JPWO2012039009A1 - 海水淡水化方法,海水淡水化装置、およびそれを用いた複合発電プラント - Google Patents

海水淡水化方法,海水淡水化装置、およびそれを用いた複合発電プラント Download PDF

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Abstract

蒸発法を用いた海水淡水化方法において、海水の加熱に要する熱量を低減する。海水が流下する伝熱管2と、海水より暖かい温海水が流下する液溜まり3と、液溜まり3に溜まった温海水からフラッシュ蒸発した蒸気を伝熱管2を流下する海水で冷却して得た淡水を集める淡水受け皿4と、を有する小部屋1からなる段落を複数段備えた多段フラッシュ蒸発方式の海水淡水化装置101において、海水とは別の海水を前記温海水として海水淡水化装置101に導入し、海水と温海水とが、各段落を互いに対向して流下するように構成され、海水の海水淡水化装置101への導入流量を、温海水の海水淡水化装置101への導入流量に等しくなるように流量調節する、あるいは、海水淡水化装置101の海水流れ方向上流側と下流側の両端での温海水と海水との温度差が保たれるように流量調節する、流量調節弁6を伝熱管2の入口端の上流に設けたことを特徴とする海水淡水化装置。

Description

本発明は、海水淡水化方法および海水淡水化装置を複合した発電プラントに関するものである。
海水淡水化方法には、熱を用いる蒸発法と動力を用いる逆浸透法の二通りがある。通常、両者ともに発電プラントに併設され、前者は発電プラントからの排熱を利用する。後者は動力を利用し海水を浸透圧以上に昇圧する。一般的には、逆浸透法では蒸発法のような相変化に伴う潜熱を必要としないためエネルギー消費が小さい、すなわち、蒸発法はエネルギー消費が過大であるとされている(非特許文献1参照)。
従来の蒸発法を用いた海水淡水化装置を備えた複合発電プラントの例としては、特開昭55−127187号公報(特許文献1)に、原子力発電プラントで蒸気タービンから抽気した蒸気を蒸発法の熱源とする例が示されている。また、特開平9−117753号公報(特許文献2)には蒸発法の一つである多段フラッシュ蒸発法が示されている。
これらの従来技術では、複数段に分かれ、凝縮器および蒸発器を備えた熱回収部と、凝縮器を経た海水を加熱する加熱器とを備え、加熱器で加熱された海水を蒸発器に導いてフラッシュ蒸発させ、凝縮器で凝縮して淡水を取り出している。この従来技術では、加熱器の熱源として蒸気タービンから抽気した蒸気を用いているが、凝縮器に導入した海水を加熱器に送るまでの間に、フラッシュ蒸発した蒸気の潜熱を海水で回収することによって、加熱器での加熱に要する熱量を低減している。
特開昭55−127187号公報 特開平9−117753号公報
膜利用技術ハンドブック(大矢晴彦、幸書房(1978))
だが、特許文献1,2に示された方法をもってしても、非特許文献1にあるように、蒸発法は、エネルギー消費が過大であるということが一般的な認識である。また、海水の加熱に蒸気タービンからの抽気を用いることは蒸気タービンの出力を低下させる一因である。
しかしながら、蒸発法は排熱を利用する点で、動力を要する逆浸透法に勝る可能性がある。そのためには、海水の加熱に要する熱量のさらなる削減が必要である。
そこで本発明が解決しようとする課題は、蒸発法を用いた海水淡水化方法において、海水の加熱に要する熱量を低減することである。
多段フラッシュ蒸発方式の海水淡水化装置を用いた海水淡水化方法において、海水淡水化装置に、冷海水と、該冷海水と別の前記冷海水より温度が高い温海水とが対向して流れるように導入し、冷海水の海水淡水化装置への導入流量を、温海水の導入流量に等しくなるように流量調節する、あるいは、冷海水の海水淡水化装置への導入流量を、海水淡水化装置の冷海水流れ方向上流側と下流側の両端での温海水と冷海水との温度差が保たれるように流量調節し、温海水をフラッシュ蒸発させて生成した蒸気を前記冷海水で冷却して淡水を生成することを特徴とする海水淡水化方法。
本発明によれば、温海水と冷海水の導入により、冷海水を加熱するための加熱エネルギーを必要としない。よって、蒸発法を用いた海水淡水化方法において、海水の加熱に要する熱量を低減することができる。
実施例1に係る海水淡水化装置の基本モジュールの構成図である。 実施例1に係る海水淡水化装置内の温度変化の模式図である。 従来の多段フラッシュ海水淡水化装置の構成図である。 従来の多段フラッシュ海水淡水化装置の段落内の温度分布を説明する図である。 従来の多段フラッシュ海水淡水化装置の蒸発と凝縮の過程を表すTS線図である。 実施例2に係る海水淡水化装置の主要部分を概略的に示した構成図である。 温度スイングによる温度変化を説明した図である。 実施例3に係る海水淡水化装置の主要部分を概略的に示した構成図である。 実施例4に係る海水淡水化装置の主要部分を概略的に示した構成図である。 実施例5に係る海水淡水化装置の主要部分を概略的に示した構成図である。 実施例6に係る海水淡水化装置の主要部分を概略的に示した構成図である。 実施例7に係る海水淡水化複合発電プラントの主要部分を概略的に示した構成図である。 従来の海水淡水化複合発電プラントの構成図である。 実施例8に係る海水淡水化複合発電プラントの主要部分を概略的に示した構成図である。
本発明では、海水淡水化装置を構成する基本モジュールは、上部に冷海水が流通する伝熱管、下部に温海水が流通する液溜まり、中間部に淡水を受けるための淡水受け皿を設けた多段の小部屋に分割される。温海水と冷海水を対向させ基本モジュールの両端に導き、冷海水は伝熱管内に、温海水は液溜まりにそれぞれ流入させる。一つの小部屋の中では、温海水は冷海水より温度が高いため、温海水は液溜まりの液面からフラッシュ蒸発し、蒸発した蒸気を伝熱管表面で凝縮させ、淡水を淡水受け皿に集める。本発明では、基本モジュールに導入する冷海水の流量は温海水と同量になるように制御し、温海水と冷海水の温度差を小さく保つ。これにより、温海水は濃縮された冷海水および淡水に変わり、冷海水は温海水となる。生成された温海水と冷海水を次の基本モジュールに導き、海水淡水化を進め、淡水を得るものである。
本発明によれば、温海水と冷海水の導入により、冷海水を加熱するための加熱エネルギーを必要としない。よって、海水の加熱に要する熱量を低減することができる。
以下、本発明の実施例について、適宜図を用いて説明する。
本実施例の理解を容易にするため、まず始めに、従来のMSF(Multi-Stage Flash:多段フラッシュ)海水淡水化装置の構成と原理について図3を用いて説明する。
図3は従来の多段フラッシュ式海水淡水化装置の主要部分の概略を示した構成図であり、100は海水淡水化装置、50は海水淡水化装置の本体で、淡水生成部である基本モジュール、1は基本モジュールの各段落を構成する小部屋、2は伝熱管、3は液溜まり、4は淡水受け皿、5は加熱器、110は海水タンク、120は冷海水タンク、130は淡水タンク、をそれぞれ表す。多段フラッシュ式海水淡水化装置においては、海水淡水化装置100の基本モジュール50は、複数の小部屋1に区割りされており、各小部屋1を一方向に連接して配置した多段構造を有する。各小部屋1には、それぞれ上部に伝熱管2,下部に液溜まり3,中間部に淡水受け皿4が設けられている。
図3に示すように、各小部屋1の伝熱管2はそれぞれ隣り合う小部屋1の伝熱管2と連通しており、小部屋の連接方向に沿って1つの管路を形成している。そして、基本モジュール50の段落連接方向端部にある、伝熱管2による管路の末端の一方は、海水タンク110に配管を介して繋がっており、もう一端は加熱器5に繋がっている。
海水タンク110には、海洋から採取した海水が貯留されており、タンク内の海水が配管を介して伝熱管2に導入されるようになっている。伝熱管2は、熱交換用の配管である。海水タンク110から伝熱管2に導入された海水は、各小部屋1の伝熱管2を順次流下しながら加熱される。伝熱管2から排出された海水は、その後、海水を加熱する加熱器5へ導かれ、加熱器5で再度加熱される。加熱器5の熱源には、図示しない蒸気タービンの抽気が用いられる。
各小部屋に設けられた液溜まり3は、海水を一時的に貯留し、海水のフラッシュ蒸発を促進する部分である。各小部屋1の液溜まり3は、それぞれ隣り合う小部屋1の液溜まり3と連通しており、段落の連接方向に沿って海水が流下する海水流路を形成している。そして、その海水流路の末端の一方は、配管を介して加熱器5と繋がっており、もう一端は配管を介して冷海水タンク120と繋がっている。冷海水タンク120は、液溜まり3から排出された海水を貯留するタンクである。
加熱器5で加熱された海水は、液溜まり3に放出される。加熱器5から液溜まり3に導入された海水は、伝熱管2内の海水の流れ方向と対向して各小部屋の液溜まり3を流下し、最終的に冷海水タンク120に導かれる。各小部屋1の液溜まり3に導かれた海水の一部は、海水の自由液面からフラッシュ蒸発する。フラッシュ蒸発した蒸気は小部屋上方に移動し、伝熱管2内を流れる海水で冷却されて凝縮し、凝縮水となって淡水受け皿4に集められる。
なお、海水タンク110から加熱器5へ流れる海水の流れ方向と、加熱器5から冷海水タンク120へ流れる海水の流れ方向を対向させるため、基本モジュール50の段落連接方向の一方の端部と海水タンク110および冷海水タンク120とを接続し、反対側の端部と加熱器5とを接続している。
淡水受け皿4も、隣り合う小部屋の淡水受け皿4と連通しており、段落の連接方向に沿って1つの淡水用流路を形成している。淡水用流路の末端は、配管を介して、淡水を貯留する淡水タンク130に繋がっている。よって、各淡水受け皿4に集められた淡水は、その後、各小部屋1の淡水受け皿4を順次流下して、最終的に淡水タンク130に集められる。なお淡水タンク130は、海水タンク110,冷海水タンク120と同じ側の基本モジュール端部と接続している。
この図3に示した従来の海水淡水化装置100では、液溜まり3からフラッシュ蒸発した蒸気の凝縮熱は伝熱管2内を流下する海水に回収されるため、回収した分、加熱器5での加熱用の熱量が低減される。
図4に図3に示した基本モジュール50の1段落内の温度分布を模式的に示す。横軸の相対位置は水平方向の位置を表している。蒸気は飽和状態にあると考えられ、(A)海水が段落の液溜まり3に流入すると減圧されフラッシュ蒸発し、(B)液溜まり3出口で蒸気温度に近づく。淡水は凝縮水が集められたものだが、一部はフラッシュ蒸発し温度が海水と同じように低下する。一方の凝縮側の海水は(C)伝熱管2に流入した後、凝縮熱を受け、(D)温度が上昇する。
蒸気温度は蒸発側と凝縮側の温度と蒸発量から決まる。図5は蒸発と凝縮の過程を表すTS線図である。フラッシュ蒸発により温度Tsの飽和蒸気が生成される。蒸発側は潜熱を奪われTf1からTf2に減温する。蒸気は伝熱管表面で凝縮するが、管内の海水温度はTc1からTc2に増加する。フラッシュ蒸発量は蒸発側の海水と蒸気の平均温度差ΔTfmに比例する。凝縮量は蒸気と凝縮側の海水の平均温度差ΔTcmに比例し、かつ、フラッシュ蒸発量に等しい。
蒸発側の熱伝達率をKf、面積をSf、凝縮側をそれぞれKc,Scとし、蒸発・凝縮の熱量をQとすれば、次式を得る。
Figure 2012039009
ここに、Cpは定圧比熱、qfは蒸発側の海水と淡水を合わせた流量、qcは凝縮側の管内流量である。平均温度差ΔTfmとΔTcmをそれぞれの流入流出温度の算術平均で近似する。
Figure 2012039009
(2)式を変形し蒸発側の流入温度Tf1と凝縮側の流出温度の差Tf1−Tc2に書き下すと、
Figure 2012039009
を得る。ここに、
Figure 2012039009
Figure 2012039009
である。多段フラッシュの小部屋が蒸気加熱式の加熱器側とすれば、加熱器での熱量は温度差Tf1−Tc2に比例する。蒸気加熱式では流量qfとqcは等しくなる。(1)式より
Figure 2012039009
となる。この結果、全段落を通して、段落内で温海水と冷海水の温度差が保たれる。
次に、本発明の第1の実施例に係る海水淡水化装置と、海水淡水化方法について説明する。
図1は、本発明の第1の実施例の海水淡水化装置101の主要部分を概略的に示した構成図であって、6は流量調整弁、200,210は温海水タンクである。なお、先に説明した従来の海水淡水化装置100と同等の構成要素については、同じ符号を付し、説明を省略する。
本実施例では、海水タンク110から基本モジュール50の伝熱管2へ海水を供給する配管7に、供給する海水量を調整する流量調整弁6を設けている。また、伝熱管2の管路の海水流れ方向下流側の末端は、加熱器5ではなく、温海水タンク210に繋がっている。温海水タンク210は、伝熱管2内で加熱された海水を貯留するタンクである。
また、液溜まり3の海水流れ方向上流側の末端も、加熱器5ではなく、温海水タンク200に繋がっている。温海水タンク200は、温海水を貯留するタンクである。
従って、本実施例では、海水タンク110から供給される海水は、流量調整弁6で流量調整されて伝熱管2に導入され、伝熱管内で凝縮熱により昇温し、温海水タンク210に導入される。一方、液溜まり3には、温海水タンク200から、伝熱管2を流下する海水とは別に、温海水が供給される。この温海水は、伝熱管2内を流れる海水よりも温度が高いため、各液溜まり3で一部がフラッシュ蒸発する。そして各液溜まり3でフラッシュ蒸発を繰り返した温海水は、温度低下しつつ濃縮され、冷海水として冷海水タンク120に貯留される。
本実施例では、冷海水を海水タンク110より伝熱管2に、温海水を温海水タンク200より液溜まり3にそれぞれ流入させ、温海水と冷海水を対向させて基本モジュールの両端に導き、温海水と冷海水の流れ方向を対向させる。
本実施例の構成によれば、一つの小部屋1の中で温海水は、伝熱管内の冷海水より温
度が高いため、温海水は液溜まりの液面からフラッシュ蒸発し、蒸発した蒸気は伝熱管2の表面で凝縮され、凝縮水は淡水受け皿に集められる。
ところで、温海水と冷海水とを別々に導入する場合、流量qfとqcが等しくなるとは限らない。図2に全段落を通じた温度変化を示すが、温海水の流量qfが冷海水の流量qcより大きいと、点線のように温海水の温度は流入温度に保たれようとし、冷海水の温度は温海水の流入温度に近づく。結果として、冷海水の流入側で温海水と冷海水の温度差が拡大する。
そこで、先の温度差の拡大を防ぐために、冷海水の流量は流量調整弁6によって、温海水流量に等しくなるように制御する。あるいは、基本モジュール50の両端で、温海水と冷海水の温度差が保たれるように冷海水の流量を流量調整弁6によって制御する。このように制御することで、図2に実線で示したように、温海水と冷海水の温度差を小さく保つことができる。これにより、液溜まり3に供給された温海水は濃縮された冷海水および淡水に変わり、伝熱管2に供給された冷海水は、加熱されて温海水へ変わる。
本実施例によれば、蒸気タービンの抽気蒸気等の外部熱源の代わりに、温海水と冷海水を導入することにより淡水を得ることができる。温海水は工場の廃熱および温泉等の熱源を利用して供給することが可能で有る。発電所の排熱で生成することもできる。このため加熱器用の外部からの加熱エネルギーを必要としない。さらに言えば、温海水流量に対して冷海水流量を適量とし、淡水化の効率を向上する。よって、本実施例によれば、蒸発法を用いた海水淡水化方法において、海水の加熱に要する熱量を低減することができる。
次に、本発明の第2の実施例について説明する。図6は本実施例の海水淡水化装置102の主要部分を概略的に示した構成図である。本実施例は、基本モジュール50を複数個用意して、海水の流れ方向に直列に繋げた例である。なお、先に説明した実施例と同等の構成要素には同一に符号を付し説明を省略する。
以下、実施例の説明のため、図1で説明した基本モジュール50において、海水タンク110と接続する、伝熱管2内を流れる海水の流れ方向上流側の伝熱管管路の末端を伝熱管入口端2iといい、温海水タンク210と接続する、伝熱管2内を流れる海水の流れ方向下流側の伝熱管の管路末端を伝熱管出口端2eと言う事にする。また、温海水タンク200と接続する、液溜まり3の液溜まり内の海水の流れ方向上流側の海水流路末端を液溜まり入口端3i,冷海水タンク120と接続する、液溜まり3の下流側の末端を液溜まり出口端3eと言う事にする。
本実施例では、直列に繋いだ複数の基本モジュールのうち、第1番目の基本モジュール50aに設けられた伝熱管2aの伝熱管出口端2aeを、第2番目の基本モジュール50bの液溜まり3bの液溜まり入口端3biに配管を介して繋げた。一方、第1番目の基本モジュール50aの液溜まり3aの液溜まり出口端3aeを第2番目の基本モジュール50bに設けられた伝熱管2bの伝熱管入口端2biに配管を介して繋げた。
また、第2番目の基本モジュール50bに設けられた伝熱管2bの伝熱管出口端2beを、第3番目の基本モジュール50cの液溜まり3cの液溜まり入口端3ciに配管を介して繋げる。一方、第2番目の基本モジュール50bの液溜まり3bの液溜まり出口端3beを第3番目の基本モジュール50cの伝熱管2cの伝熱管入口端2ciに配管を介して繋げる。
さらに、第3番目の基本モジュール50cの伝熱管2cの伝熱管出口端2ceを、第4番目の基本モジュール50dの液溜まり3dの液溜まり入口端3diに配管を介して繋げる。一方、第3番目の基本モジュール50cの液溜まり3cの液溜まり出口端3ceを第4番目の基本モジュール50dの伝熱管2dの伝熱管入口端2diに配管を介して繋げる。
そして、第4番目の基本モジュール50dの伝熱管2dの伝熱管出口端2deを、温海水タンク210に繋げた。一方、第4番目の基本モジュール50dの液溜まり3dの液溜まり出口端3deを冷海水タンク120に繋げた。
本実施例の構成によれば、温海水タンク200から導入された温海水は、液溜まり3aを流下しながらフラッシュ蒸発を繰り返して温度低下し、濃縮された冷海水となって基本モジュール50aから流出し、次の基本モジュール50bの伝熱管2bに冷海水として流入する。基本モジュール50bの伝熱管2bに冷海水として流入した海水は、凝縮熱によって昇温し、温海水となって基本モジュール50bから流出し、基本モジュール50cの液溜まり3cに導入される。以下、基本モジュール50c,50dにおいて、基本モジュール50a,50bの作業を繰り返す。
一方、海水タンク110から導入された冷海水は、基本モジュール50aの伝熱管2a中で凝縮熱によって昇温し、温海水となって基本モジュール50aから流出する。温海水となった海水は、次の基本モジュール50bに温海水として液溜まり3bに流入し、液溜まり3bを流下しつつ濃縮された冷海水となって基本モジュール50bから流出し、冷海水として第3番基本モジュール50cの伝熱管2cに導入される。以下、基本モジュール50c,50dにおいて、基本モジュール50a,50bの作業を繰り返す。
このように本実施例では、温海水と冷海水とが複数の基本モジュールを対向して流下しながら、交互に伝熱管と液溜まりを流下することで冷海水と温海水の温度がスイングするように変化する。本実施例では、各基本モジュールで得られた、冷たくなった淡水は、各基本モジュールに備えられた淡水タンク130に集められる。
本実施例においても、実施例1と同様に、温海水と冷海水の温度差の拡大を防ぐために、基本モジュールaの伝熱管2に供給する冷海水の流量を流量調整弁6によって、温海水流量に等しくなるように制御する。あるいは、基本モジュール50の両端で、温海水と冷海水の温度差が保たれるように冷海水の流量を流量調整弁6によって制御する。
図7は温度スイングに伴う温度変化を示す模式図である。先に示した式(1)−(3)から求められる。点線は図6の構成をとった場合の温度変化を示す。各基本モジュールで得られた淡水を低温側で淡水タンク6に回収する。この結果、スイング回数が多くなる程、基本モジュールaの伝熱管2に供給した冷海水の流量qcが減少するため、温海水の温度は保たれる傾向にあるが冷海水の温度が大きく増加する。温海水と冷海水の温度差は急速に近づき、淡水化の進行も滞ることはデメリットであるが、温度スイングをさせる基本的な実施例である。
次に本発明の第3の実施例について説明する。本実施例は、前述した第2の実施例の応用例である。図8は、本実施例の海水淡水化装置の主要部分を概略的に示した構成図である。なお、先に説明した実施例と同等の構成要素には同一に符号を付し説明を省略する。
以下、実施例の説明のため、図1で説明した基本モジュール50において、淡水タンク130と接続する、淡水受け皿4の淡水流れ方向下流側の末端を淡水出口端4eということにする。
本実施例では、下流側の偶数番目の基本モジュール50b,50dに第2の伝熱管8b,8dをそれぞれ設けた。第2の伝熱管8bは、伝熱管2bと同様に、隣り合う小部屋1の第2の伝熱管とそれぞれと繋がっており一本の管路となっている。そして、上流側の奇数番目の基本モジュール50a,50cの淡水出口端4ae,4ceを、それぞれ下流側の偶数番目の基本モジュール50b,50dに設けた第2の伝熱管8の伝熱管入口端8bi,8diに配管を介して繋げた。一方、第2の伝熱管8の、伝熱管内を流れる淡水流れ方向下流側の末端8be,8deは、淡水タンク220に繋げた。
本実施例の特徴点は、上流側の奇数番目の基本モジュール50a,50cで得られた低温の淡水を、下流の偶数番目の基本モジュール50b,50dの第2伝熱管8b,8dに通して、凝縮熱で加熱した後に淡水タンク220に回収することで、新たに温度を高めた淡水を得ることができる点にある。そして、本実施例によれば、温側と冷側の双方から淡水を回収するため温海水と冷海水の流量qf,qcが互いに等しく保たれ、その結果、図7に示したように冷海水温度の急増を抑制できる。よって、本実施例によれば、淡水化の進行の滞りを抑制することができる。
次に本発明の第4の実施例について説明する。本実施例は、前述した第3の実施例の応用例である。図9は、本実施例の海水淡水化装置の主要部分を概略的に示した構成図である。なお、先に説明した実施例と同等の構成要素には同一に符号を付し説明を省略する。
本実施例では、第3番目の基本モジュール50cに、第2の伝熱管8cと、第3の伝熱管9cを追設した。第2の伝熱管8c、および第3の伝熱管9cは、伝熱管2cと同様に、隣り合う小部屋1の第2,第3の伝熱管とそれぞれと繋がっており一本の管路となっている。そして、第2番目の基本モジュール50bに設けられた第2の伝熱管8bの伝熱管出口端8beを、第3基本モジュール50cの第3の伝熱管の伝熱管入口端9ciに繋げている。また、第2番目の基本モジュール50bの淡水受け皿4の淡水出口端4beを、第3基本モジュール50cの第2の伝熱管の伝熱管入口端8ciに繋げた。
また、第4番目の基本モジュール50dにも第3の伝熱管9dを設けており、その末端9diは、第3基本モジュール50cの第2の伝熱管8cの伝熱管出口端8ceと繋がっており、反対側の末端9deは、第4基本モジュール50dの淡水受け皿出口端4deと淡水タンク130とを繋ぐ配管10に連通している。
一方、第3番目の基本モジュール50cの第3の伝熱管9cの伝熱管出口端9ceは、第3基本モジュール50cの淡水出口端4ceと第4基本モジュール50dの第2の伝熱管8dの伝熱管入口端8diとを繋ぐ配管11に連通している。
本実施例では、第2番目の基本モジュール50bの伝熱管2を流下した温淡水を、淡水タンク220に回収せず、下流側の3番目の基本モジュール50cの液溜まり3内に通した第3の伝熱管9cに導く。第3の伝熱管9cを流下する温淡水から、液溜まり3内の温海水へ熱を伝達し、フラッシュ蒸発を加速させる。その後、温淡水は、基本モジュール50c内で回収された淡水と合流させ、下流の第4番目の基本モジュール50dの第2の伝熱管8dに導入される。第4基本モジュール50dの第2の伝熱管8dに導かれた淡水は、凝縮熱によって、昇温し、温淡水として淡水タンク220に回収される。
一方、第2番目の基本モジュール50bで回収された淡水は、淡水タンク130で回収せず、第3番目の基本モジュール50cに設けられた第2の伝熱管2cに導き、凝縮熱で昇温させる。昇温した淡水は、第4番目の基本モジュール50dの液溜まり3内に設けられた第3の伝熱管9dに導入され、第3の伝熱管9dを流下しつつ、液溜まり3内の温海水へ熱を伝達し、フラッシュ蒸発を加速させる。第3の伝熱管9c内の淡水は、冷却され、冷淡水として第4基本モジュール50dで回収した淡水と共に最終的に淡水タンク130に回収される。
よって、本実施例では、最終の4番目の基本モジュール50dから、温淡水と冷淡水および濃縮された温海水と濃縮された冷海水を得ることができる。
以上説明した実施例では、温度スイングを増やせば淡水化が進行し、得られる淡水の量は増え、濃縮海水の塩分濃度が高まる。淡水を得るだけでなく濃縮海水からナトリウム,マグネシウム,ホウ素などの有価物を回収する場合、温度スイングの回数を著しく増やすことが求められる。一方で淡水化が進めば濃縮海水の流量は減少する。このような場合、海水淡水化装置を濃縮度に応じて時分割に使うことができれば、熱交換部を削減できる。図10はそのためのシステム構成図である。300はクラスター、20,22,23,25は流路切換弁である。クラスター300は図6,図8,図9に示した海水淡水化装置102,103,104、あるいは基本モジュール50(海水淡水化装置101)そのものとする。
図10において、濃縮された温海水を濃縮度に応じて貯留するための温海水タンク200を複数個設ける。濃縮された冷海水を濃縮度に応じて貯留するための冷海水タンク120も同様に、複数個設ける。クラスター300も複数個設け、流路切換弁20,22,23,25を切り換えながら濃縮度ごとに時分割に淡水化を進行させる。
本実施例では、温海水を濃縮度別に分けて、温海水タンク200に貯留する。一方、冷海水も同様に濃縮度別に分けて、冷海水タンク120に貯留する。
各冷海水タンク120は、それぞれ冷海水供給系統12に繋がっており、冷海水供給系統12は、クラスター300を構成する海水淡水化装置の第1基本モジュールに設けられた伝熱管入口端2aiに繋がっている。冷海水供給系統12と各冷海水タンク120とはそれぞれ配管13を介して繋がっており、各配管13に切換弁20が設けられている。切換弁20の開閉操作によって、各冷海水タンク120のうち、どの冷海水タンクから冷海水を供給するかを制御する。
各温海水タンク200は、それぞれ温海水供給系統14に繋がっており、温海水供給系統14は、クラスター300を構成する海水淡水化装置の第1基本モジュールに設けられた液溜まり入口端3aiに繋がっている。温海水供給系統14と各温海水タンク200とはそれぞれ配管15を介して繋がっており、各配管15に切換弁23が設けられている。流路切換機構である切換弁23の開閉操作によって、各温海水タンク200のうち、どの温海水タンクから温海水を供給するかを制御する。
24は、冷海水回収系統で、その一端は、クラスター300を構成する海水淡水化装置の第4基本モジュールに設けられた液溜まり出口端3deに繋がっており、他方の一端は分岐してそれぞれ、配管27を介して各冷海水タンク120に繋がっている。また、各冷海水タンク120と冷海水回収系統24とを繋ぐ配管27には、それぞれ切換弁25が設けられており、切換弁25を開閉制御して冷海水を回収する冷海水タンクの切換制御を行う。
26は、温海水回収系統で、その一端は、クラスター300を構成する海水淡水化装置の第4基本モジュールに設けられた伝熱管出口端2deに繋がっており、他方の一端は分岐してそれぞれ、温海水タンク200に繋がっている。また、温海水タンク200と温海水回収系統26とを繋ぐ配管21には、それぞれ切換弁22が設けられており、流路切換機構を構成する切換弁22を開閉制御して温海水を回収する温海水タンクの切換制御を行う。
本実施例によれば、切換弁の開閉制御を行うことで、海水淡水化装置に供給する温海水と冷海水を、濃縮度に応じて切換可能である。例えば、ある特定の濃度の温海水と、冷海水を海水淡水化装置に供給したい場合は、供給したい濃度の冷海水が貯留されている冷海水タンク120の切換弁20と、温海水が温海水が貯留されている温海水タンク200の切換弁23を開け、その他のタンクの切換弁を閉めれば良い。供給したい濃度の海水が貯留されているタンクから、それぞれ温海水供給系統14,冷海水供給系統12を介して、温海水と冷海水が海水淡水化装置に供給される。
また、切換弁を開閉制御することで、海水淡水化装置から排出された温海水と冷海水も、濃縮度に分けて貯留可能である。例えば、海水淡水化装置から排出された温海水と冷海水の濃度を調べ、同じ濃度の温海水,冷海水が貯留されている冷海水タンク120,温海水タンク200の切換弁22,25を開き、その他のタンクの切換弁を閉めることで、海水淡水化装置から冷海水回収系統,温海水回収系統を介してそれぞれ、同濃度の海水が貯留されているタンクに回収することができる。
よって、本実施例によれば、海水淡水化装置を濃縮度に応じて時分割に使い回すことができ、ハードウェア量を低減できる。
次に本発明の第6の実施例について説明する。本実施例は、前述した第5の実施例の応用例である。図11において、30はクーリングタワー、31,32は大気、33は淡水スプレーである。また、クーリングタワー30内と冷海水タンク120内とを循環する熱媒体循環系統34を設けている。なお、先に説明した実施例と同等の構成要素には同一に符号を付し説明を省略する。
本実施例では、クーリングタワー30に、大気31を導き、クラスター300内での淡水化により得られた淡水の一部を淡水スプレー33から大気に噴霧する。大気の顕熱と淡水の蒸発潜熱により、熱媒体が冷却化され、熱媒体循環系統34を介して冷海水タンク120に循環し、熱媒体によって冷海水タンク120内の濃縮された冷海水が冷却される。
本実施例の構成によれば、クラスター300を構成する海水淡水化装置に供給する冷海水と温海水の温度差を大きくすることができ、淡水化の進行を加速できる。
次に本発明の第7の実施例について説明する。本実施例は、本発明の海水淡水化方式を用いた複合発電プラントの構成例である。図12に、本実施例の複合発電プラントの主要部分を概略的に示した構成図を示す。なお、先に説明した実施例と同等の構成要素には同一に符号を付し説明を省略する。
図12において、40は蒸気タービン、41は復水器、42は海水加熱器、43,44は蒸発器、45は凝縮器、46は補助タービン、400は主蒸気、401,402は復水である。蒸気タービン40には高温高圧の主蒸気400が流入し、低温低圧の蒸気が復水器41に排気され、この蒸気の熱落差により仕事を得る。復水器41での凝縮により低温低圧が維持されるが、凝縮液は復水401としてボイラーに送られ、ボイラーで再び主蒸気400を得る。
復水器41には、蒸気の復水化に用いる冷却源として海水500が用いられている。復水器41で蒸気を冷却した海水は、蒸気と熱交換することにより温められ、温海水となる。復水器41より排出された温海水のうちの一部を温海水403としてクラスター300に導く。温海水403は、クラスター300に導入される途中で、複数の海水加熱器42で、加熱される。加熱には蒸気タービンの段落から抽気された蒸気を用い、各海水加熱器42で凝縮した蒸気は復水402となり、ボイラーへ送られる。海水加熱器42で加熱された温海水403は、クラスター300を構成する海水淡水化装置の第1基本モジュールの液溜まり入口端3aiに送られる。一方、クラスター300の海水淡水化装置の伝熱管入口端2aiには冷海水404も導入されている。
クラスター300には、実施例2乃至4で説明した海水淡水化装置102,103、または104が用いられる。クラスター300から生成される濃縮された温海水405と温淡水406は、一端タンクに貯留された後、蒸発器43,44に送られ、補助タービンの作動媒体と熱交換する。蒸発器43,44で温海水405と温淡水406によって加熱された作動媒体は、蒸気となって、補助タービン46に送られ、補助タービン46を駆動し、図示しない発電機等によって出力を得る。補助タービン46を駆動した作動媒体は、凝縮器45に送られ、凝縮器45で冷却されて凝縮する。なお、補助タービン46の作動媒体は水蒸気に限らず、フロンやアンモニアなどでも良い。
一方、蒸発器43,44で作動媒体と熱交換した温海水405と温淡水406は、その後淡水タンク130と冷海水タンク120に回収される。
図12において温海水403の加熱には複数の海水加熱器42が用いられ、抽気蒸気は低温低圧の蒸気も用いられる。初めの海水加熱器42の温度は復水器41内の温度に近く、段階的に加熱される。蒸気タービン40の下流段から抽気される蒸気は上流段で抽気される蒸気より多くの仕事をする。このため、蒸気タービン40に対して温海水403は冷却源として作用する。
図13に従来の海水淡水化複合発電を示すが、加熱蒸気を上流段の一点から抽気するのに対し、図12では下流段から抽気され多くの仕事をする。さらに、海水淡水化装置から得られた温海水405と温淡水406と新たな冷却源である凝縮器45との温度差を利用し、補助タービン46により仕事を得ることができる。
図14は凝縮器45の冷却源に大気を用いる構成図であり、新たに30はクーリングタワー、31,32は大気、33は淡水スプレー、34は熱媒体循環系統である。クーリングタワー30に、大気31を導き、海水淡水化により得られた淡水の一部を淡水スプレー33から大気に噴霧する。大気の顕熱と淡水の蒸発潜熱により、熱媒体循環系統を循環する熱媒体を介して凝縮器45の冷却媒体を冷却できる。
本発明は海水淡水化プラント,海水資源化プラント、および複合蒸気タービンプラントに利用できる。
1 小部屋
2 伝熱管
3 液溜まり
4 淡水受け皿
5 加熱器
6 流量調整弁
8 第2の伝熱管
9 第3の伝熱管
12 冷海水供給系統
14 温海水供給系統
20,23,25 切換弁
24 冷海水回収系統
26 温海水回収系統
30 クーリングタワー
34 熱媒体循環系統
40 蒸気タービン
41 復水器
42 海水加熱器
43,44 蒸発器
45 凝縮器
46 補助タービン
48 加熱器
50 基本モジュール
100,101 海水淡水化装置
110 海水タンク
120 冷海水タンク
130 淡水タンク
200,210 温海水タンク
300 クラスター
403,405 温海水
404 冷海水
406 温淡水
407 淡水
500 海水

Claims (7)

  1. 海水が流下する伝熱管と、前記海水より暖かい温海水が流下する液溜まりと、前記液溜まりに溜まった温海水からフラッシュ蒸発した蒸気を前記伝熱管を流下する海水で冷却して得た淡水を集める淡水受け皿と、を有する部屋からなる段落を複数段備えた多段フラッシュ蒸発方式の海水淡水化装置であって、
    前記海水と異なる海水を前記温海水として前記液溜まりに導入し、
    前記海水と前記温海水とが、前記各段落を互いに対向して流下するように構成され、
    前記海水の前記伝熱管への導入流量を、前記温海水の海水淡水化装置への導入流量に等しくなるように流量調節する、あるいは、前記海水淡水化装置の前記海水流れ方向上流側と下流側の両端での前記温海水と前記海水との温度差が保たれるように流量調節する、流量調節弁を前記伝熱管の入口上流側に設けたことを特徴とする海水淡水化装置。
  2. 請求項1記載の海水淡水化装置であって、
    前記段落を複数段備えた基本モジュールを複数個備え、
    前記基本モジュールを前記海水の流れ方向に沿って直列に繋げ、
    前記海水を、前記基本モジュールを流下する毎に、交互に前記伝熱管と前記液溜まりを流下させるとともに、前記温海水を、前記各基本モジュールを流下する毎に、交互に前記液溜まりと前記伝熱管を流下させることを特徴とする海水淡水化装置。
  3. 請求項2記載の海水淡水化装置であって、
    前記基本モジュールの少なくとも1つは、基本モジュールを構成する各段落に、前記フラッシュ蒸気を冷却する第2の伝熱管を備え、
    前記第2の伝熱管を備える基本モジュールの上流側に設けられた前記基本モジュールで生成した淡水を前記第2の伝熱管に冷熱源として導入することを特徴とする海水淡水化装置。
  4. 請求項3記載の海水淡水化装置であって、
    前記基本モジュールの少なくとも1つは、基本モジュールを構成する各段落に、前記液溜まりの中に第3の伝熱管を備え、
    前記第2の伝熱管に導入し、前記フラッシュ蒸気との熱交換によって昇温した淡水を前記第3の伝熱管に導入することを特徴とする海水淡水化装置。
  5. 請求項2乃至4のいずれか1項に記載の海水淡水化装置であって、
    前記海水淡水化装置に前記海水を供給する海水供給系統と、
    前記海水淡水化装置に前記温海水を供給する温海水供給系統と、
    前記海水淡水化装置から排出された海水を回収する海水回収系統と、
    前記海水淡水化装置から排出された温海水を回収する温海水回収系統と、
    前記海水供給系統と前記海水回収系統とに連通し、濃度毎に海水を貯留する複数個の海水タンクと、
    前記温海水供給系統と前記温海水回収系統とに連通し、濃度毎に温海水を貯留する複数個の温海水タンクとを備え、
    前記複数個の海水タンクのうち、前記海水淡水化装置へ海水を供給する前記海水タンク、および前記複数個の温海水タンクのうち、前記海水淡水化装置へ温海水を供給する前記温海水タンクを時分割で切換制御する流路切換機構と、
    前記複数個の海水タンクのうち、前記海水淡水化装置から排出された海水を回収する前記海水タンク、および前記複数個の温海水タンクのうち、前記海水淡水化装置から排出された温海水を回収する前記温海水タンクを、排出された海水と温海水の濃度に応じて切換制御する流路切換機構とを備えることを特徴とする海水淡水化装置。
  6. 請求項1乃至4いずれか1項に記載の海水淡水化装置を備えた複合発電プラントであって、
    蒸気タービンと、該蒸気タービンの上流段落から下流段落までの複数箇所から抽気した蒸気を加熱源とする加熱器とを備え、
    前記海水を、前記加熱器で加熱して前記温海水を生成することを特徴とする複合発電プラント。
  7. 多段フラッシュ蒸発方式の海水淡水化装置を用いた海水淡水化方法であって、
    前記海水淡水化装置に、海水と、該海水と別の前記海水より温度が高い温海水とが対向して流れるように導入し、
    前記海水の前記海水淡水化装置への導入流量を、前記温海水の導入流量に等しくなるように流量調節する、あるいは、前記海水の前記海水淡水化装置への導入流量を、前記海水淡水化装置の前記海水流れ方向上流側と下流側の両端での前記温海水と前記海水との温度差が保たれるように流量調節し、
    前記温海水をフラッシュ蒸発させて生成した蒸気を前記海水で冷却して淡水を生成することを特徴とする海水淡水化方法。
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