JPWO2014054258A1 - 信号品質情報補正装置、信号品質情報補正方法及び情報再生システム - Google Patents

信号品質情報補正装置、信号品質情報補正方法及び情報再生システム Download PDF

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Abstract

情報再生装置が情報記録媒体から情報を再生したときの信号品質を表す信号品質情報を計測することによって得られた計測信号品質情報は、情報再生装置が要因で悪化した信号品質情報の変化量である装置要因変化量と、情報記録媒体が要因で悪化した信号品質情報の変化量である媒体要因変化量とを含み、信号品質情報補正装置は、計測信号品質情報に含まれる装置要因変化量を検出する装置要因変化量検出部と、計測信号品質情報から装置要因変化量検出部によって検出された装置要因変化量を除いた信号品質情報に、計測信号品質情報を補正する信号品質情報補正部とを備える。

Description

本発明は、情報再生装置が情報記録媒体から情報を再生したときの信号品質を表す信号品質情報を補正する信号品質情報補正装置、信号品質情報補正方法及び情報再生システムに関するものであり、特に、情報記録媒体の劣化の検出に関するものである。
近年、製造物責任法(PL法)や金融商品取引法(J−SOX法)などの施行により、企業の保有する電子データを長期間保存する義務が、企業に課せられるようになった。これにより、データ(情報)を長期間保存できるアーカイブ装置が必要になってきている。このようなアーカイブ装置として、DVD(Digital Versatile Disc)やBD(Blu−ray(登録商標) Disc)に代表される光ディスクを用いたアーカイブ装置が注目されている。
上記の光ディスクは、ディスク自体の寿命が長く、ハードディスクや磁気テープに比べ、情報の長期保存性に優れている。また、光ディスクは可搬媒体であり、光ディスクに記録再生を行うドライブ装置に着脱可能であるため、光ディスクが劣化した場合は、光ディスクに記録された情報を、他の光ディスクに書き換え、光ディスクを交換することにより、アーカイブ装置を継続して長期間使用することができる。同様に、アーカイブ装置内のドライブ装置が劣化した場合は、ドライブ装置を交換することにより、アーカイブ装置を継続して長期間使用することができる。
上述のように、光ディスクを用いたアーカイバ装置は、情報を長期間保存するのに優れているが、使用環境や使用頻度などにより、光ディスクやドライブ装置が劣化し、最悪の場合、光ディスクに記録した情報が読み出せなくなってしまうという課題がある。すなわち、光ディスクは、保存環境、使用環境、使用頻度などにより、光ディスク上に形成されている記録マークが劣化してしまうので、ドライブ装置によって再生した信号の品質(信号品質)が劣化してしまい、最悪の場合、光ディスクに記録した情報が読み出せなくなってしまう。
また、ドライブ装置は、使用環境や使用状況などによって、レーザの特性劣化、埃の付着、再生した信号を伝送する伝送路の劣化、光ディスクを回転させるスピンドルモータの劣化などが発生する。このため、劣化していないドライブ装置であれば、問題なく再生できるレベルの記録マークが光ディスクに形成されているにも関わらず、再生した信号の品質が劣化してしまい、最悪の場合、光ディスクに記録した情報が読み出せなくなってしまう。
ここで、光ディスクが劣化した場合は、劣化した光ディスクに記録された情報を、劣化していない別の光ディスクに書き換え、光ディスクを交換することで、光ディスクに記録した情報を読み出せるようにすることができる。同様に、ドライブ装置が劣化した場合は、劣化していない別のドライブ装置に交換することにより、光ディスクに記録した情報を読み出せるようにすることができる。
上述のように、光ディスクに記録した情報が読み出せない原因は、光ディスクの劣化によるものと、ドライブ装置の劣化によるものとがあり、どちらの劣化が原因かによって、対策が変わってくる。したがって、再生した信号の品質の劣化が、光ディスクとドライブ装置とのどちらの劣化によるものかを特定できることが望まれる。
また、企業などでアーカイブ装置を用いる場合、光ディスクから情報が読み出せなくなって、情報を失ってしまってからでは遅いため、情報の消失を防止するために、光ディスクの劣化度合いを特定できることが望まれる。
そこで、劣化の原因が光ディスクと光ディスクドライブ装置とのどちらであるかを判断する方法として、例えば、特許文献1には、基準ディスクの反射光量と使用ディスクの反射光量とを比較し、使用ディスクが汚染されているか、又は光ビームの光量が低下しているかを判断する方法が開示されている。
また、特許文献2には、光ディスクの劣化度合いを特定する方法として、誤って読みだされた量を示す指標を用いて光ディスクの寿命に関する予測情報を求め、光ディスクの寿命を予測する方法が開示されている。
しかしながら、特許文献1は、光ディスクの反射光量の低下原因が、光学ビームか又は光ディスクかを特定しているだけであって、光ディスクの劣化度合いを特定しているわけではない。
また、光ディスクは可搬媒体であるため、他のドライブ装置に装着されることがある。例えば、ドライブ装置が故障や性能劣化などにより交換された場合など、異なるドライブ装置に装着されることがある。
特許文献2では、このような異なるドライブ装置に装着された光ディスクの寿命予測情報を、測定値と近似式から求まる推定値との差に基づいて補正しているが、測定値は、光ディスクの劣化とドライブ装置の劣化との両方の影響を含んだ値になっている。したがって、ドライブ交換した場合などドライブ装置の性能が良くなった場合には、測定値が良くなる。
このとき、良い測定値に合わせて寿命予測情報を補正してしまうと、光ディスクが劣化しているにもかかわらず、光ディスクの寿命は長く予測されてしまう。これにより、ユーザは、まだ寿命があると思っていても、実際は、情報が読み出せなくなってしまうことがあり、大事な情報を失ってしまうことになる。
また、悪い測定値に合わせて寿命予測情報を補正してしまうと、光ディスクが劣化していないにも関わらず、光ディスクの寿命が短く予測されてしまう。これにより、本来なら劣化していないため、別の光ディスクに記録しなおす必要がないにもかかわらず、ユーザは、情報の消失を防ぐため別の光ディスクに記録しなおし、光ディスクを無駄に消費してしまうことになる。なお、性能の悪いドライブ装置に装着された場合も同様のことが起きる。
特開2005−78701号公報 特開2007−80363号公報
本発明は、上記の課題を解決するもので、情報記録媒体の劣化をより正確に検出することが可能な信号品質情報補正装置、信号品質情報補正方法及び情報再生システムを提供することを目的とする。
本発明の一局面に従う信号品質情報補正装置は、情報再生装置が情報記録媒体から情報を再生したときの信号品質を表す信号品質情報を補正する信号品質情報補正装置であって、前記信号品質情報を計測することによって得られた計測信号品質情報は、前記情報再生装置が要因で悪化した信号品質情報の変化量である装置要因変化量と、前記情報記録媒体が要因で悪化した信号品質情報の変化量である媒体要因変化量とを含み、前記計測信号品質情報に含まれる前記装置要因変化量を検出する装置要因変化量検出部と、前記計測信号品質情報から前記装置要因変化量検出部によって検出された前記装置要因変化量を除いた信号品質情報に、前記計測信号品質情報を補正する信号品質情報補正部とを備える。
本発明の他の局面に従う信号品質情報補正方法は、情報再生装置が情報記録媒体から情報を再生したときの信号品質を表す信号品質情報を補正する信号品質情報補正方法であって、前記信号品質情報を計測することによって得られた計測信号品質情報は、前記情報再生装置が要因で悪化した信号品質情報の変化量である装置要因変化量と、前記情報記録媒体が要因で悪化した信号品質情報の変化量である媒体要因変化量とを含み、前記計測信号品質情報に含まれる前記装置要因変化量を検出する検出ステップと、前記計測信号品質情報から前記検出ステップにおいて検出された前記装置要因変化量を除いた信号品質情報に、前記計測信号品質情報を補正する補正ステップとを含む。
本発明の他の局面に従う情報再生システムは、情報再生ユニットと、監視サーバとを備え、前記情報再生ユニットは、前記情報記録媒体と、前記情報記録媒体から情報を再生する情報再生装置とを備え、前記情報再生装置は、前記情報記録媒体から情報を再生する再生部と、前記再生部が前記情報記録媒体から情報を再生したときの信号品質を表す信号品質情報を計測する信号品質情報計測部と、前記信号品質情報計測部で計測された信号品質情報を含む計測結果を前記監視サーバに送信する計測結果送信部とを備え、前記信号品質情報計測部で計測した信号品質情報である計測信号品質情報は、前記情報再生装置が要因で悪化した信号品質情報の変化量である装置要因変化量と、前記情報記録媒体が要因で悪化した信号品質情報の変化量である媒体要因変化量とを含み、前記監視サーバは、前記計測結果送信部から送信された前記計測信号品質情報を含む計測結果を受信する計測結果受信部と、前記計測結果受信部によって受信された前記計測信号品質情報に含まれる前記装置要因変化量を検出する装置要因変化量検出部と、前記計測信号品質情報から前記装置要因変化量検出部によって検出された前記装置要因変化量を除いた信号品質情報に、前記計測信号品質情報を補正する信号品質情報補正部とを備える。
上記の構成により、計測信号品質情報から装置要因変化量を除いた信号品質情報に、計測信号品質情報を補正することができるので、情報記録媒体の劣化をより正確に検出することができる。
本発明の実施の形態1における情報再生ユニットの構成を示す概略図 PRML信号処理方式を用いた場合のPR等化の説明図 PRML信号処理方式を用いた場合の最尤復号の説明図 PRML信号処理方式を用いた場合の信号品質を検出するための第1の説明図 PRML信号処理方式を用いた場合の信号品質を検出するための第2の説明図 本発明の実施の形態1の情報再生ユニットにおける信号品質情報の補正方法の一例を示すフローチャート 基準信号品質情報と、基準ディスク計測信号品質情報と、劣化検出ディスク計測信号品質情報と、補正後の信号品質情報とに対するディスク要因変化量及び装置要因変化量の関係を示す図 MLSEと分散との関係を示す図 MLSEの2乗と分散との関係を示す図 同じ劣化検出ディスクを2台のドライブ装置で劣化検出した場合の各種測定値と補正後のMLSEとを示す図 本発明の実施の形態2における情報再生ユニットの構成を示す概略図 本発明の実施の形態2の情報再生ユニットにおける信号品質情報の補正方法の一例を示すフローチャート 本発明の実施の形態2の情報再生ユニットにおける推定基準ディスク信号品質情報の変化を示す第1の図 本発明の実施の形態2の情報再生ユニットにおける推定基準ディスク信号品質情報の変化を示す第2の図 本発明の実施の形態2の情報再生ユニットにおける近似式と補間式との第1の関係を示す図 本発明の実施の形態2の情報再生ユニットにおける近似式と補間式との第2の関係を示す図 本発明の実施の形態2の情報再生ユニットにおける信号品質情報の補正方法の他の一例を示すフローチャート 本発明の実施の形態3の情報再生ユニットにおける信号品質情報の補正方法の一例を示すフローチャート 本発明の実施の形態4における情報再生システムの構成を示す概略図 本発明の実施の形態4の情報再生ユニットにおける信号品質情報の計測方法の一例を示すフローチャート 本発明の実施の形態4の監視サーバにおける信号品質情報の補正方法の一例を示すフローチャート
以下、本発明の各実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1の情報再生ユニットの構成を示す図である。情報再生ユニット100は、情報記録媒体から情報を再生する情報再生装置の一例であるドライブ装置101と、情報記録媒体の一例である光ディスク114とを備える。ドライブ装置101は、I/Oバス(入出力バス)108を介して上位制御装置(図示せず)に接続される。上位制御装置は、例えば、ホストコンピュータ(ホストPC)である。
ドライブ装置101は、上位制御装置からの命令を処理する命令処理部102と、情報(データ)を再生するために光ディスク114に対してレーザ光を照射する光ピックアップ103と、光ピックアップ103から出力されるレーザパワー等の制御を行うレーザ制御部104と、光ディスク114から再生したデータなどをバッファとして一時的に格納するメモリ105と、光ピックアップ103を目的位置へ移動したりするサーボ制御を行うためのメカ制御部106と、光ディスク114からの再生処理などのドライブ処理全般の統括制御を行うドライブ制御部107とを備える。なお、光ディスク114は、ドライブ装置101に着脱可能であり、ドライブ装置101は、別の光ディスクを装着することができる。
ドライブ制御部107は、光ディスク114からデータを再生する再生部108と、光ディスク114から情報を再生したときの信号品質を表す信号品質情報を計測する信号品質情報計測部109と、信号品質情報計測部109で計測した信号品質情報である計測信号品質情報に含まれる装置要因変化量を検出する装置要因変化量検出部110と、信号品質情報計測部109で計測した計測信号品質情報を、装置要因変化量検出部110の出力である装置要因変化量を除いた信号品質情報に補正する信号品質情報補正部111とを備える。装置要因変化量検出部110は、信号品質情報を記憶する信号品質情報記憶部112と、装置要因変化量を算出する装置要因変化量算出部113とを備える。
装置要因変化量検出部110及び信号品質情報補正部111は、情報再生装置が情報記録媒体から情報を再生したときの信号品質を表す信号品質情報を補正する信号品質情報補正装置の一例に該当する。したがって、装置要因変化量検出部110及び信号品質情報補正部111の構成は、本実施の形態の構成に特に限定されず、装置要因変化量検出部110及び信号品質情報補正部111をドライブ装置101と別体の装置として構成してもよく、また、後述する監視サーバ等に内蔵してもよい。この点について、後述する他の実施の形態も同様である。
ここで、図1に示す情報記録再生ユニットの構成は一例であって、これに限るものでなく、同様の効果が得られるものであればよい。例えば、複数の光ディスクを備える構成であってもよい。これにより、大容量のデータを記録再生できるようになる。また、複数のドライブ装置を備えていてもよい。これにより、高速に記録再生できるようになる。また、光ディスクをドライブ装置に自動で着脱するチェンジャを備えていてもよい。これにより、人の手を介さずディスク交換ができ、人の負担を軽減できる。また、ディスク交換にかかる時間も短縮できる。
また、信号品質情報計測部109は、再生部108と独立して機能する構成としているが、信号品質情報計測部109を省略し、再生部108の機能を用いて信号品質情報を計測してもよいし、再生部108の内部に信号品質情報計測部109を備えておき、必要な信号を再生部108から取得して処理する構成としてもよい。また、信号品質情報記憶部112は、装置要因変化量検出部110の内部に備えられているが、装置要因変化量検出部110と独立した構成としてもよいし、ドライブ制御部107と独立した構成としてもよい。
次に、信号品質情報計測部109により計測される信号品質情報について説明する。信号品質情報とは、光ディスクの性能を評価する指標であり、例えば、変調度、ベータ、ジッタ、C/N、S/N、ビットエラーレート、シンボルエラーレート、MLSE(Maximum Likelihood Sequence Error)、i−MLSE(integrated−Maximum Likelihood Sequence error Estimation)などの光ディスクを再生したときの信号品質を表す情報(信号品質の計測値)を用いることができる。本実施の形態では、例えば、劣化を検出する光ディスク114として、BD−R(Recordable)を用い、信号品質情報として、MLSEを用いることとする。
まず、図2〜図5を用いて、信号品質情報であるMLSEについて説明する。MLSEは、PRML(Partial Response Maximum likelihood)信号処理方式を用いた場合の信号品質を示す指標であり、光ディスクの性能を評価する指標の一つである。
図2及び図3は、PRML信号処理方式を用いた場合のPR(Partial Response)等化及び最尤復号についての説明図である。ここでは、BDで用いられる、符号化方式が(1,7)RLL、PR方式がPR(1,2,2,1)方式の場合について説明する。
符号化方式が(1,7)RLLで、PR方式が(1,2,2,1)方式の場合は、理想等化信号は(0,1,2,3,4,5,6)の7値となり、入力符号と理想等化との関係は図2のようになる。パスAは入力符号(1,1,1,1,0,0,0)の場合であり、パスBは入力符号が(1,1,1,0,0,0,0)の場合である。それぞれをPR(1,2,2,1)方式で等化した場合、パスAの理想等化結果は(×,×,×,6,5,3,1)となり、パスBの理想等化結果は(×,×,×,5,3,1,0)となる。
次に、図3に最尤復号の様子を示す。パスA及びパスBは図2で示した理想等化された場合の信号系列である。また、ここでは、理想信号にノイズが加えられたものを実信号としており、実信号がパスAとパスBとのどちらかに近いものを求める。ここでは、実信号は(×,×,×,5.8,4.7,2.7,1.2)が得られたものとしている。そして、それに対応する符号を逆算するのが最尤復号である。
図3の場合、実信号とパスAとのユークリッド距離Pと、実信号とパスBとのユークリッド距離Pとを算出すると、Pは、0.26、Pは、7.83となる。この場合、PとPとを比較するとPのユークリッド距離の方が小さいため、パスAが尤もらしいパスと判断できる。よって、パスAに対応する符号から(1,1,1,1,0,0,0)が最尤復号される。
今回は、ユークリッド距離の計算結果から、実信号をパスAとみなして最尤復号を行った。ここで、PRML信号処理を用いた場合に得られる信号品質の基本的な考え方は、どれだけの確実性を持ってパスA(あるいはパスB)とみなしたかを求めることである。例えば、P<Pであれば、自信を持ってパスAを選択し、P>Pであれば、自信を持ってパスBを選択可能である。このパス選択の確実性を示す指標として、P−Pを用いる。つまり、P−Pが0であれば、どちらのパスを選択するかは五分五分であり、ある値より大きい値か又は小さい値をとれば、パス選択が確実だと言える。
ここで、実信号に白色ノイズが加えられたとすると、P−Pのとるヒストグラムは、図4に示すように、パスAとパスBとのユークリッド距離であるdmin(最小ユークリッド距離)のプラス側とマイナス側とを中心にした2つの正規分布の和となる(P−Pの頻度)。しかし、このままでは信号品質を求める際に扱いにくいので、図5のように、P−Pの絶対値を求めてから、dmin分のピークシフトさせた分布Dを求め(|P−P|−dminの頻度)、分布Dは式(1)で表される。そして得られた分布Dから、標準偏差σを求めて正規化したものを、MLSEとする。したがって、平均値からのばらつきを表す分散σが式(2)で表され、MLSEが式(3)で表される。すなわち、MLSEは、標準偏差で表される信号品質情報である。
Figure 2014054258
Figure 2014054258
Figure 2014054258
次に、信号品質情報が悪化する要因について説明する。BDなどの光ディスク114は、例えば、高温の環境下で使用又は保存したり、繰り返し記録再生したりすることなどの保存環境、使用環境、使用状況などの影響により、光ディスク114に記録していた記録マークや記録膜が劣化してしまう。このような光ディスク114の劣化により、ドライブ装置101によって再生した信号の品質が劣化し、計測した信号品質情報が悪化することになる。
ドライブ装置101では、光ディスク114と同様に、使用環境や使用状況などの影響によって、レーザの特性劣化、埃の影響、再生した信号を伝送する伝送路の劣化、光ディスク114を回転させるスピンドルモータの劣化などが発生する。このようなドライブ装置101の劣化により、再生した信号の品質が劣化し、計測した信号品質情報が悪化することになる。
このように、信号品質情報が悪化する要因には、光ディスク114が要因のものと、ドライブ装置101が要因のものとがあり、計測した信号品質情報(計測信号品質情報)には、光ディスク114が要因で悪化した信号品質情報の変化量であるディスク要因変化量(媒体要因変化量)と、ドライブ装置101が要因で悪化した信号品質情報の変化量である装置要因変化量とが含まれる。
したがって、光ディスク114の劣化を正確に検出するには、計測した信号品質情報からドライブ装置101が要因で悪化した信号品質情報の変化量である装置要因変化量を除いて、光ディスク114が要因で悪化した信号品質情報の変化量であるディスク要因変化量(媒体要因変化量)のみを含む信号品質情報に補正する必要がある。
そこで、図6〜図10を用いて、本発明の実施の形態1における信号品質情報の補正方法について説明する。
本実施の形態における信号品質情報の補正方法では、ドライブ装置101が要因で悪化した信号品質情報の変化量である装置要因変化量を検出するために、基準情報記録媒体の一例である基準ディスクを用いる。この基準ディスクは、基準信号品質情報が既知の光ディスクである。ここで、基準信号品質情報とは、ドライブ装置101が要因で悪化した信号品質情報の変化量である装置要因変化量が0であり、基準ディスクが要因で悪化した信号品質情報の変化量であるディスク要因変化量が既知である信号品質情報のことである。
なお、本実施の形態では、基準ディスクとして、例えば、BDドライブの検査・測定・調整用に製造されたテストディスクを用いるものとする。これは、テストディスクがBD規格に準拠した記録が行われていることが保証されているので、より正確に装置要因変化量を求めることができるためである。また、本実施の形態に用いる基準ディスクは、適切な環境で保存され、劣化していない、もしくは劣化による影響が無視できるものとする。すなわち、基準ディスクの信号品質情報には、常にディスク要因変化量が含まれず、ディスク要因変化量が0であるものとする。
次に、基準ディスクの基準信号品質情報を求める方法を説明する。基準ディスクの基準信号品質情報は、装置要因変化量が0である必要があるため、例えば、パルステック工業株式会社製ODU−1000のような標準評価機を用いて、基準ディスクの信号品質情報を計測し、計測した基準ディスクの信号品質情報が基準信号品質情報となる。これは、標準評価機は最適な状態で信号品質情報を計測できるので、標準評価機が要因で信号品質情報が悪化することはないためである。したがって、計測した信号品質情報に含まれる装置要因変化量が0となるため、標準評価機で計測した基準ディスクの信号品質情報が基準信号品質情報となる。
また、標準評価機で計測した信号品質情報には、ドライブ装置101の製造時のばらつきによる個体差が要因で悪化する信号品質情報が含まれない。そのため、標準評価機で計測した信号品質情報を基準信号品質情報とすることにより、ドライブ装置101の製造時のばらつきによる個体差も含んだ装置要因変化量が検出できるため、より正確な装置要因変化量を検出することができる。
また、標準評価機で計測した信号品質情報の装置要因変化量が0であるため、例えば、ドライブ装置101を新品でない別のドライブ装置に交換した場合など、基準ディスクの計測開始時にすでにドライブ装置が劣化している場合であっても、すでにドライブ装置が劣化していたことが要因の変化量を含む装置要因変化量が検出できるため、より正確な装置要因変化量を検出することができる。
なお、基準信号品質情報は、基準ディスクと1対1の関係にあるため、ドライブ装置101を別のドライブ装置に交換した場合であっても、同じ基準ディスクを使用している間は、同じ基準信号品質情報を用いる。基準信号品質情報は、装置要因変化量検出部110が、装置要因変化量を検出する前に、信号品質情報記憶部112に予め記憶しておく。例えば、ドライブ装置101の工場出荷時や、ドライブ装置101を初めて使用する時などに、信号品質情報記憶部112に記憶しておく。これにより、装置要因変化量を検出する際に用いる基準信号品質情報が簡単に取得できる。
図6は、本発明の実施の形態1における信号品質情報の補正方法を示すフローチャートである。以下、ユーザがデータを記録又は再生する光ディスク、すなわち劣化を検出する光ディスクを劣化検出ディスクとし、図6を用いて信号品質情報の補正方法を説明する。
まず、ステップS201において、装置要因変化量検出部110は、信号品質情報計測部109を用いて、基準ディスクの信号品質情報を計測する。具体的には、基準ディスクがドライブ装置101に装着されると、装置要因変化量検出部110は、信号品質情報計測部109を用いて基準ディスクの信号品質情報を計測する。信号品質情報計測部109は、光ピックアップ103とレーザ制御部104とメカ制御部106とを制御し、基準ディスクにレーザ光を照射し、再生信号を得る。装置要因変化量検出部110は、得られた再生信号から信号品質情報を計測する。ここで、基準ディスクを計測して得られた信号品質情報を基準ディスク計測信号品質情報Msとする。
次に、ステップS202において、装置要因変化量算出部113は、基準ディスクの基準信号品質情報を取得する。具体的には、装置要因変化量算出部113は、信号品質情報記憶部112から基準ディスクの基準信号品質情報Miを取得する。
次に、ステップS203において、装置要因変化量算出部113は、装置要因変化量を算出する。具体的には、装置要因変化量算出部113は、ステップS201で得られた基準ディスク計測信号品質情報Msと、ステップS202で取得した基準ディスクの基準信号品質情報Miとから装置要因変化量Vcを算出する。なお、具体的な算出方法については、後述する。
次に、ステップS204において、信号品質情報補正部111は、信号品質情報計測部109を用いて、劣化検出ディスクの信号品質情報を計測する。具体的には、ドライブ装置101に劣化検出ディスクを装着する。劣化検出ディスクが装着されると、信号品質情報補正部111は、信号品質情報計測部109を用いて劣化検出ディスクの信号品質情報を計測する。信号品質情報計測部109の動作については、ステップS201と同様であるため、説明は省略する。ここで、劣化検出ディスクを計測して得られた信号品質情報を劣化検出ディスク計測信号品質情報Mmとする。
次に、ステップS205において、信号品質情報補正部111は、劣化検出ディスクの信号品質情報を補正する。具体的には、信号品質情報補正部111は、ステップS204で得られた劣化検出ディスク計測信号品質情報MmからステップS203で得られた装置要因変化量Vcを除き、劣化検出ディスク計測信号品質情報Mmを補正する。ここで、補正した劣化検出ディスク計測信号品質情報を劣化検出ディスク補正信号品質情報Mとする。なお、具体的な補正方法については、後述する。
ここで、図6では、装置要因変化量を算出してから、劣化検出ディスクの信号品質情報を計測しているが、この例に特に限定されず、ステップS205で補正するまでに、劣化検出ディスクの信号品質情報を計測できればよく、劣化検出ディスクの信号品質情報の計測処理は、基準ディスクの信号品質情報を計測する前であってもよい。また、劣化検出ディスクの信号品質情報の計測処理は、基準ディスクの基準信号品質情報の取得や装置要因変化量の算出と並行して行ってもよい。これにより、処理にかかる時間が短縮できる。
次に、ステップS203における装置要因変化量Vcの算出方法について具体的に説明する。図7は、基準信号品質情報と、基準ディスク計測信号品質情報と、劣化検出ディスク計測信号品質情報と、劣化検出ディスク補正信号品質情報とに対するディスク要因変化量及び装置要因変化量の関係を示す図である。ここで、ディスク要因変化量とは、光ディスクの劣化が要因で悪化する信号品質情報の変化量のことであり、装置要因変化量とは、ドライブ装置の劣化が要因で悪化する信号品質情報の変化量のことである。
図7(a)に示す信号品質情報は、基準信号品質情報301であり、ディスク要因変化量も装置要因変化量も含まれない。図7(b)に示す信号品質情報は、基準ディスク計測信号品質情報であり、基準信号品質情報301と、ドライブ装置101が要因の装置要因変化量303とが含まれる。なお、基準ディスクは劣化していないため、ディスク要因変化量は含まれない。したがって、装置要因変化量303は、基準ディスク計測信号品質情報と基準信号品質情報との差により求めることができる。
しかしながら、MLSEは式(3)のように、分散の平方根である標準偏差σで表されるため、単純にMLSEの差分を求めても、装置要因変化量は正しく求めることができない。その理由について、図8及び図9を用いて説明する。
図8は、MLSEと分散との関係を示す図である。図8のA−B間のMLSEの変化量と、B−C間のMLSEの変化量とは同じであるが、a−b間の分散の変化量と、b−c間の分散の変化量とは異なる。したがって、装置要因変化量を正しく検出するには、平均値からのばらつきを表す分散の変化量を正しく検出する必要がある。そのため、図9に示すように、MLSEを2乗すると、MLSEの2乗と分散との関係が線形になり、a−b間の分散の変化量と、b−c間の分散の変化量とが等しくなり、分散の変化量を正しく検出することができる。
したがって、ステップS203における装置要因変化量Vcは、式(4)で表されるように、基準ディスク計測信号品質情報Msを2乗した値から基準信号品質情報Miを2乗した値を引いた値の平方根をとることで算出できる。
Figure 2014054258
次に、ステップS205の劣化検出ディスクの信号品質情報の補正方法について詳細に説明する。図7(c)に示す信号品質情報は、劣化検出ディスク計測信号品質情報であり、劣化検出ディスクの信号品質情報の初期値302と、ドライブ装置101が要因の装置要因変化量303と、劣化検出ディスクが要因のディスク要因変化量304とが含まれる。図7(d)に示す信号品質情報は、補正後の信号品質情報すなわち劣化検出ディスク補正信号品質情報であり、劣化検出ディスク計測信号品質情報から装置要因変化量303を除いた信号品質情報、すなわち、劣化検出ディスクの信号品質情報の初期値302と、劣化検出ディスクが要因のディスク要因変化量304とが含まれる。
このように、信号品質情報が悪化する要因には、光ディスク114が要因のものとドライブ装置101が要因のものとがあり、図7(c)に示すように、計測した信号品質情報(劣化検出ディスク計測信号品質情報)には、光ディスク114が要因のディスク要因変化量304と、ドライブ装置101が要因の装置要因変化量303とが含まれる。したがって、光ディスク114の劣化を正確に検出するには、図7(d)に示すように、計測した信号品質情報からドライブ装置101が要因で悪化した信号品質情報である装置要因変化量303を除いて、光ディスク114が要因で悪化した信号品質情報であるディスク要因変化量304のみを含む信号品質情報に補正する必要がある。
したがって、ステップS205で算出される劣化検出ディスク補正信号品質情報Mは、劣化検出ディスク計測信号品質情報Mmから、ステップS203で算出した装置要因変化量Vcを除いた信号品質情報となる。
ここで、正確な補正を行うため、劣化検出ディスク補正信号品質情報Mを求める場合も、式(5)で示されるように、劣化検出ディスク計測信号品質情報Mmを2乗した値から装置要因変化量Vcを2乗した値を引き、平方根をとる。これにより、劣化検出ディスク計測信号品質情報から装置要因変化量を除いた劣化検出ディスク補正信号品質情報Mが求まる。
Figure 2014054258
以上説明したように、基準ディスクの基準信号品質情報及び計測信号品質情報とを用いて装置要因変化量を算出し、劣化検出ディスクの計測信号品質情報から装置要因変化量を除くことにより、装置要因変化量とディスク要因変化量とを含む劣化検出ディスク計測信号品質情報から装置要因変化量を除いた信号品質情報に補正し、劣化検出ディスク補正信号品質情報を求めることができる。すなわち、信号品質情報の悪化の原因として、光ディスクだけが悪化の原因となる信号品質情報を求めることができる。
したがって、補正した信号品質情報(劣化検出ディスク補正信号品質情報)を光ディスクの劣化検出や寿命予測に用いることにより、より正確な光ディスクの劣化検出や寿命予測が可能となる。そのため、実際は劣化しているのに劣化していないと判断して大事なデータを失ったり、実際は劣化していないのに劣化していると判断して、本来なら必要がないにもかかわらず、他の光ディスクへ記録しなおして、光ディスクを無駄に消費してしまったりすることを防止できる。
なお、ステップS203で、装置要因変化量Vcは、基準ディスク計測信号品質情報を2乗した値から基準信号品質情報を2乗した値を引いた値の平方根をとるとしたが、ステップS205で、再度2乗するため、平方根をとらず、2乗の値のまま保持しておいてもよい。これにより、計算処理を削減できる。また、計算誤差を抑えることができる。また、変化量が線形であるため、比較が容易にできる。
次に、図10を用いて、具体的な数値を例に、本実施の形態における補正方法について説明する。図10は、同じ劣化検出ディスクを2台のドライブ装置で劣化検出した場合の各種測定値と補正後のMLSEとを示す図である。図10では、ドライブAで3回測定した後、ドライブAが故障し、ドライブBに交換した場合を想定している。
まず、基準信号品質情報は、10.0%であるとする。なお、同じ基準ディスクを使用するため、基準信号品質情報は、ドライブ装置が交換されても変更されない。そのため、測定4回目以降も基準信号品質情報として10.0%を用いる。この基準信号品質情報Mi、基準ディスクの測定値(基準ディスク計測信号品質情報Ms)及び劣化検出ディスクの測定値(劣化検出ディスク計測信号品質情報Mm)を用いて、式(5)に基づき補正後のMLSE(劣化検出ディスク補正信号品質情報M)を求めると、図10のようになる。
ここで、測定3回目と測定4回目のドライブ交換前と交換後に着目すると、基準ディスクの測定値が12.0%から9.5%になっているため、ドライブ装置を交換したことにより、ドライブ性能が上がっていることが分かる。ドライブ装置の性能が良くなったため、測定4回目の劣化検出ディスクの測定値は、測定3回目の劣化検出ディスクの測定値より良くなっている。
したがって、劣化検出ディスクの測定値だけで見ると、劣化検出ディスクは劣化していないと判断されてしまう。また、良くなった測定値を用いて、寿命予測を行うと、光ディスクが劣化しているにもかかわらず、寿命が実際より長く予測されてしまい、ユーザはまだ寿命があると思っていても、実際は情報が読み出せなくなってしまうことがあり、大事なデータを失ってしまうことになる。
しかしながら、式(5)に基づき、計測したMLSEを補正すると、測定3回目は11.18%となり、測定4回目は11.43%となるので、劣化検出ディスクが劣化していることが分かる。したがって、本実施の形態では、ドライブ交換した場合などでドライブ装置の性能が変わった場合でも、光ディスクの劣化を正しく検出することができる。
また、本実施の形態では、補正したMLSEを用いて劣化検出や寿命予測を行うことにより、正しい劣化検出や寿命予測を行うことができる。これにより、実際は劣化しているのに劣化していないと判断して大事なデータを失ったり、実際は劣化していないのに劣化していると判断して、本来なら必要がないにもかかわらず、他の光ディスクへ記録しなおし、光ディスクを無駄に消費してしまったりすることを防止できる。
また、MLSEの差(基準ディスクの測定値と劣化検出ディスクの測定値との差)を見ると、測定3回目が1.0であり、測定4回目が1.5であり、ドライブ交換してドライブ装置の性能が良くなっても、光ディスクが劣化していることは判断できるが、測定4回目と測定5回目とに着目すると、MLSEの差が同じであり、どの程度劣化しているのかは正確に検出することができない。
しかしながら、本実施の形態では、式(5)に基づき、計測したMLSEを補正しているので、測定4回目は11.43%となり、測定5回目は11.57%となり、劣化検出ディスクの劣化度合いを正確に検出することができる。したがって、標準偏差で表されるMLSEのような信号品質情報の場合、測定値の差ではなく、変化量の線形化のため、測定値を2乗した値を用いて装置要因変化量を求め、信号品質情報の補正を行うことにより、より正確に光ディスクの劣化を検出することができる。
したがって、本実施の形態では、ドライブ交換しても正しく光ディスクの劣化が検出できるため、ドライブ交換しながら、同じ光ディスクを長期間使用し続けるアーカイブ装置に搭載するドライブ装置に有用である。
なお、本実施の形態では、標準評価機で計測した信号品質情報を基準信号品質情報としたが、情報再生ユニット100のドライブ装置101が初めて使用される時に計測した信号品質情報を基準信号品質情報としてもよい。なぜなら、初めて使用される時はドライブ装置101が劣化していないので、装置要因変化量が0となり、基準ディスクも劣化していないので、ディスク要因変化量も0となるためである。
この場合、情報再生ユニット100のドライブ装置101が別のドライブ装置に交換された場合は、交換されたドライブ装置を初めて使用する時に計測した基準ディスクの信号品質情報と、交換前の基準信号品質情報とを比較し、交換されたドライブ装置で計測した信号品質情報の方が交換前の基準信号品質情報より小さい場合、交換されたドライブ装置で計測した信号品質情報を基準信号品質情報とする。一方、交換されたドライブ装置で計測した信号品質情報の方が交換前の基準信号品質情報以上の場合、交換前の基準信号品質情報を基準信号品質情報とする。すなわち、小さい信号品質情報を基準信号品質情報とする。
この信号品質情報の差は、ドライブ装置の製造時のばらつきなどによる個体差が要因によるものであり、小さい信号品質情報を用いることで、ドライブ装置の個体差が要因の信号品質情報の変化量も除くことができるため、より正確な補正を行うことができる。
また、上記のように比較する場合、交換前の基準信号品質情報が必要であるが、信号品質情報記憶部112はドライブ装置101にあるため、ドライブ装置101を交換してしまうと取得することができない。そこで、別のドライブ装置に交換された場合は、交換されたドライブ装置を初めて使用する時に計測した基準ディスクの信号品質情報を基準信号品質情報としてもよい。これにより、交換前の基準信号品質情報を保持しておく必要がなく、構成が簡単になる。
なお、標準評価機で計測した信号品質情報を基準信号品質情報とした場合や、基準ディスクを交換した場合に、基準信号品質情報も更新するとしたが、ドライブ装置を初めて使用するときに計測した信号品質情報を基準信号品質情報とする場合は、基準信号品質情報を更新しない。なぜなら、ドライブ装置の使用途中で基準ディスクを交換すると、基準信号品質情報に装置要因変化量が含まれてしまうため、正しい装置要因変化量が検出できないためである。
また、基準信号品質情報を計測するのは、初回使用時としたが、工場出荷時に計測した信号品質情報を信号品質情報記憶部112に記憶しておいてもよい。また、使用開始してからの経過時間が短く、ドライブ装置101の劣化が無視できる経過時間内であれば、そのときに計測した信号品質情報を基準信号品質情報としてもよい。また、基準ディスクとして、テストディスクを用いるとしたが、入手が容易な市販のBDを用いてもよい。
また、本実施の形態では、基準ディスクは劣化していない、または劣化が無視できるとした。そこで、基準ディスクが劣化していないことを確認するために、基準ディスクを所定間隔ごとに上述の標準評価機で測定してもよい。
なお、標準評価機で測定する間隔は、基準ディスクの劣化が無視できる間隔、すなわち想定されるディスク寿命より十分短い間隔であればよい。例えば、想定されるディスク寿命の1/10より短い間隔であればよい。
このとき、基準ディスクの劣化が無視できなくなった場合は、新しい基準ディスクに交換し、新しい基準ディスクを標準評価機で計測した信号品質情報を基準信号品質情報として信号品質情報記憶部112に記憶してもよい。これにより、新しい基準ディスクに対応した基準信号品質情報を用いて装置要因変化量を求めるため、より正確に装置要因変化量を検出することができる。
また、基準信号品質情報と同等性能の光ディスクに交換してもよい。この場合、同等性能であるため、基準信号品質情報を更新しなくてもよい。これにより、より簡単に基準ディスクを交換できる。
また、本実施の形態では、信号品質情報記憶部112に基準信号品質情報を記憶しておくとしたが、上位制御装置に記憶しておき、装置要因変化量を検出するときに上位装置から取得してもよい。また、ドライブ装置101がネットワーク機能を有し、ネットワークでつながったサーバなどの別の制御装置に記憶しておき、ネットワーク経由で取得してもよい。
また、本実施の形態の補正方法では、ステップS205で劣化検出ディスクの劣化検出ディスク計測品質情報から装置要因変化量を除いて補正するとしたが、ディスク要因変化量をVmとすると、ディスク要因変化量Vmは、劣化検出ディスク計測信号品質情報Mmと基準ディスク計測信号品質情報Msとから求まる。このため、式(5)を変形すると、下記の式(6)のようになり、基準信号品質情報Miとディスク要因変化量Vmとが検出できれば、信号品質情報を補正できる。したがって、装置要因変化量でなく、ディスク要因変化量を検出して補正を行ってもよい。
Figure 2014054258
また、本実施の形態では、信号品質情報をMLSEとして説明したが、信号品質情報は光ディスクの性能を評価できる指標であればよく、変調度、ベータ、ジッタ、C/N、S/N、ビットエラーレート、シンボルエラーレート、i−MLSEなどでもよい。ここで、ジッタは、再生信号のクロック信号に対する時間軸上の変動であり、標準偏差により表されるため、MLSEと同様に、式(5)を用いて補正後のジッタが求められる。また、ビットエラーレートやシンボルエラーレートは、式(7)で示されように、変化量は線形なので、測定値を2乗した値の差ではなく、そのまま測定値の差を求めることで補正することができる。
Figure 2014054258
また、ステップS204における劣化検出ディスクの信号品質情報の計測は、ユーザデータを再生するときに計測しておいてもよい。これにより、劣化検出ディスクの劣化を検出するためだけに計測する必要がなくなり、補正処理がユーザデータの記録再生処理に与える負荷を軽減できる。
また、ステップS204の劣化検出ディスクの信号品質情報の計測は、基準ディスクの信号品質情報を計測した後、すぐに行わなくてもよい。両ディスクの計測の間隔が、ドライブ装置101の劣化が無視できる時間内であればよい。
また、本実施の形態のドライブ制御部107は、光ディスクにデータを記録する記録部をさらに備え、情報再生装置を情報記録再生装置としてもよい。この場合、記録部により信号品質情報を測定するための記録領域を作成し、作成した領域で信号品質情報を計測してもよい。これにより、同じデータが記録された領域で信号品質情報が計測できるため、より正確な信号品質情報が得られる。
以上のように、本実施の形態によれば、基準ディスクを用いて装置要因変化量を検出し、計測した信号品質情報を、装置要因変化量を除いた信号品質情報に補正することによって、情報記録媒体の劣化を正しく検出することができる。また、ドライブ装置101の交換等によってドライブ装置の性能が変わった場合でも、光ディスク114の劣化を正しく検出することができる。また、補正した信号品質情報を用いて劣化検出や寿命予測を行うことにより、正しい劣化検出や寿命予測を行うことができる。これにより、実際は劣化しているのに劣化していないと判断して大事なデータを失ったり、実際は劣化していないのに劣化していると判断して、本来なら必要がないにもかかわらず、他の光ディスクへ記録しなおし、光ディスクを無駄に消費してしまったりすることを防止できる。
(実施の形態2)
上記の実施の形態1では、劣化検出ディスクの劣化を検出する度に信号品質情報計測部109を用いて、基準ディスクの信号品質情報である基準ディスク計測信号品質情報を計測している。したがって、劣化検出ディスクの劣化検出ディスク計測信号品質情報を補正しようとすると、基準ディスクと劣化検出ディスクとをドライブ装置101に装着する必要があるため、ディスク交換を行わなければならない。
この場合、ドライブ装置101にディスクを自動で交換するチェンジャ機能を備え、自動的に基準ディスクと劣化検出ディスクとを交換できるようにしたとしても、ディスク交換には時間がかかる。また、ディスク交換を人手で行う場合も、さらにディスク交換に時間を要する。
また、基準ディスクの計測自体にも時間がかかり、さらにドライブ制御部107の処理に負荷がかかる。すなわち、ドライブ制御部107は、光ディスク114へユーザデータを記録再生する処理を行うため、ドライブ制御部107の処理に負荷がかかることにより、本来の処理であるユーザデータの記録再生処理にも影響を及ぼし、アクセス速度が低下し、ユーザの利便性が低下する。
一方、劣化検出ディスクの信号品質情報を補正するときに、基準ディスクを計測するのは、ドライブ装置101が要因で悪化した信号品質情報の変化量である装置要因変化量を検出するためである。すなわち、装置要因変化量が正確に検出できれば、補正を行うたびに基準ディスクを計測する必要はない。
そこで、本発明の実施の形態2では、信号品質情報の補正にかかる処理時間及び負荷を軽減する情報再生ユニット及びその信号品質情報補正方法について説明する。図11は、本発明の実施の形態2の情報再生ユニットの構成を示す図である。なお、図11において、図1と同じ構成については同一符号を付し、詳細な説明の繰り返しは省略する。また、実施の形態2では、実施の形態1と同様に、ディスクの劣化を検出するディスクを劣化検出ディスクとし、基準信号品質情報が既知のディスクを基準ディスクとする。
図11に示す情報再生ユニット100aは、ドライブ装置101aと、光ディスク114とを備え、ドライブ装置101aは、図1に示すドライブ制御部107に代えてドライブ制御部107aを備え、ドライブ制御部107aは、図1に示す装置要因変化量検出部110に代えて装置要因変化量検出部110aを備える。装置要因変化量検出部110aは、信号品質情報記憶部112及び装置要因変化量算出部113に加え、計測信号品質情報補間部501をさらに備える。
装置要因変化量検出部110aは、信号品質情報計測部109を用いて基準ディスクの信号品質情報である基準ディスク計測信号品質情報を計測した場合、計測した基準ディスク計測信号品質情報を信号品質情報記憶部112に記憶する。
計測信号品質情報補間部501は、計測信号品質情報を補正するときに、信号品質情報計測部109を用いて基準ディスク計測信号品質情報を計測しない場合、信号品質情報記憶部112に記憶している過去に計測した基準ディスク計測信号品質情報を用いて、推定基準ディスク信号品質情報(推定基準媒体信号品質情報の一例)を算出する。装置要因変化量検出部110aは、計測信号品質情報補間部501で算出した推定基準ディスク信号品質情報と、信号品質情報記憶部112に記憶した基準信号品質情報とを用いて、ドライブ装置101aが要因で悪化した信号品質情報の変化量である装置要因変化量を検出する。
また、ドライブ制御部107aは、再生部108、信号品質情報計測部109、装置要因変化量検出部110a及び信号品質情報補正部111に加え、信号品質情報計測判定部502をさらに備える。信号品質情報計測判定部502は、基準ディスクを計測するか否かを判定する。なお、本実施の形態でも、実施の形態1と同様に、基準信号品質情報は、信号品質情報記憶部112に記憶されているものとする。
次に、図12を用いて、本実施の形態の情報再生ユニットにおける信号品質情報の補正方法を説明する。図12は、本発明の実施の形態2の情報再生ユニットにおける信号品質情報の補正方法を示すフローチャートである。なお、図12において、図6のフローチャートと同じ処理については同一符号を付し、詳細な説明の繰り返しは省略する。
まず、ステップS601において、信号品質情報計測判定部502は、基準ディスクを計測するか否か判断する。例えば、信号品質情報計測判定部502は、内部の計時部を用いて、前回基準ディスクを計測してから所定時間経過しているかで判断する。所定時間経過していれば、信号品質情報計測判定部502は、基準ディスクを計測すると判断し、ステップS602に進む。所定時間経過していなければ、信号品質情報計測判定部502は、基準ディスクを計測しないと判断し、ステップS604に進む。
ステップS601で基準ディスクを計測すると判断された場合、ステップS602において、装置要因変化量検出部110aは、信号品質情報計測部109を用いて、基準ディスクの信号品質情報を計測する。具体的には、基準ディスクがドライブ装置101aに装着されると、装置要因変化量検出部110aは、信号品質情報計測部109を用いて基準ディスクの信号品質情報を計測する。信号品質情報計測部109は、光ピックアップ103とレーザ制御部104とメカ制御部106とを制御し、基準ディスクにレーザ光を照射し、再生信号を得る。装置要因変化量検出部110aは、得られた再生信号から信号品質情報を計測する。ここで、基準ディスクを計測して得られた信号品質情報を基準ディスク計測信号品質情報Msとする。
また、装置要因変化量検出部110aは、補間式を算出するため、計測した基準ディスク計測信号品質情報と計測時刻とを、信号品質情報記憶部112に記憶する。
次に、ステップS603において、計測信号品質情報補間部501は、補間式を算出する。具体的には、計測信号品質情報補間部501は、基準ディスクの信号品質情報を計測した場合、計測した信号品質情報及び計測時刻と、信号品質情報記憶部112に記憶している過去に計測した基準ディスク計測信号品質情報及び計測時刻とを用いて、推定基準ディスク信号品質情報Meの算出に用いる補間式を算出する。
一方、ステップS601で基準ディスクを計測しないと判断された場合、ステップS604において、計測信号品質情報補間部501は、推定基準ディスク信号品質情報Meを算出する。具体的には、計測信号品質情報補間部501は、ステップS601で、基準ディスクを計測しないと判断された場合、基準ディスク計測信号品質情報が得られないため、ステップS603で求めた補間式を用いて、推定基準ディスク信号品質情報Meを算出する。具体的な算出方法については、後述する。
次に、ステップS202の処理を終了した後、ステップS605において、装置要因変化量算出部113は、装置要因変化量を算出する。具体的には、ステップS601で基準ディスクを計測すると判断された場合、ステップS605において、装置要因変化量算出部113は、ステップS602で得られた基準ディスク計測信号品質情報Msと、ステップS202で取得した基準ディスクの基準信号品質情報Miとから装置要因変化量Vcを算出する。
一方、ステップS601で基準ディスクを計測しないと判断された場合、ステップS605において、装置要因変化量算出部113は、ステップS604で算出した推定基準ディスク信号品質情報Meと、ステップS202で取得した基準ディスクの基準信号品質情報Miとから装置要因変化量Vcを算出する。すなわち、ステップS601で基準ディスクを計測しないと判断された場合、装置要因変化量算出部113は、基準ディスク計測信号品質情報Msの代わりに推定基準ディスク信号品質情報Meを用いて装置要因変化量Vcを算出する。
次に、ステップS204の処理を終了した後、ステップS606において、信号品質情報補正部111は、劣化検出ディスクの信号品質情報を補正する。具体的には、信号品質情報補正部111は、ステップS204で得られた劣化検出ディスク計測信号品質情報MmからステップS605で得られた装置要因変化量Vcを除き、劣化検出ディスク計測信号品質情報Mmを補正する。ここで、補正した劣化検出ディスク計測信号品質情報を劣化検出ディスク補正信号品質情報Mとする。
したがって、本実施の形態の補正方法によると、前回基準ディスクの信号品質情報を計測してから今回基準ディスクの信号品質情報を計測する間に、複数回劣化検出ディスクの信号品質情報を計測し、前回基準ディスクの信号品質情報を計測してから今回基準ディスクの信号品質情報を計測する間に計測した劣化検出ディスクの信号品質情報を補正するために、推定基準ディスク信号品質情報が用いられることになる。
なお、ステップS601では、前回基準ディスクを計測してから所定時間経過しているか否かで基準ディスクを計測するか否かを判断するとしたが、これに限るものではない。例えば、前回基準ディスクを計測してからの劣化検出ディスクの計測回数が所定回数以上であるか否かを判断し、所定回数以上であった場合、基準ディスクを計測すると判断してもよい。
また、ドライブ装置101aに装着されている光ディスクが、基準ディスクか否かを判断し、基準ディスクであった場合、基準ディスクを計測すると判断してもよい。また、劣化検出ディスクを計測した値である劣化検出ディスク計測信号品質情報と、前回計測した基準ディスク計測信号品質情報との差が所定値以上か否かを判断し、所定値以上であった場合、基準ディスクを計測すると判断してもよい。
また、信号品質情報の変化量を線形化するため、劣化検出ディスク計測信号品質情報を2乗した値と、前回計測した基準ディスク計測信号品質情報を2乗した値との差が所定値以上であるか否かを判断し、所定値以上であった場合、基準ディスクを計測すると判断してもよい。すなわち、劣化検出ディスク計測信号品質情報と前回計測した基準ディスク計測信号品質情報との変化量が所定値以上か否かを判断し、所定値以上であった場合、基準ディスクを計測すると判断してもよい。また、劣化検出ディスク計測信号品質情報が所定値以上か否かを判断し、所定値以上であった場合、基準ディスクを計測すると判断してもよい。
また、基準ディスクを計測する間隔は、光ディスクの想定ディスク寿命、ドライブ装置の想定ドライブ寿命より短い間隔で、かつユーザデータの記録再生処理に影響しない程度の長い間隔であればよい。例えば、数時間程度の間隔であってもよいし、1日や3日に一度などの数日程度の間隔であってもよいし、1ヶ月や半年に一度などの数ヶ月程度の間隔であってもよい。また、1年に一度のメンテナンスのときに行うなど、数年程度の間隔であってもよい。
また、基準ディスクは、メンテナンスのときなどにドライブ装置101aに装着させ、計測してもよい。
なお、ステップS602で基準ディスクの信号品質情報を計測した後に、ステップS603で補間式を算出するとしたが、推定基準ディスク信号品質情報を算出するまでに補間式を算出すればよく、これに限るものではない。例えば、ステップS606の劣化検出ディスクの信号品質情報を補正した後に、補間式の算出を行ってもよい。これにより、ステップS204で計測した劣化検出ディスクの信号品質情報を早く補正することができる。
また、ドライブ装置101aが記録再生を行っていないときに、補間式の算出を行ってもよい。これにより、ドライブ装置101aの記録再生処理に影響を与えず、ユーザの利便性を低下させることなく、補間式を算出することができる。
次に、ステップS603の補間式の算出方法と、ステップS604の推定基準ディスク信号品質情報Meの算出方法とについて説明する。
まず、第1の補間式の算出方法として、過去に計測した基準ディスク計測信号品質情報を用いて、基準ディスク計測信号品質情報の経過時間に対する変化量を表す近似式を求め、これを補間式とし、劣化検出ディスクを計測した時刻における補間式の値を推定基準ディスク信号品質情報とする方法がある。
図13は、第1の補間式の算出方法を用いたときの、推定基準ディスク信号品質情報の変化を示す図である。過去に計測した基準ディスク計測品質情報(図中の黒丸の計測値)から、補間式f(t)を求め、劣化検出ディスクを計測した時刻Aの値aを、推定基準ディスク信号品質情報とする。ここで、近似式には、一次関数、二次関数、指数関数などの種々の関数を用いることができる。このように、過去に計測した基準ディスク計測信号品質情報を用いて近似式を求め、この近似式を補間式として用いることで、より正確な推定基準ディスク信号品質情報を求めることができる。
なお、近似式を求める方法は、これに限るものではなく、データの記録再生処理に影響を与えない範囲で近似式を求められればよい。例えば、前回計測した基準ディスク計測信号品質情報と今回計測した基準ディスク計測信号品質情報との2点を用いて、直線近似した式としてもよい。これにより、複雑な近似式を求めることなく、実測値に即した推定基準ディスク信号品質情報を求めることができる。
また、信号品質情報記憶部112に記憶されている過去に計測した全ての基準ディスク計測信号品質情報を用いて近似式を求めてもよい。これにより、より計測によるばらつきが少なく正確な推定基準ディスク信号品質情報を求めることができる。なお、過去に計測した全ての基準ディスク計測信号品質情報を用いて近似すると、データ量が多くなるため、ばらつきを抑えつつ、近似が複雑にならない程度の所定個数、例えば5個の基準ディスク計測信号品質情報を用いて近似してもよい。これにより、近似にかかる処理を軽減できる。なお、近似式を求める方法は、これに限るものではなく、データの記録再生処理に影響を与えない範囲で近似式を求められればよい。
次に、第2の補間式の算出方法として、前回計測した基準ディスク計測品質情報を推定基準ディスク信号品質情報とする方法がある。図14は、第2の補間式の算出方法を用いたときの、推定基準ディスク信号品質情報の変化を示す図である。
図14に示すように、1回目の計測が完了した後に2回目を計測するまでのA−B間は、1回目の計測値である基準ディスク計測信号品質情報aを推定基準ディスク信号品質情報として用いる。すなわち、補間式f(t)は、f(t)=aとなる。同様に、B−C間は、2回目の計測値である基準ディスク計測信号品質情報bを用いる。すなわち、補間式f(t)は、f(t)=bとなる。以下、同様に、前回計測した基準ディスク計測信号品質情報を推定基準ディスク信号品質情報として順次用いる。
このように、前回計測した基準ディスク計測信号品質情報を用いると、近似式を求めるような複雑な処理なしに、推定基準ディスク信号品質情報を求めることができる。また、前回計測した基準ディスク計測信号品質情報のみを信号品質情報記憶部112に記憶しておけばよく、信号品質情報記憶部112の構成を小さくできる。
また、前回計測した基準ディスク計測信号品質情報を用いることにより、前回基準ディスクを計測してから劣化検出ディスクの信号品質情報を計測するまでに悪化した信号品質情報の全変化量が、ディスク要因変化量となる。このため、データロストの観点から、データを失いにくくする安全側に倒すことができる。
これは、データは光ディスクに記録されており、ドライブ装置101aが故障しても光ディスクが読み出し可能であれば、別のドライブ装置で再生できるため、データを失うことがないためである。すなわち、データロストの観点で言えば、前回基準ディスクを計測した以降の劣化の全てが、ディスクが要因であるとすることで、ディスクが劣化しているにも関わらず劣化していないと判断し、データを失うことがない。したがって、データを失いにくくする安全側に倒すことができる。
また、信号品質情報の全変化量をディスク要因変化量とするのは、基準ディスクを計測しない間であって、基準ディスクを計測した場合は、正しい装置要因変化量を含んだ基準ディスク計測信号品質情報に更新される。そのため、基準ディスクを用いず、光ディスクの劣化を判断するのに比べ、より正確に光ディスクの劣化を判断することができる。
次に、第3の補間式の算出方法として、基準ディスクとドライブ装置とを用いて加速試験などを行い、基準ディスクのMLSEの経時変化に対する近似式を予め算出して記憶しておき、これを補間式とし、劣化検出ディスクを計測した時刻における補間式の値を推定基準ディスク信号品質情報とする方法がある。
このような第3の補間式の算出方法によれば、補間処理中に近似式を求める必要がなく、補間処理を軽減することができる。また、予め求めた近似式は、加速試験などの実際の試験によって得られた近似式であるため、実際の経時変化を表しているので、より正確な推定基準ディスク信号品質情報を求めることができる。
また、図15及び図16に示すように、基準ディスクを計測した場合は、計測した信号品質情報を用いて、上記の予め求めた近似式をy軸やt軸に対して平行移動させ、平行移動させた近似式を補間式としてもよい。
図15は、予め求めた近似式をy軸に対して平行移動させた図である。予め求めた近似式y=f(t)は、実際の経時変化を表しているため、y軸方向に平行移動させた補間式y=f(t)+aを用いると、時間的変化に対して、より正確な推定基準ディスク信号品質情報を求めることができる。
図16は、予め求めた近似式をt軸に対して平行移動させた図である。近似式y=f(t)をt軸方向に平行移動させた補間式y=f(t−b)を用いると、劣化量の変化に対して、より正確な推定基準ディスク信号品質情報を求めることができる。
なお、平行移動する方向は、どちらか一方であり、常に同じであってもよい。これにより、補間式を簡単に求めることができる。また、常に同じではなく、計測した信号品質情報に応じて変化させてもよい。例えば、過去の信号品質情報との差が小さくなる方向に平行移動させてもよい。これにより、過去の信号品質情報との誤差が小さくなるため、より正確な推定基準ディスク信号品質情報を求めることができる。
また、ドライブ装置101aが故障したり劣化したりしたため、別のドライブ装置に交換した場合、交換したドライブ装置で基準ディスクを新たに計測し、交換したドライブ装置で計測した基準ディスク計測信号品質情報のみを用いて、補間式を算出する。これにより、ドライブ装置を交換するときに、ドライブ装置101aの信号品質情報記憶部112に記憶している基準ディスク信号品質情報を、交換したドライブ装置に移す必要がない。そのため、ドライブ装置を交換しても、手間なく簡単に継続して信号品質情報の補正を行うことができる。
以上説明したように、本実施の形態の情報再生ユニットにおける補正方法を用いると、過去に計測した基準ディスク計測信号品質情報を用いて、推定基準ディスク信号品質情報を求め、推定基準ディスク信号品質情報と基準信号品質情報とを用いて装置要因変化量を求めることで、基準ディスクの計測回数を減らし、信号品質情報の補正にかかる処理時間及び負荷を軽減しつつ、正確に信号品質情報を補正することができる。
なお、本実施の形態では、劣化検出ディスクを毎回計測するとしたが、劣化度合いが判別できればよく、ドライブ装置101aに装着される度に計測する必要はない。したがって、図17を用いて、劣化検出ディスクの計測回数を減らした場合の補正方法を説明する。
図17は、本実施の形態の情報再生ユニットにおける劣化検出ディスクの計測回数を減らした場合の補正方法を示すフローチャートである。なお、図17において、図6及び図12のフローチャートと同じ処理については同一符号を付し、詳細な説明の繰り返しは省略する。
まず、ステップS601〜S604の処理を実行した後、ステップS1401において、信号品質情報計測判定部502は、劣化検出ディスクを計測するか否かを判断する。例えば、信号品質情報計測判定部502は、内部の計時部を用いて、前回劣化検出ディスクを計測してから所定時間経過しているか否かを判断する。所定時間経過していれば、信号品質情報計測判定部502は、劣化検出ディスクを計測すると判断し、ステップS202に進み、以降の処理を実行する。所定時間経過していなければ、信号品質情報計測判定部502は、劣化ディスクを計測しないと判断し、処理を終了する。
なお、ステップS1401では、前回劣化検出ディスクを計測してから所定時間経過しているか否かで劣化検出ディスクを計測するか否かを判断するとしたが、これに限るものではない。例えば、前回劣化検出ディスクを計測してから劣化検出ディスクの装着回数が所定回数以上であるか否かを判断し、所定回数以上であった場合、劣化検出ディスクを計測すると判断してもよい。
また、基準ディスクが計測されたか否かを判断し、基準ディスクが計測されていた場合、劣化検出ディスクを計測すると判断してもよい。また、劣化検出ディスクにデータが記録された回数が所定回数以上であるか否かを判断し、所定回数以上であった場合、劣化検出ディスクを計測すると判断してもよい。同様に、劣化検出ディスクを再生した回数、劣化検出ディスクに記録した回数、ドライブ装置101aに装着された回数が所定回数以上であるか否かで判断してもよい。また、命令処理部102にユーザデータの記録再生要求があるか否かを判断し、記録再生要求がない場合、劣化検出ディスクを計測すると判断してもよい。これにより、ユーザデータの記録再生要求がある場合には、劣化検出ディスクを計測しないので、情報再生ユニット100aの記録再生処理に与える影響を低減できる。
また、劣化検出ディスクを計測する間隔は、基準ディスクを計測する間隔以下であればよい。これにより、劣化検出ディスクの計測回数を減らし、情報再生ユニット100aの記録再生処理に与える影響を低減できる。そのため、アクセス速度が低下せず、ユーザの利便性を損なわない。
(実施の形態3)
上記の実施の形態2では、補間式を用いて推定基準ディスク信号品質情報を算出しているので、基準ディスクを計測した時刻における推定基準ディスク信号品質情報と、実際に計測した基準ディスク計測信号品質情報とに差が生じる場合がある。この差が装置要因変化量を検出する場合に影響を与えない程度であれば問題ないが、影響を与えるほどの差が生じる場合がある。装置要因変化量が正確に検出できなければ、劣化検出ディスクの信号品質情報を正確に補正することができない。
そこで、本発明の実施の形態3では、推定基準ディスク信号品質情報と実際に計測した基準ディスク計測信号品質情報とに、装置要因変化量を検出する場合に影響を与えるほどの差が生じた場合でも、劣化検出ディスクの信号品質情報を正確に補正することができる情報再生ユニット及びその信号品質情報補正方法について説明する。なお、本実施の形態の情報再生ユニットの構成は、図11に示す情報再生ユニットの構成と同じであるため、図示及び詳細な説明の繰り返しは省略し、図11の各構成を用いて説明する。
図18は、本発明の実施の形態3の情報再生ユニットにおける劣化検出ディスクの信号品質情報を補正する補正方法を示すフローチャートである。なお、図18において、図6及び図12のフローチャートと同じ処理については同一符号を付し、詳細な説明の繰り返しは省略する。
まず、ステップS601、S602の処理を実行した後、ステップS901において、計測信号品質情報補間部501は、比較推定基準ディスク信号品質情報(比較推定基準信号品質情報の一例)を算出する。具体的には、計測信号品質情報補間部501は、前回計測したときにステップS603で算出した補間式を用いて、ステップS602で信号品質情報計測部109を用いて基準ディスクの信号品質情報である基準ディスク計測信号品質情報を計測した時刻における補間式の値を算出し、算出した値を比較推定基準ディスク信号品質情報とする。なお、補間式が存在しない場合、すなわち初めて基準ディスクを計測した場合は、ステップS602で計測した基準ディスク計測信号品質情報を比較推定基準ディスク信号品質情報とする。
次に、ステップS902において、計測信号品質情報補間部501は、計測値と比較推定値が所定差以上か否か判断する。具体的には、計測信号品質情報補間部501は、ステップS602で計測した基準ディスク計測信号品質情報と、ステップS901で算出した比較推定基準ディスク信号品質情報との差が所定値以上か否かを判断する。
ここで、基準ディスク計測信号品質情報と比較推定基準ディスク信号品質情報との差が所定値以上であった場合、補間式の誤差が大きく、装置要因変化量が正確に検出できなくなる。このため、基準ディスク計測信号品質情報と比較推定基準ディスク信号品質情報との差が所定値以上であった場合、ステップS603に進み、計測信号品質情報補間部501は、ステップS602で今回計測した基準ディスク計測信号品質情報を用いて補間式を算出しなおし、ステップS604で推定基準ディスク信号品質情報を算出するのに用いる補間式を誤差の小さい補間式に更新する。
次に、ステップS903において、信号品質情報補正部111は、過去の劣化検出ディスクの信号品質情報を再補正する。具体的には、信号品質情報補正部111は、補間式の誤差が大きいため、ステップS603で算出しなおした補間式を用いて、過去に補正した劣化検出ディスクの信号品質情報を再補正する。具体的な再補正方法については、後述する。
一方、基準ディスク計測信号品質情報と比較推定基準ディスク信号品質情報との差が所定値以上でなかった場合、補間式の誤差が小さく、補間式をそのまま使用できるので、計測信号品質情報補間部501は、補間式を算出せずに、ステップS202に進む。
次に、ステップS202、S605、S204の処理を実行した後、ステップS904において、信号品質情報補正部111は、劣化検出ディスクの信号品質情報を補正する。具体的には、信号品質情報補正部111は、ステップS204で得られた劣化検出ディスク計測信号品質情報MmからステップS605で得られた装置要因変化量Vcを除き、劣化検出ディスク計測信号品質情報Mmを補正する。ここで、補正した劣化検出ディスク計測信号品質情報を劣化検出ディスク補正信号品質情報Mとする。また、信号品質情報補正部111は、過去の劣化検出ディスクの補正を行うため、補正した劣化検出ディスク補正信号品質情報を、信号品質情報記憶部112に記憶する。
なお、ステップS902で、基準ディスク計測信号品質情報と比較推定基準ディスク信号品質情報との差が所定値以上か否かを判断しているが、装置要因変化量の検出に影響があるか否かが判断できればよく、これに限るものではない。例えば、基準ディスク計測信号品質情報を2乗した値と比較推定基準ディスク信号品質情報を2乗した値との差が所定値以上であるか否かを判断してもよい。すなわち、線形化された基準ディスク計測信号品質情報と線形化された比較推定基準ディスク信号品質情報との変化量が所定値以上か否かを判断してもよい。
次に、ステップS903の過去の劣化検出ディスクの信号品質情報の再補正方法について説明する。ここで、過去の劣化検出ディスクの信号品質情報とは、補正した後の信号品質情報である劣化検出ディスク補正信号品質情報のことであり、信号品質情報記憶部112に記憶されている。
過去の劣化検出ディスク補正信号品質情報をMp、劣化検出ディスク計測信号品質情報をMm、前回の補間式を用いて算出した推定基準ディスク信号品質情報をMk、基準ディスクの基準信号品質情報Miとすると、Mpは式(8)で表される。
Figure 2014054258
したがって、今回計測した基準ディスク計測信号品質情報を基に算出しなおした新しい補間式を用いて算出した推定基準ディスク信号品質情報をMnとすると、再補正後の劣化検出ディスク補正信号品質情報Mは、式(9)で算出される。
Figure 2014054258
すなわち、過去の劣化検出ディスク補正信号品質情報Mpと、前回の補間式を用いて算出した推定基準ディスク信号品質情報Mkと、今回計測した基準ディスク信号品質情報を基にステップS603で算出しなおした新しい補間式を用いて算出した推定基準ディスク信号品質情報Mnを用いて、過去の劣化検出ディスク補正信号品質情報を再補正することができる。
以上説明したように、本実施の形態では、ステップS902で基準ディスク計測信号品質情報と比較推定基準ディスク信号品質情報との差が所定値以上であった場合、今回計測した基準ディスク計測信号品質情報を用いて、推定基準ディスク信号品質情報を算出するのに用いる補間式を誤差の小さい補間式に更新するため、装置要因変化量を正確に検出でき、信号品質情報を正確に補正できる。
また、ステップS903で誤差が大きかった過去の劣化検出ディスクの信号品質情報を再補正することにより、より正確な信号品質情報に補正ができ、再補正した信号品質情報を光ディスクの劣化検出や寿命予測に用いることにより、より正確な光ディスクの劣化検出や寿命予測を行うことができる。
さらに、ステップS902で基準ディスク計測信号品質情報と比較推定基準ディスク信号品質情報の差が所定値以上でなかった場合、補間式を算出しなおさないので、補間式を求める処理を省略することができ、再補正処理にかかる時間及び負荷を軽減できる。
なお、再補正する劣化検出ディスク補正信号品質情報は、信号品質情報記憶部112に記憶されている全部の劣化検出ディスク補正信号情報であってもよいが、全部を再補正すると再補正する処理に時間がかかり、本来の処理であるユーザデータの記録再生処理を圧迫する。
一方、本実施の形態では、基準ディスクを計測する度にステップS902の判断処理を実行するため、前回基準ディスクを計測したときに、それまでの信号品質情報は再補正されているため、前回基準ディスクを計測したときから今回基準ディスクを計測する間に補正された劣化検出ディスク補正信号品質情報のみを補正すればよい。これにより、補正処理の時間を短くし、ドライブ装置101aの負荷を軽減し、かつ正確に信号品質情報を補正することができる。
なお、本実施の形態では、ステップ603の補間式を算出した後のステップ903で過去の劣化検出ディスクの信号品質情報を再補正するとしたが、過去の劣化検出ディスクの信号品質情報を寿命予測などに用いるまでに補正しておけばよく、これに限るものではない。例えば、ステップS904の劣化検出ディスクの信号品質情報を補正した後に、過去の劣化検出ディスクの信号品質情報の再補正を行ってもよい。これにより、ステップS204で計測した劣化検出ディスクの信号品質情報を早く補正することができる。また、ドライブ装置101aが記録再生を行っていないときに、過去の劣化検出ディスクの信号品質情報の再補正を行ってもよい。これにより、ドライブ装置101aの記録再生処理に影響を与えず、ユーザの利便性を低下させることなく、補正を行うことができる。
以上説明したように、本実施の形態の情報再生ユニットにおける補正方法を用いると、基準ディスク計測信号品質情報と比較推定基準ディスク信号品質情報との差が所定値以上であった場合、今回計測した基準ディスク計測信号品質情報を用いて、推定基準ディスク信号品質情報を算出するのに用いる補間式を、誤差の小さい補間式に更新するため、装置要因変化量を正確に検出でき、信号品質情報を正確に補正できる。
また、誤差が大きかった過去の劣化検出ディスクの信号品質情報を再補正することにより、より正確な信号品質情報に補正ができ、再補正した信号品質情報を光ディスクの劣化検出や寿命予測に用いることにより、より正確な光ディスクの劣化検出や寿命予測を行うことができる。
さらに、基準ディスク計測信号品質情報と比較推定基準ディスク信号品質情報の差が所定値以上でなかった場合、補間式を算出しなおさないため、補間式を求める処理を省略することができ、補正処理にかかる時間及び負荷を軽減できる。
(実施の形態4)
上記の実施の形態2では、劣化検出ディスクの信号品質情報をドライブ装置101aのドライブ制御部107aで計測して補正している。したがって、劣化検出ディスクを計測して補正すると、ドライブ制御部107aの処理に負荷がかかる場合がある。ドライブ制御部107aは、光ディスク114へユーザデータを記録再生する処理を行うため、ドライブ制御部107aの処理に負荷がかかることにより、本来の処理であるユーザデータの記録再生処理にも影響を及ぼし、アクセス速度が低下し、ユーザの利便性が低下する場合がある。
そこで、本発明の実施の形態4では、信号品質情報の補正にかかる処理時間及び負荷を軽減する情報再生システムについて説明する。図19は、本発明の実施の形態4の情報再生システムの構成を示す図である。なお、図19において、図1、図11と同じ構成については、同一符号を付し、詳細な説明の繰り返しは省略する。
図19に示す情報再生システム1500は、情報再生ユニット100bと、監視サーバ1501とを備える。情報再生ユニット100bと監視サーバ1501とは、例えば、LAN(Local Area Network)ケーブルやUSB(Universal Serial Bus)ケーブルなどのケーブルや、無線LANで接続されており、データのやりとりが可能となっている。
情報再生ユニット100bは、ドライブ装置101bと、光ディスク114とを備え、ドライブ装置101bは、命令処理部102と、光ピックアップ103と、レーザ制御部104と、メモリ105と、メカ制御部106と、ドライブ制御部107bと、計測結果送信部1502とを備える。ドライブ制御部107bは、再生部108と、信号品質情報を計測する信号品質情報計測部109と、信号品質情報を計測するか否かを判定する信号品質情報計測判定部502とを備える。計測結果送信部1502は、信号品質情報計測部109で計測した信号品質情報を監視サーバ1501に送信する。
監視サーバ1501は、装置要因変化量を検出する装置要因変化量検出部110aと、計測した信号品質情報を補正する信号品質情報補正部111と、情報再生ユニット100bから送信された計測結果を受信する計測結果受信部1503とを備える。装置要因変化量検出部110aは、信号品質情報記憶部112と、装置要因変化量算出部113と、計測信号品質情報補間部501とを備える。
次に、情報再生ユニット100bの信号品質情報の計測方法について説明する。図20は、本発明の実施の形態4の情報再生ユニット100bにおける信号品質情報の計測方法を示すフローチャートである。なお、図20において、図6、図12、図17と同じ処理については、同一符号を付し、詳細な説明の繰り返しは省略する。
まず、ステップS1701において、信号品質情報計測判定部502は、情報記録媒体の識別子の一例であるディスクID(識別情報)を取得する。具体的には、信号品質情報計測判定部502は、再生部108を用いて、ドライブ装置101bに装着された光ディスクを再生し、光ディスクに記録されているディスクIDを取得する。
次に、ステップS1702において、信号品質情報計測判定部502は、基準ディスクか否かを判断する。具体的には、信号品質情報計測判定部502は、ステップS1701で取得したディスクIDから、ドライブ装置101bに装着された光ディスクが基準ディスクか否かを判断する。
ここで、信号品質情報計測判定部502は、予め基準ディスクのディスクIDを内部のメモリに保持しているものとする。信号品質情報計測判定部502は、保持しておいた基準ディスクのディスクIDと、ステップS1701で取得したディスクIDとを比較し、一致すれば基準ディスクと判断し、ステップS601に進み、一致しなければ劣化検出ディスクと判断し、ステップS1401に進む。
ステップS1702において基準ディスクであると判断された場合、ステップS601において、信号品質情報計測判定部502は、前回基準ディスクを計測してから所定時間経過しているか否かを判断することにより基準ディスクを計測するか否かを判断する。信号品質情報計測判定部502は、基準ディスクを計測しないと判断した場合、処理を終了し、基準ディスクを計測すると判断した場合、ステップS602において、装置要因変化量検出部110aは、信号品質情報計測部109を用いて基準ディスクの信号品質情報を計測する。
ステップS602で基準ディスクの信号品質情報を計測した場合、ステップS1703において、計測結果送信部1502は、計測結果を送信する。具体的には、計測結果送信部1502は、ステップS1701で取得したディスクIDと、ステップS602で信号品質情報計測部109を用いて計測した基準ディスクの信号品質情報と、計測した計測時刻とを含む計測結果を監視サーバ1401に送信し、処理を終了する。
一方、ステップS1702において基準ディスクでないと判断された場合、ステップS1401において、信号品質情報計測判定部502は、前回劣化検出ディスクを計測してから所定時間経過しているか否かを判断することにより劣化検出ディスクを計測するか否かを判断する。信号品質情報計測判定部502は、劣化検出ディスクを計測しないと判断した場合、処理を終了し、劣化検出ディスクを計測すると判断した場合、ステップS204において、信号品質情報補正部111は、信号品質情報計測部109を用いて劣化検出ディスクの信号品質情報を計測する。
ステップS204で劣化検出ディスクの信号品質情報を計測した場合、ステップS1703において、計測結果送信部1502は、ステップS1701で取得したディスクIDと、ステップS204で信号品質情報計測部109を用いて計測した劣化検出ディスクの信号品質情報と、計測した計測時刻とを含む計測結果を監視サーバ1401に送信し、処理を終了する。
このように、ディスクIDを送信することで、計測した信号品質情報がどの光ディスクの信号品質情報かの識別が可能となる。また、補間式の算出や経時劣化の変化を見るために必要な計測時刻も送信する。
上記のように、情報再生ユニット100bは、基準ディスク及び劣化検出ディスクの信号品質情報の計測と、監視サーバ1401への計測結果の送信を行うだけで、装置要因変化量の算出や信号品質情報の補正は行わない。これにより、情報再生ユニット100bの処理の負荷が低減できる。そのため、記録再生処理に与える影響を低減でき、アクセス速度が低下しないため、ユーザの利便性を損なわない。また、ユーザデータの記録再生処理を行う構成に、計測処理を行う信号品質情報計測部109と、信号品質情報計測判定部502と、送信処理を行う計測結果送信部1502とを追加すればよく、情報再生ユニット100bの開発工数を削減できる。
なお、ステップS1702でディスクIDを用いて基準ディスクか否かを判断したが、光ディスクから取得できる情報を用いて基準ディスクを特定できればよく、これに限るものではない。例えば、ユーザ等が命名したディスク名で判断してもよい。また、ディスクの製造者名で判断してもよい。また、基準ディスクに記録されたデータは既知であるため、記録されたデータのパターンで判断してもよい。
また、ステップS601、ステップS1401で、前回計測してから所定時間経過したら計測を行うと判断したが、これに限るものではない。例えば、監視サーバ1501から計測指示を受信し、計測指示を受信していれば、計測を行うと判断してもよい。これにより、計測指示を受信したか否かだけを判断すればよく、信号品質情報計測判定部502の処理を簡単にすることができる。
次に、監視サーバ1501の信号品質情報の補正方法について説明する。図21は、本発明の実施の形態4の監視サーバ1501における信号品質情報の補正方法を示すフローチャートである。なお、図21において、図6、図12、図17と同じ処理については、同一符号を付し、詳細な説明の繰り返しは省略する。
まず、ステップS1801において、計測結果受信部1503は、計測結果を受信したか否かを判断する。具体的には、計測結果受信部1503は、計測結果送信部1502が送信した計測結果を受信したか否かを判断する。計測結果受信部1503は、計測結果を受信したと判断した場合は、計測結果送信部1502が送信した基準ディスク又は劣化検出ディスクの計測結果を信号品質情報記憶部112に記憶し、ステップS1802に進み、計測結果を受信していないと判断した場合は、処理を終了する。
ステップS1801で計測結果を受信したと判断された場合、ステップS1802において、装置要因変化量検出部110aは、計測した光ディスクが基準ディスクか否かを判断する。具体的には、装置要因変化量検出部110aは、受信したディスクIDから、計測した光ディスクが基準ディスクか否かを判断する。
ここで、装置要因変化量検出部110aは、予め基準ディスクのIDを内部のメモリに保持しているものとする。装置要因変化量検出部110aは、保持しておいた基準ディスクのディスクIDと、受信したディスクIDとを比較し、一致すれば基準ディスクと判断し、ステップS1803に進み、一致しなければ劣化検出ディスクと判断し、ステップS202に進む。
ステップS1802で基準ディスクであると判断された場合、ステップS1803において、計測信号品質情報補間部501は、補間式を算出する。具体的には、計測信号品質情報補間部501は、受信した信号品質情報及び計測時刻と、信号品質情報記憶部112に記憶している過去に計測した基準ディスク計測信号品質情報及び計測時刻とを用いて、推定基準ディスク信号品質情報Meの算出に用いる補間式を算出し、処理を終了する。
一方、ステップS1802で基準ディスクでないと判断された場合、ステップS202において、装置要因変化量算出部113は、信号品質情報記憶部112から基準ディスクの基準信号品質情報Miを取得する。次に、ステップS604において、計測信号品質情報補間部501は、ステップS1803で求めた補間式を用いて推定基準ディスク信号品質情報Meを算出する。次に、ステップS605において、装置要因変化量算出部113は、ステップS604で算出した推定基準ディスク信号品質情報Meと、ステップS202で取得した基準ディスクの基準信号品質情報Miとから装置要因変化量Vcを算出する。次に、ステップS606において、信号品質情報補正部111は、受信した劣化検出ディスク計測信号品質情報MmからステップS605で得られた装置要因変化量Vcを除いて劣化検出ディスク計測信号品質情報Mmを補正し、補正した劣化検出ディスク計測信号品質情報を劣化検出ディスク補正信号品質情報Mとし、処理を終了する。
以上説明したように、監視サーバ1501で信号品質情報の補正を行うことで、情報再生ユニット100bの記録再生処理に与える影響を低減させることができる。また、補間式や信号品質情報の補正方法を変更した場合、監視サーバ1501だけを変更すればよく、情報再生ユニット100bの変更が必要ないため、変更が容易で、開発工数を削減できる。
また、1つの監視サーバ1501に複数の情報再生ユニットを接続させると、複数の情報再生ユニットに装着される複数の劣化検出ディスクの信号品質情報を、同一の監視サーバで補正することができる。これにより、より多くの劣化検出ディスクの信号品質情報が得られ、これらを寿命予測に用いることで、より正確な寿命予測を行うことができる。また、ドライブ装置101bを交換した場合であっても、監視サーバ1501を変更することがなく、手間なく継続して使用することができる。
なお、計測結果受信部1503が計測結果を信号品質情報記憶部112に記憶するとしたが、計測結果送信部1502が計測結果受信部1503を介して計測結果を信号品質情報記憶部112に記憶するとしてもよい。これにより、計測結果受信部1503は、計測結果を受信したか否かを判断する必要がなく、処理を簡単にできる。
また、計測結果送信部1502が計測結果を送信するとしたが、情報再生ユニット100bに信号品質情報記憶部112を備え、計測結果受信部1503が情報再生ユニット100bにある信号品質情報記憶部112から計測結果を取得してもよい。
また、本実施の形態の情報再生システム1500では、情報再生ユニット100bと監視サーバ1501が直接接続されているが、監視サーバ1501と、情報再生ユニット100bの上位装置とを接続し、監視サーバ1501は、上位装置経由で計測結果を受信してもよい。これにより、情報再生ユニット100bの計測結果送信部1502が不要になり、情報再生ユニット100bの構成を簡単にできる。
また、監視サーバ1501は、劣化検出ディスクの信号品質情報を補正した後、その値が、例えば15.0%などの所定値を超えていた場合、ユーザに光ディスクが劣化していることをメールなどで通知してもよい。これにより、光ディスクが劣化していることをユーザが即時に知ることができる。そのため、劣化した光ディスクの交換がすばやくでき、情報を失う危険性を低減することができる。
また、監視サーバ1501は、基準ディスクの信号品質情報が例えば15.0%などの所定値を超えていた場合、ユーザにドライブ装置が劣化していることをメールなどで通知してもよい。これにより、ドライブ装置が劣化していることをユーザが即時に知ることができる。そのため、劣化したドライブ装置の交換がすばやくでき、情報を失う危険性を低減することができる。
また、監視サーバ1501は、劣化検出ディスクの信号品質情報の補正値が、所定値以上になった場合に、基準ディスクの計測を促すようにユーザに通知してもよい。
以上説明したように、本実施の形態の情報再生システムは、劣化検出ディスクの信号品質情報の補正を監視サーバ1501で行うことにより、情報再生ユニット100bの処理の負荷が低減できる。そのため、記録再生処理に与える影響を低減でき、アクセス速度が低下しないため、ユーザの利便性を損なわない。また、補間式や信号品質情報の補正方法を変更した場合、監視サーバ1501だけを変更すればよく、情報再生ユニット100bの変更が必要ないため、変更が容易で、開発工数を削減できる。
上記の各実施の形態から本発明の各態様について説明すると、以下のようになる。すなわち、本発明の一態様に係る信号品質情報補正装置は、情報再生装置が情報記録媒体から情報を再生したときの信号品質を表す信号品質情報を補正する信号品質情報補正装置であって、前記信号品質情報を計測することによって得られた計測信号品質情報は、前記情報再生装置が要因で悪化した信号品質情報の変化量である装置要因変化量と、前記情報記録媒体が要因で悪化した信号品質情報の変化量である媒体要因変化量とを含み、前記計測信号品質情報に含まれる前記装置要因変化量を検出する装置要因変化量検出部と、前記計測信号品質情報から前記装置要因変化量検出部によって検出された前記装置要因変化量を除いた信号品質情報に、前記計測信号品質情報を補正する信号品質情報補正部とを備える。
本発明の他の態様に係る信号品質情報補正方法は、情報再生装置が情報記録媒体から情報を再生したときの信号品質を表す信号品質情報を補正する信号品質情報補正方法であって、前記信号品質情報を計測することによって得られた計測信号品質情報は、前記情報再生装置が要因で悪化した信号品質情報の変化量である装置要因変化量と、前記情報記録媒体が要因で悪化した信号品質情報の変化量である媒体要因変化量とを含み、前記計測信号品質情報に含まれる前記装置要因変化量を検出する検出ステップと、前記計測信号品質情報から前記検出ステップにおいて検出された前記装置要因変化量を除いた信号品質情報に、前記計測信号品質情報を補正する補正ステップとを含む。
上記の信号品質情報補正装置又は信号品質情報補正方法によれば、計測した計測信号品質情報を、装置要因変化量を除いた信号品質情報に補正することによって、情報記録媒体の劣化を正しく検出することができる。また、情報再生装置を交換した場合などで情報再生装置の性能が変わった場合でも、情報記録媒体の劣化を正しく検出することができる。さらに、補正した信号品質情報を用いて劣化検出や寿命予測を行うことにより、正しい劣化検出や寿命予測を行うことができる。これにより、実際は劣化しているのに劣化していないと判断して大事なデータを失ったり、実際は劣化していないのに劣化していると判断して、本来なら必要がないにもかかわらず、他の情報記録媒体へ記録しなおし、情報記録媒体を無駄に消費してしまうことを防止できる。
前記信号品質情報補正装置は、前記情報記録媒体から情報を再生する再生部と、前記計測信号品質情報として、前記再生部が前記情報記録媒体から情報を再生したときの信号品質を表す信号品質情報を計測する信号品質情報計測部とをさらに備えることが好ましい。
この場合、信号品質情報補正装置が情報記録媒体から情報を再生する情報再生装置となり、情報再生装置が要因で悪化した信号品質情報の変化量である装置要因変化量を正確に検出することができるので、情報記録媒体の劣化をより正確に検出することができる。
前記信号品質情報計測部は、基準信号品質情報が既知の基準情報記録媒体の信号品質情報である基準媒体計測信号品質情報を計測し、前記装置要因変化量検出部は、前記基準信号品質情報と前記基準媒体計測信号品質情報とを用いて、前記装置要因変化量を算出することが好ましい。
この場合、基準情報記録媒体の基準信号品質情報と基準媒体計測信号品質情報とを用いて装置要因変化量を算出しているので、装置要因変化量を正確に検出することができる。
前記基準信号品質情報は、前記装置要因変化量が0で且つ前記媒体要因変化量が既知の信号品質情報であることが好ましい。
この場合、装置要因変化量が0で且つ媒体要因変化量が既知の基準信号品質情報を用いて装置要因変化量を算出しているので、装置要因変化量をより正確に検出することができ、情報記録媒体の劣化のみを正しく検出することができる。
前記基準信号品質情報は、標準評価機によって計測された前記基準情報記録媒体の信号品質情報であることが好ましい。
この場合、標準評価機によって基準情報記録媒体の信号品質情報を最適な状態で計測することができるとともに、情報再生装置の製造時のばらつきによる個体差も含んだ装置要因変化量を検出することができるので、装置要因変化量をより正確に検出することができる。
前記信号品質情報補正装置は、前記計測信号品質情報を補正するときに、前記基準媒体計測信号品質情報を計測するか否かを判断する信号品質情報計測判定部をさらに備え、前記装置要因変化量検出部は、前記信号品質情報計測判定部が前記基準媒体計測信号品質情報を計測しないと判断した場合、過去に計測した前記基準媒体計測信号品質情報を用いて、前記計測信号品質情報を計測した時刻における推定基準媒体信号品質情報を推定し、前記推定基準媒体信号品質情報と前記基準信号品質情報とを用いて、前記装置要因変化量を検出することが好ましい。
この場合、過去に計測した基準媒体計測信号品質情報を用いて、計測信号品質情報を計測した時刻における推定基準媒体信号品質情報を求め、推定基準媒体信号品質情報と基準信号品質情報とを用いて装置要因変化量を求めているので、基準情報記録媒体の計測回数を減らし、信号品質情報の補正にかかる処理時間及び負荷を軽減しつつ、正確に信号品質情報を補正することができる。
前記装置要因変化量検出部は、前回計測した前記基準媒体計測信号品質情報を前記推定基準媒体信号品質情報とし、前記基準媒体計測信号品質情報を計測してから前記計測信号品質情報を計測するまでに悪化した信号品質情報の全変化量を前記媒体要因変化量とすることが好ましい。
この場合、前回計測した基準媒体計測信号品質情報を推定基準媒体信号品質情報とし、基準媒体計測信号品質情報を計測してから計測信号品質情報を計測するまでに悪化した信号品質情報の全変化量を媒体要因変化量としているので、情報記録媒体が劣化しているにも関わらず劣化していないと判断して情報を失うことを防止し、情報記録媒体の情報を確実に保存することができる。
前記装置要因変化量検出部は、加速試験によって予め求めた前記基準情報記録媒体の信号品質情報の経時変化に対する近似式を用いて、前記計測信号品質情報を計測した時刻における前記近似式の値を前記推定基準媒体信号品質情報として算出することが好ましい。
この場合、加速試験によって予め求めた基準情報記録媒体の信号品質情報の経時変化に対する近似式を用いて、計測信号品質情報を計測した時刻における近似式の値を推定基準媒体信号品質情報として算出しているので、補正処理中に近似式を求める必要がなく、補正処理を軽減することができるとともに、予め求めた近似式は実際の経時変化を表しているので、より正確な推定基準媒体信号品質情報を求めることができる。
前記装置要因変化量検出部は、前記基準媒体計測信号品質情報の経過時間に対する変化量を表す近似式を補間式として求め、前記計測信号品質情報を計測した時刻における前記補間式の値を前記推定基準媒体信号品質情報として算出する計測信号品質情報補間部を含むことが好ましい。
この場合、基準媒体計測信号品質情報の経過時間に対する変化量を表す近似式を補間式として求め、この補間式を用いて求めた推定基準媒体信号品質情報と、基準信号品質情報とを用いて、装置要因変化量を求めているので、基準情報記録媒体の計測回数を減らし、信号品質情報の補正にかかる処理時間及び負荷を軽減しつつ、正確に信号品質情報を補正することができる。
前記計測信号品質情報補間部は、前記信号品質情報計測部を用いて前記基準媒体計測信号品質情報を計測した時刻における前記補間式の値を比較推定基準信号品質情報とし、前記基準媒体計測信号品質情報と前記比較推定基準信号品質情報との差が所定値以上であった場合、過去に計測した前記基準媒体計測信号品質情報を用いて、前記補間式を更新することが好ましい。
この場合、基準媒体計測信号品質情報と比較推定基準信号品質情報との差が所定値以上であった場合、過去に計測した基準媒体計測信号品質情報を用いて、推定基準媒体信号品質情報を算出するのに用いる補間式を誤差の小さい補間式に更新しているので、装置要因変化量を正確に検出でき、信号品質情報を正確に補正できる。
前記信号品質情報補正部は、前記補間式が更新された場合、更新された前記補間式を用いて、過去に補正した信号品質情報を再補正することが好ましい。
この場合、誤差が大きい過去に補正した信号品質情報を再補正しているので、信号品質情報をより正確に補正することができるとともに、基準媒体計測信号品質情報と比較推定基準信号品質情報との差が所定値以上でなかった場合、補間式を算出しなおさないため、補間式を求める処理を省略することができ、補正処理にかかる時間及び負荷を軽減することができる。
本発明の他の態様に係る情報再生システムは、情報再生ユニットと、監視サーバとを備え、前記情報再生ユニットは、前記情報記録媒体と、前記情報記録媒体から情報を再生する情報再生装置とを備え、前記情報再生装置は、前記情報記録媒体から情報を再生する再生部と、前記再生部が前記情報記録媒体から情報を再生したときの信号品質を表す信号品質情報を計測する信号品質情報計測部と、前記信号品質情報計測部で計測された信号品質情報を含む計測結果を前記監視サーバに送信する計測結果送信部とを備え、前記信号品質情報計測部で計測した信号品質情報である計測信号品質情報は、前記情報再生装置が要因で悪化した信号品質情報の変化量である装置要因変化量と、前記情報記録媒体が要因で悪化した信号品質情報の変化量である媒体要因変化量とを含み、前記監視サーバは、前記計測結果送信部から送信された前記計測信号品質情報を含む計測結果を受信する計測結果受信部と、前記計測結果受信部によって受信された前記計測信号品質情報に含まれる前記装置要因変化量を検出する装置要因変化量検出部と、前記計測信号品質情報から前記装置要因変化量検出部によって検出された前記装置要因変化量を除いた信号品質情報に、前記計測信号品質情報を補正する信号品質情報補正部とを備える。
この情報再生システムによれば、上記の効果に加え、監視サーバが信号品質情報の補正を行っているので、情報再生ユニットの記録再生処理に与える影響を低減させることができるとともに、信号品質情報の補正方法等を変更した場合、監視サーバの構成だけを変更すればよく、情報再生ユニットの構成を変更する必要がないため、情報再生システムの変更が容易で且つ開発工数を削減できる。
前記計測結果は、前記情報記録媒体の識別子をさらに含むことが好ましい。この場合、計測した信号品質情報がどの情報記録媒体の信号品質情報かの識別が可能となる。
本発明にかかる信号品質情報補正装置は、情報記録媒体の劣化を正確に検出できる機能を有し、ユーザが記録したデータの消失を防ぐことができ、信頼性を向上させた光ディスクドライブ装置等として有用である。また、情報記録媒体を用いたアーカイブ装置などの用途にも応用できる。

Claims (14)

  1. 情報再生装置が情報記録媒体から情報を再生したときの信号品質を表す信号品質情報を補正する信号品質情報補正装置であって、
    前記信号品質情報を計測することによって得られた計測信号品質情報は、
    前記情報再生装置が要因で悪化した信号品質情報の変化量である装置要因変化量と、
    前記情報記録媒体が要因で悪化した信号品質情報の変化量である媒体要因変化量とを含み、
    前記計測信号品質情報に含まれる前記装置要因変化量を検出する装置要因変化量検出部と、
    前記計測信号品質情報から前記装置要因変化量検出部によって検出された前記装置要因変化量を除いた信号品質情報に、前記計測信号品質情報を補正する信号品質情報補正部とを備えることを特徴とする信号品質情報補正装置。
  2. 前記情報記録媒体から情報を再生する再生部と、
    前記計測信号品質情報として、前記再生部が前記情報記録媒体から情報を再生したときの信号品質を表す信号品質情報を計測する信号品質情報計測部とをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の信号品質情報補正装置。
  3. 前記信号品質情報計測部は、基準信号品質情報が既知の基準情報記録媒体の信号品質情報である基準媒体計測信号品質情報を計測し、
    前記装置要因変化量検出部は、前記基準信号品質情報と前記基準媒体計測信号品質情報とを用いて、前記装置要因変化量を算出することを特徴とする請求項2に記載の信号品質情報補正装置。
  4. 前記基準信号品質情報は、前記装置要因変化量が0で且つ前記媒体要因変化量が既知の信号品質情報であることを特徴とする請求項3に記載の信号品質情報補正装置。
  5. 前記基準信号品質情報は、標準評価機によって計測された前記基準情報記録媒体の信号品質情報であることを特徴とする請求項3に記載の信号品質情報補正装置。
  6. 前記計測信号品質情報を補正するときに、前記基準媒体計測信号品質情報を計測するか否かを判断する信号品質情報計測判定部をさらに備え、
    前記装置要因変化量検出部は、前記信号品質情報計測判定部が前記基準媒体計測信号品質情報を計測しないと判断した場合、過去に計測した前記基準媒体計測信号品質情報を用いて、前記計測信号品質情報を計測した時刻における推定基準媒体信号品質情報を推定し、前記推定基準媒体信号品質情報と前記基準信号品質情報とを用いて、前記装置要因変化量を検出することを特徴とする請求項3に記載の信号品質情報補正装置。
  7. 前記装置要因変化量検出部は、前回計測した前記基準媒体計測信号品質情報を前記推定基準媒体信号品質情報とし、前記基準媒体計測信号品質情報を計測してから前記計測信号品質情報を計測するまでに悪化した信号品質情報の全変化量を前記媒体要因変化量とすることを特徴とする請求項6に記載の信号品質情報補正装置。
  8. 前記装置要因変化量検出部は、加速試験によって予め求めた前記基準情報記録媒体の信号品質情報の経時変化に対する近似式を用いて、前記計測信号品質情報を計測した時刻における前記近似式の値を前記推定基準媒体信号品質情報として算出することを特徴とする請求項6に記載の信号品質情報補正装置。
  9. 前記装置要因変化量検出部は、
    前記基準媒体計測信号品質情報の経過時間に対する変化量を表す近似式を補間式として求め、前記計測信号品質情報を計測した時刻における前記補間式の値を前記推定基準媒体信号品質情報として算出する計測信号品質情報補間部を含むことを特徴とする請求項6に記載の信号品質情報補正装置。
  10. 前記計測信号品質情報補間部は、前記信号品質情報計測部を用いて前記基準媒体計測信号品質情報を計測した時刻における前記補間式の値を比較推定基準信号品質情報とし、前記基準媒体計測信号品質情報と前記比較推定基準信号品質情報との差が所定値以上であった場合、過去に計測した前記基準媒体計測信号品質情報を用いて、前記補間式を更新することを特徴とする請求項9に記載の信号品質情報補正装置。
  11. 前記信号品質情報補正部は、前記補間式が更新された場合、更新された前記補間式を用いて、過去に補正した信号品質情報を再補正することを特徴とする請求項10に記載の信号品質情報補正装置。
  12. 情報再生装置が情報記録媒体から情報を再生したときの信号品質を表す信号品質情報を補正する信号品質情報補正方法であって、
    前記信号品質情報を計測することによって得られた計測信号品質情報は、
    前記情報再生装置が要因で悪化した信号品質情報の変化量である装置要因変化量と、
    前記情報記録媒体が要因で悪化した信号品質情報の変化量である媒体要因変化量とを含み、
    前記計測信号品質情報に含まれる前記装置要因変化量を検出する検出ステップと、
    前記計測信号品質情報から前記検出ステップにおいて検出された前記装置要因変化量を除いた信号品質情報に、前記計測信号品質情報を補正する補正ステップとを含むことを特徴とする信号品質情報補正方法。
  13. 情報再生ユニットと、
    監視サーバとを備え、
    前記情報再生ユニットは、
    前記情報記録媒体と、
    前記情報記録媒体から情報を再生する情報再生装置とを備え、
    前記情報再生装置は、
    前記情報記録媒体から情報を再生する再生部と、
    前記情報記録媒体から前記再生部が情報を再生したときの信号品質を表す信号品質情報を計測する信号品質情報計測部と、
    前記信号品質情報計測部で計測された信号品質情報を含む計測結果を前記監視サーバに送信する計測結果送信部とを備え、
    前記信号品質情報計測部で計測した信号品質情報である計測信号品質情報は、
    前記情報再生装置が要因で悪化した信号品質情報の変化量である装置要因変化量と、
    前記情報記録媒体が要因で悪化した信号品質情報の変化量である媒体要因変化量とを含み、
    前記監視サーバは、
    前記計測結果送信部から送信された前記計測信号品質情報を含む計測結果を受信する計測結果受信部と、
    前記計測結果受信部によって受信された前記計測信号品質情報に含まれる前記装置要因変化量を検出する装置要因変化量検出部と、
    前記計測信号品質情報から前記装置要因変化量検出部によって検出された前記装置要因変化量を除いた信号品質情報に、前記計測信号品質情報を補正する信号品質情報補正部とを備えることを特徴とする情報再生システム。
  14. 前記計測結果は、前記情報記録媒体の識別子をさらに含むことを特徴とする請求項13に記載の情報再生システム。
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