JPWO2013128557A1 - 費用算出方法、費用算出プログラムおよび費用算出装置 - Google Patents

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Abstract

作物の育成ステージごとの気象が影響するさまざまな費用(天候コスト)を考慮でき、より正確に費用を予測できる、農作業のための費用算出方法。算出装置(100)は、生育ステージ−期間における気温や降水量などの気象要素(1)を予測し、また、そのステージにおけるその作物のための作業にかかる標準的な費用(2)を取得する。装置(100)は、ステージ−期間における予測する気象が記憶部(110)における気象条件に合うなら、施すべき対処策のための費用と標準的な費用(2)とに基づいて予測費用(4)を算出する。

Description

本発明は、費用算出方法、費用算出プログラムおよび費用算出装置に関する。
圃場において農作物を栽培する場合、栽培途中のある時点までにかかった総費用が、農作物を栽培することにより得られる予測売上よりも多くなると、農作物の栽培を続けるほど赤字が増えることが想定される。このため、営農者は、圃場における農作物の栽培を、収穫を待たずに止めることも対処策の一つとして考えることが必要となる場合がある。
関連する先行技術としては、例えば、リモートセンシングデータから得た作物の光反射率、NDVIまたはGNDVIから糖量を予測することにより、収穫前に作物の収量を予測するものがある。また、例えば、営農計画を作成するためのデータベース、生産計画作成技術、生産計画と連動した財務計画作成技術を提供する先行技術がある。
特開2010−166851号公報 特開2003−30278号公報
しかしながら、従来技術によれば、圃場において栽培される農作物の農作業にかかる費用を予測することが難しいという問題がある。例えば、農作物の生育ステージによっては、農作物の成長に対して天候が与える影響が異なり、農作物に対して施すべき対処策が変化する場合があるため、農作業にかかる費用を予測することが難しい。
一側面では、本発明は、ある生育ステージの作物の特定の天候時における農作業にかかる費用を算出することができる費用算出方法、費用算出プログラムおよび費用算出装置を提供することを目的とする。
本発明の一側面によれば、圃場において栽培される作物の栽培期間のうち前記作物のいずれかの生育ステージに対応する期間における天気の特性を表す気象要素の予測値と、前記作物の前記生育ステージにおける農作業にかかる標準的な費用とを取得し、気象条件を表す前記気象要素の指標値と、前記気象条件下における前記生育ステージの前記作物に対して施すべき対処策にかかる費用とを対応付けて記憶する記憶部を参照して、取得した前記予測値が前記気象条件を満たすか否かを判定し、前記予測値が前記気象条件を満たす場合、前記対処策にかかる費用と前記標準的な費用とに基づいて、前記作物の前記生育ステージにおける農作業にかかる予測費用を算出し、算出した前記予測費用を出力する費用算出方法、費用算出プログラムおよび費用算出装置が提案される。
本発明の一態様によれば、ある生育ステージの作物の特定の天候時における農作業にかかる費用を算出することができるという効果を奏する。
図1は、実施の形態1にかかる費用算出方法の一実施例を示す説明図である。 図2は、損益予測装置200のハードウェア構成例を示すブロック図である。 図3は、圃場DB300の記憶内容の一例を示す説明図である。 図4は、作業履歴データの具体例を示す説明図である。 図5は、使用履歴データの具体例を示す説明図である。 図6は、作業員マスタ600の記憶内容の一例を示す説明図である。 図7は、資材マスタ700の記憶内容の一例を示す説明図である。 図8は、気象データDB800の記憶内容の一例を示す説明図である。 図9は、栽培期間管理テーブル900の記憶内容の一例を示す説明図である。 図10は、標準コストマスタ1000の記憶内容の一例を示す説明図である。 図11は、天候コストマスタ1100の記憶内容の一例を示す説明図である。 図12は、標準反収マスタ1200の記憶内容の一例を示す説明図である。 図13は、作物生育限界温度マスタ1300の記憶内容の一例を示す説明図である。 図14は、損益予測装置200の機能的構成例を示すブロック図である。 図15は、日平均気温に基づく類似度の算出例を示す説明図である。 図16は、日平均気温の積算値に基づく類似度の算出例を示す説明図である。 図17は、予測気象データの具体例を示す説明図である。 図18は、コスト管理テーブル1800の記憶内容の一例を示す説明図である。 図19は、損益予測条件入力画面の画面例を示す説明図である。 図20は、損益予測画面の画面例を示す説明図である。 図21は、損益予測装置200の損益予測処理手順の一例を示すフローチャートである。 図22は、実績コスト算出処理の具体的処理手順の一例を示すフローチャート(その1)である。 図23は、実績コスト算出処理の具体的処理手順の一例を示すフローチャート(その2)である。 図24は、予測気象データ取得処理の具体的処理手順の一例を示すフローチャートである。 図25は、予測コスト算出処理の具体的処理手順の一例を示すフローチャート(その1)である。 図26は、予測コスト算出処理の具体的処理手順の一例を示すフローチャート(その2)である。 図27は、損益予測処理の具体的処理手順の一例を示すフローチャートである。
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる費用算出方法、費用算出プログラムおよび費用算出装置の実施の形態を詳細に説明する。
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1にかかる費用算出方法の一実施例を示す説明図である。図1において、費用算出装置100は、圃場において栽培される作物の各生育ステージにおける農作業にかかる費用を算出するコンピュータである。
ここで、圃場とは、作物を栽培するための田畑、菜園、果樹園などである。作物とは、例えば、穀類、野菜、果樹などの農作物である。作物は、例えば、品目、品種および作型の組み合わせによって分類することができる。品目とは、作物の種類である。品目としては、例えば、水稲、キャベツ、ニンジン、ミカンなどがある。
品種とは、同一品目の中の種類である。例えば、キャベツの品種として、寒玉キャベツ、春玉キャベツ、グリーンボールキャベツ、紫キャベツなどがある。また、ミカンの品種として、ゆら早生、宮川早生、久能温州、大津4号、青島温州などがある。作型とは、作物の栽培を行うときの条件や技術の組み合わせを示す体系である。作型としては、例えば、直播、田植え、春まき栽培、夏まき栽培、秋まき栽培、冬まき栽培などがある。
生育ステージとは、時間の経過にしたがって成長する作物の成長段階を示すものである。例えば、ミカンの生育ステージとして、発芽期、開花期、満開期、生理落果期、果実肥大期、成熟期、収穫期などがある。また、キャベツの生育ステージとして、播種期、育苗期、移植期、定植期、生育期、収穫期などがある。また、農作業とは、作物を栽培するための作業である。農作業としては、例えば、見回り、播種、耕起、耕耘、施肥、田植え、整地、農薬散布、除草、間引き、追肥、培土、収穫などがある。
また、費用算出装置100は、記憶部110にアクセス可能である。記憶部110は、作物の生育ステージごとに、気象条件を表す気象要素の指標値と、該気象条件下における該生育ステージの作物に対して施すべき対処策にかかる費用とを対応付けて記憶する記憶装置である。
ここで、気象条件とは、大気の状態を表す条件である。気象条件は、気象要素を用いて定義することができる。気象要素とは、天気の特性を表す要素である。気象要素は、例えば、気温、降水量、日照時間、湿度、気圧、風速などである。対処策とは、天候の影響が栽培途中の作物の成長に与える弊害を回避するために行われるものである。
作物の成長に与える天候の影響は、作物の生育ステージによって異なる場合がある。例えば、降水量が所定量以上という気象条件を想定する。この場合、作物の種を播いたばかりの時期は、雨によって種が流れやすいため、種の流出を防ぐ対処策を施す費用が発生する。これに対して、作物の根が活着した後の時期であれば、成長には水分が必要なため、対処策を施す必要がなく費用が発生しない。
このように、同一の気象条件下であっても、作物の生育ステージによっては、作物に対して施すべき対処策が異なり、農作業にかかる費用が異なる場合がある。別の言い方をすれば、同一の気象条件下であっても、作物の生育ステージによっては、気象条件が作物の生育にとって良い影響を与える場合もあるし、悪い影響を与える場合も有る。そこで、本実施の形態では、費用算出装置100は、特定の天候となるある生育ステージの作物の農作業にかかる費用を、該生育ステージの作物の農作業にかかる標準的な費用に、特定の天候時に該生育ステージの作物に施すべき対処策の費用を加味して求める。
以下、費用算出装置100の費用算出処理手順例について説明する。以下の説明では、農作業にかかる費用の算出対象となる作物を「対象作物」と表記する場合がある。また、農作業にかかる費用の算出対象となる生育ステージを「対象生育ステージ」と表記する場合がある。また、対象作物の栽培期間のうち対象生育ステージに対応する期間を「対象期間」と表記する場合がある。
(1)費用算出装置100は、対象圃場において栽培される対象作物の栽培期間のうち対象作物の対象生育ステージに対応する対象期間における気象要素の予測値を取得する。ここで、気象要素の予測値とは、例えば、対象圃場を含む地域の対象期間における気温、降水量、日照時間、湿度、気圧、風速などを予測した値である。図1の例では、対象期間における気象要素の予測値として、対象期間における積算降水量の予測値『150[mm]』が取得されている。
具体的には、例えば、費用算出装置100は、ユーザの操作入力により、または、データベースからの抽出により、対象期間における気象要素の予測値を取得する。また、費用算出装置100は、外部のコンピュータから対象期間における気象要素の予測値を取得することにしてもよい。
(2)費用算出装置100は、対象生育ステージにおける対象作物の農作業にかかる標準的な費用を取得する。ここで、標準的な費用とは、例えば、対象作物の対象生育ステージにおける農作業にかかった単位面積当たりの費用の平均値である。図1の例では、対象作物『ミカン』の対象生育ステージ『成熟期』における農作業にかかった標準的な費用として、10[a(アール)]当たりの標準的な費用『100000[円]』が取得されている。なお、1[a]は100平方メートルである。
具体的には、例えば、費用算出装置100は、ユーザの操作入力により、または、データベースからの抽出により、対象作物の対象生育ステージにおける農作業にかかった標準的な費用を取得する。また、費用算出装置100は、外部のコンピュータから対象作物の対象生育ステージにおける農作業にかかった標準的な費用を取得することにしてもよい。
(3)費用算出装置100は、取得した対象期間における気象要素の予測値が、対象作物の対象生育ステージと対応付けて記憶部110に記憶されている気象条件を満たすか否かを判定する。図1の例では、対象期間における気象要素の予測値は、対象期間における積算降水量の予測値『150[mm]』である。
また、対象作物の対象生育ステージに対応する気象条件は、作物『ミカン』の生育ステージ『成熟期』と対応付けて記憶部110に記憶されている気象条件『積算降水量が100[mm]以上』である。このため、費用算出装置100は、対象期間における気象要素の予測値が、対象作物の対象生育ステージに対応する気象条件を満たすと判定する。
(4)費用算出装置100は、対象期間における気象要素の予測値が気象条件を満たす場合、該気象条件下における対象生育ステージの対象作物に対して施すべき対処策にかかる費用と、取得した標準的な費用とに基づいて、農作業にかかる予測費用を算出する。ここで、農作業にかかる予測費用とは、対象作物の対象生育ステージにおける農作業にかかる費用の予測値である。
図1の例では、『積算降水量が100[mm]以上』という気象条件下における生育ステージ『成熟期』の作物『ミカン』に対して施すべき対処策は『マルチシートを敷く』である。また、対処策『マルチシートを敷く』にかかる費用は『40000[円]』である。この費用は、10[a]当たりの対処策『マルチシートを敷く』にかかる費用である。
このため、費用算出装置100は、例えば、取得した標準的な費用に対処策にかかる費用を加算することにより、対象作物の対象生育ステージにおける農作業にかかる予測費用を算出する。図1の例では、対象作物の対象生育ステージにおける農作業にかかる予測費用は『140000[円]』となる。なお、マルチシートとは、ミカンが結実した後に降雨があると実の糖分率が下がるため、雨が土中に染み込まないようにするための対処策である。
このように、実施の形態1にかかる費用算出装置100によれば、対象期間における気象要素の予測値が特定の気象条件を満たす場合、特定の気象条件下における対象生育ステージの対象作物に対して施すべき対処策にかかる費用を特定することができる。そして、費用算出装置100によれば、特定した対処策にかかる費用と、対象生育ステージにおける対象作物の農作業にかかる標準的な費用とに基づいて、対象作物の対象生育ステージにおける農作業にかかる予測費用を算出することができる。
これにより、対象作物の成長に与える対象生育ステージ特有の天候の影響を考慮して、対象生育ステージにおける農作業にかかる予測費用を予測することができる。この結果、例えば、営農者は、特定の天候時に対象生育ステージの対象作物に対して施すべき対処策にかかる費用が加味された予測費用を把握することができる。
(実施の形態2)
つぎに、実施の形態1において説明した費用算出装置100を、対象作物の損益を予測する損益予測装置200に適用した場合について説明する。なお、実施の形態1において説明した箇所と同様の箇所については説明を省略する。
(損益予測装置200のハードウェア構成例)
図2は、損益予測装置200のハードウェア構成例を示すブロック図である。図2において、損益予測装置200は、CPU(Central Processing Unit)201と、ROM(Read‐Only Memory)202と、RAM(Random Access Memory)203と、磁気ディスクドライブ204と、磁気ディスク205と、光ディスクドライブ206と、光ディスク207と、ディスプレイ208と、I/F(Interface)209と、キーボード210と、マウス211と、スキャナ212と、プリンタ213と、を有している。また、各構成部はバス220によってそれぞれ接続されている。
ここで、CPU201は、損益予測装置200の全体の制御を司る。ROM202は、ブートプログラムなどのプログラムを記憶している。RAM203は、CPU201のワークエリアとして使用される。磁気ディスクドライブ204は、CPU201の制御にしたがって磁気ディスク205に対するデータのリード/ライトを制御する。磁気ディスク205は、磁気ディスクドライブ204の制御で書き込まれたデータを記憶する。
光ディスクドライブ206は、CPU201の制御にしたがって光ディスク207に対するデータのリード/ライトを制御する。光ディスク207は、光ディスクドライブ206の制御で書き込まれたデータを記憶したり、光ディスク207に記憶されたデータをコンピュータに読み取らせたりする。
ディスプレイ208は、カーソル、アイコンあるいはツールボックスをはじめ、文書、画像、機能情報などのデータを表示する。このディスプレイ208は、例えば、CRT、TFT液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイなどを採用することができる。
I/F209は、通信回線を通じて有線または無線のネットワーク214に接続され、ネットワーク214を介して他のコンピュータに接続される。ネットワーク214は、例えば、LAN(Local Area Network)、無線LAN、WAN(Wide Area Network)、インターネットなどである。そして、I/F209は、ネットワーク214と内部のインターフェースを司り、外部のコンピュータからのデータの入出力を制御する。I/F209には、例えば、モデムやLANアダプタなどを採用することができる。
キーボード210は、文字、数字、各種指示などの入力のためのキーを備え、データの入力を行う。また、タッチパネル式の入力パッドやテンキーなどであってもよい。マウス211は、カーソルの移動や範囲選択、あるいはウィンドウの移動やサイズの変更などを行う。
スキャナ212は、画像を光学的に読み取り、損益予測装置200内に画像データを取り込む。また、プリンタ213は、画像データや文書データを印刷する。プリンタ213には、例えば、レーザプリンタやインクジェットプリンタを採用することができる。なお、費用算出装置100は、上述した構成部のうち、例えば、光ディスクドライブ206、光ディスク207、スキャナ212およびプリンタ213を有さないことにしてもよい。
(各種データベース等の記憶内容)
つぎに、損益予測装置200が有する各種データベース等の記憶内容について説明する。以下に説明する各種データベース等は、例えば、図2に示したRAM203、磁気ディスク205、光ディスク207などの記憶装置により実現される。
<圃場DB(データベース)300の記憶内容>
図3は、圃場DB300の記憶内容の一例を示す説明図である。図3において、圃場DB300は、圃場ID、圃場名、品目、品種、作型、生育ステージ、作業履歴データおよび使用履歴データのフィールドを有する。各フィールドに情報を設定することにより、圃場F1〜Fnの圃場情報300−1〜300−nがレコードとして記憶されている。
圃場IDは、圃場F1〜Fnを一意に識別する識別子である。圃場F1〜Fnは、例えば、農場の経営者が管理している圃場である。以下、圃場F1〜Fnのうち任意の圃場を「圃場Fi」と表記する場合がある(i=1,2,…,n)。
圃場名は、圃場Fiの名称である。品目は、圃場Fiで栽培されている作物の品目である。品種は、圃場Fiで栽培されている作物の品種である。作型は、圃場Fiで栽培されている作物の作型である。生育ステージは、圃場Fiで栽培されている作物の生育ステージである。
作業履歴データは、圃場Fjで行われた農作業の作業履歴を示す情報である。作業履歴データについての詳細な説明は、図4を用いて後述する。使用履歴データは、圃場Fjで使用された資材の使用履歴を示す情報である。資材とは、農作業に使用される農機具、農薬、種子などである。農機具としては、例えば、農業用トラクタ、耕耘機、田植機、コンバイン、農薬散布機などがある。使用履歴データについての詳細な説明は、図5を用いて後述する。
圃場情報300−1を例に挙げると、圃場F1の圃場名「圃場A」、品目「キャベツ」、品種「秋冬キャベツ」、作型「秋まき」、生育ステージ「播種期」、作業履歴データW1および使用履歴データM1が設定されている。なお、圃場DB300には、圃場Fiにおける農作業が現在進行中の圃場情報と、圃場Fiにおける農作業が終了している圃場情報とが含まれている。
つぎに、作業履歴データの具体例について説明する。ここでは、図3に示した圃場情報300−1に設定されている作業履歴データW1を例に挙げて説明する。
図4は、作業履歴データの具体例を示す説明図である。図4において、作業履歴データW1は、圃場ID、作業日、作業時刻、作業内容および作業者名のフィールドを有する。各フィールドの情報を設定することにより、作業履歴(例えば、作業履歴400−1〜400−5)がレコードとして記憶されている。
圃場IDは、圃場Fjの識別子である。作業日は、圃場Fjにおいて農作業が行われた年月日である。作業時刻は、圃場Fjにおいて農作業が行われた作業時刻である。作業内容は、圃場Fjにおいて行われた農作業の作業内容である。作業者名は、圃場Fjにおいて行われた農作業の作業者の名称である。
作業履歴400−1を例に挙げると、作業日「2011/01/08」の作業時刻「13:32〜15:31」に圃場F1において行われた農作業の作業内容「耕起」および作業者名「作業者A」が設定されている。なお、作業履歴データは、圃場Fjにおいて新たな農作業が行われると、その都度更新される。
つぎに、使用履歴データの具体例について説明する。ここでは、図3に示した圃場情報300−1に設定されている使用履歴データM1を例に挙げて説明する。
図5は、使用履歴データの具体例を示す説明図である。図5において、使用履歴データM1は、圃場ID、作業日、使用時刻、資材名および作業者名のフィールドを有する。各フィールドに情報を設定することにより、使用履歴(例えば、使用履歴500−1〜500−5)がレコードとして記憶されている。
圃場IDは、圃場Fjの識別子である。作業日は、圃場Fjにおいて農作業が行われた年月日である。使用時刻は、資材が使用された時刻である。資材名は、農作業に使用された資材の名称である。作業者名は、圃場Fjにおいて行われた農作業の作業者の名称である。
使用履歴500−1を例に挙げると、作業日「2011/01/08」の使用時刻「13:32−15:31」に圃場F1において使用された資材の名称「15馬力(ASTE)」および作業者名「作業者A」が設定されている。なお、使用履歴データは、圃場Fjの農作業において新たな資材が使用されると、その都度更新される。
<作業員マスタ600の記憶内容>
図6は、作業員マスタ600の記憶内容の一例を示す説明図である。図6において、作業員マスタ600は、作業者名および単価のフィールドを有する。各フィールドに情報を設定することにより、作業員情報(例えば、作業員情報600−1〜600−4)がレコードとして記憶されている。
作業者名は、農業に従事する作業者の名称である。単価は、作業者の1時間当たりの農作業に対して支払われる人件費である。作業員情報600−1を例に挙げると、作業者名「作業者A」の単価「2000[円]」が設定されている。
<資材マスタ700の記憶内容>
図7は、資材マスタ700の記憶内容の一例を示す説明図である。図7において、資材マスタ700は、資材名および単価のフィールドを有する。各フィールドに情報を設定することにより、資材情報(例えば、資材情報700−1,700−2)がレコードとして記憶されている。
資材名は、農作業に使用される資材の名称である。単価は、資材の1時間当たりの使用に対して支払われる資材費である。資材情報700−1を例に挙げると、資材名「15馬力」の単価「2000[円]」が設定されている。
<気象データDB800の記憶内容>
つぎに、気象データDB800の記憶内容について説明する。気象データDB800は、対象圃場を含む地域において測定された気象データを記憶するデータベースである。気象データは、気象要素の測定値を示す情報である。
図8は、気象データDB800の記憶内容の一例を示す説明図である。図8において、気象データDB800は、年月日、時、気温、降水量および日照時間のフィールドを有する。各フィールドに情報を設定することにより、気象データがレコードとして記憶されている。
年月日は、気象データが測定された年月日である。時は、気象データが測定された時間帯である。気温は、対象圃場を含む地域において測定された気温である。降水量は、対象圃場を含む地域において測定された降水量である。日照時間は、対象圃場を含む地域において測定された日照時間である。なお、対象圃場を含む地域において新たな気象データが測定されると、その都度、測定された気象データが気象データDB800に記憶される。
<栽培期間管理テーブル900の記憶内容>
つぎに、栽培期間管理テーブル900の記憶内容について説明する。栽培期間管理テーブル900は、対象圃場において栽培される対象作物の栽培期間を表す情報である。ここでは、対象作物として、品目「キャベツ」、品種「寒玉」、作型「春播き夏穫り」の作物を例に挙げて説明する。
図9は、栽培期間管理テーブル900の記憶内容の一例を示す説明図である。図9において、栽培期間管理テーブル900は、品目、品種、作型、圃場名、生育ステージ、期間開始日および期間終了日のフィールドを有する。各フィールドに情報を設定することにより、対象作物の生育ステージごとの期間管理情報900−1〜900−4がレコードとして記憶されている。
品目は、対象作物の品目である。品種は、対象作物の品種である。作型は、対象作物の作型である。圃場名は、対象圃場の名称である。生育ステージは、対象作物の生育ステージである。期間開始日は、対象作物の栽培期間のうち各生育ステージに対応する期間の開始日である。期間終了日は、対象作物の栽培期間のうち各生育ステージに対応する期間の終了日である。
期間管理情報900−1を例に挙げると、圃場名「圃場A」の対象圃場において栽培される品目「キャベツ」、品種「寒玉」、作型「春播き夏穫り」の対象作物の生育ステージ「準備期」に対応する期間の期間開始日「2012/4/1」および期間終了日「2012/4/15」が設定されている。
<標準コストマスタ1000の記憶内容>
つぎに、標準コストマスタ1000の記憶内容について説明する。標準コストマスタ1000は、対象作物の各生育ステージにおける農作業にかかる標準的な費用を表す標準コスト情報を記憶している。ここでは、対象作物として、品目「キャベツ」、品種「寒玉」、作型「春播き夏穫り」の作物を例に挙げて説明する。
図10は、標準コストマスタ1000の記憶内容の一例を示す説明図である。図10において、標準コストマスタ1000は、品目、品種、作型、生育ステージ、人件費および資材費のフィールドを有する。各フィールドに情報を設定することにより、標準コスト情報1000−1〜1000−4がレコードとして記憶されている。
品目は、対象作物の品目である。品種は、対象作物の品種である。作型は、対象作物の作型である。生育ステージは、対象作物の生育ステージである。人件費は、対象作物の各生育ステージにおける農作業にかかる標準的な人件費[円]である。資材費は、対象作物の各生育ステージにおける農作業にかかる標準的な資材費[円]である。なお、人件費および資材費は、10[a]当たりのものである。
標準コスト情報1000−1を例に挙げると、品目「キャベツ」、品種「寒玉」、作型「春播き夏穫り」の対象作物の生育ステージ「準備期」における農作業にかかる標準的な人件費「15000[円]」および資材費「7000[円]」が設定されている。
<天候コストマスタ1100の記憶内容>
つぎに、天候コストマスタ1100の記憶内容について説明する。天候コストマスタ1100は、図1に示した記憶部110に相当する。天候コストマスタ1100は、対象作物の生育ステージごとに、ある気象条件下における該生育ステージの対象作物に対して施すべき対処策にかかる費用を表す天候コスト情報を記憶している。ここでは、対象作物として、品目「ミカン」、品種「××早生」、作型「早生」の作物を例に挙げて説明する。
図11は、天候コストマスタ1100の記憶内容の一例を示す説明図である。図11において、天候コストマスタ1100は、品目、品種、作型、生育ステージ、指標、指標値、単位、条件、対処策および天候コストのフィールドを有する。各フィールドに情報を設定することにより、天候コスト情報1100−1〜1100−6がレコードとして記憶されている。
品目は、対象作物の品目である。品種は、対象作物の品種である。作型は、対象作物の作型である。生育ステージは、対象作物の生育ステージである。指標は、対象作物の各生育ステージにおける特定の気象条件を表すための気象要素である。指標値は、特定の気象条件を表すための気象要素の値である。
単位は、特定の気象条件を表すための気象要素の値の単位である。条件は、特定の気象条件を表すための気象要素の条件である。対処策は、各気象条件下における各生育ステージの対象作物に対して施すべき対処策である。天候コストは、対象作物に対して対処策を施すことにより増加する費用[円/10a]である。
天候コスト情報1100−1を例に挙げると、品目「ミカン」、品種「××早生」、作型「早生」の対象作物の生育ステージ「生理落果期」における特定の気象条件を表す指標「積算降水量」、指標値「150」、単位「ミリ」および条件「未満」が設定されている。また、対象作物に対して施すべき対処策「潅水実施」および天候コスト「20000[円/10a]」が設定されている。
<標準反収マスタ1200の記憶内容>
つぎに、標準反収マスタ1200の記憶内容について説明する。標準反収マスタ1200は、1反(約10[a])当たりの作物の標準的な売上を予測するための標準反収情報を記憶している。
図12は、標準反収マスタ1200の記憶内容の一例を示す説明図である。図12において、標準反収マスタ1200は、品目、品種、作型、標準反収および標準単価のフィールドを有する。各フィールドに情報を設定することにより、標準反収情報(例えば、標準反収情報1200−1〜1200−4)をレコードとして記憶している。
品目は、作物の品目である。品種は、作物の品種である。作型は、作物の作型である。標準反収は、作物の1反(約10[a])当たりの標準的な収穫高[kg]である。標準単価は、作物の1[kg]当たりの標準的な売上[円]である。
標準反収情報1200−1を例に挙げると、品目「キャベツ」、品種「寒玉」、作型「春播き夏穫り」の作物の標準反収「5000[kg]」および標準単価「45[円/kg]」が設定されている。
<作物生育限界温度マスタ1300の記憶内容>
つぎに、作物生育限界温度マスタ1300の記憶内容について説明する。作物生育限界温度マスタ1300は、作物の生育に適した温度を表す限界温度情報を記憶している。
図13は、作物生育限界温度マスタ1300の記憶内容の一例を示す説明図である。図13において、作物生育限界温度マスタ1300は、品目、限界温度下限および限界温度上限のフィールドを有する。各フィールドに情報を設定することにより、限界温度情報(例えば、限界温度情報1300−1〜1300−4)をレコードとして記憶している。
品目は、作物の品目である。限界温度下限は、作物の生育に適した温度の下限値を表している。限界温度上限は、作物の生育に適した温度の上限値を表している。限界温度情報1300−1を例に挙げると、品目「キャベツ」の限界温度下限「5[℃]」および限界温度上限「30[℃]」が設定されている。
(損益予測装置200の機能的構成例)
つぎに、実施の形態2にかかる損益予測装置200の機能的構成例について説明する。図14は、損益予測装置200の機能的構成例を示すブロック図である。図14において、損益予測装置200は、取得部1401と、判定部1402と、第1の算出部1403と、第2の算出部1404と、第3の算出部1405と、判断部1406と、抽出部1407と、出力部1408と、を含む構成である。取得部1401〜出力部1408は制御部となる機能であり、具体的には、例えば、図2に示したROM202、RAM203、磁気ディスク205、光ディスク207などの記憶装置に記憶されたプログラムをCPU201に実行させることにより、または、I/F209により、その機能を実現する。また、各機能部の処理結果は、例えば、RAM203、磁気ディスク205、光ディスク207などの記憶装置に記憶される。
取得部1401は、損益予測条件を取得する機能を有する。ここで、損益予測とは、対象作物を栽培することにより発生する損失と、対象作物を栽培することにより得られる利益とを予測することである。また、損益予測条件とは、損益予測対象となる対象作物を指定する条件である。損益予測条件には、例えば、対象圃場および対象作物を特定する情報が含まれている。
具体的には、例えば、取得部1401は、図2に示したキーボード210やマウス211を用いたユーザの操作入力により、損益予測条件を取得する。また、取得部1401は、ネットワーク214を介して、他のコンピュータから損益予測条件を取得することにしてもよい。なお、損益予測条件の入力画面の具体例については、図19を用いて後述する。
以下の説明では、対象圃場において栽培される対象作物の複数の生育ステージを「生育ステージS1〜Sm」と表記する場合がある。また、対象作物の生育ステージS1〜Smのうち任意の生育ステージを「生育ステージSj」と表記する場合がある(j=1,2,…,m)。また、対象作物の栽培期間を「栽培期間T」と表記する場合がある。また、栽培期間Tのうち生育ステージSjに対応する期間を「期間Tj」と表記する場合がある。
また、取得部1401は、対象作物の栽培期間Tのうち対象作物の生育ステージSjに対応する期間Tjにおける予測気象データを取得する機能を有する。ここで、予測気象データとは、期間Tjにおける天気の特性を表す気象要素の予測値を表す情報である。予測気象データは、例えば、天気予報によって予測された期間Tjにおける気象要素の予測値を表すものであってもよい。
予測気象データの取得対象となる生育ステージSjは、例えば、生育ステージS1〜Smのうち農作業が現在進行中または予定されている生育ステージであり、後述する予測コストの算出対象となる生育ステージである。なお、予測気象データの具体例については、図17を用いて後述する。
具体的には、例えば、取得部1401は、ユーザの操作入力により、期間Tjにおける予測気象データを取得することにしてもよい。また、取得部1401は、例えば、後述する抽出部1407により、図8に示した気象データDB800の中から抽出された気象データを、予測気象データとして取得することにしてもよい。なお、抽出部1407の具体的な処理内容については、図15および図16を用いて後述する。
判定部1402は、天候コスト情報を参照して、取得された予測気象データが表す期間Tjにおける気象要素の予測値が、特定の気象条件を満たすか否かを判定する機能を有する。ここで、天候コスト情報とは、特定の気象条件を表す気象要素の指標値と、特定の気象条件下における生育ステージSjの対象作物に対して施すべき対処策にかかる天候コストとを対応付けて表す情報である。
具体的には、例えば、まず、判定部1402は、図11に示した天候コストマスタ1100を参照して、対象作物の生育ステージSjに対応する天候コスト情報を特定する。そして、判定部1402は、特定した天候コスト情報を参照して、予測気象データが表す期間Tjにおける気象要素の予測値が、特定の気象条件を満たすか否かを判定する。
以下の説明では、特定の気象条件下における生育ステージSjの対象作物に対して施すべき対処策にかかる天候コストを「天候コストCW(j)」と表記する場合がある。なお、判定部1402の具体的な処理内容については、図17を用いて後述する。
第1の算出部1403は、判定された判定結果に基づいて、対象作物の生育ステージSjにおける農作業にかかる予測コストを算出する機能を有する。ここで、予測コストの算出対象となる生育ステージSjは、例えば、上述したように、生育ステージS1〜Smのうち農作業が現在進行中または予定されている生育ステージである。
すなわち、予測コストの算出対象となる生育ステージSjは、期間Tjの期間終了日が未来の生育ステージである。期間Tjの期間開始日および期間終了日は、例えば、図9に示した栽培期間管理テーブル900から特定することができる。以下の説明では、対象作物の生育ステージSjにおける農作業にかかる予測コストを「予測コストCP(j)」と表記する場合がある。
具体的には、例えば、まず、第1の算出部1403は、対象作物の生育ステージSjにおける農作業にかかる標準コストを特定する。ここで、標準コストとは、対象作物の生育ステージSjにおける農作業にかかる標準的な費用である。標準コストには、例えば、農作業に従事する作業者の人件費や農作業に使用する農機具、農薬、種子などの資材費が含まれている。
より具体的には、例えば、第1の算出部1403は、図10に示した標準コストマスタ1000を参照して、対象作物の生育ステージSjに対応する人件費と資材費とを足し合わせることにより、農作業にかかる標準コストを特定することができる。例えば、品目「キャベツ」、品種「寒玉」、作型「春播き夏穫り」の対象作物の生育ステージ「準備期」における農作業にかかる標準コストは「22000[円]」となる。
また、第1の算出部1403は、ユーザの操作入力により、対象作物の生育ステージSjにおける農作業にかかる標準コストの入力を受け付けることにより、農作業にかかる標準コストを特定することにしてもよい。以下の説明では、対象作物の生育ステージSjにおける農作業にかかる標準コストを「標準コストCL(j)」と表記する場合がある。
そして、第1の算出部1403は、天候コストCW(j)と標準コストCL(j)とに基づいて、予測コストCP(j)を算出する。より具体的には、例えば、第1の算出部1403は、期間Tjにおける気象要素の予測値が特定の気象条件を満たす場合、該特定の気象条件に対応する天候コスト情報を参照して、特定の気象条件を満たす場合の対応策および天候コストCW(j)を特定する。そして、第1の算出部1403は、天候コストCW(j)と標準コストCL(j)とを積算することにより予測コストCP(j)を算出することにしてもよい。
なお、複数の天候コストが特定された場合は、第1の算出部1403は、複数の天候コストを積算することにより天候コストCW(j)を算出することにしてもよい。また、同一の対処策について複数の天候コストが特定された場合は、第1の算出部1403は、複数の天候コストのいずれかの天候コスト、例えば、最大の天候コストを天候コストCW(j)として算出することにしてもよい。
また、第1の算出部1403は、期間Tjにおける気象要素の予測値が特定の気象条件を満たさない場合、標準コストCL(j)を予測コストCP(j)として算出することにしてもよい。特定された標準コストCL(j)、天候コストCW(j)、および算出された予測コストCP(j)は、例えば、後述の図18に示すコスト管理テーブル1800に記憶される。
第2の算出部1404は、対象作物の生育ステージSjにおける農作業にかかった実績コストを算出する機能を有する。ここで、実績コストの算出対象となる生育ステージSjは、例えば、生育ステージS1〜Smのうち農作業が終了している生育ステージである。すなわち、実績コストの算出対象となる生育ステージSjは、期間Tjの期間終了日が過去の生育ステージである。以下の説明では、対象作物の生育ステージSjにおける農作業にかかる実績コストを「実績コストCR(j)」と表記する場合がある。
具体的には、例えば、第2の算出部1404は、図3に示した圃場DB300に記憶されている作業履歴データに基づいて、対象作物の生育ステージSjにおける農作業にかかった実績コストCR(j)を算出することにしてもよい。より具体的には、例えば、まず、第2の算出部1404は、圃場DB300の中から、対象圃場において栽培されている対象作物の生育ステージSjに対応する作業履歴データを抽出する。
そして、第2の算出部1404は、抽出した作業履歴データの作業履歴ごとに、各作業履歴の作業時刻に対応する作業時間を算出する。例えば、作業時刻が「13:00〜14:00」の場合、作業時間は「1時間」となる。つぎに、第2の算出部1404は、図6に示した作業員マスタ600を参照して、作業履歴データの作業履歴ごとに、各作業履歴の作業者名に対応する作業員の単価を特定する。
つぎに、第2の算出部1404は、作業履歴データの作業履歴ごとに、算出した作業時間と、特定した作業員の単価とを掛け合わせることにより実績コストを算出する。例えば、ある作業履歴の作業時間が「1時間」、作業員の単価が「2000円」の場合、この作業履歴に対応する実績コストは「2000円」となる。そして、第2の算出部1404は、作業履歴ごとの実績コストを積算することにより実績コストCR(j)を算出することにしてもよい。
また、例えば、第2の算出部1404は、圃場DB300に記憶されている使用履歴データに基づいて、対象作物の生育ステージSjにおける農作業にかかった実績コストCR(j)を算出することにしてもよい。より具体的には、例えば、まず、第2の算出部1404は、圃場DB300の中から、対象圃場において栽培されている対象作物の生育ステージSjに対応する使用履歴データを抽出する。
そして、第2の算出部1404は、抽出した使用履歴データの使用履歴ごとに、各使用履歴の使用時刻に対応する使用時間を算出する。例えば、使用時刻が「13:00〜14:00」の場合、使用時間は「1時間」となる。つぎに、第2の算出部1404は、図7に示した資材マスタ700を参照して、使用履歴データの使用履歴ごとに、各使用履歴の資材名に対応する資材の単価を特定する。
つぎに、第2の算出部1404は、使用履歴データの使用履歴ごとに、算出した使用時間と、特定した資材の単価とを掛け合わせることにより実績コストを算出する。例えば、ある使用履歴の使用時間が「1時間」、資材の単価が「1500円」の場合、この使用履歴に対応する実績コストは「1500円」となる。そして、第2の算出部1404は、使用履歴ごとの実績コストを積算することにより実績コストCR(j)を算出することにしてもよい。
さらに、第2の算出部1404は、作業履歴データに基づく実績コストと使用履歴データに基づく実績コストとを加算することにより、実績コストCR(j)を算出することにしてもよい。算出された対象作物の生育ステージSjにおける農作業にかかった実績コストCR(j)は、例えば、後述の図18に示すコスト管理テーブル1800に記憶される。
第3の算出部1405は、対象作物の農作業にかかる総コストを算出する機能を有する。ここで、総コストとは、対象作物の各生育ステージSjにおける農作業にかかるコスト、すなわち、予測コストCP(j)または実績コストCR(j)を積算したものである。以下の説明では、対象作物の農作業にかかる総コストを「総コストC」と表記する場合がある。
例えば、対象作物の生育ステージS1〜Smの予測コストCP(1)〜CP(m)が算出された場合を想定する。この場合、第3の算出部1405は、例えば、予測コストCP(1)〜CP(m)を積算することにより、総コストCを算出する。
また、例えば、対象作物の生育ステージS1〜S3の実績コストCR(1)〜CR(3)が算出され、生育ステージS4〜Smの予測コストCP(4)〜CP(m)が算出された場合を想定する。この場合、第3の算出部1405は、例えば、実績コストCR(1)〜CR(3)と予測コストCP(4)〜CP(m)とを積算することにより総コストCを算出する。
また、例えば、現在の生育ステージSjの農作業が現在進行中などの場合に、現在の生育ステージSjについて、実績コストCR(j)および予測コストCP(j)が算出される場合がある。この場合、第3の算出部1405は、例えば、生育ステージSjの実績コストCR(j)または予測コストCP(j)のいずれか一方を総コストCに含めないことにしてもよい。
例えば、対象作物の生育ステージS3の農作業が現在進行中のときに、生育ステージS1〜S3の実績コストCR(1)〜CR(3)が算出され、生育ステージS3〜Smの予測コストCP(3)〜CP(m)が算出された場合を想定する。この場合、第3の算出部1405は、例えば、実績コストCR(1)と実績コストCR(2)と予測コストCP(3)〜CP(m)とを積算することにより総コストCを算出することにしてもよい。
これにより、生育ステージS1〜S3の実績コストCR(1)〜CR(3)の中から現在の生育ステージS3の実績コストCR(3)を除外して総コストCを算出することができ、総コストCの算出精度の向上を図ることができる。
また、第3の算出部1405は、対象作物の生育ステージSjごとに、各生育ステージSjまでの農作業にかかる積算コストを算出することにしてもよい。以下の説明では、生育ステージSjまでの農作業にかかる積算コストを「積算コストC(j)」と表記する場合がある。なお、第3の算出部1405の具体的な処理内容については、図18を用いて後述する。
判断部1406は、算出された総コストCが、対象圃場に対象作物を栽培することにより得られる予測売上よりも大きいか否かを判断する機能を有する。ここで、予測売上とは、例えば、対象圃場において栽培された対象作物を売ることにより得られる代金の総額である。以下の説明では、対象圃場に対象作物を栽培することにより得られる予測売上を「予測売上SV」と表記する場合がある。
予測売上SVは、例えば、図12に示した標準反収マスタ1200から特定することができる。具体的には、例えば、判断部1406は、標準反収マスタ1200を参照して、対象作物の品目、品種および作型の組み合わせに対応する標準反収情報を特定する。つぎに、判断部1406は、特定した標準反収情報の標準反収と標準単価とを掛け合わせることにより、1反(約10[a])当たりの対象作物の予測売上SV[円]を特定することができる。そして、判断部1406は、算出された総コストCが、特定した予測売上SVよりも大きくなるか否かを判断することにしてもよい。
また、判断部1406は、各生育ステージSjの積算コストC(j)と予測売上SVとを比較することにより、積算コストC(j)が予測売上SVよりも大きくなる生育ステージSjを特定することにしてもよい。
出力部1408は、算出された対象作物の生育ステージSjにおける農作業にかかる予測コストCP(j)を出力する機能を有する。出力部1408の出力形式としては、例えば、ディスプレイ208への表示、プリンタ213への印刷出力、I/F209による外部のコンピュータへの送信、RAM203、磁気ディスク205、光ディスク207などの記憶装置への書き込みがある。
これにより、例えば、営農者は、対象圃場において栽培されている対象作物の生育ステージSjにおける農作業にかかる予測コストCP(j)を把握することができる。
また、出力部1408は、算出された対象作物の生育ステージSjにおける農作業にかかった実績コストCR(j)を出力することにしてもよい。これにより、例えば、営農者は、対象作物の生育ステージSjにおける農作業にかかった実績コストCR(j)を把握することができる。
また、出力部1408は、算出された対象作物の農作業にかかる総コストCを出力することにしてもよい。これにより、例えば、営農者は、対象作物の農作業にかかる総コストCを把握することができる。
また、出力部1408は、算出された各生育ステージSjまでの農作業にかかる積算コストC(j)を出力することにしてもよい。これにより、例えば、営農者は、対象作物の生育ステージSjごとに、各生育ステージSjまでの農作業にかかる積算コストC(j)を把握することができる。
また、出力部1408は、総コストCが予測売上SVよりも大きいか否かの判断結果を出力することにしてもよい。これにより、例えば、営農者は、対象作物の損益を判断することができる。例えば、総コストCが予測売上SVよりも大きい場合、営農者は、対象作物を栽培しても赤字となることを予測することができる。
また、出力部1408は、積算コストC(j)が予測売上SVよりも大きくなる生育ステージSjが特定された場合、積算コストC(j)が予測売上SVよりも大きくなる生育ステージSjを表す情報を出力することにしてもよい。これにより、例えば、営農者は、どの生育ステージSjにおいて積算コストC(j)が予測売上SVよりも大きくなるかを予測することができる。出力部1408の出力結果を表示する画面例については、図20を用いて後述する。
なお、上述した説明では、対象作物の生育ステージSjにおける農作業にかかった実績コストCR(j)を算出することにしたが、これに限らない。具体的には、例えば、損益予測装置200は、ユーザの操作入力により、対象作物の生育ステージSjにおける農作業にかかった実績コストCR(j)を取得することにしてもよい。
(抽出部1407の具体的処理内容)
つぎに、図8に示した気象データDB800の中から、対象作物の生育ステージSjに対応する期間Tjにおける予測気象データとして用いる気象データを抽出する抽出部1407の具体的な処理内容の一例について説明する。以下の説明では、対象作物の栽培期間Tのうち対象作物の生育ステージSjに対応する期間Tjを含む年度を「対象年度」と表記する場合がある。
ここでは、抽出部1407は、対象年度から遡って過去G年分の気象データの中から、対象年度と天候が類似する年度の、期間Tjと同一期間における気象データを、対象年度の期間Tjにおける予測気象データとして抽出する場合について説明する(G=1,2,…)。
まず、抽出部1407は、対象作物の現生育ステージSnowを特定する。ここで、現生育ステージSnowとは、対象作物の生育ステージS1〜Smのうち現在農作業中の生育ステージである。具体的には、例えば、抽出部1407は、図9に示した栽培期間管理テーブル900を参照して、期間開始日から期間終了日までの期間中に現在の年月日を含む生育ステージを、現生育ステージSnowとして特定する。なお、対象作物は、例えば、損益予測条件から特定することができる。
つぎに、抽出部1407は、比較対象期間tを設定する。ここで、比較対象期間tとは、対象年度の気象データと、対象年度からg年前の気象データとを比較する期間である(g=1,2,…,G)。比較対象期間tは、現在日以前の任意の期間に設定することができる。
具体的には、例えば、抽出部1407は、現在日が現生育ステージSnowの期間開始日から期間終了日までの期間の途中の場合、現生育ステージSnowの期間開始日から現在日までの期間を比較対象期間tに設定することにしてもよい。また、抽出部1407は、現在日が現生育ステージSnowの期間開始日の場合、現生育ステージSnowの直前の生育ステージの期間開始日から期間終了日までの期間を比較対象期間tに設定することにしてもよい。
つぎに、抽出部1407は、比較対象期間tを所定間隔で区切って複数の期間に分割する。ここで、所定間隔は、任意に設定することができ、例えば、1日、1週、1ヶ月などである。以下の説明では、比較対象期間tから分割された複数の期間を「分割期間t1〜tK」と表記する場合がある。また、分割期間t1〜tKのうち任意の分割期間を「分割期間tk」と表記する場合がある。
つぎに、抽出部1407は、気象データDB800の中から、対象年度の比較対象期間tの気象データを抽出する。そして、抽出部1407は、抽出した対象年度の比較対象期間tの気象データに基づいて、比較元データを算出する。ここで、比較元データとは、対象年度の比較対象期間tにおける天候を特徴付ける情報である。比較元データは、例えば、対象年度の分割期間tkにおける日平均気温x(k)、対象年度の比較対象期間tにおける日平均気温の積算値X、降水量の積算値Y、日照時間の積算値Zなどである。
また、抽出部1407は、気象データDB800の中から、g年前の比較対象期間tの気象データを抽出する。そして、抽出部1407は、抽出したg年前の比較対象期間tの気象データに基づいて、比較先データを算出する。ここで、比較先データとは、g年前の比較対象期間tにおける天候を特徴付ける情報である。比較先データは、例えば、g年前の分割期間tkにおける日平均気温xg(k)、g年前の比較対象期間tにおける日平均気温の積算値Xg、降水量の積算値Yg、日照時間の積算値Zgなどである。
つぎに、抽出部1407は、比較元データおよび比較先データに基づいて、対象年度の気象データとg年前の気象データとの類似度合いを表す類似度RE(g)を算出する。具体的には、例えば、抽出部1407は、対象年度の分割期間tkごとの日平均気温x(k)と、g年前の分割期間tkごとの日平均気温xg(k)とに基づいて、類似度RE(g)を算出することにしてもよい。
また、抽出部1407は、対象年度の比較対象期間tにおける日平均気温の積算値Xと、g年前の比較対象期間tにおける日平均気温の積算値Xgとに基づいて、類似度RE(g)を算出することにしてもよい。また、抽出部1407は、対象年度の比較対象期間tにおける降水量の積算値Yと、g年前の比較対象期間tにおける降水量の積算値Ygとに基づいて、類似度RE(g)を算出することにしてもよい。
また、抽出部1407は、対象年度の比較対象期間tにおける日照時間の積算値Zと、g年前の比較対象期間tにおける日照時間の積算値Zgとに基づいて、類似度RE(g)を算出することにしてもよい。なお、類似度RE(g)の算出例については、図15および図16を用いて後述する。
つぎに、抽出部1407は、算出した類似度RE(1)〜RE(G)に基づいて、対象年度の1年前からG年前までの年度の中から、対象年度と天候が類似する類似年度を決定する。具体的には、例えば、抽出部1407は、対象年度の1年前からG年前までの年度のうち類似度が最大となる年度を類似年度に決定することにしてもよい。
そして、抽出部1407は、気象データDB800の中から、対象年度の期間Tjと同一期間における類似年度の気象データを、対象年度の期間Tjにおける予測データとして抽出する。これにより、対象年度と天候が類似する年度の、期間Tjと同一期間における気象データを、対象年度の期間Tjにおける予測データとして取得することができる。
ここで、図15を用いて、日平均気温x(k)と日平均気温xg(k)とに基づく類似度RE(g)の算出例について説明する。ここでは、対象年度を「2010年」とし、g年間の「g」を「g=1」として、抽出部1407の具体的な処理内容を説明する。
図15は、日平均気温に基づく類似度の算出例を示す説明図である。図15において、算出用テーブル1500には、2010年の分割期間t1〜t10ごとの日平均気温x(1)〜x(10)が示されている。例えば、日平均気温x(1)は「x(1)=8」である。また、日平均気温x(2)は「x(2)=9」である。
また、算出用テーブル1500には、2009年の分割期間t1〜t10ごとの日平均気温x1(1)〜x1(10)が示されている。例えば、日平均気温x1(1)は「x(1)=7」である。また、日平均気温x1(2)は「x1(2)=18」である。
まず、抽出部1407は、分割期間tkごとに、日平均気温x(k)から日平均気温x1(k)を減算することにより、日平均気温x(k)と日平均気温x1(k)との差分を算出する。例えば、日平均気温x(1)と日平均気温x1(1)との差分は「1」となる。
つぎに、抽出部1407は、分割期間tkごとに、日平均気温x(k)と日平均気温x1(k)との差分の二乗値を算出する。例えば、日平均気温x(1)と日平均気温x1(1)との差分の二乗値は「1」となる。そして、抽出部1407は、算出した分割期間tkごとの二乗値を積算することにより、二乗値の合計値を算出する。ここでは、二乗値の合計値は「281」となる。
つぎに、抽出部1407は、算出した二乗値の合計値を、二乗値のデータ数で除算して平方根をとることにより、2010年と2009年との間のRMS(Root Mean Square)を算出する。二乗値のデータ数は、分割期間t1〜t10の期間数「10」である。
ここで、RMSとは、対象年度の比較元データとg年前の比較先データとの間の数値のばらつきを表すものである。RMSの値が0に近いほど、対象年度の比較元データとg年前の比較先データとの間の数値のばらつきが小さいと判断することができる。以下の説明では、対象年度の比較元データとg年前の比較先データとの間のRMSを「RMS(g)」と表記する場合がある。ここでは、RMS(1)は「RMS(1)≒5.30=(281/10)1/2」となる。
このようにして、抽出部1407は、対象年度の1年前からG年前の各年度についてのRMS(1)〜RMS(G)を算出する。そして、抽出部1407は、算出したRMS(1)〜RMS(G)に基づいて、対象年度の気象データと各年度の気象データとの類似度合いを表す類似度RE(1)〜RE(G)を算出する。
具体的には、例えば、抽出部1407は、1年前からG年前の各年度に、RMSの値が0に近い順に順位を付与する。そして、抽出部1407は、1年前からG年前の各年度に付与した順位の逆数を、対象年度の気象データと各年度の気象データとの類似度合いを表す類似度RE(1)〜RE(G)として算出することにしてもよい。
つぎに、図16を用いて、日平均気温の積算値X(k)と日平均気温の積算値Xg(k)とに基づく類似度RE(g)の算出例について説明する。ここでは、対象年度を「2010年」とし、g年間の「g」を「g=1」として、抽出部1407の具体的な処理内容を説明する。
図16は、日平均気温の積算値に基づく類似度の算出例を示す説明図である。図16において、算出用テーブル1600には、2010年の分割期間t1〜t10ごとの日平均気温x(1)〜x(10)、および日平均気温x(1)〜x(10)を積算した日平均気温の積算値X「X=125」が示されている。また、算出用テーブル1600には、2009年の分割期間t1〜t10ごとの日平均気温x1(1)〜x1(10)、および日平均気温x1(1)〜x1(10)を積算した日平均気温の積算値X1「X1=132」が示されている。
なお、ここでは、各分割期間tkの日平均気温x(k)を積算するにあたって、対象作物の限界温度下限である5[℃]以下の日平均気温は除外されている。対象作物の限界温度下限は、例えば、図13に示した作物生育限界温度マスタ1300から特定することができる。
抽出部1407は、日平均気温の積算値Xから日平均気温の積算値X1を減算することにより、日平均気温の積算値Xと日平均気温の積算値X1との差分を算出する。ここでは、日平均気温の積算値Xと日平均気温の積算値X1との差分は「−7」となる。
このようにして、抽出部1407は、対象年度の1年前からG年前の各年度についての日平均気温の積算値の差分を算出する。そして、抽出部1407は、算出した日平均気温の積算値の差分に基づいて、対象年度の気象データと各年度の気象データとの類似度合いを表す類似度RE(1)〜RE(G)を算出する。
具体的には、例えば、抽出部1407は、1年前からG年前の各年度に、日平均気温の積算値の差分が0に近い順に順位を付与する。そして、抽出部1407は、1年前からG年前の各年度に付与した順位の逆数を、対象年度の気象データと各年度の気象データとの類似度合いを表す類似度RE(1)〜RE(G)として算出することにしてもよい。
なお、例えば、各年度について複数の類似度が算出された場合、抽出部1407は、算出された類似度を積算することにより、対象年度の気象データと各年度の気象データとの類似度合いを表す類似度を算出することにしてもよい。
(予測気象データの具体例)
つぎに、予測気象データの具体例について説明する。図17は、予測気象データの具体例を示す説明図である。図17において、予測気象データ1700は、対象作物の生育ステージSjに対応する期間Tj内の時間帯ごとの気温、降水量および日照時間を示す情報である。
具体的には、年月日は、気象データの予測対象となる年月日である。時は、気象データの予測対象となる時間帯である。気温は、対象圃場を含む地域の予測気温である。降水量は、対象圃場を含む地域の予測降水量である。日照時間は、対象圃場を含む地域の予測日照時間である。例えば、2012年4月1日の0時台を例に挙げると、気温「10.0[℃]」、降水量「0.3[mm]」および日照時間「0.0[h]」が示されている。
(判定部1402の具体的な処理内容)
ここで、図17に示した予測気象データ1700を例に挙げて、判定部1402の具体的な処理内容について説明する。ここでは、対象作物として、品目「ミカン」、品種「××早生」および作型「早生」の作物を例に挙げて説明する。また、対象作物の生育ステージS1〜Smを、「S1:発芽期」、「S2:開花期」、「S3:満開期」、「S4:生理落果期」、「S5:果実肥大期」、「S6:成熟期」、「S7:収穫期」とする。
判定部1402は、例えば、予測気象データ1700を参照して、対象作物の生育ステージSjに対応する期間Tjにおける日平均気温x(j)を算出する。ここで、生育ステージSjは、予測コストCP(j)の算出対象となる生育ステージである。なお、期間Tjは、例えば、図9に示した栽培期間管理テーブル900から特定することができる。
また、判定部1402は、例えば、予測気象データ1700を参照して、対象作物の生育ステージSjに対応する期間Tjにおける日平均気温の積算値X(j)を算出することにしてもよい。この際、判定部1402は、図13に示す作物生育限界温度マスタ1300を参照して、対象作物の限界温度下限および限界温度上限を特定することにしてもよい。そして、判定部1402は、期間Tjにおける日平均気温のうち、対象作物の限界温度下限以下または限界温度上限以上となる日平均気温を除く残余の日平均気温の積算値X(j)を算出することにしてもよい。
例えば、対象作物の品目が「ミカン」の場合、判定部1402は、期間Tjにおける日平均気温のうち、10[℃]以下または30[℃]以上となる日平均気温を除く残余の日平均気温の積算値X(j)を算出する。これにより、対象作物の生育に寄与しない日の日平均気温を除外して日平均気温の積算値X(j)を算出することができる。
また、判定部1402は、例えば、予測気象データ1700を参照して、対象作物の生育ステージSjに対応する期間Tjにおける降水量の積算値Y(j)を算出することにしてもよい。また、判定部1402は、例えば、予測気象データ1700を参照して、対象作物の生育ステージSjに対応する期間Tjにおける日照時間の積算値Z(j)を算出することにしてもよい。
ここで、予測コストCP(j)の算出対象となる生育ステージSjを「S5:果実肥大期」とする。この場合、判定部1402は、図11に示した天候コストマスタ1100を参照して、対象作物の生育ステージS5に対応する天候コスト情報1100−2,1100−3を特定する。天候コスト情報1100−2が表す特定の気象条件は「積算日照時間が200時間以下」である。天候コスト情報1100−3が表す特定の気象条件は「積算日平均気温が1000℃以下」である。
例えば、期間T5における日照時間の積算値Z(5)を「Z(5)=150[h]」とする。この場合、判定部1402は、天候コスト情報1100−2を参照して、期間T5における日照時間の積算値Z(5)が特定の気象条件「積算日照時間が200時間以下」を満たすと判定する。
また、例えば、期間T5における日平均気温の積算値X(5)を「X(5)=900[℃]」とする。この場合、判定部1402は、天候コスト情報1100−3を参照して、期間T5における日平均気温の積算値X(5)が特定の気象条件「積算日平均気温が1000℃以下」を満たすと判定する。
(第3の算出部1405の具体的な処理内容)
つぎに、図18を用いて、対象作物の農作業にかかる総コストCを算出する第3の算出部1405の具体的な処理内容について説明する。ここでは、対象作物として、品目「ミカン」、品種「××早生」および作型「早生」の作物を例に挙げて説明する。また、対象作物の生育ステージS1〜Smを、「S1:発芽期」、「S2:開花期」、「S3:満開期」、「S4:生理落果期」、「S5:果実肥大期」、「S6:成熟期」、「S7:収穫期」とする。
図18は、コスト管理テーブル1800の記憶内容の一例を示す説明図である。図18において、コスト管理テーブル1800は、対象作物の各生育ステージSjの実績コストCR(j)と、標準コストCL(j)と、天候コストCW(j)と、予測コストCP(j)とを記憶している。また、コスト管理テーブル1800は、天候コストCW(j)に対応する対処策を記憶している。
例えば、第3の算出部1405は、コスト管理テーブル1800を参照して、対象作物の生育ステージS1〜S4の実績コストCR(1)〜CR(4)を積算することにより総実績コストCRを算出する。ここでは、総実績コストCRは「CR=250000[円]」となる。
また、第3の算出部1405は、コスト管理テーブル1800を参照して、対象作物の生育ステージS5〜S7の予測コストCP(5)〜CP(7)を積算することにより総予測コストCPを算出する。ここでは、総予測コストCPは「CP=180000[円]」となる。
そして、第3の算出部1405は、算出した総実績コストCRと総予測コストCPとを加算することにより、対象作物の農作業にかかる総コストCを算出する。ここでは、総コストCは「C=430000[円]」となる。
(損益予測条件入力画面)
つぎに、ディスプレイ208に表示される損益予測条件入力画面の画面例について説明する。
図19は、損益予測条件入力画面の画面例を示す説明図である。図19において、損益予測条件入力画面1900は、損益予測対象となる対象作物を指定する損益予測条件を入力する画面である。損益予測条件入力画面1900において、ボックス1901には現在日時が表示されている。
損益予測条件入力画面1900において、キーボード210やマウス211を用いたユーザの操作入力により、カーソルcsを移動させてボックス1902をクリックすることにより、対象圃場の圃場IDを入力することができる。ここでは、対象圃場の圃場ID「F1」がボックス1902に入力されている。また、損益予測条件入力画面1900において、カーソルcsを移動させてボックス1903をクリックすることにより、対象圃場の圃場名を入力することができる。ここでは、対象圃場の圃場名「圃場A」がボックス1903に入力されている。
また、損益予測条件入力画面1900において、カーソルcsを移動させてボックス1904をクリックすることにより、対象作物の品目を入力することができる。ここでは、対象作物の品目「ミカン」がボックス1904に入力されている。また、損益予測条件入力画面1900において、カーソルcsを移動させてボックス1905をクリックすることにより、対象作物の品種を入力することができる。ここでは、対象作物の品種「××早生」がボックス1905に入力されている。また、損益予測条件入力画面1900において、カーソルcsを移動させてボックス1906をクリックすることにより、対象作物の作型を入力することができる。ここでは、対象作物の作型「早生」がボックス1906に入力されている。
また、損益予測条件入力画面1900において、カーソルcsを移動させてボックス1907をクリックすることにより、予測粒度を指定することができる。予測粒度とは、比較対象期間tを区切る所定間隔を表すものである。ここでは、比較対象期間tを週単位で区切ることを表す予測粒度「週次」がボックス1907に入力されている。
そして、損益予測条件入力画面1900において、各ボックス1902〜1907に各種情報が入力された結果、カーソルcsを移動させてボタンB1をクリックすると、ボックス1908〜1910に各種情報が入力される。
具体的には、ボタンB1がクリックされると、損益予測装置200は、対象作物の栽培期間管理テーブル(例えば、図9参照)を参照して、現生育ステージSnowを特定して、ボックス1908に現生育ステージSnowを入力する。ここでは、現生育ステージSnow「果実肥大期」がボックス1908に入力されている。
また、ボタンB1がクリックされると、損益予測装置200は、対象作物の栽培期間管理テーブルを参照して、対象作物の栽培期間Tを特定して、ボックス1909に栽培期間Tの栽培開始日を入力し、ボックス1910に栽培期間Tの栽培終了日を入力する。ここでは、栽培期間Tの栽培開始日「2012/1/5」がボックス1909に入力され、栽培期間Tの栽培終了日「2012/10/1」がボックス1910に入力されている。
そして、損益予測条件入力画面1900において、各ボックス1908〜1910に各種情報が入力された結果、カーソルcsを移動させてボタンB2をクリックすると、損益予測装置200の損益予測処理が実行される。
(損益予測画面の画面例)
つぎに、損益予測装置200の損益予測処理が実行された結果、ディスプレイ208に表示される損益予測画面の画面例について説明する。
図20は、損益予測画面の画面例を示す説明図である。図20において、損益予測画面2000は、対象作物の損益結果を表示する画面である。損益予測画面2000において、ボックス2001には対象圃場の圃場ID「F1」が表示され、ボックス2002には対象圃場の圃場名「圃場A」が表示されている。
また、損益予測画面2000において、ボックス2003には対象作物の品目「ミカン」が表示され、ボックス2004には対象作物の品種「××早生」が表示され、ボックス2005には対象作物の作型「早生」が表示されている。
また、損益予測画面2000において、対象作物の各生育ステージSjの期間を表す横軸と、コスト(または利益)を表す縦軸とからなる座標系にグラフ2006〜2009が表示されている。ここで、グラフ2006は、発芽期の期間開始日から生理落果期の期間終了日まで時間の経過とともに変化する総実績コストCRを表すグラフである。
グラフ2007は、果実肥大期の期間開始日から収穫期の期間終了日まで時間の経過とともに変化する総標準コストCLを表すグラフである。ここでは、総標準コストCLは、果実肥大期から収穫期までの各期間の標準コストを積算したコストである。
グラフ2008は、果実肥大期の期間開始日から収穫期の期間終了日まで時間の経過とともに変化する総予測コストCPを表すグラフである。グラフ2009は、対象圃場に対象作物を栽培することにより得られる予測売上SVを表すグラフである。
また、損益予測画面2000には、果実肥大期の対象作物に対して施すべき対処策を表すコメント2010と、収穫期の対象作物に対して施すべき対処策を表すコメント2011とが表示されている。また、損益予測画面2000には、収穫期に採算ラインをオーバーすることを示すメッセージ2012が表示されている。
損益予測画面2000によれば、例えば、営農者は、対象作物の損益予測結果を閲覧することができる。具体的には、例えば、損益予測画面2000によれば、営農者は、果実肥大期の対象作物に対して施すべき対処策『マルチシートを敷く』を把握することができる。また、損益予測画面2000によれば、営農者は、収穫期の対象作物に対して施すべき対処策『収穫時期を遅らせる』を把握することができる。
また、損益予測画面2000によれば、営農者は、対処策『マルチシートを敷く』および『収穫時期を遅らせる』を実施した場合と、該対処策を実施しなかった場合との対象作物の農作業にかかる総コストCを比較することができる。また、損益予測画面2000によれば、営農者は、収穫期に採算ラインをオーバーすることを把握することができる。
なお、損益予測装置200は、果実肥大期および収穫期の予測気象データが満たす気象条件を表示することにしてもよい。具体的には、例えば、損益予測画面2000において、ユーザの操作入力により、コメント2011をクリックすると、『積算降水量が150ミリ以上』という気象条件を表すコメントを表示することにしてもよい。これにより、営農者は、どのような気象条件により対処策『収穫時期を遅らせる』を行うことになったのかを把握することができる。
(損益予測装置200の損益予測処理手順)
つぎに、損益予測装置200の損益予測処理手順について説明する。
図21は、損益予測装置200の損益予測処理手順の一例を示すフローチャートである。図21のフローチャートにおいて、まず、損益予測装置200は、損益予測条件を取得したか否かを判断する(ステップS2101)。ここで、損益予測装置200は、損益予測条件を取得するのを待つ(ステップS2101:No)。
そして、損益予測装置200は、損益予測条件を取得した場合(ステップS2101:Yes)、対象作物の生育ステージSjにおける農作業にかかる実績コストCR(j)を算出する実績コスト算出処理を実行する(ステップS2102)。
つぎに、損益予測装置200は、気象データDB800の中から対象年度の予測気象データを取得する予測気象データ取得処理を実行する(ステップS2103)。そして、損益予測装置200は、対象作物の生育ステージSjにおける農作業にかかる予測コストCP(j)を算出する予測コスト算出処理を実行する(ステップS2104)。
つぎに、損益予測装置200は、対象圃場において栽培される対象作物の損益を予測する損益予測処理を実行する(ステップS2105)。そして、損益予測装置200は、対象作物の損益予測結果を表示する損益予測画面を出力して(ステップS2106)、本フローチャートによる一連の処理を終了する。
これにより、対象圃場において栽培される対象作物の損益予測結果を表示する損益予測画面を出力することができる。
<実績コスト算出処理手順>
つぎに、図21に示したステップS2102の実績コスト算出処理の具体的な処理手順について説明する。
図22および図23は、実績コスト算出処理の具体的処理手順の一例を示すフローチャートである。図22のフローチャートにおいて、まず、損益予測装置200は、生育ステージSjの「j」を「j=1」とし(ステップS2201)、生育ステージSjの実績コストCR(j)を「CR(j)=0」とする(ステップS2202)。
つぎに、損益予測装置200は、圃場DB300の中から、対象圃場において栽培されている対象作物の生育ステージSjに対応する作業履歴データを抽出する(ステップS2203)。そして、損益予測装置200は、作業履歴データを抽出したか否かを判断する(ステップS2204)。
ここで、損益予測装置200は、作業履歴データを抽出しなかった場合(ステップS2204:No)、図23に示すステップS2311に移行する。一方、損益予測装置200は、作業履歴データを抽出した場合(ステップS2204:Yes)、抽出した作業履歴データの中から作業履歴を抽出する(ステップS2205)。
つぎに、損益予測装置200は、抽出した作業履歴の作業時刻に対応する作業時間を算出し(ステップS2206)、作業員マスタ600を参照して、作業履歴の作業者名に対応する作業員の単価を特定する(ステップS2207)。そして、損益予測装置200は、算出した作業時間と、特定した作業員の単価とを掛け合わせることにより作業員コストcWを算出する(ステップS2208)。
つぎに、損益予測装置200は、生育ステージSjの実績コストCR(j)を「CR(j)=CR(j)+cW」として(ステップS2209)、作業履歴データの中から抽出していない未抽出の作業履歴があるか否かを判断する(ステップS2210)。
ここで、損益予測装置200は、未抽出の作業履歴がある場合(ステップS2210:Yes)、ステップS2205に戻る。一方、損益予測装置200は、未抽出の作業履歴がない場合(ステップS2210:No)、図23に示すステップS2301に移行する。
図23のフローチャートにおいて、まず、損益予測装置200は、圃場DB300の中から、対象圃場において栽培されている対象作物の生育ステージSjに対応する使用履歴データを抽出する(ステップS2301)。そして、損益予測装置200は、使用履歴データを抽出したか否かを判断する(ステップS2302)。
ここで、損益予測装置200は、使用履歴データを抽出しなかった場合(ステップS2302:No)、ステップS2309に移行する。一方、損益予測装置200は、使用履歴データを抽出した場合(ステップS2302:Yes)、抽出した使用履歴データの中から使用履歴を抽出する(ステップS2303)。
つぎに、損益予測装置200は、抽出した使用履歴の使用時刻に対応する使用時間を算出し(ステップS2304)、資材マスタ700を参照して、使用履歴の資材名に対応する資材の単価を特定する(ステップS2305)。そして、損益予測装置200は、算出した使用時間と、特定した資材の単価とを掛け合わせることにより資材コストcMを算出する(ステップS2306)。
つぎに、損益予測装置200は、生育ステージSjの実績コストCR(j)を「CR(j)=CR(j)+cM」として(ステップS2307)、使用履歴データの中から抽出していない未抽出の使用履歴があるか否かを判断する(ステップS2308)。
ここで、損益予測装置200は、未抽出の使用履歴がある場合(ステップS2308:Yes)、ステップS2303に戻る。一方、損益予測装置200は、未抽出の使用履歴がない場合(ステップS2308:No)、生育ステージSjの「j」をインクリメントする(ステップS2309)。
そして、損益予測装置200は、生育ステージSjの「j」が「m」より大きくなったか否かを判断する(ステップS2310)。ここで、「j」が「m」以下の場合(ステップS2310:No)、図22に示したステップS2202に移行する。
一方、「j」が「m」より大きくなった場合(ステップS2310:Yes)、損益予測装置200は、生育ステージSjごとの実績コストCR(j)を積算することにより、対象作物の総実績コストCRを算出して(ステップS2311)、本フローチャートによる一連の処理を終了する。
これにより、対象作物の生育ステージSjにおける農作業にかかった実績コストCR(j)を算出することができる。
<予測気象データ取得処理手順>
つぎに、図21に示したステップS2103の予測気象データ取得処理の具体的な処理手順について説明する。
図24は、予測気象データ取得処理の具体的処理手順の一例を示すフローチャートである。図24のフローチャートにおいて、まず、損益予測装置200は、対象年度の気象データとg年前の気象データとを比較する比較対象期間tを設定する(ステップS2401)。ただし、「g」は「g=1,2,…,G」である。
つぎに、損益予測装置200は、気象データDB800の中から、対象年度の比較対象期間tの気象データを抽出する(ステップS2402)。そして、損益予測装置200は、抽出した対象年度の比較対象期間tの気象データに基づいて、比較元データを算出する(ステップS2403)。
つぎに、損益予測装置200は、気象データDB800の中から、g年前の年度ごとに、g年前の比較対象期間tの気象データを抽出する(ステップS2404)。そして、損益予測装置200は、g年前の年度ごとに、抽出したg年前の比較対象期間tの気象データに基づいて、比較先データを算出する(ステップS2405)。
つぎに、損益予測装置200は、g年前の年度ごとに、比較元データおよび比較先データに基づいて、対象年度の気象データとg年前の気象データとの類似度合いを表す類似度RE(g)を算出する(ステップS2406)。そして、損益予測装置200は、算出した類似度RE(1)〜RE(G)に基づいて、対象年度と天候が類似する類似年度を決定する(ステップS2407)。
そして、損益予測装置200は、気象データDB800の中から、対象年度の期間Tjと同一期間における類似年度の気象データを、対象年度の期間Tjにおける予測データとして抽出して(ステップS2408)、本フローチャートによる一連の処理を終了する。
これにより、対象作物の栽培期間Tのうち対象作物の生育ステージSjに対応する期間Tjにおける予測気象データを取得することができる。
<予測コスト算出処理手順>
つぎに、図21に示したステップS2104の予測コスト算出処理の具体的な処理手順について説明する。
図25および図26は、予測コスト算出処理の具体的処理手順の一例を示すフローチャートである。図25のフローチャートにおいて、まず、損益予測装置200は、作物生育限界温度マスタ1300を参照して、対象作物の限界温度下限および限界温度上限を特定する(ステップS2501)。
つぎに、損益予測装置200は、対象作物の現生育ステージSnowを生育ステージSjとする(ステップS2502)。そして、損益予測装置200は、標準コストマスタ1000を参照して、対象作物の生育ステージSjにおける農作業にかかる標準コストCL(j)を特定する(ステップS2503)。
つぎに、損益予測装置200は、ステップS2103において取得した予測気象データの中から、生育ステージSjに対応する期間Tjの予測気象データを抽出する(ステップS2504)。そして、損益予測装置200は、抽出した予測気象データを参照して、期間Tjにおける日平均気温x(j)を算出する(ステップS2505)。
つぎに、損益予測装置200は、抽出した予測気象データを参照して、期間Tjにおける日平均気温のうち、対象作物の限界温度下限以下または限界温度上限以上となる日平均気温を除く残余の日平均気温の積算値X(j)を算出する(ステップS2506)。
つぎに、損益予測装置200は、抽出した予測気象データを参照して、期間Tjにおける降水量の積算値Y(j)を算出する(ステップS2507)。つぎに、損益予測装置200は、抽出した予測気象データを参照して、期間Tjにおける日照時間の積算値Z(j)を算出して(ステップS2508)、図26に示すステップS2601に移行する。
図26のフローチャートにおいて、まず、損益予測装置200は、天候コストマスタ1100を参照して、対象作物の生育ステージSjに対応する天候コスト情報を特定する(ステップS2601)。そして、損益予測装置200は、天候コスト情報を特定したか否かを判断する(ステップS2602)。
ここで、損益予測装置200は、天候コスト情報を特定した場合(ステップS2602:Yes)、図25に示したステップS2505〜ステップS2508の算出結果に基づいて、特定した天候コスト情報が表す気象条件を満たすか否かを判定する(ステップS2603)。
ここで、気象条件を満たす場合(ステップS2603:Yes)、損益予測装置200は、対象作物の生育ステージSjと天候コスト情報が表す対処策とを関連付ける(ステップS2604)。そして、損益予測装置200は、特定した天候コスト情報を参照して、対処策にかかる天候コストCW(j)を算出する(ステップS2605)。
つぎに、損益予測装置200は、天候コストCW(j)と標準コストCL(j)とを積算することにより、対象作物の生育ステージSjの予測コストCP(j)を算出する(ステップS2606)。そして、損益予測装置200は、生育ステージSjの「j」をインクリメントして(ステップS2607)、「j」が「m」より大きくなったか否かを判断する(ステップS2608)。
ここで、「j」が「m」以下の場合(ステップS2608:No)、損益予測装置200は、図25に示したステップS2503に移行する。一方、「j」が「m」より大きくなった場合(ステップS2608:Yes)、損益予測装置200は、生育ステージSjごとの予測コストCP(j)を積算することにより、対象作物の総予測コストCPを算出して(ステップS2609)、本フローチャートによる一連の処理を終了する。
また、ステップS2602において、損益予測装置200は、天候コスト情報を特定しなかった場合(ステップS2602:No)、天候コストCW(j)を「CW(j)=0」として(ステップS2610)、ステップS2606に移行する。
また、ステップS2603において、損益予測装置200は、気象条件を満たさない場合(ステップS2603:No)、天候コストCW(j)を「CW(j)=0」として(ステップS2610)、ステップS2606に移行する。
これにより、対象作物の生育ステージSjにおける農作業にかかる予測コストCP(j)を算出することができる。
<損益予測処理手順>
つぎに、図21に示したステップS2105の損益予測処理の具体的な処理手順について説明する。
図27は、損益予測処理の具体的処理手順の一例を示すフローチャートである。図27のフローチャートにおいて、まず、損益予測装置200は、標準反収マスタ1200を参照して、対象作物の予測売上SVを特定する(ステップS2701)。
つぎに、損益予測装置200は、コスト管理テーブル1800を参照して、生育ステージSjごとの実績コストCR(j)および予測コストCP(j)を積算することにより、対象作物の総コストCを算出する(ステップS2702)。
そして、損益予測装置200は、算出した対象作物の総コストCが、特定した対象作物の予測売上SVよりも大きくなるか否かを判断する(ステップS2703)。ここで、総コストCが予測売上SVよりも大きくなる場合(ステップS2703:Yes)、損益予測装置200は、コスト管理テーブル1800を参照して、対象作物の損益が赤字となる生育ステージSjを特定する(ステップS2704)。
そして、損益予測装置200は、特定した生育ステージSjに採算オーバーになる旨のメッセージを作成する(ステップS2705)。また、ステップS2703において、総コストCが予測売上SV以下となる場合(ステップS2703:No)、損益予測装置200は、対象作物の損益が黒字になる旨のメッセージを作成する(ステップS2706)。
つぎに、損益予測装置200は、コスト管理テーブル1800を参照して、各種グラフを作成する(ステップS2707)。各種グラフは、例えば、図20に示したグラフ2006〜2009である。そして、損益予測装置200は、作成したメッセージと各種グラフとに基づいて、損益予測画面を作成して(ステップS2708)、本フローチャートによる一連の処理を終了する。損益予測画面は、例えば、図20に示した損益予測画面2000である。
これにより、対象圃場において栽培される対象作物の損益を予測して損益予測結果を表示する損益予測画面を作成することができる。
以上説明したように、実施の形態2にかかる損益予測装置200によれば、標準コストマスタ1000を参照して、対象作物の生育ステージSjに対応する標準コストCL(j)を特定することができる。これにより、対象作物の生育ステージSjにおける農作業にかかる標準的な費用を表す標準コストCL(j)を特定することができる。
また、損益予測装置200によれば、天候コストマスタ1100を参照して、対象作物の生育ステージSjに対応する期間Tjにおける予測気象データが、対象作物の生育ステージSjに対応する特定の気象条件を満たすか否かを判定することができる。そして、損益予測装置200によれば、特定の気象条件を満たす場合は、特定の気象条件下における生育ステージSjに対応する対処策の天候コストCW(j)を特定することができる。これにより、特定の気象条件下における生育ステージSjの対象作物に対して施すべき対処策にかかる天候コストCW(j)を特定することができる。
また、損益予測装置200によれば、特定した天候コストCW(j)と標準コストCL(j)とを積算することにより、対象作物の生育ステージSjにおける農作業にかかる予測コストCP(j)を算出することができる。これにより、例えば、営農者は、特定の天候時に生育ステージSjの対象作物に対して施すべき対処策にかかる天候コストCW(j)が考慮された、対象作物の生育ステージSjにおける農作業にかかる予測コストCP(j)を予測することができる。
また、損益予測装置200によれば、特定の気象条件を満たさない場合は、対象作物の生育ステージSjにおける農作業にかかる標準コストCL(j)を、対象作物の生育ステージSjにおける農作業にかかる予測コストCP(j)として算出することができる。
また、損益予測装置200によれば、特定の気象条件を満たす場合は、生育ステージSjの対象作物に対して施すべき対処策を、予測コストCP(j)と関連付けて出力することができる。これにより、例えば、営農者は、生育ステージSjにおいて対象作物に対して施すべき対処策を判断することができる。
また、損益予測装置200によれば、生育ステージSjごとの実績コストCR(j)および予測コストCP(j)を積算することにより、対象作物の総コストCを算出することができる。これにより、例えば、営農者は、対象作物の農作業にかかる総コストCを予測することができる。
また、損益予測装置200によれば、総実績コストCRのうち現生育ステージSnowの実績コストを除く残余の実績コストと、総予測コストCPとを積算することにより、対象作物の総コストCを算出することができる。これにより、総実績コストCRの中から現生育ステージSnowの実績コストを除外して、対象作物の総コストCを算出することができ、総コストCの算出精度の向上を図ることができる。
また、損益予測装置200によれば、対象作物の総コストCが、対象圃場に対象作物を栽培することにより得られる予測売上SVよりも大きくなるか否かを判断することができる。これにより、例えば、営農者は、対象圃場に対象作物を栽培することによる損益を予測することができる。
また、損益予測装置200によれば、対象作物の各生育ステージSjの積算コストC(j)と予測売上SVとを比較することにより、積算コストC(j)が予測売上SVよりも大きくなる生育ステージSjを特定することができる。これにより、例えば、営農者は、どの生育ステージSjにおいて積算コストC(j)が予測売上SVよりも大きくなるかを予測することができる。
なお、本実施の形態で説明した費用算出方法は、予め用意されたプログラムをパーソナル・コンピュータやワークステーション等のコンピュータで実行することにより実現することができる。本費用算出プログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD−ROM、MO、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。また、本費用算出プログラムは、インターネット等のネットワークを介して配布してもよい。
100 費用算出装置
200 損益予測装置
1401 取得部
1402 判定部
1403 第1の算出部
1404 第2の算出部
1405 第3の算出部
1406 判断部
1407 抽出部
1408 出力部
本発明は、費用算出方法、費用算出プログラムおよび費用算出装置に関する。
圃場において農作物を栽培する場合、栽培途中のある時点までにかかった総費用が、農作物を栽培することにより得られる予測売上よりも多くなると、農作物の栽培を続けるほど赤字が増えることが想定される。このため、営農者は、圃場における農作物の栽培を、収穫を待たずに止めることも対処策の一つとして考えることが必要となる場合がある。
関連する先行技術としては、例えば、リモートセンシングデータから得た作物の光反射率、NDVIまたはGNDVIから糖量を予測することにより、収穫前に作物の収量を予測するものがある。また、例えば、営農計画を作成するためのデータベース、生産計画作成技術、生産計画と連動した財務計画作成技術を提供する先行技術がある。
特開2010−166851号公報 特開2003−30278号公報
しかしながら、従来技術によれば、圃場において栽培される農作物の農作業にかかる費用を予測することが難しいという問題がある。例えば、農作物の生育ステージによっては、農作物の成長に対して天候が与える影響が異なり、農作物に対して施すべき対処策が変化する場合があるため、農作業にかかる費用を予測することが難しい。
一側面では、本発明は、ある生育ステージの作物の特定の天候時における農作業にかかる費用を算出することができる費用算出方法、費用算出プログラムおよび費用算出装置を提供することを目的とする。
本発明の一側面によれば、圃場において栽培される作物の栽培期間のうち前記作物のいずれかの生育ステージに対応する期間における天気の特性を表す気象要素の予測値と、前記作物の前記生育ステージにおける農作業にかかる標準的な費用とを取得し、気象条件を表す前記気象要素の指標値と、前記気象条件下における前記生育ステージの前記作物に対して施すべき対処策にかかる費用とを対応付けて記憶する記憶部を参照して、取得した前記予測値が前記気象条件を満たすか否かを判定し、前記予測値が前記気象条件を満たす場合、前記対処策にかかる費用と前記標準的な費用とに基づいて、前記作物の前記生育ステージにおける農作業にかかる予測費用を算出し、算出した前記予測費用を出力する費用算出方法、費用算出プログラムおよび費用算出装置が提案される。
本発明の一態様によれば、ある生育ステージの作物の特定の天候時における農作業にかかる費用を算出することができるという効果を奏する。
図1は、実施の形態1にかかる費用算出方法の一実施例を示す説明図である。 図2は、損益予測装置200のハードウェア構成例を示すブロック図である。 図3は、圃場DB300の記憶内容の一例を示す説明図である。 図4は、作業履歴データの具体例を示す説明図である。 図5は、使用履歴データの具体例を示す説明図である。 図6は、作業員マスタ600の記憶内容の一例を示す説明図である。 図7は、資材マスタ700の記憶内容の一例を示す説明図である。 図8は、気象データDB800の記憶内容の一例を示す説明図である。 図9は、栽培期間管理テーブル900の記憶内容の一例を示す説明図である。 図10は、標準コストマスタ1000の記憶内容の一例を示す説明図である。 図11は、天候コストマスタ1100の記憶内容の一例を示す説明図である。 図12は、標準反収マスタ1200の記憶内容の一例を示す説明図である。 図13は、作物生育限界温度マスタ1300の記憶内容の一例を示す説明図である。 図14は、損益予測装置200の機能的構成例を示すブロック図である。 図15は、日平均気温に基づく類似度の算出例を示す説明図である。 図16は、日平均気温の積算値に基づく類似度の算出例を示す説明図である。 図17は、予測気象データの具体例を示す説明図である。 図18は、コスト管理テーブル1800の記憶内容の一例を示す説明図である。 図19は、損益予測条件入力画面の画面例を示す説明図である。 図20は、損益予測画面の画面例を示す説明図である。 図21は、損益予測装置200の損益予測処理手順の一例を示すフローチャートである。 図22は、実績コスト算出処理の具体的処理手順の一例を示すフローチャート(その1)である。 図23は、実績コスト算出処理の具体的処理手順の一例を示すフローチャート(その2)である。 図24は、予測気象データ取得処理の具体的処理手順の一例を示すフローチャートである。 図25は、予測コスト算出処理の具体的処理手順の一例を示すフローチャート(その1)である。 図26は、予測コスト算出処理の具体的処理手順の一例を示すフローチャート(その2)である。 図27は、損益予測処理の具体的処理手順の一例を示すフローチャートである。
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる費用算出方法、費用算出プログラムおよび費用算出装置の実施の形態を詳細に説明する。
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1にかかる費用算出方法の一実施例を示す説明図である。図1において、費用算出装置100は、圃場において栽培される作物の各生育ステージにおける農作業にかかる費用を算出するコンピュータである。
ここで、圃場とは、作物を栽培するための田畑、菜園、果樹園などである。作物とは、例えば、穀類、野菜、果樹などの農作物である。作物は、例えば、品目、品種および作型の組み合わせによって分類することができる。品目とは、作物の種類である。品目としては、例えば、水稲、キャベツ、ニンジン、ミカンなどがある。
品種とは、同一品目の中の種類である。例えば、キャベツの品種として、寒玉キャベツ、春玉キャベツ、グリーンボールキャベツ、紫キャベツなどがある。また、ミカンの品種として、ゆら早生、宮川早生、久能温州、大津4号、青島温州などがある。作型とは、作物の栽培を行うときの条件や技術の組み合わせを示す体系である。作型としては、例えば、直播、田植え、春まき栽培、夏まき栽培、秋まき栽培、冬まき栽培などがある。
生育ステージとは、時間の経過にしたがって成長する作物の成長段階を示すものである。例えば、ミカンの生育ステージとして、発芽期、開花期、満開期、生理落果期、果実肥大期、成熟期、収穫期などがある。また、キャベツの生育ステージとして、播種期、育苗期、移植期、定植期、生育期、収穫期などがある。また、農作業とは、作物を栽培するための作業である。農作業としては、例えば、見回り、播種、耕起、耕耘、施肥、田植え、整地、農薬散布、除草、間引き、追肥、培土、収穫などがある。
また、費用算出装置100は、記憶部110にアクセス可能である。記憶部110は、作物の生育ステージごとに、気象条件を表す気象要素の指標値と、該気象条件下における該生育ステージの作物に対して施すべき対処策にかかる費用とを対応付けて記憶する記憶装置である。
ここで、気象条件とは、大気の状態を表す条件である。気象条件は、気象要素を用いて定義することができる。気象要素とは、天気の特性を表す要素である。気象要素は、例えば、気温、降水量、日照時間、湿度、気圧、風速などである。対処策とは、天候の影響が栽培途中の作物の成長に与える弊害を回避するために行われるものである。
作物の成長に与える天候の影響は、作物の生育ステージによって異なる場合がある。例えば、降水量が所定量以上という気象条件を想定する。この場合、作物の種を播いたばかりの時期は、雨によって種が流れやすいため、種の流出を防ぐ対処策を施す費用が発生する。これに対して、作物の根が活着した後の時期であれば、成長には水分が必要なため、対処策を施す必要がなく費用が発生しない。
このように、同一の気象条件下であっても、作物の生育ステージによっては、作物に対して施すべき対処策が異なり、農作業にかかる費用が異なる場合がある。別の言い方をすれば、同一の気象条件下であっても、作物の生育ステージによっては、気象条件が作物の生育にとって良い影響を与える場合もあるし、悪い影響を与える場合も有る。そこで、本実施の形態では、費用算出装置100は、特定の天候となるある生育ステージの作物の農作業にかかる費用を、該生育ステージの作物の農作業にかかる標準的な費用に、特定の天候時に該生育ステージの作物に施すべき対処策の費用を加味して求める。
以下、費用算出装置100の費用算出処理手順例について説明する。以下の説明では、農作業にかかる費用の算出対象となる作物を「対象作物」と表記する場合がある。また、農作業にかかる費用の算出対象となる生育ステージを「対象生育ステージ」と表記する場合がある。また、対象作物の栽培期間のうち対象生育ステージに対応する期間を「対象期間」と表記する場合がある。
(1)費用算出装置100は、対象圃場において栽培される対象作物の栽培期間のうち対象作物の対象生育ステージに対応する対象期間における気象要素の予測値を取得する。ここで、気象要素の予測値とは、例えば、対象圃場を含む地域の対象期間における気温、降水量、日照時間、湿度、気圧、風速などを予測した値である。図1の例では、対象期間における気象要素の予測値として、対象期間における積算降水量の予測値『150[mm]』が取得されている。
具体的には、例えば、費用算出装置100は、ユーザの操作入力により、または、データベースからの抽出により、対象期間における気象要素の予測値を取得する。また、費用算出装置100は、外部のコンピュータから対象期間における気象要素の予測値を取得することにしてもよい。
(2)費用算出装置100は、対象生育ステージにおける対象作物の農作業にかかる標準的な費用を取得する。ここで、標準的な費用とは、例えば、対象作物の対象生育ステージにおける農作業にかかった単位面積当たりの費用の平均値である。図1の例では、対象作物『ミカン』の対象生育ステージ『成熟期』における農作業にかかった標準的な費用として、10[a(アール)]当たりの標準的な費用『100000[円]』が取得されている。なお、1[a]は100平方メートルである。
具体的には、例えば、費用算出装置100は、ユーザの操作入力により、または、データベースからの抽出により、対象作物の対象生育ステージにおける農作業にかかった標準的な費用を取得する。また、費用算出装置100は、外部のコンピュータから対象作物の対象生育ステージにおける農作業にかかった標準的な費用を取得することにしてもよい。
(3)費用算出装置100は、取得した対象期間における気象要素の予測値が、対象作物の対象生育ステージと対応付けて記憶部110に記憶されている気象条件を満たすか否かを判定する。図1の例では、対象期間における気象要素の予測値は、対象期間における積算降水量の予測値『150[mm]』である。
また、対象作物の対象生育ステージに対応する気象条件は、作物『ミカン』の生育ステージ『成熟期』と対応付けて記憶部110に記憶されている気象条件『積算降水量が100[mm]以上』である。このため、費用算出装置100は、対象期間における気象要素の予測値が、対象作物の対象生育ステージに対応する気象条件を満たすと判定する。
(4)費用算出装置100は、対象期間における気象要素の予測値が気象条件を満たす場合、該気象条件下における対象生育ステージの対象作物に対して施すべき対処策にかかる費用と、取得した標準的な費用とに基づいて、農作業にかかる予測費用を算出する。ここで、農作業にかかる予測費用とは、対象作物の対象生育ステージにおける農作業にかかる費用の予測値である。
図1の例では、『積算降水量が100[mm]以上』という気象条件下における生育ステージ『成熟期』の作物『ミカン』に対して施すべき対処策は『マルチシートを敷く』である。また、対処策『マルチシートを敷く』にかかる費用は『40000[円]』である。この費用は、10[a]当たりの対処策『マルチシートを敷く』にかかる費用である。
このため、費用算出装置100は、例えば、取得した標準的な費用に対処策にかかる費用を加算することにより、対象作物の対象生育ステージにおける農作業にかかる予測費用を算出する。図1の例では、対象作物の対象生育ステージにおける農作業にかかる予測費用は『140000[円]』となる。なお、マルチシートとは、ミカンが結実した後に降雨があると実の糖分率が下がるため、雨が土中に染み込まないようにするための対処策である。
このように、実施の形態1にかかる費用算出装置100によれば、対象期間における気象要素の予測値が特定の気象条件を満たす場合、特定の気象条件下における対象生育ステージの対象作物に対して施すべき対処策にかかる費用を特定することができる。そして、費用算出装置100によれば、特定した対処策にかかる費用と、対象生育ステージにおける対象作物の農作業にかかる標準的な費用とに基づいて、対象作物の対象生育ステージにおける農作業にかかる予測費用を算出することができる。
これにより、対象作物の成長に与える対象生育ステージ特有の天候の影響を考慮して、対象生育ステージにおける農作業にかかる予測費用を予測することができる。この結果、例えば、営農者は、特定の天候時に対象生育ステージの対象作物に対して施すべき対処策にかかる費用が加味された予測費用を把握することができる。
(実施の形態2)
つぎに、実施の形態1において説明した費用算出装置100を、対象作物の損益を予測する損益予測装置200に適用した場合について説明する。なお、実施の形態1において説明した箇所と同様の箇所については説明を省略する。
(損益予測装置200のハードウェア構成例)
図2は、損益予測装置200のハードウェア構成例を示すブロック図である。図2において、損益予測装置200は、CPU(Central Processing Unit)201と、ROM(Read‐Only Memory)202と、RAM(Random Access Memory)203と、磁気ディスクドライブ204と、磁気ディスク205と、光ディスクドライブ206と、光ディスク207と、ディスプレイ208と、I/F(Interface)209と、キーボード210と、マウス211と、スキャナ212と、プリンタ213と、を有している。また、各構成部はバス220によってそれぞれ接続されている。
ここで、CPU201は、損益予測装置200の全体の制御を司る。ROM202は、ブートプログラムなどのプログラムを記憶している。RAM203は、CPU201のワークエリアとして使用される。磁気ディスクドライブ204は、CPU201の制御にしたがって磁気ディスク205に対するデータのリード/ライトを制御する。磁気ディスク205は、磁気ディスクドライブ204の制御で書き込まれたデータを記憶する。
光ディスクドライブ206は、CPU201の制御にしたがって光ディスク207に対するデータのリード/ライトを制御する。光ディスク207は、光ディスクドライブ206の制御で書き込まれたデータを記憶したり、光ディスク207に記憶されたデータをコンピュータに読み取らせたりする。
ディスプレイ208は、カーソル、アイコンあるいはツールボックスをはじめ、文書、画像、機能情報などのデータを表示する。このディスプレイ208は、例えば、CRT、TFT液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイなどを採用することができる。
I/F209は、通信回線を通じて有線または無線のネットワーク214に接続され、ネットワーク214を介して他のコンピュータに接続される。ネットワーク214は、例えば、LAN(Local Area Network)、無線LAN、WAN(Wide Area Network)、インターネットなどである。そして、I/F209は、ネットワーク214と内部のインターフェースを司り、外部のコンピュータからのデータの入出力を制御する。I/F209には、例えば、モデムやLANアダプタなどを採用することができる。
キーボード210は、文字、数字、各種指示などの入力のためのキーを備え、データの入力を行う。また、タッチパネル式の入力パッドやテンキーなどであってもよい。マウス211は、カーソルの移動や範囲選択、あるいはウィンドウの移動やサイズの変更などを行う。
スキャナ212は、画像を光学的に読み取り、損益予測装置200内に画像データを取り込む。また、プリンタ213は、画像データや文書データを印刷する。プリンタ213には、例えば、レーザプリンタやインクジェットプリンタを採用することができる。なお、費用算出装置100は、上述した構成部のうち、例えば、光ディスクドライブ206、光ディスク207、スキャナ212およびプリンタ213を有さないことにしてもよい。
(各種データベース等の記憶内容)
つぎに、損益予測装置200が有する各種データベース等の記憶内容について説明する。以下に説明する各種データベース等は、例えば、図2に示したRAM203、磁気ディスク205、光ディスク207などの記憶装置により実現される。
<圃場DB(データベース)300の記憶内容>
図3は、圃場DB300の記憶内容の一例を示す説明図である。図3において、圃場DB300は、圃場ID、圃場名、品目、品種、作型、生育ステージ、作業履歴データおよび使用履歴データのフィールドを有する。各フィールドに情報を設定することにより、圃場F1〜Fnの圃場情報300−1〜300−nがレコードとして記憶されている。
圃場IDは、圃場F1〜Fnを一意に識別する識別子である。圃場F1〜Fnは、例えば、農場の経営者が管理している圃場である。以下、圃場F1〜Fnのうち任意の圃場を「圃場Fi」と表記する場合がある(i=1,2,…,n)。
圃場名は、圃場Fiの名称である。品目は、圃場Fiで栽培されている作物の品目である。品種は、圃場Fiで栽培されている作物の品種である。作型は、圃場Fiで栽培されている作物の作型である。生育ステージは、圃場Fiで栽培されている作物の生育ステージである。
作業履歴データは、圃場Fjで行われた農作業の作業履歴を示す情報である。作業履歴データについての詳細な説明は、図4を用いて後述する。使用履歴データは、圃場Fjで使用された資材の使用履歴を示す情報である。資材とは、農作業に使用される農機具、農薬、種子などである。農機具としては、例えば、農業用トラクタ、耕耘機、田植機、コンバイン、農薬散布機などがある。使用履歴データについての詳細な説明は、図5を用いて後述する。
圃場情報300−1を例に挙げると、圃場F1の圃場名「圃場A」、品目「キャベツ」、品種「秋冬キャベツ」、作型「秋まき」、生育ステージ「播種期」、作業履歴データW1および使用履歴データM1が設定されている。なお、圃場DB300には、圃場Fiにおける農作業が現在進行中の圃場情報と、圃場Fiにおける農作業が終了している圃場情報とが含まれている。
つぎに、作業履歴データの具体例について説明する。ここでは、図3に示した圃場情報300−1に設定されている作業履歴データW1を例に挙げて説明する。
図4は、作業履歴データの具体例を示す説明図である。図4において、作業履歴データW1は、圃場ID、作業日、作業時刻、作業内容および作業者名のフィールドを有する。各フィールドの情報を設定することにより、作業履歴(例えば、作業履歴400−1〜400−5)がレコードとして記憶されている。
圃場IDは、圃場Fjの識別子である。作業日は、圃場Fjにおいて農作業が行われた年月日である。作業時刻は、圃場Fjにおいて農作業が行われた作業時刻である。作業内容は、圃場Fjにおいて行われた農作業の作業内容である。作業者名は、圃場Fjにおいて行われた農作業の作業者の名称である。
作業履歴400−1を例に挙げると、作業日「2011/01/08」の作業時刻「13:32〜15:31」に圃場F1において行われた農作業の作業内容「耕起」および作業者名「作業者A」が設定されている。なお、作業履歴データは、圃場Fjにおいて新たな農作業が行われると、その都度更新される。
つぎに、使用履歴データの具体例について説明する。ここでは、図3に示した圃場情報300−1に設定されている使用履歴データM1を例に挙げて説明する。
図5は、使用履歴データの具体例を示す説明図である。図5において、使用履歴データM1は、圃場ID、作業日、使用時刻、資材名および作業者名のフィールドを有する。各フィールドに情報を設定することにより、使用履歴(例えば、使用履歴500−1〜500−5)がレコードとして記憶されている。
圃場IDは、圃場Fjの識別子である。作業日は、圃場Fjにおいて農作業が行われた年月日である。使用時刻は、資材が使用された時刻である。資材名は、農作業に使用された資材の名称である。作業者名は、圃場Fjにおいて行われた農作業の作業者の名称である。
使用履歴500−1を例に挙げると、作業日「2011/01/08」の使用時刻「13:32−15:31」に圃場F1において使用された資材の名称「15馬力(ASTE)」および作業者名「作業者A」が設定されている。なお、使用履歴データは、圃場Fjの農作業において新たな資材が使用されると、その都度更新される。
<作業員マスタ600の記憶内容>
図6は、作業員マスタ600の記憶内容の一例を示す説明図である。図6において、作業員マスタ600は、作業者名および単価のフィールドを有する。各フィールドに情報を設定することにより、作業員情報(例えば、作業員情報600−1〜600−4)がレコードとして記憶されている。
作業者名は、農業に従事する作業者の名称である。単価は、作業者の1時間当たりの農作業に対して支払われる人件費である。作業員情報600−1を例に挙げると、作業者名「作業者A」の単価「2000[円]」が設定されている。
<資材マスタ700の記憶内容>
図7は、資材マスタ700の記憶内容の一例を示す説明図である。図7において、資材マスタ700は、資材名および単価のフィールドを有する。各フィールドに情報を設定することにより、資材情報(例えば、資材情報700−1,700−2)がレコードとして記憶されている。
資材名は、農作業に使用される資材の名称である。単価は、資材の1時間当たりの使用に対して支払われる資材費である。資材情報700−1を例に挙げると、資材名「15馬力」の単価「2000[円]」が設定されている。
<気象データDB800の記憶内容>
つぎに、気象データDB800の記憶内容について説明する。気象データDB800は、対象圃場を含む地域において測定された気象データを記憶するデータベースである。気象データは、気象要素の測定値を示す情報である。
図8は、気象データDB800の記憶内容の一例を示す説明図である。図8において、気象データDB800は、年月日、時、気温、降水量および日照時間のフィールドを有する。各フィールドに情報を設定することにより、気象データがレコードとして記憶されている。
年月日は、気象データが測定された年月日である。時は、気象データが測定された時間帯である。気温は、対象圃場を含む地域において測定された気温である。降水量は、対象圃場を含む地域において測定された降水量である。日照時間は、対象圃場を含む地域において測定された日照時間である。なお、対象圃場を含む地域において新たな気象データが測定されると、その都度、測定された気象データが気象データDB800に記憶される。
<栽培期間管理テーブル900の記憶内容>
つぎに、栽培期間管理テーブル900の記憶内容について説明する。栽培期間管理テーブル900は、対象圃場において栽培される対象作物の栽培期間を表す情報である。ここでは、対象作物として、品目「キャベツ」、品種「寒玉」、作型「春播き夏穫り」の作物を例に挙げて説明する。
図9は、栽培期間管理テーブル900の記憶内容の一例を示す説明図である。図9において、栽培期間管理テーブル900は、品目、品種、作型、圃場名、生育ステージ、期間開始日および期間終了日のフィールドを有する。各フィールドに情報を設定することにより、対象作物の生育ステージごとの期間管理情報900−1〜900−4がレコードとして記憶されている。
品目は、対象作物の品目である。品種は、対象作物の品種である。作型は、対象作物の作型である。圃場名は、対象圃場の名称である。生育ステージは、対象作物の生育ステージである。期間開始日は、対象作物の栽培期間のうち各生育ステージに対応する期間の開始日である。期間終了日は、対象作物の栽培期間のうち各生育ステージに対応する期間の終了日である。
期間管理情報900−1を例に挙げると、圃場名「圃場A」の対象圃場において栽培される品目「キャベツ」、品種「寒玉」、作型「春播き夏穫り」の対象作物の生育ステージ「準備期」に対応する期間の期間開始日「2012/4/1」および期間終了日「2012/4/15」が設定されている。
<標準コストマスタ1000の記憶内容>
つぎに、標準コストマスタ1000の記憶内容について説明する。標準コストマスタ1000は、対象作物の各生育ステージにおける農作業にかかる標準的な費用を表す標準コスト情報を記憶している。ここでは、対象作物として、品目「キャベツ」、品種「寒玉」、作型「春播き夏穫り」の作物を例に挙げて説明する。
図10は、標準コストマスタ1000の記憶内容の一例を示す説明図である。図10において、標準コストマスタ1000は、品目、品種、作型、生育ステージ、人件費および資材費のフィールドを有する。各フィールドに情報を設定することにより、標準コスト情報1000−1〜1000−4がレコードとして記憶されている。
品目は、対象作物の品目である。品種は、対象作物の品種である。作型は、対象作物の作型である。生育ステージは、対象作物の生育ステージである。人件費は、対象作物の各生育ステージにおける農作業にかかる標準的な人件費[円]である。資材費は、対象作物の各生育ステージにおける農作業にかかる標準的な資材費[円]である。なお、人件費および資材費は、10[a]当たりのものである。
標準コスト情報1000−1を例に挙げると、品目「キャベツ」、品種「寒玉」、作型「春播き夏穫り」の対象作物の生育ステージ「準備期」における農作業にかかる標準的な人件費「15000[円]」および資材費「7000[円]」が設定されている。
<天候コストマスタ1100の記憶内容>
つぎに、天候コストマスタ1100の記憶内容について説明する。天候コストマスタ1100は、図1に示した記憶部110に相当する。天候コストマスタ1100は、対象作物の生育ステージごとに、ある気象条件下における該生育ステージの対象作物に対して施すべき対処策にかかる費用を表す天候コスト情報を記憶している。ここでは、対象作物として、品目「ミカン」、品種「××早生」、作型「早生」の作物を例に挙げて説明する。
図11は、天候コストマスタ1100の記憶内容の一例を示す説明図である。図11において、天候コストマスタ1100は、品目、品種、作型、生育ステージ、指標、指標値、単位、条件、対処策および天候コストのフィールドを有する。各フィールドに情報を設定することにより、天候コスト情報1100−1〜1100−6がレコードとして記憶されている。
品目は、対象作物の品目である。品種は、対象作物の品種である。作型は、対象作物の作型である。生育ステージは、対象作物の生育ステージである。指標は、対象作物の各生育ステージにおける特定の気象条件を表すための気象要素である。指標値は、特定の気象条件を表すための気象要素の値である。
単位は、特定の気象条件を表すための気象要素の値の単位である。条件は、特定の気象条件を表すための気象要素の条件である。対処策は、各気象条件下における各生育ステージの対象作物に対して施すべき対処策である。天候コストは、対象作物に対して対処策を施すことにより増加する費用[円/10a]である。
天候コスト情報1100−1を例に挙げると、品目「ミカン」、品種「××早生」、作型「早生」の対象作物の生育ステージ「生理落果期」における特定の気象条件を表す指標「積算降水量」、指標値「150」、単位「ミリ」および条件「未満」が設定されている。また、対象作物に対して施すべき対処策「潅水実施」および天候コスト「20000[円/10a]」が設定されている。
<標準反収マスタ1200の記憶内容>
つぎに、標準反収マスタ1200の記憶内容について説明する。標準反収マスタ1200は、1反(約10[a])当たりの作物の標準的な売上を予測するための標準反収情報を記憶している。
図12は、標準反収マスタ1200の記憶内容の一例を示す説明図である。図12において、標準反収マスタ1200は、品目、品種、作型、標準反収および標準単価のフィールドを有する。各フィールドに情報を設定することにより、標準反収情報(例えば、標準反収情報1200−1〜1200−4)をレコードとして記憶している。
品目は、作物の品目である。品種は、作物の品種である。作型は、作物の作型である。標準反収は、作物の1反(約10[a])当たりの標準的な収穫高[kg]である。標準単価は、作物の1[kg]当たりの標準的な売上[円]である。
標準反収情報1200−1を例に挙げると、品目「キャベツ」、品種「寒玉」、作型「春播き夏穫り」の作物の標準反収「5000[kg]」および標準単価「45[円/kg]」が設定されている。
<作物生育限界温度マスタ1300の記憶内容>
つぎに、作物生育限界温度マスタ1300の記憶内容について説明する。作物生育限界温度マスタ1300は、作物の生育に適した温度を表す限界温度情報を記憶している。
図13は、作物生育限界温度マスタ1300の記憶内容の一例を示す説明図である。図13において、作物生育限界温度マスタ1300は、品目、限界温度下限および限界温度上限のフィールドを有する。各フィールドに情報を設定することにより、限界温度情報(例えば、限界温度情報1300−1〜1300−4)をレコードとして記憶している。
品目は、作物の品目である。限界温度下限は、作物の生育に適した温度の下限値を表している。限界温度上限は、作物の生育に適した温度の上限値を表している。限界温度情報1300−1を例に挙げると、品目「キャベツ」の限界温度下限「5[℃]」および限界温度上限「30[℃]」が設定されている。
(損益予測装置200の機能的構成例)
つぎに、実施の形態2にかかる損益予測装置200の機能的構成例について説明する。図14は、損益予測装置200の機能的構成例を示すブロック図である。図14において、損益予測装置200は、取得部1401と、判定部1402と、第1の算出部1403と、第2の算出部1404と、第3の算出部1405と、判断部1406と、抽出部1407と、出力部1408と、を含む構成である。取得部1401〜出力部1408は制御部となる機能であり、具体的には、例えば、図2に示したROM202、RAM203、磁気ディスク205、光ディスク207などの記憶装置に記憶されたプログラムをCPU201に実行させることにより、または、I/F209により、その機能を実現する。また、各機能部の処理結果は、例えば、RAM203、磁気ディスク205、光ディスク207などの記憶装置に記憶される。
取得部1401は、損益予測条件を取得する機能を有する。ここで、損益予測とは、対象作物を栽培することにより発生する損失と、対象作物を栽培することにより得られる利益とを予測することである。また、損益予測条件とは、損益予測対象となる対象作物を指定する条件である。損益予測条件には、例えば、対象圃場および対象作物を特定する情報が含まれている。
具体的には、例えば、取得部1401は、図2に示したキーボード210やマウス211を用いたユーザの操作入力により、損益予測条件を取得する。また、取得部1401は、ネットワーク214を介して、他のコンピュータから損益予測条件を取得することにしてもよい。なお、損益予測条件の入力画面の具体例については、図19を用いて後述する。
以下の説明では、対象圃場において栽培される対象作物の複数の生育ステージを「生育ステージS1〜Sm」と表記する場合がある。また、対象作物の生育ステージS1〜Smのうち任意の生育ステージを「生育ステージSj」と表記する場合がある(j=1,2,…,m)。また、対象作物の栽培期間を「栽培期間T」と表記する場合がある。また、栽培期間Tのうち生育ステージSjに対応する期間を「期間Tj」と表記する場合がある。
また、取得部1401は、対象作物の栽培期間Tのうち対象作物の生育ステージSjに対応する期間Tjにおける予測気象データを取得する機能を有する。ここで、予測気象データとは、期間Tjにおける天気の特性を表す気象要素の予測値を表す情報である。予測気象データは、例えば、天気予報によって予測された期間Tjにおける気象要素の予測値を表すものであってもよい。
予測気象データの取得対象となる生育ステージSjは、例えば、生育ステージS1〜Smのうち農作業が現在進行中または予定されている生育ステージであり、後述する予測コストの算出対象となる生育ステージである。なお、予測気象データの具体例については、図17を用いて後述する。
具体的には、例えば、取得部1401は、ユーザの操作入力により、期間Tjにおける予測気象データを取得することにしてもよい。また、取得部1401は、例えば、後述する抽出部1407により、図8に示した気象データDB800の中から抽出された気象データを、予測気象データとして取得することにしてもよい。なお、抽出部1407の具体的な処理内容については、図15および図16を用いて後述する。
判定部1402は、天候コスト情報を参照して、取得された予測気象データが表す期間Tjにおける気象要素の予測値が、特定の気象条件を満たすか否かを判定する機能を有する。ここで、天候コスト情報とは、特定の気象条件を表す気象要素の指標値と、特定の気象条件下における生育ステージSjの対象作物に対して施すべき対処策にかかる天候コストとを対応付けて表す情報である。
具体的には、例えば、まず、判定部1402は、図11に示した天候コストマスタ1100を参照して、対象作物の生育ステージSjに対応する天候コスト情報を特定する。そして、判定部1402は、特定した天候コスト情報を参照して、予測気象データが表す期間Tjにおける気象要素の予測値が、特定の気象条件を満たすか否かを判定する。
以下の説明では、特定の気象条件下における生育ステージSjの対象作物に対して施すべき対処策にかかる天候コストを「天候コストCW(j)」と表記する場合がある。なお、判定部1402の具体的な処理内容については、図17を用いて後述する。
第1の算出部1403は、判定された判定結果に基づいて、対象作物の生育ステージSjにおける農作業にかかる予測コストを算出する機能を有する。ここで、予測コストの算出対象となる生育ステージSjは、例えば、上述したように、生育ステージS1〜Smのうち農作業が現在進行中または予定されている生育ステージである。
すなわち、予測コストの算出対象となる生育ステージSjは、期間Tjの期間終了日が未来の生育ステージである。期間Tjの期間開始日および期間終了日は、例えば、図9に示した栽培期間管理テーブル900から特定することができる。以下の説明では、対象作物の生育ステージSjにおける農作業にかかる予測コストを「予測コストCP(j)」と表記する場合がある。
具体的には、例えば、まず、第1の算出部1403は、対象作物の生育ステージSjにおける農作業にかかる標準コストを特定する。ここで、標準コストとは、対象作物の生育ステージSjにおける農作業にかかる標準的な費用である。標準コストには、例えば、農作業に従事する作業者の人件費や農作業に使用する農機具、農薬、種子などの資材費が含まれている。
より具体的には、例えば、第1の算出部1403は、図10に示した標準コストマスタ1000を参照して、対象作物の生育ステージSjに対応する人件費と資材費とを足し合わせることにより、農作業にかかる標準コストを特定することができる。例えば、品目「キャベツ」、品種「寒玉」、作型「春播き夏穫り」の対象作物の生育ステージ「準備期」における農作業にかかる標準コストは「22000[円]」となる。
また、第1の算出部1403は、ユーザの操作入力により、対象作物の生育ステージSjにおける農作業にかかる標準コストの入力を受け付けることにより、農作業にかかる標準コストを特定することにしてもよい。以下の説明では、対象作物の生育ステージSjにおける農作業にかかる標準コストを「標準コストCL(j)」と表記する場合がある。
そして、第1の算出部1403は、天候コストCW(j)と標準コストCL(j)とに基づいて、予測コストCP(j)を算出する。より具体的には、例えば、第1の算出部1403は、期間Tjにおける気象要素の予測値が特定の気象条件を満たす場合、該特定の気象条件に対応する天候コスト情報を参照して、特定の気象条件を満たす場合の対応策および天候コストCW(j)を特定する。そして、第1の算出部1403は、天候コストCW(j)と標準コストCL(j)とを積算することにより予測コストCP(j)を算出することにしてもよい。
なお、複数の天候コストが特定された場合は、第1の算出部1403は、複数の天候コストを積算することにより天候コストCW(j)を算出することにしてもよい。また、同一の対処策について複数の天候コストが特定された場合は、第1の算出部1403は、複数の天候コストのいずれかの天候コスト、例えば、最大の天候コストを天候コストCW(j)として算出することにしてもよい。
また、第1の算出部1403は、期間Tjにおける気象要素の予測値が特定の気象条件を満たさない場合、標準コストCL(j)を予測コストCP(j)として算出することにしてもよい。特定された標準コストCL(j)、天候コストCW(j)、および算出された予測コストCP(j)は、例えば、後述の図18に示すコスト管理テーブル1800に記憶される。
第2の算出部1404は、対象作物の生育ステージSjにおける農作業にかかった実績コストを算出する機能を有する。ここで、実績コストの算出対象となる生育ステージSjは、例えば、生育ステージS1〜Smのうち農作業が終了している生育ステージである。すなわち、実績コストの算出対象となる生育ステージSjは、期間Tjの期間終了日が過去の生育ステージである。以下の説明では、対象作物の生育ステージSjにおける農作業にかかる実績コストを「実績コストCR(j)」と表記する場合がある。
具体的には、例えば、第2の算出部1404は、図3に示した圃場DB300に記憶されている作業履歴データに基づいて、対象作物の生育ステージSjにおける農作業にかかった実績コストCR(j)を算出することにしてもよい。より具体的には、例えば、まず、第2の算出部1404は、圃場DB300の中から、対象圃場において栽培されている対象作物の生育ステージSjに対応する作業履歴データを抽出する。
そして、第2の算出部1404は、抽出した作業履歴データの作業履歴ごとに、各作業履歴の作業時刻に対応する作業時間を算出する。例えば、作業時刻が「13:00〜14:00」の場合、作業時間は「1時間」となる。つぎに、第2の算出部1404は、図6に示した作業員マスタ600を参照して、作業履歴データの作業履歴ごとに、各作業履歴の作業者名に対応する作業員の単価を特定する。
つぎに、第2の算出部1404は、作業履歴データの作業履歴ごとに、算出した作業時間と、特定した作業員の単価とを掛け合わせることにより実績コストを算出する。例えば、ある作業履歴の作業時間が「1時間」、作業員の単価が「2000円」の場合、この作業履歴に対応する実績コストは「2000円」となる。そして、第2の算出部1404は、作業履歴ごとの実績コストを積算することにより実績コストCR(j)を算出することにしてもよい。
また、例えば、第2の算出部1404は、圃場DB300に記憶されている使用履歴データに基づいて、対象作物の生育ステージSjにおける農作業にかかった実績コストCR(j)を算出することにしてもよい。より具体的には、例えば、まず、第2の算出部1404は、圃場DB300の中から、対象圃場において栽培されている対象作物の生育ステージSjに対応する使用履歴データを抽出する。
そして、第2の算出部1404は、抽出した使用履歴データの使用履歴ごとに、各使用履歴の使用時刻に対応する使用時間を算出する。例えば、使用時刻が「13:00〜14:00」の場合、使用時間は「1時間」となる。つぎに、第2の算出部1404は、図7に示した資材マスタ700を参照して、使用履歴データの使用履歴ごとに、各使用履歴の資材名に対応する資材の単価を特定する。
つぎに、第2の算出部1404は、使用履歴データの使用履歴ごとに、算出した使用時間と、特定した資材の単価とを掛け合わせることにより実績コストを算出する。例えば、ある使用履歴の使用時間が「1時間」、資材の単価が「1500円」の場合、この使用履歴に対応する実績コストは「1500円」となる。そして、第2の算出部1404は、使用履歴ごとの実績コストを積算することにより実績コストCR(j)を算出することにしてもよい。
さらに、第2の算出部1404は、作業履歴データに基づく実績コストと使用履歴データに基づく実績コストとを加算することにより、実績コストCR(j)を算出することにしてもよい。算出された対象作物の生育ステージSjにおける農作業にかかった実績コストCR(j)は、例えば、後述の図18に示すコスト管理テーブル1800に記憶される。
第3の算出部1405は、対象作物の農作業にかかる総コストを算出する機能を有する。ここで、総コストとは、対象作物の各生育ステージSjにおける農作業にかかるコスト、すなわち、予測コストCP(j)または実績コストCR(j)を積算したものである。以下の説明では、対象作物の農作業にかかる総コストを「総コストC」と表記する場合がある。
例えば、対象作物の生育ステージS1〜Smの予測コストCP(1)〜CP(m)が算出された場合を想定する。この場合、第3の算出部1405は、例えば、予測コストCP(1)〜CP(m)を積算することにより、総コストCを算出する。
また、例えば、対象作物の生育ステージS1〜S3の実績コストCR(1)〜CR(3)が算出され、生育ステージS4〜Smの予測コストCP(4)〜CP(m)が算出された場合を想定する。この場合、第3の算出部1405は、例えば、実績コストCR(1)〜CR(3)と予測コストCP(4)〜CP(m)とを積算することにより総コストCを算出する。
また、例えば、現在の生育ステージSjの農作業が現在進行中などの場合に、現在の生育ステージSjについて、実績コストCR(j)および予測コストCP(j)が算出される場合がある。この場合、第3の算出部1405は、例えば、生育ステージSjの実績コストCR(j)または予測コストCP(j)のいずれか一方を総コストCに含めないことにしてもよい。
例えば、対象作物の生育ステージS3の農作業が現在進行中のときに、生育ステージS1〜S3の実績コストCR(1)〜CR(3)が算出され、生育ステージS3〜Smの予測コストCP(3)〜CP(m)が算出された場合を想定する。この場合、第3の算出部1405は、例えば、実績コストCR(1)と実績コストCR(2)と予測コストCP(3)〜CP(m)とを積算することにより総コストCを算出することにしてもよい。
これにより、生育ステージS1〜S3の実績コストCR(1)〜CR(3)の中から現在の生育ステージS3の実績コストCR(3)を除外して総コストCを算出することができ、総コストCの算出精度の向上を図ることができる。
また、第3の算出部1405は、対象作物の生育ステージSjごとに、各生育ステージSjまでの農作業にかかる積算コストを算出することにしてもよい。以下の説明では、生育ステージSjまでの農作業にかかる積算コストを「積算コストC(j)」と表記する場合がある。なお、第3の算出部1405の具体的な処理内容については、図18を用いて後述する。
判断部1406は、算出された総コストCが、対象圃場に対象作物を栽培することにより得られる予測売上よりも大きいか否かを判断する機能を有する。ここで、予測売上とは、例えば、対象圃場において栽培された対象作物を売ることにより得られる代金の総額である。以下の説明では、対象圃場に対象作物を栽培することにより得られる予測売上を「予測売上SV」と表記する場合がある。
予測売上SVは、例えば、図12に示した標準反収マスタ1200から特定することができる。具体的には、例えば、判断部1406は、標準反収マスタ1200を参照して、対象作物の品目、品種および作型の組み合わせに対応する標準反収情報を特定する。つぎに、判断部1406は、特定した標準反収情報の標準反収と標準単価とを掛け合わせることにより、1反(約10[a])当たりの対象作物の予測売上SV[円]を特定することができる。そして、判断部1406は、算出された総コストCが、特定した予測売上SVよりも大きくなるか否かを判断することにしてもよい。
また、判断部1406は、各生育ステージSjの積算コストC(j)と予測売上SVとを比較することにより、積算コストC(j)が予測売上SVよりも大きくなる生育ステージSjを特定することにしてもよい。
出力部1408は、算出された対象作物の生育ステージSjにおける農作業にかかる予測コストCP(j)を出力する機能を有する。出力部1408の出力形式としては、例えば、ディスプレイ208への表示、プリンタ213への印刷出力、I/F209による外部のコンピュータへの送信、RAM203、磁気ディスク205、光ディスク207などの記憶装置への書き込みがある。
これにより、例えば、営農者は、対象圃場において栽培されている対象作物の生育ステージSjにおける農作業にかかる予測コストCP(j)を把握することができる。
また、出力部1408は、算出された対象作物の生育ステージSjにおける農作業にかかった実績コストCR(j)を出力することにしてもよい。これにより、例えば、営農者は、対象作物の生育ステージSjにおける農作業にかかった実績コストCR(j)を把握することができる。
また、出力部1408は、算出された対象作物の農作業にかかる総コストCを出力することにしてもよい。これにより、例えば、営農者は、対象作物の農作業にかかる総コストCを把握することができる。
また、出力部1408は、算出された各生育ステージSjまでの農作業にかかる積算コストC(j)を出力することにしてもよい。これにより、例えば、営農者は、対象作物の生育ステージSjごとに、各生育ステージSjまでの農作業にかかる積算コストC(j)を把握することができる。
また、出力部1408は、総コストCが予測売上SVよりも大きいか否かの判断結果を出力することにしてもよい。これにより、例えば、営農者は、対象作物の損益を判断することができる。例えば、総コストCが予測売上SVよりも大きい場合、営農者は、対象作物を栽培しても赤字となることを予測することができる。
また、出力部1408は、積算コストC(j)が予測売上SVよりも大きくなる生育ステージSjが特定された場合、積算コストC(j)が予測売上SVよりも大きくなる生育ステージSjを表す情報を出力することにしてもよい。これにより、例えば、営農者は、どの生育ステージSjにおいて積算コストC(j)が予測売上SVよりも大きくなるかを予測することができる。出力部1408の出力結果を表示する画面例については、図20を用いて後述する。
なお、上述した説明では、対象作物の生育ステージSjにおける農作業にかかった実績コストCR(j)を算出することにしたが、これに限らない。具体的には、例えば、損益予測装置200は、ユーザの操作入力により、対象作物の生育ステージSjにおける農作業にかかった実績コストCR(j)を取得することにしてもよい。
(抽出部1407の具体的処理内容)
つぎに、図8に示した気象データDB800の中から、対象作物の生育ステージSjに対応する期間Tjにおける予測気象データとして用いる気象データを抽出する抽出部1407の具体的な処理内容の一例について説明する。以下の説明では、対象作物の栽培期間Tのうち対象作物の生育ステージSjに対応する期間Tjを含む年度を「対象年度」と表記する場合がある。
ここでは、抽出部1407は、対象年度から遡って過去G年分の気象データの中から、対象年度と天候が類似する年度の、期間Tjと同一期間における気象データを、対象年度の期間Tjにおける予測気象データとして抽出する場合について説明する(G=1,2,…)。
まず、抽出部1407は、対象作物の現生育ステージSnowを特定する。ここで、現生育ステージSnowとは、対象作物の生育ステージS1〜Smのうち現在農作業中の生育ステージである。具体的には、例えば、抽出部1407は、図9に示した栽培期間管理テーブル900を参照して、期間開始日から期間終了日までの期間中に現在の年月日を含む生育ステージを、現生育ステージSnowとして特定する。なお、対象作物は、例えば、損益予測条件から特定することができる。
つぎに、抽出部1407は、比較対象期間tを設定する。ここで、比較対象期間tとは、対象年度の気象データと、対象年度からg年前の気象データとを比較する期間である(g=1,2,…,G)。比較対象期間tは、現在日以前の任意の期間に設定することができる。
具体的には、例えば、抽出部1407は、現在日が現生育ステージSnowの期間開始日から期間終了日までの期間の途中の場合、現生育ステージSnowの期間開始日から現在日までの期間を比較対象期間tに設定することにしてもよい。また、抽出部1407は、現在日が現生育ステージSnowの期間開始日の場合、現生育ステージSnowの直前の生育ステージの期間開始日から期間終了日までの期間を比較対象期間tに設定することにしてもよい。
つぎに、抽出部1407は、比較対象期間tを所定間隔で区切って複数の期間に分割する。ここで、所定間隔は、任意に設定することができ、例えば、1日、1週、1ヶ月などである。以下の説明では、比較対象期間tから分割された複数の期間を「分割期間t1〜tK」と表記する場合がある。また、分割期間t1〜tKのうち任意の分割期間を「分割期間tk」と表記する場合がある。
つぎに、抽出部1407は、気象データDB800の中から、対象年度の比較対象期間tの気象データを抽出する。そして、抽出部1407は、抽出した対象年度の比較対象期間tの気象データに基づいて、比較元データを算出する。ここで、比較元データとは、対象年度の比較対象期間tにおける天候を特徴付ける情報である。比較元データは、例えば、対象年度の分割期間tkにおける日平均気温x(k)、対象年度の比較対象期間tにおける日平均気温の積算値X、降水量の積算値Y、日照時間の積算値Zなどである。
また、抽出部1407は、気象データDB800の中から、g年前の比較対象期間tの気象データを抽出する。そして、抽出部1407は、抽出したg年前の比較対象期間tの気象データに基づいて、比較先データを算出する。ここで、比較先データとは、g年前の比較対象期間tにおける天候を特徴付ける情報である。比較先データは、例えば、g年前の分割期間tkにおける日平均気温xg(k)、g年前の比較対象期間tにおける日平均気温の積算値Xg、降水量の積算値Yg、日照時間の積算値Zgなどである。
つぎに、抽出部1407は、比較元データおよび比較先データに基づいて、対象年度の気象データとg年前の気象データとの類似度合いを表す類似度RE(g)を算出する。具体的には、例えば、抽出部1407は、対象年度の分割期間tkごとの日平均気温x(k)と、g年前の分割期間tkごとの日平均気温xg(k)とに基づいて、類似度RE(g)を算出することにしてもよい。
また、抽出部1407は、対象年度の比較対象期間tにおける日平均気温の積算値Xと、g年前の比較対象期間tにおける日平均気温の積算値Xgとに基づいて、類似度RE(g)を算出することにしてもよい。また、抽出部1407は、対象年度の比較対象期間tにおける降水量の積算値Yと、g年前の比較対象期間tにおける降水量の積算値Ygとに基づいて、類似度RE(g)を算出することにしてもよい。
また、抽出部1407は、対象年度の比較対象期間tにおける日照時間の積算値Zと、g年前の比較対象期間tにおける日照時間の積算値Zgとに基づいて、類似度RE(g)を算出することにしてもよい。なお、類似度RE(g)の算出例については、図15および図16を用いて後述する。
つぎに、抽出部1407は、算出した類似度RE(1)〜RE(G)に基づいて、対象年度の1年前からG年前までの年度の中から、対象年度と天候が類似する類似年度を決定する。具体的には、例えば、抽出部1407は、対象年度の1年前からG年前までの年度のうち類似度が最大となる年度を類似年度に決定することにしてもよい。
そして、抽出部1407は、気象データDB800の中から、対象年度の期間Tjと同一期間における類似年度の気象データを、対象年度の期間Tjにおける予測データとして抽出する。これにより、対象年度と天候が類似する年度の、期間Tjと同一期間における気象データを、対象年度の期間Tjにおける予測データとして取得することができる。
ここで、図15を用いて、日平均気温x(k)と日平均気温xg(k)とに基づく類似度RE(g)の算出例について説明する。ここでは、対象年度を「2010年」とし、g年間の「g」を「g=1」として、抽出部1407の具体的な処理内容を説明する。
図15は、日平均気温に基づく類似度の算出例を示す説明図である。図15において、算出用テーブル1500には、2010年の分割期間t1〜t10ごとの日平均気温x(1)〜x(10)が示されている。例えば、日平均気温x(1)は「x(1)=8」である。また、日平均気温x(2)は「x(2)=9」である。
また、算出用テーブル1500には、2009年の分割期間t1〜t10ごとの日平均気温x1(1)〜x1(10)が示されている。例えば、日平均気温x1(1)は「x(1)=7」である。また、日平均気温x1(2)は「x1(2)=18」である。
まず、抽出部1407は、分割期間tkごとに、日平均気温x(k)から日平均気温x1(k)を減算することにより、日平均気温x(k)と日平均気温x1(k)との差分を算出する。例えば、日平均気温x(1)と日平均気温x1(1)との差分は「1」となる。
つぎに、抽出部1407は、分割期間tkごとに、日平均気温x(k)と日平均気温x1(k)との差分の二乗値を算出する。例えば、日平均気温x(1)と日平均気温x1(1)との差分の二乗値は「1」となる。そして、抽出部1407は、算出した分割期間tkごとの二乗値を積算することにより、二乗値の合計値を算出する。ここでは、二乗値の合計値は「281」となる。
つぎに、抽出部1407は、算出した二乗値の合計値を、二乗値のデータ数で除算して平方根をとることにより、2010年と2009年との間のRMS(Root Mean Square)を算出する。二乗値のデータ数は、分割期間t1〜t10の期間数「10」である。
ここで、RMSとは、対象年度の比較元データとg年前の比較先データとの間の数値のばらつきを表すものである。RMSの値が0に近いほど、対象年度の比較元データとg年前の比較先データとの間の数値のばらつきが小さいと判断することができる。以下の説明では、対象年度の比較元データとg年前の比較先データとの間のRMSを「RMS(g)」と表記する場合がある。ここでは、RMS(1)は「RMS(1)≒5.30=(281/10)1/2」となる。
このようにして、抽出部1407は、対象年度の1年前からG年前の各年度についてのRMS(1)〜RMS(G)を算出する。そして、抽出部1407は、算出したRMS(1)〜RMS(G)に基づいて、対象年度の気象データと各年度の気象データとの類似度合いを表す類似度RE(1)〜RE(G)を算出する。
具体的には、例えば、抽出部1407は、1年前からG年前の各年度に、RMSの値が0に近い順に順位を付与する。そして、抽出部1407は、1年前からG年前の各年度に付与した順位の逆数を、対象年度の気象データと各年度の気象データとの類似度合いを表す類似度RE(1)〜RE(G)として算出することにしてもよい。
つぎに、図16を用いて、日平均気温の積算値X(k)と日平均気温の積算値Xg(k)とに基づく類似度RE(g)の算出例について説明する。ここでは、対象年度を「2010年」とし、g年間の「g」を「g=1」として、抽出部1407の具体的な処理内容を説明する。
図16は、日平均気温の積算値に基づく類似度の算出例を示す説明図である。図16において、算出用テーブル1600には、2010年の分割期間t1〜t10ごとの日平均気温x(1)〜x(10)、および日平均気温x(1)〜x(10)を積算した日平均気温の積算値X「X=125」が示されている。また、算出用テーブル1600には、2009年の分割期間t1〜t10ごとの日平均気温x1(1)〜x1(10)、および日平均気温x1(1)〜x1(10)を積算した日平均気温の積算値X1「X1=132」が示されている。
なお、ここでは、各分割期間tkの日平均気温x(k)を積算するにあたって、対象作物の限界温度下限である5[℃]以下の日平均気温は除外されている。対象作物の限界温度下限は、例えば、図13に示した作物生育限界温度マスタ1300から特定することができる。
抽出部1407は、日平均気温の積算値Xから日平均気温の積算値X1を減算することにより、日平均気温の積算値Xと日平均気温の積算値X1との差分を算出する。ここでは、日平均気温の積算値Xと日平均気温の積算値X1との差分は「−7」となる。
このようにして、抽出部1407は、対象年度の1年前からG年前の各年度についての日平均気温の積算値の差分を算出する。そして、抽出部1407は、算出した日平均気温の積算値の差分に基づいて、対象年度の気象データと各年度の気象データとの類似度合いを表す類似度RE(1)〜RE(G)を算出する。
具体的には、例えば、抽出部1407は、1年前からG年前の各年度に、日平均気温の積算値の差分が0に近い順に順位を付与する。そして、抽出部1407は、1年前からG年前の各年度に付与した順位の逆数を、対象年度の気象データと各年度の気象データとの類似度合いを表す類似度RE(1)〜RE(G)として算出することにしてもよい。
なお、例えば、各年度について複数の類似度が算出された場合、抽出部1407は、算出された類似度を積算することにより、対象年度の気象データと各年度の気象データとの類似度合いを表す類似度を算出することにしてもよい。
(予測気象データの具体例)
つぎに、予測気象データの具体例について説明する。図17は、予測気象データの具体例を示す説明図である。図17において、予測気象データ1700は、対象作物の生育ステージSjに対応する期間Tj内の時間帯ごとの気温、降水量および日照時間を示す情報である。
具体的には、年月日は、気象データの予測対象となる年月日である。時は、気象データの予測対象となる時間帯である。気温は、対象圃場を含む地域の予測気温である。降水量は、対象圃場を含む地域の予測降水量である。日照時間は、対象圃場を含む地域の予測日照時間である。例えば、2012年4月1日の0時台を例に挙げると、気温「10.0[℃]」、降水量「0.3[mm]」および日照時間「0.0[h]」が示されている。
(判定部1402の具体的な処理内容)
ここで、図17に示した予測気象データ1700を例に挙げて、判定部1402の具体的な処理内容について説明する。ここでは、対象作物として、品目「ミカン」、品種「××早生」および作型「早生」の作物を例に挙げて説明する。また、対象作物の生育ステージS1〜Smを、「S1:発芽期」、「S2:開花期」、「S3:満開期」、「S4:生理落果期」、「S5:果実肥大期」、「S6:成熟期」、「S7:収穫期」とする。
判定部1402は、例えば、予測気象データ1700を参照して、対象作物の生育ステージSjに対応する期間Tjにおける日平均気温x(j)を算出する。ここで、生育ステージSjは、予測コストCP(j)の算出対象となる生育ステージである。なお、期間Tjは、例えば、図9に示した栽培期間管理テーブル900から特定することができる。
また、判定部1402は、例えば、予測気象データ1700を参照して、対象作物の生育ステージSjに対応する期間Tjにおける日平均気温の積算値X(j)を算出することにしてもよい。この際、判定部1402は、図13に示す作物生育限界温度マスタ1300を参照して、対象作物の限界温度下限および限界温度上限を特定することにしてもよい。そして、判定部1402は、期間Tjにおける日平均気温のうち、対象作物の限界温度下限以下または限界温度上限以上となる日平均気温を除く残余の日平均気温の積算値X(j)を算出することにしてもよい。
例えば、対象作物の品目が「ミカン」の場合、判定部1402は、期間Tjにおける日平均気温のうち、10[℃]以下または30[℃]以上となる日平均気温を除く残余の日平均気温の積算値X(j)を算出する。これにより、対象作物の生育に寄与しない日の日平均気温を除外して日平均気温の積算値X(j)を算出することができる。
また、判定部1402は、例えば、予測気象データ1700を参照して、対象作物の生育ステージSjに対応する期間Tjにおける降水量の積算値Y(j)を算出することにしてもよい。また、判定部1402は、例えば、予測気象データ1700を参照して、対象作物の生育ステージSjに対応する期間Tjにおける日照時間の積算値Z(j)を算出することにしてもよい。
ここで、予測コストCP(j)の算出対象となる生育ステージSjを「S5:果実肥大期」とする。この場合、判定部1402は、図11に示した天候コストマスタ1100を参照して、対象作物の生育ステージS5に対応する天候コスト情報1100−2,1100−3を特定する。天候コスト情報1100−2が表す特定の気象条件は「積算日照時間が200時間以下」である。天候コスト情報1100−3が表す特定の気象条件は「積算日平均気温が1000℃以下」である。
例えば、期間T5における日照時間の積算値Z(5)を「Z(5)=150[h]」とする。この場合、判定部1402は、天候コスト情報1100−2を参照して、期間T5における日照時間の積算値Z(5)が特定の気象条件「積算日照時間が200時間以下」を満たすと判定する。
また、例えば、期間T5における日平均気温の積算値X(5)を「X(5)=900[℃]」とする。この場合、判定部1402は、天候コスト情報1100−3を参照して、期間T5における日平均気温の積算値X(5)が特定の気象条件「積算日平均気温が1000℃以下」を満たすと判定する。
(第3の算出部1405の具体的な処理内容)
つぎに、図18を用いて、対象作物の農作業にかかる総コストCを算出する第3の算出部1405の具体的な処理内容について説明する。ここでは、対象作物として、品目「ミカン」、品種「××早生」および作型「早生」の作物を例に挙げて説明する。また、対象作物の生育ステージS1〜Smを、「S1:発芽期」、「S2:開花期」、「S3:満開期」、「S4:生理落果期」、「S5:果実肥大期」、「S6:成熟期」、「S7:収穫期」とする。
図18は、コスト管理テーブル1800の記憶内容の一例を示す説明図である。図18において、コスト管理テーブル1800は、対象作物の各生育ステージSjの実績コストCR(j)と、標準コストCL(j)と、天候コストCW(j)と、予測コストCP(j)とを記憶している。また、コスト管理テーブル1800は、天候コストCW(j)に対応する対処策を記憶している。
例えば、第3の算出部1405は、コスト管理テーブル1800を参照して、対象作物の生育ステージS1〜S4の実績コストCR(1)〜CR(4)を積算することにより総実績コストCRを算出する。ここでは、総実績コストCRは「CR=250000[円]」となる。
また、第3の算出部1405は、コスト管理テーブル1800を参照して、対象作物の生育ステージS5〜S7の予測コストCP(5)〜CP(7)を積算することにより総予測コストCPを算出する。ここでは、総予測コストCPは「CP=180000[円]」となる。
そして、第3の算出部1405は、算出した総実績コストCRと総予測コストCPとを加算することにより、対象作物の農作業にかかる総コストCを算出する。ここでは、総コストCは「C=430000[円]」となる。
(損益予測条件入力画面)
つぎに、ディスプレイ208に表示される損益予測条件入力画面の画面例について説明する。
図19は、損益予測条件入力画面の画面例を示す説明図である。図19において、損益予測条件入力画面1900は、損益予測対象となる対象作物を指定する損益予測条件を入力する画面である。損益予測条件入力画面1900において、ボックス1901には現在日時が表示されている。
損益予測条件入力画面1900において、キーボード210やマウス211を用いたユーザの操作入力により、カーソルcsを移動させてボックス1902をクリックすることにより、対象圃場の圃場IDを入力することができる。ここでは、対象圃場の圃場ID「F1」がボックス1902に入力されている。また、損益予測条件入力画面1900において、カーソルcsを移動させてボックス1903をクリックすることにより、対象圃場の圃場名を入力することができる。ここでは、対象圃場の圃場名「圃場A」がボックス1903に入力されている。
また、損益予測条件入力画面1900において、カーソルcsを移動させてボックス1904をクリックすることにより、対象作物の品目を入力することができる。ここでは、対象作物の品目「ミカン」がボックス1904に入力されている。また、損益予測条件入力画面1900において、カーソルcsを移動させてボックス1905をクリックすることにより、対象作物の品種を入力することができる。ここでは、対象作物の品種「××早生」がボックス1905に入力されている。また、損益予測条件入力画面1900において、カーソルcsを移動させてボックス1906をクリックすることにより、対象作物の作型を入力することができる。ここでは、対象作物の作型「早生」がボックス1906に入力されている。
また、損益予測条件入力画面1900において、カーソルcsを移動させてボックス1907をクリックすることにより、予測粒度を指定することができる。予測粒度とは、比較対象期間tを区切る所定間隔を表すものである。ここでは、比較対象期間tを週単位で区切ることを表す予測粒度「週次」がボックス1907に入力されている。
そして、損益予測条件入力画面1900において、各ボックス1902〜1907に各種情報が入力された結果、カーソルcsを移動させてボタンB1をクリックすると、ボックス1908〜1910に各種情報が入力される。
具体的には、ボタンB1がクリックされると、損益予測装置200は、対象作物の栽培期間管理テーブル(例えば、図9参照)を参照して、現生育ステージSnowを特定して、ボックス1908に現生育ステージSnowを入力する。ここでは、現生育ステージSnow「果実肥大期」がボックス1908に入力されている。
また、ボタンB1がクリックされると、損益予測装置200は、対象作物の栽培期間管理テーブルを参照して、対象作物の栽培期間Tを特定して、ボックス1909に栽培期間Tの栽培開始日を入力し、ボックス1910に栽培期間Tの栽培終了日を入力する。ここでは、栽培期間Tの栽培開始日「2012/1/5」がボックス1909に入力され、栽培期間Tの栽培終了日「2012/10/1」がボックス1910に入力されている。
そして、損益予測条件入力画面1900において、各ボックス1908〜1910に各種情報が入力された結果、カーソルcsを移動させてボタンB2をクリックすると、損益予測装置200の損益予測処理が実行される。
(損益予測画面の画面例)
つぎに、損益予測装置200の損益予測処理が実行された結果、ディスプレイ208に表示される損益予測画面の画面例について説明する。
図20は、損益予測画面の画面例を示す説明図である。図20において、損益予測画面2000は、対象作物の損益結果を表示する画面である。損益予測画面2000において、ボックス2001には対象圃場の圃場ID「F1」が表示され、ボックス2002には対象圃場の圃場名「圃場A」が表示されている。
また、損益予測画面2000において、ボックス2003には対象作物の品目「ミカン」が表示され、ボックス2004には対象作物の品種「××早生」が表示され、ボックス2005には対象作物の作型「早生」が表示されている。
また、損益予測画面2000において、対象作物の各生育ステージSjの期間を表す横軸と、コスト(または利益)を表す縦軸とからなる座標系にグラフ2006〜2009が表示されている。ここで、グラフ2006は、発芽期の期間開始日から生理落果期の期間終了日まで時間の経過とともに変化する総実績コストCRを表すグラフである。
グラフ2007は、果実肥大期の期間開始日から収穫期の期間終了日まで時間の経過とともに変化する総標準コストCLを表すグラフである。ここでは、総標準コストCLは、果実肥大期から収穫期までの各期間の標準コストを積算したコストである。
グラフ2008は、果実肥大期の期間開始日から収穫期の期間終了日まで時間の経過とともに変化する総予測コストCPを表すグラフである。グラフ2009は、対象圃場に対象作物を栽培することにより得られる予測売上SVを表すグラフである。
また、損益予測画面2000には、果実肥大期の対象作物に対して施すべき対処策を表すコメント2010と、収穫期の対象作物に対して施すべき対処策を表すコメント2011とが表示されている。また、損益予測画面2000には、収穫期に採算ラインをオーバーすることを示すメッセージ2012が表示されている。
損益予測画面2000によれば、例えば、営農者は、対象作物の損益予測結果を閲覧することができる。具体的には、例えば、損益予測画面2000によれば、営農者は、果実肥大期の対象作物に対して施すべき対処策『マルチシートを敷く』を把握することができる。また、損益予測画面2000によれば、営農者は、収穫期の対象作物に対して施すべき対処策『収穫時期を遅らせる』を把握することができる。
また、損益予測画面2000によれば、営農者は、対処策『マルチシートを敷く』および『収穫時期を遅らせる』を実施した場合と、該対処策を実施しなかった場合との対象作物の農作業にかかる総コストCを比較することができる。また、損益予測画面2000によれば、営農者は、収穫期に採算ラインをオーバーすることを把握することができる。
なお、損益予測装置200は、果実肥大期および収穫期の予測気象データが満たす気象条件を表示することにしてもよい。具体的には、例えば、損益予測画面2000において、ユーザの操作入力により、コメント2011をクリックすると、『積算降水量が150ミリ以上』という気象条件を表すコメントを表示することにしてもよい。これにより、営農者は、どのような気象条件により対処策『収穫時期を遅らせる』を行うことになったのかを把握することができる。
(損益予測装置200の損益予測処理手順)
つぎに、損益予測装置200の損益予測処理手順について説明する。
図21は、損益予測装置200の損益予測処理手順の一例を示すフローチャートである。図21のフローチャートにおいて、まず、損益予測装置200は、損益予測条件を取得したか否かを判断する(ステップS2101)。ここで、損益予測装置200は、損益予測条件を取得するのを待つ(ステップS2101:No)。
そして、損益予測装置200は、損益予測条件を取得した場合(ステップS2101:Yes)、対象作物の生育ステージSjにおける農作業にかかる実績コストCR(j)を算出する実績コスト算出処理を実行する(ステップS2102)。
つぎに、損益予測装置200は、気象データDB800の中から対象年度の予測気象データを取得する予測気象データ取得処理を実行する(ステップS2103)。そして、損益予測装置200は、対象作物の生育ステージSjにおける農作業にかかる予測コストCP(j)を算出する予測コスト算出処理を実行する(ステップS2104)。
つぎに、損益予測装置200は、対象圃場において栽培される対象作物の損益を予測する損益予測処理を実行する(ステップS2105)。そして、損益予測装置200は、対象作物の損益予測結果を表示する損益予測画面を出力して(ステップS2106)、本フローチャートによる一連の処理を終了する。
これにより、対象圃場において栽培される対象作物の損益予測結果を表示する損益予測画面を出力することができる。
<実績コスト算出処理手順>
つぎに、図21に示したステップS2102の実績コスト算出処理の具体的な処理手順について説明する。
図22および図23は、実績コスト算出処理の具体的処理手順の一例を示すフローチャートである。図22のフローチャートにおいて、まず、損益予測装置200は、生育ステージSjの「j」を「j=1」とし(ステップS2201)、生育ステージSjの実績コストCR(j)を「CR(j)=0」とする(ステップS2202)。
つぎに、損益予測装置200は、圃場DB300の中から、対象圃場において栽培されている対象作物の生育ステージSjに対応する作業履歴データを抽出する(ステップS2203)。そして、損益予測装置200は、作業履歴データを抽出したか否かを判断する(ステップS2204)。
ここで、損益予測装置200は、作業履歴データを抽出しなかった場合(ステップS2204:No)、図23に示すステップS2311に移行する。一方、損益予測装置200は、作業履歴データを抽出した場合(ステップS2204:Yes)、抽出した作業履歴データの中から作業履歴を抽出する(ステップS2205)。
つぎに、損益予測装置200は、抽出した作業履歴の作業時刻に対応する作業時間を算出し(ステップS2206)、作業員マスタ600を参照して、作業履歴の作業者名に対応する作業員の単価を特定する(ステップS2207)。そして、損益予測装置200は、算出した作業時間と、特定した作業員の単価とを掛け合わせることにより作業員コストcWを算出する(ステップS2208)。
つぎに、損益予測装置200は、生育ステージSjの実績コストCR(j)を「CR(j)=CR(j)+cW」として(ステップS2209)、作業履歴データの中から抽出していない未抽出の作業履歴があるか否かを判断する(ステップS2210)。
ここで、損益予測装置200は、未抽出の作業履歴がある場合(ステップS2210:Yes)、ステップS2205に戻る。一方、損益予測装置200は、未抽出の作業履歴がない場合(ステップS2210:No)、図23に示すステップS2301に移行する。
図23のフローチャートにおいて、まず、損益予測装置200は、圃場DB300の中から、対象圃場において栽培されている対象作物の生育ステージSjに対応する使用履歴データを抽出する(ステップS2301)。そして、損益予測装置200は、使用履歴データを抽出したか否かを判断する(ステップS2302)。
ここで、損益予測装置200は、使用履歴データを抽出しなかった場合(ステップS2302:No)、ステップS2309に移行する。一方、損益予測装置200は、使用履歴データを抽出した場合(ステップS2302:Yes)、抽出した使用履歴データの中から使用履歴を抽出する(ステップS2303)。
つぎに、損益予測装置200は、抽出した使用履歴の使用時刻に対応する使用時間を算出し(ステップS2304)、資材マスタ700を参照して、使用履歴の資材名に対応する資材の単価を特定する(ステップS2305)。そして、損益予測装置200は、算出した使用時間と、特定した資材の単価とを掛け合わせることにより資材コストcMを算出する(ステップS2306)。
つぎに、損益予測装置200は、生育ステージSjの実績コストCR(j)を「CR(j)=CR(j)+cM」として(ステップS2307)、使用履歴データの中から抽出していない未抽出の使用履歴があるか否かを判断する(ステップS2308)。
ここで、損益予測装置200は、未抽出の使用履歴がある場合(ステップS2308:Yes)、ステップS2303に戻る。一方、損益予測装置200は、未抽出の使用履歴がない場合(ステップS2308:No)、生育ステージSjの「j」をインクリメントする(ステップS2309)。
そして、損益予測装置200は、生育ステージSjの「j」が「m」より大きくなったか否かを判断する(ステップS2310)。ここで、「j」が「m」以下の場合(ステップS2310:No)、図22に示したステップS2202に移行する。
一方、「j」が「m」より大きくなった場合(ステップS2310:Yes)、損益予測装置200は、生育ステージSjごとの実績コストCR(j)を積算することにより、対象作物の総実績コストCRを算出して(ステップS2311)、本フローチャートによる一連の処理を終了する。
これにより、対象作物の生育ステージSjにおける農作業にかかった実績コストCR(j)を算出することができる。
<予測気象データ取得処理手順>
つぎに、図21に示したステップS2103の予測気象データ取得処理の具体的な処理手順について説明する。
図24は、予測気象データ取得処理の具体的処理手順の一例を示すフローチャートである。図24のフローチャートにおいて、まず、損益予測装置200は、対象年度の気象データとg年前の気象データとを比較する比較対象期間tを設定する(ステップS2401)。ただし、「g」は「g=1,2,…,G」である。
つぎに、損益予測装置200は、気象データDB800の中から、対象年度の比較対象期間tの気象データを抽出する(ステップS2402)。そして、損益予測装置200は、抽出した対象年度の比較対象期間tの気象データに基づいて、比較元データを算出する(ステップS2403)。
つぎに、損益予測装置200は、気象データDB800の中から、g年前の年度ごとに、g年前の比較対象期間tの気象データを抽出する(ステップS2404)。そして、損益予測装置200は、g年前の年度ごとに、抽出したg年前の比較対象期間tの気象データに基づいて、比較先データを算出する(ステップS2405)。
つぎに、損益予測装置200は、g年前の年度ごとに、比較元データおよび比較先データに基づいて、対象年度の気象データとg年前の気象データとの類似度合いを表す類似度RE(g)を算出する(ステップS2406)。そして、損益予測装置200は、算出した類似度RE(1)〜RE(G)に基づいて、対象年度と天候が類似する類似年度を決定する(ステップS2407)。
そして、損益予測装置200は、気象データDB800の中から、対象年度の期間Tjと同一期間における類似年度の気象データを、対象年度の期間Tjにおける予測データとして抽出して(ステップS2408)、本フローチャートによる一連の処理を終了する。
これにより、対象作物の栽培期間Tのうち対象作物の生育ステージSjに対応する期間Tjにおける予測気象データを取得することができる。
<予測コスト算出処理手順>
つぎに、図21に示したステップS2104の予測コスト算出処理の具体的な処理手順について説明する。
図25および図26は、予測コスト算出処理の具体的処理手順の一例を示すフローチャートである。図25のフローチャートにおいて、まず、損益予測装置200は、作物生育限界温度マスタ1300を参照して、対象作物の限界温度下限および限界温度上限を特定する(ステップS2501)。
つぎに、損益予測装置200は、対象作物の現生育ステージSnowを生育ステージSjとする(ステップS2502)。そして、損益予測装置200は、標準コストマスタ1000を参照して、対象作物の生育ステージSjにおける農作業にかかる標準コストCL(j)を特定する(ステップS2503)。
つぎに、損益予測装置200は、ステップS2103において取得した予測気象データの中から、生育ステージSjに対応する期間Tjの予測気象データを抽出する(ステップS2504)。そして、損益予測装置200は、抽出した予測気象データを参照して、期間Tjにおける日平均気温x(j)を算出する(ステップS2505)。
つぎに、損益予測装置200は、抽出した予測気象データを参照して、期間Tjにおける日平均気温のうち、対象作物の限界温度下限以下または限界温度上限以上となる日平均気温を除く残余の日平均気温の積算値X(j)を算出する(ステップS2506)。
つぎに、損益予測装置200は、抽出した予測気象データを参照して、期間Tjにおける降水量の積算値Y(j)を算出する(ステップS2507)。つぎに、損益予測装置200は、抽出した予測気象データを参照して、期間Tjにおける日照時間の積算値Z(j)を算出して(ステップS2508)、図26に示すステップS2601に移行する。
図26のフローチャートにおいて、まず、損益予測装置200は、天候コストマスタ1100を参照して、対象作物の生育ステージSjに対応する天候コスト情報を特定する(ステップS2601)。そして、損益予測装置200は、天候コスト情報を特定したか否かを判断する(ステップS2602)。
ここで、損益予測装置200は、天候コスト情報を特定した場合(ステップS2602:Yes)、図25に示したステップS2505〜ステップS2508の算出結果に基づいて、特定した天候コスト情報が表す気象条件を満たすか否かを判定する(ステップS2603)。
ここで、気象条件を満たす場合(ステップS2603:Yes)、損益予測装置200は、対象作物の生育ステージSjと天候コスト情報が表す対処策とを関連付ける(ステップS2604)。そして、損益予測装置200は、特定した天候コスト情報を参照して、対処策にかかる天候コストCW(j)を算出する(ステップS2605)。
つぎに、損益予測装置200は、天候コストCW(j)と標準コストCL(j)とを積算することにより、対象作物の生育ステージSjの予測コストCP(j)を算出する(ステップS2606)。そして、損益予測装置200は、生育ステージSjの「j」をインクリメントして(ステップS2607)、「j」が「m」より大きくなったか否かを判断する(ステップS2608)。
ここで、「j」が「m」以下の場合(ステップS2608:No)、損益予測装置200は、図25に示したステップS2503に移行する。一方、「j」が「m」より大きくなった場合(ステップS2608:Yes)、損益予測装置200は、生育ステージSjごとの予測コストCP(j)を積算することにより、対象作物の総予測コストCPを算出して(ステップS2609)、本フローチャートによる一連の処理を終了する。
また、ステップS2602において、損益予測装置200は、天候コスト情報を特定しなかった場合(ステップS2602:No)、天候コストCW(j)を「CW(j)=0」として(ステップS2610)、ステップS2606に移行する。
また、ステップS2603において、損益予測装置200は、気象条件を満たさない場合(ステップS2603:No)、天候コストCW(j)を「CW(j)=0」として(ステップS2610)、ステップS2606に移行する。
これにより、対象作物の生育ステージSjにおける農作業にかかる予測コストCP(j)を算出することができる。
<損益予測処理手順>
つぎに、図21に示したステップS2105の損益予測処理の具体的な処理手順について説明する。
図27は、損益予測処理の具体的処理手順の一例を示すフローチャートである。図27のフローチャートにおいて、まず、損益予測装置200は、標準反収マスタ1200を参照して、対象作物の予測売上SVを特定する(ステップS2701)。
つぎに、損益予測装置200は、コスト管理テーブル1800を参照して、生育ステージSjごとの実績コストCR(j)および予測コストCP(j)を積算することにより、対象作物の総コストCを算出する(ステップS2702)。
そして、損益予測装置200は、算出した対象作物の総コストCが、特定した対象作物の予測売上SVよりも大きくなるか否かを判断する(ステップS2703)。ここで、総コストCが予測売上SVよりも大きくなる場合(ステップS2703:Yes)、損益予測装置200は、コスト管理テーブル1800を参照して、対象作物の損益が赤字となる生育ステージSjを特定する(ステップS2704)。
そして、損益予測装置200は、特定した生育ステージSjに採算オーバーになる旨のメッセージを作成する(ステップS2705)。また、ステップS2703において、総コストCが予測売上SV以下となる場合(ステップS2703:No)、損益予測装置200は、対象作物の損益が黒字になる旨のメッセージを作成する(ステップS2706)。
つぎに、損益予測装置200は、コスト管理テーブル1800を参照して、各種グラフを作成する(ステップS2707)。各種グラフは、例えば、図20に示したグラフ2006〜2009である。そして、損益予測装置200は、作成したメッセージと各種グラフとに基づいて、損益予測画面を作成して(ステップS2708)、本フローチャートによる一連の処理を終了する。損益予測画面は、例えば、図20に示した損益予測画面2000である。
これにより、対象圃場において栽培される対象作物の損益を予測して損益予測結果を表示する損益予測画面を作成することができる。
以上説明したように、実施の形態2にかかる損益予測装置200によれば、標準コストマスタ1000を参照して、対象作物の生育ステージSjに対応する標準コストCL(j)を特定することができる。これにより、対象作物の生育ステージSjにおける農作業にかかる標準的な費用を表す標準コストCL(j)を特定することができる。
また、損益予測装置200によれば、天候コストマスタ1100を参照して、対象作物の生育ステージSjに対応する期間Tjにおける予測気象データが、対象作物の生育ステージSjに対応する特定の気象条件を満たすか否かを判定することができる。そして、損益予測装置200によれば、特定の気象条件を満たす場合は、特定の気象条件下における生育ステージSjに対応する対処策の天候コストCW(j)を特定することができる。これにより、特定の気象条件下における生育ステージSjの対象作物に対して施すべき対処策にかかる天候コストCW(j)を特定することができる。
また、損益予測装置200によれば、特定した天候コストCW(j)と標準コストCL(j)とを積算することにより、対象作物の生育ステージSjにおける農作業にかかる予測コストCP(j)を算出することができる。これにより、例えば、営農者は、特定の天候時に生育ステージSjの対象作物に対して施すべき対処策にかかる天候コストCW(j)が考慮された、対象作物の生育ステージSjにおける農作業にかかる予測コストCP(j)を予測することができる。
また、損益予測装置200によれば、特定の気象条件を満たさない場合は、対象作物の生育ステージSjにおける農作業にかかる標準コストCL(j)を、対象作物の生育ステージSjにおける農作業にかかる予測コストCP(j)として算出することができる。
また、損益予測装置200によれば、特定の気象条件を満たす場合は、生育ステージSjの対象作物に対して施すべき対処策を、予測コストCP(j)と関連付けて出力することができる。これにより、例えば、営農者は、生育ステージSjにおいて対象作物に対して施すべき対処策を判断することができる。
また、損益予測装置200によれば、生育ステージSjごとの実績コストCR(j)および予測コストCP(j)を積算することにより、対象作物の総コストCを算出することができる。これにより、例えば、営農者は、対象作物の農作業にかかる総コストCを予測することができる。
また、損益予測装置200によれば、総実績コストCRのうち現生育ステージSnowの実績コストを除く残余の実績コストと、総予測コストCPとを積算することにより、対象作物の総コストCを算出することができる。これにより、総実績コストCRの中から現生育ステージSnowの実績コストを除外して、対象作物の総コストCを算出することができ、総コストCの算出精度の向上を図ることができる。
また、損益予測装置200によれば、対象作物の総コストCが、対象圃場に対象作物を栽培することにより得られる予測売上SVよりも大きくなるか否かを判断することができる。これにより、例えば、営農者は、対象圃場に対象作物を栽培することによる損益を予測することができる。
また、損益予測装置200によれば、対象作物の各生育ステージSjの積算コストC(j)と予測売上SVとを比較することにより、積算コストC(j)が予測売上SVよりも大きくなる生育ステージSjを特定することができる。これにより、例えば、営農者は、どの生育ステージSjにおいて積算コストC(j)が予測売上SVよりも大きくなるかを予測することができる。
なお、本実施の形態で説明した費用算出方法は、予め用意されたプログラムをパーソナル・コンピュータやワークステーション等のコンピュータで実行することにより実現することができる。本費用算出プログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD−ROM、MO、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。また、本費用算出プログラムは、インターネット等のネットワークを介して配布してもよい。
上述した実施の形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)コンピュータが、
圃場において栽培される作物の栽培期間のうち前記作物のいずれかの生育ステージに対応する期間における天気の特性を表す気象要素の予測値と、前記作物の前記生育ステージにおける農作業にかかる標準的な費用とを取得し、
気象条件を表す前記気象要素の指標値と、前記気象条件下における前記生育ステージの前記作物に対して施すべき対処策にかかる費用とを対応付けて記憶する記憶部を参照して、取得した前記予測値が前記気象条件を満たすか否かを判定し、
前記予測値が前記気象条件を満たす場合、前記対処策にかかる費用と前記標準的な費用とに基づいて、前記作物の前記生育ステージにおける農作業にかかる予測費用を算出し、
算出した前記予測費用を出力する、
処理を実行することを特徴とする費用算出方法。
(付記2)前記算出する処理は、
前記予測値が前記気象条件を満たさない場合、前記標準的な費用に基づいて、前記作物の前記生育ステージにおける農作業にかかる予測費用を算出することを特徴とする付記1に記載の費用算出方法。
(付記3)前記出力する処理は、
前記予測値が前記気象条件を満たす場合、前記生育ステージの前記作物に対して施すべき前記対処策を表す情報を前記予測費用と関連付けて出力することを特徴とする付記1または2に記載の費用算出方法。
(付記4)前記記憶部は、前記作物の生育ステージごとに、気象条件を表す前記気象要素の指標値と、前記気象条件下における前記生育ステージの前記作物に対して施すべき対処策にかかる費用とを対応付けて記憶しており、
前記コンピュータが、
前記作物の生育ステージごとに、前記取得する処理、前記判定する処理および前記算出する処理を実行し、
算出した前記生育ステージごとの前記予測費用を積算することにより、前記作物の農作業にかかる総予測費用を算出し、
算出した前記総予測費用を出力する、
処理を実行することを特徴とする付記1〜3のいずれか一つに記載の費用算出方法。
(付記5)前記コンピュータが、
現時点までに前記作物の農作業にかかった費用を取得し、
前記作物の生育ステージのうち前記現時点の生育ステージ以降の生育ステージごとに、前記取得する処理、前記判定する処理および前記算出する処理を実行し、
前記総予測費用を算出する処理は、
取得した前記農作業にかかった費用と、算出した前記生育ステージごとの前記予測費用とを積算することにより、前記作物の農作業にかかる総予測費用を算出することを特徴とする付記4に記載の費用算出方法。
(付記6)前記総予測費用を算出する処理は、
取得した前記農作業にかかった費用のうち前記現時点の生育ステージにおける前記作物の農作業にかかった費用を除く残余の費用と、算出した前記生育ステージごとの前記予測費用とを積算することにより、前記作物の農作業にかかる総予測費用を算出することを特徴とする付記5に記載の費用算出方法。
(付記7)前記コンピュータが、
算出した前記総予測費用が、前記圃場に前記作物を栽培することにより得られる予測売上よりも大きくなるか否かを判断し、
判断した判断結果を出力する、
処理を実行することを特徴とする付記4〜6のいずれか一つに記載の費用算出方法。
(付記8)コンピュータに、
圃場において栽培される作物の栽培期間のうち前記作物のいずれかの生育ステージに対応する期間における天気の特性を表す気象要素の予測値と、前記作物の前記生育ステージにおける農作業にかかる標準的な費用とを取得し、
気象条件を表す前記気象要素の指標値と、前記気象条件下における前記生育ステージの前記作物に対して施すべき対処策にかかる費用とを対応付けて記憶する記憶部を参照して、取得した前記予測値が前記気象条件を満たすか否かを判定し、
前記予測値が前記気象条件を満たす場合、前記対処策にかかる費用と前記標準的な費用とに基づいて、前記作物の前記生育ステージにおける農作業にかかる予測費用を算出し、
算出した前記予測費用を出力する、
処理を実行させることを特徴とする費用算出プログラム。
(付記9)圃場において栽培される作物の栽培期間のうち前記作物のいずれかの生育ステージに対応する期間における天気の特性を表す気象要素の予測値と、前記作物の前記生育ステージにおける農作業にかかる標準的な費用とを取得する取得部と、
気象条件を表す前記気象要素の指標値と、前記気象条件下における前記生育ステージの前記作物に対して施すべき対処策にかかる費用とを対応付けて記憶する記憶部を参照して、前記取得部によって取得された前記予測値が前記気象条件を満たすか否かを判定する判定部と、
前記判定部によって前記予測値が前記気象条件を満たすと判定された場合、前記対処策にかかる費用と前記標準的な費用とに基づいて、前記作物の前記生育ステージにおける農作業にかかる予測費用を算出する算出部と、
前記算出部によって算出された前記予測費用を出力する出力部と、
を有することを特徴とする費用算出装置。
100 費用算出装置
200 損益予測装置
1401 取得部
1402 判定部
1403 第1の算出部
1404 第2の算出部
1405 第3の算出部
1406 判断部
1407 抽出部
1408 出力部

Claims (9)

  1. コンピュータが、
    圃場において栽培される作物の栽培期間のうち前記作物のいずれかの生育ステージに対応する期間における天気の特性を表す気象要素の予測値と、前記作物の前記生育ステージにおける農作業にかかる標準的な費用とを取得し、
    気象条件を表す前記気象要素の指標値と、前記気象条件下における前記生育ステージの前記作物に対して施すべき対処策にかかる費用とを対応付けて記憶する記憶部を参照して、取得した前記予測値が前記気象条件を満たすか否かを判定し、
    前記予測値が前記気象条件を満たす場合、前記対処策にかかる費用と前記標準的な費用とに基づいて、前記作物の前記生育ステージにおける農作業にかかる予測費用を算出し、
    算出した前記予測費用を出力する、
    処理を実行することを特徴とする費用算出方法。
  2. 前記算出する処理は、
    前記予測値が前記気象条件を満たさない場合、前記標準的な費用に基づいて、前記作物の前記生育ステージにおける農作業にかかる予測費用を算出することを特徴とする請求項1に記載の費用算出方法。
  3. 前記出力する処理は、
    前記予測値が前記気象条件を満たす場合、前記生育ステージの前記作物に対して施すべき前記対処策を表す情報を前記予測費用と関連付けて出力することを特徴とする請求項1または2に記載の費用算出方法。
  4. 前記記憶部は、前記作物の生育ステージごとに、気象条件を表す前記気象要素の指標値と、前記気象条件下における前記生育ステージの前記作物に対して施すべき対処策にかかる費用とを対応付けて記憶しており、
    前記コンピュータが、
    前記作物の生育ステージごとに、前記取得する処理、前記判定する処理および前記算出する処理を実行し、
    算出した前記生育ステージごとの前記予測費用を積算することにより、前記作物の農作業にかかる総予測費用を算出し、
    算出した前記総予測費用を出力する、
    処理を実行することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の費用算出方法。
  5. 前記コンピュータが、
    現時点までに前記作物の農作業にかかった費用を取得し、
    前記作物の生育ステージのうち前記現時点の生育ステージ以降の生育ステージごとに、前記取得する処理、前記判定する処理および前記算出する処理を実行し、
    前記総予測費用を算出する処理は、
    取得した前記農作業にかかった費用と、算出した前記生育ステージごとの前記予測費用とを積算することにより、前記作物の農作業にかかる総予測費用を算出することを特徴とする請求項4に記載の費用算出方法。
  6. 前記総予測費用を算出する処理は、
    取得した前記農作業にかかった費用のうち前記現時点の生育ステージにおける前記作物の農作業にかかった費用を除く残余の費用と、算出した前記生育ステージごとの前記予測費用とを積算することにより、前記作物の農作業にかかる総予測費用を算出することを特徴とする請求項5に記載の費用算出方法。
  7. 前記コンピュータが、
    算出した前記総予測費用が、前記圃場に前記作物を栽培することにより得られる予測売上よりも大きくなるか否かを判断し、
    判断した判断結果を出力する、
    処理を実行することを特徴とする請求項4〜6のいずれか一つに記載の費用算出方法。
  8. コンピュータに、
    圃場において栽培される作物の栽培期間のうち前記作物のいずれかの生育ステージに対応する期間における天気の特性を表す気象要素の予測値と、前記作物の前記生育ステージにおける農作業にかかる標準的な費用とを取得し、
    気象条件を表す前記気象要素の指標値と、前記気象条件下における前記生育ステージの前記作物に対して施すべき対処策にかかる費用とを対応付けて記憶する記憶部を参照して、取得した前記予測値が前記気象条件を満たすか否かを判定し、
    前記予測値が前記気象条件を満たす場合、前記対処策にかかる費用と前記標準的な費用とに基づいて、前記作物の前記生育ステージにおける農作業にかかる予測費用を算出し、
    算出した前記予測費用を出力する、
    処理を実行させることを特徴とする費用算出プログラム。
  9. 圃場において栽培される作物の栽培期間のうち前記作物のいずれかの生育ステージに対応する期間における天気の特性を表す気象要素の予測値と、前記作物の前記生育ステージにおける農作業にかかる標準的な費用とを取得する取得部と、
    気象条件を表す前記気象要素の指標値と、前記気象条件下における前記生育ステージの前記作物に対して施すべき対処策にかかる費用とを対応付けて記憶する記憶部を参照して、前記取得部によって取得された前記予測値が前記気象条件を満たすか否かを判定する判定部と、
    前記判定部によって前記予測値が前記気象条件を満たすと判定された場合、前記対処策にかかる費用と前記標準的な費用とに基づいて、前記作物の前記生育ステージにおける農作業にかかる予測費用を算出する算出部と、
    前記算出部によって算出された前記予測費用を出力する出力部と、
    を有することを特徴とする費用算出装置。
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