JPWO2012026126A1 - 音源分離装置、音源分離方法、及び、プログラム - Google Patents

音源分離装置、音源分離方法、及び、プログラム Download PDF

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Abstract

従来の音源分離装置では、到来方向が特定の方向に定まらない拡散性雑音が存在する環境下においては、特定の周波数帯域が大きく削除される結果、拡散性雑音が音源分離結果に不規則に振り分けられてミュージカルノイズとなる場合がある。そこで、本発明の一態様は、音源分離装置(1)のビームフォーマ部(3)は、スペクトル分析後のマイクロホン(10、11)からの出力信号に対して複素共役の関係にある重み係数を乗算することにより、2つのマイクロホン(10、11)を結ぶ線分と交わる平面を境にして、目的音源のおおまかな方向が含まれる領域と、この領域とは反対の領域から到来する各音源信号をそれぞれ減衰させるためのビームフォーマ処理を行う。重み付け係数算出部(50)は、パワー計算部(40、41)で計算されたパワースペクトル情報同士の差分に基づいて重み付け係数を算出する。

Description

本発明は、複数のマイクロホンを使用し、複数の音源から発せられた複数の音声信号や各種環境雑音など複数の音響信号が混ざった信号から、目的とする音源から到来する音源信号を分離する音源分離装置、音源分離方法、及び、プログラムに関する。
種々の環境下において特定の音声信号などを収録したい場合、周囲環境にはさまざまな雑音源があるため、目的音とする信号のみをマイクロホンで収録することは困難であり、何らかの雑音低減処理あるいは音源分離処理が必要となる。
これらの処理が特に必要となる例として、例えば自動車環境下が挙げられる。自動車環境下において、携帯電話の普及により運転中の携帯電話を使用しての通話は車内に離れて設置されたマイクを使用するのが一般的あり、通話品質を著しく劣化させている。また、自動車環境下で運転中に音声認識を行う場合も同様の状況で発話するため、音声認識性能を劣化させる原因になっている。現在の音声認識技術の進歩により、定常雑音に対する音声認識率の劣化の問題に対して、劣化した性能のかなりの部分を回復することが可能となっている。しかし、現状の音声認識技術で対応が難しいものとして、複数発話者の同時発話時の認識性能の劣化の問題がある。現在の音声認識の技術では同時に発話された二人の混合音声を認識する技術が低いため、音声認識装置使用時には発話者以外の同乗者は発話を制限され、同乗者の行動を制限する状況が発生している。
また、携帯電話機、あるいは携帯電話機と接続してハンズフリー通話を可能とするヘッドセットにおいても、背景雑音環境下で通話を行うと通話品質の劣化が同様に発生する。
上記のような問題を解決する方法として、複数のマイクロホンを備えた音源分離方法が存在する。例えば、特許文献1に記載の音源分離装置は、2つのマイクロホンを結ぶ直線の垂線に対して対称な方向から到来する音源信号を各々減衰させるためのビームフォーマ処理を行い、ビームフォーマ出力について計算したパワースペクトル情報同士の差分に基づいて目的音源のスペクトル情報を抽出する。
特許文献1に記載の音源分離装置を用いることにより、指向特性がマイクロホン素子の感度に影響を受けないという性質を実現することができ、マイクロホン素子の感度のばらつきに影響を受けることなく、複数の音源から発せられた音源信号が混合された混合音の中から、目的音源からの音源信号を分離することが可能となる。
特許第4225430号公報
Y.Ephraim and D.Malah, "Speech enhancement using minimum mean-square error short-time spectral amplitude estimator", IEEE Trans Acoust.,Speech, Signal Processing, ASSP-32, 6, pp.1109-1121, Dec.1984. S. Gustafsson, P. Jax, and P. Vary, "A novel psychoacoustically motivated audio enhancement algorithm preserving background noise characteristics,"IEEE International Conference on Acoustics, Speech and Signal Processing, ICASSP'98, vol. 1, ppt.397-400 vol.1, 12-15 May 1998.
ところで、特許文献1に記載の音源分離装置では、ビームフォーマ処理後に算出される2つのパワースペクトル情報の差分が所定の閾値以上である場合にはその差分を目的音であると認識してそのまま出力する一方、2つのパワースペクトル情報の差分が所定の閾値未満である場合にはその差分は雑音であると認識してその周波数帯域の出力を0としている。よって、例えば自動車の走行雑音のように到来方向が特定の方向に定まらない拡散性雑音が存在する環境下において特許文献1の音源分離装置を動作させると、特定の周波数帯域が大きく削除される結果、拡散性雑音が音源分離結果に不規則に振り分けられてミュージカルノイズとなる場合がある。なお、ミュージカルノイズとは雑音の消し残りであり、時間軸上および周波数軸上で孤立した成分であるため、不自然で耳障りな音として聞こえる。
また、特許文献1では、ポストフィルタ処理をビームフォーマ処理の前段に入れることによって、拡散性雑音、定常雑音などを低減し、音源分離後のミュージカルノイズの発生を防ぐことが開示されている。しかしながら、マイクロホンが離れて配置された場合や携帯電話やヘッドセットなどの筐体にマイクロホンがモールドされている場合、両方のマイクロホンに入力される雑音の音量差や位相差が大きくなる。そのため、片方のマイクロホンで求めたゲインをそのままもう片方のマイクロホンに適用すると帯域毎に目的音が抑圧されすぎたり、雑音が大きく残ったりする。その結果、ミュージカルノイズの発生を十分に防ぐことは困難となる。
そこで、本発明は、上述のような問題を解決するためになされたものであり、マイクロホンの配置の影響を受けることなくミュージカルノイズの発生を十分に低減させることが可能な音源分離装置、音源分離方法、及び、プログラムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の一態様は、複数の音源から発せられた音源信号が混合された混合音から目的音源からの音源信号を分離する音源分離装置であって、前記混合音が入力される2つのマイクロホンからなるマイクロホン対からのそれぞれの出力信号に対して互いに異なる第1の係数を用いた周波数領域での積和演算を行うことにより、前記2つのマイクロホンを結ぶ線分と交わる平面を境にして前記目的音源の方向が含まれる領域とは反対の領域から到来する音源信号を減衰させる第1のビームフォーマ処理部と、前記マイクロホン対からのそれぞれの出力信号に対して、前記互いに異なる第1の係数と周波数領域で複素共役の関係にある第2の係数を乗算し、得られる結果を周波数領域で積和演算することにより、前記平面を境にして前記目的音源の方向が含まれる領域から到来する音源信号を減衰させる第2のビームフォーマ処理部と、前記第1のビームフォーマ処理部により得られた信号から周波数毎のパワー値を有する第1のスペクトル情報を計算し、更に、前記第2のビームフォーマ処理部により得られた信号から周波数毎のパワー値を有する第2のスペクトル情報を計算するパワー計算部と、前記第1のスペクトル情報と前記第2のスペクトル情報の周波数毎のパワー値の差分に応じて、前記第1のビームフォーマ処理部で得られた信号に乗算するための周波数毎の重み付け係数を算出する重み付け係数算出部と、を備え、前記第1のビームフォーマ処理部により得られた信号と、前記重み付け係数算出部が算出する前記重み付け係数との乗算結果に基づき、前記混合音から前記目的音源からの音源信号を分離することを特徴とする音源分離装置である。
また、本発明の他の態様は、第1のビームフォーマ処理部と、第2のビームフォーマ処理部と、パワー計算部と、重み付け係数算出部と、を有する音源分離装置が実行する音源分離方法であって、前記第1のビームフォーマ処理部が、複数の音源から発せられた音源信号が混合された混合音が入力される2つのマイクロホンからなるマイクロホン対からのそれぞれの出力信号に対して互いに異なる第1の係数を用いた周波数領域での積和演算を行うことにより、前記2つのマイクロホンを結ぶ線分と交わる平面を境にして目的音源の方向が含まれる領域とは反対の領域から到来する音源信号を減衰させる第1のステップと、前記第2のビームフォーマ処理部が、前記マイクロホン対からのそれぞれの出力信号に対して、前記互いに異なる第1の係数と周波数領域で複素共役の関係にある第2の係数を乗算し、得られる結果を周波数領域で積和演算することにより、前記平面を境にして前記目的音源の方向が含まれる領域から到来する音源信号を減衰させる第2のステップと、前記パワー計算部が、前記第1の処理ステップにより得られた信号から周波数毎のパワー値を有する第1のスペクトル情報を計算し、更に、前記第2の処理ステップにより得られた信号から周波数毎のパワー値を有する第2のスペクトル情報を計算する第3のステップと、前記重み付け係数算出部が、前記第1のスペクトル情報と前記第2のスペクトル情報の周波数毎のパワー値の差分に応じて、前記第1のステップで得られた信号に乗算するための周波数毎の重み付け係数を算出する第4のステップと、を備え、前記第1のステップにより得られた信号と、前記第4のステップにおいて算出された前記重み付け係数との乗算結果に基づき、前記混合音から前記目的音源からの音源信号を分離することを特徴とする音源分離方法である。
また、本発明の他の態様は、コンピュータに、複数の音源から発せられた音源信号が混合された混合音が入力される2つのマイクロホンからなるマイクロホン対からのそれぞれの出力信号に対して互いに異なる第1の係数を用いた周波数領域での積和演算を行うことにより、前記2つのマイクロホンを結ぶ線分と交わる平面を境にして目的音源の方向が含まれる領域とは反対の領域から到来する音源信号を減衰させる第1の処理ステップと、前記マイクロホン対からのそれぞれの出力信号に対して、前記互いに異なる第1の係数と周波数領域で複素共役の関係にある第2の係数を乗算し、得られる結果を周波数領域で積和演算することにより、前記平面を境にして前記目的音源の方向が含まれる領域から到来する音源信号を減衰させる第2の処理ステップと、前記第1の処理ステップにより得られた信号から周波数毎のパワー値を有する第1のスペクトル情報を計算し、更に、前記第2の処理ステップにより得られた信号から周波数毎のパワー値を有する第2のスペクトル情報を計算する第3の処理ステップと、前記第1のスペクトル情報と前記第2のスペクトル情報の周波数毎のパワー値の差分に応じて、前記第1の処理ステップで得られた信号に乗算するための周波数毎の重み付け係数を算出する第4の処理ステップと、を備え、前記第1の処理ステップにより得られた信号と、前記第4の処理ステップにおいて算出された前記重み付け係数との乗算結果に基づき、前記混合音から前記目的音源からの音源信号を分離することを特徴とする音源分離プログラムである。
これらの構成によれば、特に、拡散性雑音の存在する環境下であっても、ミュージカルノイズの発生を抑制しつつ、複数の音源から発せられた音源信号が混合された混合音の中から、目的音源からの音源信号を分離することが可能となる。
特許文献1の効果を維持しつつ、ミュージカルノイズの発生を十分に低減させることが可能となる。
第1実施形態に係る音源分離システムの構成を示す図である。 第1実施形態に係るビームフォーマ部の構成を示す図である。 パワー計算部の構成を示す図である。 マイク入力信号に対する特許文献1に係る音源分離装置と本発明の第1実施形態に係る音源分離装置における処理結果を示す図である。 図4の処理結果の一部の拡大図である。 雑音推定部の構成を示す図である。 雑音イコライザ部の構成を示す図である。 第1実施形態に係る音源分離システムの別の構成を示す図である。 第2実施形態に係る音源分離システムの構成を示す図である。 制御部の構成を示す図である。 第3実施形態に係る音源分離システムの構成の一例を示す図である。 第3実施形態に係る音源分離システムの構成の一例を示す図である。 第3実施形態に係る音源分離システムの構成の一例を示す図である。 第4実施形態に係る音源分離システムの構成を示す図である。 指向性制御部の構成を示す図である。 本発明の音源分離装置の指向特性を示す図である。 指向性制御部の別の構成を示す図である。 目的音補正部を設けた場合の本発明の音源分離装置の指向特性を示す図である。 音源分離システムにおける処理の一例を示すフロー図である。 雑音推定部での処理の詳細を示すフロー図である。 雑音イコライザ部での処理の詳細を示すフロー図である。 残留雑音抑圧算出部での処理の詳細を示すフロー図である。 ビームフォーマ30の出力値について近接音と遠距離音の場合を比較したグラフを示す図である(マイク間隔3cm)。 ビームフォーマ30の出力値について近接音と遠距離音の場合を比較したグラフを示す図である(マイク間隔1cm)。 特許文献1の音源分離装置における音源分離の境界面を示す図である。 特許文献1の音源分離装置の指向特性を示す図である。
以下、本発明に係る実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態に係る音源分離システムの基本的構成を示す図である。このシステムは、2つのマイクロホン(以下「マイク」という)10、11と、音源分離装置1とで構成されている。以下、マイクロホンを二つとして実施形態の説明を行うが、マイクロホンの数は少なくとも2つ以上あればよく、2つに限定されない。
この音源分離装置1は、図示せぬ、全体を制御し演算処理を実行するCPUと、ROM、RAM、ハードディスク装置等の記憶装置を含むハードウェアと、記憶装置に記憶されたプログラム、データ等を含むソフトウェアとを備えている。これらのハードウェア及びソフトウェアによって、音源分離装置1の各機能ブロックが実現される。
2つのマイク10、11は、平面上に互いに離して設置されており、2つの音源R1、R2から発せられた信号を受信する。このとき、これら2つの音源R1、R2は、2つのマイク10、11を結ぶ線分と交わる平面(以下、分離面とする)を境界として分割された2つの領域(以下「分離面の左右」という)にそれぞれ位置するものとするが、必ずしも分離面に対し左右対称の位置に存在する必要はない。尚、本実施形態では、分離面を、2つのマイク10、11を結ぶ線分を面内に含む平面と垂直に交わる平面であって、前記線分の中点を通る平面とした例で説明する。
また、音源R1から発生する音は取得すべき目的音、音源R2から発生する音は抑圧すべき雑音とする(本明細書を通じて同様)。また、雑音は1つに限定するものではなく、複数あってもよい。ただし、目的音と雑音の方向は異なるものとする。
このマイク10、11で得た2つの音源信号を、スペクトル分析部20、21においてそれぞれマイク出力毎に周波数分析し、ビームフォーマ部3においてこれらの周波数分析された信号を分離面の左右に死角を形成したビームフォーマ30、31でフィルタリングを行い、パワー計算部40、41においてそのフィルタ出力のパワーを計算する。なお、ビームフォーマ30、31は、好ましくは、分離面の左右において、分離面に対して対称に死角を形成するものである。
[ビームフォーマ部]
まず、図2を参照して、ビームフォーマ30、31からなるビームフォーマ部3の構成を説明する。スペクトル分析部20、スペクトル分析部21で周波数成分毎に分解された信号x1(ω)、x2(ω)を入力として、乗算器100a、100b、100c、100dにて、フィルタ係数w1(ω)、w2(ω)、w1 *(ω)、w2 *(ω)(*は複素共役の関係にあることを示す)と乗算をそれぞれ行う。
そして、加算器100e、100fにて2つの乗算結果を加算し、その出力としてフィルタリング処理結果ds1(ω)、ds2(ω)を出力する。目的方位θ1に対するゲインを1とし、他方向θ2に1つの死角(ゲイン0)を形成するビームフォーマ30のフィルタベクトルをW1(ω,θ1,θ2)=[w1(ω,θ1,θ2),w2(ω,θ1,θ2)]T、観測信号をX(ω,θ1,θ2)=[x1(ω,θ1,θ2),x2(ω,θ1,θ2)]Tとしたとき、ビームフォーマ30の出力ds1(ω)は次式で求めることが出来る。ただし、Tは転置操作、Hは共役転置操作を示す。
Figure 2012026126
また、ビームフォーマ31のフィルタベクトルをW2(ω,θ1,θ2)=[w1 *(*ω,θ1,θ2),w2 *(ω,θ1,θ2)]Tとしたとき、ビームフォーマ31の出力ds2(ω)は次式で求めることが出来る。
Figure 2012026126
このように、ビームフォーマ部3は、複素共役フィルタ係数を使用することにより、分離面に対して対称な位置に死角を形成している。ここで、ωは角周波数を表わし、周波数fに対してω=2πfの関係にある。
[パワー計算部]
次に、図3を参照して、パワー計算部40、41について説明する。パワー計算部40、41は、以下の計算式により、ビームフォーマ30、ビームフォーマ31からの出力ds1(ω)、ds2(ω)を、パワースペクトル情報ps1(ω)、ps2(ω)に変換する。
Figure 2012026126
Figure 2012026126
[重み付け係数算出部]
パワー計算部40、41の出力ps1(ω)、ps2(ω)は、重み付け係数算出部50の2つの入力として使用される。重み付け係数算出部50は、この2つのビームフォーマ30、31の出力のパワースペクトル情報を入力として、周波数毎の重み付け係数GBSA(ω)を出力する。
重み付け係数GBSA(ω)は、前記パワースペクトル情報同士の差分に基づく値であり、重み付け係数GBSA(ω)の一例としては、周波数毎にps1(ω)とps2(ω)の差分を計算し、ps1(ω)の値がps2(ω)の値より大きい場合にはps1(ω)とps2(ω)の差分の平方根をps1(ω)の平方根で除算した値を示し、ps1(ω)の値がps2(ω)以下の値の場合に0を示す値を定義域とした単調増加関数の出力値が考えられる。重み付け係数GBSA(ω)を式で表すと以下のようになる。
Figure 2012026126
式(5)において、max(a,b)は、a及びbのうちいずれか大きい値を返す関数を意味する。また、F(x)は定義域x≧0においてdF(x)/dx≧0を満たす広義単調増加関数であり、例えばシグモイド関数や2次関数などが考えられる。
ここで、GBSA(ω)ds1(ω)について考察する。式(1)で示されるように、ds1(ω)は観測信号X(ω,θ1,θ2)に対する線形処理により得られる信号である。一方、GBSA(ω)ds1(ω)はds1(ω)に対する非線形処理により得られる信号である。
図4は、(a)マイクの入力信号に対する、(b)特許文献1に係る音源分離装置の処理結果と、(c)本実施形態に係る音源分離装置の処理結果とを示す図である。つまり、図4(b)および(c)は、GBSA(ω)ds1(ω)をスペクトログラムで表したものの一例である。本実施形態に係る音源分離装置の単調増加関数F(x)にはシグモイド関数を適用した。一般的にシグモイド関数は、1/(1+exp(a−bx))で表される関数であり、図4(c)の処理結果においては、a=4,b=6を適用している。
また、図5は、図4(a)〜(c)の、ある時間帯におけるスペクトログラムの一部分(符号5)を時間軸方向に拡大した拡大図である。入力音声(図5(a))に対する特許文献1の音源分離装置の処理結果(図5(b))のスペクトログラムを見ると、本実施形態の音源分離装置の処理結果(図5(c))よりも、雑音成分のエネルギーが時間方向、周波数方向に偏在しており、ミュージカルノイズが生じている様子がわかる。
一方、図4(c)のスペクトログラムの雑音成分は入力信号のように雑音成分のエネルギーが時間方向、周波数方向に偏在しておらず、ミュージカルノイズが少ない様子がわかる。
[ミュージカルノイズ低減ゲイン算出部]
BSA(ω)ds1(ω)は、十分にミュージカルノイズが低減された目的音源からの音源信号であるが、拡散性雑音など様々な方向から到来するような雑音の場合、非線形処理であるGBSA(ω)は周波数ビンごとおよびフレームごとに値が大きく変化し、ミュージカルノイズを生じさせる傾向がある。そこで、非線形処理後の出力にミュージカルノイズが生じていない非線形処理前の信号を付加することでミュージカルノイズを低減する。具体的には、出力GBSA(ω)を、ビームフォーマ30の出力ds1(ω)に乗算して得られる信号XBSA(ω)と、ビームフォーマ30の出力ds1(ω)を所定の割合で足し合わせてできる信号を算出する。
また、別の方法として、ビームフォーマ30の出力ds1(ω)に乗算するゲインを再算出する方法がある。ミュージカルノイズ低減ゲイン算出部60では、重み付け係数算出部50の出力GBSA(ω)を、ビームフォーマ30の出力ds1(ω)に乗算して得られる信号XBSA(ω)と、ビームフォーマ30の出力ds1(ω)を所定の割合で足し合わせるようなゲイン値GS(ω)を再算出する。
ここで、XBSA(ω)にビームフォーマ30の出力ds1(ω)をある割合で混合したもの(XS(ω))は、以下の式で表される。γSは、混合時の割合を決定する重み係数であり、0よりおおきく1よりも小さい値となる。
Figure 2012026126
また、式(6)をビームフォーマ30の出力ds1(ω)にゲインを乗算する形に展開すると、以下のようになる。
Figure 2012026126
すなわち、ミュージカルノイズ低減ゲイン算出部60は、GBSA(ω)から1を引く減算部と、それに重み係数γSを掛ける乗算部と、それに1を加える加算部とから構成することができる。つまり、これらの構成から、ビームフォーマ30の出力ds1(ω)に乗ずるゲインとして、ミュージカルノイズが低減されたゲイン値GS(ω)が再算出される。
ゲイン値GS(ω)とビームフォーマ30の出力ds1(ω)との乗算結果に基づいて得られる信号は、GBSA(ω)ds1(ω)に比べミュージカルノイズが低減された目的音源からの音源信号となる。この信号を後述する時間波形変換部120で時間領域信号に変換し、出力することで、目的音源からの音源信号とすることも可能である。
ところで、ゲイン値GS(ω)は、GBSA(ω)に比較して必ず大きくなるため、ミュージカルノイズを低減する一方で、雑音成分を増加してしまう。そこで、残留雑音を抑圧するために、ミュージカルノイズ低減ゲイン算出部60の後段に残留雑音抑圧ゲイン算出部110を設け、さらに最適なゲイン値を再算出する。
また、ビームフォーマ30の出力ds1(ω)にミュージカルノイズ低減ゲイン算出部60で算出されたゲインGS(ω)を乗算したXS(ω)の残留雑音には、突発性雑音も含まれる。そこで、突発性雑音も推定できるように残留雑音抑圧ゲイン算出部110で利用する推定雑音の算出において、以下に説明するブロッキングマトリックス部70と雑音イコライザ部100を導入する。
[雑音推定部]
雑音推定部70のブロック図を図6(a)〜(d)に示す。雑音推定部70は、マイク10、11で得た2つの信号から適応フィルタリング
を行い、目的音である音源R1からの信号成分をキャンセルすることで、雑音成分のみを取得する。
ここで、音源R1からの信号をS(t)とする。なお、音源R1からの音は音源R2からの音よりも先にマイク10に到達する。それ以外の音源から発せられる音の信号をnj(t)とし、それらを雑音とする。このとき、マイク10の入力x1(t)と、マイク11の入力x2(t)は、以下のようになる。
Figure 2012026126
図6に示される適応フィルタ部71は、マイク10の入力信号と適応フィルタ係数を畳み込み、マイク11で得られた信号成分と一致するような擬似信号を算出する。次に、減算部72において、マイク11の信号から擬似信号を減算し、マイク11に含まれる音源R1からの信号中の誤差信号(雑音信号)を算出する。この誤差信号xABM(t)が、雑音推定部70の出力信号となる。
Figure 2012026126
さらに、適応フィルタ部71において誤差信号から適応フィルタ係数の更新を行う。例えば、適応フィルタの係数H(t)の更新にNLMS(Normalized Least Mean Square)を利用する。また、外部のVAD(Voice Activity Detection)値や、後述する制御部160の情報から適応フィルタの更新を制御してもよい(図6(c)、図6(d))。具体的には、例えば、閾値比較部74において、制御部160からの制御信号が所定の閾値よりも大きいと判断した場合に適応フィルタの係数H(t)が更新されるようになっていてもよい。なお、VAD値とは、目的音声が発話状態か非発話状態かを示す値である。値としては、On/Offの2値変移でもよいし、発話状態の確からしさを示すようなある範囲をもつ確率値でもよい。
また、このとき、目的音と雑音が無相関であると仮定すると、雑音推定部70の出力xABM(t)は、以下のように算出される。
Figure 2012026126
このとき、目的音を抑圧するような伝達関数が推定できたとすると、出力xABM(t)は以下のようになる。
Figure 2012026126
以上により、目的音方向以外の雑音成分をある程度推定することができる。特に、Griffith-Jim手法と異なり固定フィルタを利用しないのでマイクゲインの違いにロバストに目的音を抑圧できる。また、図6(b)〜図6(d)に示されるように、遅延器73におけるフィルタのDELAY値を変えることにより、雑音と判断される空間範囲を制御できる。よって、DELAY値に応じて指向性を狭めたり広げたりすることが出来る。
なお、適応フィルタとしては、上記で挙げたものの他、マイクのゲイン特性差にロバストになるようなものであれば良い。
また、雑音推定部70の出力に対しては、スペクトル分析部80において周波数分析し、雑音パワー計算部90において周波数ビン毎のパワーを計算する。また、雑音推定部70の入力としては、スペクトル分析後のマイク入力信号でもよい。
[雑音イコライザ部]
雑音推定部70の出力を周波数分析したXABM(ω)に含まれる雑音量と、重み付け係数GBSA(ω)を、ビームフォーマ30の出力ds1(ω)に乗算して得られる信号XBSA(ω)と、ビームフォーマ30の出力ds1(ω)を所定の割合で足し合わせてできる信号XS(ω)に含まれる雑音量は、スペクトルの形は似ているもののエネルギー量に乖離がある。よって、雑音イコライザ部100では、両者のエネルギー量を一致させるために補正を行う。
雑音イコライザ部100のブロック図を図7に示す。なお、以下、雑音イコライザ部100の入力として、パワー計算部90の出力pXABM(ω)、ミュージカルノイズ低減ゲイン算出部60の出力GS(ω)、ビームフォーマ30の出力ds1(ω)を使用した例を説明する。
まず、乗算部101は、ds1(ω)とGS(ω)の乗算を行う。その出力に対し、パワー計算部102ではパワーを求める。スムージング部103、104は、外部のVAD値や後述する制御部160からの信号を受け付けることによって雑音と判断した区間で、パワー計算部90の出力pXABM(ω)とパワー計算部102の出力pXS(ω)に対しそれぞれスムージング処理をする。「スムージング処理」とは、連続的なデータにおいて、他のデータよりも大きく乖離しているデータの影響を低減するためにデータを平均化する処理である。本実施形態では、一次IIRフィルタを用いてスムージング処理を行っており、スムージング処理されたパワー計算部90の出力pX'ABM(ω)とパワー計算部102の出力pX'S(ω)は、現処理フレームにおけるパワー計算部90の出力pXABM(ω)とパワー計算部102の出力pXS(ω)に、過去のフレームにおけるスムージング処理されたパワー計算部90の出力とパワー計算部102の出力を用いて算出されている。スムージング処理の一例として、スムージング処理されたパワー計算部90の出力pX'ABM(ω)とパワー計算部102の出力pX'S(ω)は以下の式(13−1)のように算出される。ここで、時系列をわかりやすくするため処理フレーム番号mを設け、現処理フレームをm、一つ前の処理フレームをm−1とする。なお、スムージング部103における処理は、閾値比較部105において、制御部160からの制御信号が所定の閾値よりも小さいと判断された場合に実行されるようになっていてもよい。
Figure 2012026126
イコライザ更新部106は、pX'ABM(ω)とpX'S(ω)の出力比を算出する。すなわち、イコライザ更新部106の出力は、以下のようになる。
Figure 2012026126
イコライザ適用部107は、イコライザ更新部106の出力HEQ(ω)とパワー計算部90の出力pXABM(ω)とに基づきXS(ω)に含まれる推定雑音のパワーpλd(ω)を算出する。pλd(ω)は例えば以下のような計算に基づき算出すればよい。
Figure 2012026126
[残留雑音抑圧ゲイン算出部]
残留雑音抑圧ゲイン算出部110では、ビームフォーマ30の出力ds1(ω)にゲイン値GS(ω)を適用した際に残留する雑音成分を抑圧するため、ds1(ω)に乗ずるゲインを再算出する。すなわち、残留雑音抑圧ゲイン算出部110では、ds1(ω)にGS(ω)を適用した値XS(ω)に対し、残留雑音成分の推定値λd(ω)を基にXS(ω)に含まれる雑音成分を適切に除去するゲインである残留雑音抑圧ゲインGT(ω)を算出する。ゲインの算出には、ウィーナーフィルタやMMSE−STSA法(非特許文献1参照)がよく利用されている。しかし、MMSE−STSA法は、雑音を正規分布として仮定しているため、突発性雑音などはMMSE−STSAの仮定に当てはまらない場合がある。そこで、本実施形態では、比較的突発性雑音を抑圧しやすい推定器を利用する。但し、推定器には、どのような手法を用いてもよい。
残留雑音抑圧ゲイン算出部110は、以下のようにしてゲインGT(ω)を算出する。まず、残留雑音抑圧ゲイン算出部110は、事後SNR( (S+N)/N ))をもとに導かれる瞬時の事前SNR( クリーン音声対雑音比( S/N ))を算出する。
Figure 2012026126
次に、残留雑音抑圧ゲイン算出部110は、DECISION−DIRECTED APPROACHにより事前SNR(クリーン音声対雑音比( S/N ))を算出する。
Figure 2012026126
そして、残留雑音抑圧ゲイン算出部110は、事前SNRを基に最適なゲイン値を算出する。以下の式(18)におけるβp(ω)は、ゲインの下限値を規定するスペクトラルフロア値である。これを大きく設定することにより目的音の音質劣化が抑えられるが残留雑音量が増える。一方、小さく設定すると、残留雑音量が少なくなるが目的音の音質劣化が大きくなる。
Figure 2012026126
残留雑音抑圧ゲイン算出部110の出力値は、以下のように表される。
Figure 2012026126
これにより、ビームフォーマ30の出力ds1(ω)に乗ずるゲインとして、ミュージカルノイズが低減され、かつ残留雑音も小さくなるようなゲイン値GT(ω)が再算出される。また、目的音の過剰抑圧を防ぐために外部VAD情報や本発明の制御部160の制御信号の値に応じてλd(ω)の値を調整してもよい。
[ゲイン乗算部]
重み付け係数算出部50の出力GBSA(ω)、ミュージカルノイズ低減ゲイン算出部60の出力GS(ω)、又は残留雑音抑圧算出部110の出力GT(ω)は、ゲイン乗算部130の入力として使用される。ゲイン乗算部130は、ビームフォーマ30の出力ds1(ω)と、重み付け係数GBSA(ω)、ミュージカルノイズ低減ゲインGS(ω)、又は残留雑音抑圧GT(ω)との乗算結果に基づく信号XBSA(ω)を出力する。すなわち、XBSA(ω)の値としては、例えば、ds1(ω)とGBSA(ω)との乗算値、ds1(ω)とGS(ω)との乗算値、又はds1(ω)とGT(ω)との乗算値を用いればよい。
特に、ds1(ω)とGT(ω)との乗算値から得られた目的音源からの音源信号はミュージカルノイズ、雑音成分が極めて少ない信号となる。
Figure 2012026126
[時間波形変換部]
時間波形変換部120は、ゲイン乗算部130の出力XBSA(ω)を時間領域信号に変換する。
[音源分離システムの別の構成例]
また、図8は、本実施形態に係る音源分離システムの別の構成例を示す図である。本構成と図1に示される音源分離システムの構成との違いは、図1の音源分離システムでは雑音推定部70を時間領域で実現していたのに対し、図8の音源分離システムでは周波数領域で実現している点である。なお、他の構成については図1の音源分離システムの構成と同様である。この構成の場合、スペクトル分析80は不要となる。
[第2実施形態]
図9は、本発明の第2実施形態に係る音源分離システムの基本的構成を示す図である。本実施形態に係る音源分離システムにおいては、制御部160を有する点が特徴である。制御部160は、全周波数帯域の重み付け係数GBSA(ω)をもとに、雑音推定部70、雑音イコライザ部100、残留雑音抑圧ゲイン算出部110の内部パラメータを制御することを特徴とする。内部パラメータの例としては、適応フィルタのステップサイズ、重み係数GBSA(ω)のスペクトラムフロア値β、推定雑音の雑音量などが挙げられる。
制御部160は、具体的には以下のような処理を実行する。例えば、重み付け係数GBSA(ω)の全周波数帯域に亘る平均値を算出する。その平均値が大きければ音声存在確率が高いと判断できるため、制御部160は、算出した平均値と所定の閾値とを比較し、その比較結果に基づいて他のブロックを制御する。
また、例えば、制御部160は、重み付け係数算出部50で算出される重み付け係数GBSA(ω)のヒストグラムを0〜1.0において0.1ごとに算出する。なお、GBSA(ω)の値が大きい場合は音声が存在する確率が高く、GBSA(ω)の値が小さい場合は音声が存在する確率が低いので、その傾向を表した重みテーブルをあらかじめ用意しておく。そして、算出したヒストグラムに重みテーブルを掛けそれらの平均値を算出し、閾値と比較し、その比較結果から他のブロックを制御する。
また、例えば、制御部160は、重み付け係数GBSA(ω)のヒストグラムを0〜1.0において0.1ごとに算出した後、例えば、0.7〜1.0の範囲に分布する個数を数え、その数と閾値を比較し、その比較結果に基づいて他のブロックを制御する。
また、制御部160は2つのマイクロホン(マイク10、11)の少なくとも一方からの出力信号を受け付けてもよい。この場合の制御部160のブロック図を図10に示す。制御部160における処理の基本的な考えとしては、ds1(ω)とGBSA(ω)との乗算結果に基づく信号XBSA(ω)と、雑音推定部165およびスペクトル分析部166による処理の出力XABM(ω)のパワースペクトル密度を、エネルギー比較部167で比較する。
具体的には、XBSA(ω)とXABM(ω)のパワースペクトル密度について、それぞれ対数をとりスムージングしたものを、XBSA(ω)'、XABM(ω)'とすると、制御部160は目的音の推定SNR D(ω)を以下のように算出する。
Figure 2012026126
そして、上述した雑音推定部70およびスペクトル分析部80での処理と同様に、D(ω)から定常(雑音)成分DN(ω)を検出し、D(ω)からDN(ω)を減算することで、D(ω)の突発雑音成分DS(ω)を検出することができる。
Figure 2012026126
最後に、DS(ω)とあらかじめ決められた閾値とを比較し、その比較結果から他のブロックを制御する。
[第3実施形態]
(第1の構成)
図11は、本発明の第3実施形態に係る音源分離システムの基本的構成の一例を示す図である。
図11に示される音源分離システムにおける音源分離装置1は、スペクトル分析部20、21と、ビームフォーマ30、31と、パワー計算部40、41と、重み付け係数算出部50と、重み付け係数乗算部310と、時間波形変換部120と、を有する。ここで、重み付け係数乗算部310以外の構成については、上述した他の実施形態における構成と同様である。
重み付け係数乗算部310は、ビームフォーマ30により得られた信号ds1(ω)と、重み付け係数算出部50が算出する重み付け係数とを乗算する。
(第2の構成)
図12は、本発明の第3実施形態に係る音源分離システムの基本的構成の別の例を示す図である。
図12に示される音源分離システムにおける音源分離装置1は、スペクトル分析部20、21と、ビームフォーマ30、31と、パワー計算部40、41と、重み付け係数算出部50と、重み付け係数乗算部310と、ミュージカルノイズ低減部320と、残留雑音抑圧部330と、雑音推定部70と、スペクトル分析部80と、パワー計算部90と、雑音イコライザ部100と、時間波形変換部120と、を有する。ここで、重み付け係数乗算部310と、ミュージカルノイズ低減部320と、残留雑音抑圧部330以外の構成については、上述した他の実施形態における構成と同様である。
ミュージカルノイズ低減部320は、重み付け係数乗算部310の出力結果とビームフォーマ30から得られた信号とを、所定の割合で加算した結果を出力する。
残留雑音抑圧部330は、ミュージカルノイズ低減部320の出力結果と雑音イコライザ部100の出力結果に基づき、ミュージカルノイズ低減部320の出力結果に含まれる残留雑音を抑圧する。
また、図12の構成においては、雑音イコライザ部100は、ミュージカルノイズ低減部の出力結果と、雑音推定部70が算出した雑音成分に基づいて、ミュージカルノイズ低減部320の出力結果に含まれる雑音成分を算出する。
ここで、重み付け係数GBSA(ω)を、ビームフォーマ30の出力ds1(ω)に乗算して得られる信号XBSA(ω)と、ビームフォーマ30の出力ds1(ω)を所定の割合で足し合わせてできる信号XS(ω)には、雑音環境に応じて突発性雑音が含まれる場合がある。そこで、突発性雑音も推定できるように以下に説明する雑音推定部70と雑音イコライザ部100を導入する。
以上のような構成により、図12の音源分離装置1は、残留雑音抑圧部330の出力結果に基づき混合音から、目的音源からの音源信号を分離する。
すなわち、図12の音源分離装置1では、ミュージカルノイズ低減ゲインGS(ω)や、残留雑音抑圧ゲインGT(ω)を算出しない点が第1実施形態および第2実施形態の音源分離装置1と異なる点である。図12のような構成であっても、第1実施形態に係る音源分離装置1と同様の効果を奏する。
(第3の構成)
また、図13は、本発明の第3実施形態に係る音源分離システムの基本的構成の別の例を示す図である。図13に示される音源分離装置1は、図12の音源分離装置1の構成に、制御部160が加えられている。制御部160の機能は、第2実施形態で説明した機能と同様である。
[第4実施形態]
図14は、本発明の第4実施形態に係る音源分離システムの基本的構成を示す図である。本実施形態に係る音源分離システムにおいては、指向性制御部170、目的音補正部180、および到来方向推定部190を有する点が特徴である。
指向性制御部170は、到来方向推定部190で推定される目的音位置に基づいて、分離したい2つの音源R1、R2が仮想的に出来るだけ分離面に対して対称となるように、スペクトル分析部20、21で周波数分析されたマイク出力のうち片方のマイク出力に遅延操作を与える。すなわち、仮想的に分離面を回転させるが、この時の回転角について、周波数帯域に応じて最適な値を算出する。
ところで、指向性制御部170において指向性を狭めた後にビームフォーマ部3でフィルタ処理を行うことにより、目的音の周波数特性に若干の歪が生じるという問題がある。また、遅延量がビームフォーマ部3の入力信号に与えられることにより、出力ゲインが小さくなってしまう問題が生じる。そこで、目的音補正部180では、目的音出力の周波数特性を補正する。
[指向性制御部]
図25は、2つの音源R1'(目的音)、音源R2'(雑音)がマイクを結ぶ線分と交わる元々の分離面に対してθτだけ回転した分離面に対し、左右対称となる状況を示している。特許文献1に記述されているように、片方のマイクで取得した信号に一定遅延量τdを与えることで、図25に示される状況と等価な状況を実現可能である。すなわち、マイク間の位相差を操作し、指向特性を調整するため、上記の式(1)において、位相回転子D(ω)を乗ずる。なお、以下の式において、W1(ω)=W1(ω,θ1,θ2)、X(ω)=X(ω,θ1,θ2)である。
Figure 2012026126
ここで、遅延量τdは以下のように算出される。
Figure 2012026126
dはマイク間距離[m]、cは音速[m/s]である。
しかしながら、位相情報をもとにアレイ処理をする場合、以下の式で表現される空間サンプリング定理を満たさなければならない。
Figure 2012026126
この定理を満たすために許容される遅延量の最大値τ0としては、
Figure 2012026126
となる。すなわち、各周波数ωが大きくなるほど、許容される遅延量τ0は小さくなってしまう。しかしながら、特許文献1の音源分離装置では、式(27−2)で与えられる遅延量は一定であるため、周波数領域の高域において式(29)を満たさなくなる場合が生ずる。結果として、図26に示されるように、所望の音源分離面から大きく外れた方向から到来する反対ゾーンの高域成分の音が出力されてしまう。
そこで、本実施形態に係る音源分離装置においては、図15に示されるように、指向性制御部170に最適遅延量算出部171を設け、仮想的に分離面を回転させる際の回転角θτに対し一定の遅延を与えるのではなく、周波数帯毎に空間サンプリング定理を満たす最適な遅延量を算出することで、上記の問題を解決する。
指向性制御部170は、最適遅延量算出部171において、式(28)よりθτによる遅延量を与えたとき周波数毎に空間サンプリング定理を満たすかを判定し、空間サンプリング定理を満たすならばθτに対応する遅延量τdを位相回転子172に適用し、空間サンプリング定理を満たさないならば、遅延量τ0を位相回転子172に適用する。
Figure 2012026126
図16は、本実施形態に係る音源分離装置1の指向特性を示す図である。図16に示されるように、式(31)の遅延量を適用することにより、所望の音源分離面から大きく外れた方向から到来する反対ゾーンの高域成分の音が出力されてしまうといった問題を解決することができる。
また、図17は、指向性制御部170の別の構成を示す図である。この場合、最適遅延量算出部171において式(31)に基づいて算出された遅延量を片方のマイク入力だけに与えるのではなく、位相回転子172、173によって、双方のマイク入力にそれぞれ半分ずつの遅延を与え全体として同量の遅延操作を実現してもよい。つまり、片方のマイクで取得した信号に遅延量τd(またはτ0)を与えるのではなく、片方のマイクで取得した信号に遅延量τd/2(またはτ0/2)、もう片方のマイクで取得した信号に遅延量−τd/2(または−τ0/2)を与えることで、全体の遅延差がτd(またはτ0
になるようにしてもよい。
[目的音補正部]
別の問題点として、指向性制御部170において指向性を狭めた後にビームフォーマ30、31でBSA処理を行うことにより、目的音の周波数特性に若干の歪が生じることが挙げられる。また、式(31)の処理により、出力ゲインが小さくなってしまう問題が生じる。よって、目的音出力の周波数特性を補正するため目的音補正部180を設け周波数イコライジングを行う。つまり、目的音の場所はおおよそ固定されているため、推定される目的音位置に対して補正を行う。本実施形態では、ある点音源から各マイクまでの伝播時間や減衰量を表す伝達関数を簡易的に模した物理モデルを利用する。ここでは、マイク10の伝達関数を基準値とし、マイク11の伝達関数をマイク10に対する相対値として表現する。このとき、目的音位置から各マイクに到達する音の伝播モデルXm(ω)=[Xm1(ω),Xm2(ω)]は、以下のように表せる。γsは、マイク10と目的音の距離、θSは、目的音の方向である。
Figure 2012026126
この物理モデルを利用することで、推定される目的音位置から発せられた音声が各マイクにどのように入力されるのかが予め想定でき、目的音に対する歪具合も簡易的に算出される。上記の伝播モデルに対する重み付け係数はGBSA(ω|Xm(ω))となり、この逆数を目的音補正部180においてイコライザとして保持しておくことで、目的音の周波数歪を補正できる。よって、イコライザは、
Figure 2012026126
と求めることが出来る。
以上より、重み付け係数算出部50で算出された重み付け係数GBSA(ω)は目的音補正部180によって、以下の式に表されるGBSA'(ω)に補正される。
Figure 2012026126
図18は、θSが0度、γSが1.5[m]として目的音補正部180のイコライザを設計した際の音源分離装置1の指向特性を示す図である。0度方向から到来する音源に対し、出力信号の周波数歪がないことが図18より確認できる。
なお、ミュージカルノイズ低減ゲイン算出部60では、この補正された重み付け係数GBSA'(ω)を入力とする。すなわち、式(7)等のGBSA(ω)は、GBSA'(ω)に置きかえられる。
また、制御部160には、マイク10、11で得られた信号の少なくとも一方が入力されるようになっていてもよい。
[音源分離システムの処理フロー]
図19、音源分離システムにおける処理の一例を示すフロー図である。
スペクトル分析部20、21において、マイク10、20のそれぞれにおいて得られた入力信号1、入力信号2に対し、周波数分析が実行される(ステップS101、S102)。また、ここで、到来方向推定部190において目的音の位置の推定が行われ、指向性制御部170において、推定された音源R1、R2の位置に基づいて最適遅延量が算出されて、この最適遅延量から入力信号1に位相回転子が乗算されるようになっていてもよい。
次に、ステップS101、S102において周波数分析された信号x1(ω)、x2(ω)に対して、ビームフォーマ30、31でフィルタリング処理が実行される(ステップS103、S104)。また、これらのフィルタリング処理の出力に対して、パワー計算部40、41でパワーが計算される(ステップS105、S106)。
重み付け係数算出部50において、ステップS105、S106での計算結果から分離ゲイン値GBSA(ω)が算出される(ステップS107)。また、ここで、目的音補正部180において重み付け係数値GBSA(ω)が再算出されることにより、目的音の周波数特性が補正されるようになっていてもよい。
次に、ミュージカルノイズ低減ゲイン算出部60において、ミュージカルノイズを低減させるようなゲイン値GS(ω)が算出される(ステップS108)。また、制御部160において、ステップS107において算出された重み付け係数値GBSA(ω)に基づいて、雑音推定部70、雑音イコライザ部100、残留雑音抑圧ゲイン算出部110を制御するための制御信号が算出される(ステップS109)。
次に、雑音推定部70において、雑音推定が実行される(ステップS110)。さらに、ステップS110における雑音推定の結果xABM(t)に対して、スペクトル分析部80において周波数分析が実行された後(ステップS111)、パワー計算部90において周波数ビン毎のパワーが計算される(ステップS112)。また、雑音イコライザ部100において、ステップS112で算出された推定雑音のパワーの補正が実行される。
次に、残留雑音抑圧ゲイン算出部110においては、ステップS103で処理されたビームフォーマ30の出力値ds1(ω)にステップS108において算出されたゲイン値GS(ω)を適用した値に対して、雑音成分を除去するためのゲインGT(ω)が算出される(ステップS114)。なお、ゲインGT(ω)の算出は、ステップS112においてパワー補正された雑音成分の推定値λd(ω)に基づいて行われる。
そして、ゲイン乗算部130において、ステップS103でのビームフォーマ30における処理の結果に対して、ステップS114で算出されたゲインが乗算される(ステップS117)。
最後に、時間波形変換部120において、ステップS117での乗算結果(目的音)が時間領域信号に変換される(ステップS118)。
また、第3実施形態で説明したように、ステップS108およびステップS114のゲインの算出を行わずに、ミュージカルノイズ低減部320と残留雑御抑圧部330とによって、ビームフォーマ30の出力信号から雑音を除くようになっていてもよい。
なお、図19のフロー図に示される各処理は、大きく分けて3つの処理に分けられる。3つの処理とは、すなわち、ビームフォーマ30からの出力処理(ステップS101〜S103)と、ゲイン算出処理(ステップS101〜S108およびステップS114)と、雑音推定処理(ステップS110〜S113)である。
ゲイン算出処理と雑音推定処理については、ゲイン算出処理のステップS101〜S107で重み付け係数が算出された後、ステップS108の処理が実行されると同時に、ステップS109の処理と雑音推定処理(ステップS110〜S113)が処理された後、ステップS114でビームフォーマ30の出力に乗算されるゲインが決定される。
[雑音推定部の処理フロー]
図20は、図19のステップS110における処理の詳細を示すフロー図である。まず、音源R1からの信号成分と一致するような擬似信号HT(t)・x1(t)が算出される(ステップS201)。次に、図6の減算部72において、マイク11の信号x2(t)から、ステップS201で算出された擬似信号が減算されることで、雑音推定部70の出力となる誤差信号xABM(t)が算出される(ステップS202)。
その後、制御部160からの制御信号が所定の閾値よりも大きい場合には(ステップS203)、適応フィルタ部71において、適応フィルタの係数H(t)が更新される(ステップS204)。
[雑音イコライザ部の処理フロー]
図21は、図19のステップS113における処理の詳細を示すフロー図である。まず、ビームフォーマ30の出力ds1(ω)に対してミュージカルノイズ低減ゲイン算出部60から出力されるゲインGS(ω)が乗算されて出力XS(ω)が得られる(ステップS301)。
制御部160からの制御信号が所定の閾値より小さい場合には(ステップS302)、図7のスムージング部103において、パワー計算部102の出力pXS(ω)の時間スムージング処理が実行される。また、スムージング部104において、パワー計算部90の出力pXABM(ω)の時間スムージング処理が実行される(ステップS303、S304)。
そして、イコライザ更新部106において、ステップS303およびステップS304の処理結果の比率HEQ(ω)が算出されて、イコライザ値がHEQ(ω)に更新される(ステップS305)。最後に、イコライザ適用部107において、XS(ω)に含まれる推定雑音λd(ω)が算出される(ステップS306)。
[残留雑音抑圧ゲイン算出部110の処理フロー]
図22は、図19のステップS114における処理の詳細を示すフロー図である。制御部160からの制御信号が所定の閾値よりも大きい場合には(ステップS401)、雑音イコライザ部100の出力であって、雑音成分の推定値であるλd(ω)の値が例えば0.75倍等に小さくする処理が実行される(ステップS402)。次に、事後SNRが算出される(ステップS403)。また、事前SNRが算出される(ステップS404)。最後に、残留雑音抑圧ゲインGT(ω)が算出される(ステップS405)。
[他の実施形態]
重み付け係数算出部50でのゲイン値GBSA(ω)の算出時において、所定のバイアス値γ(ω)を用いて前記重み付け係数を算出しても良い。例えば、ゲイン値GBSA(ω)の分母に所定のバイアス値を加算して新たなゲイン値を算出しても良い。前記バイアス値の加算は、マイクのゲイン特性が揃っており、かつ、ヘッドセットやハンドセットなど目的音がマイクの近くに存在する場合において、特に低域のSNRの改善が期待できる。
図23および図24は、ビームフォーマ30の出力値について近接音と遠距離音の場合を比較したグラフを示す図である。図23および図24の(a1)〜(a3)は近接音についての出力値を表すグラフであり、(b1)〜(b3)は遠距離音についての出力値を表すグラフである。また、図23においては、マイク10とマイク11の間隔は0.03mであり、マイク10と音源R1、R2との距離はそれぞれ0.06m(メートル)と1.5mである。また、図24においては、マイク10とマイク11の間隔は0.01mであり、マイク10と音源R1、R2との距離はそれぞれ0.02m(メートル)と1.5mである。
例えば、図23(a1)は近接音によるビームフォーマ30の出力値ds1(ω)(=|X(ω)W1(ω)|2)の値を示すグラフ、図23(b1)は遠距離音によるds1(ω)の値を示すグラフである。ここでは、近接音を目的音位置として目的音補正部180を設計しており、遠距離音の場合には目的音補正部180の影響により低域においてps1(ω)の値は小さくなる。また、ds1(ω)の値が小さい場合(すなわち、ps1(ω)の値が小さい場合)、γ(ω)の影響が大きくなる。つまり分子に比べ相対的に分母の項が大きくなるためGBSA(ω)がさらに小さくなる。よって、遠距離音の低域が抑圧される。
Figure 2012026126
また、図7の構成においては、上記の式(35)で得られたGBSA(ω)はビームフォーマ30の出力値ds1(ω)に適用され、GBSA(ω)とds1(ω)の乗算結果XBSA(ω)は、以下のように算出される。なお、以下の式においては、一例として、音源分離装置1が図7に示される構成である場合を示す。
Figure 2012026126
上述したように、図23および図24の(a1)、(b1)は、ビームフォーマ30の出力ds1(ω)を表すグラフである。また、各図の(a2)、(b2)は、式(35)の分母にγ(ω)を挿入しない場合の出力XBSA(ω)を表すグラフである。また、各図の(a3)、(b3)は、式(35)の分母にγ(ω)を挿入する場合の出力XBSA(ω)を表すグラフである。各図より、遠距離音の低域が抑圧されているのがわかる。つまり、低域中心に存在する走行雑音などには効果が期待できる。
なお、上記説明において、ビームフォーマ30は第1のビームフォーマ処理部を構成する。また、ビームフォーマ31は第2のビームフォーマ処理部を構成する。また、ゲイン乗算部130は、音源分離部を構成する。
本発明は、音声認識装置、カーナビゲーション、集音装置、録音装置、音声コマンドによる機器の制御等、音源を精度よく分離する必要のあるあらゆる産業に利用可能である。
1 音源分離装置
3 ビームフォーマ部
10、11 マイク
20、21 スペクトル分析部
30、31 ビームフォーマ
40、41 パワー計算部
50 重み付け係数算出部
60 ミュージカルノイズ低減ゲイン算出部
70 雑音推定部
71 適応フィルタ部
72 減算部
73 遅延器
74 閾値比較部
80 スペクトル分析部
90 パワー計算部
100 雑音イコライザ部
101 乗算部
102 パワー計算部
103、104 スムージング部
105 閾値比較部
106 イコライザ更新部
107 イコライザ適用部
110 残留雑音抑圧ゲイン算出部
120 時間波形変換部
130 ゲイン乗算部
160 制御部
161A、161B スペクトル分析部
162A、162B ビームフォーマ
163A、163B パワー計算部
164 重み付け係数算出部
165 雑音推定部
166 スペクトル分析部
167 エネルギー比較部
170 指向性制御部
171 最適遅延量算出部
172、173 位相回転子
180 目的音補正部
190 到来方向推定部
310 重み付け係数乗算部
320 ミュージカルノイズ低減部
330 残留雑音抑圧部

Claims (12)

  1. 複数の音源から発せられた音源信号が混合された混合音から目的音源からの音源信号を分離する音源分離装置であって、
    前記混合音が入力される2つのマイクロホンからなるマイクロホン対からのそれぞれの出力信号に対して互いに異なる第1の係数を用いた周波数領域での積和演算を行うことにより、前記2つのマイクロホンを結ぶ線分と交わる平面を境にして前記目的音源の方向が含まれる領域とは反対の領域から到来する音源信号を減衰させる第1のビームフォーマ処理部と、
    前記マイクロホン対からのそれぞれの出力信号に対して、前記互いに異なる第1の係数と周波数領域で複素共役の関係にある第2の係数を乗算し、得られる結果を周波数領域で積和演算することにより、前記平面を境にして前記目的音源の方向が含まれる領域から到来する音源信号を減衰させる第2のビームフォーマ処理部と、
    前記第1のビームフォーマ処理部により得られた信号から周波数毎のパワー値を有する第1のスペクトル情報を計算し、更に、前記第2のビームフォーマ処理部により得られた信号から周波数毎のパワー値を有する第2のスペクトル情報を計算するパワー計算部と、
    前記第1のスペクトル情報と前記第2のスペクトル情報の周波数毎のパワー値の差分に応じて、前記第1のビームフォーマ処理部で得られた信号に乗算するための周波数毎の重み付け係数を算出する重み付け係数算出部と、を備え、
    前記第1のビームフォーマ処理部により得られた信号と、前記重み付け係数算出部が算出する前記重み付け係数との乗算結果に基づき、前記混合音から前記目的音源からの音源信号を分離する音源分離部と、
    を有することを特徴とする音源分離装置。
  2. 前記第1のビームフォーマ処理部により得られた信号と、前記重み付け係数算出部が算出する前記重み付け係数とを乗算する重み付け係数乗算部を更に有し、
    前記音源分離部は、前記重み付け係数乗算部の出力結果と前記第1のビームフォーマ処理部から得られた信号とを、所定の割合で加算した結果に基づき、前記混合音から前記目的音源からの音源信号を分離することを特徴とする請求項1に記載の音源分離装置。
  3. 前記重み付け係数乗算部の出力結果と前記第1のビームフォーマ処理部から得られた信号とを、所定の割合で加算した結果を出力するミュージカルノイズ低減部と、
    前記マイクロホン対のうち、前記目的音源に近いマイクロホンからの出力信号にフィルタ係数が可変な適応フィルタを適用することで前記マイクロホン対のうち、前記目的音源から遠いマイクロホンからの出力信号と一致するような擬似信号を算出し、前記目的音源から遠いマイクロホンからの出力信号と前記疑似信号との差分によって雑音成分を算出する雑音推定部と、
    前記ミュージカルノイズ低減部の出力結果と、前記雑音推定部が算出した前記雑音成分に基づいて、前記ミュージカルノイズ低減部の出力結果に含まれる雑音成分を算出する雑音イコライザ部と、
    前記ミュージカルノイズ低減部の出力結果と雑音イコライザ部の出力結果に基づき前記ミュージカルノイズ低減部の出力結果に含まれる残留雑音を抑圧する残留雑音抑圧部を有し、
    前記音源分離部は、前記残留雑音抑圧部の出力結果に基づき前記混合音から前記目的音源からの音源信号を分離することを特徴とする請求項2に記載の音源分離装置。
  4. 前記雑音推定部、前記雑音イコライザ部、および前記残留雑音抑制部の少なくとも一つを前記周波数毎の重み付け係数に基づき制御する制御部を有する請求項3に記載の音源分離装置。
  5. 前記第1のビームフォーマ処理部で得られた音源信号に前記重み付け係数を乗算した乗算結果と、前記第1のビームフォーマ処理で得られた音源信号とを、所定の割合で加算するためのゲインを算出するミュージカルノイズ低減ゲイン算出部を有し、
    前記音源分離部は、前記ミュージカルノイズ低減ゲイン算出部で算出されたゲインと前記第1のビームフォーマ処理にで得られた音源信号との乗算結果に基づき、前記混合音から前記目的音源からの音源信号を分離することを特徴とする請求項1に記載の音源分離装置。
  6. 前記マイクロホン対のうち、前記目的音源に近いマイクロホンからの出力信号にフィルタ係数が可変な適応フィルタを適用することで前記マイクロホン対のうち、前記目的音源から遠いマイクロホンからの出力信号と一致するような擬似信号を算出し、前記目的音源から遠いマイクロホンからの出力信号と前記疑似信号との差分によって雑音成分を算出する雑音推定部と、
    前記第1のビームフォーマ処理部で得られた音源信号と前記ミュージカルノイズ低減ゲイン算出部において算出されたゲインとを乗算した乗算結果と、前記雑音推定部が算出した前記雑音成分に基づいて、前記第1のビームフォーマ処理部で得られた音源信号と前記ミュージカルノイズ低減ゲイン算出部において算出されたゲインとを乗算した乗算結果に含まれる雑音成分を算出する雑音イコライザ部と、
    前記ミュージカルノイズ低減ゲイン算出部で算出されたゲインと、前記雑音イコライザ部で算出された前記雑音成分に基づいて、前記第1のビームフォーマ処理部で得られた音源信号に乗算するためのゲインであって、前記第1のビームフォーマ処理部で得られた音源信号と前記ミュージカルノイズ低減ゲイン算出部において算出されたゲインとを乗算した乗算結果に含まれる残留雑音を抑圧するためのゲインを算出する残留雑音抑圧ゲイン算出部を備え、
    前記音源分離部は、残留雑音抑圧ゲイン算出部で算出されたゲインと前記第1のビームフォーマ処理で得られた音源信号との乗算結果に基づき前記混合音から前記目的音源からの音源信号を分離することを特徴とする請求項5に記載の音源分離装置。
  7. 前記雑音推定部、前記雑音イコライザ部、および前記残留雑音抑圧ゲイン算出部の少なくとも一つを前記周波数毎の重み付け係数に基づき制御する制御部を有する請求項6に記載の音源分離装置。
  8. 前記マイクロホン対の少なくとも一方のマイクロホンからの出力信号に乗算して、当該マイクロホンの位置を仮想的に移動させるための基準遅延量を周波数毎に算出する基準遅延量算出部と、前記マイクロホン対の少なくとも一方のマイクロホンからの出力信号に対して周波数帯域ごとに遅延量を与える指向性制御部を備え、
    前記指向性制御部は、基準遅延量算出部が算出する前記基準遅延量が空間サンプリング定理を満たす周波数帯域では、当該基準遅延量を前記遅延量とし、前記基準遅延量が空間サンプリング定理を満たさない周波数帯域では、下記式(30)によって求められる最適遅延量τ0を前記遅延量とすることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の音源分離装置。
    (ただし、下記式(30)中、dは2つのマイクロホン間距離、cは音速、ωは周波数)
    Figure 2012026126
  9. 複数の音源から発せられた音源信号が混合された混合音から目的音源からの音源信号を分離する音源分離装置であって、
    前記混合音が入力される2つのマイクロホンからなるマイクロホン対からのそれぞれの出力信号に対して異なる第1の係数を乗算し、得られる結果を周波数領域で積和演算することにより、前記2つのマイクロホンを結ぶ線分と交わる平面を境にして前記目的音源の方向が含まれる領域とは反対の領域から到来する音源信号を減衰させる第1のビームフォーマ処理手段と、
    前記マイクロホン対からのそれぞれの出力信号に対して、前記異なる第1の係数と周波数領域で複素共役の関係にある第2の係数を乗算し、得られる結果を周波数領域で積和演算することにより、前記平面を境にして前記目的音源の方向が含まれる領域から到来する音源信号を減衰させる第2のビームフォーマ処理手段と、
    前記第1のビームフォーマ処理手段により得られた信号から周波数毎のパワー値を有する第1のスペクトル情報を計算し、更に、前記第2のビームフォーマ処理手段により得られた信号から周波数毎のパワー値を有する第2のスペクトル情報を計算するパワー計算手段と、
    前記第1のスペクトル情報と前記第2のスペクトル情報の周波数毎のパワー値の差分に応じて、前記第1のビームフォーマ処理手段で得られた信号に乗算するための周波数毎の重み付け係数を算出する重み付け係数算出手段と、を備え、
    前記第1のビームフォーマ処理手段により得られた信号と、前記重み付け係数算出手段が算出する前記重み付け係数との乗算結果に基づき、前記混合音から前記目的音源からの音源信号を分離する音源分離手段と、
    を有することを特徴とする音源分離装置。
  10. 前記第1のビームフォーマ処理手段により得られた信号と、前記重み付け係数算出手段が算出する前記重み付け係数とを乗算する重み付け係数乗算手段を更に有し、
    前記音源分離手段は、前記重み付け係数乗算手段の出力結果と前記第1のビームフォーマ処理手段から得られた信号とを、所定の割合で加算した結果に基づき、前記混合音から前記目的音源からの音源信号を分離することを特徴とする請求項9に記載の音源分離装置。
  11. 第1のビームフォーマ処理部と、第2のビームフォーマ処理部と、パワー計算部と、重み付け係数算出部と、音源分離部と、を有する音源分離装置が実行する音源分離方法であって、
    前記第1のビームフォーマ処理部が、複数の音源から発せられた音源信号が混合された混合音が入力される2つのマイクロホンからなるマイクロホン対からのそれぞれの出力信号に対して互いに異なる第1の係数を用いた周波数領域での積和演算を行うことにより、前記2つのマイクロホンを結ぶ線分と交わる平面を境にして目的音源の方向が含まれる領域とは反対の領域から到来する音源信号を減衰させる第1のステップと、
    前記第2のビームフォーマ処理部が、前記マイクロホン対からのそれぞれの出力信号に対して、前記互いに異なる第1の係数と周波数領域で複素共役の関係にある第2の係数を乗算し、得られる結果を周波数領域で積和演算することにより、前記平面を境にして前記目的音源の方向が含まれる領域から到来する音源信号を減衰させる第2のステップと、
    前記パワー計算部が、前記第1のステップにより得られた信号から周波数毎のパワー値を有する第1のスペクトル情報を計算し、更に、前記第2のステップにより得られた信号から周波数毎のパワー値を有する第2のスペクトル情報を計算する第3のステップと、
    前記重み付け係数算出部が、前記第1のスペクトル情報と前記第2のスペクトル情報の周波数毎のパワー値の差分に応じて、前記第1のステップで得られた信号に乗算するための周波数毎の重み付け係数を算出する第4のステップと、
    前記音源分離部が、前記第1のステップにより得られた信号と、前記第4のステップにおいて算出された前記重み付け係数との乗算結果に基づき、前記混合音から前記目的音源からの音源信号を分離する第5のステップと、
    を含むことを特徴とする音源分離方法。
  12. コンピュータに、
    複数の音源から発せられた音源信号が混合された混合音が入力される2つのマイクロホンからなるマイクロホン対からのそれぞれの出力信号に対して互いに異なる第1の係数を用いた周波数領域での積和演算を行うことにより、前記2つのマイクロホンを結ぶ線分と交わる平面を境にして目的音源の方向が含まれる領域とは反対の領域から到来する音源信号を減衰させる第1の処理ステップと、
    前記マイクロホン対からのそれぞれの出力信号に対して、前記互いに異なる第1の係数と周波数領域で複素共役の関係にある第2の係数を乗算し、得られる結果を周波数領域で積和演算することにより、前記平面を境にして前記目的音源の方向が含まれる領域から到来する音源信号を減衰させる第2の処理ステップと、
    前記第1の処理ステップにより得られた信号から周波数毎のパワー値を有する第1のスペクトル情報を計算し、更に、前記第2の処理ステップにより得られた信号から周波数毎のパワー値を有する第2のスペクトル情報を計算する第3の処理ステップと、
    前記第1のスペクトル情報と前記第2のスペクトル情報の周波数毎のパワー値の差分に応じて、前記第1の処理ステップで得られた信号に乗算するための周波数毎の重み付け係数を算出する第4の処理ステップと、
    前記第1の処理ステップにより得られた信号と、前記第4の処理ステップにおいて算出された前記重み付け係数との乗算結果に基づき、前記混合音から前記目的音源からの音源信号を分離する第5の処理ステップと、
    を実行させるためのプログラム。
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