本技術は、画面上のタッチ位置を検出してデータ入力が可能な静電容量結合方式の入力装置、および、当該入力装置と表示素子としての液晶パネルとを備えた液晶表示装置に関するものである。
表示画面に使用者の指などでタッチ操作することで情報を入力する、画面入力機能をもつ入力装置を備えた表示装置は、PDAや携帯端末などのモバイル用電子機器、各種の家庭電気製品、無人受付機等の据置型顧客案内端末等に用いられている。このようなタッチ操作による入力装置としては、タッチされた部分の抵抗値変化を検出する抵抗膜方式、あるいは容量変化を検出する静電容量結合方式、タッチにより遮蔽された部分の光量変化を検出する光センサ方式など、各種の方式が知られている。
これら各種の方式の中で静電容量結合方式は、抵抗膜方式や光センサ方式と比較した場合に次のような利点がある。例えば、抵抗膜方式や光センサ方式ではタッチ装置の透過率が80%程度と低いのに対し、静電容量結合方式のタッチ装置は約90%と透過率が高く表示画像の画質を低下させない点があげられる。また、抵抗膜方式では抵抗膜の機械的接触によりタッチ位置を検知するため、抵抗膜が劣化または破損するおそれがあるのに対し、静電容量結合方式では検出用電極が他の電極などと接触するような機械的接触がなく、耐久性の点からも有利である。
静電容量結合方式の入力装置としては、例えば、特許文献1で開示されているような方式がある。
本技術はこのような静電容量結合方式の入力装置において、高精細化や大型化が容易な入力装置を提供することを目的とする。また、本技術は、液晶表示パネルと、高精細化や大型化が容易な入力装置とを備えた液晶表示装置を得ることを目的とする。
このような課題を解決するために本技術の入力装置は、1フレーム期間中に複数の走査信号線に順次走査信号を印加して表示の更新を行う表示装置に配置され、複数本の駆動電極と複数本の検知電極とが互いに交差するように配置されるとともに、前記駆動電極と前記検知電極との間に容量素子を形成することにより構成した入力装置であって、前記検知電極は前記表示装置の前記走査信号線に平行となるように配置され、タッチ検出期間において、前記駆動電極に駆動信号を印加するとともに、前記検知電極それぞれから出力される検出信号を検出することによりタッチ位置の検出を行うように構成したことを特徴とする。
また、本技術の他の入力装置は、M本の走査信号線からなるラインブロックをN本配列してなる複数本の走査信号線を有し、1フレーム期間中に前記走査信号線に順次走査信号を印加して表示の更新を行う表示装置に配置され、複数本の駆動電極と複数本の検知電極とが互いに交差するように配置されるとともに、前記駆動電極と前記検知電極との間に容量素子を形成することにより構成した入力装置であって、前記検知電極は、前記表示装置の前記走査信号線に平行となるように、前記走査信号線のN本のラインブロックそれぞれに対応させて配置され、タッチ検出期間において、前記駆動電極に駆動信号を印加するとともに、前記検知電極それぞれから出力される検出信号を検出することによりタッチ位置の検出を行うように構成したことを特徴とする。
さらに、本技術の液晶表示装置は、複数の画素電極およびこの画素電極に対向するように設けた共通電極を有し、前記画素電極への電圧印加を制御するスイッチング素子に順次走査信号を印加して表示の更新を行う液晶パネルと、複数本の駆動電極と複数本の検知電極とが互いに交差するように配置されるとともに、前記駆動電極と前記検知電極との間に容量素子を形成することにより構成され、かつ、前記駆動電極および前記検知電極の少なくとも一方の電極が前記液晶パネル内部に配置された入力装置とを備えた液晶表示装置であって、前記検知電極は前記液晶パネルの走査信号線に平行となるように配置されるとともに、タッチ検出期間において、前記駆動電極に駆動信号を印加するとともに、前記検知電極それぞれから出力される検出信号を検出することによりタッチ位置の検出を行うように構成したことを特徴とする。
本技術によれば、静電容量結合方式の入力装置において、駆動電極と交差するように配置された検知電極を、表示装置の走査信号線に略平行となるように配置することによって、表示装置の表示更新の動作とタッチセンサの検出動作とを同時に行うことが可能となり、高精細化や大型化が容易な入力装置を提供することができる。また、表示装置としての液晶パネルと組み合わせることで、表示デバイスとして最も普及している液晶パネルと高精細化や大型化が容易な入力装置とを備えた液晶表示装置を提供することができる。
本実施形態にかかるタッチセンサ機能を備えた液晶表示装置の全体構成を説明するためのブロック図。
タッチセンサを構成する駆動電極と検知電極の配列の一例を示す分解斜視図。
タッチセンサの概略構成と等価回路について、タッチ操作を行っていない状態とタッチ操作を行った状態とを説明するための説明図。
タッチ操作を行っていない場合とタッチ操作を行った場合の検出信号の変化を示す説明図。
液晶パネルの走査信号線の配列構造とタッチセンサの駆動電極および検知電極の配列構造を示す概略図。
本実施形態にかかるタッチセンサ機能を備えた液晶表示装置に用いられる液晶パネルの、TFT基板の構成を示す説明図。
本実施形態にかかるタッチセンサ機能を備えた液晶表示装置に用いられる液晶パネルの、対向基板の構成を示す説明図。
液晶パネルのひとつのサブピクセルとその周辺部の電極構成の一例を示す平面図。
液晶パネルのひとつのサブピクセルとその周辺部の電極構成の一例を示す断面図。
液晶パネルの他の構成例における、ひとつのサブピクセルとその周辺部の電極構成の例を示す断面図。
液晶パネルのさらに異なる構成例における、ひとつのサブピクセルとその周辺部の電極構成の例を示す断面図。
液晶パネルの表示更新を行う走査信号線のラインブロックへの走査信号の入力と、タッチセンサでのタッチ検出を行うための駆動電極への駆動信号の印加と、検知電極での検知信号の取得との関係の一例を示す説明図。
ラインブロック10−1の走査信号線の走査期間における、検知電極による検知動作と駆動電極に印加される駆動信号との関係の一例を説明するための説明図。
液晶パネルの表示更新を行う走査信号線のラインブロックへの走査信号の入力と、タッチセンサでのタッチ検出を行うための駆動電極への駆動信号の印加と、検知電極での検知信号の取得との関係の他の例を示す説明図。
各ラインブロックの走査信号線の走査期間における、検知電極による検知動作と駆動電極に印加されるパルス電圧との関係の一例を示す説明図。
タッチセンサを構成する駆動電極と検知電極の配列の他の例を示す分解斜視図。
駆動電極と検知電極の配列の他の例の配置構成の場合における、液晶パネルの走査信号線の配列構造とタッチセンサの駆動電極および検知電極の配列構造を示す概略図。
駆動電極と検知電極の配列の他の例の配置構成の場合における、タッチセンサ機能を備えた液晶表示装置の液晶パネルのTFT基板の構成を示す説明図。
駆動電極と検知電極の配列の他の例の配置構成の場合における、タッチセンサ機能を備えた液晶表示装置の液晶パネルの対向基板の構成を示す説明図。
本実施形態にかかる液晶表示装置における、タッチ信号を取り出す回路構成を説明する回路ブロック図。
本実施形態にかかる液晶表示装置における、タッチ信号を取り出す回路構成の他の構成例を説明する回路ブロック図。
本実施形態にかかる液晶表示装置における、液晶パネルの共通電極を用いて検知電極を形成する第1の形成例を示す図。
本実施形態にかかる液晶表示装置における、液晶パネルの共通電極を用いて検知電極を形成する第2の形成例を示す図。
本技術の入力装置は、1フレーム期間中に複数の走査信号線に順次走査信号を印加して表示の更新を行う表示装置に配置され、複数本の駆動電極と複数本の検知電極とが互いに交差するように配置されるとともに、前記駆動電極と前記検知電極との間に容量素子を形成することにより構成した入力装置であって、前記検知電極は前記表示装置の前記走査信号線に平行となるように配置され、タッチ検出期間において、前記駆動電極に駆動信号を印加するとともに、前記検知電極それぞれから出力される検出信号を検出することによりタッチ位置の検出を行うように構成している。
本技術の入力装置は、1フレーム期間中に複数の走査信号線に順次走査信号を印加して表示の更新を行う表示装置の走査信号線と平行となるように、かつ、駆動電極と交差するように配置された検知電極を備え、タッチ検出期間に駆動電極に駆動信号を印加するとともに検知電極それぞれから出力される検出信号を検出することによりタッチ位置の検出を行う。このため、表示装置の表示更新の動作とタッチセンサの検出動作とを同時に行うことが可能となり、高精細化や大型化が容易な入力装置を実現することができる。
本技術の入力装置において、前記タッチ検出期間は、前記走査信号が印加されている前記走査信号線に近接した前記検知電極における検知動作は行わず、前記走査信号が印加されていない前記走査信号線に近接した前記検知電極において検知動作を行うように構成されていることが好ましい。このようにすることで、走査信号の印加に伴うノイズの影響を効果的に回避することができ、より精度の高いタッチ位置検出を行うことができる入力装置を得ることができる。
また、本技術の他の入力装置は、M本の走査信号線からなるラインブロックをN本配列してなる複数本の走査信号線を有し、1フレーム期間中に前記走査信号線に順次走査信号を印加して表示の更新を行う表示装置に配置され、複数本の駆動電極と複数本の検知電極とが互いに交差するように配置されるとともに、前記駆動電極と前記検知電極との間に容量素子を形成することにより構成した入力装置であって、前記検知電極は、前記表示装置の前記走査信号線に平行となるように、前記走査信号線のN本のラインブロックそれぞれに対応させて配置され、タッチ検出期間において、前記駆動電極に駆動信号を印加するとともに、前記検知電極それぞれから出力される検出信号を検出することによりタッチ位置の検出を行うように構成している。
本技術の他の入力装置は、配置される表示装置が、さらに、M本の走査信号線からなるラインブロックをN本配列した構成となっていて、検知電極がこのN本のラインブロックにそれぞれに対応させて配置されている構成を有する。このため、走査信号線が複数のラインブロックを形成している表示装置において、表示装置の表示更新の動作とタッチセンサの検出動作とを同時に行うことが可能となり、高精細化や大型化が容易な入力装置を実現することができる。
本技術の他の入力装置において、前記タッチ検出期間は、前記走査信号が印加されている前記走査信号線に近接した前記検知電極における検知動作は行わず、前記走査信号が印加されていない前記走査信号線に近接した前記検知電極において検知動作を行うように構成されていることが好ましい。このようにすることで、走査信号の印加に伴うノイズの影響を効果的に回避することができ、より精度の高いタッチ位置検出を行うことができる入力装置を得ることができる。
また、前記検知電極および前記駆動電極の少なくとも一方の電極は、前記表示装置の内部に前記走査信号線に平行、または、前記走査信号線と交差するように配置されていることが好ましい。このようにすることで、入力装置を備えた薄型の表示装置をより簡単な構成で実現することができる。
本技術の液晶表示装置は、複数の画素電極およびこの画素電極に対向するように設けた共通電極を有し、前記画素電極への電圧印加を制御するスイッチング素子に順次走査信号を印加して表示の更新を行う液晶パネルと、複数本の駆動電極と複数本の検知電極とが互いに交差するように配置されるとともに、前記駆動電極と前記検知電極との間に容量素子を形成することにより構成され、かつ、前記駆動電極および前記検知電極の少なくとも一方の電極が前記液晶パネル内部に配置された入力装置とを備えた液晶表示装置であって、前記検知電極は前記液晶パネルの走査信号線に平行となるように配置されるとともに、タッチ検出期間において、前記駆動電極に駆動信号を印加するとともに、前記検知電極それぞれから出力される検出信号を検出することによりタッチ位置の検出を行うように構成している。
本技術の液晶表示装置は、1フレーム期間中に複数の走査信号線に順次走査信号を印加して表示の更新を行う液晶パネルの走査信号線と平行となるように、かつ、駆動電極と交差するように配置された検知電極を備え、タッチ検出期間に駆動電極に駆動信号を印加するとともに検知電極それぞれから出力される検出信号を検出することによりタッチ位置の検出を行う。このため、液晶パネルでの表示更新の動作とタッチセンサの検出動作とを同時に行うことが可能となり、高精細化や大型化が容易な液晶表示装置を実現することができる。
本技術の液晶表示装置において、前記タッチ検出期間は、前記走査信号が印加されている走査信号線に近接した検知電極における検知動作は行わず、走査信号が印加されていない走査信号線に近接した検知電極において検知動作を行うように構成されていることが好ましい。このようにすることで、液晶パネルにおける走査信号の印加に伴うノイズの影響を効果的に回避することができ、より精度の高いタッチ位置検出を行うことができる入力装置を備えた液晶表示装置を得ることができる。
(実施の形態)
以下、本技術の一実施の形態にかかる入力装置について、表示装置としての液晶パネルと共に液晶表示装置に用いられるタッチセンサを例に説明する。なお、この実施形態は、本技術の液晶表示装置の実施形態を兼ねるものである。また、本実施形態は、本技術にかかる入力装置の例示に過ぎず、本技術の入力装置は、有機/無機のEL(エレクトロルミネッセンス)表示装置などの液晶表示装置以外の表示装置にも適用することができる。
図1は、本技術の一実施の形態にかかる入力装置である、タッチセンサ機能を備えた液晶表示装置の全体構成を説明するためのブロック図である。
図1に示すように、液晶表示装置は、液晶パネル1、バックライトユニット2、走査線駆動回路3、映像線駆動回路4、バックライト駆動回路5、センサ駆動回路6、信号検出回路7、および、制御装置8を備えている。
液晶パネル1は矩形の平板形状であり、ガラス基板などの透明基板からなるTFT基板と、このTFT基板に対向するように所定の間隙を設けて配置される対向基板とを有し、TFT基板と対向基板との間に液晶材料を封入することにより構成されている。
TFT基板は、液晶パネル1の背面側に位置し、基材であるガラスなどからなる透明な基板上に、マトリクス状に配置された画素電極と、それぞれの画素電極に対応して設けられ、画素電極への電圧印加をオン/オフ制御するスイッチング素子としての薄膜トランジスタ(TFT)と、共通電極などが形成されることにより構成されている。
対向基板は、液晶パネル1の前面側に位置し、基材であるガラスなどからなる透明な基板上に、TFT基板に形成された画素電極に対応する位置に、それぞれがサブピクセルを構成する赤(R)、緑(G)、青(B)の3原色からなるカラーフィルタ(CF)が配置されている。また、対向基板には、R、G、Bの各サブピクセル同士の間、および/または、サブピクセルにより構成される画素の間に配置される、コントラストを向上させるための遮光材料からなるブラックマトリクスが形成されている。なお、本実施の形態では、TFT基板の各画素電極に対応して形成されるTFTとして、nチャネル型のTFTを例に、ドレイン電極とソース電極とを備えた構成のものについて説明する。
TFT基板には、複数の映像信号線9と複数の走査信号線10とが互いに概ね直交して形成される。走査信号線10はTFTの水平列ごとに設けられ、水平列の複数のTFTのゲート電極に共通に接続される。映像信号線9はTFTの垂直列ごとに設けられ、垂直列の複数のTFTのドレイン電極に共通に接続される。また、各TFTのソース電極には、それぞれのTFTに対応した、画像表示領域に配置されている画素電極が接続される。
TFT基板に形成された各TFTは、走査信号線10に印加される走査信号に応じて水平列単位で、オン/オフ動作が制御される。オン状態とされた水平列の各TFTは、それぞれに接続された画素電極の電位を、映像信号線9に印加される映像信号に応じた電位(画素電圧)に設定する。そして、液晶パネル1は、複数の画素電極およびこの画素電極に対向するように設けた共通電極を有し、画素電極と共通電極との間に生じる電界によってそれぞれの画素電極が形成された領域ごとに液晶の配向を制御し、バックライトユニット2から入射した光に対する透過率を変えることにより、表示面に画像を形成する。
バックライトユニット2は、液晶パネル1の背面側に配置され、液晶パネル1の背面から光を照射するもので、例えば複数の発光ダイオードを配列して面光源を構成する構造や、導光板と拡散反射板とを組み合わせて用いることで、発光ダイオードの光を面光源とする構成の構造のものが知られている。
走査線駆動回路3は、TFT基板に形成された複数の走査信号線10に接続されている。
走査線駆動回路3は、制御装置8から入力されるタイミング信号に応じて走査信号線10を順番に選択し、選択した走査信号線10にTFTをオンする電圧を印加する。例えば、走査線駆動回路3は、シフトレジスタを含んで構成され、シフトレジスタは制御装置8からのトリガ信号を受けて動作を開始し、垂直走査方向に沿った順序で走査信号線10を順次選択し、選択した走査信号線10に走査信号である走査パルスを出力する。
映像線駆動回路4は、TFT基板に形成された複数の映像信号線9に接続されている。
映像線駆動回路4は、走査線駆動回路3による走査信号線10の選択に合わせて、選択された走査信号線10に接続されるTFTそれぞれに、各サブピクセルの階調値を表す映像信号に応じた電圧を印加する。これにより、選択された走査信号線10に対応するサブピクセルに配置されている各画素電極に、映像信号が書き込まれる。
バックライト駆動回路5は、制御装置8から入力される発光制御信号に応じたタイミングや輝度でバックライトユニット2を発光させる。
液晶パネル1には、入力装置であるタッチセンサを構成する電極として、複数の駆動電極11と複数の検知電極12とが互いに交差するように配置されている。
これらの駆動電極11および検知電極12により構成されるタッチセンサは、駆動電極11と検知電極12との間で、電気信号の入力と静電容量変化による応答検出とを行い、表示面への物体の接触を検出する。この接触を検出する電気回路として、センサ駆動回路6および信号検出回路7が設けられている。
センサ駆動回路6は、交流信号源であり、駆動電極11に接続される。例えば、センサ駆動回路6は制御装置8からタイミング信号が入力され、駆動電極11を順番に選択し、選択した駆動電極11に矩形状のパルス電圧による駆動信号Txvを印加する。
駆動電極11および映像信号線9は、TFT基板に垂直方向に延在するように形成され、水平方向に複数本が配列されている。これらの駆動電極11および映像信号線9に電気的に接続されるセンサ駆動回路6および映像線駆動回路4は、画素が配列される画像表示領域の水平な辺に沿って配置することができ、本実施形態の液晶表示装置では、上下の辺の一方に映像線駆動回路4を配置し、他方にセンサ駆動回路6を配置している。
信号検出回路7は、静電容量変化を検出する検出回路であり、検知電極12に接続される。信号検出回路7は、検知電極12ごとに検出回路を設け、検知電極12の電圧を検出信号Rxvとして検出する構成としている。なお、信号検出回路の他の構成例として、複数本の検知電極12の群に対して1つの信号検出回路を設け、駆動電極11に印加されるパルス電圧の持続時間内において、複数本の検知電極12での検出信号Rxvの電圧監視を時分割で行い、それぞれの検知電極12からの検出信号Rxvを検出するように構成してもよい。
表示面上での物体の接触位置、すなわちタッチ位置は、どの駆動電極11に駆動信号Txvを印加したときに、どの検知電極12で接触時の検知信号Rxvが検出されたかに基づいて求められ、それら駆動電極11と検知電極12との交点が接触位置として演算により求められる。なお、接触位置を求める演算方法としては、液晶表示装置内に演算回路を設けて行う方法や、液晶表示装置の外部の演算回路により行う方法がある。
制御装置8は、CPUなどの演算処理回路、および、ROMやRAMなどのメモリを備えている。制御装置8は、入力される映像データに基づき、色調整などの各種の画像信号処理を行って各サブピクセルの階調値を示す画像信号を生成し、映像線駆動回路4に印加する。また、制御装置8は、入力された映像データに基づき、走査線駆動回路3、映像線駆動回路4、バックライト駆動回路5、センサ駆動回路6および信号検出回路7の動作の同期をとるためのタイミング信号を生成し、それら回路に印加する。また、制御装置8は、バックライト駆動回路5への発光制御信号として、入力された映像データに基づいて発光ダイオードの輝度を制御するための輝度信号を供給する。
本実施形態で説明する液晶表示装置では、液晶パネル1の各信号線や電極に接続される走査線駆動回路3、映像線駆動回路4、センサ駆動回路6、および、信号検出回路7は、フレキシブル配線板、プリント配線板およびガラス基板に各回路の半導体チップを搭載することにより構成している。しかし、走査線駆動回路3、映像線駆動回路4、センサ駆動回路6は、TFT基板上に、TFTなどとともに半導体回路素子などの所定の電子回路を同時に形成することにより搭載してもよい。
図2はタッチセンサを構成する駆動電極と検知電極の配列の一例を示す斜視図である。
図2に示すように、入力装置としてのタッチセンサは、図2の左右方向に延在する複数本のストライプ状の電極パターンである検知電極12と、検知電極12の電極パターンの延在方向と交差する方向に延びる複数本のストライプ状の電極パターンである駆動電極11とから構成されている。それぞれの駆動電極11と検知電極12とが互いに交差した交差部分それぞれに、静電容量を持つ容量素子が形成される。なお、本実施の形態にかかる液晶表示装置において、検知電極12は、液晶パネルにおいて画像表示に用いられる画素電極を用いて形成することができ、また、液晶パネル1内に所定の電極を配置して形成することができる。
また、検知電極12は、走査信号線10が延在する方向に対して平行となるように配置されている。本明細書において、検知電極と走査信号線とが平行となるように配置されているとは、検知電極と走査信号線とが同じ方向に向いて延在して配置されていることを言い、検知電極と走査信号線とが物理的に完全に平行である状態を規定するものではない。
そして、検知電極12は、後で詳細に説明するとおり、M(Mは自然数)本の走査信号線を1ラインブロックとしたとき、複数のN(Nは自然数)本のラインブロックそれぞれに対応するように配置され、ラインブロックごとに検知信号を検出するように構成されている。
タッチ位置の検出動作を行う際は、センサ駆動回路6から列方向(垂直方向)に配置された駆動電極11それぞれに対して、一例として図2中に走査方向として示す方向(左側から右側)に順次駆動信号Txvが印加され、検出対象となるラインブロックに対応して配置された検知電極12から検出信号Rxvを検出することによって、ラインブロックに対応したタッチ位置の検出が行われる。
次に、静電容量方式のタッチセンサにおけるタッチ位置の検出原理(電圧検知方式)について、図3、図4を用いて説明する。
図3(a)、図3(b)は、タッチセンサの概略構成と等価回路について、タッチ操作を行っていない状態(図3(a))とタッチ操作を行った状態(図3(b))とを説明する図である。図4は、図3に示したような、タッチ操作を行っていない場合とタッチ操作を行った場合との検出信号の変化を示す説明図である。
静電容量方式のタッチセンサは、図2に示すように、互いに交差するようにマトリクス状に配置された一対の駆動電極11と検知電極12との交差部が、図3(a)に示すように、誘電体Dを挟んで対向配置していることにより容量素子を構成している。等価回路は、図3(a)の図中右側に示すように表わされ、駆動電極11、検知電極12および誘電体Dによって、容量素子C1が構成される。容量素子C1は、その一端が交流信号源としてのセンサ駆動回路6に接続され、他端Pは抵抗器Rを介して接地されるとともに、電圧検出器としての信号検出回路7に接続される。
交流信号源としてのセンサ駆動回路6から駆動電極11(容量素子C1の一端)に、数十kHz〜数百kHz程度の所定の周波数のパルス電圧による駆動信号Txv(図4)を印加すると、検知電極12(容量素子C1の他端P)に、図4に示すような出力波形(検出信号Rxv)が現れる。
指が接触(または近接)していない状態では、図3(a)に示すように、容量素子C1に対する充放電に伴って、容量素子C1の容量値に応じた電流I0が流れる。このときの容量素子C1の他端Pの電位波形は、図4の波形V0のようになり、これが電圧検出器である信号検出回路7によって検出される。
一方、指が接触(または近接)した状態では、図3(b)に示すように、等価回路は、指によって形成される容量素子C2が容量素子C1に直列に追加された形となる。この状態では、容量素子C1、C2に対する充放電に伴って、それぞれ電流I1、I2が流れる。このときの容量素子C1の他端Pの電位波形は、図4の波形V1のようになり、これが電圧検出器である信号検出回路7によって検出される。このとき、点Pの電位は、容量素子C1、C2を流れる電流I1、I2の値によって定まる分圧電位となる。このため、波形V1は、非接触状態での波形V0よりも小さい値となる。
信号検出回路7は、検知電極12それぞれから出力される検出信号の電位を所定のしきい値電圧Vthと比較し、このしきい値電圧以上であれば非接触状態と判断し、しきい値電圧未満であれば接触状態と判断する。このようにして、タッチ検出が可能となる。なお、タッチ位置の検出を行うために、図4に示したような電圧の大きさによって判別する方法以外の静電容量の変化を検知する方法として、電流を検知する方法等がある。
図5は、液晶パネルの走査信号線の配列構造とタッチセンサの駆動電極および検知電極の配列構造を示す概略図である。
図5に示すように、水平方向に延在する走査信号線10は、M(Mは自然数)本の走査信号線G1−1、G1−2・・・G1−Mを1ラインブロックとし、複数のN(Nは自然数)本のラインブロック10−1、10−2・・・10−Nに分割して配列されている。
タッチセンサの検知電極12は、ラインブロック10−1、10−2・・・10−Nにそれぞれ対応させて、N本の検知電極12−1、12−2・・・12−Nが水平方向に延在するように配列されている。そして、N本の検知電極12−1、12−2・・・12−Nと交差するように、複数本の駆動電極11(Tx−1、Tx−2、・・・、Tx−k)が配列されている。
すなわち、表示装置である液晶パネル1は、M本の走査信号線からなるラインブロックをN本配列してなる複数本の走査信号線10を有し、1フレーム期間中に順次走査信号を印加して表示の更新を行うように構成されている。入力装置であるタッチセンサを構成する検知電極12は、走査信号線10に平行となるように、かつ、走査信号線10のN個のラインブロック10−1、10−2・・・10−Nにそれぞれ対応するように、検知電極12−1、12−2・・・12−Nが配置されている。駆動電極11は、検知電極12−1、12−2・・・12−Nに略直交して交差するように絶縁体層を介して配置され、駆動電極と検知電極との間の交差部分それぞれに、実質的に図3に示した容量素子C1が形成されることにより構成されている。タッチセンサは、タッチ検出期間において、駆動電極11に順次駆動信号を印加するとともに、検知電極12−1、12−2・・・12−Nそれぞれから出力される検出信号を検出することにより、タッチ位置の検出を行うように構成されている。
図6、図7は、本技術の一実施形態にかかるタッチセンサ機能を備えた液晶表示装置の液晶パネルの構成を示す説明図である。図6は、液晶パネルのTFT基板の構成を示す概略平面図であり、図7は、TFT基板に対向して配置される対向基板の構成を示す概略平面図である。なお、図6、図7は、それぞれの基板を液晶パネル1の前面側、すなわち、観視者が表示される画像を見る方向から見た状態を示している。
図6に示すように、液晶パネル1のTFT基板1a上には、マトリクス状に配置されそれぞれが一つのサブピクセルに相当する画素電極と、各画素電極に対応して設けられ画素電極への電圧印加をオン/オフ制御するスイッチング素子としての薄膜トランジスタ(TFT)と、画素電極との間に絶縁層を介して配置された共通電極などが形成されることにより、液晶パネル1での画像表示を行う領域である画像表示領域13が形成されている。なお、図6においては、図面の煩雑化を避けるために画素表示領域13のみを示し、画素電極やTFT、共通電極の図示は省略する。
また、TFT基板1a上には、映像信号線9に接続される映像線駆動回路4と、走査信号線10に接続される走査線駆動回路3とが配置されている。なお、図1を用いて説明したように、TFT基板1a上には、複数の映像信号線9と複数の走査信号線10とが互いに概ね直交するように配置され、走査信号線10は各画素電極に対応するTFTの水平列方向に設けられ、複数のTFTのゲート電極に共通に接続される。また、映像信号線9は各画素電極に対応するTFTの垂直列方向に設けられ、複数のTFTのドレイン電極に共通に接続される。また、各TFTのソース電極にはそれぞれのTFTに対応する画像表示領域に配置されている画素電極が接続される。
図7に示すように、液晶パネル1の対向基板1bは、液晶パネル1の前面側に位置していて、対向基板1bを構成する透明なガラス基板のTFT基板と対向する側の面上には、TFT基板上に形成された画素電極に対応する位置に、赤(R)、緑(G)、青(B)の各サブピクセルを構成するための3原色のカラーフィルタと、R、G、Bの各サブピクセル間にコントラストを向上させるための遮光材料からなる遮光部であるブラックマトリクスが形成されている。図7では、図面の煩雑化を避けるために、カラーフィルタとブラックマトリクスの図示は省略し、これらが配置されている領域を画像表示領域13として示している。
本実施形態の液晶表示装置に用いられる液晶パネル1では、TFT基板1a側に検知電極12が配置されている。また、対向基板1bに、TFT基板1aに配置された検知電極12と交差するように、ストライプ状の駆動電極11が配置されている。より具体的には、検知電極12は、図6に示すように、TFT基板1a上の画像表示領域13において画素電極と絶縁層を介して対向するように配置された共通電極を水平方向に伸延する切断線で切断することで、それぞれが画素配列の行方向の配列方向(水平方向)に延在する複数本の検知電極12として形成されている。また、駆動電極11は、図7に示すように、対向基板1bのカラーフィルタ層などが形成されている面とは異なる前面側(観視者側)の面上に、インジウム錫酸化物(ITO)やインジウム亜鉛酸化物(IZO)など周知の透明導電性部材をパターニングすることによって、画素配列の列方向(垂直方向)に延在する複数本の駆動電極11として形成されている。
なお、本実施形態で説明する液晶パネル1では、図6、図7に示すように、駆動電極11および検知電極12を、図6および図7では図示しないセンサ駆動回路6および信号検出回路7にフレキシブル配線板(FPC)等を介して電気的に接続するための端子引出部17a、17bが設けられている。端子引出部17a、17bは、抵抗値を下げて検出精度と検出速度を向上するために、幅が広いいわゆるベタパターン状に形成されている。また、端子引出部を構成する材料としては、低抵抗の金属材料(アルミニウム、銅等)を用いることが好ましい。
なお、図6において、TFT基板1a上において画像表示領域の右側に走査線駆動回路3が、また、画像表示領域13の下側に映像線駆動回路4が、それぞれ配置された構成を示したが、走査線駆動回路3および映像線駆動回路4の配置位置はこれらに限られず、走査線駆動回路3および映像線駆動回路4をTFT基板1a上に配置する場合には、画像表示領域13の周辺部分の任意の場所に配置することができる。なお、映像信号線9と走査信号線10の延在方向から、走査線駆動回路3が画像表示領域13の左右いずれかの側方に、映像線駆動回路4が画像表示領域の上下いずれかの位置に配置されることが多い。また、FPCなどを介して、走査線駆動回路3および映像線駆動回路4をTFT基板上以外の場所に配置することもできる。
図8は、図6にA部として示した部分における、液晶パネルのTFT基板上に形成された一つのサブピクセルと、その周辺部の電極構成の一例を示す部分拡大平面図である。
図8に示すように、本実施形態で説明する液晶パネル1では、TFT基板1aの液晶層側(前面側)の面には、インジウム錫酸化物(ITO)やインジウム亜鉛酸化物(IZO)などの透明導電材からなる画素電極19と、画素電極19にソース電極を接続したTFT20と、TFT20のゲート電極に接続された走査信号線10と、TFT20のドレイン電極に接続された映像信号線9とが適宜絶縁層を介しながら積層形成されている。
TFT20は、半導体層、および半導体層にそれぞれオーミック接続されるドレイン電極およびソース電極を有し、ソース電極は図示しないコンタクトホールを介して画素電極19に接続されている。半導体層の下層には、走査信号線10に接続されるゲート電極が形成されている。
なお、図8に示す例は、本実施形態にかかる液晶表示装置に用いられる液晶パネルとして、IPS方式と呼ばれる、液晶層に対して横方向の電界がかかる方式の液晶パネルが用いられた場合の例であり、画素電極19と共通電極との間の電界が1つのサブピクセルを構成する有効領域の液晶層に及ぶように、画素電極19は櫛歯形状に形成されている。また、画素電極19が形成されていてその部分の液晶層が画像表示に寄与する有効領域を囲むように、その部分の液晶層が画像表示に寄与しない境界領域が設けられ、その境界領域に、走査信号線10と映像信号線9が配置され、これらの交点近傍にTFT20が配置されている。
また、図8には図示していないが、画素電極19の下層には、層間絶縁膜を挟んで画素電極19と対向するように、すなわち、液晶パネル1の厚さ方向において画素電極19と重なる位置に、共通電極が形成されている。なお、共通電極は、少なくとも画素電極19が配されている有効領域と重なる部分では、ほぼ面状(いわゆるベタパターン状)に形成されている。そして、図8に示す本実施形態の液晶パネル1では、この共通電極を走査信号線10の配置方向と平行な方向にスリットを設けて分断し、走査信号線10に平行となるように複数本が配置されたタッチセンサの検知電極12として兼用して使用している。
図9は、図6においてA部として示した領域、すなわち、図8に平面構成を示した領域の概略断面図である。
図9に示すように、液晶パネル1は、ガラス基板などの透明基板からなるTFT基板1aと、このTFT基板1aに対向するように所定の間隙を設けて配置される対向基板1bとを有し、TFT基板1aと対向基板1bとの間に液晶層を形成する液晶材料1cを封入することにより構成されている。
TFT基板1aは、液晶パネル1の背面側に位置し、TFT基板1aの本体を構成する透明基板の表面に、マトリクス状に配置された画素電極19と、それぞれの画素電極19に対応して設けられ、画素電極19への電圧印加をオン/オフ制御するスイッチング素子としてのTFTと、画素電極19と層間絶縁層23を介して積層して形成されている共通電極24を備えている。なお、上述のように、本実施形態にかかる液晶パネル1の共通電極24は、タッチセンサの検知電極12を兼ねている。
対向基板1bは、液晶パネル1の前面側に位置し、対向基板1b本体を構成する透明な基板のTFT基板1a側に、TFT基板1aに形成された画素電極19に対応するように液晶パネル1の厚さ方向において重なる位置に、赤(R)、緑(G)、青(B)のサブピクセルをそれぞれ構成するための3原色のカラーフィルタ21R、21G、21Bが形成されている。また、これらR、G、Bのサブピクセルの間と3つのサブピクセルから構成される一つの画素間に配置され、表示される画像のコントラストを向上させるための遮光材料からなる遮光部であるブラックマトリクス22が形成されている。
また、本実施形態で説明する液晶パネル1では、対向基板1bの観視者側の表面に駆動電極11が形成されている。この駆動電極11は、上記したようにインジウム錫酸化物(ITO)やインジウム亜鉛酸化物(IZO)などの透明導電材をパターニングすることで所定の形状に形成されている。
なお、詳細な説明は省略するが、図9に示すように、通常のアクティブマトリクスの液晶パネルと同様、TFT基板1aに形成される電極や配線等の所定の電圧が印加される各構成要素間には、層間絶縁膜23が形成されている。
上述したように、TFT基板1aには、TFT20のドレイン電極に接続される複数の映像信号線9と、ゲート電極に接続される複数の走査信号線10とが互いに直交するように配置されている。走査信号線10はTFTの水平列ごとに設けられ、水平列の複数のTFT20のゲート電極に共通に接続される。映像信号線9はTFT20の垂直列ごとに設けられ、垂直列の複数のTFT20のドレイン電極に共通に接続されている。また、各TFT20のソース電極にはTFT20に対応する画素電極19が接続される。
図10は、本実施形態で説明する液晶パネルにおいて、液晶パネル内に形成されたタッチセンサの検知電極を形成場所が異なる第1の例を示す断面図である。なお、図10は図9と同様に、図6におけるA部、すなわち、図8に平面構成を示した部分の断面構成を示している。
図10に示す、検知電極12の配置位置の異なる第1の例では、タッチセンサを構成する一方の電極である検知電極12を、図9に示した構成のように液晶パネル1の共通電極を検知電極12として兼用するのではなく、TFT基板1aにおいて画素電極19が形成されている層間絶縁膜23上であって、画素電極19が配置されている有効領域の周辺の、液晶パネル1での画像表示に寄与しない境界領域に検知電極12が形成されている。なお、図8のような平面構成の図示は省略するが、検知電極12の配置位置の異なる第1の例では、画素電極19の周囲の映像信号線9および走査信号線10(図8参照)に重なるように、枠状の電極を形成して、この枠状電極を垂直および水平方向に適宜接続して、全体として図6に示すような水平方向に延在する複数本の検知電極12を構成するものである。また、図10に断面構成を示す他の構成例の検知電極12は、液晶パネル1における画像表示のための電極以外の電極を付加することにより形成されるものであるため、図10に示す構成例では、共通電極は水平方向に延在するスリットによって分断される構成とはなっていない。
図10に示す、画素電極19の周辺部分ら形成された検知電極12は、例えば、アルミニウムや銅などの金属材料と、これを覆うインジウム錫酸化物(ITO)から形成される。
図11は、本実施形態で説明する液晶パネルにおいて、液晶パネル内に形成されたタッチセンサの検知電極の形成場所の異なる第2の例を示す断面図である。なお、図11も、図9および図11と同様に、図6におけるA部の断面構成を示している。
図11に示す、検知電極12の配置位置の異なる第2の例では、タッチセンサを構成する一方の電極である検知電極12を、対向基板1bにおいて、サブピクセルを形成する有効領域の周囲の境界領域に配置されているブラックマトリクス22層上、すなわち、ブラックマトリクス22層の液晶層側に配置されている。なお、タッチセンサの検知電極の形成場所の異なる第2の例においても図8のような平面構成の図示は省略するが、上記第1の例と同様に、TFT基板1aにおける画素電極19の周囲の映像信号線9および走査信号線10と対向する位置の、対向基板1bのブラックマトリクス層22上に枠状の電極を形成して、この枠状電極を垂直および水平方向に適宜接続して、全体として図6に示すような水平方向に延在する複数本の検知電極12を構成するものである。また、図11に断面構成を示す他の構成例の検知電極12も、液晶パネル1における画像表示のための電極以外の電極を付加することにより形成されるものであるため、共通電極は水平方向に延在するスリットによって分断される構成とはなっていない。図11に示す、対向基板1bのブラックマトリクス22上に配置された検知電極12は、例えば、アルミニウムや銅などの金属材料から形成される。
図10に示した検知電極12の配置位置の異なる第1の構成例、図11で示した第2の構成例共に、駆動電極11は図9に示した構成例と同じく、対向基板1bの観視者側の表面にインジウム錫酸化物(ITO)やインジウム亜鉛酸化物(IZO)などの透明導電材をパターンニングして垂直方向に延在する複数の電極として形成されている。
また、図10に示す第1の構成例、図11に示す第2の構成例においても、液晶パネル1の画像表示に関する部分の構成は図9を用いて示したものと同様な構成である。すなわち、液晶パネル1は、ガラス基板などの透明基板からなるTFT基板1aと、このTFT基板1aに対向するように所定の間隙を設けて配置される対向基板1bとを有し、TFT基板1aと対向基板1bとの間に液晶層である液晶材料1cを封入することにより構成されている。また、TFT基板1aは、液晶パネル1の背面側に位置し、TFT基板1aの本体を構成する透明基板の表面に、マトリクス状に配置された画素電極19と、それぞれの画素電極19に対応して設けられ、画素電極19への電圧印加をオン/オフ制御するスイッチング素子としてのTFTと、画素電極19と層間絶縁層を介して積層して形成されている共通電極24などが形成されている。さらに、対向基板1bは、液晶パネル1の前面側に位置し、対向基板1b本体を構成する透明な基板に、TFT基板1aに形成された画素電極19に対応するように液晶パネル1の厚さ方向において重なる位置に、赤(R)、緑(G)、青(B)のサブピクセルをそれぞれ構成するための3原色のカラーフィルタ21R、21G、21Bと、R、G、Bのサブピクセルの間と3つのサブピクセルから構成される一つの画素間に配置され、表示される画像のコントラストを向上させるための遮光材料からなる遮光部であるブラックマトリクス22が形成されている。
このように、本実施形態の液晶表示装置では、検知電極12を共通電極と兼用するものとして、また、TFT基板1a上に形成された画素電極19の周囲を囲む境界領域に相当する部分の、TFT基板1a上、もしくは、対向基板1b上に、有効領域、すなわち、一つのサブピクセルを構成する領域の周辺を囲むような格子状に形成され、これを適宜水平方向および垂直方向に接続することで、図2に示したような、水平方向に延在して配置された複数本の電極として構成することができる。このように検知電極12を形成することで、対向基板1bの観視者側の表面に形成された駆動電極11と検知電極12とが、互いに交差するように配置され、交差部分に容量素子が形成されて、静電容量型のタッチセンサとして機能する。
次に、本実施形態にかかる液晶表示装置における、タッチセンサによるタッチ位置の検出動作について説明する。
図12は、本実施形態で説明する液晶パネルにおいて、表示画像を更新する表示更新を行う走査信号線の各ラインブロックへの走査信号の入力タイミングと、タッチセンサでタッチ位置検出を行うための、駆動電極への駆動信号の印加と検知電極での検知信号の取得動作のタイミングとの関係の一例を示す説明図である。図12(a)〜図12(f)は、走査信号線のラインブロックがそれぞれ走査される期間の状態を示している。
図12(a)に示すように、一番上のラインブロック10−1の走査信号線それぞれに走査信号を順次入力している走査期間において、各駆動電極11には、1回以上の駆動信号Txvが、順次図中矢印で示す水平方向に順次走査するように供給される。このとき、走査信号が入力されているラインブロック10−1に対応する検知電極12−1は、検知動作を行わず、走査信号が入力されていない走査信号線のライブロックに対応して配置されている検知電極12−1以外の他の検知電極12(12−2〜12−N)は検知動作を行い、検出信号Rxvを出力する。
次に、図12(b)に示すように、2番目のラインブロック10−2の走査信号線それぞれに走査信号を順次入力している走査期間において、各駆動電極11には、1回以上の駆動信号Txvが順次走査するように供給される。このとき、走査信号が入力されているラインブロックである、ラインブロック10−2に対応する検知電極12−2は検知動作を行わず、検知電極12−2以外の他の検知電極12(12−1、12−3〜12−N)は検知動作を行い、検出信号Rxvを出力する。
以下、図12(c)〜図12(f)に示すように、ラインブロック10−3、10−4、10−5・・・10−Nの走査信号線それぞれに走査信号を順次入力している走査期間が順次進行するのに対応し、走査信号が入力されているタイミングのラインブロック10−3、10−4、10−5・・・10−Nに対応する検知電極12−3、12−4、12−5・・12−Nが検知動作を行わず、それ以外の検知電極12が検知動作を行い、検出信号Rxvを出力する。このとき、ラインブロックごとの走査信号線それぞれに走査信号を順次入力している走査期間ごとに、各駆動電極11には1回以上の駆動信号Txvが供給される。
すなわち、本実施形態の液晶表示装置においては、走査信号線に走査信号を印加していないラインブロックに対応する複数の検知電極12を用いて検知動作を行うように構成している。走査信号線に走査信号が印加され、当該走査信号線に接続されたTFTがオンすることにより、オンとなったTFTに対応する画素電極に映像信号線からの電圧が印加される。このような画像表示の更新動作が行われると、画素電極の電圧が上昇もしくは下降するため、画素電極と検知電極との間の容量結合によって電荷が移動して、検知電極12にタッチ動作とは無関係な電荷の移動が生じるとこれがタッチ位置検出信号のノイズとなる。また、走査信号が印加される走査信号線と検知電極との容量結合によっても電荷が移動し、この電荷の移動がタッチ位置検出信号のノイズとなる。そこで、本実施形態にかかる液晶表示装置が備えるタッチセンサでは、図12に示すような、走査信号線が選択されたラインブロックに配置されている検知電極からは検出信号Rxvを出力させない検知動作を行うことにより、検知電極12がノイズを検出することが回避されて、タッチセンサのタッチ位置検出感度を高めることができる。
図13(a)、図13(b)は、図12(a)として示した、ラインブロック10−1の走査信号線が走査されている走査期間における、検知電極による検知動作と駆動電極に印加される駆動信号との関係の一例を説明するための説明図である。なお、図13(a)、図13(b)では、いずれも、ラインブロック10−1の走査信号線の走査期間に、1本の駆動電極11に駆動信号として2個のパルス波形が印加された場合の例を示している。
図13(a)、図13(b)においてそれぞれその上段に示すように、タッチ検出期間においては、走査信号が印加されているラインブロック10−1に対応する検知電極12−1は停止していて検知動作を行わず、検知電極12−1以外の検知電極は検知動作を行う。また、図13(a)、図13(b)のそれぞれ下段に示すように、駆動電極Tx−1〜Tx−kには、0V(=GND)レベルの電圧0と駆動信号の振幅分αとの間の電位差を有するパルス波形が順次印加される。
図13(a)において、駆動電極Tx−1にパルス電圧が印加された後に、次の駆動電極Tx−2にパルス電圧が印加され、続いて順次パルス電圧が次の駆動電極に印加される。最後の駆動電極Tx−kにパルスが印加された後、再び最初の駆動電極Tx−1にパルス電圧が印加され、続いて次の駆動電極Tx−2にパルス電圧が印加され、最後の駆動電極Tx−kまで順次パルス電圧が印加されて、ラインブロック10−1の走査信号線の走査期間が終了するまでの間に、2回走査するように各駆動電極12に順次駆動信号であるパルス電圧が印加される。
次のラインブロック10−2の走査信号線が走査される期間においては、最初のラインブロック10−1の走査期間においての動作と同様に、各駆動電極(Tx−1〜Tx−k)に順次2回の走査を行うようにして駆動信号が印加される。以下、3つめ以降のラインブロック10−3から10−Nの走査信号線の走査期間にも、同じように駆動電極Tx−1〜Tx−kに順次駆動信号が印加される。
図13(a)は、各駆動電極に1個のパルス波形を順次印加していき、2回の順次走査を行うことで全体として一つの駆動電極に2個のパルス波形を印加する場合の例である。また、一つのラインブロックに配置された走査信号線の走査期間に、それぞれの駆動電極に2個の駆動信号パルスを印加する方法として、図13(b)に示すように、各駆動電極に対して1度に2個のパルス波形を連続して印加しながら、全体を1回順次走査する方法を採用することができる。
図13(b)に示すように、一つ目のラインブロック10−1の走査信号線が走査されている期間に、2個のパルス波形を全ての駆動電極を走査するように順次印加して、ラインブロック10−1以外のラインブロックに対応する検知電極(12−2〜12−N)から検知信号を出力させることができる。この場合も、図13(a)で示した場合と同様に、2つ目以降の全てのラインブロックの走査信号線が走査される期間において、全ての駆動電極に順次2個のパルス波形の駆動信号を印加して、選択されていないラインブロックに対応する検知電極からの検知信号を出力させることができる。
なお、図13(a)、図13(b)に示すように、一つのラインブロックが選択されている期間に2個の駆動信号パルスを印加して、それぞれの検知電極におけるタッチ位置を2回ずつ検出することにより、1回ずつの駆動信号パルスを印加する場合と比較してタッチ位置を検出する頻度が増えるためにタッチ位置の検出精度を向上させることができる。さらに、駆動電極12に印加される駆動信号パルス回数を3回以上に増やすことで、タッチ位置の検出精度をさらに向上させることが可能となる。
また、図13(a)、図13(b)では図示していないが、検知電極の電圧は共通電極の電圧と同電位に設定している。図9に断面構成を示した、液晶パネル1において共通電極24と検知電極12とを兼ねる構成の場合は、検知電極と共通電極とが兼用されているため、検知電極には共通電極としての電位が印加されることになる。また、図10および図11に断面構成を示した、液晶パネル1内のTFT画素電極19の周囲部分、もしくは、この周辺部分に対向する対向基板1bのブラックマトリクス22層上に検知電極を配置して、検知電極を共通電極と兼用しない構成例の場合であっても、検知電極の電圧を共通電極の電位と同じ電位にすることにより、検知電極からの電界により液晶分子が不適切な向きに配向されることを効果的に防止することができ、表示画像に悪影響を与えずにタッチ位置の検出を行うことができる。
図14は、本実施形態にかかる液晶表示装置において、液晶パネルの表示更新を行う走査信号線のラインブロックへの走査信号の入力と、タッチセンサでのタッチ位置検出を行うための駆動電極への駆動信号の印加と、検知電極での検知信号の取得タイミングの、他の一例を説明する説明図である。図14(a)〜図14(f)は、それぞれの走査信号線のラインブロックが走査される期間における状態を示している。なお、図14においては、走査信号線を省いて図示している。
図14で示す他の例における検知信号の取得タイミングは、選択されて走査信号線に走査信号が順次印加されるラインブロックに対応する検知電極からは検知信号を出力させず、選択されていないラインブロックに対応して配置された検知電極から検知信号を出力させる点は、図12に示した検知信号の取得タイミングの例と同じである。図14に示す他の例では、各ラインブロックの走査信号線の走査期間において、駆動電極に順次駆動信号を印加する方法が異なっている。具体的には、図12では、各ラインブロックの走査信号線の走査期間に、全ての駆動電極を順次走査して駆動信号を1回以上印加しているが、図14に示す他の例では、各ラインブロックの走査信号線の走査期間に、駆動電極に駆動信号を印加する回数を1回未満としている。
図14に示す例は、一つのラインブロックに走査信号が印加されている期間に、全ての駆動電極の3分の1の駆動電極(図14に図示する例では、全6本中2本)に駆動信号を印加している。すなわち、図14(a)に示す、一つめのラインブロック10−1の走査信号線に走査信号が印加されている期間には、図中左側の2本の駆動電極に駆動信号Txvが印加され、図14(b)に示す、二つめのラインブロック10−2の走査信号線に走査信号が印加されている期間には、図中中央の2本の駆動電極に駆動信号Txvが印加され、図14(c)に示す、三つめのラインブロック10−3の走査信号線に走査信号が印加されている期間には、図中右の2本の駆動電極に駆動信号Txvが印加されている。このようにして、複数(図14の例の場合は3つ)のラインブロックが選択されて走査信号が印加されている期間に、全ての駆動電極が順次走査されるようにして駆動信号Txvが印加される。
このように、一つのラインブロックが選択されている期間に駆動電極に駆動信号を印加する回数を1回未満とすること、言い換えると、複数のラインブロックが選択されている期間で全ての駆動電極が順次走査されて駆動信号が印加されるような駆動信号の印加動作を行うことにより、一つのラインブロックが選択されている期間にタッチ位置を検出可能な範囲は、図14(a)から図14(f)の各図において検出可能領域として図示した、駆動電極に駆動信号が印加される範囲に制限される。しかし、表示パネルが何本のラインブロックを備えているかを勘案して、1つのラインブロックが選択されている期間に駆動信号が印加される駆動電極の割合を定めることで、画像表示の1フレーム期間内に画像表示領域の全体におけるタッチ位置情報を得ることは可能である。このため、図14に示した例のように、一つのラインブロックが選択されている期間に駆動電極に駆動信号を印加する回数を1回未満とすることは、タッチ位置情報の検出における問題とはならない。
例えば、表示パネルが大型化した場合には、タッチ位置検出精度の観点から表示パネルの大きさに関係なく所定の配置間隔で配置されることが求められるために表示パネル上に配置される駆動電極の本数が増加する。一方で、映像信号によって定まる1フレーム期間の長さは変わらないため、1フレーム期間内に全ての駆動電極に駆動信号を印加するためには走査速度を速くしなくてはならないという困難が生じる、このような場合でも、図14に示すような、一つのラインブロックが選択されている期間に駆動電極に駆動信号を印加する回数を1回未満とするタッチ位置検出方法を採用することで、大型化したパネル上のタッチ位置を良好に検出することができる。
図15は、図14(a)〜図14(f)として示した、各ラインブロックの走査信号線の走査期間において、駆動電極に駆動信号を印加する回数を1回未満とした場合における、検知電極による検知動作と駆動電極に印加される駆動信号としてのパルス電圧との関係の例を示す説明図である。
図15の上段に示すように、一つ目のラインブロック10−1に走査信号が印加されている期間では、走査信号が印加されているラインブロック10−1に対応する検知電極12−1は検知動作を行わず、検知電極12−1以外の他の検知電極が検知動作を行う。次に、二つ目のラインブロック10−2に走査信号が印加されている期間には、ラインブロック10−2に対応する検知電極12−2は検知動作を行わず、検知電極12−2以外の他の検知電極が検知動作を行う。また、図15の下段に示すように、駆動電極には、0V(=GND)レベルの電圧0と駆動信号の振幅分αとの間の電位差を有するパルス波形が印加される。
図15においては、図14に対応させて、各ラインブロックの走査信号線の走査期間に、それぞれ2本の駆動電極に各駆動電極あたり1個のパルス電圧が印加されていることが示されている。具体的には、最初のラインブロック10−1が選択されている期間に、駆動電極Tx−1に1個のパルス電圧が印加された後、駆動電極Tx−2に1個のパルス電圧が印加される。次のラインブロック10−2の走査信号線の走査期間においては、駆動電極Tx−3に1個のパルス電圧が印加された後、駆動電極Tx−4に1個のパルス電圧が印加される。以下、図示していないが3つ目以降のラインブロックに配置されている走査信号配線に走査信号が印加されている期間に、さらに次の2つずつの駆動電極にそれぞれ1個のパルス電圧が印加され、これを繰り返す。このようにすることで、一つのラインブロックが選択されている期間に駆動電極に駆動信号を印加する回数を1回未満とすること、言い換えると、複数のラインブロックが選択されている期間で全ての駆動電極が順次走査されて駆動信号が印加されるような駆動信号の印加動作を行うことができる。
なお、図示はしていないが、図15においても検知電極の電圧は共通電極の電圧と同電位に設定している。このことにより、液晶パネルにおいて共通電極と検知電極とを兼ねる構成の場合、共通電極に正しい電圧が印加されることになる。また、共通電極を検知電極として兼用せずに液晶パネル内に格子状の検知電極を付加形成する場合でも、検知電極からの電界により液晶分子が不適切な向きに配向されることを効果的に防止することができ、表示画像に悪影響を与えずにタッチ位置の検出を行うことができる。
以上説明したように、本技術によるタッチセンサにおいては、検知電極12は走査信号線10と平行になるように形成し、駆動電極11は映像信号線9と平行になるように、すなわち検知電極12に交差するように形成しており、タッチ検出期間において、駆動電極11に駆動信号を印加するとともに、検知電極12それぞれから出力される検出信号を検出することによりタッチ位置の検出を行うことができる。
また、タッチ検出期間は、走査信号が印加されている走査信号線10に近接した検知電極12における検知動作は行わず、走査信号が印加されていない走査信号線10に近接した検知電極12において検知動作を行うように構成されている。
より具体的には、M本の走査信号線からなるラインブロックをN本配列してなる複数本の走査信号線10を有し、1フレーム期間中に走査信号線に順次走査信号を印加して表示の更新を行う表示装置に配置され、かつ複数本の駆動電極11と複数本の検知電極12とが互いに交差するように配置されるとともに、駆動電極と検知電極との間に容量素子を形成することにより構成したタッチセンサであって、検知電極12は、表示装置の走査信号線10に平行となるように、走査信号線10のN個のラインブロック10−1、10−2・・・10−Nそれぞれに対応させて配置され、タッチ検出期間において、駆動電極11に駆動信号を印加するとともに、検知電極12−1、12−2・・・12−Nそれぞれから出力される検出信号を検出することによりタッチ検出を行うように構成している。
そして、タッチ検出期間は、走査信号が印加されている走査信号線のラインブロックに対応した検知電極における検知動作は行わず、走査信号が印加されていない走査信号線のラインブロックに対応した検知電極において検知動作を行うように構成されている。
本技術にかかる入力装置であるタッチセンサは、上記の構成を備えることで、表示装置の表示更新の動作とタッチセンサの検出動作とを同時に行うことが可能となり、高精細化や大型化が容易な入力装置を実現することができる。
なお、上記実施形態においては、走査信号線と平行になるように配置されるタッチセンサの検知電極12を液晶パネル1のTFT基板1aと対向基板1bとの間に配置し、検知電極12と交差するように配置されるタッチセンサの駆動電極11を、液晶パネル1の前面側に配置された対向基板1bの前面側に配置する構成について説明した。しかし、本技術にかかる入力装置ならびに液晶表示装置の構成は、上記実施形態で例示したものに限らない。
図16は、本技術の入力装置であるタッチセンサを構成する、駆動電極と検知電極の配置を上記実施形態において示したものとは異ならせた、他の配置例を示す分解斜視図である。
図16に示す他の配置例においては、図2で示した上記実施形態における入力装置の電極配置例と検知電極12と駆動電極11の配置関係を逆の構成としたものである。
具体的には、液晶パネルの背面側に配置されるTFT基板1a上に垂直方向に延在する駆動電極11が形成され、液晶パネルの前面側に配置される対向基板1bの前面側表面上に水平方向に延在する検知電極12が配置されている。
図17は、図16に示す入力装置の電極配置構成とした場合において、液晶パネルの走査信号線の配列構造とタッチセンサの駆動電極および検知電極の配列構造を示す概略図である。図17は、上記実施形態における図5に相当する図面である。
図17に示すように、水平方向に延在する走査信号線10は、M(Mは自然数)本の走査信号線G1−1、G1−2・・・G1−Mを1ラインブロックとし、複数のN(Nは自然数)本のラインブロック10−1、10−2・・・10−Nに分割して配列されている。
タッチセンサの検知電極12は、前記ラインブロック10−1、10−2・・・10−Nに対応させてN本の検知電極12−1、12−2・・・12−Nが水平方向に延在するように配列され、前記N本の検知電極12−1、12−2・・・12−Nと交差するように複数本の駆動電極11(Tx−1、Tx−2、・・・、Tx−k)が配列されている。
なお、図16および図17に示した、入力装置の異なる配置の電極構成においては、対向基板上に形成されている検知電極12の幅を細くして、隣り合う検知電極12間の間隔が広くなるように構成されている。これは、本技術の入力装置である静電容量方式のタッチセンサにおけるタッチ位置の検出原理として、図3を用いて説明したように、本技術の入力装置では、前面側に配置された電極に使用者の指が近接したときの静電容量の変化を電圧値もしくは電流値として検出するものであるため、前面側に配置された電極の間隔が狭いと、使用者の指が近接することによる静電容量の変化が生じにくいからである。したがって、図2,および、図5に示したように、前面側の対向基板上に形成される電極が駆動電極11の場合には、駆動電極11の幅を細くしてその間隔が広くなるように配置している。
図18、図19は、図16に示す駆動電極と検知電極の配置を異ならせた他の配置例の電極配置構成の場合の、タッチセンサ機能を備えた液晶表示装置の液晶パネル構成を示す説明図である。図18は、液晶パネル1のTFT基板1aの構成を示すものであり、上記実施形態における図6に相当する図面である。また、図19は、液晶パネル1の対向基板1bの構成を示すものであり、上記実施形態における図7に相当する図面である。図18と図19、および、図6と図7とは、入力装置であるタッチセンサの駆動電極11と検知電極12との構成が異なるのみで、液晶パネル1における画像表示を行う各電極等の構成部分は同じであるため、図6、図7に示す部分と同一部分については同一の番号を付して適宜説明を省略する。なお、図18,図19も、図6、図7と同様に、それぞれの基板を液晶パネル1の前面側、すなわち、観視者が表示される画像を見る方向から見た状態を示している。
図18、図19に示す他の配置例の電極構成においては、TFT基板1a上には、画素電極、TFT、共通電極などが配置された画像表示領域13に、垂直方向に延在して配置される映像信号線9と平行になるように、駆動電極11が配置されている。
駆動電極11は、図10および図11に断面構成を示した構成例における検知電極のように、液晶パネル1内部のTFT基板1a上、もしくは、対向基板1b上の液晶パネル1での画像表示に寄与しない境界領域に、格子状の電極を付加形成してこれを接続する手段を用いて、図18に示すような垂直方向に配置された所定幅を有する複数本の電極として形成することができる。
また図19に示すように、対向基板1bには、画像表示領域13におけるカラーフィルタ層などが形成されている面とは異なる前面側(観視者側)の面上に、インジウム錫酸化物(ITO)やインジウム亜鉛酸化物(IZO)など周知の透明導電性部材をパターニングすることによって、画素配列の行方向(水平方向)に延在するように複数本の検知電極12が形成されている。このようにして、TFT基板1aに形成された駆動電極11と、対向基板1bに形成されたストライプ状の検知電極12が配置される。
なお、図18,図19に示すように、駆動電極と検知電極の配置を異ならせた他の配置例の電極配置構成の場合においても、駆動電極11および検知電極12を、図18および図19では図示しないセンサ駆動回路6および信号検出回路7に電気的に接続するための端子引出部17a、17bが設けられている。端子引出部17a、17bは、抵抗値を下げて検出精度と検出速度を向上するために、幅が広いいわゆるベタパターン状に形成されている。また、端子引出部を構成する材料としては、低抵抗の金属材料(アルミニウム、銅等)を用いることが好ましい。
このようにして、入力装置であるタッチセンサを構成する駆動電極と検知電極の、いずれか一方を表示パネルの一対のガラス基板の内側に配置し、他方を、一対のガラス基板のうちの観視者側の基板表面に形成することで、液晶パネルなどの画像表示パネルと一体化された入力装置、および、入力装置が一体化された画像表示装置を実現することができる。
なお、本技術の入力装置において、タッチセンサを構成する検知電極および駆動電極の配置構造は、上記で説明した2つの配置構成例に限るものではない。表示パネルの前面側表面をタッチするユーザのタッチ位置を検出することができる限りにおいて、図2〜図15を用いてその構成を説明した実施形態にかかる入力装置において、対向基板1bの前面側表面に配置した駆動電極11を、検知電極12と同様に液晶パネル1の内部に配置することができる。また、上記図16〜図19を用いてその構成を説明した実施形態にかかる入力装置において、対向基板1bの前面側表面に配置した検知電極12を、駆動電極11と同様に液晶パネル1の内部に配置することができる。
また、液晶パネルの対向基板上には、通常、偏光板、液晶パネルを衝撃等から保護するために形成される透明の保護基板が配置される。このため、図2〜図15を用いてその構成を説明した実施形態に係る入力装置において、対向基板1bの前面側表面に配置した駆動電極11は、保護基板の液晶パネル側から対向基板1bの観視者側の表面の間のいずれかの位置に形成することができる。さらに、図16〜図19を用いてその構成を説明した実施形態に係る入力装置において、対向基板1bの前面側表面に配置した検知電極12を、これら保護基板の液晶パネル側から対向基板1bの観視者側の表面の間のいずれかの位置に形成することができる。
要するに本技術の入力装置では、検知電極12および駆動電極11の少なくとも一方の電極を表示パネルの内部に配置し、かつ、検知電極12を走査信号線10に平行となるように配置することによって構成することができる。なお、駆動電極11を液晶パネル1の内部に配置する場合は、図13、図15において示した駆動電極に印加される駆動信号のパルス電圧は、0V(=GND)として示した基準電位0を共通電極の電位と同電位に、パルス電圧のハイ期間αの電圧値を、共通電極の電圧値と振幅αの電位差を加算した値とすることとなる。
ここで、本技術の入力装置における、タッチ位置検出信号の出力動作について説明する。
図20、図21は、本技術の入力装置において、駆動電極に印加された駆動信号パルスによる静電容量値を検出した検知電極の検知信号を出力する、信号検出回路7における出力回路の構成を説明するためのブロック図である。
図20は、液晶パネル1に配置されたそれぞれの検知電極12(12−1、12−2、12−3、12−4・・・)の出力電流値を、それぞれの検知電極に接続された積分器31で積分した後、A/Dコンバータ32でデジタル化して、信号の演算処理を行う演算素子(MPU)33に出力する構成を示している。なお、図20において、積分器31に接続されている電圧源は、検知電極に所望の電圧を印加するための電源である。
一方、図21は、液晶パネル1に配置されたそれぞれの検知電極12(12−1、12−2、12−3、12−4・・・)の出力電流値の積分値をそのままデジタル化して出力するのではなく、出力電流波形を、それぞれの検知電極に接続された電流電圧変換回路34によって電圧信号に変化させ、差動増幅器35によって隣り合う検知電極における検出信号間の差分を求め、隣り合う検知電極における検知信号間の差分のみを積分器36で積分し、これをA/Dコンバータ37でデジタル化して信号の演算処理を行う演算素子(MPU)33に出力する構成を示している。なお、図21においては、検知電極に所望の電圧を印加するための電源は、電流電圧変換回路34に接続されている。
図21に示すように、隣り合う検知電極で検出された検出信号の差分を求めて、これを増幅しA/D変換する方法を用いることで、検知信号が共通して有しているDC成分を排除したのちにデジタル信号を得ることができる。このため、A/Dコンバータとして精度の高いものを用いる必要が無くなり、入力装置の低コスト化を実現することができる。
また、隣り合う検知電極からの検出信号の差分を求めることで、表示パネルに印加される画像表示信号としての映像信号が検出信号のノイズとなり、タッチ位置の検出精度を低下させる事態を効果的に排除することができる。表示パネルにおいて各映像信号線に印加される映像信号は表示画像の内容に応じてそれぞれ異なるが、本技術の入力装置では、検知電極が表示パネルの映像信号線と垂直に交差する構成となっているため、検知電極には、映像信号線の電圧変動の平均値がノイズとして現れる。このため、隣り合う検知電極におけるノイズレベルは同程度であり、隣り合う検知電極からの検出信号の差分を取ることによってこのような同相ノイズを打ち消すことができるのである。なお、このように検知電極から得られる検出信号に加わる映像に起因する同相ノイズを効果的に排除するという観点からは、図20に示したような、各検知電極からの検出信号をそれぞれ増幅してA/D変換する回路構成において、A/D変換の後に、隣り合う検知電極からの検出信号の差分を取る回路構成とすることも有効である。
なお、本実施形態の入力装置では、検知電極で得られた検出信号を、図20、図21に例示したような信号検出回路を経て演算素子(MPU)33で演算した結果を、タッチ位置を示すタッチ信号として外部に出力する。このように、検知電極での検出信号をそのまま外部に出力するのではなく、タッチ位置情報として演算処理した結果を出力する構成とすることにより、駆動電極に駆動信号を印加するタイミングや、検知電極が検出信号を取得するタイミングを任意に変更することができ、所望のタイミングで信号検出回路から外部へタッチ位置を示すタッチ信号を出力することができる。このような構成であるため、図12および図13を用いて説明したように、画像表示のための走査信号が印加されているラインブロックでのタッチ位置が、当該ラインブロックが選択されている期間において検出することができない場合であっても、画像表示の1フレーム期間内におけるタッチ位置情報を合算することによって、画像表示領域の全ての部分におけるタッチ位置情報を得ることができる。
図22,図23は、上記実施形態において、液晶パネル1の共通電極24を、入力装置の検知電極12と兼用する場合の、共通電極24の構成例を説明する図面である。
図22は、共通電極24の構成を拡大して示す平面図であり、図中二点鎖線で示す領域41が、一つの画素電極19に対応する1サブピクセル分の共通電極24である。
図22に示すように、共通電極24には、その上層に配置される画素電極とその下層に配置されるTFTとを接続するための開口42が形成されている。図22に示す第1の共通電極24の構成では、共通電極24を水平方向に切断して複数の検知電極12を構成するための切断部分にのみ、水平方向に隣り合う画素電極19に対応する共通電極24に連続する開口43を設けている。
このようにすることで、いわゆるベタパターンとして形成される共通電極24を、所望の位置で水平方向に延在する複数の電極として分割することができ、共通電極24を検知電極12として兼用することができる。
図23は、共通電極24を検知電極12として兼用する場合の、第2の構成例を示した部分拡大平面図である。
図23に示す構成では、ひとつのサブピクセルに対応する共通電極24の部分41において、画素電極19と対向する、すなわち、液晶パネルの厚さ方向において画素電極19と重なる部分(図23中の領域41における上側部分)を除いて、画素電極19とTFTとを接続するビアが形成される部分を含めた水平方向に連続した開口43が形成されている。このようにすることで、共通電極24を、その機能を損なうことなく水平方向に延在して配置された複数本の短冊状電極とすることができる。そして、適宜接続端子などを設けることによって、この水平方向に配置された短冊状の電極を所定本数まとめて、図6に示した端子引出部17aに接続することで、図6に示すような、水平方向に延在する所定の電極幅を備えた検知電極12を形成することができる。
以上説明したように、本技術による入力装置を備えた液晶表示装置は、検知電極12は液晶パネル1の走査信号線10に平行となるように配置するとともに、駆動電極11は検知電極12に交差するように配置し、タッチ検出期間において、駆動電極11に駆動信号を印加するとともに、検知電極12それぞれから出力される検出信号を検出することによりタッチ位置の検出を行うように構成している。
さらに、タッチ検出期間は、走査信号が印加されている走査信号線10に近接した検知電極12における検知動作は行わず、走査信号が印加されていない走査信号線10に近接した検知電極12において検知動作を行うように構成したものである。
本技術の入力装置においては、走査信号線と平行となるように配置される検知電極を、走査信号線が形成するラインブロックに対応して配置する構成とし、走査信号線に走査信号が印加されていないラインブロックに対応する複数の検知電極を選択して検知動作を行うように構成している。このようにすることにより、タッチセンサの検出動作と液晶の表示更新の動作とを同時に行った場合に、表示パネルの映像信号線に映像信号が印加された際の画素電極の電圧の上昇もしくは下降にともなって、または、映像信号線自体の電位の変化にともなって、画素電極もしくは映像信号線と検知電極間との容量結合によって生じる電荷の移動に起因するノイズを、検知電極が検出することを効果的に回避できる。このため、タッチセンサの誤動作が解消され、タッチセンサの感度が上昇してタッチ位置を精度よく検出することができる。
なお、上記説明したような、走査信号が印加されているラインブロックに対応する検知電極からの検出信号を出力させない検出動作を行った場合には、ラインブロック10−1を走査している期間は検知電極12−1が検知動作を行わないため、検知電極12−1に対応する部分に指がタッチされていても、タッチ位置を検出することができない。しかし、ラインブロック10−2、10−3・・・10−Nを走査している期間は、検知電極12−1が検知動作を行うため、例えば表示パネルの画像表示における1フレーム分のタイミング(一例として60Hz)ごとに1回タッチ位置を通知する動作とした場合には、1フレーム期間に対する一つのラインブロックが走査されている期間の割合を考慮すると、画像表示面の全ての領域でのタッチ位置を実質的に十分認識することができる。
また、本技術の入力装置にかかるタッチ位置情報の通知のタイミングは、1例として60Hzである1フレームあたり1回に限られない。本技術にかかる入力装置における信号出力回路7のタッチ位置情報の出力回路構成として、一例として図20および図21を用いて示した、検知電極での検出信号を演算素子(MPU)33等を用いて演算処理した後にタッチ位置情報として外部へ通知する構成とすることなどによって、表示パネルでの画像表示の1フレーム期間における接触位置を演算して通知するタイミングを適宜設定することができる。この結果、1フレームあたりにおける接触位置の通知タイミングを、任意の所望のものとすることができる。例えば、ラインブロック10−1、10−2・・から全体の半分の領域に相当する、2分のN本の位置に相当するラインブロックまで走査した段階で、タッチ位置情報を演算して外部に通知するように設定することは容易である。この場合には、0.5フレームあたり1回、すなわち、表示パネルにおける画像表示の1フレームあたり2回、例えば、フレーム周波数が60Hzの場合には120Hzで、タッチ位置情報を外部へ通知することができる。
なお本技術の入力装置において、走査信号が印加されている期間において、当該走査信号が印加されているラインブロックに対応して配置されている検知電極でのタッチ位置検出信号を出力させない検知動作は必須のものではない。
例えば、図21を用いて説明した、隣り合う検知電極からの検知信号の差分を取った後に増幅する構成を採用するなど、検知信号に付加されているノイズを排除するタッチ位置検出動作を行う場合、または、それぞれの検知電極で得られたタッチ位置検出信号を適切な演算処理を行うことでノイズの影響を排除できる場合、さらに、表示パネル内の入力装置の電極配置構成などによって、走査信号が印加されることのノイズの影響を十分小さくできる場合などには、走査信号が印加されている期間において、当該走査信号が印加されているラインブロックに対応して配置されている検知電極からの検知信号を出力させることでも、実用上問題のない精度でのタッチ位置の検出を行うことができる。
さらに、上記実施形態で説明したように、駆動電極11を液晶パネルの外側に配置する構成とした場合には、駆動電極11と液晶パネル内に配置された、検知電極以外の画像表示のための各電極との間に形成される寄生容量を抑制することができる。このため、駆動電極に印加するパルス電圧による消費電力を減らすことができる。また、消費電力を同じにしたまま、パルス電圧の印加回数を増やすことや、パルス電圧の電位差を高く設定することなどが可能となり、これらの対応を行うことで、タッチセンサのタッチ位置検出感度を高めることが可能である。
なお、検知電極12において、選択的に検知動作を行わないように構成する方法としては、例えば、スイッチを用いて、検知動作をさせない検知電極12を信号検出回路から切り離し、その検知電極12を所定の電位に接続することが考えられる。また、他の方法として、アナログデータをデジタルデータに変換した後に、演算処理を行うMPU等において、検知動作を行わせない期間に蓄積されたデジタルデータを使用せずに演算処理を行うなどの方法を用いることができる。
なお、上記実施形態の説明において、液晶表示装置に用いられる液晶パネルをIPS方式のパネル構成のものを例示して説明したが、液晶表示装置において表示パネルとして用いられる液晶パネルは、IPS方式のものに限られず、いわゆる垂直配向方式など、周知の駆動方式の液晶パネルを用いることができる。この場合、特に、共通電極がTFT基板上に形成されずに対向基板に形成される場合もあるが、上記実施形態で説明したように画像表示に寄与しない有効領域の周囲の周辺領域部分に適宜電極を配置して、これを入力装置の駆動電極または検知電極として用いるなど、さまざま対応が考えられる。
以上のように本技術は、静電容量結合方式の入力装置、および、この入力装置を用いた液晶表示装置において有用な発明である。
本技術は、画面上のタッチ位置を検出してデータ入力が可能な静電容量結合方式の入力装置、および、当該入力装置と表示素子としての液晶パネルとを備えた液晶表示装置に関するものである。
表示画面に使用者の指などでタッチ操作することで情報を入力する、画面入力機能をもつ入力装置を備えた表示装置は、PDAや携帯端末などのモバイル用電子機器、各種の家庭電気製品、無人受付機等の据置型顧客案内端末等に用いられている。このようなタッチ操作による入力装置としては、タッチされた部分の抵抗値変化を検出する抵抗膜方式、あるいは容量変化を検出する静電容量結合方式、タッチにより遮蔽された部分の光量変化を検出する光センサ方式など、各種の方式が知られている。
これら各種の方式の中で静電容量結合方式は、抵抗膜方式や光センサ方式と比較した場合に次のような利点がある。例えば、抵抗膜方式や光センサ方式ではタッチ装置の透過率が80%程度と低いのに対し、静電容量結合方式のタッチ装置は約90%と透過率が高く表示画像の画質を低下させない点があげられる。また、抵抗膜方式では抵抗膜の機械的接触によりタッチ位置を検知するため、抵抗膜が劣化または破損するおそれがあるのに対し、静電容量結合方式では検出用電極が他の電極などと接触するような機械的接触がなく、耐久性の点からも有利である。
静電容量結合方式の入力装置としては、例えば、特許文献1で開示されているような方式がある。
本技術はこのような静電容量結合方式の入力装置において、高精細化や大型化が容易な入力装置を提供することを目的とする。また、本技術は、液晶表示パネルと、高精細化や大型化が容易な入力装置とを備えた液晶表示装置を得ることを目的とする。
このような課題を解決するために本技術の入力装置は、1フレーム期間中に複数の走査信号線に順次走査信号を印加して表示の更新を行う表示装置に配置され、複数本の駆動電極と複数本の検知電極とが互いに交差するように配置されるとともに、前記駆動電極と前記検知電極との間に容量素子を形成することにより構成した入力装置であって、前記検知電極は前記表示装置の前記走査信号線に平行となるように配置され、タッチ検出期間において、前記駆動電極に駆動信号を印加するとともに、前記検知電極それぞれから出力される検出信号を検出することによりタッチ位置の検出を行うように構成したことを特徴とする。
また、本技術の他の入力装置は、M本の走査信号線からなるラインブロックをN本配列してなる複数本の走査信号線を有し、1フレーム期間中に前記走査信号線に順次走査信号を印加して表示の更新を行う表示装置に配置され、複数本の駆動電極と複数本の検知電極とが互いに交差するように配置されるとともに、前記駆動電極と前記検知電極との間に容量素子を形成することにより構成した入力装置であって、前記検知電極は、前記表示装置の前記走査信号線に平行となるように、前記走査信号線のN本のラインブロックそれぞれに対応させて配置され、タッチ検出期間において、前記駆動電極に駆動信号を印加するとともに、前記検知電極それぞれから出力される検出信号を検出することによりタッチ位置の検出を行うように構成したことを特徴とする。
さらに、本技術の液晶表示装置は、複数の画素電極およびこの画素電極に対向するように設けた共通電極を有し、前記画素電極への電圧印加を制御するスイッチング素子に順次走査信号を印加して表示の更新を行う液晶パネルと、複数本の駆動電極と複数本の検知電極とが互いに交差するように配置されるとともに、前記駆動電極と前記検知電極との間に容量素子を形成することにより構成され、かつ、前記駆動電極および前記検知電極の少なくとも一方の電極が前記液晶パネル内部に配置された入力装置とを備えた液晶表示装置であって、前記検知電極は前記液晶パネルの走査信号線に平行となるように配置されるとともに、タッチ検出期間において、前記駆動電極に駆動信号を印加するとともに、前記検知電極それぞれから出力される検出信号を検出することによりタッチ位置の検出を行うように構成したことを特徴とする。
本技術によれば、静電容量結合方式の入力装置において、駆動電極と交差するように配置された検知電極を、表示装置の走査信号線に略平行となるように配置することによって、表示装置の表示更新の動作とタッチセンサの検出動作とを同時に行うことが可能となり、高精細化や大型化が容易な入力装置を提供することができる。また、表示装置としての液晶パネルと組み合わせることで、表示デバイスとして最も普及している液晶パネルと高精細化や大型化が容易な入力装置とを備えた液晶表示装置を提供することができる。
本実施形態にかかるタッチセンサ機能を備えた液晶表示装置の全体構成を説明するためのブロック図。
タッチセンサを構成する駆動電極と検知電極の配列の一例を示す分解斜視図。
タッチセンサの概略構成と等価回路について、タッチ操作を行っていない状態とタッチ操作を行った状態とを説明するための説明図。
タッチ操作を行っていない場合とタッチ操作を行った場合の検出信号の変化を示す説明図。
液晶パネルの走査信号線の配列構造とタッチセンサの駆動電極および検知電極の配列構造を示す概略図。
本実施形態にかかるタッチセンサ機能を備えた液晶表示装置に用いられる液晶パネルの、TFT基板の構成を示す説明図。
本実施形態にかかるタッチセンサ機能を備えた液晶表示装置に用いられる液晶パネルの、対向基板の構成を示す説明図
液晶パネルのひとつのサブピクセルとその周辺部の電極構成の一例を示す平面図。
液晶パネルのひとつのサブピクセルとその周辺部の電極構成の一例を示す断面図。
液晶パネルの他の構成例における、ひとつのサブピクセルとその周辺部の電極構成の例を示す断面図。
液晶パネルのさらに異なる構成例における、ひとつのサブピクセルとその周辺部の電極構成の例を示す断面図。
液晶パネルの表示更新を行う走査信号線のラインブロックへの走査信号の入力と、タッチセンサでのタッチ検出を行うための駆動電極への駆動信号の印加と、検知電極での検知信号の取得との関係の一例を示す説明図。
ラインブロック10−1の走査信号線の走査期間における、検知電極による検知動作と駆動電極に印加される駆動信号との関係の一例を説明するための説明図。
液晶パネルの表示更新を行う走査信号線のラインブロックへの走査信号の入力と、タッチセンサでのタッチ検出を行うための駆動電極への駆動信号の印加と、検知電極での検知信号の取得との関係の他の例を示す説明図。
各ラインブロックの走査信号線の走査期間における、検知電極による検知動作と駆動電極に印加されるパルス電圧との関係の一例を示す説明図。
タッチセンサを構成する駆動電極と検知電極の配列の他の例を示す分解斜視図。
駆動電極と検知電極の配列の他の例の配置構成の場合における、液晶パネルの走査信号線の配列構造とタッチセンサの駆動電極および検知電極の配列構造を示す概略図。
駆動電極と検知電極の配列の他の例の配置構成の場合における、タッチセンサ機能を備えた液晶表示装置の液晶パネルのTFT基板の構成を示す説明図。
駆動電極と検知電極の配列の他の例の配置構成の場合における、タッチセンサ機能を備えた液晶表示装置の液晶パネルの対向基板の構成を示す説明図。
本実施形態にかかる液晶表示装置における、タッチ信号を取り出す回路構成を説明する回路ブロック図。
本実施形態にかかる液晶表示装置における、タッチ信号を取り出す回路構成の他の構成例を説明する回路ブロック図。
本実施形態にかかる液晶表示装置における、液晶パネルの共通電極を用いて検知電極を形成する第1の形成例を示す図。
本実施形態にかかる液晶表示装置における、液晶パネルの共通電極を用いて検知電極を形成する第2の形成例を示す図。
本技術の入力装置は、1フレーム期間中に複数の走査信号線に順次走査信号を印加して表示の更新を行う表示装置に配置され、複数本の駆動電極と複数本の検知電極とが互いに交差するように配置されるとともに、前記駆動電極と前記検知電極との間に容量素子を形成することにより構成した入力装置であって、前記検知電極は前記表示装置の前記走査信号線に平行となるように配置され、タッチ検出期間において、前記駆動電極に駆動信号を印加するとともに、前記検知電極それぞれから出力される検出信号を検出することによりタッチ位置の検出を行うように構成している。
本技術の入力装置は、1フレーム期間中に複数の走査信号線に順次走査信号を印加して表示の更新を行う表示装置の走査信号線と平行となるように、かつ、駆動電極と交差するように配置された検知電極を備え、タッチ検出期間に駆動電極に駆動信号を印加するとともに検知電極それぞれから出力される検出信号を検出することによりタッチ位置の検出を行う。このため、表示装置の表示更新の動作とタッチセンサの検出動作とを同時に行うことが可能となり、高精細化や大型化が容易な入力装置を実現することができる。
本技術の入力装置において、前記タッチ検出期間は、前記走査信号が印加されている前記走査信号線に近接した前記検知電極における検知動作は行わず、前記走査信号が印加されていない前記走査信号線に近接した前記検知電極において検知動作を行うように構成されていることが好ましい。このようにすることで、走査信号の印加に伴うノイズの影響を効果的に回避することができ、より精度の高いタッチ位置検出を行うことができる入力装置を得ることができる。
また、本技術の他の入力装置は、M本の走査信号線からなるラインブロックをN本配列してなる複数本の走査信号線を有し、1フレーム期間中に前記走査信号線に順次走査信号を印加して表示の更新を行う表示装置に配置され、複数本の駆動電極と複数本の検知電極とが互いに交差するように配置されるとともに、前記駆動電極と前記検知電極との間に容量素子を形成することにより構成した入力装置であって、前記検知電極は、前記表示装置の前記走査信号線に平行となるように、前記走査信号線のN本のラインブロックそれぞれに対応させて配置され、タッチ検出期間において、前記駆動電極に駆動信号を印加するとともに、前記検知電極それぞれから出力される検出信号を検出することによりタッチ位置の検出を行うように構成している。
本技術の他の入力装置は、配置される表示装置が、さらに、M本の走査信号線からなるラインブロックをN本配列した構成となっていて、検知電極がこのN本のラインブロックにそれぞれに対応させて配置されている構成を有する。このため、走査信号線が複数のラインブロックを形成している表示装置において、表示装置の表示更新の動作とタッチセンサの検出動作とを同時に行うことが可能となり、高精細化や大型化が容易な入力装置を実現することができる。
本技術の他の入力装置において、前記タッチ検出期間は、前記走査信号が印加されている前記走査信号線に近接した前記検知電極における検知動作は行わず、前記走査信号が印加されていない前記走査信号線に近接した前記検知電極において検知動作を行うように構成されていることが好ましい。このようにすることで、走査信号の印加に伴うノイズの影響を効果的に回避することができ、より精度の高いタッチ位置検出を行うことができる入力装置を得ることができる。
また、前記検知電極および前記駆動電極の少なくとも一方の電極は、前記表示装置の内部に前記走査信号線に平行、または、前記走査信号線と交差するように配置されていることが好ましい。このようにすることで、入力装置を備えた薄型の表示装置をより簡単な構成で実現することができる。
本技術の液晶表示装置は、複数の画素電極およびこの画素電極に対向するように設けた共通電極を有し、前記画素電極への電圧印加を制御するスイッチング素子に順次走査信号を印加して表示の更新を行う液晶パネルと、複数本の駆動電極と複数本の検知電極とが互いに交差するように配置されるとともに、前記駆動電極と前記検知電極との間に容量素子を形成することにより構成され、かつ、前記駆動電極および前記検知電極の少なくとも一方の電極が前記液晶パネル内部に配置された入力装置とを備えた液晶表示装置であって、前記検知電極は前記液晶パネルの走査信号線に平行となるように配置されるとともに、タッチ検出期間において、前記駆動電極に駆動信号を印加するとともに、前記検知電極それぞれから出力される検出信号を検出することによりタッチ位置の検出を行うように構成している。
本技術の液晶表示装置は、1フレーム期間中に複数の走査信号線に順次走査信号を印加して表示の更新を行う液晶パネルの走査信号線と平行となるように、かつ、駆動電極と交差するように配置された検知電極を備え、タッチ検出期間に駆動電極に駆動信号を印加するとともに検知電極それぞれから出力される検出信号を検出することによりタッチ位置の検出を行う。このため、液晶パネルでの表示更新の動作とタッチセンサの検出動作とを同時に行うことが可能となり、高精細化や大型化が容易な液晶表示装置を実現することができる。
本技術の液晶表示装置において、前記タッチ検出期間は、前記走査信号が印加されている走査信号線に近接した検知電極における検知動作は行わず、走査信号が印加されていない走査信号線に近接した検知電極において検知動作を行うように構成されていることが好ましい。このようにすることで、液晶パネルにおける走査信号の印加に伴うノイズの影響を効果的に回避することができ、より精度の高いタッチ位置検出を行うことができる入力装置を備えた液晶表示装置を得ることができる。
(実施の形態)
以下、本技術の一実施の形態にかかる入力装置について、表示装置としての液晶パネルと共に液晶表示装置に用いられるタッチセンサを例に説明する。なお、この実施形態は、本技術の液晶表示装置の実施形態を兼ねるものである。また、本実施形態は、本技術にかかる入力装置の例示に過ぎず、本技術の入力装置は、有機/無機のEL(エレクトロルミネッセンス)表示装置などの液晶表示装置以外の表示装置にも適用することができる。
図1は、本技術の一実施の形態にかかる入力装置である、タッチセンサ機能を備えた液晶表示装置の全体構成を説明するためのブロック図である。
図1に示すように、液晶表示装置は、液晶パネル1、バックライトユニット2、走査線駆動回路3、映像線駆動回路4、バックライト駆動回路5、センサ駆動回路6、信号検出回路7、および、制御装置8を備えている。
液晶パネル1は矩形の平板形状であり、ガラス基板などの透明基板からなるTFT基板と、このTFT基板に対向するように所定の間隙を設けて配置される対向基板とを有し、TFT基板と対向基板との間に液晶材料を封入することにより構成されている。
TFT基板は、液晶パネル1の背面側に位置し、基材であるガラスなどからなる透明な基板上に、マトリクス状に配置された画素電極と、それぞれの画素電極に対応して設けられ、画素電極への電圧印加をオン/オフ制御するスイッチング素子としての薄膜トランジスタ(TFT)と、共通電極などが形成されることにより構成されている。
対向基板は、液晶パネル1の前面側に位置し、基材であるガラスなどからなる透明な基板上に、TFT基板に形成された画素電極に対応する位置に、それぞれがサブピクセルを構成する赤(R)、緑(G)、青(B)の3原色からなるカラーフィルタ(CF)が配置されている。また、対向基板には、R、G、Bの各サブピクセル同士の間、および/または、サブピクセルにより構成される画素の間に配置される、コントラストを向上させるための遮光材料からなるブラックマトリクスが形成されている。なお、本実施の形態では、TFT基板の各画素電極に対応して形成されるTFTとして、nチャネル型のTFTを例に、ドレイン電極とソース電極とを備えた構成のものについて説明する。
TFT基板には、複数の映像信号線9と複数の走査信号線10とが互いに概ね直交して形成される。走査信号線10はTFTの水平列ごとに設けられ、水平列の複数のTFTのゲート電極に共通に接続される。映像信号線9はTFTの垂直列ごとに設けられ、垂直列の複数のTFTのドレイン電極に共通に接続される。また、各TFTのソース電極には、それぞれのTFTに対応した、画像表示領域に配置されている画素電極が接続される。
TFT基板に形成された各TFTは、走査信号線10に印加される走査信号に応じて水平列単位で、オン/オフ動作が制御される。オン状態とされた水平列の各TFTは、それぞれに接続された画素電極の電位を、映像信号線9に印加される映像信号に応じた電位(画素電圧)に設定する。そして、液晶パネル1は、複数の画素電極およびこの画素電極に対向するように設けた共通電極を有し、画素電極と共通電極との間に生じる電界によってそれぞれの画素電極が形成された領域ごとに液晶の配向を制御し、バックライトユニット2から入射した光に対する透過率を変えることにより、表示面に画像を形成する。
バックライトユニット2は、液晶パネル1の背面側に配置され、液晶パネル1の背面から光を照射するもので、例えば複数の発光ダイオードを配列して面光源を構成する構造や、導光板と拡散反射板とを組み合わせて用いることで、発光ダイオードの光を面光源とする構成の構造のものが知られている。
走査線駆動回路3は、TFT基板に形成された複数の走査信号線10に接続されている。
走査線駆動回路3は、制御装置8から入力されるタイミング信号に応じて走査信号線10を順番に選択し、選択した走査信号線10にTFTをオンする電圧を印加する。例えば、走査線駆動回路3は、シフトレジスタを含んで構成され、シフトレジスタは制御装置8からのトリガ信号を受けて動作を開始し、垂直走査方向に沿った順序で走査信号線10を順次選択し、選択した走査信号線10に走査信号である走査パルスを出力する。
映像線駆動回路4は、TFT基板に形成された複数の映像信号線9に接続されている。
映像線駆動回路4は、走査線駆動回路3による走査信号線10の選択に合わせて、選択された走査信号線10に接続されるTFTそれぞれに、各サブピクセルの階調値を表す映像信号に応じた電圧を印加する。これにより、選択された走査信号線10に対応するサブピクセルに配置されている各画素電極に、映像信号が書き込まれる。
バックライト駆動回路5は、制御装置8から入力される発光制御信号に応じたタイミングや輝度でバックライトユニット2を発光させる。
液晶パネル1には、入力装置であるタッチセンサを構成する電極として、複数の駆動電極11と複数の検知電極12とが互いに交差するように配置されている。
これらの駆動電極11および検知電極12により構成されるタッチセンサは、駆動電極11と検知電極12との間で、電気信号の入力と静電容量変化による応答検出とを行い、表示面への物体の接触を検出する。この接触を検出する電気回路として、センサ駆動回路6および信号検出回路7が設けられている。
センサ駆動回路6は、交流信号源であり、駆動電極11に接続される。例えば、センサ駆動回路6は制御装置8からタイミング信号が入力され、駆動電極11を順番に選択し、選択した駆動電極11に矩形状のパルス電圧による駆動信号Txvを印加する。
駆動電極11および映像信号線9は、TFT基板に垂直方向に延在するように形成され、水平方向に複数本が配列されている。これらの駆動電極11および映像信号線9に電気的に接続されるセンサ駆動回路6および映像線駆動回路4は、画素が配列される画像表示領域の水平な辺に沿って配置することができ、本実施形態の液晶表示装置では、上下の辺の一方に映像線駆動回路4を配置し、他方にセンサ駆動回路6を配置している。
信号検出回路7は、静電容量変化を検出する検出回路であり、検知電極12に接続される。信号検出回路7は、検知電極12ごとに検出回路を設け、検知電極12の電圧を検出信号Rxvとして検出する構成としている。なお、信号検出回路の他の構成例として、複数本の検知電極12の群に対して1つの信号検出回路を設け、駆動電極11に印加されるパルス電圧の持続時間内において、複数本の検知電極12での検出信号Rxvの電圧監視を時分割で行い、それぞれの検知電極12からの検出信号Rxvを検出するように構成してもよい。
表示面上での物体の接触位置、すなわちタッチ位置は、どの駆動電極11に駆動信号Txvを印加したときに、どの検知電極12で接触時の検知信号Rxvが検出されたかに基づいて求められ、それら駆動電極11と検知電極12との交点が接触位置として演算により求められる。なお、接触位置を求める演算方法としては、液晶表示装置内に演算回路を設けて行う方法や、液晶表示装置の外部の演算回路により行う方法がある。
制御装置8は、CPUなどの演算処理回路、および、ROMやRAMなどのメモリを備えている。制御装置8は、入力される映像データに基づき、色調整などの各種の画像信号処理を行って各サブピクセルの階調値を示す画像信号を生成し、映像線駆動回路4に印加する。また、制御装置8は、入力された映像データに基づき、走査線駆動回路3、映像線駆動回路4、バックライト駆動回路5、センサ駆動回路6および信号検出回路7の動作の同期をとるためのタイミング信号を生成し、それら回路に印加する。また、制御装置8は、バックライト駆動回路5への発光制御信号として、入力された映像データに基づいて発光ダイオードの輝度を制御するための輝度信号を供給する。
本実施形態で説明する液晶表示装置では、液晶パネル1の各信号線や電極に接続される走査線駆動回路3、映像線駆動回路4、センサ駆動回路6、および、信号検出回路7は、フレキシブル配線板、プリント配線板およびガラス基板に各回路の半導体チップを搭載することにより構成している。しかし、走査線駆動回路3、映像線駆動回路4、センサ駆動回路6は、TFT基板上に、TFTなどとともに半導体回路素子などの所定の電子回路を同時に形成することにより搭載してもよい。
図2はタッチセンサを構成する駆動電極と検知電極の配列の一例を示す斜視図である。
図2に示すように、入力装置としてのタッチセンサは、図2の左右方向に延在する複数本のストライプ状の電極パターンである検知電極12と、検知電極12の電極パターンの延在方向と交差する方向に延びる複数本のストライプ状の電極パターンである駆動電極11とから構成されている。それぞれの駆動電極11と検知電極12とが互いに交差した交差部分それぞれに、静電容量を持つ容量素子が形成される。なお、本実施の形態にかかる液晶表示装置において、検知電極12は、液晶パネルにおいて画像表示に用いられる画素電極を用いて形成することができ、また、液晶パネル1内に所定の電極を配置して形成することができる。
また、検知電極12は、走査信号線10が延在する方向に対して平行となるように配置されている。本明細書において、検知電極と走査信号線とが平行となるように配置されているとは、検知電極と走査信号線とが同じ方向に向いて延在して配置されていることを言い、検知電極と走査信号線とが物理的に完全に平行である状態を規定するものではない。
そして、検知電極12は、後で詳細に説明するとおり、M(Mは自然数)本の走査信号線を1ラインブロックとしたとき、複数のN(Nは自然数)本のラインブロックそれぞれに対応するように配置され、ラインブロックごとに検知信号を検出するように構成されている。
タッチ位置の検出動作を行う際は、センサ駆動回路6から列方向(垂直方向)に配置された駆動電極11それぞれに対して、一例として図2中に走査方向として示す方向(左側から右側)に順次駆動信号Txvが印加され、検出対象となるラインブロックに対応して配置された検知電極12から検出信号Rxvを検出することによって、ラインブロックに対応したタッチ位置の検出が行われる。
次に、静電容量方式のタッチセンサにおけるタッチ位置の検出原理(電圧検知方式)について、図3、図4を用いて説明する。
図3(a)、図3(b)は、タッチセンサの概略構成と等価回路について、タッチ操作を行っていない状態(図3(a))とタッチ操作を行った状態(図3(b))とを説明する図である。図4は、図3に示したような、タッチ操作を行っていない場合とタッチ操作を行った場合との検出信号の変化を示す説明図である。
静電容量方式のタッチセンサは、図2に示すように、互いに交差するようにマトリクス状に配置された一対の駆動電極11と検知電極12との交差部が、図3(a)に示すように、誘電体Dを挟んで対向配置していることにより容量素子を構成している。等価回路は、図3(a)の図中右側に示すように表わされ、駆動電極11、検知電極12および誘電体Dによって、容量素子C1が構成される。容量素子C1は、その一端が交流信号源としてのセンサ駆動回路6に接続され、他端Pは抵抗器Rを介して接地されるとともに、電圧検出器としての信号検出回路7に接続される。
交流信号源としてのセンサ駆動回路6から駆動電極11(容量素子C1の一端)に、数十kHz〜数百kHz程度の所定の周波数のパルス電圧による駆動信号Txv(図4)を印加すると、検知電極12(容量素子C1の他端P)に、図4に示すような出力波形(検出信号Rxv)が現れる。
指が接触(または近接)していない状態では、図3(a)に示すように、容量素子C1に対する充放電に伴って、容量素子C1の容量値に応じた電流I0が流れる。このときの容量素子C1の他端Pの電位波形は、図4の波形V0のようになり、これが電圧検出器である信号検出回路7によって検出される。
一方、指が接触(または近接)した状態では、図3(b)に示すように、等価回路は、指によって形成される容量素子C2が容量素子C1に直列に追加された形となる。この状態では、容量素子C1、C2に対する充放電に伴って、それぞれ電流I1、I2が流れる。このときの容量素子C1の他端Pの電位波形は、図4の波形V1のようになり、これが電圧検出器である信号検出回路7によって検出される。このとき、点Pの電位は、容量素子C1、C2を流れる電流I1、I2の値によって定まる分圧電位となる。このため、波形V1は、非接触状態での波形V0よりも小さい値となる。
信号検出回路7は、検知電極12それぞれから出力される検出信号の電位を所定のしきい値電圧Vthと比較し、このしきい値電圧以上であれば非接触状態と判断し、しきい値電圧未満であれば接触状態と判断する。このようにして、タッチ検出が可能となる。なお、タッチ位置の検出を行うために、図4に示したような電圧の大きさによって判別する方法以外の静電容量の変化を検知する方法として、電流を検知する方法等がある。
図5は、液晶パネルの走査信号線の配列構造とタッチセンサの駆動電極および検知電極の配列構造を示す概略図である。
図5に示すように、水平方向に延在する走査信号線10は、M(Mは自然数)本の走査信号線G1−1、G1−2・・・G1−Mを1ラインブロックとし、複数のN(Nは自然数)本のラインブロック10−1、10−2・・・10−Nに分割して配列されている。
タッチセンサの検知電極12は、ラインブロック10−1、10−2・・・10−Nにそれぞれ対応させて、N本の検知電極12−1、12−2・・・12−Nが水平方向に延在するように配列されている。そして、N本の検知電極12−1、12−2・・・12−Nと交差するように、複数本の駆動電極11(Tx−1、Tx−2、・・・、Tx−k)が配列されている。
すなわち、表示装置である液晶パネル1は、M本の走査信号線からなるラインブロックをN本配列してなる複数本の走査信号線10を有し、1フレーム期間中に順次走査信号を印加して表示の更新を行うように構成されている。入力装置であるタッチセンサを構成する検知電極12は、走査信号線10に平行となるように、かつ、走査信号線10のN個のラインブロック10−1、10−2・・・10−Nにそれぞれ対応するように、検知電極12−1、12−2・・・12−Nが配置されている。駆動電極11は、検知電極12−1、12−2・・・12−Nに略直交して交差するように絶縁体層を介して配置され、駆動電極と検知電極との間の交差部分それぞれに、実質的に図3に示した容量素子C1が形成されることにより構成されている。タッチセンサは、タッチ検出期間において、駆動電極11に順次駆動信号を印加するとともに、検知電極12−1、12−2・・・12−Nそれぞれから出力される検出信号を検出することにより、タッチ位置の検出を行うように構成されている。
図6、図7は、本技術の一実施形態にかかるタッチセンサ機能を備えた液晶表示装置の液晶パネルの構成を示す説明図である。図6は、液晶パネルのTFT基板の構成を示す概略平面図であり、図7は、TFT基板に対向して配置される対向基板の構成を示す概略平面図である。なお、図6、図7は、それぞれの基板を液晶パネル1の前面側、すなわち、観視者が表示される画像を見る方向から見た状態を示している。
図6に示すように、液晶パネル1のTFT基板1a上には、マトリクス状に配置されそれぞれが一つのサブピクセルに相当する画素電極と、各画素電極に対応して設けられ画素電極への電圧印加をオン/オフ制御するスイッチング素子としての薄膜トランジスタ(TFT)と、画素電極との間に絶縁層を介して配置された共通電極などが形成されることにより、液晶パネル1での画像表示を行う領域である画像表示領域13が形成されている。なお、図6においては、図面の煩雑化を避けるために画素表示領域13のみを示し、画素電極やTFT、共通電極の図示は省略する。
また、TFT基板1a上には、映像信号線9に接続される映像線駆動回路4と、走査信号線10に接続される走査線駆動回路3とが配置されている。なお、図1を用いて説明したように、TFT基板1a上には、複数の映像信号線9と複数の走査信号線10とが互いに概ね直交するように配置され、走査信号線10は各画素電極に対応するTFTの水平列方向に設けられ、複数のTFTのゲート電極に共通に接続される。また、映像信号線9は各画素電極に対応するTFTの垂直列方向に設けられ、複数のTFTのドレイン電極に共通に接続される。また、各TFTのソース電極にはそれぞれのTFTに対応する画像表示領域に配置されている画素電極が接続される。
図7に示すように、液晶パネル1の対向基板1bは、液晶パネル1の前面側に位置していて、対向基板1bを構成する透明なガラス基板のTFT基板と対向する側の面上には、TFT基板上に形成された画素電極に対応する位置に、赤(R)、緑(G)、青(B)の各サブピクセルを構成するための3原色のカラーフィルタと、R、G、Bの各サブピクセル間にコントラストを向上させるための遮光材料からなる遮光部であるブラックマトリクスが形成されている。図7では、図面の煩雑化を避けるために、カラーフィルタとブラックマトリクスの図示は省略し、これらが配置されている領域を画像表示領域13として示している。
本実施形態の液晶表示装置に用いられる液晶パネル1では、TFT基板1a側に検知電極12が配置されている。また、対向基板1bに、TFT基板1aに配置された検知電極12と交差するように、ストライプ状の駆動電極11が配置されている。より具体的には、検知電極12は、図6に示すように、TFT基板1a上の画像表示領域13において画素電極と絶縁層を介して対向するように配置された共通電極を水平方向に伸延する切断線で切断することで、それぞれが画素配列の行方向の配列方向(水平方向)に延在する複数本の検知電極12として形成されている。また、駆動電極11は、図7に示すように、対向基板1bのカラーフィルタ層などが形成されている面とは異なる前面側(観視者側)の面上に、インジウム錫酸化物(ITO)やインジウム亜鉛酸化物(IZO)など周知の透明導電性部材をパターニングすることによって、画素配列の列方向(垂直方向)に延在する複数本の駆動電極11として形成されている。
なお、本実施形態で説明する液晶パネル1では、図6、図7に示すように、駆動電極11および検知電極12を、図6および図7では図示しないセンサ駆動回路6および信号検出回路7にフレキシブル配線板(FPC)等を介して電気的に接続するための端子引出部17a、17bが設けられている。端子引出部17a、17bは、抵抗値を下げて検出精度と検出速度を向上するために、幅が広いいわゆるベタパターン状に形成されている。また、端子引出部を構成する材料としては、低抵抗の金属材料(アルミニウム、銅等)を用いることが好ましい。
なお、図6において、TFT基板1a上において画像表示領域の右側に走査線駆動回路3が、また、画像表示領域13の下側に映像線駆動回路4が、それぞれ配置された構成を示したが、走査線駆動回路3および映像線駆動回路4の配置位置はこれらに限られず、走査線駆動回路3および映像線駆動回路4をTFT基板1a上に配置する場合には、画像表示領域13の周辺部分の任意の場所に配置することができる。なお、映像信号線9と走査信号線10の延在方向から、走査線駆動回路3が画像表示領域13の左右いずれかの側方に、映像線駆動回路4が画像表示領域の上下いずれかの位置に配置されることが多い。また、FPCなどを介して、走査線駆動回路3および映像線駆動回路4をTFT基板上以外の場所に配置することもできる。
図8は、図6にA部として示した部分における、液晶パネルのTFT基板上に形成された一つのサブピクセルと、その周辺部の電極構成の一例を示す部分拡大平面図である。
図8に示すように、本実施形態で説明する液晶パネル1では、TFT基板1aの液晶層側(前面側)の面には、インジウム錫酸化物(ITO)やインジウム亜鉛酸化物(IZO)などの透明導電材からなる画素電極19と、画素電極19にソース電極を接続したTFT20と、TFT20のゲート電極に接続された走査信号線10と、TFT20のドレイン電極に接続された映像信号線9とが適宜絶縁層を介しながら積層形成されている。
TFT20は、半導体層、および半導体層にそれぞれオーミック接続されるドレイン電極およびソース電極を有し、ソース電極は図示しないコンタクトホールを介して画素電極19に接続されている。半導体層の下層には、走査信号線10に接続されるゲート電極が形成されている。
なお、図8に示す例は、本実施形態にかかる液晶表示装置に用いられる液晶パネルとして、IPS方式と呼ばれる、液晶層に対して横方向の電界がかかる方式の液晶パネルが用いられた場合の例であり、画素電極19と共通電極との間の電界が1つのサブピクセルを構成する有効領域の液晶層に及ぶように、画素電極19は櫛歯形状に形成されている。また、画素電極19が形成されていてその部分の液晶層が画像表示に寄与する有効領域を囲むように、その部分の液晶層が画像表示に寄与しない境界領域が設けられ、その境界領域に、走査信号線10と映像信号線9が配置され、これらの交点近傍にTFT20が配置されている。
また、図8には図示していないが、画素電極19の下層には、層間絶縁膜を挟んで画素電極19と対向するように、すなわち、液晶パネル1の厚さ方向において画素電極19と重なる位置に、共通電極が形成されている。なお、共通電極は、少なくとも画素電極19が配されている有効領域と重なる部分では、ほぼ面状(いわゆるベタパターン状)に形成されている。そして、図8に示す本実施形態の液晶パネル1では、この共通電極を走査信号線10の配置方向と平行な方向にスリットを設けて分断し、走査信号線10に平行となるように複数本が配置されたタッチセンサの検知電極12として兼用して使用している。
図9は、図6においてA部として示した領域、すなわち、図8に平面構成を示した領域の概略断面図である。
図9に示すように、液晶パネル1は、ガラス基板などの透明基板からなるTFT基板1aと、このTFT基板1aに対向するように所定の間隙を設けて配置される対向基板1bとを有し、TFT基板1aと対向基板1bとの間に液晶層を形成する液晶材料1cを封入することにより構成されている。
TFT基板1aは、液晶パネル1の背面側に位置し、TFT基板1aの本体を構成する透明基板の表面に、マトリクス状に配置された画素電極19と、それぞれの画素電極19に対応して設けられ、画素電極19への電圧印加をオン/オフ制御するスイッチング素子としてのTFTと、画素電極19と層間絶縁層23を介して積層して形成されている共通電極24を備えている。なお、上述のように、本実施形態にかかる液晶パネル1の共通電極24は、タッチセンサの検知電極12を兼ねている。
対向基板1bは、液晶パネル1の前面側に位置し、対向基板1b本体を構成する透明な基板のTFT基板1a側に、TFT基板1aに形成された画素電極19に対応するように液晶パネル1の厚さ方向において重なる位置に、赤(R)、緑(G)、青(B)のサブピクセルをそれぞれ構成するための3原色のカラーフィルタ21R、21G、21Bが形成されている。また、これらR、G、Bのサブピクセルの間と3つのサブピクセルから構成される一つの画素間に配置され、表示される画像のコントラストを向上させるための遮光材料からなる遮光部であるブラックマトリクス22が形成されている。
また、本実施形態で説明する液晶パネル1では、対向基板1bの観視者側の表面に駆動電極11が形成されている。この駆動電極11は、上記したようにインジウム錫酸化物(ITO)やインジウム亜鉛酸化物(IZO)などの透明導電材をパターニングすることで所定の形状に形成されている。
なお、詳細な説明は省略するが、図9に示すように、通常のアクティブマトリクスの液晶パネルと同様、TFT基板1aに形成される電極や配線等の所定の電圧が印加される各構成要素間には、層間絶縁膜23が形成されている。
上述したように、TFT基板1aには、TFT20のドレイン電極に接続される複数の映像信号線9と、ゲート電極に接続される複数の走査信号線10とが互いに直交するように配置されている。走査信号線10はTFTの水平列ごとに設けられ、水平列の複数のTFT20のゲート電極に共通に接続される。映像信号線9はTFT20の垂直列ごとに設けられ、垂直列の複数のTFT20のドレイン電極に共通に接続されている。また、各TFT20のソース電極にはTFT20に対応する画素電極19が接続される。
図10は、本実施形態で説明する液晶パネルにおいて、液晶パネル内に形成されたタッチセンサの検知電極を形成場所が異なる第1の例を示す断面図である。なお、図10は図9と同様に、図6におけるA部、すなわち、図8に平面構成を示した部分の断面構成を示している。
図10に示す、検知電極12の配置位置の異なる第1の例では、タッチセンサを構成する一方の電極である検知電極12を、図9に示した構成のように液晶パネル1の共通電極を検知電極12として兼用するのではなく、TFT基板1aにおいて画素電極19が形成されている層間絶縁膜23上であって、画素電極19が配置されている有効領域の周辺の、液晶パネル1での画像表示に寄与しない境界領域に検知電極12が形成されている。なお、図8のような平面構成の図示は省略するが、検知電極12の配置位置の異なる第1の例では、画素電極19の周囲の映像信号線9および走査信号線10(図8参照)に重なるように、枠状の電極を形成して、この枠状電極を垂直および水平方向に適宜接続して、全体として図6に示すような水平方向に延在する複数本の検知電極12を構成するものである。また、図10に断面構成を示す他の構成例の検知電極12は、液晶パネル1における画像表示のための電極以外の電極を付加することにより形成されるものであるため、図10に示す構成例では、共通電極は水平方向に延在するスリットによって分断される構成とはなっていない。
図10に示す、画素電極19の周辺部分ら形成された検知電極12は、例えば、アルミニウムや銅などの金属材料と、これを覆うインジウム錫酸化物(ITO)から形成される。
図11は、本実施形態で説明する液晶パネルにおいて、液晶パネル内に形成されたタッチセンサの検知電極の形成場所の異なる第2の例を示す断面図である。なお、図11も、図9および図11と同様に、図6におけるA部の断面構成を示している。
図11に示す、検知電極12の配置位置の異なる第2の例では、タッチセンサを構成する一方の電極である検知電極12を、対向基板1bにおいて、サブピクセルを形成する有効領域の周囲の境界領域に配置されているブラックマトリクス22層上、すなわち、ブラックマトリクス22層の液晶層側に配置されている。なお、タッチセンサの検知電極の形成場所の異なる第2の例においても図8のような平面構成の図示は省略するが、上記第1の例と同様に、TFT基板1aにおける画素電極19の周囲の映像信号線9および走査信号線10と対向する位置の、対向基板1bのブラックマトリクス層22上に枠状の電極を形成して、この枠状電極を垂直および水平方向に適宜接続して、全体として図6に示すような水平方向に延在する複数本の検知電極12を構成するものである。また、図11に断面構成を示す他の構成例の検知電極12も、液晶パネル1における画像表示のための電極以外の電極を付加することにより形成されるものであるため、共通電極は水平方向に延在するスリットによって分断される構成とはなっていない。図11に示す、対向基板1bのブラックマトリクス22上に配置された検知電極12は、例えば、アルミニウムや銅などの金属材料から形成される。
図10に示した検知電極12の配置位置の異なる第1の構成例、図11で示した第2の構成例共に、駆動電極11は図9に示した構成例と同じく、対向基板1bの観視者側の表面にインジウム錫酸化物(ITO)やインジウム亜鉛酸化物(IZO)などの透明導電材をパターンニングして垂直方向に延在する複数の電極として形成されている。
また、図10に示す第1の構成例、図11に示す第2の構成例においても、液晶パネル1の画像表示に関する部分の構成は図9を用いて示したものと同様な構成である。すなわち、液晶パネル1は、ガラス基板などの透明基板からなるTFT基板1aと、このTFT基板1aに対向するように所定の間隙を設けて配置される対向基板1bとを有し、TFT基板1aと対向基板1bとの間に液晶層である液晶材料1cを封入することにより構成されている。また、TFT基板1aは、液晶パネル1の背面側に位置し、TFT基板1aの本体を構成する透明基板の表面に、マトリクス状に配置された画素電極19と、それぞれの画素電極19に対応して設けられ、画素電極19への電圧印加をオン/オフ制御するスイッチング素子としてのTFTと、画素電極19と層間絶縁層を介して積層して形成されている共通電極24などが形成されている。さらに、対向基板1bは、液晶パネル1の前面側に位置し、対向基板1b本体を構成する透明な基板に、TFT基板1aに形成された画素電極19に対応するように液晶パネル1の厚さ方向において重なる位置に、赤(R)、緑(G)、青(B)のサブピクセルをそれぞれ構成するための3原色のカラーフィルタ21R、21G、21Bと、R、G、Bのサブピクセルの間と3つのサブピクセルから構成される一つの画素間に配置され、表示される画像のコントラストを向上させるための遮光材料からなる遮光部であるブラックマトリクス22が形成されている。
このように、本実施形態の液晶表示装置では、検知電極12を共通電極と兼用するものとして、また、TFT基板1a上に形成された画素電極19の周囲を囲む境界領域に相当する部分の、TFT基板1a上、もしくは、対向基板1b上に、有効領域、すなわち、一つのサブピクセルを構成する領域の周辺を囲むような格子状に形成され、これを適宜水平方向および垂直方向に接続することで、図2に示したような、水平方向に延在して配置された複数本の電極として構成することができる。このように検知電極12を形成することで、対向基板1bの観視者側の表面に形成された駆動電極11と検知電極12とが、互いに交差するように配置され、交差部分に容量素子が形成されて、静電容量型のタッチセンサとして機能する。
次に、本実施形態にかかる液晶表示装置における、タッチセンサによるタッチ位置の検出動作について説明する。
図12は、本実施形態で説明する液晶パネルにおいて、表示画像を更新する表示更新を行う走査信号線の各ラインブロックへの走査信号の入力タイミングと、タッチセンサでタッチ位置検出を行うための、駆動電極への駆動信号の印加と検知電極での検知信号の取得動作のタイミングとの関係の一例を示す説明図である。図12(a)〜図12(f)は、走査信号線のラインブロックがそれぞれ走査される期間の状態を示している。
図12(a)に示すように、一番上のラインブロック10−1の走査信号線それぞれに走査信号を順次入力している走査期間において、各駆動電極11には、1回以上の駆動信号Txvが、順次図中矢印で示す水平方向に順次走査するように供給される。このとき、走査信号が入力されているラインブロック10−1に対応する検知電極12−1は、検知動作を行わず、走査信号が入力されていない走査信号線のライブロックに対応して配置されている検知電極12−1以外の他の検知電極12(12−2〜12−N)は検知動作を行い、検出信号Rxvを出力する。
次に、図12(b)に示すように、2番目のラインブロック10−2の走査信号線それぞれに走査信号を順次入力している走査期間において、各駆動電極11には、1回以上の駆動信号Txvが順次走査するように供給される。このとき、走査信号が入力されているラインブロックである、ラインブロック10−2に対応する検知電極12−2は検知動作を行わず、検知電極12−2以外の他の検知電極12(12−1、12−3〜12−N)は検知動作を行い、検出信号Rxvを出力する。
以下、図12(c)〜図12(f)に示すように、ラインブロック10−3、10−4、10−5・・・10−Nの走査信号線それぞれに走査信号を順次入力している走査期間が順次進行するのに対応し、走査信号が入力されているタイミングのラインブロック10−3、10−4、10−5・・・10−Nに対応する検知電極12−3、12−4、12−5・・12−Nが検知動作を行わず、それ以外の検知電極12が検知動作を行い、検出信号Rxvを出力する。このとき、ラインブロックごとの走査信号線それぞれに走査信号を順次入力している走査期間ごとに、各駆動電極11には1回以上の駆動信号Txvが供給される。
すなわち、本実施形態の液晶表示装置においては、走査信号線に走査信号を印加していないラインブロックに対応する複数の検知電極12を用いて検知動作を行うように構成している。走査信号線に走査信号が印加され、当該走査信号線に接続されたTFTがオンすることにより、オンとなったTFTに対応する画素電極に映像信号線からの電圧が印加される。このような画像表示の更新動作が行われると、画素電極の電圧が上昇もしくは下降するため、画素電極と検知電極との間の容量結合によって電荷が移動して、検知電極12にタッチ動作とは無関係な電荷の移動が生じるとこれがタッチ位置検出信号のノイズとなる。また、走査信号が印加される走査信号線と検知電極との容量結合によっても電荷が移動し、この電荷の移動がタッチ位置検出信号のノイズとなる。そこで、本実施形態にかかる液晶表示装置が備えるタッチセンサでは、図12に示すような、走査信号線が選択されたラインブロックに配置されている検知電極からは検出信号Rxvを出力させない検知動作を行うことにより、検知電極12がノイズを検出することが回避されて、タッチセンサのタッチ位置検出感度を高めることができる。
図13(a)、図13(b)は、図12(a)として示した、ラインブロック10−1の走査信号線が走査されている走査期間における、検知電極による検知動作と駆動電極に印加される駆動信号との関係の一例を説明するための説明図である。なお、図13(a)、図13(b)では、いずれも、ラインブロック10−1の走査信号線の走査期間に、1本の駆動電極11に駆動信号として2個のパルス波形が印加された場合の例を示している。
図13(a)、図13(b)においてそれぞれその上段に示すように、タッチ検出期間においては、走査信号が印加されているラインブロック10−1に対応する検知電極12−1は停止していて検知動作を行わず、検知電極12−1以外の検知電極は検知動作を行う。また、図13(a)、図13(b)のそれぞれ下段に示すように、駆動電極Tx−1〜Tx−kには、0V(=GND)レベルの電圧0と駆動信号の振幅分αとの間の電位差を有するパルス波形が順次印加される。
図13(a)において、駆動電極Tx−1にパルス電圧が印加された後に、次の駆動電極Tx−2にパルス電圧が印加され、続いて順次パルス電圧が次の駆動電極に印加される。最後の駆動電極Tx−kにパルスが印加された後、再び最初の駆動電極Tx−1にパルス電圧が印加され、続いて次の駆動電極Tx−2にパルス電圧が印加され、最後の駆動電極Tx−kまで順次パルス電圧が印加されて、ラインブロック10−1の走査信号線の走査期間が終了するまでの間に、2回走査するように各駆動電極12に順次駆動信号であるパルス電圧が印加される。
次のラインブロック10−2の走査信号線が走査される期間においては、最初のラインブロック10−1の走査期間においての動作と同様に、各駆動電極(Tx−1〜Tx−k)に順次2回の走査を行うようにして駆動信号が印加される。以下、3つめ以降のラインブロック10−3から10−Nの走査信号線の走査期間にも、同じように駆動電極Tx−1〜Tx−kに順次駆動信号が印加される。
図13(a)は、各駆動電極に1個のパルス波形を順次印加していき、2回の順次走査を行いうことで全体として一つの駆動電極に2個のパルス波形を印加する場合の例である。また、一つのラインブロックに配置された走査信号線の走査期間に、それぞれの駆動電極に2個の駆動信号パルスを印加する方法として、図13(b)に示すように、各駆動電極に対して1度に2個のパルス波形を連続して印加しながら、全体を1回順次走査する方法を採用することができる。
図13(b)に示すように、一つ目のラインブロック10−1の走査信号線が走査されている期間に、2個のパルス波形を全ての駆動電極を走査するように順次印加して、ラインブロック10−1以外のラインブロックに対応する検知電極(12−2〜12−N)から検知信号を出力させることができる。この場合も、図13(a)で示した場合と同様に、2つ目以降の全てのラインブロックの走査信号線が走査される期間において、全ての駆動電極に順次2個のパルス波形の駆動信号を印加して、選択されていないラインブロックに対応する検知電極からの検知信号を出力させることができる。
なお、図13(a)、図13(b)に示すように、一つのラインブロックが選択されている期間に2個の駆動信号パルスを印加して、それぞれの検知電極におけるタッチ位置を2回ずつ検出することにより、1回ずつの駆動信号パルスを印加する場合と比較してタッチ位置を検出する頻度が増えるためにタッチ位置の検出精度を向上させることができる。さらに、駆動電極12に印加される駆動信号パルス回数を3回以上に増やすことで、タッチ位置の検出精度をさらに向上させることが可能となる。
また、図13(a)、図13(b)では図示していないが、検知電極の電圧は共通電極の電圧と同電位に設定している。図9に断面構成を示した、液晶パネル1において共通電極24と検知電極12とを兼ねる構成の場合は、検知電極と共通電極とが兼用されているため、検知電極には共通電極としての電位が印加されることになる。また、図10および図11に断面構成を示した、液晶パネル1内のTFT画素電極19の周囲部分、もしくは、この周辺部分に対向する対向基板1bのブラックマトリクス22層上に検知電極を配置して、検知電極を共通電極と兼用しない構成例の場合であっても、検知電極の電圧を共通電極の電位と同じ電位にすることにより、検知電極からの電界により液晶分子が不適切な向きに配向されることを効果的に防止することができ、表示画像に悪影響を与えずにタッチ位置の検出を行うことができる。
図14は、本実施形態にかかる液晶表示装置において、液晶パネルの表示更新を行う走査信号線のラインブロックへの走査信号の入力と、タッチセンサでのタッチ位置検出を行うための駆動電極への駆動信号の印加と、検知電極での検知信号の取得タイミングの、他の一例を説明する説明図である。図14(a)〜図14(f)は、それぞれの走査信号線のラインブロックが走査される期間における状態を示している。なお、図14においては、走査信号線を省いて図示している。
図14で示す他の例における検知信号の取得タイミングは、選択されて走査信号線に走査信号が順次印加されるラインブロックに対応する検知電極からは検知信号を出力させず、選択されていないラインブロックに対応して配置された検知電極から検知信号を出力させる点は、図12に示した検知信号の取得タイミングの例と同じである。図14に示す他の例では、各ラインブロックの走査信号線の走査期間において、駆動電極に順次駆動信号を印加する方法が異なっている。具体的には、図12では、各ラインブロックの走査信号線の走査期間に、全ての駆動電極を順次走査して駆動信号を1回以上印加しているが、図14に示す他の例では、各ラインブロックの走査信号線の走査期間に、駆動電極に駆動信号を印加する回数を1回未満としている。
図14に示す例は、一つのラインブロックに走査信号が印加されている期間に、全ての駆動電極の3分の1の駆動電極(図14に図示する例では、全6本中2本)に駆動信号を印加している。すなわち、図14(a)に示す、一つめのラインブロック10−1の走査信号線に走査信号が印加されている期間には、図中左側の2本の駆動電極に駆動信号Txvが印加され、図14(b)に示す、二つめのラインブロック10−2の走査信号線に走査信号が印加されている期間には、図中中央の2本の駆動電極に駆動信号Txvが印加され、図14(c)に示す、三つめのラインブロック10−3の走査信号線に走査信号が印加されている期間には、図中右の2本の駆動電極に駆動信号Txvが印加されている。このようにして、複数(図14の例の場合は3つ)のラインブロックが選択されて走査信号が印加されている期間に、全ての駆動電極が順次走査されるようにして駆動信号Txvが印加される。
このように、一つのラインブロックが選択されている期間に駆動電極に駆動信号を印加する回数を1回未満とすること、言い換えると、複数のラインブロックが選択されている期間で全ての駆動電極が順次走査されて駆動信号が印加されるような駆動信号の印加動作を行うことにより、一つのラインブロックが選択されている期間にタッチ位置を検出可能な範囲は、図14(a)から図14(f)の各図において検出可能領域として図示した、駆動電極に駆動信号が印加される範囲に制限される。しかし、表示パネルが何本のラインブロックを備えているかを勘案して、1つのラインブロックが選択されている期間に駆動信号が印加される駆動電極の割合を定めることで、画像表示の1フレーム期間内に画像表示領域の全体におけるタッチ位置情報を得ることは可能である。このため、図14に示した例のように、一つのラインブロックが選択されている期間に駆動電極に駆動信号を印加する回数を1回未満とすることは、タッチ位置情報の検出における問題とはならない。
例えば、表示パネルが大型化した場合には、タッチ位置検出精度の観点から表示パネルの大きさに関係なく所定の配置間隔で配置されることが求められるために表示パネル上に配置される駆動電極の本数が増加する。一方で、映像信号によって定まる1フレーム期間の長さは変わらないため、1フレーム期間内に全ての駆動電極に駆動信号を印加するためには走査速度を速くしなくてはならないという困難が生じる、このような場合でも、図14に示すような、一つのラインブロックが選択されている期間に駆動電極に駆動信号を印加する回数を1回未満とするタッチ位置検出方法を採用することで、大型化したパネル上のタッチ位置を良好に検出することができる。
図15は、図14(a)〜図14(f)として示した、各ラインブロックの走査信号線の走査期間において、駆動電極に駆動信号を印加する回数を1回未満とした場合における、検知電極による検知動作と駆動電極に印加される駆動信号としてのパルス電圧との関係の例を示す説明図である。
図15の上段に示すように、一つ目のラインブロック10−1に走査信号が印加されている期間では、走査信号が印加されているラインブロック10−1に対応する検知電極12−1は検知動作を行わず、検知電極12−1以外の他の検知電極が検知動作を行う。次に、二つ目のラインブロック10−2に走査信号が印加されている期間には、ラインブロック10−2に対応する検知電極12−2は検知動作を行わず、検知電極12−2以外の他の検知電極が検知動作を行う。また、図15の下段に示すように、駆動電極には、0V(=GND)レベルの電圧0と駆動信号の振幅分αとの間の電位差を有するパルス波形が印加される。
図15においては、図14に対応させて、各ラインブロックの走査信号線の走査期間に、それぞれ2本の駆動電極に各駆動電極あたり1個のパルス電圧が印加されていることが示されている。具体的には、最初のラインブロック10−1が選択されている期間に、駆動電極Tx−1に1個のパルス電圧が印加された後、駆動電極Tx−2に1個のパルス電圧が印加される。次のラインブロック10−2の走査信号線の走査期間においては、駆動電極Tx−3に1個のパルス電圧が印加された後、駆動電極Tx−4に1個のパルス電圧が印加される。以下、図示していないが3つ目以降のラインブロックに配置されている走査信号配線に走査信号が印加されている期間に、さらに次の2つずつの駆動電極にそれぞれ1個のパルス電圧が印加され、これを繰り返す。このようにすることで、一つのラインブロックが選択されている期間に駆動電極に駆動信号を印加する回数を1回未満とすること、言い換えると、複数のラインブロックが選択されている期間で全ての駆動電極が順次走査されて駆動信号が印加されるような駆動信号の印加動作を行うことができる。
なお、図示はしていないが、図15においても検知電極の電圧は共通電極の電圧と同電位に設定している。このことにより、液晶パネルにおいて共通電極と検知電極とを兼ねる構成の場合、共通電極に正しい電圧が印加されることになる。また、共通電極を検知電極として兼用せずに液晶パネル内に格子状の検知電極を付加形成する場合でも、検知電極からの電界により液晶分子が不適切な向きに配向されることを効果的に防止することができ、表示画像に悪影響を与えずにタッチ位置の検出を行うことができる。
以上説明したように、本技術によるタッチセンサにおいては、検知電極12は走査信号線10と平行になるように形成し、駆動電極11は映像信号線9と平行になるように、すなわち検知電極12に交差するように形成しており、タッチ検出期間において、駆動電極11に駆動信号を印加するとともに、検知電極12それぞれから出力される検出信号を検出することによりタッチ位置の検出を行うことができる。
また、タッチ検出期間は、走査信号が印加されている走査信号線10に近接した検知電極12における検知動作は行わず、走査信号が印加されていない走査信号線10に近接した検知電極12において検知動作を行うように構成されている。
より具体的には、M本の走査信号線からなるラインブロックをN本配列してなる複数本の走査信号線10を有し、1フレーム期間中に走査信号線に順次走査信号を印加して表示の更新を行う表示装置に配置され、かつ複数本の駆動電極11と複数本の検知電極12とが互いに交差するように配置されるとともに、駆動電極と検知電極との間に容量素子を形成することにより構成したタッチセンサであって、検知電極12は、表示装置の走査信号線10に平行となるように、走査信号線10のN個のラインブロック10−1、10−2・・・10−Nそれぞれに対応させて配置され、タッチ検出期間において、駆動電極11に駆動信号を印加するとともに、検知電極12−1、12−2・・・12−Nそれぞれから出力される検出信号を検出することによりタッチ検出を行うように構成している。
そして、タッチ検出期間は、走査信号が印加されている走査信号線のラインブロックに対応した検知電極における検知動作は行わず、走査信号が印加されていない走査信号線のラインブロックに対応した検知電極において検知動作を行うように構成されている。
本技術にかかる入力装置であるタッチセンサは、上記の構成を備えることで、表示装置の表示更新の動作とタッチセンサの検出動作とを同時に行うことが可能となり、高精細化や大型化が容易な入力装置を実現することができる。
なお、上記実施形態においては、走査信号線と平行になるように配置されるタッチセンサの検知電極12を液晶パネル1のTFT基板1aと対向基板1bとの間に配置し、検知電極12と交差するように配置されるタッチセンサの駆動電極11を、液晶パネル1の前面側に配置された対向基板1bの前面側に配置する構成について説明した。しかし、本技術にかかる入力装置ならびに液晶表示装置の構成は、上記実施形態で例示したものに限らない。
図16は、本技術の入力装置であるタッチセンサを構成する、駆動電極と検知電極の配置を上記実施形態において示したものとは異ならせた、他の配置例を示す分解斜視図である。
図16に示す他の配置例においては、図2で示した上記実施形態における入力装置の電極配置例と検知電極12と駆動電極11の配置関係を逆の構成としたものである。
具体的には、液晶パネルの背面側に配置されるTFT基板1a上に垂直方向に延在する駆動電極11が形成され、液晶パネルの前面側に配置される対向基板1bの前面側表面上に水平方向に延在する検知電極12が配置されている。
図17は、図16に示す入力装置の電極配置構成とした場合において、液晶パネルの走査信号線の配列構造とタッチセンサの駆動電極および検知電極の配列構造を示す概略図である。図17は、上記実施形態における図5に相当する図面である。
図17に示すように、水平方向に延在する走査信号線10は、M(Mは自然数)本の走査信号線G1−1、G1−2・・・G1−Mを1ラインブロックとし、複数のN(Nは自然数)本のラインブロック10−1、10−2・・・10−Nに分割して配列されている。
タッチセンサの検知電極12は、前記ラインブロック10−1、10−2・・・10−Nに対応させてN本の検知電極12−1、12−2・・・12−Nが水平方向に延在するように配列され、前記N本の検知電極12−1、12−2・・・12−Nと交差するように複数本の駆動電極11(Tx−1、Tx−2、・・・、Tx−k)が配列されている。
なお、図16および図17に示した、入力装置の異なる配置の電極構成においては、対向基板上に形成されている検知電極12の幅を細くして、隣り合う検知電極12間の間隔が広くなるように構成されている。これは、本技術の入力装置である静電容量方式のタッチセンサにおけるタッチ位置の検出原理として、図3を用いて説明したように、本技術の入力装置では、前面側に配置された電極に使用者の指が近接したときの静電容量の変化を電圧値もしくは電流値として検出するものであるため、前面側に配置された電極の間隔が狭いと、使用者の指が近接することによる静電容量の変化が生じにくいからである。したがって、図2,および、図5に示したように、前面側の対向基板上に形成される電極が駆動電極11の場合には、駆動電極11の幅を細くしてその間隔が広くなるように配置している。
図18、図19は、図16に示す駆動電極と検知電極の配置を異ならせた他の配置例の電極配置構成の場合の、タッチセンサ機能を備えた液晶表示装置の液晶パネル構成を示す説明図である。図18は、液晶パネル1のTFT基板1aの構成を示すものであり、上記実施形態における図6に相当する図面である。また、図19は、液晶パネル1の対向基板1bの構成を示すものであり、上記実施形態における図7に相当する図面である。図18と図19、および、図6と図7とは、入力装置であるタッチセンサの駆動電極11と検知電極12との構成が異なるのみで、液晶パネル1における画像表示を行う各電極等の構成部分は同じであるため、図6、図7に示す部分と同一部分については同一の番号を付して適宜説明を省略する。なお、図18,図19も、図6、図7と同様に、それぞれの基板を液晶パネル1の前面側、すなわち、観視者が表示される画像を見る方向から見た状態を示している。
図18、図19に示す他の配置例の電極構成においては、TFT基板1a上には、画素電極、TFT、共通電極などが配置された画像表示領域13に、垂直方向に延在して配置される映像信号線9と平行になるように、駆動電極11が配置されている。
駆動電極11は、図10および図11に断面構成を示した構成例における検知電極のように、液晶パネル1内部のTFT基板1a上、もしくは、対向基板1b上の液晶パネル1での画像表示に寄与しない境界領域に、格子状の電極を付加形成してこれを接続する手段を用いて、図18に示すような垂直方向に配置された所定幅を有する複数本の電極として形成することができる。
また図19に示すように、対向基板1bには、画像表示領域13におけるカラーフィルタ層などが形成されている面とは異なる前面側(観視者側)の面上に、インジウム錫酸化物(ITO)やインジウム亜鉛酸化物(IZO)など周知の透明導電性部材をパターニングすることによって、画素配列の行方向(水平方向)に延在するように複数本の検知電極12が形成されている。このようにして、TFT基板1aに形成された駆動電極11と、対向基板1bに形成されたストライプ状の検知電極12が配置される。
なお、図18,図19に示すように、駆動電極と検知電極の配置を異ならせた他の配置例の電極配置構成の場合においても、駆動電極11および検知電極12を、図18および図19では図示しないセンサ駆動回路6および信号検出回路7に電気的に接続するための端子引出部17a、17bが設けられている。端子引出部17a、17bは、抵抗値を下げて検出精度と検出速度を向上するために、幅が広いいわゆるベタパターン状に形成されている。また、端子引出部を構成する材料としては、低抵抗の金属材料(アルミニウム、銅等)を用いることが好ましい。
このようにして、入力装置であるタッチセンサを構成する駆動電極と検知電極の、いずれか一方を表示パネルの一対のガラス基板の内側に配置し、他方を、一対のガラス基板のうちの観視者側の基板表面に形成することで、液晶パネルなどの画像表示パネルと一体化された入力装置、および、入力装置が一体化された画像表示装置を実現することができる。
なお、本技術の入力装置において、タッチセンサを構成する検知電極および駆動電極の配置構造は、上記で説明した2つの配置構成例に限るものではない。表示パネルの前面側表面をタッチするユーザのタッチ位置を検出することができる限りにおいて、図2〜図15を用いてその構成を説明した実施形態にかかる入力装置において、対向基板1bの前面側表面に配置した駆動電極11を、検知電極12と同様に液晶パネル1の内部に配置することができる。また、上記図16〜図19を用いてその構成を説明した実施形態にかかる入力装置において、対向基板1bの前面側表面に配置した検知電極12を、駆動電極11と同様に液晶パネル1の内部に配置することができる。
また、液晶パネルの対向基板上には、通常、偏光板、液晶パネルを衝撃等から保護するために形成される透明の保護基板が配置される。このため、図2〜図15を用いてその構成を説明した実施形態に係る入力装置において、対向基板1bの前面側表面に配置した駆動電極11は、保護基板の液晶パネル側から対向基板1bの観視者側の表面の間のいずれかの位置に形成することができる。さらに、図16〜図19を用いてその構成を説明した実施形態に係る入力装置において、対向基板1bの前面側表面に配置した検知電極12を、これら保護基板の液晶パネル側から対向基板1bの観視者側の表面の間のいずれかの位置に形成することができる。
要するに本技術の入力装置では、検知電極12および駆動電極11の少なくとも一方の電極を表示パネルの内部に配置し、かつ、検知電極12を走査信号線10に平行となるように配置することによって構成することができる。なお、駆動電極11を液晶パネル1の内部に配置する場合は、図13、図15において示した駆動電極に印加される駆動信号のパルス電圧は、0V(=GND)として示した基準電位0を共通電極の電位と同電位に、パルス電圧のハイ期間αの電圧値を、共通電極の電圧値と振幅αの電位差を加算した値とすることとなる。
ここで、本技術の入力装置における、タッチ位置検出信号の出力動作について説明する。
図20、図21は、本技術の入力装置において、駆動電極に印加された駆動信号パルスによる静電容量値を検出した検知電極の検知信号を出力する、信号検出回路7における出力回路の構成を説明するためのブロック図である。
図20は、液晶パネル1に配置されたそれぞれの検知電極12(12−1、12−2、12−3、12−4・・・)の出力電流値を、それぞれの検知電極に接続された積分器31で積分した後、A/Dコンバータ32でデジタル化して、信号の演算処理を行う演算素子(MPU)33に出力する構成を示している。なお、図20において、積分器31に接続されている電圧源は、検知電極に所望の電圧を印加するための電源である。
一方、図21は、液晶パネル1に配置されたそれぞれの検知電極12(12−1、12−2、12−3、12−4・・・)の出力電流値の積分値をそのままデジタル化して出力するのではなく、出力電流波形を、それぞれの検知電極に接続された電流電圧変換回路34によって電圧信号に変化させ、差動増幅器35によって隣り合う検知電極における検出信号間の差分を求め、隣り合う検知電極における検知信号間の差分のみを積分器36で積分し、これをA/Dコンバータ37でデジタル化して信号の演算処理を行う演算素子(MPU)33に出力する構成を示している。なお、図21においては、検知電極に所望の電圧を印加するための電源は、電流電圧変換回路34に接続されている。
図21に示すように、隣り合う検知電極で検出された検出信号の差分を求めて、これを増幅しA/D変換する方法を用いることで、検知信号が共通して有しているDC成分を排除したのちにデジタル信号を得ることができる。このため、A/Dコンバータとして精度の高いものを用いる必要が無くなり、入力装置の低コスト化を実現することができる。
また、隣り合う検知電極からの検出信号の差分を求めることで、表示パネルに印加される画像表示信号としての映像信号が検出信号のノイズとなり、タッチ位置の検出精度を低下させる事態を効果的に排除することができる。表示パネルにおいて各映像信号線に印加される映像信号は表示画像の内容に応じてそれぞれ異なるが、本技術の入力装置では、検知電極が表示パネルの映像信号線と垂直に交差する構成となっているため、検知電極には、映像信号線の電圧変動の平均値がノイズとして現れる。このため、隣り合う検知電極におけるノイズレベルは同程度であり、隣り合う検知電極からの検出信号の差分を取ることによってこのような同相ノイズを打ち消すことができるのである。なお、このように検知電極から得られる検出信号に加わる映像に起因する同相ノイズを効果的に排除するという観点からは、図20に示したような、各検知電極からの検出信号をそれぞれ増幅してA/D変換する回路構成において、A/D変換の後に、隣り合う検知電極からの検出信号の差分を取る回路構成とすることも有効である。
なお、本実施形態の入力装置では、検知電極で得られた検出信号を、図20、図21に例示したような信号検出回路を経て演算素子(MPU)33で演算した結果を、タッチ位置を示すタッチ信号として外部に出力する。このように、検知電極での検出信号をそのまま外部に出力するのではなく、タッチ位置情報として演算処理した結果を出力する構成とすることにより、駆動電極に駆動信号を印加するタイミングや、検知電極が検出信号を取得するタイミングを任意に変更することができ、所望のタイミングで信号検出回路から外部へタッチ位置を示すタッチ信号を出力することができる。このような構成であるため、図12および図13を用いて説明したように、画像表示のための走査信号が印加されているラインブロックでのタッチ位置が、当該ラインブロックが選択されている期間において検出することができない場合であっても、画像表示の1フレーム期間内におけるタッチ位置情報を合算することによって、画像表示領域の全ての部分におけるタッチ位置情報を得ることができる。
図22,図23は、上記実施形態において、液晶パネル1の共通電極24を、入力装置の検知電極12と兼用する場合の、共通電極24の構成例を説明する図面である。
図22は、共通電極24の構成を拡大して示す平面図であり、図中二点鎖線で示す領域41が、一つの画素電極19に対応する1サブピクセル分の共通電極24である。
図22に示すように、共通電極24には、その上層に配置される画素電極とその下層に配置されるTFTとを接続するための開口42が形成されている。図22に示す第1の共通電極24の構成では、共通電極24を水平方向に切断して複数の検知電極12を構成するための切断部分にのみ、水平方向に隣り合う画素電極19に対応する共通電極24に連続する開口43を設けている。
このようにすることで、いわゆるベタパターンとして形成される共通電極24を、所望の位置で水平方向に延在する複数の電極として分割することができ、共通電極24を検知電極12として兼用することができる。
図23は、共通電極24を検知電極12として兼用する場合の、第2の構成例を示した部分拡大平面図である。
図23に示す構成では、ひとつのサブピクセルに対応する共通電極24の部分41において、画素電極19と対向する、すなわち、液晶パネルの厚さ方向において画素電極19と重なる部分(図23中の領域41における上側部分)を除いて、画素電極19とTFTとを接続するビアが形成される部分を含めた水平方向に連続した開口43が形成されている。このようにすることで、共通電極24を、その機能を損なうことなく水平方向に延在して配置された複数本の短冊状電極とすることができる。そして、適宜接続端子などを設けることによって、この水平方向に配置された短冊状の電極を所定本数まとめて、図6に示した端子引出部17aに接続することで、図6に示すような、水平方向に延在する所定の電極幅を備えた検知電極12を形成することができる。
以上説明したように、本技術による入力装置を備えた液晶表示装置は、検知電極12は液晶パネル1の走査信号線10に平行となるように配置するとともに、駆動電極11は検知電極12に交差するように配置し、タッチ検出期間において、駆動電極11に駆動信号を印加するとともに、検知電極12それぞれから出力される検出信号を検出することによりタッチ位置の検出を行うように構成している。
さらに、タッチ検出期間は、走査信号が印加されている走査信号線10に近接した検知電極12における検知動作は行わず、走査信号が印加されていない走査信号線10に近接した検知電極12において検知動作を行うように構成したものである。
本技術の入力装置においては、走査信号線と平行となるように配置される検知電極を、走査信号線が形成するラインブロックに対応して配置する構成とし、走査信号線に走査信号が印加されていないラインブロックに対応する複数の検知電極を選択して検知動作を行うように構成している。このようにすることにより、タッチセンサの検出動作と液晶の表示更新の動作とを同時に行った場合に、表示パネルの映像信号線に映像信号が印加された際の画素電極の電圧の上昇もしくは下降にともなって、または、映像信号線自体の電位の変化にともなって、画素電極もしくは映像信号線と検知電極間との容量結合によって生じる電荷の移動に起因するノイズを、検知電極が検出することを効果的に回避できる。このため、タッチセンサの誤動作が解消され、タッチセンサの感度が上昇してタッチ位置を精度よく検出することができる。
なお、上記説明したような、走査信号が印加されているラインブロックに対応する検知電極からの検出信号を出力させない検出動作を行った場合には、ラインブロック10−1を走査している期間は検知電極12−1が検知動作を行わないため、検知電極12−1に対応する部分に指がタッチされていても、タッチ位置を検出することができない。しかし、ラインブロック10−2、10−3・・・10−Nを走査している期間は、検知電極12−1が検知動作を行うため、例えば表示パネルの画像表示における1フレーム分のタイミング(一例として60Hz)ごとに1回タッチ位置を通知する動作とした場合には、1フレーム期間に対する一つのラインブロックが走査されている期間の割合を考慮すると、画像表示面の全ての領域でのタッチ位置を実質的に十分認識することができる。
また、本技術の入力装置にかかるタッチ位置情報の通知のタイミングは、1例として60Hzである1フレームあたり1回に限られない。本技術にかかる入力装置における信号出力回路7のタッチ位置情報の出力回路構成として、一例として図20および図21を用いて示した、検知電極での検出信号を演算素子(MPU)33等を用いて演算処理した後にタッチ位置情報として外部へ通知する構成とすることなどによって、表示パネルでの画像表示の1フレーム期間における接触位置を演算して通知するタイミングを適宜設定することができる。この結果、1フレームあたりにおける接触位置の通知タイミングを、任意の所望のものとすることができる。例えば、ラインブロック10−1、10−2・・から全体の半分の領域に相当する、2分のN本の位置に相当するラインブロックまで走査した段階で、タッチ位置情報を演算して外部に通知するように設定することは容易である。この場合には、0.5フレームあたり1回、すなわち、表示パネルにおける画像表示の1フレームあたり2回、例えば、フレーム周波数が60Hzの場合には120Hzで、タッチ位置情報を外部へ通知することができる。
なお本技術の入力装置において、走査信号が印加されている期間において、当該走査信号が印加されているラインブロックに対応して配置されている検知電極でのタッチ位置検出信号を出力させない検知動作は必須のものではない。
例えば、図21を用いて説明した、隣り合う検知電極からの検知信号の差分を取った後に増幅する構成を採用するなど、検知信号に付加されているノイズを排除するタッチ位置検出動作を行う場合、または、それぞれの検知電極で得られたタッチ位置検出信号を適切な演算処理を行うことでノイズの影響を排除できる場合、さらに、表示パネル内の入力装置の電極配置構成などによって、走査信号が印加されることのノイズの影響を十分小さくできる場合などには、走査信号が印加されている期間において、当該走査信号が印加されているラインブロックに対応して配置されている検知電極からの検知信号を出力させることでも、実用上問題のない精度でのタッチ位置の検出を行うことができる。
さらに、上記実施形態で説明したように、駆動電極11を液晶パネルの外側に配置する構成とした場合には、駆動電極11と液晶パネル内に配置された、検知電極以外の画像表示のための各電極との間に形成される寄生容量を抑制することができる。このため、駆動電極に印加するパルス電圧による消費電力を減らすことができる。また、消費電力を同じにしたまま、パルス電圧の印加回数を増やすことや、パルス電圧の電位差を高く設定することなどが可能となり、これらの対応を行うことで、タッチセンサのタッチ位置検出感度を高めることが可能である。
なお、検知電極12において、選択的に検知動作を行わないように構成する方法としては、例えば、スイッチを用いて、検知動作をさせない検知電極12を信号検出回路から切り離し、その検知電極12を所定の電位に接続することが考えられる。また、他の方法として、アナログデータをデジタルデータに変換した後に、演算処理を行うMPU等において、検知動作を行わせない期間に蓄積されたデジタルデータを使用せずに演算処理を行うなどの方法を用いることができる。
なお、上記実施形態の説明において、液晶表示装置に用いられる液晶パネルをIPS方式のパネル構成のものを例示して説明したが、液晶表示装置において表示パネルとして用いられる液晶パネルは、IPS方式のものに限られず、いわゆる垂直配向方式など、周知の駆動方式の液晶パネルを用いることができる。この場合、特に、共通電極がTFT基板上に形成されずに対向基板に形成される場合もあるが、上記実施形態で説明したように画像表示に寄与しない有効領域の周囲の周辺領域部分に適宜電極を配置して、これを入力装置の駆動電極または検知電極として用いるなど、さまざま対応が考えられる。
以上のように本技術は、静電容量結合方式の入力装置、および、この入力装置を用いた液晶表示装置において有用な発明である。