以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1における情報記録媒体の全体構成を示す図である。なお、本発明の実施形態1では、情報記録媒体100として、記録層を1層のみ備えた単層BD−Rを例に説明を行う。またこのBD−Rに対する記録方式としては、シーケンシャル記録モードで記録されるものとして説明する。
円盤状の情報記録媒体100には、スパイラル状にトラック2(案内溝)が形成されており、各トラック2には細かく分けられた多数のクラスタ3が形成されている。クラスタ3は、誤り訂正の単位であり、記録および再生動作が行われる最小の単位であり、ECCブロックなどと呼ばれる場合もある。BDの場合、1クラスタは例えば32セクタ(1セクタは2KByteで、1クラスタは64KByte)である。
また、情報記録媒体100の領域は、インナーゾーン4とデータゾーン5とアウターゾーン6に大別される。ユーザデータの記録再生はデータゾーン5に対して行われる。インナーゾーン4はリードイン領域とも呼ばれ、またアウターゾーンはリードアウト領域とも呼ばれる。インナーゾーン4とアウターゾーン6は、ヘッド(図示せず)がデータゾーン5の端へアクセスする場合に、ヘッドがオーバーランしてもトラックに追随できるように、のりしろとしての役割を果たす。なお、この領域構成は、書き換え型情報記録媒体、追記型情報記録媒体ともに共通である。
図2は、本発明の実施形態1における情報記録媒体100の領域構造を示す図である。
データゾーン5は、ユーザデータが記録されるユーザデータ領域14と、ユーザデータ領域14の中の欠陥ブロックの代わりに用いるブロック(以下交替ブロック)として予め用意されたスペア領域であるISA(Inner Spare Area)15とOSA(Outer Spare Area)16とで構成される。
インナーゾーン4とアウターゾーン6には、管理情報を記録するためのDMA(Disc(またはDefect) Management Area)がそれぞれ2箇所ずつ、合計4箇所ある。具体的には、インナーゾーン4に備えられる第1DMA10と第2DMA11、アウターゾーン6に備えられる第3DMA12と第4DMA13である。それぞれのDMAには、DMA自身が欠陥に冒されている場合に備え、冗長性を高めるために、全て同じ内容の管理情報が多重記録される。
さらにリードイン領域(インナーゾーン4)は、第1TDMA(Temporary Disc(またはDefect) Management Area)17を備える。TDMAは、書換え(上書き更新)が出来ない追記型情報記録媒体特有の領域であり、情報記録媒体100を使用中の、過渡的な管理情報を追記更新するために使用される。
なお、図2では図示しなかったが、ISA15やOSA16の一部に更に予備のTDMAが配置されたりもする。予備のTDMAは、第1TDMA17が使い尽くされた後に使用される。なお、以下では第1TDMA17を、単にTDMA17と記載して説明を行う。
TDMA17には、情報記録媒体100に関する管理情報構造であるTDMSが記録される。TDMSは、TDFL400と、SRRI500と、TDDS600の3種類の管理情報から構成される。これらの詳細については、後述する。
TDMA17に管理情報を記録する場合、上述したように、領域の消費を抑えるために、TDMS Update Unitと呼ばれる更新単位で記録が行われる。TDMA17に管理情報を記録する場合は、以前に記録した管理情報の中で内容に変化がないものは再利用し、更新記録が必要な管理情報のみで構成されるTDMS Update Unitの単位で記録が行われる。
図3は、本発明の実施形態1における情報記録媒体100の確定した管理情報が記録されるDMAの領域構成を示す図である。
DMAには、ディスクのレイアウト情報などを含むディスク定義構造(Disc Definition Structure。以下、DDSと呼ぶ。)と、ユーザデータ領域の記録状態を示すSRRIと、欠陥の位置情報や交替先の位置情報などを含む欠陥管理情報(Defect List。以下、DFLと呼ぶ。)とが記録される。なお、ここで、先に述べたTDDSとTDFLの先頭文字“T”は、Temporaryの略で、TDMA17への記録情報であるため、このように呼ぶ。確定した管理情報が記録されるDMAには、DDSとDFLが記録されるが、これらは、TDDS600、TDFL400と同じデータ構成である。
DMAには、以降の新規記録(追記)を禁止し、再生専用とするファイナライズ(ディスククローズ)時に、TDMAに記録されている最新のTDMSを構成する最新の管理情報が記録される。
図4は、本発明の実施形態1における情報記録媒体100のTDFL400のデータ構造を示す図である。
TDFL400は、DFLヘッダ401と、0個以上の欠陥エントリ402で構成される。各欠陥エントリ402は、ユーザデータ領域に記録再生した時に検出された欠陥クラスタや、BD−Rに備えられている論理上書き機能(以下、LOWと略す)で書換え要求されたクラスタなどの位置を示す情報である交替元クラスタ位置情報404と、その交替元クラスタの代わりに割り当てられたスペア領域などの交替先クラスタの位置を示す情報である交替先クラスタ位置情報405とを含む。交替元クラスタ位置情報404や交替先クラスタ位置情報405は、例えば、それぞれのクラスタの先頭セクタの位置情報(物理アドレス)である。DFLヘッダ401は、TDFLに含まれる欠陥エントリ402の個数などを含む。TDFL400は、ユーザデータ領域14に記録再生したときに検出された欠陥クラスタの数に応じて可変長であり、複数クラスタに跨って記録されることもある。本発明の実施形態1では、例えば、TDFLは最大4クラスタで構成されるものとする。
図5は、本発明の実施形態1における情報記録媒体100のSRRI500のデータ構造を示す図である。
SRRI500は、SRRIヘッダ501と、1個以上のSRRエントリ502で構成される。各SRRエントリ502は、SRRの開始位置を示す情報であるSRR開始位置情報504と、SRR内の最終記録位置を示す情報であるSRR最終記録位置情報505が含まれる。なお、最終記録位置情報は、LRA(Last Recorded Address)とも表記される。SRRIヘッダ501には、SRRI500に含まれるSRRエントリ502の個数などを含む。本発明の実施形態1では、例えば、SRRIは最大30セクタに収まるサイズであるとする。
図6は、本発明の実施形態1における情報記録媒体100のTDDS600のデータ構造を示す図である。
TDDS600は、TDFL400やSRRI500などの管理情報が記録された位置情報など、管理情報を管理するための情報を含む情報である。TDDS600は固定サイズの情報であり、本発明の実施形態1では、例えば、TDDS600のサイズは1セクタである。
TDDS600は、TDDSを更新記録した回数を示す更新記録回数などを含むDDSヘッダ601や、DMAに記録されたDFLの位置に関する情報であるDFL位置情報602、TDMAに記録された最新のTDFL400の位置をクラスタ単位で管理するための情報である第1TDFL位置情報603、第2TDFL位置情報604、第3TDFL位置情報605、第4TDFL位置情報606、TDMAに記録された最新のSRRIの位置情報であるSRRI位置情報607などを含む。
最新のTDDS600と、その最新のTDDSに格納された第1〜第4TDFL位置情報603〜606が示すクラスタに記録されているTDFL400と、SRRI位置情報607が示すクラスタに記録されているSRRI500とが、最新の管理情報(最新のTDMS)となる。
なお、TDFL400は、最大4クラスタで構成されるため、TDDS600は、各クラスタが記録された位置を示す第1から第4までの4つのTDFL位置に関する情報を含む。TDFL400は、欠陥エントリ402の数によって、TDMA17に記録されるクラスタ数が変化する。その場合、TDMA17に記録されていないTDFL位置を示す情報には、TDFLクラスタが存在しないことを表す無効な位置情報、例えば0が格納される。例えば、TDFL400の有効サイズが2クラスタの場合、第1TDFL位置情報603と第2TDFL位置情報604にはTDMA17に記録されたそれぞれのクラスタの位置に関する情報が格納されるが、第3TDFL位置情報605と第4TDFL位置情報606には0が格納される。また同様に、DMAに記録されたDFLの位置情報であるDFL位置情報602についても、TDMA17に記録されるTDDS600では、その情報が無効であることを示す例えば0が格納される。
図7は、本発明の実施形態1における情報記録再生装置700の構成を示す図である。
情報記録再生装置700は、I/Oバス760を介して、上位制御装置710に接続される。上位制御装置710は、例えばホストコンピュータである。
情報記録再生装置700は、命令処理部720と、記録再生部730、バッファ740、ドライブ制御部750から構成される。
命令処理部720は、上位制御装置710からの命令(コマンド)を処理する。
記録再生部730は、命令処理部720およびドライブ制御部750からの指示にしたがって、情報記録媒体100に対し、クラスタ単位でデータの記録または再生を行う。
バッファ740は、記録再生されるユーザデータが一時的に格納される他、管理情報であるDDS・SRRI・DFLの最新の情報が格納されたり、あるいはバッファ740に格納しているDFL(TDFL)の内容が変更されたことを表すTDFL更新フラグ、SRRIの内容が変更されたことを表すSRRI更新フラグなどを格納する。
ドライブ制御部750は、管理情報取得部751と、管理情報更新部752、ベリファイ部753、管理情報記録部754、管理情報確認部755から構成される。
管理情報取得部751は、TDMA17から最新の管理情報を読み出して、バッファ740に格納(キャッシュ)するように記録再生部730を制御する。
管理情報更新部752は、バッファ740に格納された管理情報の内容の更新(変更)を行う。
ベリファイ部753は、記録再生部730を制御して所定のクラスタを再生し、再生結果に基づいて正しく再生できたか否かを確認する。例えば、データを再生して、誤り訂正が出来たことによって、正しく再生できたと判定する。あるいは、データを再生して、再生したデータと記録しようとしたデータとが一致したことによって、正しく再生できたと判定してもよい。
管理情報記録部754は、情報記録媒体100に更新記録が必要な管理情報を選択し、TDMA17に記録する管理情報を生成し、TDMA17に記録するように記録再生部730を制御する。
管理情報確認部755は、更新記録された管理情報および再利用された管理情報のいずれに対しても、ベリファイ部753を用いてベリファイし、最新の管理情報が正しく再生できるか否かを確認する機能を有する。
図8は、本発明の実施形態1におけるTDMA17から最新の管理情報を取得する方法を示すフローチャートである。
なお本処理は、情報記録媒体100が装着されてから、ユーザデータを記録再生するまでに行われる。
ステップ801で、管理情報取得部751は、情報記録媒体100からの再生信号などを基に、TDMA17の記録済み領域と未記録領域との境界位置を検出し、TDMAの記録済み終端クラスタ位置を特定する。なお、本ステップ801において確定したTDMA17の記録済み領域と未記録領域との境界位置(つまり、次にTDMA17に管理情報を記録する先頭位置である次TDMA記録位置)を、バッファ740の一部や、メモリ(図示せず)などに保持しておいてもよい。上述した通り、情報記録媒体100へのユーザデータの記録再生を行う前には、図8に示す管理情報(TDMS)の再生処理が実施されている必要がある。また、後述するように、TDMA17に新たな管理情報を記録(図10)する際には、必ずこの次TDMA記録位置に関する情報が必要になる。具体的には、この次TDMA記録位置は、後述するステップ1001において特定する情報と同等である。よって、本ステップ801において確定した次TDMA記録位置に関する情報を、以降の処理でも使用できるように、バッファ740やメモリなどに保存しておくのが望ましい。
ステップ802で、最新のTDDS600はTDMA17の記録済み終端クラスタの最終セクタに必ず記録されているため、管理情報取得部751は、記録再生部730を制御し、ステップ801で検出した、TDMA17の記録済み終端位置にあるクラスタを再生する。これにより、最新のTDDS600がバッファ740に読み出され、格納される。
ステップ803で、最新のTDDS600には、最新のTDFL400と最新のSRRI500の位置情報が記録されているため、管理情報取得部751は、バッファ740に読み出されたTDDSに含まれるTDFL位置情報603〜606とSRRI位置情報607から、最新のTDFL400と最新のSRRI500が記録されているクラスタ位置を特定する。
ステップ804で、管理情報取得部751は、記録再生部730を制御し、ステップ803で特定したクラスタを再生する。これにより、最新のTDFL400と最新のSRRI500がバッファ740に読み出され、格納される。
以上の手順により、最新の管理情報(最新のTDMS)を構成するTDDS、TDFL、SRRIがバッファ740に読み出され、格納される。
なお、ステップ804において、ステップ803で特定したTDFL位置情報603〜606とSRRI位置情報607が示すクラスタを再生するとしたが、TDDS600はTDFL400やSRRI500と組み合わされて、同一のクラスタに一緒に記録される。そのため、TDFL400やSRRI500のうち、TDMA17の記録済み終端クラスタにTDDS600と合わせて記録されていた管理情報については、ステップ802で再生済であるので、ステップ804で再生しなくてもよい。
図13(a)を例に具体的に説明する。
ステップ801で、未記録領域と記録済み領域の境界位置としてクラスタ#5とクラスタ#6の境界位置が検出され、クラスタ#5が記録済み終端クラスタとして特定される。
ステップ802で、クラスタ#5を再生することにより、最新のTDDS600であるTDDS#2がバッファ740に格納される。
ステップ803で、最新のTDFL400の位置に関する情報(第1TDFL位置情報603と第2TDFL位置情報604と第3TDFL位置情報605)として、第1TDFL#1が記録されたクラスタ#2と、第2TDFL#1が記録されたクラスタ#4と、第3TDFL#1が記録されたクラスタ#5と、の位置を取得する。また、最新のSRRI500の位置に関する情報として、SRRI#1が記録されたクラスタ#1の位置が特定される。
ステップ804で、クラスタ#1とクラスタ#2とクラスタ#4を再生することで、バッファ740に第1TDFL#1と第2TDFL#1とSRRI#1が格納される。なお、第3TDFL#1は、TDDS#2と同一のクラスタ#5に記録されているため、既にバッファ740に取得済みであり、ステップ804では再度再生する必要は無い。
以上により、最新の管理情報であるSRRI#1、第1TDFL#1、第2TDFL#1、第3TDFL#1、TDDS#2の全てが取得でき、バッファ740に格納される。
図9は、本発明の実施形態1における情報記録媒体100にユーザデータを記録する方法を示すフローチャートである。
命令処理部720は、上位制御装置710から記録コマンドを受け取ると、記録再生部730に記録コマンドに伴って送られてきたユーザデータを記録するように指示する。ここで、記録コマンドとして、ユーザデータを記録する領域の開始位置情報とクラスタ数が指定されるものとする。記録が指示されると記録再生部730は、上位装置から指示された開始位置に基づきユーザデータを記録する。
ステップ901で、記録再生部730は、ユーザデータ領域14、あるいはスペア領域(ISA15、OSA16)にユーザデータを記録する。ここで、スペア領域への記録が行われるのは、後述のステップ905において、スペア領域を交替先クラスタとして割り当てた場合である。
ステップ902で、記録再生部730は、ステップ901における記録に失敗したか否かを判定する。記録に失敗した場合、ステップ905に進む。記録に成功した場合は、ステップ903に進む。ここで、記録失敗とは、例えば、記録中にエラーが発生した場合や、記録したいクラスタ位置にヘッドが到達できずに記録が開始できなかった場合などである。
ステップ903で、ベリファイ部753は、ステップ901で記録した領域を再生するように記録再生部730に指示し、正しく再生できるか否かを判定するベリファイを行う。ベリファイに成功した場合、正しく再生できたと判定し、ベリファイに失敗した場合、正しく再生できなかったと判定する。これにより、ユーザデータが正常に記録されたか否かが判定できる。ここで、正しく再生出来るとは、例えば、所定の誤り訂正数以内でデータが読み出せた場合などである。
ステップ904で、ステップ903で正しく再生できたと判定された、すなわちユーザデータが正常に記録できた場合、ステップ907に進む。ステップ903で正しく再生できなかったと判定された、すなわちステップ901で記録したユーザデータが正常に再生できなかった場合、ステップ905に進む。ここで、ステップ901で記録したユーザデータが正常に再生できなかった場合としては、例えば、記録したクラスタが欠陥だった場合や、表面に埃や指紋が付着したことによって記録パワーが不足して適正な記録が出来なかった場合などである。
ステップ905で、記録再生部730は、記録やベリファイに失敗したクラスタ(つまり欠陥クラスタ)に記録しようとしたユーザデータを交替記録するために、スペア領域を交替先クラスタとして割り当てる。交替先クラスタへの記録は、ステップ901にて実施する。
ステップ906で、管理情報更新部752は、バッファ740に格納されたTDFLを更新する。例えば、ユーザデータ領域の記録中に欠陥を検出した場合、ステップ901で最初に記録しようとしたユーザデータ領域14のクラスタ位置を交替元クラスタ位置情報404とし、ステップ905で割り当てたスペア領域のクラスタ位置を交替先クラスタ位置情報405とした欠陥エントリ402をバッファ740に格納されたTDFLに追加し、DFLヘッダに含まれる欠陥エントリの数を1増やす。交替先として割当てたスペア領域のクラスタへの記録中に欠陥を検出した場合には、再度、交替クラスタをステップ905で割り当て、追加しようとした欠陥エントリ402の交替先クラスタ位置情報405を、再度割り当てたクラスタ位置に変更するように、バッファ740に格納されたTDFLを更新する。また、管理情報更新部752は、バッファ740上のTDFLの内容が更新(変更)されたことを表すTDFL更新フラグを1にする。そして、ステップ905で割り当てた交替先クラスタへ交替記録するため、再度ステップ901から処理を繰り返す。
ステップ907で、記録再生部730は、上位制御装置710から指定されたユーザデータを全て記録したか否かを判定する。例えば、上位装置から指定されたクラスタ数の記録が全て完了したか否かを判定する。指定されたユーザデータを全て記録した場合、ステップ908に進む。指定されたユーザデータを全て記録していない場合、残りのユーザデータを記録するため、ステップ901に進み、指定されたユーザデータを全て記録するまで、ステップ901からステップ907を繰り返す。
ステップ908で、上位制御装置710から指示されたユーザデータの記録が終了したので、管理情報更新部752は、バッファ740に格納されたSRRIに対し、ユーザデータが記録されたSRRに該当するSRRエントリ502のSRR最終記録位置情報505(LRA)をユーザデータの記録が終了した位置に更新する。また、バッファ740上のSRRIの内容が更新(変更)されたことを表すSRRI更新フラグを1にする。
ステップ909で、管理情報記録部754は、TDMAに記録すべき管理情報があるか否かを判定する。例えば、TDFL更新フラグまたはSRRI更新フラグが1の場合、記録すべき管理情報があると判定する。TDFL更新フラグとSRRI更新フラグが両方0の場合、記録すべき管理情報がないと判定する。記録すべき管理情報があると判定された場合、ステップ910に進む。記録すべき管理情報がないと判定された場合、処理を終了する。
ステップ910で、TDMAに記録すべき管理情報を記録する。
なお、ステップ909で、TDFL更新フラグまたはSRRI更新フラグが1の場合、TDMAに記録すべき管理情報があると判定したが、これに限るものではない。
ステップ909によると、ステップ908で、バッファ740に格納されたSRRIのSRR最終記録位置情報505(LRA)が更新されるため、ユーザデータの記録終了後には、必ずSRRIが記録されることになる。しかし、TDMA17が枯渇してしまうと、データの管理ができなくなり、ユーザデータを記録することができなくなる。
そのため、例えば、記録したクラスタ数をカウントしておき、所定クラスタ以上記録した場合に、管理情報をTDMAに記録すると判定してもよい。
例えば、TDMAに記録反映済のSRRIにあるLRAの値と、バッファ740上のSRRIにあるLRAの値と、の差分が所定以上の場合に、管理情報をTDMAに記録すると判定してもよい。
例えば、上位制御装置710からの記録指示が所定回数になった場合に、管理情報をTDMAに記録すると判定してもよい。
例えば、記録が終了した位置をバッファ740に保持しておき、上位制御装置710から指定される記録開始クラスタの位置が、前回記録が終了した位置と異なる場合に、管理情報をTDMAに記録すると判定してもよい。
例えば、TDMAに記録した時間をバッファ740に保持しておき、所定時間経過した場合に、管理情報をTDMAに記録すると判定してもよい。
例えば、更新回数をカウントしておき、所定回数を超えた場合、管理情報をTDMAに記録すると判定してもよい。
例えば、追加および変更した欠陥エントリ数をカウントしておき、欠陥エントリが所定個数追加および変更された場合に、管理情報をTDMAに記録すると判定してもよい。
例えば、DFLヘッダに含まれる欠陥エントリの数が増えたか否かを判定し、増えていた場合、管理情報をTDMAに記録すると判定してもよい。
ここで、上記の様々な判定基準をステップ909で行なうとしたが、同様の判定基準をステップ908やステップ906で行ってもよい。例えば、ステップ908では、TDMAに記録反映済のSRRIのLRAの値と、バッファ740上のSRRIのLRAの値と、の差分が所定以上の場合に、SRRI更新フラグを1にする、としてもよい。
なお、ユーザデータの記録終了後に必ず管理情報を記録する場合には、ステップ909は省略できる。
図10は、本発明の実施形態1におけるTDMAに管理情報を記録する方法を示すフローチャートである。
ステップ1001で、管理情報記録部754は、再生信号などを基にTDMAの記録済み領域と未記録領域との境界位置を検出し、TDMAの未記録領域の先頭位置を特定する。以降のステップで、管理情報を記録する場合、この先頭位置から順次記録が行なわれる。
なお、本ステップ1001では、必ずしも情報記録媒体100にアクセスを行い、再生信号等を用いてTDMAの記録済み領域と未記録領域との境界位置(つまり、次にTDMAに管理情報を記録する先頭位置である次TDMA記録位置)を検出しなくてもよい。具体的には、前述した図8のステップ801において次TDMA記録位置が確定し、その情報がバッファやメモリなどに保存されている場合には、本ステップ1001ではこのバッファやメモリに保存されている情報を取得するだけでもよい。なお、バッファやメモリに保存されている次TDMA記録位置に関する情報は、新たに管理情報(TDMS)をTDMAに記録(後述のステップ1004など)したタイミングなどで更新される。
ステップ1002で、管理情報記録部754は、TDMAに記録が必要な管理情報を特定する。例えば、更新した管理情報の種類を示す更新フラグ(TDFL更新フラグや、SRRI更新フラグ)を用いて、TDMAに記録が必要な管理情報を特定する。例えばTDFL更新フラグが1の場合、記録反映が必要な管理情報はTDFLとTDDSであると判定する。同様にSRRI更新フラグが1の場合、記録反映が必要な管理情報はSRRIとTDDSであると判定する。なおTDDSは、TDMA17に記録するときに必ず最終セクタに記録する必要があることに加え、管理情報を新たに記録することで、TDDSが保持する該当する管理情報の位置情報も変更が必要なため、TDFL更新フラグとSRRI更新フラグのいずれか一方でも1の場合は、必ず記録が必要な管理情報として判定される。
ステップ1003で、管理情報記録部754は、ステップ1002で選択した管理情報とTDDSのみで構成されるM個のクラスタからなるTDMS Update Unitに相当する内容をバッファ740に生成する。例えば、SRRI更新フラグのみ1の場合、図9のステップ908で更新されたバッファ740に格納されているSRRIと、バッファ740に格納されているTDDSとを組み合わせて1クラスタ(M=1)のTDMS Update Unitの内容を生成する。そして、生成したTDMS Update Unitの内容に含まれるTDDSのSRRI位置情報607に相当する情報を、SRRIとして記録されるクラスタの位置に変更する。TDFL更新フラグのみ1の場合、図9のステップ906で更新されたバッファ740に格納されているTDFLと、バッファ740に格納されているTDDSで、合計MクラスタとなるTDMS Update Unitの内容を生成する。そして生成したTDMS Update Unitの内容に含まれる第1TDFL位置情報603から第MTDFL位置に相当する情報を、それぞれのTDFLが記録されるクラスタの位置に変更する。TDFLの場合、生成されるクラスタは、欠陥エントリ数に依存して変化する。TDFLの最大サイズが4クラスタ、TDDSのサイズが1セクタであるとした場合、これらを組み合わせて生成されるTDMS Update Unitの合計のクラスタ数Mは、1≦M≦5となる。
ステップ1004で、管理情報記録部754は、記録再生部730を制御し、ステップ1003で生成したTDMS Update Unitの内容をTDMA17に記録する。
ステップ1005で、管理情報記録部754は、ステップ1004での管理情報の記録に成功したか否かを判定する。記録に失敗したと判定した場合、ステップ1008に進む。記録に成功したと判定した場合、ステップ1006に進む。
ステップ1006で、管理情報確認部755は、ベリファイ部753を用いてステップ1004で新たに記録した管理情報をベリファイし、正しく再生できるか否かを判定する。ベリファイに成功した場合、正しく再生できたと判定し、ベリファイに失敗した場合、正しく再生できなかったと判定する。これにより、新たに記録した管理情報が正常に記録されたか否かが判定できる。
ステップ1007で、ステップ1006で正しく再生できた(ベリファイOK)と判定した場合、すなわち新たに記録した管理情報が正常に記録できた場合、ステップ1009に進む。ステップ1006で正しく再生できなかったと判定した場合、すなわち新たに記録した管理情報が正常に記録できなかった場合、ステップ1008に進む。
ステップ1008で、管理情報記録部754は、記録やベリファイに失敗した管理情報を次の未記録領域に記録するため、管理情報を記録する領域を次の未記録領域に更新する。また、記録位置が変わるので、バッファ740に作成したTDMS Update Unitの内容に含まれる管理情報の位置情報を、その管理情報が記録されるクラスタの位置に変更する。
ステップ1009で、管理情報記録部754は、TDMA17に記録が必要な管理情報を全て記録したか否かを判定する。例えば、ステップ1003で生成したM個のクラスタ分の内容を全て記録したか否かを判定する。全て記録したと判定した場合、ステップ1010に進む。全て記録していないと判定した場合は、TDMA17に記録が必要な残りの管理情報を次の未記録領域に記録するために、ステップ1004に進む。そして、TDMA17に反映が必要な管理情報を全て記録するまで、ステップ1004からステップ1009を繰り返す。
ステップ1010で、管理情報確認部755は、ステップ1002において新たな記録は不要と判断された、つまり再利用された管理情報を特定し、それが記録されているTDMA17上のクラスタ位置を求める。例えば、SRRI更新フラグが0の場合、再利用された管理情報をSRRIと特定する。そして、バッファ740に格納されているTDDSから取得したSRRI位置情報607を再利用する管理情報のクラスタ位置とする。同様にTDFL更新フラグが0の場合、再利用された管理情報をTDFLと特定する。そして、バッファ740に格納されているTDDSから第1から第4のTDFL位置情報603、604、605、606を取得する。TDFLの場合、第1から第4のTDFL位置情報603、604、605、606が0でないクラスタについては、有効なTDFLが記録されているため、TDFL位置情報が0でないクラスタ位置を再利用された管理情報の位置とする。ここで、最新のTDMSがN個のクラスタに記録されているとすると、1≦M≦Nであり、ステップ1004で管理情報を記録する際に再利用された管理情報は、(N−M)個のクラスタということになる。したがって、ステップ1010では、(N−M)個のクラスタの位置を求める。
なお、ステップ1010で、更新フラグから再利用された管理情報の特定が完了した時点で、更新必要としてステップ1003などで1にセットされた管理フラグを0に設定(クリア)する。具体的には、例えば、ステップ1003でSRRIの更新が必要として、SRRI更新フラグを1にセットした場合は、ステップ1010にて再利用された管理情報の特定が完了した後、SRRI更新フラグを0にクリアする。
ステップ1011で、管理情報確認部755は、ベリファイ部753を用いてステップ1010で求めた再利用された管理情報をベリファイし、正しく再生できるか否かを判定する。ベリファイに成功した場合は正しく再生できたと判定し、ベリファイに失敗した場合は正しく再生できなかったと判定する。これにより、再利用された管理情報が正しく再生できるか否かが判定できる。すなわち、ステップ1006でのベリファイとあわせると、TDMAに記録されている最新のTDMSが全て正しく再生できることが確認されることになる。
ステップ1012で、ステップ1011で正しく再生できたと判定した場合、ステップ1013に進む。ステップ1011で正しく再生できなかったと判定した場合、再利用された管理情報をTDMA17に再度記録するため、再利用する管理情報を記録が必要な管理情報として(例えば、該当する管理情報がSRRIであれば、SRRI更新フラグを1にして)ステップ1002からやり直す。
ステップ1013で、管理情報確認部755は、再利用された管理情報の全てのベリファイを完了したか否かを判定する。例えば、ステップ1010で特定した(N−M)個のクラスタを全てベリファイしたか否かを判定する。全てのベリファイが完了したと判定した場合は、処理を終了する。ベリファイがまだ完了していないと判定した場合は、残りの再利用された管理情報をベリファイするため、ステップ1011に戻る。
図10に示す本発明の実施形態1におけるTDMAに管理情報を記録する処理の流れについて、図11を例に具体的に説明する。
図11は、図13(b)の状態から図10に示す管理情報を記録する方法を用いて、SRRI更新フラグが1であった場合の、管理情報記録後のTDMA17の状態を示す図である。SRRIを更新記録するため、SRRI更新フラグが1、TDFL更新フラグが0であるとする。そして、クラスタ#7にSRRI#3とTDDS#4を記録するときに意図せずにトラック跳びが発生してしまい、クラスタ#7の記録に失敗するとともに、既に記録済みのクラスタ#5を上書きして書き潰すものとする。
ステップ1001で、クラスタ#6とクラスタ#7の境界が記録済み領域と未記録領域の境界位置であると検出され、クラスタ#7がTDMAの未記録領域の先頭位置となる。すなわち、新しい管理情報はクラスタ#7から記録される。
ステップ1002で、SRRI更新フラグが1であるため、TDMA17に記録反映が必要な管理情報がSRRIであると判定する。
ステップ1003で、SRRI#3とTDDS#4からなるTDMS Update Unit#4(M=1)の内容をバッファ740に生成する。このとき、TDDS#4の内容に含まれるSRRI位置情報607に相当する情報を、SRRIが記録されるクラスタ#7に変更する。
ステップ1004で、クラスタ#7にバッファ740に生成したTDMS Update Unit#4の内容を記録する。
このとき、クラスタ#7の記録中にトラック跳びが発生し、クラスタ#5を書き潰してしまう。
ステップ1005では、ステップ1004での記録に失敗してしまったので、ステップ1008に進む。
ステップ1008で、TDMS Update Unit#4の内容を再度記録するクラスタの位置を求めなおし、クラスタ#8として位置情報が更新される。つまり、バッファ740のTDDS#4に含まれるSRRI位置情報607に相当する情報を、SRRIが新たに記録されるクラスタ#8に変更する。
ステップ1009で、TDMA17に記録が必要な管理情報の記録がまだ終了していないためステップ1004に戻る。
ステップ1004からステップ1009で、クラスタ#8にTDMS Update Unit#4の内容を記録する。
TDMA17に記録が必要な管理情報であるTDMS Update Unit#4の記録が終了したので、ステップ1010に進む。そして、TDFL更新フラグが0であるので、再利用された管理情報をTDFLと特定し、バッファ740に格納されているTDDS#4から第1TDFL位置情報603から第4TDFL位置情報606の4つのTDFL位置情報を取得する。図11の場合、第1TDFL位置情報603としてクラスタ#2、第2TDFL位置情報604としてクラスタ#4、第3TDFL位置情報605としてクラスタ#5、第4TDFL位置情報606として0が取得される。そのため、再利用された管理情報のクラスタ位置を、クラスタ#2とクラスタ#4とクラスタ#5と特定する。図11の場合、最新のTDMSは、TDFLの3クラスタと、SRRIとTDDSの1クラスタから構成されるため、N=4となる。また、記録される管理情報はSRRIとTDDSを組み合わせた1クラスタで、M=1である。よって、再利用する管理情報は、TDFLの3クラスタで、N−M=4−1=3クラスタとなる。
ステップ1011で、クラスタ#2をベリファイする。ステップ1012でベリファイに成功したと判定されるので、ステップ1013に進む。
ステップ1013で、クラスタ#4とクラスタ#5をベリファイしていないので、ステップ1011に戻り、クラスタ#4をベリファイする。ステップ1012でクラスタ#4のベリファイに成功したと判定されるので、ステップ1013に進む。
ステップ1013で、クラスタ#5をベリファイしていないので、ステップ1011に進み、クラスタ#5をベリファイする。ステップ1012で、クラスタ#5は正しく再生できないため、ベリファイに失敗したと判定され、再利用される管理情報であるTDFLをTDMA17に再度記録するために、TDFL更新フラグを1にして、再度ステップ1002からステップ1009までを実行する。これにより、TDFLがTDMAに記録が必要な管理情報となり、ベリファイに失敗した第3TDFL#1を含む管理情報(TDMS Update Unit#5)がTDMA17に記録されてベリファイされる。
TDMS Update Unit#5をTDMA17に新たに記録したため、今度はSRRI#3が再利用された管理情報となる。そして、ステップ1010からステップ1011を実行して、SRRI#3が記録されているクラスタ#8をベリファイする。
ステップ1012で、クラスタ#8のベリファイに成功したと判定されるので、ステップ1013に進む。
ステップ1013で、再利用する管理情報を全てベリファイし終えたため、処理を終了する。
以上説明したように、本発明の実施形態1のTDMAに管理情報を記録する方法では、記録が必要な管理情報を記録する際に、再利用された管理情報も含めて、最新の管理情報(最新のTDMS)を構成するクラスタ全てをベリファイして正しく再生できるか否かを確認する。
すなわち、本実施形態1の記録再生方法では下記の動作を実行する。
本実施形態1の記録再生方法では、情報記録媒体に記録再生を行うステップ(a)と、情報記録媒体に記録されたデータを再生し、正常に再生できるか否かを確認するステップ(b)とを実行する。また、情報記録媒体に記録されたデータを管理するための複数種類の管理情報(例えば、TDFL、SRRI、SBM、TDDS)のうち、変更が必要な管理情報のみを、情報記録媒体に記録するステップ(c)を実行する。そして、変更が不要と判断されて再利用される管理情報も含めた最新の管理情報が正常に再生できるか否かを確認するステップ(d)を実行する。
また、最新の管理情報が情報記録媒体上に不連続に記録され、最新の管理情報が記録されている位置の間に最新の管理情報とは異なる管理情報が記録されている場合、上記ステップ(d)では、その最新の管理情報とは異なる管理情報を再生しなくてもよい。ここで「最新の管理情報が情報記録媒体上に不連続に記録されている」とは、情報記録媒体の記録再生単位であるクラスタ単位で見た場合に、最新の管理情報が記録されたクラスタが離散的になっている(連続していない)状態を示す。また、「最新の管理情報が記録されている位置の間に最新の管理情報とは異なる管理情報が記録されている」とは、最新の管理情報が記録されている不連続(離散的)なクラスタとクラスタの間にあるクラスタに、最新ではない管理情報が記録されている状態を示す。
また、最新の管理情報が正常に再生できないことを確認した場合、少なくとも最新の管理情報のうちの正常に再生できなかった管理情報の記録をやり直してもよい。
また、複数種類の管理情報の少なくとも1つの管理情報(例えば、TDDS)は、他の種類の管理情報(例えば、TDFL、SRRI、SBM)が記録されている位置を示す管理情報位置情報を含んでいる。上記ステップ(d)では、その管理情報位置情報に基づいて、再利用される管理情報が記録されている位置を特定してもよい。
また、本実施形態1において主に説明したように、上記複数種類の管理情報とは、情報記録媒体の欠陥領域を管理するための欠陥管理情報(例えば、TDFL)と、情報記録媒体の記録状態を示す記録管理情報(例えば、SRRIもしくはSBM)と、情報記録媒体の構成を示すディスク定義構造(例えば、TDDS)であってもよい。ディスク定義構造は、欠陥管理情報が記録された位置を示す欠陥管理情報位置情報と、記録管理情報が記録された位置を示す記録管理情報位置情報とを含んでいてもよい。このとき、上記ステップ(d)では、欠陥管理情報位置情報と記録管理情報位置情報に基づいて、再利用される管理情報が記録されている位置を特定してもよい。
また、本実施形態1の情報記録再生装置は下記の構成を有する。
本実施形態1の情報記録再生装置は、情報記録媒体に記録再生を行う記録再生部730と、記録再生部を用いて情報記録媒体に記録されたデータを再生し、データが正常に再生できるか否かを確認するベリファイ部753と、情報記録媒体に記録されたデータを管理するための複数種類の管理情報(例えば、TDFL、SRRI、SBM、TDDS)のうち、変更が必要な管理情報のみを、記録再生部を用いて情報記録媒体に記録する管理情報記録部754と、変更が不要と判断されて再利用される管理情報も含めた最新の管理情報が正しく再生できるか否かをベリファイ部を用いて確認する管理情報確認部755とを備える。
また、最新の管理情報が情報記録媒体上に不連続に記録され、最新の管理情報が記録されている位置の間に最新の管理情報とは異なる管理情報が記録されている場合、管理情報確認部は、最新の管理情報の確認の動作時に、その最新の管理情報とは異なる管理情報を再生しなくてもよい。
また、最新の管理情報が正常に再生できないことを管理情報確認部が確認した場合、記録再生部は、少なくとも最新の管理情報のうちの正常に再生できなかった管理情報の記録をやり直してもよい。
また、複数種類の管理情報の少なくとも1つの管理情報(例えば、TDDS)は、他の種類の管理情報(例えば、TDFL、SRRI、SBM)が記録されている位置を示す管理情報位置情報を含んでいる。管理情報確認部は、管理情報位置情報に基づいて、再利用される管理情報が記録されている位置を特定してもよい。
また、本実施形態1において主に説明したように、複数種類の管理情報は、情報記録媒体の欠陥領域を管理するための欠陥管理情報(例えば、TDFL)と、情報記録媒体の記録状態を示す記録管理情報(例えば、SRRIもしくはSBM)と、情報記録媒体の構成を示すディスク定義構造(例えば、TDDS)であってもよい。ディスク定義構造は、欠陥管理情報が記録された位置を示す欠陥管理情報位置情報と、記録管理情報が記録された位置を示す記録管理情報位置情報とを含んでいてもよい。このとき、管理情報確認部は、欠陥管理情報位置情報と記録管理情報位置情報に基づいて、再利用される管理情報が記録されている位置を特定してもよい。
以上の本実施形態1の情報記録再生方法および情報記録再生装置の構成であれば、記録後に最新の管理情報全ての確認(ベリファイ)を行うため、最新の管理情報が正しく再生出来ることを保証できる。例えば図11の場合で言えば、記録中にトラック跳びなどで意図せぬ書き潰しなどが発生しても、書き潰してしまったクラスタ#5が正しく再生できない(書き潰された)ことを検出できる。そして、書き潰されたTDFLの代わりに、バッファ740に保持しているTDFLの内容を再度TDMA17に記録することで、正しく再生できる第3TDFL#1を含んだTDFL400がTDMA17に記録されるため、最新のTDMSは全て正しく再生できることが保証できる。
すなわち、記録中に最新の管理情報(最新のTDMS)を書き潰してしまった場合であっても、最新の管理情報が再生できないことを正確に検出できる。また、バッファに格納(キャッシュ)している最新の管理情報を用いて、再生できない管理情報を再度TDMAに記録し直すことで、TDMA17に記録されている最新の管理情報は、全て正しく再生できることが保証される。
本手法を適用すれば、最新の管理情報を記録した後に付着した傷や埃や指紋などの汚れによって再生できない場合にも、同様の効果が得られる。
また、本発明の実施形態1では、最新の管理情報の構成要素が記録されている位置を特定してから再生するため、ベリファイする領域を必要最小限な領域に限定できる。そのため、ベリファイに要する時間を必要最低限に抑えることができるため、管理情報が正しく再生できるか否かをより高速に判定することができる。また、最新の管理情報が記録されている領域の間に欠陥クラスタが存在したとしても、その領域を再生することなく、管理情報が正しく再生できるか否かをより高速に判定することができる。また、最新の管理情報が不連続(離散的)に記録され、最新の管理情報が記録されている領域の間に、最新でない管理情報が存在したとしても、最新でない管理情報が記録された領域を再生することなく、管理情報が正しく再生できるか否かをより高速に判定することができる。
さらに、記録する前に所定領域範囲分の全てのデータを再生して保持しておく必要がなく、バッファの拡張を最低限にし、最小のコストで、管理情報の記録が正しく再生できるか否かをより高速に判定することができる。
なお、ステップ1013で、1クラスタずつベリファイを行ったが、図11のクラスタ#4、クラスタ#5のように、ベリファイを行う領域が連続している場合、複数クラスタを一度にベリファイしてもよい。これにより、クラスタ#5のベリファイ開始時に行われるシークがなくなるため、より高速にベリファイを行うことができる。
なお、本発明の実施形態1では、TDMA17に記録する必要がある管理情報を記録する度に、再利用する管理情報をベリファイするものとしたが、情報記録媒体100が情報記録再生装置700から取り出される(イジェクトされる)前までにベリファイされ、正しい管理情報が再生できる状態にしておけばよいため、ベリファイを実施するタイミングはこれに限るものではない。
例えば、管理情報を記録する時間を短縮するために、TDMA17に記録した回数をカウントしておき、所定回数になったら、再利用された管理情報をベリファイするといった方法でもよい。また、TDMA17に記録を行った時間情報を保持しておき、所定時間の経過をトリガにして、再利用された管理情報をベリファイしてもよい。さらに、情報記録再生装置700が情報記録媒体100に記録再生を行っていない時間に再利用する管理情報をベリファイしてもよい。
例えば、新たな管理情報の記録の際に記録エラーを検出した場合だけ、再利用された管理情報をベリファイしてもよい。あるいは、トラック跳びが発生して書き潰した可能性が高い記録エラー(例えば、トラックエラー信号の異常とか、記録停止した位置情報のズレや、ディスク回転の同期ズレとか)が発生したときのみ、再利用する管理情報をベリファイしてもよい。これにより、再利用する管理情報をベリファイする回数を削減でき、パフォーマンスをさらに改善できる。
例えば、トラッキングエラー信号を用いて、トラック跳びを検出しておき、記録済みのトラックに跳んだことを確認したときのみ、再利用する管理情報をベリファイしてもよい。これにより、再利用する管理情報をベリファイする回数をより削減でき、パフォーマンスをさらに改善できる。反対に、未記録のトラックに跳んだ場合は、その時点では書き潰されたデータは無い。また、追記型媒体なので、書き潰した領域に記録するときに、記録もしくはベリファイに失敗するため、記録しようとしたデータは別の領域に記録しなおされる。そのため、未記録のトラックに跳んだ場合は、再利用する管理情報をベリファイしないでもよい。なお、トラック跳びが発生した場合に、それが記録済み領域に跳んだのか、未記録領域に跳んだのかは、例えば情報記録媒体100から読み出される物理的なアドレス情報(BDの場合はADIPなど、情報記録媒体100に埋め込まれている物理アドレス情報)を追従する、あるいはRF信号の振幅から、トラック跳びしたのが記録済み領域側か、未記録領域側かを判断するような方法により実現出来る。
すなわち、変更が必要な管理情報の記録がリトライを伴って成功した場合には、ステップ(d)を実行し、変更が必要な管理情報の記録がリトライなく成功した場合は、再利用される管理情報以外の最新の管理情報(すなわち変更が必要であったために記録された管理情報)が正常に再生できるか否かを確認するステップ(e)を実行してもよい。
また、本実施形態1の情報記録再生装置は、変更が必要な管理情報の記録がリトライを伴って成功した場合に、管理情報確認部は、再利用される管理情報も含めた最新の管理情報が正常に再生できるか否かを確認し、変更が必要な管理情報の記録がリトライなく成功した場合、管理情報確認部は、記録を行った上記変更が必要であった管理情報が正常に再生できるか否かの確認を行い、再利用される管理情報が正常に再生できるか否かの確認は行わなくてもよい。
なお、本実施形態1の情報記録再生装置は、再利用される管理情報以外の最新の管理情報(すなわち変更が必要であったために記録された管理情報のみ)を正しく再生できるか否かをベリファイ部を用いて確認する第2の管理情報確認部を更に備えていてもよい。このとき、管理情報記録部がリトライを伴って記録に成功した場合は管理情報確認部で確認動作を行い、管理情報記録部がリトライなく記録に成功した場合は第2の管理情報確認部で確認動作を行ってもよい。
以上の構成により、再利用する管理情報をベリファイする回数を削減でき、パフォーマンスをさらに改善できる。
なお、本発明の実施形態1では、TDMA17に記録する必要がある管理情報を特定するときに、更新した管理情報の種類を示すTDFL更新フラグとSRRI更新フラグを用いた。この場合、例えばTDFL400が3クラスタで構成されている場合では、TDFLに欠陥エントリ402(に相当するデータ)が追加された場合、TDMA17に3クラスタ記録されてしまう。しかし、シーケンシャル記録を行っている場合、多くの場合は、TDFLに欠陥エントリが追加される場合、TDFLの最後のデータ位置、つまり第3TDFLに欠陥エントリが追加され、第1TDFLに含まれるDFLヘッダ内の欠陥エントリ数が更新されることが多い。つまり、第1TDFL(に含まれるDFLヘッダ内の欠陥エントリ数)と第3TDFLは変更されるが、第2TDFLに変化はない。この場合、記録反映が必要な管理情報は、TDFLにおける第1TDFLと第3TDFLを含む2クラスタだけである。あるいは、図11でベリファイに失敗したのはクラスタ#5だけなので、再度TDMAに記録反映が必要な管理情報は、TDFLにおける第3TDFLを含む1クラスタだけである。そこで、例えば更新した管理情報の構成要素を示す第1TDFL更新フラグ、第2TDFL更新フラグ、第3TDFL更新フラグ、第4TDFL更新フラグ、SRRI更新フラグという形式、つまり管理情報におけるクラスタ毎のような形で更新フラグ情報をバッファ領域740に備え、それを用いてもよい。図12では、この方法を用いた場合の、実際にTDMA17が記録される様子を示している。
図12(a)は、図13(a)の状態から更新した管理情報の構成要素を示す更新フラグを用いて、図10に示すTDMA17に管理情報を記録する方法により、TDFL400を更新記録した後のTDMA17の状態を示す図である。なお、TDFL400は、新たに欠陥エントリが追加されたため、TDMA17に更新記録されるものとする。
TDFLに欠陥エントリが追加されると、上述したように、第1TDFLおよび第3TDFLのみが変更されるため、第1TDFL更新フラグと第3TDFL更新フラグが1、第2TDFL更新フラグと第4TDFL更新フラグとSRRI更新フラグが0となる。これにより、ステップ1002でTDMAに記録反映が必要な管理情報が、第1TDFLと第3TDFLとTDDSであると特定される。
ステップ1003からステップ1009を実行することで、図12(a)に示すように、第1TDFL#2と第3TDFL#2とTDDS#3で構成されるTDMS Update Unit#3の2つのクラスタがTDMAに記録される。
第2TDFL更新フラグと第4TDFL更新フラグが0であり、第2TDFL位置情報604としてクラスタ#4の位置、第4TDFL位置情報606として0(該当クラスタなしの意)、SRRI位置情報607としてクラスタ#5の位置が取得できるので、ステップ1010で、再利用された管理情報が第2TDFLとSRRIであると特定される。
ステップ1011からステップ1013を実行することで、クラスタ#1とクラスタ#4がベリファイされる。
これにより、TDMA17に記録が必要な管理情報を記録するときに、よりTDMA17の消費を抑えて記録することができる。
図12(b)は、更新した管理情報の位置を示す更新フラグを用いた場合に、図11のベリファイに失敗したクラスタの情報(つまり第3TDFL)とTDDSを組み合わせた内容のみTMDS Update Unitとして記録する方法を用いた場合の、TDMA17に記録した後のTDMAの状態を示す図である。
図11の場合、クラスタ#5のベリファイに失敗したときにTDFL更新フラグを1にするとしたが、図12(b)の場合、ベリファイに失敗したクラスタ#5に含まれる第3TDFLの更新フラグである第3TDFL更新フラグのみを1にし、他の更新フラグは0にする。これにより、ステップ1002で、TDMAに記録反映が必要な管理情報が、第3TDFLとTDDSであると特定される。
ステップ1003からステップ1009を実行することで、図12(b)に示すように、第3TDFL#1とTDDS#5で構成されるTDMS Update Unit#5の1クラスタがTDMA17に記録される。
第1TDFL更新フラグ、第2TDFL更新フラグ、第4TDFL更新フラグ、SRRI更新フラグが0であり、第1TDFL位置情報603としてクラスタ#2、第2TDFL位置情報604としてクラスタ#4の位置、第4TDFL位置情報606として0(該当クラスタなしの意)、SRRI位置情報607としてクラスタ#8の位置が取得できるので、ステップ1010で、再利用される管理情報が第1TDFLと第2TDFLとSRRIであると特定される。
ステップ1011からステップ1013を実行することで、クラスタ#2とクラスタ#4とクラスタ#8がベリファイされる。
このような方法を採用することで、再利用される管理情報のベリファイに失敗し、再度TDMAに記録する場合において、よりTDMA17の消費を抑えて記録することができる。
なお、図11では更新した管理情報の種類を示す更新フラグ(TDFL更新フラグ、SRRI更新フラグ)を、図12では更新した管理情報の構成要素を示す更新フラグ(第1TDFL更新フラグ、第2TDFL更新フラグ、第3TDFL更新フラグ、第4TDFL更新フラグ、SRRI更新フラグ)を用いるとしたが、TDMA17に反映が必要な管理情報が識別できればよく、これに限るものではない。
また、図12(a)のように、TDMA17に記録する管理情報が複数クラスタあり、1クラスタずつ記録する場合、クラスタ#6の記録終了後、クラスタ#7の記録の前には、シークが発生する。すなわち、クラスタ#6とクラスタ#7の記録が途切れるため、クラスタ#7の記録時にクラスタ#6を書き潰してしまう恐れがある。そのため、再利用される管理情報のベリファイを行う際、さらに加えてクラスタ#6をベリファイしてもよい。これにより、クラスタ#7の記録時にクラスタ#6を書き潰してしまった場合であっても、クラスタ#6が正しく再生できないことを検出できる。
また複数クラスタをまとめて記録してから、複数クラスタをまとめてベリファイしてもよい。これにより、各クラスタの記録前に発生するシークがなくなるため、1クラスタずつ記録する場合に比べ、より高速に管理情報を記録することができる。
また、本発明の実施形態1では、TDMA17に記録が必要な管理情報を記録した後、新たに記録した管理情報をベリファイし、その後、再利用する管理情報をベリファイするとしたが、最新の管理情報を構成する全てをベリファイすればよく、順番はこれに限るものではない。例えば、TDMA17に記録が必要な管理情報を記録した後、TDDSに含まれる最新の管理情報を構成する位置情報を全て取得し、位置情報が小さい値の(トラックに沿った)順番で、新たに記録した管理情報と、再利用された管理情報をベリファイしてもよい。これにより、トラックに沿った順番でベリファイを行うため、シーク時間を短縮することができる。そのため、管理情報が正しく再生できるか否かをより高速に判定することができる。また、新たに記録した管理情報と再利用する管理情報を区別する必要がないため、ステップ1010などのステップを不要とすることが出来、最新の管理情報のベリファイをより簡単に行うことができる。
なお、本発明の実施形態1では、情報記録媒体100が単層の追記型BDメディアであるBD−Rとしたが、記録層が複数ある多層ディスクであってもよい。また、記録モードはシーケンシャル記録モードではなく、ランダム記録モードの場合であってもよい。
また、追記型媒体でなく、BD−REのような書き換え型の情報記録媒体100であってもよい。なお、BD−REの管理情報は、図3に示すDMAからSRRIを除いたDDSとDFLで構成される。例えば、欠陥エントリが追加された場合、書き換え型の場合、DMAに含まれるDFLが上書き記録される。そのため、DDSに含まれるDFL位置情報は変化しないため、このケースではDDSは記録されない。したがって、DFLのみを記録が必要な管理情報とし、DDSは再利用する管理情報としてベリファイすることによって、書き換え型ディスクにも適用できる。
(実施形態2)
図14は、本発明の実施形態2におけるデータゾーン5の構成を示す図である。ここで、本発明の実施形態2における情報記録媒体は、図2に示す1回のみ記録可能な追記型の情報記録媒体100であるBD−Rとして説明を行う。
図2でも示したように、データゾーン5は、ユーザデータが記録されるユーザデータ領域14と、交替記録用のスペア領域であるISA15とOSA16で構成される。
ユーザデータ領域14は、ボリューム空間とも呼ばれ、ユーザのデータであるファイルを記録するファイルデータ領域20と、ファイルを管理するファイル管理情報を記録するファイル管理情報領域(第1ファイル管理情報領域21と、第2ファイル管理情報領域22)とで構成される。
なお、図14においては、ファイル管理情報領域を、ファイルデータ領域20の前後の領域それぞれに、合計2つ備える形で記載したが、第1ファイル管理情報領域21と第2ファイル管理情報領域22はファイル管理情報を重複記録するための領域であって、ファイル管理情報のロバストネス性を高めている。なお、この配置はあくまで一例であり、ファイル管理情報領域の個数や配置位置はこの例に限ったものではない。
なお、本発明の実施形態2では、ファイルデータ領域20に記録されるファイルの管理はファイルシステムによって行われるものとし、ファイルシステムとして、UDF(Universal Disk Format)を例に説明を行う。またファイル管理情報は、ISO/IEC13346規格、あるいはUDF規格に規定されたデータ構造を持つものとする。
また、ユーザデータ領域14は、複数の追記箇所を設けるように、論理トラックに分割することができる。ここで、論理トラックとはシーケンシャル記録の管理単位であり、ディスク基板上の溝のトラック2と区別するため、論理トラックという名称を用いる。論理トラックは先頭から終端に向かってシーケンシャル記録され、各論理トラックにおける次の記録(追記)開始位置は、NWA(Next Writable Address)によって管理される。
本発明の実施形態2では、ユーザデータ領域14は3つの論理トラックに分割され、論理トラック#1が第1ファイル管理情報領域21、論理トラック#3が第2ファイル管理情報領域22として割り当てられ、さらに論理トラック#2が、ファイルデータが記録されるファイルデータ領域20として割り当てられているものとする。なお以降では、ファイル管理情報領域としては、第1ファイル管理情報領域21を例に説明を行う。
図15Aは、本発明の実施形態2のおける、情報記録媒体100が備えるディレクトリ構造を示す説明図である。本発明の実施形態2における情報記録媒体100は、基幹ディレクトリであるルートディレクトリ(ルートDir)を備え、ルートディレクトリにはファイルAという1つのファイルのみを備えている。
図15Bは、図15Aのディレクトリ構造のファイルデータを記録したときのユーザデータ領域14のデータ構成を示す図である。
第1ファイル管理情報領域21には、ファイルを管理するために複数種類のファイル管理情報が記録される。
ファイル管理情報は、AVDP50、VDS51、LVD52と、メタデータファイル60に関するFE(MDF)53とメタデータファイル60とを備える。そして、これらの管理情報によってファイルの実データが管理される。
AVDP(Anchor Volume Descriptor Pointer)50は、所定位置(例えば論理セクタ番号(LSN)が256のセクタ位置など)に記録され、ファイルシステムの起点となる情報で、ここから情報記録媒体100上の全てのファイルに辿り着けるようになっている。AVDP50はVDS(Volume Descriptor Sequence)51が記録されている位置情報を含む。
VDS51は、情報記録媒体100に記録されたボリュームに関する情報が記録され、LVD52(Logical Volume Descriptor)が記録されている位置情報を含む。
LVD52は、論理ボリュームに関する情報が記録され、メタデータファイル60に関するFE(File Entry)であるFE(MDF)53が記録されている位置情報を含む。
FEは、各ディレクトリやファイルを管理する情報で、各ファイルが記録されている位置情報や、ファイルのサイズなどを含む。
メタデータファイル60の先頭位置には、FSD(File Set Descriptor)61が記録されるため、メタデータファイルに関するFEであるFE(MDF)53は、FSD61が記録されている位置情報を含む。
メタデータファイル60は、FSD61をはじめ、ファイル構造に関する情報を含み、各ファイルに関するFEや、各ディレクトリやファイルのデータなどを含む。
FSD61は、ルートディレクトリに関するFEであるFE(ルートDir)62が記録されている位置情報を含む。
各ディレクトリのデータには、ディレクトリを構成するファイル、およびディレクトリのFID(File Identifier Descriptor)が記録される。
FIDは、各ファイル、またはディレクトリのFEが記録されている位置情報と、FIDが管理しているデータがファイルかディレクトリかを示すファイル種別を含む。本発明の実施形態2における情報記録媒体100では、簡略化のため、ディレクトリとしてルートディレクトリのみ、ファイルとしてFileAのみとし、その結果、備えるFIDはFileAに関するFID(FileA)63の1つのみである。
ファイルデータ領域20には、ファイルの実体データ(本発明の実施形態2では、FileAの実体データであるFileAのデータ(FA)70の1つ)が記録されており、各ファイルに対応したFE(本発明の実施形態2では、FileAに関するFEであるFE(FileA)64の1つのみ)に、ファイルの実体データが記録された位置情報が記録されている。
つまり、ファイルの実体データを読み出す場合の例として、図15Bに示す情報記録媒体100からファイルAを読み出す場合の動きは、以下の手順になる。
1)AVDP50を読出し、VDS51に関する位置情報を取得する。
2)VDS51を読出し、LVD52に関する位置情報を取得する。
3)LVD52を読出し、FE(MDF)53に関する位置情報を取得する。
4)FE(MDF)53を読出し、メタデータファイル60の先頭位置に関する情報(FSD61の位置情報)を取得する。
5)FSD61を読出し、ルートディレクトリに関するFEであるFE(ルートDir)62の位置情報を取得する。
6)FE(ルートDir)62を読出し、ファイルAのFIDであるFID(FileA)63の位置情報を取得する。
7)FID(FileA)63を読出し、ファイルAに関するFEであるFE(FileA)64の位置情報を取得する。
8)FE(FileA)64を読出し、FileAのデータ70の位置情報を取得する。
9)FileAのデータ(FA)70を読出す。
ここで、論理アドレスと物理アドレスについて説明する。論理アドレスとは、ユーザデータ領域14に対して、始端を0として連続的に割り振られたアドレスのことである。ファイルシステムは、論理アドレスを介して、情報記録媒体100に対して記録再生等の制御を行う。一方、物理アドレスとは、情報記録媒体100上の物理的なアドレスであり、情報記録媒体100に埋め込まれていたりする。例えばBDの場合は、上述したADIPに相当する。情報記録媒体100をアクセスする装置(例えば、光ディスクドライブ装置)は、論理アドレスを物理アドレスに変換し、物理アドレスを介して、情報記録媒体100に対して記録再生等の制御を行う。1つの論理アドレスに対しては、必ず1つの物理アドレスが対応する。つまり、例えば、欠陥による交替が発生した場合には、論理アドレスに対応する物理アドレスが、もともと欠陥の場所に割り当てられていた物理アドレスから、交替先の物理アドレスに代わることになる。
図15Bには、論理アドレスで管理される論理空間と、物理アドレスで管理される物理空間とを対比して記載している。
図15Bに示すように、メタデータファイルが記録されている論理アドレス(つまり、図中のメタデータ論理アドレステーブル)は、FSD61が“c”、FE(ルートDir)62が“c+1”、FID(FileA)63が“c+2”、FE(FileA)64が“c+3”とする。また、それぞれの物理アドレスを、FDS61が“C”、FE(ルートDir)62が“C+1”,FID(FileA)63が“C+2”,FE(FileA)64が“C+3”とする。
図15Cは、図15Bに示した情報記録媒体100が備えたFileAを更新(変更)記録した場合の、ユーザデータ領域14のデータ構成を示す図である。
BD−Rには、本発明の実施形態1でも触れたように、論理上書き(LOW)機能を備えている。追記型の情報記録媒体100では、記録されたデータを物理的に上書きして書き直すことは出来ない。そこで、BD−Rが備えている欠陥管理機能、つまり交替記録機能を用いて、書き換えたいデータを交替記録することで、論理的には、あたかも書き換えたかのように扱うという機能である。より具体的に言えば、同じ論理アドレスの領域への記録に対して、異なる物理アドレスの領域に交替記録するということである。この際、交替記録先として割り当てられるのは、同じユーザデータ領域14内の領域であり、通常は交替元と同じ論理トラックのNWA位置のクラスタになる。ただし、その領域への記録に失敗した場合には、通常の欠陥交替記録機能により、さらにスペア領域であるISA15などに交替記録される。以上をまとめると、任意の論理アドレスへのデータの上書き要求に対して、情報記録媒体100上の未記録の領域を指す物理アドレスを、その論理アドレスに割り当て直して、データをその領域に記録する。物理アドレスを割り当て直した情報は、欠陥管理情報として保持される。以降、その論理アドレスへのデータ再生要求に対して、その領域(割り当て直した物理アドレスが指す領域)から再生されたデータが返される。従って、情報記録媒体100は、物理的には1回しか記録できないが、論理的には書き換えることができる。なお、これらの機能は主に、ファイルシステムのような管理情報の記録の際に用いられる。
図15Cに示すように、ファイルAの実体データであるFileAのデータ(FA)70が、物理空間上ではFileAのデータ(FA’)として更新記録される。つまり、ファイルAの実体データはFileAのデータ(FA’)70になる。ファイルAの記録位置やサイズが変更されるため、それらの情報を備えているメタデータファイル60の中のFE(FileA)64の内容も変更される。このFE(FileA)64がLOW機能によって論理的に上書き更新される。その結果、FE(FileA)64はFE’(FileA)64に変更され、論理アドレス“c+3”の位置に対応して、最初に記録されていた物理アドレス“C+3”の位置から、“C+4”の位置に交替記録される。そして、TDFL400には、交替元クラスタが“C+3”、交替先クラスタが“C+4”の欠陥エントリ402が登録される。これ以降、ファイルシステムから論理アドレス“c+3”へのアクセス要求は、物理アドレス“C+4”に実施されるようになる。このように、交替記録が行われた場合、交替記録前後で、論理アドレスと物理アドレスとの対応関係が変わることになる。
ここではすでに記録されているファイルAの更新記録の例を示したが、同様に、新たなファイルが追加されたり、ディレクトリが追加されたりした場合にも、書き換え(変更)が生じるファイルシステム用の管理情報はメタデータファイル60である。
ここで、ファイルやディレクトリの追加や変更に対する、管理情報の書き換えの際に、本発明の実施形態1に記載したのと同様に、意図しないトラック跳びが発生した場合を考えてみる。
この場合、トラック跳びによる書き潰しなどが発生していないかを判断するために、ファイルシステム用の管理情報が記録されている第1ファイル管理情報領域21の、記録済みのすべての領域に対してベリファイすることも可能である。しかし、本発明の実施形態1で示したTDMSと比べても、ファイル管理情報のデータ量も非常に大きく、本発明の実施形態1と同様に、最新のファイル管理情報に対してのみベリファイするという形が効率的である。
そこで最新のファイル管理情報に対してベリファイを行う場合には、メタデータファイル60に対しては、図15Bに記載したメタデータ論理アドレステーブルに示される、最新のファイル管理情報が記録されている領域に対してのみ実施すればよいことになる。
例えば図15Cのように、新たにFE’(FileA)64を記録する場合には、前にFE(FileA)64が記録されていた物理アドレス:“C+3”の位置に対してはベリファイ不要であり、新たに記録したFE’(FileA)64の位置である物理アドレス:“C+4”の位置に加えて、さらにFSD61、FE(ルートDir)62、およびFID(FileA)63が記録されている物理アドレス:“C”、“C+1”、および“C+2”に対してベリファイを実施すればよい。そして、もしベリファイNGとなる書き潰された領域が見つかった場合には、そのデータをスペア領域(例えばISA15)に対して欠陥交替記録すればデータを復旧することが出来る。
ここで、交替記録等が発生して、情報が配置されている物理アドレスが変化しようとも、最新のファイル管理情報を読み出して、正しく再生できるかを確認しようと思えば、論理空間のデータを、論理アドレスに従って、それぞれの管理情報が備える関連情報の位置情報(ポインタ情報)を用いて、AVDP50から上記で示した手順に従って読み出すことで実現可能である。
しかし、最新の管理情報に限ってもファイルシステムの管理情報は、第1ファイル管理情報領域21などにおいて、依然として広範囲に配置されることになる。
また、データ記録時の近隣トラックの書き潰しなどに繋がるトラック跳びについて考えてみると、実際にトラック追従が外れて跳んでしまうトラック本数(つまり領域範囲)は、記録しようとした位置を基準にして、その近傍トラックにほぼ限定される。
つまり、言い換えれば、書き潰しのチェックを行う領域範囲も限定してもよい。この場合には、情報記録媒体100の実際のアドレス、つまり物理アドレス基準で判断を行う必要がある。そのため、それぞれの管理情報が備える関連情報の位置情報(ポインタ情報)に加えて、TDFL400が備える欠陥エントリ402を組み合わせることで、最新の管理情報としてベリファイ対象とする領域(クラスタ)の物理的な位置(物理アドレス)を特定することが出来る。このようにすることで、論理アドレスのみでのチェックを行う場合と比べて、より高速に、より効率的に書き潰しのチェックを行うことが可能になる。例えば、図15Cの状態から更にファイルAの情報が変更されたり、新たにファイルが追加されたりしてメタデータファイル60へのLOWが実施された場合を考えてみる。この場合、図15Cの物理アドレス:“C+3”の領域同様に、最新の管理情報を備えていない領域がたくさん出来てくる。このような場合、ファイル管理情報の記録に伴って書き潰しを考慮してベリファイを行うべき、所定の範囲内に存在する最新のファイル管理情報は限られてくる可能性が高く、その情報だけをベリファイすればよいことになり、より効率的にチェックを行うことが出来る。
すなわち、本実施形態2の記録再生方法では下記の動作を実行する。
本実施形態2の記録再生方法では、情報記録媒体に記録再生を行うステップ(a)と、情報記録媒体に記録されたデータを再生し、正常に再生できるか否かを確認するステップ(b)とを実行する。また、情報記録媒体に記録されたデータを管理するための複数種類の管理情報(例えば、FSD、FE、FIDなど)のうち、変更が必要な管理情報のみを、情報記録媒体に記録するステップ(c)を実行する。そして、変更が不要と判断されて再利用される管理情報も含めた最新の管理情報が正しく再生できるか否かを確認するステップ(d)を実行する。
このとき、複数種類の管理情報の少なくとも1つの管理情報は、他の種類の管理情報が記録されている位置を示す管理情報位置情報を含んでおり、上記ステップ(d)は、管理情報位置情報に基づいて、再利用される管理情報が記録されている位置を特定してもよい。
また、本実施形態2の情報記録再生装置は、下記の構成を有する。
本実施形態2の情報記録再生装置は、情報記録媒体に記録再生を行う記録再生部730と、記録再生部を用いて情報記録媒体に記録されたデータを再生し、データが正常に再生できるか否かを確認するベリファイ部753と、情報記録媒体に記録されたデータを管理するための複数種類の管理情報(例えば、FSD、FE、FIDなど)のうち、変更が必要な管理情報のみを、記録再生部を用いて情報記録媒体に記録する管理情報記録部754と、変更が不要と判断されて再利用される管理情報も含めた最新の管理情報が正しく再生できるか否かをベリファイ部を用いて確認する管理情報確認部755とを備える。
このとき、複数種類の管理情報の少なくとも1つの管理情報は、他の種類の管理情報が記録されている位置を示す管理情報位置情報を含んでおり、管理情報確認部は、管理情報位置情報に基づいて、再利用される管理情報が記録されている位置を決定してもよい。
以上の本実施形態2の情報記録再生方法および情報記録再生装置の構成であれば、以上で説明したように、ユーザデータ領域14に存在するファイルシステムのような管理情報の記録の場合でも、再利用される、あるいは更新記録されていない最新の管理情報に対してもベリファイを行うことで、必要な管理情報が書き潰されていないかを確認することが出来、管理情報の信頼性向上を実現できる。
また、本実施形態2の記録再生方法は、変更が必要な管理情報の記録がリトライを伴って成功した場合に、上記ステップ(d)を実行し、変更が必要な管理情報の記録がリトライなく成功した場合は、再利用される管理情報以外の最新の管理情報(すなわち最新の管理情報の一部である変更が必要であった管理情報のみ)が正常に再生できるか否かを確認するステップ(e)を実行してもよい。
また、本実施形態2の情報記録再生装置は、変更が必要な管理情報の記録がリトライを伴って成功した場合に、管理情報確認部は、再利用される管理情報も含めた最新の管理情報が正常に再生できるか否かを確認し、変更が必要な管理情報の記録がリトライなく成功した場合、管理情報確認部は、記録を行った上記変更が必要であった管理情報が正常に再生できるか否かの確認を行い、再利用される管理情報が正常に再生できるか否かの確認は行わなくてもよい。
なお、本実施形態2の情報記録再生装置は、再利用される管理情報以外の最新の管理情報(すなわち変更が必要であった管理情報のみ)を正しく再生できるか否かをベリファイ部を用いて確認する第2の管理情報確認部を更に備えていてもよい。このとき、管理情報記録部がリトライを伴って記録に成功した場合は管理情報確認部で確認動作を行い、管理情報記録部がリトライなく記録に成功した場合は第2の管理情報確認部で確認動作を行ってもよい。
以上の構成により、再利用する管理情報をベリファイする回数を削減でき、パフォーマンスをさらに改善できる。
なお、本発明の実施形態1および実施形態2において、最新の管理情報に相当する領域をすべてベリファイして確認する例をベースに説明を行った。しかし、本発明の実施形態2でも少し触れたように、例えば、トラック跳びの特性を考慮し、書き潰された可能性がある領域範囲を限定してベリファイするなどの方法も有効である。トラック跳びする際のトラック本数としては、どれだけの本数を跳ぶかは不定である。しかし、トラック跳びが発生したことを検出するまでに要する時間はほぼ一定である。つまり、単位時間あたりに横断したトラックが多ければ、トラックもしくはクラスタあたりに通過した時間が短く、トラックもしくはクラスタあたりに書き潰したデータ量は小さくなっていく。反対に、横断したトラックが少なければ、1つのトラックもしくはクラスタの上にとどまった時間が長くなるため、書き潰されるデータ量も多くなる。そこで、例えば、仮に書き潰しが発生したとしても、クラスタ単位での誤り訂正が可能な範囲の書き潰しであるならば、必ずしも書き直ししなくてもよいとも言える。つまり、記録位置に対して、所定のトラック本数以上離れた位置のデータに対しては、最新の管理情報が記録されていたとしても、ベリファイしなくてもよいと扱うことも可能である。これは特に、より広範囲にわたって管理情報が記録される本発明の実施形態2に示したファイルシステムのようなファイル管理情報の記録の際に、より効果を発揮できる。
すなわち、実施形態1および実施形態2の記録再生方法の上記ステップ(d)は、上記ステップ(c)で管理情報を記録した情報記録媒体上の半径位置から、所定の範囲内の半径位置に記録された最新の管理情報を確認対象としてもよい。
また、実施形態1および実施形態2の情報記録再生装置において、管理情報確認部は、管理情報記録部が管理情報を記録した情報記録媒体上の半径位置から、所定の範囲内の半径位置に記録された最新の管理情報を確認対象としてもよい。
なお、本発明の実施形態1および実施形態2において、情報記録媒体100に関するTDMSのような管理情報や、ファイルシステムのようなファイル管理情報を例に、これらの情報記録時の最新の管理情報に対するベリファイ処理について説明を行った。しかし、本発明の適用範囲はこれらに限定されるものでは無い。つまり、複数種類の情報を組み合わせて1つの情報を構成するデータに対して、その全部または一部のみに記録(更新)が行われ、その他は以上記録した情報を再利用して最新の情報を構成するようなデータに対して適用すれば、同様の効果を得ることが出来る。
なお、上述した実施形態1および2の情報記録再生装置700の動作は、ハードウエアによって実現されてもよいしソフトウエアによって実現されてもよい。また、ハードウエアとソフトウエアとを組み合わせて実現されてもよい。上述した記録再生動作およびベリファイ動作を実行させるプログラムは、例えばドライブ制御部750の内蔵メモリ等に記憶される。また、そのようなコンピュータプログラムは、それが記録された記録媒体(光ディスク、半導体メモリ等)から情報記録再生装置700へインストールしてもよいし、インターネット等の電気通信回線を介してダウンロードしてもよい。