JPWO2011158481A1 - 脳波計測システム、脳波計測方法及びそのプログラム - Google Patents

脳波計測システム、脳波計測方法及びそのプログラム Download PDF

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Abstract

日常生活環境下での脳波計測において、複数の電極のうちどの電極でどのような要因で不具合が発生したかを判定して不具合要因を推定し、簡易に安定した脳波計測を実現する。脳波計測システムは、脳波信号を計測する脳波計測部をユーザが装着した際に、脳波信号の周波数パワーを、基準電極と計測電極との組ごとに解析する周波数解析部と、解析された周波数パワーと第1の閾値との比較により、電極ごとの装着状態が良いか悪いかを判定する不具合電極判定部と、装着状態が悪いと判定された不具合電極数と、予め記憶されている複数の電極の位置を参照して、不具合電極がユーザに接触する位置とを決定し、不具合パターンを参照して電極の装着状態が悪い要因を推定する不具合要因推定部とを備えている。不具合パターンは、装着状態が悪い不具合電極の数及び不具合電極がユーザに接触する位置と、電極の装着状態が悪い要因とを対応付けている。

Description

本発明は、電極を配置した一つの筐体を頭部に装着してユーザの脳波を計測するシステムに関する。具体的には、本発明は、電極の装着状態を判定し、不具合電極の位置に応じて不具合要因を推定する脳波計測システムに関する。
従来、脳波(Electroencephalogram:EEG)の計測方法として、頭皮上2点間の電位(基準極と計測対象極の電位)の変化を記録する方法が知られている。脳波とは、基準極と計測対象極の電位差として計測される電気信号である。脳波は、脳活動(脳神経細胞の電気的活動)、より具体的には大脳皮質の電気的活動を反映していると言われている。電位の変化を脳波として計測する上述の方法は、脳活動を非侵襲で計測するその他の方法と比較して、時間分解能が高く、かつ、簡便に計測可能という特長を有する。従来、電位を用いた脳波計測方法は、医療機関において、てんかん又はアルツハイマー病などを診察するために利用されてきた。また、電位を用いた脳波計測方法は、研究機関において、ヒトの脳内情報処理である知覚・認知過程を調べる基礎研究のツールとして利用されてきた。
脳波を計測するためには、頭部への電極の装着が必須である。そこで、電極の装着方法を説明する。まず、ペーストを電極に塗布する。ペーストは導電性の高いクリームであり、皮膚と電極間の導電性を高める役割を果たす。ユーザとは別の専門家(第三者)が、ペーストを塗布した電極をユーザの頭皮に密着させる。従来、自由度の高いリード線を介して電極と脳波計とが接続されていたため、第三者はユーザの頭部の任意の位置に電極を貼り付け可能であった。また、複数の電極を利用した多点計測を行う場合には、伸縮性の高い電極キャップを用いる方法があった。いずれの方法においても、ユーザの頭部形状の影響を受けることなく、安定して頭部の所定位置に電極を装着できた。なお、電極装着には、一つの電極あたり数分程度の比較的長い時間を要する。しかしながら、これまでは診察や基礎研究のための準備の手順であったため、電極装着の時間が問題視されることはなかった。
近年、脳波計の小型化や、信号処理手法の高精度化に伴い、ユーザの心理状態を脳波によって推定し、機器をどのように操作したいかを表す操作意図や、複数の選択肢のどれを選択したいかを表す選択意図を推定する脳波インタフェースが開発されつつある。
たとえば、健康なユーザに対して利用される脳波インタフェースとして、非特許文献1は、ユーザの選択意図を推定する脳波インタフェースを開示している。非特許文献1の脳波インタフェースは、脳波の事象関連電位のうち「P300」と呼ばれる特徴的な信号成分を用いて、ユーザが選択したいと思っている選択肢を判別する。ここで、「事象関連電位」とは、脳波の一部であり、外的あるいは内的な事象に時間的に関連して生じる脳の一過性の電位変動をいう。また、「P300」とは、ある事象を起点とした200ミリ秒から400ミリ秒における脳波信号において、陽性(正の方向)に振幅のピークを有する事象関連電位の成分をいう。
しかしながら、上記のようにリード線や専用キャップを専門家が装着することが必須の使用形態では、日常生活環境下においてユーザ自身が電極を装着し、脳波を計測して、得られた脳波を脳波インタフェースなどに使用することは困難であった。いま、脳波計測用の筐体として、ヘッドマウントディスプレイ(Head−Mount−Display:HMD)やヘッドセットなどのウェアラブル機器に、脳波計測装置(電極およびアンプ)を組み込んで、脳波を計測する例を想定する。たとえばHMDやヘッドセットなどの筐体は、上述のリード線や電極キャップと比べて剛性が高く、装着が容易である。そこで、たとえばHMDやヘッドセットの装着と同時に、筐体に組み込んだ脳波計測用の電極を、ユーザ自らが計測予定の周辺に位置させることは難しくない。
ところで上述の従来手法では、ユーザが自らペーストを電極に塗布する作業も必要であった。さらに、装置を外した後に電極や電極設置箇所に残っているペーストを、ユーザ自身が拭き取る必要もあった。そのため、ユーザが手軽に脳波計測機器を自己装着するためには、ペーストを使わない電極(以下「ドライ電極」と記述する。)を採用することが好ましい。
しかしながら、ドライ電極を利用する場合には、装着の安定性に課題が生じる。その一例を説明する。ドライ電極に力がかかると、ペーストが存在しないために皮膚とドライ電極との接触状態が変化する。その結果、皮膚に触れたまま電極の位置が変化する「電極ズレ」や、電極が皮膚から浮いて皮膚と電極との間に空間ができ脳波が計測できない「電極外れ」が発生する。
なお、ペーストは粘度が高いため、皮膚と電極間の導電性を高める以外にも、電極ズレや電極外れを防止する役割がある。これらの役割により、電極に力がかかり位置が多少変化しても粘度の高いペーストの形が変化することで、皮膚と電極との接触状態が良好に保たれ、脳波が適正に計測できていた。
電極ズレが発生すると、皮膚と電極面とが擦れあい、計測される脳波にノイズが混入しやすくなる。また、電極外れの状態になると脳波が計測できないほどの影響が発生する。日常生活環境下ではユーザは安静状態ではなく様々な動作を行うため、電極ズレや電極外れのような電極の接触に関する不具合が発生しやすくなる。なお、接触または装着に関する不具合が生じた電極を、本願明細書では「不具合電極」と呼ぶ。不具合電極は、装着状態が悪い電極、換言すれば皮膚との装着状態が良好ではなく、脳波が適正に計測できない電極であることを意味する。
これら、電極ズレ・電極外れによる計測の不具合を減らすため、脳波計測に不都合な状況が発生したことを素早く検出する必要がある。脳波計測に不都合な状況を検出する従来の方法として、以下に示す特許文献1から特許文献4の方法が知られている。
特許文献1には、脳波電極に微弱な電流を流すことにより、計測された電圧値から皮膚と電極の間の抵抗値(接触抵抗)を算出し、皮膚と電極の接触状態を推定する方法が開示されている。これにより、電極装着状態の不具合が検出されている(特許文献1の第3頁左段2段落目参照)。
特許文献2では、電極の近傍にコイルを設け(特許文献2の図2)、コイルに電流をかける。それにより電極に発生する誘導電流が、脳波波形に重畳されるかどうかで電極と頭皮が接触しているか否かを判断する(特許文献2の段落0038)。
特許文献3では、「脳波チャンネル」と呼ばれる、1組の電極間の電位差により計測される脳波信号を、複数チャンネル分計測する。すなわち複数組の電極を設けて各組で脳波信号を計測する。そして脳波チャンネルごとにSignal(=計測したい信号)とNoise(=計測したい信号以外の信号)を算出して、S/N比と閾値とを比較し、どの脳波チャンネルに計測不具合があるかを判断する(特許文献3の段落0028)。
特許文献4では、インピーダンスチェックにより、脳波計測のための電極間の装着不具合判別を行う。これにより、電極とユーザの皮膚が接触しているかどうかを特定することができる。特許文献4でいうインピーダンスチェックとは、2つの電極に間にごく微量の電流を流すことにより、2つの電極と皮膚とが接地している箇所にどれだけの抵抗値が発生しているかを計測する方式である。電極が外れた場合やユーザの発汗等により脳波が適正に検出できなくなった場合、電極の抵抗値が高くなる。よって、インピーダンスチェックし、電極の抵抗値を計測することにより、どの組み合わせの電極が正しく接地されていないかを判別することができる(特許文献4の段落0167、0168)。
実公平7−3347号公報 特開2006−212348号公報 特開2006−6665号公報 特許第4465414号明細書
エマニュエル・ドンチン、他2名、"The Mental Prosthesis:Assessing the Speed of a P300−Based Brain−Computer Interface"、TRANSACTIONS ON REHABILITATION ENGINEERING 2000、Vol.8、2000年6月
しかしながら、上述した従来方式のいずれの技術も、日常生活環境下での脳波計測において、単一の電極に関する装着の不具合を検出することを目的としていた。そのため、不具合発生の要因(不具合要因)を特定できなかった。ユーザは不具合要因を特定するために複数の電極を探索しなければならず、ユーザにとって手間であった。上述の特許文献1から4に記載された各技術の課題を、以下詳述する。
特許文献1および特許文献2では、電極装着状態が変化する環境での不具合電極検出は考慮されておらず、不具合が発生した電極の特定は困難であった。これでは、不具合電極に関する不具合要因を特定することはなおさら不可能である。
特許文献1の方式では、脳波の計測を停止して接触抵抗を計測する必要があり、脳波計測と接触抵抗の両立は考慮されていなかった。この方式では、電極の接触状態が変化しないことを前提に、計測の最初にのみ接触抵抗を計測することが想定された。ところが、日常生活環境下では電極装着状態が時々刻々と変化する。そのため装着状態を確認すべき頻度は高くなるが、その度に脳波の計測を停止して接触抵抗を計測する必要があり、相当な不便を伴う。
特許文献2の方式では、電極が皮膚と接触しているか否かが判定される。よって、ユーザの動作に伴って発生する電極のズレや電極の押し圧の変化などの、電極の接触状態に関する不具合は考慮されていなかった。
それに対して、特許文献3では、装着状態が変化する環境下においても脳波計測に不具合が発生したことを判定することは可能である。しかしながら、どの電極で装着不具合が発生したかは特定できなかった。よって、特許文献3に関しても、不具合電極において発生した不具合要因を特定することは不可能である。
特許文献4は、装着の不具合があると判定された電極の組合せが複数存在した場合、装着の不具合が存在する電極の組み合わせに共通して含まれる電極を探索して、不具合電極を特定する。しかしながら特許文献4は、不具合が存在する電極の組み合わせに共通して含まれる電極が複数存在するときには言及していない。特許文献4のシステムは、不具合電極が1つ存在するときにその不具合電極を特定することは可能であるが、不具合電極が複数存在するときを想定していない。特許文献4のシステムの動作原理によれば、不具合電極が複数存在するときには、その各々を特定することはできない。その結果、各不具合電極において発生した不具合要因を特定することは不可能である。
上述のように、ドライ電極によって脳波を計測する場合、ペーストの処理に関連するユーザの手間が低減される一方で、ユーザの動作に伴う電極ズレや電極外れが発生する。また、HMDやヘッドセットなどの筐体に電極を組み込んで脳波を計測する場合には、電極を所定の位置に適切に装着する必要がある。筐体は剛性が比較的高いため、電極位置を柔軟に調整することができない。よって、頭部形状と筐体形状との不一致による電極外れが特に問題になる。加えて、髪の毛のある部位では、自らで髪の毛をかき分けて電極を装着するという作業は難しく、電極と頭部が接触していても電極と皮膚との間に髪の毛が挟まる「髪の毛はさみ」が発生することが想定される。この髪の毛はさみは、髪の毛がある頭部において脳波を計測することが多いことから、高頻度で生じると考えられる。
これらの不具合は、それぞれ異なる要因によって単独あるいは同時に発生し、どの要因によって脳波計測が安定しないのかをユーザ自身が特定することは不可能である。そこでユーザはそのような不具合に対して、探索的な対応を強いられることになる。その結果、たとえば、髪の毛はさみに対して、筐体の装着角度をずらす等の適切でない対応をしてしまう場合があり、ユーザにとって手間であった。特に、複数の電極において種々の不具合が同時に発生した場合には、ユーザが各不具合要因を順に解消していくことは、極めて困難である。
本願発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、日常生活環境下での脳波計測において、複数の電極のうちどの電極でどのような要因で不具合が発生したかを判定して不具合要因を推定し、簡易に安定した脳波計測を実現することにある。
本発明による脳波計測システムは、一つの筐体に配置され、かつ、基準電極、計測電極、およびアースを含む複数の電極で構成され、前記アースを基準とした前記基準電極と前記計測電極との間の脳波信号を計測する脳波計測部と、ユーザが前記脳波計測部を装着した際に、前記複数の電極の各々が前記ユーザに接触する位置を記憶する電極位置記憶部と、前記脳波計測部により計測された脳波信号の周波数パワーを、少なくとも前記基準電極と前記計測電極との組である脳波計測チャンネルごとに解析する周波数解析部と、前記周波数解析部で解析された前記周波数パワーと、あらかじめ設定されていた第1の閾値とを比較することにより、電極ごとの装着状態が良いか悪いかを判定する不具合電極判定部と、前記不具合電極判定部で装着状態が悪いと判定された不具合電極の数と、前記電極位置記憶部で記憶されている前記複数の電極の位置を参照して、前記不具合電極判定部で装着状態が悪いと判定された不具合電極がユーザに接触する位置とを決定し、記装着状態が悪い不具合電極の数及び前記不具合電極がユーザに接触する位置と、電極の装着状態が悪い要因とを対応付けた不具合パターンを参照して、決定した装着状態が悪い不具合電極の数および装着状態が悪い不具合電極の位置に対応する、電極の装着状態が悪い要因を推定する不具合要因推定部とを備えている。
前記不具合パターンは、不具合前記装着状態が悪い電極の数が第2の閾値より大きく、かつ、前記装着状態が悪い不具合電極の位置が互いに隣り合って連続している場合には、前記ユーザの頭部形状と前記脳波計測部の筐体形状との不一致が、前記装着状態が悪い不具合の要因であると対応付けていてもよい。
前記不具合電極判定部は、前記周波数パワーの解析結果から前記ノイズ混入量のパラメータを抽出し、前記ノイズ混入量のパラメータの値が予め設定された第3の閾値を超えている場合には、前記アースの装着状態が悪いと判定してもよい。
前記不具合電極判定部は、前記周波数パワーの解析結果から総周波数パワーのパラメータをさらに抽出し、前記総周波数パワーのパラメータの値が予め設定された第2の閾値を超えている場合には、前記基準極又は前記計測極の装着状態が悪いと判定してもよい。
前記脳波計測部は、前記アース、前記基準極、および前記計測極を含む複数の電極の組を複数用いて、組ごとの脳波信号を計測し、前記周波数解析部は、各脳波信号の周波数パワーを解析し、前記不具合電極判定部は、各脳波信号の周波数の解析結果からノイズ混入量の各パラメータを抽出し、前記ノイズ混入量の全てのパラメータの値が予め設定された第3の閾値を超えている場合には、前記アースの装着状態が悪いと判定し、各脳波信号の周波数パワーの解析結果から総周波数パワーの各パラメータを抽出し、前記総周波数パワーの全てのパラメータの値が第2の閾値を超えている場合には、前記基準極の装着状態が悪いと判定し、前記総周波数パワーの一部のパラメータの値が前記第4の閾値を超えている場合には、前記計測極の装着状態が悪いと判定してもよい。
前記脳波計測部は、前記アースと基準極との電位差である第1の電位差、および、前記アースと前記計測極との電位差である第2の電位差を計測し、前記第2の電位差と前記第1の電位差との差分に基づいて、前記脳波信号を計測してもよい。
前記脳波信号には、外部環境から予め特定された周波数で定常的に混入するノイズが重畳されており、前記不具合電極判定部は、前記解析結果から、前記ノイズの周波数パワーを、前記ノイズ混入量のパラメータとして抽出してもよい。
前記予め特定された周波数は、外部環境にある機器の商用電源ノイズの周波数であってもよい。
前記脳波計測システムは、前記不具合電極推定部で推定された結果を出力する出力部をさらに備え、前記不具合電極判定部において、装着状態が悪い不具合電極が検出されなかった場合には、前記出力部は装着状態が良いことを示す表示を出力してもよい。
前記脳波計測システムは、前記不具合電極推定部で推定された結果を出力する出力部を備え、前記不具合電極判定部において、装着状態が悪い不具合電極が検出された場合には、前記出力部は装着状態が悪い不具合電極の位置を示す表示を出力してもよい。
前記不具合電極判定部で判定された装着状態が悪い不具合電極の数が第2の閾値より大きい場合、前記装着状態が悪いと判定された不具合電極の電極位置、および前記不具合パターンにおける装着状態が悪い不具合電極の位置の相関係数が所定の閾値を超えた場合に、前記ユーザの頭部形状と前記脳波計測部の筐体形状の不一致が、前記電極の装着状態が悪い要因であると推定してもよい。
前記脳波計測システムは、装着状態が悪いと判定された不具合電極を用いて計測された信号に基づいて、前記不具合電極の装着状態が解消したか否かを判定する電極復帰判定部をさらに備え、前記装着状態が悪いと判定された不具合電極が前記アースであるとき、前記電極復帰判定部は、前記不具合電極を用いて計測された前記信号の周波数の解析結果から前記ノイズ混入量のパラメータを抽出し、前記ノイズ混入量のパラメータの値が予め設定された第3の閾値を超えているか否かにより、前記装着状態が悪いと判定された不具合電極の装着状態が解消したか否かを判定してもよい。
前記脳波計測システムは、前記不具合要因推定部において、頭部形状と筐体形状の不一致が不具合要因であると推定された場合に、形状不一致と現在の筐体形状の情報に基づいて、最適な筐体を推薦する最適筐体推薦部をさらに備えていてもよい。
本発明によるある脳波計測システムは、一つの筐体に配置され、かつ、基準電極及び計測電極を含む複数の電極で構成され、前記基準電極と前記計測電極との間の脳波信号を計測する脳波計測部と、前記脳波計測部により計測された脳波信号の周波数パワーを、少なくとも前記基準電極と前記計測電極との組である脳波計測チャンネルごとに解析する周波数解析部と、前記周波数解析部で解析された周波数パワーと、あらかじめ設定されていた第1の閾値とを比較することにより、電極ごとの装着状態の良否を判定する不具合電極判定部と、前記不具合電極判定部で装着状態が悪いと判定された不具合電極の数が第2の閾値以下である場合には、前記ユーザの頭部と前記装着状態が悪いと判定された不具合電極との間に、前記ユーザの髪の毛がはさまっていることが、前記電極の装着状態が悪い要因であると推定する不具合電極要因推定部とを備えている。
本発明による他の脳波計測システムは、一つの筐体に配置され、かつ、基準電極、計測電極、およびアースを含む複数の電極で構成され、かつ、前記アースを基準とした前記基準電極と前記計測電極との間の脳波信号を計測する脳波計測部により計測された脳波信号を、少なくとも前記基準電極と前記計測電極との組である脳波計測チャンネルごとに周波数パワーを解析する周波数解析部と、前記周波数解析部で解析された前記周波数パワーと、あらかじめ設定されていた第1の閾値とを比較することにより、電極ごとの装着状態が良いか悪いかを判定する不具合電極判定部と、前記不具合電極判定部で装着状態が悪いと判定された不具合電極の数と、前記不具合電極がユーザに接触する位置とを決定し、前記不具合電極の数及び前記不具合電極がユーザに接触する位置と装着状態が不具合となる要因とを対応付けた不具合パターンを参照して、特定した前記不具合電極の数および数に対応する不具合電極の要因を推定する不具合要因推定部とを備えた脳波計測システムであって、前記不具合電極がユーザに接触する位置は、ユーザが前記脳波計測部を装着した際において、前記複数の電極の各々が前記ユーザに接触する位置を記憶する電極位置記憶部で記憶されている前記複数の電極の位置を参照して前記不具合要因推定部が求めた、前記不具合電極判定部で装着状態が否と判定された電極の位置である。
本発明による脳波計測方法は、一つの筐体に配置され、かつ、基準電極、計測電極、およびアースを含む複数の電極で構成され、前記アースを基準とした前記基準電極と前記計測電極との間の脳波信号を計測する脳波計測ステップと、前記脳波計測ステップで計測された脳波信号の周波数パワーを、少なくとも前記基準電極と前記計測電極との組である脳波計測チャンネルごとに解析する周波数解析ステップと、前記周波数解析ステップで解析された周波数パワーと、あらかじめ設定されていた第1の閾値とを比較することにより、電極ごとの装着状態が良いか悪いかを判定する不具合電極判定ステップと、前記不具合電極判定ステップで装着状態が悪いと判定された不具合電極の数と、前記脳波計測ステップにおいてユーザが前記筐体を装着した際に前記ユーザに接触する前記複数の電極の位置の情報を参照して、前記不具合電極判定ステップで装着状態が悪いと判定された不具合電極がユーザに接触する位置とを決定する決定ステップと、前記装着状態が悪い不具合電極の数及び前記不具合電極がユーザに接触する位置と、装着状態が悪い要因とを対応付けた不具合パターンを参照して、前記決定した装着状態が悪い不具合電極の数および装着状態が悪い不具合電極の位置に対応する、電極の装着状態が悪い要因を推定する不具合要因推定ステップとを包含する。
本発明によるコンピュータプログラムは、コンピュータによって実行されるコンピュータプログラムであって、前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータに対し、一つの筐体に配置され、かつ、基準電極、計測電極、およびアースを含む複数の電極で構成され、前記アースを基準とした前記基準電極と前記計測電極との間の脳波信号を計測する脳波計測ステップと、前記脳波計測ステップで計測された脳波信号の周波数パワーを、少なくとも前記基準電極と前記計測電極との組である脳波計測チャンネルごとに解析する周波数解析ステップと、前記周波数解析ステップで解析された周波数パワーと、あらかじめ設定されていた第1の閾値とを比較することにより、電極ごとの装着状態が良いか悪いかを判定する不具合電極判定ステップと、前記不具合電極判定ステップで装着状態が悪いと判定された不具合電極の数と、前記脳波計測ステップにおいてユーザが前記筐体を装着した際に前記ユーザに接触する前記複数の電極の位置の情報を参照して求めた、前記不具合電極判定ステップで装着状態が悪いと判定された不具合電極がユーザに接触する位置とを決定する決定ステップと、前記装着状態が悪い不具合電極の数及び前記不具合電極がユーザに接触する位置と装着状態が悪い要因とを対応付けた不具合パターンを参照して、前記決定した装着状態が悪い不具合電極の数および装着状態が悪い不具合電極の位置に対応する、電極の装着状態が悪い要因を推定する不具合要因推定ステップとを実行させる。
本発明によれば、一つの筐体に組み込まれた電極をユーザの頭部に装着する脳波計測システムにおいて、計測された電位波形の総周波数パワーおよびノイズ混入量の少なくとも一方のパラメータを抽出し、パラメータの値と予め設定された閾値との比較により、不具合電極を検出する。そして、不具合電極の数および空間的パターンから不具合要因を推定し、ユーザに対して出力する。これによって、電極装着の不具合に対する探索的な対応が低減され、簡易に安定した脳波計測が実現できるようになる。
複数種類の電極41〜43を有する電極脳波計39の構成を示す図 (a)〜(f)は、脳波計測用のドライ電極を組み込んだ眼鏡型のヘッドマウントディスプレイ(HMD)50とその装着状態の例を示す図 (a)および(b)は、HMDのヘアバンド25の形状の範囲内に設けられた電極の配置を示す図 脳波解析の結果を示す図 (a)平常時、(b)アースはずし、(c)計測極はずしの3状態における交流ノイズ混入量の全被験者の平均値と、被験者全員のばらつきの幅を示す図 (a)、(b)、(c)の3状態における総周波数パワーの全被験者の平均値および被験者全員のばらつきの幅を示す図 (a)〜(d)はヘッドセット型筐体の装着例と、不具合電極の空間的パターンの例を示す図 不具合電極判定結果ごとの不具合要因推定方法、出力を示す図 実施形態1による簡易脳波計測システム20の機能ブロックの構成を示す図 簡易脳波計測システム20をヘッドセットとして具体化したときの装置の形状の一例を示す図 簡易脳波計測システム20のハードウェア構成の例を示す図 簡易脳波計測システム20の処理全体のフローチャート 周波数解析部13が処理する脳波波形の例を示す図 図13のステップS1103において行われる不具合電極判定部14の処理の詳細な処理手順を示すフローチャート アース21が正常に装着されている場合(平常時)の周波数解析結果と、アースをはずした場合(アース不具合時)の周波数解析結果とをグラフ化した例を示す図 不具合電極計測部14において検出された不具合電極の例を示す図 不具合要因推定部15の処理のフローチャート 不具合要因推定部15に保持している不具合パターンの例を示す図 (a)〜(c)は不具合要因推定結果の一例を示す図 (a)〜(d)は実験の結果を示す図 実施形態2による簡易脳波計測システム30を示す図 電極復帰判定部21の処理を追加した簡易脳波計測システム30の処理の手順を示すフローチャート 電極復帰判定部21が行う電極復帰判定処理(図20のステップS2000)を説明するフローチャート 実施形態3による簡易脳波計測システム40の機能ブロックの構成を示す図 実施形態3における不具合要因推定部31および最適筐体推定部32の処理を示すフローチャート 最適筐体推薦部32に保持している複数の筐体の形状に関する情報の例を示す図 最適筐体推定結果の出力の一例を示す図
本願発明者らは、電極が組み込まれた筐体を頭部に装着して脳波を計測するシステムにおいて、不具合電極の空間的位置のパターンから不具合要因を推定し、その要因ごとに適切な対応を推薦する、簡易電極装着のための方法を発明した。これは、本願発明者らが見出した、不具合電極において計測される特徴信号に基づく不具合電極判定によって初めて実現される。
まず、不具合電極判定に関する本発明の原理を詳述し、その後で不具合電極判定の結果を用いた不具合要因推定方法について説明する。そして、本発明の各実施形態を示す。
(不具合電極判定方法)
本願発明者らは、脳波計の複数種類の電極(「計測極」、「基準極」および「アース」)の各々に個別に不具合が発生した場合に、それぞれ脳波波形にどのような影響を及ぼすかを調べる実験を実施した。その結果、ノイズの混入状況や不具合の種類によって、脳波波形のみから不具合が発生した電極の種類を特定できる特徴を見出した。
ここで、「計測極」とは、計測したい脳活動が発生している部位に装着された電極である。また、計測極は、計測電極、あるいは関電極とも呼ばれる。
「基準極」とは、脳活動による電位の変化が少ない部位に装着された電極である。基準極は、たとえば、耳周辺部(耳朶やマストイド)などに装着される。また、基準極は、基準電極、あるいは不関電極とも呼ばれる。
「アース」とは、差動増幅によって同相のノイズを除去するために装着した電極である。アースは、脳活動による電位変動の影響を受けにくい場所に設定する。たとえば、HMDの場合にはノーズパッドの位置、ヘッドセットの場合には耳周辺としてもよい。ノイズの除去の方法については、後述する。
以下、上述の電極(「計測極」、「基準極」および「アース」)を有する脳波計の構成例を示す。その後、本願発明者らが行った実験内容及び実験結果から得られた新しい知見について説明する。
図1は、複数種類の電極41〜43を有する電極脳波計39の構成を示す。この図を参照しながら、電極の種類と、1組の電極間の電位差により計測される脳波信号(脳波チャンネル)との関係を説明する。
脳波は、被験者の頭部に装着された2つの電極間の電位差として計測される。この電位差は、神経活動によって被験者の脳内で発生した電位変化に対応している。所定の期間に亘って計測された電位差を表示したものが、脳波の波形である。
脳波計39は、N個の計測極41、各1個のアース42および基準極43を有している。また脳波計39は、N個の計測極41に対応してN個の差動増幅器40を有している。
一般に、計測極41は、計測したい脳活動が発生している部位に設置される。また基準極43は脳活動の影響が少ない耳周辺部(耳朶やマストイド)などに設置される。各差動増幅器40は、基準極43で取得した電位を基準としてその差動増幅器40に対応する計測極41で取得した電位との電位差を差動増幅して出力する。この出力がその計測対象部位の脳波信号である。差動増幅器40を設けることにより、体内で発生した非常に微弱な電位を増幅することができる。また、差動増幅器40を設けることにより、脳波の増幅に際しては商用機器から発生する交流ノイズなどの外部から同相で混入する成分の除去することができる。
2つの電極(計測極41、基準極43)間の電位差を増幅して計測する場合、差動増幅器40には、2つの電極の他に、別途アース42の入力を用いる。差動増幅器40は、アース42と計測極41との電位差(アースを基準として計測された計測極41の電圧)、および、アース42と基準極43との電位差(アースを基準として計測された基準極43の電圧)を増幅する。そして、さらに計測極41の電圧と基準極43の電圧との差分をとる。これにより、計測極41と基準極43に同じように含まれるノイズ成分を除去できる。上記のように、増幅された計測極41の電圧と基準極43の電圧との電位差が1つの脳波信号(または脳波データ)として計測される。
2つの電極(計測極41、基準極43)間の電位差を増幅して計測する方法は、単なる一例であり、他の方法を用いても良い。たとえば、アース42と計測極41との電位差(アースを基準として計測された計測極41の電圧)と、アース42と基準極43との電位差(アースを基準として計測された基準極43の電圧)との差分を取る。そして、その差分を増幅し、1つの脳波信号として計測してもよい。
上述の方法によって得られた1つの脳波信号(または脳波データ)のことを「脳波チャンネル」と呼ぶ。
ノイズを除去する作動増幅を行う場合には、1つの差動増幅器40に対し、脳波チャンネルは1つ出力される。図1に示す例では、脳波チャンネルのチャンネル数はNである。
上記のように、計測極41、アース42、基準極43の3つの電極から1つの脳波を計測するため、3つの電極のいずれか1つにでも不具合が発生した場合には、脳波チャンネルの波形が正常に計測できない状態となる。
日常生活環境下では、「計測極」、「アース」、「基準極」のどの極にも装着不具合が発生する可能性がある。以下、装着不具合が発生し得る態様を説明する。
たとえば図2(a)〜(f)は、脳波計測用のドライ電極を組み込んだ眼鏡型のヘッドマウントディスプレイ(HMD)50とその装着状態の例を示す。図2の例では、目の上にあたる位置2箇所には計測極41が配置され、鼻にはアース42が配置され、耳の後に基準極43が配置されている。
正常にHMD50を装着した(a)の正常状態では、適切に電極が皮膚に接触している。日常生活においてユーザが動くと、たとえば前かがみの状態になったときには、HMD50が前にずれ、(b)の状態になる。その際、目の上の計測極41や鼻のアース42がユーザの皮膚から離れる。これにより、電極の装着状態が悪くなり、装着不具合が起こる。
また、長時間HMD50を装着していた場合には、HMDの重さにより、HMD50が下方にずれ、(c)の状態になる。その際、目の上の計測極41が装着不具合を生じる。
また、操作や調整のためにHMD50に触った際や、激しい動作を行った後、などは、HMD50の片側が上がり、(d)の状態になると考えられる。その結果、目の上の計測極41や耳の基準極41がユーザの皮膚と離れ、装着不具合が起こる。さらに、何かにぶつかった際など、HMD50が横にずれると、(e)の状態になる。この状態では、片側目の上の計測極41や鼻のアース42、耳の基準極43のいずれかが外れると想定される。このように、動作やHMD50の位置ズレにより、計測極41に限らず、アース、基準極も同じように装着不具合が起こる可能性がある。
また、ユーザの髪の毛が基準極と皮膚の間にはさまった(f)の状態では、基準極43において装着不具合が起こる。
そこで、本願発明者らは下記の実験を行った。
本願発明者らは、脳波計を上述のヘッドマウントディスプレイ(HMD)に組み込む態様を想定して、脳波計の電極をHMDの形状の範囲内に配置した。本明細書において、HMD等のウェアラブル装置の「形状の範囲」とは、その装置に通常必要とされる形状が占める範囲をいうとする。たとえば図3(a)および(b)は、HMDのヘアバンド25の形状の範囲内に設けられた電極の配置を示している。電極は、破線で示すヘアバンド25で覆われた、被験者の頭部の範囲内に設けられている。HMDの形状の範囲には、ヘアバンド25で覆われる範囲が含まれる。
測定電極位置の具体例は以下の通りである。まず基準極22は右耳後に配置され、計測極1(図3の計測極23b)は左目上に、計測極2(図3の計測極23a)は右目上に配置される。そして、アース21は、図示された位置(この位置は国際10−20法の場所表記によればFPzの位置に相当する)に配置される。
基準極22を脳波の発生源である脳からの距離が遠い耳の後方、計測極23を脳に近い両眼上2箇所に配置する。これにより、2つの脳波チャンネルの計測が可能になる。具体的にはアース21、基準極22および計測極1の組み合わせでチャンネル1(Ch1)が得られ、アース21、基準極22および計測極2の組み合わせでチャンネル2(Ch2)が得られる。上述の通り、「チャンネル」とは、1つの差動増幅器(1つの計測極、基準極、アースの組み合わせ)で計測される脳波信号(または脳波データ)である。
実験で用いた電極は、計測極、基準極およびアースのいずれもペーストを用いることなく装着するドライ電極である。計測極、および基準極として、銀塩化銀のアクティブ電極(脳波計内部だけではなく電極内部でも増幅を行う電極)を使用した。また、アースには銀塩化銀の皿電極を使用した。ヘアバンド25を用いて、計測極、基準極およびアースの位置を固定した。脳波計測はポリメイトAP−1124(デジテックス製)を使用した。サンプリング周波数は200Hz、時定数は0.3秒に設定した。これらの条件の下、本願発明者らは30代の被験者1名に対して計測実験を行った。
本願発明者らは、電極に不具合が発生した場合には、ノイズ混入量が変動することを想定した。そこで、電極が正常に装着されている状態と、電極装着に不具合が発生した状態とでの各周波数におけるパワーの変化を観察することとした。その中でも、最も大きい外部ノイズ源と考えられる商用電源からの60Hzのパワーと、ノイズ混入量の全体量を反映すると考えられる計測した脳波の周波数帯全体のパワーに着目した。
脳波計測において観測される脳波信号の振幅電圧はμV単位であり、微弱である。一方、商用電源からの60Hzのノイズに代表されるノイズ成分の振幅電圧はmV単位であり、脳波信号の振幅電圧よりも大きい。また、脳起因の信号が30Hz以下の周波数帯であるため、商用電源からの60Hzのノイズと脳起因の信号とを容易に区別することが可能である。なお、たとえば筋電計測の場合は、一般的に筋電の平均電位は数μV〜数mV程度、周波数成分は数Hz〜数100Hzであると言われているため、筋電起因の電位と商用電源からの60Hzのノイズとの区別は難しい。
そこで、本願発明者らは、ノイズ混入量および総周波数パワーの2種類のパラメータを解析した。
実験では、ノイズ混入量の一例として、交流ノイズ混入量を求めた。「交流ノイズ混入量」は、外部機器の商用電源ノイズ量である。例えば、60Hzにおける周波数パワーを意味する。
総周波数パワーとして、解析可能な周波数帯のパワーの平均値を求めた。より具体的には、総周波数パワーは、計測された脳波から1秒間のデータを抽出し、高速フーリエ変換(FFT)を実施することで各周波数のパワーの値を求め、0〜100Hzまでのパワーの平均値により算出した。
「0〜100Hz」とした理由は、本実験ではサンプリング周波数200Hzで脳波の計測を行ったところ、サンプリング定理によれば、利用可能な周波数帯は100Hzまでであるといえるためである。
本実施形態では、総周波数パワーを、利用可能な幅広い周波数帯に混入するノイズのパワーの変化を見る指標として利用する。または、総周波数パワーを、脳活動に起因しない周波数帯(30Hz以上の領域)に幅広くノイズが混入しているかを調べる指標としても利用する。そこで、30Hz以上の領域で、利用可能な周波数帯の半分以上の領域のパワーの平均を算出すれば、利用可能な周波数帯全体0〜100Hzまでのパワーの平均値と同様の傾向が見られると考えられる。たとえば、30〜100Hzや、0〜60Hzの範囲である。
図4は、脳波解析の結果を示す。図4では、5つの異なる状態における、チャンネル1および2(Ch1、Ch2)への交流ノイズ混入量、総周波数パワーがそれぞれ示されている。5つの異なる状態とは、「すべての電極が適切に装着されている場合(平常)」、「計測極1だけをずらした場合(計測極1ずらし)」、「計測極2だけをずらした場合(計測極2ずらし)」、「基準極をずらした場合(基準極ずらし)」および「アースをはずした場合(アースはずし)」である。ここで「ずらし」とは、電極が皮膚に装着した状態のままで電極を左右に動かし続けた状態とする。
図4の最右欄に示す枠501内の値によれば、交流ノイズ混入量は、アースの不具合発生時(アース外れ)にのみ増大し、平常時やその他の電極の不具合時では大きな増加は見られないことがわかる。一方、図4の2箇所の枠502の値のように、総周波数パワーは、計測極の不具合発生時(計測極1または計測極2ずらし)に対して、不具合発生の計測極に対応するチャンネルのみが増大する。また、図4の枠503の値のように、基準極の不具合発生時(基準極ずらし)に対しては、チャンネル1、チャンネル2ともに増大していることがわかる。
これらの実験結果より、アースの不具合発生時には、交流ノイズ混入量が増大し、計測極不具合発生時には、計測極の対応チャンネルの総周波数パワーが増大し、さらに、基準極不具合発生時には全チャンネルの周波数パワーが増大するという知見が得られた。
さらに本願発明者らは、上記の知見が他の被験者でも同様に発生する現象であるのかを確かめるため、20代の被験者14名に対して、脳波計測実験を行った。実験は、上記と同じ脳波計、電極、電極位置において、(a)全ての電極が正しく装着されている状態、(b)アースに不具合が発生した状態(アースをはずした場合)、(c)計測極に不具合が発生した状態(計測極1をはずした場合)の3つの状態における、交流ノイズ混入量、総周波数パワーを計測した。
図5は、(a)平常時、(b)アースはずし、(c)計測極はずしの3状態における交流ノイズ混入量の全被験者の平均値と、被験者全員のばらつきの幅を示す。図5では、図4の枠501に示されるアース外しの結果と同様、他の状態と比較して(b)アース外し時のときに、交流ノイズ混入量が増大する傾向が、全ての被験者に発生していることがわかった。
また、図6は、(a)平常状態、(b)アース外し状態、(c)の計測極外し状態の3状態における総周波数パワーの全被験者の平均値および被験者全員のばらつきの幅を示す。図6に示されるように、図4の枠502の結果と同様に、(c)計測極外し状態のときに、他の状態と比較して総周波数パワーが増大する傾向が、全ての被験者に発生していることがわかった。
今回は、基準極不具合についての実験はしていない。しかしながら、計測極と基準極の電位差を電位波形として記録すること、および計測極不具合発生時に総周波数パワーの増大が見られたこと(図4の枠503と図6)に鑑みれば、基準極に不具合が発生した場合には、計測極での不具合と同様全てのチャンネルの総周波数パワーは増大すると推測される。
また、髪の毛はさみの場合、髪の毛が絶縁体であることに鑑みると、頭部(髪の毛)と電極とが接触していても、電気的には導通していない状態であるといえる。よって髪の毛はさみの場合にも、電極外れと同様に脳波が計測できないほどの影響があり、総周波数パワーが増大すると推測される。
上記の結果から、アースの不具合発生時には、交流ノイズ混入量が増大し、計測極不具合発生時には、計測極の対応チャンネルの総周波数パワーが増大し、さらに、基準極不具合発生時には、全チャンネルの周波数パワーが増大するという知見は、被験者に依存するものではなく、特異な傾向ではないということがわかった。
本願発明者らは上記の知見を得て、さらにその知見に基づいて、交流ノイズ混入量の増大によりアースの不具合が判定可能になり、また特定チャンネルにおける総周波数パワーの増大により計測極の不具合が判定可能になり、さらに全チャンネルにおける総周波数パワーの増大で基準極の不具合が判定可能になることを着想した。
(不具合要因推定方法)
次に、本願発明者らが完成させた、不具合電極の空間的パターンを用いた不具合要因の推定方法を説明し、不具合要因ごとに対応を切り替えることが適切であることを説明する。
まず前提として、電極を組み込んだ筐体によって脳波を計測する場合には、筐体形状により電極装着の自由度が制約される。そのため、頭部形状に対して筐体形状が適切でない場合には、電極が皮膚から浮いてしまって皮膚に接触しない「電極外れ」が発生する。そこで、安定的に脳波を計測するためには、ユーザの頭部形状に合った適切な筐体を用いる必要がある。
一般的に、ヒトの頭部は、たとえば男女差や年齢によってサイズや形状が異なる。子供の頭部に比べて成人の頭部は大きい場合が多く、女性の頭部に比べて男性の頭部が大きい場合が多い。従来の電極キャップも、Small・Middle・Largeの3種類のサイズが用意されている。しかしながら、年齢や性別が同じであっても、ユーザの頭部は形状が異なっている。たとえば、頭部形状に関し、東洋人よりも西洋人の方が楕円形である場合が多いことはよく知られている。そのような相違点以外にも、個人ごとに頭部形状が左右非対称であるという形状のいびつさに関する相違点や、頭部形状のはり/へこみ具合などに関する相違点が知られている。従来のように電極キャップを用いる場合には、形状に対する個人差はキャップの伸縮性によってカバーできた。しかしながら、電極位置の自由度が低い筐体を用いて脳波計測を行う場合には、S/M/Lの3種類のみで全てのユーザに対応することはできない。少なくとも形状の異なる10種類以上の筐体を用意する必要があると考えられる。
頭部形状と筐体形状の不一致を低減する他の手法として、たとえば筐体内にバネ等を用いた頭部形状差を吸収するための機構を設ける方法、あるいは頭部形状をあらかじめ計測しユーザごとに最適な形状の筐体を用意する方法が考えられる。しかし、前者の場合には特別な機構が必要であるため、筐体の重量が増し、耐久性が低下する。加えて、バネ等の機構で対応できる範囲は限られているため、全てのユーザの頭部形状に対応することは困難である。後者の場合には、頭部形状を計測するための特別な装置が必要であった。
本願発明者らは、筐体を用いた脳波計測における電極配置の空間的自由度の低さを利用して、不具合要因の特定ができるとの考えに想到した。具体的には、上述の方法で判定した不具合電極の空間的パターンから、筐体形状と頭部形状の不一致による電極外れによる不具合か、髪の毛はさみによる不具合かの切り分けを実現する。
たとえば、図7(a)は、脳波計測用のドライ電極を組み込んだヘッドセット型の筐体70とその装着状態の例を示す。図7(b)は、計測極411〜417の位置を示している。計測極411から計測極417が、右耳上(計測極411;国際10−20法ではT6)から、中心部(計測極414;国際10−20法ではCz)を通り、左耳上(計測極417;国際10−20法ではT7)にかけて装着される様子を模式的に示している。ユーザが筐体70を装着したとき、アース42は右耳上の位置に、基準極43は左耳上の位置に接触するよう配置されている。
図7(b)は、さらに、不具合電極判定の結果、計測極413から計測極415において不具合(電極外れ)と判定された例を示している。より具体的には、計測極413から計測極415が点灯しており、これらに不具合が発生していることを示している。
図7(c)は、不具合電極判定の結果、計測極411と計測極412および計測極416と計測極417不具合(電極外れ)と判定された例を示している。図7(b)のように、空間的に位置の近い複数部位において不具合と判定された場合と、図7(c)のように、空間的に所定のパターンで不具合と判定された場合には、ユーザの頭部形状とヘッドセット型筐体70の筐体形状が一致しないことが不具合要因であると推定できる。具体的には、たとえば図7(b)では、筐体形状に比べて、中心部周辺においてユーザの頭部がへこんでいる影響で、計測極414周辺において電極が浮いている電極外れが発生していると考えられる。また、たとえば図7(c)では、筐体形状に比べて、ユーザの頭部の幅が小さい影響で、側頭の計測極が浮いており、電極外れが発生していると推察できる。
図7(d)は、不具合電極判定の結果、計測極413のみで不具合と判定された例を示している。このように、単独で不具合が検出された場合には、筐体形状は頭部形状と一致しているが、髪の毛はさみにより、その電極でのみ不具合が発生したと推定できる。なお、筐体へ組み込んだ電極間の距離に応じて、電極間距離が近い場合には複数電極で不具合が発生した場合にも髪の毛はさみと推定してもよい。
安定的に脳波を計測するための対応は、不具合要因ごとに異なる。前者(頭部形状と筐体形状の不一致;図7(b)と図7(c))の場合には、筐体形状を変更する必要がある。しかし後者(髪の毛はさみ;図7(d))の場合には、筐体形状を変更する必要はなく、計測極413において髪の毛をよける必要がある。
たとえば、前者の場合に、髪の毛はさみの対応をしたり、探索的に形状の異なる筐体を装着しても、電極装着の状態は悪化する、もしくは変わらない。また後者のように、頭部形状と筐体形状が一致していたにも関わらず、筐体形状を変更すると電極装着の状態は悪化すると考えられる。そのような探索的な対応はユーザにとって負担であるため、不具合要因ごとに適切な対応を行う必要がある。
同様に、たとえばHMDの場合にも、ユーザの頭部サイズと、HMDのフロント幅やテンプル長が異なる形状不一致の場合には、形状不一致の種類に応じた特定パターンの電極外れが発生する。たとえば、ユーザの頭部の幅よりもHMDのフロント幅が短い場合には、マストイド周辺の電極が浮いて電極外れの状態になる。逆に、HMDのフロント幅が長い場合には、目尻周辺の電極が浮くと考えられる。よって、HMDの場合においても不具合電極の空間的パターンに応じて適切なHMDの推薦が可能である。
図8は、本願発明者らによってまとめられた、不具合電極判定結果ごとの不具合要因および必要な対応(出力)の関係を示す。図8中の(a)から(d)は、図7中の(a)から(d)に対応させて示している。図8(a)のように、不具合電極なしの場合には、不具合要因の推定は実施しないが、ユーザに電極装着が適切であることを通知してもよい。こうすることで、ユーザは安心して脳波計測を開始できる。本実施形態では電極装着が適切であるときも通知が出力されるとして説明するが、通知することは必須ではない。不具合電極が存在するときのみ通知するという対応であってもよい。
図8(b)のように、複数電極において不具合が発生した場合には、頭部形状と筐体形状の不一致が不具合要因であり、形状の不一致は、不具合電極周辺で発生していると推定する。
そして、ヘッドセット交換が必要であることを指示する。また、不具合電極周辺がよりタイトな筐体を推薦する。図8(c)のように、特定の空間的パターンで不具合電極が発生した場合には、頭部形状と筐体形状の不一致が不具合要因であると推定する。そして、ヘッドセット交換が必要であることを指示し、不具合電極の空間的パターンに応じて適切なヘッドセットを推薦する。図8(d)のように、髪の毛のある部位において単独で不具合電極が発生した場合には、髪の毛はさみが不具合要因であると推定する。そして、不具合電極の箇所を示し、髪の毛をよけるように指示を出力する。なお、髪の毛のある部位かどうかの判断は、筐体の形状と接触が予定される部位に基づいて、あらかじめ決定しておいてもよい。
このように、不具合電極判定結果の不具合電極の数・空間的なパターンに基づいて不具合要因を推定し、推定した不具合要因ごとに対応(出力)を切り替えることで、ユーザにとって手間であった探索的な不具合対応が減少し、電極を組み込んだ筐体を装着することを簡単に実現できる。
以下、これらの着想に基づいてなされた本発明による電極装着状態判定システムの実施形態を、図面を参照しながら説明する。
本願発明の好ましい実施形態として、本願発明者らは、電極を組み込んだ筐体を装着して、ユーザの脳波を計測し、電極装着状態をフィードバックする脳波計測システム(以下、「簡易脳波計測システム」と記述する。)を例示する。簡易脳波計測システムでは、ドライ電極がHMDやヘッドセットなどの筐体に組み込まれているとする。そして、簡易脳波計測システムは、電極装着状態を判定し、不具合電極の数および空間的パターンから不具合要因を推定し、電極装着状態としてユーザにフィードバックする。また、電極装着状態に加えて、不具合要因ごとに適切な対応を指示する。なお、簡易脳波計測システムは、たとえば計測した脳波の特徴信号からユーザ状態や意図を判定し、判定結果をフィードバックする脳波インタフェースシステムにおいて利用することが可能である。
(実施形態1)
図9は、本実施形態による簡易脳波計測システム20の機能ブロックの構成を示す。図10は、簡易脳波計測システム20をヘッドセットとして具体化したときの装置の形状の一例を示す。図11は、簡易脳波計測システム20のハードウェア構成の例を示す。各図に示される構成要素のうち、共通する構成要素に対しては同じ参照符号を付している。
本願明細書では、図10に示すヘッドセット形状に基づいて簡易脳波計測システム20を説明する。
図9に示されるように、簡易脳波計測システム20は、脳波計測処理部18および電極状態判定処理部19を有している。なお、図9では、ユーザ10は理解の便宜のために記載されている。
脳波計測処理部18は、脳波計測部11および出力部12を有している。また電極状態判定処理部19は、周波数解析部13と、不具合電極判定部14と、不具合要因推定部15と、電極位置記憶部16とを有している。以下、各構成要素を説明する。
脳波計測処理部18の脳波計測部11は、図10に示されるアース21、基準極22、7つの計測極23a〜23g、および脳波計測回路24を有している。アース21は右耳上に接触する位置に設置され、基準極22は左耳上に接触する位置に設置され、7つの計測極23a〜23gはそれぞれヘッドセットの内側に設置され、脳波計測回路24はヘッドセット内でアース21の周辺に設置される。ヘッドセット装着時には、各電極がユーザ10の皮膚に接するように配置されている。
出力部12は、ディスプレイ等であり簡易脳波計測システム20とは別に設けてワイヤレスで接続してもよい。またヘッドセットにディスプレイを持たせてもよい。フィードバックは、ディスプレイへの画像出力などの動作として実現される。なお、出力部12は音声等による呈示でもよい。
電極状態判定処理部19の周波数解析部13は、ヘッドセットの内部に設置され、脳波計測部11で計測された脳波の周波数を解析する。
不具合電極判定部14は、周波数解析値から不具合が発生した電極を判定する。
不具合要因推定部15は、不具合電極判定部14で判定された不具合電極の数および空間的パターンに基づいて不具合要因を推定し、出力部12により電極装着状態をユーザ10に通知する。不具合電極の位置に関する情報は、電極位置記憶部16が保持する不具合パターンを参照することで得る。より詳しくは、「不具合パターン」とは、不具合電極の数及び不具合電極がユーザに接触する位置と装着状態が不具合となる要因とを対応付けた不具合パターンである。
電極位置記憶部16は、アース、計測極および基準極の電極位置の情報を保持している。
電極位置の情報は、たとえば、直交座標系(x、y、z)で保持してもよいし、極座標系(r、θ、φ)で保持してもよい。
尚、図10の各機能ブロック、電極の位置は一例であり、各機能ブロックの位置、各電極の位置、個数はこれに限られるものではない。
次に、図11を参照しながら簡易脳波計測システム20のハードウェア構成を説明する。
アース21、基準極22、複数の計測極23および脳波計測回路24が本実施形態による脳波計測部11を構成する。アース21、基準極22、複数の計測極23は脳波計測回路24に接続されており、脳波計測回路24がバス100と接続されることで、他の構成要素との脳波信号の授受が行われる。
続いて、CPU131、RAM132、ROM133は本実施形態による周波数解析部13を構成する。CPU131はROM133に格納されているコンピュータプログラム134をRAM132に読み出し、RAM132上に展開して実行する。本実施形態による周波数解析部13は、このコンピュータプログラム134によって脳波波形の周波数解析処理を実現する。CPU131、RAM132、ROM133はバス100と接続されており、不具合電極判定部14に解析結果を示すデータを送信する。
CPU141、RAM142、ROM143は、本実施形態による不具合電極判定部14を構成する。CPU141はROM143に格納されているコンピュータプログラム144をRAM142に読み出し、RAM142上に展開して実行する。本実施形態による不具合電極判定部14は、このコンピュータプログラム144によって後述の不具合電極判定処理を実現する。CPU141、RAM142、ROM143は、バス100と接続されおり、出力部12との間で制御信号やデータの授受を行う。
CPU151、RAM152、ROM153は、本実施形態による不具合要因推定部15を構成する。CPU151はROM153に格納されているコンピュータプログラム154をRAM152に読み出し、RAM152上に展開して実行する。本実施形態による不具合要因推定部15は、このコンピュータプログラム154によって後述の不具合要因推定処理を実現する。CPU151、RAM152、ROM153は、バス100と接続されており、出力部12との間で制御信号やデータの授受を行う。
出力部12は、画像処理回路121および画面122を有している。画像処理回路121は、CPU121および151からの制御信号やデータに従って、ユーザ10へ電極装着状態の情報を出力する。出力部12は、ヘッドセットに必要な情報を提示する機能をあわせて有していてもよい。
上述のコンピュータプログラム134、144および154は、それぞれ半導体メモリ媒体やCD−ROM等の記録媒体に記録されて製品として市場に流通され、または、インターネット等の電気通信回線を通じて伝送され得る。
なお、周波数解析部13、不具合電極判定部14および不具合要因推定部15は、半導体回路にコンピュータプログラムを組み込んだDSP等のハードウェアや、CPUを有さず回路として演算を行う半導体としても実現可能である。また、周波数解析部13、不具合電極判定部14および不具合要因推定部15は、それぞれ別のCPU、RAM、ROMを持つ機能ブロックとして説明を行ったが、同一のCPU、RAM、ROMによって、同様の機能を実現してもよい。
次に、本発明の簡易脳波計測システム20を概説し、その処理を概観した後に、電極装着状態の不具合判定方法および不具合要因推定方法を詳述する。
簡易脳波計測システム20は、計測された脳波を解析し、電極装着状態に不具合が発生したかどうかを特定し、不具合電極が存在した場合には、不具合要因を推定し、ユーザに通知する。不具合が発生していない場合にも、電極装着状態が良好であることをユーザに通知する。
図12は、簡易脳波計測システム20の処理全体のフローチャートを示す。以下、図12の簡易脳波計測システム20のフローチャートに沿って、動作を説明する。
ステップS1101において、脳波計測部11がユーザ10の脳波を計測する。脳波の計測は、図10に示すアース21、基準極22、計測チャンネルに対応する計測極(計測極23a〜23gのいずれか1つ)の3種類の電極を1組として利用して組ごと(チャンネルごと)に脳波計測回路24により計測される。なお、アース21および基準極22は各組で共用される。
脳波計測回路24は、アース21の電位を基準として差動増幅を行う。すなわち、脳波計測回路24は、基準極22の電位、計測極23の電位をアース21の電位を基準として増幅し、増幅した計測極23の電位から、増幅した基準極22の電位の差分を求める。これにより、基準極22を基準にした計測極23の脳波電位を測定できる。この差動増幅は微弱な信号を増幅する場合に用いられ脳波計測にも用いられる。上記のようにして計測された脳波電位は1チャンネルの脳波データとして、脳波処理部12、周波数解析部13に送信される。
ステップS1102において、周波数解析部13は周波数解析処理を行う。図13は、周波数解析部13が処理する脳波波形の例を示す。周波数解析部13は、脳波計測部11が計測した脳波信号301を受信し、判定対象となる区間の脳波波形302を抽出する。ここで抽出される区間は、たとえば1秒間に設定される。次に、周波数解析部13は、抽出した脳波信号302に対し、たとえば高速フーリエ変換(FFT)による周波数解析を実施し、各周波数のパワーの値303を算出する。各周波数のパワーの値303は、高速フーリエ変換(FFT)の結果得られたフーリエ係数の値に対応する。
パワー値の算出後、周波数解析部13は周波数解析結果を不具合電極判定部14に出力する。周波数解析結果の出力後、周波数解析部13は、1秒間分の脳波が計測されるまで待機し、1秒後、再度周波数解析を実行する。ただし、解析対象区間以上の間、周波数解析部13に処理のタイミングが発生しなかった場合は、処理タイミング直前1秒間の脳波データに対して、周波数解析を行う。
ステップS1103において、不具合電極判定部14は、脳波計測している各電極に装着不具合が発生しているか否かを判定する。不具合電極判定部14は、周波数解析部13の周波数解析結果から、電極装着状態判定に必要なノイズ混入量、総周波数パワーの解析パラメータを抽出する。そして、不具合電極判定部14は、各解析パラメータとあらかじめ設定された閾値との比較により、アース、基準極、計測極の各電極に電極装着状態に不具合が発生しているか否かを判定する。不具合が発生している場合には、不具合電極判定部14は、アース、基準極、計測極のいずれの電極で不具合が発生しているか否かを特定する処理を行う。具体的な判定方法は詳述する。
不具合電極が検出された場合には、ステップS1104に進み、検出されなかった場合にはステップS1105に進む。
ステップS1104において、不具合要因推定部15は、不具合電極判定部14が検出した不具合電極の番号の情報を受け取り、電極位置記憶部16を参照して、不具合電極の空間的位置を特定する。そして、不具合電極の数および不具合電極発生の空間的パターンから、不具合要因を推定する。不具合要因推定方法については後述する。
ステップS1105において、出力部12は不具合電極判定部14から不具合が検出されなかったという情報を受け取り、電極装着が適切に行われているという内容をユーザ10に通知する。あるいは、不具合要因推定部15から、推定された不具合要因の情報を受け取り、ユーザ10に通知する。図19は、出力部12から出力される電極の装着状態の例である。図19(a)は、不具合電極がなく、電極を組み込んだ筐体を適切に装着できた場合の出力例である。図19(b)は、不具合電極が複数存在し、その空間的パターンから、不具合要因は頭部形状と筐体形状が不一致であると推定された場合の出力例である。図19(c)は、髪の毛はさみが不具合要因であると推定された場合の出力例である。
また、頭部形状と筐体形状が不一致ではないと推定される場合には、ユーザが脳波計の装着し直すことにより、正常に装着できる可能性がある。よって、図19(c)に代えて、「装着し直してください」など、再装着を促す出力をすることもできる。図19(c)のように、中心部の電極で髪の毛をはさんでいることが推定できている場合には、「中心部の電極に注意して、装着し直してください」と出力しても良い。
なお、ユーザへの出力方法は、上記に限定されるものではなく、他の方法を採用してもよい。たとえば画面外部にLEDランプを設け、そのLEDランプの色を利用して装着状態の解消を通知してもよい。正常時には緑色で点灯させ、不具合発生時には赤色、解消時には再度緑色で点灯させてもよい。また、「解消しました」などと発生させ、音声を利用して通知してもよい。さらに、不具合発生時通知時に出力されているアラーム音を、不具合からの復帰時に停止させるなどの視覚以外の通知方法も本発明の範疇である。
なお、HMDを装着するユーザと不具合を通知されるものは同一でない場合もある。
このような処理によって、電極装着状態が良好かどうか、不具合が発生した場合には、その不具合の要因をユーザに通知できるようになる。
(不具合電極判定処理の詳細)
次に、図12中のステップS1103で不具合電極判定部14が行う、不具合電極を判定する処理を説明する。
図14は、ステップS1103(図12)において行われる不具合電極判定部14の処理のフローチャートを示す。以下、ステップS1103において行われる処理の詳細を説明する。
ステップS1201で、不具合電極判定部14は、周波数解析部13から出力された周波数解析結果を取得する。ここでの周波数解析結果とは、各周波数帯に周波数パワーの値のデータが相当する。たとえば、サンプリング周期200Hzで脳波を記録した場合は、その半分の周期である0〜100Hzまでの周波数解析(FFT)の結果となる。
ステップS1202で、不具合電極判定部14は、各脳波チャンネル(Ch)の周波数解析結果から、特徴ノイズ周波数パワーを算出する。ここで、「特徴ノイズ周波数」とは、脳波計測環境において、外部機器などから発生しているノイズの周波数である。脳波信号の当該周波数には、そのノイズが含まれている。たとえば、電気機器に囲まれた環境では、特徴ノイズとして、電源からの交流ノイズが挙げられる。また同様の特徴ノイズとして、たとえば自動車の中では、エンジンから発せられるパルス波が考えられる。エンジンから発せられるパルス波の周波数は、エンジン回転数に比例する。したがって、不具合電極判定部14は、エンジン回転数を示す情報を自動車のタコメータやコンピュータ等から取得することにより、パルス波の周波数を特定することができる。
上記の交流ノイズの周波数やエンジンのパルス波ノイズの周波数を、各チャンネルの周波数解析結果から算出する。この算出した周波数を「特徴ノイズ周波数」とする。
本実施の形態では、簡易脳波計測システムを室内で利用することを想定し、交流ノイズが特徴ノイズであるとして説明を行う。交流ノイズの帯域は、たとえば日本国の関西地区では60Hz、関東地区では50Hzである。上記の実験を行った環境が関西地区であるため、特徴ノイズ周波数は60Hzとし、特徴ノイズ周波数パワーを交流ノイズ混入量と言い換えて説明を行う。なお、諸外国における交流ノイズの帯域は、たとえばアメリカ合衆国では60Hz、欧州諸国や中国では50Hzである。以下に説明する60Hzの例に基づけば、当業者であれば、周波数の相違を考慮して50Hzの地域においても同様に実験および簡易脳波計測システムの利用を行うことは可能である。
ステップS1203で、不具合電極判定部14は、各脳波チャンネルの周波数解析結果から、総周波数パワーを算出する。総周波数パワーは、周波数解析結果のパワーの平均値(0〜100Hzまでの周波数パワーの平均)で算出される。
ステップS1204以降の処理で、ノイズ混入量、総周波数パワーの値に基づいて、不具合電極判定部14は、アース21、基準極22、計測極23のいずれの電極に不具合が発生しているかを判定する。判定の流れは、アース21の不具合判定(ステップS1205)、計測極23の不具合判定(ステップS1205、S1206、S1208)、基準極22の不具合判定(ステップS1209)の順で行われる。以下に、それぞれの判定方法を具体的に説明する。
まず、不具合電極判定部14が行うアース不具合判定(ステップS1204)を説明する。不具合電極判定部14は、ステップS1202で算出された交流ノイズ混入量を参照して、アース21に不具合が発生したか否かを判定する。
図15は、上述した本願発明者らが実施した実験の結果(図4)を例に、アース21が正常に装着されている場合(平常時)の周波数解析結果と、アースをはずした場合(アース不具合時)の周波数解析結果とをグラフ化した例を示す。グラフの横軸は周波数(単位:Hz)を示し、縦軸は周波数パワー(単位:μV^2)を示している。ここでは、図4におけるCh1の交流ノイズ混入量を利用して60Hzにおける平常時とアース不具合時の周波数パワーとの関係をグラフ化した。図16によれば、平常時82.3μV^2に比べ、アース不具合時には35502.3μV^2と非常に離れた値をとっている。
そこで、不具合電極判定部14にあらかじめアースの不具合判定の閾値を設定しておき、交流ノイズ混入量が閾値を超えた場合には、不具合電極判定部14がアース21に不具合が発生していると判定する。「閾値」として、平常時とアース不具合時の中間値を設定することが望ましい。しかしながら、平常時とアース不具合時の値が乖離していることを考慮し、本実施形態では、平常時の交流ノイズ混入量の対数とアース不具合時の交流ノイズ混入量の対数と平均し、その平均値をとる周波数パワーである1700μV^2を設定した。
他の閾値設定方法としては、平常時の値のみを基準に考え、たとえば平常時の10倍を異常な状態(アース不具合状態)と判断するよう823μV^2に設定する方法が考えられる。この閾値と交流ノイズ混入量との比較により、図4の実験の例では、平常時には「アース不具合無し」と判定されステップS1205へ遷移する。また、アースはずし時には「アース不具合」と判定され、不具合通知を出力部12に出力するステップS1210へ遷移する。
図19(a)は、アース不具合と判定されたときの不具合通知の一例を示す。図19(a)に示すように、アースが外れていることを知らせる警告が画面132上に表示される。または図19(b)に示すように、装着異常が発生している電極位置を示す画面132上に画像および説明が表示される。
再び図14を参照しながら、不具合電極判定部14が行う計測極23の不具合判定処理(ステップS1205、S1206、S1208)を説明する。
ステップS1205において、不具合電極判定部14は、本願発明者らが実施した上述の実験の特徴を利用し、計測されたいずれか1チャンネルの総周波数パワーの値と、電極の不具合を判定する閾値とを比較する。判定した脳波チャンネルの総周波数パワーが閾値を超えた場合には、不具合電極判定部14は判定したチャンネル番号の計測極に不具合が発生している疑いがあると判定し、ステップS1208にて不具合リストにチャンネル番号を記録する。図16は、不具合が生じたチャンネルの番号が記録された不具合リストの一例を示す。
閾値は、上記実験の結果からたとえば平常時の総周波数パワーの大きい方の値5.2μV^2と、電極不具合発生時に増大した総周波数パワーの最小値67.1μV^2の中間値である36μV^2を設定した。
図4の実験の例では、計測極1をずらしたときには、総周波数パワーが36μV^2を超えるCh1が不具合として検出され、不具合リストに追加される。他の閾値設定方法としては、チャンネルごとに閾値を設定し、平常時の値のみを基準に考え、平常時の2倍を異常な状態(計測極不具合状態)と判断するように設定してもよい(たとえば、Ch1は10.4μV^2、Ch2は5.6μV^2)。
今回実験で解析された不具合時の周波数パワーの値は、電極不具合時には常にこの値になるものではなく、電極ズレの強さや幅、皮膚の状態により、様々に変化すると考えられる。ただし、不具合発生時には、平常時と比較して総周波数パワーが増大する傾向は変化しない。そのため、不具合発生時の総周波数パワーの値のブレを考慮し、判別のための閾値を上記の値よりも低め(たとえば、20μV^2)に設定してもよい。
ステップS1206にて、不具合電極判定部14は、ステップS1205の比較処理をまだ行っていない脳波チャンネルが存在するか否かを判断する。存在する場合にはステップS1205に戻り、当該脳波チャンネルに対して、ステップS1205の比較処理を行う。
全ての脳波チャンネルに対し、ステップS1205の比較処理が完了した後は、処理はステップS1207に進む。ステップS1207にて、不具合電極判定部14は、不具合リストの内容を確認し、不具合リストに記述されているチャンネル番号を確認する。不具合リストには何も記述されておらず空である場合は、不具合電極判定部14は、不具合電極は存在しないと判断し、ステップS1213において不具合電極なしと判定する。
不具合リストが空でなかった場合は、ステップS1209にて不具合電極判定部14は、現在計測している全ての脳波チャンネルが不具合リストに挙げられているか否かを判断する。全てのチャンネルが不具合リストに挙げられている場合には、基準極22に不具合が発生したと考えられる。そこで、不具合電極判定部14はステップS1211にて基準極不具合があると判定する。
ステップS1209にて、不具合リストと全チャンネル番号とが一致しなかった場合は、個別の計測極に不具合が発生していると考えられる。ステップS1212において、不具合電極判定部14は、不具合リストのCh番号に対応する計測極が不具合であると判定する。
ここで、図4に示される平常時、計測極1不具合、計測極2不具合、基準極不具合の状態におけるFFTの結果のグラフと総周波数パワーの値を参照しながら、図14に示す判定処理の流れを確認する。
平常時においては、図14のステップS1205〜S1207の処理により、不具合電極判定部14は、Ch1およびCh2を不具合リストに追加しない。Ch1、Ch2の総周波数パワーは、5.2μV^2と2.8μV^2でともに閾値36μV^2を下回っているためである。そして、不具合電極判定部14は、ステップS1207で不具合リストは空であることを確認するため、「不具合電極なし」と判定する。
計測極1がずれたときは、Ch1の総周波数パワーが93.7μV^2と閾値36μV^2を上回っている。よって、不具合電極判定部14は、図14のステップS1205、ステップS1208の処理により、計測極1を含むチャンネル番号を不具合リストに追加する。不具合電極判定部14は、ステップS1209にてCh1のみが不具合であると判断するため、計測極1を不具合電極として判定する。
基準極がずれたときは、Ch1、Ch2の総周波数パワーが357.6μV^2、194.6μV^2とともに閾値36μV^2を上回っている。よって、図14のステップS1205、ステップS1208の処理により、不具合電極判定部14は、Ch1、Ch2を不具合リストに追加する。ステップS1209にて、不具合電極判定部14は、全てのチャンネルで不具合が発生していると判断すると、基準極を不具合電極として判定する。
以上の処理によって、不具合が発生した電極が、計測極、基準極、アースのいずれであるかを判定できる。さらに、複数の計測極において、どの電極で不具合が生じているかを特定して判定できる。
(不具合要因推定処理の詳細)
次に、図12中のステップS1104で不具合要因推定部15が行う、不具合電極の数および空間的パターンに基づいた不具合要因推定処理を説明する。
図17は、ステップS1104(図12)において行われる不具合要因推定部15の処理のフローチャートを示す。以下、ステップS1104において行われる処理の詳細を説明する。
ステップS1501において、不具合要因推定部15は、不具合電極判定部14から図16に示したような不具合電極のチャンネル番号のリストを受け取る。そして、不具合電極の数を求め、電極位置記憶部16を参照して、不具合電極のチャンネル番号に対応する3次元の電極位置を特定する。たとえば電極位置記憶部16において、チャンネルごとの電極位置が直交座標系で保持されていた場合には、不具合電極の位置としてx、y、zの値を受け取る。
ステップS1502において、不具合要因推定部15は、ステップS1501で求めた不具合電極の数が複数か単数かを判定する。ステップS1502でYes(不具合電極の数が複数)の場合は処理はステップS1503へ進み、ステップS1502でNo(不具合電極の数は1つ)の場合は処理はステップS1506へ進む。
ステップS1503において、不具合要因推定部15は、不具合要因推定部15の記憶部に保持している不具合パターンと、ステップS1501で特定した不具合電極の空間的パターンとを比較し、その一致度としてたとえば相関係数を算出する。
図18は、不具合要因推定部15において保持している不具合パターンの例を示す。図18では、たとえば電極位置として標準化した直行座標系値を保持し、頭部と筐体の形状不一致の種類ごとに複数の不具合パターンが保持される様子を示している。「×」印は、形状不一致ごとに不具合が発生しやすい電極位置の例である。たとえば、筐体形状に比べてユーザの頭部の中心部がへこんでいる場合には、中心部へこみのコラムのように中心部において×印がついた不具合パターンを保持する。また、上述のように基準極外れの場合には、全ての電極において総周波数パワーが増大するため、全ての電極で×印がついた不具合パターンになる。なお、不具合パターンは、想定ユーザ群の典型的な頭部形状のパターンに基づいて作成し、適宜更新してもよい。
再び図17を参照する。ステップS1504は、不具合要因推定部15における、ステップS1503の一致度に応じた分岐である。一致度が所定の閾値よりも高い場合には処理はステップS1505に進み、低い場合にはステップS1506に進む。一致度は、たとえば不具合パターンと不具合電極の結果との相関係数によって求めてもよいし、不具合パターンと一致した電極の数を、全電極数で割って求めてもよい。相関係数によって一致度を求めた場合には、所定の閾値の一例として0.7を設定してもよい。
ステップS1505において、不具合要因推定部15は、不具合要因は頭部形状と筐体形状の不一致であると推定する。
ステップS1506において、不具合電極推定部15は、不具合要因は髪の毛はさみであると推定する。
以上の処理によって、不具合電極の数および空間的パターンに基づいて、不具合要因が頭部形状と筐体形状の不一致であったか、髪の毛はさみであったかを切り分けることができる。
なお、ステップS1502では、ステップS1501で不具合要因推定部15において求められた不具合電極の数が複数か否かで判断しているが、この所定の閾値以上の個数の不具合電極が存在するか否かで判断しても良い。電極間の距離に基づいて、髪の毛はさみであったか又は頭部形状と筐体形状の不一致かを判断する所定の閾値を設定することができる。たとえば、その電極間の距離が短くなるほど、閾値を大きくするように設定する。
また、不具合パターンは、たとえば、所定の閾値以上の数の電極が不具合であり、かつ、その不具合の電極が互いに隣り合って連続的に位置している電極位置を示す。
ステップ1504では、不具合パターンと不具合と判断された電極とが一致したか一致していないかではなく、一致度を用いて判断している。一致度を用いることで、髪の毛はさみが複数発生している場合と、髪の毛はさみ及び頭部形状と筐体形状の不一致が両方発生している場合とを判断することができる。たとえば、想定されるユーザ群に、ある筐体で構成された脳波計を予め利用させ、髪の毛はさみが発生する頻度が高いほど、所定の閾値を下げるように、筐体ごとに閾値を決めても良い。
この不具合要因推定の結果を、出力部12を介して出力することで、ユーザは電極装着が適切ではなく不具合電極が存在する場合には、その不具合要因を即座に確認できる。
本実施形態の簡易脳波計測システム20によれば、電極を組み込んだ筐体を装着して脳波を計測する際に、電極装着状態が良いかどうかが判定できる。また、電極装着に不具合があった場合には、不具合電極の数および空間的パターンから不具合要因を推定し、ユーザに通知することができる。これによって、電極装着の不具合に対する探索的な対応が低減され、簡易に安定した脳波計測が実現できる。
(実施形態2)
実施形態1にかかる簡易脳波計測システムを利用することによって、ユーザ10は、電極を組み込んだ筐体を装着して脳波を計測する際に、電極装着状態が良いかどうかが即座に確認できる。また、電極装着に不具合があった場合には、不具合要因が筐体形状の不一致か、髪の毛はさみかを知ることができる。それによって、電極装着の不具合に対して探索的に対応をする必要がなくなり、簡易に安定した脳波計測が実現できるようになった。
しかし、不具合要因が髪の毛はさみの場合に、ユーザ10が不具合電極と皮膚にはさまった髪の毛を除去しようとすると、不具合電極の近くの不具合がなかった電極に、新たに電極ズレ等の不具合が発生する可能性が考えられる。その結果、全体として電極位置の修正がなかなか完了しなくなるという課題があった。
そこで本実施形態では、不具合復帰判定部を新たに設け、不具合電極の復帰が完了するまでは電極不具合を検知しないようにして、不具合修正の際に生じるユーザ10の負荷を低減する。
まず以下で、不具合電極復帰の判定方法を説明する。
本願発明者らは、上述の実験に加えて、電極不具合が継続している状態と電極が復帰した状態を区別する脳波特徴を検証する実験を行った。その結果、不具合電極が復帰した際に出現する特徴を検出によって、電極復帰判定処理が可能になることを見出した。
以下では、その実験内容及び実験結果から得られた新しい知見を説明し、その後に、その知見を活用した不具合電極の復帰判定処理の詳細を説明する。
実験では、電極は先の実験と同様に、30代の被験者1名に対し、図3に示す位置に電極を装着した。右耳後に基準極21を配置し、右目上の計測極23a、左目上に計測極23bを配置し、アース21は国際10−20法の場所表記によるFPzとした。電極は、計測極、基準極に銀塩化銀のアクティブ電極を、アースに銀塩化銀の皿電極を、それぞれペーストを用いずに使用し、ヘアバンド25で固定した。脳波計は、ポリメイトAP−1124(デジテックス製)を使用した。サンプリング周波数は200Hz、時定数は0.3秒で計測した。
実験は、不具合電極を計測極、アースを対象として実験を実施した。基準極は計測極と同様な特徴が出現すると考えた。
また、不具合状態は「電極外れ」を想定し、電極を外し続けた場合と、電極を外した後すぐに修正し正常な状態に戻した場合との電位波形を比較した。具体的には、
(a)計測極23bをはずしたままにした場合、
(b)計測極23bを一瞬外して正しい状態に復帰した場合、
(c)アース21をはずしたままにした場合、および
(d)アース21を一瞬外して正しい状態に復帰した場合
の4状態で実験を実施した。本願発明者らは各状態における脳波を計測し、計測極23の比較である上記(a)および(b)では脳波波形の比較を、アース21の比較である(c)および(d)では、交流ノイズ混入量の比較を行った。
図20(a)〜(d)は実験の結果を示す。各グラフは、横軸に時間(単位:秒)を表し、(a)(b)では縦軸に電位(単位:μV)を表し、Ch1の脳波の電位を実線で示している。(c)(d)は縦軸に周波数パワー(単位:μV^2)を表し、点線で交流ノイズ混入量の推移を示している。
図20の(a)(b)の状態の比較から、(a)計測極が外れたままの状態では、電位が3000μVで振れた後、波形がフラットになり続けている。それに対し、(b)の計測極をすぐに復帰させた状態では、波形が一時フラットになるものの、電極復帰後数秒程度後に脳波の波形が現れていることがわかる。ここで「すぐに」とは、たとえば約2、3秒後である。
また、図20の(c)(d)の状態の比較から、(c)アースが外れたままの状態では交流ノイズ混入量が10000μV^2を超える値で推移し続けているのに対し、(c)のアースをすぐに復帰させた状態では、アースはずし後、一時5000μV^2まで交流ノイズ混入量が増加するが、アースを復帰させた後の交流ノイズ混入量はアースを外す前と同等の低い値に戻っていることがわかる。
上記、(a)および(b)と、(c)および(d)との比較の結果から、計測極に関しては、電極復帰により不具合検出後すぐに脳波波形が出現するという知見が得られた。よって、電極不具合検出後に脳波波形が出現するか(脳波データの平均、分散が0でなくなる)否かを検出することにより、計測極の復帰が判定できる。基準極に関しても、任意の脳波チャンネルの脳波を同様の基準で判定することにより、基準極の復帰判定が可能であるといえる。
また、アースに関しては、アース不具合後、交流ノイズ混入量の値が増大するが、復帰により交流ノイズ混入量の値が平常状態の値に戻るという知見が得られた。よって、アース不具合検出後、増加した交流ノイズ混入量が平常の値に戻ったかを検出し、アースの復帰を判定できるといえる。
以下、図面を参照しながら、この着想に基づき構成した電極復帰判定部21を説明する。
図21は、本実施形態にかかる簡易脳波計測システム30の機能ブロックの構成を示す。図9に示した実施形態1と同じブロックについては同一の参照符号を付し、その説明は省略する。簡易脳波計測システム30では、図9に示す電極状態判定処理部19に代えて、電極状態判定処理部19aが設けられている。電極状態判定処理部19と比較すると、電極状態判定処理部19aには、電極の復帰を判定する電極復帰判定部21が追加されている。電極復帰判定部21は、不具合が発生した電極が、再度脳波計測可能な状態に復帰したか否かを判定する。電極復帰判定部21は、たとえば図11に示す不具合電極判定部14と同様のハードウェアを新たに設け、バス100を介して接続して接続される。または、図11に示すプログラム144を変更することにより、CPU141、RAM142およびROM143が、ある時刻では不具合電極判定部14として機能し、他の時刻では電極復帰判定部21として機能するように構成してもよい。後者の例は、プログラム144が、不具合電極判定部14の処理手順のみならず、以下に説明する電極復帰判定部21の処理手順を含んで構成されることによって実現される。なお、不具合電極判定部14の処理によって判定された電極状態の情報は、電極復帰判定部21の処理に引き渡されて後述の処理が実行される。
図22は、電極復帰判定部21の処理を追加した簡易脳波計測システム30の処理の手順を示すフローチャートである。電極復帰判定部21を追加した処理では、電極不具合を通知する処理(ステップS1106)の後、装着不具合な状態から適切な装着状態に復帰したかを判定する処理(ステップS2000)が追加されている。
電極復帰判定部21が行う電極復帰判定処理(図22のステップS2000)の詳細は、図23に示されている。以下図23を参照しながら、電極復帰判定部21が行う当該電極復帰判定処理の詳細を説明する。
図21において、不具合電極判定部14により電極不具合が検出判定されると(図22のステップS1106)、図23のフローチャートが実行される。ステップS2101で、電極復帰判定部21は、電極復帰判定のための脳波計測を開始する。脳波計測は、脳波計測部11が行う。
ステップS2102で、電極復帰判定部21は、不具合電極判定部14の種類に基づいて、復帰の処理を変更する。不具合電極が基準極22または計測極23の場合は、ステップS2103、S2104に基づいて電極復帰の判定を行う。一方、不具合電極がアース21の場合は、ステップS2105、S2106の処理で復帰判定を行う。
まず、基準極22・計測極23の復帰判定処理を説明する。
ステップS2103で、電極復帰判定部21は、計測された脳波から、不具合電極を含む脳波チャンネルを抽出する。たとえば、計測極23bの場合はCh1を抽出する。基準極の場合は、Ch1、Ch2のいずれにも含まれているため、Ch1、Ch2のいずれかを抽出する。電極復帰判定部21は、一定期間(たとえば1秒間)の脳波信号の平均値、分散を算出する。なお、電極の装着状態が復帰していない状態であれば、ここでいう処理対象となる信号は正確には「脳波信号」とは呼べない。しかしながらここでは便宜的に「脳波信号」と呼ぶ。
ステップS2104にて、電極復帰判定部21は、ステップS2103で算出した平均値、分散がともに0であるか否かを判定する。これは、計測された脳波がフラットな状態であるか否かを判定することに相当する。平均値、分散がともに0であるときは、脳波はフラット、言い換えるとその電極からは脳波が検出されておらず、依然として不具合が継続しているといえる。
よって脳波がフラットである場合は、不具合電極が解消されていないといえるため、電極復帰判定部21はステップS2101に処理を戻し、不具合が解消されるまで電極復帰判定を継続する。脳波がフラットではなく脳波が計測され始めた場合は、電極の不具合が解消されたといえるため、電極復帰判定部21は、計測極23または基準極22の不具合が解消したことを不具合要因推定部15に通知する。その後、処理は終了する。
不具合要因推定部15は、電極復帰判定部21の通知を受けて、不具合要因推定を再度実施する。
次に、アース21の復帰判定処理を説明する。
再び図23を参照する。ステップS2105で、電極復帰判定部21は、計測された脳波の各チャンネルについて、一定期間(たとえば1秒間)の脳波を抽出し、交流ノイズ混入量を算出する。
ステップS2106にて、電極復帰判定部21は、算出された全てのチャンネルの交流ノイズ混入量が閾値を下回っているか否かを判定する。たとえば閾値は、不具合電極判定部14がアース21の不具合発生を判定する際に利用した1700μV^2に設定される。全チャンネルの交流ノイズ混入量がこの閾値を上回っている場合は、電極復帰判定部21は、アース21の不具合は解消していないと判断し、処理をステップS2101に戻す。これにより、アース不具合が解消されるまで電極復帰判定が継続される。交流ノイズ混入量の増大が収まり閾値を下回ると、電極復帰判定部21は、アース21の不具合が解消されたと判断する。そして、電極復帰判定部21は、ユーザ10にアース21の不具合が解消したことを通知するよう、出力部12に指示し、電極復帰判定部21の処理を終了する。出力部12によるアースの復帰通知は、ステップS2107の計測極23または基準極22の復帰通知と同様に行われる。
上記のステップS2104やS2106のように、不具合電極が復帰した際に出現する不具合電極に合わせた特徴を検出することにより、電極復帰判定処理を行うことが可能になる。
このように電極復帰判定部21を追加することにより、電極の不具合発生後、不具合電極が復帰するまで不具合判定が行われなくなる。よって、ユーザは過剰な電極装着状態の修正を行う必要が無くなり、電極を組み込んだ筐体を装着して安定的な脳波を計測するための負担が軽減される。
(実施形態3)
実施形態1にかかる簡易脳波計測システムを利用することによって、ユーザ10は、電極を組み込んだ筐体を装着して脳波を計測する際に、電極装着状態が良いかどうかが即座に確認できる。また、電極装着に不具合があった場合には、不具合要因が筐体形状の不一致か、髪の毛はさみかを知ることができる。それによって、たとえば頭部形状と筐体形状の不一致に対して髪の毛はさみの対応をするような要因の異なる誤った対応をする必要がなくなり、簡易に安定した脳波計測が実現できるようになった。
しかしながら、頭部形状と筐体形状が不一致であった場合に、ユーザは次にどの筐体を装着するとよいかの特定ができないため、複数の筐体を試しに装着する必要があった。これはユーザにとって手間であった。
そこで、本実施形態では、複数の筐体形状の特徴を保持し、形状不一致の際に最適な筐体を推薦する。これにより、ユーザによる筐体の試し装着の回数を減らし、ユーザの手間を低減する。
図24は、本実施形態による簡易脳波計測システム40の機能ブロックの構成を示す。簡易脳波計測システム40は、脳波計測処理部18および電極状態判定処理部19bを有している。図9と同じブロックについては同一の参照符号を付し、その説明は省略する。なお、簡易脳波計測システム40のハードウェア構成は図11に示すとおりである。実施形態1で説明した不具合要因推定部15におけるプログラム15と異なる処理を規定するプログラムが実行されることにより、図24に示す簡易脳波計測システム40が実現される。
本実施形態による簡易脳波計測システム40が、実施形態1による簡易脳波計測システム20と大きく相違する点は、新たに最適筐体推薦部32を設けた点である。また、不具合要因ごとの処理を変えるために、不具合要因推定部15に変えて不具合要因推定部31を設けた点であえる。
以下、不具合要因推定部31と最適筐体推薦部32を説明する。
不具合要因推定部31は、不具合要因推定部15と同様に、不具合電極判定部14で判定された不具合電極の数および空間的パターンに基づいて不具合要因を推定する。不具合電極の位置に関する情報は、電極位置記憶部16を参照することで取得する。本実施形態による不具合要因推定部31が、不具合要因推定部15と相違する点は、不具合要因が頭部形状と筐体形状の不一致であった場合に、その情報を最適筐体推薦部32に通知する点である。
最適筐体推薦部32は、複数の筐体形状の特徴を保持し、不具合要因推定部31から受けた形状不一致の情報と現在ユーザが装着している筐体の形状に基づいて、次にユーザが装着すべき最適筐体を特定する。
次に、図25のフローチャートを参照しながら、不具合要因推定部31と最適筐体推薦部32で行われる処理の手順を説明する。図25では、簡易脳波計測システム20の処理(図17)と同じ処理を行うステップについては同一の参照符号を付し、その説明は省略する。
ステップS3101において、不具合要因推定部31は、不具合要因は頭部形状と筐体形状の不一致であると推定し、最適筐体推薦部32に不具合電極の空間的パターンの情報を通知する。
ステップS3102において、最適筐体推薦部32は、不具合要因推定部31から受けた不具合電極の空間的パターンと現在ユーザが装着している筐体の形状、および最適筐体推薦部32に保持している複数の筐体形状の特徴に基づいて、次にユーザが装着すべき最適な筐体を特定する。図26は、最適筐体推薦部32が保持している、複数の筐体形状の特徴の例を示す。たとえば図26では、筐体形状の特徴として、筐体ごとにたとえばサイズ、形状1として大まかな形状、形状2として細部形状に関する情報が保持されている。
ここで、不具合要因推定部31から受けた現在の筐体形状が、図26中の筐体Aであり、不具合電極の空間的パターンが、図18に示した中心部へこみと同じであったとする。その場合、最適筐体推薦部32は、現在ユーザが装着している筐体Aに対して、サイズ、大まかな形状である形状1は変えずに、筐体Aよりも中心部がへこんだ筐体Bが最適であることを特定する。そして、最適筐体推薦部32は、装着すべき筐体に関する情報を出力部12を介してユーザに出力する。図27は、ユーザに呈示する、次にユーザが装着すべき筐体に関する情報の例を示す。
このような処理によって、不具合要因が頭部形状と筐体形状の不一致であった場合に、次に最適な筐体が推薦できる。
本実施形態の簡易脳波計測システム40によれば、電極装着の不具合要因が頭部形状と筐体形状の不一致であった場合に、次にユーザが装着すべき筐体を特定・推薦できる。これによって、試し装着の回数が低減し、頭部形状に合った最適な筐体を容易に特定しやすくなるため、安定的な脳波計測が可能な筐体形状探索の手間が格段に低減する。
本発明にかかる簡易脳波計測システムは、計測された脳波信号からユーザの状態や意図を判定し、判定結果をフィードバックする脳波インタフェースシステムにおいて広く利用可能である。具体的には、日常生活環境下で、かつ、ドライ電極を利用して脳波計測をする場合に、当該ドライ電極の装着状態に不具合が生じたか否かを判定するために、本発明にかかる簡易脳波計測システムを脳波計やHMD、ヘッドセットなどのウェアラブル機器に組み込むことが有用である。本発明にかかる簡易脳波計測システムは、このような、ユーザの状態や意図を推定する脳波インタフェースシステムの構築に有用であり、さらに組み込むためのコンピュータプログラムとして実現され得る。
10 ユーザ
11 脳波計測部
12 出力部
13 周波数解析部
14 不具合電極判定部
15,31 不具合要因推定部
16 電極位置記憶部
21 電極復帰判定部
32 最適筐体推定部
20,30,40 電極装着状態判定システム

Claims (17)

  1. 一つの筐体に配置され、かつ、基準電極、計測電極、およびアースを含む複数の電極で構成され、前記アースを基準とした前記基準電極と前記計測電極との間の脳波信号を計測する脳波計測部と、
    ユーザが前記脳波計測部を装着した際に、前記複数の電極の各々が前記ユーザに接触する位置を記憶する電極位置記憶部と、
    前記脳波計測部により計測された脳波信号の周波数パワーを、少なくとも前記基準電極と前記計測電極との組である脳波計測チャンネルごとに解析する周波数解析部と、
    前記周波数解析部で解析された前記周波数パワーと、あらかじめ設定されていた第1の閾値とを比較することにより、電極ごとの装着状態が良いか悪いかを判定する不具合電極判定部と、
    前記不具合電極判定部で装着状態が悪いと判定された不具合電極の数と、前記電極位置記憶部で記憶されている前記複数の電極の位置を参照して、前記不具合電極判定部で装着状態が悪いと判定された不具合電極がユーザに接触する位置とを決定し、前記装着状態が悪い不具合電極の数及び前記不具合電極がユーザに接触する位置と、電極の装着状態が悪い要因とを対応付けた不具合パターンを参照して、決定した装着状態が悪い不具合電極の数および装着状態が悪い不具合電極の位置に対応する、電極の装着状態が悪い要因を推定する不具合要因推定部と
    を備えた脳波計測システム。
  2. 前記不具合パターンは、不具合前記装着状態が悪い電極の数が第2の閾値より大きく、かつ、前記装着状態が悪い不具合電極の位置が互いに隣り合って連続している場合には、前記ユーザの頭部形状と前記脳波計測部の筐体形状との不一致が、前記装着状態が悪い不具合の要因であると対応付けている、請求項1に記載の脳波計測システム。
  3. 前記不具合電極判定部は、前記周波数パワーの解析結果から前記ノイズ混入量のパラメータを抽出し、前記ノイズ混入量のパラメータの値が予め設定された第3の閾値を超えている場合には、前記アースの装着状態が悪いと判定する、請求項1に記載の脳波計測システム。
  4. 前記不具合電極判定部は、前記周波数パワーの解析結果から総周波数パワーのパラメータをさらに抽出し、前記総周波数パワーのパラメータの値が予め設定された第2の閾値を超えている場合には、前記基準極又は前記計測極の装着状態が悪いと判定する、請求項3に記載の脳波計測システム。
  5. 前記脳波計測部は、前記アース、前記基準極、および前記計測極を含む複数の電極の組を複数用いて、組ごとの脳波信号を計測し、前記周波数解析部は、各脳波信号の周波数パワーを解析し、
    前記不具合電極判定部は、各脳波信号の周波数の解析結果からノイズ混入量の各パラメータを抽出し、前記ノイズ混入量の全てのパラメータの値が予め設定された第3の閾値を超えている場合には、前記アースの装着状態が悪いと判定し、
    各脳波信号の周波数パワーの解析結果から総周波数パワーの各パラメータを抽出し、前記総周波数パワーの全てのパラメータの値が第2の閾値を超えている場合には、前記基準極の装着状態が悪いと判定し、前記総周波数パワーの一部のパラメータの値が前記第4の閾値を超えている場合には、前記計測極の装着状態が悪いと判定する、請求項1に記載の脳波計測システム。
  6. 前記脳波計測部は、前記アースと基準極との電位差である第1の電位差、および、前記アースと前記計測極との電位差である第2の電位差を計測し、前記第2の電位差と前記第1の電位差との差分に基づいて、前記脳波信号を計測する、請求項1に記載の脳波計測システム。
  7. 前記脳波信号には、外部環境から予め特定された周波数で定常的に混入するノイズが重畳されており、前記不具合電極判定部は、前記解析結果から、前記ノイズの周波数パワーを、前記ノイズ混入量のパラメータとして抽出する、請求項1に記載の脳波計測システム。
  8. 前記予め特定された周波数は、外部環境にある機器の商用電源ノイズの周波数である、請求項7に記載の脳波計測システム。
  9. 前記不具合電極推定部で推定された結果を出力する出力部をさらに備え、
    前記不具合電極判定部において、装着状態が悪い不具合電極が検出されなかった場合には、前記出力部は装着状態が良いことを示す表示を出力する、請求項1に記載の脳波計測システム。
  10. 前記不具合電極推定部で推定された結果を出力する出力部を備え、
    前記不具合電極判定部において、装着状態が悪い不具合電極が検出された場合には、前記出力部は装着状態が悪い不具合電極の位置を示す表示を出力する、請求項1に記載の脳波計測システム。
  11. 前記不具合電極判定部で判定された装着状態が悪い不具合電極の数が第2の閾値より大きい場合、前記装着状態が悪いと判定された不具合電極の電極位置、および前記不具合パターンにおける装着状態が悪い不具合電極の位置の相関係数が所定の閾値を超えた場合に、前記ユーザの頭部形状と前記脳波計測部の筐体形状の不一致が、前記電極の装着状態が悪い要因であると推定する、請求項1に記載の脳波計測システム。
  12. 装着状態が悪いと判定された不具合電極を用いて計測された信号に基づいて、前記不具合電極の装着状態が解消したか否かを判定する電極復帰判定部をさらに備え、
    前記装着状態が悪いと判定された不具合電極が前記アースであるとき、前記電極復帰判定部は、前記不具合電極を用いて計測された前記信号の周波数の解析結果から前記ノイズ混入量のパラメータを抽出し、前記ノイズ混入量のパラメータの値が予め設定された第3の閾値を超えているか否かにより、前記装着状態が悪いと判定された不具合電極の装着状態が解消したか否かを判定する、請求項7に記載の脳波計測システム。
  13. 前記不具合要因推定部において、頭部形状と筐体形状の不一致が不具合要因であると推定された場合に、形状不一致と現在の筐体形状の情報に基づいて、最適な筐体を推薦する最適筐体推薦部をさらに備えた、請求項11に記載の脳波計測システム。
  14. 一つの筐体に配置され、かつ、基準電極及び計測電極を含む複数の電極で構成され、前記基準電極と前記計測電極との間の脳波信号を計測する脳波計測部と、
    前記脳波計測部により計測された脳波信号の周波数パワーを、少なくとも前記基準電極と前記計測電極との組である脳波計測チャンネルごとに解析する周波数解析部と、
    前記周波数解析部で解析された周波数パワーと、あらかじめ設定されていた第1の閾値とを比較することにより、電極ごとの装着状態の良否を判定する不具合電極判定部と、
    前記不具合電極判定部で装着状態が悪いと判定された不具合電極の数が第2の閾値以下である場合には、前記ユーザの頭部と前記装着状態が悪いと判定された不具合電極との間に、前記ユーザの髪の毛がはさまっていることが、前記電極の装着状態が悪い要因であると推定する不具合電極要因推定部と
    を備える脳波計測システム。
  15. 一つの筐体に配置され、かつ、基準電極、計測電極、およびアースを含む複数の電極で構成され、かつ、前記アースを基準とした前記基準電極と前記計測電極との間の脳波信号を計測する脳波計測部により計測された脳波信号を、少なくとも前記基準電極と前記計測電極との組である脳波計測チャンネルごとに周波数パワーを解析する周波数解析部と、
    前記周波数解析部で解析された前記周波数パワーと、あらかじめ設定されていた第1の閾値とを比較することにより、電極ごとの装着状態が良いか悪いかを判定する不具合電極判定部と、
    前記不具合電極判定部で装着状態が悪いと判定された不具合電極の数と、前記不具合電極がユーザに接触する位置とを決定し、前記不具合電極の数及び前記不具合電極がユーザに接触する位置と装着状態が不具合となる要因とを対応付けた不具合パターンを参照して、特定した前記不具合電極の数および数に対応する不具合電極の要因を推定する不具合要因推定部と
    を備えた脳波計測システムであって、
    前記不具合電極がユーザに接触する位置は、ユーザが前記脳波計測部を装着した際において、前記複数の電極の各々が前記ユーザに接触する位置を記憶する電極位置記憶部で記憶されている前記複数の電極の位置を参照して前記不具合要因推定部が求めた、前記不具合電極判定部で装着状態が否と判定された電極の位置である、脳波計測システム。
  16. 一つの筐体に配置され、かつ、基準電極、計測電極、およびアースを含む複数の電極で構成され、前記アースを基準とした前記基準電極と前記計測電極との間の脳波信号を計測する脳波計測ステップと、
    前記脳波計測ステップで計測された脳波信号の周波数パワーを、少なくとも前記基準電極と前記計測電極との組である脳波計測チャンネルごとに解析する周波数解析ステップと、
    前記周波数解析ステップで解析された周波数パワーと、あらかじめ設定されていた第1の閾値とを比較することにより、電極ごとの装着状態が良いか悪いかを判定する不具合電極判定ステップと、
    前記不具合電極判定ステップで装着状態が悪いと判定された不具合電極の数と、前記脳波計測ステップにおいてユーザが前記筐体を装着した際に前記ユーザに接触する前記複数の電極の位置の情報を参照して、前記不具合電極判定ステップで装着状態が悪いと判定された不具合電極がユーザに接触する位置とを決定する決定ステップと、
    前記装着状態が悪い不具合電極の数及び前記不具合電極がユーザに接触する位置と、装着状態が悪い要因とを対応付けた不具合パターンを参照して、前記決定した装着状態が悪い不具合電極の数および装着状態が悪い不具合電極の位置に対応する、電極の装着状態が悪い要因を推定する不具合要因推定ステップと
    を包含する脳波計測方法。
  17. コンピュータによって実行されるコンピュータプログラムであって、前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータに対し、
    一つの筐体に配置され、かつ、基準電極、計測電極、およびアースを含む複数の電極で構成され、前記アースを基準とした前記基準電極と前記計測電極との間の脳波信号を計測する脳波計測ステップと、
    前記脳波計測ステップで計測された脳波信号の周波数パワーを、少なくとも前記基準電極と前記計測電極との組である脳波計測チャンネルごとに解析する周波数解析ステップと、
    前記周波数解析ステップで解析された周波数パワーと、あらかじめ設定されていた第1の閾値とを比較することにより、電極ごとの装着状態が良いか悪いかを判定する不具合電極判定ステップと、
    前記不具合電極判定ステップで装着状態が悪いと判定された不具合電極の数と、前記脳波計測ステップにおいてユーザが前記筐体を装着した際に前記ユーザに接触する前記複数の電極の位置の情報を参照して求めた、前記不具合電極判定ステップで装着状態が悪いと判定された不具合電極がユーザに接触する位置とを決定する決定ステップと、
    前記装着状態が悪い不具合電極の数及び前記不具合電極がユーザに接触する位置と装着状態が悪い要因とを対応付けた不具合パターンを参照して、前記決定した装着状態が悪い不具合電極の数および装着状態が悪い不具合電極の位置に対応する、電極の装着状態が悪い要因を推定する不具合要因推定ステップと
    を実行させる、脳波計測のためのコンピュータプログラム。
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