JPWO2011087025A1 - 無線送信装置、無線受信装置、無線送信方法及び無線受信方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】AV機器間で映像・音声データを無線伝送しAVコンテンツを相互利用する無線送信装置、無線受信装置及びその方法を提供する。【解決手段】送信装置200は、送信側機器100のHDMI映像音声多重信号から圧縮映像音声多重信号を生成し、圧縮映像音声多重信号からHDMI映像音声多重信号を生成し受信側機器500へ出力する受信装置400へ出力する。送信側機器100からのHDMI映像音声多重信号を映像、音声信号に分離する手段220、分離された映像信号を2m秒以下の遅延時間で圧縮し圧縮映像信号を生成するビデオコーデックチップ230、分離された音声信号と圧縮映像信号をDMA機能291でOS280のメモリエリア281に書込みネットワークスタック292に転送するゼロコピー処理を行い、これらの信号を多重化し圧縮映像音声多重信号を生成するネットワーク制御チップ240、この信号を受信装置400に伝送する送信チップ260を備える。

Description

本発明は無線送信装置、無線受信装置、無線送信方法及び無線受信方法に係り、特にAV機器間で映像・音声データを無線伝送することによりAVコンテンツを相互利用する無線送信装置、無線受信装置、無線送信方法及び無線受信方法に関する。
近年、テレビ、パーソナルコンピュータ、テレビ用チューナ、DVDプレーヤ、テレビゲーム機等、家庭内で使用されるAV機器の種類が増え、デジタルAV機器同士やパーソナルコンピュータを相互に通信接続し、動画像、静止画像、音楽などの各種のAVコンテンツを相互利用するホームネットワーク環境を実現しようとする動きが高まっている。
このようなAVコンテンツに関するホームネットワークは、例えば、特許文献1に記載されたシステムを利用することにより実現される(特許文献1参照)。
特許文献1のAVシステムは、送信装置と受信装置が無線伝送路で接続されている。
ユーザが映像信号の送信操作を行うと、送信装置の再生部からはユーザが選択した映像コンテンツの非圧縮映像信号が出力される。この非圧縮映像信号のフォーマット(解像度等)は、信号変換部により、受信装置で表示可能なフォーマットに変換されている。再生部から出力される映像信号はそのまま、あるいは、データ圧縮部でデータ圧縮処理された後にスイッチ部を通じてワイヤレス送受信部に供給される。
このとき、BR1≦BR2(BR1:再生部から出力される非圧縮映像信号のビットレート、BR2:無線伝送路の伝送ビットレート)であれば、再生部から出力される非圧縮映像信号が送信すべき映像信号として、そのままワイヤレス送受信部に供給される。
一方、BR1≦BR2でないときは、再生部から出力される非圧縮映像信号に対してデータ圧縮部でデータ圧縮処理が施され、出力される圧縮映像信号が、送信すべき映像信号としてワイヤレス送受信部に供給される。
ワイヤレス送受信部では、スイッチ部から供給される映像信号又は圧縮映像信号が、所定の通信により、無線伝送路を介して、受信装置に送信される。この場合、送信される映像信号のビットレートは、無線伝送路の伝送ビットレート内に抑えられているため、送信装置は、無線伝送路の伝送ビットレート内で、所望のビットレートの映像信号を、受信装置に良好に送信できる。
特開2009−213110号公報(段落0258、0291〜0296)
しかし、特許文献1に記載されたAVシステムでは、無線伝送路の伝送ビットレートに合わせて送信データを非圧縮のまま、又は圧縮して送信するものの、基本的には非圧縮データの伝送が前提となっている。従って、このような基本的に非圧縮データの伝送を前提とする仕組みでは、例えば、ブルーレイディスクの再生画面に情報をオーバーレイ表示した映像の伝送や、テレビゲーム機のようにグラフィックスとビデオ画像を組合わせた映像の伝送をする場合など、必要な伝送ビットレートが元々大きい映像信号の伝送に対応しきれないという問題があった。
更に、圧縮映像信号を無線伝送する場合には、圧縮処理による遅延が発生するという問題があり、単に特許文献1に記載されたAVシステムで、送信するすべての映像信号を圧縮して伝送すると、圧縮処理による遅延のため、受信装置側での再生映像・音声の質が極端に低下する。特に、圧縮処理による遅延は、伝送する映像信号の解像度、フレームレート等の増加や、伝送ビットレートの制御処理によってより大きくなり、高精細画像を含む信号を送信する際の不具合が深刻である。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、AV機器間で映像・音声データを無線伝送することによりAVコンテンツを相互利用するための無線送信装置、無線受信装置、無線送信方法及び無線受信方法において、高精細画像を含む映像・音声データを、低遅延で伝送する無線送信装置、無線受信装置、無線送信方法及び無線受信方法を提供することにある。
前記課題は、請求項1に係る無線送信装置によれば、送信側映像音声機器のHDMI映像音声多重信号から、圧縮映像音声多重信号を生成し、該圧縮映像多重音声信号から前記HDMI映像音声多重信号を生成して再生のために受信側映像音声機器へ出力する無線受信装置へ、無線伝送路を介して出力する無線送信装置であって、前記送信側映像音声機器から供給された前記HDMI映像音声多重信号を、映像信号と音声信号に分離する多重信号分離手段と、分離された前記映像信号を、2m秒以下の処理遅延時間により圧縮して圧縮映像信号を生成するビデオコーデックチップと、分離された前記音声信号と前記圧縮映像信号を、DMA(Direct Memory Access)機能によりオペレーティングシステムのシステムメモリエリアに書き込んだ後、ネットワークスタックに転送するゼロコピー処理を行い、前記圧縮映像信号と前記分離された音声信号を非同期で多重化して前記圧縮映像音声多重信号を生成するネットワーク制御チップと、前記圧縮映像音声多重信号を、前記無線伝送路を介して前記無線受信装置に伝送する送信チップと、を備えること、により解決される。
前記課題は、請求項7に係る無線送信方法によれば、送信側映像音声機器のHDMI映像音声多重信号から、圧縮映像音声多重信号を生成し、該圧縮映像音声多重信号から前記HDMI映像音声多重信号を生成して再生のために受信側映像音声機器に出力する無線受信装置へ、無線伝送路を介して出力する無線送信方法であって、前記送信側映像音声機器から供給された前記HDMI映像音声多重信号を、映像信号と音声信号に分離する多重信号分離手順と、ビデオコーデックチップが、分離された前記映像信号を、2m秒以下の処理遅延時間により圧縮して圧縮映像信号を生成する手順と、ネットワーク制御チップが、分離された前記音声信号と前記圧縮映像信号を、DMA(Direct Memory Access)機能によりオペレーティングシステムのシステムメモリエリアに書き込んだ後、ネットワークスタックに転送するゼロコピー処理を行い、前記圧縮映像信号と前記音声信号を非同期で多重化して前記圧縮映像音声多重信号を生成する手順と、送信チップが、前記圧縮映像音声多重信号を、前記無線伝送路を介して前記無線受信装置に伝送する手順と、を備えること、により解決される。
このように、ビデオコーデックチップと、ネットワーク制御チップとを備えることにより、映像信号の圧縮処理による処理遅延時間をビデオコーデックチップで低減させ、圧縮映像音声多重信号の送信処理による処理遅延時間をネットワーク制御チップで低減させることができるため、送信側音声機器から供給される映像・音声データが、伝送ビットレートの大きな高精細画像を含む場合であっても、再生映像・音声の質に影響がない程度の低遅延により、受信側映像音声機器で再生することが可能となる。
また、本発明の無線送信装置及びその方法が、ビデオコーデックチップと、ネットワーク制御チップ、送信チップという3つのチップにより達成されるため、一つの基板上にこれら3つのチップの機能を搭載する場合よりも、安価で構成することができる。
また、前記送信側映像音声機器のデータ伝送用ポートに着脱可能に外付けされ、又は前記送信側映像音声機器に内蔵されるように構成してもよい。
このように構成することにより、無線送信装置が送信側映像音声機器に内蔵されている場合には、無線送信装置を着脱する手間がなく、便利に無線送信装置を使用可能である一方、無線送信装置が内蔵されていない送信側映像音声機器であっても、無線送信装置を外付けで装着することができるため、あらゆる映像音声機器に用いることが可能となる。
さらに、前記送信チップは、前記圧縮映像音声多重信号の送信中一定時間毎に、送信される前記圧縮映像音声多重信号に必要なビットレートが、前記無線伝送路の伝送ビットレートより大きいか否かを判定し、大きい場合には、前記ビデオコーデックチップに対して、前記圧縮映像信号の圧縮率を上げる指令を出す手段を備えていてもよい。
このように構成しているので、実際の伝送路の状態に応じた最適な伝送状態が実現され、無線受信装置に、品質のよい信号を送信可能となる。
また、前記ネットワーク制御チップは、アプリケーションプログラム、オペレーティングシステム、DMAコントローラ、及びネットワークスタックを備え、前記アプリケーションプログラムからのシステムコールにより、前記DMAコントローラが、前記オペレーティングシステムのメモリエリア内のバッファ情報記述子に対応するメモリページに、前記圧縮映像信号を書き込み、該書き込んだ前記圧縮映像信号を、前記バッファ情報記述子の識別情報順に読み出し、読み出した前記圧縮映像信号と前記音声信号とを、非同期のまま多重化して前記圧縮映像音声多重信号を生成し、該圧縮映像音声多重信号を、前記ネットワークスタックに転送し、該ネットワークスタックに転送された前記圧縮映像音声多重信号を、前記送信チップに供給する手段を備えていてもよい。
このように構成されているので、圧縮映像音声多重信号の送信処理において、ネットワーク制御チップのホストプロセッサによるメモリコピーをなくし、DMA機能により送信用のデータをオペレーティングシステムのメモリエリア内に書き込むため、圧縮映像音声多重信号の送信処理における処理遅延時間を低減させることが可能となる。
前記課題は、請求項5に係る無線受信装置によれば、送信側映像音声機器のHDMI映像音声多重信号から生成された圧縮映像音声多重信号を、無線送信装置から無線伝送路を介して受信し、前記圧縮映像音声多重信号から前記HDMI映像音声多重信号を生成して、再生のために受信側映像音声機器へ出力する無線受信装置であって、前記圧縮映像音声多重信号を、前記無線伝送路を介して前記無線送信装置から受信する受信チップと、前記圧縮映像音声多重信号を、DMA(Direct Memory Access)機能により、ネットワークスタックからオペレーティングシステムのシステムメモリエリアに書き込むゼロコピー処理を行い、前記圧縮映像音声多重信号を、圧縮映像信号と音声信号に分離するネットワーク制御チップと、分離された前記圧縮映像信号を、2m秒以下の処理遅延時間により伸長して映像信号を生成するビデオコーデックチップと、分離された前記音声信号と伸長された前記映像信号とを、同期させて多重化し、前記HDMI映像音声多重信号を生成して、前記送信側映像音声機器に送信する信号多重化手段と、を備えること、により解決される。
前記課題は、請求項8に係る無線受信方法によれば、送信側映像音声機器のHDMI映像音声多重信号から生成された圧縮映像音声多重信号を、無線送信装置から無線伝送路を介して受信し、前記圧縮映像音声多重信号から前記HDMI映像音声多重信号を生成して、再生のために受信側映像音声機器へ出力する無線受信方法であって、受信チップが、前記圧縮映像音声多重信号を、前記無線伝送路を介して前記無線送信装置から受信する手順と、ネットワーク制御チップが、前記圧縮映像音声多重信号を、DMA(Direct Memory Access)機能により、ネットワークスタックからオペレーティングシステムのシステムメモリエリアに書き込むゼロコピー処理を行い、前記圧縮映像音声多重信号を、圧縮映像信号と音声信号に分離する手順と、ビデオコーデックチップが、分離された前記圧縮映像信号を、2m秒以下の処理遅延時間により伸長して映像信号を生成する手順と、分離された前記音声信号と伸長された前記映像信号とを、同期させて多重化し、前記HDMI映像音声多重信号を生成して、前記送信側映像音声機器に送信する信号多重化手順と、を備えること、により解決される。
このように、ビデオコーデックチップと、ネットワーク制御チップとを備えることにより、圧縮映像信号の伸長処理による処理遅延時間をビデオコーデックチップで低減させ、圧縮映像音声多重信号の受信処理による処理遅延時間をネットワーク制御チップで低減させることができるため、送信側音声機器から供給される映像・音声データが、伝送ビットレートの大きな高精細画像を含む場合であっても、再生映像・音声の質に影響がない程度の低遅延により、受信側映像音声機器で再生することが可能となる。
また、本発明の無線受信装置及びその方法が、ビデオコーデックチップと、ネットワーク制御チップ、送信チップという3つのチップにより達成されるため、一つの基板上にこれら3つのチップの機能を搭載する場合よりも、安価で構成することができる。
また、前記受信側映像音声機器のデータ伝送用ポートに着脱可能に外付けされ、又は前記受信側映像音声機器に内蔵されるように構成してもよい。
このように構成することにより、無線受信装置が受信側映像音声機器に内蔵されている場合には、無線受信装置を着脱する手間がなく、便利に無線受信装置を使用可能である一方、無線受信装置が内蔵されていない受信側映像音声機器であっても、無線受信装置を外付けで装着することができるため、あらゆる映像音声機器に用いることが可能となる。
本発明の無線送信装置及びその方法によれば、ビデオコーデックチップと、ネットワーク制御チップとを備えることにより、映像信号の圧縮処理による処理遅延時間をビデオコーデックチップで低減させ、圧縮映像音声多重信号の送信処理による処理遅延時間をネットワーク制御チップで低減させることができるため、送信側音声機器から供給される映像・音声データが、伝送ビットレートの大きな高精細画像を含む場合であっても、再生映像・音声の質に影響がない程度の低遅延により、受信側映像音声機器で再生することが可能となる。
また、本発明の無線送信装置及びその方法が、ビデオコーデックチップと、ネットワーク制御チップ、送信チップという3つのチップにより達成されるため、一つの基板上にこれら3つのチップの機能を搭載する場合よりも、安価で構成することができる。
また、本発明の無線受信装置及びその方法によれば、ビデオコーデックチップと、ネットワーク制御チップとを備えることにより、圧縮映像信号の伸長処理による処理遅延時間をビデオコーデックチップで低減させ、圧縮映像音声多重信号の受信処理による処理遅延時間をネットワーク制御チップで低減させることができるため、送信側音声機器から供給される映像・音声データが、伝送ビットレートの大きな高精細画像を含む場合であっても、再生映像・音声の質に影響がない程度の低遅延により、受信側映像音声機器で再生することが可能となる。
また、本発明の無線受信装置及びその方法が、ビデオコーデックチップと、ネットワーク制御チップ、送信チップという3つのチップにより達成されるため、一つの基板上にこれら3つのチップの機能を搭載する場合よりも、安価で構成することができる。
本発明の実施形態に係る送信装置、受信装置を含む伝送システムSの全体概念図である。 本発明の実施形態に係る送信装置、受信装置を含む伝送システムSの構成図である。 本発明の実施形態に係る送信装置のハード構成図である。 本発明の実施形態に係る送信装置のネットワーク制御部の主要な機能構成を示すブロック図である。 IOCTLのデータ構造を示す図である。 本発明の実施形態において送信装置から受信装置に送信されるWHDMIコミュニケーションプロトコルパケットに付されるヘッダを示す図である。 本発明の実施形態に係る受信装置のハード構成図である。 送信装置から受信装置に無線伝送路を介して映像・音声信号を送信する処理の制御シーケンス図である。 送信装置が映像・音声信号を送信する処理の詳細フローチャートである。 送信装置が映像・音声信号を送信する処理の詳細フローチャートである。 送信装置が映像・音声信号を送信する処理の詳細フローチャートである。 送信装置から無線伝送路を介して映像・音声信号を送信中に、無線伝送路の伝送ビットレートに応じて送信データの圧縮率を調整する処理のフローチャートである。
S 伝送システム
100 送信側機器
101、501 ケーブル
111 パーソナルコンピュータ(PC)
112 テレビゲーム機
113 セットトップボックス
114 DVDプレーヤ
200 送信装置
210 HDMIシンクコネクタ
211 EDID ROM
220 HDMIレシーバ
230、430 ビデオコーデック
240、440 ネットワーク制御部
241 インターフェース
242 I/Oコントローラシグナルルータ
243 音声インプット
244 CPUコア
245 A/V多重化装置
246 メモリコントローラ
250、450 メモリ
260 送信部
270 アプリケーション(アプリケーションプログラム)
280 OS(オペレーティングシステム)
281 システムメモリエリア
282a、282b、282c メモリエリア
283 ネットワーク転送専用循環リンクリスト
283a バッファ情報記述子
284 メモリページ
291 DMA(Direct Memory Access)コントローラ
292 ネットワークスタック
300 無線伝送路
301 アクセスポイント
400 受信装置
410 HDMIトランスミッタコネクタ
420 HDMIトランスミッタ
460 受信部
500 受信側機器
511 高精細テレビ
以下、本発明の実施形態について、図を参照して説明する。なお、以下に説明する部材、配置等は、本発明を限定するものではなく、本発明の趣旨に沿って各種改変することができることは勿論である。
本実施形態の送信装置200、受信装置400を含む伝送システムSは、住居、オフィス等の、壁によって隔てられた複数の部屋を備えた空間内に構築されるものであって、パーソナルコンピュータ111、テレビゲーム機112、DVDプレーヤ114等の送信側機器100から、高精細テレビ(High Definition Television)511等のディスプレイである受信側機器500へ、送信側機器100及び受信側機器500にそれぞれ接続された送信装置200、受信装置400を介して、高精細(High Definition)映像音声データを無線送信するシステムである。
図1は、伝送システムSの全体概念図、図2は、伝送システムSの構成図である。本実施形態の伝送システムSは、公知のパーソナルコンピュータ(以下「PC」という)111、テレビゲーム機112、TV用のセットトップボックス113、DVDプレーヤ114等の送信側機器100と、送信側機器100に組み込まれる送信装置200と、公知の高精細テレビ511等のディスプレイである受信側機器500と、受信側機器500に内蔵される受信装置400と、公知のアクセスポイント301を主要構成要素とする。なお、本実施形態では、送信装置200、受信装置400がそれぞれ送信側機器100及び受信側機器500に内蔵されるが、送信側機器100、受信側機器500のUSBポート等のデータ転送用のポートに接続され着脱可能に外付けされてもよい。この場合、送信装置200、受信装置400は、ケースに収納された形態とすると好適である。
アクセスポイント301は、無線LANで端末間を接続する電波中継機であって、送信装置200と受信装置400との間の無線LANによる伝送の中継を行う。また、WPS(Wi-Fi Protected Setup)が提供する仕組みにより、送信側機器100、受信側機器500又は送信装置200、受信装置400等のクライアント(子機)を無線LANに登録するレジストラとしての役割を果たす。
送信側機器100と送信装置200、受信側機器500と受信装置400は、それぞれケーブル101、501を介して接続されている。
図2、図3に基づき、送信装置200のハード構成について説明する。
送信装置200は、HDMIシンクコネクタ210、EDID(Extended Display Identification Data) ROM(Read Only Memory)211、HDMIレシーバ220、ビデオコーデック230、ネットワーク制御部240、メモリ250、送信部260を主要構成要素とする。
HDMIシンクコネクタ210は、送信装置200の送信側機器100接続側に設けられたコネクタであって、送信側機器100に接続されるケーブル101が連結され、送信側機器100からの生の映像・音声多重信号がインプットされる。
EDID ROM211には、送信装置200の再生能力等の性能に関する情報であるEDID(Extended Display Identification Data)が格納されている。EDIDに格納される送信装置200の性能は、製造メーカー名(Vendor ID)、型式(Product ID)、サポートされる解像度などである。
HDMIレシーバ220は、HDCP(High-bandwidth Digital Content Protection)暗号化データの復号化、RGBデータのYUV4:2:2データへの変換、映像・音声多重信号の分離等を行って、受信側機器500で取り扱われるフォーマットからなる映像信号、音声信号を生成し、映像信号をビデオコーデック230に、音声信号をネットワーク制御部240に供給する。
ビデオコーデック230は、HDMIレシーバ220から供給される映像信号をエンコードしてH.264圧縮映像信号を得て、ネットワーク制御部240に供給する。ビデオコーデック230は、単独のビデオコーデックチップとして構成されている。
ネットワーク制御部240は、HDMIレシーバ220から供給される音声データと、ビデオコーデック230から供給される映像信号を多重化し、映像・音声多重信号を送信部260に供給する。ネットワーク制御部240は、単独のネットワーク制御チップとして構成されている。
ネットワーク制御部240は、図3に示すように、ビデオコーデック230からの映像信号が供給されるインターフェース241、I/Oコントローラシグナルルータ242、HDMIレシーバ220からの音声データが供給される音声インプット243、CPUコア244、CPUコア244に含まれ、映像信号及び音声信号を多重化するA/V多重化装置245、メモリ250を制御するメモリコントローラ246を備えている。
図4は、ネットワーク制御部240の主要な機能構成を示すブロック図である。なお、図4に示す構成のうち、ビデオコーデック230はハードウェアであり、その他の構成はソフトウェアである。
アプリケーション(アプリケーションプログラム)270は、送信装置200上で動作するネットワークアプリケーションの集合であって、例えば、図4で説明する映像・音声多重信号を無線で受信装置400に送信するデータ送信アプリケーション等が含まれる。
アプリケーション270からは、図5に示すデータ構造を有するシステムコール(インプット/アウトプットコントロールコマンド)であるIOCTLが発せられ、このIOCTLの命令により、図4の(a)〜(c)の処理及び図9、図10のフローチャートの処理が実行される。
IOCTLのデータ構造を、図5に示す。
先頭には、Channel IDで表わされるビデオコーデック230のIDが配置され、その後ろに順次IO file descriptorで表わされるネットワークI/Oのためのソケットファイルディスクリプタ、frame rateで表わされるフレーム/毎秒、src portで表わされるセンダのUDPポート(エンコーダ)、 dest portで表わされるレシーバのUDPポート(デコーダ)、src IPV4 addressで表わされるセンダのIPアドレス(エンコーダ)、 dest IPV4 address で表わされるレシーバのIPアドレス(デコーダ)が配置されている。ここで、レシーバ(デコーダ)とは、センダ(エンコーダ)に接続したものをいう。
OS(オペレーティングシステム)280は、アプリケーション270で処理されるデータがコピーされ、各種処理が行われる空間であって、ネットワーク転送専用循環リンクリスト283、このリンクリスト283に紐付けされた映像信号を格納するメモリページ284が格納されたシステムメモリエリア281を備える。
ネットワーク転送専用循環リンクリスト283は、図4に示すように、複数のバッファ情報記述子(BD;Buffer Descriptor)283aを保持している。バッファ情報記述子283aは、システムメモリエリア281内の特定のバッファ(メモリエリア)についての物理アドレス(Baddr)や長さ情報(Blen)等の管理情報を保持するものである。バッファ情報記述子283aは、図4に示すように、各バッファ情報記述子283aを示すと共に、そのバッファ情報記述子283aが対応するメモリページ284を特定する物理アドレス(Baddr_i)BD1〜BDi、次に処理するバッファ情報記述子283aの物理アドレスを記述したADDR、そのバッファ情報記述子283aが未使用か使用済みかを識別するためのフラグFG(0/1)等を保持している。
本実施形態では、システムメモリエリア281は、圧縮映像パケット及びその情報をネットワーク転送専用循環リンクリスト283に書き込むメモリエリア282aを備えている。また、システムメモリエリア281は、不図示のネットワーク転送専用循環リスト及びメモリページのセットをもう一組備えており、このセットは、メモリエリア282b内に格納されている。このメモリエリア282及び不図示のネットワーク転送専用循環リスト及びメモリページのセットは、音声パケット及びその情報を格納し、ネットワークスタック292へ送信するために用いられる。
OS280は、送信される信号の読み出し、システムメモリエリア281への書き込み、ネットワークスタック292への転送を行う。
DMA(Direct Memory Access)コントローラ291は、CPUを介さずにデータ転送を行うDMA転送を制御する専用LSIであって、アプリケーション270からの制御コマンドであるIOCTLを受けて、ビデオコーデック230から供給された圧縮映像データをOS280のシステムメモリエリア281のメモリエリア282aのメモリページ284に書き込む。また、DMAコントローラ291は、音声データをOS280のシステムメモリエリア281のメモリエリア282bの不図示のメモリページに書き込む。
ネットワークスタック292は、公知のプロトコルスタック群であって、一番上にあるユーザ空間層、つまりアプリケーション層がネットワークスタックのユーザを定義し、一番下にある物理デバイスがネットワークとの接続を行う。これらの二つの層の中間にカーネル空間が存在する。このネットワークスタック292の内側を流れるソケット・バッファが、パケットデータをソースとシンクの間で移動させる。
ネットワークスタック292は、システムメモリエリア281側から供給された映像・音声多重信号をネットワーク伝送単位、つまりパケット単位の長さに分割する。分割したデータ、即ちペイロードのそれぞれにWHDMIコミュニケーションプロトコルヘッダを付加して映像・音声多重信号のパケットを生成し、送信部260及び無線伝送路300経由で受信装置400に送信する。
図6に、映像・音声多重信号に付されるWHDMIコミュニケーションプロトコルヘッダ(以下、「ヘッダ」という)のデータ構造を示す。
先頭には、Protocol IDで表わされるパケットの特定情報が配置される。このProtocol IDは、パケットに正しいヘッダを付するためのものである。次いで、Protocol Typeで表わされる音声、映像、制御等の別を示すパケットタイプ、Stream Informationで表わされるそのパケットの追加情報、Rx/Tx Bandwidthで表わされる帯域(ビットレート)要求(送信側)及び応答(受信側)、CNW BD flagsで表わされるDMAバッファディスクリプタ(バッファ情報記述子283a)からのフレームのステータス、Resolution Codeで表わされる映像パケットの解像度コード、Option formatで表わされる追加オプションのフォーマット、映像と音声の同期再生のための時間情報であるタイムスタンプDTS(decoding time stamp)、PTS(presenting time stamp)が順次配置される。
送信部260は、送信装置200の無線伝送路300側のインターフェースであって、ネットワーク制御部240から供給された無線伝送映像・音声多重(非同期)信号を受信装置400に送信する。
次いで、図2、図7に基づき、受信装置400の構成について説明する。
受信装置400は、受信部460、メモリ450、ネットワーク制御部440、ビデオコーデック430、HDMIトランスミッタ420、HDMIトランスミッタコネクタ410を主要構成要素とする。
受信部460は、受信装置400の無線伝送路300側のインターフェースであって、送信装置200から無線伝送映像・音声多重(非同期)信号を受信し、ネットワーク制御部440に送信する。受信部460は、単独の受信チップから構成されている。
ネットワーク制御部440は、受信装置400の各部の動作を制御する制御装置であって、受信部460から供給される映像・音声多重信号を分離し、圧縮映像信号をビデオコーデック430に、音声信号をHDMIトランスミッタ420に供給する。ネットワーク制御部460は、単独のネットワーク制御チップから構成されている。
ビデオコーデック430は、ネットワーク制御部440から供給される圧縮映像信号を伸長(デコード)して映像信号を得て、HDMIトランスミッタ420に供給する。ビデオコーデック430は単独のビデオコーデックチップから構成されている。
HDMIトランスミッタ420は、ビデオコーデック430から供給される映像信号、ネットワーク制御部440から供給される音声信号について、HDCP暗号化、YUV4:2:2データのYUV4:4:4データへの変換、映像信号と音声信号の多重化等を行って、映像・音声多重信号を生成し、HDMIトランスミッタコネクタ410に供給する。
HDMIトランスミッタコネクタ410は、受信装置400の受信側機器500接続側に設けられたコネクタであって、受信側機器500に接続されるケーブル501が連結され、HDMIトランスミッタ420で生成されたHDMI映像・音声多重信号を受信側機器500に供給する。
次いで、伝送システムSの動作について説明する。
まず、伝送システムSの設置、設定が行われる。
家庭やオフィス等において、送信装置200が内部に組み込まれたPC111、テレビゲーム機112、TV用のセットトップボックス113、DVDプレーヤ114等の送信側機器100、受信装置400が内部に組み込まれた高精細テレビ511等の受信側機器500、アクセスポイント301が各部屋に設置される。なお、送信側機器100、受信側機器500に送信装置200、受信装置400が組み込まれていない場合には、USB端子等の端子を備えた外付け用の送信装置200、受信装置400を、送信側機器100、受信側機器500のUSBポート等のポートに差し込むことにより、送信装置200、受信装置400を、送信側機器100、受信側機器500に接続してもよい。また、PC111等には、送信装置200を組み込む等する代わりに、送信装置200と同様の処理を行うプログラムを、ソフトウェアとしてインストールしてもよい。
その後、WPS(Wi-Fi Protected Setup)が提供する仕組みを用いた公知の方法により、送信装置200、受信装置400の接続の設定を行う。具体的には、アクセスポイント301が作動している状態で、利用者が送信装置200又は受信装置400の電源を入れると、アクセスポイント301が自動で検出する。次いで、アクセスポイント301及び検出された送信装置200又は受信装置400に搭載された専用ボタンを利用者が押すことにより、接続とセキュリティの設定が完了する。この操作を、すべての送信装置200及び受信装置400について行うことにより、送信装置200、受信装置400の設定を行う。
次いで、伝送システムSを用いて送信側機器100で生成される映像及び音声を、無線伝送路300により、送信装置200、受信装置400を介して伝送し、高精細テレビ511等の受信側機器500で再生する処理について説明する。
図8は、送信側機器100及び送信装置200から受信装置400に、無線伝送路300を介して無線伝送映像・音声多重(非同期)信号を送信する場合における制御シーケンスを示す。
(a)まず、利用者によって、送信装置200、受信装置400の電源がオンにされる。(b)受信装置400は、常に定期的にビーコンを出力し、送信装置200が無線ネットワーク内に存在するかどうかを確認する。(c)既に電源が投入され、スタンバイ状態にある送信装置200は、ビーコンに対してアクノーリッジを返答することで無線ネットワークへの参加とリンク確立要求を行う。(d)受信装置400は、送信装置200を認識し、リンク確立アクノーリッジを返答する。
(e)送信側機器100は、送信装置200に対し、送信装置200の性能に関する情報であるEDIDデータの伝送を要求する。(f)送信装置200は、要求を受信したら、送信装置200のEDID ROM211から所定のデータを読み出して、送信側機器100へ伝送する。送信側機器100は、伝送されたEDIDデータから送信装置200が対応可能な設定を認識し、それに合わせて送信側機器100のデータ方式を決定する。
(g)送信側機器100は、利用者によって選択された生の映像・音声多重信号を、EDIDデータに基づき、送信装置200の解像度、スキャン方式等の能力に合わせた信号とし、この信号の送信を開始する。
(h)送信装置200は、送信側機器100から受信した生のHDMI映像・音声多重信号を、図4、図9、図10の処理を行って、ヘッダと無線伝送映像・音声多重(非同期)信号として、受信装置400に送信する。
(i)受信装置400は、ヘッダが付された無線伝送映像・音声多重(非同期)信号を受信すると、送信装置200に対して、接続アクノーリッジを返答し、無線伝送路のビットレート情報を送信する。
(j)送信装置200は、無線伝送路の転送ビットレートを検出すると、図12の処理により、転送速度によって、送信する無線伝送映像・音声多重(非同期)信号の圧縮比・圧縮方法を変更する。
(k)利用者の操作により、映像データの送信停止が指示されると、送信装置200のネットワーク制御部240からの指令により、送信側機器100はHDMI映像・音声多重信号の送信を停止する。
次に、図3、図7における信号の流れについて説明する。
生の映像・音声多重信号は、HDMIシンクコネクタ210から送信装置200にインプットされる。HDMI映像・音声多重信号は、HDMIレシーバ220で復号化され、映像信号と音声信号に分離される。
分離された映像信号は、RGBデータのYUV4:2:2データへの変換が行われた後、ビデオコーデック230に供給され、ビデオコーデック230でエンコードされてH.264圧縮映像信号となり、ネットワーク制御部240に供給される。
一方、分離された音声信号は、ネットワーク制御部240に供給され、ビデオコーデック230を経由してネットワーク制御部240に供給された圧縮映像信号と非同期のまま多重化されて、映像・音声多重(非同期)信号となる。この映像・音声多重(非同期)信号は、送信部260に供給され、無線伝送映像・音声多重(非同期)信号として、送信部260から無線伝送路300を介して受信装置400の受信部460に伝送される。
受信部460に伝送された無線伝送映像・音声多重(非同期)信号は、ネットワーク制御部440に供給され、ネットワーク制御部440で圧縮映像信号と音声信号に分離される。分離されたH.264圧縮映像信号は、ビデオコーデック430に供給され、伸長されて非圧縮の映像信号となり、HDMIトランスミッタ420に供給される。映像信号は、HDMIトランスミッタ420においてYUV4:2:2データのYUV4:4:4データへの変換がされる。
一方、分離された音声信号は、HDMIトランスミッタ420に供給され、パケットのヘッダに付されたタイムスタンプに基づいて映像信号と同期して多重化され、映像と音声が同期した映像・音声多重信号となる。
この映像と音声が同期した映像・音声多重信号は、HDMIトランスミッタコネクタ410を経て、HDMI映像・音声多重信号として、受信側機器500に供給され、受信側機器500で再生される。
ここで、図8の(h)の送信装置200によるヘッダと無線伝送映像・音声多重(非同期)信号の送信処理を、図4のブロック図及び図9〜図11のフローチャートを用いて詳細に説明する。データ送信元のシステム、即ち送信装置200のネットワーク制御部240が、ビッグエンディアンシステムである場合は、図9及び図10の処理、ネットワーク制御部240が、リトルエンディアンシステムである場合は、図9及び図11の処理が実行される。
ネットワーク制御部240がビッグエンディアンシステムである場合、図8の(g)の送信側機器100からのHDMI映像・音声多重信号の送信が開始されると、図9、図10のフローチャートの処理がスタートする。図9、図10のフローチャートの処理は、送信装置200のアプリケーション(アプリケーションプログラム)270から発せられるシステムコールであるIOCTLの命令により実行される。
まず、ステップS1で、ビデオコーデック230、ネットワーク制御部240のDMAコントローラ291、システムメモリエリア281内のネットワーク転送専用循環リンクリスト283のデータストラクチャ、ネットワークスタック292を初期化し、送信装置200と受信装置400の間の無線ネットワーク接続を確立する。このステップは図4では、OS経由初期化(b)として示されている。
次いで、ステップS2で、DMAコントローラ291にDMA要求信号を出す。これにより、ビデオコーデック230における映像信号の圧縮及びDMAコントローラ291による転送が開始される。DMAコントローラ291で、ビデオコーデック230から映像信号の1パケットをシステムメモリエリア281の一つのメモリエリア282aの一つのメモリページ284に書き込む。
このステップでは、図4のように、DMAコントローラ291が、ビデオコーデック230からの映像信号をパケット化し、システムメモリエリア281の一つのメモリエリア282a内のメモリページ284に書き込む。次いで、ステップS3で、映像信号を書き込んだメモリページ284に対応するネットワーク転送専用循環リンクリスト283のバッファ情報記述子283aのフラグFGを1にする。
次いで、ステップS4で、書き込みを行っているエリア中のすべてのバッファ情報記述子283aのフラグFG=1かどうかを判定する。
書き込みを行っているエリア中のすべてのバッファ情報記述子283aのフラグFG=1でない場合(ステップS4:No)、即ち、書き込みを行っているメモリエリア282a中に、フラグFG=0であるバッファ情報記述子283aがある場合には、ステップS2に戻り、次の映像信号の1パケットについて、DMAコントローラ291にDMA要求信号を出し、DMAコントローラ291で、ビデオコーデック230から映像信号の1パケットをシステムメモリエリア281の一つのメモリエリア282aの次のメモリページ284に書き込む。
書き込みを行っているエリア中のすべてのバッファ情報記述子283aのフラグFG=1である場合(ステップS4:Yes)、そのメモリエリア282a中のバッファ情報記述子283a及び対応するメモリページ284には、すべて映像信号及びバッファ情報が書き込まれたものとして、図9のAから図10のAを経てステップS5に進み、フラグFG=1であるバッファ情報記述子283aを格納するメモリエリア282a内のメモリページ284のパケットデータ群を、転送準備中のデータ群として、ビデオコーデック230の出力のデータフレーム毎に、公知の方法で、図6のヘッダを付加する。
次いで、ステップS6で、ネットワーク転送専用循環リンクリスト283データストラクチャより、バッファ情報記述子283aの物理アドレスBD1〜BDiの番号順に、メモリエリア282a内のデータを送り込む。
ステップS7で、ステップS6で送り込まれた映像データと、システムメモリエリア281内の他のメモリエリア282bから別途ネットワークスタック292に送り込まれた音声データとを、公知の方法で非同期のまま時分割多重化する。
このステップS7で映像データと時分割多重化される音声データは、アプリケーション270の制御コマンドにより、図9のステップS1〜図10のS6と同様の処理を経て、システムメモリエリア281内の異なるメモリエリア282b内に、図4のバッファ情報記述子283a、メモリページ284の形態で格納されたものである。
次いで、ステップS8で、一つのメモリエリア282a内のすべてのバッファ情報記述子283aのデータの送信が完了したかを判定する。
一つのメモリエリア282a内のすべてのバッファ情報記述子282aのデータの送信が完了していない場合(ステップS8:No)、ステップS6に戻り、ネットワーク転送専用循環リンクリスト283データストラクチャより、バッファ情報記述子283aの物理アドレスBD1〜BDiの番号順に、メモリエリア282a内のデータを送り込む。
一つのメモリエリア282a内のすべてのバッファ情報記述子283aのデータの送信が完了している場合(ステップS8:Yes)、ステップS9で、ネットワークスタック292より、映像と音声の時分割多重データを無線伝送路300経由で受信装置400に送信する。
次いで、ステップS10で、ネットワーク転送専用循環リンクリスト283データストラクチャのポイント先に、新しいメモリエリア282cを配布し、フラグFGを0にし、ネットワーク転送専用循環リンクリスト283循環列の末尾に戻る。
ステップS11で、システムの利用者により、画像・音声データの送信側機器100から受信側機器500への送信を停止する命令が出されたか判定する。
システムの利用者により、画像・音声データの送信側機器100から受信側機器500への送信を停止する命令が出されていない場合(ステップS11:No)、図10のBから図9のBを介してステップS2に戻り、DMAコントローラ291で、ビデオコーデック230から映像信号の1パケットをシステムメモリエリア281の新しいメモリエリア282cの一つのメモリページ284に書き込む。つまり、システムの利用者により、画像・音声データの送信側機器100から受信側機器500への送信を停止する命令が出されるまで、ステップS2〜S11を繰り返す。
システムの利用者により、画像・音声データの送信側機器100から受信側機器500への送信を停止する命令が出された場合(ステップS11:Yes)、図9、図10のフローチャートの処理を終了する。
一方、ネットワーク制御部240が、リトルエンディアンシステムである場合、図9及び図11の処理が実行される。
この場合、図8の(g)の送信側機器100からのHDMI映像・音声多重信号の送信が開始されると、図9、図11のフローチャートの処理がスタートする。図9、図11のフローチャートの処理は、送信装置200のアプリケーション(アプリケーションプログラム)270から発せられるシステムコールであるIOCTLの命令により実行される。
ステップS1〜S4の処理は、ネットワーク制御部240がビッグエンディアンシステムである場合のステップS1〜S4の処理と同様に実行されるため、説明を省略する。
ステップS4で、書き込みを行っているエリア中のすべてのバッファ情報記述子283aのフラグFG=1である場合(ステップS4:Yes)、そのメモリエリア282a中のバッファ情報記述子283a及び対応するメモリページ284には、すべて映像信号及びバッファ情報が書き込まれたものとして、図9のAから図11のAを経てステップS21に進み、フラグFG=1であるバッファ情報記述子283aを格納するメモリエリア282a内のメモリページ284のパケットデータ群を、転送準備中のデータ群として、ビデオコーデック230の出力のデータフレーム毎に、公知の方法で、図6のヘッダを付加する。
次いで、ステップS22で、転送準備中のデータ群から、ヘッダに定義されている単位で、順番にデータを1件読み込む。
ステップS22〜S25までの処理は、送信装置200のネットワーク制御部240がリトルエンディアンシステムである場合に、転送するデータパケットが1バイトを超えていれば、データの配置方式をビッグエンディアンに変換するものである。従って、送信装置200のネットワーク制御部240がビッグエンディアンシステムである場合には、図10のように、データの配置方式に関するステップS22〜S25の処理は行われず、そのままステップS6に移っている。
次いで、ステップS23で、このデータが1バイトからなるシングルバイトデータストラクチャか判定する。
このデータが1バイトからなるシングルバイトデータストラクチャでない場合(ステップS23:No)、ステップS24で、このデータの配置方式をビッグエンディアンに変換し、ステップS25で、転送準備中のデータ群中に読み込んでいないデータがあるか判定する。
転送準備中のデータ群中に読み込んでいないデータがある場合(ステップS25:Yes)、ステップS22に戻り、転送準備中のデータ群から、ヘッダに定義されている単位で、順番にデータを1件読み込み、ステップS23で、このデータが1バイトからなるシングルバイトデータストラクチャか判定する。つまり、転送準備中のデータ群中のすべてのデータについてシングルバイトデータストラクチャか否かの判定を行うまで、ステップS22〜S25を繰り返す。
ステップS22で読み込んだデータが1バイトからなるシングルバイトデータストラクチャである場合(ステップS23:Yes)、データが1バイトであってデータの配置方式は問題にならないものとして、ステップS25で、転送準備中のデータ群中に読み込んでいないデータがあるか判定する。
転送準備中のデータ群中に読み込んでいないデータがない場合(ステップS25:No)、転送準備中のデータ群中のすべてのデータについてシングルバイトデータストラクチャか否かの判定が済んだものとして、ステップS26で、ネットワーク転送専用循環リンクリスト283データストラクチャより、バッファ情報記述子283aの物理アドレスBD1〜BDiの番号順に、メモリエリア282a内のデータを送り込む。
ステップS27で、ステップS26で送り込まれた映像データと、システムメモリエリア281内の他のメモリエリア282bから別途ネットワークスタック292に送り込まれた音声データとを、公知の方法で非同期のまま時分割多重化する。
このステップS27で映像データと時分割多重化される音声データは、アプリケーション270の制御コマンドにより、図9のステップS1〜図11のS26と同様の処理を経て、システムメモリエリア281内の異なるメモリエリア282b内に、図4のバッファ情報記述子283a、メモリページ284の形態で格納されたものである。
次いで、ステップS28で、一つのメモリエリア282a内のすべてのバッファ情報記述子283aのデータの送信が完了したかを判定する。
一つのメモリエリア282a内のすべてのバッファ情報記述子282aのデータの送信が完了していない場合(ステップS28:No)、ステップS26に戻り、ネットワーク転送専用循環リンクリスト283データストラクチャより、バッファ情報記述子283aの物理アドレスBD1〜BDiの番号順に、メモリエリア282a内のデータを送り込む。
一つのメモリエリア282a内のすべてのバッファ情報記述子283aのデータの送信が完了している場合(ステップS28:Yes)、ステップS29で、ネットワークスタック292より、映像と音声の時分割多重データを無線伝送路300経由で受信装置400に送信する。
次いで、ステップS30で、ネットワーク転送専用循環リンクリスト283データストラクチャのポイント先に、新しいメモリエリア282cを配布し、フラグFGを0にし、ネットワーク転送専用循環リンクリスト283循環列の末尾に戻る。
ステップS31で、システムの利用者により、画像・音声データの送信側機器100から受信側機器500への送信を停止する命令が出されたか判定する。
システムの利用者により、画像・音声データの送信側機器100から受信側機器500への送信を停止する命令が出されていない場合(ステップS31:No)、図11のBから図9のBを介してステップS2に戻り、DMAコントローラ291で、ビデオコーデック230から映像信号の1パケットをシステムメモリエリア281の新しいメモリエリア282cの一つのメモリページ284に書き込む。つまり、システムの利用者により、画像・音声データの送信側機器100から受信側機器500への送信を停止する命令が出されるまで、ステップS2〜S31を繰り返す。
システムの利用者により、画像・音声データの送信側機器100から受信側機器500への送信を停止する命令が出された場合(ステップS31:Yes)、図9、図11のフローチャートの処理を終了する。
次いで、図8の(j)の転送速度によって圧縮比・圧縮方法を変更する処理について、図12のフローチャートに基づき説明する。図12のフローチャートの処理は、送信装置200の送信部260で制御され、送信装置200から受信装置400への映像・音声時分割多重信号送信中において、割り込み処理等によって一定時間が経過するごとに実行される。
まず、ステップS41で、転送する無線伝送路300の転送能力探知を行う。このステップでは、受信装置400から一定の時間間隔で出される伝送ビットレート状況に関する情報が、送信されるパケットの図6のヘッダの“Rx/Tx Bandwidth”に格納されるため、この“Rx/Tx Bandwidth”を確認することにより、無線伝送路300の伝送ビットレート状況を確認する。無線伝送は無線伝送路300の条件により帯域(bandwidth)即ち伝送ビットレートが不安定で、刻々と変化するためである。
次いで、ステップS42で、現時点ビットレート、即ち送信する映像・音声信号の必要伝送ビットレートと、ステップS41で取得した転送線路の転送能力、即ち無線伝送路300の伝送ビットレートとを比較し、現時点のビットレートが転送能力よりも大きいか判定する。
現時点のビットレートが転送能力よりも大きい場合(ステップS42:Yes)、現時点の送信信号の必要伝送ビットレートが、転送能力よりも大きすぎるとして、ステップS43で、ビデオコーデック230に、映像信号の圧縮率を上げる命令を出す。この命令により、公知の方法により、ビデオコーデック230が、映像信号の圧縮率を上げる。これにより、送信装置200から受信装置400への送信信号の必要伝送ビットレートが一段階下がることとなる。
その後、ステップS41に戻り、転送する無線伝送路300の転送能力探知を行う。
現時点のビットレートが転送能力よりも小さい場合(ステップS42:No)、現時点の送信信号の必要伝送ビットレートと転送能力との関係に問題はないとして、処理を終了する。


Claims (8)

  1. 送信側映像音声機器のHDMI映像音声多重信号から、圧縮映像音声多重信号を生成し、該圧縮映像音声多重信号から前記HDMI映像音声多重信号を生成して再生のために受信側映像音声機器へ出力する無線受信装置へ、無線伝送路を介して出力する無線送信装置であって、
    前記送信側映像音声機器から供給された前記HDMI映像音声多重信号を、映像信号と音声信号に分離する多重信号分離手段と、
    分離された前記映像信号を、2m秒以下の処理遅延時間により圧縮して圧縮映像信号を生成するビデオコーデックチップと、
    分離された前記音声信号と前記圧縮映像信号を、DMA(Direct Memory Access)機能によりオペレーティングシステムのシステムメモリエリアに書き込んだ後、ネットワークスタックに転送するゼロコピー処理を行い、前記圧縮映像信号と前記分離された音声信号を非同期で多重化して前記圧縮映像音声多重信号を生成するネットワーク制御チップと、
    前記圧縮映像音声多重信号を、前記無線伝送路を介して前記無線受信装置に伝送する送信チップと、を備えることを特徴とする無線送信装置。
  2. 前記送信側映像音声機器のデータ伝送用ポートに着脱可能に外付けされ、又は前記送信側映像音声機器に内蔵されることを特徴とする請求項1記載の無線送信装置。
  3. 前記送信チップは、前記圧縮映像音声多重信号の送信中一定時間毎に、送信される前記圧縮映像音声多重信号に必要なビットレートが、前記無線伝送路の伝送ビットレートより大きいか否かを判定し、大きい場合には、前記ビデオコーデックチップに対して、前記圧縮映像信号の圧縮率を上げる指令を出す手段を備えることを特徴とする請求項1記載の無線送信装置。
  4. 前記ネットワーク制御チップは、アプリケーションプログラム、オペレーティングシステム、DMAコントローラ、及びネットワークスタックを備え、前記アプリケーションプログラムからのシステムコールにより、前記DMAコントローラが、前記オペレーティングシステムのメモリエリア内のバッファ情報記述子に対応するメモリページに、前記圧縮映像信号を書き込み、該書き込んだ圧縮映像信号を、前記バッファ情報記述子の識別情報順に読み出し、読み出した前記圧縮映像信号と前記音声信号とを、非同期のまま多重化して前記圧縮映像音声多重信号を生成し、該圧縮映像音声多重信号を、前記ネットワークスタックに転送し、該ネットワークスタックに転送された前記圧縮映像音声多重信号を、前記送信チップに供給する手段を備えることを特徴とする請求項1記載の無線送信装置。
  5. 送信側映像音声機器のHDMI映像音声多重信号から生成された圧縮映像音声多重信号を、無線送信装置から無線伝送路を介して受信し、前記圧縮映像音声多重信号から前記HDMI映像音声多重信号を生成して、再生のために受信側映像音声機器へ出力する無線受信装置であって、
    前記圧縮映像音声多重信号を、前記無線伝送路を介して前記無線送信装置から受信する受信チップと、
    前記圧縮映像音声多重信号を、DMA(Direct Memory Access)機能により、ネットワークスタックからオペレーティングシステムのシステムメモリエリアに書き込むゼロコピー処理を行い、前記圧縮映像音声多重信号を、圧縮映像信号と音声信号に分離するネットワーク制御チップと、
    分離された前記圧縮映像信号を、2m秒以下の処理遅延時間により伸長して映像信号を生成するビデオコーデックチップと、
    分離された前記音声信号と伸長された前記映像信号とを、同期させて多重化し、前記HDMI映像音声多重信号を生成して、前記送信側映像音声機器に送信する信号多重化手段と、を備えることを特徴とする無線受信装置。
  6. 前記受信側映像音声機器のデータ伝送用ポートに着脱可能に外付けされ、又は前記受信側映像音声機器に内蔵されることを特徴とする請求項5記載の無線受信装置。
  7. 送信側映像音声機器のHDMI映像音声多重信号から、圧縮映像音声多重信号を生成し、該圧縮映像音声多重信号から前記HDMI映像音声多重信号を生成して再生のために受信側映像音声機器に出力する無線受信装置へ、無線伝送路を介して出力する無線送信方法であって、
    前記送信側映像音声機器から供給された前記HDMI映像音声多重信号を、映像信号と音声信号に分離する多重信号分離手順と、
    ビデオコーデックチップが、分離された前記映像信号を、2m秒以下の処理遅延時間により圧縮して圧縮映像信号を生成する手順と、
    ネットワーク制御チップが、分離された前記音声信号と前記圧縮映像信号を、DMA(Direct Memory Access)機能によりオペレーティングシステムのシステムメモリエリアに書き込んだ後、ネットワークスタックに転送するゼロコピー処理を行い、前記圧縮映像信号と前記音声信号を非同期で多重化して前記圧縮映像音声多重信号を生成する手順と、
    送信チップが、前記圧縮映像音声多重信号を、前記無線伝送路を介して前記無線受信装置に伝送する手順と、を備えることを特徴とする無線送信方法。
  8. 送信側映像音声機器のHDMI映像音声多重信号から生成された圧縮映像音声多重信号を、無線送信装置から無線伝送路を介して受信し、前記圧縮映像音声多重信号から前記HDMI映像音声多重信号を生成して、再生のために受信側映像音声機器へ出力する無線受信方法であって、
    受信チップが、前記圧縮映像音声多重信号を、前記無線伝送路を介して前記無線送信装置から受信する手順と、
    ネットワーク制御チップが、前記圧縮映像音声多重信号を、DMA(Direct Memory Access)機能により、ネットワークスタックからオペレーティングシステムのシステムメモリエリアに書き込むゼロコピー処理を行い、前記圧縮映像音声多重信号を、圧縮映像信号と音声信号に分離する手順と、
    ビデオコーデックチップが、分離された前記圧縮映像信号を、2m秒以下の処理遅延時間により伸長して映像信号を生成する手順と、
    分離された前記音声信号と伸長された前記映像信号とを、同期させて多重化し、前記HDMI映像音声多重信号を生成して、前記送信側映像音声機器に送信する信号多重化手順と、を備えることを特徴とする無線受信方法。


JP2011549990A 2010-01-12 2011-01-12 無線送信装置、無線受信装置、無線送信方法及び無線受信方法 Withdrawn JPWO2011087025A1 (ja)

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