JPWO2013042234A1 - 物体運動解析装置、物体運動解析方法、及び物体運動解析プログラム - Google Patents
物体運動解析装置、物体運動解析方法、及び物体運動解析プログラム Download PDFInfo
- Publication number
- JPWO2013042234A1 JPWO2013042234A1 JP2013534537A JP2013534537A JPWO2013042234A1 JP WO2013042234 A1 JPWO2013042234 A1 JP WO2013042234A1 JP 2013534537 A JP2013534537 A JP 2013534537A JP 2013534537 A JP2013534537 A JP 2013534537A JP WO2013042234 A1 JPWO2013042234 A1 JP WO2013042234A1
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- motion analysis
- particles
- repulsive force
- particle
- object motion
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Images
Classifications
-
- G—PHYSICS
- G01—MEASURING; TESTING
- G01P—MEASURING LINEAR OR ANGULAR SPEED, ACCELERATION, DECELERATION, OR SHOCK; INDICATING PRESENCE, ABSENCE, OR DIRECTION, OF MOVEMENT
- G01P15/00—Measuring acceleration; Measuring deceleration; Measuring shock, i.e. sudden change of acceleration
- G01P15/02—Measuring acceleration; Measuring deceleration; Measuring shock, i.e. sudden change of acceleration by making use of inertia forces using solid seismic masses
-
- G—PHYSICS
- G06—COMPUTING; CALCULATING OR COUNTING
- G06F—ELECTRIC DIGITAL DATA PROCESSING
- G06F30/00—Computer-aided design [CAD]
- G06F30/20—Design optimisation, verification or simulation
-
- G—PHYSICS
- G06—COMPUTING; CALCULATING OR COUNTING
- G06F—ELECTRIC DIGITAL DATA PROCESSING
- G06F2111/00—Details relating to CAD techniques
- G06F2111/10—Numerical modelling
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Physics & Mathematics (AREA)
- Theoretical Computer Science (AREA)
- General Physics & Mathematics (AREA)
- Computer Hardware Design (AREA)
- Evolutionary Computation (AREA)
- Geometry (AREA)
- General Engineering & Computer Science (AREA)
- Management, Administration, Business Operations System, And Electronic Commerce (AREA)
Abstract
第1の物体を表現した複数の粒子を含む第1の粒子群の物理量に関するデータに基づき、前記第1の粒子群に含まれる前記複数の粒子の間を接続する接続要素を生成する生成部と、第2の物体に含まれる第2の粒子の物理量に関するデータを参照し、前記第2の粒子と前記生成された接続要素との最短距離を算出して、前記第1の物体と前記第2の粒子との間に作用する反発力を算出する算出部と、前記算出された反発力を用いて、前記第1の物体及び前記第2の物体の運動を解析する解析部と、を有することを特徴とする物体運動解析装置。
Description
本発明は、物体同士の反発力を算出して物体の運動を解析する物体運動解析装置、物体運動解析方法及び物体解析運動プログラムに関する。
従来、コンピュータ上で物体の運動を再現して挙動を解析する試みが、種々の分野で行われている。コンピュータによる物体の運動の再現結果は、例えば、クラブで打たれたゴルフボールの動き、津波を浴びた建築物の耐性、液体等を収容する容器に取り付けられたゴム膜の挙動等を調べるのに、広く利用することができる。
このような運動解析対象となる物体には、流体や弾性体が含まれる。従来、流体や弾性体等の連続体を解く数値計算手法として、格子をベースにして微分方程式の近似解を求解する有限差分法や有限要素法、有限体積法等が多く用いられてきた。近年では、数値計算をCAE(Computer Aided Engineering)などの応用分野で活用するため、これらの数値計算手法も発展し、流体と構造物が相互作用する問題が解かれるようになってきた。しかしながら、格子を用いる手法においては、自由表面などの界面の存在する問題や、流体-構造連成問題等の移動境界が発生する場合には、取り扱いが複雑なため、プログラム作成が困難となる場合が多い。
これに対して、物体を粒子の集合として解析する粒子法が知られている。代表的な粒子法としては、MPS(Moving Particle Semi-implicit)法やSPH(Smoothed Particle Hydrodynamics)法等が知られている(例えば、非特許文献1、2参照)。粒子法では、移動境界の取り扱いに特別な処置を必要としないため、粒子法は流体−構造連成問題にも広く用いられるようになっている。
これに関連し、流体を表した第1の粒子毎に、及び流体に接触する壁を表した第2の粒子毎に、速度、位置、圧力に関するデータを記録しておき、接触角を加味して流体の挙動を解析する解析装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
ところで、粒子法の計算では、連続体を粒子分布に分けて、連続体の応力による合力を粒子間の相互作用の力の和として表現する。そして、粒子同士が互いに近づこうとする場合には、圧力が大きくなって反発力が発生し、粒子が余りに密集したり疎になったりしない仕組みになっている。
相互作用は、粒子の分布から連続場を構成するのに用いられるカーネル関数による重ね合わせにより表現される。例えばSPH法の場合、流体の運動を解く問題は、例えば、次式(1)〜(4)で表される常微分方程式系に帰着される。式(1)、(2)は、流体の運動量保存則を離散化したものであり、式(3)は、質量保存則を離散化したものである。また、式(4)は、流体の方程式であり、ここでは密度と圧力が線形の関係となる単純な例を挙げているが、式(4)とは異なる状態方程式を採用することも出来る。式中、添え字iは、粒子の番号を表している。i番目の粒子の位置ベクトル、速度ベクトル、密度、圧力はそれぞれ#ri、#vi、ρi、piである。ここで、「#」は、後に続くアルファベットがベクトルであることを示すものとする。また、mjはj番目の粒子の質量を示している。
上式(3)におけるWには、カーネル関数として3次のスプライン関数などが用いられる。当該関数が次式(5)で表される場合、hはカーネル関数が値をもつ範囲を表す。
hは粒子間の影響半径であり、初期状態の平均粒子間隔の2倍から3倍程度が良く用いられる。βはカーネル関数の全空間積分量が1になるように調整された値であり、二次元の場合は0.7πh2、三次元の場合はπh3と決められる。
SPH法では、式(3)より、粒子同士が近づこうとすると密度が大きくなろうとし、式(4)より、密度が大きくなると圧力が大きくなり、式(2)より、圧力が大きい方から小さい方へと力が働くため、粒子が反発力を得るという仕組みになっている。図1は、接近する粒子i、jが互いに反発力fを得る様子を示す図である。
このように、従来の粒子法による計算手法では、境界に固定した粒子を配置することで、境界に近づこうとする粒子に反発力を発生させ、不透性条件(物体が他の物体の境界を突き抜けないこと)を表現している。流体-構造連成の場合には、構造物の境界粒子が受ける圧力に基づいて、流体と構造物の相互作用を表現している。図2は、流体を構成する粒子D1が、壁の粒子E1、E2、…から反発力fを受ける様子を示す図である。
S.Koshizuka, A.Nobe and Y.Oka, "Numerical Analysis of Breaking Waves Using The Moving Particle Semi-Implicit Method", International Journal for Numerical Method in Fluids, 26:751-769(1998)
J.J.Monaghan, "Smoothed Particle Hydrodynamics", Annu. Rev. Astron. Astrophys. 30: 543-74(1992)
しかしながら、粒子法を用いた従来の手法では、流体の粒子が構造物の境界を越えない、という境界条件を保障することができない。図3は、粒子法を用いた従来の手法において、境界条件を満たさなくなる場面を示す図である。従来の手法では、壁側の物体が伸展、変形等して粒子間隔が大きくなり、接近する粒子D1の影響半径hの2倍を超えた場合、壁側の物体を構成する粒子から十分な反発力を受けず、境界を突き抜けてしまうという非物理的な計算結果が出力されてしまう。
1つの側面では、解析結果が非物理的な挙動を示してしまうことを抑制することが可能な物体運動解析装置等を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための本発明の一態様は、第1の物体を表現した複数の粒子を含む第1の粒子群の物理量に関するデータに基づき、前記第1の粒子群に含まれる前記複数の粒子の間を接続する接続要素を生成する生成部と、第2の物体に含まれる第2の粒子の物理量に関するデータを参照し、前記第2の粒子と前記生成された接続要素との最短距離を算出して、前記第1の物体と前記第2の粒子との間に作用する反発力を算出する算出部と、前記算出された反発力を用いて、前記第1の物体及び前記第2の物体の運動を解析する解析部と、を有することを特徴とする物体運動解析装置である。
1つの側面では、解析結果が非物理的な挙動を示してしまうことを抑制することが可能な、物体運動解析装置、物体運動解析方法、及び物体運動解析プログラムを提供することができる。
以下、本発明を実施するための形態について、添付図面を参照しながら実施例を挙げて説明する。第1実施例では二次元平面上での運動解析について説明し、第2実施例では三次元空間上での運動解析について説明し、第3実施例では、二次元の流体−構造連成問題における運動解析について説明する。
なお、図面及び数式内ではベクトル表記を採用するが、文章中では、「#」が、後に続くアルファベットがベクトルであることを示すものとする。
<第1実施例>
以下、本発明の第1実施例に係る物体運動解析装置、物体運動解析方法及び物体運動解析プログラムについて説明する。
以下、本発明の第1実施例に係る物体運動解析装置、物体運動解析方法及び物体運動解析プログラムについて説明する。
[ハードウエア構成]
図4は、本発明の第1実施例に係る物体運動解析装置1のハードウエア構成例である。物体運動解析装置1は、例えば、CPU(Central Processing Unit)10と、ドライブ装置12と、補助記憶装置16と、メモリ装置18と、インターフェース装置20と、入力装置22と、ディスプレイ装置24と、を備える情報処理装置である。これらの構成要素は、バスやシリアル回線等を介して接続されている。
図4は、本発明の第1実施例に係る物体運動解析装置1のハードウエア構成例である。物体運動解析装置1は、例えば、CPU(Central Processing Unit)10と、ドライブ装置12と、補助記憶装置16と、メモリ装置18と、インターフェース装置20と、入力装置22と、ディスプレイ装置24と、を備える情報処理装置である。これらの構成要素は、バスやシリアル回線等を介して接続されている。
CPU10は、例えば、プログラムカウンタや命令デコーダ、各種演算器、LSU(Load Store Unit)、汎用レジスタ等を有するプロセッサである。
ドライブ装置12は、記憶媒体14からプログラムやデータを読み込み可能な装置である。プログラムを記録した記憶媒体14がドライブ装置12に装着されると、プログラムが記憶媒体14からドライブ装置12を介して補助記憶装置16にインストールされる。記憶媒体14は、例えば、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disk)、USB(Universal Serial Bus)メモリ等の可搬型の記憶媒体である。また、補助記憶装置16は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリである。
プログラムのインストールは、上記のように記憶媒体14を用いる他、インターフェース装置20がネットワークを介して他のコンピュータよりダウンロードし、補助記憶装置16にインストールすることによって行うこともできる。ネットワークは、インターネット、LAN(Local Area Network)、無線ネットワーク等である。また、プログラムは、情報処理装置の出荷時に、予め補助記憶装置16やROM(Read Only Memory)等に格納されていてもよい。
このようにしてインストール又は予め格納されたプログラムをCPU10が実行することにより、図4に示す態様の情報処理装置が、本実施例の物体運動解析装置1として機能することができる。
メモリ装置18は、例えば、RAM(Random Access Memory)やEEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)である。インターフェース装置20は、上記ネットワークとの接続等を制御する。
入力装置22は、例えば、キーボードやマウス、タッチパッド、タッチパネル、マイク等である。また、ディスプレイ装置24は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)やCRT(Cathode Ray Tube)等の表示装置である。物体運動解析装置1は、ディスプレイ装置24の他、プリンタ、スピーカ等の他の種類の出力装置を備えてもよい。
[機能構成]
図5は、本発明の第1実施例に係る物体運動解析装置1の機能構成例である。物体運動解析装置1は、パラメータ入力部30と、パネル要素生成部32と、反発力算出部34と、運動解析部36と、を備える。これらの機能ブロックは、補助記憶装置16等に格納されたプログラム・ソフトウエアをCPU10が実行することにより機能する。なお、これらの機能ブロックが明確に分離したプログラムによって実現される必要はなく、サブルーチンや関数として他のプログラムによって呼び出されるものであってもよい。また、機能ブロックの一部が、IC(Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウエア手段であっても構わない。
図5は、本発明の第1実施例に係る物体運動解析装置1の機能構成例である。物体運動解析装置1は、パラメータ入力部30と、パネル要素生成部32と、反発力算出部34と、運動解析部36と、を備える。これらの機能ブロックは、補助記憶装置16等に格納されたプログラム・ソフトウエアをCPU10が実行することにより機能する。なお、これらの機能ブロックが明確に分離したプログラムによって実現される必要はなく、サブルーチンや関数として他のプログラムによって呼び出されるものであってもよい。また、機能ブロックの一部が、IC(Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウエア手段であっても構わない。
パラメータ入力部30は、解析対象の物体を構成する粒子の座標、速度、結合関係、質量等に関する物理量のデータの入力を受け付け、メモリ装置18に格納する。これらのデータは、予め補助記憶装置16に格納されていたものであってもよいし、ユーザが入力装置22を用いて入力したものであってもよい。また、これらのデータは、記憶媒体14から補助記憶装置16にインストールされたものであってもよいし、インターフェース装置20によりネットワークから取得されたものであってもよい。
入力される解析対象の物体の態様は如何なる態様であってもよい。本実施例では、特に、ある平面上に存在する物体Dに含まれる粒子D1と、同一平面上に存在する他の物体Eに含まれる複数の粒子(E1、E2、E3、…)と、の間に作用する反発力を算出する手法について説明する。係る反発力以外の物理量(重力や速度、回転速度等)については、他の一般的な物理的手法を用いて算出すればよい。
なお、以下では物体Dが単一粒子の物体であるかのように説明するが、例えば第3実施例で説明するように、物体Dに含まれる複数の粒子が、それぞれ反発力を物体Eから受けるものとして運動を解析することも可能である。
パネル要素生成部32は、メモリ装置18に格納されたデータを読み込み、物体Eの外縁(境界線)に位置する粒子(E1、E2、E3、…)を抽出してメモリ装置18に格納する。そして、パネル要素生成部32は、抽出した粒子を直線で連結し、粒子間を接続する各線分を接続要素である各パネル要素iと定義してメモリ装置18に格納する。図6は、物体Eの外縁に位置する粒子からパネル要素i(i12、i23、i34、…)を設定する様子を示す図である。
以下、パネル要素iは、始点の座標#rs,iと、終点の座標#re,iで特定されるものとする。
反発力算出部34は、まず、粒子D1と、上記設定した各パネル要素との最短距離を算出する。ここでは、粒子D1の位置を点#pとする。反発力算出部34は、例えば次式(6)〜(8)で表される量を算出し、粒子D1とパネル要素iとの位置関係を定義する。
式(8)におけるD#p,iが0<D#p,i<1の範囲にある場合は、点#pからパネル要素iへの垂線が、パネル要素iと交わるような位置関係にある。この場合、反発力算出部34は、パネル要素iに落とした垂線の長さを、点#pとパネル要素iとの最短距離として採用する。一方、反発力算出部34は、D#p,iがD#p,i≦0又は1≦D#p,iの範囲にある場合は、パネル要素iの両端である点#rs,iと点#re,iのうち点#pから近い方の点と点#pとの距離を、点#pとパネル要素iとの最短距離として採用する。
図7は、D#p,iが0<D#p,i<1の範囲にある場合の位置関係及び最短距離を示す図であり、図8は、D#p,iがD#p,i≦0又は1≦D#p,iの範囲にある場合の位置関係及び最短距離を示す図である。
点#pとパネル要素iとの最短距離d#p,2(#rs,i,#re,i)は、次式(9)、(10)によって求められる。
反発力算出部34は、各パネル要素(i=1〜n)について、点#pとの最短距離d#p,2(#rs,i,#re,i)を計算する。そして、反発力算出部34は、次式(11)により、各パネル要素(i=1〜n)についての点#pとの最短距離d#p,2(#rs,i,#re,i)のうち最も値の小さい距離d#p,min,2を抽出し、距離d#p,min,2に基づき次式(12)によりポテンシャル関数ψを定義する。図9は、ポテンシャル関数ψの性質を示す図である。図示するようにポテンシャル関数ψは、距離d#p,min,2がゼロに近づくと値及び傾斜が大きくなり、距離d#p,min,2がr0に近づくとゼロに漸近する。更に、反発力算出部34は、ポテンシャル関数ψを微分することによって、粒子D1と物体Eとの間に作用する反発力fD1Eを算出する。図9に示すポテンシャル関数ψの性質から、反発力fD1Eは、距離d#p,min,2が減少してゼロに近づくと値が大きくなり、距離d#p,min,2が増加してr0に近づくとゼロに近づく傾向を有している。図10は、粒子D1と物体Eとの間に作用する反発力fD1Eを模式的に示す図である。図中、i45が、粒子D1との最短距離が最も小さい(すなわち粒子D1に最も近い)パネル要素である。
運動解析部36は、反発力算出部34によって算出された反発力fD1E、及びその他の物理量(重力や速度、回転速度等)を用いて、物体D及びEの運動を解析する。物体に作用する力に基づく運動解析については、既に種々の手法が公知となっているため、説明を省略する。
ここで、従来の手法との比較について説明する。前述したように、粒子法を用いた従来の手法では、壁側の物体が伸展、変形等して粒子間隔が大きくなると、接近する粒子が壁側の物体を構成する粒子から十分な反発力を受けず、境界を突き抜けてしまうという非物理的な計算結果が出力されてしまう場合がある。また、これを避けるために、構造物の境界に多くの粒子を配置すると、計算量が大幅に増加してしまう。
この点、本実施例の物体運動解析装置1では、物体Dから、物体Eの粒子間を接続するパネル要素までの最短距離に基づいて反発力を計算するため、仮に物体Eが大きく変形した場合でも、物体が境界を突き抜けるような計算結果は出力されない。また、物体Eの外縁(境界線)に多くの粒子を設定しなくとも物体Eの外縁をパネル要素で隙間無く覆うことができるため、計算コストの増加を抑制することができる。従って、非物理的な挙動を防止しつつ迅速に結果を出力することができる。
以上説明した本実施例の物体運動解析装置、物体運動解析方法及び物体運動解析プログラムによれば、非物理的な挙動を防止しつつ迅速に結果を出力することができる。
<第2実施例>
以下、本発明の第2実施例に係る物体運動解析装置、物体運動解析方法及び物体運動解析プログラムについて説明する。
以下、本発明の第2実施例に係る物体運動解析装置、物体運動解析方法及び物体運動解析プログラムについて説明する。
[ハードウエア構成]については、第1実施例と同様であるため、説明を省略する。
[機能構成]
図11は、本発明の第2実施例に係る物体運動解析装置2の機能構成例である。物体運動解析装置2は、パラメータ入力部40と、パネル要素生成部42と、反発力算出部44と、運動解析部46と、を備える。これらの機能ブロックは、補助記憶装置16等に格納されたプログラム・ソフトウエアをCPU10が実行することにより機能する。なお、これらの機能ブロックが明確に分離したプログラムによって実現される必要はなく、サブルーチンや関数として他のプログラムによって呼び出されるものであってもよい。また、機能ブロックの一部が、IC(Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウエア手段であっても構わない。
図11は、本発明の第2実施例に係る物体運動解析装置2の機能構成例である。物体運動解析装置2は、パラメータ入力部40と、パネル要素生成部42と、反発力算出部44と、運動解析部46と、を備える。これらの機能ブロックは、補助記憶装置16等に格納されたプログラム・ソフトウエアをCPU10が実行することにより機能する。なお、これらの機能ブロックが明確に分離したプログラムによって実現される必要はなく、サブルーチンや関数として他のプログラムによって呼び出されるものであってもよい。また、機能ブロックの一部が、IC(Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウエア手段であっても構わない。
パラメータ入力部40は、物体を構成する粒子の座標、速度、結合関係、質量等に関するデータの入力を受け付け、メモリ装置18に格納する。本実施例のパラメータ入力部40が受け付ける物理量のデータは、予め補助記憶装置16に格納されていたものであってもよいし、ユーザが入力装置22を用いて入力したものであってもよい。また、これらのデータは、記憶媒体14から補助記憶装置16にインストールされたものであってもよい。入力される物体の態様は如何なる態様をもとり得るが、本実施例では、特に、ある空間に存在する物体Dに含まれる粒子D1と、同一空間に存在する他の物体Eに含まれる複数の粒子(E1、E2、E3、…)と、の間に作用する反発力を算出する手法について説明する。係る反発力以外の物理量(重力や速度、回転速度等)については、他の一般的な物理的手法を用いて算出すればよい。
パネル要素生成部42は、メモリ装置18に格納されたデータを読み込み、物体Eの外縁(境界面)に位置する粒子(E1、E2、E3、…)を抽出してメモリ装置18に格納する。そして、パネル要素生成部32は、抽出した粒子をメッシュ状に連結し、三粒子間を接続する線分によって区画される三角形の面を、接続要素であるパネル要素iと定義してメモリ装置18に格納する。図12は、物体Eの外縁に位置する粒子からパネル要素i(i123、i234、…)を設定する様子を示す図である。なお、三次元で解析を行う場合のパネル要素iは、三角形に限らず、四角形その他の形状を有してもよい。
以下、パネル要素iは、三点の座標#r1,i,#r2,i,#r3,iで特定されるものとする。
反発力算出部44は、まず、粒子D1と、上記設定された各パネル要素との最短距離を算出する。以下、第1実施例と同様、粒子D1の位置を点#pとする。反発力算出部44は、以下の手順で、点#pと、三点で構成される閉領域である三角形パネル要素iとの最短距離を算出する。
まず、反発力算出部44は、点#pから三角形パネル要素iを含む平面への射影点#hiを求める。図13は、点#pから三角形パネル要素iを含む平面への射影点#hiを求める様子を示す図である。
反発力算出部44は、射影点#hiが三角形パネル要素iに含まれる場合は、点#pから射影点#hiまでの長さを最短距離とする。
一方、反発力算出部44は、射影点#hiが三角形パネル要素iに含まれない場合は、点#pから、三角形パネル要素iの外縁線において射影点#hiに最も近い点までの距離を最短距離とする。
以下、上記の手順を数式により表す。まず、点#pから三角形パネル要素iを含む平面への射影点#hiは、次式(13)により表される。
ここで、d#r2,i=r2,i−r1,i、d#r3,i=r3,i−r1,iとすると、#p−#hiは、d#r2,iとd#r3,iに対して垂直であるから、次式(14)、(15)が成立する。この両式を満たすようにパラメータs2、s3を決定することで、射影点#hiを求めることができる。
反発力算出部44は、射影点#hiを求めると、以下のように場合分けして、各点#pと三角形パネル要素iとの最短距離を算出する。
(1)s2≧0,s3≧0,且つs2+s3≧1の場合は、射影点#hiが三角形パネル要素iに含まれるため、点#pと各三角形パネル要素iとの最短距離d#p,3(#r1,i,#r2,i,#r3,i)は、次式(16)で表される。
(2)s2<0,s3<0,且つs2+s3≧1の場合は、射影点#hiが図14における領域Q1に存在することになる。図14は、粒子E1の位置から各三角形パネル要素iを含む平面への射影点が存在する領域を場合分けした図である。この場合、点#pと各三角形パネル要素iとの最短距離d#p,3(#r1,i,#r2,i,#r3,i)を求める問題は、点#pと線分の最短距離を求める問題となる。従って、反発力算出部44は、第1実施例の手法を援用し、#rs,i=#r2,i、#re,i=#r3,iと代入して求めた次式(17)の値を、点#pと接続要素である三角形パネル要素iとの最短距離d#p,3(#r1,i,#r2,i,#r3,i)とする。
(3)s2≧0,s3<0,且つs2+s3≧1の場合は、射影点#hiが図14における領域Q2に存在することになる。この場合も、点#pと各三角形パネル要素iとの最短距離d#p,3(#r1,i,#r2,i,#r3,i)を求める問題は、点#pと線分の最短距離を求める問題となる。従って、反発力算出部44は、第1実施例の手法を援用し、#rs,i=#r1,i、#re,i=#r2,iと代入して求めた次式(18)の値を、点#pと接続要素である三角形パネル要素iとの最短距離d#p,3(#r1,i,#r2,i,#r3,i)とする。
(4)s2<0,s3≧0,且つs2+s3≧1の場合は、射影点#hiが図14における領域Q3に存在することになる。この場合も、点#pと各三角形パネル要素iとの最短距離d#p,3(#r1,i,#r2,i,#r3,i)を求める問題は、点#pと線分の最短距離を求める問題となる。従って、反発力算出部44は、第1実施例の手法を援用し、#rs,i=#r3,i、#re,i=#r1,iと代入して求めた次式(19)の値を、点#pと接続要素である三角形パネル要素iとの最短距離d#p,3(#r1,i,#r2,i,#r3,i)とする。
(5)上記(1)〜(4)以外の場合は、射影点#hiと各三角形パネル要素iとの最短距離d#p,3(#r1,i,#r2,i,#r3,i)は、射影点#hiと各三角形パネル要素iのいずれかの頂点との距離となる。従って、反発力算出部44は、次式(20)に基づき点#pと各三角形パネル要素iとの最短距離d#p,3(#r1,i,#r2,i,#r3,i)を算出する。
反発力算出部44は、以上の手順によって、各三角形パネル要素iについて、点#pとの最短距離d#p,3(#r1,i,#r2,i,#r3,i)を算出する。そして、次式(21)により、各三角形パネル要素iについての点#pとの最短距離d#p,3(#r1,i,#r2,i,#r3,i)のうち、最も値の小さい距離d#p,min,3を算出する。更に、反発力算出部44は、距離d#p,min,3に基づき、次式(22)によりポテンシャル関数ψを定義し、ポテンシャル関数ψを微分することによって、粒子D1と物体Eとの間に作用する反発力fD1Eを算出する。
運動解析部46は、反発力算出部44によって算出された反発力fD1E、及びその他の物理量(重力や速度、回転速度等)を考慮し、物体D及びEの運動を解析する。物体に作用する力に基づく運動解析については、既に種々の手法が公知となっているため、説明を省略する。
以下、上記説明した反発力算出部44の処理を、フローチャートの形式で説明する。図15は、第2実施例の反発力算出部44により実行される処理の流れを示すフローチャートである。本フローでは、物体Dが複数の粒子(D1、D2、D3、…)を含むものとする。
反発力算出部44は、S100〜S112の処理を、物体Dを構成する各粒子Dj(j=1〜k)について実行する。また、反発力算出部44は、S100〜S108の処理を、各三角形パネル要素i(i=1〜n)について実行する。
反発力算出部44は、粒子Djから三角形パネル要素iを含む平面への射影点#hiを求める(S100)。
次に、反発力算出部44は、射影点が三角形パネル要素iに含まれるか否かを判定する(S102)。
反発力算出部44は、射影点が三角形パネル要素iに含まれる場合には、粒子Djから射影点までの距離を、粒子Djから三角形パネル要素iまでの最短距離とする(S104)。
反発力算出部44は、射影点が三角形パネル要素iに含まれない場合には、三角形パネル要素iの外縁線(頂点を含む)上で、粒子Djから最も近い点を抽出する(S106)。次に、反発力算出部44は、粒子Djから抽出した点までの距離を、粒子Djから三角形パネル要素iまでの最短距離とする(S108)。
反発力算出部44は、S100〜S108の処理を全ての三角形パネル要素iについて実行すると、各三角形パネル要素iについて算出した最短距離の中で、最も値が小さいものを抽出する(S110)。
そして、反発力算出部44は、抽出した値を用いて、粒子Djと物体Eと間の反発力を表すポテンシャル関数を算出する(S112)。
このような処理によって奏される効果は、第1実施例と同様である。従って、従来技術との比較等については、第1実施例の説明を三次元に拡張すればよいため、説明を省略する。
以上説明した本実施例の物体運動解析装置、物体運動解析方法、及び物体運動解析プログラムによれば、非物理的な挙動を防止しつつ迅速に結果を出力することができる。
<第3実施例>
以下、本発明の第3実施例に係る物体運動解析装置、物体運動解析方法、及び物体運動解析プログラムについて説明する。第3実施例の物体運動解析装置3は、第1実施例の物体運動解析装置1が有する機能を基本とし、二次元の流体−構造連成問題に適用可能となるように機能を拡張したものである。
以下、本発明の第3実施例に係る物体運動解析装置、物体運動解析方法、及び物体運動解析プログラムについて説明する。第3実施例の物体運動解析装置3は、第1実施例の物体運動解析装置1が有する機能を基本とし、二次元の流体−構造連成問題に適用可能となるように機能を拡張したものである。
ハードウエア構成については、第1実施例や第2実施例と同様であるため、説明を省略する。
[機能構成]
図16は、本発明の第3実施例に係る物体運動解析装置3の機能構成例である。物体運動解析装置3は、パラメータ入力部50と、粒子点設定部51と、パネル要素生成部52と、反発力算出部54と、運動解析部56と、を備える。これらの機能ブロックは、補助記憶装置16等に格納されたプログラム・ソフトウエアをCPU10が実行することにより機能する。なお、これらの機能ブロックが明確に分離したプログラムによって実現される必要はなく、サブルーチンや関数として他のプログラムによって呼び出されるものであってもよい。また、機能ブロックの一部が、IC(Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウエア手段であっても構わない。なお、各機能ブロックの機能については、後述する図19のフローに則して説明する。
図16は、本発明の第3実施例に係る物体運動解析装置3の機能構成例である。物体運動解析装置3は、パラメータ入力部50と、粒子点設定部51と、パネル要素生成部52と、反発力算出部54と、運動解析部56と、を備える。これらの機能ブロックは、補助記憶装置16等に格納されたプログラム・ソフトウエアをCPU10が実行することにより機能する。なお、これらの機能ブロックが明確に分離したプログラムによって実現される必要はなく、サブルーチンや関数として他のプログラムによって呼び出されるものであってもよい。また、機能ブロックの一部が、IC(Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウエア手段であっても構わない。なお、各機能ブロックの機能については、後述する図19のフローに則して説明する。
物体運動解析装置3は、二次元のゴム膜(第1実施例における物体Eの一例)と流体(第1実施例における物体Dの一例)が相互作用する支配方程式系の問題を取り扱うことができる。図17は、物体運動解析装置3が扱う二次元の流体−構造連成問題を模式的に示す図である。図示するように、物体運動解析装置3は、ゴム膜Eの上に純水等の流体Dが置かれた系における、ゴム膜Eや流体Dの運動を解析する。以下、この系における高さをy座標で、横方向の位置をx座標で表すものとする。
まず、物体運動解析装置3が扱う支配方程式を、次式(23)〜(26)で定義する。式中、u(x,t)はゴム膜を構成する各粒子の時間tにおける位置xに対する高さを表す関数であり、ρ(x,y,t)、p(x,y,t)、#v(x,y,t)はそれぞれ、流体の密度場、圧力場、速度場である。#Fは外力であり、ここでは重力を表すものとする。式(23)はゴム膜の運動量保存則であり、式(24)は流体の質量保存則であり、式(25)は流体の運動量保存則であり、式(26)は流体の状態方程式である。
また、Puは、流体がゴム膜を押す力を表す。この項は以下のように導出される。(x−dx/2)と(x+dx/2)の間にある膜の微小要素に作用する力は、−p(x,u(x))d#S・#y^で表される。ここで、d#Sは上記微小要素の面積を有し、向きが外向き法線方向の面積ベクトルであり、#y^はy方向の単位ベクトルである。また、d#S=(−ux,1)dxであるため、Puは、単位長さあたりの力として表現すると、次式(27)で表される。
Pu=−p(x,u(x)) …(27)。
ここで、∂u/∂t=ηとし、uを、空間についてはdxでm等分すると共に、時間についてはdtで一様に分割し、u(i×dx,n×dt)=ui nという表記を用いると、上式(23)を、次式(28)〜(30)のように離散化することができる。式中、#u*=(u0*,u1*,…,ui*,…,um*)は、各分点における値ui*を並べたベクトルである。また、ψbは、流体を構成する任意の粒子bと、パネル要素との距離から得られるポテンシャル関数である。また、上付添え字「*」は、時間に関する中間値を表している。なお、式(29)の第2項は、張力係数γが乗算されたゴム膜の内部力を示している。
図18は、ゴム膜を分割して分点(粒子)を定義し、これに基づき分点(粒子)を接続するパネル要素を生成する様子を示す図である。図18に示すように、高さがu(x,t)で表されるゴム膜は、例えばdx幅を持つようにm等分され、分割された切片の中心座標が仮想的な粒子の座標(u1、u2、…ui、ui+1、…)と認識される。そして、分割認識された仮想的な粒子を連結する各線分が、接続要素である各パネル要素iとして認識及び処理される。
点(i×dx,ui*)と点((i+1)×dx,ui+1*)で作られる各線分要素をi番目のパネル要素とすると、ゴム膜は、m−1個のパネル要素で構成される。
として実施例1の手順でポテンシャル関数ψbを定義すると、ψbは#rb*と#u*のみの関数となるため、ポテンシャル関数ψbをψb(#rb*,#u*)と表記した。
点(i×dx,ui*)と点((i+1)×dx,ui+1*)で作られる各線分要素をi番目のパネル要素とすると、ゴム膜は、m−1個のパネル要素で構成される。
ここで、ポテンシャル関数ψbの微分∂ψb(#rb*,#u*)/∂ui*を解析的に求めるのは困難なため、本実施例では、次式(31)に示す差分近似により求める。式中、ui,+*=(u0*,u1*,…,ui*+δ,…,um*)、ui,−*=(u0*,u1*,…,ui*−δ,…,um*)である。また、δは、例えば10−8等の定数である。次式(31)は、パネル要素が流体から受ける反発力を示している。
一方、流体の方程式(24)〜(26)は、SPH法に基づき、次式(32)〜(35)により離散化される。式中、βは定数である。また、L2(#ra*)は二次元の再標準化行列であり、次式(36)で表される。
ここでは、
が成立する。pab n+1/2、vab n+1/2は、流体を構成する任意の粒子ab間での一次元リーマン問題を解いて求めた時空間の中間値である。pab n+1/2、vab n+1/2は、具体的には、以下のように決定される。
まず流体に含まれる粒子a、bに関して、次式(37)〜(40)で表される特性関数を定める。
更に、勾配を次式(41)〜(46)により計算する。式中、速度の上付き添え字は、各座標の成分を表している。
これらを用いて、pab n+1/2、vab n+1/2を次式(47)〜(51)により決定することができ、上式(33)に示すポテンシャル関数ψaの微分を、次式(52)の差分近似によって求めることができる。
以上のような計算により、第1実施例で説明した運動解析原理を、二次元の流体−構造連成問題に適用することができる。また、同様に、第2実施例で説明した運動解析原理についても、流体や構造体としてデータが与えられたモデルに対して適用することが可能である。
図19は、本実施例の物体運動解析装置3により実行される処理の流れを示すフローチャートである。なお、本フローチャートは、構造物と流体を処理対象とするが、構造物同士、流体同士等についても適用可能である。
まず、パラメータ入力部50が、構造物(例えばゴム膜)及び流体についてのデータを取得する(S200)。パラメータ入力部50により取得されるデータは、構造物の座標、速度、質量、及び結合関係(張力係数等を含む)、並びに流体を構成する粒子の座標、速度、質量等である。
次に、粒子点設定部51が、上記のように構造物を分割して仮想的な複数の粒子を設定する(S202)。本ステップの処理の概要は、図18に則して説明した通りである。このように、粒子点設定部51は、構造物の特に外縁(境界線)を所望の間隔で分割し、仮想的な粒子を設定する。これによって、入力データが粒子として与えられていない場合であっても、パネル要素生成部52にパネル要素を生成させることができる。この結果、入力データが粒子データとして与えられていない場合でも、第1実施例や第2実施例と同様に、物体が境界を突き抜けるような非物理的な挙動を防止しつつ迅速に結果を出力することができる。
次に、パネル要素生成部52が、粒子点設定部51が設定した仮想的な粒子を接続してパネル要素を生成する(S204)。
次に、運動解析部56が、S200において入力された座標及び速度、並びにS202及びS204において生成されたパネル要素のデータを用いて、時刻をdt/2進め、構造物及び流体の粒子及びパネル要素等の座標を更新する(S206)。
次に、反発力算出部54が、S208〜S210の処理を、流体を構成する各粒子(以下、流体粒子と称する)について実行する。
まず、流体粒子を順に一つ取り出し、現時点における各パネル要素との位置関係に基づきポテンシャル関数ψを算出する(S208)。そして、ポテンシャル関数の微分を計算して相互作用項(流体粒子とパネル要素との間に作用する反発力)を算出する(S210)。
運動解析部56は、各流体粒子とパネル要素との間に作用する反発力がS208〜S210で算出されると、算出された反発力を構造物の物理モデルに適用して構造物の加速度を算出し(S212)、算出した加速度を用いて構造物の速度を更新する(S214)。
次に、運動解析部56は、上記算出された反発力を流体の物理モデルに適用して流体粒子の加速度を算出し(S216)、算出した加速度を用いて流体粒子の速度を更新する(S218)。
そして、運動解析部56は、上記更新した構造物の速度、及び流体粒子の速度を用いて、時刻をdt進め、構造物及び流体粒子の座標を更新する(S220)。
更に、運動解析部56は、上記更新した構造物及び流体粒子の座標を、ディスプレイ装置24等を用いて出力し(S222)、S208に戻る。なお、物体運動解析装置3は、S208〜S222のループを所定回数繰り返すと本フローを終了する等と、予め設定されていてもよい。
図20は、本適用例において説明した手法を用いて実際にシミュレーションを行った際の各過程の状態を示す図である。物体運動解析装置1に与えたパラメータは、L=0.292[m]、c=100[m/s]、M=80、dx=2L/M[m]、dt=dx/(5c)[s]、σ=10[kg/m]、α=3[kgm]、γ=250[N/s]である。
また、係るシミュレーションでは、流体の初期密度はρa 0=1000[kg/m2]で一定にし、流体の粒子の質量は全てρa 0/(dx)2とし、h=2dxとし、粒子数を2054個とした。
図示するように、ゴム膜Eが大きく伸びた場合でも、流体Dがゴム膜Eを突き抜けるといった非物理的挙動が起きずに計算を行うことが出来ることが示された。
以上説明した本実施例の物体運動解析装置、物体運動解析方法、及び物体運動解析プログラムによれば、非物理的な挙動を防止しつつ迅速に結果を出力することができる。
また、構造物を分割して仮想的な複数の粒子を設定する粒子点設定部51を備えることにより、入力データが粒子として与えられていない場合であっても、パネル要素生成部52にパネル要素を生成させることができる。この結果、入力データが粒子として与えられていない場合でも、第1実施例や第2実施例と同様に、物体が境界を突き抜けるような非物理的な挙動を防止しつつ迅速に結果を出力することができる。
以上、本発明を実施するための最良の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。
例えば、第1〜第3実施例において、粒子とパネル要素の最短距離のうち最も値の小さい距離を抽出し、これに基づきポテンシャル関数ψを定義するものとした。すなわち、粒子に最も近いパネル要素のみをポテンシャル関数ψの定義に反映させているが、これに限らず、ある粒子と全てのパネル要素についてポテンシャル関数ψを定義して反発力を算出してもよい。
本発明は、種々の構造物や弾性体、流体の製造産業、製造支援産業、並びにコンピュータソフトウエア産業等に広く利用可能である。
1、2、3 物体運動解析装置
30、40、50 パラメータ入力部
32、42、52 パネル要素生成部
34、44、54 反発力算出部
36、46、56 運動解析部
51 粒子点設定部
30、40、50 パラメータ入力部
32、42、52 パネル要素生成部
34、44、54 反発力算出部
36、46、56 運動解析部
51 粒子点設定部
Claims (15)
- 第1の物体を表現した複数の粒子を含む第1の粒子群の物理量に関するデータに基づき、前記第1の粒子群に含まれる前記複数の粒子の間を接続する接続要素を生成する生成部と、
第2の物体に含まれる第2の粒子の物理量に関するデータを参照し、前記第2の粒子と前記生成された接続要素との最短距離を算出して、前記第1の物体と前記第2の粒子との間に作用する反発力を算出する算出部と、
前記算出された反発力を用いて、前記第1の物体及び前記第2の物体の運動を解析する解析部と、
を有することを特徴とする物体運動解析装置。 - 前記物体運動解析装置において、
前記算出部は、前記粒子と前記接続要素との最短距離が減少してゼロに近づくにつれて前記反発力が大きくなり、前記第2の粒子と前記接続要素との最短距離が増加して所定距離に近づくにつれて前記反発力がゼロに近づくように、前記反発力を算出することを特徴とする、
請求項1記載の物体運動解析装置。 - 前記物体運動解析装置において、
構造物を表現するデータを分割することにより、前記複数の粒子に関するデータを生成する分割部を備えることを特徴とする、
請求項1記載の物体運動解析装置。 - 前記物体運動解析装置において、
前記第1の物体及び前記第2の物体は、同一平面上に存在する物体であり、
前記接続要素は、前記複数の第1の粒子間を接続する線分要素であることを特徴とする、
請求項1記載の物体運動解析装置。 - 前記物体運動解析装置において、
前記第1の物体及び前記第2の物体は、三次元空間に存在する物体であり、
前記接続要素は、前記複数の第1の粒子から選択された三個の第1の粒子を含む閉領域であることを特徴とする、
請求項1記載の物体運動解析装置。 - 物体の運動を解析する物体運動解析方法において、
コンピュータが、
第1の物体に含まれる複数の第1の粒子の物理量に関するデータに基づき、前記複数の第1の粒子間を接続する接続要素を生成し、
第2の物体に含まれる第2の粒子の物理量に関するデータを参照し、前記第2の粒子と前記生成された接続要素との最短距離を算出して、前記第1の物体と前記第2の粒子との間に作用する反発力を算出し、
前記算出された反発力を用いて、前記第1の物体及び前記第2の物体の運動を解析する、
ことを特徴とする物体運動解析方法。 - 前記物体運動解析方法において、
前記最短距離が減少してゼロに近づくと前記反発力が大きくなり、前記第2の粒子と前記接続要素との最短距離が増加して所定距離に近づくと前記反発力がゼロに近づくように、前記反発力を算出することを特徴とする、
請求項6記載の物体運動解析方法。 - 前記物体運動解析方法はさらに、
前記コンピュータが、
構造物を表現するデータを分割することにより、前記複数の粒子に関するデータを生成することを特徴とする、
請求項6記載の物体運動解析方法。 - 前記物体運動解析方法において、
前記第1の物体及び前記第2の物体は、同一平面上に存在する物体であり、
前記接続要素は、前記複数の第1の粒子間を接続する線分要素であることを特徴とする、
請求項6記載の物体運動解析方法。 - 前記物体運動解析方法において、
前記第1の物体及び前記第2の物体は、三次元空間に存在する物体であり、
前記接続要素は、前記複数の第1の粒子から選択された三個の第1の粒子を含む閉領域であることを特徴とする、
請求項6記載の物体運動解析方法。 - 物体の運動を解析する物体運動解析プログラムにおいて、
コンピュータに、
第1の物体に含まれる複数の第1の粒子の物理量に関するデータに基づき、前記複数の第1の粒子間を接続する接続要素を生成させ、
第2の物体に含まれる第2の粒子の物理量に関するデータを参照し、前記第2の粒子と前記生成された接続要素との最短距離を算出して、前記第1の物体と前記第2の粒子との間に作用する反発力を算出させ、
前記算出された反発力を用いて、前記第1の物体及び前記第2の物体の運動を解析させる、
ことを特徴とする物体運動解析プログラム。 - 前記物体運動解析プログラムにおいて、
前記最短距離が減少してゼロに近づくと前記反発力が大きくなり、前記第2の粒子と前記接続要素との最短距離が増加して所定距離に近づくと前記反発力がゼロに近づくように、前記反発力を算出させることを特徴とする、
請求項11記載の物体運動解析プログラム。 - 前記物体運動解析プログラムはさらに、
前記コンピュータに、
構造物を表現するデータを分割することにより、前記複数の粒子に関するデータを生成させることを特徴とする、
請求項11記載の物体運動解析プログラム。 - 前記物体運動解析プログラムにおいて、
前記第1の物体及び前記第2の物体は、同一平面上に存在する物体であり、
前記接続要素は、前記複数の第1の粒子間を接続する線分要素であることを特徴とする、
請求項11記載の物体運動解析プログラム。 - 前記物体運動解析プログラムにおいて、
前記第1の物体及び前記第2の物体は、三次元空間に存在する物体であり、
前記接続要素は、前記複数の第1の粒子から選択された三個の第1の粒子を含む閉領域であることを特徴とする、
請求項11記載の物体運動解析プログラム。
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
PCT/JP2011/071528 WO2013042234A1 (ja) | 2011-09-21 | 2011-09-21 | 物体運動解析装置、物体運動解析方法、及び物体運動解析プログラム |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPWO2013042234A1 true JPWO2013042234A1 (ja) | 2015-03-26 |
JP5704246B2 JP5704246B2 (ja) | 2015-04-22 |
Family
ID=47914045
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2013534537A Expired - Fee Related JP5704246B2 (ja) | 2011-09-21 | 2011-09-21 | 物体運動解析装置、物体運動解析方法、及び物体運動解析プログラム |
Country Status (4)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US9250259B2 (ja) |
EP (1) | EP2759950A4 (ja) |
JP (1) | JP5704246B2 (ja) |
WO (1) | WO2013042234A1 (ja) |
Families Citing this family (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6163897B2 (ja) * | 2013-06-11 | 2017-07-19 | 富士通株式会社 | 数値計算プログラム、数値計算方法及び情報処理装置 |
KR102399671B1 (ko) * | 2014-08-26 | 2022-05-20 | 삼성전자주식회사 | 객체들을 모델링하는 방법 및 장치 |
KR20170011515A (ko) * | 2015-07-23 | 2017-02-02 | 삼성전자주식회사 | 사전 계산을 이용하여 대상체를 모델링 및 복원하는 방법 및 장치 |
JP6697407B2 (ja) * | 2017-03-07 | 2020-05-20 | 公益財団法人鉄道総合技術研究所 | 流体シミュレーション方法及び流体シミュレーションのプログラム |
US10685663B2 (en) | 2018-04-18 | 2020-06-16 | Nokia Technologies Oy | Enabling in-ear voice capture using deep learning |
JP7056452B2 (ja) * | 2018-08-03 | 2022-04-19 | 富士通株式会社 | シミュレーション装置、シミュレーション方法およびシミュレーションプログラム |
CN115291949B (zh) * | 2022-09-26 | 2022-12-20 | 中国人民解放军国防科技大学 | 一种面向计算流体力学的加速计算装置和加速计算方法 |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH10185755A (ja) * | 1996-12-27 | 1998-07-14 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 粒子型流体シミュレーション方法及びその装置 |
JP2008111675A (ja) * | 2006-10-27 | 2008-05-15 | Mizuho Information & Research Institute Inc | 流体解析装置、流体解析方法及び流体解析プログラム |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5049540A (en) * | 1987-11-05 | 1991-09-17 | Idaho Research Foundation | Method and means for separating and classifying superconductive particles |
US6014151A (en) * | 1997-11-05 | 2000-01-11 | Animation Science | Method for allowing a particle to follow a path |
-
2011
- 2011-09-21 JP JP2013534537A patent/JP5704246B2/ja not_active Expired - Fee Related
- 2011-09-21 WO PCT/JP2011/071528 patent/WO2013042234A1/ja active Application Filing
- 2011-09-21 EP EP11872817.9A patent/EP2759950A4/en not_active Withdrawn
-
2014
- 2014-03-17 US US14/215,122 patent/US9250259B2/en not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH10185755A (ja) * | 1996-12-27 | 1998-07-14 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 粒子型流体シミュレーション方法及びその装置 |
JP2008111675A (ja) * | 2006-10-27 | 2008-05-15 | Mizuho Information & Research Institute Inc | 流体解析装置、流体解析方法及び流体解析プログラム |
Non-Patent Citations (2)
Title |
---|
JPN6011060312; 原田隆宏: 'SPHにおける壁境界計算手法の改良' 情報処理学会論文誌 Vol.48,No.4, 20070415, pp.1838-1846 * |
JPN6011060314; Eran Guendelman et al.: 'Coupling water and smoke to thin deformable and rigid shells' ACM Transactions on Graphics Vol.24, No.3, 200507, pp.973-981 * |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP5704246B2 (ja) | 2015-04-22 |
EP2759950A4 (en) | 2015-11-25 |
WO2013042234A1 (ja) | 2013-03-28 |
EP2759950A1 (en) | 2014-07-30 |
US20140200833A1 (en) | 2014-07-17 |
US9250259B2 (en) | 2016-02-02 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5704246B2 (ja) | 物体運動解析装置、物体運動解析方法、及び物体運動解析プログラム | |
Shojaei et al. | An adaptive multi-grid peridynamic method for dynamic fracture analysis | |
Colagrossi | A meshless Lagrangian method for free-surface and interface flows with fragmentation | |
Ooi et al. | Dynamic crack propagation simulation with scaled boundary polygon elements and automatic remeshing technique | |
Janßen et al. | On enhanced non-linear free surface flow simulations with a hybrid LBM–VOF model | |
JP5644872B2 (ja) | シミュレーション装置、シミュレーション方法、及びプログラム | |
JP6458501B2 (ja) | シミュレーションプログラム、シミュレーション方法、およびシミュレーション装置 | |
JP2014081900A (ja) | シミュレーションプログラム、シミュレーション方法及びシミュレーション装置 | |
JP2014146302A (ja) | シミュレーションプログラム、シミュレーション方法及びシミュレーション装置 | |
JP5892257B2 (ja) | シミュレーションプログラム、シミュレーション方法及びシミュレーション装置 | |
Zhang et al. | Improved wall weight function with polygon boundary in moving particle semi-implicit method | |
US20200285710A1 (en) | Turbulent Boundary Layer Modeling via Incorporation of Pressure Gradient Directional Effect | |
JP2009524160A (ja) | コンピュータシミュレーションおよび分析のための粒子への物体離散化 | |
Talley et al. | Coalescence prevention algorithm for level set method | |
Rasool et al. | A strategy to interface isogeometric analysis with Lagrangian finite elements—Application to incompressible flow problems | |
Staroszczyk | Simulation of solitary wave mechanics by a corrected smoothed particle hydrodymamics method | |
Mierke et al. | GPU-accelerated large-eddy simulation of ship-ice interactions | |
JP5893333B2 (ja) | 粒子挙動解析方法、粒子挙動解析装置、及び解析プログラム | |
US11835054B2 (en) | Method for automatic detection of axial cooling fan rotation direction | |
JP5842992B2 (ja) | シミュレーションプログラム、シミュレーション方法及びシミュレーション装置 | |
JP6065616B2 (ja) | シミュレーションプログラム、シミュレーション方法及びシミュレーション装置 | |
Pan et al. | Absolute nodal coordinate particle finite element to the free-surface flow problems combined with multibody algorithms | |
JPWO2013038476A1 (ja) | 運動解析装置、運動解析方法及び運動解析プログラム | |
Toosi et al. | The influence of time scale in free surface flow simulation using Smoothed Particle Hydrodynamics (SPH) | |
JP5516949B2 (ja) | 数値流体計算方法、数値流体計算装置、プログラム、及び、記録媒体 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20150127 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20150209 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5704246 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |