JPWO2012090305A1 - 音響装置及び出力音制御方法 - Google Patents
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Abstract
取得部720が、車室内における車室内音の波形関連情報及び音量情報の少なくとも一方を取得する。制御部740は、取得部720による取得結果に基づいて、車室内音に擬似エンジン音が含まれると判断したときには、外部出力音信号を生成させない指定がなされている状態であっても、外部出力音信号を供給部750に生成させる。また、制御部740は、車室内音の音量が所定値以上であると判断したときにも、外部出力音信号を生成させない指定がなされている状態であっても、外部出力音信号を供給部750に生成させる。この結果、車室内音に擬似エンジン音が含まれる場合や、車室内音の音量が所定値以上である場合には、車両想起音が車外へ出力される。このため、歩行者等への注意喚起のために適切な車両想起音を車外へ出力することができる。
Description
本発明は、音響装置、出力音制御方法、出力音制御プログラム、及び、当該出力音制御プログラムが記録された記録媒体に関する。
近年、電池を駆動力源とする電気自動車の普及が進んでいる。こうした自動車が走行する場合には、従来のガソリン車と比べて、車外における駆動音のレベルが飛躍的に低くなる。この結果、歩行者や自転車の操作者(以下、「歩行者等」と呼ぶ)が、後方等の視野外から接近する車両の存在に気付けない事態が起こり得る。かかる事態の発生は、交通安全上、深刻な問題である。
そこで、車両の走行状況に対応する擬似エンジン音等の走行音を車外へ出力する技術が提案されている(特許文献1参照:以下、「従来例1」と呼ぶ)。この従来例1の技術では、車速、動力源であるモータの回転数、アクセル開度等の検出結果に基づいて、走行音信号を生成して、走行音をスピーカから車外前方等へ出力するようになっている。そして車両が走行している地域の種類に応じて、走行音出力の実行/非実行を制御するようになっている。
また、電池を駆動力源とする自動車が走行する場合には、従来のガソリン車と比べて、車室内における駆動音のレベルも飛躍的に低くなる。このように車室内における駆動音のレベルが低くなると、ガソリン車の場合には得られていたエンジン音による走行臨場感を、車両の搭乗者が、適切に感じることができなくなる事態が発生し得る。こうした事態の発生は、安全運転や、快適なドライブ感を味わうという観点からは、好ましくない場合が多い。
このため、擬似エンジン音を、車外だけでなく車室内にも発生させる技術が提案されている(特許文献2参照:以下、「従来例2」と呼ぶ)。この従来例2の技術では、搭乗者等により、任意に選択された所望の擬似エンジン音を、車両の車室内及び車外に発生させるようになっている。
上述した従来例1,2では明示されていないが、走行中の道路の周辺環境や時間帯を考慮して、擬似エンジン音を車外へ出力するか否かを指定できることが望ましい。かかる機能を有するようにし、擬似エンジン音を車外へ出力しない指定がなされている状態であっても、車室内に擬似エンジン音を出力するようにすると、運転者は、車室内の擬似エンジン音の影響により、ガソリン車に乗っている感覚となることがある。そうした場合には、自分が運転している車両が静かな走行をしていて、歩行者等にとって気付かれにくい状態にあることを意識しづらくなってしまう傾向がある。
また、車室内に発生している音は、擬似エンジン音に限られず、楽曲等の再生音である場合もある。こうした種類の音が車室内音である場合であっても、車室内音の音量が大きくなると、上述した車室内に擬似エンジン音が出力されているときと同様の影響を運転者に及ぼす傾向がある。
このため、上記の傾向を考慮した上で、車室内における車室内音の種類や音量に応じて、交通安全の観点から、擬似エンジン音等の車両想起音を車外に出力すべきことが望ましいと判断される場合には、必ず、車両想起音を車外へ出力させることができる技術が望まれている。かかる要請に応えることが、本発明が解決すべき課題の一つとして挙げられる。
本発明は、上記の事情を鑑みてなされたものであり、歩行者等への注意喚起のために適切な車両想起音を車外へ出力することができる新たな音響装置及び出力音制御方法を提供することを目的とする。
本発明は、第1の観点からすると、車両の外部に向けて外部出力音を出力する音出力部に、外部出力音信号を供給する音響装置であって、前記外部出力音信号を生成して、前記音出力部へ供給する供給部と;前記供給部を制御する制御部と;前記車両の車室内における車室内音の波形関連情報及び音量情報の少なくとも一方を取得する取得部と;を備え、前記制御部は、前記取得部による取得結果に基づいて、前記外部出力音信号の生成を制御する、ことを特徴とする音響装置である。
本発明は、第2の観点からすると、外部出力音信号を生成して、車両の外部に向けて外部出力音を出力する音出力部へ供給する供給部を備える音響装置において使用される出力音制御方法であって、前記車両の車室内における車室内音の波形関連情報及び音量情報の少なくとも一方を取得する取得工程と;前記取得工程における取得結果に基づいて、前記外部出力音信号の生成を制御する制御工程と;を備えることを特徴とする出力音制御方法である。
本発明は、第3の観点からすると、本発明の出力音制御方法を演算部に実行させる、ことを特徴とする出力音制御プログラムである。
本発明は、第4の観点からすると、本発明の出力音制御プログラムが、演算部により読み取り可能に記録されている、ことを特徴とする記録媒体である。
以下、本発明の実施形態を、添付図面を参照して説明する。なお、以下の説明及び図面においては、同一又は同等の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
[第1実施形態]
まず、本発明の第1実施形態の音響装置700Aについて、図1を参照して説明する。
まず、本発明の第1実施形態の音響装置700Aについて、図1を参照して説明する。
<構成>
図1には、第1実施形態に係る音響装置700Aの概略的な構成が示されている。図1に示されるように、音響装置700Aは、電気自動車MV(以下、「車両MV」と呼ぶ)に搭載され、音出力部790が接続されるようになっている。
図1には、第1実施形態に係る音響装置700Aの概略的な構成が示されている。図1に示されるように、音響装置700Aは、電気自動車MV(以下、「車両MV」と呼ぶ)に搭載され、音出力部790が接続されるようになっている。
ここで、音出力部790は、スピーカを備えて構成される。音出力部790は、音響装置700Aから送られた外部出力音信号を受ける。そして、音出力部790は、外部出力音信号に従った外部出力音を、車両MVの外部へ向けて出力する。
上記の音響装置700Aは、記憶部710と、取得部720と、操作部730とを備えている。また、音響装置700Aは、制御部740と、供給部750とを備えている。
上記の記憶部710は、不揮発性の記憶領域を有している。この記憶部710には、供給部750がアクセスできるようになっている。記憶部710の当該不揮発性の記憶領域には、車両想起音に関する音源情報が記憶される。そして、この音源情報は、複数の音データから構成されている。当該複数の音データは、時系列データとなっており、これらの複数の音データが時間順次に並べられることにより、音波形が形成されるようになっている。
ここで、「車両想起音」は、歩行者等に対して、車両MVの存在を報知できるような音である。例えば、「車両想起音」としては、擬似的なエンジン音や、正弦波形の音等が挙げられる。
上記の取得部720は、車両MVの車室内における車室内音の波形関連情報及び音量情報の少なくとも一方を取得する。ここで、「波形関連情報」とは、車室内音の波形に寄与している音の種類に関する情報である。なお、本第1実施形態では、取得部720は、「波形関連情報」として、車室内音に擬似エンジン音が含まれているか否かの情報を取得するようになっている。
取得部720による取得結果は、制御部740へ送られる。本第1実施形態では、取得部720は、車室内における所定位置で収音した収音結果の解析を行い、車室内における車室内音の波形関連情報及び音量情報を取得するようになっている。
上記の操作部730は、キー部を備えて構成される。操作部730は、車両MVの利用者が操作可能であり、操作部730を利用した指定入力により、制御部740に対して、外部出力音信号の生成に関する指定が行われる。
上記の制御部740は、取得部720から送られた取得結果を受ける。また、制御部740は、操作部730から送られた外部出力音信号の生成に関する指定入力を受ける。そして、制御部740は、当該指定入力の内容を参照しつつ、取得部720による取得結果に基づいて、供給部750による外部出力音信号の生成を制御する。制御部740による制御処理の詳細については、後述する。
上記の供給部750は、制御部740による制御に従って、記憶部710から音源情報を読み取って外部出力音信号を生成する。こうして生成された外部出力音信号は、音出力部790へ送られる。
<動作>
上記のように構成された音響装置700Aの動作について、説明する。
上記のように構成された音響装置700Aの動作について、説明する。
この音響装置700Aでは、取得部720が、車室内における車室内音の波形関連情報及び音量情報を取得する。そして、取得部720は、取得結果を制御部740へ送る。
取得部720から送られた取得結果を受けた制御部740は、取得結果に基づいて、車室内音に擬似エンジン音が含まれるか否かを判断する。そして、車室内音に擬似エンジン音が含まれると判断したときには、制御部740は、外部出力音信号を供給部750に生成させるための信号生成制御指令を生成する。ここで、本第1実施形態では、操作部730を利用した指定入力により、外部出力音信号を生成させない指定がなされている状態であっても、制御部740は、外部出力音信号を供給部750に生成させるようになっている。
また、制御部740は、取得部720による取得結果に基づいて、車室内に出力されている車室内音の音量が所定値以上であるか否かを判断する。そして、車室内音の音量が所定値以上であると判断したときにも、制御部740は、外部出力音信号を供給部750に生成させるための信号生成制御指令を生成する。ここで、本第1実施形態では、操作部730を利用した指定入力により、外部出力音信号を生成させない指定がなされている状態であっても、車室内音に擬似エンジン音が含まれる場合と同様に、制御部740は、外部出力音信号を供給部750に生成させるようになっている。
供給部750は、信号生成制御指令を受けると、記憶部710内の音源情報に含まれる音データを順次読み取る。そして、供給部750は、読み取られた音データを、予め定められた周期で、順次、内部的に出力しつつ、再生音の音量調整を施す。この結果、外部出力音信号が生成される。こうして生成された外部出力音信号は、音出力部790へ送られる。
外部出力音信号を受けた音出力部790は、外部出力音信号に従った車両想起音を車両MVの外部に向けて出力する。この結果、操作部730を利用した指定入力により、外部出力音信号を生成させない指定がなされている状態であっても、車室内音に擬似エンジン音が含まれる場合や、車室内音の音量が所定値以上である場合には、車両想起音が、車外へ出力される。
以上説明したように、本第1実施形態では、取得部720が、車室内における車室内音の波形関連情報及び音量情報を取得する。制御部740は、取得部720による取得結果に基づいて、車室内音に擬似エンジン音が含まれる否かを判断する。そして、車室内音に擬似エンジン音が含まれると判断したときには、外部出力音信号を生成させない指定がなされている状態であっても、制御部740は、外部出力音信号を供給部750に生成させる。
また、制御部740は、取得部720による取得結果に基づいて、車室内に出力されている車室内音の音量が所定値以上であるか否かを判断する。そして、車室内音の音量が所定値以上であると判断したときにも、外部出力音信号を生成させない指定がなされている状態であっても、制御部740は、外部出力音信号を供給部750に生成させる。
この結果、車室内音に擬似エンジン音が含まれる場合や、車室内音の音量が所定値以上である場合には、車両想起音が車外へ出力される。
したがって、本発明の第1実施形態によれば、歩行者等への注意喚起のために適切な車両想起音を車外へ出力することができる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態の音響装置700Bについて、図2を参照して説明する。
次に、本発明の第2実施形態の音響装置700Bについて、図2を参照して説明する。
<構成>
図2には、第2実施形態に係る音響装置700Bの概略的な構成が示されている。図2に示されるように、音響装置700Bは、サーバ装置810と、端末装置910とを備えている。ここで、サーバ装置810と端末装置910との間では、通信ネットワーク500を利用したデータ通信が可能となっている。
図2には、第2実施形態に係る音響装置700Bの概略的な構成が示されている。図2に示されるように、音響装置700Bは、サーバ装置810と、端末装置910とを備えている。ここで、サーバ装置810と端末装置910との間では、通信ネットワーク500を利用したデータ通信が可能となっている。
上記のサーバ装置810は、例えば、建屋内の固定的な位置に設置される。サーバ装置810は、記憶部710と、制御部740と、供給部750とを備えている。
上記の端末装置910は、車両MVに搭載される。端末装置910は、取得部720と、操作部730とを備えている。また、車両MVには、音出力部790が搭載されている。
すなわち、音響装置700Bは、上述した第1実施形態の音響装置700Aと比べて、取得部720が取得結果を制御部740へ送る際、操作部730が指定入力を制御部740へ送る際、及び、供給部750が外部出力音信号を音出力部790へ送る際に、通信ネットワーク500を利用したデータ通信が行われることが、音響装置700Aと異なっている。
<動作>
上記のように構成された音響装置700Bの動作について、説明する。なお、サーバ装置810は、常時、動作しているものとする。
上記のように構成された音響装置700Bの動作について、説明する。なお、サーバ装置810は、常時、動作しているものとする。
この音響装置700Bでは、端末装置910における取得部720が、車室内における車室内音の波形関連情報及び音量情報を取得する。そして、取得部720は、通信ネットワーク500を介して、取得結果をサーバ装置810へ送る。また、端末装置910における操作部730が、利用者が指定した外部出力音信号の生成に関する指定入力を、通信ネットワーク500を介して、サーバ装置810へ送る。
サーバ装置810では、制御部740が、取得部720から送られた取得結果を受ける。そして、制御部740は、第1実施形態の場合と同様に、操作部730から送られた指定入力の内容を参照しつつ、取得結果に基づいて、外部出力音信号を供給部750に生成させるための信号生成制御指令を生成し、供給部750へ送る。
供給部750は、制御部740から送られた信号生成制御指令を受けると、第1実施形態の場合と同様に、記憶部710内の音源情報に含まれる音データを順次読み取り、外部出力音信号を生成する。そして、供給部750は、通信ネットワーク500を介して、生成された外部出力音信号を音出力部790へ送る。
この結果、操作部730を利用した指定入力により、外部出力音信号を生成させない指定がなされている状態であっても、車室内音に擬似エンジン音が含まれる場合や、車室内音の音量が所定値以上である場合には、音出力部790が、車両想起音を車外へ出力する。
以上説明したように、本第2実施形態では、上述した第1実施形態の場合と同様に、歩行者等への注意喚起のために適切な車両想起音を車外へ出力することができる。
[実施形態の変形]
なお、上記の第1及び第2実施形態では、取得部は、車室内における所定位置で収音した収音結果の解析を行い、車室内における車室内音の波形関連情報及び音量情報を取得するようにした。これに対して、取得部が、車室内に車室内音を出力する車室内音響装置と通信を行い、車室内音の波形関連情報及び音量情報の少なくとも一方を取得するようにしてもよい。
なお、上記の第1及び第2実施形態では、取得部は、車室内における所定位置で収音した収音結果の解析を行い、車室内における車室内音の波形関連情報及び音量情報を取得するようにした。これに対して、取得部が、車室内に車室内音を出力する車室内音響装置と通信を行い、車室内音の波形関連情報及び音量情報の少なくとも一方を取得するようにしてもよい。
また、制御部が、車室内に車室内音を出力させる制御も行う構成を採用して、制御部による車室内音の出力に関する制御情報から、取得部が、車室内音の波形関連情報及び音量情報の少なくとも一方を取得するようにしてもよい。
また、上記の第1及び第2実施形態では、車室内音に擬似エンジン音が含まれる場合、及び、車室内音の音量が所定値以上である場合には、外部出力音信号を生成させない指定がなされている状態であっても、制御部は、強制的に外部出力音信号を供給部に生成させるようにした。これに対して、外部出力音信号を生成させない指定がなされている状態で、車室内音に擬似エンジン音が含まれる場合にのみ、制御部が強制的に外部出力音信号を供給部に生成させるようにしてもよい。また、外部出力音信号を生成させない指定がなされている状態で、車室内音の音量が所定値以上である場合にのみ、制御部が強制的に外部出力音信号を供給部に生成させるようにしてもよい。
また、上記の第1及び第2実施形態では、車室内音に擬似エンジン音が含まれる場合、及び、車室内音の音量が所定値以上である場合には、外部出力音信号を生成させない指定がなされている状態であっても、制御部は、強制的に外部出力音信号を供給部に生成させるようにした。これに対して、上記2つの場合以外であって、車室内の音環境が、交通安全の観点から歩行者等への注意喚起のために適切な車両想起音を車外へ出力することが望ましい状態にある場合にも、制御部は、強制的に外部出力音信号を供給部に生成させるようにしてもよい。
また、上記の第1及び第2実施形態では、音響装置は音出力部を備えないようにしたが、利用可能な既存の音出力部が無い場合には、音響装置が音出力部を備える構成としてもよい。
また、上記の第1及び第2実施形態では、音響装置は記憶部を備えるようにしたが、音源情報を記憶した既存の記憶部が存在する場合には、当該既存の記憶部を利用するようにし、音響装置が記憶部を備えない構成としてもよい。
また、第2実施形態では、サーバ装置810が、記憶部710と、制御部740と、供給部750とを備えるようにしたが、これらの構成要素のいずれについても、任意に車両側に搭載するようにできる。
以下、本発明の音響装置の実施例を、図3〜図7を参照して説明する。なお、以下の説明及び図面においては、同一又は同等の要素については同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
[第1実施例]
まず、本発明の第1実施例を、図3及び図4を主に参照して説明する。
まず、本発明の第1実施例を、図3及び図4を主に参照して説明する。
<構成>
図3には、第1実施例に係る音響装置100Aの概略的な構成が示されている。なお、音響装置100Aは、上述した第1実施形態の音響装置700A(図1参照)の一態様となっている。
図3には、第1実施例に係る音響装置100Aの概略的な構成が示されている。なお、音響装置100Aは、上述した第1実施形態の音響装置700A(図1参照)の一態様となっている。
音響装置100Aは、電気モータを駆動機構とし、道路上を走行する車両CRに搭載される。この車両CRには、音響装置100Aに接続される音出力部790としての音出力部210、及び、車速センサ220が接続されている。また、本第1実施例では、音響装置100Aは、車室内音響装置300Aと接続されている。
ここで、上記の音出力部210は、左側前方へ向けて音を出力する左スピーカと、右側前方へ向けて音を出力する右スピーカとを備えて構成されている。この音出力部210は、音響装置100Aから送られた外部出力音信号AOSを受ける。そして、音出力部210は、当該外部出力音信号AOSに従って、左右のスピーカから車両CRの外部に向けて外部出力音を出力する。
また、上記の車速センサ220は、車両CRの車輪又は車軸の回転を検出する。車速センサ220による車速検出結果SPSは、音響装置100Aへ送られる。
また、上記の車室内音響装置300Aは、車室内へ向けて車室内音を出力するスピーカを備えて構成されている。この車室内音響装置300Aは、音響装置100Aの後述する制御部170Aによる制御のもとで、擬似エンジン音や楽曲等を再生して、再生音を車室内に向けて出力する。
次に、音響装置100Aの構成について、説明する。音響装置100Aは、図3に示されるように、記憶部110と、走行情報収集部120とを備えている。また、音響装置100Aは、供給部750としての供給部130と、操作部730としての操作入力部150とを備えている。さらに、音響装置100Aは、取得部720及び制御部740としての制御部170Aを備えている。
上記の記憶部110は、メモリ素子を備えて構成され、音響装置100Aにおいて利用される様々な情報データが記憶される。こうした情報データには、音源情報SSIが含まれている。この記憶部110には、供給部130及び制御部170Aがアクセスできるようになっている。
音源情報SSIは、複数の音データ(音データ#j1,音データ#j2,…,音データ#jN)から構成されている。これらの音データ#j1〜#jNの順次読み取りを繰り返しつつ、所定の周期τで読み取り順に出力することにより、音信号が生成されるようになっている。
上記の走行情報収集部120は、車速センサ220から送られた車速検出結果SPSを受ける。そして、走行情報収集部120は、車速検出結果SPSを、制御部170Aで取扱可能な形態の車速情報SPに変換する。こうして得られた車速情報SPは、制御部170Aへ送られる。
上記の供給部130は、制御部170Aによる制御のもとで、音源情報SSIに含まれる複数の音データを、順次、音データSDDとして読み取った後、所定の周期τで、読み取られた音データを、順次、内部的に出力する。そして、供給部130は、内部的に出力した信号に対して、制御部170Aから送られた音量指定値VLCに従って音量調整処理を施して、外部出力音信号AOSを生成する。こうして生成された外部出力音信号AOSは、音出力部210へ送られる。
上記の操作入力部150は、音響装置100Aの本体部に設けられたキー部、及び/又はキー部を備えるリモート入力装置等により構成される。ここで、本体部に設けられたキー部としては、表示デバイスに設けられたタッチパネルを用いることができる、なお、キー部を有する構成に代えて、又は併用して音声認識技術を利用して音声にて入力する構成を採用することもできる。
この操作入力部150を利用者が操作することにより、外部出力音信号AOSの生成に関する指定が設定できるようになっている。操作入力部150を利用して行われる入力内容は、操作入力データIPDとして、操作入力部150から制御部170Aへ送られる。
上記の制御部170Aは、中央処理装置(CPU)を備えて構成されている。この制御部170Aは、所定のプログラムを実行することにより、音響装置100Aにおける車両CRの外部へ向けての外部出力音制御処理を行う。制御部170Aによる外部出力音制御処理については、後述する。
また、制御部170Aは、本第1実施例では、車室内音響装置300Aによる車室内音出力の内部出力音制御処理を行う。かかる内部出力音制御処理に際して、制御部170Aは、操作入力部150を利用して入力された内部出力音の出力の要否、内部出力音の種類(擬似エンジン音、楽曲再生音等に対応する識別子等)及び内部出力音の出力音量の指定内容を含む内部出力音指定ISCを、車室内音響装置300Aへ送る。このため、制御部170Aは、車室内音響装置300Aによる内部出力音の出力の有無、種類及び出力音量を把握できるようになっている。
[動作]
以上のようにして構成された音響装置100Aの動作について、制御部170Aによる外部出力音制御処理に主に着目して説明する。
以上のようにして構成された音響装置100Aの動作について、制御部170Aによる外部出力音制御処理に主に着目して説明する。
本第1実施例では、音響装置100Aの動作が開始されると、図4に示されるように、まず、ステップS11において、制御部170Aが、外部出力音信号AOSを生成させない旨の指定がなされているか否かを判定する。この判定の結果が否定的であった場合(ステップS11:N)には、処理は後述するステップS15へ進む。一方、ステップS11における判定の結果が肯定的であった場合(ステップS11:Y)には、処理はステップS12へ進む。
まず、ステップS12では、制御部170Aが、車室内音響装置300Aに対する内部出力音の出力の要否の指定内容に基づいて、車室内音響装置300Aが内部出力音を、車室内へ向けて出力しているか否かを判定する。この判定の結果が否定的であった場合(ステップS12:N)には、処理はステップS11へ戻る。一方、ステップS12における判定の結果が肯定的であった場合(ステップS12:Y)には、処理はステップS13へ進む。
ステップS13では、制御部170Aが、車室内音響装置300Aに対する内部出力音の種類の指定内容に基づいて、内部出力音に擬似エンジン音が含まれるか否かを判定することにより、車室内音に擬似エンジン音が含まれているか否かを判断する。この判定の結果が否定的であった場合(ステップS13:N)には、処理はステップS14へ進む。ステップS14では、制御部170Aが、車室内音響装置300Aに対する内部出力音の出力音量の指定内容に基づいて、車室内に出力されている内部出力音の音量が所定値以上であるかを判定することにより、車室内音の音量が所定値以上であるかを判断する。ここで、「所定値」は、車両想起音を外部へ出力することが交通安全上好ましい車室内音の音量の観点から、実験、シミュレーション、経験等に基づいて、予め定められる。
上述したステップS13における判定の結果が肯定的であった場合(ステップS13:Y)、又は、ステップS14における判定の結果が肯定的であった場合(ステップS14:Y)には、処理はステップS15へ進む。
ステップS15では、制御部170Aが、外部出力音信号AOSを供給部130に生成させるための信号生成制御指令PDCを生成する。そして、制御部170Aは、信号生成制御指令PDCを供給部130へ送る。また、制御部170Aは、走行情報収集部120から送られた車速情報SPに基づいて、音量指定値VLCを生成し、生成された音量指定値VLCを供給部130へ送る。
供給部130は、上述した信号生成制御指令PDC及び音量指定値VLCを受けると、記憶部110内の音源情報SSIに含まれる音データを順次読み取る。そして、供給部130は、読み取られた音データを、所定の周期τで、順次、内部的に出力しつつ、音量指定値VLCに従って、音量調整を施して、外部出力音信号AOSを生成する。こうして生成された外部出力音信号AOSは、音出力部210へ送られる。
供給部130から送られた外部出力音信号AOSを受けた音出力部210は、外部出力音信号AOSに従った音を車外へ出力する。この結果、制御部170Aによる外部出力音制御処理に従って、車両想起音が車外へ出力される。この後、処理はステップS11へ戻る。
一方、上述したステップS14における判定の結果が否定的であった場合(ステップS14:N)には、処理はステップS16へ進む。ステップS16では、制御部170Aが、外部出力音信号AOSを供給部130に生成させない旨の信号生成制御指令PDCを生成する。そして、制御部170Aは、外部出力音信号AOSを生成させない旨の信号生成制御指令PDCを供給部130へ送る。
供給部130は、当該信号生成制御指令PDCを受けると、外部出力音信号AOSを生成している場合には、当該外部出力音信号AOSの生成を中断する。この後、処理はステップS11へ戻る。
以後、上記のステップS11〜S16の処理が繰り返されて、外部出力音制御処理が行われる。
以上説明したように、本第1実施例では、制御部170Aが、車室内音響装置300Aの内部出力音制御を行うに際して、車室内音響装置300Aによる内部出力音の出力の要否、種類及び出力音量を把握する。そして、制御部170Aは、車室内音響装置300Aに対する内部出力音の出力の要否の指定内容に基づいて、車室内音響装置300Aが内部出力音を、車室内へ向けて出力しているか否かを判定する。引き続き、制御部170Aは、当該判定の結果が肯定的であった場合に、車室内音響装置300Aに対する内部出力音の種類の指定内容に基づいて、内部出力音に擬似エンジン音が含まれるか否かを判定することにより、車室内音に擬似エンジン音が含まれているか否かを判断する。そして、制御部170Aは、車室内音に擬似エンジン音が含まれると判断したときには、外部出力音信号AOSを生成させない指定がなされている状態であっても、外部出力音信号AOSを供給部130に生成させる。
また、制御部170Aは、車室内音響装置300Aが内部出力音を車室内へ向けて出力している場合に、車室内音響装置300Aに対する内部出力音の出力音量の指定内容に基づいて、車室内に出力されている内部出力音の音量が所定値以上であるかを判定することにより、車室内音の音量が所定値以上であるかを判断する。そして、制御部170Aは、車室内音の音量が所定値以上であると判断したときにも、外部出力音信号AOSを生成させない指定がなされている状態であっても、外部出力音信号AOSを供給部130に生成させる。
この結果、内部出力音に擬似エンジン音が含まれる場合や、内部出力音の音量が所定値以上である場合には、車両想起音が車外へ出力される。
したがって、本第1実施例によれば、歩行者等への注意喚起のために適切な車両想起音を車外へ出力することができる。
[第2実施例]
次に、本発明の第2実施例を、図5を主に参照して説明する。
<構成>
図5には、第2実施例に係る音響装置100Bの概略的な構成が示されている。なお、音響装置100Bは、第1実施例に係る音響装置100Aと同様に、上述した第1実施形態の音響装置700A(図1参照)の一態様となっている。
次に、本発明の第2実施例を、図5を主に参照して説明する。
<構成>
図5には、第2実施例に係る音響装置100Bの概略的な構成が示されている。なお、音響装置100Bは、第1実施例に係る音響装置100Aと同様に、上述した第1実施形態の音響装置700A(図1参照)の一態様となっている。
図5に示されるように、音響装置100Bは、上述した第1実施例の音響装置100Aと比べて、制御部170Aに代えて、取得部720としての取得部160B及び制御部740としての制御部170Bを備える点が異なっている。また、本第2実施例では、音響装置100Bは、車室内音響装置300Bと接続されている。以下、これらの相違点に主に着目して、説明を行う。
ここで、上記の車室内音響装置300Bは、音響装置100Bとは独立しており、擬似エンジン音や楽曲等を再生して、再生音を車室内に向けて出力する。また、車室内音響装置300Bは、内部出力音の出力の有無、内部出力音の種類(擬似エンジン音、楽曲再生音に対応する識別子等)及び内部出力音の出力音量を、内部出力音情報ISIとして、取得部160Bへ送る。
上記の取得部160Bは、車室内音響装置300Bと通信を行う。そして、取得部160Bは、車室内音響装置300Bから車室内における内部出力音の波形関連情報及び音量情報を取得する。取得部160Bによる取得結果は、車室内音情報IAIとして、制御部170Bへ送られる。
ここで、取得部160Bは、内部出力音の出力の有無、内部出力音の種類に基づいて、「波形関連情報」として、内部出力音の出力の有無、及び、車室内音に擬似エンジン音が含まれているか否かの情報を取得する。また、取得部160Bは、内部出力音の出力音量を、「音量情報」として取得する。
上記の制御部170Bは、上述した制御部170Aと同様に、中央処理装置(CPU)を備えて構成されている。この制御部170Bは、取得部160Bから送られた車室内音情報IAIを受ける。そして、制御部170Bは、音響装置100Bにおける車両CRの外部へ向けての外部出力音制御処理を行う。制御部170Bによる外部出力音制御処理については、後述する。
<動作>
以上のようにして構成された音響装置100Bの動作について、制御部170Bによる外部出力音制御処理に主に着目して説明する。
以上のようにして構成された音響装置100Bの動作について、制御部170Bによる外部出力音制御処理に主に着目して説明する。
本第2実施例では、音響装置100Bの動作が開始されると、取得部160Bによる車室内音響装置300Bとの通信が開始され、車室内音情報IAIが制御部170Bへ送られるようになる(図5参照)。
本第2実施例では、外部出力音制御処理に際して、第1実施例における図4のステップS11〜S16と同様の処理を実行する。以下、図4のステップS11〜S16のそれぞれに対応するステップの処理の説明に際して、対応する図4におけるステップ番号を使用して説明する。
外部出力音制御処理に際しては、まず、ステップS11において、制御部170Bが、第1実施例の場合と同様に、外部出力音信号AOSを生成させない旨の指定がなされているか否かを判定する。この判定の結果が否定的であった場合(ステップS11:N)には、処理はステップS15へ進む。一方、ステップS11における判定の結果が肯定的であった場合(ステップS11:Y)には、処理はステップS12へ進む。
ステップS12では、制御部170Bが、車室内音情報IAIにおける内部出力音の出力の有無の情報に基づいて、車室内音響装置300Bが内部出力音を、車室内へ向けて出力しているか否かを判定する。この判定の結果が否定的であった場合(ステップS12:N)には、処理はステップS11へ戻る。一方、ステップS12における判定の結果が肯定的であった場合(ステップS12:Y)には、処理はステップS13へ進む。
ステップS13では、制御部170Bが、車室内音情報IAIにおける内部出力音の種類の情報に基づいて、内部出力音に擬似エンジン音が含まれるか否かを判定することにより、車室内音に擬似エンジン音が含まれているか否かを判断する。この判定の結果が否定的であった場合(ステップS13:N)には、処理はステップS14へ進む。ステップS14では、制御部170Bが、車室内音情報IAIにおける内部出力音の出力音量の情報に基づいて、内部出力音の音量が所定値以上であるかを判定することにより、車室内音の音量が所定値以上であるかを判断する。
上述したステップS13における判定の結果が肯定的であった場合(ステップS13:Y)、又は、ステップS14における判定の結果が肯定的であった場合(ステップS14:Y)には、処理はステップS15へ進む。
ステップS15では、制御部170Bが、第1実施例における処理と同様の処理を行う。ステップS15の処理が実行されると、制御部170Bによる外部出力音制御処理に従って、車両想起音が車外へ出力される。この後、処理はステップS11へ戻る。
一方、上述したステップS14における判定の結果が否定的であった場合(ステップS14:N)には、処理はステップS16へ進む。ステップS16では、制御部170Bが、第1実施例における処理と同様の処理を行う。ステップS16の処理が実行されると、供給部130が外部出力音信号AOSを生成している場合には、当該外部出力音信号AOSの生成が中断される。この後、ステップS11へ戻る。
以上説明したように、本第2実施例では、取得部160Bが、車室内音響装置300Bと通信を行って内部出力音情報ISIを取得し、取得結果を車室内音情報IAIとして制御部170Bへ送る。制御部170Bは、車室内音情報IAIにおける内部出力音の出力の有無の情報に基づいて、車室内音響装置300Bが内部出力音を、車室内へ向けて出力しているか否かを判定する。引き続き、制御部170Bは、当該判定の結果が肯定的であった場合に、車室内音情報IAIにおける内部出力音の種類の情報に基づいて、内部出力音に擬似エンジン音が含まれるか否かを判定することにより、車室内音に擬似エンジン音が含まれているか否かを判断する。そして、制御部170Bは、車室内音に擬似エンジン音が含まれると判断したときには、外部出力音信号AOSを生成させない指定がなされている状態であっても、外部出力音信号AOSを供給部130に生成させる。
また、制御部170Bは、車室内音響装置300Bが内部出力音を車室内へ向けて出力している場合に、車室内音情報IAIにおける内部出力音の出力音量の情報に基づいて、車室内に出力されている内部出力音の音量が所定値以上であるかを判定することにより、車室内音の音量が所定値以上であるかを判断する。そして、制御部170Bは、車室内音の音量が所定値以上であると判断したときにも、外部出力音信号AOSを生成させない指定がなされている状態であっても、外部出力音信号AOSを供給部130に生成させる。
この結果、内部出力音に擬似エンジン音が含まれる場合や、内部出力音の音量が所定値以上である場合には、車両想起音が車外へ出力される。
したがって、本第2実施例によれば、上述した第1実施例と同様に、歩行者等への注意喚起のために適切な車両想起音を車外へ出力することができる。
[第3実施例]
次いで、本発明の第3実施例を、図6及び図7を主に参照して説明する。
次いで、本発明の第3実施例を、図6及び図7を主に参照して説明する。
<構成>
図6には、第3実施例に係る音響装置100Cの概略的な構成が示されている。なお、音響装置100Cは、第2実施例に係る音響装置100Bと同様に、上述した第1実施形態の音響装置700A(図1参照)の一態様となっている。
図6には、第3実施例に係る音響装置100Cの概略的な構成が示されている。なお、音響装置100Cは、第2実施例に係る音響装置100Bと同様に、上述した第1実施形態の音響装置700A(図1参照)の一態様となっている。
図6に示されるように、音響装置100Cは、上述した第2実施例の音響装置100Bと比べて、取得部160Bに代えて取得部160Cを備える点、及び、制御部170Bに代えて制御部170Cを備える点が異なっている。以下、これらの相違点に主に着目して、説明を行う。
上記の取得部160Cは、マイクロフォン等の収音デバイスを備えて構成されている。この取得部160Cは、車室内における運転席のヘッドレスト等の所定位置に設置され、車室内の音を収音する。そして、取得部160Cは、収音結果の解析を行い、車室内音の有無、車室内音の種類及び車室内音の出力音量の情報を取得する。こうして取得された情報は、車室内音情報IAIとして、制御部170Cへ送られる。
ここで、取得部160Cは、車室内音の有無、車室内音の種類に基づいて、「波形関連情報」として、車室内音の有無、及び、車室内音に擬似エンジン音が含まれているか否かの情報を取得する。また、取得部160Cは、車室内音の出力音量を、「音量情報」として取得する。
上記の制御部170Cは、上述した制御部170Bと同様に、中央処理装置(CPU)を備えて構成されている。制御部170Cは、取得部160Cから送られた車室内音情報IAIを受けて、音響装置100Cにおける車両CRの外部へ向けての外部出力音制御処理を行う。制御部170Cによる外部出力音制御処理については、後述する。
<動作>
以上のようにして構成された音響装置100Cの動作について、制御部170Cによる外部出力音制御処理に主に着目して説明する。
以上のようにして構成された音響装置100Cの動作について、制御部170Cによる外部出力音制御処理に主に着目して説明する。
本第3実施例では、音響装置100Cの動作が開始されると、取得部160Cによる車室内の音を収音動作が開始され、車室内音情報IAIが制御部170Cへ送られるようになる(図6参照)。
外部出力音制御処理に際しては、図7に示されるように、まず、ステップS21において、制御部170Cが、第1実施例におけるステップS11と同様に、外部出力音信号AOSを生成させない旨の指定がなされているか否かを判定する。この判定の結果が否定的であった場合(ステップS21:N)には、処理はステップS25へ進む。一方、ステップS21における判定の結果が肯定的であった場合(ステップS21:Y)には、処理はステップS22へ進む。
ステップS22では、制御部170Cが、車室内音情報IAIにおける車室内音の有無の情報に基づいて、車室内に車室内音が発生しているか否かを判定する。この判定の結果が否定的であった場合(ステップS22:N)には、処理はステップS21へ戻る。一方、ステップS22における判定の結果が肯定的であった場合(ステップS22:Y)には、処理はステップS23へ進む。
ステップS23では、制御部170Cが、車室内音情報IAIにおける車室内音の種類の情報に基づいて、車室内音に擬似エンジン音が含まるか否かを判定する。この判定の結果が否定的であった場合(ステップS23:N)には、処理はステップS24へ進む。ステップS24では、制御部170Cが、車室内音情報IAIにおける車室内音の出力音量の情報に基づいて、車室内音の音量が所定値以上であるか否かを判定する。
上述したステップS23における判定の結果が肯定的であった場合(ステップS23:Y)、又は、ステップS24における判定の結果が肯定的であった場合(ステップS24:Y)には、処理はステップS25へ進む。ステップS25では、制御部170Cが、第1実施例におけるステップS15と同様に、外部出力音信号AOSを供給部130に生成させるための信号生成制御指令PDCを生成する。こうしてステップS25の処理が実行されると、制御部170Cによる外部出力音制御処理に従って、車両想起音が車外へ出力される。この後、処理はステップS21へ戻る。
一方、上述したステップS24における判定の結果が否定的であった場合(ステップS24:N)には、処理はステップS26へ進む。ステップS26では、制御部170Cが、第1実施例におけるステップS16と同様に、外部出力音信号AOSを供給部130に生成させない旨の信号生成制御指令PDCを生成する。こうしてステップS26の処理が実行されると、供給部130が外部出力音信号AOSを生成している場合には、当該外部出力音信号AOSの生成が中断される。この後、ステップS21へ戻る。
以後、上記のステップS21〜S26の処理が繰り返されて、外部出力音制御処理が行われる。
以上説明したように、本第3実施例では、取得部160Cが、車室内の音を収音し、収音結果を解析して、車室内音の有無、車室内音の種類及び車室内音の出力音量の情報を取得する。こうして取得された取得結果は、車室内音情報IAIとして制御部170Cへ送られる。制御部170Cは、車室内音情報IAIにおける車室内音の有無の情報に基づいて、車室内に車室内音が発生しているか否かを判定する。引き続き、制御部170Cは、当該判定の結果が肯定的であった場合に、車室内音情報IAIにおける車室内音の種類に基づいて、車室内音に擬似エンジン音が含まれるか否かを判定する。そして、制御部170Cは、車室内音に擬似エンジン音が含まれると判定したときには、外部出力音信号AOSを生成させない指定がなされている状態であっても、外部出力音信号AOSを供給部130に生成させる。
また、制御部170Cは、車室内に車室内音が発生している場合に、車室内音情報IAIにおける車室内音の出力音量の情報に基づいて、車室内に出力されている車室内音の音量が所定値以上であるか否かを判断する。そして、制御部170Cは、車室内音の音量が所定値以上であると判定したときにも、外部出力音信号AOSを生成させない指定がなされている状態であっても、外部出力音信号AOSを供給部130に生成させる。
この結果、車室内音に擬似エンジン音が含まれる場合や、会話や歌声、楽曲の再生音等の車室内音の音量が所定値以上である場合には、車両想起音が車外へ出力される。
したがって、本第3実施例によれば、上述した第1及び第2実施例と同様に、歩行者等への注意喚起のために適切な車両想起音を車外へ出力することができる。
[実施例の変形]
本発明は、上記の実施例に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。
本発明は、上記の実施例に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。
例えば、上記の第1〜第3実施例では、音響装置100A〜100Cの構成要素が全て車両CRに搭載されるようにしたが、上述した第2実施形態のように、車両CRの搭載される端末装置と通信可能なサーバ装置が、音響装置100A〜100Cの構成要素の一部を備えるようにしてもよい。
また、上記の第1〜第3実施例では、音響装置100A〜100Cは音出力部210を備えないようにしたが、利用可能な既存の音出力部210が無い場合には、音響装置100A〜100Cが音出力部を備える構成としてもよい。
また、上記の第1〜第3実施例では、音響装置100A〜100Cが備える記憶部110が、音源情報SSIを記憶するようにしたが、音源情報SSIを記憶した既存の記憶部が存在する場合には、当該既存の記憶部を利用するようにし、記憶部110がこれらの情報を記憶しない構成としてもよい。
また、上記の第1〜第3実施例では、供給部は、音源情報SSIを構成する音データを順次読み取り、所定の周期τで順次出力するようにしたが、当該周期τを車速情報SPに基づいて変化させることで、車速に応じて異なる周波数特性を有する音を出力させるようにしてもよい。
また、上記の第1〜第3実施例では、車室内音に擬似エンジン音が含まれる場合、及び、車室内音の音量が所定値以上である場合には、外部出力音信号を生成させない指定がなされている状態であっても、制御部は、強制的に外部出力音信号を供給部に生成させるように制御した。これに対して、外部出力音信号を生成させない指定がなされている状態で、車室内音に擬似エンジン音が含まれる場合にのみ、制御部が強制的に外部出力音信号を供給部に生成させるように制御してもよい。また、外部出力音信号を生成させない指定がなされている状態で、車室内音の音量が所定値以上である場合にのみ、制御部が強制的に外部出力音信号を供給部に生成させるように制御してもよい。
また、上記の第1〜第3実施例では、車室内音に擬似エンジン音が含まれる場合、及び、車室内音の音量が所定値以上である場合には、外部出力音信号を生成させない指定がなされている状態であっても、制御部は、強制的に外部出力音信号を供給部に生成させるようにした。これに対して、上記2つの場合以外であって、車室内の音環境が、交通安全の観点から歩行者等への注意喚起のために適切な車両想起音を車外へ出力することが望ましい状態にある場合にも、制御部は、強制的に外部出力音信号を供給部に生成させるようにしてもよい。
また、上記の第1〜第3実施例では、車室内音に擬似エンジン音が含まれる場合や、車室内音の音量が所定値以上である場合等には、音出力部が、車両想起音を車外へ出力するようにしたが、車両の車速が所定値以上である場合等、交通安全の観点から、車両想起音を車外へ出力する必要がない場合には、車両想起音を車外へ出力させないように制御を行うようにしてもよい。
また、上記の第1実施例における音響装置100Aが、車室内の音を収音する第3実施例の取得部160Cを更に備える構成を採用するようにしてもよい。また、上記の第2実施例における音響装置100Bが、第3実施例の取得部160Cを更に備える構成を採用するようにしてもよい。この場合には、車室内音響装置から出力される内部出力音に擬似エンジン音が含まれる場合や、内部出力音の音量が所定値以上であるときに、車両想起音を車外へ出力することができるとともに、車室内の会話や歌声の音量が所定値以上であるときにおいても、車両想起音を車外へ出力することができる。
なお、上記の実施例1〜3では、制御部170A〜170Cがプログラムの実行により、外部出力音発生のための制御処理を行うようにしたが、制御部の全部又は一部を、専用のLSI(Large Scale Integrated circuit)等を用いたハードウェアにより行うようにしてもよい。
また、制御部170A〜170Cが実行するプログラムは、CD−ROM,DVD等の可搬型記録媒体に記録された形態で取得されるようにしてもよいし、インターネットなどのネットワークを介した配信の形態で取得されるようにしてもよい。
Claims (9)
- 車両の外部に向けて外部出力音を出力する音出力部に、外部出力音信号を供給する音響装置であって、
前記外部出力音信号を生成して、前記音出力部へ供給する供給部と;
前記供給部を制御する制御部と;
前記車両の車室内における車室内音の波形関連情報及び音量情報の少なくとも一方を取得する取得部と;を備え、
前記制御部は、前記取得部による取得結果に基づいて、前記外部出力音信号の生成を制御する、
ことを特徴とする音響装置。 - 前記取得部による取得結果には、前記波形関連情報が含まれ、
前記制御部は、前記取得された波形関連情報に基づいて、前記車室内音に擬似エンジン音が含まれると判断した場合に、前記外部出力音信号を前記供給部に生成させる、ことを特徴とする請求項1に記載の音響装置。 - 前記車両の利用者が操作可能であり、前記制御部に対する指定入力が行われる操作部を更に備え、
前記操作部を利用した指定入力により、前記外部出力音信号を生成させない指定がなされている状態において、前記取得された波形関連情報に基づいて、前記擬似エンジン音が前記車室内に出力されていると判断したときには、前記制御部は、前記外部出力音信号を前記供給部に生成させる、
ことを特徴とする請求項2に記載の音響装置。 - 前記取得部による取得結果には、前記音量情報が含まれ、
前記制御部は、前記取得された音量情報に基づいて、前記車室内に出力されている前記車室内音の音量が所定値以上であると判断したときに、前記外部出力音信号を前記供給部に生成させる、ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の音響装置。 - 前記車両の利用者が操作可能であり、前記制御部に対する指定入力が行われる操作部を更に備え、
前記操作部を利用した指定入力により、前記外部出力音信号を生成させない指定がなされている状態において、前記取得された音量情報に基づいて、前記車室内音の音量が所定値以上であると判断したときには、前記制御部は、前記外部出力音信号を前記供給部に生成させる、
ことを特徴とする請求項4に記載の音響装置。 - 前記取得部は、前記車室内における所定位置で収音した収音結果の解析を行い、前記波形関連情報及び前記音量情報を取得する、ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の音響装置。
- 外部出力音信号を生成して、車両の外部に向けて外部出力音を出力する音出力部へ供給する供給部を備える音響装置において使用される出力音制御方法であって、
前記車両の車室内における車室内音の波形関連情報及び音量情報の少なくとも一方を取得する取得工程と;
前記取得工程における取得結果に基づいて、前記外部出力音信号の生成を制御する制御工程と;
を備えることを特徴とする出力音制御方法。 - 請求項7に記載の出力音制御方法を演算部に実行させる、ことを特徴とする出力音制御プログラム。
- 請求項8に記載の出力音制御プログラムが、演算部により読み取り可能に記録されている、ことを特徴とする記録媒体。
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WO2012090305A1 (ja) | 2012-07-05 |
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