JPWO2013018778A1 - ウィルムス腫瘍遺伝子産物またはその断片をコードしている改変型核酸構築物を含んでいる免疫治療用細胞、当該細胞の製造方法、および当該核酸構築物 - Google Patents

ウィルムス腫瘍遺伝子産物またはその断片をコードしている改変型核酸構築物を含んでいる免疫治療用細胞、当該細胞の製造方法、および当該核酸構築物 Download PDF

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Abstract

本発明の細胞は、WT1遺伝子産物またはその断片をコードしている核酸構築物を含んでいる細胞であって、核酸構築物が、WT1遺伝子産物の所望の断片をコードしている領域、および機能的な開始コドンとしてAUGのみを含んでいる。本発明によれば、WT1遺伝子産物またはその断片の発現量を顕著に向上させた核酸構築物が導入された細胞を提供し得る。

Description

本発明は、ウィルムス腫瘍遺伝子産物またはその断片をコードしている核酸構築物、ならびに当該核酸構築物が導入されており、当該産物またはその断片の発現量が顕著に増強されている細胞に関する。
これまでに知られているNKT細胞の抗腫瘍効果としては、腫瘍に対する直接効果および樹状細胞の成熟化を介した間接効果(アジュバント効果)が挙げられる。以前より、NKT細胞を利用した免疫療法として、腫瘍抗原を提示させた樹状細胞を投与する免疫療法が知られており、当該免疫療法の臨床応用に関する検討が重ねられている(非特許文献1〜7)。また、腫瘍抗原をコードしているmRNAが導入されている樹状細胞を利用する抗原特異的な免疫療法は、既に確立されており、臨床応用されている(非特許文献8〜15)。これらの免疫療法において、利用する細胞材料に免疫誘導用の抗原を導入する手法として、発現ベクターなどを使用することが簡便である。しかし、発現ベクターを細胞に導入した場合には、遺伝子治療とみなされ得るために、規制などを考慮すると利用範囲を狭めるおそれがある。そこで、樹状細胞に対してRNAを導入する方法が考えられるが、RNA導入効率、および樹状細胞における腫瘍抗原の発現量の低さが問題であるため、アジュバントとの組合せによって、これらの免疫療法の治療効果の改善が試みられている。
また、腫瘍に対する他の免疫療法としては、ウィルムス腫瘍遺伝子(Wilms tumor 1:WT1)によってコードされているWT1タンパク質に含まれている複数のエピトープを利用したペプチド療法が挙げられる。
一方で、本発明者らも独自の免疫療法をこれまでに開発している(特許文献1および2など)。特許文献1に開示されているのは、NKT細胞のリガンドを提示しているCD1dが細胞表面に存在している、患者から単離された異常な細胞およびこれらの製造方法である(特許文献1)。当該細胞は、NKT細胞の活性化および腫瘍特異的なT細胞免疫応答の両者を誘導可能である。特許文献2に開示されているのは、NKT細胞のリガンドを提示しているCD1dが細胞表面に存在しており、疾患特異的な抗原を発現している、患者由来の細胞ではないアロ細胞およびこれらの製造方法である。当該細胞は、特許文献1に記載の細胞と同種の免疫誘導能を、患者から単離することなく示し得る。これらの免疫療法は、白血病等の様々な抗腫瘍免疫療法などへの応用が期待されている。
国際公開公報「WO2007/097370号(2007年8月30日公開)」 国際公開公報「WO2010/061930号(2010年6月3日公開)」
Nat. Immunol. 3, 867-874(2002). J. Immunol. Meth. 272, 147-159(2003). J. Exp. Med. 198, 267-279(2003). J. Exp. Med. 199, 1607-1618(2004). J. Immunol. 167, 3114-3122(2001). Int. J. Cancer 109, 402-11(2004). J. Immunol. 171, 5140-5147(2003). J. Clin. Invest. 114, 1800-11(2004). J. Exp. Med. 184:465-472(1996). Nat. Med. 2:1122-1128(1996). Nat. Med. 6:1011-1017(2000). J. Clin. Invest. 109:409-417(2002). J. Immunol. 174:3798-3807(2005). Br. J. Cancer 93:749-756(2005). Cancer Gene Ther. 13:905-918(2006).
本発明者らの開発した免疫療法では、従来と同様にアジュバントとの組合せによって治療効果の改善を図り得るが、投与される細胞自体が患者の免疫系による攻撃対象であるため、腫瘍抗原タンパク質の発現量の向上が免疫誘導の効率化に大きく寄与し得ることが見出された。腫瘍抗原タンパク質の発現量は、導入するRNAの量を増加させることによって向上する。この場合の発現量の向上はRNAの導入量と概ね比例する。しかし、細胞に導入可能なRNAの総量には限界がある。よって、例えば、他のRNA(CD1dをコードしているRNAなど)をさらに細胞に導入する場合、腫瘍抗原タンパク質の発現量を所望の程度に向上させ得ないことが考えられる。このため、導入するRNAの量を可能な限り抑えつつも顕著に高い発現量を達成させることが望ましい。
本発明者らによって見出された上述の課題に鑑みて、本発明の目的は、腫瘍特異的な抗原タンパク質としてWT1タンパク質を選択した場合に、発現ベクターなどに含まれている発現調節エレメントに依存せずに、WT1タンパク質の細胞における発現量を顕著に上昇させることである。すなわち、本願の目的は、WT1に由来するポリペプチドの発現量がDNA非依存的に向上している改変型のWT1核酸構築物を含んでいる細胞、および当該細胞に導入するための改変型のWT1核酸構築物を提供することである。
本発明者らは、公知の配列を有しているWT1の核酸配列に変異を導入することによって、WT1に由来するポリペプチドの発現量が予想を遥かに超えて増強されることを見出した。かかる発現量の顕著な増強は、これまでの改変型のWT1では知られていない。本発明者らは、これらの知見に基づいて研究を重ねた結果、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は上記の課題を解決するために、以下の特徴を包含している。
ウィルムス腫瘍遺伝子産物またはその断片をコードしている核酸構築物を含んでいる免疫治療用細胞であって、上記核酸構築物は、配列番号1の194位から493位、または配列番号1に対応する配列の対応する位置によって示されているウィルムス腫瘍遺伝子産物の断片をコードしている領域、および当該領域の5’末端側に、3m(mは0または正の整数)の塩基を介して存在している、機能的な開始コドンとしてAUGのみを含んでいる、免疫治療用細胞。
本発明は、発現ベクターなどに含まれている発現調節エレメントに依存せずに、WT1遺伝子産物またはその断片の発現量を顕著に向上させた核酸構築物が導入されている免疫治療用細胞、および当該核酸構築物を提供できるという効果を奏する。これらは遺伝子治療に依存しない、効果的な免疫療法に利用され得る。
本発明の核酸構築物からのタンパク質の発現量について試験した結果を示す図である。
〔本発明の免疫治療用細胞〕
本発明は、ウィルムス腫瘍遺伝子産物またはその断片をコードしている核酸構築物を含んでいる免疫治療用細胞(以下、単に本発明の細胞と記載)を提供する。上記核酸構築物は、配列番号1の194位から493位によってか、または配列番号1に対応する配列の対応する位置によって示されているウィルムス腫瘍遺伝子産物の断片をコードしている領域、ならびに当該領域の5’末端側に、3m(mは0または正の整数)の塩基を介して存在している、機能的な開始コドンとしてAUGのみを含んでいる。
上記核酸構築物は、後述する〔本発明の核酸構築物〕の項に説明するように、任意の細胞に導入されることによって、ウィルムス腫瘍遺伝子産物またはその断片の顕著に増強された発現を示す。したがって、本発明の免疫治療用細胞を用いれば、わずかな数の投与によって、大量または必要量のタンパク質を所望の生体に投与し得る。
本発明の細胞は、腫瘍抗原を提示させている樹状細胞の投与を包含している免疫療法を目的とする、投与対象である生体に由来する樹状細胞であり得る。樹状細胞を使用する免疫療法については種々の公知文献を参照すればよいので、本明細書では詳細な説明を省略する。
よってここでは、本発明の細胞として特に好ましい細胞について詳述する。当該細胞は、本発明者らによって開発された免疫療法(国際公開第2007/097370号および国際公開第2010/061930号を参照)を目的として、CD1dをコードしているmRNAをさらに含んでいる。また、当該細胞は、NKT細胞の抗原受容体によって認識される糖脂質が、細胞表面に存在する当該CD1dと結合していることが好ましい。本発明の細胞の表面にあるCD1dによって上記糖脂質が提示されているので、当該細胞が生体に投与されると、NKT細胞によって本発明の細胞は効率的に傷害を受ける。この傷害によって、本発明の核酸構築物から発現されたWT1遺伝子産物またはその断片がペプチド断片に処理される。例えば、周辺の樹状細胞が当該ペプチド断片を取り込むと、主要組織適合抗原(MHC)クラスII分子とともに当該ペプチド断片をT細胞に提示し、T細胞が活性化される。これと同時に、本発明の細胞を傷害したNKT細胞は、上記ペプチド断片を取込んだ樹状細胞によって活性化される。つまり、本発明の細胞の投与によって、自然免疫および腫瘍特異的な抗原ペプチドに依存する獲得免疫が生じる。このようにして、本発明の細胞は、WT1遺伝子産物またはその断片を大量に発現しているので、腫瘍に対する生体の免疫能を効率的に向上させ得る。
CD1dは、上述のように糖脂質を提示するMHC様分子である。CD1dは、抗原提示細胞(例えば樹状細胞)および特定の組織(例えば腸管、肝臓)における上皮細胞、ならびに一部の腫瘍細胞(例えば固形腫瘍細胞、白血病細胞)およびウイルス感染細胞において発現している。
NKT細胞の抗原受容体によって認識される糖脂質の例としては、α−GalCer(α−galactsylceramide)、α−C−GalCer(α−C−galactsylceramide)、iGB3(isoglobotrihexosylceramide)、GD3(ganglioside 3)、GSL−1(α−linked glucronic acid)、およびGSL−1’SA(galacturonic acid)が挙げられる。これらのうちα−GalCerまたはα−C−GalCerが好ましい。
また、本発明の細胞は樹立細胞系であることが好ましい。樹立細胞系は、生体から得られた細胞などと比べて増殖効率および遺伝子の導入効率が高く、安定して大量の細胞を調製することが可能である。樹立細胞系は哺乳類に由来する細胞であり得る。ヒトに対する臨床応用という観点から、ヒトの特に正常細胞に由来する細胞が好ましい。なお、愛玩動物(例えばイヌ、ネコ)に対する用途には、投与対象の動物種に由来する細胞を使用し得るし、ヒトに対する用途と同様にヒト由来の細胞を使用し得る。
〔本発明の核酸構築物〕
また、本発明は、ウィルムス腫瘍遺伝子産物またはその断片をコードしている、発現量が向上された核酸構築物を提供する。当該核酸構築物は、上述のように、配列番号1の194位から493位によってか、または配列番号1に対応する配列の対応する位置によって示されているウィルムス腫瘍遺伝子産物の断片をコードしている領域、ならびに当該領域の5’末端側に、3m(mは0または正の整数)の塩基を介して存在している、機能的な開始コドンとしてAUGのみを含んでいる。
本明細書に使用されるとき、“ウィルムス腫瘍遺伝子産物”または“その断片”という用語は、ウィルムス腫瘍遺伝子(Wilms tumor 1:WT1)にコードされている野生体のタンパク質と同じアミノ酸配列によって示されるポリペプチド(以下、野生体と同じポリペプチドと記載)、野生体のタンパク質と実質的に同じアミノ酸配列によって示されるポリペプチド(以下、野生体と類似のポリペプチドと記載)、または腫瘍特異的な抗原ペプチドとして知られているWT1由来のペプチドを含んでいるポリペプチド(以下、腫瘍特異的なポリペプチドと記載)を意味している。
ここで、野生体と同じポリペプチドは、公知のWT1遺伝子のcDNAにコードされているポリペプチドである。WT1遺伝子には種々のバリアントが存在している。当該バリアントのうち最も全長の長いポリペプチドをコードしているcDNAは配列番号3の配列(GenBnak# NM_024426)によって示される。この配列によって示されるものはWT1のバリアントDとして知られている。現在のところWT1にはバリアントA〜D(A:GenBank# NM 000378、B:GenBank# NM 024424、C:GenBank# NM 024425、D:GanBank# NM 024426)が存在することが知られている。本明細書において、野生体と同じポリペプチドは、例えば種々のバリアントと比較したときに見られる置換、欠失または付加が、配列番号3の配列の対応する箇所に対して任意に導入されている配列に示されるポリヌクレオチドにコードされているポリペプチドを意味している。なお、WT1遺伝子は長さの異なる2つのタンパク質を発現することが知られている。よって、野生体と同じポリペプチドは、上述のようなバリアントに見られる変異ありまたはなしの、長さの異なる2つのタンパク質と同じアミノ酸配列によって示されるものを包含している。
またここで、野生体と類似のポリペプチドは、野生体と同じポリペプチドのアミノ酸配列について比較したとき、90%以上、好ましくは95%以上、より好ましくは99%以上のアミノ酸が一致しているポリペプチドである。さらに、野生体と類似のポリペプチドは、免疫誘導能を損なわないか、増強し得るか、または適用可能なヒト白血球型抗原の型を変更し得ることが知られている変異が、腫瘍特異的な抗原ペプチドの領域に対して導入されているポリペプチドである。
当該変異としては、例えば国際公開第05/045027号に記載の変異が挙げられる。当該変異は、9アミノ酸残基からなるペプチド部分におけるC末端側から1、4、6または9番目のアミノ酸の他のアミノ酸への置換である。上記文献にしたがって、以下のように対応するアミノ酸残基が置換され得る。1番目のアミノ酸は、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、バリン、イソロイシン、ロイシンまたはメチオニンのいずれかに置換され得る。4番目のアミノ酸は、バリン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、アスパラギン酸またはグルタミン酸のいずれかに置換され得る。6番目のアミノ酸は、アスパラギン、セリン、スレオニン、グルタミン、リジンまたはアスパラギン酸のいずれかに置換され得る。9番目のアミノ酸は、アスパラギン酸、グルタミン酸またはグルタミンのいずれかに置換され得る。
上記変異としては、例えば国際公開第号05/053618号に記載の変異がさらに挙げられる。当該変異において、本願の配列番号3における770〜796番目の塩基に対応する塩基にコードされている9アミノ酸残基のうちの9番目がロイシンに置換されている。
上記変異としては、例えば国際公開第号07/016466号に記載の変異がさらに挙げられる。当該変異において、本願の配列番号3における770〜796番目の塩基に対応する塩基にコードされている9アミノ酸残基のうちの9番目がメチオニンに置換されている。
上記変異としては、例えば欧州特許1127068号の意見書に記載の2つの変異がさらに挙げられる。1つ目の変異において、本願の配列番号3における770〜796番目の塩基に対応する塩基にコードされている9アミノ酸残基のうちの2番目がロイシンに置換されている。2つ目の変異において、本願の配列番号3における770〜796番目の塩基に対応する塩基にコードされている9アミノ酸残基のうちの2番目がロイシンに、9番目がバリンに置換されている。
またここで、腫瘍特異的なポリペプチドは、野生体と同じポリペプチドにおける抗原ペプチドを含んでいる領域のアミノ酸配列について比較したとき、90%以上、好ましくは95%以上、より好ましくは99%以上のアミノ酸が一致しているポリペプチドである。さらに、野生体と類似のポリペプチドは、免疫誘導能を損なわないか、増強し得るか、または適用可能なヒト白血球型抗原の型を変更し得ることが知られている変異が、導入されているポリペプチドである。当該変異は上述の通りである。
以上のことから、本発明の核酸構築物は、野生体と同じポリペプチド、野生体と類似のポリペプチドまたは腫瘍特異的なペプチドをコードしているポリヌクレオチドを含んでいる。したがって、本発明の核酸構築物は、上述のようなWT1遺伝子における変異に加えて、コードしているアミノ酸が変化しない保存的な変異を任意に有している。
なお、以下のような場合、本発明の核酸構築物には先頭のAの5’末端側に1または2つの塩基を挿入する変異がさらに導入される:配列番号2の192位から769位の領域内または配列番号2に対応する配列における、当該領域と対応する領域内の任意の位置にAUGによって表される塩基が、上述した変異のいずれかによって生成され、先頭のAが191+3n位(nは1〜192の整数)以外に存在する場合。
本明細書に使用されるとき、配列番号2を参照している記載における“対応する配列”は、上述のようなWT1遺伝子の種々のバリアントを表す公知のcDNAに対応するRNAの配列を意味しており、これらのバリアントには、上述のように種々の変異が導入され得る。また、“対応する塩基”は、配列番号2のX位(Xは任意の整数)の塩基およびその周囲の塩基と比較して、上記“対応する配列”において特定される塩基を意味している。本明細書に接した当業者であれば、“対応する配列”および“対応する塩基”の意味を容易に理解し、適宜選択した配列番号2と“対応する配列”において、配列番号2のX位の塩基と“対応する塩基”を容易に見出し得る。よって、これ以降において、配列番号2を参照配列として、本明細書において本発明の核酸構築物について説明するが、すべての記載は、配列番号2と対応する配列における塩基の位置または領域を指すことが意図されている。
本発明の核酸構築物において、配列番号2の191位に対応する塩基は、例えばA、UまたはGによって表される塩基に置換され得る。いずれの塩基に置換されていても、真核生物において開始コドンとして機能している場合が報告されているコドンを生成し得る。また、本発明の核酸構築物において、配列番号2の191位に対応する塩基から始まる連続する塩基であり、配列番号2における769位の塩基までの任意の塩基を欠失し得る。これによって、上述のようなこれまでに公知の腫瘍特異的な抗原ペプチドを含んでいるポリペプチドをコードしている核酸構築物を提供し得る。
本発明の核酸構築物において、AUGによって表される3塩基から始まる領域を生成する変異が導入されていることが好ましい。この変異によって、真核生物において最も多く見られる開始コドンが生成される。よって当該領域がコード領域として認識される精度が向上するので、本発明の核酸構築物にコードされているポリペプチドの発現量が向上する。このような変異が生成されている核酸構築物に含まれているRNAの例として、以下の3つが挙げられる。
(1)配列番号2における191位の塩基がAに置換されているRNA。(2)配列番号2における191位の塩基から始まる連続する204塩基が欠失しているRNA。(3)AUGによって表される3塩基、および3m(mは、0または1〜250、より好ましくは1〜200の整数)の任意の塩基の順に5’末端側から連続している領域、ならびに当該領域に続いて配列番号2における770位〜1663位の領域を含んでいるRNA。
上記(1)は、本発明の核酸構築物におけるWT1ポリペプチドをコードしている領域の第1番目の塩基がAによって表される塩基に置換されているRNAである。上記(2)は、本発明の核酸構築物におけるWT1ポリペプチドをコードしている領域において最初に現れるAUGによって表される3塩基から始まっているRNAである。上記(3)は、これまでに腫瘍特異的な抗原ペプチドをコードしていることが同定されている領域(配列番号2における770位〜1663位の領域)を含んでいるポリペプチド鎖のC末端側に、AUGに続いて0または3の倍数個の塩基が付加されているRNAである。(1)〜(3)のいずれを採用しても、野生型と比べて発現量がはるかに向上したRNAを得ることができる。
さらに、本発明の核酸構築物は、配列番号2の1位〜100位まで、より好ましくは150位、さらに好ましくは120位まで、最も好ましくは190位までの塩基または対応する配列における、当該塩基に対応する塩基が欠失していることが好ましい。このような欠失を有している本発明の核酸構築物は、後述する転写用コンストラクトに挿入された場合に、プロモータから開始コドンまでの距離が適切に調節されているため、タンパク質をより適切に発現させる。
ここで、本発明の核酸構築物からのタンパク質の発現量は、野生型と比べて、少なくとも5倍以上であり、25倍以上であることが好ましい。本発明の核酸構築物を細胞に導入して利用する場合に、少数の細胞を用いてタンパク質の必要な量を準備し得る。特にこのような細胞を生体に投与する場合、当該生体に所望の反応を誘導し得るタンパク質の量を、少ない細胞数によって生体に提供し得る。したがって、本発明の核酸構築物は、このような細胞を均質かつ大量に調製するときに生じる煩雑さを大きく軽減し、当該細胞の生体への投与を容易にする。後述の実施例に記載するように、本発明は、野生型と比較して最大で約50倍以上にタンパク質の発現量が向上した核酸構築物を提供することができる。よって、本発明の核酸構築物は野生型と比べてはるかに取扱いが容易であり、非常に有用である。
本発明の核酸構築物は、実施例にその有効性が示されているように、配列番号4または配列番号5によって示される領域を含んでいることが好ましい。本発明の核酸構築物が当該領域を有していれば、タンパク質の発現量が野生型と比べて25倍以上に増強され得る。
また、本発明の核酸構築物は5’キャップ構造をさらに有していることが好ましい。本発明の核酸構築物における5’キャップ構造は、インビトロまたはインビボにおいて付与され得る。精製および単離の容易さを考慮すると、WT1ポリペプチドをコードしている領域を含んでいるRNAを用いてインビトロにおいて転写を行い、さらにインビトロにおいて5’キャップ構造を付与することが好ましい。インビトロにおける転写および5’キャップの付与は、当業者に公知の方法、市販の試薬または市販のキットなどを利用して容易に実施され得る。
また、RNAの安定性およびタンパク質の発現量を向上させるために、本発明の核酸構築物は、3’末端にポリアデニレーション(ポリA)鎖をさらに有していることが好ましい。ポリA鎖は、5’キャップ構造と同様にインビトロおよびインビボにおいて本発明の核酸構築物に付与され得るが、同様の理由から、インビトロにおいて付与されることが好ましい。ポリA鎖の付与も同様に、当業者に公知の方法、市販の試薬または市販のキットなどを利用して容易に実施され得る。
〔本発明の核酸構築物をコードしているポリヌクレオチドおよび当該ポリヌクレオチドを含んでいる転写用コンストラクト〕
本発明は、上述のような本発明の核酸構築物をコードしているポリヌクレオチドを提供する。本発明のポリヌクレオチドは、WT1遺伝子産物またはその断片をコードしているWT1遺伝子の領域を含んでいる。また、当該ポリヌクレオチドは、上述したような本発明の核酸構築物に導入されている変異と対応する変異が導入されている。本発明のポリヌクレオチドは本発明の核酸構築物の製造に特に適している。本発明の核酸構築物の製造に使用する場合、本発明のポリヌクレオチドは、本発明の核酸構築物を転写するためのコンストラクトに組み込まれている。
上述のように、本発明はまた、本発明のポリヌクレオチドを含んでいる転写用コンストラクトを提供する。転写用コンストラクトは、当該ポリヌクレオチドからのRNAの効率的な転写を実現し得る種々の要素をさらに含んでいる。上述のように、本発明の核酸構築物の転写がインビトロにおいて実施されることが好ましいので、転写用コンストラクトに含まれている上記要素は、インビトロにおける転写の方法またはキットなどに合わせて選択され得る。インビトロ転写用の市販のキットに適合させたコンストラクトの詳細を本発明の転写用コンストラクトの例として以下に説明する。
転写用コンストラクトは、上記ポリヌクレオチドと作動可能に連結されているプロモータを含んでいる。当該プロモータは、インビトロにおいて上記ポリヌクレオチドからのRNAの転写を促進し得るプロモータであればよく、その例としてはT7プロモータ、SP6プロモータおよびT3プロモータが挙げられる。また、転写用コンストラクトは、上記ポリヌクレオチドの下流に転写終結シグナル(すなわちターミネータ配列)をさらに含み得る。当該ターミネータ配列としては、T7ターミネータ、SP6ターミネータおよびT3ターミネータが挙げられる。なお、上記ポリヌクレオチドの下流において転写用コンストラクトを制限酵素などによって切断して転写させる場合、転写終結シグナルは不要である。
転写用コンストラクトは、それ自体を増幅するために、ベクターとしての機能を有し得る。この場合、転写用コンストラクトは、転写用コンストラクトが導入されている細胞を選択するための選択マーカー遺伝子をさらに含み得る。選択マーカー遺伝子としては、従来公知の抗生物質に対して抵抗性を示す遺伝子、栄養要求性に関する変異を補う遺伝子、および試薬を用いた呈色反応を触媒する酵素を発現する遺伝子などが挙げられる。なお、転写用コンストラクトがこのような選択性を有していない場合には、例えばPCRを利用して転写用コンストラクトを増幅し得る。したがって、転写用コンストラクトは、プラスミドDNAに挿入されていない、PCRによって増幅された直鎖状のポリヌクレオチド鎖であり得る。この場合、プライマー対は、鋳型におけるRNAのプロモータ領域を含めて増幅するように設計される。
なお、CD1dのmRNAをさらにコードしている転写用コンストラクトを生成する場合、当該転写用コンストラクトは、ポリシストロニックであるか、またはモノシストロニックである。転写用コンストラクトがポリシストロニックである場合、当該転写用コンストラクトは2つのコード領域の上流に1つのプロモータを含んでいる。転写用コンストラクトがモノシストロニックである場合、当該転写用コンストラクトはそれぞれのコード領域の上流にプロモータを1つずつ含んでいる。もちろん、2つの転写用コンストラクトを本発明の核酸構築物用とCD1dのmRNA用とに分けて作製し得る。これらの態様の他に、WT1遺伝子産物およびCD1dを融合タンパク質として発現させる態様が挙げられる。この場合、例えば、WT1遺伝子産物とCD1dとの間に、特異的なタンパク質分解シグナル配列(T2A配列など)が挿入されるようなmRNAが生成される。当該mRNAが導入された細胞において、上記融合タンパク質は、発現された後に、2つのタンパク質に分解されて個々のタンパク質としての活性を示し得る。
〔本発明の核酸構築物の製造方法〕
本発明の核酸構築物は、例えば当該核酸構築物をコードするポリヌクレオチドの増幅と当該ポリヌクレオチドのクローニングとインビトロ転写反応との組合せ、または化学合成などの公知技術によって製造される。本発明の核酸構築物の製造方法の一例について以下に説明する。
公知のWT1遺伝子のcDNAに対して所望の変異を導入し得るプライマー対を設計する。当該プライマー対は、例えば野生体の配列のN末端を欠失するように設計される。このとき、通常は欠失させる塩基の数を調節する必要はない。〔本発明の核酸構築物〕の項において説明したような変異が生じない限り、インビトロ転写されるRNAは、フレームシフト変異を起こさないからである。使用する鋳型のcDNAの配列を決定すれば、フレームシフト変異を起こしているか否かが分かるので、公知の方法にしたがって使用する前に鋳型DNAの配列決定を行い得る。
当該プライマー対および鋳型のcDNAを用いたPCRによって、所望のポリヌクレオチドを増幅する。増幅されたポリヌクレオチドおよびクローニングに使用するベクターを同じ制限酵素を用いて消化する。リガーゼを用いて消化したベクターおよびポリヌクレオチドをライゲーションして、当該ポリヌクレオチドを含んでいるベクター(転写用コンストラクト)を得る。
本発明のポリヌクレオチドを含んでいるベクターを用いて、例えば適切な大腸菌を形質転換する。形質転換した大腸菌を適切な培地において増殖させる。当該ベクターは、例えば特定の抗生物質に対して耐性を示す遺伝子を含んでおりり、大腸菌の増殖に使用する培地は特定の抗生物質を含んでいる。市販のキットなどを用いて菌体からベクターを抽出する。
回収されたベクターを環状のままか、または直鎖状にしてから市販のキットを用いて、インビトロ転写反応に供する。転写産物が5’末端のキャップ構造または3’末端にポリA付加などの修飾を受けていない場合、いずれも市販のキットを利用して、転写産物の5’末端に対してキャップ構造を付与し、転写産物の3’末端にポリA配列を付与し得る。
ここでは、主にキットを利用して本発明の核酸構築物を製造する方法について簡単に説明した。しかし、当業者であれば、製造工程に使用する試薬の一部を自ら調製可能であることを理解する。したがって、当業者であれば、製造されるRNAの性質にしたがって、市販のキットを部分的に改変すること、または試薬の一部を変更することによって、より適切なRNAの製造が可能である。特に後述の実施例の記載を参照すれば、本発明の核酸構築物の製造にとって好適な手法、調製すべき試薬、選択すべきキット、およびこれらにおける変更すべき点を、当業者は十分に理解する。
〔本発明の免疫治療用細胞を製造するためのキット〕
また、本発明は、免疫治療用細胞を製造するためのキットを提供する。当該キットは、上述の核酸構築物またはポリヌクレオチドを含んでいる。当該キットに本発明の核酸構築物が含まれている場合、ユーザは、当該キットを用いて〔本発明の免疫治療用細胞〕に記載されている任意の細胞に核酸構築物を導入する。また、当該キットに本発明のポリヌクレオチド(転写用コンストラクトとして)が含まれている場合、ユーザは、インビトロまたはインビボにおいて本発明の核酸構築物を転写させ、当該核酸構築物を任意の細胞に導入する。キットは取扱説明書をさらに含み得る。当該取扱説明書には、例えば、本明細書におけるこれまでの記載から理解されるような、本発明の免疫治療用細胞(必要に応じて核酸構築物)の製造における必要な事項について記載されている。
以上をまとめると、本発明は上記の課題を解決するために、以下の特徴を包含している。
(1)ウィルムス腫瘍遺伝子産物またはその断片をコードしている核酸構築物を含んでいる免疫治療用細胞であって、上記核酸構築物は、配列番号1の194位から493位、または配列番号1に対応する配列の対応する位置によって示されているウィルムス腫瘍遺伝子産物の断片をコードしている領域、および当該領域の5’末端側に、3m(mは0または正の整数)の塩基を介して存在している、機能的な開始コドンとしてAUGのみを含んでいる、免疫治療用細胞、
(2)ウィルムス腫瘍遺伝子産物またはその断片をコードしている核酸構築物が導入されている免疫治療用細胞であって、上記核酸構築物は、配列番号1の69位から517位によってか、または配列番号1に対応する配列の対応する位置によって示されているウィルムス腫瘍遺伝子産物の断片をコードしている領域を含んでおり、配列番号2の191位から193位に示されているCUGのうち、すべてを欠失しているか、もしくはCからAへの置換を有している、(1)に記載の免疫治療用細胞、
(3)上記核酸構築物から直接翻訳されるタンパク質の産生量が、配列番号2の191位から1741位に示されているコード領域を有しているRNAから直接翻訳されるタンパク質の産生量の25倍以上である、(1)または(2)に記載の免疫治療用細胞細胞、
(4)(1)〜(3)のいずれか1つに記載の細胞を製造するための上記核酸構築物であって、導入された細胞においてタンパク質に直接翻訳される、核酸構築物、
(5)配列番号4または配列番号5によって示される領域を含んでいる、核酸構築物、
(6)(4)または(5)に記載の核酸構築物を任意の細胞に導入する工程を包含している、免疫治療用細胞の製造方法、
(7)(4)または(5)に記載の核酸構築物をコードしている、ポリヌクレオチド、
(8)(4)もしくは(5)に記載の核酸構築物、または(7)に記載のポリヌクレオチドを含んでいる、免疫治療用細胞を製造するためのキット、
(9)CD1dをコードしているmRNAをさらに含んでおり、細胞表面に存在する当該CD1dに対して、NKT細胞の抗原受容体によって認識される糖脂質が結合している、(1)〜(3)のいずれか1つに記載の免疫治療用細胞。
以下に本発明に係るRNAの調製方法の一例および調製されたRNAから翻訳されるタンパク質の量を野生型と比較した結果について説明する。本実施例は、本発明を例証しているのみであり、本発明の範囲を限定しない。
〔本発明に係るRNAをコードしているポリヌクレオチドのクローニング〕
目的とするWT1のポリヌクレオチド配列をPCRによって得た。鋳型には、購入したヒトWT1のバリアントDをコードするcDNA(#SC308799、Origene社、配列番号3)を挿入したプラスミドDNAを用いた。PCR用のDNAポリメラーゼとして、KOD-Plus-Ver.2(#KOD-211、東洋紡)を使用した。オリゴヌクレオチドの各プライマー対の配列およびPCRの反応条件は以下の通りである。
(ATG−WT1用プライマー対)
フォワード:5’−CCAAGCTTCCACCATGCAGGACCCGGCTTCCACG−3’(配列番号6、3位〜8位:制限酵素HindIIIの認識配列、9位〜13位:コザック配列、14位〜34位:WT1の翻訳領域配列);
リバース:5’−CGGAATTCTCAAAGCGCCAGCTGGAGTTTGG−3’(配列番号7、3位〜8位は制限酵素EcoRIの認識配列、9位〜31位:WT1の翻訳領域配列)
(ΔN-WT1用プライマー対)
フォワード:5’−CCAAGCTTCCACCATGGGCTCCGACGTGCGGGA−3’(配列番号8、3位〜8位:制限酵素HindIIIの認識配列、9位〜13位:コザック配列、14位〜33位:WT1の翻訳領域配列);
リバース:5’−CGGAATTCTCAAAGCGCCAGCTGGAGTTTGG−3’(配列番号9、3位〜8位は制限酵素EcoRIの認識配列、9位〜31位:WT1の翻訳領域配列)。
PCRによるATG−WT1(配列番号3の191位(cからaに置換されている)から1741位に対応)の増幅産物の予想される鎖長は約1580塩基対であり、ΔN−WT1(配列番号3の395位から1741位に対応)のそれは約1350塩基対であり、アガロースゲル電気泳動を行って理論値と矛盾しないことを確認した。増幅産物のそれぞれをプラスミドpcDNA3にクローニングし、pcDNA3−ATG−WT1およびpcDNA3−ΔN−WT1とそれぞれを名づけた。
(本発明に係る合成RNAの生成)
上述のプラスミド(pcDNA3−ATG−WT1およびpcDNA3−ΔN−WT1)を、制限酵素NotI(認識配列はpcDNA3上にある)を用いて直鎖状にした。そして、直鎖状にしたプラスミドのそれぞれを、QIAquick PCR Purification Kit(#28106、Qiagen社)によって精製した後にRNA合成の鋳型として使用して、所望のRNAを合成した。
(本発明に係る変異体RNAのからのタンパク質の発現量の確認)
2つの変異型のWT1 mRNAを、タンパク質の発現量について野生型のWT1 mRNAと以下のように比較した。
2つの変異型のWT1 mRNAおよび野生型のWT1 mRNAをそれぞれ同量ずつ用いて、3つのディッシュに分けて播いたHEK293(3×10個の細胞)を、リポフェクション法にしたがってトランスフェクションした。トランスフェクションした各細胞を、COインキュベータ、37℃においてインキュベートした。培養液を捨てた後に泳動用の溶解緩衝液を加えてから、セルスクレーパを用いてインキュベートした細胞を掻きとり、チューブに移した。チューブ内の細胞溶解物を超音波処理によってさらに破砕してサンプルを得た。
各サンプルを適宜希釈した上で15μlずつを電気泳動した(各サンプルの希釈率については後述)。ゲルを平衡化し、サンプルをゲルからメンブレンに転写した。サンプルが転写されたメンブレンを、ブロッキングした後に、ウサギ抗WT1抗体(SC-192、SantaCruz社)とともにインキュベートした。3回にわたってメンブレンを洗浄し、HRP標識されているヤギ抗ウサギIgGの二次抗体(#HAF008、R&D社)とともにメンブレンをインキュベートした。0.05%のTween20を含有しているTBSを用いて3回にわたってメンブレンを洗浄した後に、Immobilon Western(#WBKLS0500、Millipore社)を用いてメンブレンを処理して各バンドを検出した。
各バンドを検出した結果を図1に示す。各レーンの上に記載されている“×”の前の数値は、ポリアクリルアミドゲルにアプライされたサンプルが、元の細胞溶解物から何倍に希釈されているかを示している。野生型のWT1のmRNAからは、全長のタンパク質(517アミノ酸)がメジャーバンドとして、全長より短いバンドがマイナーバンドとして検出された(CTGの1×および5×)。N末端の一部を欠失しているWT1のRNAからは、野生型のWT1におけるマイナーバンドと同じ位置に約50倍以上の強度のバンドとして検出された(deltaの25×、50×)。コード領域の1塩基目がAに置換されているWT1のRNAからも野生型のWT1におけるメジャーバンドと同じ位置に約50倍以上の強度のバンドとして検出された(ATGの25×および50×)。
また、stdにおけるバンドは50ngのタンパク質によって検出されている。stdにおけるバンドの強度との比較から、野生型のWT1の検出量は1×において、少なくとも約50ngである。アプライされたサンプルは元のサンプルの1/10に相当するので、1×10細胞当りの発現量は少なくとも約250ngである。よって体重が約3kgの動物における免疫を誘導するには、十分なタンパク質の量とは言えない。一方で、2つの変異体RNA(deltaおよびAUG)からのWT1の発現量は、同様にそれぞれ少なくとも約50倍以上であるので、1×10細胞当りの発現量は約30μg以上である。
本発明は、生物学的分野および医学分野、特に腫瘍の治療などへの応用が期待される。

Claims (9)

  1. ウィルムス腫瘍遺伝子産物またはその断片をコードしている核酸構築物を含んでいる免疫治療用細胞であって、
    上記核酸構築物は、配列番号1の194位から493位によってか、または配列番号1に対応する配列の対応する位置によって示されているウィルムス腫瘍遺伝子産物の断片をコードしている領域、ならびに当該領域の5’末端側に、3m(mは0または正の整数)の塩基を介して存在している、機能的な開始コドンとしてAUGのみを含んでいる、免疫治療用細胞。
  2. ウィルムス腫瘍遺伝子産物またはその断片をコードしている核酸構築物が導入されている免疫治療用細胞であって、
    上記核酸構築物は、配列番号1の69位から517位によってか、または配列番号1に対応する配列の対応する位置によって示されているウィルムス腫瘍遺伝子産物の断片をコードしている領域を含んでおり、配列番号2の191位から193位に示されているCUGのうち、すべてを欠失しているか、もしくはCからAへの置換を有している、請求項1に記載の免疫治療用細胞。
  3. 上記核酸構築物から直接翻訳されるタンパク質の産生量が、配列番号2の191位から1741位に示されているコード領域を有しているRNAから直接翻訳されるタンパク質の産生量の25倍以上である、請求項1または2に記載の免疫治療用細胞。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の細胞を製造するための上記核酸構築物であって、導入された細胞においてタンパク質に直接翻訳される、核酸構築物。
  5. 配列番号4または配列番号5によって示される領域を含んでいる、請求項4に記載の核酸構築物。
  6. 請求項4または5に記載の核酸構築物を任意の細胞に導入する工程を包含している、免疫治療用細胞の製造方法。
  7. 請求項4または5に記載の核酸構築物をコードしている、ポリヌクレオチド。
  8. 請求項4もしくは5に記載の核酸構築物、または請求項7に記載のポリヌクレオチドを含んでいる、免疫治療用細胞を製造するためのキット。
  9. CD1dをコードしているmRNAをさらに含んでおり、細胞表面に存在する当該CD1dに対して、NKT細胞の抗原受容体によって認識される糖脂質が結合している、請求項1〜3のいずれか1項に記載の免疫治療用細胞。
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