JPWO2011118383A1 - 積層体およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

耐候性、防湿性に優れ、層間の密着性およびその長期安定性にも優れた積層体およびその製造方法の提供。フッ素樹脂を含有する基材シートと、密着層と、無機酸化物、無機窒化物および無機酸化窒化物からなる群から選ばれる少なくとも1種の無機化合物を主成分とする防湿層とがこの順に積層されており、前記密着層が、クロムおよびクロム合金からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属からなることを特徴とする積層体。

Description

本発明は、太陽電池モジュール用保護シートとして有用な積層体およびその製造方法に関する。
近年、地球環境保護の観点から、より安全性の高いクリーンなエネルギーが望まれている。将来期待されているクリーンなエネルギーの中でも特に太陽電池は、そのクリーンさ、安全性および取り扱いやすさから期待が高まっている。
太陽電池の太陽光を電気エネルギーに変換する心臓部はセルであり、該セルとしては、単結晶、多結晶またはアモルファスシリコン系の半導体から構成されているものが汎用されている。該セルは通常、複数個が直列または並列に配線され、さらに、長期間に渡ってその機能を維持するために各種材料で保護され、太陽電池モジュールとして用いられている。
太陽電池モジュールは、一般的に、セルの太陽光が当たる側の面を強化ガラスで覆い、裏面をバックシートで封止し、セルと強化ガラスとの間の隙間、セルとバックシートとの間の隙間にそれぞれ熱可塑性樹脂(特にエチレン−酢酸ビニル重合体(以下EVAと称す。))からなる充填剤を充填した構造となっている。
太陽電池モジュールには20〜30年程度の製品品質保証が要求されている。太陽電池モジュールは主に屋外で使用されることから、その構成材料には耐候性が求められる。強化ガラス、およびバックシートは、モジュール内部の水分による劣化を防ぐ役割を担っており、防湿性も求められる。
強化ガラスは、防湿性だけでなく、透明性、耐候性にも優れるものの、可塑性、耐衝撃性、取り扱い性等が低い。そのため、強化ガラスに代えて、樹脂シート、特に耐候性に優れたフッ素樹脂シートの適用が検討されるようになってきた。しかし樹脂シートは、強化ガラスに比べて防湿性が低い問題がある。
上記問題に対し、樹脂シートに、防湿層として無機酸化物の蒸着薄膜を設けることが提案されている。たとえば特許文献1では、フッ素樹脂シートと、無機酸化物の蒸着薄膜を有する樹脂シートとを積層した保護シートが提案されている。また、特許文献2では、フッ素樹脂シートの片面に無機酸化物の蒸着薄膜を設け、さらに、耐候性向上のために、防汚層および/または紫外線吸収剤層を設けた保護シートが提案されている。
しかし、前記防湿層は樹脂シートに対する密着性が悪く、該防湿層と接するように充填剤層を設けて太陽電池モジュールを構成した際に、防湿層が樹脂シートから剥離する問題がある。該剥離により樹脂シートと充填剤層との間に隙間が生じると、水分が入り込む等により、太陽電池モジュールの耐久性が低下してしまう。
上記問題に対し、樹脂シートと無機酸化物の蒸着薄膜との間に、密着性を向上させるための層(密着層)を設けることが提案されている。たとえば特許文献3では、フッ素系樹脂基材層と無機酸化物の蒸着薄膜層との間に、アクリルポリオールおよび/またはポリエステルポリオールおよびイソシアネート化合物の複合体の混合物を含むアンカーコート層を設けることが提案されている。また、特許文献4では、基材と無機酸化物からなる蒸着層との間に、オキサゾリン基を含有する樹脂と、ポリ(メタ)アクリル酸および/またはポリ(メタ)アクリル酸とコモノマーの共重合体からなるアクリル系樹脂とを所定の比率で反応させて得られる、アミドエステル部位を有する樹脂からなる蒸着用プライマー層を設けることが提案されている。
特開2000−138387号公報 特開2000−208795号公報 特開2009−158778号公報 特開2010−16286号公報
しかし、前記密着層を設けても、フッ素樹脂シートと前記防湿膜との間の密着性の長期安定性が低い問題がある。
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、耐候性、防湿性に優れ、層間の密着性およびその長期安定性にも優れた積層体およびその製造方法を提供する。
上記課題を解決する本発明は、以下の態様を有する。
[1]フッ素樹脂を含有する基材シートと、密着層と、無機酸化物、無機窒化物および無機酸化窒化物からなる群から選ばれる少なくとも1種の無機化合物を主成分とする防湿層と、がこの順に積層されており、
前記密着層が、クロムおよびクロム合金からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属からなることを特徴とする積層体。
[2]前記クロム合金が、スズ−クロム合金、チタン−クロム合金、ニッケル−クロム合金、ジルコニウム−クロム合金、ニオブ−クロム合金およびタンタル−クロム合金からなる群から選ばれる少なくとも1種である、上記[1]に記載の積層体。
[3]前記クロム合金中のクロムの割合が、20質量%以上である、上記[2]に記載の積層体。
[4]前記フッ素樹脂が、エチレン−テトラフルオロエチレン系共重合体である、上記[1]〜[3]のいずれかに記載の積層体。
[5]前記防湿層が、前記無機化合物として、Si化合物またはAl化合物を含む、上記[1]〜[4]のいずれかに記載の積層体。
[6]上記[1]〜[5]のいずれかに記載の積層体を用いることを特徴とする太陽電池モジュール用保護シート。
[7]上記[1]〜[5]のいずれかに記載の積層体を製造する方法であって、
フッ素樹脂を含有する基材シートの少なくとも片面に、乾式法により前記密着層を形成する工程と、
前記密着層上に、乾式法により前記防湿層を形成する工程と、を有することを特徴とする製造方法。
[8]前記密着層または前記防湿層の形成に用いる乾式法がスパッタリング法またはプラズマ化学蒸着法である、上記[7]に記載の製造方法。
本発明によれば、耐候性、防湿性に優れ、層間の密着性およびその長期安定性にも優れた積層体およびその製造方法を提供できる。
本発明の積層体は、フッ素樹脂を含有する基材シートと、密着層と、無機酸化物、無機窒化物および無機酸化窒化物からなる群から選ばれる少なくとも1種の無機化合物を主成分とする防湿層とがこの順に積層されたものである。
以下、本発明についてより詳細に説明する。
<基材シート>
基材シートを構成するフッ素樹脂としては、樹脂の分子構造式中にフッ素原子を含有する熱可塑性樹脂であれば特に限定されず、公知の各種の含フッ素樹脂が使用可能である。具体的には、テトラフルオロエチレン系樹脂、クロロトリフルオロエチレン系樹脂、フッ化ビニリデン系樹脂、フッ化ビニル系樹脂、これらの樹脂のいずれか2種以上の複合物等が挙げられる。これらの中でも、特に耐候性、防汚性等に優れる点から、テトラフルオロエチレン系樹脂またはクロロトリフルオロエチレン系樹脂が好ましく、テトラフルオロエチレン系樹脂が特に好ましい。
テトラフルオロエチレン系樹脂としては、具体的には、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン・ペルフルオロ(アルコキシエチレン)共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン・ペルフルオロ(アルコキシエチレン)共重合体(EPE)、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体(ETFE)、エチレン・トリクロロフルオロエチレン共重合体(ETCFE)等が挙げられる。
これらの樹脂は、それぞれ、必要に応じて、さらに、少量のコモノマー成分が共重合していてもよい。
前記コモノマー成分としては、各樹脂を構成する他のモノマー(たとえばETFEの場合はテトラフルオロエチレンおよびエチレン)と共重合可能なモノマーであればよく、例えば、下記の化合物が挙げられる。
CF=CFCl、CF=CH等の、含フッ素エチレン類;
CF=CFCF、CF=CHCF等の、含フッ素プロピレン類;
CH=CHC、CH=CHC、CH=CFC、CH=CF(CFH等の、炭素数2〜10のフルオロアルキル基を有する含フッ素アルキルエチレン類;
CF=CFO(CFCFXO)(式中、Rは炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基を示し、Xはフッ素原子またはトリフルオロメチル基を示し、mは1〜5の整数を示す。)等の、ペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)類;
CF=CFOCFCFCFCOOCHやCF=CFOCFCF(CF)OCFCFSOFなどの、カルボン酸基またはスルホン酸基に変換可能な基を有するビニルエーテル類;等が挙げられる。
テトラフルオロエチレン系樹脂としては、上記のなかでも、PFA、FEP、ETFEまたはETCFEが好ましく、特に、コスト、機械的強度、スパッタリング成膜性等の点からETFEが好ましい。
ETFEは、エチレン単位およびテトラフルオロエチレン単位を主体とする共重合体である。ここで「単位」とは重合体を構成する繰り返し単位を意味する。
ETFEを構成する全単位中、エチレン単位およびテトラフルオロエチレン単位の合計の含有量は、90モル%以上が好ましく、95モル%以上がより好ましく、100モル%であってもよい。
ETFE中のエチレン単位/テトラフルオロエチレン単位のモル比は、40/60〜70/30が好ましく、40/60〜60/40がより好ましい。
ETFEは、必要に応じて、少量のコモノマー成分単位を有していてもよい。該コモノマー成分単位におけるコモノマー成分としては前記と同様のものが挙げられる。
コモノマー成分単位を有する場合、ETFEを構成する全単位中のコモノマー成分単位の含有量は、0.3〜10モル%が好ましく、0.3〜5モル%がより好ましい。
クロロトリフルオロエチレン系樹脂としては、たとえば前記テトラフルオロエチレン系樹脂におけるテトラフルオロエチレンをクロロトリフルオロエチレンに置換したものが挙げられる。具体的には、たとえばクロロトリフルオロエチレンホモポリマー(CTFE)、エチレン・クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)等が挙げられる。
基材シートに含まれるフッ素樹脂は1種でも2種以上であってもよい。
基材シートは、フッ素樹脂のみからなるものであってもよく、フッ素樹脂と他の熱可塑性樹脂との混合樹脂からなるものであってもよい。ただし本発明の効果を考慮すると、基材シートはフッ素樹脂を主成分とすることが好ましい。基材シート中に占めるフッ素樹脂の割合は、基材シートの総質量に対し、50質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましい。
該他の熱可塑性樹脂としては、たとえばアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ナイロン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリカーボネート樹脂等が挙げられる。
また、顔料、紫外線吸収剤、カーボンブラック、カーボンファイバー、炭化珪素、ガラスファイバー、マイカなどの添加剤及び充填剤などを混合した樹脂も適用できる。
基材シートは、密着層を形成する面に、基材シートと密着層との密着性の向上のために、表面処理が施されていてもよい。表面処理としては、本発明の効果を損なわない範囲であれば特に限定されず、公知の表面処理方法のなかから適宜選択できる。具体的には、プラズマ処理、コロナ放電処理等が挙げられる。これらのうちプラズマ処理は、処理を基材シートの処理面全体に均質に行うことができること、基材シート表面への負荷が小さく、密着性の長期安定性への影響が小さいこと等から好ましい。
基材シートの形状および大きさは、目的に応じて適宜決定すればよく、特に限定されない。たとえば当該積層体を太陽電池モジュール用保護シートとして用いる場合、太陽電池モジュールの形状および大きさに応じて適宜決定すればよい。
基材シートの厚さは、強度の観点からは、10μm以上が好ましく、20μm以上がより好ましい。該厚さの上限は、目的に応じて適宜決定すればよく、特に限定されない。たとえば該積層体を、太陽電池モジュールのセルの太陽光が当たる側に配置する保護シートとして用いる場合は、高い光透過率による発電効率向上の観点からは薄いほど好ましく、具体的には、200μm以下が好ましく、60μm以下がより好ましい。
<密着層>
密着層はクロムおよびクロム合金からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属からなる。該密着層が基材シート上に形成されることにより、該密着層上に形成される防湿層と基材シートとの間の密着性を長期にわたって維持することができる。
クロム合金としては、スズ−クロム合金、チタン−クロム合金、ニッケル−クロム合金、ジルコニウム−クロム合金、ニオブ−クロム合金およびタンタル−クロム合金からなる群から選ばれる少なくとも1種のクロム合金が好ましく挙げられる。
クロム合金中のクロムの割合(質量%)は、基材シートとの密着性を考慮すると、20質量%以上が好ましく、30質量%以上がより好ましい。上限は特に限定されず、成膜速度を考慮して適宜選択できる。
密着層は、乾式法により形成されることが好ましい。乾式法により形成される膜(蒸着膜)は、湿式法により形成される膜に比べて膜厚が均一で、前記基材シートに対する密着性も高い。
乾式法としては、物理蒸着法(PVD法)、化学蒸着法(CVD法)等が挙げられる。
PVD法としては、たとえば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等が挙げられ、いずれの方法を用いてもよい。これらの中でも、特にスパッタリング法は、生産性に優れ、工業的に幅広く使われているとともに、非常に緻密で、前記基材シートとの密着性が高い膜が均一な膜厚で得られるため好ましい。スパッタリング法としては、直流スパッタリング法、高周波スパッタリング法、交流スパッタリング法のいずれでも使用できる。大面積の基体に、大きな成膜速度で、効率よく成膜できる等の生産性に優れる点で、直流スパッタリング法または交流スパッタリング法が好ましい。
CVD法としては、プラズマCVD法、熱CVD、触媒CVD等が挙げられ、いずれの方法を用いてもよい。これらの中でも、プラズマCVD法は、生産性に優れ、工業的に幅広く使われているとともに、非常に緻密で、前記基材シートとの密着性が高い膜が均一な膜厚で得られるため好ましい。
密着層の具体的な形成条件は使用する方法および材料に応じて適宜設定できる。
たとえばクロム膜は、クロムターゲットを用い、アルゴン等の不活性ガス雰囲気中でのスパッタリング法により成膜して得られる。
このときの具体的なスパッタリング条件は、装置の種類、ターゲット組成等の諸条件によって変動するので適宜選択すればよい。一般的には8×10−4Paまで真空排気後、アルゴンを容器内に導入し、スパッタリングガス圧0.1〜1.3Pa、電力密度0.5〜5W/cmで行うのが好ましい。
クロム合金膜は、クロムターゲットの代わりに、クロム合金ターゲットを用いる以外は上記と同様にして成膜できる。
密着層は、単一の層からなるものであってもよく、金属の種類が異なる複数の層からなるもの(たとえばクロム膜とクロム合金膜とからなる積層膜、それぞれ構成するクロム合金が異なる積層膜等)であってもよい。
密着層の膜厚(複数の層よりなる場合は合計の膜厚)は、基材シートとの密着性の確保の観点から、0.5nm以上が好ましい。また、基材シートの可撓性の維持および基材シートとの密着性の確保の観点から、50nm以下が好ましく、25nm以下が特に好ましい。
<防湿層>
防湿層は、無機酸化物、無機窒化物および無機酸化窒化物からなる群から選ばれる少なくとも1種の無機化合物を主成分とする。
ここで「主成分とする」とは、当該防湿層中の前記無機化合物の割合が95体積%以上であることを意味する。防湿層中の前記無機化合物の割合は、100体積%であることが好ましい。すなわち、防湿層は、該無機化合物からなるもの、あるいは前記無機化合物を含むものであることが好ましい。
前記無機酸化物としては、金属酸化物等が挙げられる。該金属酸化物における金属としては、アルミニウム、ケイ素、マグネシウム等が挙げられる。該酸化物としては、特に、酸化ケイ素(SiO、0<x≦2)、酸化アルミニウム(AlO、0<x≦1.5)が好ましい。
前記無機窒化物としては、窒化ケイ素(SiN、0<x≦1.3)、窒化アルミニウム(AlN、0<x≦1)等が挙げられる。
前記無機酸化窒化物としては、酸化窒化ケイ素(SiO、0<x<1、0<y<1)等が挙げられる。
無機化合物としては、透明性、水蒸気バリア性等に優れることから、ケイ素化合物またはアルミニウム化合物が好ましく、特に、ケイ素化合物としては、SiO(0<x≦2)、SiN(0<x≦1.3)およびSiO(0<x<1、0<y<1)からなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましく、またアルミニウム化合物としてはAlO(0<x≦1.5)が好ましい。
防湿層は、乾式法により形成してもよく、湿式法により形成してもよいが、乾式法が好ましい。乾式法により形成される膜(蒸着膜)は、湿式法により形成される膜に比べて膜厚が均一で、前記密着層に対する密着性も高い。
乾式法としては、物理蒸着法(PVD法)、化学蒸着法(CVD法)等が挙げられる。
PVD法としては、たとえば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等が挙げられ、いずれの方法を用いてもよい。これらの中でも、特にスパッタリング法は、生産性に優れ、工業的に幅広く使われているとともに、非常に緻密で、前記密着層との密着性が高い膜が均一な膜厚で得られるため好ましい。スパッタリング法としては、直流スパッタリング法、高周波スパッタリング法、交流スパッタリング法のいずれでも使用できる。大面積の基体に、大きな成膜速度で、効率よく成膜できる等の生産性に優れる点で、直流スパッタリング法または交流スパッタリング法が好ましい。
CVD法としては、プラズマCVD法、熱CVD法、触媒CVD法等が挙げられ、いずれの方法を用いてもよい。これらの中でも、プラズマCVD法は、生産性に優れ、工業的に幅広く使われているとともに、非常に緻密で、前記基材シートとの密着性が高い膜が均一な膜厚で得られるため好ましい。
防湿層の具体的な形成条件は使用する方法および材料に応じて適宜設定できる。
たとえば酸化アルミニウム膜は、アルミニウムターゲットを用い、酸素含有雰囲気中でのスパッタリング法により成膜して得られる。この際、間欠的な負の直流電圧をターゲットに印加する方法により、成膜時のアーキング(arcing)発生を効果的に抑制し、投入電力を増大させ、さらに大きな成膜速度を長時間維持することが可能である。このときの具体的なスパッタリング条件は、装置の種類、ターゲット組成等の諸条件によって変動するので適宜選択すればよい。一般的には8×10−4Paまで真空排気後、アルゴンと酸素を0:100〜90:10の流量比で容器内に導入し、スパッタリングガス圧0.1〜1.3Pa、電力密度0.5〜5W/cmで行うのが好ましい。
防湿層は、単一の層からなるものであってもよく、材質が異なる複数の層からなるものであってもよい。後者の場合、たとえば、主成分とする無機化合物が異なる複数の層からなるものが挙げられる。
防湿層の膜厚(複数の層よりなる場合は合計の膜厚)は、防湿性の観点から、10nm以上が好ましい。また、基材シートの可撓性の維持および基材シートとの密着性の確保の観点から、100nm以下が好ましく、50nm以下がより好ましい。
本発明の積層体は、上記構成を有することにより、耐候性、防湿性に優れ、各層間の密着性およびその長期安定性にも優れる。すなわち、密着層が特定の金属酸化物を主成分として含有することにより、密着層と防湿層との間、および密着層と基材シートとの間の密着性が高い。そのため積層体全体としての密着性およびその長期安定性が高い。
そのため、本発明の積層体は、太陽電池モジュール用保護シートとして有用である。
たとえば積層体全体としての密着性およびその長期安定性が高いため、該積層体を、防湿層側の面がEVA等の充填剤層側になるよう配置した太陽電池モジュールは、基材シートと充填剤層との間の密着強度の低下が生じにくい。
また、含フッ素樹脂を含有する基材シートは、耐候性、耐熱性、および耐薬品性に優れるほか、防汚性にも優れる。そのため、該積層体を、太陽電池モジュールの最外層が該基材シートとなるように配置した際に、該太陽電池モジュール表面にほこりやゴミが付着しにくいため、長期にわたって汚れによる性能の低下を防止できる。
以下に、上記実施形態の具体例を実施例として説明する。なお、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
以下の各例において用いた測定方法および評価方法は下記のとおりである。
[各層の膜厚]
膜厚を分光エリプソメトリー装置(製品名「M−2000DI」、J.A.WOOLLAM JAPAN社製)を用いて測定し、WVASE32(J.A.WOOLLAM社製)により光学フィッティング(fitting)を行うことにより算出した。
[密着性の評価(密着強度の測定)]
実施例、および比較例で得た積層体を10cm×10cmの大きさに裁断したものと、同サイズに裁断したEVAフィルム(ブリヂストン社製W25CL)とを、ETFEフィルム/密着層/防湿層/EVAフィルムの順(ただし比較例1はETFEフィルム/防湿層/EVAフィルムの順、比較例2はETFEフィルム/密着層/EVAフィルムの順)となるように配置し、プレス機(旭硝子社製)にて圧力10kgf/cm、面積120cm、温度150℃、時間10分の条件で熱圧着し試験片を得た。
次に、各試験片を1cm×10cmの大きさに裁断し、オリエンテック社製テンシロン万能試験機RTC−1310Aを使用して、JIS K6854−2に準拠して、引張り速度50mm/分で、180°ピーリング(Peeling)試験による密着強度(剥離接着強さ、単位:N/cm)を測定した。
密着強度の測定は、下記耐候性試験の前(初期)および後に実施した。ただし、初期の密着強度が5N/cm未満であったものについては耐候性試験を行わなかった。
耐候性試験:JIS−B7753に準拠し、サンシャインカーボンアーク灯式耐候性試験機(スガ試験機社製 サンシャインウェザーメーターS300)を用いて100時間(h)および400h行った。ただし、100h後の密着強度が5N/cm未満であったものについては400hの耐候性試験を行わなかった。
[防湿性の評価(透湿度の測定)]
実施例、および比較例で得た積層体の透湿度(Water Vapor Transmission Rate:WVTR)を、JIS Z0208に従ってカップ法により測定した。ただし、比較例1で得た積層体以外で、初期または耐候性試験100h後の密着強度が5N/cm未満であったものについては防湿性の評価を行わなかった。
「透湿度」とは、一定時間に単位面積の膜状物質を通過する水蒸気の量をいい、JIS Z0208では、温度25℃または40℃において防湿包装材料を境界面とし、一方の側の空気を相対湿度90%、他の側の空気を吸湿剤によって乾燥状態に保ったとき、24時間にこの境界面を通過する水蒸気の質量(g)を、その材料1m当たりに換算した値(単位:g/m/day)をその材料の透湿度と定めている。本実施例では、温度40℃における透湿度を測定した。
[総合評価]
前記密着性および防湿性の評価結果から、下記判定基準で密着性および防湿性の総合評価を行った。
(判定基準)
○:初期の密着強度が5N/cm以上であり、耐候性試験400h後の密着強度が5N/cm以上であり、かつ透湿度が0.1g/m/day以下である。
×:(1)初期の密着強度が5N/cm未満、(2)透湿度が0.2g/m/day以上、のうちの少なくとも1つの条件を満たしている。
[実施例1]
100μm厚のETFEフィルム(商品名アフレックス、旭硝子社製)をスパッタ装置(トッキ社製)内に設置し、6.7×10−4Pa程度まで真空引きした後に、Arガスを50sccmチャンバー内に導入し、0.3Paにした。続いて、200Wのパワーで直流電圧を印加することによりプラズマを発生させた。クロムをターゲットとし、シャッターを開閉し成膜時間を制御することによりETFEフィルム上にクロム薄膜を5nm成膜した。続いてアルミニウムをターゲットとし、Arガスを50sccm、およびOガスを3sccmチャンバー内に導入し、DC電圧320Vにて放電させた。シャッターを開閉し成膜時間を制御することで酸化アルミニウム薄膜を20nm成膜し、ETFEフィルム/クロム(密着層)/酸化アルミニウム(防湿層)からなる積層体を作製した。
該積層体について、密着性の評価、防湿性の評価および総合評価を行った。その結果を表1に示す。
[実施例2]
前記実施例1において、クロムの代わりにスズ−クロム合金(Sn:Cr=70質量%:30質量%、以下、Sn−30Crと記載する。)をターゲットとして使用して、Sn−30Cr薄膜を5nm成膜した以外は前記実施例1と同様にして、ETFEフィルム/Sn−30Cr(密着層)/酸化アルミニウム(防湿層)からなる積層体を作製した。
該積層体について、密着性の評価、防湿性の評価および総合評価を行った。その結果を表1に示す。
[比較例1]
100μm厚のETFEフィルム(商品名アフレックス、旭硝子社製)をスパッタ装置(トッキ社製)内に設置し、6.7×10−4Pa程度まで真空引きした後に、アルミニウムをターゲットとし、Arガスを50sccm、およびOガスを3sccmチャンバー内に導入し、DC電圧320Vにて放電させた。シャッターを開閉し成膜時間を制御することで酸化アルミニウム薄膜を20nm成膜し、ETFEフィルム/酸化アルミニウム(防湿層)からなる積層体を作製した。
該積層体について、密着性の評価、防湿性の評価および総合評価を行った。その結果を表1に示す。
比較例1の積層体は、初期の密着強度が0.1N/cmと弱かったため、耐候性試験は行わなかった。
また、初期の密着強度の測定後、剥離界面を蛍光X線回折により評価したところ、ETFEフィルムと酸化アルミニウム薄膜との界面で剥離していた。
[比較例2]
100μm厚のETFEフィルム(商品名アフレックス、旭硝子社製)をスパッタ装置(トッキ社製)内に設置し、6.7×10−4Pa程度まで真空引きした後に、Arガスを50sccmチャンバー内に導入し、0.3Paにした。続いて、200Wのパワーで直流電圧を印加することによりプラズマを発生させた。クロムをターゲットとし、シャッターを開閉し成膜時間を制御することによりETFEフィルム上にクロム薄膜を5nm成膜し、ETFEフィルム/クロム(密着層)からなる積層体を作製した。
該積層体について、密着性の評価、防湿性の評価および総合評価を行った。その結果を表1に示す。
[比較例3]
前記実施例1において、クロムの代わりにアルミニウムを使用して、アルミニウム薄膜を5nm成膜した以外は前記実施例1と同様にして、ETFEフィルム/アルミニウム(密着層)/酸化アルミニウム(防湿層)からなる積層体を作製した。
該積層体について、密着性の評価および総合評価を行った。その結果を表1に示す。
比較例3の積層体は、初期の密着強度が0.1N/cmと弱かったため、耐候性試験および防湿性の評価は行わなかった。
[比較例4]
前記実施例1において、クロムの代わりにステンレス鋼(SUS304)を使用して、SUS薄膜を5nm成膜した以外は前記実施例1と同様にして、ETFEフィルム/SUS(密着層)/酸化アルミニウム(防湿層)からなる積層体を作製した。
該積層体について、密着性の評価および総合評価を行った。その結果を表1に示す。
[比較例5]
前記実施例1において、クロムの代わりにニッケル−銅合金(Ni:Cu=65質量%:35質量%、以下、Ni−35Cuと記載する。)を使用して、Ni−35Cu薄膜を5nm成膜した以外は前記実施例1と同様にして、ETFEフィルム/Ni−35Cu(密着層)/酸化アルミニウム(防湿層)からなる積層体を作製した。
該積層体について、密着性の評価および総合評価を行った。その結果を表1に示す。
[比較例6]
前記実施例1において、クロムの代わりにニッケル−モリブデン合金(Ni:Mo=70質量%:30質量%、以下、Ni−30Moと記載する。)を使用して、Ni−30Mo薄膜を5nm成膜した以外は前記実施例1と同様にして、ETFEフィルム/Ni−30Mo(密着層)/酸化アルミニウム(防湿層)からなる積層体を作製した。
該積層体について、密着性の評価および総合評価を行った。その結果を表1に示す。
[比較例7]
前記実施例1において、クロムの代わりにジルコニウムを使用して、ジルコニウム薄膜を5nm成膜した以外は前記実施例1と同様にして、ETFEフィルム/ジルコニウム(密着層)/酸化アルミニウム(防湿層)からなる積層体を作製した。
該積層体について、密着性の評価および総合評価を行った。その結果を表1に示す。
比較例7の積層体は、初期の密着強度が0.1N/cmと弱かったため、耐候性試験は行わなかった。
[比較例8]
前記実施例1において、クロムの代わりにニオブを使用して、ニオブ薄膜を5nm成膜した以外は前記実施例1と同様にして、ETFEフィルム/ニオブ(密着層)/酸化アルミニウム(防湿層)からなる積層体を作製した。
該積層体について、密着性の評価および総合評価を行った。その結果を表1に示す。
比較例8の積層体は、初期の密着強度が0.1N/cmと弱かったため、耐候性試験および防湿性の評価は行わなかった。
[比較例9]
前記実施例1において、クロムの代わりにハフニウムを使用して、ハフニウム薄膜を5nm成膜した以外は前記実施例1と同様にして、ETFEフィルム/ハフニウム(密着層)/酸化アルミニウム(防湿層)からなる積層体を作製した。
該積層体について、密着性の評価および総合評価を行った。その結果を表1に示す。
比較例9の積層体は、初期の密着強度が0.1N/cmと弱かったため、耐候性試験はおよび防湿性の評価行わなかった。
[比較例10]
前記実施例1において、クロムの代わりにタンタルを使用して、タンタル薄膜を5nm成膜した以外は前記実施例1と同様にして、ETFEフィルム/タンタル(密着層)/酸化アルミニウム(防湿層)からなる積層体を作製した。
該積層体について、密着性の評価および総合評価を行った。その結果を表1に示す。
[比較例11]
前記実施例1において、クロムの代わりにモリブデンを使用して、モリブデン薄膜を5nm成膜した以外は前記実施例1と同様にして、ETFEフィルム/モリブデン(密着層)/酸化アルミニウム(防湿層)からなる積層体を作製した。
該積層体について、密着性の評価および総合評価を行った。その結果を表1に示す。
[比較例12]
前記実施例1において、クロムの代わりにタングステン−チタン合金(W:Ti=90質量%:10質量%、以下、W−10Tiと記載する。)を使用して、W−10Ti薄膜を5nm成膜した以外は前記実施例1と同様にして、ETFEフィルム/W−10Ti(密着層)/酸化アルミニウム(防湿層)からなる積層体を作製した。
該積層体について、密着性の評価および総合評価を行った。その結果を表1に示す。
[実施例3]
100μm厚のETFEフィルム(商品名アフレックス、旭硝子社製)をスパッタ装置(トッキ社製)内に設置し、6.7×10−4Pa(5×10−6torr)程度まで真空引きした後に、Arガスを50sccm導入し、可変ベルブによりスパッタ装置内を2.6Paに制御した。基板にRF(高周波)を60W印加しプラズマを発生させ、60秒間の表面処理を行った。続いて、Arガスを50sccmチャンバー内に導入し、0.3Paにした。続いて、200Wのパワーで直流電圧を印加することによりプラズマを発生させた。クロムをターゲットとし、シャッターを開閉し成膜時間を制御することによりETFEフィルム上にクロム薄膜を5nm成膜した。続いてアルミニウムをターゲットとし、Arガスを50sccm、およびOガスを3sccmチャンバー内に導入し、DC電圧320Vにて放電させた。シャッターを開閉し成膜時間を制御することで酸化アルミニウム薄膜を20nm成膜し、ETFEフィルム/クロム(密着層)/酸化アルミニウム(防湿層)からなる積層体を作製した。
該積層体について、密着性の評価、防湿性の評価および総合評価を行った。その結果を表1に示す。
[実施例4]
前記実施例3において、クロムの代わりにSn−30Crをターゲットとして使用して、Sn−30Cr薄膜を5nm成膜した以外は前記実施例3と同様にして、ETFEフィルム/Sn−30Cr(密着層)/酸化アルミニウム(防湿層)からなる積層体を作製した。
該積層体について、密着性の評価、防湿性の評価および総合評価を行った。その結果を表1に示す。
Figure 2011118383
上記結果に示すとおり、実施例1〜2の積層体は、密着層を設けなかった比較例1の積層体に比べて、初期の密着強度が大きく向上し、耐候性試験後もある程度の密着強度が維持されていた。また、透湿度も低く、防湿性に優れていた。ETFEフィルムに表面処理を施した以外はそれぞれ実施例1〜2と同じ構成の実施例3〜4の積層体も、ほぼ同等の結果が得られた。
一方、密着層を設けなかった比較例1は初期の時点で密着性が低く、防湿層(酸化アルミニウム薄膜)を設けなかった比較例2の積層体は耐湿性が悪かった。密着層にアルミニウム、Ni−35Cu、ジルコニウム、ニオブ、またはハフニウムをそれぞれ用いた比較例3、5、および7〜9は、いずれも初期の密着強度が比較例1と同じであり、密着性が悪かった。密着層にSUS、Ni−30Mo、タンタル、モリブデン、またはW−10Tiをそれぞれ用いた比較例4、6、および10〜12は、いずれも初期の密着強度は良好であるものの、耐候性試験100h後の密着強度がいずれも3N/cm以下となっており、密着性の長期安定性が悪かった。
本発明の積層体は、耐候性、防湿性に優れ、層間の密着性およびその長期安定性にも優れており、太陽電池モジュール用保護シートとして有用である。
なお、2010年3月26日に出願された日本特許出願2010−072235号の明細書、特許請求の範囲、及び要約書の全内容をここに引用し、本発明の明細書の開示として、取り入れるものである。

Claims (8)

  1. フッ素樹脂を含有する基材シートと、密着層と、無機酸化物、無機窒化物および無機酸化窒化物からなる群から選ばれる少なくとも1種の無機化合物を主成分とする防湿層と、がこの順に積層されており、
    前記密着層が、クロムおよびクロム合金からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属からなることを特徴とする積層体。
  2. 前記クロム合金が、スズ−クロム合金、チタン−クロム合金、ニッケル−クロム合金、ジルコニウム−クロム合金、ニオブ−クロム合金およびタンタル−クロム合金からなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項1に記載の積層体。
  3. 前記クロム合金中のクロムの割合が、20質量%以上である、請求項2に記載の積層体。
  4. 前記フッ素樹脂が、エチレン−テトラフルオロエチレン系共重合体である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の積層体。
  5. 前記防湿層が、前記無機化合物として、Si化合物またはAl化合物を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の積層体。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の積層体を用いることを特徴とする太陽電池モジュール用保護シート。
  7. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の積層体を製造する方法であって、
    フッ素樹脂を含有する基材シートの少なくとも片面に、乾式法により前記密着層を形成する工程と、
    前記密着層上に、乾式法により前記防湿層を形成する工程と、を有することを特徴とする製造方法。
  8. 前記密着層または前記防湿層の形成に用いる乾式法が、スパッタリング法またはプラズマ化学蒸着法である、請求項7に記載の製造方法。
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