JPWO2013098975A1 - 無線電力供給装置、無線電力供給システム及び無線電力供給方法 - Google Patents

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Abstract

無線電力供給システムは、無線電力供給装置及び送電コイル(6、31、32)を備えている。無線電力供給システムは、さらに受電コイル(7、41、42)を備えていてもよい。無線電力供給装置は、電力供給部(3、13)、検出部(4、14)及び制御部(5、15)を備えている。電力供給部(3、13)は、送電コイル(6、31、32)に、送電コイル(6、31、32)と受電コイル(7、41、42)との間で磁界共鳴を生じさせる共振周波数で電力を供給する。送電コイル(6、31、32)は、磁界共鳴を用いて電力を磁界エネルギーとして送出する。検出部(4、14)は、送電コイル(6、31、32)に印加される電圧に対する送電コイル(6、31、32)に流れる電流の位相差を検出する。制御部(5、15)は、位相差に基づいて電力供給部(3、13)が供給する電力の大きさを切り替える。

Description

この発明は、無線電力供給装置、無線電力供給システム及び無線電力供給方法に関する。
従来、無線で電力を供給する方法の一つに、磁界共鳴を用いて送電コイルから電力を磁界エネルギーとして送出し、送電コイルと受電コイルとの間で磁界共鳴を生じさせる共振周波数で電力を供給する方法がある。このような方法において、送電コイルに流れる電流を検出し、検出された電流の周波数特性により、送電コイルと受電コイルとの結合強度を判定することで、送電コイルと受電コイルとの相対位置を最適化し、電力伝送効率を向上させる方法がある(例えば、特許文献1参照)。
特開2010−239690号公報
しかしながら、従来の方法では、送電コイルへ供給する電力の周波数を繰り返し掃引し、その都度、送電コイルと受電コイルとの結合強度を判定するため、送電コイルと受電コイルとの相対位置が電力伝送効率のよい状態にあることを検出するのに時間がかかってしまう。そのため、例えば受電コイルを有する車などの移動体に、例えば道路に埋め込まれた送電コイルから移動体の移動中に電力を伝送するような場合、電力伝送効率のよい状態を検出した時点で、実際には既に電力伝送効率のよい状態が終わっていることがある。つまり、送電コイルから受電コイルへ効率よく電力を伝送することができないという問題点がある。
開示の無線電力供給装置、無線電力供給システム及び無線電力供給方法は、送電コイルから受電コイルへ効率よく電力を伝送することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するため、無線電力供給装置は、電力供給部、検出部及び制御部を備えている。電力供給部は、送電コイルに、送電コイルと受電コイルとの間で磁界共鳴を生じさせる共振周波数で電力を供給する。送電コイルは、磁界共鳴を用いて電力を磁界エネルギーとして送出する。検出部は、送電コイルに印加される電圧に対する送電コイルに流れる電流の位相差を検出する。制御部は、位相差に基づいて電力供給部が供給する電力の大きさを切り替える。
開示の無線電力供給装置、無線電力供給システム及び無線電力供給方法によれば、送電コイルから受電コイルへ効率よく電力を伝送することができるという効果を奏する。
図1は、実施例1にかかる無線電力供給装置及び無線電力供給システムを示すブロック図である。 図2は、実施例1にかかる無線電力供給装置における信号の流れを示すブロック図である。 図3は、実施例1にかかる無線電力供給方法を示すフローチャートである。 図4は、実施例2にかかる無線電力供給装置及び無線電力供給システムの第1の例を示すブロック図である。 図5は、実施例2にかかる無線電力供給装置の第1の例における信号の流れを示すブロック図である。 図6は、実施例2にかかる無線電力供給システムにおけるコイル電流の特性を説明する特性図である。 図7は、実施例2にかかる無線電力供給システムにおけるコイル電圧の波形とコイル電流の波形の一例を示す波形図である。 図8は、実施例2にかかる無線電力供給システムにおける位相差の基準値と電力伝送効率との関係を示す特性図である。 図9は、実施例2にかかる無線電力供給方法の第1の例を示すフローチャートである。 図10は、実施例2にかかる無線電力供給方法の第2の例を示すフローチャートである。 図11は、実施例2にかかる無線電力供給装置及び無線電力供給システムの適用例を示す模式図である。 図12は、実施例2にかかる無線電力供給装置及び無線電力供給システムの第2の例を示すブロック図である。 図13は、実施例2にかかる無線電力供給装置及び無線電力供給システムの第3の例を示すブロック図である。 図14は、実施例3にかかる無線電力供給装置及び無線電力供給システムを示すブロック図である。 図15は、実施例3にかかる無線電力供給装置における信号の流れを示すブロック図である。 図16は、実施例3にかかる無線電力供給装置における整合回路の一例を示す回路図である。 図17は、実施例3にかかる無線電力供給方法の第1の例を示すフローチャートである。 図18は、実施例3にかかる無線電力供給方法の第2の例を示すフローチャートである。 図19は、実施例3にかかる無線電力供給方法の第2の例を示すフローチャートである。
以下に、この発明にかかる無線電力供給装置、無線電力供給システム及び無線電力供給方法の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。以下の各実施例の説明においては、同様の構成には同一の符号を付して、重複する説明を省略する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
(実施例1)
・無線電力供給装置及び無線電力供給システムの説明
図1は、実施例1にかかる無線電力供給装置及び無線電力供給システムを示すブロック図である。図2は、実施例1にかかる無線電力供給装置における信号の流れを示すブロック図である。
図1及び図2に示すように、無線電力供給システム1は、無線電力供給装置2及び送電コイル6を備えている。無線電力供給装置2は、電力供給部3、検出部4及び制御部5を備えている。また、無線電力供給システム1は、受電コイル7を備えていてもよい。受電コイル7には、負荷8が接続されていてもよい。
送電コイル6は、電力供給部3に接続されている。電力供給部3は、送電コイル6に、送電コイル6と受電コイル7との間で磁界共鳴を生じさせる共振周波数で電力を供給する。送電コイル6は、電力供給部3から供給された電力を、磁界共鳴を用いて磁界エネルギーとして送出する。
検出部4は、送電コイル6、及び電力供給部3と送電コイル6との間のノードに接続されている。検出部4には、送電コイル6に印加される電圧に基づく信号が入力する。検出部4には、送電コイル6に流れる電流に基づく信号が入力する。検出部4は、送電コイル6に印加される電圧に対する送電コイル6に流れる電流の位相差を検出する。送電コイル6に印加される電圧に対する送電コイル6に流れる電流の位相差は、送電コイル6に対する受電コイル7の相対位置に応じて変化する。
制御部5は、検出部4に接続されている。制御部5には、検出部4により検出された位相差に基づく信号が入力する。電力供給部3には、制御部5が接続されている。制御部5は、入力された位相差に基づいて、電力供給部3が送電コイル6に供給する電力の大きさを切り替える。
受電コイル7には、送電コイル6との間の磁界共鳴によって電流が流れる。負荷8は、受電コイル7に電流が流れることによって受電コイル7に発生した電力を消費する。つまり、負荷8は、送電コイル6から受電コイル7へ伝送された電力を消費することになる。
・無線電力供給方法の説明
図3は、実施例1にかかる無線電力供給方法を示すフローチャートである。図3に示すように、無線電力供給システム1において、無線電力供給装置2による無線での電力供給が開始されると、まず、電力供給部3は、送電コイル6に、送電コイル6と受電コイル7との間で磁界共鳴を生じさせる共振周波数で電力を供給する(ステップS1)。
次いで、検出部4は、送電コイル6に印加される電圧に対する送電コイル6に流れる電流の位相差を検出する(ステップS2)。次いで、制御部5は、ステップS2で検出された位相差に基づいて、電力供給部3が送電コイル6に供給する電力の大きさを切り替える(ステップS3)。そして、無線電力供給装置2は、一連の処理を終了する。
実施例1によれば、送電コイル6に印加される電圧に対する送電コイル6に流れる電流の位相差を検出することによって、送電コイル6と受電コイル7との相対位置が電力伝送効率のよい状態にあることを即座に検出することができる。従って、電力供給部3から送電コイル6へ小電力を供給して検出部4で位相差を検出し続け、電力伝送効率のよい状態にあるときの位相差を検出したら、送電コイル6へ大電力を供給することによって、送電コイル6から受電コイル7へ効率よく電力を伝送することができる。
(実施例2)
・無線電力供給装置及び無線電力供給システムの第1の例の説明
図4は、実施例2にかかる無線電力供給装置及び無線電力供給システムの第1の例を示すブロック図である。図5は、実施例2にかかる無線電力供給装置の第1の例における信号の流れを示すブロック図である。
図4及び図5に示すように、無線電力供給システム11は、無線電力供給装置12、並びに送電コイルとして例えば第1コイル31及び第2コイル32を備えている。また、無線電力供給システム11は、受電コイルとして例えば第3コイル41及び第4コイル42を備えていてもよい。第4コイル42には、負荷43が接続されていてもよい。
無線電力供給装置12は、第1コイル31に電力を供給する。無線電力供給装置12は、電力供給部として例えば電源アンプ13、検出部として例えば位相比較器14、及び制御部としてコントローラ15を備えている。また、無線電力供給装置12は、第1及び第2の電流検出回路16,17、第1〜第3のバンドパスフィルタ(BPF:Band−Pass Filter)18,19,20及び第1〜第3の自動利得制御(AGC:Automatic Gain Control)回路21,22,23を備えていてもよい。
第1コイル31は、電源アンプ13に接続されている。電源アンプ13は、第1コイル31に、第2コイル32と第3コイル41との間で磁界共鳴を生じさせる共振周波数で電力を供給する。電源アンプ13は、コントローラ15によって出力電力を変えることができる構成のものである。第1コイル31から第2コイル32へは、電磁誘導方式でエネルギーが伝達されてもよい。
第2コイル32にはコンデンサ33が接続されている。コンデンサ33は、第2コイル32に寄生する素子であってもよい。第2コイル32及びコンデンサ33を含むLC共振コイルの共振周波数は、伝送する電力の周波数と略同じであってもよい。第2コイル32は、例えば第1コイル31との間の電磁誘導により生じた電力を、磁界共鳴を用いて磁界エネルギーとして送出する。
第3コイル41にはコンデンサ44が接続されている。コンデンサ44は、第3コイル41に寄生する素子であってもよい。第3コイル41及びコンデンサ44を含むLC共振コイルの共振周波数は、伝送する電力の周波数と略同じであってもよい。第3コイル41には、第2コイル32から送出された磁界エネルギーによって磁界共鳴が起こり、電流が流れる。つまり、磁界共鳴によって第2コイル32から第3コイル41へエネルギーが伝達される。
第3コイル41から第4コイル42へは、電磁誘導方式でエネルギーが伝達されてもよい。負荷43は、第4コイル42へ伝達されたエネルギー、すなわち電力を消費する。
第1バンドパスフィルタ18は、電源アンプ13に接続された第1コイル31の入力端に接続されている。第1バンドパスフィルタ18の中心周波数は、伝送する電力の周波数に一致またはおおよそ一致していてもよい。第1バンドパスフィルタ18は、伝送する電力の周波数よりも高い周波数及び低い周波数の成分を除去する。
第1自動利得制御回路21は、第1バンドパスフィルタ18に接続されている。第1自動利得制御回路21は、第1バンドパスフィルタ18を通過した信号の利得を、位相比較器14での位相比較に適した利得に調整する。
第1電流検出回路16は、第1コイル31に接続されている。第1電流検出回路16は、例えばホールセンサなどの電流を検出できる素子を含んでいる。第1電流検出回路16は、第1コイル31を流れる電流を検出し、電流量に応じた電圧信号を出力する。
第2バンドパスフィルタ19は、第1電流検出回路16の出力端に接続されている。第2バンドパスフィルタ19の中心周波数は、伝送する電力の周波数に一致またはおおよそ一致していてもよい。第2バンドパスフィルタ19は、第1電流検出回路16の出力信号のうち、伝送する電力の周波数よりも高い周波数及び低い周波数の成分を除去する。
第2自動利得制御回路22は、第2バンドパスフィルタ19に接続されている。第2自動利得制御回路22は、第2バンドパスフィルタ19を通過した信号の利得を、位相比較器14での位相比較に適した利得に調整する。
第2電流検出回路17は、第2コイル32に接続されている。第2電流検出回路17は、例えばホールセンサなどの電流を検出できる素子を含んでいる。第2電流検出回路17は、第2コイル32を流れる電流を検出し、電流量に応じた電圧信号を出力する。
第3バンドパスフィルタ20は、第2電流検出回路17の出力端に接続されている。第3バンドパスフィルタ20の中心周波数は、伝送する電力の周波数に一致またはおおよそ一致していてもよい。第3バンドパスフィルタ20は、第2電流検出回路17の出力信号のうち、伝送する電力の周波数よりも高い周波数及び低い周波数の成分を除去する。
第3自動利得制御回路23は、第3バンドパスフィルタ20に接続されている。第3自動利得制御回路23は、第3バンドパスフィルタ20を通過した信号の利得を、位相比較器14での位相比較に適した利得に調整する。
位相比較器14は、第1〜第3の自動利得制御回路21,22,23に接続されている。位相比較器14には、第1〜第3の自動利得制御回路21,22,23の出力信号が入力する。位相比較器14は、第1コイル31に印加される電圧に対する第1コイル31に流れる電流の位相差を検出する。位相比較器14は、第1コイル31に印加される電圧に対する第2コイル32に流れる電流の位相差を検出する。
第1コイル31に印加される電圧に対する第1コイル31または第2コイル32にそれぞれ流れる電流の位相差は、第2コイル32に対する第3コイル41の相対位置に応じて変化する。位相比較器14は、例えば二つの信号の位相差を、二つの信号がそれぞれゼロ点と交差するゼロクロス点の時間差に基づいて検出してもよい。
コントローラ15は、位相比較器14に接続されている。コントローラ15は、例えばプロセッサが後述する無線電力供給方法を実現するプログラムを実行することにより実現されてもよいし、ハードウェアで構成されていてもよい。ここでは、コントローラ15は、プロセッサと無線電力供給方法を実現するプログラムにより実現されるとして説明する。
コントローラ15には、位相比較器14により検出された位相差に基づく信号が入力する。コントローラ15は、第1コイル31に印加される電圧に対する第1コイル31に流れる電流の位相差に基づく信号を、予め設定されている第1コイル31用の基準値と比較する。コントローラ15は、第1コイル31に印加される電圧に対する第2コイル32に流れる電流の位相差に基づく信号を、予め設定されている第2コイル32用の基準値と比較する。コントローラ15は、それらの比較結果に基づいて、電源アンプ13が第1コイル31に供給する電力の大きさを切り替える。
比較の際に用いられる位相差の基準値は、例えば電力伝送効率に基づいて設定されていてもよい。位相差の基準値と電力伝送効率との関係については、後述する。比較の際に用いられる位相差の基準値は、コントローラ15に内蔵されているメモリ(図示省略)や外部のメモリ(図示省略)に記憶されていてもよい。また、無線電力供給方法を実現するプログラムも、コントローラ内蔵のメモリや外部メモリに記憶されていてもよい。
電源アンプ13には、コントローラ15が接続されている。電源アンプ13には、コントローラ15から、出力電力を切り替える制御信号が入力する。電源アンプ13は、制御信号に基づいて、第1コイル31に供給する電力の大きさを切り替える。
・各コイルに流れる電流の特性
磁界共鳴方式で二つのコイルが結合する場合、二つのコイルの結合強度によって、コイルに流れる電流の周波数特性に違いが現れることが知られている。例えば、二つのコイルの結合強度が強い状態(強結合状態)のときには、双峰特性(ピークスプリット)が現れる。二つのコイルの結合強度が弱い状態(弱結合状態)のときには、単峰特性が現れる(例えば、特許文献1参照)。
強結合状態及び弱結合状態については、特許文献1において定義されている。それによれば、例えば第2コイル32の単位時間当たりのエネルギー損失をG1とし、第3コイル41の単位時間当たりのエネルギー損失をG2とし、簡便のため両コイルのエネルギー損失特性が同じであるとして、[G=G1=G2]とする。単位時間当たりのエネルギー流の大きさ(第2コイル32と第3コイル41との間の結合強度)をκとすると、[κ/G]が1よりも大きい場合を「強結合状態」と定義し、[κ/G]が1以下の場合を「弱結合状態」と定義している。ここでは、一例としてこの定義を用いる。
第2コイル32と第3コイル41との結合状態は、第2コイル32と第3コイル41との相対位置に応じて変化する。例えば第2コイル32の軸と第3コイル41の軸との位置ずれ量が大きくなるほど結合状態は弱くなり、第2コイル32の軸と第3コイル41の軸との位置ずれ量が小さくなるほど結合状態が強くなる。
図6は、実施例2にかかる無線電力供給システムにおけるコイル電流の特性を説明する特性図である。図6において、符号51で示す特性図には、強結合状態において第1〜第4の各コイル31,32,41,42に流れる電流の振幅の周波数特性が示されている。この特性図51に示すように、強結合状態では、第1〜第4の各コイル31,32,41,42について双峰特性が現れている。
図6において、符号52で示す特性図には、弱結合状態において第1〜第4の各コイル31,32,41,42に流れる電流の振幅の周波数特性が示されている。この特性図52に示すように、弱結合状態では、第1〜第4の各コイル31,32,41,42について単峰特性が現れている。
図6において、符号53で示す特性図には、強結合状態において第1コイル31に印加される電圧に対する第1〜第4の各コイル31,32,41,42に流れる電流の位相差の周波数特性が示されている。図6において、符号54で示す特性図には、弱結合状態において第1コイル31に印加される電圧に対する第1〜第4の各コイル31,32,41,42に流れる電流の位相差の周波数特性が示されている。
これらの特性図53,54において、○印及び破線の矢印で対応関係を示すように、伝送する電力の周波数faでの位相差は、第2コイル32と第3コイル41との結合状態の強さとともに連続的に変化する。従って、第1コイル31に印加される電圧に対する第1及び第2のコイル31,32の一方または両方に流れる電流の位相差を検出することによって、第2コイル32と第3コイル41との結合状態の強さを判断することができる。
図7は、実施例2にかかる無線電力供給システムにおけるコイル電圧の波形とコイル電流の波形の一例を示す波形図である。ただし、波形の振幅は規格化して表示している。図7において、符号55で示す波形図には、第1コイル31に印加される電圧(第1コイル電圧)の波形と第1コイル31に流れる電流(第1コイル電流)の波形が示されている。第1コイル電流の波形は、第1コイル電圧の波形に対して位相差φ1だけずれた波形となる。
図7において、符号56で示す波形図には、第1コイル31に印加される電圧(第1コイル電圧)の波形と第2コイル32に流れる電流(第2コイル電流)の波形が示されている。第2コイル電流の波形は、第1コイル電圧の波形に対して位相差φ2だけずれた波形となる。上述したように、位相差φ1及び位相差φ2は、第2コイル32と第3コイル41との結合状態の強さとともに連続的に変化する。
・位相差の基準値と電力伝送効率との関係
図8は、実施例2にかかる無線電力供給システムにおける位相差の基準値と電力伝送効率との関係を示す特性図である。図8において、符号57で示す特性図には、第2コイル32の軸と第3コイル41の軸との位置ずれ量に対する電力伝送効率のシミュレーション結果が示されている。電力伝送効率は、第1コイル31に入力された電力と負荷43で消費された電力との割合である。
図8において、符号58で示す特性図には、第2コイル32の軸と第3コイル41の軸との位置ずれ量に対する第1コイル電流の位相差φ1及び第2コイル電流の位相差φ2のシミュレーション結果が示されている。これらの特性図57,58において、第2コイル32の軸と第3コイル41の軸とが一致する状態のときが、位置ずれ量が0のときである。
特に限定しないが、特性図57に示す例のように、電力伝送効率が例えば0.8に達するまでは検出区間とし、電力伝送効率が例えば0.8以上のときを給電区間とし、電力伝送効率が例えば0.8よりも低くなっていく区間を次の給電対象待ちの区間としてもよい。なお、検出区間から給電区間へ移行するときの電力伝送効率の値と、給電区間から次の給電対象待ちの区間へ移行するときの電力伝送効率の値とは、同じであってもよいし、異なっていてもよい。ここでは、同じであるとして説明する。
検出区間では、電源アンプ13の出力が小電力に制御されてもよい。検出区間における小電力は、第1コイル電流の位相差φ1または第2コイル電流の位相差φ2を検出できる程度の微弱な電力であってもよい。給電区間では、電源アンプ13の出力は本出力であり、検出区間よりも大きい電力に制御されてもよい。本出力の電力は、負荷43に供給するのに十分な電力であってもよい。
次の給電対象待ちの区間は、次の給電対象の物体が近づいてくるのを待機する区間である。次の給電対象待ちの区間では、電源アンプ13の出力が小電力に制御されるか、停止されてもよい。次の給電対象待ちの区間において小電力に制御される場合には、第1コイル電流の位相差φ1または第2コイル電流の位相差φ2を検出できる程度の微弱な電力に制御されてもよい。
特性図57より、検出区間から給電区間へ移行するときの第2コイル32の軸と第3コイル41の軸との位置ずれ量Xaが求まる。また、特性図57より、給電区間から次の給電対象待ちの区間へ移行するときの第2コイル32の軸と第3コイル41の軸との位置ずれ量Xbが求まる。
特性図58より、位置ずれ量Xaに対応する第1コイル電流の位相差φ1の値φaが第1コイル電流に対する第1基準値として求まり、位置ずれ量Xbに対応する第1コイル電流の位相差φ1の値φbが第1コイル電流に対する第2基準値として求まる。また、特性図58より、位置ずれ量Xaに対応する第2コイル電流の位相差φ2の値φcが第2コイル電流に対する第1基準値として求まり、位置ずれ量Xbに対応する第2コイル電流の位相差φ2の値φdが第2コイル電流に対する第2基準値として求まる。
なお、第1コイル電流に対する第1基準値φaと第2基準値φbとは、同じであってもよいし、異なっていてもよい。ここでは、同じであるとして説明する。第2コイル電流に対する第1基準値φcと第2基準値φdとは、同じであってもよいし、異なっていてもよい。ここでは、同じであるとして説明する。
・無線電力供給方法の第1の例の説明
図9は、実施例2にかかる無線電力供給方法の第1の例を示すフローチャートである。図9に示すように、無線電力供給装置12において無線電力供給処理が開始されると、コントローラ15は、電源アンプ13に対して小電力出力を指示する(ステップS11)。それによって、電源アンプ13は、第1コイル31へ小電力を出力する。無線電力供給装置12は、第1コイル電流の位相差φ1及び第2コイル電流の位相差φ2の検出を開始する。
そして、第1コイル電流の位相差φ1が第1コイル電流に対する第1基準値φaをクロスするか、または第2コイル電流の位相差φ2が第2コイル電流に対する第1基準値φcをクロスするまで、待機する(ステップS12:No)。第1コイル電流の位相差φ1が第1コイル電流に対する第1基準値φaをクロスするか、または第2コイル電流の位相差φ2が第2コイル電流に対する第1基準値φcをクロスしたら(ステップS12:Yes)、コントローラ15は、電源アンプ13に対して本出力を指示する(ステップS13)。それによって、電源アンプ13は、第1コイル31へ本出力の電力、すなわち大電力を出力する。
そして、第1コイル電流の位相差φ1が第1コイル電流に対する第2基準値φbをクロスするか、または第2コイル電流の位相差φ2が第2コイル電流に対する第2基準値φdをクロスするまで、待機する(ステップS14:No)。第1コイル電流の位相差φ1が第1コイル電流に対する第2基準値φbをクロスするか、または第2コイル電流の位相差φ2が第2コイル電流に対する第2基準値φdをクロスしたら(ステップS14:Yes)、コントローラ15は、一連の処理を終了する。
・無線電力供給方法の第2の例の説明
第2の例では、無線電力供給処理の開始直後は、電源アンプ13の出力が停止しており、移動体が、第2コイル32に位相差検出を行い得る程度に接近したことを検知して電源アンプ13の小電力出力が開始される。従って、特に図示しないが、移動体が第2コイル32に接近したことを検知する外部センサや、検知したことをコントローラ15へ通知する通信システムが無線電力供給システム11に設けられる。
図10は、実施例2にかかる無線電力供給方法の第2の例を示すフローチャートである。図10に示すように、無線電力供給装置12において無線電力供給処理が開始された後、外部センサにより移動体が接近したことを検知するまで待機する(ステップS21:No)。移動体が接近したことを検知すると(ステップS21:Yes)、コントローラ15は、上述したステップS11〜ステップS14の処理を行う(ステップS22〜ステップS25)。
第1コイル電流の位相差φ1が第1コイル電流に対する第2基準値φbをクロスするか、または第2コイル電流の位相差φ2が第2コイル電流に対する第2基準値φdをクロスしたら(ステップS25:Yes)、コントローラ15は、電源アンプ13に対して小電力出力を指示する(ステップS26)。それによって、電源アンプ13は、第1コイル31へ小電力を出力する。無線電力供給装置12は、第1コイル電流の位相差φ1及び第2コイル電流の位相差φ2の検出を続ける。
そして、第1コイル電流の位相差φ1が第1コイル電流に対する第4基準値をクロスするか、または第2コイル電流の位相差φ2が第2コイル電流に対する第4基準値をクロスするまで、待機する(ステップS27:No)。第4基準値は、電源アンプ13の小電力出力を停止するための基準値であり、例えば検出区間から給電区間へ移行するときの電力伝送効率の値よりも低い値に対応する位相差の値であってもよい。この第4基準値は、コントローラ15に内蔵されているメモリや外部のメモリに記憶されていてもよい。
第1コイル電流の位相差φ1が第1コイル電流に対する第4基準値をクロスするか、または第2コイル電流の位相差φ2が第2コイル電流に対する第4基準値をクロスしたら(ステップS27:Yes)、コントローラ15は、例えば電源アンプ13に対して小電力出力の停止を指示し、一連の処理を終了する。一連の処理が終了した後は、次の給電対象の移動体が接近してきたことを外部センサが検知するまで、電源アンプ13の出力は停止した状態である。
・無線電力供給装置及び無線電力供給システムの適用例
図11は、実施例2にかかる無線電力供給装置及び無線電力供給システムの適用例を示す模式図である。図11に示す例は、無線電力供給装置及び無線電力供給システムを、車などの移動体の電池を充電するシステムに適用したものである。
図11に示すように、例えば、無線電力供給装置12、第1コイル31、第2コイル32及びコンデンサ33は、道路61に埋め込まれていてもよい。第3コイル41、第4コイル42、負荷43及びコンデンサ44は、移動体62に積載されていてもよい。負荷43は、例えば移動体62を動かすモータ(図示せず)などに電力を供給する電池であってもよい。
なお、無線電力供給装置及び無線電力供給システムは、車などの移動体の電池を充電する適用例以外にも、携帯電話機やスマートフォンなどの携帯端末の充電、または携帯端末や家電製品への電力供給にも適用できる。また、メーカの工場での検査工程のラインにおいて、検査対象の製品を載せてラインを流れる台車に受電側のシステムを設け、ラインの下に送電側のシステムを設けるようにしてもよい。このような構成のラインでは、検査時に、送電側のシステムから受電側のシステムへ無線で電力を供給し、受電側のシステムから製品に電力を供給することができる。
・無線電力供給装置及び無線電力供給システムの第2の例の説明
図12は、実施例2にかかる無線電力供給装置及び無線電力供給システムの第2の例を示すブロック図である。図12に示すように、第2の例では、第1コイル31に印加される電圧に対する第1コイル31に流れる電流の位相差を検出し、その位相差に基づいて電源アンプ13の出力を切り替える例である。従って、この例では、第2電流検出回路17、第3バンドパスフィルタ20及び第3自動利得制御回路23(図4参照)は、設けられていなくてもよい。
・無線電力供給装置及び無線電力供給システムの第3の例の説明
図13は、実施例2にかかる無線電力供給装置及び無線電力供給システムの第3の例を示すブロック図である。図13に示すように、第3の例では、第1コイル31に印加される電圧に対する第2コイル32に流れる電流の位相差を検出し、その位相差に基づいて電源アンプ13の出力を切り替える例である。従って、この例では、第1電流検出回路16、第2バンドパスフィルタ19及び第2自動利得制御回路22(図4参照)は、設けられていなくてもよい。
実施例2によれば、第1コイル31に印加される電圧に対する第1及び第2のコイル31,32の一方または両方に流れる電流の位相差を検出することによって、第2コイル32と第3コイル41との相対位置が電力伝送効率のよい状態にあることを即座に検出することができる。従って、電源アンプ13から第1コイル31へ小電力を供給して位相比較器14で位相差を検出し続け、電力伝送効率のよい状態にあるときの位相差を検出したら、第1コイル31へ大電力を供給することによって、第2コイル32から第3コイル41へ効率よく電力を伝送することができる。
また、実施例2によれば、電力伝送効率が高い状態のときに本出力によって電力を伝送し、電力伝送効率が低い状態のときには小電力出力とすることによって、省エネルギー化を図ることができ、また不要な電波放射を抑制することができる。さらに、外部センサなどを用いて小電力出力の開始タイミングを検知することによって、より一層、省エネルギー化を図ることができる。
また、第1及び第2のコイル31,32の一方または両方に流れる電流の振幅に基づいて第2コイル32と第3コイル41との相対位置が電力伝送効率のよい状態にあることを検出する構成の場合には、第1コイル31に供給する電力の大きさが切り替わるため、安定して検出することができない。それに対して、実施例2によれば、位相差に基づいて第2コイル32と第3コイル41との相対位置が電力伝送効率のよい状態にあることを検出するので、第1コイル31に供給する電力の大きさが切り替わっても、安定して検出することができる。
また、実施例2によれば、バンドパスフィルタ18,19,20や自動利得制御回路21,22,23により波形処理を行ってから位相比較器14で位相差を検出するので、位相差を検出する際のS/N比(Signal to Noise ratio)が向上する。さらに、バンドパスフィルタ18,19,20の中心周波数が、伝送する電力の周波数に一致またはおおよそ一致していることによって、さらにS/Nが向上する。
(実施例3)
・無線電力供給装置及び無線電力供給システムの説明
図14は、実施例3にかかる無線電力供給装置及び無線電力供給システムを示すブロック図である。図15は、実施例3にかかる無線電力供給装置における信号の流れを示すブロック図である。
図14及び図15に示すように、実施例3では、電源アンプ13と第1コイル31との間に、インピーダンスマッチングを行う整合回路71が接続されている。整合回路71は、コントローラ15に接続されていて、コントローラ15の制御によってインピーダンスの整合を取ることができる構成のものである。
・整合回路の一例の説明
図16は、実施例3にかかる無線電力供給装置における整合回路の一例を示す回路図である。図16に示すように、整合回路71は、インダクタ切り替えスイッチ72及びコンデンサ切り替えスイッチ73を備えている。
インダクタ切り替えスイッチ72には、複数のインダクタ74が設けられており、コントローラ15からの制御信号によって第1コイル31に接続されるインダクタが切り替えられる。コンデンサ切り替えスイッチ73には、複数のコンデンサ75が設けられており、コントローラ15からの制御信号によって第1コイル31に接続されるコンデンサが切り替えられる。
コントローラ15は、第1コイル電流の位相差φ1及び第2コイル電流の位相差φ2に基づいて、整合回路71のインダクタ74及びコンデンサ75の組み合わせを変える。整合回路71は、インダクタ74及びコンデンサ75の組み合わせが変わることによって、離散的にインピーダンスマッチングを行う。なお、整合回路71は、例えばコンデンサ75の容量をリニアに変化させることによって、インピーダンスマッチングを連続的に行うようにしてもよい。
・無線電力供給方法の第1の例の説明
図17は、実施例3にかかる無線電力供給方法の第1の例を示すフローチャートである。図17に示すように、無線電力供給装置12において無線電力供給処理が開始されると、コントローラ15は、整合回路71を初期化する(ステップS31)。整合回路71の初期状態におけるインダクタ74及びコンデンサ75の組み合わせは、予め決められている。
次いで、コントローラ15は、上述したステップS11〜ステップS13の処理を行う(ステップS32〜ステップS34)。そして、第1コイル電流の位相差φ1が第1コイル電流に対する第3基準値をクロスするか、または第2コイル電流の位相差φ2が第2コイル電流に対する第3基準値をクロスするまで、待機する(ステップS35:No)。
第3基準値は、整合回路71の切り替えを行ってインピーダンスマッチングを取るための基準値であり、例えば上述した第1基準値と第2基準値との間に、整合回路71の切り替えを行う回数分、設定されている。例えば、整合回路71においてインダクタ74とコンデンサ75とを9通りの組み合わせで切り替える場合には、第1基準値と第2基準値との間に第3基準値が8個設定されていてもよい。この第3基準値は、コントローラ15に内蔵されているメモリや外部のメモリに記憶されていてもよい。
第1コイル電流の位相差φ1が第1コイル電流に対する第3基準値をクロスするか、または第2コイル電流の位相差φ2が第2コイル電流に対する第3基準値をクロスしたら(ステップS35:Yes)、コントローラ15は、整合回路71に切り替えを指示する(ステップS36)。それによって、整合回路71は、インダクタ74とコンデンサ75との組み合わせを切り替える。
インダクタ74とコンデンサ75との組み合わせについては、第1番目の組み合わせ、第2番目の組み合わせ、第3番目の組み合わせ、というように何番目の組み合わせではどのインダクタ74とどのコンデンサ75とを組み合わせるかということが予め決まっていてもよい。そして、コントローラ15から切り替え指示があるたびに、第1番目の組み合わせから順に組み合わせが切り替わるようにしてもよい。この場合、第1番目の組み合わせは、ステップS31で初期化されたときの組み合わせであってもよい。
整合回路71の切り替えが予め設定されている回数分終了するまで(ステップS37:No)、ステップS35〜ステップS37を繰り返し、第1コイル電流の位相差φ1または第2コイル電流の位相差φ2に応じてインピーダンスマッチングを取る。整合回路71の切り替えが予め設定されている回数分終了したら(ステップS37:Yes)、第1コイル電流の位相差φ1が第1コイル電流に対する第2基準値φbをクロスするか、または第2コイル電流の位相差φ2が第2コイル電流に対する第2基準値φdをクロスするまで、待機する(ステップS38:No)。第1コイル電流の位相差φ1が第1コイル電流に対する第2基準値φbをクロスするか、または第2コイル電流の位相差φ2が第2コイル電流に対する第2基準値φdをクロスしたら(ステップS38:Yes)、コントローラ15は、一連の処理を終了する。
・無線電力供給方法の第2の例の説明
第2の例は、実施例2における無線電力供給方法の第2の例と同様である。すなわち、外部センサにより、移動体が、第2コイル32に位相差検出を行い得る程度に接近したことを検知すると、電源アンプ13の小電力出力が開始される。
図18及び図19は、実施例3にかかる無線電力供給方法の第2の例を示すフローチャートであり、図19は、図18の続きである。図18及び図19に示すように、無線電力供給装置12において無線電力供給処理が開始された後、外部センサにより移動体が接近したことを検知するまで待機する(ステップS41:No)。移動体が接近したことを検知すると(ステップS41:Yes)、コントローラ15は、上述したステップS31〜ステップS38の処理を行う(ステップS42〜ステップS49)。
第1コイル電流の位相差φ1が第1コイル電流に対する第2基準値φbをクロスするか、または第2コイル電流の位相差φ2が第2コイル電流に対する第2基準値φdをクロスしたら(ステップS49:Yes)、コントローラ15は、上述したステップS26〜ステップS27の処理を行う(ステップS50〜ステップS51)。そして、コントローラ15は、一連の処理を終了する。
実施例3によれば、実施例2と同様の効果が得られる。また、実施例3によれば、第1コイル電流の位相差φ1または第2コイル電流の位相差φ2に応じて整合回路71の切り替えを行ってインピーダンスマッチングを取るので、不要な反射電力を抑えることができる。
1,11 無線電力供給システム
2,12 無線電力供給装置
3,13 電力供給部
4,14 検出部
5,15 制御部
6,31,32 送電コイル
7,41,42 受電コイル
この発明は、無線電力供給装置、無線電力供給システム及び無線電力供給方法に関する。
従来、無線で電力を供給する方法の一つに、磁界共鳴を用いて送電コイルから電力を磁界エネルギーとして送出し、送電コイルと受電コイルとの間で磁界共鳴を生じさせる共振周波数で電力を供給する方法がある。このような方法において、送電コイルに流れる電流を検出し、検出された電流の周波数特性により、送電コイルと受電コイルとの結合強度を判定することで、送電コイルと受電コイルとの相対位置を最適化し、電力伝送効率を向上させる方法がある(例えば、特許文献1参照)。
特開2010−239690号公報
しかしながら、従来の方法では、送電コイルへ供給する電力の周波数を繰り返し掃引し、その都度、送電コイルと受電コイルとの結合強度を判定するため、送電コイルと受電コイルとの相対位置が電力伝送効率のよい状態にあることを検出するのに時間がかかってしまう。そのため、例えば受電コイルを有する車などの移動体に、例えば道路に埋め込まれた送電コイルから移動体の移動中に電力を伝送するような場合、電力伝送効率のよい状態を検出した時点で、実際には既に電力伝送効率のよい状態が終わっていることがある。つまり、送電コイルから受電コイルへ効率よく電力を伝送することができないという問題点がある。
開示の無線電力供給装置、無線電力供給システム及び無線電力供給方法は、送電コイルから受電コイルへ効率よく電力を伝送することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するため、無線電力供給装置は、電力供給部、検出部及び制御部を備えている。電力供給部は、送電コイルに、送電コイルと受電コイルとの間で磁界共鳴を生じさせる共振周波数で電力を供給する。送電コイルは、磁界共鳴を用いて電力を磁界エネルギーとして送出する。検出部は、送電コイルに印加される電圧に対する送電コイルに流れる電流の位相差を検出する。制御部は、位相差に基づいて電力供給部が供給する電力の大きさを切り替える。
開示の無線電力供給装置、無線電力供給システム及び無線電力供給方法によれば、送電コイルから受電コイルへ効率よく電力を伝送することができるという効果を奏する。
図1は、実施例1にかかる無線電力供給装置及び無線電力供給システムを示すブロック図である。 図2は、実施例1にかかる無線電力供給装置における信号の流れを示すブロック図である。 図3は、実施例1にかかる無線電力供給方法を示すフローチャートである。 図4は、実施例2にかかる無線電力供給装置及び無線電力供給システムの第1の例を示すブロック図である。 図5は、実施例2にかかる無線電力供給装置の第1の例における信号の流れを示すブロック図である。 図6は、実施例2にかかる無線電力供給システムにおけるコイル電流の特性を説明する特性図である。 図7は、実施例2にかかる無線電力供給システムにおけるコイル電圧の波形とコイル電流の波形の一例を示す波形図である。 図8は、実施例2にかかる無線電力供給システムにおける位相差の基準値と電力伝送効率との関係を示す特性図である。 図9は、実施例2にかかる無線電力供給方法の第1の例を示すフローチャートである。 図10は、実施例2にかかる無線電力供給方法の第2の例を示すフローチャートである。 図11は、実施例2にかかる無線電力供給装置及び無線電力供給システムの適用例を示す模式図である。 図12は、実施例2にかかる無線電力供給装置及び無線電力供給システムの第2の例を示すブロック図である。 図13は、実施例2にかかる無線電力供給装置及び無線電力供給システムの第3の例を示すブロック図である。 図14は、実施例3にかかる無線電力供給装置及び無線電力供給システムを示すブロック図である。 図15は、実施例3にかかる無線電力供給装置における信号の流れを示すブロック図である。 図16は、実施例3にかかる無線電力供給装置における整合回路の一例を示す回路図である。 図17は、実施例3にかかる無線電力供給方法の第1の例を示すフローチャートである。 図18は、実施例3にかかる無線電力供給方法の第2の例を示すフローチャートである。 図19は、実施例3にかかる無線電力供給方法の第2の例を示すフローチャートである。
以下に、この発明にかかる無線電力供給装置、無線電力供給システム及び無線電力供給方法の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。以下の各実施例の説明においては、同様の構成には同一の符号を付して、重複する説明を省略する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
(実施例1)
・無線電力供給装置及び無線電力供給システムの説明
図1は、実施例1にかかる無線電力供給装置及び無線電力供給システムを示すブロック図である。図2は、実施例1にかかる無線電力供給装置における信号の流れを示すブロック図である。
図1及び図2に示すように、無線電力供給システム1は、無線電力供給装置2及び送電コイル6を備えている。無線電力供給装置2は、電力供給部3、検出部4及び制御部5を備えている。また、無線電力供給システム1は、受電コイル7を備えていてもよい。受電コイル7には、負荷8が接続されていてもよい。
送電コイル6は、電力供給部3に接続されている。電力供給部3は、送電コイル6に、送電コイル6と受電コイル7との間で磁界共鳴を生じさせる共振周波数で電力を供給する。送電コイル6は、電力供給部3から供給された電力を、磁界共鳴を用いて磁界エネルギーとして送出する。
検出部4は、送電コイル6、及び電力供給部3と送電コイル6との間のノードに接続されている。検出部4には、送電コイル6に印加される電圧に基づく信号が入力する。検出部4には、送電コイル6に流れる電流に基づく信号が入力する。検出部4は、送電コイル6に印加される電圧に対する送電コイル6に流れる電流の位相差を検出する。送電コイル6に印加される電圧に対する送電コイル6に流れる電流の位相差は、送電コイル6に対する受電コイル7の相対位置に応じて変化する。
制御部5は、検出部4に接続されている。制御部5には、検出部4により検出された位相差に基づく信号が入力する。電力供給部3には、制御部5が接続されている。制御部5は、入力された位相差に基づいて、電力供給部3が送電コイル6に供給する電力の大きさを切り替える。
受電コイル7には、送電コイル6との間の磁界共鳴によって電流が流れる。負荷8は、受電コイル7に電流が流れることによって受電コイル7に発生した電力を消費する。つまり、負荷8は、送電コイル6から受電コイル7へ伝送された電力を消費することになる。
・無線電力供給方法の説明
図3は、実施例1にかかる無線電力供給方法を示すフローチャートである。図3に示すように、無線電力供給システム1において、無線電力供給装置2による無線での電力供給が開始されると、まず、電力供給部3は、送電コイル6に、送電コイル6と受電コイル7との間で磁界共鳴を生じさせる共振周波数で電力を供給する(ステップS1)。
次いで、検出部4は、送電コイル6に印加される電圧に対する送電コイル6に流れる電流の位相差を検出する(ステップS2)。次いで、制御部5は、ステップS2で検出された位相差に基づいて、電力供給部3が送電コイル6に供給する電力の大きさを切り替える(ステップS3)。そして、無線電力供給装置2は、一連の処理を終了する。
実施例1によれば、送電コイル6に印加される電圧に対する送電コイル6に流れる電流の位相差を検出することによって、送電コイル6と受電コイル7との相対位置が電力伝送効率のよい状態にあることを即座に検出することができる。従って、電力供給部3から送電コイル6へ小電力を供給して検出部4で位相差を検出し続け、電力伝送効率のよい状態にあるときの位相差を検出したら、送電コイル6へ大電力を供給することによって、送電コイル6から受電コイル7へ効率よく電力を伝送することができる。
(実施例2)
・無線電力供給装置及び無線電力供給システムの第1の例の説明
図4は、実施例2にかかる無線電力供給装置及び無線電力供給システムの第1の例を示すブロック図である。図5は、実施例2にかかる無線電力供給装置の第1の例における信号の流れを示すブロック図である。
図4及び図5に示すように、無線電力供給システム11は、無線電力供給装置12、並びに送電コイルとして例えば第1コイル31及び第2コイル32を備えている。また、無線電力供給システム11は、受電コイルとして例えば第3コイル41及び第4コイル42を備えていてもよい。第4コイル42には、負荷43が接続されていてもよい。
無線電力供給装置12は、第1コイル31に電力を供給する。無線電力供給装置12は、電力供給部として例えば電源アンプ13、検出部として例えば位相比較器14、及び制御部としてコントローラ15を備えている。また、無線電力供給装置12は、第1及び第2の電流検出回路16,17、第1〜第3のバンドパスフィルタ(BPF:Band−Pass Filter)18,19,20及び第1〜第3の自動利得制御(AGC:Automatic Gain Control)回路21,22,23を備えていてもよい。
第1コイル31は、電源アンプ13に接続されている。電源アンプ13は、第1コイル31に、第2コイル32と第3コイル41との間で磁界共鳴を生じさせる共振周波数で電力を供給する。電源アンプ13は、コントローラ15によって出力電力を変えることができる構成のものである。第1コイル31から第2コイル32へは、電磁誘導方式でエネルギーが伝達されてもよい。
第2コイル32にはコンデンサ33が接続されている。コンデンサ33は、第2コイル32に寄生する素子であってもよい。第2コイル32及びコンデンサ33を含むLC共振コイルの共振周波数は、伝送する電力の周波数と略同じであってもよい。第2コイル32は、例えば第1コイル31との間の電磁誘導により生じた電力を、磁界共鳴を用いて磁界エネルギーとして送出する。
第3コイル41にはコンデンサ44が接続されている。コンデンサ44は、第3コイル41に寄生する素子であってもよい。第3コイル41及びコンデンサ44を含むLC共振コイルの共振周波数は、伝送する電力の周波数と略同じであってもよい。第3コイル41には、第2コイル32から送出された磁界エネルギーによって磁界共鳴が起こり、電流が流れる。つまり、磁界共鳴によって第2コイル32から第3コイル41へエネルギーが伝達される。
第3コイル41から第4コイル42へは、電磁誘導方式でエネルギーが伝達されてもよい。負荷43は、第4コイル42へ伝達されたエネルギー、すなわち電力を消費する。
第1バンドパスフィルタ18は、電源アンプ13に接続された第1コイル31の入力端に接続されている。第1バンドパスフィルタ18の中心周波数は、伝送する電力の周波数に一致またはおおよそ一致していてもよい。第1バンドパスフィルタ18は、伝送する電力の周波数よりも高い周波数及び低い周波数の成分を除去する。
第1自動利得制御回路21は、第1バンドパスフィルタ18に接続されている。第1自動利得制御回路21は、第1バンドパスフィルタ18を通過した信号の利得を、位相比較器14での位相比較に適した利得に調整する。
第1電流検出回路16は、第1コイル31に接続されている。第1電流検出回路16は、例えばホールセンサなどの電流を検出できる素子を含んでいる。第1電流検出回路16は、第1コイル31を流れる電流を検出し、電流量に応じた電圧信号を出力する。
第2バンドパスフィルタ19は、第1電流検出回路16の出力端に接続されている。第2バンドパスフィルタ19の中心周波数は、伝送する電力の周波数に一致またはおおよそ一致していてもよい。第2バンドパスフィルタ19は、第1電流検出回路16の出力信号のうち、伝送する電力の周波数よりも高い周波数及び低い周波数の成分を除去する。
第2自動利得制御回路22は、第2バンドパスフィルタ19に接続されている。第2自動利得制御回路22は、第2バンドパスフィルタ19を通過した信号の利得を、位相比較器14での位相比較に適した利得に調整する。
第2電流検出回路17は、第2コイル32に接続されている。第2電流検出回路17は、例えばホールセンサなどの電流を検出できる素子を含んでいる。第2電流検出回路17は、第2コイル32を流れる電流を検出し、電流量に応じた電圧信号を出力する。
第3バンドパスフィルタ20は、第2電流検出回路17の出力端に接続されている。第3バンドパスフィルタ20の中心周波数は、伝送する電力の周波数に一致またはおおよそ一致していてもよい。第3バンドパスフィルタ20は、第2電流検出回路17の出力信号のうち、伝送する電力の周波数よりも高い周波数及び低い周波数の成分を除去する。
第3自動利得制御回路23は、第3バンドパスフィルタ20に接続されている。第3自動利得制御回路23は、第3バンドパスフィルタ20を通過した信号の利得を、位相比較器14での位相比較に適した利得に調整する。
位相比較器14は、第1〜第3の自動利得制御回路21,22,23に接続されている。位相比較器14には、第1〜第3の自動利得制御回路21,22,23の出力信号が入力する。位相比較器14は、第1コイル31に印加される電圧に対する第1コイル31に流れる電流の位相差を検出する。位相比較器14は、第1コイル31に印加される電圧に対する第2コイル32に流れる電流の位相差を検出する。
第1コイル31に印加される電圧に対する第1コイル31または第2コイル32にそれぞれ流れる電流の位相差は、第2コイル32に対する第3コイル41の相対位置に応じて変化する。位相比較器14は、例えば二つの信号の位相差を、二つの信号がそれぞれゼロ点と交差するゼロクロス点の時間差に基づいて検出してもよい。
コントローラ15は、位相比較器14に接続されている。コントローラ15は、例えばプロセッサが後述する無線電力供給方法を実現するプログラムを実行することにより実現されてもよいし、ハードウェアで構成されていてもよい。ここでは、コントローラ15は、プロセッサと無線電力供給方法を実現するプログラムにより実現されるとして説明する。
コントローラ15には、位相比較器14により検出された位相差に基づく信号が入力する。コントローラ15は、第1コイル31に印加される電圧に対する第1コイル31に流れる電流の位相差に基づく信号を、予め設定されている第1コイル31用の基準値と比較する。コントローラ15は、第1コイル31に印加される電圧に対する第2コイル32に流れる電流の位相差に基づく信号を、予め設定されている第2コイル32用の基準値と比較する。コントローラ15は、それらの比較結果に基づいて、電源アンプ13が第1コイル31に供給する電力の大きさを切り替える。
比較の際に用いられる位相差の基準値は、例えば電力伝送効率に基づいて設定されていてもよい。位相差の基準値と電力伝送効率との関係については、後述する。比較の際に用いられる位相差の基準値は、コントローラ15に内蔵されているメモリ(図示省略)や外部のメモリ(図示省略)に記憶されていてもよい。また、無線電力供給方法を実現するプログラムも、コントローラ内蔵のメモリや外部メモリに記憶されていてもよい。
電源アンプ13には、コントローラ15が接続されている。電源アンプ13には、コントローラ15から、出力電力を切り替える制御信号が入力する。電源アンプ13は、制御信号に基づいて、第1コイル31に供給する電力の大きさを切り替える。
・各コイルに流れる電流の特性
磁界共鳴方式で二つのコイルが結合する場合、二つのコイルの結合強度によって、コイルに流れる電流の周波数特性に違いが現れることが知られている。例えば、二つのコイルの結合強度が強い状態(強結合状態)のときには、双峰特性(ピークスプリット)が現れる。二つのコイルの結合強度が弱い状態(弱結合状態)のときには、単峰特性が現れる(例えば、特許文献1参照)。
強結合状態及び弱結合状態については、特許文献1において定義されている。それによれば、例えば第2コイル32の単位時間当たりのエネルギー損失をG1とし、第3コイル41の単位時間当たりのエネルギー損失をG2とし、簡便のため両コイルのエネルギー損失特性が同じであるとして、[G=G1=G2]とする。単位時間当たりのエネルギー流の大きさ(第2コイル32と第3コイル41との間の結合強度)をκとすると、[κ/G]が1よりも大きい場合を「強結合状態」と定義し、[κ/G]が1以下の場合を「弱結合状態」と定義している。ここでは、一例としてこの定義を用いる。
第2コイル32と第3コイル41との結合状態は、第2コイル32と第3コイル41との相対位置に応じて変化する。例えば第2コイル32の軸と第3コイル41の軸との位置ずれ量が大きくなるほど結合状態は弱くなり、第2コイル32の軸と第3コイル41の軸との位置ずれ量が小さくなるほど結合状態が強くなる。
図6は、実施例2にかかる無線電力供給システムにおけるコイル電流の特性を説明する特性図である。図6において、符号51で示す特性図には、強結合状態において第1〜第4の各コイル31,32,41,42に流れる電流の振幅の周波数特性が示されている。この特性図51に示すように、強結合状態では、第1〜第4の各コイル31,32,41,42について双峰特性が現れている。
図6において、符号52で示す特性図には、弱結合状態において第1〜第4の各コイル31,32,41,42に流れる電流の振幅の周波数特性が示されている。この特性図52に示すように、弱結合状態では、第1〜第4の各コイル31,32,41,42について単峰特性が現れている。
図6において、符号53で示す特性図には、強結合状態において第1コイル31に印加される電圧に対する第1〜第4の各コイル31,32,41,42に流れる電流の位相差の周波数特性が示されている。図6において、符号54で示す特性図には、弱結合状態において第1コイル31に印加される電圧に対する第1〜第4の各コイル31,32,41,42に流れる電流の位相差の周波数特性が示されている。
これらの特性図53,54において、○印及び破線の矢印で対応関係を示すように、伝送する電力の周波数faでの位相差は、第2コイル32と第3コイル41との結合状態の強さとともに連続的に変化する。従って、第1コイル31に印加される電圧に対する第1及び第2のコイル31,32の一方または両方に流れる電流の位相差を検出することによって、第2コイル32と第3コイル41との結合状態の強さを判断することができる。
図7は、実施例2にかかる無線電力供給システムにおけるコイル電圧の波形とコイル電流の波形の一例を示す波形図である。ただし、波形の振幅は規格化して表示している。図7において、符号55で示す波形図には、第1コイル31に印加される電圧(第1コイル電圧)の波形と第1コイル31に流れる電流(第1コイル電流)の波形が示されている。第1コイル電流の波形は、第1コイル電圧の波形に対して位相差φ1だけずれた波形となる。
図7において、符号56で示す波形図には、第1コイル31に印加される電圧(第1コイル電圧)の波形と第2コイル32に流れる電流(第2コイル電流)の波形が示されている。第2コイル電流の波形は、第1コイル電圧の波形に対して位相差φ2だけずれた波形となる。上述したように、位相差φ1及び位相差φ2は、第2コイル32と第3コイル41との結合状態の強さとともに連続的に変化する。
・位相差の基準値と電力伝送効率との関係
図8は、実施例2にかかる無線電力供給システムにおける位相差の基準値と電力伝送効率との関係を示す特性図である。図8において、符号57で示す特性図には、第2コイル32の軸と第3コイル41の軸との位置ずれ量に対する電力伝送効率のシミュレーション結果が示されている。電力伝送効率は、第1コイル31に入力された電力と負荷43で消費された電力との割合である。
図8において、符号58で示す特性図には、第2コイル32の軸と第3コイル41の軸との位置ずれ量に対する第1コイル電流の位相差φ1及び第2コイル電流の位相差φ2のシミュレーション結果が示されている。これらの特性図57,58において、第2コイル32の軸と第3コイル41の軸とが一致する状態のときが、位置ずれ量が0のときである。
特に限定しないが、特性図57に示す例のように、電力伝送効率が例えば0.8に達するまでは検出区間とし、電力伝送効率が例えば0.8以上のときを給電区間とし、電力伝送効率が例えば0.8よりも低くなっていく区間を次の給電対象待ちの区間としてもよい。なお、検出区間から給電区間へ移行するときの電力伝送効率の値と、給電区間から次の給電対象待ちの区間へ移行するときの電力伝送効率の値とは、同じであってもよいし、異なっていてもよい。ここでは、同じであるとして説明する。
検出区間では、電源アンプ13の出力が小電力に制御されてもよい。検出区間における小電力は、第1コイル電流の位相差φ1または第2コイル電流の位相差φ2を検出できる程度の微弱な電力であってもよい。給電区間では、電源アンプ13の出力は本出力であり、検出区間よりも大きい電力に制御されてもよい。本出力の電力は、負荷43に供給するのに十分な電力であってもよい。
次の給電対象待ちの区間は、次の給電対象の物体が近づいてくるのを待機する区間である。次の給電対象待ちの区間では、電源アンプ13の出力が小電力に制御されるか、停止されてもよい。次の給電対象待ちの区間において小電力に制御される場合には、第1コイル電流の位相差φ1または第2コイル電流の位相差φ2を検出できる程度の微弱な電力に制御されてもよい。
特性図57より、検出区間から給電区間へ移行するときの第2コイル32の軸と第3コイル41の軸との位置ずれ量Xaが求まる。また、特性図57より、給電区間から次の給電対象待ちの区間へ移行するときの第2コイル32の軸と第3コイル41の軸との位置ずれ量Xbが求まる。
特性図58より、位置ずれ量Xaに対応する第1コイル電流の位相差φ1の値φaが第1コイル電流に対する第1基準値として求まり、位置ずれ量Xbに対応する第1コイル電流の位相差φ1の値φbが第1コイル電流に対する第2基準値として求まる。また、特性図58より、位置ずれ量Xaに対応する第2コイル電流の位相差φ2の値φcが第2コイル電流に対する第1基準値として求まり、位置ずれ量Xbに対応する第2コイル電流の位相差φ2の値φdが第2コイル電流に対する第2基準値として求まる。
なお、第1コイル電流に対する第1基準値φaと第2基準値φbとは、同じであってもよいし、異なっていてもよい。ここでは、同じであるとして説明する。第2コイル電流に対する第1基準値φcと第2基準値φdとは、同じであってもよいし、異なっていてもよい。ここでは、同じであるとして説明する。
・無線電力供給方法の第1の例の説明
図9は、実施例2にかかる無線電力供給方法の第1の例を示すフローチャートである。図9に示すように、無線電力供給装置12において無線電力供給処理が開始されると、コントローラ15は、電源アンプ13に対して小電力出力を指示する(ステップS11)。それによって、電源アンプ13は、第1コイル31へ小電力を出力する。無線電力供給装置12は、第1コイル電流の位相差φ1及び第2コイル電流の位相差φ2の検出を開始する。
そして、第1コイル電流の位相差φ1が第1コイル電流に対する第1基準値φaをクロスするか、または第2コイル電流の位相差φ2が第2コイル電流に対する第1基準値φcをクロスするまで、待機する(ステップS12:No)。第1コイル電流の位相差φ1が第1コイル電流に対する第1基準値φaをクロスするか、または第2コイル電流の位相差φ2が第2コイル電流に対する第1基準値φcをクロスしたら(ステップS12:Yes)、コントローラ15は、電源アンプ13に対して本出力を指示する(ステップS13)。それによって、電源アンプ13は、第1コイル31へ本出力の電力、すなわち大電力を出力する。
そして、第1コイル電流の位相差φ1が第1コイル電流に対する第2基準値φbをクロスするか、または第2コイル電流の位相差φ2が第2コイル電流に対する第2基準値φdをクロスするまで、待機する(ステップS14:No)。第1コイル電流の位相差φ1が第1コイル電流に対する第2基準値φbをクロスするか、または第2コイル電流の位相差φ2が第2コイル電流に対する第2基準値φdをクロスしたら(ステップS14:Yes)、コントローラ15は、一連の処理を終了する。
・無線電力供給方法の第2の例の説明
第2の例では、無線電力供給処理の開始直後は、電源アンプ13の出力が停止しており、移動体が、第2コイル32に位相差検出を行い得る程度に接近したことを検知して電源アンプ13の小電力出力が開始される。従って、特に図示しないが、移動体が第2コイル32に接近したことを検知する外部センサや、検知したことをコントローラ15へ通知する通信システムが無線電力供給システム11に設けられる。
図10は、実施例2にかかる無線電力供給方法の第2の例を示すフローチャートである。図10に示すように、無線電力供給装置12において無線電力供給処理が開始された後、外部センサにより移動体が接近したことを検知するまで待機する(ステップS21:No)。移動体が接近したことを検知すると(ステップS21:Yes)、コントローラ15は、上述したステップS11〜ステップS14の処理を行う(ステップS22〜ステップS25)。
第1コイル電流の位相差φ1が第1コイル電流に対する第2基準値φbをクロスするか、または第2コイル電流の位相差φ2が第2コイル電流に対する第2基準値φdをクロスしたら(ステップS25:Yes)、コントローラ15は、電源アンプ13に対して小電力出力を指示する(ステップS26)。それによって、電源アンプ13は、第1コイル31へ小電力を出力する。無線電力供給装置12は、第1コイル電流の位相差φ1及び第2コイル電流の位相差φ2の検出を続ける。
そして、第1コイル電流の位相差φ1が第1コイル電流に対する第4基準値をクロスするか、または第2コイル電流の位相差φ2が第2コイル電流に対する第4基準値をクロスするまで、待機する(ステップS27:No)。第4基準値は、電源アンプ13の小電力出力を停止するための基準値であり、例えば検出区間から給電区間へ移行するときの電力伝送効率の値よりも低い値に対応する位相差の値であってもよい。この第4基準値は、コントローラ15に内蔵されているメモリや外部のメモリに記憶されていてもよい。
第1コイル電流の位相差φ1が第1コイル電流に対する第4基準値をクロスするか、または第2コイル電流の位相差φ2が第2コイル電流に対する第4基準値をクロスしたら(ステップS27:Yes)、コントローラ15は、例えば電源アンプ13に対して小電力出力の停止を指示し、一連の処理を終了する。一連の処理が終了した後は、次の給電対象の移動体が接近してきたことを外部センサが検知するまで、電源アンプ13の出力は停止した状態である。
・無線電力供給装置及び無線電力供給システムの適用例
図11は、実施例2にかかる無線電力供給装置及び無線電力供給システムの適用例を示す模式図である。図11に示す例は、無線電力供給装置及び無線電力供給システムを、車などの移動体の電池を充電するシステムに適用したものである。
図11に示すように、例えば、無線電力供給装置12、第1コイル31、第2コイル32及びコンデンサ33は、道路61に埋め込まれていてもよい。第3コイル41、第4コイル42、負荷43及びコンデンサ44は、移動体62に積載されていてもよい。負荷43は、例えば移動体62を動かすモータ(図示せず)などに電力を供給する電池であってもよい。
なお、無線電力供給装置及び無線電力供給システムは、車などの移動体の電池を充電する適用例以外にも、携帯電話機やスマートフォンなどの携帯端末の充電、または携帯端末や家電製品への電力供給にも適用できる。また、メーカの工場での検査工程のラインにおいて、検査対象の製品を載せてラインを流れる台車に受電側のシステムを設け、ラインの下に送電側のシステムを設けるようにしてもよい。このような構成のラインでは、検査時に、送電側のシステムから受電側のシステムへ無線で電力を供給し、受電側のシステムから製品に電力を供給することができる。
・無線電力供給装置及び無線電力供給システムの第2の例の説明
図12は、実施例2にかかる無線電力供給装置及び無線電力供給システムの第2の例を示すブロック図である。図12に示すように、第2の例では、第1コイル31に印加される電圧に対する第1コイル31に流れる電流の位相差を検出し、その位相差に基づいて電源アンプ13の出力を切り替える例である。従って、この例では、第2電流検出回路17、第3バンドパスフィルタ20及び第3自動利得制御回路23(図4参照)は、設けられていなくてもよい。
・無線電力供給装置及び無線電力供給システムの第3の例の説明
図13は、実施例2にかかる無線電力供給装置及び無線電力供給システムの第3の例を示すブロック図である。図13に示すように、第3の例では、第1コイル31に印加される電圧に対する第2コイル32に流れる電流の位相差を検出し、その位相差に基づいて電源アンプ13の出力を切り替える例である。従って、この例では、第1電流検出回路16、第2バンドパスフィルタ19及び第2自動利得制御回路22(図4参照)は、設けられていなくてもよい。
実施例2によれば、第1コイル31に印加される電圧に対する第1及び第2のコイル31,32の一方または両方に流れる電流の位相差を検出することによって、第2コイル32と第3コイル41との相対位置が電力伝送効率のよい状態にあることを即座に検出することができる。従って、電源アンプ13から第1コイル31へ小電力を供給して位相比較器14で位相差を検出し続け、電力伝送効率のよい状態にあるときの位相差を検出したら、第1コイル31へ大電力を供給することによって、第2コイル32から第3コイル41へ効率よく電力を伝送することができる。
また、実施例2によれば、電力伝送効率が高い状態のときに本出力によって電力を伝送し、電力伝送効率が低い状態のときには小電力出力とすることによって、省エネルギー化を図ることができ、また不要な電波放射を抑制することができる。さらに、外部センサなどを用いて小電力出力の開始タイミングを検知することによって、より一層、省エネルギー化を図ることができる。
また、第1及び第2のコイル31,32の一方または両方に流れる電流の振幅に基づいて第2コイル32と第3コイル41との相対位置が電力伝送効率のよい状態にあることを検出する構成の場合には、第1コイル31に供給する電力の大きさが切り替わるため、安定して検出することができない。それに対して、実施例2によれば、位相差に基づいて第2コイル32と第3コイル41との相対位置が電力伝送効率のよい状態にあることを検出するので、第1コイル31に供給する電力の大きさが切り替わっても、安定して検出することができる。
また、実施例2によれば、バンドパスフィルタ18,19,20や自動利得制御回路21,22,23により波形処理を行ってから位相比較器14で位相差を検出するので、位相差を検出する際のS/N比(Signal to Noise ratio)が向上する。さらに、バンドパスフィルタ18,19,20の中心周波数が、伝送する電力の周波数に一致またはおおよそ一致していることによって、さらにS/Nが向上する。
(実施例3)
・無線電力供給装置及び無線電力供給システムの説明
図14は、実施例3にかかる無線電力供給装置及び無線電力供給システムを示すブロック図である。図15は、実施例3にかかる無線電力供給装置における信号の流れを示すブロック図である。
図14及び図15に示すように、実施例3では、電源アンプ13と第1コイル31との間に、インピーダンスマッチングを行う整合回路71が接続されている。整合回路71は、コントローラ15に接続されていて、コントローラ15の制御によってインピーダンスの整合を取ることができる構成のものである。
・整合回路の一例の説明
図16は、実施例3にかかる無線電力供給装置における整合回路の一例を示す回路図である。図16に示すように、整合回路71は、インダクタ切り替えスイッチ72及びコンデンサ切り替えスイッチ73を備えている。
インダクタ切り替えスイッチ72には、複数のインダクタ74が設けられており、コントローラ15からの制御信号によって第1コイル31に接続されるインダクタが切り替えられる。コンデンサ切り替えスイッチ73には、複数のコンデンサ75が設けられており、コントローラ15からの制御信号によって第1コイル31に接続されるコンデンサが切り替えられる。
コントローラ15は、第1コイル電流の位相差φ1及び第2コイル電流の位相差φ2に基づいて、整合回路71のインダクタ74及びコンデンサ75の組み合わせを変える。整合回路71は、インダクタ74及びコンデンサ75の組み合わせが変わることによって、離散的にインピーダンスマッチングを行う。なお、整合回路71は、例えばコンデンサ75の容量をリニアに変化させることによって、インピーダンスマッチングを連続的に行うようにしてもよい。
・無線電力供給方法の第1の例の説明
図17は、実施例3にかかる無線電力供給方法の第1の例を示すフローチャートである。図17に示すように、無線電力供給装置12において無線電力供給処理が開始されると、コントローラ15は、整合回路71を初期化する(ステップS31)。整合回路71の初期状態におけるインダクタ74及びコンデンサ75の組み合わせは、予め決められている。
次いで、コントローラ15は、上述したステップS11〜ステップS13の処理を行う(ステップS32〜ステップS34)。そして、第1コイル電流の位相差φ1が第1コイル電流に対する第3基準値をクロスするか、または第2コイル電流の位相差φ2が第2コイル電流に対する第3基準値をクロスするまで、待機する(ステップS35:No)。
第3基準値は、整合回路71の切り替えを行ってインピーダンスマッチングを取るための基準値であり、例えば上述した第1基準値と第2基準値との間に、整合回路71の切り替えを行う回数分、設定されている。例えば、整合回路71においてインダクタ74とコンデンサ75とを9通りの組み合わせで切り替える場合には、第1基準値と第2基準値との間に第3基準値が8個設定されていてもよい。この第3基準値は、コントローラ15に内蔵されているメモリや外部のメモリに記憶されていてもよい。
第1コイル電流の位相差φ1が第1コイル電流に対する第3基準値をクロスするか、または第2コイル電流の位相差φ2が第2コイル電流に対する第3基準値をクロスしたら(ステップS35:Yes)、コントローラ15は、整合回路71に切り替えを指示する(ステップS36)。それによって、整合回路71は、インダクタ74とコンデンサ75との組み合わせを切り替える。
インダクタ74とコンデンサ75との組み合わせについては、第1番目の組み合わせ、第2番目の組み合わせ、第3番目の組み合わせ、というように何番目の組み合わせではどのインダクタ74とどのコンデンサ75とを組み合わせるかということが予め決まっていてもよい。そして、コントローラ15から切り替え指示があるたびに、第1番目の組み合わせから順に組み合わせが切り替わるようにしてもよい。この場合、第1番目の組み合わせは、ステップS31で初期化されたときの組み合わせであってもよい。
整合回路71の切り替えが予め設定されている回数分終了するまで(ステップS37:No)、ステップS35〜ステップS37を繰り返し、第1コイル電流の位相差φ1または第2コイル電流の位相差φ2に応じてインピーダンスマッチングを取る。整合回路71の切り替えが予め設定されている回数分終了したら(ステップS37:Yes)、第1コイル電流の位相差φ1が第1コイル電流に対する第2基準値φbをクロスするか、または第2コイル電流の位相差φ2が第2コイル電流に対する第2基準値φdをクロスするまで、待機する(ステップS38:No)。第1コイル電流の位相差φ1が第1コイル電流に対する第2基準値φbをクロスするか、または第2コイル電流の位相差φ2が第2コイル電流に対する第2基準値φdをクロスしたら(ステップS38:Yes)、コントローラ15は、一連の処理を終了する。
・無線電力供給方法の第2の例の説明
第2の例は、実施例2における無線電力供給方法の第2の例と同様である。すなわち、外部センサにより、移動体が、第2コイル32に位相差検出を行い得る程度に接近したことを検知すると、電源アンプ13の小電力出力が開始される。
図18及び図19は、実施例3にかかる無線電力供給方法の第2の例を示すフローチャートであり、図19は、図18の続きである。図18及び図19に示すように、無線電力供給装置12において無線電力供給処理が開始された後、外部センサにより移動体が接近したことを検知するまで待機する(ステップS41:No)。移動体が接近したことを検知すると(ステップS41:Yes)、コントローラ15は、上述したステップS31〜ステップS38の処理を行う(ステップS42〜ステップS49)。
第1コイル電流の位相差φ1が第1コイル電流に対する第2基準値φbをクロスするか、または第2コイル電流の位相差φ2が第2コイル電流に対する第2基準値φdをクロスしたら(ステップS49:Yes)、コントローラ15は、上述したステップS26〜ステップS27の処理を行う(ステップS50〜ステップS51)。そして、コントローラ15は、一連の処理を終了する。
実施例3によれば、実施例2と同様の効果が得られる。また、実施例3によれば、第1コイル電流の位相差φ1または第2コイル電流の位相差φ2に応じて整合回路71の切り替えを行ってインピーダンスマッチングを取るので、不要な反射電力を抑えることができる。
上述した実施の形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)磁界共鳴を用いて電力を磁界エネルギーとして送出する送電コイルに、前記送電コイルと受電コイルとの間で磁界共鳴を生じさせる共振周波数で電力を供給する電力供給部と、
前記送電コイルに印加される電圧に対する前記送電コイルに流れる電流の位相差を検出する検出部と、
前記位相差に基づいて前記電力供給部が供給する電力の大きさを切り替える制御部と、
を備えることを特徴とする無線電力供給装置。
(付記2)前記制御部は、前記位相差が第1基準値に達すると前記電力を、前記位相差が前記第1基準値に達する前よりも大きくし、前記位相差が第2基準値に達すると前記電力を、前記位相差が前記第2基準値に達する前よりも小さくするか、または停止することを特徴とする付記1に記載の無線電力供給装置。
(付記3)前記第1基準値及び前記第2基準値は、前記送電コイルから前記受電コイルへ伝送される電力の伝送効率に基づいて設定されていることを特徴とする付記2に記載の無線電力供給装置。
(付記4)前記送電コイルには、前記電力供給部から電力が供給される第1コイルと、前記第1コイルとの間で生じる電磁誘導により前記第1コイルから供給された電力を磁界共鳴により前記受電コイルへ送出する第2コイルと、が含まれており、
前記検出部は、前記第1コイルに流れる電流及び前記第2コイルに流れる電流の一方または両方について、前記送電コイルに印加される電圧に対する位相差を検出することを特徴とする付記1〜3のいずれか一つに記載の無線電力供給装置。
(付記5)磁界共鳴を用いて電力を磁界エネルギーとして送出する送電コイルと、
前記送電コイルに、前記送電コイルと受電コイルとの間で磁界共鳴を生じさせる共振周波数で電力を供給する電力供給部と、
前記送電コイルに印加される電圧に対する前記送電コイルに流れる電流の位相差を検出する検出部と、
前記位相差に基づいて前記電力供給部が供給する電力の大きさを切り替える制御部と、
を備えることを特徴とする無線電力供給システム。
(付記6)前記制御部は、前記位相差が第1基準値に達すると前記電力を、前記位相差が前記第1基準値に達する前よりも大きくし、前記位相差が第2基準値に達すると前記電力を、前記位相差が前記第2基準値に達する前よりも小さくするか、または停止することを特徴とする付記5に記載の無線電力供給システム。
(付記7)前記第1基準値及び前記第2基準値は、前記送電コイルから前記受電コイルへ伝送される電力の伝送効率に基づいて設定されていることを特徴とする付記6に記載の無線電力供給システム。
(付記8)前記送電コイルには、前記電力供給部から電力が供給される第1コイルと、前記第1コイルとの間で生じる電磁誘導により前記第1コイルから供給された電力を磁界共鳴により前記受電コイルへ送出する第2コイルと、が含まれており、
前記検出部は、前記第1コイルに流れる電流及び前記第2コイルに流れる電流の一方または両方について、前記送電コイルに印加される電圧に対する位相差を検出することを特徴とする付記5〜7のいずれか一つに記載の無線電力供給システム。
(付記9)前記送電コイルとの間で生じる磁界共鳴により前記送電コイルから電力が伝送される前記受電コイル、をさらに備えることを特徴とする付記5に記載の無線電力供給システム。
(付記10)磁界共鳴を用いて電力を磁界エネルギーとして送出する送電コイルに、前記送電コイルと受電コイルとの間で磁界共鳴を生じさせる共振周波数で電力を供給し、
前記送電コイルに印加される電圧に対する前記送電コイルに流れる電流の位相差を検出し、
前記位相差に基づいて前記送電コイルに供給する前記電力の大きさを切り替えることを特徴とする無線電力供給方法。
(付記11)前記位相差が第1基準値に達すると前記電力を、前記位相差が前記第1基準値に達する前よりも大きくし、前記位相差が第2基準値に達すると前記電力を、前記位相差が前記第2基準値に達する前よりも小さくするか、または停止することを特徴とする付記10に記載の無線電力供給方法。
(付記12)前記第1基準値及び前記第2基準値は、前記送電コイルから前記受電コイルへ伝送される電力の伝送効率に基づいて設定されていることを特徴とする付記11に記載の無線電力供給方法。
(付記13)前記送電コイルには、電力が供給される第1コイルと、前記第1コイルとの間で生じる電磁誘導により前記第1コイルから供給された電力を磁界共鳴により前記受電コイルへ送出する第2コイルと、が含まれており、
前記第1コイルに流れる電流及び前記第2コイルに流れる電流の一方または両方について、前記送電コイルに印加される電圧に対する位相差を検出することを特徴とする付記10〜12のいずれか一つに記載の無線電力供給方法。
1,11 無線電力供給システム
2,12 無線電力供給装置
3,13 電力供給部
4,14 検出部
5,15 制御部
6,31,32 送電コイル
7,41,42 受電コイル

Claims (13)

  1. 磁界共鳴を用いて電力を磁界エネルギーとして送出する送電コイルに、前記送電コイルと受電コイルとの間で磁界共鳴を生じさせる共振周波数で電力を供給する電力供給部と、
    前記送電コイルに印加される電圧に対する前記送電コイルに流れる電流の位相差を検出する検出部と、
    前記位相差に基づいて前記電力供給部が供給する電力の大きさを切り替える制御部と、
    を備えることを特徴とする無線電力供給装置。
  2. 前記制御部は、前記位相差が第1基準値に達すると前記電力を、前記位相差が前記第1基準値に達する前よりも大きくし、前記位相差が第2基準値に達すると前記電力を、前記位相差が前記第2基準値に達する前よりも小さくするか、または停止することを特徴とする請求項1に記載の無線電力供給装置。
  3. 前記第1基準値及び前記第2基準値は、前記送電コイルから前記受電コイルへ伝送される電力の伝送効率に基づいて設定されていることを特徴とする請求項2に記載の無線電力供給装置。
  4. 前記送電コイルには、前記電力供給部から電力が供給される第1コイルと、前記第1コイルとの間で生じる電磁誘導により前記第1コイルから供給された電力を磁界共鳴により前記受電コイルへ送出する第2コイルと、が含まれており、
    前記検出部は、前記第1コイルに流れる電流及び前記第2コイルに流れる電流の一方または両方について、前記送電コイルに印加される電圧に対する位相差を検出することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の無線電力供給装置。
  5. 磁界共鳴を用いて電力を磁界エネルギーとして送出する送電コイルと、
    前記送電コイルに、前記送電コイルと受電コイルとの間で磁界共鳴を生じさせる共振周波数で電力を供給する電力供給部と、
    前記送電コイルに印加される電圧に対する前記送電コイルに流れる電流の位相差を検出する検出部と、
    前記位相差に基づいて前記電力供給部が供給する電力の大きさを切り替える制御部と、
    を備えることを特徴とする無線電力供給システム。
  6. 前記制御部は、前記位相差が第1基準値に達すると前記電力を、前記位相差が前記第1基準値に達する前よりも大きくし、前記位相差が第2基準値に達すると前記電力を、前記位相差が前記第2基準値に達する前よりも小さくするか、または停止することを特徴とする請求項5に記載の無線電力供給システム。
  7. 前記第1基準値及び前記第2基準値は、前記送電コイルから前記受電コイルへ伝送される電力の伝送効率に基づいて設定されていることを特徴とする請求項6に記載の無線電力供給システム。
  8. 前記送電コイルには、前記電力供給部から電力が供給される第1コイルと、前記第1コイルとの間で生じる電磁誘導により前記第1コイルから供給された電力を磁界共鳴により前記受電コイルへ送出する第2コイルと、が含まれており、
    前記検出部は、前記第1コイルに流れる電流及び前記第2コイルに流れる電流の一方または両方について、前記送電コイルに印加される電圧に対する位相差を検出することを特徴とする請求項5〜7のいずれか一つに記載の無線電力供給システム。
  9. 前記送電コイルとの間で生じる磁界共鳴により前記送電コイルから電力が伝送される前記受電コイル、をさらに備えることを特徴とする請求項5に記載の無線電力供給システム。
  10. 磁界共鳴を用いて電力を磁界エネルギーとして送出する送電コイルに、前記送電コイルと受電コイルとの間で磁界共鳴を生じさせる共振周波数で電力を供給し、
    前記送電コイルに印加される電圧に対する前記送電コイルに流れる電流の位相差を検出し、
    前記位相差に基づいて前記送電コイルに供給する前記電力の大きさを切り替えることを特徴とする無線電力供給方法。
  11. 前記位相差が第1基準値に達すると前記電力を、前記位相差が前記第1基準値に達する前よりも大きくし、前記位相差が第2基準値に達すると前記電力を、前記位相差が前記第2基準値に達する前よりも小さくするか、または停止することを特徴とする請求項10に記載の無線電力供給方法。
  12. 前記第1基準値及び前記第2基準値は、前記送電コイルから前記受電コイルへ伝送される電力の伝送効率に基づいて設定されていることを特徴とする請求項11に記載の無線電力供給方法。
  13. 前記送電コイルには、電力が供給される第1コイルと、前記第1コイルとの間で生じる電磁誘導により前記第1コイルから供給された電力を磁界共鳴により前記受電コイルへ送出する第2コイルと、が含まれており、
    前記第1コイルに流れる電流及び前記第2コイルに流れる電流の一方または両方について、前記送電コイルに印加される電圧に対する位相差を検出することを特徴とする請求項10〜12のいずれか一つに記載の無線電力供給方法。
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