JPWO2014017114A1 - 赤外線検出装置及び赤外線検出方法 - Google Patents

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Abstract

検出対象物の動き、温度及び静止状態を簡単な構成で検出可能な赤外線検出装置を提供する。
焦電型赤外線センサ(11)、電気信号波形のピーク検出手段(12)、電気信号波形のピーク傾き量検出手段(13)、電気信号波形のピーク値保持手段(14)及び判定手段(15)を含み、センサ(11)は、検出対象物に起因する赤外線の変化に応じた電気信号を出力し、ピーク検出手段(12)は、センサ(11)が出力する電気信号の経時的な波形のピークを検出し、ピーク傾き量検出手段(13)は、ピーク検出手段(12)により検出されたピークの傾き量を検出し、ピーク値保持手段(14)は、ピーク検出手段(12)により検出されたピークにおいて、検出対象物がセンサ(11)の検出領域に進入したときの最初のピーク値を保持し、判定手段(15)は、検出領域への検出対象物の進入及び退出、検出対象物の移動速度及び温度、及び検出領域での検出対象物の移動及び静止を判定する赤外線検出装置。

Description

本発明は、赤外線検出装置及び赤外線検出方法に関する。
省電力化を目的として、例えば、ビル内での温度及びヒトの動きを赤外線センサで検出し、照明及び空調の制御を行うことが実施されている。赤外線センサとしては、常温で動作可能な焦電型赤外線センサがある。ヒトの動きを検出する焦電型赤外線センサとしては、例えば、特許文献1に記載のセンサがあり、空間の温度分布を測定する焦電型赤外線センサとしては、特許文献2に記載のセンサがある。
再公表特許WO2009/130959号公報 特開平5−1954号公報
従来の焦電型赤外線センサでは、焦電体が赤外線を受けた際の温度変化(温度差)に応じた分極変化により生じる表面電荷を電圧に変換することで電気信号を出力する。このため、従来の焦電型赤外線センサでは、電気信号の出力は、焦電体の分極変化が消失するまでの一定時間のみとなり、この結果、例えば、温度自体を検出することができない。このため、ヒトが静止して温度変化が無い場合は、特許文献1等に記載の焦電型赤外線センサでは、ヒトの静止状態を検出できないことになる。ヒトが静止している場合のように温度変化が無い状態を検出するためには、例えば、特許文献2に記載のように、チョッパー機構によりセンサに赤外線を断続的に入射させる必要があるが、これではセンサの構成が複雑になってしまう。
そこで、本発明は、ヒト等の検出対象物の動き及び温度が検出でき、かつ、検出対象物の静止状態を簡単な構成で検出可能な赤外線検出装置及び赤外線検出方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明の赤外線検出装置は、
焦電型赤外線センサ、電気信号波形のピーク検出手段、電気信号波形のピーク傾き量検出手段、電気信号波形のピーク値保持手段、及び、判定手段を含み、
前記焦電型赤外線センサは、検出対象物に起因する赤外線の変化に応じた電気信号を出力し、
前記ピーク検出手段は、前記センサが出力する電気信号の経時的な波形のピークを検出し、
前記ピーク傾き量検出手段は、前記ピーク検出手段により検出されたピークの傾き量を検出し、
前記ピーク値保持手段は、前記ピーク検出手段により検出されたピークにおいて、前記検出対象物が前記センサの検出領域に進入したときの最初のピーク値を保持し、
前記判定手段は、
前記検出されたピークにより、前記センサ領域への前記検出対象物の進入及び退出の少なくとも一方を判定し、
前記ピーク傾き量により前記検出対象物の移動速度及び温度の少なくとも一方を判定し、かつ、
前記保持されたピーク値が、前記最初のピークの傾き量から得られる波形飽和時間において保持されたか否かにより、前記センサの検出領域での検出対象物の移動及び静止の少なくとも一方を判定することを特徴とする。
また、本発明の赤外線検出方法は、
焦電型赤外線センサが出力する検出対象物に起因する赤外線の変化に応じた電気信号の経時的な波形のピークを検出するピーク検出工程と、
前記ピーク検出工程において検出されたピークの傾き量を検出する傾き量検出工程と、
前記ピーク検出工程において検出されたピークにおいて、前記検出対象物が前記センサの検出領域に進入したときの最初のピーク値を保持するピーク値保持工程と、
前記検出されたピークにより、前記センサ領域への前記検出対象物の進入又は退出の少なくとも一方を判定し、
前記ピーク傾き量により前記検出対象物の移動速度又は温度の少なくとも一方を判定し、かつ、
前記保持されたピーク値が、前記最初のピークの傾き量から得られる波形飽和時間において保持されたか否かにより、前記センサの検出領域での検出対象物の移動又は静止の少なくとも一方を判定する判定工程と、を含むことを特徴とする。
本発明によれば、ヒト等の検出対象物の動き及び温度が検出でき、かつ、検出対象物の静止状態を簡単な装置構成で検出可能である。
図1(a)は、本発明の赤外線検出装置の一例を示す構成図であり、図1(b)は、本発明の赤外線検出装置のその他の例を示す構成図である。 図2(a)は、焦電型赤外線センサの構成の一例を示す分解斜視図であり、図2(b)は、図2(a)のI−I方向にみた断面図である。 図3は、本発明の赤外線検出装置による処理の流れの一例を示すフローチャートである。 図4は、焦電型赤外線センサの電気信号の波形の一例を示すグラフである。 図5(a)は、本発明の赤外線検出装置における検出対象物の検出の一例を説明する説明図であり、図5(b)は、前記検出対象物の動きに伴う前記センサの出力波形の一例を示すグラフである。 図6(a)は、焦電型赤外線センサの出力波形の一例を示すグラフであり、図6(b)は、前記出力波形においてピーク値を保持した状態の一例を示すグラフである。
本発明の赤外線検出装置において、前記焦電型赤外線センサが、基板上に複数の焦電型赤外線検出素子をアレイ状に配列したアレイ型センサであることが好ましい。
本発明において、一次元又は二次元の温度分布を検出することが好ましい。
本発明のヒト動作検出装置は、前記本発明の赤外線検出装置を含み、前記検出対象物がヒトであり、前記焦電型赤外線センサが、前記ヒトからの赤外線を検出することで、前記ヒトの動きを検出する。
次に、本発明について例を挙げて説明する。ただし、本発明は、下記の説明により限定及び制限されない。また、図1から図6において、同一部分には同一符号を付している。
図1(a)に、本実施形態の赤外線検出装置の構成を示す。図示のように、本実施形態の赤外線検出装置は、焦電型赤外線センサ11、ピーク検出手段(回路)12、ピーク傾き量検出手段(回路)13、ピーク値保持手段(ピークホールド手段(回路))14及び判定手段(演算回路)15を含む。本実施形態の赤外線検出装置では、センサ11の電気信号が、まず、ピーク検出手段(回路)12に送信され、ピーク検出手段(回路)12により検出されたピークに関し、ピーク傾き量検出手段(回路)13でピーク傾き量が検出され、また、ピーク値保持手段(ピークホールド手段(回路))14で、前記検出対象物が前記センサの検出領域に進入したときの最初のピーク値を保持する。判定手段(演算回路)15では、前記検出されたピークにより、前記センサ領域への前記検出対象物の進入及び退出の少なくとも一方を判定し、前記ピーク傾き量により前記検出対象物の移動速度及び温度の少なくとも一方を判定し、かつ、前記保持されたピーク値が、前記最初のピークの傾き量から得られる波形飽和時間において保持されたか否かにより、前記センサの検出領域での検出対象物の移動及び静止の少なくとも一方を判定する。
本発明の赤外線検出装置において、図1(b)に示すように、信号増幅手段(回路)16及びアナログ/デジタル(A/D)変換手段(回路)17を含んでいることが好ましい。同図に示すように、本実施形態の装置では、センサから出力されたアナログ電気信号が、信号増幅手段(回路)16によって増幅され、増幅されたアナログ信号がA/D変換手段(回路)17によってデジタル信号に変換され、変換されたデジタル信号がピーク検出手段(回路)12に送信され、これ以降は、図1(a)に示す装置と同じである。
焦電型赤外線センサ11の構成の一例を図2に示す。図2(a)は、センサの分解斜視図であり、図2(b)は、図2(a)のI−I方向に見た断面図である。図2に示すように、本例のセンサは、基板101の上に、赤外線検出素子102が配置され、赤外線検出素子102の上に、光学フィルタ103が配置され、光学フィルタ103の上に光学回析レンズ104が配置されることによって構成されている。基板101は、例えば、シリコン基板及びガラス基板である。赤外線検出素子102は、例えば、焦電効果を有する焦電体セラミックス又は単結晶である。赤外線検出素子102は、例えば、基板101の上に製膜プロセス又は貼り付け等によって形成もしくは配置されて一体接合され、電気的接続のための電極及び配線を形成した後、封止(パッケージ)される。光学フィルタ103は、例えば、赤外線のみを透過する赤外線フィルタである。光学回析レンズ104は、例えば、フルネルレンズであり、フルネルレンズの使用により、広い視野角を確保できる。前述のように、焦電型赤外線センサでは、赤外線の変化による温度差によって焦電体に表面電荷が生じ、この表面電荷を電圧信号に変換して出力する。したがって、焦電型赤外線センサでは、赤外線の入射があっても、赤外線の入射に変化が無ければ、電気信号が出力されない。
図3のフローチャートに、本実施形態の赤外線検出装置による処理を示す。まず、待機状態(S1)から、センサからの信号を検出したかが判断される(S2)。信号が検出されない場合(No)は、再び待機状態(S1)に戻るが、信号が検出された場合(Yes)は、ピーク検出手段によりピークの検出を行う(S3)。そして、検出されたピークに対し、傾き量が検出され(S41)、センサの検出領域に検出対象物が最初に進入した時のピーク値の保持(ピークホールド)を行う(S42)。そして、検出されたピーク、ピーク傾き量及びピーク値の保持により、判定手段において、検出対象物のセンサの検出領域への進入及び退出の少なくとも一方、検出対象物の移動速度及び温度の少なくとも一方、検出対象物の静止及び移動の少なくとも一方のそれぞれが判定される(S5)。判定結果は、ディスプレイ等に出力されて、再び、待機状態に戻る(S1)。なお、電気信号の波形による判断の詳細は後述する。
図4のグラフに、焦電型赤外線センサの出力波形の一例を示す。図4のグラフにおいて、横軸が時間を示し、縦軸がセンサ出力電圧を示す。また、図4のグラフにおいて、Yは、赤外線の変化が無い場合の電圧を示し、Yは、出力があった場合のピークの電圧を示し、Xは、出力開始時刻を示し、Xは、出力のピークの時刻を示す。本実施形態の赤外線検出装置は、検出対象をセンサが検知した際の出力電圧波形のピーク値401をホールドする機能と、ピークの傾き量402(同図においては、角度θ)を検出する機能をもつ。図4のグラフにおいて、センサ出力値のピークに至るまでの時間403は、焦電型赤外線センサによって決まる固有値である。よって、傾き量402から、センサへ入射する赤外線のエネルギー量が分かる。このため、検出対象物の動作に伴った出力電圧の傾き量から、温度の高い又は低い、及び、移動速度の速い又は遅い、を検出することが可能である。なお、温度と距離で出力が異なるため、距離が一定であれば、ある温度を持った検出対象物の移動速度によって生じる出力電圧の傾き量を校正値と比較することで、移動速度を、例えば、時速Akm/hのように定量的に検出することが可能である。また、移動速度及び距離が一定であれば、検出対象物の移動に伴う温度変化によって生じる出力電圧波形のピーク値から、校正値と比較することで、温度を、例えば、B℃のように定量的に検出することが可能である。なお、図4では、ピークの傾き量402は、角度θで表しているが、本発明は、これに限定されず、例えば、ピークの傾き量は、微分値であってもよい。ピークの傾き量402は、例えば、出力波形の立ち上がりの接線の傾き、又は立ち上がり開始点とピーク値を結んだ直線の傾きとして検出する。また、焦電型赤外線センサの出力波形が飽和するまでの時間は傾き量(入射するエネルギー量)によって決まる。これから出力波形の飽和により、検出対象物が検知範囲内で静止したか、通過したかを判別することが可能である。静止状態の判断の詳細は、後述する。
次に、図5に基づき、検出対象物がセンサの検出領域に進入してから退出するまでのセンサが出力する電気信号の波形と、検出対象物の動きの関係について説明する。図5(a)において、501が検出対象物であり、502の矢印が、検出対象物501の移動方向を示し、503がセンサの検出領域を示す。図5(b)のグラフにおいて、横軸が時間を示し、縦軸がセンサの出力電圧を示し、Xが検出対象物501の検出領域503への進入した時刻を示し、Xが検出対象物501の検出領域503からの退出した時刻を示し、Yが、赤外線の変化がないときのセンサの出力電圧を示し、Yが、検出対象物501が検出領域503に進入した際の最初のピークの出力電圧を示し、Y−1が、検出対象物501が検出領域503から退出した際のピークの出力電圧を示す。そして、図5(a)及び(b)の両図において、504は、検出対象物501が検出領域503に進入する前の時間を示し、505は、検出対象物501が検出領域503に存在している時間を示し、506は、検出対象物501が検出領域503から退出した後の時間を示す。
検出対象物501が本実施形態の赤外線検出装置の検出領域(範囲)503の外側にいるとき(504)は、信号出力はない。検出対象物501が検出領域503の中に移動したとき、本実施形態の赤外線検出装置は、検出対象物501と周囲との温度差に応じた出力電圧を発生する。この時の出力のピークにより、検出対象物501の検出領域503への進入を判断し、かつ、このピーク値を保持する。この時、検出対象物501が検出領域503の中で静止した場合、従来のセンサでは分極変化の時間経過による消失からセンサ出力が得られず、検出領域外にいたときと同様の平衡状態に戻る。しかし、本発明では検出対象501が検出領域503の中に静止している間、ピーク値を保持するため、検出対象物が次の動作をするまでの間、ピーク傾き量から得られる飽和時間でピークが保持されることで、検出領域内に存在することを検知し続けることが可能である。また、センサ出力のピーク値が飽和時間に至る前に減衰する場合、検出対象物501は検出領域503内で静止することなく通過したことを意味する。次に、検出対象物501が検出領域503の外に退出したとき、センサ出力からは検出対象物501の温度と周囲温度の温度差に応じた進入とは逆向きの出力が発生し、このピークを検出することにより、検出対象物501の検出領域503からの退出を判断する。このように、本発明では、ピークから検出対象物の検出領域への進入又は退出を判断するとともに、検出領域内での静止状態も判断することが可能であり、しかも、静止状態の判断は、チョッパー機構等の特別の装置を必要としない。静止状態の判断の仕方は、次のとおりである。すなわち、検出対象物501が検出領域503に進入した際、センサ出力波形は、センサに固有のピーク傾き量で出力する。また、退出時も同様であるが、センサ出力波形としては反対の動作を示す。検出対象物501が検出領域503内で静止する場合は、進入のみが検知される。進入時の出力波形のピーク値を退出時の出力波形のピークを検出するまで保持し続けるため、静止状態を判断することができる。
図6(a)にセンサの出力波形のグラフを示し、図6(b)に前記出力波形のピーク値を保持したグラフを示す。図6(a)及び(b)の双方において、横軸が時間であり、縦軸が出力電圧であり、Xが、検出対象物501の検出領域503への進入した時刻を示し、Xが、波形が飽和する時刻を示し、601が、波形が飽和するまでの時間を示し、Yが、赤外線の変化がないときのセンサの出力電圧を示し、Yが、検出対象物501が検出領域503に進入した際の最初のピークの出力電圧を示す。焦電型赤外線センサは、周囲温度と検出対象物との温度差に応じたセンサ信号を出力し、センサの出力信号は、温度差のプラス、マイナスによって出力波形が反転する。このため、温度差の反転から、検出対象物のセンサ検出領域への進入と退出の区別が可能となり、これにより、センサ検出領域に検出対象物が進入した際の最初のピーク値を保持することで、本発明では、検出領域内に検出対象物が存在するときの状態を検出することができる。
次に、本発明の実施例について説明する。
(実施例1)
正方形型の焦電体セラミックス(縦10mm×横10mm×厚み90μm)の上下主面に厚み5μmの電極層を形成して赤外線検出素子を作成した。この赤外線検出素子をMgO基板(縦10mm×横10mm×厚み100μm)の上に配置し、かつ、赤外線検出素子の上に赤外線フィルタ(Siフィルタ)を配置して、焦電型赤外線センサを作製した。
前記焦電型赤外線センサを用い、移動速度が異なる下記の検出対象物の赤外線の変化を検出し、前記センサの検出領域に進入した際の最初のピークの傾き量(規格値)を検出した。その結果を、下記の表1に示す。なお、「規格値」とは、検出対象物1のピークの傾き量を基準(1)としたときの検出対象物2及び3の相対比である。
検出対象物1:前記センサの検出領域に36.5℃の人体(検出対象物)が時速3キロメートルで進入する
検出対象物2:前記検出対象物が前記センサの検出領域に時速5キロメートルで進入する
検出対象物3:前記検出対象物が前記センサの検出領域に時速7キロメートルで進入する
Figure 2014017114
前記表1からわかるように、移動速度に応じて、ピークの傾き量が大きくなった。この結果から、本発明において、検出対象物の移動速度を判定できると言える。
(実施例2)
前記実施例1と同じ焦電型赤外線センサを用い、温度が異なる下記の検出対象物の赤外線の変化を検出し、前記センサの検出領域に進入した際の最初のピークの傾き量(規格値)を検出した。その結果を、下記の表2に示す。
検出対象物1:前記センサの検出領域に35.0℃の人体(検出対象物)が時速5キロメートルで進入する
検出対象物2:前記センサの検出領域に36.0℃の人体(検出対象物)が前記と同じ速度で進入する
検出対象物3:前記センサの検出領域に36.5℃の人体(検出対象物)が前記と同じ速度で進入する
Figure 2014017114
前記表2からわかるように、温度に応じて、ピークの傾き量が大きくなった。この結果から、本発明において、検出対象物の温度を判定できると言える。
(実施例3)
前記実施例1と同じ焦電型赤外線センサを用い、36.5℃の人体(検出対象物)が時速3キロメートルで前記センサの検出領域内に進入し、5秒間検出領域内で静止し、再び時速3キロメートルで前記センサの検出領域外に退出していく、という一連の動きを検出した。具体的には、前記センサの波形において、前記検出対象物が前記センサの検出領域内に進入した際の最初のピーク値を、波形飽和時間で保持した。その結果を下記の表3に示す。
Figure 2014017114
前記表3に示すように、検出開始点(0秒)においては、ピークは検出されなかったが、検出開始から1秒後に最初のピークを観察し、これにより検出対象物がセンサの検出領域内に進入したことが検出できた。その後、検出開始から2〜7秒の間、前記ピーク値を保持した結果、検出対象物が静止状態であることが判断できた。そして、検出開始8秒後において、反転したピークを検出し、これにより、検出対象物がセンサの検出領域から退出したことが判断できた。本実施例からわかるように、本発明では、検出対象物のセンサの検出領域内に進入した際の最初のピーク値を保持することにより、検出対象物の静止状態が検出できる。
以上、実施形態及び実施例を参照して本願発明を説明したが、本願発明は、上記実施形態及び実施例に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解しうる様々な変更をすることができる。
この出願は、2012年7月25日に出願された日本出願特願2012−165082を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
11 焦電型赤外線センサ、12 ピーク検出手段、13 ピーク傾き量検出手段、14 ピーク値保持手段、15 判定手段、16 信号増幅手段、17 A/D変換手段、101 基板、102 赤外線検出素子(焦電体)、103 光学フィルタ、104 光学回折レンズ、401 ピーク、402 傾き量、403 時間、501 検出対象物、502 移動方向、503 センサの検出領域、504 時間、505 時間、506 時間、601 時間

Claims (5)

  1. 焦電型赤外線センサ、電気信号波形のピーク検出手段、電気信号波形のピーク傾き量検出手段、電気信号波形のピーク値保持手段、及び、判定手段を含み、
    前記焦電型赤外線センサは、検出対象物に起因する赤外線の変化に応じた電気信号を出力し、
    前記ピーク検出手段は、前記センサが出力する電気信号の経時的な波形のピークを検出し、
    前記ピーク傾き量検出手段は、前記ピーク検出手段により検出されたピークの傾き量を検出し、
    前記ピーク値保持手段は、前記ピーク検出手段により検出されたピークにおいて、前記検出対象物が前記センサの検出領域に進入したときの最初のピーク値を保持し、
    前記判定手段は、
    前記検出されたピークにより、前記センサ領域への前記検出対象物の進入及び退出の少なくとも一方を判定し、
    前記ピーク傾き量により前記検出対象物の移動速度及び温度の少なくとも一方を判定し、かつ、
    前記保持されたピーク値が、前記最初のピークの傾き量から得られる波形飽和時間において保持されたか否かにより、前記センサの検出領域での検出対象物の移動及び静止の少なくとも一方を判定する、
    赤外線検出装置。
  2. 前記焦電型赤外線センサが、基板上に複数の焦電型赤外線検出素子をアレイ状に配列したアレイ型センサである請求項1記載の赤外線検出装置。
  3. 一次元又は二次元の温度分布を検出する請求項1又は2記載の赤外線検出装置。
  4. 請求項1から3のいずれか一項に記載の赤外線検出装置を含み、
    前記検出対象物がヒトであり、前記焦電型赤外線センサが、前記ヒトからの赤外線を検出することで、前記ヒトの動きを検出するヒト動作検出装置。
  5. 焦電型赤外線センサが出力する検出対象物に起因する赤外線の変化に応じた電気信号の経時的な波形のピークを検出するピーク検出工程と、
    前記ピーク検出工程において検出されたピークの傾き量を検出する傾き量検出工程と、
    前記ピーク検出工程において検出されたピークにおいて、前記検出対象物が前記センサの検出領域に進入したときの最初のピーク値を保持するピーク値保持工程と、
    前記検出されたピークにより、前記センサ領域への前記検出対象物の進入及び退出の少なくとも一方を判定し、
    前記ピーク傾き量により前記検出対象物の移動速度及び温度の少なくとも一方を判定し、かつ、
    前記保持されたピーク値が、前記最初のピークの傾き量から得られる波形飽和時間において保持されたか否かにより、前記センサの検出領域での検出対象物の移動及び静止の少なくとも一方を判定する判定工程と、を含む赤外線検出方法。
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