御方法を想到するに至ったものである。
以下に、実施の形態に係る超音波診断装置および超音波診断装置の制御方法について図面を用いて詳細に説明する。なお、以下の説明では、被検体の特性として頚動脈のIMTを測定を例について説明するが、本実施の形態はこれに限定されず、超音波診断装置を用いた検査において、フリーズ表示処理を行う必要がある検査全般に適用することができる。
なお、本明細書における「超音波探触子の傾斜角度」とは、所定の方向(例えば、重力方向、被検体における特定の方向)を基準とした超音波探触子2の相対的な傾きを意味する。併せて、所定の位置(例えば、被検体)を基準とした超音波探触子の位置情報に基づく絶対位置に基づき得られる超音波探触子の位置関係についても超音波探触子の角度を意味する。
以下、実施の形態に係る超音波診断装置および超音波診断装置の制御方法について、図面を参照しながら説明する。
≪本発明を実施するための形態の概要≫
本実施の形態に係る超音波診断装置は、表示器が接続可能に構成された超音波診断装置であって、傾斜角度測定部を備えた超音波探触子が接続可能に構成され、測定対象を含む被検体に対して前記超音波探触子を介して超音波を送信する送信処理と、前記超音波探触子を介して前記測定対象からの反射超音波に基づく受信信号をフレーム毎に取得する受信処理とを行う送受信部と、前記超音波探触子の傾斜角度が所定の角度範囲に含まれる状態、又は傾斜角度変動が所定の基準値以下である状態の少なくともいずれかにおいて、前記超音波探触子により前記測定対象から取得された反射超音波に基づくフレームの受信信号が所定の基準を満たすときに、前記所定の基準を満たしたフレームの受信信号に基づき生成された断層画像を前記表示器に表示させ当該表示を継続させるフリーズ表示処理部とを備えたことを特徴とする。
また、別の態様では、前記受信信号に基づきフレーム毎に断層画像を生成する断層画像生成部と、前記断層画像を前記表示器に表示させる表示処理部と、前記傾斜角度測定部から逐次取得された前記超音波探触子の傾斜角度が所定の角度範囲に含まれるか否かを判定する傾斜角度判定部と、前記送受信部が取得したフレームの受信信号が前記所定の基準を満たすか否かを判定する受信信号判定部とを備え、前記傾斜角度判定部が、1以上のフレームの受信信号の基礎とされた反射超音波が前記超音波探触子に取得されたときの前記超音波探触子の傾斜角度が所定の角度範囲に含まれると判定し、前記受信信号判定部が、前記1以上のフレームの受信信号が前記所定の基準を満たすと判定したとき、前記フリーズ表示処理部は、前記1以上のフレームに含まれる少なくとも1のフレームの受信信号に基づき前記断層画像生成部により生成された断層画像を前記表示処理部を介して前記表示器に表示させ当該表示を継続させる構成であってもよい。
また、別の態様では、前記受信信号に基づきフレーム毎に断層画像を生成する断層画像生成部と、前記断層画像を前記表示器に表示させる表示処理部と、前記傾斜角度測定部から逐次取得された前記超音波探触子の傾斜角度変動が所定の基準値以下であるか否かを判定する傾斜角度判定部と、前記送受信部が取得したフレームの受信信号が所定基準を満たすか否かを判定する受信信号判定部とをさらに備え、前記傾斜角度判定部が、1以上のフレームの受信信号の基礎とされた反射超音波が前記超音波探触子に取得されたときの前記超音波探触子の傾斜角度変動が傾斜角度変動が所定の基準値以下であると判定し、前記受信信号判定部が、前記1以上のフレームの受信信号が前記所定の基準を満たすと判定したとき、前記フリーズ表示処理部は、前記1以上のフレームに含まれる少なくとも1のフレームの受信信号に基づき前記断層画像生成部が生成した断層画像を前記表示処理部を介して前記表示器に表示させ当該表示を継続させる構成であってもよい。
また、別の態様では、前記受信信号判定部は、前記1以上のフレームの受信信号の基礎とされた反射超音波が前記測定対象における所定の領域から心拍周期における所定のタイミングにて取得されているときに前記所定の基準を満たすと判定する構成であってもよい。
また、別の態様では、前記受信信号に基づき前記測定対象の特性を測定する測定部をさらに備え、前記フリーズ表示処理部は、前記測定部により前記1以上のフレームに含まれる少なくとも1のフレームの受信信号に基づき測定された前記特性の測定結果を前記表示器に表示させ当該表示を継続させる構成であってもよい。
また、別の態様では、前記特性はIMTである構成であってもよい。
また、別の態様では、前記傾斜角度測定部は角度センサであり、前記角度センサから逐次取得した信号に基づき前記超音波探触子の傾斜角度を算出する傾斜角度算出部をさらに備えた構成であってもよい。
本実施の形態に係る超音波診断装置の制御方法は、傾斜角度測定部を備えた超音波探触子と表示器とが各々接続可能に構成された超音波診断装置の制御方法であって、測定対象を含む被検体に対して前記超音波探触子を介して超音波を送信する送信処理と、前記超音波探触子を介して前記測定対象からの反射超音波に基づく受信信号をフレーム毎に取得する受信処理とを行う送受信ステップと、前記超音波探触子の傾斜角度が所定の角度範囲に含まれる状態、又は傾斜角度変動が所定の基準値以下である状態の少なくともいずれか一方において、前記超音波探触子により前記測定対象から取得された反射超音波に基づくフレームの受信信号が所定の基準を満たすときに、前記所定の基準を満たしたフレームの受信信号に基づき生成された断層画像を前記表示器に表示させ当該表示を継続させるフリーズ表示処理ステップとを有することを特徴とする。
≪実施の形態1≫
以下、実施の形態1に係る超音波診断装置について、図面を参照しながら説明する。
<全体構成>
実施の形態1に係る超音波診断装置1の機能ブロック図である。超音波診断装置1は、送受信部6、傾斜角度算出部7、断層画像生成部8、心拍同期信号取得部9、測定部10、判定部11、フリーズ表示処理部12、表示処理部13および制御部14から構成される制御器5を備える。超音波診断装置1は、超音波探触子2、表示器3及び入力器4が接続可能に構成されている。図1は超音波診断装置1に、超音波探触子2、表示器3及び入力器4が接続された状態を示している。以降、超音波診断装置1に接続される各要素について説明する。
(超音波探触子2)
超音波探触子2は、例えば一次元方向(以下、「振動子配列方向」とする)に配列された複数の振動子(不図示)を有する。超音波探触子2は、後述の送受信部6から供給されたパルス状または連続波の電気信号(以下、「送信電気信号」とする。)をパルス状または連続波の超音波に変換する。超音波探触子2は、超音波探触子2の振動子側外表面を被検体の皮膚表面に接触させた状態で、複数の振動子から発せられる複数の超音波からなる超音波ビームを測定対象(頚動脈)に向けて送信する。この際、例えば、頚動脈の長軸断面の断層画像を取得するためには、超音波探触子2の振動子配列方向が頚動脈の長軸方向に沿うように超音波探触子2を被検体皮膚表面に配置する。そして、超音波探触子2は、被検体からの複数の反射超音波を受信し、複数の振動子によりこれら反射超音波をそれぞれ電気信号(以下、「受信電気信号」とする)に変換し、受信電気信号を送受信部6に供給する。
なお、実施の形態1においては、一次元方向に配列された複数の振動子を有する超音波探触子2を、例示しているが、本実施の形態に用いることができる超音波探触子2はこれに限定されない。例えば、振動子を二次元方向に配列した二次元配列振動子や、一次元方向に配列された複数の振動子を機械的に揺動させて三次元の断層画像を取得する揺動型超音波探触子を用いてもよく、測定に応じて適宜使い分けることができる。
また、超音波探触子2は、後述する送受信部6の一部の機能を超音波探触子側に設けてもよい。例えば、送受信部6から出力された送信電気信号を生成するための制御信号(以下、「送信制御信号」とする)に基づき超音波探触子2内で送信電気信号を生成し、この送信電気信号を超音波に変換する機能を超音波探触子側に設けてもよい。また、受信した反射超音波を受信電気信号に変換した後、この受信電気信号に基づき後述の受信信号を生成する機能を超音波探触子側に設けてもよい。
超音波探触子2には、傾斜角度測定部21が内蔵されている。この傾斜角度測定部21は、駆動中の超音波探触子2の傾斜角度を逐次取得するために必要な情報(以下、「センサ出力情報」とする)を逐次取得し、そのセンサ出力情報を超音波診断装置1の後述する傾斜角度算出部7に出力する。傾斜角度測定部21は、傾斜角度算出部7で超音波探触子2の傾斜角度を算出可能なセンサ出力情報が得られるものであればよく、当該部21には、例えば、加速度センサ、磁気センサ、光学センサ、ジャイロセンサを用いることができる。なお、実施の形態1においては、傾斜角度測定部21として加速度センサを用いる例を示した。この場合、センサ出力情報は加速度情報である。また、図1においては、傾斜角度測定部21を超音波探触子2内に内蔵した構成を示しているが、使用する傾斜角度測定部21の種類に応じて超音波探触子2の外部に傾斜角度測定部21を設ける構成としてもよい。
(表示器3)
表示器3は、いわゆる画像表示用の表示装置であって、後述する表示処理部13からの画像出力を表示画面に表示する。表示器3には、液晶ディスプレイ、CRT、有機ELディスプレイ等を用いることができる。
(入力器4)
入力器4は、操作者からの超音波診断装置1に対する各種設定・操作等の各種操作入力を受け付け、制御部14に出力する。
入力器4は、例えば、表示器3と一体として構成されたタッチパネルであってもよい。この場合、表示器3に表示された操作キーに対してタッチ操作やドラッグ操作を行うことで超音波診断装置1の各種設定・操作を行うことができ、超音波診断装置1がこのタッチパネルにより操作可能に構成される。また、入力器4は、例えば、各種操作用のキーを有するキーボードや、各種操作用のボタン、レバー等を有する操作パネルであってもよい。また、表示器3に表示されるカーソル表示を動かすためのトラックボール、マウスまたはフラットパッド等であってもよい。または、これらを複数用いてもよく、これらを複数組合せた構成のものであってもよい。
<各部構成>
(制御器5)
超音波診断装置1は、入力器4からの操作入力に基づき超音波診断装置1の動作を制御する制御器5を有する。制御器5は、上述のとおり、送受信部6、傾斜角度算出部7、断層画像生成部8、心拍同期信号取得部9、測定部10、判定部11、フリーズ表示処理部12、表示処理部13および制御部14を備える。それぞれのブロックは制御部14によって制御されている。送受信部6は超音波探触子2と、傾斜角度算出部7は傾斜角度測定部21と、表示処理部13は表示器3と、各々接続された構成となっている。以降、制御器5に含まれる各ブロックの構成について説明する。
(送受信部6)
送受信部6は、超音波探触子2と接続される。送受信部6は、超音波探触子2の超音波ビームの送信制御に係る送信制御信号を生成し、この送信制御信号に基づき生成したパルス状または連続波の送信電気信号を超音波探触子2に供給する送信処理を行う。なお、送受信部6が行う送信処理とは、少なくとも送受信部6で送信制御信号を生成し、送信制御信号に基づいて超音波探触子2に超音波(ビーム)を送信させる処理を意味する。
また、送受信部6は、超音波探触子2からの受信電気信号を増幅してA/D変換を行い、受信信号を生成する受信処理を行う。そして、この受信信号を断層画像生成部8、心拍同期信号取得部9および測定部10に出力する。受信信号は、例えば、振動子配列方向と超音波の送信方向であって振動子配列と垂直な方向からなる複数の信号からなり、各信号は反射超音波の振幅から変換された電気信号をA/D変換したデジタル信号である。送受信部6は、送信処理および受信処理を繰り返し連続して行い、複数の受信信号からなるフレームを複数構築する。なお、送受信部6が行う受信処理とは、少なくとも送受信部6が反射超音波に基づく受信信号を生成する処理を意味する。
ここで、「フレーム」とは、1枚の断層画像を構築する上で必要な1つのまとまった受信信号の単位、またはこの1つのまとまった受信信号に基づき断層画像を構築するために処理された信号の単位、あるいは、この一つのまとまった受信信号に基づき構築された1枚の断層画像の単位ことをさす。
(傾斜角度算出部)
傾斜角度算出部7は、傾斜角度測定部21からのセンサ出力情報に基づき、超音波探触子2の角度を取得する。すなわち、傾斜角度算出部7は、加速度センサである傾斜角度測定部21から出力される加速度情報に基づき、所定の方向(例えば、重力方向)を基準とした超音波探触子2の傾きを算出し傾斜角度として取得する。そして、取得した傾斜角度に係る情報(以下、「傾斜角度情報」とする。)を逐次、判定部11に出力する。
(断層画像生成部8)
断層画像生成部8は、フレーム内のそれぞれの受信信号を、その強度に対応した輝度信号へと変換し、その輝度信号を直交座標系に座標変換を施すことで断層画像データを生成する。断層画像生成部8はこの処理をフレーム毎に逐次行い、生成した断層画像を判定部11に出力する。
(心拍同期信号取得部9)
心拍同期信号取得部9は、受信信号から被検体の心拍に同期した心拍同期信号を検出し、検出した心拍同期信号を判定部11に出力する。また、心拍同期信号取得部9は、心拍同期信号の所定のタイミングを検出する情報を備え、検出した心拍同期信号に基づき例えばIMT測定を行うための所定のタイミングを検出し、そのタイミングを測定部10に出力する。このタイミングとは、一心拍中の、例えば、心臓が収縮後拡張して血流が最小となる心拡張末期のタイミングとしてもよい。
図2は、超音波診断装置1の受信信号判定部における心拍同期信号の判定方法を説明するための補助図であり、(a)は血管断面の模式図、(b)は拍動による血管径の時間的変化を示す模式図である。実施の形態1に係る超音波診断装置1の受信信号判定部における心拍同期信号の判定方法を説明するための補助図である。心拍同期信号取得部9は、例えば、特許第4189405号公報等に記載されている公知の方法を用いて受信信号から拍同期信号を検出する。具体的には、図2(a)に示すように血管の前壁(血管の長軸断面における被検体皮膚表面側に位置する血管壁)209と後壁210に測定点A、Bを設定し、受信信号の信号強度や位相を解析することで測定点A、Bの動きを追跡する。動脈は、心拍によって収縮拡張を繰り返しており、このため測定点A−B間の距離は、図2(b)に示すように心臓の拍動に対応した周期的な動きを示す径変化波形を得ることができる。この径変化波形を心拍同期信号として取得する。これにより、心電計や心音計のような特別な装置を必要とせず、超音波探触子2を被検体皮膚表面に当接させるだけの簡単な操作で心拍同期信号を取得することができる。ただし、上記で示した心拍同期信号の取得は、あくまで一例であって、心電計や心音計を用いてもよい。
(測定部10)
測定部10は、心拍同期信号取得部9から出力された所定のタイミングに対応するフレームの受信信号に基づき、IMT測定範囲である関心領域(Region of Interest:以下、「ROI」と略する)を設定する。そして、ROI内の受信信号から内腔内膜境界および中膜外膜境界を検出し、その間の距離を測定する。そして、計測されたROI内の距離のうち、例えば、最大値を示す値(すなわち、最大厚(maxIMT))や平均値(すなわち、平均厚(meanIMT))をIMT値として算出する。
なお、ROIの設定は、例えば、特開2010−119842号公報等に開示されている公知の方法を用いることができる。また、内腔内膜境界および中膜外膜境界の検出については、特許4829960号等に開示されている公知の方法を用いることができる。
なお、実施の形態1における測定部10は、受信信号からIMT値を算出する構成を示しているが、受信信号から所定の処理が施された信号(例えば、断層画像)からIMT値を算出する構成としてもよい。
(判定部11)
判定部11は、測定部10でIMT測定を行った際の各種基準が所定の基準を満たすか否かの判定を行い、各種基準が所定の基準を満たす場合には測定したIMT値を確定する。すなわち、判定部11は、フリーズ表示処理を行うか否かを判定するものであって、所定の基準を満たせばフリーズ表示処理を行うと判定し、所定の基準を満たすと判定されたフレームの受信信号に基づき測定されたIMT値を測定値として確定する。判定部11では、(1)判定するフレームの受信信号が基礎とされた反射超音波が超音波探触子2に取得されたときの超音波探触子2の傾斜角度がIMTを適切に測定することが可能な基準傾斜角度範囲(以後、「第1基準」とする)に含まれるか否かの判定(以後、「傾斜角度の判定」とする)と、(2)受信信号(受信信号から所定の処理が施された信号を含む)が、IMTを適切に測定することが可能な基準(以下、「第2基準」とする)を満たしているかの判定(以下、「受信信号の判定」とする)とを行う。
ここで、「フレームの受信信号の基礎とされた反射超音波が超音波探触子2に取得されたとき」とは、当該フレームの受信信号の基礎とされた反射超音波を受信するために超音波探触子2が測定対象に超音波を送信した時間、又は測定対象から反射超音波を受信した時間の少なくとも一方をさす。
図3は、超音波診断装置1の判定部11の機能ブロック図である。判定部11は、図3に示すように、受信信号判定部111、傾斜角度判定部112、記録部113および測定値決定部114を有する。判定部11に含まれる各ブロックの構成について説明する。
[受信信号判定部111]
受信信号判定部111は、受信信号及び受信信号から所定の処理が施された信号が、上述の第2基準を満たしているかを判定する。具体的には、第2基準を構成する2つの基準である第2基準(1)および第2基準(2)に基づき判定を行い、判定したフレームに係る判定結果を記録部113に出力する。
第2基準(1)に基づく判定は、被検体の皮膚表面に配置した超音波探触子2から送信された超音波が、頚動脈における血管中心近傍を捉えているかを判定するものである。この基準を設けている理由は、IMT測定が内腔内膜境界と中膜外膜境界との距離を測定するものであるため、これら境界が明瞭に断層画像として描出できる受信信号が得られなければ、適切にIMT測定が行われないためである。
この点を、図面を用いてより詳細に説明する。図4は、超音波診断装置1の受信信号判定部111における血管中心の判定を説明するための模式図であり、(a)は、被検体の皮膚表面に配置した超音波探触子2から送信された超音波が血管中心211近傍を捉えている場合、(b)は、超音波が血管中心211近傍を通らない場合を示す。頚動脈血管に対して長軸方向に垂直な方向に切断した断面における、超音波探触子2から送受信される超音波の進路と頚動脈血管との位置関係を示したものである。
超音波は、組織境界等、音響インピーダンスに差異がある境界で反射するが、境界面に対して90度に近い角度であたるほど強く反射し、明瞭な反射超音波が得られる。したがって、図4(a)に示すように被検体の皮膚表面に配置した超音波探触子2から送信された超音波が血管中心211近傍を捉えている場合(超音波の進路が血管中心211近傍上にあるとき)、超音波は血管の内腔内膜境界および中膜外膜境界に略垂直にあたり、これら境界で強く明瞭な反射超音波が得られる。
一方、図4(b)に示すように被検体の皮膚表面に配置した超音波探触子2から送信された超音波が血管中心211近傍を通らない場合、超音波が血管の内腔内膜境界および中膜外膜境界に略垂直にあたらないため、弱く不明瞭な反射超音波しか得られないことになる。そのため、断層画像上では、内腔内膜境界及び中膜外膜境界がぼやけて分離されずに描出されたり、内腔内膜境界が描出されなかったりする受信信号しか得られないため、適切なIMT測定が行われないこととなる。
したがって、受信信号判定部111が、断層画像生成部8で生成した断層画像データ中の内腔内膜境界及び中膜外膜境界が明瞭に描出されているか否かを評価することで、超音波探触子2が血管の中心近傍に捉える位置で配置されているか否かを判定することができる。具体的には、検出された血管境界位置およびその周辺部位の断層画像データにおいて、検出された内腔内膜境界位置の血管内腔側から内中膜側にかけて輝度の立ち上がりが存在するか、検出された中膜外膜境界位置の内中膜側から外膜側にかけて輝度の立ち上がりが存在するか、および検出された内腔内膜境界位置と中膜外膜境界位置の間に輝度の落ち込みがあるか等を評価することによって、血管境界の位置で断層画像に内腔内膜境界および中膜外膜境界が明瞭に描出されているか否かを判定することができる。
なお、上述の内腔内膜境界及び中膜外膜境界が明瞭に描出される血管中心近傍とは、実測長としては、超音波探触子2から送信される超音波の進路(図4において破線で示す)から血管断面の中心までの間隔が0.5mm以内程度に相当するが、厳密に限定されるものではない。
次に、第2基準(2)に基づく判定について説明する。第2基準(2)に基づく判定は、IMT測定においてタイミングを規定するための心拍同期信号が適切に取得できたか否かを判定するものである。これは、心拍同期信号取得部9が、受信信号から心拍同期信号を取得した場合に必要な判定であって、心拍同期信号取得部9が心電計や心音計である場合は、この条件の判定は不要である。
血管はその内部に流れる血流の量や流速に応じて伸縮・拡張する。心臓の収縮期には血流速度が最大となり、そのときの血管径が最大となるとともに、血管壁の厚みが最小となる。一方、心臓の拡張期では血流が最小となるので、血管径が最小となるとともに、血管壁の厚みが最大となる。すなわち、心拍に同期して血管壁の厚みが変化するため、IMT測定のタイミングによりIMT値も変化することとなる。したがって、取得した心拍同期信号が適切に取得できていなければ、適切なIMT測定が行うことができないため、受信信号判定部111は、この心拍同期信号が適切取得できたか否かを判定する。
受信信号判定部111で判定する方法としては、例えば、(a)血管径変化波形の特徴量に着目して判定する方法と、(b)血管径変化波形のモデル波形との一致度に着目して判定する方法等が考えられる。なお、受信信号判定部111は、(a)、(b)のいずれか一方のみでもよいし、両方を用いて拍動の判定を行ってもよい。
まず、(a)の方法について図面を用いて説明する。図5は、超音波診断装置1の心拍同期信号取得部による心拍同期信号の取得方法を説明するための模式図である。(a)の方法では、血管径変化波形の振幅やピークのタイミング等で示される特徴量が通常の適切な拍動において人間が取り得る範囲に入っているか否かを判定する。その特徴量のパラメータとしては、例えば、(A)最大振幅(図5中のAmax)、(B)最小振幅(図5中のAmin)、(C)最大振幅になるタイミング(図5中のTmax)と最小振幅になるタイミング(図5中のTmin)、(D)一心拍周期(図5中のTR)を用いることができる。
なお、発明者らは、例えば、(A)のAmaxが1mm弱、(B)のAminがマイナス値、(C)のTmin<Tmax、(D)のTRが1秒程度であれば、適切に拍動を取得できていると判定することができることを実験的に確認している。
次に、(2)の方法について説明する。例えば、1心拍といった所定の期間における径変化波形のモデル波形を準備し、心拍同期信号取得部9から出力された血管径変化波形と比較し、両者の整合度合いを相関係数として算出することにより判定することができる。なお、モデル波形と心拍同期信号取得部9から出力された血管径変化波形とでは、所定の期間(例えば、1心拍の期間)が異なる場合があるが、この場合、いずれかの波形を基準にもう一方の波形を時間軸上で拡張あるいは伸縮することで両者の1心拍期間が同一となり相関係数を算出することができる。
[傾斜角度判定部112]
傾斜角度判定部112は、傾斜角度の判定を行うものであって、傾斜角度算出部7から出力される傾斜角度情報に基づき、判定するフレームの受信信号の基礎とされた反射超音波が前記超音波探触子に取得されたときの超音波探触子2の傾斜角度が第1基準を満たしているか否かを判定する。具体的には、判定するフレームの受信信号の基礎とされた反射超音波を受信するために超音波探触子2が測定対象に超音波を送信したとき、又は測定対象から反射超音波を受信したときの超音波探触子2の傾斜角度が第1基準を満たしているかの判定する。第1基準を満たしている場合には、判定するフレームの受信信号が基礎とする反射超音波を受信したときに超音波探触子2は、IMTを適切に測定することが可能な基準傾斜角度範囲に存在していたこととなる。その場合、判定したフレームに係る判定結果を記録部113に出力する。
傾斜角度判定部112における、超音波探触子2の傾斜角度が第1基準を満たしているか否かの判定方法について説明する。傾斜角度判定部112には、あらかじめ所定の基準値としての基準傾斜角度が規定されている。傾斜角度判定部112は、基準傾斜角度と傾斜角度算出部7から出力されたフレームに対応する傾斜角度とを比較し、このフレームに対応する傾斜角度が基準傾斜角度と一致するか否かを判定する。IMT測定の場合、診断の都度、毎回ほぼ同一の傾斜角度で測定を行うことが望ましい。そのため、この基準傾斜角度は測定を行うべき角度である。基準傾斜角度は、操作者等があらかじめ設定した角度としてもよく、同一患者に対して過去にIMT測定を行ったときのフレームに対応する角度としてもよい。
また、判定するフレームに対応する超音波探触子2の角度と基準傾斜角度とが必ずしも完全に一致する必要はなく、例えば、基準傾斜角度から±5°の角度範囲を設定し、その範囲内にフレームに対応する超音波探触子2の傾斜角度が入れば基準角度に一致すると判定する構成であってもよい。
[記録部113]
記録部113は、断層画像データ、受信信号判定部111および傾斜角度判定部112の判定結果、IMT測定が行われたフレームに対してはIMT測定値を、超音波の送信処理のタイミング順に記録する。これにより、あるフレームにおける断層画像データ、判定結果、IMT測定値が関連付けされた状態で記録される。そして、記録部113は、これら情報を関連付けて記録した後、記録された順に逐次、測定値決定部114に出力する。
[測定値決定部114]
測定値決定部114は、記録部113から出力された情報のうち、受信信号判定部111および傾斜角度判定部112の判定結果に基づき、測定値としてIMT値を確定する。すなわち、受信信号判定部111の判定結果が第1基準を満たし、かつ傾斜角度判定部112の判定結果が第2基準を満たしと判定されたフレームの受信信号に基づき測定されたIMT値を測定値として確定する。そして、測定値が確定したフレームについては、記録部113から出力された情報に測定値が確定したことを示す情報を追加してフリーズ表示処理部12に出力する。
一方、測定値が確定しなかったフレームについては、記録部113から出力された情報をフリーズ表示処理部12に出力する。なお、ここで測定値が確定したフレームは、フリーズ表示処理部12においてフリーズ表示処理が行われる対象となる。
以上、判定部11の構成について説明した。
なお、上記において、判定部11が行う受信信号の判定について、実施の形態1ではIMT測定を例に説明しているが、IMT測定に限定されるものではなく、測定の種類、測定のやり方、操作者の設定に応じて適宜定めることができる。
また、IMT測定における受信信号の判定として、血管中心に係る基準(第2基準(1))と心拍同期信号に係る基準を第2基準(第2基準(2))として説明した。しかしながら、これは一例であって、本開示における、IMT測定における受信信号の判定基準は、これに限定されるものではない。また、IMT以外の他の被検体の特性計測や疾患に対する診断部位の特定における受信信号の判定基準についても、対象となる疾患や被検体上の部位に応じて適宜設定することができることはいうまでもない。
(フリーズ表示処理部12)
フリーズ表示処理部12は、記録部113から測定値決定部114を介して逐次出力されるフレームの情報を表示処理部13に出力する。ここで、フレームの情報とは、断層画像データ、受信信号判定部111および傾斜角度判定部112の判定結果、IMT測定が行われたフレームに対してはIMT測定値、の少なくとも1つからなる情報である。これらの情報は、上述のとおり、記録部113に超音波の送信処理のタイミング順に記録されている。
さらに、フリーズ表示処理部12は、測定値決定部114からの測定値が確定したことを示す情報の入力を監視する。フリーズ表示処理部12は、測定値決定部114から測定値が確定したことを示す情報を入力すると、フリーズ表示処理の対象となる測定値が確定したフレームの情報をフリーズ表示処理の対象となる情報として表示処理部13に出力する。すなわち、フリーズ表示処理部12は、フリーズ表示処理の対象となったフレームの情報として表示処理部13に出力した後は、測定値決定部114から出力されるフレームの情報の表示処理部13への出力を停止する。これにより、フリーズ表示処理部12は、後述する表示処理部13を介して、フリーズ表示処理の対象となる測定値が確定したフレームの情報を表示器に表示させ当該表示を継続することができる。

なお、フリーズ表示処理は、後述する表示処理部13が表示器に対して行う断層画像の更新表示を停止し、フリーズ表示処理の対象となったフレームの断層画像を静止画として表示するものであってもよい。また、表示処理部13が表示器3に対して更新表示する断層画像とは別に、フリーズ表示処理の対象となったフレームの断層画像を静止画として表示する構成であってもよい。
(表示処理部13)
表示処理部13は、フリーズ表示処理部12から供給される断層画像データ、確定したIMT測定結果がある場合はその測定値を表示器3の表示画面に表示する処理を行う。
フリーズ表示処理部12が測定値決定部114から測定値が確定したことを示す情報を受け取らない場合(フリーズ表示処理部12にてフリーズ表示処理が行われていない場合)には、表示処理部13は、記録部113から測定値決定部114を介して断層画像データを逐次生成された順(受信信号を取得した順)に入力し、逐次、表示器3に出力して表示器3の表示画面に更新表示される。
他方、フリーズ表示処理部12が測定値決定部114から測定値が確定したことを示す情報を受け取った(フリーズ表示処理部12にてフリーズ表示処理が行われた場合)には、表示処理部13は、記録部113から測定値決定部114を介して確定した測定値に対応するフレームの断層画像と確定したIMT値を入力し、表示器3に当該断層画像を出力する。この場合、表示器3に表示させる断層画像の更新は停止され、確定した測定値に対応するフレームの断層画像とともに確定したIMT値が表示器3に表示され当該IMT値の表示が継続される。
なお、フリーズ表示処理は、表示処理部13が測定値決定部114からフリーズ表示処理部12を介して測定値が確定したことを示す情報を受け取り、表示処理部13が主体的に表示器3に対して行う断層画像の更新表示を停止し、フリーズ表示処理の対象となったフレームの断層画像を静止画として表示器3に表示されるものであってもよい。
(制御部14)
制御部14は、入力器4を介して伝達される操作者の指示に基づき、制御器5に含まれる各ブロックを制御する。
≪動作について≫
以上の構成からなる超音波診断装置1の制御方法について、操作者の動作も踏まえて図6のフロー図を用いて説明する。
<ステップ1(S001>
ステップ1(S001)では、超音波探触子2を被検体皮膚表面に配置し、送受信部6が送信処理行うことで超音波探触子2から超音波を頚動脈に向けて送信し、超音波探触子2で頚動脈を含む被検体からの反射超音波を受信する。送受信部6では反射超音波に基づき受信処理を行うことで受信信号を生成し、複数の受信信号からなる1つのフレームを構築する。そして、この送信処理および受信処理を複数回繰り返し行い複数のフレームを構築し、構築した順にフレーム毎の受信信号を逐次、断層画像生成部8、心拍同期信号取得部9および測定部10に出力する。
<ステップ2(S002)>
ステップ2(S002)では、超音波探触子2に内蔵された傾斜角度測定部(加速度センサ)21が、超音波の送信処理(又は受信処理)のタイミング毎に超音波探触子2のセンサ出力情報として加速度情報を取得し、送信処理のタイミング順に傾斜角度算出部7に出力する。そして、傾斜角度算出部7では、加速度情報に基づき、所定の方向(例えば、重力方向)を基準とした超音波探触子2の傾斜角度を取得し、この傾斜角度を傾斜角度情報として、判定部11の傾斜角度判定部112に出力する。この傾斜角度算出部7による超音波探触子2の角度の算出は、傾斜角度測定部21から出力されるセンサ出力情報の順に行われる。
なお、図6では、ステップ1(S001)がステップ2(S002)より先に行われる構成となっているが、ステップ1(S001)の送信処理とステップ2(S002)のセンサ出力情報の取得は、並列に処理が行われる構成であってもよい。
<ステップ3(S003)>
ステップ3(S003)では、断層画像生成部8が、送受信部6から出力されるフレームの受信信号に基づき、その強度に対応した輝度信号へと変換し、その輝度信号を直交座標系に座標変換を施すことで断層画像を生成する。この処理は、送受信部6から出力されるフレームの順に逐次行われ、判定部11(受信信号判定部111および記録部113)へと出力される。なお、記録部113に出力された断層画像データは、出力された時系列順に記録される。
<ステップ4(S004)>
ステップ4(S004)では、心拍同期信号取得部9が、受信信号から被検体の心拍に同期した心拍同期信号を検出し、検出した心拍同期信号を判定部11と測定部10に出力する。そして、出力された心拍同期信号が示すタイミングに対応するフレームの受信信号に基づき、例えば、特開2010−119842号公報等に開示されている公知の手法を用いてROIの設定を行い、さらに、例えば、特許4829960号等に開示されている公知の方法を用いてROI内の内腔内膜境界および中膜外膜境界を検出を行い、その境界間の距離をIMTとして測定し、判定部11に出力する。IMT測定は、例えば、maxIMTやmeanIMTをIMT値として算出する。心拍同期信号が示すタイミングは、一心拍中の、例えば、心臓が収縮後拡張して血流が最小となる心拡張末期のタイミングとしてもよい
なお、図6では、ステップ3(S003)がステップ4(S004)より先に行われる構成となっているが、ステップ3(S003)とステップ4(S004)とを同時に行ってもよく、また、ステップ4(S004)をステップ3(S003)よりも先に行ってもよい。
<ステップ5(S005)>
ステップ5(S005)では、受信信号判定部111が受信信号の判定を行う。具体的には、受信信号判定部111が、上述の第2基準(1)および第2基準(2)に基づき判定を行い、第2基準(1)および第2基準(2)を満たしていれば、条件を満たしたフレームであることをそのフレームに係る断層画像データおよびIMT測定値とともに記録部113に記録し、ステップ6(S006)に移行する。一方、第2基準(1)および第2基準(2)の少なくともいずれか一方がその条件を満たしていなければ、そのフレームに係る断層画像データを記録部113に記録する。そして、記録部113からその断層画像を測定値決定部114へ出力する。その断層画像はフリーズ表示処理部12を介して表示処理部13に出力され、ステップ9(S009)に移行する。
<ステップ6(S006)>
ステップ6(S006)では、傾斜角度判定部112で傾斜角度の判定を行う。そして、傾斜角度の判定が、上述の第1基準を満たしていれば、第1基準を満たしたフレームであることを、受信信号の判定の第2基準を満たしたフレームであることに併せて記録部113に記録し、ステップ7(S007)に移行する。一方、第1基準を満たしていないフレームについては、そのフレームに係る断層画像データを記録部113に記録する。そして、記録部113からその断層画像を測定値決定部114へ出力する。その断層画像はフリーズ表示処理部12を介して表示処理部13に出力され、ステップ9(S009)に移行する。
なお、図6では、ステップ5(S005)がステップ6(S006)より先に行われる構成となっているが、ステップ5(S005)とステップ6(S006)とを同時に行ってもよく、ステップ5(S005)をステップ6(S006)よりも先に行ってもよい。
<ステップ7(S007)>
ステップ7(S007)では、記録部113から測定値決定部114に出力されたフレームのうち、受信信号の判定が第2基準を満たし、かつ傾斜角度の判定が第1基準を満たしたフレームに係るIMT測定結果を適切なIMT値として確定し、ステップ8(S008)に移行する。受信信号の判定が第2基準を満たし、かつ傾斜角度の判定が第1基準を満たしたフレームが複数ある場合には、いずれかのフレームに係るIMT測定結果を適切なIMT値として確定し、ステップ8(S008)に移行する。例えば、時間的に最も新しく取得したフレームに係るIMT測定結果を適切なIMT値として確定してもよい。
<ステップ8(S008)>
ステップ8(S008)では、フリーズ表示処理部12が、ステップ7(S007)でIMT値が確定したフレームについて、フリーズ表示処理を行う。具体的には、フリーズ表示処理部12は、測定値決定部114から測定値が確定したことを示す情報を入力すると、フリーズ表示処理の対象となる測定値が確定したフレームの情報をフリーズ表示処理の対象となる情報として表示処理部13に出力し、ステップ9(S009)に移行する。ここで、フレームの情報とは、例えば、断層画像データ、受信信号判定部111および傾斜角度判定部112の判定結果、IMT測定が行われたフレームに対してはIMT測定値である。
<ステップ9(S009)>
ステップ9(S009)では、表示処理部13は、少なくとも生成された断層画像データと確定したIMT測定値がある場合には、その断層画像データ又はIMT値の少なくとも一方を表示器3中の表示画面に表示する処理を行う。すなわち、表示処理部13は、フリーズ表示処理部12にてフリーズ表示処理が行われた場合に、確定したIMT測定値に対応するフレームの断層画像とともに確定したIMT値を表示器3に表示し当該表示を継続させる処理を行い、プロセスを終了する。
他方、表示処理部13は、フリーズ表示処理が行われていない場合は、断層画像データを逐次生成した順(すなわち、受信信号を取得した順)に逐次、更新して表示する処理を行いプロセスを終了する。
<傾斜角度の判定の効果について>
次に、実施の形態1に係る超音波診断装置1における傾斜角度の判定の効果について、図面を用いて説明する。図7は、超音波診断装置1における傾斜角度判定部を説明するための補助図である。図7は頭部側から示した被検体の模式図である。破線矢印は頚動脈のIMT測定を行うときに首筋表面に配置する超音波探触子2の適切な基準傾斜角度(θ)を示したものである。実線矢印は傾斜角度判定部112で判定される判定対象フレームを取得する際に、超音波探触子2を首筋表面に配置した状態で、超音波探触子2が反射超音波を取得したときの超音波探触子2の傾斜角度(θ1)を示している。ここで、θおよびθ1は、一例として、超音波探触子2の超音波出射方向(範囲がある場合はその範囲の中央付近)の重力方向に対する相対角度をして規定している。
ここでも、「超音波探触子2が反射超音波を取得したとき」とは、当該フレームの受信信号の基礎とされた反射超音波を受信するために超音波探触子2が超音波を送信したとき、又は測定対象から反射超音波を受信したときの少なくとも一方をさす。
例えば、超音波探触子2を首筋表面に配置した角度(θ1)で、受信信号判定部111の判定結果が上述の第2基準を満たすと判定された場合、傾斜角度判定部112における傾斜角度判定を行わない構成では、フリーズ表示処理が行われてしまう。この場合、適正な測定ができる基準傾斜角度(θ)以外の傾斜角度で取得されたフレームがフリーズ表示処理の対象となり、そのフレームの断層画像が表示器3にフリーズ表示される。
これに対し、傾斜角度判定部112の判定結果をフリーズ表示処理をするための基準とすることで、基準傾斜角度(θ)近傍で取得されたフレームを対象としてフリーズ表示処理を行うことができる。そのため、適正な測定ができる基準傾斜角度(θ)以外の傾斜角度で取得されたフレームがフリーズ表示処理されるという不要なフリーズ表示処理を抑制することができる。
すなわち、IMTを含む被検体の特性計測や疾患に対する診断部位の特定において、不要なフリーズ表示処理を抑制することができる。これにより、簡便な操作で診断部位の特定ができ、超音波診断装置の使い勝手を向上させることができる。
≪実施の形態2≫
実施の形態1では、傾斜角度判定部112は、フレームの受信信号の基礎とされた反射超音波が超音波探触子2に取得されたときの前記超音波探触子2の傾斜角度が所定の角度範囲に含まれるときに第1基準を満たすと判定する構成とした。 実施の形態2では、傾斜角度判定部112は、フレームの受信信号の基礎とされた反射超音波が超音波探触子2に取得されたときの前記超音波探触子2の傾斜角度変動が所定の基準値以下であるときに第1基準を満たすと判定する構成とした点で、実施の形態1と相違する。係る構成により、操作者が超音波探触子2を被検体皮膚表面上で動かし測定対象を探索している際中に、受信信号判定部111が第2基準を満たしていると判定し不要なフリーズ表示処理が行われることを防止することができる。傾斜角度判定部112以外の構成については、実施の形態1に示した各要素と同じであり説明を省略する。
具体的には、実施の形態2に係る構成では、傾斜角度判定部112は、傾斜角度算出部7から出力される傾斜角度を逐次監視し解析する。具体的には、傾斜角度算出部7から逐次出力される傾斜角度から傾斜角度の時間的な変動(以後、「傾斜角度変動」とする)を算出する。例えば、あるフレーム(N)の傾斜角度が40°であり、このフレームの直前のフレーム(N−1)の傾斜角度が30°とすると、この場合のフレーム(N)の傾斜角度変動は+10°として算出することができる。そして、この傾斜角度変動の算出処理を、逐次繰り返し行う。
そして、傾斜角度判定部112は、あらかじめ所定の基準値を備え、時間的に連続する所定数のフレームにおける傾斜角度変動が所定の基準値以下であるときに、所定数のフレームそれぞれが第1基準を満たしたフレームであると判定する。
一方、時間的に連続する複数のフレームにおける傾斜角度変動のうち、例えば、1つのフレームが所定の基準値を超えた場合は、傾斜角度判定部112は所定数のフレームが第1基準を満たさないフレームであると判定し、続いて出力される傾斜角度の変動した次フレームの傾斜角度に基づき、傾斜角度変動の判定を行う。
上記のように傾斜角度判定部112が判定する理由について、図面を用いて説明する。
図8は、実施の形態2に係る超音波診断装置における傾斜角度判定部を説明するための補助図である。図8は、傾斜角度算出部7で取得した傾斜角度変動をプロットし、時間との関係を示した概略図であり、縦軸が各フレームにおける傾斜角度変動、横軸が時間軸を示す。横軸は右側ほど新しい時刻を示す。F1〜F20は、傾斜角度変動のプロットに対応したフレームを示している。ここでは、例えば、時間的に連続する所定数のフレームを5フレームとした場合、(A)所定数のフレームをF4〜F8とした場合、(B)所定数のフレームをF12〜F16とした場合、(C)所定数のフレームをF16〜F20とした場合の3つの例を傾斜角度判定部112で判定した例を説明する。
(A)の場合、F4のフレームを除く他のフレームの傾斜角度変動は基準値を超えており、傾斜角度判定部112は第1基準を満たさないと判定する。これは、例えば、操作者が超音波探触子2を動かして所望の位置に移動させている場合が想定される。係る場合には、受信信号判定部111でF4〜F8のいずれかのフレームの受信信号が上述の第2基準を満たしているとき不要なフリーズ表示処理を行うことになる。したがって、傾斜角度判定部112は、このような場合、傾斜角度判定部112は第1基準を満たさないと判定してフリーズ表示処理を行うことを抑制し、不要なフリーズ表示処理の実行を防止する。
(B)の場合、F13のフレームの傾斜角度変動のみが基準値を超えており、その他のフレームの傾斜角度変動は基準値内に収まっている。この場合も(A)と同様に、傾斜角度判定部112は第1基準を満たさないと判定する。これは、操作者が超音波探触子2を所望の位置近傍に配置しているものの、その位置の微調整等を行っていることが想定される。このような場合もフリーズ表示処理を行うことは望ましくなく、傾斜角度判定部112はし、不要なフリーズ表示処理の実行を防止する。
(C)の場合、F16〜F20全てのフレームの傾斜角度変動が、基準値内に収まっているため、傾斜角度判定部112は第1基準を満たしていると判定する。これは、一定期間、超音波探触子2の変動角度が基準値内に収まっているということは、ブレがなく適切な角度に超音波探触子2が配置され、フリーズ表示を行ってもよい条件が整っていることを示している。係る場合、F16〜F20のフレームが、測定値決定部114においてIMT測定値を決定するための対象フレームとなる。そして、F16〜F20のフレームのうち、受信信号判定部111において第2基準を満たすフレームがIMT測定値の確定対象フレームとなり、このフレームがフリーズ表示処理の対象となる。
上記した構成におる傾斜角度判定部112の判定結果をフリーズ表示処理をするための基準とすることで、傾斜角度変動が基準値以下の状態で取得されたフレームを対象としてフリーズ表示処理を行うことができる。そのため、適正な測定ができる傾斜角度変動の基準値以上の傾斜角度変動下で取得したフレームがフリーズ表示処理されるというような不要なフリーズ表示処理を抑制することができる。
これにより、操作者が超音波探触子2を被検体皮膚表面上で動かし測定対象を探索している際中に不要なフリーズ表示処理が行われることを抑制することができ、簡便な操作で診断部位の特定ができ、超音波診断装置の使い勝手を向上させることができる。
<変形例>
以上、各実施の形態に係る超音波診断装置について説明した。なお、本開示は、各実施の形態に限定されるものではない。
実施の形態1においては、フリーズ表示処理を行う条件として、受信信号の判定結果と超音波探触子の傾斜角度の判定結果を用いる説明をした。しかしながら、フリーズ表示処理を行う条件として、超音波探触子の傾斜角度の判定結果を用いて、受信信号の判定結果をフリーズ表示処理を行う条件に組み込むか否かは、検査・測定の目的に応じて適宜設定することができる構成としてもよい。
また、実施の形態においては、超音波探触子2は、複数の圧電素子が一次元方向に配列された超音波探触子2構成を示した。しかしながら、超音波探触子2の構成は、これに限定されるものではなく、例えば、複数の圧電変換素子が2次元に配列された超音波探触子を用いることも可能である。
また、各実施の形態における超音波診断装置に含まれる処理部の一部又は全部が、超音波探触子2に含まれてもよい。
また、各実施の形態に係る超音波診断装置に含まれる各処理部は典型的には集積回路であるLSIとして実現される。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部又は全てを含むように1チップ化されてもよい。
また、集積回路化はLSIに限るものではなく、専用回路又は汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後にプログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)、又はLSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。
また、各実施の形態に係る、超音波診断装置の機能の一部又は全てを、CPU等のプロセッサがプログラムを実行することにより実現してもよい。
さらに、本開示は上記プログラムであってもよいし、上記プログラムが記録された非一時的なコンピュータ読み取り可能な記録媒体であってもよい。また、上記プログラムは、インターネット等の伝送媒体を介して流通させることができるのは言うまでもない。
また、ブロック図における機能ブロックの分割は一例であり、複数の機能ブロックを一つの機能ブロックとして実現したり、一つの機能ブロックを複数に分割したり、一部の機能を他の機能ブロックに移してもよい。また、類似する機能を有する複数の機能ブロックの機能を単一のハードウェア又はソフトウェアが並列又は時分割に処理してもよい。
また、上記のステップが実行される順序は、本開示を具体的に説明するために例示するためのものであり、上記以外の順序であってもよい。また、上記ステップの一部が、他のステップと同時(並列)に実行されてもよい。
また、各実施の形態に係る超音波診断装置、及びその変形例の機能のうち少なくとも一部を組み合わせてもよい。
さらに、本実施の形態に対して当業者が思いつく範囲内の変更を施した各種変形例も本開示に含まれる。
≪まとめ≫
以上、説明したとおり、実施の形態1に係る超音波診断装置および超音波診断装置の制御方法によれば、受信信号の判定結果および超音波探触子の傾斜角度の判定結果に基づきフリーズ表示処理を行うことができる。これにより、IMTを含む被検体の特性計測や疾患に対する診断部位の特定において不要なフリーズ表示処理を抑制することができ、簡便な操作で診断部位の特定が可能となる。そのため、超音波診断装置の使い勝手を向上させることができる。
≪補足≫
以上で説明した実施の形態は、いずれも本開示の好ましい一具体例を示すものである。実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、工程、工程の順序などは一例であり、本開示を限定する主旨ではない。また、実施の形態における構成要素のうち、本開示の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない工程については、より好ましい形態を構成する任意の構成要素として説明される。
また、本開示の理解の容易のため、上記各実施の形態で挙げた各図の構成要素の縮尺は実際のものと異なる場合がある。また本開示は上記各実施の形態の記載によって限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
さらに、超音波診断装置においては基板上に回路部品、リード線等の部材も存在するが、電気的配線、電気回路について当該技術分野における通常の知識に基づいて様々な態様を実施可能であり、本開示の説明として直接的には無関係のため、説明を省略している。尚、上記示した各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示したものではない。
本開示に係る超音波診断装置および超音波診断装置の制御方法によれば、上記構成とすることで、操作者にとって使い勝手を向上させることが可能となる。したがって、簡便な操作が可能な超音波診断装置において広く活用することができる。
1 超音波診断装置
2 超音波探触子
3 表示器
4 入力器
5 制御器
6 送受信部
7 傾斜角度算出部
8 断層画像生成部
9 心拍同期信号取得部
10 測定部
11 判定部
12 フリーズ表示処理部
13 表示処理部
14 制御部
21 傾斜角度測定部
111 受信信号判定部
112 傾斜角度判定部
113 記録部
114 測定値決定部
200 頚動脈
201 血管内腔
202 外膜
203 内中膜
204 内膜
205 内腔内膜境界
206 中膜
207 中膜外膜境界
208 IMT測定範囲
209 前壁
210 後壁
211 血管中心

Claims (8)

  1. 表示器が接続可能に構成された超音波診断装置であって、
    傾斜角度測定部を備えた超音波探触子が接続可能に構成され、
    測定対象を含む被検体に対して前記超音波探触子を介して超音波を送信する送信処理と、前記超音波探触子を介して前記測定対象からの反射超音波に基づく受信信号をフレーム毎に取得する受信処理とを行う送受信部と、
    前記超音波探触子の傾斜角度が所定の角度範囲に含まれる状態、又は傾斜角度変動が所定の基準値以下である状態の少なくともいずれかにおいて、前記超音波探触子により前記測定対象から取得された反射超音波に基づくフレームの受信信号が所定の基準を満たすときに、前記所定の基準を満たしたフレームの受信信号に基づき生成された断層画像を前記表示器に表示させ当該表示を継続させるフリーズ表示処理部と
    を備えた超音波診断装置。
  2. 前記受信信号に基づきフレーム毎に断層画像を生成する断層画像生成部と、
    前記断層画像を前記表示器に表示させる表示処理部と、
    前記傾斜角度測定部から逐次取得された前記超音波探触子の傾斜角度が所定の角度範囲に含まれるか否かを判定する傾斜角度判定部と、
    前記送受信部が取得したフレームの受信信号が前記所定の基準を満たすか否かを判定する受信信号判定部とを備え、
    前記傾斜角度判定部が、1以上のフレームの受信信号の基礎とされた反射超音波が前記超音波探触子に取得されたときの前記超音波探触子の傾斜角度が所定の角度範囲に含まれると判定し、
    前記受信信号判定部が、前記1以上のフレームの受信信号が前記所定の基準を満たすと判定したとき、
    前記フリーズ表示処理部は、前記1以上のフレームに含まれる少なくとも1のフレームの受信信号に基づき前記断層画像生成部により生成された断層画像を前記表示処理部を介して前記表示器に表示させ当該表示を継続させる
    請求項1に記載の超音波診断装置。
  3. 前記受信信号に基づきフレーム毎に断層画像を生成する断層画像生成部と、
    前記断層画像を前記表示器に表示させる表示処理部と、
    前記傾斜角度測定部から逐次取得された前記超音波探触子の傾斜角度変動が所定の基準値以下であるか否かを判定する傾斜角度判定部と、
    前記送受信部が取得したフレームの受信信号が所定基準を満たすか否かを判定する受信信号判定部とをさらに備え、
    前記傾斜角度判定部が、1以上のフレームの受信信号の基礎とされた反射超音波が前記超音波探触子に取得されたときの前記超音波探触子の傾斜角度変動が傾斜角度変動が所定の基準値以下であると判定し、
    前記受信信号判定部が、前記1以上のフレームの受信信号が前記所定の基準を満たすと判定したとき、
    前記フリーズ表示処理部は、前記1以上のフレームに含まれる少なくとも1のフレームの受信信号に基づき前記断層画像生成部が生成した断層画像を前記表示処理部を介して前記表示器に表示させ当該表示を継続させる
    請求項1に記載の超音波診断装置。
  4. 前記受信信号判定部は、前記1以上のフレームの受信信号の基礎とされた反射超音波が前記測定対象における所定の領域から心拍周期における所定のタイミングにて取得されているときに前記所定の基準を満たすと判定する
    請求項2又は3の何れか1項に記載の超音波診断装置。
  5. 前記受信信号に基づき前記測定対象の特性を測定する測定部をさらに備え、
    前記フリーズ表示処理部は、前記測定部により前記1以上のフレームに含まれる少なくとも1のフレームの受信信号に基づき測定された前記特性の測定結果を前記表示器に表示させ当該表示を継続させる
    請求項2又は3の何れか1項に記載の超音波診断装置。
  6. 前記特性はIMTである
    請求項5に記載の超音波診断装置。
  7. 前記傾斜角度測定部は角度センサであり、
    前記角度センサから逐次取得した信号に基づき前記超音波探触子の傾斜角度を算出する傾斜角度算出部をさらに備えた
    請求項1に記載の超音波診断装置。
  8. 傾斜角度測定部を備えた超音波探触子と表示器とが各々接続可能に構成された超音波診断装置の制御方法であって、
    測定対象を含む被検体に対して前記超音波探触子を介して超音波を送信する送信処理と、前記超音波探触子を介して前記測定対象からの反射超音波に基づく受信信号をフレーム毎に取得する受信処理とを行う送受信ステップと、
    前記超音波探触子の傾斜角度が所定の角度範囲に含まれる状態、又は傾斜角度変動が所定の基準値以下である状態の少なくともいずれか一方において、前記超音波探触子により前記測定対象から取得された反射超音波に基づくフレームの受信信号が所定の基準を満たすときに、前記所定の基準を満たしたフレームの受信信号に基づき生成された断層画像を前記表示器に表示させ当該表示を継続させるフリーズ表示処理ステップと
    を有する超音波診断装置の制御方法。
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