JPWO2014104237A1 - ガスバリア性積層体 - Google Patents

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Abstract

本発明は、内容物を密閉充填する包装材料として使用したり、インモールドラベルとして樹脂容器の最外層に貼着する場合に、水蒸気、酸素や有害ガスを遮断して内容物の化学的変化を軽減・防止することができるガスバリア性積層体を提供する。本発明のガスバリア性積層体は、記録層(D)を有する樹脂フィルム層(B)と、ヒートシール層(E)を有する樹脂フィルム層(C)との間に、熱可塑性樹脂フィルムからなるガスバリア層(A)を少なくとも1層積層し、記録層(D)の表面抵抗率が1×108〜9×1012Ωである。

Description

本発明は、食品や化粧品などの内容物を密閉充填する包装材料、特に袋、容器、または蓋材などの様態の包装材料に、単体でまたは複合体の一部として使用されるガスバリア性積層体であって、空気中に含まれる水蒸気、酸素や有害ガスを遮断することにより、内容物の化学的変化を軽減・防止することを目的に使用されるガスバリア性積層体に関する。
樹脂は軽量で単体でも防湿性が高いことから、従来から袋、容器、または蓋材など様々な様態の包装材料に使用されてきた。
更に樹脂性の包装材料にガスバリア性を持たせることによって、内容物の劣化や腐敗を防止したり、保香性を付与したりするなど様々な提案がなされてきた。
通常、樹脂性の包装材料にガスバリア性を付与する方法としては、塩化ビニリデン樹脂(PVDC)、ビニルアルコール樹脂(PVA)、エチレン・ビニルアルコール共重合体樹脂(EVOH)等のガスバリア性の高い樹脂を用いたフィルムや、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミドなどの熱可塑性樹脂フィルムにアルミニウムなどの金属、または酸化ケイ素、酸化アルミニウムなどの無機酸化物を蒸着したフィルム、或いはアルミ箔に代表される金属箔を積層したフィルム等を使用することが過去に提案されている。これらの手法の中でも、ガスバリア性樹脂を使用することは柔軟性、耐衝撃性、耐ピンホール性等のメリットが得られ、有用である。
例えば、特許文献1〜3にはガスバリア性樹脂をフィルムに使用して衝撃性、耐ピンホール性が優れた包装材料を得る方法が開示されている。
又、特許文献4〜6には容器を成形する際にガスバリア性樹脂を有するフィルムより得られたラベルをインモールド成形にて貼着することにより内容物の腐敗を防止することが可能な容器が開示されている。
しかしながらこれらの提案で使用されているフィルムは、何れも静電気を帯び易く、表面に汚れやゴミや埃が付着し易いという欠点があり、しかも印刷インキの密着性が充分ではないため印刷物の耐水性が弱く、印刷を施した面にオーバーコートやラミ加工を実施する必要があった。又、得られる包装袋や包装容器も同様に帯電し易くゴミや埃が付着し易い欠点があり、製品外観悪化や衛生面での問題が発生する場合があった。
日本国特開昭59−001346号公報 日本国特開昭60−168649号公報 日本国特開2008−012764号公報 日本国登録実用新案第3024995号公報 日本国特開平10−129737号公報 日本国特開2007−122066号公報
本発明は上記先行技術の欠点に鑑み、帯電による印刷工程での埃やゴミの付着が少なく、かつ優れた印刷性を有しており、食品や化粧品などの内容物を密閉充填する包装材料としてそのまま袋状に加工して包装袋として使用したり、インモールドラベルとして樹脂容器の最外層に貼着して包装容器として使用したりした場合に、水蒸気、酸素や有害ガスを遮断して内容物の化学的変化を軽減・防止することができるガスバリア性積層体を提供することを目的とした。
本発明者らは、上記の課題を解決する為に鋭意検討を進めた結果、特定の構造を有する積層体によって、所期の特性を有するガスバリア性積層体を提供し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
以下、本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
本発明は、以下の(1)〜(13)に記載のガスバリア性積層体、(14)に記載の包装袋、および(15)に記載の包装容器に関する。
(1)記録層(D)を有する樹脂フィルム層(B)と、ヒートシール層(E)を有する樹脂フィルム層(C)との間に、熱可塑性樹脂フィルムから形成されるガスバリア層(A)を少なくとも1層積層した積層体であって、前記記録層(D)側の表面抵抗率が1×10〜9×1012Ωである、ガスバリア性積層体。
(2)ガスバリア性積層体における、23℃、0%RHに於ける酸素ガス透過度は0.001〜5cm/(m・24h・atm)であり、かつ38℃、90%RHに於ける透湿度は0.01〜10g/(m・24h)であることが好ましい。
(3)前記記録層(D)は、顔料粒子1〜70重量%、バインダー樹脂0〜98重量%、および脂溶性のポリマー帯電防止剤1〜99重量%を含むコート層であることが好ましく、
(4)前記ポリマー帯電防止剤は、アルキレンオキシド基および水酸基の何れか一方と、アルカリ金属イオンを含有していることが好ましく、
(5)前記ポリマー帯電防止剤は、下記一般式(1)で表される構造を含むことが好ましい。
Figure 2014104237
(式(1)中、R、Rは各々独立に水素原子またはメチル基を表し、Rは水素原子、塩素原子またはメチル基を表し、Rは炭素数1〜30のアルキル基を表し、Aは下記の<1群>から選択される1種の連結基か、下記の<1群>から選択される1種以上の連結基と下記の<2群>から選択される1種以上の連結基とが交互に結合した連結基か、または単結合を表し、
<1群>置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキレン基、
置換基を有していてもよい炭素数6〜20のアリーレン基
<2群>−CONH−、−NHCO−、−OCONH−、
−NHCOO−、−NH−、−COO−、−OCO−、−O−
Mはアルカリ金属を表し、mは0〜300の整数を表し、nは1〜300の整数を表し、pは1〜100の整数を表す。pが2以上である場合、Rは同一であってもよく、異なっていてもよい。)
(6)前記記録層(D)は、アルカリ金属イオンを0.01〜1重量%含有していることが好ましく、
(7)前記アルカリ金属イオンは、リチウムイオンであることが好ましい。
(8)前記ガスバリア層(A)を構成する前記熱可塑性樹脂フィルムは、ビニルアルコール樹脂、およびエチレン・ビニルアルコール共重合体樹脂の少なくとも一つを含むビニルアルコール系樹脂を含むことが好ましく、
(9)前記ガスバリア層(A)は、前記ビニルアルコール系樹脂を少なくとも一軸方向に延伸した延伸フィルムを含むことが好ましい。
(10)前記樹脂フィルム層(B)及び前記樹脂フィルム層(C)は、オレフィン系樹脂を含むことが好ましく、
(11)前記樹脂フィルム層(B)及び前記樹脂フィルム層(C)は、オレフィン系樹脂の2軸延伸フィルムを含むことが好ましい。
(12)前記ヒートシール層(E)は融点60〜150℃の熱可塑性樹脂を含むことが好ましく、
(13)前記樹脂フィルム層(B)の厚みは5〜200μmであり、前記樹脂フィルム層(C)の厚みは5〜200μmであり、かつ前記ガスバリア層(A)の厚みは1〜50μmであることが好ましい。
(14)本発明は更に、(1)〜(13)の何れか一つに記載のガスバリア性積層体の記録層(D)側表面に印刷を施し、これを袋状にヒートシール加工したガスバリア性包装袋を含み、
(15)(1)〜(13)の何れか一つに記載のガスバリア性積層体の記録層(D)側表面に印刷を施し、これをラベルとしてインモールド成形したガスバリア性包装容器を含む。
本発明のガスバリア性積層体は、優れた酸素バリア性、水蒸気バリア性、ヒートシール性、柔軟性、耐衝撃性、耐ピンホール性を具備しており、食品用や化粧品用の包装材料として、そのまま袋状に加工して包装袋として使用することができ、インモールドラベルとして容器の最外層に貼着して包装容器として使用することができる。
特に本発明のガスバリア性積層体によれば、帯電のし難さにより印刷・抜き工程での埃やゴミの付着が少なく、次いで得られる包装袋や包装容器は印刷面の耐水性が高く、積層体同様に埃やゴミが付着し難い。
図1は、本発明のガスバリア性積層体の一態様の断面図である。 図2は、本発明のガスバリア性積層体を使用した包装袋の一例である。 図3は、本発明のガスバリア性積層体を使用したインモールドラベルの一例である。 図4は、本発明のガスバリア性積層体をインモールド成形した包装容器の一例の断面図である。 図5は、本発明のガスバリア性積層体をインモールド成形した包装容器の一例を底面側から見た斜視図である。
[ガスバリア性積層体]
本発明のガスバリア性積層体は、記録層(D)を有する樹脂フィルム層(B)と、ヒートシール層(E)を有する樹脂フィルム層(C)との間に、熱可塑性樹脂フィルムから形成されるガスバリア層(A)を少なくとも1層積層した積層体より構成されるものである(図1参照)。
また本発明のガスバリア性積層体は、記録層(D)側表面に印刷を施し、これを袋状にヒートシール加工したガスバリア性包装袋となり得るものである(図2参照)。
また本発明のガスバリア性積層体は、記録層(D)側表面に印刷を施し、これをラベルとしてインモールド成形したガスバリア性包装容器となり得るものである(図3、4、5参照)。
本発明のガスバリア性積層体を構成する、樹脂フィルム層(B)の厚みは5〜200μmであることが好ましく、樹脂フィルム層(C)の厚みは5〜200μmであることが好ましく、ガスバリア層(A)の厚みが1〜50μmであることが好ましい。
以下、本発明のガスバリア性積層体を構成する各部材について詳細に説明する。
[ガスバリア層(A)]
ガスバリア層(A)は、ガスバリア性積層体において、酸素、二酸化炭素、窒素、その他無機系ガス、有機系ガス等のガスの透過をバリアすることを目的に、ガスバリア性積層体の厚み方向に一層以上設ける。本発明においてガスバリア層(A)は、柔軟性、耐衝撃性、耐ピンホール性の観点から熱可塑性樹脂フィルムを用いる。
ガスバリア性を有する熱可塑性樹脂としては、得られるガスバリア性積層体の23℃、0%RHに於ける酸素ガス透過度が0.001〜5cm/(m・24h・atm)の範囲とするものであれば特に限定されない。
本発明のガスバリア性積層体の酸素ガス透過度は、5cm/(m・24h・atm)以下であることが好ましく、3cm/(m・24h・atm)以下であることがより好ましく、1cm/(m・24h・atm)以下であることが更に好ましい。ガスバリア性積層体の酸素ガス透過度が5cm/(m・24h・atm)を超えると、食品、化粧品、薬品、工業薬品、農薬、電子部品、機械部品などの内容物を包装して長期間に渡り保管した場合に、酸素により酸化、劣化、腐食してしまいやすく、本発明の所期の性能を発揮できない場合がある。
一方、酸素ガス透過度は、0.001cm/(m・24h・atm)以上であることが好ましく、0.005cm/(m・24h・atm)以上であることがより好ましく、0.01cm/(m・24h・atm)以上であることが更に好ましい。酸素ガス透過度が0.001cm/(m・24h・atm)以上であれば実用に耐えうる。酸素ガス透過度をこれより低下させようとすると、ガスバリア層(A)の熱可塑性樹脂に特殊なものを使用し厚みを増やす必要があり、本発明のガスバリア性積層体の柔軟性が低下して印刷や型抜き加工の適性が低下する。また、ガスバリア性包装袋やガスバリア性包装容器への加工が難しくなる。
ガスバリア性を有する熱可塑性樹脂としては、例えば、ビニルアルコール樹脂(PVA)、エチレン・ビニルアルコール共重合体樹脂(EVA)、アクリルニトリル樹脂(AN)、塩化ビニリデン樹脂(PVDC)、ナイロン6(PA6)等が特に代表的であるが、本発明のガスバリア層(A)に使用する熱可塑性樹脂としては、中でもガスバリア性が高く、成形性が良好なビニルアルコール樹脂、およびエチレン・ビニルアルコール共重合体樹脂の少なくとも一つを含むビニルアルコール系樹脂を用いることが好ましく、ガスバリア性の高さからビニルアルコール樹脂を用いることが特に好ましい。
該ビニルアルコール樹脂は、ビニルエステルを重合して得られるビニルエステル重合体をケン化することにより製造することができる。ビニルエステルとしては、酢酸ビニル、ギ酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル、バーサティック酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、および安息香酸ビニル等を例示することができる。これらの中でも、酢酸ビニルが入手の容易性、ビニルアルコール樹脂の製造の容易性、コスト等の観点から好ましく用いられる。
前記のビニルアルコール樹脂は、ビニルエステルの単独重合体のケン化物に限定されず、本発明の効果が損なわれることがない限り、ビニルエステルと共重合可能な他の単量体との共重合体のケン化物、ビニルアルコール樹脂の水酸基の一部が架橋されたポリビニルアセタール等を用いることもでき、本発明ではこれらを総括してビニルアルコール系樹脂と称する。
ここで、ビニルエステルとの共重合に用いることができる他の単量体としては、例えば、
エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブテン等の炭素数2〜30のα−オレフィン類;
(メタ)アクリル酸およびその塩;
(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸i−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸i−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルへキシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル等の(メタ)アクリル酸エステル類;
(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリルアミドプロパンスルホン酸およびその塩、(メタ)アクリルアミドプロピルジメチルアミンおよびその塩、N−メチロール(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド誘導体;
N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルピロリドン等のN−ビニルアミド類;
メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、i−プロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、i−ブチルビニルエーテル、t−ブチルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテル、ステアリルビニルエーテル等のビニルエーテル類;
アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のニトリル類;
塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン等のハロゲン化ビニル類;
酢酸アリル、塩化アリル等のアリル化合物;
マレイン酸、その塩およびそのエステル;
イタコン酸、その塩およびそのエステル;
ビニルトリメトキシシラン等のビニルシリル化合物;
酢酸イソプロペニル;
不飽和スルホン酸等を挙げることができる。
これらの単量体は、1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
ビニルアルコール樹脂の水酸基の一部が架橋されたポリビニルアセタールとしては、例えば、ホルムアルデヒド、ブチルアルデヒド、ベンズアルデヒド等のアルデヒド類でビニルアルコール樹脂の水酸基の一部が架橋されたポリビニルアセタールを挙げることができる。
本発明において使用されるビニルアルコール樹脂の重合度は、フィルムの力学物性の観点から500以上あることが好ましく、700以上あることがより好ましく、1000以上あることがさらに好ましい。ビニルアルコール樹脂の重合度が500以上であれば、フィルムが脆くなるおそれがない。一方、ビニルアルコール樹脂の重合度は、3000以下であることが好ましく、2500以下であることがより好ましく、2000以下であることがさらに好ましい。ビニルアルコール樹脂の重合度が3000以下であれば、ビニルアルコール樹脂の溶融粘度が高くなりすぎることもなく、熱溶融成形性が乏しくなるおそれもない。なお、本明細書でいうビニルアルコール樹脂の重合度は、JIS−K−6726:1994に準じて測定した平均重合度を意味する。
また、ビニルアルコール樹脂のケン化度は、得られるビニルアルコール樹脂フィルムの成形性を向上させる観点から、85モル%以上であることが好ましく、90モル%以上がより好ましく、97モル%以上がさらに好ましく、98モル%以上が最も好ましい。ビニルアルコール樹脂のケン化度が85モル%以上であれば、ビニルアルコール樹脂フィルムの粘着性が高くなりすぎることもなく、ビニルアルコール樹脂フィルムを熱溶融成形法で連続して工業的に製造することが容易となる。
なお、ビニルアルコール樹脂のケン化度とは、重合体を構成する構造単位のうちで、ケン化によってビニルアルコール単位に変換され得る単位(典型的にはビニルエステル単位)の全モル数に対して実際にビニルアルコール単位にケン化されている単位の割合(モル%)をいう。ビニルアルコール樹脂のケン化度はJIS−K−6726:1994に記載されている方法に準じて測定することができる。
[ガスバリア層(A)の成形]
ガスバリア層(A)を形成する際の成形方法は特に限定されず、公知の種々の成形方法が使用できる。具体的には、スクリュー型押出機に接続された単層または多層のTダイやIダイを使用して溶融樹脂をシート状に押し出すキャスト成形法、円形ダイを使用し溶融樹脂をチューブ状に押し出し内部の空気圧力で膨張させるインフレ−ション成形法、混練された材料を複数の熱ロールで圧延しシート状に加工するカレンダー成形法、水などの溶媒に溶解し、表面を平滑にしたドラム(キャスティングドラム)あるいはステンレス製の平滑ベルト上に溶液を流し込んで付着させ、これを加熱工程に通して乾燥する溶液法などが挙げられる。
[ガスバリア層(A)の延伸]
ガスバリア層(A)は、少なくとも一軸方向に延伸されていることが好ましく、ほぼ直交する2軸方向に延伸されていることがより好ましい。ガスバリア性樹脂は延伸による配勾により、ガスバリア性が更に向上する傾向がある。一軸延伸よりも二軸延伸の方が、最終的な延伸倍率を高くしやすい為、よりガスバリア性の優れたガスバリア層(A)を得ることが出来る。
延伸の具体的な方法としては、ロール群の周速差を利用したロール間延伸、ロールの圧力によるロール圧延、テンタークリップよる延伸、インフレーション成形による再ブロー延伸などを挙げることができる。ガスバリア層(A)を二軸延伸フィルムにする場合は、これらの手法を組み合わせるか、或いはテンタークリップによる同時二軸延伸や、インフレーション成形による再ブロー延伸を用いれば良い。延伸倍率は特に限定されず、本発明のガスバリア層(A)に用いる熱可塑性樹脂の特性等を考慮して適宜決定する。例えば、ビニルアルコール樹脂を使用する場合、一軸方向に延伸する時には約1.2〜20倍であることが好ましく、2〜15倍であることがより好ましい。二軸方向に延伸する場合は面積倍率で2〜30倍であることが好ましく、3〜20倍であることがより好ましい。延伸後のガスバリア層(A)には必要に応じて、さらに高温での熱処理を施すこともできる。
[厚み]
ガスバリア層(A)は、その厚みが1μm以上であることが好ましく、3μm以上であることがより好ましく、5μm以上であることが特に好ましい。ガスバリア層(A)の厚みが1μm以上であれは、ガスバリア層(A)のガスバリア性が得られやすく、本発明の所期の性能のガスバリア性積層体を得やすい傾向がある。逆にガスバリア層(A)は、その厚みが50μm以下であることが好ましく、40μm以下であることがより好ましく、30μm以下であることが特に好ましい。ガスバリア層(A)の厚みが50μm以下であれば、同層の剛性を小さくすることができるので、ガスバリア性積層体に柔軟性を付与して、包装材料として使用し易いものにすることが可能となる。
[樹脂フィルム層(B)]
本発明のガスバリア性積層体を構成する樹脂フィルム層(B)は、具体的には熱可塑性樹脂から形成されるフィルムであり、記録層(D)の支持体となるものである。また、ガスバリア層(A)がビニルアルコール樹脂やエチレン・ビニルアルコール共重合体樹脂である場合、これにより優れたガスバリア性が得られるものの、防湿性(水蒸気バリア性)には劣る為に、樹脂フィルム層(B)には防湿性に優れたフィルム層を用いることが好ましい。ガスバリア性の優れたガスバリア層(A)と、防湿性の優れた樹脂フィルム層(B)を組み合わせて用いることにより、本発明の所期の性能を有するガスバリア性積層体を得やすい。中でも、オレフィン系樹脂の2軸延伸フィルムを含むことが好ましい。
[熱可塑性樹脂]
かかる熱可塑性樹脂としては、得られるガスバリア性積層体の38℃、90%RHに於ける透湿度を0.01〜10g/(m・24h)の範囲とするものであれば特に限定されない。
本発明のガスバリア性積層体の透湿度は、10g/(m・24h)以下であることが好ましく、7g/(m・24h)以下であることがより好ましく、5g/(m・24h)以下であることが更に好ましい。ガスバリア性積層体の透湿度が10g/(m・24h)を超えると、ガスバリア性積層体のガスバリア性能が湿度により変化し、本発明の所期の性能を発揮しない場合がある。又、吸湿性が高い内容物を包装して保管した場合に吸湿による内容物の物性変化が発生し易いものとなってしまう。
一方、透湿度は0.01cm/(m・24h・atm)以上であることが好ましく、0.05cm/(m・24h・atm)以上であることがより好ましく、0.1cm/(m・24h・atm)以上であることが更に好ましく、0.5cm/(m・24h・atm)以上であることが特に好ましい。透湿度が0.01cm/(m・24h・atm)以上であれば実用に耐えうる。透湿度をこれより低下させようとすると、樹脂フィルム層(B)及び樹脂フィルム層(C)の厚みを増やす必要があり、本発明のガスバリア性積層体の柔軟性が低下して印刷や型抜き加工の適性が低下する。また、ガスバリア性包装袋やガスバリア性包装容器への加工が難しくなる。
このような熱可塑性樹脂としては、例えば、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、プロピレン系樹脂、ポリメチル−1−ペンテン等のポリオレフィン系樹脂;エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、マレイン酸変性ポリエチレン、マレイン酸変性ポリプロピレン等の官能基含有ポリオレフィン系樹脂;ナイロン−6、ナイロン−6,6等のポリアミド系樹脂;ポリエチレンテレフタレートやその共重合体、ポリブチレンテレフタレート、またはポリブチレンサクシネートやポリ乳酸等の脂肪族ポリエステル等の熱可塑性ポリエステル系樹脂;ポリカーボネート、アタクティックポリスチレン、シンジオタクティックポリスチレン等を使用することができる。これらの熱可塑性樹脂の中でも、防湿性と加工性に優れるポリオレフィン系樹脂、または官能基含有ポリオレフィン系樹脂を用いることが好ましく、ポリオレフィン系樹脂を用いることが特に好ましい。
ポリオレフィン系樹脂のより具体的な例としては、エチレン、プロピレン、ブチレン、ヘキセン、オクテン、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン、メチル−1−ペンテンなどのオレフィン類の単独重合体、及びこれらオレフィン類の2種類以上からなる共重合体が挙げられる。
更にこれらポリオレフィン系樹脂の中でも、プロピレン系樹脂が、防湿性、加工性、機械的強度、コストなどの面から好ましく用いられる。プロピレン系樹脂としては、アイソタクティックないしはシンジオタクティック及び種々の程度の立体規則性を示すポリプロピレン(プロピレン単独重合体)や、プロピレンを主成分とし、これとエチレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、4−メチル−1−ペンテン等のα−オレフィンとを共重合させたプロピレン系共重合体を、主成分として使用することが望ましい。
プロピレン系共重合体は、プロピレンを主に含む2元系よりなるものでも3元系以上よりなるものでもよく、またランダム共重合体でもブロック共重合体でもよい。またプロピレン系樹脂には、プロピレン単独重合体よりも融点が低い樹脂を2〜25重量%配合して使用することも可能である。そのような融点が低い樹脂としては高密度ないしは低密度のポリエチレンを例示することができる。
官能基含有ポリオレフィン系樹脂のより具体的な例としては、前記オレフィン類と共重合可能な官能基含有モノマーとの共重合体が挙げられる。かかる官能基含有モノマーとしては、スチレン、α−メチルスチレンなどのスチレン類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル、カプロン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、安息香酸ビニル、ブチル安息香酸ビニル、シクロヘキサンカルボン酸ビニルなどのカルボン酸ビニルエステル類(或いは共重合後にこれらカルボン酸ビニルエステル類を鹸化して得られるビニルアルコール);アクリル酸、メタクリル酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸エステル類;(メタ)アクリルアミド、N−メタロール(メタ)アクリルアミドなどの(メタ)アクリルアミド類;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、シクロペンチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、ベンジルビニルエーテル、フェニルビニルエーテルなどのビニルエーテル類;が特に代表的である。これら官能基含有モノマーの中から必要に応じ1種類もしくは2種類以上を適宜選択し共重合したものを用いることができる。
またこれらのポリオレフィン系樹脂及び官能基含有ポリオレフィン系樹脂は、その熱可塑性樹脂フィルムの接着性や加工性向上ために、そのグラフト変性物を必要に応じて使用することもできる。
樹脂のグラフト変性には公知の手法を用いることができる。具体的には、不飽和カルボン酸またはその誘導体によるグラフト変性物を挙げることができる。該不飽和カルボン酸としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸等を挙げることができる。また上記不飽和カルボン酸の誘導体としては、上記不飽和カルボン酸の酸無水物、エステル化物、アミド化物、イミド化物、金属塩等を挙げることができる。
具体的には、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸グリシジル、マレイン酸モノエチルエステル、マレイン酸ジエチルエステル、フマル酸モノメチルエステル、フマル酸ジメチルエステル、イタコン酸モノメチルエステル、イタコン酸ジエチルエステル、(メタ)アクリルアミド、マレイン酸モノアミド、マレイン酸ジアミド、マレイン酸−N−モノエチルアミド、マレイン酸−N,N−ジエチルアミド、マレイン酸−N−モノブチルアミド、マレイン酸−N,N−ジブチルアミド、フマル酸モノアミド、フマル酸ジアミド、フマル酸−N−モノエチルアミド、フマル酸−N,N−ジエチルアミド、フマル酸−N−モノブチルアミド、フマル酸−N,N−ジブチルアミド、マレイミド、N−ブチルマレイミド、N−フェニルマレイミド、(メタ)アクリル酸ナトリウム、(メタ)アクリル酸カリウム等を挙げることができる。
グラフト変性物としては、ポリオレフィン系樹脂及び官能基含有ポリオレフィン系樹脂に対して、グラフトモノマーを通常0.005〜10重量%、好ましくは0.01〜5重量%用いてグラフト変性したものを使用し得る。
樹脂フィルム層(B)に用いる熱可塑性樹脂としては、上記の熱可塑性樹脂の中から1種を選択して単独で使用してもよいし、2種以上を選択して組み合わせて使用してもよい。
また樹樹脂フィルム層(B)には、無機微細粉末および有機フィラーの少なくとも一方を添加したものであってもよい。無機微細粉末または有機フィラーの添加により、フィルムの色目や不透明度の調整や、熱可塑性樹脂シート同士を貼り付きにくくすることができる。また、後述の延伸工程との組合せにより内部に空孔を形成することが容易となり、樹脂フィルム層(B)の軽量化が可能となる。
[無機微細粉末]
かかる無機微細粉末としては、例えば、炭酸カルシウム、焼成クレイ、シリカ、けいそう土、白土、タルク、酸化チタン、硫酸バリウム、チタン酸バリウム、アルミナ、ゼオライト、マイカ、セリサイト、ベントナイト、セピオライト、バーミキュライト、ドロマイト、ワラストナイト、ガラスファイバーなどを使用することができる。無機微細粉末を添加する場合には、レーザー回折による粒度分布計で測定した平均粒径が通常は0.01〜15μm、好ましくは0.1〜5μmのものを使用する。
[有機フィラー]
かかる有機フィラーとしては、樹脂フィルム層(B)の主成分である熱可塑性樹脂とは異なる種類の樹脂を選択することが好ましい。例えば、熱可塑性樹脂がポリオレフィン系樹脂である場合には、有機フィラーとして、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ナイロン−6、ナイロン−6,6、環状ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリメタクリレート等の重合体であって、ポリオレフィン系樹脂の融点よりも高い融点(例えば170〜300℃)ないしは高いガラス転移温度(例えば170〜280℃)を有し、かつ非相溶のものを使用することができる。
これら無機微細粉末または有機フィラーの樹脂フィルム層(B)中への配合量は、総量として、0〜60重量%であることが好ましく、0〜50重量%であることがより好ましい。
[その他の成分]
樹脂フィルム層(B)には、必要に応じて、熱安定剤(酸化防止剤)、光安定剤、分散剤、滑剤、核剤などを更に添加することができる。
熱安定剤を添加する場合は、立体障害フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、またはアミン系酸化防止剤等を通常0.001〜1重量%の範囲内で使用することができる。光安定剤を使用する場合は、立体障害アミン系光安定剤、ベンゾトリアゾール系光安定剤、またはベンゾフェノン系光安定剤を通常0.001〜1重量%の範囲内で使用することができる。
分散剤や滑剤は、例えば無機微細粉末を分散させる目的で使用する。具体的には、シランカップリング剤、オレイン酸やステアリン酸等の高級脂肪酸、金属石鹸、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸ないしはそれらの塩等を通常0.01〜4重量%の範囲内で使用することができる。
[多層化]
樹脂フィルム層(B)は、単層構造であってもよく、2層構造、3層構造以上の多層構造のものであってもよい。樹脂フィルム層(B)は多層化により機械特性の向上や、筆記性、耐擦過性、2次加工適性等の様々な機能の付加が可能となる。樹脂フィルム層(B)を多層構造にする場合には、公知の種々の方法が使用できるが、具体例としては、種々の接着剤を使用したドライラミネート方式、ウェットラミネート方式および溶融ラミネート方式や、フィードブロック、マルチマニホールドを使用した多層ダイス方式(共押出方式)や、複数のダイスを使用する押出しラミネーション方式や、種々のコーターを使用した塗工方法等が挙げられる。また、多層ダイスと押出しラミネーションを組み合わせて使用することも可能である。
[延伸]
樹脂フィルム層(B)は、少なくとも1軸方向に延伸された延伸樹脂フィルムを含むことが好ましい。延伸により得られる樹脂フィルム層(B)は、防湿性、機械強度が高く、厚みの均一性に優れているため後加工性に優れたガスバリア性積層体を得ることが出来る。
樹脂フィルム層(B)が多層構造である場合には、これを構成する各層の延伸軸数は、1軸/1軸、1軸/2軸、2軸/1軸、1軸/1軸/2軸、1軸/2軸/1軸、2軸/1軸/1軸、1軸/2軸/2軸、2軸/2軸/1軸、2軸/2軸/2軸であってもよい。
樹脂フィルム層(B)の延伸は、通常用いられる種々の方法のいずれかまたはその組合せによって行うことができる。
延伸の具体的な方法としては、ロール群の周速差を利用した縦延伸、テンターオーブンを使用した横延伸、縦延伸と横延伸を組み合わせた逐次2軸延伸、ロールの圧力によるロール圧延、テンターオーブンとリニアモーターの組み合わせによる同時2軸延伸、テンターオーブンとパンタグラフの組み合わせによる同時2軸延伸などを挙げることができる。また、インフレーションフィルムの延伸方法としては、チューブラー法による同時2軸延伸を挙げることができる。
延伸の倍率は、特に限定されず、樹脂フィルム層(B)に用いる熱可塑性樹脂の特性および得られる樹脂フィルム層(B)の物性等を考慮して適宜決定する。例えば、熱可塑性樹脂としてプロピレン単独重合体ないしはその共重合体を使用し、これを一軸方向に延伸する場合の延伸倍率は、1.5〜12倍であることが好ましく、2〜10倍であることがより好ましい。二軸方向に延伸する場合には面積倍率で1.5〜60倍であることが好ましく、4〜50倍であることがより好ましい。
また、熱可塑性樹脂としてプロピレン系樹脂以外の樹脂を使用し、これを一軸方向に延伸する場合の延伸倍率は、1.2〜10倍であることが好ましく、2〜5倍であることがより好ましい。二軸方向に延伸する場合には面積倍率で1.5〜20倍であることが好ましく、4〜12倍であることがより好ましい。
延伸の温度は、樹脂フィルム層(B)に主に用いる熱可塑性樹脂のガラス転移点温度以上から結晶部の融点以下の熱可塑性樹脂の延伸に好適な公知の温度範囲内で適宜決定する。具体的には、樹脂フィルム層(B)の熱可塑性樹脂がプロピレン単独重合体(融点155〜167℃)である場合は100〜166℃、高密度ポリエチレン(融点121〜136℃)である場合は70〜135℃であり、融点より1〜70℃低い温度である。また延伸の速度は、20〜350m/分にするのが好ましい。
[空孔の形成]
樹脂フィルム層(B)が前述する無機微細粉末および有機フィラーの少なくとも一方を含み、且つ延伸されたものであれば、フィルム内部に微細な空孔が形成される場合がある。空孔の形成により、樹脂フィルム層(B)の軽量化、柔軟性の向上、不透明度の向上などが可能となる。樹脂フィルム層(B)の次式(1)で算出される空孔率は、0〜50%とすることが好ましく、0〜40%とすることがより好ましい。空孔率が50%以下であれば隣接して形成される空孔どうしが繋がりにくい傾向があり、樹脂フィルム層(B)の防湿性の低下を抑えて、望ましい防湿性を有する樹脂フィルム層(B)が得られやすい傾向がある。
Figure 2014104237
(ρは樹脂フィルム層(B)の真密度を示し、ρは樹脂フィルム層(B)の密度を示す)
[厚み]
また樹脂フィルム層(B)は、その厚みが5μm以上であることが好ましく、10μm以上であることがより好ましく、20μm以上であることが特に好ましい。樹脂フィルム層(B)の厚みが5μm以上であれは、樹脂フィルム層(B)の防湿性が得られやすく、本発明の所期の性能のガスバリア性積層体を得やすい傾向がある。逆に樹脂フィルム層(B)は、その厚みが200μm以下であることが好ましく、150μm以下であることがより好ましく、100μm以下であることが特に好ましい。樹脂フィルム層(B)の厚みが200μm以下であれば、同層の剛性を小さくすることができるので、ガスバリア性積層体に柔軟性を付与して、包装材料として使用し易いものにすることが可能となる。
[記録層(D)]
樹脂フィルム層(B)は、その片方の表面上に記録層(D)を備える。
本発明における記録層(D)は、ガスバリア性積層体に印刷適性を付与し、同時に帯電防止性能を付与するものである。印刷適性の付与によって印刷インキの密着性、耐水性を向上させて、その記録適性を向上させるものである。また帯電防止性能の付与によって印刷工程での静電気トラブルを発生し難くし、ハンドリング性を改善させるものである。結果として、本発明のガスバリア性積層体は多様な印刷方式に対応することができる。
記録層(D)が帯電防止性能を有することにより、ガスバリア性積層体を使用して形成された包装袋や包装容器もまた帯電し難いものなり、埃やゴミが付着し難いことから外観の悪化が少なく、かつ衛生的なものとなる。
記録層(D)は顔料粒子1〜70重量%、バインダー樹脂0〜98重量%、および帯電防止剤1〜99重量%を含むことが好ましく、顔料粒子5〜60重量%、バインダー樹脂3〜92重量%、および帯電防止剤2〜70重量%を含むことがより好ましく、顔料粒子10〜50重量%、バインダー樹脂5〜87重量%、および帯電防止剤3〜50重量%を含むことが更に好ましい。
記録層(D)は、これら成分を含む塗工層として、樹脂フィルム層(B)上に直接塗工により設けるか、或いは予め別のフィルム上に記録層(D)を形成して、これを樹脂フィルム層(B)上にラミネートすることで形成することが好ましい。
[帯電防止剤]
帯電防止剤は、記録層(D)に帯電防止性能を付与するために添加するものである。帯電防止剤としては、例えば、ステアリン酸モノグリセリド、アルキルジエタノールアミン、ソルビタンモノラウレート、アルキルベンゼンスルフォン酸塩、アルキルジフェニルエーテルスルフォン酸塩などに代表される低分子量有機化合物系の帯電防止剤;ITO(インジウムドープド酸化錫)、ATO(アンチモンドープド酸化錫)、グラファイトウィスカなどに代表される導電性無機充填剤;ポリチオフェン、ポリピーロイル、ポリアニリンなどの分子鎖内のパイ電子により導電性を発揮するいわゆる電子導電性ポリマー、そしてポリエチレングリコール、ポリオキシエチレンジアミン等の非イオン性ポリマー系の帯電防止剤;ポリビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、ポリジメチルアミノエチルメタクリレート四級化物等の第四級アンモニウム塩型共重合体、アルキレンオキシド基および/または水酸基含有ポリマーへのアルカリ金属イオン添加物等のアルカリ金属塩含有ポリマーに代表される帯電防止機能を有するポリマーなどが挙げられる。
これら帯電防止剤は、それぞれ特性があり、例えば低分子量有機化合物系の帯電防止剤は、環境湿度に帯電防止性能が大きく影響されやすく、ブリードアウトによる印刷インキ転移性の低下やインキ密着性の低下が発生するなどの欠点がある。導電性無機充填剤は、少量の添加では充填剤同士が接触しないため帯電防止効果が充分に得られない欠点がある。又、導電性無機充填剤は、充填剤同士が接触しあう程度の量を添加すると相対的にバインダー成分が著しく低くなる為、インキの密着性と帯電防止効果を両立することが難しいという欠点がある。
電子導電性ポリマーは、共役系に由来する着色により一般的には黒色、緑色、或いは青灰色の着色が有り、これを用いれば優れた帯電防止効果は得られるものの、くすんだ色のガスバリア性積層体となり包装材料としては適さないなどの欠点がある。
帯電防止機能を有するポリマーは、インキの密着性、転移性への影響も小さく、着色も殆ど無いことから本発明の帯電防止剤として好ましい。
中でも、アルカリ金属塩含有ポリマーは低湿度環境下でも帯電防止性能が良好であり、環境湿度による帯電防止性能の発現への影響が小さいことから、本発明のガスバリア性積層体を使用して成形した包装袋、包装容器への汚れ防止効果が期待できる。
[アルカリ金属塩含有ポリマー]
本発明で用いうる帯電防止剤として好ましいアルカリ金属塩含有ポリマーの例として、下記一般式(化2)で表されるポリアルキレンオキシド化合物単量体構造単位(a)、下記一般式(化3)で表される疎水性単量体構造単位(b)、及びこれらと共重合可能な単量体からなる構造単位(c)を含有するものが挙げられる。
これらのアルカリ金属塩含有ポリマーは、上記構造単位の重量割合を、(a):(b):(c)=1〜99:0〜99:0〜40(wt%)の範囲として、これらを共重合してなるものであることが好ましい。各構造単位(a)、(b)、及び(c)の共重合時の重量割合は、好ましくは20〜70:30〜80:0〜20(wt%)であり、特に好ましくは30〜60:40〜70:0〜10(wt%)である。
(a)ポリアルキレンオキシド化合物単量体単位
構造単位(a)を形成するポリアルキレンオキシド化合物単量体は、下記一般式(化2)で表されるアクリル酸乃至メタクリル酸のエステルである。該単位は構造内のアニオン及びアルカリ金属イオンにより帯電防止機能に寄与する成分である。ポリマー中の同成分が1重量%より少ないと、十分な帯電防止効果を与えることが出来ない。また99重量%を超えると過度に水溶性となり、高湿度条件下でべたつきの原因となる。
Figure 2014104237
上記式(化2)中、R10は水素原子またはメチル基、R11は水素原子、塩素原子またはメチル基、Aは下記の<1群>から選択される1種の連結基か、下記の<1群>から選択される1種以上の連結基と下記の<2群>から選択される1種以上の連結基とが交互に結合した連結基か、または単結合を表し、Mはアルカリ金属イオン、nは1〜100の整数を表す。
<1群>置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキレン基、
置換基を有していてもよい炭素数6〜20のアリーレン基
<2群>−CONH−、−NHCO−、−OCONH−、
−NHCOO−、−NH−、−COO−、−OCO−、−O−
Mはアルカリ金属を表し、nは1〜100の整数を表す。nが2以上であるとき、R11は同一であってもよく、異なっていてもよい。)
<1群>の炭素数1〜6のアルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基が挙げられ、これらは直鎖状であっても分枝状であってもよいが好ましいのは直鎖状である。置換基としては、ヒドロキシル基、アリール基などが挙げられる。炭素数6〜20のアリーレン基としては、フェニレン基、ナフチレン基、アントリレン基などが挙げられる。置換基としては、ヒドロキシル基、アルキル基などが挙げられる。アルキル基が置換したアリーレン基としては、トリレン基、キシリレン基などが挙げられる。
また、<2群>から選択される連結基としては、ウレタン基やエステル基を好ましく選択することができる。
<1群>から選択される1種以上の連結基と<2群>から選択される1種以上の連結基とが交互に結合した連結基としては、「(1群から選択される連結基)−(2群から選択される連結基)」で表される連結基や、「(1群から選択される連結基)−(2群から選択される連結基)−(1群から選択される連結基)−(2群から選択される連結基)」で表される連結基などが挙げられる。後者の場合は、2種類の(1群から選択される連結基)は互いに同一であっても異なっていてもよく、また、2種類の(2群から選択される連結基)は互いに同一であっても異なっていてもよい。
上記一般式(化2)において、nが2以上であるとき、n個のR11は同一であっても異なっていてもよいが、好ましいのは同一である場合である。nは1〜100の整数を表すが、2〜50が好ましく、3〜50がより好ましい。例えば、R11が水素原子の場合、nを10〜35、好ましくは15〜30、さらに好ましくは20〜25の範囲内から選択し、R11がメチル基の場合、nを1〜20、好ましくは3〜16、さらに好ましくは5〜14の範囲内から選択することができる。
上記一般式(化2)において、Mはアルカリ金属であり、リチウム、ナトリウム、カリウムなどを挙げることができる。
本発明において好適に用い得るポリアルキレンオキシド化合物単量体の具体例としては、例えば、(ポリ)エチレングリコール(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコール(メタ)アクリレート、(ポリ)クロロエチレングリコール(メタ)アクリレート、(ポリ)テトラメチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシ(ポリ)エチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシ(ポリ)プロピレングリコール(メタ)アクリレートなどの(ポリ)アルキレンオキシド(メタ)アクリレートが挙げられる。
また、これらの具体例において、さらに上記一般式(化2)のAに相当する箇所に単結合以外の連結基を有するアルキレンオキシドモノマーも挙げられる。例えば、Aにウレタン結合を有する化合物として、日本国特開平09−113704号公報に記載される化合物を使用することができる。
Mに相当するアルカリ金属を導入する方法は特に制限されないが、通常はアルキレンオキシドモノマーにアルカリ金属塩を反応させて水酸基末端をイオン化することによりアルカリ金属イオンによるイオン導電性を持たせることができる。本発明において好適に用い得るアルカリ金属塩の例としては、リチウム、ナトリウムまたはカリウムの過塩素酸塩、またはこれらの塩化物、臭化物、ヨウ化物、チオシアン化物等の無機塩が挙げられる。これら無機塩を上記ポリアルキレンオキシド化合物単量体に添加してアルコキシド化することにより、アルカリ金属イオンによるイオン導電性を得ることができる。又、日本国特開平09−113704号公報には上記一般式(化2)のAにウレタン結合を持ったアルキシド化合物が提案されている。
本発明に用い得るアルカリ金属イオンとしては、前述のリチウム、ナトリウム、カリウムなどを挙げることが出来るが、中でもイオン半径の小さいリチウムを用いることが好ましい。
本発明の塗工層には、アルカリ金属イオン濃度として、好ましくは0.01〜1.00重量%、より好ましくは0.01〜0.70重量%、更に好ましく0.01〜0.50重量%となる様に帯電防止機能を有するポリマーを添加することが望ましく、アルカリ金属イオン濃度が0.01重量%未満では、十分な帯電防止効果が得られず、1.00重量%を超えると帯電防止効果は得られるものの金属イオンの増加から印刷インキとの密着性が低下してしまう。
(b)疎水性単量体単位
構造単位(b)を形成する疎水性単量体は、下記一般式(化3)で表されるアクリル酸乃至メタクリル酸のエステルである。該単位は、アルカリ金属塩含有ポリマーに親油性を付与するものであり、耐水性や印刷インキ転移性に寄与する成分である。印刷適性と帯電防止性の両立から、疎水性単量体との共重合が必要となる。ポリマー中の同成分が0重量%より少ないと、上記の効果が低下する。また99重量%を超えると相対的に帯電防止効果が低下する。
Figure 2014104237
(上記式(化3)中、Rは水素原子またはメチル基、Rは炭素数が1〜30のアルキル基、炭素数が7〜22のアラルキル基、または炭素数が5〜22のシクロアルキル基を表わす。)
上記一般式(化3)で表される構造単位を形成する単量体の具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ターシャリーブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレートなどを挙げることができる。
(c)共重合可能な他の単量体単位
また、必要に応じて共重合に使用される、上記単量体(a)成分及び単量体(b)成分と共重合可能な他の単量体単位としては、下記一般式(化4)〜(化8)で表されるスチレン、ビニルトルエン、酢酸ビニル等の疎水性単量体や、ビニルピロリドン、(メタ)アクリルアミド等の親水性単量体を挙げることができる。これらの単量体はアルカリ金属塩含有ポリマー中に構造単位(c)として好適に組み込むことができる。該単位はポリマーの共重合を容易とし、また塗工液調製時の溶媒への溶解性を調整するものである。
Figure 2014104237
Figure 2014104237
Figure 2014104237
Figure 2014104237
Figure 2014104237
[共重合]
本発明で用い得るアルカリ金属塩含有ポリマーは、上記一般式(化2)で表されるポリアルキレンオキシド化合物単量体構造単位(a)と、上記一般式(化3)で表される疎水性単量体構造単位(b)と、これらと共重合可能な上記一般式(化4)〜(化8)等の単量体構造単位(c)とを共重合させることにより製造することができる。
このアルカリ金属塩含有ポリマーの製造方法は特に制限されず、公知の重合手法を単独乃至組み合わせて適宜用いることができるが、通常はラジカル開始剤を用いた、塊状重合、溶液重合、乳化重合等の公知の重合方法を採用することが好ましい。
これらの中でもより好ましい重合方法は溶液重合法である。具体的には、窒素気流下において、原料として用いるポリアルキレンオキシド化合物単量体構造単位(a)、疎水性単量体構造単位(b)、共重合可能な単量体構造単位(c)等のモノマーを不活性有機溶媒、例えば、n−ヘキサン、n−ブタノール、2−プロパノール、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、テトラヒドロフラン、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、プロピレングリコールモノエチルエーテル等に溶解し、これにラジカル重合開始剤を添加した後に、通常65〜150℃に加熱しながら攪拌することにより実施される。
重合時間は通常1〜24時間に設定する。重合時の単量体固形分濃度は通常10〜60重量%であり、重合開始剤の濃度は単量体に対し通常0.1〜10重量%である。アルカリ金属塩含有ポリマーの分子量は、重合温度、重合時間、重合開始剤の種類及び量、溶剤使用量、連鎖移動剤等の重合条件により任意のレベルとすることができる。
共重合に用いる重合開始剤は、脂溶性であることが好ましく、好適な重合開始剤として有機過酸化物、アゾニトリル等が挙げられる。有機過酸化物には、アルキルパーオキシド(ジアルキルパーオキシド)、アリールパーオキシド(ジアリールパーオキシド)、アシルパーオキシド(ジアシルパーオキシド)、アロイルパーオキシド(ジアロイルパーオキシド)、ケトンパーオキシド、パーオキシカーボネート(パーオキシジカーボネート)、パーオキシカーボレート、パーオキシカルボキシレート、ヒドロパーオキシド、パーオキシケタール、パーオキシエステル等が含まれる。
アルキルパーオキシドとしては、ジイソプロピルパーオキシド、ジターシャリーブチルパーオキシド、ターシャリーブチルヒドロパーオキシド等が挙げられる。アリールパーオキシドとしては、ジクミルパーオキシド、クミルヒドロパーオキシド等が挙げられる。アシルパーオキシドとしては、ジラウロイルパーオキシド等が挙げられる。アロイルパーオキシドとしては、ジベンゾイルパーオキシド等が挙げられる。ケトンパーオキシドとしては、メチルエチルケトンパーオキシド、シクロヘキサノンパーオキシド等が挙げられる。アゾニトリルとしては、アゾビスイソブチルニトリル、アゾビスイソプロピオニトリル等が挙げられる。
結果として得られるアルカリ金属塩含有ポリマーは、下記一般式(1)で表される構造単位を含むものであるが好ましい。
Figure 2014104237
(式中、R、Rは各々独立に水素原子またはメチル基を表し、Rは水素原子、塩素原子またはメチル基を表し、Rは炭素数1〜30のアルキル基を表し、Aは下記の<1群>から選択される1種の連結基か、下記の<1群>から選択される1種以上の連結基と下記の<2群>から選択される1種以上の連結基とが交互に結合した連結基か、または単結合を表し、
<1群>置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキレン基、
置換基を有していてもよい炭素数6〜20のアリーレン基
<2群>−CONH−、−NHCO−、−OCONH−、
−NHCOO−、−NH−、−COO−、−OCO−、−O−
Mはアルカリ金属を表し、mは0〜300の整数を表し、nは1〜300の整数を表し、pは1〜100の整数を表す。pが2以上である場合、Rは同一であってもよく、異なっていてもよい。)
得られるアルカリ金属塩含有ポリマーの分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)により測定した重量平均分子量が1万〜100万の範囲内であることが好ましい。分子量が1万以上であれば、形成した記録層(D)から同ポリマーが染み出し難くなるため、十分な耐水性が得られやすい傾向がある。分子量が100万以下であれば、バインダー成分と混和しやすいため塗工欠陥が生じにくくなり均一な帯電防止効果が得られやすい傾向がある。
[バインダー樹脂]
本発明の記録層(D)は、必要に応じて、高分子バインダーを含んでいてもよい。該高分子バインダーは、記録層(D)と、記録層(D)を設ける樹脂フィルム層(B)、或いは別のフィルムとの密着性を付与し、かつ印刷インキとの密着性を向上させる目的から適宜使用する。
高分子バインダーの具体例としては、ポリエチレンイミン、炭素数1〜12のアルキル変性ポリエチレンイミン、ポリ(エチレンイミン−尿素)、ポリ(エチレンイミン−尿素)のエチレンイミン付加物、ポリアミンポリアミド、ポリアミンポリアミドのエチレンイミン付加物、およびポリアミンポリアミドのエピクロルヒドリン付加物等のポリエチレンイミン系重合体、アクリル酸エステル共重合体、メタクリル酸エステル共重合体、アクリル酸アミド−アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸アミド−アクリル酸エステル−メタクリル酸エステル共重合体、ポリアクリルアミドの誘導体、およびオキサゾリン基含有アクリル酸エステル系重合体等のアクリル酸エステル系重合体、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール等、加えて、酢酸ビニル樹脂、ウレタン樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリエステル樹脂、尿素樹脂、テルペン樹脂、石油樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、塩化ビニリデン樹脂、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体樹脂、塩素化エチレン樹脂、塩素化プロピレン樹脂、ブチラール樹脂、シリコーン樹脂、ニトロセルロース樹脂、スチレン−アクリル共重合体樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体樹脂、アクリルニトリル−ブタジエン共重合体等が挙げられる。
これらの高分子バインダーは、いずれか1種を単独で使用してもよいし、2種類以上を混合して使用してもよい。これらの高分子バインダーは有機溶剤または水に希釈または分散した様態で用いることができる。これらの中でも、ポリエーテルウレタン、ポリエステルポリウレタン、アクリルウレタンなどのウレタン樹脂、若しくはアクリル酸エステル共重合体が、前述のイオン性ポリマー系の帯電防止機能を有するポリマーとの相性、即ち相溶性がよく、混溶して塗料とした際に安定しており、塗工しやすく好ましい。
[顔料粒子]
本発明の記録層(D)は、顔料粒子を含んでいることが好ましい。記録層(D)には1〜70重量%の範囲で顔料粒子を含むことが可能である。
顔料粒子は、その吸油性による印刷インキの定着性向上、体質顔料として表面の風合いや光沢感向上、白色顔料として白色度向上、表面凹凸付与によるブロッキング防止性能向上、紫外線反射材として耐光性や耐候性向上、等の性能付与を考慮し適宜選択して使用できる。
顔料粒子として、有機、無機の微細粉末が使用され、具体的な例としては、酸化ケイ素、炭酸カルシウム、焼成クレイ、酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、珪藻土、アクリル粒子、スチレン粒子、ポリエチレン粒子、ポリプロピレン粒子等を使用することができる。
顔料粒子の粒子径は、好ましくは20μm以下のものであり、より好ましくは15μm以下のものである。顔料粒子の粒子径が20μmを超えると形成した塗工層から顔料粒子が脱落しやすくなり粉吹き現象が発生する。記録層(D)中の顔料粒子含有量は、好ましくは1〜70重量%、より好ましくは5〜60重量%、更に好ましくは10〜50重量%の範囲である。顔料粒子の含有量が1重量%未満では顔料粒子を添加する効果が充分得られない場合があり、70重量%を超えると相対してバインダー樹脂が不足し、記録層(D)の凝集力不足が発生して、印刷時にインキが剥離しやすい傾向にある。
[成形]
記録層(D)は、上記成分を含む塗工液を調製し、これを樹脂フィルム層(B)上に塗工し、これを乾燥、固化させて塗工層として設けることが可能である。塗工には、従来公知の手法や装置を利用することができる。
記録層(D)は、ラミネートにより樹脂フィルム層(B)上に設けることも可能である。この場合は、あらかじめ記録層(D)を設けた別のフィルムを作製し、これを樹脂フィルム層(B)上にラミネート加工すればよい。ラミネート加工は、通常のドライラミネート、ウェットラミネート、溶融ラミネート、または熱ラミネート等の手法により行うことができる。
[帯電防止性]
本発明の記録層(D)は帯電防止性能を有するものである。結果として、記録層(D)側表面の表面抵抗率は1×10〜9×1012Ωの範囲内であるよう調整されている。記録層(D)の表面抵抗率は5×10〜9×1011Ωの範囲内であることが好ましく、1×10〜9×1010Ωの範囲内であることがより好ましい。
記録層(D)の表面抵抗率が9×1012Ωを超えてしまうと、ガスバリア性積層体に充分な帯電防止性能を付与できずに、印刷工程などでガスバリア性積層体に埃やゴミが付着し易く、またガスバリア性積層体を使用して成形された包装袋や包装容器にも埃やゴミが付着し易く、本発明の所期の目的を達成しにくい。一方、同目的からは記録層(D)の表面抵抗率は低いほど好ましいが、上記処方により成形された記録層(D)の表面抵抗率を、1×10を下回せることは技術的に困難である。
[厚み]
記録層(D)の膜厚は、0.01〜50μmであることが好ましく、0.05〜30μmであることがより好ましく、0.1〜10μmであることが更に好ましく、0.3〜8μmであることが特に好ましい。膜厚が0.01μmに満たない場合は、記録層(D)の均一性を維持することが難しく、帯電防止性能や印刷インキの耐水性が得られない場合がある。一方50μmを超えてしまうと、記録層(D)が脆くなりやすく、記録層(D)の凝集破壊によるインキの剥離が発生する場合がある。
[樹脂フィルム層(C)]
本発明のガスバリア性積層体を構成する樹脂フィルム層(C)は、具体的には熱可塑性樹脂から形成されるフィルムであり、ヒートシール層(E)の支持体となるものである。本発明のガスバリア性積層体を構成する樹脂フィルム層(C)は、樹脂フィルム層(B)と同様な理由から、防湿性に優れた熱可塑性樹脂から形成されるフィルム層であることが好ましい。
樹脂フィルム層(C)は、樹脂フィルム層(B)で記載した熱可塑性樹脂、並びに無機微細粉末および有機フィラーを使用し、樹脂フィルム層(B)と同様な成形手法により成形して得ることができる。また樹脂フィルム層(C)は、樹脂フィルム層(B)と同様の厚みとすることができる。中でも、オレフィン系樹脂の2軸延伸フィルムを含むことが好ましい。
樹脂フィルム層(C)を樹脂フィルム層(B)と同一素材、同一成形方法、同一厚みにすることにより、得られるガスバリア性積層体は温湿度環境が変わってもカールしにくく、印刷工程や加工工程でのハンドリング性が良好となる。例えば、樹脂フィルム層(B)に2軸延伸ポリプロピレンフィルムを使用する場合は、樹脂フィルム層(C)にも2軸延伸ポリプロピレンフィルムを使用することが好ましい。また、樹脂フィルム層(B)と樹脂フィルム層(C)の厚みの差異は、厚いフィルム層を基準にした比率として、30%以下とすることが好ましく、20%以下とすることがより好ましく、10%以下とすることが更に好ましい。同比率が30%以下であればカールの少ないガスバリア性積層体を得ることが容易である。
[ヒートシール層(E)]
樹脂フィルム層(C)は、その片方の表面上にヒートシール層(E)を備える。
本発明におけるヒートシール層(E)は、ガスバリア性積層体にヒートシール性を付与し、包装材料として包装袋や包装容器の成形を容易にするものである。
本発明のガスバリア性積層体は、そのガスバリア性を有効に活用して保存する内容物と外部の空気との接触を極力抑える様にするために、ガスバリア性積層体を密封袋や密封容器の形状に加工して用いることが望ましい。その様な加工方法の代表例として、ヒートシール加工が挙げられる。本発明のガスバリア性積層体は、樹脂フィルム層(C)にヒートシール層(E)を設けることにより、ヒートシール加工によって容易に包装袋や包装容器の成形を行い、加工時間の短縮が可能となる。
ヒートシール層(E)には、熱可塑性樹脂が用いられる。ヒートシール層(E)に用いられる熱可塑性樹脂の具体的な例としては、エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、メチルペンテン、オクテンに代表されるオレフィン類の単独重合体、またはこれらオレフィン類の2種以上による共重合体、またはこれらオレフィン類の1種類以上と、スチレン、α−メチルスチレンなどのスチレン類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル、カプロン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、安息香酸ビニル、ブチル安息香酸ビニルなどのカルボン酸ビニル類;アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、アクリロニトリルなどのアクリル酸類など、オレフィン類と共重合可能なコモノマーの1種類以上による共重合体、及びそれらの金属塩が挙げられる。
これらの中でも、熱可塑性樹脂の融点は60〜150℃の範囲であることが好ましく、70〜145℃の範囲であることがより好ましく、80℃〜140℃の範囲であることが更に好ましい。熱可塑性樹脂の融点が60℃以上であれば、夏場の高温条件でヒートシール層が軟化してしまい、ガスバリア性積層体の保管時に自身がブロッキングしたり、ヒートシール加工した製品のヒートシール強度が低下したりすることを抑えやすい。また融点が150℃以下であればヒートシール加工時の加熱に際して密着を得るのに時間を要せず実用的である。
[積層]
樹脂フィルム層(C)上へのヒートシール層(E)の積層は公知の種々の方法により行うことができる。例えば、多層ダイス、フィードブロック、マルチマニホールドなどを使用して、樹脂フィルム層(C)とヒートシール層(E)を予め積層した多層の熱可塑性樹脂シートを押出し成形する方式(共押出)や、予め成形した樹脂フィルム層(C)上にヒートシール層(E)を押出し成形して積層する方法(押出しラミネート)や、予め成形した樹脂フィルム層(C)および予め別に成形したヒートシール層(E)を、接着剤などを介して接着する方法(ドライラミネート)や、予め成形した樹脂フィルム層(C)上にヒートシール層(E)の熱可塑性樹脂の溶液、エマルジョン、またはディスパージョンを塗布、乾燥してヒートシール層(E)を形成する方法(塗布法)などが挙げられる。
[厚み]
ヒートシール層(E)は、その厚みが0.1μm以上であることが好ましく、0.3μm以上であることがより好ましく、0.5μm以上であることが特に好ましい。ヒートシール層(E)の厚みが0.1μm以上であれば強固な接着力が得られ、包装材料として包装袋や包装容器の成形を容易にすることができる。逆にヒートシール層(E)は、その厚みが20μm以下であることが好ましく、15μm以下であることがより好ましく、10μm以下であることが特に好ましい。ヒートシール層(E)の厚みが20μm以下であれば、ガスバリア性が得られやすく、本発明の所期の性能のガスバリア性積層体を得やすい傾向がある。
[ガスバリア性積層体の成形]
本発明のガスバリア性積層体は、これを構成する上記のガスバリア層(A)と、樹脂フィルム層(B)と、樹脂フィルム層(C)とを積層することで得られる。より具体的に、図1に示したように本発明のガスバリア性積層体1は、少なくとも記録層(D)5/樹脂フィルム層(B)3/ガスバリア層(A)2/樹脂フィルム層(C)4/ヒートシール層(E)6を順に含む積層構造とすることにより得られる。
このうち、ガスバリア層(A)と樹脂フィルム層(B)との積層、およびガスバリア層(A)と樹脂フィルム層(C)との積層は、接着剤層7,8を介して貼合することが、加工工程上簡便であり好ましい。
[接着剤層]
接着剤層を介しての上記貼合は、ガスバリア層(A)、樹脂フィルム層(B)、樹脂フィルム層(C)の何れかの接合する表面上に、溶剤系接着剤を塗工、散布等の方法により設けてこれを接着剤層としこれを介して接着するドライラミネート、ホットメルト型接着剤を溶融押出ラミネート等の手法により設けてこれを接着剤層としこれを介して接着する溶融押出ラミネート、ホットメルト型接着剤の熱融着性フィルムを熱により溶融させてこれを接着剤層としこれを介して接着する熱溶融ラミネート、などの手法により実施することができる。
溶剤系接着剤を使用する場合は、ガスバリア層(A)および樹脂フィルム層(B)のいずれか一方または両方の表面上に該接着剤を塗工し、次いで、互いを重ね、圧着ロールで加圧接着し、更に、ガスバリア層(A)および樹脂フィルム層(C)のいずれか一方または両方の表面上に該接着剤を塗工し、次いで、互いを重ね、圧着ロールで加圧接着すればよい。
ここで溶剤系接着剤としては、例えば、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、エーテル系樹脂、エステル系樹脂、エポキシ系樹脂、ゴム系樹脂、シリコーン系樹脂、ABS系樹脂等からなる樹脂成分を、従来公知の溶剤を用いてその相の中に溶解、分散、乳濁分散、希釈して、流動性があり塗工の可能な、溶液型やエマルジョン型の様態の液状の接着剤が利用できる。
これら溶剤系接着剤の塗工は、ダイコーター、バーコーター、コンマコーター、リップコーター、ロールコーター、ロッドコーター、カーテンコーター、グラビアコーター、スプレーコーター、ブレードコーター、リバースコーター、エアーナイフコーター、スライドホッパー等により行われる。その後必要によりスムージングを行い、乾燥工程を経て、接着剤層が形成することができる。
ホットメルト型接着剤を使用する場合は、ガスバリア層(A)および樹脂フィルム層(B)のいずれか一方の表面上に、該接着剤をビート塗工、カーテン塗工、スロット塗工等の方法で塗工するか、該接着剤を加熱溶融したものをダイより溶融フィルム状に押し出して積層することで接着剤層を設け、次いで、互いを重ね、圧着ロールで加圧接着し、更に、ガスバリア層(A)および樹脂フィルム層(C)のいずれか一方の表面上に、該接着剤をビート塗工、カーテン塗工、スロット塗工等の方法で塗工するか、該接着剤を加熱溶融したものをダイより溶融フィルム状に押し出して積層することで接着剤層を設け、次いで、互いを重ね、圧着ロールで加圧接着すればよい。
ここでホットメルト型接着剤としては、例えば、低密度ポリエチレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体の金属塩(いわゆるサーリン)、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリブチラール系樹脂、ウレタン系樹脂などを利用できる。
[厚み]
接着剤層の厚みは、0.5μm以上であることが好ましく、1μm以上であることがより好ましい。接着剤層の厚みが0.5μmに満たない場合は、接着剤層の均一性を維持することが難しく、ガスバリア性積層体のガスバリア性能が損なわれる場合や、各層の接合を充分に行えなくなる場合がある。一方接着剤層の厚みは、30μm以下であることが好ましく、25μm以下であることがより好ましい。接着剤層の厚みが30μmを超えてしまうと、接着剤層の凝集力が損なわれて各層が剥離しやすくなる場合がある。
またこれらの接着剤層は、固形分として、その坪量が0.5〜30g/mであることが好ましく、1〜25g/mであることがより好ましい。上記のような厚みや坪量となるように接着剤を塗工、或いは溶融押出して接着剤層を設けることが好ましい。
[その他の成分]
接着剤層には、必要に応じて、紫外線吸収剤および紫外線反射剤の少なくとも一方を更に添加することができる。該接着剤層に紫外線吸収剤および紫外線反射剤の少なくとも一方を添加することにより、得られるガスバリア性積層体はガスバリア性能と、紫外線遮断性能とを具備するものとなり、両性能の相乗効果から、内容物の劣化を更に抑えることができるガスバリア性積層体、ガスバリア性包装袋、およびガスバリア性包装容器を得ることができる。
ここで紫外線吸収剤とは、280〜400nmの範囲のいずれかの波長の光を吸収するものである。紫外線吸収剤としては、たとえばベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、サリシレート系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、ニッケル系紫外線吸収剤及びトリアジン系紫外線吸収剤のいずれか、もしくはこれらの混合物を挙げることができる。またこれらは低分子量型のものでも高分子量型のものでも使用できる。
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤の具体的な例としては、2−(2'−ヒドロキシ−5'−メチルフェニル)ベンゾトリアゾ−ル、2−(2'−ヒドロキシ−3',5'−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾ−ル、2−(2'−ヒドロキシ−3',5'−ジ−t−アミルフェニル)ベンゾトリアゾ−ル、2−(2'−ヒドロキシ−3'−t−ブチル−5'−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾ−ル、2−(2'−ヒドロキシ−3'−(1−メチル−1−フェニルエチル)−5'−(1,1,3,3−テトラメチルブチルフェニル))ベンゾトリアゾ−ル、2−(2'−ヒドロキシ−3'−t−ブチル−5'−(2−オクチロキシカルボニル)エチルフェニル)ベンゾトリアゾ−ルなどが挙げられる。
ベンゾフェノン系紫外線吸収剤の具体的な例としては、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−ドデシルオキシベンゾフェノン、2,2'−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2'−ジヒドロキシ−4,4'−ジメトキシベンゾフェノン、2,2',4,4'−テトラヒドロキシベンゾフェノンなどが挙げられる。
サリシレート系紫外線吸収剤の具体的な例としては、フェニルサリシレート、4−t−ブチルフェニルサリシレート、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3',5'−ジ−t−ブチル−4'−ヒドロキシベンゾエートなどが挙げられる。
シアノアクリレート系紫外線吸収剤の具体的な例としては、エチル(β,β−ジフェニル)シアノアクリレート、2−エチルヘキシル(β,β−ジフェニル)シアノアクリレートなどが挙げられる。
ニッケル系紫外線吸収剤の具体的な例としては、[2,2−チオビス(4−t−オクチルフェノラート)]−n−オクチルアミンニッケル塩、[2,2−チオビス(4−t−オクチルフェノラート)]−2−エチルヘキシルアミンニッケル塩、ジブチルジチオカルバミン酸ニッケルなどが挙げられる。
トリアジン系紫外線吸収剤の具体的な例としては、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]−フェノールなどが挙げられる。
なかでも、紫外線吸収能の高さからベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤が好ましく、2−(2’−ヒドロキシ−3’−(1−メチル−1−フェニルエチル)−5’−1,1,3,3−テトラメチルブチルフェニル)ベンゾトリアゾール(CAS No.73936−91−1)、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−(2−オクチロキシカルボニル)エチルフェニル)ベンゾトリアゾール(CAS No.127519−17−9)がより好ましい。
ここで紫外線反射剤とは、280〜400nmの範囲のいずれかの波長の光を反射および/または散乱するものである。紫外線反射剤としては、たとえば酸化亜鉛、酸化チタン、酸化セリウム、酸化タングステン、チタン酸ストロンチウムのいずれか、もしくはこれらの混合物を挙げることができる。
紫外線吸収剤と紫外線反射剤は単体で使用してもよいし、それぞれを組み合わせて使用してもよい。
接着剤層における紫外線吸収剤および紫外線反射剤の含有量は、50重量%以下であることが好ましく、40重量%以下であることがより好ましく、30重量%以下の範囲であることがさらに好ましい。紫外線吸収剤および紫外線反射剤の量が50重量%以下であれば、充分な耐水性や耐溶剤性がある接着剤層となる傾向にある。
[各種物性の測定方法]
[厚み]
本発明におけるガスバリア性積層体およびこれを構成する各層の厚みは、JIS−K−7130に準拠し、定圧厚さ測定器((株)テクロック製、機器名:PG−01J)を用いて測定した。
形成した樹脂フィルム層(B)または樹脂フィルム層(C)が多層構造である場合に、各層の厚みは、測定対象試料を液体窒素にて−60℃以下の温度に冷却し、ガラス板上に置いた試料に対してカミソリ刃(シック・ジャパン(株)製、商品名:プロラインブレード)を直角に当て切断し断面測定用の試料を作製し、得られた試料を走査型電子顕微鏡(日本電子(株)製、機器名:JSM−6490)を使用して断面観察を行い、組成外観から熱可塑性樹脂組成物ごとの境界線を判別して、樹脂フィルム層(B)または(C)全体の厚みと観察される層厚み比率を乗算して求めた。
記録層(D)、ヒートシール層(E)、および接着剤層の厚みは、ガスバリア性積層体全体を上記同様に走査型電子顕微鏡で断面観察を行い、組成外観から組成物ごとの境界線を判別して、ガスバリア性積層体全体の厚みと観察される層厚み比率を乗算して求めた。
[坪量]
本発明におけるガスバリア性積層体およびこれを構成するガスバリア層(A)、樹脂フィルム層(B)、樹脂フィルム層(C)の夫々の坪量は、JIS−P−8124に準拠し、100mm×100mmサイズに打抜いたサンプルを電子天秤で秤量して測定した。
[表面抵抗率]
本発明における表面抵抗率は、温度23℃、相対湿度50%の条件下で、JIS−K−6911に準拠し、2重リング法の電極を用いて測定した。
[酸素ガス透過度]
本発明のガスバリア性積層体の酸素ガス透過度は、JIS−K−7126−2法に準拠し、ガス透過度試験機(MOCON社製、機器名:OX−TRAN 2/21)を用いて、温度23℃、相対湿度0%の条件下で測定した。
[透湿度]
本発明のガスバリア性積層体の透湿度は、JIS−K−7129−B法に準拠し、水蒸気透過度試験機(MOCON社製、機器名:PERMATRAN W3/33)を用いて、温度38℃、相対湿度90%の条件下で測定した。
[記録物]
本発明のガスバリア性積層体は、その記録層(D)側表面、およびヒートシール層(E)側表面の少なくとも一方に印刷を施すことにより、記録物とすることができる。
[印刷]
本発明のガスバリア性積層体への印刷としては、オフセット印刷、グラビア印刷、フレキソ印刷、レタープレス印刷、スクリーン印刷、インクジェット記録方式、感熱記録方式、熱転写記録方式、電子写真記録方式など種々の従来公知の手法を用いることが可能である。これらの中でも、耐候性と耐水性が優れた印刷物を得やすいオフセット印刷、グラビア印刷、フレキソ印刷方式が好ましい。さらに印刷インキとしては、油性インキ、水性インキならびにUVインキを用いることが可能である。これらの中でも、乾燥速度が速いUVインキを用いることが好ましい。
[ガスバリア性積層体の加工]
本発明のガスバリア性積層体は、食品や化粧品などの内容物を密閉充填する包装材料として、袋形状や容器形状に加工して使用することにより、そのガスバリア性を発揮するものである。
このような加工の一例として、図2に示すように印刷したガスバリア性積層体(記録物)を、ヒートシール加工により一方の口のみを開けた袋形状に加工し、内容物を充填後に開口部を更にヒートシール加工することによりガスバリア性包装袋10とすることができる。
また、このような加工の別の一例として、図3に示すようにガスバリア性積層体(記録物)からインモールドラベル13,14を作製し、真空・圧空成形(差圧成形)や射出成形によるインモールド成形により、図4および図5に示すように射出成形部材16を覆うように該射出成形部材16と一体化し、内容物を充填後に容器の開口部を更に本発明のガスバリア性積層体等でヒートシール加工して閉じることにより、内容物の密封が可能なガスバリア性包装容器15とすることができる。
[インモールド成形]
上記のように本発明のガスバリア性積層体は、差圧成形用のインモールドラベルとして、差圧成形金型の下雌金型の内面にガスバリア性積層体の記録層(D)側表面が接するように設置した後、吸引等により金型内壁に固定し、次いで成形品成形材料用の樹脂シートの溶融物を下雌金型の上方に導き、差圧により樹脂シートを金型形状に付型するとともに、ガスバリア性積層体を成形品外壁に一体に融着させることで、ガスバリア性包装容器とすることができる。差圧成形は、真空成形、圧空成形のいずれも採用できるが、一般には両者を併用し、かつプラグアシストを利用した差圧成形が好ましい。
また本発明のガスバリア性積層体は、射出装置で金型内に溶融樹脂を注入し冷却固化するインジェクション成形用のインモールドラベルとしても好適に使用できる。
更に本発明のガスバリア性積層体は、溶融樹脂からなるパリソンを圧空により膨らませて金型内壁に圧着し付型するダイレクトブロー成形用や、プリフォームを用いた延伸ブロー成形用のインモールドラベルとしても好適に使用できる。
本発明のガスバリア性積層体が貼着一体化した樹脂成形品よりなるガスバリア性包装容器は、ラベルが金型内に固定された後に、ラベルと樹脂成形品を一体に成形するので、ラベルの変形もなく、樹脂成形品とラベルは強固な接着強度を有しており、ふくれ(ブリスター)もなく、ラベルにより加飾された外観が良好なガスバリア性包装容器が得られる。
以下に、調製例、製造例、実施例、比較例および試験例を用いて、本発明を更に具体的に説明する。以下に示す材料、使用量、割合、操作等は、本発明の精神から逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の技術的範囲は以下に示す具体例に何等制限されるものではない。
[記録層(D)原料の調製例]
[ポリマー帯電防止剤の調製例1]
ポリエチレングリコールモノメタクリレート(日本油脂(株)製、商品名:ブレンマーPE−350)100重量部、過塩素酸リチウム(和光純薬工業(株)製、試薬)20重量部、ヒドロキノン(和光純薬工業(株)製、試薬)1重量部およびメチルエチルケトン(和光純薬工業(株)製、試薬)400重量部を、攪拌装置、還流冷却管(コンデンサー)、温度計、及び滴下ロートを装着した四つ口フラスコに導入し、系内を窒素置換し、60℃で40時間反応させた。
これにステアリルメタクリレート(和光純薬工業(株)製、試薬)5重量部、n−ブチルメタクリレート(和光純薬工業(株)製、試薬)5重量部、アゾビスイソブチロニトリル(和光純薬工業(株)製、試薬)1重量部を添加し、80℃で3時間重合反応した後、メチルエチルケトンを添加して固形分を20重量%に調整し、重量平均分子量約30万、固形分中のリチウム濃度0.6重量%のアルカリ金属塩を含有するポリマー帯電防止剤の溶液を得た。
[ポリマー帯電防止剤の調製例2]
重量平均分子量1000のポリエチレングリコール(和光純薬工業(株)製、試薬)60重量部、重量平均分子量600のポリプロピレングリコール(和光純薬工業(株)製、試薬)40重量部、過塩素酸リチウム(和光純薬工業(株)製、試薬)15重量部およびメチルエチルケトン(和光純薬工業(株)製、試薬)400重量部を、攪拌装置、還流冷却管(コンデンサー)、温度計、及び滴下ロートを装着した四つ口フラスコに導入し、系内を窒素置換し、80℃で10時間反応させた。これにイソホロンジイソシアネート(和光純薬工業(株)製、試薬)30重量部および1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7(サンアプロ(株)製、商品名:DBU)0.5重量部を加え、80℃で4時間ウレタン化反応を行い、これにさらにメタクリル酸(和光純薬工業(株)製、試薬)20重量部、ヒドロキノン(和光純薬工業(株)製、試薬)0.2重量部を加えて60℃で4時間エステル反応を行った。
これにさらにステアリルメタクリレート(和光純薬工業(株)製、試薬)10重量部、n−ブチルメタクリレート(和光純薬工業(株)製、試薬)5重量部、アゾビスイソブチロニトリル(和光純薬工業(株)製、試薬)2重量部を添加し、80℃で3時間重合反応した後、メチルエチルケトン(和光純薬工業(株)製、試薬)を添加して固形分を20重量%に調整し、重量平均分子量約10万、固形分中のリチウム濃度0.6重量%のアルカリ金属塩を含有するポリマー帯電防止剤の溶液を得た。
[高分子バインダーの調製例1]
2−ヒドロキシエチルメタクリレート(和光純薬工業(株)製、試薬)15重量部、メチルメタクリレート(和光純薬工業(株)製、試薬)50重量部、エチルアクリレート(和光純薬工業(株)製、試薬)35重量部およびトルエン(和光純薬工業(株)製、試薬)100重量部を、攪拌機、環流冷却管、温度計、及び滴下ロートを装着した四つ口フラスコに仕込み、窒素置換後、2,2'−アゾビス(イソブチロニトリル)(和光純薬工業(株)製、試薬)0.6重量部を開始剤として導入し80℃で4時間重合させた。
得られた溶液は、水酸基価65の水酸基含有メタクリル酸エステル系重合体の50%トルエン溶液であった。次いで、この溶液100重量部に、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体(新第1塩ビ(株)製、商品名:ZEST C150ML)20%メチルエチルケトン溶液を30重量部加え、メチルエチルケトン(和光純薬工業(株)製、試薬)を添加して固形分を20重量%に調整し、高分子バインダー溶液を得た。
[高分子バインダーの調製例2]
ポリ[(3−メチル−1,5−ペンタンジオール)−alt−(アジピン酸)]((株)クラレ製、商品名:クラレポリオールP−2010)100重量部、イソホロンジイソシアネート(和光純薬工業(株)製、試薬)20重量部を、攪拌機、環流冷却管、温度計、及び滴下ロートを装着した四つ口フラスコに仕込み、窒素置換後、100℃で8時間重合させた。これにメチルエチルケトン(和光純薬工業(株)製、試薬)210重量部を攪拌しながら少しずつ加え40℃に冷却しウレタン樹脂のメチルエチルケトン溶液を得た。次いで3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルアミン(和光純薬工業(株)製、試薬)8重量部、メチルエチルケトン100重量部、2−プロパノール50重量部の混合液を加え、40℃で4時間反応した後、メチルエチルケトンを添加して固形分を20重量%に調整し、高分子バインダー溶液を得た。
[その他原料の調製例]
後述する塗工液の製造例1〜6において、上記ポリマー帯電防止剤および上記高分子バインダーとともに記録層(D)の原料として用いる顔料粒子および硬化剤として、表1に記載のものを得た。
Figure 2014104237
[塗工液の製造例(D)−1〜(D)−6]
メチルエチルケトンをカウレスミキサーにて静かに攪拌しながら、これに表1に記載の顔料粒子の表2に記載の組み合わせでそれぞれ計量したものを少しずつ加え、固形分濃度20重量%になるように調整した後、カウレスミキサーの回転数を上げて30分間攪拌し顔料粒子分散液を作製した。
次いでカウレスミキサーの回転数を落とし、この顔料分散液に、上記調製例に記載の高分子バインダー溶液の表2に記載のもの、ポリマー帯電防止剤の溶液の表2に記載のもの、および表1に記載の硬化剤の溶液(酢酸エチルにて固形分20重量%に希釈したもの)をこの順に、表2に記載した配合割合となるように添加し、そのまま20分間攪拌して混合し、その後100メッシュのフィルターを通し粗粒径物の除去を行い、メチルエチルケトンで表2に記載の固形分濃度となる様に希釈して、記録層(D)用の塗工液(D)−1〜(D)−6を得た。
Figure 2014104237
[樹脂フィルム層(B)および(C)原料の調製例]
樹脂フィルム層(B)および樹脂フィルム層(C)の製造例に使用する原料を表3にまとめて示す。これらから予め表3に記載した使用原料を表3に記載した割合で混合した熱可塑性樹脂組成物(a)〜(f)を、210℃に設定した2軸混練機にて溶融混練し、次いで230℃に設定した押出機にてストランド状に押し出し、冷却後にストランドカッターにて切断して熱可塑性樹脂組成物(a)〜(f)のペレットを作製して、以降の製造例で使用した。
Figure 2014104237
[樹脂フィルム層の製造例1]
熱可塑性樹脂組成物(a)を230℃に設定した押出機にて溶融混練した後、250℃に設定した押出ダイに供給し、シート状に押し出し、これを冷却装置により60℃まで冷却して無延伸シートを得た。この無延伸シートを150℃に加熱し、ロール群の周速差を利用して縦方向(MD)に4倍延伸した。次いで、この4倍延伸シートを、60℃まで冷却し、テンターオーブンを用いて再び約155℃に加熱して横方向(TD)に8倍延伸した後、更に160℃に調整した熱セットゾーンにより熱処理を行った。その後60℃まで冷却し、耳部をスリットして、厚みが30μm、坪量が27g/mの2軸延伸樹脂フィルムを得て、これを製造例1の樹脂フィルム層とした。
[樹脂フィルム層の製造例2]
熱可塑性樹脂組成物(c)と熱可塑性樹脂組成物(a)の各々を、230℃に設定した3台の押出機にてそれぞれ溶融混練した後、250℃に設定した共押出ダイに供給し、ダイ内で積層してシート状に押し出し、これを冷却装置により60℃まで冷却して無延伸シートを得た。この無延伸シートを140℃に加熱し、ロール群の周速差を利用して縦方向に5倍延伸した。次いで、この5倍延伸シートを、60℃まで冷却し、テンターオーブンを用いて再び約150℃に加熱して横方向に9倍延伸した後、更に160℃に調整した熱セットゾーンにより熱処理を行った。その後60℃まで冷却し、耳部をスリットした後、この2軸延伸フィルムの両面にコロナ放電による表面酸化処理を施して、厚みが40μm、坪量が24g/m、空孔率が42%、3層構造〔各層樹脂組成(a/c/a)、各層厚み(2μm/36μm/2μm)、各層延伸軸数(2軸/2軸/2軸)〕の延伸樹脂フィルムを得て、これを製造例2の樹脂フィルム層とした。
[樹脂フィルム層の製造例3]
熱可塑性樹脂組成物(c)を230℃に設定した押出機にて溶融混練した後、250℃に設定した押出ダイに供給し、シート状に押し出し、これを冷却装置により60℃まで冷却して無延伸シートを得た。この無延伸シートを140℃に加熱し、ロール群の周速差を利用して縦方向に5倍延伸した。次いで熱可塑性樹脂組成物(d)を250℃に設定した2台の押出機にて溶融混練した後、シート状に押し出し、上で調製した5倍延伸シートの両面にそれぞれに積層し、3層構造の積層シートを得た。
次いで、この積層シートを、60℃まで冷却し、テンターオーブンを用いて再び約150℃に加熱して横方向に9倍延伸した後、更に160℃に調整した熱セットゾーンにより熱処理を行った。その後60℃まで冷却し、耳部をスリットした後、この延伸フィルムの両面にコロナ放電による表面酸化処理を施して、厚みが60μm、坪量が42g/m、空孔率が38%、3層構造〔各層樹脂組成(d/c/d)、各層厚み(10μm/40μm/10μm)、各層延伸軸数(1軸/2軸/1軸)〕の延伸樹脂フィルムを得て、これを製造例3の樹脂フィルム層とした。
[樹脂フィルム層の製造例4]
熱可塑性樹脂組成物(e)と熱可塑性樹脂組成物(a)の各々を、230℃に設定した2台の押出機にてそれぞれ溶融混練した後、250℃に設定した共押出ダイに供給し、ダイ内で積層してシート状に押し出し、これを冷却装置により60℃まで冷却して無延伸シートを得た。この無延伸シートを150℃に加熱し、ロール群の周速差を利用して縦方向に4倍延伸した。次いで、この4倍延伸シートを、60℃まで冷却し、テンターオーブンを用いて再び約155℃に加熱して横方向に8倍延伸した後、更に160℃に調整した熱セットゾーンにより熱処理を行った。その後60℃まで冷却し、耳部をスリットした後、この2軸延伸フィルムの片面(熱可塑性樹脂組成物(a)側の面)にコロナ放電による表面酸化処理を施して、厚みが30μm、坪量が27g/mの2層構造〔各層樹脂組成(e/a)、各層厚み(2μm/28μm)、各層延伸軸数(2軸/2軸)〕の延伸樹脂フィルムを得て、これを製造例4の樹脂フィルム層とした。
[樹脂フィルム層の製造例5]
熱可塑性樹脂組成物(f)と熱可塑性樹脂組成物(c)と熱可塑性樹脂組成物(a)の各々を、230℃に設定した3台の押出機にてそれぞれ溶融混練した後、250℃に設定した共押出ダイに供給し、ダイ内で積層してシート状に押し出し、これを冷却装置により60℃まで冷却して無延伸シートを得た。この無延伸シートを140℃に加熱し、ロール群の周速差を利用して縦方向に5倍延伸した。次いで、この5倍延伸シートを、60℃まで冷却し、テンターオーブンを用いて再び約150℃に加熱して横方向に9倍延伸した後、更に160℃に調整した熱セットゾーンにより熱処理を行った。その後60℃まで冷却し、耳部をスリットした後、この2軸延伸フィルムの片面(熱可塑性樹脂組成物(a)側の面)にコロナ放電による表面酸化処理を施して、厚みが40μm、坪量が24g/m、空孔率が42%、3層構造〔各層樹脂組成(f/c/a)、各層厚み(2μm/36μm/2μm)、各層延伸軸数(2軸/2軸/2軸)〕の延伸樹脂フィルムを得て、これを製造例5の樹脂フィルム層とした。
[樹脂フィルム層の製造例6]
熱可塑性樹脂組成物(c)を230℃に設定した押出機にて溶融混練した後、250℃に設定した押出ダイに供給し、シート状に押し出し、これを冷却装置により60℃まで冷却して無延伸シートを得た。この無延伸シートを140℃に加熱し、ロール群の周速差を利用して縦方向に5倍延伸した。次いで熱可塑性樹脂組成物(d)と熱可塑性樹脂組成物(f)の各々を250℃に設定した2台の押出機にて溶融混練した後、250℃に設定した押出ダイに供給し、ダイ内で積層してシート状に押し出し、上で調製した5倍延伸シートの片面に熱可塑性樹脂組成物(f)が最外層となるように積層した。また、熱可塑性樹脂組成物(d)を250℃に設定した押出機にて溶融混練した後、シート状に押し出し、上で調製した5倍延伸シートのもう一方の面に積層し、4層構造の積層シートを得た。
次いで、この積層シートを、60℃まで冷却し、テンターオーブンを用いて再び約150℃に加熱して横方向に9倍延伸した後、更に160℃に調整した熱セットゾーンにより熱処理を行った。その後60℃まで冷却し、耳部をスリットした後、この延伸フィルムの片面(熱可塑性樹脂組成物(d)側の面)にコロナ放電による表面酸化処理を施して、厚みが60μm、坪量が46g/m、空孔率が32%、4層構造〔各層樹脂組成(f/d/c/d)、各層厚み(4μm/11μm/30μm/15μm)、各層延伸軸数(1軸/1軸/2軸/1軸)〕の延伸樹脂フィルムを得て、これを製造例6の樹脂フィルム層とした。
[記録層(D)を有する樹脂フィルム層(B)の製造例(B)−1〜(B)−6]
上記樹脂フィルム層の製造例1〜3で得た樹脂フィルム層の片面上に、上記塗工液の製造例で得た記録層(D)用の塗工液(D)−1〜(D)−6を、表4に記載の組み合わせで、塗工液乾燥後に表4に記載の塗工量(固形分量)になるようにメイヤーバーコーターで塗工し、オーブン中90℃で1分間乾燥固化させて、記録層(D)を有する樹脂フィルム層(B)−1〜(B)−6を得た。
Figure 2014104237
[ヒートシール層(E)を有する樹脂フィルム層(C)の製造例(C)−1〜(C)−3]
上記樹脂フィルム層の製造例4〜6で得た樹脂フィルム層の熱可塑性樹脂組成物(e)の層または熱可塑性樹脂組成物(f)の層をヒートシール層(E)として、ヒートシール層(E)を有する樹脂フィルム層(C)−1〜(C)−3を得た。
[ヒートシール層(E)を有する樹脂フィルム層(C)の製造例(C)−4]
上記樹脂フィルム層の製造例1で得た樹脂フィルム層の片面上に、エチレン・アクリル酸共重合体分散液(中央理化工業(株)製、商品名:アクアテックス AC−3100、固形分濃度:45wt%、融点:90℃)を、リバースグラビアコーターを用いて乾燥後の固形分量が1g/mになるように塗工し、オーブン中120℃で2分間乾燥させてヒートシール層(E)を形成し、ヒートシール層(E)を有する樹脂フィルム層(C)−4を得た。
[ガスバリア層(A)の製造例(A)−1]
ポリビニルアルコールの2軸延伸フィルム(日本合成化学工業(株)製、商品名:ボブロンEX、厚み:12μm)を得て、これをガスバリア層(A)−1として使用した。
[ガスバリア層(A)の製造例(A)−2]
ポリビニルアルコールの2軸延伸フィルム(日本合成化学工業(株)製、商品名:ボブロン#180、厚み:18μm)を得て、これをガスバリア層(A)−2として使用した。
[実施例1]
表5に記載の記録層(D)を有する樹脂フィルム層(B)((B)−1)の、樹脂フィルム層(B)側の面に、接着剤(東洋モートン(株)製、商品名:TM−329と商品名:CAT−18Bの等量混合液)を乾燥後の固形分量が3g/mとなるように塗工し、40℃で1分間乾燥した後に、表5に記載のガスバリア層(A)((A)−1)を積層し、ニップロールで両者を圧着した。
次いで、表5に記載のヒートシール層(E)を有する樹脂フィルム層(C)((C)−1)の樹脂フィルム層(C)側の面に、接着剤(東洋モートン(株)製、商品名:TM−329と商品名:CAT−18Bの等量混合液)を乾燥後の固形分量が3g/mとなるように塗工し、40℃で1分間乾燥した後に、先に記録層(D)を有する樹脂フィルム層(B)を積層したガスバリア層(A)のもう一方の面に積層し、ニップロールで両者を圧着して、実施例1のガスバリア性積層体を得た。得られたガスバリア性積層体から測定された表面抵抗率、酸素ガス透過度、および透湿度を表5に示す。
[実施例2〜4、比較例1、2]
実施例1において、表5に記載の記録層(D)を有する樹脂フィルム層(B)((B)−1〜(B)−6)、表5に記載のガスバリア層(A)((A)−1または(A)−2)、および表5に記載のヒートシール層(E)を有する樹脂フィルム層(C)((C)−1〜(C)−4)を使用した以外は、実施例1と同様にして、実施例2〜4、比較例1、および比較例2のガスバリア性積層体を得た。得られたガスバリア性積層体から測定された表面抵抗率、酸素ガス透過度、および透湿度を表5に示す。
[比較例3]
実施例1において、ガスバリア層(A)を使用せずに、樹脂フィルム層(B)−1の、樹脂フィルム層(B)側の面に実施例1で使用した接着剤を実施例1と同様に塗工し、乾燥した後に、樹脂フィルム層(C)−1の樹脂フィルム層(C)側の面に接着剤が接するように積層した以外は、実施例1と同様にして、比較例3のガスバリア性積層体を得た。得られたガスバリア性積層体から測定された表面抵抗率、酸素ガス透過度、および透湿度を表5に示す。
[評価用包装容器の作製]
実施例1〜4、比較例1〜3のガスバリア性積層体の記録層(D)側の面に、オフセット印刷機(三菱重工(株)製 商品名:ダイヤ−OF4型印刷機)およびUVインキ((株)ティーアンドケイ東華製、商品名:UV−161 墨、藍、紅、黄)を使用して、200%ベタを含む絵柄の4色オフセット印刷し、次いで紫外線ランプ(メタルハライド灯、出力80W/cm、アイグラフィックス株式会社社製)1灯を用い、紫外線ランプとガスバリア性積層体との距離を10cmとして紫外線ランプの下を10m/分の速度で1回通過させ、UVインキを乾燥させて記録物を得た。得られた記録物から打ち抜き刃を使用して図3の形状を有する2種類(側面用および底面用)のインモールドラベル13,14を作製した。
樹脂押出機と型締め装置よりなる射出成形機(日精樹脂工業(株)製、商品名:ES3000 ELJECT)に、図4の断面形状を有する内径55mm、内容積約300mlの容器を1度に4個形成できる金型を取り付けた。同金型の雌金型内に上記ラベル2種を印刷した面が金型表面に接する様に挿入し、帯電装置(春日電機(株)製、商品名:静電気微物採取器(JPK−3))を使用して金型にラベルを固定した。
約150tの型締力にて金型を型締めした後、容器の樹脂材料としてプロピレン単独重合体(日本ポリプロ(株)製、商品名:ノバテックPP MA3)を用い、これを押出機にて溶融混練した後に約2tの射出圧力で金型内に射出した。冷却後に金型内より、容器を取り出し、ガスバリア性積層体をインモールドラベルとして貼着したガスバリア性包装容器を得た。
内容物として、焙煎したコーヒー豆をコーヒーミルで粉状に粉砕したものを用い、これを上記容器に充満し、ラベルと同様のガスバリア性積層体を円形に打ち抜いたものを蓋材に使用し、カップシーラー(志賀包装機(株)製、商品名:300SC)にて内容物を密封して、評価用包装容器を作製した。
[評価用包装袋の作製例]
実施例1〜4、比較例1〜3のガスバリア性積層体の記録層(D)側の面に、オフセット印刷機(三菱重工(株)製 商品名:ダイヤ−OF4型印刷機)およびUVインキ((株)ティーアンドケイ東華製、商品名:UV−161 墨、藍、紅、黄)を使用して、200%ベタを含む絵柄の4色オフセット印刷し、次いで紫外線ランプ(メタルハライド灯、出力80W/cm、アイグラフィックス株式会社社製)1灯を用い、紫外線ランプとガスバリア性積層体との距離を10cmとして紫外線ランプの下を10m/分の速度で1回通過させ、UVインキを乾燥させて記録物を得た。得られた記録物をギロチン断裁機にて150mm×300mmの大きさに断裁し、図2に示したように2枚の記録物の樹脂フィルム層(C)同士が接する様にしてヒートシーラーを用いて3辺を熱融着してヒートシール接着部12を形成し、印刷11が施された記録層(D)5が外側に位置したガスバリア性包装袋10を得た。
内容物として、焙煎したコーヒー豆をコーヒーミルで粉状に粉砕したものを用い、これを上記袋に充満し、ヒートシーラーを用いて開封口を熱融着して内容物を密封して、評価用包装袋を作製した。
得られた評価用包装容器と評価用包装袋を、下記の試験例に示す特性について評価を行った。得られた評価結果を表5に示す。
[試験例]
(インキ密着性)
上記評価用包装容器と評価用包装袋を、90℃のオーブン中で1時間加熱処理した後、−4℃の冷凍庫中で1日間冷凍保管を実施し、更に23℃の水中に1日間浸漬した後に、ラベルに施した印刷を爪で擦り、以下の基準で評価した。結果を表5にまとめて示す。
○ : 良好 (全くインキは剥離しない)
△ : やや良好(数回擦るとインキが剥離する)
× : 不良 (直ぐにインキが剥離する)
(耐埃性)
上記評価用包装容器と評価用包装袋を、定常的に荷積みや荷降ろしが行われる倉庫内の冷暗所に、剥き出しで6ヶ月間保管し、側面のラベルの埃の付着度合いを以下の基準で評価した。
○ : 良好 (殆ど誇りが付着していない)
△ : やや良好(ラベルの淵に埃による変色が見られる)
× : 不良 (ラベル面が黒く変色している)
(保香性)
上記耐埃性を評価した上記評価用包装容器と評価用包装袋を開封して、コーヒー粉末の香りを嗅ぎ、新たに焙煎したコーヒー豆を粉状に粉砕したコーヒー粉末(ブランク)の香りと比較して、以下の基準で評価した。
○ : 良好 (差異は感じない)
△ : やや良好(香りの低下を若干感じる)
× : 不良 (香りが殆ど抜けている)
Figure 2014104237
実施例1〜4のガスバリア性積層体によればインキ密着性、耐埃性、および保香性の何れも良好またはやや良好であり、比較例1〜3のガスバリア性積層体に比べて優れた性能を具備していることが分かる。
以上の結果から明らかなように、本発明のガスバリア性積層体は、優れたガスバリア性、水蒸気バリア性、ヒートシール性、柔軟性、耐衝撃性、耐ピンホール性に加え、印刷・抜き工程での埃やゴミの付着が少なく、食品や化粧品の包装容器としてそのまま袋状に加工されて包装容器として使用されたり、インモールドラベルとして容器の最外層に使用されたりした場合に印刷面の耐水性が高く、埃やゴミが付着し難いという特徴を有する。
本発明を詳細にまた特定の実施態様を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは当業者にとって明らかである。本出願は、2012年12月27日出願の日本特許出願(特願2012−283841)に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。
本発明のガスバリア性積層体は、帯電による埃やゴミの付着が少なく、かつ優れた印刷性を有し、内容物を密閉充填する包装材料としてそのまま袋状に加工して包装袋として使用したり、インモールドラベルとして樹脂容器の最外層に貼着して包装容器として使用したりした場合に、水蒸気、酸素や有害ガスを遮断して内容物の化学的変化を軽減・防止することができる。
1 ガスバリア性積層体
2 ガスバリア層(A)
3 樹脂フィルム層(B)
4 樹脂フィルム層(C)
5 記録層(D)
6 ヒートシール層(E)
7,8 接着剤層
10 ガスバリア性包装袋
11 印刷
12 ヒートシール接着部
13 インモールドラベル(側面用)
14 インモールドラベル(底面用)
15 ガスバリア性包装容器
16 射出成形部材

Claims (15)

  1. 記録層(D)を有する樹脂フィルム層(B)と、ヒートシール層(E)を有する樹脂フィルム層(C)との間に、熱可塑性樹脂フィルムから形成されるガスバリア層(A)を少なくとも1層積層した積層体であって、前記記録層(D)の表面抵抗率が1×10〜9×1012Ωである、ガスバリア性積層体。
  2. 23℃、0%RHに於ける酸素ガス透過度が0.001〜5cm/(m・24h・atm)であり、かつ38℃、90%RHに於ける透湿度が0.01〜10g/(m・24h)である、請求項1に記載のガスバリア性積層体。
  3. 前記記録層(D)が、顔料粒子1〜70重量%、バインダー樹脂0〜98重量%、および脂溶性のポリマー帯電防止剤1〜99重量%を含むコート層である、請求項1または請求項2に記載のガスバリア性積層体。
  4. 前期ポリマー帯電防止剤が、アルキレンオキシド基および水酸基の何れか一方と、アルカリ金属イオンを含有している、請求項3に記載のガスバリア性積層体。
  5. 前記ポリマー帯電防止剤が下記一般式(1)で表される構造単位を含む、請求項3または請求項4に記載のガスバリア性積層体。
    Figure 2014104237

    (式(1)中、R、Rは各々独立に水素原子またはメチル基を表し、Rは水素原子、塩素原子またはメチル基を表し、Rは炭素数1〜30のアルキル基を表し、Aは下記の<1群>から選択される1種の連結基か、下記の<1群>から選択される1種以上の連結基と下記の<2群>から選択される1種以上の連結基とが交互に結合した連結基か、または単結合を表し、
    <1群>置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキレン基、
    置換基を有していてもよい炭素数6〜20のアリーレン基
    <2群>−CONH−、−NHCO−、−OCONH−、
    −NHCOO−、−NH−、−COO−、−OCO−、
    −O−
    Mはアルカリ金属を表し、mは0〜300の整数を表し、nは1〜300の整数を表し、pは1〜100の整数を表す。pが2以上である場合、Rは同一であってもよく、異なっていてもよい。)
  6. 前記記録層(D)がアルカリ金属イオンを0.01〜1重量%含有する、請求項1〜請求項5の何れか一項に記載のガスバリア性積層体。
  7. 前記アルカリ金属イオンがリチウムイオンである、請求項6に記載のガスバリア性積層体。
  8. 前記ガスバリア層(A)を構成する前記熱可塑性樹脂フィルムが、ビニルアルコール樹脂、およびエチレン・ビニルアルコール共重合体樹脂の少なくとも一つを含むビニルアルコール系樹脂を含む、請求項1〜請求項7の何れか一項に記載のガスバリア性積層体。
  9. 前記ガスバリア層(A)が、前記ビニルアルコール系樹脂を少なくとも一軸方向に延伸した延伸フィルムを含む、請求項8に記載のガスバリア性積層体。
  10. 前記樹脂フィルム層(B)及び前記樹脂フィルム層(C)がオレフィン系樹脂を含む、請求項1〜請求項9の何れか一項に記載のガスバリア性積層体。
  11. 前記樹脂フィルム層(B)及び前記樹脂フィルム層(C)がオレフィン系樹脂の2軸延伸フィルムを含む、請求項10に記載のガスバリア性積層体。
  12. 前記ヒートシール層(E)が融点60〜150℃の熱可塑性樹脂を含む、請求項1〜請求項11の何れか一項に記載のガスバリア性積層体。
  13. 前記樹脂フィルム層(B)の厚みが5〜200μmであり、前記樹脂フィルム層(C)の厚みが5〜200μmであり、かつ前記ガスバリア層(A)の厚みが1〜50μmである、請求項1〜請求項12の何れか一項に記載のガスバリア性積層体。
  14. 請求項1〜請求項13の何れか一項に記載のガスバリア性積層体の記録層(D)側表面に印刷を施し、これを袋状にヒートシール加工したガスバリア性包装袋。
  15. 請求項1〜請求項13の何れか一項に記載のガスバリア性積層体の記録層(D)側表面に印刷を施し、これをラベルとしてインモールド成形したガスバリア性包装容器。
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