JPWO2013190940A1 - 太陽電池封止材および太陽電池モジュール - Google Patents

太陽電池封止材および太陽電池モジュール Download PDF

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Abstract

本発明の太陽電池封止材は、エチレン・α−オレフィン共重合体、有機過酸化物、および紫外線吸収剤を含み、前記紫外線吸収剤が、下記一般式(1)あるいは(2)で表されるベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤である。
【化1】
Figure 2013190940

(式中、Rは、水素原子、または炭素数1〜6のアルキル基、を表し、R〜Rは、同一であっても異なっていてもよく、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、水酸基、炭素数1〜22のアルコキシ基、または炭素数1〜22のアルキルオキシカルボニル基、を表す。)
【化2】
Figure 2013190940

(式中、Rは前述の置換基を表し、R〜Rは、同一であっても異なっていてもよく、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、水酸基、炭素数1〜22のアルコキシ基、または炭素数1〜22のアルキルオキシカルボニル基を表す。)

Description

本発明は、太陽電池封止材および太陽電池モジュールに関する。
地球環境問題、エネルギー問題などが深刻さを増す中、クリーンかつ枯渇のおそれが無いエネルギー生成手段として太陽電池が注目されている。太陽電池を建物の屋根部分などの屋外で使用する場合、太陽電池モジュールの形で使用することが一般的である。
上記の太陽電池モジュールは、一般に、以下の手順によって製造される。まず、多結晶シリコン、単結晶形シリコンなどにより形成される結晶型太陽電池素子(以下、発電素子あるいはセルと表記する。)、あるいはアモルファスシリコンや結晶シリコンなどを、ガラスなどの基板の上に数μmの非常に薄い膜を形成して得られる薄膜型太陽電池素子などを製造する。
次に、結晶型太陽電池モジュールを得るには、太陽電池モジュール用保護シート(表面側透明保護部材)/太陽電池封止材/結晶型太陽電池素子/太陽電池封止材/太陽電池モジュール用保護シート(裏面側保護部材)の順に積層する。
一方、薄膜型太陽電池モジュールを得るには、薄膜型太陽電池素子/太陽電池封止材/太陽電池モジュール用保護シート(裏面側保護部材)の順に積層する。その後、これらを真空吸引して加熱圧着するラミネーション法などを利用することにより、太陽電池モジュールが製造される。このようにして製造される太陽電池モジュールは、耐候性を有し、建物の屋根部分などの屋外での使用にも適したものとなっている。
太陽電池封止材として、エチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)膜は、透明性、柔軟性、および接着性などに優れていることから、広く用いられている。中でも、優れた紫外線カット性を長期間に亘り維持することができる太陽電池封止膜として、エチレン・酢酸ビニル共重合体と、有機過酸化物とベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤からなる太陽電池封止膜が提案されている(特許文献1参照)。しかしながら、EVA組成物を太陽電池封止材の構成材料として使用する場合、EVAが分解して発生する酢酸ガスなどの成分が、太陽電池素子に影響を与える可能性が懸念されていた。
これに対して、エチレン・α−オレフィン共重合体と、有機過酸化物と、シランカップリング剤とからなる太陽電池封止材用樹脂組成物が提案されている(例えば、特許文献2参照)。この太陽電池封止材用樹脂組成物は、耐熱性、透明性、柔軟性およびガラス基板への接着性に優れるとされている。
また、太陽電池素子の開発も活発に行われており、300〜700nm付近の短波長領域の光を吸収するアモルファスシリコンと、400〜1300nm付近の長波長領域の光を吸収する結晶型シリコンを積層したタンデム型太陽電池素子が高変換効率な太陽電池素子として市場に流通している。
特開2011−201928号公報 国際公開第2010/114028号パンフレット
しかしながら、本発明者らは、特許文献2に記載された太陽電池封止材用樹脂組成物は、接着性は十分であるが、耐候性が不十分であり、とくに波長500nm付近の透明性が劣り、タンデム型太陽電池モジュールでは、変換効率の向上に寄与できない傾向にあることを見出した。
したがって、本発明は、耐候性に優れ、長時間の紫外線照射後にも光透過性を維持する太陽電池封止材を提供することを課題とする。
本発明者らは、耐候性について鋭意検討を重ねた。その結果、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を含有するエチレン ・α−オレフィン共重合体からなる太陽電池封止材が、耐候性に優れ、長時間の紫外線照射後にも光透過性を維持することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明によれば、以下に示す太陽電池封止材が提供される。
[1]
エチレン ・α−オレフィン共重合体、有機過酸化物、および紫外線吸収剤を含む太陽電池封止材であって、
前記紫外線吸収剤が、下記一般式(1)あるいは(2)で表されるベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤であることを特徴とする太陽電池封止材。
Figure 2013190940
・・・(1)
(式中、Rは、水素原子、または炭素数 1〜6のアルキル基、を表し、R〜Rは、同一であっても異なっていてもよく、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、水酸基、炭素数1〜22のアルコキシ基、または炭素数1〜22のアルキルオキシカルボニル基、を表す。)
Figure 2013190940
・・・(2)
(式中、Rは、水素原子、または炭素数1〜6のアルキル基、を表し、R〜Rは、同一であっても異なっていてもよく、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、水酸基、炭素数1〜22のアルコキシ基、または炭素数1〜22のアルキルオキシカルボニル基を表す。)
[2]
上記一般式(1)において、Rが水素原子を表し、R〜Rが、相互に異なることを特徴とする[1]に記載の太陽電池封止材。
[3]
上記一般式(2)において、Rが水素原子を表し、RとRが、同一であり、RとRが、同一であることを特徴とする[1]または[2]に記載の太陽電池封止材。
[4]
太陽電池封止材中の上記紫外線吸収剤の含有量が、上記エチレン・α−オレフィン共重合体100重量部に対して0.05〜5.0重量部である、[1]〜[3]のいずれか一つに記載の太陽電池封止材。
[5]
上記エチレン・α−オレフィン共重合体が、以下の要件a1)〜a4)を満たす[1]〜[4]のいずれか一つに記載の太陽電池封止材。
a1)エチレンに由来する構成単位の含有割合が80〜90mol%であり、炭素数3〜20のα−オレフィンに由来する構成単位の含有割合が10〜20mol%である。
a2)ASTM D1238に準拠し、190℃、2.16kg荷重の条件で測定されるMFRが10〜50g/10分である。
a3)ASTM D1505に準拠して測定される密度が0.865〜0.884g/cmである。
a4)ASTM D2240に準拠して測定されるショアA硬度が60〜85である。
[6]
ASTM D1238に準拠し、190℃、2.16kg荷重の条件で測定される上記エチレン・α−オレフィン共重合体のMFRが、10〜27g/10分である、[1]〜[5]のいずれか一つに記載の太陽電池封止材。
[7]
上記有機過酸化物の1分間半減期温度が100〜170℃であり、かつ上記有機過酸化物の含有量が、上記エチレン・α−オレフィン共重合体100重量部に対して0.1〜3重量部である、[1]〜[6]のいずれか一つに記載の太陽電池封止材。
[8]
シランカップリング剤をさらに含み、
上記シランカップリング剤の含有量が、上記エチレン・α−オレフィン共重合体100重量部に対して0.1〜5重量部である、[1]〜[7]のいずれか一つに記載の太陽電池封止材。
[9]
ヒンダードフェノール系安定剤をさらに含み、
上記ヒンダードフェノール系安定剤の含有量が、上記エチレン・α−オレフィン共重合体100重量部に対して0.005〜0.1重量部である、[1]〜[8]のいずれか一つに記載の太陽電池封止材。
[10]
ヒンダードアミン系光安定剤をさらに含み、
上記ヒンダードアミン系光安定剤の含有量が、上記エチレン・α−オレフィン共重合体100重量部に対して0.01〜2.0重量部である、[1]〜[9]のいずれか一つに記載の太陽電池封止材。
[11]
リン系安定剤をさらに含み、
上記リン系安定剤の含有量が、上記エチレン・α−オレフィン共重合体100重量部に対して0.005〜0.5重量部である、[1]〜[10]のいずれか一つに記載の太陽電池封止材。
[12]
架橋助剤をさらに含み、
上記架橋助剤の含有量が、上記エチレン・α−オレフィン共重合体100重量部に対して0.05〜5重量部である、[1]〜[11]のいずれか一つに記載の太陽電池封止材。
[13]
上記エチレン・α−オレフィン共重合体と、上記有機過酸化物と、上記紫外線吸収剤とを溶融混錬後、シート状に押出成形して得られる、[1]〜[12]のいずれか一つに記載の太陽電池封止材。
[14]
シート状である、[1]〜[13]のいずれか一つに記載の太陽電池封止材。
[15]
表面側透明保護部材と、
裏面側保護部材と、
太陽電池素子と、
[1]〜[14]のいずれか一つに記載の太陽電池封止材を架橋させて形成された、上記太陽電池素子を上記表面側透明保護部材と上記裏面側保護部材との間に封止する封止層と、を備えた太陽電池モジュール。
[16]
上記太陽電池素子が、結晶シリコンとアモルファスシリコンを積層してなる[15]に記載の太陽電池モジュール。
本発明によれば、耐候性に優れ、長時間の紫外線照射後にも光透過性を維持する太陽電池封止材を提供することができる。
本発明によれば、この様な太陽電池封止材を用いることで、上記の諸特性が優れることに加え、太陽電池の外観を損なうこともなく、コストなどの経済性に優れた太陽電池モジュールを提供することができる。
本発明の太陽電池封止材は、結晶型太陽電池モジュール、薄膜型太陽電池モジュール、タンデム型太陽電池モジュールの全てにおいて用いることができるが、特に、タンデム型太陽電池素子においては変換効率の向上を妨げることなくコストなどの経済性に優れた太陽電池モジュールを提供することができる。
上述した目的、およびその他の目的、特徴および利点は、以下に述べる好適な実施形態、およびそれに付随する以下の図面によってさらに明らかになる。
本発明の太陽電池モジュールの一実施形態を模式的に示す断面図である。 太陽電池素子の受光面と裏面の一構成例を模式的に示す平面図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いながら説明する。なお、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。また、「〜」はとくに断りがなければ、以上から以下を表す。
1.太陽電池封止材について
(エチレン・α−オレフィン共重合体)
本実施形態の太陽電池封止材に用いられるエチレン・α−オレフィン共重合体は、エチレンと、炭素数3〜20のα−オレフィンとを共重合することによって得られる。α−オレフィンとしては、通常、炭素数3〜20のα−オレフィンを1種類単独でまたは2種類以上を組み合わせて用いることができる。炭素数3〜20のα−オレフィンとしては、直鎖状または分岐状のα−オレフィン、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、3−メチル−1−ブテン、3,3−ジメチル−1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセンなどを挙げることができる。中でも好ましいのは、炭素数が10以下であるα−オレフィンであり、とくに好ましいのは炭素数が3〜8のα−オレフィンである。入手の容易さからプロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテンおよび1−オクテンが好ましい。
なお、エチレン・α−オレフィン共重合体はランダム共重合体であっても、ブロック共重合体であってもよいが、柔軟性の観点からランダム共重合体が好ましい。
さらに、本実施形態の太陽電池封止材に用いられるエチレン・α−オレフィン共重合体は、エチレンと、炭素数3〜20のα−オレフィンと非共役ポリエンからなる共重合体であってもよい。α−オレフィンは前述と同様であって、非共役ポリエンとしては、5−エチリデン−2−ノルボルネン(ENB)、5−ビニル−2−ノルボルネン(VNB)、ジシクロペンタジエン(DCPD)などが挙げられる。これら非共役ポリエンを1種単独、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
本実施形態の太陽電池封止材に用いられるエチレン・α−オレフィン共重合体は、芳香族ビニル化合物、例えば、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、o,p−ジメチルスチレン、メトキシスチレン、ビニル安息香酸、ビニル安息香酸メチル、ビニルベンジルアセテート、ヒドロキシスチレン、p−クロロスチレン、ジビニルベンゼンなどのスチレン類;3−フェニルプロピレン、4−フェニルプロピレン、α−メチルスチレン、炭素数が3〜20の環状オレフィン類、例えば、シクロペンテン、シクロヘプテン、ノルボルネン、5−メチル−2−ノルボルネン、などを併用してもよい。
本実施形態の太陽電池封止材は、以下の要件a1〜a4をさらに満たすことが好ましい。
(要件a1)
エチレン・α−オレフィン共重合体に含まれる、エチレンに由来する構成単位の含有割合は、好ましくは80〜90mol%であり、より好ましくは80〜88mol%、さらに好ましくは82〜88mol%、とくに好ましくは82〜87mol%である。エチレン・α−オレフィン共重合体に含まれる、炭素数3〜20のα−オレフィンに由来する構成単位(以下、「α−オレフィン単位」とも記す)の含有割合は、好ましくは10〜20mol%であり、より好ましくは12〜20mol%、さらに好ましくは12〜18mol%、とくに好ましくは13〜18mol%である。
エチレン・α−オレフィン共重合体に含まれるα−オレフィン単位の含有割合が10mol%以上であると、高い透明性が得られる。また、低温での押出成形を容易に行うことができ、例えば130℃以下での押出成形が可能である。このため、エチレン・α−オレフィン共重合体に有機過酸化物を練り込む場合においても、押出機内での架橋反応が進行することが抑制でき、太陽電池封止材のシートにゲル状の異物が発生して、シートの外観が悪化するのを防ぐことができる。また、適度な柔軟性が得られるため、太陽電池モジュールのラミネート成形時に太陽電池素子の割れや、薄膜電極のカケなどの発生を防ぐことができる。
エチレン・α−オレフィン共重合体に含まれるα−オレフィン単位の含有割合が20mol%以下であると、エチレン・α−オレフィン共重合体の結晶化速度が適度になるため、押出機より押し出されたシートがベタつかず、冷却ロールでの剥離が容易であり、シート状の太陽電池封止材のシートを効率的に得ることができる。また、シートにベタツキが発生しないのでブロッキングを防止でき、シートの繰り出し性が良好になる。また、耐熱性の低下を防ぐこともできる。
(要件a2)
ASTM D1238に準拠し、190℃、2.16kg荷重の条件で測定されるエチレン・α−オレフィン共重合体のメルトフローレ−ト(MFR)は、通常0.1〜50g/10分であり、好ましくは2〜50g/10分であり、より好ましくは10〜50g/10分であり、さらに好ましくは10〜40g/10分、特に好ましくは12〜27g/10分、最も好ましくは15〜25g/10分である。エチレン・α−オレフィン共重合体のMFRは、後述する重合反応の際の重合温度、重合圧力、並びに重合系内のエチレンおよびα−オレフィンのモノマー濃度と水素濃度のモル比率などを調整することにより、調整することができる。
(カレンダー成形)
MFRが0.1g/10分以上10g/10分未満であると、カレンダー成形によってシートを製造することができる。MFRが0.1g/10分以上10g/10分未満であると、エチレン・α−オレフィン共重合体を含む樹脂組成物の流動性が低いため、シートを太陽電池素子とラミネートする際にはみ出した溶融樹脂によるラミネート装置の汚れを防止できる点で好ましい。
(押出成形)
さらに、MFRが2g/10分以上、好ましくはMFRが10g/10分以上であると、エチレン・α−オレフィン共重合体を含む樹脂組成物の流動性が向上し、シート押出成形時の生産性を向上させることができる。
MFRが50g/10分以下であると、分子量が大きくなるため、チルロールなどのロール面への付着を抑制できるため、剥離を不要とし、均一な厚みのシートに成形することができる。さらに、「コシ」がある樹脂組成物となるため、0.1mm以上の厚いシートを容易に成形することができる。また、太陽電池モジュールのラミネート成形時の架橋特性が向上するため、十分に架橋させて、耐熱性の低下を抑制することができる。
MFRが27g/10分以下であると、さらに、シート成形時のドローダウンを抑制でき幅の広いシートを成形でき、また架橋特性および耐熱性がさらに向上し、最も良好な太陽電池封止材シートを得ることができる。
なお後述する太陽電池モジュールのラミネート工程において樹脂組成物の架橋処理を行わない場合は、溶融押出工程において有機過酸化物の分解の影響が小さいため、MFRが0.1g/10分以上10g/10分未満、好ましくは0.5g/10分以上8.5g/10分未満の樹脂組成物を用い、押出成形によってシートを得ることもできる。樹脂組成物の有機過酸化物含有量が0.15重量部以下である場合には、MFRが0.1g/10分以上10g/10分未満の樹脂組成物を用い、シラン変性処理、または微架橋処理を行いつつ170〜250℃の成形温度で押出成形によってシートを製造することもできる。MFRがこの範囲にあるとシートを太陽電池素子とラミネートする際にはみ出した溶融樹脂によるラミネート装置の汚れを防止できる点で好ましい。
(要件a3)
ASTM D1505に準拠して測定されるエチレン・α−オレフィン共重合体の密度は好ましくは0.865〜0.884g/cmであり、より好ましくは0.866〜0.883g/cm、さらに好ましくは0.866〜0.880g/cm、とくに好ましくは0.867〜0.880g/cmである。エチレン・α−オレフィン共重合体の密度は、エチレン単位の含有割合とα−オレフィン単位の含有割合とのバランスにより調整することができる。すなわち、エチレン単位の含有割合を高くすると結晶性が高くなり、密度の高いエチレン・α−オレフィン共重合体を得ることができる。一方、エチレン単位の含有割合を低くすると結晶性が低くなり、密度の低いエチレン・α−オレフィン共重合体を得ることができる。
エチレン・α−オレフィン共重合体の密度が0.884g/cm以下であると、結晶性が低くなり、透明性を高くすることができる。さらに、低温での押出成形が容易となり、例えば130℃以下で押出成形を行うことができる。このため、エチレン・α−オレフィン共重合体に有機過酸化物を練り込んでも、押出機内での架橋反応が進行するのを防ぎ、太陽電池封止材のシートにゲル状の異物の発生を抑制し、シートの外観の悪化を抑制することもできる。また、柔軟性が高いため、太陽電池モジュールのラミネート成形時に太陽電池素子であるセルの割れや薄膜電極のカケなどの発生を防ぐことができる。
一方、エチレン・α−オレフィン共重合体の密度が0.865g/cm以上であると、エチレン・α−オレフィン共重合体の結晶化速度を速くできるため、押出機より押し出されたシートがベタつきにくく、冷却ロールでの剥離が容易になり、太陽電池封止材のシートを容易に得ることができる。また、シートにベタツキが発生しにくくなるのでブロッキングの発生を抑制し、シートの繰り出し性を向上させることができる。また、十分に架橋させられるため、耐熱性の低下を抑制することができる。
(要件a4)
ASTM D2240に準拠して測定される、エチレン・α−オレフィン共重合体のショアA硬度は好ましくは60〜85であり、より好ましくは62〜83、さらに好ましくは62〜80、とくに好ましくは65〜80である。エチレン・α−オレフィン共重合体のショアA硬度は、エチレン・α−オレフィン共重合体のエチレン単位の含有割合や密度を上述の数値範囲に制御することにより、調整することができる。すなわち、エチレン単位の含有割合が高く、密度が高いエチレン・α−オレフィン共重合体は、ショアA硬度が高くなる。一方、エチレン単位の含有割合が低く、密度が低いエチレン・α−オレフィン共重合体は、ショアA硬度が低くなる。
ショアA硬度が60以上であると、エチレン・α−オレフィン共重合体がベタつきにくくなり、ブロッキングを抑制できる。また、太陽電池封止材をシート状に加工する際は、シートの繰り出し性を向上させることもでき、耐熱性の低下も抑制できる。
一方、ショアA硬度が85以下であると、結晶性が低くなり、透明性を高くすることができる。さらに、柔軟性が高いため、太陽電池モジュールのラミネート成形時に太陽電池素子であるセルの割れや、薄膜電極のカケなどを防ぐことができる。
さらに、本実施形態の太陽電池封止材は、以下の要件をさらに満たすことも好ましい態様である。
(融解ピーク)
エチレン・α−オレフィン共重合体の、示差走査熱量測定(DSC)に基づく融解ピークは30〜90℃の範囲に存在することが好ましく、33〜90℃の範囲に存在することがさらに好ましく、33〜88℃の範囲に存在することがとくに好ましい。融解ピークが90℃以下であると、結晶化度が低くなり、得られる太陽電池封止材の柔軟性が高まるため、太陽電池モジュールをラミネート成形する際に、セルの割れや薄膜電極のカケの発生を防止することができる。一方、融解ピークが30℃以上であると、樹脂組成物の柔軟性を適度に高くできるため、押出成形にて太陽電池封止材シートを容易に得ることができる。また、シートのベタつきによるブロッキングを防止して、シートの繰り出し性の悪化を抑制することができる。
(体積固有抵抗)
本実施形態の太陽電池封止材は、JIS K6911に準拠し、温度100℃、印加電圧500Vで測定される体積固有抵抗が1.0×1013〜1.0×1018Ω・cmであることが好ましい。体積固有抵抗が大きい太陽電池封止材は、PID現象の発生を抑制するという特性を有する傾向にある。さらに、太陽光が照射される時間帯には、従来の太陽電池モジュールではモジュール温度が例えば70℃以上になることがあるので、長期信頼性の観点から、従来報告されている常温(23℃)での体積固有抵抗より高温条件下での体積固有抵抗が求められており、温度100℃での体積固有抵抗が重要となる。
JIS K6911に準拠し、温度100℃、印加電圧500Vで測定される体積固有抵抗(以下、単に「体積固有抵抗」ともいう。)は、より好ましくは1.0×1014〜1.0×1018Ω・cm、さらに好ましくは5.0×1014〜1.0×1018Ω・cm、とくに好ましくは1.0×1015〜1.0×1018Ω・cmである。体積固有抵抗が1.0×1013Ω・cm以上であると、85℃,85%rhでの恒温恒湿試験において1日程度の短期間におけるPID現象の発生も抑制することができる。体積固有抵抗が、1.0×1018Ω・cm以下であると、シートに静電気が発生しにくくなるので、ゴミの吸着を防ぐことができ、太陽電池モジュール内にゴミが混入して、発電効率や長期信頼性の低下を招くことを抑制することができる。
なお、体積固有抵抗が、5.0×1014Ω・cm以上であると、85℃,85%rhでの恒温恒湿試験においてPID現象の発生がさらに長期化できる傾向にあり、望ましい。体積固有抵抗は、封止材シートに成形した後、真空ラミネーター、熱プレス、架橋炉などで架橋および平坦なシートに加工された後に測定される。また、モジュール積層体中のシートは、他の層を除去して測定する。
(アルミニウム元素の含有量)
エチレン・α−オレフィン共重合体に含まれる、アルミニウム元素(以下、「Al」とも記す)の含有量が好ましくは10〜500ppmであり、より好ましくは20〜400ppm、さらに好ましくは20〜300ppmである。Al含有量は、エチレン・α−オレフィン共重合体の重合過程において添加する有機アルミニウムオキシ化合物や有機アルミニウム化合物の濃度に依存する。
Al含有量が10ppm以上の場合は、エチレン・α−オレフィン共重合体の重合過程において添加された有機アルミニウムオキシ化合物や有機アルミニウム化合物が、メタロセン化合物の活性が十分発現させられる程度の濃度で添加できるので、メタロセン化合物と反応してイオン対を形成する化合物の添加が不要となる。該イオン対を形成する化合物が添加される場合、該イオン対を形成する化合物がエチレン・α−オレフィン共重合体中に残留することにより、電気特性の低下を起こすことがある(例えば100℃などの高温での電気特性が低下する傾向にある)が、こうした現象を防ぐことが可能である。また、Al含有量を少なくするためには、酸やアルカリでの脱灰処理が必要となり、得られるエチレン・α−オレフィン共重合体中に残留する酸やアルカリが電極の腐食を起こす傾向にあり、脱灰処理を施すために、エチレン・α−オレフィン共重合体のコストも高くなるが、こうした脱灰処理が不要となる。
また、Al含有量が500ppm以下であると、押出機内での架橋反応の進行を防止できるため、太陽電池封止材のシートにゲル状の異物が発生し、シートの外観が悪化するのを防ぐことができる。
上記のような、エチレン・α−オレフィン共重合体に含まれるアルミニウム元素をコントロールする手法としては、例えば、後述のエチレン・α−オレフィン共重合体の製造方法に記載の(II−1)有機アルミニウムオキシ化合物および(II−2)有機アルミニウム化合物の製造工程における濃度、または、エチレン・α−オレフィン共重合体の製造条件のメタロセン化合物の重合活性を調整することによって、エチレン・α−オレフィン共重合体に含まれるアルミニウム元素をコントロールすることができる。
(エチレン・α−オレフィン共重合体の製造方法)
エチレン・α−オレフィン共重合体は、チーグラー化合物、バナジウム化合物、メタロセン化合物などを触媒として用いて製造することができる。中でも以下に示す種々のメタロセン化合物を触媒として用いて製造することが好ましい。メタロセン化合物としては、例えば、特開2006−077261号公報、特開2008−231265号公報、特開2005−314680号公報などに記載のメタロセン化合物を用いることができる。ただし、これらの特許文献に記載のメタロセン化合物とは異なる構造のメタロセン化合物を使用してもよいし、二種以上のメタロセン化合物を組み合わせて使用してもよい。
メタロセン化合物を用いる重合反応としては、例えば以下に示す態様を好適例として挙げることができる。
従来公知のメタロセン化合物と、(II)(II−1)有機アルミニウムオキシ化合物、(II−2)上記メタロセン化合物(I)と反応してイオン対を形成する化合物、および(II−3)有機アルミニウム化合物からなる群より選択される少なくとも一種の化合物(助触媒ともいう)と、からなるオレフィン重合用触媒の存在下に、エチレンとα−オレフィンなどから選ばれる一種以上のモノマーを供給する。
(II−1)有機アルミニウムオキシ化合物、(II−2)上記メタロセン化合物(I)と反応してイオン対を形成する化合物、および(II−3)有機アルミニウム化合物としても、例えば、特開2006−077261号公報、特開2008−231265号公報、および特開2005−314680号公報などに記載のメタロセン化合物を用いることができる。ただし、これらの特許文献に記載のメタロセン化合物とは異なる構造のメタロセン化合物を使用してもよい。これら化合物は、個別に、あるいは予め接触させて重合雰囲気に投入してもよい。さらに、例えば特開2005−314680号公報などに記載の微粒子状無機酸化物担体に担持して用いてもよい。
なお、好ましくは、前述の(II−2)上記メタロセン化合物(I)と反応してイオン対を形成する化合物を実質的に使用せずに製造することで、電気特性の優れるエチレン・α−オレフィン共重合体を得ることができる。
(II−2)上記メタロセン化合物(I)と反応してイオン対を形成する化合物(以下、「イオン性化合物(II)」と略称する場合がある。)としては、特開平1−501950号公報、特開平1−502036号公報、特開平3−179005号公報、特開平3−179006号公報、特開平3−207703号公報、特開平3−207704号公報、USP5321106号などに記載されたルイス酸、イオン性化合物、ボラン化合物およびカルボラン化合物などを挙げることができる。さらに、イオン性化合物(II)としては、ヘテロポリ化合物およびイソポリ化合物も挙げることができる。
エチレン・α−オレフィン共重合体の重合は、従来公知の気相重合法、およびスラリー重合法、溶液重合法などの液相重合法のいずれでも行うことができる。好ましくは溶液重合法などの液相重合法により行われる。上記のようなメタロセン化合物を用いて、エチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとの共重合を行ってエチレン・α−オレフィン共重合体を製造する場合、(I)のメタロセン化合物は、反応容積1リットル当り、通常10−9〜10−1モル、好ましくは10−8〜10−2モルになるような量で用いられる。
化合物(II−1)は、化合物(II−1)と、化合物(I)中の全遷移金属原子(M)とのモル比[(II−1)/M]が通常1〜10000、好ましくは10〜5000となるような量で用いられる。化合物(II−2)は、化合物(I)中の全遷移金属(M)とのモル比[(II−2)/M]が、通常0.5〜50、好ましくは1〜20となるような量で用いられる。化合物(II−3)は、重合容積1リットル当り、通常0〜5ミリモル、好ましくは約0〜2ミリモルとなるような量で用いられる。
溶液重合法では、上述のようなメタロセン化合物の存在下に、エチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとの共重合を行うことによって、コモノマー含量が高く、組成分布が狭く、分子量分布が狭いエチレン・α−オレフィン共重合体を効率よく製造できる。ここで、エチレンと、炭素数3〜20のα−オレフィンとの仕込みモル比は、通常、エチレン:α−オレフィン=10:90〜99.9:0.1、好ましくはエチレン:α−オレフィン=30:70〜99.9:0.1、さらに好ましくはエチレン:α−オレフィン=50:50〜99.9:0.1である。
「溶液重合法」とは、後述の不活性炭化水素溶媒中にポリマーが溶解した状態で重合を行う方法の総称である。溶液重合法における重合温度は、通常0〜200℃、好ましくは20〜190℃、さらに好ましくは40〜180℃である。溶液重合法においては、重合温度が0℃に満たない場合、その重合活性は極端に低下し、重合熱の除熱も困難となり、生産性の点で実用的でない。また、重合温度が200℃を超えると、重合活性が極端に低下するので生産性の点で実用的でない。
重合圧力は、通常、常圧〜10MPaゲージ圧、好ましくは常圧〜8MPaゲージ圧の条件下である。共重合は、回分式、半連続式、連続式のいずれの方法においても行うことができる。反応時間(共重合反応が連続法で実施される場合には、平均滞留時間)は、触媒濃度、重合温度などの条件によっても異なり、適宜選択することができるが、通常1分間〜3時間、好ましくは10分間〜2.5時間である。さらに、重合を反応条件の異なる2段以上に分けて行うことも可能である。得られるエチレン・α−オレフィン共重合体の分子量は、重合系中の水素濃度や重合温度を変化させることによっても調節することができる。さらに、使用する化合物(II)の量により調節することもできる。水素を添加する場合、その量は、生成するエチレン・α−オレフィン共重合体1kgあたり0.001〜5,000NL程度が適当である。また、得られるエチレン・α−オレフィン共重合体の分子末端に存在するビニル基およびビニリデン基は、重合温度を高くすること、水素添加量を極力少なくすることで調整できる。
溶液重合法において用いられる溶媒は、通常、不活性炭化水素溶媒であり、好ましくは常圧下における沸点が50℃〜200℃の飽和炭化水素である。具体的には、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、灯油などの脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタンなどの脂環族炭化水素が挙げられる。なお、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類や、エチレンクロリド、クロルベンゼン、ジクロロメタンなどのハロゲン化炭化水素も「不活性炭化水素溶媒」の範疇に入り、その使用を制限するものではない。
上述したように、溶液重合法においては、従来繁用されてきた芳香族炭化水素に溶解する有機アルミニウムオキシ化合物のみならず、脂肪族炭化水素や脂環族炭化水素に溶解するMMAOのような修飾メチルアルミノキサンを使用できる。この結果、溶液重合用の溶媒として脂肪族炭化水素や脂環族炭化水素を採用すれば、重合系内や生成するエチレン・α−オレフィン共重合体中に芳香族炭化水素が混入する可能性をほぼ完全に排除することが可能となる。すなわち、溶液重合法は、環境負荷を軽減化でき、人体健康への影響を最小化できるという特徴も有する。なお、物性値のばらつきを抑制するため、重合反応により得られたエチレン・α−オレフィン共重合体、および所望により添加される他の成分は、任意の方法で溶融され、混練、造粒などを施されるのが好ましい。
(有機過酸化物)
本実施形態の太陽電池封止材は、有機過酸化物を含んでいる。有機過酸化物は、シランカップリング剤と、エチレン・α−オレフィン共重合体とのグラフト変性の際のラジカル開始剤として、さらに、エチレン・α−オレフィン共重合体の太陽電池モジュールのラミネート成形時の架橋反応の際のラジカル開始剤として用いられる。エチレン・α−オレフィン共重合体に、シランカップリング剤をグラフト変性することにより、表面側透明保護部材、裏面側保護部材、セル、電極との接着性が良好な太陽電池モジュールが得られる。さらに、エチレン・α−オレフィン共重合体を架橋することにより、耐熱性、接着性に優れた太陽電池モジュールを得ることができる。
好ましく用いられる有機過酸化物は、エチレン・α−オレフィン共重合体にシランカップリング剤をグラフト変性したり、エチレン・α−オレフィン共重合体を架橋したりすることが可能なものであれば特に限定されないが、押出シート成形での生産性と太陽電池モジュールのラミネート成形時の架橋速度のバランスから、有機過酸化物の1分間半減期温度が100〜170℃であることが好ましい。有機過酸化物の1分間半減期温度が100℃以上であると、押出シート成形時に樹脂組成物から得られる太陽電池封止シートにゲルが発生しにくくなるので、押出機のトルクの上昇を抑制しシート成形を容易にすることができる。また、押出機内で発生したゲル物によりシートの表面に凹凸が発生するのを抑制できるため、外観の低下を防止することができる。また、電圧をかけたとき、シート内部におけるクラックの発生を防止できるため、絶縁破壊電圧の低下を防ぐことができる。さらに、透湿性の低下も防止できる。また、シート表面に凹凸が発生するのを抑制できるため、太陽電池モジュールのラミネート加工時に表面側透明保護部材、セル、電極、裏面側保護部材との密着性が良好となり、接着性も向上する。押出シート成形の押出温度を90℃以下に下げると成形は可能であるが、生産性が大幅に低下する。有機過酸化物の1分間半減期温度が170℃以下であると、太陽電池モジュールのラミネート成形時の架橋速度の低下を抑制できるため、太陽電池モジュールの生産性の低下を防ぐことができる。また、太陽電池封止材の耐熱性、接着性の低下を防ぐこともできる。
有機過酸化物としては公知のものが使用できる。1分間半減期温度が100〜170℃の範囲にある有機過酸化物の好ましい具体例としては、ジラウロイルパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ジベンゾイルパーオキサイド、t−アミルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシマレイン酸、1,1−ジ(t−アミルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ジ(t−アミルパーオキシ)シクロヘキサン、t−アミルパーオキシイソノナノエート、t−アミルパーオキシノルマルオクトエート、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルカーボネート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−アミル−パーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシイソノナノエート、2,2−ジ(t−ブチルパーオキシ)ブタン、t−ブチルパーオキシベンゾエート、などが挙げられる。好ましくは、ジラウロイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシイソノナノエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルカーボネート、t−ブチルパーオキシベンゾエートなどが挙げられる。上記有機過酸化物は、一種単独で用いてもよく、二種以上を混合して用いてもよい。
太陽電池封止材中の有機過酸化物の含有量は、前述のエチレン・α−オレフィン共重合体100重量部に対して、0.1〜3重量部であることが好ましく、0.2〜3重量部であることがより好ましく、0.2〜2.5重量部であることがとくに好ましい。
有機過酸化物の含有量が0.1重量部以上であると、太陽電池封止材の架橋度合いや架橋速度などの架橋特性の低下を抑制し、シランカップリング剤のエチレン系共重合体の主鎖へのグラフト反応を良好にして、耐熱性、接着性の低下を抑制することができる。
有機過酸化物の含有量が3.0重量部以下であると、押出シート成形時に樹脂組成物から得られる太陽電池封止シートにゲルの発生がなく、押出機のトルクを抑制でき、シート成形が容易となる。シートも、押出機内でゲル物を発生しないためシートの表面に凹凸がなく、外観が良好である。また、ゲルがないため、電圧をかけてもシート内部のゲル物に起因するクラックが生じないため、絶縁破壊抵抗が良好である。また、透湿性も良好である。さらに、シート表面に凹凸がないため、太陽電池モジュールのラミネート加工時に表面側透明保護部材、セル、電極、裏面側保護部材との接着性も良好である。
(紫外線吸収剤)
本実施形態の太陽電池封止材は、一般式(1)あるいは(2)で表されるベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を含んでいる。ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤は、光劣化が少なく、優れた耐久性を有している。さらに、300nm以下の波長での吸収能力を有している上に、340nm以上に最大級波長を有しており、広い波長領域での紫外線吸収能力に優れており、また長期間に亘り紫外線吸収能力を維持することができ、太陽電池モジュールの変換効率の低下を抑制することができる。
Figure 2013190940
・・・(1)
(式中、Rは、水素原子、または炭素数1〜6のアルキル基、を表し、R〜Rは、同一であっても異なっていてもよく、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、水酸基、炭素数1〜22のアルコキシ基、または炭素数1〜22のアルキルオキシカルボニル基、を表す。)
Figure 2013190940
・・・(2)
(式中、Rは、水素原子、または炭素数1〜6のアルキル基、を表し、R〜Rは、同一であっても異なっていてもよく、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、水酸基、炭素数1〜22のアルコキシ基、または炭素数1〜22のアルキルオキシカルボニル基を表す。)
上記式(1)および(2)のRにおける炭素数1〜6のアルキル基は、直鎖状又は分岐状のアルキル基であればよい。上記アルキル基として具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、sec−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基,ネオペンチル基、tert−ペンチル基、及びn−ヘキシル基などを挙げることができる。
上記式(1)および(2)のR〜RまたはR〜Rにおける炭素数1〜20のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、sec−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基,ネオペンチル基、tert−ペンチル基、n−ヘキシル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、ウンデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノニデシル基、及びエイコシル基などを挙げることができる。
上記式(1)および(2)のR〜RまたはR〜Rにおける炭素数1〜22のアルコキシ基は、直鎖状又は分岐状のアルコキシ基であればよい。具体的には、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、n−ヘキシルオキシ基、及びn−オクチルオキシ基などが挙げられる。
上記式(1)および(2)のR〜RまたはR〜Rにおける炭素数1〜22のアルキルオキシカルボニル基は、アルキル基部分の炭素数が1〜22である直鎖状又は分岐状のアルキルオキシカルボニル基であればよい。具体的には、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、イソブトキシカルボニル基、sec−ブトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基、n−ヘキシルオキシカルボニル基、及びn−オクチルオキシカルボニル基などが挙げられる。
上記式(1)において、Rが水素原子を表し、R〜Rは、同一であっても異なっていてもよいが、炭素数1〜10のアルキル基、が好ましく挙げられる。
上記式(1)で表されるベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤として具体的には、2−(2H−1,2,3−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ジ−tert−ブチルフェノール、2−(5−クロロ−2H−1,2,3−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ジ−tert−ブチルフェノール、2−(2H−1,2,3−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ジ−tert−ペンチルフェノール、2−(5−クロロ−2H−1,2,3−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ジ−tert−ペンチルフェノール、2−(2H−1,2,3−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−tert−ブチルフェノール、2−(5−クロロ−2H−1,2,3−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−tert−ブチルフェノール、2−(2H−1,2,3−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−メチルフェノール、2−(5−クロロ−2H−1,2,3−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−メチルフェノール、2−(2H−1,2,3−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−ドデシル−4−メチルフェノール、2−(5−クロロ−2H−1,2,3−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−ドデシル−4−メチルフェノール、2−(2H−1,2,3−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−メチル−6−tert−ブチルフェノール、2−(5−クロロ−2H−1,2,3−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−メチル−6−tert−ブチルフェノール、2−(2H−1,2,3−ベンゾトリアゾール−2−イル)−p−クレゾール、2−(5−クロロ−2H−1,2,3−ベンゾトリアゾール−2−イル)−p−クレゾール、2−(2H−1,2,3−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール、2−(5−クロロ−2H−1,2,3−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール、2−(2、4−ジヒドロキシフェニル)−2H−1,2,3−ベンゾトリアゾール、2−(2H−1,2,3−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−tert−オクチルフェノール、2−(2H−1,2,3−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−tert−ブチル−4−メチルフェノール、2−(2H−1,2,3−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−メチル−6−tert−ペンチルフェノール、2−(2H−1,2,3−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−メチル−6−tert−オクチルフェノール、2−(2H−1,2,3−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−tert−ブチル−6−メチルフェノール、2−(2H−1,2,3−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−メチル−4−tert−ペンチルフェノール、2−(2H−1,2,3−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−メチル−4−tert−オクチルフェノール、2−(2H−1,2,3−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ドデシル−6−メチルフェノール、2−(2H−1,2,3−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−エトキシフェノール、2−(2H−1,2,3−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−ブトキシフェノール、2−(2H−1,2,3−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−オクチルオキシフェノール、2−(2H−1,2,3−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−ベンゾイルオキシフェノール、2−(2H−1,2,3−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−メチル−6−(3,4,5,6−テトラハイドロフタルイミジルメチル)フェノール、2−(4−アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシフェニル)−2H−1,2,3−ベンゾトリアゾール、2−(4−アリルオキシ−2−ヒドロキシフェニル)−2H−1,2,3−ベンゾトリアゾールなどが挙げられる。
上記式(2)において、Rが水素原子を表し、RとRが、同一であり、RとRが、同一であることが好ましい。
上記式(2)で表されるベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤として具体的には、2,2'−メチルレンビス[6−(2H−1,2,3−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール]、4,4'−メチレンビス[2−(2H−1,2,3−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−エトキシフェノール]、4,4'−メチレンビス[2−(2H−1,2,3−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−ブトキシフェノール]、4,4'−メチレンビス[2−(2H−1,2,3−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−オクチルオキシフェノール]などが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
なかでも、上記式(1)で表されるベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、2−(2H−1,2,3−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−ドデシル−4−メチルフェノール、及び2−(2H−1,2,3−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ジ−tert−ペンチルフェノールが好ましく挙げられる。
本実施形態の太陽電池封止材中の紫外線吸収剤の含有量は、エチレン・α−オレフィン共重合体100重量部に対して、0.05〜5.0重量部であることが好ましく、0.1〜4.5重量部であることがより好ましい。紫外線吸収剤の含有量が上記範囲内にあると、耐候安定性、架橋特性のバランスが優れるので好ましい。
(シランカップリング剤)
さらにエチレン性不飽和シラン化合物を含むのが好ましい。本実施形態の太陽電池封止材中のエチレン性不飽和シラン化合物の含有量は、エチレン・α−オレフィン共重合体100重量部に対して、好ましくは0.1〜5重量部であり、より好ましくは0.1〜4重量部であり、とくに好ましくは0.1〜3重量部である。
エチレン性不飽和シラン化合物の含有量が0.1重量部以上であると、接着性が向上する。一方、エチレン性不飽和シラン化合物の含有量が5重量部以下であると、太陽電池封止材のコストと性能のバランスがよく、また、エチレン性不飽和シラン化合物を太陽電池モジュールのラミネート時にエチレン・α−オレフィン共重合体にグラフト反応させるための有機過酸化物の添加量を抑制でき、押出シート成形時に樹脂組成物から得られる太陽電池封止シートにゲルが発生しにくくなるので、押出機のトルクの上昇を抑制しシート成形を容易にすることができる。また、押出機内で発生したゲル物によりシートの表面に凹凸が発生するのを抑制できるため、外観の低下を防止することができる。また、電圧をかけたとき、シート内部におけるクラックの発生を防止できるため、絶縁破壊電圧の低下を防ぐことができる。さらに、透湿性の低下も防止できる。また、シート表面に凹凸が発生するのを抑制できるため、太陽電池モジュールのラミネート加工時に表面側透明保護部材、セル、電極、裏面側保護部材との密着性が良好となり、接着性も向上する。
エチレン性不飽和シラン化合物は、従来公知のものが使用でき、とくに制限はない。具体的には、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランなどが使用できる。好ましくは、接着性が良好なγ−グリシドキシプロピルメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランなどが挙げられる。好ましくは、接着性が良好な3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシランが挙げられる。
(ヒンダードアミン系光安定剤)
本実施形態の太陽電池封止材は、ヒンダードアミン系光安定剤をさらに含むのが好ましい。ヒンダードアミン系光安定剤を含むことで、エチレン・α−オレフィン共重合体に有害なラジカル種を捕捉し、新たなラジカルの発生を抑制できる。
ヒンダードアミン系光安定剤としては、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ポリ[{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}]などのヒンダードアミン系、ヒンダードピペリジン系化合物などを用いることができる。
また、下記一般式(3)の低分子量ヒンダードアミン系光安定剤も使用できる。
Figure 2013190940
・・・(3)
上記一般式(3)中、R,Rは、水素、アルキル基等を示す。RとRは、同一であっても異なっていてもどちらでもよい。RとRは、好ましくは水素またはメチル基である。Rは、水素、アルキル基、アルケニル基等を示す。Rは、好ましくは水素またはメチル基である。
上記一般式(3)で表されるヒンダードアミン系光安定剤としては、具体的には、4−アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−アクリロイルオキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン、4−アクリロイルオキシ−1−エチル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−アクリロイルオキシ−1−プロピル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−アクリロイルオキシ−1−ブチル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−メタクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−メタクリロイルオキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン、4−メタクリロイルオキシ−1−エチル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−メタクリロイルオキシ−1−ブチル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−クロトノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−クロトノイルオキシ−1−プロピル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン等が挙げられる。
また、下記式で表される高分子量ヒンダードアミン系光安定剤も使用できる。高分子量ヒンダードアミン系光安定剤とは、分子量が1000〜5000のものを言う。
Figure 2013190940
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本実施形態の太陽電池封止材中のヒンダードアミン系光安定剤の含有量は、上述のエチレン・α−オレフィン共重合体100重量部に対して、好ましくは0.01〜2.0重量部であり、より好ましくは0.01〜1.6重量部であり、とくに好ましくは0.05〜1.6重量部である。ヒンダードアミン系光安定剤の含有量が0.01重量部以上であると、耐候性および耐熱性が良好である。ヒンダードアミン系光安定剤の含有量が2.0重量部以下であると、有機過酸化物で発生したラジカルの消滅が抑制でき、接着性、耐熱性、架橋特性が良好である。
(ヒンダードフェノール系安定剤)
本実施形態の太陽電池封止材は、ヒンダードフェノール系安定剤をさらに含むのが好ましい。ヒンダードフェノール系安定剤を含むことにより、酸素存在下でエチレン・α−オレフィン共重合体に有害なラジカル種を捕捉し、新たなラジカルの発生を抑制でき、酸化劣化を防止できる。
ヒンダードフェノール系安定剤としては、従来公知の化合物を用いることができ、例えば、1,1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、4,4'−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2−チオビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、7−オクタデシル−3−(4'−ヒドロキシ−3',5'−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオネート、テトラキス−[メチレン−3−(3',5'−ジ−t−ブチル−4'−ヒドロキシフェニル)プロピオネートメタン、ペンタエリスリトール−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,4−ビス(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレート、2,2−チオ−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、N,N'−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ)−ヒドロシンナアミド、2,4−ビス[(オクチルチオ)メチル]−o−クレゾール、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル−ホスホネート−ジエチルエステル、テトラキス[メチレン(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメイト)]メタン、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸エステル、3,9−ビス[2−{3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}−1,1−ジメチルエチル]−2,4−8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカンなどを挙げることができる。中でも、特にペンタエリスリトール−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸エステルが好ましい。
本実施形態の太陽電池封止材中のヒンダードフェノール系安定剤の含有量は、エチレン・α−オレフィン共重合体100重量部に対して、好ましくは0.005〜0.1重量部であり、より好ましくは0.01〜0.1重量部、とくに好ましくは0.01〜0.06重量部である。ヒンダードフェノール系安定剤の含有量が0.005重量部以上であると、耐熱性が良好で、例えば120℃以上の高温での耐熱老化試験において、太陽電池封止材の黄変が抑制できる傾向にある。ヒンダードフェノール系安定剤の含有量が0.1重量部以下であると、太陽電池封止材の架橋特性が良好で、耐熱性、接着性が良好である。
また、恒温恒湿下では、塩基性を有するヒンダードアミン系光安定剤と併用するとヒンダードフェノール安定剤の水酸基が塩を形成し、キノン化および二量化した共役ビスキノンメチド化合物を形成し、太陽電池封止材の黄変を起こしやすい傾向にあるが、ヒンダードフェノール系安定剤が0.1重量部以下であると、太陽電池封止材の黄変を抑制することができる。
(リン系安定剤)
本実施形態の太陽電池封止材は、リン系安定剤をさらに含むのが好ましい。リン系安定剤を含んでいると、押出成形時の有機過酸化物の分解を抑制でき、外観が良好なシートを得ることができる。ヒンダードアミン系光安定剤、ヒンダードフェノール系安定剤を含んでいると発生したラジカルを消滅し、外観が良好なシートを生産することもできるが、シート押出工程で安定剤を消費してしまい、耐熱性、耐候性などの長期信頼性が低下する傾向にある。
リン系安定剤としては、従来公知の化合物を用いることができ、例えば、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、ビス[2,4−ビス(1,1−ジメチルエチル)−6−メチルフェニル]エチルエステル亜リン酸、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)[1,1−ビフェニル]−4,4'−ジイルビスホスフォナイト、およびビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイトなどが挙げられる。中でも、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイトが好ましい。
本実施形態の太陽電池封止材中のリン系安定剤の含有量は、エチレン・α−オレフィン共重合体100重量部に対して、好ましくは0.005〜0.5重量部であり、より好ましくは0.01〜0.5重量部、とくに好ましくは0.02〜0.2重量部である。リン系安定剤の含有量が0.005重量部以上であると、押出成形時の有機過酸化物の分解を抑制でき、外観が良好なシートを得ることができる。また、耐熱性が良好で、例えば120℃以上の高温での耐熱老化試験において、太陽電池封止材の黄変が抑制できる傾向にある。リン系安定剤の含有量が0.5重量部以下であると、太陽電池封止材の架橋特性が良好で、耐熱性、接着性が良好である。また、リン系安定剤の分解で発生する酸による影響が見られず、金属腐食も発生しない。
なお、同一分子内に亜リン酸エステル構造とヒンダードフェノール構造を有する安定剤があるが、本実施形態の太陽電池封止材のように有機過酸化物を多量に含有している組成物においては、押出成形時に有機過酸化物の分解を抑制する性能が不十分であり、ゲルを生成して外観が良好なシートが得られない傾向にある。
(その他の添加剤)
本実施形態の太陽電池封止材を構成する樹脂組成物には、以上詳述した諸成分以外の各種成分を、本発明の目的を損なわない範囲において、適宜含有させることができる。例えば、エチレン・α−オレフィン共重合体以外の各種ポリオレフィン、スチレン系やエチレン系ブロック共重合体、プロピレン系重合体などが挙げられる。太陽電池封止材中の各種成分の含有量は、上記エチレン・α−オレフィン共重合体100重量部に対して、好ましくは0.0001〜50重量部であり、より好ましくは0.001〜40重量部である。また、ポリオレフィン以外の各種樹脂、および/または各種ゴム、可塑剤、充填剤、顔料、染料、帯電防止剤、抗菌剤、防黴剤、難燃剤、架橋助剤、ヒンダードフェノール系安定剤およびリン系安定剤以外のその他の耐熱安定剤、および分散剤などから選ばれる一種以上の添加剤を適宜含有することができる。
ヒンダードフェノール系安定剤およびリン系安定剤以外のその他の耐熱安定剤としては、具体的には、3−ヒドロキシ−5,7−ジ−tert−ブチル−フラン−2−オンとo−キシレンとの反応生成物などのラクトン系耐熱安定剤、ジミリスチルチオジプロピオネート、ジラウリルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート、ジトリデシルチオジプロピオネート、ペンタエリスリトール−テトラキス−(β−ラウリル−チオプロピオネート)、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾールの亜鉛塩、2−メルカプトメチルベンゾイミダゾール、2−メルカプトメチルベンゾイミダゾールの亜鉛塩、4,4'−チオビス(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)、2,6−ジ−t−ブチル−4−(4,6−ビス(オクチルチオ)−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ)フェノールなどの硫黄系耐熱安定剤;アミン系耐熱安定剤などを挙げることができる。
とくに、架橋助剤を含有させる場合において、本実施形態の太陽電池封止材中の架橋助剤の含有量は、エチレン・α−オレフィン共重合体100重量部に対して、好ましくは0.05〜5重量部であり、より好ましくは0.1〜3重量部である。架橋助剤の含有量が上記範囲内であると、適度な架橋構造を有することができ、耐熱性、機械物性、接着性を向上できるため好ましい。
架橋助剤としては、オレフィン系樹脂に対して一般に使用される従来公知のものが使用できる。このような架橋助剤は、分子内に二重結合を一個以上有する化合物である。具体的には、t−ブチルアクリレート、ラウリルアクリレート、セチルアクリレート、ステアリルアクリレート、2−メトキシエチルアクリレート、エチルカルビトールアクリレート、メトキシトリプロピレングリコールアクリレートなどのモノアクリレート;t−ブチルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、セチルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、メトキシエチレングリコールメタクリレート、メトキシポリエチレングリコールメタクリレートなどのモノメタクリレート;1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレートなどのジアクリレート;1,3−ブタンジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、1,9−ノナンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレートなどのジメタクリレート;トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレートなどのトリアクリレート;トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレートなどのトリメタクリレート;ペンタエリスリトールテトラアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレートなどのテトラアクリレート;ジビニルベンゼン、ジ−i−プロペニルベンゼンなどのジビニル芳香族化合物;トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレートなどのシアヌレート;ジアリルフタレートなどのジアリル化合物;トリアリル化合物:p−キノンジオキシム、p,p'−ジベンゾイルキノンジオキシムなどのオキシム;フェニルマレイミドなどのマレイミドが挙げられる。
これらの架橋助剤の中でより好ましいのは、ジアクリレート、ジメタクリレート、ジビニル芳香族化合物、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレートなどのトリアクリレート;トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレートなどのトリメタクリレート;ペンタエリスリトールテトラアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレートなどのテトラアクリレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレートなどのシアヌレート、ジアリルフタレートなどのジアリル化合物;トリアリル化合物:p−キノンジオキシム、p,p'−ジベンゾイルキノンジオキシムなどのオキシム:フェニルマレイミドなどのマレイミドである。さらにこれらの中でとくに好ましいのは、トリアリルイソシアヌレートであり、ラミネート後の太陽電池封止材の気泡発生や架橋特性のバランスが最も優れる。
本実施形態の太陽電池封止材は、上述のエチレン・α−オレフィン共重合体100重量部に対して、紫外線吸収剤の含有量が0.05〜5.0重量部であり、有機過酸化物の含有量が0.1〜3重量部であり、ヒンダードフェノール系安定剤の含有量が0.005〜0.1重量部であり、ヒンダードアミン系光安定剤の含有量が0.01〜2.0重量部であり、リン系安定剤の含有量が0.005〜0.5重量部である樹脂組成物からなることが好ましい態様である。
さらに、本実施形態の太陽電池封止材は、上述のエチレン・α−オレフィン共重合体100重量部に対して、紫外線吸収剤の含有量が0.1〜4.5重量部であり、有機過酸化物の含有量が0.2〜2.5重量部であり、ヒンダードフェノール系安定剤の含有量が0.01〜0.06重量部であり、ヒンダードアミン系光安定剤の含有量が0.05〜1.6重量部であり、リン系安定剤の含有量が0.02〜0.2重量部である樹脂組成物からなることがとくに好ましい態様である。
本実施形態の太陽電池封止材は、耐候性に優れ、さらに表面側透明保護部材、裏面側保護部材、薄膜電極、アルミニウム、太陽電池素子などの各種太陽電池部材との接着性、耐熱性、押出成形性および架橋特性のバランス、透明性、柔軟性、外観、電気特性、電気絶縁性、透湿性、電極腐食性、プロセス安定性のバランスに優れている。このため、従来公知の太陽電池モジュールの太陽電池封止材として好適に用いられる。本実施形態の太陽電池封止材の製造方法としては通常用いられている方法が利用できるが、ニーダー、バンバリーミキサー、押出機などにより溶融ブレンドすることにより製造することが好ましい。とくに、連続生産が可能な押出機での製造が好ましい。
太陽電池封止材は、その全体形状がシート状であることも好ましい実施形態の一つである。また、前述の樹脂組成物からなるシートを少なくとも一層有する、他の層と複合化された太陽電池封止材も好適に用いることができる。太陽電池封止材の層の厚みは、通常0.01〜2mm、好ましくは0.05〜1.5mm、より好ましくは0.1〜1.2mm、さらに好ましくは0.2〜1mm、とくに好ましくは0.3〜0.9mm、最も好ましくは0.3〜0.8mmである。厚みがこの範囲内であると、ラミネート工程における、表面側透明保護部材、太陽電池素子、薄膜電極などの破損が抑制でき、かつ、十分な光線透過率を確保することにより高い光発電量を得ることができる。さらには、低温での太陽電池モジュールのラミネート成形ができるので好ましい。
太陽電池封止材シートの成形方法にはとくに制限は無いが、公知の各種の成形方法(キャスト成形、押出シート成形、インフレーション成形、射出成形、圧縮成形、カレンダー成形など)を採用することができる。とくに、押出機中でエチレン・α−オレフィン共重合体と本発明の紫外線吸収剤、有機過酸化物、シランカップリング剤と必要に応じてヒンダードアミン系光安定剤、ヒンダードフェノール系安定剤、リン系安定剤、架橋助剤、およびその他添加剤を、例えば、ポリ袋などの袋の中で人力でのブレンドや、ヘンシェルミキサー、タンブラー、スーパーミキサーなどの攪拌混合機を用いてブレンドしたエチレン・α−オレフィン共重合体と各種添加剤を配合した樹脂組成物を、押出シート成形のホッパーに投入し、溶融混練を行いつつ押出シート成形を行い、シート状の太陽電池封止材を得ることが最も好ましい実施形態である。
なお、配合した樹脂組成物にて一度押出機にてペレット化を行い、さらに押出成形やプレス成形でシート化を行う際は、一般的に水層をくぐらせるか、あるいはアンダーウォーターカッター式の押出機を用いてストランドを冷却し、カットしてペレットを得ている。そのため、水分が付着するので添加剤、とくにシランカップリング剤の劣化が起り、例えば再度押出機でシート化を行う際に、シランカップリング剤同士の縮合反応が進行し、接着性が低下する傾向にあるため好ましくはない。また、エチレン・α−オレフィン共重合体と有機過酸化物やシランカップリング剤を除く添加剤(ヒンダードフェノール系安定剤、リン系安定剤、ヒンダードアミン系光安定剤、紫外線吸収剤などの安定剤)を事前に押出機を用いてマスターバッチ化した後、有機過酸化物やシランカップリング剤をブレンドし、再度押出機などでシート成形する場合も、ヒンダードフェノール系安定剤、リン系安定剤、ヒンダードアミン系光安定剤、紫外線吸収剤などの安定剤は二度押出機を介しているため、安定剤が劣化し耐候性や耐熱性などの長期信頼性が低下する傾向にあり、好ましくない。
押出温度範囲としては、押出温度が100〜130℃である。押出温度を100℃以上にすると、太陽電池封止材の生産性を向上させることができる。押出温度を130℃以下にすると、樹脂組成物を押出機でシート化して太陽電池封止材を得る際にゲル化を起こしにくくなる。そのため、押出機のトルクの上昇を防ぎ、シート成形を容易にできる。また、シートの表面に凹凸が発生しにくくなるため、外観の低下を防ぐことができる。また、電圧をかけたときシート内部におけるクラックの発生を抑制できるため、絶縁破壊電圧の低下を防止することができる。さらに、透湿性の低下も抑制できる。また、シート表面に凹凸が発生しにくくなるため、太陽電池モジュールのラミネート加工時に表面側透明保護部材、セル、電極、裏面側保護部材との密着性が良好になり、接着性に優れる。
また、エチレン・α−オレフィン共重合体のMFRが例えば10g/10分未満の場合は、溶融樹脂を加熱した金属ロール(カレンダーロール)で圧延することによって所望の厚さのシートやフィルムを作製するカレンダー成形機を使用し、エチレン・α−オレフィン共重合体と、シランカップリング剤、有機過酸化物、紫外線吸収剤、光安定剤、耐熱安定剤、および必要に応じて用いられるその他添加剤と、の溶融混練を行いつつカレンダー成形を行い、シート状の太陽電池封止材を得ることもできる。
カレンダー成形機としては、公知の各種カレンダー成形機を用いることができ、ミキシングロール、三本カレンダーロール、四本カレンダーロールを用いることができる。四本カレンダーロールとしては、とくに、I型、S型、逆L型、Z型、斜Z型などを用いることができる。また、カレンダーロールに掛ける前に、エチレン系樹脂組成物を適度な温度まで熱しておくことも好ましく、例えば、バンバリーミキサー、ニーダー、押出機などを設置することも好ましい実施形態の一つである。カレンダー成形の温度範囲は、ロール温度を、通常40〜100℃とすることが好ましい。
また、太陽電池封止材のシート(または層)の表面には、エンボス加工が施されてもよい。太陽電池封止材のシート表面を、エンボス加工によって装飾することで、封止材シート同士、または封止材シートと他のシートなどとのブロッキングを防止しうる。さらに、エンボスが、太陽電池封止材(太陽電池封止材シート)の貯蔵弾性率を低下させるため、太陽電池封止材シートと太陽電池素子とをラミネートする時に太陽電池素子などに対するクッションとなって、太陽電池素子の破損を防止することができる。
太陽電池封止材のシートの単位面積当りの凹部の合計体積Vと、太陽電池封止材のシートの見掛けの体積Vとの百分比(V/V)×100で表される空隙率P(%)が、10〜50%であることが好ましく、10〜40%であることがより好ましく、15〜40%であることがさらに好ましい。なお、太陽電池封止材のシートの見掛けの体積Vは、単位面積に太陽電池封止材の最大厚みを乗じることにより得られる。空隙率Pが10%以上であると、太陽電池封止材の弾性率を十分低下させることができるため、十分なクッション性を得ることができる。したがって、モジュールの製造工程にて、二段階でラミネート加工(加圧工程)する際に、結晶型太陽電池では、シリコンセルやシリコンセルと電極とを固定する半田の割れを防ぎ、薄膜型太陽電池では、銀電極の割れを防ぐことができる。すなわち、樹脂組成物からなるシートを含む太陽電池封止材の空隙率が10%以上であると、太陽電池封止材に局所的に圧力が加えられた場合であっても、圧力が加えられた凸部が潰れるように変形する。このため、ラミネート加工時に、例えばシリコンセルなどに対して局所的に大きな圧力が加わったとしても、シリコンセルが割れてしまうのを防止することができる。また、太陽電池封止材の空隙率が10%以上であると、空気の通り道が確保できるため、ラミネート加工時に良好に脱気できる。このため、太陽電池モジュールに空気が残留して外観が悪化したり、長期使用時には、残留した空気中の水分により電極の腐食が生じたりすることを防止することができる。さらに、ラミネート時に、流動した樹脂組成物に生じる空隙が少なくなるため、太陽電池モジュールの各被着体の外部にはみ出して、ラミネーターを汚染することを防げる。
一方、空隙率Pが80%以下であると、ラミネート加工の加圧時に空気を良好に脱気できるため、太陽電池モジュール内に空気が残留するのを防ぐことができる。このため、太陽電池モジュールの外観の悪化を防ぎ、長期使用時には、残留した空気中の水分により電極の腐食が起こることもない。また、ラミネート加工の加圧時に空気を良好に脱気できるため、太陽電池封止材と被着体との接着面積が増えて、十分な接着強度を得ることができる。
空隙率Pは、次のような計算により求めることができる。エンボス加工が施された太陽電池封止材の、見掛けの体積V(mm)は、太陽電池封止材の最大厚みtmax(mm)と単位面積(例えば1m=1000mm×1000mm=10mm)との積によって、下記式(12)のようにして算出される。
(mm)=tmax(mm)×10(mm) (12)
一方、この単位面積の太陽電池封止材の実際の体積V(mm)は、太陽電池封止材を構成する樹脂の比重ρ(g/mm)と単位面積(1m)当りの太陽電池封止材の実際の重さW(g)と、を下記式(13)に当てはめることにより算出される。
(mm)=W/ρ (13)
太陽電池封止材の単位面積当りの凹部の合計体積V(mm)は、下記式(14)に示されるように、「太陽電池封止材の見掛けの体積V」から「実際の体積V」を差し引くことによって算出される。
(mm)=V−V=V−(W/ρ) (14)
したがって、空隙率P(%)は次のようにして求めることができる。
空隙率P(%)=(V/V)×100
=((V−(W/ρ))/V)×100
=(1−W/(ρ・V))×100
=(1−W/(ρ・tmax・10))×100
空隙率P(%)は、上記の計算式によって求めることができるが、実際の太陽電池封止材の断面やエンボス加工が施された面を顕微鏡撮影し、画像処理などすることによって求めることもできる。
エンボス加工により形成される凹部の深さは、太陽電池封止材の最大厚みの20〜95%であることが好ましく、50〜95%であることがより好ましく、65〜95%であることがより好ましい。シートの最大厚みtmaxに対する凹部の深さDの百分比を、凹部の「深さ率」と称する場合がある。
エンボス加工の凹部の深さとは、エンボス加工による太陽電池封止材の凹凸面の凸部の最頂部と凹部の最深部との高低差Dを示す。また、太陽電池封止材の最大厚みtmaxとは、太陽電池封止材の一方の面にエンボス加工してある場合、一方の面の凸部の最頂部から他方の面までの(太陽電池封止材厚さ方向の)距離を示し、太陽電池封止材の両方の面にエンボス加工が施されている場合は、一方の面の凸部の最頂部から他方の面の凸部の最頂部までの(太陽電池封止材厚さ方向の)距離を示す。
エンボス加工は、太陽電池封止材の片面に施されていても、両面に施されていてもよい。エンボス加工の凹部の深さを大きくする場合は、太陽電池封止材の片面にのみ形成するのが好ましい。エンボス加工が太陽電池封止材の片面にのみ施されている場合、太陽電池封止材の最大厚みtmaxは0.01mm〜2mmであり、好ましくは0.05〜1mmであり、より好ましくは0.1〜1mmであり、さらに好ましくは0.15〜1mmであり、さらに好ましくは0.2〜1mmであり、さらに好ましくは0.2〜0.9mmであり、とくに好ましくは0.3〜0.9mmであり、最も好ましくは0.3〜0.8mmである。太陽電池封止材の最大厚みtmaxがこの範囲内であると、ラミネート工程における、表面側透明保護部材、太陽電池素子、薄膜電極などの破損を抑制でき、比較的低温でも太陽電池モジュールのラミネート成形ができるので好ましい。また、太陽電池封止材は、十分な光線透過率を確保でき、それを用いた太陽電池モジュールは高い光発電量を有する。
さらに、そのシートは、太陽電池モジュールサイズに合わせて裁断された枚葉形式、または太陽電池モジュールを作製する直前にサイズに合わせて裁断可能なロール形式にて太陽電池封止材として用いることができる。本実施形態の好ましい実施形態であるシート状の太陽電池封止材(太陽電池封止材シート)は、太陽電池封止材からなる層を少なくとも一層有していればよい。したがって、本実施形態の太陽電池封止材からなる層の数は、一層であってもよいし、二層以上であってもよい。構造を単純にしてコストを下げる観点、および層間での界面反射を極力小さくし、光を有効に活用する観点などからは、一層であることが好ましい。
太陽電池封止材シートは、本実施形態の太陽電池封止材からなる層のみで構成されていてもよいし、太陽電池封止材を含有する層以外の層(以下、「その他の層」とも記す)を有していてもよい。その他の層の例としては、目的で分類するならば、表面または裏面保護のためのハードコート層、接着層、反射防止層、ガスバリア層、防汚層などを挙げることができる。材質で分類するならば、紫外線硬化性樹脂からなる層、熱硬化性樹脂からなる層、ポリオレフィン樹脂からなる層、カルボン酸変性ポリオレフィン樹脂からなる層、フッ素含有樹脂からなる層、環状オレフィン(共)重合体からなる層、無機化合物からなる層などを挙げることができる。
本実施形態の太陽電池封止材からなる層と、その他の層との位置関係にはとくに制限はなく、本発明の目的との関係で好ましい層構成が適宜選択される。すなわち、その他の層は、2以上の太陽電池封止材からなる層の間に設けられてもよいし、太陽電池封止材シートの最外層に設けられてもよいし、それ以外の箇所に設けられてもよい。また、太陽電池封止材からなる層の片面にのみその他の層が設けられてもよいし、両面にその他の層が設けられてもよい。その他の層の層数にとくに制限はなく、任意の数のその他の層を設けることができるし、その他の層を設けなくともよい。
構造を単純にしてコストを下げる観点、および界面反射を極力小さくし光を有効に活用する観点などからは、その他の層を設けず、本実施形態の太陽電池封止材からなる層のみで太陽電池封止材シートを作製すればよい。ただし、目的との関係で必要または有用なその他の層があれば、適宜そのようなその他の層を設ければよい。その他の層を設ける場合における、本実施形態の太陽電池封止材からなる層と他の層との積層方法についてはとくに制限はないが、キャスト成形機、押出シート成形機、インフレーション成形機、射出成形機などの公知の溶融押出機を用いて共押出して積層体を得る方法、あるいは予め成形された一方の層上に他方の層を溶融または加熱ラミネートして積層体を得る方法が好ましい。また、適当な接着剤(例えば、無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂(三井化学社製の商品名「アドマー(登録商標 )」、三菱化学社製の商品名「モディック(登録商標 )」など)、不飽和ポリオレフィンなどの低(非)結晶性軟質重合体、エチレン/アクリル酸エステル/無水マレイン酸三元共重合体(住化シーディエフ化学社製の商品名「ボンダイン(登録商標 )」など)をはじめとするアクリル系接着剤、エチレン/酢酸ビニル系共重合体、またはこれらを含む接着性樹脂組成物など)を用いたドライラミネート法、あるいはヒートラミネート法などにより積層してもよい。接着剤としては、120〜150℃程度の耐熱性があるものが好ましく使用され、ポリエステル系あるいはポリウレタン系接着剤などが好適なものとして例示される。また、両層の接着性を改良するために、例えば、シラン系カップリング処理、チタン系カップリング処理、コロナ処理、プラズマ処理などを用いてもよい。
2.太陽電池モジュールについて
太陽電池モジュールは、例えば、通常、多結晶シリコンなどにより形成された太陽電池素子を太陽電池封止材シートで挟み積層し、さらに、表裏両面を保護シートでカバーした結晶型太陽電池モジュールが挙げられる。すなわち、典型的な太陽電池モジュールは、太陽電池モジュール用保護シート(表面側透明保護部材)/太陽電池封止材/太陽電池素子/太陽電池封止材/太陽電池モジュール用保護シート(裏面側保護部材)という構成になっている。ただし、本実施形態の好ましい実施形態の1つである太陽電池モジュールは、上記の構成には限定されず、本発明の目的を損なわない範囲で、上記の各層の一部を適宜省略し、または上記以外の層を適宜設けることができる。上記以外の層としては、例えば接着層、衝撃吸収層、コーティング層、反射防止層、裏面再反射層、および光拡散層などを挙げることができる。これらの層は、とくに限定はないが、各層を設ける目的や特性を考慮して、適切な位置に設けることができる。
(結晶シリコン系の太陽電池モジュール)
図1は、本発明の太陽電池モジュールの一実施形態を模式的に示す断面図である。なお、図1においては、結晶シリコン系の太陽電池モジュール20の構成の一例が示されている。図1に示されるように、太陽電池モジュール20は、インターコネクタ29により電気的に接続された複数の結晶シリコン系の太陽電池素子22と、それを挟持する一対の表面側透明保護部材24と裏面側保護部材26とを有し、これらの保護部材と複数の太陽電池素子22との間に、封止層28が充填されている。封止層28は、本実施形態の太陽電池用封止材を貼り合わせた後、加熱圧着されて得られ、太陽電池素子22の受光面および裏面に形成された電極と接している。電極とは、太陽電池素子22の受光面および裏面にそれぞれ形成された集電部材であり、後述する集電線、タブ付用母線、および裏面電極層などを含む。
図2は、太陽電池素子の受光面と裏面の一構成例を模式的に示す平面図である。図2においては、太陽電池素子22の受光面22Aと裏面22Bの構成の一例が示されている。図2(A)に示されるように、太陽電池素子22の受光面22Aには、ライン状に多数形成された集電線32と、集電線32から電荷を収集するとともに、インターコネクタ29(図1)と接続されるタブ付用母線(バスバー)34Aと、が形成されている。また、図2(B)に示されるように、太陽電池素子22の裏面22Bには、全面に導電層(裏面電極)36が形成され、その上に導電層36から電荷を収集するとともに、インターコネクタ29(図1)と接続されるタブ付用母線(バスバー)34Bが形成されている。集電線32の線幅は、例えば0.1mm程度であり;タブ付用母線34Aの線幅は、例えば2〜3mm程度であり;タブ付用母線34Bの線幅は、例えば5〜7mm程度である。集電線32、タブ付用母線34Aおよびタブ付用母線34Bの厚みは、例えば20〜50μm程度である。
集電線32、タブ付用母線34A、およびタブ付用母線34Bは、導電性が高い金属を含むことが好ましい。このような導電性の高い金属の例には、金、銀、銅などが含まれるが、導電性や耐腐食性が高い点などから、銀や銀化合物、銀を含有する合金などが好ましい。導電層36は、導電性の高い金属だけでなく、受光面で受けた光を反射させて太陽電池素子の光電変換効率を向上させるという観点などから、光反射性の高い成分、例えばアルミニウムを含むことが好ましい。集電線32、タブ付用母線34A、タブ付用母線34B、および導電層36は、太陽電池素子22の受光面22Aまたは裏面22Bに、上記導電性の高い金属を含む導電材塗料を、例えばスクリーン印刷により50μmの塗膜厚さに塗布した後、乾燥し、必要に応じて例えば600〜700℃で焼き付けすることにより形成される。
表面側透明保護部材24は、受光面側に配置されることから、透明である必要がある。表面側透明保護部材24の例には、透明ガラス板や透明樹脂フィルムなどが含まれる。一方、裏面側保護部材26は透明である必要はなく、その材質はとくに限定されない。裏面側保護部材26の例にはガラス基板やプラスチックフィルムなどが含まれるが、耐久性や透明性の観点からガラス基板が好適に用いられる。
太陽電池モジュール20は、任意の製造方法で得ることができる。太陽電池モジュール20は、例えば、裏面側保護部材26、太陽電池封止材、複数の太陽電池素子22、太陽電池封止材、および表面側透明保護部材24をこの順に積層した積層体を得る工程;該積層体を、ラミネーターなどにより加圧し貼り合わせ、同時に必要に応じて加熱する工程;上記工程の後、さらに必要に応じて積層体を加熱処理し、上記封止材を硬化する工程により得ることができる。
太陽電池素子には、通常、発生した電気を取り出すための集電電極が配置される。集電電極の例には、バスバー電極、フィンガー電極などが含まれる。一般に、集電電極は、太陽電池素子の表面と裏面の両面に配置した構造をとるが、受光面に集電電極を配置すると、集電電極が光を遮ってしまうため発電効率が低下するという問題が生じうる。
また、発電効率を向上させるために、受光面に集電電極を配置する必要のないバックコンタクト型太陽電池素子を用いることができる。バックコンタクト型太陽電池素子の一態様では、太陽電池素子の受光面の反対側に設けられた裏面側に、pドープ領域とnドープ領域とを交互に設ける。バックコンタクト型太陽電池素子の他の態様では、貫通孔(スルーホール)を設けた基板にp/n接合を形成し、スルーホール内壁および裏面側のスルーホール周辺部まで表面(受光面)側のドープ層を形成し、裏面側で受光面の電流を取り出す。
一般に太陽電池システムにおいては、上述の太陽電池モジュールを直列に数台から数十台つないでおり、住宅用の小規模のものでも50V〜500V、メガソーラーと呼ばれる大規模のものでは600〜1000Vでの運用がなされる。太陽電池モジュールの外枠には、強度保持などを目的にアルミフレームなどが使用され、安全上の観点からアルミフレームはアース(接地)される場合が多い。その結果太陽電池が発電することで、封止材に比較して電気抵抗の低い表面側透明保護部材面と太陽電池素子の間には、発電による電圧差が生じることになる。
その結果、発電セルと表面側透明保護部材またはアルミフレームとの間に封止される、太陽電池封止材には、高い電気絶縁性、高抵抗などの良好な電気特性が求められる。
(薄膜シリコン系(アモルファスシリコン系)の太陽電池モジュール)
薄膜シリコン系の太陽電池モジュールは、(1)表面側透明保護部材(ガラス基板)/薄膜太陽電池素子/封止層/裏面側保護部材をこの順に積層したもの;(2)表面側透明保護部材/封止層/薄膜太陽電池素子/封止層/裏面側保護部材をこの順に積層したものなどでありうる。表面側透明保護部材、裏面側保護部材、および封止層は、前述の「結晶シリコン系の太陽電池モジュール」の場合と同様である。
(1)の態様における薄膜太陽電池素子は、例えば、透明電極層/pin型シリコン層/裏面電極層をこの順に含む。透明電極層の例には、In、SnO、ZnO、CdSnO、ITO(InにSnを添加したもの)などの半導体系酸化物が含まれる。裏面電極層は、例えば銀薄膜層を含む。各層は、プラズマCVD(ケミカル・ベ−パ・デポジション)法やスパッタ法により形成される。封止層は、裏面電極層(例えば銀薄膜層)と接するように配置される。透明電極層は、表面側透明保護部材上に形成されるので、表面側透明保護部材と透明電極層との間に封止層は配置されないことが多い。
(2)の態様における薄膜太陽電池素子は、例えば、透明電極層/pin型シリコン層/金属箔、または耐熱性高分子フィルム上に配置された金属薄膜層(例えば、銀薄膜層)、をこの順に含む。金属箔の例には、ステンレススチール箔などが含まれる。耐熱性高分子フィルムの例には、ポリイミドフィルムなどが含まれる。透明電極層およびpin型シリコン層は、前述と同様、CVD法やスパッタ法により形成される。つまり、pin型シリコン層は、金属箔、または耐熱性高分子フィルム上に配置された金属薄膜層に形成され;さらに透明電極層はpin型シリコン層に形成される。また、耐熱性高分子フィルム上に配置される金属薄膜層もCVD法やスパッタ法により形成されうる。
この場合、封止層は、透明電極層と表面側透明保護部材との間;および金属箔または耐熱性高分子フィルムと裏面側保護部材との間にそれぞれ配置される。このように、太陽電池封止材から得られる封止層は、太陽電池素子の集電線、タブ付用母線、および導電層などの電極と接している。また(2)の態様における薄膜太陽電池素子は、シリコン層が、結晶シリコン系の太陽電池素子に比べて薄いため、太陽電池モジュール製造時の加圧や上記モジュール稼動時の外部からの衝撃により破損しにくい。このため、結晶シリコン系の太陽電池モジュールに用いられるものよりも、薄膜太陽電池モジュールに用いる太陽電池封止材の柔軟性は低くてもよい。一方、上記薄膜太陽電池素子の電極は上述のように金属薄膜層であるため、腐食により劣化した場合、発電効率が著しく低下する恐れがある。
また、その他の太陽電池モジュールとして、太陽電池素子にシリコンを用いた太陽電池モジュールがある。太陽電池素子にシリコンを用いた太陽電池モジュールには、結晶シリコンとアモルファスシリコンを積層したハイブリッド型(HIT型)太陽電池モジュール、吸収波長域の異なるシリコン層を積層した多接合型(タンデム型)太陽電池モジュール、太陽電池素子の受光面の反対側に設けられた裏面側にpドープ領域とnドープ領域とを交互に設けたバックコンタクト型太陽電池モジュール、無数の球状シリコン粒子(直径1mm程度)と集光能力を上げる直径2〜3mmの凹面鏡(電極を兼ねる)を組み合わせた球状シリコン型太陽電池モジュールなどが挙げられる。また、太陽電池素子にシリコンを用いた太陽電池モジュールには、従来のpin接合構造を持つアモルファスシリコン型のp型窓層の役割を、「絶縁された透明電極」から「電界効果によって誘起される反転層」に置き換えた構造を持つ電界効果型太陽電池モジュールなども挙げられる。また、太陽電池素子に単結晶のGaAsを用いたGaAs系太陽電池モジュール;太陽電池素子としてシリコンの代わりに、Cu、In、Ga、Al、Se、Sなどからなるカルコパイライト系と呼ばれるI−III−VI族化合物を用いたCISまたはCIGS系(カルコパイライト系)太陽電池モジュール;太陽電池素子としてCd化合物薄膜を用いたCdTe−CdS系太陽電池、CuZnSnS(CZTS)太陽電池モジュールなどが挙げられる。本実施形態の太陽電池封止材は、これら全ての太陽電池モジュールの太陽電池封止材として用いることができる。中でも、結晶シリコンとアモルファスシリコンを積層したハイブリッド型(HIT型)太陽電池モジュール、吸収波長域の異なるシリコン層を積層した多接合型(タンデム型)に好適に用いることが出来る。
とくに、太陽電池モジュ−ルを構成する光起電力素子の下に積層する封止材層は、光起電力素子の上部に積層される封止材層・電極・裏面保護層との接着性を有することが必要である。また、光起電力素子としての太陽電池素子の裏面の平滑性を保持するために、熱可塑性を有することが必要である。さらに、光起電力素子としての太陽電池素子を保護するために、耐スクラッチ性、衝撃吸収性などに優れていることが必要である。
上記封止材層としては、耐熱性を有することが望ましい。とくに、太陽電池モジュ−ル製造の際、真空吸引して加熱圧着するラミネーション法などにおける加熱作用や、太陽電池モジュ−ルなどの長期間の使用における太陽光などの熱の作用などにより、封止材層を構成する樹脂組成物が変質したり、劣化ないし分解したりしないことが望ましい。仮に、該樹脂組成物に含まれる添加剤などが溶出したり、分解物が生成したりすると、それらが太陽電池素子の起電力面(素子面)に作用し、その機能、性能などを劣化させてしまうことになる。このため、耐熱性は、太陽電池モジュ−ルの封止材層の有する特性として必要不可欠のものである。
さらに、上記封止材層は、防湿性に優れていることが好ましい。この場合、太陽電池モジュールの裏面側からの水分の透過を防ぐことができ、太陽電池モジュールの光起電力素子の腐食、劣化を防ぐことができる。
上記封止材層は、光起電力素子の上に積層する充填剤層と異なり、必ずしも透明性を有することを必要としない。本実施形態の太陽電池封止材は、上記の特性を有しており、結晶型太陽電池モジュールの裏面側の太陽電池封止材、水分浸透に弱い薄膜型太陽電池モジュールの太陽電池封止材として好適に用いることができる。
本実施形態の太陽電池モジュールは、本発明の目的を損なわない範囲で、任意の部材を適宜有してもよい。典型的には、接着層、衝撃吸収層、コーティング層、反射防止層、裏面再反射層、光拡散層などを設けることができるが、これらに限定されない。これらの層を設ける位置にはとくに限定はなく、そのような層を設ける目的、および、そのような層の特性を考慮し、適切な位置に設けることができる。
(太陽電池モジュール用表面側透明保護部材)
太陽電池モジュールに用いられる太陽電池モジュール用表面側透明保護部材は、とくに制限はないが、太陽電池モジュールの最表層に位置するため、耐候性、撥水性、耐汚染性、機械強度をはじめとして、太陽電池モジュールの屋外暴露における長期信頼性を確保するための性能を有することが好ましい。また、太陽光を有効に活用するために、光学ロスの小さい、透明性の高いシートであることが好ましい。
太陽電池モジュール用表面側透明保護部材の材料としては、ポリエステル樹脂、フッ素樹脂、アクリル樹脂、環状オレフィン(共)重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体などからなる樹脂フィルムやガラス基板などが挙げられる。樹脂フィルムは、好ましくは、透明性、強度、コストなどの点で優れたポリエステル樹脂、とくにポリエチレンテレフタレート樹脂や、耐侯性のよいフッ素樹脂などである。フッ素樹脂の例としては、四フッ化エチレン−エチレン共重合体(ETFE)、ポリフッ化ビニル樹脂(PVF)、ポリフッ化ビニリデン樹脂、ポリ四フッ化エチレン樹脂(PTFE)、四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合体(FEP)、ポリ三フッ化塩化エチレン樹脂(PCTFE)がある。耐候性の観点ではポリフッ化ビニリデン樹脂が優れているが、耐候性および機械的強度の両立では四フッ化エチレン−エチレン共重合体が優れている。また、封止材層などの他の層を構成する材料との接着性の改良のために、コロナ処理、プラズマ処理を表面側透明保護部材に行うことが望ましい。また、機械的強度向上のために延伸処理が施してあるシート、例えば2軸延伸のポリプロピレンシートを用いることも可能である。
太陽電池モジュール用表面側透明保護部材としてガラス基板を用いる場合、ガラス基板は、波長350〜1400nmの光の全光線透過率が80%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。かかるガラス基板としては、赤外部の吸収の少ない白板ガラスを使用するのが一般的であるが、青板ガラスであっても厚さが3mm以下であれば太陽電池モジュールの出力特性への影響は少ない。また、ガラス基板の機械的強度を高めるために熱処理により強化ガラスを得ることができるが、熱処理無しのフロート板ガラスを用いてもよい。また、ガラス基板の受光面側に反射を抑えるために反射防止のコーティングをしてもよい。
(太陽電池モジュール用裏面側保護部材)
太陽電池モジュールに用いられる太陽電池モジュール用裏面側保護部材は、とくに制限はないが、太陽電池モジュールの最表層に位置するため、上述の表面側透明保護部材と同様に、耐候性、機械強度などの諸特性を求められる。したがって、表面側透明保護部材と同様の材質で太陽電池モジュール用裏面側保護部材を構成してもよい。すなわち、表面側透明保護部材として用いられる上述の各種材料を、裏面側保護部材としても用いることができる。とくに、ポリエステル樹脂、およびガラスを好ましく用いることができる。また、裏面側保護部材は、太陽光の通過を前提としないため、表面側透明保護部材で求められる透明性は必ずしも要求されない。そこで、太陽電池モジュールの機械的強度を増すために、あるいは温度変化による歪み、反りを防止するために、補強板を張り付けてもよい。補強板は、例えば、鋼板、プラスチック板、FRP(ガラス繊維強化プラスチック)板などを好ましく使用することができる。
さらに、本実施形態の太陽電池封止材が、太陽電池モジュール用裏面側保護部材と一体化していてもよい。太陽電池封止材と太陽電池モジュール用裏面側保護部材とを一体化させることにより、モジュール組み立て時に太陽電池封止材および太陽電池モジュール用裏面側保護部材をモジュールサイズに裁断する工程を短縮できる。また、太陽電池封止材と太陽電池モジュール用裏面側保護部材とをそれぞれレイアップする工程を、一体化したシートでレイアップする工程にすることで、レイアップ工程を短縮・省略することもできる。太陽電池封止材と太陽電池モジュール用裏面側保護部材とを一体化させる場合における、太陽電池封止材と太陽電池モジュール用裏面側保護部材の積層方法は、とくに制限されない。積層方法には、キャスト成形機、押出シート成形機、インフレーション成形機、射出成形機などの公知の溶融押出機を用いて共押出して積層体を得る方法や;予め成形された一方の層上に、他方の層を溶融あるいは加熱ラミネートして積層体を得る方法が好ましい。
また、適当な接着剤(例えば、無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂(三井化学社製の商品名「アドマー(登録商標)」、三菱化学社製の商品名「モディック(登録商標)」など)、不飽和ポリオレフィンなどの低(非)結晶性軟質重合体、エチレン/アクリル酸エステル/無水マレイン酸三元共重合体(住化シーディエフ化学社製の商品名「ボンダイン(登録商標)」など)をはじめとするアクリル系接着剤、エチレン/酢酸ビニル系共重合体、またはこれらを含む接着性樹脂組成物など)を用いたドライラミネート法、あるいはヒートラミネート法などにより積層してもよい。
接着剤としては、120〜150℃程度の耐熱性があるものが好ましく、具体的にはポリエステル系またはポリウレタン系接着剤などが好ましい。また、二つの層の接着性を向上させるために、少なくとも一方の層に、例えばシラン系カップリング処理、チタン系カップリング処理、コロナ処理、プラズマ処理などを施してもよい。
(太陽電池素子)
太陽電池モジュールに用いられる太陽電池素子は、半導体の光起電力効果を利用して発電できるものであれば、とくに制限はない。太陽電池素子は、例えば、シリコン(単結晶系、多結晶系、非結晶(アモルファス)系)太陽電池、化合物半導体(III−III族、II−VI族、その他)太陽電池、湿式太陽電池、有機半導体太陽電池などを用いることができる。これらの中では、発電性能とコストとのバランスなどの観点から、多結晶シリコン太陽電池が好ましい。
シリコン太陽電池素子、化合物半導体太陽電池素子とも、太陽電池素子として優れた特性を有しているが、外部からの応力、衝撃などにより破損し易いことで知られている。本実施形態の太陽電池封止材は、柔軟性に優れているので、太陽電池素子への応力、衝撃などを吸収して、太陽電池素子の破損を防ぐ効果が大きい。したがって、本実施形態の太陽電池モジュールにおいては、本実施形態の太陽電池封止材からなる層が、太陽電池素子と直接的に接合されていることが望ましい。また、太陽電池封止材が熱可塑性を有していると、一旦、太陽電池モジュールを作製した後であっても、比較的容易に太陽電池素子を取り出すことができるため、リサイクル性に優れている。本実施形態の太陽電池封止材を構成するエチレン系樹脂組成物は、熱可塑性を有するため、太陽電池封止材全体としても熱可塑性を有しており、リサイクル性の観点からも好ましい。
(金属電極)
太陽電池モジュールに用いられる金属電極の構成および材料は、とくに限定されないが、具体的な例では、透明導電膜と金属膜の積層構造を有する。透明導電膜は、SnO、ITO、ZnOなどからなる。金属膜は、銀、金、銅、錫、アルミニウム、カドミウム、亜鉛、水銀、クロム、モリブデン、タングステン、ニッケル、バナジウムなどの金属からなる。これらの金属膜は、単独で用いられてもよいし、複合化された合金として用いられてもよい。透明導電膜と金属膜とは、CVD、スパッタ、蒸着などの方法により形成される。
金属電極は、例えば、通常よく知られたロジン系フラックスや水溶性フラックスのIPA(イソプロピルアルコール)や水の水溶液を用いて、電極表面にフラックスを塗布した後に、ヒーターや温風で乾燥し、その後ハンダ融解槽で融解されたハンダ融液を通して、金属電極の表面にハンダをコートし、再加熱し太陽電池素子と金属電極または金属電極同士を接合する方法が挙げられる。近年は、接合箇所に直接フラックスおよびハンダまたはハンダのみを塗布し、太陽電池素子と金属電極または金属電極同士を接合する方法も取られている。
(太陽電池モジュールの製造方法)
本実施形態の太陽電池モジュールの製造方法は、(i)表面側透明保護部材と、本実施形態の太陽電池封止材と、太陽電池素子(セル)と、太陽電池封止材と、裏面側保護部材とをこの順に積層して積層体を形成する工程と、(ii)得られた積層体を加圧および加熱して一体化する工程と、を含むことを特徴とする。
工程(i)において、太陽電池封止材の凹凸形状(エンボス形状)が形成された面を太陽電池素子側になるように配置することが好ましい。
工程(ii)において、工程(i)で得られた積層体を、常法に従って真空ラミネーター、または熱プレスを用いて、加熱および加圧して一体化(封止)する。封止において、本実施形態の太陽電池封止材は、クッション性が高いため、太陽電池素子の損傷を防止することができる。また、脱気性が良好であるため空気の巻き込みもなく、高品質の製品を歩留り良く製造することができる。
太陽電池モジュールを製造するときに、太陽電池封止材を構成するエチレン・α−オレフィン系樹脂組成物を架橋硬化させる。この架橋工程は、工程(ii)と同時に行ってもよいし、工程(ii)の後に行ってもよい。
架橋工程を工程(ii)の後に行う場合、工程(ii)において温度125〜160℃、真空圧10Torr以下の条件で3〜6分間真空・加熱し;次いで、大気圧による加圧を1〜15分間程度行い、上記積層体を一体化する。工程(ii)の後に行う架橋工程は、一般的な方法により行うことができ、例えば、トンネル式の連続式架橋炉を用いてもよいし、棚段式のバッチ式架橋炉を用いてもよい。また、架橋条件は、通常、130〜155℃で20〜60分程度である。
一方、架橋工程を工程(ii)と同時に行う場合、工程(ii)における加熱温度を145〜170℃とし、大気圧による加圧時間を6〜30分とすること以外は、架橋工程を工程(ii)の後に行う場合と同様にして行うことができる。本実施形態の太陽電池封止材は特定の有機過酸化物を含有することで優れた架橋特性を有しており、工程(ii)において二段階の接着工程を経る必要はなく、高温度で短時間に完結することができ、工程(ii)の後に行う架橋工程を省略してもよく、モジュールの生産性を格段に改良することができる。
いずれにしても、本実施形態の太陽電池モジュールの製造は、架橋剤が実質的に分解せず、かつ本実施形態の太陽電池封止材が溶融するような温度で、太陽電池素子や保護材に太陽電池封止材を仮接着し、次いで昇温して十分な接着と封止材の架橋を行えばよい。諸条件を満足できるような添加剤処方を選べばよく、例えば、上記架橋剤および上記架橋助剤などの種類および含浸量を選択すればよい。
また、上記架橋は、架橋後のエチレン・α−オレフィン共重合体のゲル分率が50〜95%となる程度にまで行うことが好ましい。ゲル分率は、より好ましくは50〜90%、さらに好ましくは60〜90%、最も好ましくは65〜90%である。ゲル分率の算出は下記の方法で行い得る。例えば、太陽電池モジュールより封止材シートのサンプルを1g採取し、沸騰トルエンでのソックスレー抽出を10時間行う。抽出液を、30メッシュでのステンレスメッシュでろ過し、メッシュを110℃にて8時間減圧乾燥を行う。メッシュ上に残存した残存物の重量を測定し、処理前のサンプル量(1g)に対する、メッシュ上に残存した残存物の重量の比(%)をゲル分率とする。
上記ゲル分率が上記下限値以上であると、太陽電池封止材の耐熱性が良好となり、例えば85℃×85%RHでの恒温恒湿試験、ブラックパネル温度83℃での高強度キセノン照射試験、−40℃〜90℃でのヒートサイクル試験、耐熱試験での接着性の低下を抑制することができる。一方、ゲル分率が上記上限値以下であると、高い柔軟性を有する太陽電池封止材となり、−40℃〜90℃でのヒートサイクル試験での温度追従性が向上するため、剥離の発生を防止することができる。
(発電設備)
本実施形態の太陽電池モジュールは、生産性、発電効率、寿命などに優れている。このため、この様な太陽電池モジュールを用いた発電設備は、コスト、発電効率、寿命などに優れ、実用上高い価値を有する。上記の発電設備は、家屋の屋根に設置する、キャンプなどのアウトドア向けの移動電源として利用する、自動車バッテリーの補助電源として利用するなどの、屋外、屋内を問わず長期間の使用に好適である。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(1)測定方法
[エチレン単位およびα−オレフィン単位の含有割合]
試料0.35gをヘキサクロロブタジエン2.0mlに加熱溶解させて得られた溶液をグラスフィルター(G2)で濾過した後、重水素化ベンゼン0.5mlを加え、内径10mmのNMRチューブに装入した。日本電子社製のJNM GX−400型NMR測定装置を使用し、120℃で13C−NMR測定を行った。積算回数は8000回以上とした。得られた13C−NMRスペクトルより、共重合体中のエチレン単位の含有割合、およびα−オレフィン単位の含有割合を定量した。
[MFR]
ASTM D1238に準拠し、190℃、2.16kg荷重の条件にてエチレン・α−オレフィン共重合体のMFRを測定した。
[密度]
ASTM D1505に準拠して、エチレン・α−オレフィン共重合体の密度を測定した。
[ショアA硬度]
エチレン・α−オレフィン共重合体を190℃、加熱4分、10MPaで加圧した後、10MPaで常温まで5分間加圧冷却して3mm厚のシートを得た。得られたシートを用いて、ASTM D2240に準拠してエチレン・α−オレフィン共重合体のショアA硬度を測定した。
[耐候性試験]
得られたシートを12cm×7.5cmのサイズに裁断した後、波長350〜800nmの範囲内において吸収域を有しない白板ガラス(厚さ3.2mm)を使用し、その白板ガラスに厚さ500μmの太陽電池封止材のシートサンプルを白板ガラス/太陽電池封止材/白板ガラスの順で積層し、150℃、真空5分、加圧5分でラミネート装置(NPC社製、LM−110X160S)でラミネートし、圧着した。次いで、150℃のオーブン中に45分間保持し、積層体を作製した。
次に、上記積層体を、メタルハライドランプを光源とする促進耐候性試験機(KU−R5NW、ダイプラウィンテス社製 )を用い、温度80℃の空気中で、300〜400nmにおける紫外線強度が1000W/m の紫外線を250時間照射した後取り出した。
透明性評価は、得られた促進試験サンプルを、日立製作所社製の分光光度計(商品名「U−3010」)にφ150mmの積分球を取り付けたものを使用し、350〜800nmの波長域における、上記積層体中のシートサンプルの分光全光線透過率を測定した。そして、測定結果に、標準光D65および標準視感効率V(λ)を乗じ、可視光の全光線透過率(Tvis)を算出した。
得られた積層体の450nmでの試験前後の透過率の差を評価した。
○:透過率の差が5%以下
△:透過率の差が5%超過8%以下
×:透過率の差が8%超過
(2)エチレン・α−オレフィン共重合体の合成
(合成例1)
撹拌羽根を備えた内容積50Lの連続重合器の一つの供給口に、共触媒としてメチルアルミノキサンのトルエン溶液を8.0mmol/hr、主触媒としてビス(1,3−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライドのヘキサンスラリーを0.025mmol/hr、トリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液を0.5mmol/hrの割合で供給し、触媒溶液と重合溶媒として用いる脱水精製したノルマルヘキサンの合計が20L/hrとなるように脱水精製したノルマルヘキサンを連続的に供給した。同時に重合器の別の供給口に、エチレンを3kg/hr、1−ブテンを15kg/hr、水素を5NL/hrの割合で連続供給し、重合温度90℃、全圧3MPaG、滞留時間1.0時間の条件下で連続溶液重合を行った。重合器で生成したエチレン・α−オレフィン共重合体のノルマルヘキサン/トルエン混合溶液は、重合器の底部に設けられた排出口を介して連続的に排出させ、エチレン・α−オレフィン共重合体のノルマルヘキサン/トルエン混合溶液が150〜190℃となるように、ジャケット部が3〜25kg/cmスチームで加熱された連結パイプに導いた。
なお、連結パイプに至る直前には、触媒失活剤であるメタノールが注入される供給口が付設されており、約0.75L/hrの速度でメタノールを注入してエチレン・α−オレフィン共重合体のノルマルヘキサン/トルエン混合溶液に合流させた。スチームジャケット付き連結パイプ内で約190℃に保温されたエチレン・α−オレフィン共重合体のノルマルヘキサン/トルエン混合溶液は、約4.3MPaGを維持するように、連結パイプ終端部に設けられた圧力制御バルブの開度の調整によって連続的にフラッシュ槽に送液された。なお、フラッシュ槽内への移送においては、フラッシュ槽内の圧力が約0.1MPaG、フラッシュ槽内の蒸気部の温度が約180℃を維持するように溶液温度と圧力調整バルブ開度設定が行われた。その後、ダイス温度を180℃に設定した単軸押出機を通し、水槽にてストランドを冷却し、ペレットカッターにてストランドを切断し、ペレットとしてエチレン・α−オレフィン共重合体を得た。収量は2.2kg/hrであった。物性を表1に示す。
(合成例2)
主触媒としての[ジメチル(t−ブチルアミド)(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)シラン]チタンジクロライドのヘキサン溶液を0.012mmol/hr、共触媒としてのトリフェニルカルベニウム(テトラキスペンタフルオロフェニル)ボレートのトルエン溶液を0.05mmol/hr、トリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液を0.4mmol/hrの割合でそれぞれ供給するとともに、1−ブテンを5kg/hr、水素を100NL/hrの割合で供給した以外は、前述の合成例1と同様にしてエチレン・α−オレフィン共重合体を得た。収量は1.3kg/hrであった。物性を表1に示す。
(合成例3)
主触媒としてビス(p−トリル)メチレン(シクロペンタジエニル)(1,1,4,4,7,7,10,10−オクタメチル−1,2,3,4,7,8,9,10−オクタヒドロジベンズ(b,h)−フルオレニル)ジルコニウムジクロリドのヘキサン溶液を0.003mmol/hr、共触媒としてのメチルアルミノキサンのトルエン溶液を3.0mmol/hr、トリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液を0.6mmol/hrの割合でそれぞれ供給したこと;エチレンを4.3kg/hrの割合で供給したこと;1−ブテンの代わりに1−オクテンを6.4kg/hrの割合で供給したこと;1−オクテンと触媒溶液と重合溶媒として用いる脱水精製したノルマルヘキサンの合計が20L/hrとなるように脱水精製したノルマルヘキサンを連続的に供給したこと;水素を40NL/hrの割合で供給したこと;および重合温度を130℃にしたこと以外は、合成例1と同様にしてエチレン・α−オレフィン共重合体を得た。収量は4.3kg/hrであった。物性を表1に示す。
Figure 2013190940
(3)太陽電池封止材(シート)の製造
(実施例1)
合成例1のエチレン・α−オレフィン共重合体100重量部に対し、有機過酸化物として1分間半減期温度が166℃のt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルカーボネートを1.0重量部、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤として2−(2H−1,2,3−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−ドデシル−4−メチルフェノールを0.3重量部、シランカップリング剤として3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランを0.5重量部、架橋助剤としてトリアリルイソシアヌレートを1.2重量部、ヒンダードアミン系光安定剤としてビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケートを0.2重量部、ヒンダードフェノール系安定剤としてオクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート0.05重量部、リン系安定剤としてトリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト0.1重量部を配合した。
サーモ・プラスチック社製の単軸押出機(スクリュー径20mmφ、L/D=28)にコートハンガー式T型ダイス(リップ形状:270×0.8mm)を装着し、ダイス温度100℃の条件下、ロール温度30℃、巻き取り速度1.0m/minで、冷却ロールにエンボスロールを用いて成形を行い、最大厚み500μmのエンボスシート(太陽電池封止材シート)を得た。得られたシートの空隙率は28%であった。得られたシートの各種評価結果を表2に示す。
(実施例2〜4)
表2に示す配合としたこと以外は、前述の実施例1と同様にしてエンボスシート(太陽電池封止材シート)を得た。得られたシートの空隙率は全て28%であった。得られたシートの各種評価結果を表2に示す。
(比較例1)
表2に示す配合としたこと以外は、前述の実施例1と同様にしてエンボスシート(太陽電池封止材シート)を得た。得られたシートの空隙率は全て28%であった。得られたシートの各種評価結果を表2に示す。
Figure 2013190940
紫外線吸収剤1:2−(2H−1,2,3−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−ドデシル−4−メチルフェノール
紫外線吸収剤2:2−(2H−1,2,3−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ジ−tert−ペンチルフェノール
紫外線吸収剤3:2,2'−メチルレンビス[6−(2H−1,2,3−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール]
紫外線吸収剤4:2−ヒドロキシ−4−ノルマル−オクチルオキシベンゾフェノン
この出願は、2012年6月19日に出願された日本特許出願特願2012−138261を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
すなわち、本発明によれば、以下に示す太陽電池封止材が提供される。
[1]
エチレン ・α−オレフィン共重合体、有機過酸化物、および紫外線吸収剤を含む太陽電池封止材であって、
前記紫外線吸収剤が、下記一般式(1)で表されるベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、下記一般式(2)で表されるベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤または2,2'−メチレンビス[6−(2H−1,2,3−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール]であることを特徴とする太陽電池封止材。
(紫外線吸収剤)
本実施形態の太陽電池封止材は、下記一般式(1)で表されるベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、下記一般式(2)で表されるベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤または2,2'−メチレンビス[6−(2H−1,2,3−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール]を含んでいる。ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤は、光劣化が少なく、優れた耐久性を有している。さらに、300nm以下の波長での吸収能力を有している上に、340nm以上に最大級波長を有しており、広い波長領域での紫外線吸収能力に優れており、また長期間に亘り紫外線吸収能力を維持することができ、太陽電池モジュールの変換効率の低下を抑制することができる。
上記式(2)において、Rが水素原子を表し、RとRが、同一であり、RとRが、同一であることが好ましい。
上記式(2)で表されるベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤として具体的には、4,4'−メチレンビス[2−(2H−1,2,3−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−エトキシフェノール]、4,4'−メチレンビス[2−(2H−1,2,3−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−ブトキシフェノール]、4,4'−メチレンビス[2−(2H−1,2,3−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−オクチルオキシフェノール]などが挙げられる。また、本実施形態のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては2,2'−メチレンビス[6−(2H−1,2,3−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール]を用いることができる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
Figure 2013190940
紫外線吸収剤1:2−(2H−1,2,3−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−ドデシル−4−メチルフェノール
紫外線吸収剤2:2−(2H−1,2,3−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ジ−tert−ペンチルフェノール
紫外線吸収剤3:2,2'−メチレンビス[6−(2H−1,2,3−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール]
紫外線吸収剤4:2−ヒドロキシ−4−ノルマル−オクチルオキシベンゾフェノン

Claims (16)

  1. エチレン ・α−オレフィン共重合体、有機過酸化物、および紫外線吸収剤を含む太陽電池封止材であって、
    前記紫外線吸収剤が、下記一般式(1)あるいは(2)で表されるベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤であることを特徴とする太陽電池封止材。
    Figure 2013190940
    ・・・(1)
    (式中、Rは、水素原子、または炭素数 1〜6のアルキル基、を表し、R〜Rは、同一であっても異なっていてもよく、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、水酸基、炭素数1〜22のアルコキシ基、または炭素数1〜22のアルキルオキシカルボニル基、を表す。)
    Figure 2013190940
    ・・・(2)
    (式中、Rは、水素原子、または炭素数1〜6のアルキル基、を表し、R〜Rは、同一であっても異なっていてもよく、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、水酸基、炭素数1〜22のアルコキシ基、または炭素数1〜22のアルキルオキシカルボニル基を表す。)
  2. 前記一般式(1)において、R1が水素原子を表し、R〜Rが、相互に異なることを特徴とする請求項1に記載の太陽電池封止材。
  3. 前記一般式(2)において、Rが水素原子を表し、RとRが、同一であり、RとRが、同一であることを特徴とする請求項1に記載の太陽電池封止材。
  4. 前記紫外線吸収剤の含有量が、前記エチレン・α−オレフィン共重合体100重量部に対して0.05〜5.0重量部である、請求項1に記載の太陽電池封止材。
  5. 前記エチレン・α−オレフィン共重合体が、以下の要件a1)〜a4)を満たす請求項1に記載の太陽電池封止材。
    a1)エチレンに由来する構成単位の含有割合が80〜90mol%であり、炭素数3〜20のα−オレフィンに由来する構成単位の含有割合が10〜20mol%である。
    a2)ASTM D1238に準拠し、190℃、2.16kg荷重の条件で測定されるMFRが10〜50g/10分である。
    a3)ASTM D1505に準拠して測定される密度が0.865〜0.884g/cmである。
    a4)ASTM D2240に準拠して測定されるショアA硬度が60〜85である。
  6. ASTM D1238に準拠し、190℃、2.16kg荷重の条件で測定される前記エチレン・α−オレフィン共重合体のMFRが、10〜27g/10分である、請求項1に記載の太陽電池封止材。
  7. 前記有機過酸化物の1分間半減期温度が100〜170℃であり、かつ前記有機過酸化物の含有量が、前記エチレン・α−オレフィン共重合体100重量部に対して0.1〜3重量部である、請求項1に記載の太陽電池封止材。
  8. 前記エチレン・α−オレフィン共重合体100重量部に対してさらにシランカップリング剤を0.1〜5重量部含む、請求項1に記載の太陽電池封止材。
  9. 前記エチレン・α−オレフィン共重合体100重量部に対してさらにヒンダードフェノール系安定剤を0.005〜0.1重量部含む、請求項1に記載の太陽電池封止材。
  10. 前記エチレン・α−オレフィン共重合体100重量部に対してさらにヒンダードアミン系光安定剤を0.01〜2.0重量部含む、請求項1に記載の太陽電池封止材。
  11. 前記エチレン・α−オレフィン共重合体100重量部に対してさらにリン系安定剤を0.005〜0.5重量部含む、請求項1に記載の太陽電池封止材。
  12. 前記エチレン・α−オレフィン共重合体100重量部に対してさらに架橋助剤を0.05〜5重量部含む、請求項1に記載の太陽電池封止材。
  13. 前記エチレン・α−オレフィン共重合体と、前記有機過酸化物と、前記紫外線吸収剤とを溶融混錬後、シート状に押出成形して得られる請求項1に記載の太陽電池封止材。
  14. シート状である請求項1に記載の太陽電池封止材。
  15. 表面側透明保護部材と、
    裏面側保護部材と、
    太陽電池素子と、
    請求項1に記載の太陽電池封止材を架橋させて形成された、前記太陽電池素子を前記表面側透明保護部材と前記裏面側保護部材との間に封止する封止層と、
    を備えた太陽電池モジュール。
  16. 前記太陽電池素子が、結晶シリコンとアモルファスシリコンを積層してなる請求項15に記載の太陽電池モジュール。
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