JPWO2014024365A1 - サブマージアーク溶接方法ならびに溶接継手および鋼管の製造方法 - Google Patents

サブマージアーク溶接方法ならびに溶接継手および鋼管の製造方法 Download PDF

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Abstract

サブマージアーク溶接で突合せ溶接を行うに際し、鋼板の下面側を溶接した後に上面側を溶接する溶接方法であって、下面側溶接金属の溶融境界線と上面側溶接金属の溶融境界線とが交わる会合点と、その会合点から鋼板の上表面の方向へ5mmの位置を通り上表面に平行な第1平行線と上面側溶接金属の溶融境界線とが交わる第1交点と、を結ぶ上面側境界直線が、第1平行線に垂直な線となす角θ1を15°以上とし、かつ上記した会合点と、会合点から鋼板の下表面の方向へ5mmの位置を通り下表面に平行な第2平行線と下面側溶接金属の溶融境界線とが交わる第2交点と、を結ぶ下面側境界直線が、第2平行線に垂直な線となす角θ2を15°以上とするとともに、鋼板の下面側の溶接入熱と上面側の溶接入熱との合計入熱Q(kJ/cm)について、鋼板の板厚t(mm)との間でQ≦1.3×t1.37の関係を満足させることにより、高靭性の溶接熱影響部を安定して得る。

Description

本発明は、鋼板のサブマージアーク溶接方法に関するものである。
また、本発明は、上記のサブマージアーク溶接方法によって形成される溶接継手およびその溶接継手を有する鋼管に関するものである。
鋼板を溶接する際に用いられるサブマージアーク溶接は、大電流を供給して溶込み深さおよびワイヤ溶着量を増加することができるので、高能率の溶接技術として広く普及している。特にサブマージアーク溶接により厚鋼板を突合せて溶接する場合では、多電極を採用して、厚鋼板の下面側と上面側をそれぞれ1パスで溶接(いわゆる両面一層盛り溶接)することも可能である。
この両面一層盛り溶接では、下面側の溶接金属と上面側の溶接金属が十分に重なり、未溶融部が生じないように、溶込み深さを確保する必要があるので、1000A以上の大電流を供給して溶接を行うのが一般的である(たとえば特許文献1、2)。
また、アンダーカット等の表面欠陥を抑制するために、幅の広いビードを形成する必要があるので、電圧を増加する等の溶接条件の調整も行われている。
しかしながら、電流や電圧が増加すると、溶接入熱の増大を招き、溶接熱影響部の靭性が劣化するという問題が生じる。このような問題に対して、溶接熱影響部の靭性を向上するために、鋼板の特性を改善する技術(たとえば特許文献3、4、5)、溶接施工にて細径ワイヤを使用する技術(たとえば特許文献6、7)、ビード形状を制御する技術(たとえば特許文献8、9)等が検討されている。
ところが、これら特許文献3〜9に開示された技術は、溶接熱影響部の靭性を安定して高めることが困難である。
つまり、鋼板の下面側を溶接した際の溶接熱影響部(特に粗粒域)が上面側の溶接によって再び加熱されるので、局所脆化域と呼ばれる靱性劣化領域が生じるが、溶接熱影響部の形状によって脆化域の寸法や形状が変化するため、靱性にばらつきが生じる。
特開平11-138266号公報 特開平10-109171号公報 特開2002-146471号公報 特開2004-52104号公報 特開2009-91653号公報 特開2006-272377号公報 特開2009-241128号公報 特開2010-274275号公報 特開2010-274276号公報
本発明は、上記の問題を解決するために開発されたもので、サブマージアーク溶接により鋼板を突合せて溶接するにあたり、高靭性の溶接熱影響部を安定して得ることができるサブマージアーク溶接方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、上記のサブマージアーク溶接方法で形成される溶接継手、さらにはこの溶接継手を有する鋼管を提供することを目的とする。
発明者は、種々の溶接条件で、鋼板の下面側を溶接した後に上面側を溶接するサブマージアーク溶接を行い、溶接継手の溶接熱影響部の靭性を調査した。
その結果、溶接入熱を一定以下に抑制するとともに、溶融した後に凝固して形成された溶接金属と未溶融の鋼板に形成された溶接熱影響部との境界線(以下、溶融境界線という)の傾斜角度を、下面側と上面側でそれぞれ適正に制御することによって、靭性に優れた溶接熱影響部が安定して得られることを見出した。
本発明は、このような知見に基づいてなされたものである。
すなわち、本発明は、サブマージアーク溶接で突合せ溶接を行うに際し、鋼板の下面側を溶接した後に上面側を溶接する溶接方法であって、
下面側溶接金属の溶融境界線と上面側溶接金属の溶融境界線とが交わる会合点と、その会合点から鋼板の上表面の方向へ5mmの位置を通り上表面に平行な第1平行線と上面側溶接金属の溶融境界線とが交わる第1交点と、を結ぶ上面側境界直線が、第1平行線に垂直な線となす角をθ1(°)とするとき、θ1が下記の(1)式を満足し、
かつ上記した会合点と、会合点から鋼板の下表面の方向へ5mmの位置を通り下表面に平行な第2平行線と下面側溶接金属の溶融境界線とが交わる第2交点と、を結ぶ下面側境界直線が、第2平行線に垂直な線となす角をθ2(°)とするとき、θ2が下記の(2)式を満足するとともに、
鋼板の下面側の溶接入熱と上面側の溶接入熱との合計入熱Q(kJ/cm)が、鋼板の板厚t(mm)との間で下記の(3)式の関係を満足するサブマージアーク溶接方法である。

θ1≧15 ・・・(1)
θ2≧15 ・・・(2)
Q≦1.3×t1.37 ・・・(3)
また、本発明のサブマージアーク溶接方法においては、θ1とθ2とが、次式(4)
θ1+θ2≧50 ・・・(4)
を満足することが好ましい。
加えて、鋼板の上面側の溶接入熱が鋼板の下面側の溶接入熱よりも大きいこと、さらには鋼板の下面側および上面側の溶接を、それぞれ3電極以上かつ1パスで行うことが好ましい。
また、本発明は、上記のサブマージアーク溶接方法によって形成される溶接継手およびこの溶接継手を有する鋼管である。
なお、本発明では、溶接する鋼板の両面のうち、先に溶接する側の面を下面、その後で溶接する側の面を上面としている。
本発明によれば、鋼板のサブマージアーク溶接において靭性に優れた溶接熱影響部を安定して得ることができるので、産業上格段の効果を奏する。
本発明で形成される溶接継手の例を模式的に示す断面図である。 鋼板の開先形状の例を模式的に示す断面図である。 シャルピー衝撃試験片の採取位置を模式的に示す断面図である。
図1は、本発明で形成される溶接継手の例を模式的に示す断面図である。以下、図1を参照して本発明について説明する。
まず、鋼板1の下面側をサブマージアーク溶接で溶接して、溶接金属2(以下、下面側溶接金属という)を得る。次に、鋼板1の上面側をサブマージアーク溶接で溶接して、溶接金属3(以下、上面側溶接金属という)を得る。
下面側の溶融境界線4と上面側の溶融境界線5とが交わる点6(以下、会合点という)から鋼板1の上表面の方向へ5mmの位置を通り上表面に平行な線7を第1平行線とする。その第1平行線7が、上面側の溶融境界線5と交わる点8を第1交点とする。そして、会合点6と第1交点8とを結ぶ直線9を上面側境界直線とし、その上面側境界直線9と第1平行線7に垂直な線とのなす角をθ1(°)とする。
なお、会合点は2ヶ所に形成されるが、基準としての会合点は板厚中心寄りの点を採用することが望ましい。
また、会合点6から鋼板1の下表面の方向へ5mmの位置を通り下表面に平行な線10を第2平行線とする。その第2平行線10が、下面側の溶融境界線4と交わる点11を第2交点とする。そして、会合点6と第2交点11とを結ぶ直線12を下面側境界直線とし、その下面側境界直線12と第2平行線10に垂直な線とのなす角をθ2(°)とする。
角度θ1を15°以上とすることにより、溶接熱影響部の靭性が向上する。その理由は、上面側境界直線9が水平に近づくとき裂の伝播経路が複雑化し、き裂が進展する際に必要な伝播エネルギーが高くなるためであると考えられる。
したがって、θ1は以下の(1)式に示すとおり、15°以上とする。しかしながら、θ1が50°を超えるような溶接部を形成するには、多大な溶接入熱が必要となる。そのため、θ1は、15〜50°の範囲とすることが望ましい。より好ましくは30〜50°の範囲である。
θ1≧15 ・・・(1)
また、角度θ2を15°以上とすることにより、溶接熱影響部の靭性が向上する。その理由は、上述したところと同様で、下面側境界直線12が水平に近づくとき裂の伝播経路が複雑化し、き裂が進展する際に必要な伝播エネルギーが高くなるためであると考えられる。
したがって、θ2も以下の(2)式に示すとおり、15°以上とする。しかしながら、θ2が50°を超えるような溶接部を形成するには、多大な溶接入熱が必要となる。そのため、θ2は、15〜50°の範囲とすることが好ましい。より好ましくは30〜50°の範囲である。
θ2≧15 ・・・(2)
なお、会合点6と第1平行線7および第2平行線10との距離は、靭性を評価するためのシャルピー衝撃試験の試験片の採取位置にあわせて、それぞれ5mmに設定したものである。
そして、θ1とθ2の合計は、以下の(4)式に示す通り、50°以上とすることが好ましい。θ1+θ2を50°以上とすれば、下面側の溶接によって生じる溶接熱影響部の靱性が上面側の溶接において再加熱されて劣化する領域の面積を小さくでき、結果として靭性が向上する。
θ1+θ2≧50 ・・・(4)
なお、板厚が25.4mm以上の厚鋼板の溶接では、溶接金属の形状が板厚方向により伸長した形状となるので、角度θ1ならびに角度θ2が15°以下になりやすい。したがって、このような厚鋼板では、特に靭性の向上が期待できる。
ここに、本発明を適用して特に有効な鋼板の板厚は、20〜40mm程度である。
また、鋼板1の下面側と上面側を溶接する際の溶接入熱は、鋼板1の板厚に応じて設定する必要がある。というのは、板厚が大きい鋼板、特に板厚が25.4mm以上の厚鋼板では、入熱が増大し、溶接熱影響部の靭性が劣化しやすいからである。したがって、鋼板の下面側の溶接入熱と上面側の溶接入熱との合計入熱Q(kJ/cm)が鋼板1の板厚tに対して以下の(3)式を満たす範囲内で、溶接を行うものとする。
Q≦1.3×t1.37 ・・・(3)
ただし、厚鋼板のサブマージアーク溶接においては、Qがt1.37 kJ/cm未満では、十分な溶込み深さと溶着量を確保するのが困難になる。そのため、このような厚鋼板、特に板厚が25.4〜38.1mmの厚鋼板のサブマージアーク溶接では、Qはt1.37〜1.3×t1.37kJ/cmの範囲内とすることが好ましい。
なお、下面側と上面側の溶接入熱は、必ずしも同一にする必要はなく、上面側の溶接入熱を下面側の溶接入熱よりも大きくすることが好ましい。その理由は、下面側の溶接における溶接入熱を低く抑えることによって、下面側の溶融境界線4近傍の溶接熱影響部の粗粒化を防止することができ、その結果、上面側を溶接する際の再加熱による靭性劣化を防止できるからである。
以上説明した通り、鋼板のサブマージアーク溶接にて溶接熱影響部の優れた靭性を安定して得るという本発明の効果は、開先形状、溶接電流、溶接電圧、溶接速度、電極数、電極配置に拘わらず発揮される。特に、本発明は、鋼板の下面側と上面側をいずれも3電極以上でかつ1パスで溶接する両面一層盛り溶接に適用するのが好ましい。
ここに、3電極以上で溶接を行う場合は、鋼板の下面側の溶接にて、溶接進行方向の先頭の電極(以下、第1電極という)でワイヤ径3.2mm以上のワイヤを使用し、溶接電圧を33V以上とすることが好ましい。一方、鋼板の上面側の溶接では、第1電極でワイヤ径3.2mm以下のワイヤを使用し、溶接電圧を33V以下とすることが好ましい。第1電極をこのように設定して溶接することによって、下面側の溶融境界線4と上面側の溶融境界線5の傾斜角度を調整し易くなり、その結果、角度θ1、θ2を上記した範囲内に制御することが容易となる。
なお、ワイヤは、一般のサブマージアーク溶接にて広く用いられているソリッドワイヤを本発明でも使用できるが、金属粉等の充填材を内包したコアードワイヤも使用できる。
また、本発明のサブマージアーク溶接方法は、UOE鋼管やスパイラル鋼管、板巻鋼管などの大径鋼管の造管溶接(内外面の両面溶接)に、好適に用いることができる。
なお、UOE鋼管とは、U字形にプレスした鋼板同士を、O字形となるよう両端で突合わせ、内外面を溶接したのち、所望の口径に拡張する鋼管のことである。
ここに、これらの鋼管の造管溶接は、一般的に内面、外面の順に行うので、この内面および外面が、それぞれ本発明でいう下面、上面に相当する。
表1に示す成分を有する2種類の鋼板(板厚t:25.4mm,38.1mm)に、図2に示すような形状の開先を形成した後、下面側のサブマージアーク溶接(1パス)を行い、次いで上面側のサブマージアーク溶接(1パス)を行った。
Figure 2014024365
鋼板1の開先形状を表2に示す。表2中の下面の開先角度は図2に示す角β(°)、上面の開先角度は図2に示す角α(°)である。また、表2中の下面の開先深さは図2に示すV(mm)、上面の開先深さは図2に示すU(mm)である。
Figure 2014024365
サブマージアーク溶接の溶接条件を表3、4に示す。表3に示すように、溶接記号1の下面のみ3電極(1パス)で溶接を行い、その他は全て4電極(1パス)で溶接を行った。また、表3に示す電流は、いずれも第1電極を直流とし、第2電極以降を交流とした。
表4中の極間距離は、鋼板1の表面(下面または上面)におけるワイヤ先端の間隔(mm)である。母材−電極間距離は、鋼板1の表面(下面または上面)とコンタクトチップ下面との間隔(mm)である。電極角度は、鋼板に垂直な線とワイヤとのなす角であり、前進角(°)を正、後退角(°)を負として示している。
ここで前進角は、ワイヤ先端がトーチよりも溶接進行方向の前方に位置するようにワイヤを傾斜させた場合における、鋼板に垂直な線とワイヤのなす角であり、後退角は、ワイヤ先端がトーチよりも溶接進行方向の後方に位置するようにワイヤを傾斜させた場合における、鋼板に垂直な線とワイヤのなす角である。
Figure 2014024365
Figure 2014024365
これらの各条件(溶接記号1〜12)で溶接を行い、それぞれ5個ずつ溶接継手を作製した。次に、図3に示す試験片採取位置13からシャルピー衝撃試験片および断面マクロ試験片を採取した。
シャルピー衝撃試験片は、JIS Z 3111に規定する4号試験片として、各溶接継手から20個ずつ(すなわち溶接記号ごとに100個ずつ)採取した。シャルピー衝撃試験片は、ノッチが鋼板の板厚方向に平行となり、かつ会合点6を含む面(鋼板1の表面に平行な面)が試験片の板厚方向中央となるように採取した。そのノッチの位置は、ノッチ底における溶接金属と溶接熱影響部の比率が50%ずつとなる位置とした。
シャルピー衝撃試験は、JIS Z 2242に準拠(試験温度:−30℃)して行い、吸収エネルギーV-30(J)を測定した。
その結果を表5に示す。ここで、表5中の吸収エネルギーV-30は、溶接記号ごとに100個のシャルピー衝撃試験片に対するシャルピー衝撃試験で得られた測定値のうち、最も低い値を示している。
なお、この値が56J以上であれば、溶接熱影響部において優れた靭性が安定して得られていると言える。
また、断面マクロ試験片は、各溶接継手から3個ずつ(すなわち溶接記号ごとに15個ずつ)採取した。それぞれの断面マクロ試験片から角度θ1(°)とθ2(°)を測定した結果を表5に示す。なお、表5中のθ1、θ2は、溶接記号ごとに15個の試験片を測定したときの平均値である。
Figure 2014024365
表5に示した溶接記号1〜6は発明例である。このうち、溶接記号1、2は、θ1が(1)式を満足し、θ2が(2)式を満足するとともに、下面側の溶接入熱と上面側の溶接入熱との合計入熱Qが(3)式を満足する例である。この溶接記号1、2では、安定して優れた靭性が得られた。
また、溶接記号3、4は、θ1が(1)式を満足し、θ2が(2)式を満足するとともに、下面側の溶接入熱と上面側の溶接入熱との合計入熱Qが(3)式を満足し、かつθ1+θ2が(4)式を満足する例である。この溶接記号3、4では、溶接記号1、2よりも優れた靭性が安定して得られた。
さらに、溶接記号5、6は、θ1が(1)式を満足し、θ2が(2)式を満足するとともに、下面側の溶接入熱と上面側の溶接入熱との合計入熱Qが(3)式を満足し、かつθ1+θ2が(4)式を満足し、さらに上面側の溶接入熱が下面側の溶接入熱よりも大きい例である。この溶接記号5、6では、溶接記号3、4よりも一層優れた靭性が安定して得られた。
一方、比較例である溶接記号7、8は、θ1が15°未満であるから、溶接熱影響部において優れた靭性が安定して得られなかった。
また、溶接記号9、10は、θ2が15°未満であるから、溶接熱影響部において優れた靭性が安定して得られなかった。
さらに、溶接記号11、12は、合計入熱Qが過大であるから、溶接熱影響部において優れた靭性が安定して得られなかった。
1 鋼板
2 下面側溶接金属
3 上面側溶接金属
4 下面側の溶融境界線
5 上面側の溶融境界線
6 会合点
7 第1平行線
8 第1交点
9 上面側境界直線
10 第2平行線
11 第2交点
12 下面側境界直線
13 試験片採取位置
本発明は、このような知見に基づいてなされたものである。
すなわち、本発明は、サブマージアーク溶接で突合せ溶接を行うに際し、鋼板の下面側を溶接した後に上面側を溶接する溶接方法であって、
下面側溶接金属の溶融境界線と上面側溶接金属の溶融境界線とが交わる会合点と、その会合点から鋼板の上表面の方向へ5mmの位置を通り上表面に平行な第1平行線と上面側溶接金属の溶融境界線とが交わる第1交点と、を結ぶ上面側境界直線が、第1平行線に垂直な線となす角をθ1(°)とするとき、θ1が下記の(1)式を満足し、
かつ上記した会合点と、会合点から鋼板の下表面の方向へ5mmの位置を通り下表面に平行な第2平行線と下面側溶接金属の溶融境界線とが交わる第2交点と、を結ぶ下面側境界直線が、第2平行線に垂直な線となす角をθ2(°)とするとき、θ2が下記の(2)式を満足するとともに、
鋼板の下面側の溶接入熱と上面側の溶接入熱との合計入熱Q(kJ/cm)が、鋼板の板厚t(mm)との間で下記の(3)式の関係を満足するサブマージアーク溶接方法である。

θ1≧15 ・・・(1)
θ2≧15 ・・・(2)
Q≦1.3×t1.37 ・・・(3)
ただし、鋼板の板厚tは20〜40mmの範囲である。
また、本発明のサブマージアーク溶接方法においては、θ1とθ2とが、次式(4)
θ1+θ2≧50 ・・・(4)
を満足することが好ましい。
加えて、鋼板の上面側の溶接入熱が鋼板の下面側の溶接入熱よりも大きいこと、さらには鋼板の下面側および上面側の溶接を、それぞれ3電極以上かつ1パスで行うことが好ましい。
さらに、鋼板の板厚tを25.1〜38.4mmの範囲とし、かつ鋼板の下面側の溶接入熱と上面側の溶接入熱との合計入熱Q(kJ/cm)が、鋼板の板厚t(mm)との間で、さらにt 1.37 ≦Qの関係を満足することが好ましい。
また、本発明は、上記のサブマージアーク溶接方法により、溶接継手を形成する溶接継手の製造方法、およびこの溶接継手の形成を、上記の溶接継手の製造方法により行う鋼管の製造方法である。

Claims (6)

  1. サブマージアーク溶接で突合せ溶接を行うに際し、鋼板の下面側を溶接した後に上面側を溶接する溶接方法であって、
    下面側溶接金属の溶融境界線と上面側溶接金属の溶融境界線とが交わる会合点と、該会合点から前記鋼板の上表面の方向へ5mmの位置を通り該上表面に平行な第1平行線と前記上面側溶接金属の溶融境界線とが交わる第1交点と、を結ぶ上面側境界直線が、前記第1平行線に垂直な線となす角をθ1(°)とするとき、該θ1が下記の(1)式を満足し、
    かつ前記会合点と、前記会合点から前記鋼板の下表面の方向へ5mmの位置を通り該下表面に平行な第2平行線と前記下面側溶接金属の溶融境界線とが交わる第2交点と、を結ぶ下面側境界直線が、前記第2平行線に垂直な線となす角をθ2(°)とするとき、該θ2が下記の(2)式を満足するとともに、
    前記鋼板の下面側の溶接入熱と上面側の溶接入熱との合計入熱Q(kJ/cm)が、前記鋼板の板厚t(mm)との間で(3)式の関係を満足することを特徴とするサブマージアーク溶接方法。

    θ1≧15 ・・・(1)
    θ2≧15 ・・・(2)
    Q≦1.3×t1.37 ・・・(3)
  2. 前記θ1と前記θ2とが、次式(4)
    θ1+θ2≧50 ・・・(4)
    を満足することを特徴とする請求項1に記載のサブマージアーク溶接方法。
  3. 前記鋼板の上面側の溶接入熱が、前記鋼板の下面側の溶接入熱よりも大きいことを特徴とする請求項1または2に記載のサブマージアーク溶接方法。
  4. 前記鋼板の下面側および上面側の溶接を、それぞれ3電極以上かつ1パスで行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のサブマージアーク溶接方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載のサブマージアーク溶接方法で形成されたことを特徴とする溶接継手。
  6. 請求項5に記載の溶接継手を有することを特徴とする鋼管。
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