JPWO2013030940A1 - 培養シート、培養器材、及び製造方法 - Google Patents

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Abstract

仕切りにより領域をホールに分離された培養シートの多数個あるホールの中で、培養する細胞がどの位置にあるのかがわからなくなり、観察者の作業効率を大幅に制限していた。培養シートを、仕切り102と、仕切りにより分離されたホール101と、ホールの底面の一部に、仕切りより高さの低い複数の局所培養領域ピラー105が形成された局所培養領域103と、ホールの底面の、培養領域とは異なる識別マーク領域104に形成された識別マークピラー106で構成する。識別マークピラーの径、高さを、局所培養領域ピラー105の径、高さよりも小さくすることにより、識別マーク領域104にスフェロイドが接着することによって識別マークが視認できなくなるのを防ぐ。

Description

本発明は、培養器材を用いて動植物細胞を培養し、細胞の粒状組織(三次元組織)、および単層組織(二次元平面組織)を形成する技術に関する。
医療品開発プロセスにおいて、動物実験に代わり、細胞を利用したイン・ビトロ(in vitro)アッセイが求められている。特に、薬物候補物質のスクリーニング、毒性・代謝試験に応用する動きが活発になっている。
このような背景のもと、従来の動物実験に代わる、細胞を利用した代替法のアプローチは盛んに試みられてきたが、臨床反応を予測するには限界があるものが多い。これは、これらの培養法では、細胞が実際の生体内の構造を模擬した構造をとっていないためであると考えられている(非特許文献1)。そこで、より生態に近い機能を発揮する三次元組織の形成がこれまでに試みられており、様々な細胞種で三次元組織を形成することに成功している。
細胞の三次元構造を形成するための器材として、ごく微細な均一突起が規則的に配列されたシート表面に形成された培養のためのシート(ナノピラーシート)が開発されているが、形成された三次元組織は、器材からの剥離性が高く(特許文献1)、培地交換の過程で失われるという問題がある。また形成された三次元組織の粒径を制御することができないため、大きさが均一ではなく、それぞれの三次元組織の性能がばらつく、といった問題点をはらんでおり実用的な形成法として未熟である。
そこで、粒径のそろった三次元組織を形成するために、特許文献2に示されるような方法が考え出されている。
特開2005-312343号公報 WO2010/150521号公報 特表2000−504299号公報
"The Use of 3-D Cultures for High-Throughput Screening: The Multicellular Spheroid Model" Leoni A. Kunz-Schughartm James P. Freyer, Ferdinand Hofsteadter, and Reinhard Ebner J Biomol Screen, 9: 273-285(2004)
上述の特許文献2の培養器材に関連し、培養シートが貼り付けられたマルチウェルプレートタイプの細胞培養器材を、図2を用いて説明する。図2に示すようにマルチウェルプレートタイプの培養器材となる培養容器110にウェル111と呼ばれる枠体が形成されている。さらにこの枠体の底面には培養シート100が貼り付けられる。細胞が接着する培養シート100表面は、突起、すなわち三次元的な凹凸構造となるピラー105が設置された局所培養領域103を有し、突起より高い仕切り壁102により各々が分離されたホール101が形成されている。
突起の径、ピッチ、高さは細胞種によってスフェロイドと呼ばれる三次元凝集体が形成されるのに最適な値が決まっているため、その最適な値にすることにより、その局所培養領域103にのみ細胞を固定化することが可能となる。さらに培養領域をホールにより仕切ることにより、播種された細胞をホール内に限定することができることから、細胞数がある程度制限された中で細胞が運動することによって凝集化し、一つのスフェロイドが形成される。細胞数が制限されることによってスフェロイドの大きさが均一で、均質となり、細胞アッセイに有効であることが期待される。この培養器材はたとえばポリスチレンのような樹脂を、シリコン基板上に作成された所定形状の金型を一括転写することによって作製される。
このように培養された細胞の評価方法として、例えば薬物の添加前後による細胞の反応を、光学顕微鏡を用いた観察により行われる。細胞培養は通常数日、あるいは数週間にわたり行われることになるが、その細胞の形態は時々刻々と変化する。その結果、細かく区分けされた培養領域、つまりホールのピッチを例えば220um、ウェルの直径8mmとした場合、1つのウェルに約8000個ものホールがあることになり、特定の場所を瞬時に見つけ出すことは困難であった。さらに上記のように8000個もの区分けされた培養領域がある場合には、写真等で記録を残していたとしても、あとでその記録を見た場合どこの場所であったかを特定することが困難となる。なおウェルの大きさ、ホールの大きさにより1ウェルあたりのホールの個数は変化するが、特定箇所を見つけ出す困難さの程度が異なるだけであり、本質的にその困難さが変わることはない。
また工業的に培養シートの生産を行う場合には、培養シートあるいは金型の欠陥検査が必要となる。欠陥検査では、欠陥箇所とその場所を特定する必要がある。その場合、被検査物と測定装置との直行性を調整したのちに、ある特定のホールを基準にしてそれに対する相対座標、あるいは装置の絶対座標から欠陥座標を求めることになる。しかしいったん検査装置から取り外してしまうと、基準となる座標情報がなくなり、欠陥の場所がわからなくなる。また最終的にはその欠陥を人が画像で確認し、欠陥として修正を行うべきか、修正不能のキラー欠陥として廃棄するかの判断をする必要があることを考慮すると、単なる座標ではなく画像として容易に欠陥箇所を特定するための工夫が必要となる。
さらに薬物に対する反応を見るために、薬物添加有/無で細胞培養シート上に培養された細胞を別容器に集め、分析装置にて評価を行うことがある。培養される細胞は、部分的に非活性な死細胞が発生することがあるが、その場合薬物スクリーニングの際にノイズとなり、感度を低下させることになる。そのため予めノイズとなる細胞は除去すべきであるが、この場合にも場所を特定することが必要不可欠である。この細胞の活性度を測定する方法の一例としては、活性な細胞は酸素を吸収し二酸化炭素を排出することから、各ホールの二酸化炭素濃度を測定することにより、その細胞の生死を判断することが可能となる。
一方この座標を特定する方法としては特許文献3に、マイクロウェルの底部に識別マークを転写するといった記述がある。しかし単純にプレートにマークをつけた場合、そのマーク箇所の構造を細胞が感じて吸着し、細胞に遮蔽されてそのマークを読み取ることができない。あるいは細胞を落とし込むホール底部と識別マーク部とでは、高さが大きく異なることから細胞形状とマークとを同じフォーカスで観察し、同時に読み込むことが不可能であった。
本発明の目的は、上記の問題点を解決し、三次元組織と、識別マークを同時に読み取ることを可能とした培養シート、培養器材、及びその製造方法を提供することにある。
上記の目的を達成するため、本発明においては、細胞を培養する培養シートであって、仕切り壁と、仕切り壁により分離されたホールと、ホールの底面の一部に、仕切り壁より高さの低い複数の突起が形成された培養領域と、ホールの底面の、培養領域とは異なる位置に形成された識別マークを備えた培養シート、更にはそれを利用する培養器材を提供する。
また、上記の目的を達成するため、本発明においては、細胞を培養する培養シートの製造方法であって、仕切り壁と、仕切り壁により分離されるホールと、ホールの底面の一部に、仕切り壁より高さの低い複数の突起が形成される培養領域と、ホールの底面の培養領域とは異なる位置に形成された、培養領域の突起より高さの低い複数の突起が形成される識別マーク領域を備える培養シートの金型基板を形成する工程と、金型基板に、培養シート材料を加熱しながらプレスする工程からなる培養シートの製造方法を提供する。
本発明を適用することにより、培養細胞の三次元組織形成を実現することができるとともに、この三次元組織に遮蔽されることなく、識別マークを読み取ることが可能となることから、三次元組織さらには二次元平面組織の評価・管理をすることが可能となる。
第一の実施例に係る、培養シートと培養シート内のホール構造を示す図である。 従来の培養器材、培養シートと培養シート内のホール構造を示す図である。 第二の実施例に係る、培養シートと培養シート内のホール構造を示す図である。 第三の実施例に係る、培養シートと培養シート内のホール構造を示す図である。 第一の実施例に係る、培養シートの製法の一例を説明するための図である。 第一の実施例に係る、培養シートの製法の一例を説明するための図である。 第一の実施例に係る、培養シートの製法の一例を説明するための図である。 第一の実施例に係る、培養シートの効果を説明するための図である。
以下、培養シートを用いて細胞を培養し、細胞塊である三次元組織、あるいは二次元平面組織においてもその形成を実現するための種々の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、本明細書においては、従来のナノピラーシートに対し、培養領域を仕切る構造を有し、当該仕切り構造の内部に突起が複数形成されたシートを培養シートと称する。
実施例1では、培養シートを培養シート保持部材である24穴のマルチウェルプレートの培養器材に適用した例を示す。この培養シートは細胞に悪影響のない物質で形成されるが、本実施例における培養シートは、ポリスチレンを用いている。ただし、材質はポリスチレンに限らないことは言うまでもない。また本実施例では保持部材として24穴のマルチウェルプレートを用いたが、他の穴数の異なるマルチウェルプレート、あるいはチャンバースライド等であってもかまわない。
図1における24穴のマルチウェルプレートの培養容器110は、ウェル111と呼ばれる径16mm程度の筒状の穴の底面に、培養シート100が超音波溶着等の方法により接合されている。培養シート100は1枚当たりに複数個ホールが存在し、ホール101は仕切り構造102により個々に分離されている。当該ホール101が培養領域の最小単位であり、さらにホールの内部に局所的に突起、すなわちピラーが配置された局所培養領域103と、識別マーク領域104で構成されている。
ホール101の底面にある局所培養領域103は複数のピラーからなる。また、このホール101内の局所培養領域103にあるピラーを局所培養領域ピラー105、さらに識別マーク領域104のピラーを識別マークピラー106とする。
本実施例では、培養シート100上の仕切り構造である仕切り壁102によって仕切られた各ホール101の直径を200μm、ホール間のピッチを220μm、局所培養領域103の直径を80μmとし、局所培養領域ピラー105の高さ、ピラー径、ピラーピッチをそれぞれ1μm、2μm、4μmとし、さらに識別マークピラー106の高さ、ピラー径、ピラーピッチをそれぞれ0.1μm、0.5μm、1μmとする培養シート100を用いた。
当該培養シート100において、上記の仕切り壁102、及びそれにより分離されているホール101と、当該ホール101の内部に形成されている局所培養領域103、識別マーク領域104とは同一材料で一体的に形成されている。
図5A、図5B、図5Cを用いて、本実施例の培養シートの製法の一例を説明する。まず、図5Aに示すように、仕切り壁102、局所培養ホールからなる局所培養領域103、識別マークホールからなる識別マーク領域104にそれぞれ対応するホール502、503、504が同一シリコン基板500に形成されている。そして、図5Bに示すように、シリコン基板500に、ポリスチレンシート505を加熱しながらプレスする、いわゆる熱インプリント方法によりパターン転写する。これによって、図5Cに示す細胞培養シート100が形成される。
このように予め金型となるシリコン基板に細胞培養シートの反転パターンとなる仕切り壁ホール502、局所培養ホール503、識別マークホール504を形成しておくことによって、一度に本実施例の細胞培養シートを形成することが可能となる。なお、この形成方法は一例であり、金型材料としてシリコンではなくニッケル電鋳や石英を使用しても同様に一度にパターン転写できることはいうまでもない。
また、図1に示したように、本実施例においては、識別マーク領域104は、局所培養領域103の左右2桁の数字とした。左側の数字がホール配列の列を示し、右側に段を示し、この数字によりホールの位置を読み取ることが可能となる。本実施例ではシリアルに全てのホールに2桁の数字をつけているが、必ずしも2桁ある必要はなく、また複数個おきでもよく、また数字ではなく文字、例えばアルファベット、あるいは、記号であってもよいことは言うまでもない。
局所培養領域103により、粒径のそろった三次元組織であるスフェロイドが培養領域の中心部に保持され、目的の位置に保持させることができることは特許文献2に示されている通りである。
なお、本実施例では、培養領域内の中心近傍に局所培養領域ピラーを配列した例を示すが、必ずしも中心を含む必要はなく、培養領域内の所望とする領域にピラーを配列させればよいことはいうまでもない。また、局所培養領域として、円形ピラー領域を形成する例を示したが、ピラー領域は、四角形、多角形状であってもよいことはいうまでもない。
識別マーク領域104は同一ホール101領域内でかつ局所培養領域103とは異なる位置に配置されるが、この識別マーク領域でのスフェロイドの接着を防ぐ必要がある。局所細胞培養領域103と識別マーク領域104で2つのスフェロイドが形成され所望の大きさのものが得られないこと、あるいは識別マーク領域104にスフェロイドが接着し、遮蔽することによって識別マークが視認できなくなることを防ぐためである。
これに対し、本実施例の識別マーク領域104の識別マーク領域ピラー106は、細胞培養領域ピラーの高さより低い、あるいは/かつ直径、あるいは/かつピッチを小さくしており、それによって識別マーク領域への細胞付着防止を行うことが可能となる。
例えば肝細胞においてはピラー径2μm(ピラーピッチ4μm)、ピラー高さ1μmにおいて最適であり、この値を一つでも半減させただけで細胞の接着性が弱くなることが発明者らの実験により確認された。したがって細胞培養領域ピラー105に比して識別マーク領域ピラー106との差を大きくすることで識別マーク領域への細胞の付着を抑止することが可能となる。
また識別マーク領域ピラー106の高さを低くすることにより、細胞の吸着を抑止することが可能であるが、本発明の目的の一つである光学的な手法、例えば光学顕微鏡にて人が視認できることが必要であり、ピラーの高さの下限値がある。
図6にポリスチレン、波長550nmにて、1000nmピッチ、500nmのパターン幅の反射率をシミュレーションで求めた結果を示す。図6ではそれぞれの高さのときの反射強度をRとして、パターン高さが0nm、つまりパターンがないときの反射強度をR0で規格化を行っている。図に示すようにパターン高さhが140nmまでは反射強度が低くなり、つまり周りと比較し暗くなる。10%の差異があれば機械で読み取ることが可能となることから可能となることから、強度比が90%以下つまりパターン高さが25nm以上あれば十分に文字を読み取ることが可能となる。
さらに径・ピッチを小さくすることにより識別マーク領域も小さくでき、これにより直接細胞培養とは関係のない識別マーク領域の面積を小さくすることが可能となる。あるいはピラー径・ピッチを小さくすることにより、光学顕微鏡等による視認性を向上することが可能となる。
本実施例では検査方法として光学顕微鏡を用いたが、レーザー顕微鏡、電子線顕微鏡等、光学的あるいは電子光学的な手法で行うものであればよいことはいうまでもない。
本実施例のように細胞培養領域ピラーと比して識別マークピラーの高さが同じあるいは低くなっているが、細胞培養領域ピラーと識別マークピラーの高さが違っていたとしてもたかだか数μm程度の差となる。
ここで、一度に観察できる領域、視野と、同一フォーカスで見ることが可能な焦点の深さ焦点深度の関係を説明する。光源波長(λ)を0.55μm、接眼レンズの視野数(F)26、倍率(m)x10を使用し、対物レンズの倍率(M)をx10、開口数(NA)を0.3のレンズを用いた場合、一度に観察できる実視野はF/Mとなることから2.6mmとなる。ホールのピッチは0.22mmであることから対角で約12個のホールを一度にみることが可能である。ここのときの焦点深度はλ/(2x(NA)2)であらわすことができることから±3μm程度になる。さらに光源波長(λ)を0.55μm、接眼レンズの視野数(F)26、倍率(m)x10を使用し、対物レンズの倍率(M)をx20、開口数(NA)を0.46のレンズを用いた場合、実視野は1.3mm、焦点深度は±1.3μmとなる。このように焦点深度はレンズ性能によっても変化するものの、視野を大きく変化させることがない限りにおいて、桁で変化することはない。実際に一度に観察に使用する範囲は一視野内に1個から10数個程度までであることから、観察される焦点深度はサブμmから数10μm以下ということになる。従って、スフェロイド観察のフォーカス位置と識別マークのフォーカス位置を同時あるいはわずかに動かすだけでスフェロイド観察・マーク識別が可能となる。
このように本実施例の構造を備えた培養シートを形成することにより、培養効率が高く、かつ使用しやすい培養器材を実現することが可能となる。
実施例2では、培養シートを培養シート保持部材であるチャンバープレートの培養器材に適用した例を示しており、培養シートの識別マークとしてピラーではなくラインで作製した場合を示す。
本実施例では、培養シート100上の仕切り構造である仕切り壁102によって仕切られた各ホール101の直径を130μm、ホールのピッチを150μm、局所培養領域103の直径が60μmとし、局所培養領域ピラー104の高さ、ピラー径、ピラーピッチがそれぞれ2μm、1μm、2。5μmとした。識別マークライン108の高さ、パターン幅がそれぞれ0.25μm、5μmとなる培養シート100を用いた。
結果として実施例1と同様にピラーの高さより低くすることによって細胞の接着を抑止することが可能となった。さらにピラーのような細かいパターンの集合体ではなく、本実施例のようにラインとすることによって、細胞の接着性をより抑止することが可能となった。
実施例3では個々のホール101に識別マーク領域104にホールの位置を示す行列番号と、行・列5個おきに配置されたアライメントマーク108を有する細胞培養シートを示す。ここでは5個毎としているが、数100個毎でも、あるいは各ホール全てにつけてもよい。このアライメントマークは識別マーク領域ピラーと同様に、局所培養領域ピラーよりピラー径、ピラーピッチ、ピラー高さのいずれか、あるいは全ての値を小さくすることが望ましい。
このアライメントマーク108のピラーにより、欠陥検査装置、あるいは観察用顕微鏡の位置アライメントを行うことが可能となる。さらに、このアライメントマーク108を前記欠陥装置等の自動アライメント装置で読み取りやすい形状にし、その画像を装置に登録し、比較検査することで、より容易に、より迅速にアライメントを調整することが可能となる。
以上説明した種々の実施例によれば、単一素材のみを用い、細胞本来の機能である細胞運動を促して活性を維持したままストレスの少ない環境下での三次元組織形成を実現することができるとともに、この三次元組織に遮蔽されることなく、識別マークを読み取ることが可能となることから、三次元組織さらには二次元平面組織の評価・管理をすることが可能となる。
また、識別マークを、細胞培養を行うピラーの高さよりも低くすることにより、識別マークでの細胞のトラップを抑止し、識別マークの読み取ることが可能となる。
あるいは、識別マークを、細胞培養を行うピラー径を小さい、あるいは/かつピラーよりも低いピラー形状とすることにより、ピラーでの光学的な屈折が異なるものとなり、光学観察でのコントラストが向上して、識別マークの読み取りをさらに容易とすることが可能となる。
あるいは、識別マークの高さを0.025μm以上0.5μm以下とすることにより光学観察等の視認性を高くしつつ、識別マークでの細胞のトラップを抑止することが可能となる。
あるいは識別マークとして、自動読取装置で読み取りが容易な形状を、各ホール内あるいは特定のホール内に作製することにより、自動アライメントや自動フォーカス調整を容易とすることが可能となる。
さらに、識別マークとして数字あるいは文字、例えばアルファベット、あるいは記号とすることにより、より直接的に人が座標を認識することが容易となる。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したのであり、必ずしも説明の全ての構成を備えるものに限定されものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることが可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
100 細胞培養シート
101 ホール
102 仕切り壁
103 局所培養領域
104 識別マーク領域
105 局所培養領域ピラー
106 識別マークピラー
107 識別マークライン
108 アライメントマーク
110 培養容器
111 ウェル
500 シリコン基板
502 仕切り壁ホール
503 局所培養ホール
504 識別マークホール
505 ポリスチレンシート。

Claims (15)

  1. 細胞を培養する培養シートであって、
    仕切り壁と、
    前記仕切り壁により分離されたホールと、
    前記ホールの底面の一部に、前記仕切り壁より高さの低い、複数の突起が形成された培養領域と、
    前記ホールの底面の、前記培養領域とは異なる位置に形成された識別マークを備えた、
    ことを特徴とする培養シート。
  2. 請求項1に記載の培養シートであって、
    前記識別マークは、複数の突起により形成されている、
    ことを特徴とする培養シート。
  3. 請求項2に記載の培養シートであって、
    前記識別マークの突起の径が、前記培養領域の前記突起の径よりも小さい、
    ことを特徴とする培養シート。
  4. 請求項2に記載の培養シートであって、
    前記識別マークの突起の高さが、前記培養領域の前記突起の高さよりも低い、
    ことを特徴とする培養シート。
  5. 請求項4に記載の培養シートであって、
    前記識別マークの前記突起の高さが、0.025μmから0.5μmの間にある、
    ことを特徴とする培養シート。
  6. 請求項1に記載の培養シートであって、
    前記識別マークは、前記培養シートにおける前記ホールの位置を表す、
    ことを特徴とする培養シート。
  7. 請求項6に記載の培養シートであって、
    前記識別マークは、数字、あるいは文字を形成することにより、前記ホールの位置を表す、
    ことを特徴とする培養シート。
  8. 請求項1に記載の培養シートを用いる培養器材であって、
    複数のウェルが形成された培養容器を備え、
    前記培養容器の底部に前記前記培養シートを保持する、
    ことを特徴とする培養器材。
  9. 請求項8に記載の培養器材であって、
    前記識別マークは、複数の突起により形成されている、
    ことを特徴とする培養器材。
  10. 請求項9に記載の培養器材であって、
    前記識別マークの突起の径が、前記培養領域の前記突起の径よりも小さい、
    ことを特徴とする培養器材。
  11. 請求項10に記載の培養器材であって、
    前記識別マークの突起の高さが、前記培養領域の前記突起の高さよりも低い、
    ことを特徴とする培養器材。
  12. 請求項11に記載の培養器材であって、
    前記識別マークの前記突起の高さが、0.025μmから0.5μmの間にある、
    ことを特徴とする培養器材。
  13. 細胞を培養する培養シートの製造方法であって、
    仕切り壁と、前記仕切り壁により分離されるホールと、前記ホールの底面の一部に、前記仕切り壁より高さの低い複数の突起が形成される培養領域と、前記ホールの底面の、前記培養領域とは異なる位置に形成された、前記培養領域の前記突起より高さの低い複数の突起が形成される識別マーク領域を備える培養シートの金型基板を形成する工程と、
    前記金型基板に、前記培養シート材料を加熱しながらプレスする工程からなる、
    ことを特徴とする培養シートの製造方法。
  14. 請求項13に記載の培養シートの製造方法であって、
    前記金型基板としてシリコン基板、ニッケル電鋳、或いは石英を用いる、
    ことを特徴とする培養シートの製造方法。
  15. 請求項13に記載の培養シートの製造方法であって、
    前記培養シート材料としてポリスチレンシートを用いる、
    ことを特徴とする培養シートの製造方法。
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