本発明は、表示要素である画面部品を表示するための表示領域制御装置、表示領域制御方法、および、集積回路に関する。
PCの普及および家電機器のデジタル化等に伴い、ユーザが扱う画像、動画および文書等のデータの数および種類は急激に増加している。PCおよびデジタル家電機器等の機器に記憶された大量のデータの中から、ユーザが所望するデータを見つけるための手段として、データの一覧を表示する操作画面が必要となる。
データが大量に存在する場合、機器は操作画面上に全てのデータを表示できない。このように、データが操作画面上で一度に表示できない場合、ユーザは、一覧のスクロールまたは一覧に表示する内容の入れ替え等の手段により、表示されていないデータを見ることができる。この場合、ユーザは、スクロールを使うことにより操作画面上のデータを連続的に見ることができる。これにより、操作画面の一覧性が向上するというメリットが得られる。
近年のPCおよびデジタル家電機器などに搭載される操作画面は、一覧性を向上させただけではなく、グラフィカルな操作画面となっている。グラフィカルな操作画面の代表例として、Apple社のiPhone(登録商標)に搭載されているデータ一覧を表示するための操作画面であるCover Flowがある。Cover Flowは、アニメーションを駆使した視覚効果を用い、データ一覧を円滑なスクロールにより表示する操作画面である。
また、iPhoneに搭載されているアドレス表を表示する操作画面も、同様の効果を有する。これらの操作画面は、ユーザが楽しくデータを閲覧したり、探したりすることを可能にし、ユーザへ新たなユーザエクスペリエンスを提供している。
操作画面上で、データは、文字、画像または動画などを表現する画面部品、あるいは、それらを組み合わせた画面部品により表現される。
一方、近年、ディスプレイの大型化が進んでいる。ディスプレイの解像度は、FullHD(1920x1080)が主流になっており、今後は、4k2k(3840x2160)と呼ばれる解像度へ移行していくと予測される。このディスプレイの大型化に伴い、操作画面内に一度に表示できるデータの数は増加する傾向にある。
操作画面に表示するデータの数が多いとき、存在するデータ分の画面部品を全て生成すると、生成に要する時間が膨大になり、かつ、画面部品を生成するためのメモリを大量に消費するという課題がある。通常、この課題を解決するため、操作画面の表示に必要な画面部品のみが生成される。そして、表示されていない画面部品は、必要なタイミングで生成される。このようにすることにより、機器は、画面部品の表示までに要する時間を短縮し、消費するメモリ量を削減することができる。
iPhoneのようにディスプレイの解像度が小さい機器(480x320)の場合、表示できる画面部品数は少ないので、上記の課題解決方法は有用である。しかし、4k2kのディスプレイの表示領域は、iPhoneと比較すると54倍大きい。つまり、4k2kの場合、操作画面に表示する画面部品の数が多くなる。そして、操作画面全体を表示するための処理量が増大する。
また、ディスプレイの解像度の増加に伴い、一つの画面部品の表示サイズも大きくなる。このため、画面部品の表示に要する時間が増大する。ディスプレイの大型化により、上記課題解決方法を適用だけでは、ユーザが操作画面を高速にスクロールすると表示されない画面部品が存在する。また、インターネット上にあるデータを表示する場合も、ダウンロード時間が遅いため、ユーザが操作画面を高速にスクロールすると表示されない画面部品が存在する。
表示されない画面部品が存在する場合、機器は、例えば、画面部品が生成された後に、すなわち、画面部品が表示可能な状態になった後に、スクロール後の操作画面を表示する。しかし、この場合、スクロール後の操作画面の表示に時間がかかる。そのため、ユーザは、機器の操作にストレスを感じる。
そこで、機器は、生成されていない画面部品が表示されていない状態で、すなわち、空欄の状態で、スクロール後の操作画面を表示する。または、機器は、画面部品の表示が予定されている部分に代替データを表示する。そして、画面部品が生成された後に、画面部品を表示する。これにより、機器はユーザが感じるストレスを低減させる。このような従来の技術としては、例えば特許文献1に記載されたものが知られている。
しかしながら、操作画面の一部が空欄になった場合、操作画面は、違和感のある不自然な表示になる。
そのため、機器は、上記の通り、画面部品の代わりに代替データを表示する場合がある。しかし、この場合、代替データを予め準備する必要がある。また、代替データと、代替データ以外の画面部品とは、表示形式が異なる。そのため、代替データを使用する場合も、操作画面が、違和感のある不自然な表示になる。また、代替データを表示する処理に時間がかかる場合がある。この場合、代替データを使用しない場合と同様に、操作画面の一部が空欄になり、操作画面は、違和感のある不自然な表示になる。
特に、画面に大量のデータが表示される場合、または、高速なスクロール操作が行われた場合、機器における画面部品の表示が追いつかず、違和感は顕著になる。
そこで、本発明は、画面部品の表示に時間がかかる場合の違和感を低減させる表示領域制御装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明による表示領域制御装置は、表示要素である1以上の画面部品を表示するための表示領域制御装置であって、表示部と、前記画面部品を表示するためのデータを記憶するデータ記憶部と、前記データ記憶部に記憶された前記データを取得し、取得した前記データを前記画面部品に反映する画面部品反映部と、前記データが前記画面部品に反映されたか否かを示す反映状態を記憶する画面部品状態記憶部と、前記反映状態に従って、前記データが反映された前記画面部品を前記表示部に表示するための表示領域を決定する表示領域制御部と、前記データが反映された前記画面部品を前記表示領域に表示させ、前記データが反映されていない前記画面部品を隠蔽する画面部品管理部とを備える。
これにより、データの反映に時間がかかることによって表示できない画面部品が隠蔽される。したがって、表示領域制御装置は、画面部品の表示に時間がかかる場合の違和感を低減させることができる。
また、前記表示領域制御部は、前記データが反映されていない前記画面部品が前記表示領域から排除されるように、前記表示領域を決定してもよい。
これにより、表示可能な画面部品に応じて、表示領域が変更される。したがって、空欄が表示されなくなるため、表示領域制御装置は、違和感を低減できる。
また、前記画面部品管理部は、前記データが反映された前記画面部品の大きさを拡大することにより、前記データが反映されていない前記画面部品を隠蔽してもよい。
これにより、表示できない画面部品が、表示領域に入らず、隠蔽される。したがって、表示領域制御装置は、表示領域を変更することなく、違和感を低減できる。
また、前記画面部品管理部は、前記データが反映された前記画面部品が表示される間隔を大きくすることにより、前記データが反映されていない前記画面部品を隠蔽してもよい。
これにより、表示できない画面部品が、表示領域に入らず、隠蔽される。したがって、表示領域制御装置は、表示領域および画面部品の大きさを維持しつつ、違和感を低減できる。
また、前記画面部品管理部は、前記データが反映されていない前記画面部品にグラデーションを重ねることにより、前記データが反映されていない前記画面部品を隠蔽してもよい。
これにより、表示できない画面部品が、グラデーションによって、より自然に隠蔽される。
また、前記表示領域制御装置は、さらに、前記画面部品を順次表示させるためのスクロール要求を受付ける要求受付部と、前記スクロール要求に従って、表示対象の前記画面部品を決定する操作画面作成部とを備え、前記表示領域制御部は、前記操作画面作成部により決定された表示対象の前記画面部品の前記反映状態に従って、前記表示領域を決定し、前記画面部品管理部は、前記操作画面作成部により決定された表示対象の前記画面部品のうち、前記データが反映された前記画面部品を前記表示領域に表示させ、前記データが反映されていない前記画面部品を隠蔽してもよい。
これにより、スクロールに追従した表示ができない画面部品が隠蔽され、違和感が低減される。
また、前記操作画面作成部は、前記スクロール要求に従って表示対象の前記画面部品を決定するときに、前記反映状態を参照することにより、前記データが反映されていない前記画面部品の多さを示す値が予め定められた範囲になるように、表示対象の前記画面部品を決定してもよい。
これにより、隠蔽される画面部品が多くなった場合、スクロール量およびスクロール速度等が調整される。したがって、表示領域制御装置は、隠蔽される画面部品の量を抑制し、違和感を低減できる。
また、前記画面部品状態記憶部は、さらに、表示の準備のために前記データが反映される予備の前記画面部品であるか否かを示す予備状態を記憶し、前記表示領域制御部は、前記予備状態に従って、予備の前記画面部品が前記表示領域から排除されるように、前記表示領域を決定し、前記画面部品管理部は、予備ではない前記画面部品であって前記データが反映された前記画面部品を前記表示領域に表示させ、前記データが反映されていない前記画面部品および予備の前記画面部品を隠蔽してもよい。
これにより、表示対象になる前に、画面部品にデータが反映される。したがって、表示領域制御装置は、スクロール等による高速な表示の切り替えに対応できる。
また、本発明による表示領域制御方法は、表示要素である1以上の画面部品を表示するための表示領域制御方法であって、前記画面部品を表示するためのデータを記憶するデータ記憶部に記憶された前記データを取得し、取得した前記データを前記画面部品に反映する画面部品反映ステップと、前記データが前記画面部品に反映されたか否かを示す反映状態を記憶する画面部品状態記憶部に記憶された前記反映状態に従って、前記データが反映された前記画面部品を表示部に表示するための表示領域を決定する表示領域制御ステップと、前記データが反映された前記画面部品を前記表示領域に表示させ、前記データが反映されていない前記画面部品を隠蔽する画面部品管理ステップとを含む表示領域制御方法であってもよい。
これにより、データの反映に時間がかかることによって表示できない画面部品が隠蔽される。したがって、画面部品の表示に時間がかかる場合の違和感が低減される。
また、本発明による集積回路は、表示要素である1以上の画面部品を表示するための集積回路であって、前記画面部品を表示するためのデータを記憶するデータ記憶部に記憶された前記データを取得し、取得した前記データを前記画面部品に反映する画面部品反映部と、前記データが前記画面部品に反映されたか否かを示す反映状態を記憶する画面部品状態記憶部に記憶された前記反映状態に従って、前記データが反映された前記画面部品を表示部に表示するための表示領域を決定する表示領域制御部と、前記データが反映された前記画面部品を前記表示領域に表示させ、前記データが反映されていない前記画面部品を隠蔽する画面部品管理部とを備える集積回路であってもよい。
これにより、違和感の低減が、集積回路により実現される。
本発明に係る表示領域制御装置、表示領域制御方法または集積回路は、画面部品の表示に時間がかかる場合の違和感を低減させることができる。
図1は、実施の形態における表示領域制御装置の構成図である。
図2は、実施の形態における表示領域制御装置による表示の一例を示す図である。
図3は、実施の形態におけるデータ記憶部が記憶しているデータの一例を示す図である。
図4は、実施の形態における画面部品状態記憶部が記憶する情報の種類の一例を示す図である。
図5は、実施の形態における初期化のフローチャートである。
図6は、実施の形態における表示のフローチャートである。
図7は、実施の形態における画面部品反映部にデータの反映を要求した後のフローチャートである。
図8は、実施の形態における表示領域制御部が表示領域を算出する処理のフローチャートである。
図9は、実施の形態における画面部品状態記憶部により記憶された情報を示す図である。
図10は、実施の形態における表示領域制御装置によるスクロール発生時の表示の一例を示す図である。
図11は、実施の形態における画面部品状態記憶部によりスクロール発生時に記憶された情報を示す図である。
図12は、実施の形態における表示領域制御装置の特徴的な構成要素を示す図である。
図13Aは、実施の形態における画面部品の第1の表示例を示す図である。
図13Bは、実施の形態における画面部品の第2の表示例を示す図である。
図13Cは、実施の形態における画面部品の第3の表示例を示す図である。
図13Dは、実施の形態における画面部品の第4の表示例を示す図である。
図13Eは、実施の形態における画面部品の第5の表示例を示す図である。
図13Fは、実施の形態における画面部品の第6の表示例を示す図である。
図13Gは、実施の形態における画面部品の第7の表示例を示す図である。
図14は、実施の形態における隠蔽処理の第1の例を示す図である。
図15は、実施の形態における隠蔽処理の第2の例を示す図である。
図16は、実施の形態における隠蔽処理の第3の例を示す図である。
以下、本発明の実施の形態における表示領域制御装置について、図面を参照しながら説明する。
図1は、実施の形態における表示領域制御装置の構成図である。
図1に示された表示領域制御装置100は、要求受付部101、操作画面作成部102、開始データID記憶部103、画面部品管理部104、画面部品反映部105、画面部品状態記憶部106、データ記憶部107、表示領域制御部108および表示部109を備える。
要求受付部101は、ユーザ120からの要求を受け取る。ユーザ120からの要求には、操作画面初期化要求および操作画面表示要求などがある。また、要求受付部101へ要求を出すアクターはユーザ120だけでなく、プログラムであってもよい。この要求は、要求受付部101を経由し、操作画面作成部102へ通知される。
操作画面作成部102は、要求受付部101からの要求を受け、操作画面の作成を行う。
開始データID記憶部103は、操作画面に表示される画面部品のうち、最初の画面部品に対応するデータIDが記憶される。データIDとは、画面部品に対応するデータを一意に識別するための識別子である。操作画面作成部102は、開始データID記憶部103に記憶されるデータIDをユーザ120からの要求に応じて算出する。
画面部品管理部104は、画面部品の状態を管理する。データIDに対応するデータが反映された画面部品は、画像、文字および動画などとして、操作画面に表示される。
画面部品反映部105は、データ記憶部107からデータを取得し、取得したデータを画面部品に反映する。これにより、画面部品が、画像、文字および動画等として、生成される。
画面部品状態記憶部106は、画面部品の状態を記憶する。
データ記憶部107は、データIDに対応するデータを記憶する。記憶されるデータには、画像、文字および動画などがある。記憶されるデータは、その他、画像の大きさ、画像の形状および文字の色などであってもよい。画面部品は、このようなデータに基づいて、生成される。
表示領域制御部108は、画面部品状態記憶部106に記憶された画面部品の状態に基づいて、画面部品が表示される領域を算出する。
表示部109は、画面部品を、表示領域制御部108により算出された表示領域に表示する。表示部109は、アニメーションおよび3Dを駆使した視覚効果による表示ができてもよい。
図2は、図1に示された表示領域制御装置100による表示の一例を示す図である。
リスト200は、表示要素である画面部品201〜208により構成され、操作画面作成部102により作成される。画面部品201〜208には、それぞれのデータIDに対応するデータが反映される。表示領域210は、実際に、表示部109に表示される領域である。すなわち、リスト200に含まれる画面部品201〜208のうち、表示領域210の範囲内にある画面部品202〜207が操作画面に表示される。
画面部品201と画面部品208は、ユーザ120からのスクロール操作発生に備えて、予め準備される。画面部品201と画面部品208が予め準備されていない場合、スクロール操作発生時、データが反映されていない画面部品201と画面部品208が、空欄で表示される。画面部品201と画面部品208が予め準備されることにより、スクロール操作発生時、画面部品201と画面部品208が、表示領域210にすぐに表示される。
図3は、図1に示されたデータ記憶部107が記憶しているデータの一例を示す図である。
図3に示されたデータ記憶テーブル300は、データ記憶部107が記憶するデータを保持するテーブルであって、データを一意に識別するデータIDと、データIDに対応するデータ内容とが記憶される。行301〜311は、データ記憶テーブル300により管理される情報である。データIDは、数値、文字列およびハッシュ値等のインデックスで表現される。
データ内容は、画面部品を表示するための情報である。例えば、データ内容は、画面部品そのものであってもよいし、画面部品を生成するために必要な情報であってもよい。また、データを示す情報であってもよいし、データの実体を参照するような情報であってもよい。データ内容として管理される情報は複数あってもよい。
図4は、図1に示された画面部品状態記憶部106が記憶する情報の種類の一例を示す図である。
データID401は、画面部品反映部105が画面部品に反映させるためのデータに対応するデータIDである。反映状態402は、画面部品反映部105がデータIDに対応するデータを画面部品に反映しているか否かを示す情報である。予備状態403は、スクロール発生時にユーザ120のスクロール操作に追従して、画面部品を表示するために準備しておく予備の画面部品であるか否かを示す情報である。表示可能状態404は、表示領域210に表示可能な画面部品であるか否かを示す情報である。
図5は、図1に示された表示領域制御装置100が、操作画面の表示前に、初期化を行う処理のフローチャートである。
まず、処理が開始され(S500)、ユーザ120から操作画面を表示するための操作画面初期化要求を要求受付部101が受付ける(S501)。操作画面初期化要求は、操作画面表示要求が発生する前に発生する。
次に、この要求を受付けた要求受付部101は、操作画面作成部102を初期化することにより、初期状態にする(S502)。
次に、操作画面作成部102は、開始データID記憶部103を初期化することにより、初期状態にする(S503)。
次に、操作画面作成部102は、画面部品管理部104を初期化することにより、初期状態にする(S504)。
次に、画面部品管理部104は、画面部品状態記憶部106を初期化することにより、初期状態にする(S505)。ここで、反映状態402には、未反映が設定される。予備状態403には、画面部品毎に、予備であるか否かが設定される。表示可能状態には、非表示状態が設定される。
次に、画面部品反映部105は、操作画面の表示に必要な画面部品にデータを反映する(S506)。これにより、表示領域制御装置100は、ユーザ120から操作画面表示要求を受けたときに、遅滞無く操作画面を表示できる。
そして、表示領域制御装置100は、処理を終了する(S507)。
図6は、図1に示された表示領域制御装置100が操作画面を表示する処理のフローチャートである。
まず、処理が開始され(S600)、ユーザ120から操作画面を表示するための操作画面表示要求を要求受付部101が受け付ける(S601)。操作画面表示要求には、ユーザ120が操作画面をスクロール操作することにより発生する要求、すなわち、操作画面をスクロールして表示するためのスクロール要求も含まれる。
次に、要求受付部101は、操作画面作成部102へ操作画面表示要求を通知する(S602)。ユーザ120が操作画面をスクロール操作することにより操作画面表示要求が発生した場合、操作画面表示要求にスクロールに関する情報が含まれる。スクロールに関する情報は、スクロール方向、スクロール量およびスクロール加速度等である。
次に、操作画面作成部102は、開始データID記憶部103から開始データIDを取得する(S603)。
次に、操作画面作成部102は、操作画面表示要求に含まれるスクロールに関する情報と開始データIDから、新しい開始データIDを算出する(S604)。これにより、表示対象となる画面部品が決定される。なお、スクロールによる操作画面表示要求ではない場合、新しい開始データIDは、開始データID記憶部103に記憶された開始データIDのままである。
ここで、操作画面表示要求に含まれる加速度およびスクロール量等が大きすぎ、画面部品の表示準備が間に合わない場合、操作画面作成部102は、加速度およびスクロール量等の大きさを変更し、開始データIDを算出してもよい。その場合、操作画面作成部102は、画面部品状態記憶部106に記憶された情報を参照し、開始データIDの算出を行う。
例えば、操作画面作成部102は、画面部品状態記憶部106に記憶された反映状態を参照することにより、データが反映されていない画面部品の多さを示す値が予め定められた範囲になるように、表示対象の画面部品を決定し、新しい開始データIDを算出する。データが反映されていない画面部品の多さを示す値は、データが反映されていない画面部品の数または割合等である。これにより、操作画面作成部102は、スクロールによってデータが反映されていない画面部品が表示対象となることを低減させる。
そして、操作画面作成部102は、開始データID記憶部103に新しい開始データIDを記憶させる(S605)。
次に、操作画面作成部102は、画面部品管理部104へ新しい開始データIDを通知する(S606)。
次に、画面部品管理部104は、新しい開始データIDに基づいて画面部品状態記憶部106が記憶する情報を更新する(S607)。例えば、表示領域制御装置100が図2に示されたリスト200を表示しようとする場合、画面部品状態記憶部106には、画面部品201〜208の状態が順に記憶される。この例では、画面部品202に対応するデータIDが開始データIDと等しくなる。
なお、画面部品状態記憶部106に記憶された情報は、ユーザによる操作画面への操作が発生する度に更新される。
また、開始データIDが、データ記憶部107によって管理された先頭のデータIDである場合、画面部品201に対応するデータIDは、データ記憶部107によって管理された一番後方のデータIDであってもよい。これにより、データ記憶部107によって管理されたデータが、スクロールにより繰り返して画面部品として表示される。ここで、データ記憶部107が管理する順序および方法等には、他の方法が用いられてもよい。
次に、画面部品管理部104は、画面部品状態記憶部106により記憶された画面部品の状態のそれぞれに対して、処理を行う(S608)。
画面部品状態記憶部106により記憶された画面部品の状態に対して行われる処理(S608)を次に示す。
まず、画面部品管理部104は、画面部品状態記憶部106に記憶された画面部品の反映状態を参照する(S609)。
ここで、画面部品の反映状態が反映済み、または、反映中である場合、画面部品管理部104は、次の画面部品の状態に対して処理を行う(S608)。
一方、画面部品の反映状態が未反映である場合、画面部品反映部105にデータIDに対応するデータの反映を要求する(S611)。次に、画面部品状態記憶部106へ画面部品が反映中であることを設定する(S612)。そして、次の画面部品の状態に対して処理を行う(S608)。
そして、画面部品状態記憶部106により記憶された画面部品の状態に対して行われる処理(S608)が完了した後、表示領域制御部108は、画面部品状態記憶部106に記憶された情報に基づいて表示領域を算出する(S613)。
次に、表示部109は、算出された表示領域に画面部品を表示する(S614)。このとき、画面部品管理部104は、データが反映された画面部品を表示領域に表示させ、データが反映されていない画面部品を隠蔽する。
そして、表示領域制御装置100は、処理を終了する(S615)。
これにより、データの反映に時間がかかることによって表示できない画面部品が隠蔽される。したがって、表示領域制御装置100は、画面部品の表示に時間がかかる場合に、ユーザ120が抱く違和感を低減させることができる。
図7は、図6に示されたデータの反映を要求する処理(S611)の後、行われる処理のフローチャートである。図7に示された処理は、図6に示されたデータの反映を要求する処理(S611)以降の処理と並列して行われる。
まず、処理が開始され(S700)、データの反映を要求された画面部品反映部105は、データ記憶部107からデータIDに対応するデータを取得する(S701)。
画面部品反映部105は、データを取得した後、データを画面部品へ反映する(S702)。画面部品へのデータの反映は、即座に完了しない場合がある。
データの反映が完了した後、画面部品反映部105は、画面部品管理部104へデータの反映が完了したことを通知する(S703)。
次に、画面部品管理部104は、画面部品状態記憶部106へ画面部品へのデータ反映が完了したことを設定する(S704)。すなわち、画面部品状態記憶部106に記憶された画面部品の反映状態を反映済に設定する。表示領域制御部108は、画面部品状態記憶部106に記憶された情報に基づいて表示領域を算出する(S705)。
次に、表示部109は、算出された表示領域に画面部品を表示する(S706)。このとき、画面部品管理部104は、データが反映された画面部品を表示領域に表示させ、データが反映されていない画面部品を隠蔽する。
そして、表示領域制御装置100は、処理を終了する(S707)。
なお、図7に示された表示領域を算出する処理(S705)は、図6に示された表示領域を算出する処理(S613)と同様である。また、図7に示された画面部品を表示する処理(S706)は、図6に示された画面部品を表示する処理(S614)と同様である。図7に示された処理において、表示領域制御装置100は、画面部品の反映が完了したときに、表示領域を算出し、画面部品を表示する。
図8は、図7に示された表示領域を算出する処理(S705)のフローチャートである。
まず、処理が開始され(S800)、画面部品管理部104は、画面部品状態記憶部106に記憶された画面部品のそれぞれに対して、表示可能状態を設定する(S801)。
画面部品状態記憶部106に記憶された画面部品のそれぞれに対して、表示可能状態を設定する処理(S801)を次に示す。
まず、画面部品管理部104は、画面部品状態記憶部106に記憶された画面部品の予備状態を確認する(S802)。
ここで、予備状態がYESの場合、表示状態をNOに設定する(S803)。そして、次の画面部品に対して、表示可能状態を設定する処理を行う(S801)。
一方、予備状態がNOの場合、画面部品の反映状態を確認する(S804)。そして、反映状態が反映済みの場合、表示可能状態をYESに設定する(S805)。反映状態が未反映、もしくは、反映中の場合、表示可能状態をNOに設定する(S806)。そして、次の画面部品に対して、表示可能状態を設定する処理を行う(S801)。
表示領域制御部108は、表示可能状態がYESに設定されている画面部品を表示対象として判断し、それらの画面部品が収まるように表示領域を設定する(S807)。
そして、表示領域制御部108は、処理を終了する(S808)。
これにより、表示領域制御部108は、画面部品の反映状態に従って、データが反映された前記画面部品を前記表示部に表示するための表示領域を決定する。
次に、図2、図9、図10および図11を用いて、表示領域制御装置100の動作を詳細に示す。
まず、図2に示されたリスト200が表示領域210の範囲で表示されているとする。
図9は、図2で示されたリスト200が表示対象であるときに、画面部品状態記憶部106に記憶されている情報を示す図である。行900は、画面部品状態記憶部106が記憶する情報の種類である。行901〜908の状態は、図2に示された画面部品201〜208の状態である。
画面部品201〜208は、データの反映が完了している。そのため、行901〜908の反映状態は、反映済となる。行901と行908に対応する画面部品201と画面部品208は表示の準備のために反映される画面部品である。そのため、画面部品201と画面部品208の予備状態はYESであり、それ以外はNOである。
表示領域制御部108は、反映状態が反映済であり、予備状態がNOである行902〜907の表示可能状態をYESに設定し、それ以外をNOに設定する。ここで、表示領域制御部108が表示可能状態をYESに設定した行902〜907に対応する領域、すなわち、画面部品202〜207に対応する領域が表示領域となる。そして、画面部品202〜207が、表示部109に表示される。
図10は、図1に示された表示領域制御装置100によるスクロール発生時の表示の一例を示す図である。
図10に示されたリスト1000は、図2に示されたリスト200が表示対象であるときに、ユーザ120またはプログラムから下へのスクロール要求が発生した後の表示対象である。リスト1000は、表示要素である画面部品1001〜1008により構成され、操作画面作成部102により作成される。画面部品1001〜1008は、それぞれ、データIDに対応するデータが反映される。
ここで、画面部品1007と画面部品1008への反映より速い速度でスクロール操作が行われた場合、画面部品1007と画面部品1008への反映が間に合わず、何も表示されない。このとき、画面部品1007と画面部品1008の反映状態は、反映中になる。画面部品1007と画面部品1008はデータが反映されていないため、表示領域制御部108は、表示領域1010を図2に示されたスクロール前の表示領域210よりも縮小する。
表示領域1010は、実際に、表示部109に表示される領域である。すなわち、リスト1000に含まれる画面部品1001〜1008のうち、表示領域1010の範囲内にある画面部品1002〜1006が操作画面に表示される。この表示領域1010は、画面部品1007への反映が完了したタイミングで、拡大され、表示領域210と同じサイズになる。
このように、表示領域制御装置100は、表示領域を制御することにより、反映されていない画面部品を隠蔽する。
図11は、図10に示されたリスト1000が表示対象であるときに、画面部品状態記憶部106に記憶されている情報を示す図である。行1100は、画面部品状態記憶部106が記憶する情報の種類である。行1101〜1108の状態は、図10に示された画面部品1001〜1008の状態である。
画面部品1001〜1006は、データの反映が完了している。そのため、行1101〜1106の反映状態は、反映済である。画面部品1007と画面部品1008は、データの反映中である。そのため、行1107と行1108の反映状態は、反映中となる。
表示領域制御部108は、反映状態が反映済であり、予備状態がNOである行1102〜1106の表示可能状態にYESを設定し、それ以外をNOに設定する。ここで、表示領域制御部108が表示可能状態をYESに設定した行1102〜1106に対応する領域、すなわち、画面部品1002〜1006に対応する領域が表示領域となる。そして、画面部品1002〜1006が、表示部109に表示される。このように表示領域制御部108が制御する表示領域は、操作画面に表示される画面部品の状態に応じて、拡大または縮小される。
図12は、実施の形態における表示領域制御装置の特徴的な構成要素を示す図である。
図12に示された表示領域制御装置100は、画面部品管理部104、画面部品反映部105、画面部品状態記憶部106、データ記憶部107、表示領域制御部108および表示部109を備える。
すなわち、図1に示された要求受付部101、操作画面作成部102および開始データID記憶部103はなくてもよい。例えば、表示領域制御装置100が、予め定められた時間間隔で順次画面部品を表示する場合であって、ユーザ120からの操作を受け付けない場合、要求受付部101等の構成要素は不要である。要求受付部101、操作画面作成部102および開始データID記憶部103がない場合でも、本発明の目的は達成される。
また、本発明による表示領域制御は、操作画面に表示されるリストのみではなく、様々な画面の表示に適用できる。以下に、表示領域の制御が適用される画面部品の表示例を例示する。
図13Aは、画面部品の第1の表示例を示す図である。図13Aに示された画面1311には、表示領域1312に画面部品1313が表示される。表示領域1312に縦スクロールバーが表示されており、ユーザがスクロールした場合、順次画面部品が表示される。画面部品として表示される文字は、もっと多くてもよい。また、画像が、画面部品として表示されてもよい。
このような場合において、表示領域制御装置100は、表示領域1312を小さくすることによって、データが反映されていない画面部品を隠蔽する。表示領域制御装置100は、スクロール量を変更することにより、データが反映されていない画面部品を隠蔽してもよい。
図13Bは、画面部品の第2の表示例を示す図である。図13Bに示された画面1321には、表示領域1322に画面部品1323が表示される。表示領域1322にスクロールバーが表示されており、ユーザがスクロールした場合、順次画面部品が表示される。図13Aに示された表示例と同様に、画面部品は、より多くの文字であってもよいし、画像であってもよい。
そして、図13Aに示された表示例と同様に、図13Bに示された表示例においても、表示領域制御装置100は、データが反映されていない画面部品を隠蔽できる。
図13Cは、画面部品の第3の表示例を示す図である。図13Cに示された画面1331には、表示領域1332に画面部品1333が表示される。画面部品1333は、文字であってもよいし、画像であってもよい。また、さらに、多くの画面部品が配置されてもよい。
このような場合において、表示領域制御装置100は、表示領域1332を小さくすることによって、データが反映されていない画面部品を隠蔽する。また、表示領域制御装置100は、データが反映された画面部品を大きく表示することにより、データが反映されていない画面部品を隠蔽してもよい。すなわち、データが反映された画面部品の表示が大きい場合、データが反映されていない画面部品は、表示領域に入らなくなる。これにより、データが反映されていない画面部品が隠蔽される。
図13Dは、画面部品の第4の表示例を示す図である。図13Dに示された画面1341には、表示領域1342に画面部品1343が表示される。図13Dに示された表示例において、図13Cに示された表示例と同様に、画面部品が表示される。さらに、図13Dに示された表示例において、画面部品が傾斜して表示され、より多くの画面部品が表示される。
そして、図13Cに示された表示例と同様に、図13Dに示された表示例においても、表示領域制御装置100は、データが反映されていない画面部品を隠蔽できる。さらに、表示領域制御装置100の画面部品管理部104は、傾斜の角度を変えることにより、表示領域1342に表示される画面部品の数を変更できる。したがって、画面部品管理部104は、傾斜の角度を変えることにより、データが反映されていない画面部品を隠蔽できる。
図13Eは、画面部品の第5の表示例を示す図である。図13Eに示された画面1351には、表示領域1352に画面部品が表示される。「D」「E」「F」で示される文字等は、それぞれが画面部品であって、球状のオブジェクトに画面部品が貼り付けられている。球状のオブジェクトで表示されている領域が、表示領域1352である。
このような場合において、表示領域制御装置100は、球状のオブジェクトの大きさを変えることにより、画面部品の数を増減できる。すなわち、データが反映されている画面部品が少ない場合、表示領域制御装置100の表示領域制御部108は、球状のオブジェクトで表示される表示領域1352を縮小する。これにより、表示領域制御装置100は、データが反映されていない画面部品を隠蔽する。
図13Fは、画面部品の第6の表示例を示す図である。図13Fに示された画面1361には、表示領域1362に画面部品が表示される。「D」「E」「F」で示される文字は、それぞれが画面部品であって、円柱状のオブジェクトに画面部品が貼り付けられている。円柱状のオブジェクトで表示されている領域が、表示領域1362である。
そして、図13Eに示された表示例と同様に、データが反映されている画面部品が少ない場合、表示領域制御装置100は、円柱状のオブジェクトを小さくすることにより、データが反映されていない画面部品を隠蔽できる。
図13Gは、画面部品の第7の表示例を示す図である。図13Gに示された画面1371には、表示領域1372に画面部品が表示される。すなわち、円で表示された表示領域1372の中にある画面部品のみが表示される。
このような場合において、データが反映されている画面部品が少ない場合、表示領域制御装置100の表示領域制御部108は、円で示される表示領域1372を小さくする。これにより、表示領域制御装置100は、データが反映されていない画面部品を隠蔽できる。
図13Aから図13Gにおいて示された表示は例であって、表示領域制御装置100は、表示領域の増減等により、他の態様により表示される画面部品にも、データが反映されていない画面部品を隠蔽できる。
次に、画面部品の隠蔽処理の例について記載する。
図14は、隠蔽処理の第1の例を示す図である。図14には、隠蔽処理の適用前の画面1401と適用後の画面1411が対比されて示されている。
適用前の画面1401の表示領域1402に、画面部品が表示される。図14に示された「A」、「B」および「C」は、それぞれが画面部品である。画面部品は、円柱状のオブジェクト1403に貼り付いた状態で表示される。そして、「A」および「B」はデータが反映された画面部品であり、「C」はデータが反映されていない画面部品である。したがって、「C」は実際には表示されていない。
そして、図14に示された例において、表示領域制御装置100が隠蔽処理を行った場合、適用後の画面1411が表示される。画面部品は、適用前と同様に、円柱状のオブジェクト1413に貼り付いた状態で表示される。しかし、画面1411の表示領域1412は、適用前よりも小さくなる。そして、データが反映されていない画面部品「C」は、表示領域1412の外側になる。
これにより、データが反映されていない画面部品「C」は、隠蔽される。ここで、表示されない領域は、「C」の部分だけではなく、表示領域1412が全体として小さくなっているため、ユーザに対する違和感は、低減される。
図15は、隠蔽処理の第2の例を示す図である。図15には、隠蔽処理の適用前の画面1401と適用後の画面1511が対比されて示されている。
適用前の画面1401は、図14に示された例と同様に表示される。
そして、図15に示された例において、表示領域制御装置100が隠蔽処理を行った場合、適用後の画面1511が表示される。表示領域制御装置100の画面部品管理部104は、画面部品が貼り付いている円柱状のオブジェクト1513を適用前よりも大きく表示部109に表示させる。これにより、画面部品が大きくなり、データが反映されていない画面部品「C」は、表示領域1512の外側になる。
これにより、データが反映されていない画面部品「C」は、隠蔽されるため、ユーザに対する違和感は、低減される。
なお、ここで、画面部品管理部104は、画面部品を大きくしたが、画面部品の表示間隔を大きくしてもよい。これにより、データが反映されていない画面部品「C」が隠蔽され、ユーザに対する違和感は、低減される。
図16は、隠蔽処理の第3の例を示す図である。図16には、隠蔽処理の適用前の画面1401と適用後の画面1611が対比されて示されている。
適用前の画面1401は、図14に示された例と同様に表示される。
そして、図16に示された例において、表示領域制御装置100が隠蔽処理を行った場合、適用後の画面1611が表示される。表示領域1612および円柱状のオブジェクト1613は、適用前と同じ大きさである。そして、表示領域制御装置100の画面部品管理部104は、表示領域1612の中の領域における両端の部分にグラデーション1614を重ねることにより、データが反映されていない画面部品「C」を隠蔽する。
また、グラデーション1614は、表示領域1612の境界付近が濃く、表示領域1612の中央付近が薄くなるように表示されることにより、ユーザに対する違和感は、低減される。
以上、図を用いて隠蔽処理を示したが、画面部品管理部104は、表示部109に表示領域制御部108により制御される表示領域を表示するとき、表示領域が拡大および縮小する様子をアニメーションにより表示してもよいし、アニメーションせずに表示してもよい。また、図16に示したように、画面部品管理部104は、表示領域の境界付近をグラデーションで表示し、そのグラデーションを拡大および縮小してもよい。
また、画面部品管理部104は、表示部109に画面部品を表示する際の透過度を制御し、フェードインおよびフェードアウトすることにより、データが反映されていない画面部品を隠蔽してもよい。また、表示領域制御装置100は、3Dの筒および球等の周りを沿うように画面部品を表示する際は、表示領域の変更だけでなく、その直径を変更することにより、表示領域を変更できてもよい。表示領域の変更は、ユーザ120に分からないように変化することが望ましい。
また、表示領域制御部108は、操作画面を円滑にスクロール表示するために準備される予備の画面部品の数を増減できてもよい。これにより、表示領域制御装置100は、表示領域制御装置100の処理負荷が低いときに、データを画面部品に反映できる。
以上、実施の形態に示されたように、本発明による表示領域制御装置は、画面部品を表示するための表示領域を制御し、データが反映されていない画面部品を隠蔽する。これにより、画面部品の表示に時間がかかる場合に、ユーザが抱く違和感を低減させることができる。
なお、実施の形態は例であって、本発明は実施の形態に限定されるのではない。実施の形態に対して当業者が思いつく変形を施して得られる形態、および、実施の形態における構成要素を任意に組み合わせて実現される別の形態も、本発明に含まれる。
また、図1および図12に示された表示領域制御装置の構成要素は、集積回路であるLSI(Large Scale Integration)として実現されてもよい。これらの構成要素は、個別に1チップ化されてもよいし、一部または全てを含むように1チップ化されてもよい。ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC(Integrated Circuit)、システムLSI、スーパーLSIまたはウルトラLSIと呼称されることもある。
また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路または汎用プロセッサで実現してもよい。プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)、または、LSI内部の回路セルの接続および設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。
さらには、半導体技術の進歩または派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて、表示領域制御装置に含まれる構成要素の集積回路化を行ってもよい。
また、表示領域制御装置の構成要素のうち、データを格納する手段だけ1チップ化せずに別構成としてもよい。
また、本発明は、表示領域制御装置として実現できるだけでなく、表示領域制御装置を構成する処理手段をステップとする方法として実現できる。そして、本発明は、その方法に含まれるステップをコンピュータに実行させるプログラムとして実現できる。さらに、本発明は、そのプログラムを記憶したCD−ROM等のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体として実現できる。
本発明による表示領域制御装置、表示領域制御方法および集積回路は、画面部品の表示に時間がかかる場合の違和感を低減させるという効果を有し、テレビ、記録装置、再生装置、カーナビゲーション、携帯電話、固定電話、プリンター、FAX、PDA、PC、デジタルカメラ、冷蔵庫、電子レンジおよび洗濯機などの機器に用いられるものとして有用である。
100 表示領域制御装置
101 要求受付部
102 操作画面作成部
103 開始データID記憶部
104 画面部品管理部
105 画面部品反映部
106 画面部品状態記憶部
107 データ記憶部
108 表示領域制御部
109 表示部
120 ユーザ
200、1000 リスト
201、202、203、204、205、206、207、208、1001、1002、1003、1004、1005、1006、1007、1008、1313、1323、1333、1343 画面部品
210、1010、1312、1322、1332、1342、1352、1362、1372、1402、1412、1512、1612 表示領域
300 データ記憶テーブル
301、302、303、304、305、306、307、308、309、310、311、900、901、902、903、904、905、906、907、908、1100、1101、1102、1103、1104、1105、1106、1107、1108 行
401 データID
402 反映状態
403 予備状態
404 表示可能状態
1311、1321、1331、1341、1351、1361、1371、1401、1411、1511、1611 画面
1403、1413、1513、1613 オブジェクト
1614 グラデーション
本発明は、表示要素である画面部品を表示するための表示領域制御装置、表示領域制御方法、および、集積回路に関する。
PCの普及および家電機器のデジタル化等に伴い、ユーザが扱う画像、動画および文書等のデータの数および種類は急激に増加している。PCおよびデジタル家電機器等の機器に記憶された大量のデータの中から、ユーザが所望するデータを見つけるための手段として、データの一覧を表示する操作画面が必要となる。
データが大量に存在する場合、機器は操作画面上に全てのデータを表示できない。このように、データが操作画面上で一度に表示できない場合、ユーザは、一覧のスクロールまたは一覧に表示する内容の入れ替え等の手段により、表示されていないデータを見ることができる。この場合、ユーザは、スクロールを使うことにより操作画面上のデータを連続的に見ることができる。これにより、操作画面の一覧性が向上するというメリットが得られる。
近年のPCおよびデジタル家電機器などに搭載される操作画面は、一覧性を向上させただけではなく、グラフィカルな操作画面となっている。グラフィカルな操作画面の代表例として、Apple社のiPhone(登録商標)に搭載されているデータ一覧を表示するための操作画面であるCover Flowがある。Cover Flowは、アニメーションを駆使した視覚効果を用い、データ一覧を円滑なスクロールにより表示する操作画面である。
また、iPhoneに搭載されているアドレス表を表示する操作画面も、同様の効果を有する。これらの操作画面は、ユーザが楽しくデータを閲覧したり、探したりすることを可能にし、ユーザへ新たなユーザエクスペリエンスを提供している。
操作画面上で、データは、文字、画像または動画などを表現する画面部品、あるいは、それらを組み合わせた画面部品により表現される。
一方、近年、ディスプレイの大型化が進んでいる。ディスプレイの解像度は、FullHD(1920x1080)が主流になっており、今後は、4k2k(3840x2160)と呼ばれる解像度へ移行していくと予測される。このディスプレイの大型化に伴い、操作画面内に一度に表示できるデータの数は増加する傾向にある。
操作画面に表示するデータの数が多いとき、存在するデータ分の画面部品を全て生成すると、生成に要する時間が膨大になり、かつ、画面部品を生成するためのメモリを大量に消費するという課題がある。通常、この課題を解決するため、操作画面の表示に必要な画面部品のみが生成される。そして、表示されていない画面部品は、必要なタイミングで生成される。このようにすることにより、機器は、画面部品の表示までに要する時間を短縮し、消費するメモリ量を削減することができる。
iPhoneのようにディスプレイの解像度が小さい機器(480x320)の場合、表示できる画面部品数は少ないので、上記の課題解決方法は有用である。しかし、4k2kのディスプレイの表示領域は、iPhoneと比較すると54倍大きい。つまり、4k2kの場合、操作画面に表示する画面部品の数が多くなる。そして、操作画面全体を表示するための処理量が増大する。
また、ディスプレイの解像度の増加に伴い、一つの画面部品の表示サイズも大きくなる。このため、画面部品の表示に要する時間が増大する。ディスプレイの大型化により、上記課題解決方法を適用だけでは、ユーザが操作画面を高速にスクロールすると表示されない画面部品が存在する。また、インターネット上にあるデータを表示する場合も、ダウンロード時間が遅いため、ユーザが操作画面を高速にスクロールすると表示されない画面部品が存在する。
表示されない画面部品が存在する場合、機器は、例えば、画面部品が生成された後に、すなわち、画面部品が表示可能な状態になった後に、スクロール後の操作画面を表示する。しかし、この場合、スクロール後の操作画面の表示に時間がかかる。そのため、ユーザは、機器の操作にストレスを感じる。
そこで、機器は、生成されていない画面部品が表示されていない状態で、すなわち、空欄の状態で、スクロール後の操作画面を表示する。または、機器は、画面部品の表示が予定されている部分に代替データを表示する。そして、画面部品が生成された後に、画面部品を表示する。これにより、機器はユーザが感じるストレスを低減させる。このような従来の技術としては、例えば特許文献1に記載されたものが知られている。
しかしながら、操作画面の一部が空欄になった場合、操作画面は、違和感のある不自然な表示になる。
そのため、機器は、上記の通り、画面部品の代わりに代替データを表示する場合がある。しかし、この場合、代替データを予め準備する必要がある。また、代替データと、代替データ以外の画面部品とは、表示形式が異なる。そのため、代替データを使用する場合も、操作画面が、違和感のある不自然な表示になる。また、代替データを表示する処理に時間がかかる場合がある。この場合、代替データを使用しない場合と同様に、操作画面の一部が空欄になり、操作画面は、違和感のある不自然な表示になる。
特に、画面に大量のデータが表示される場合、または、高速なスクロール操作が行われた場合、機器における画面部品の表示が追いつかず、違和感は顕著になる。
そこで、本発明は、画面部品の表示に時間がかかる場合の違和感を低減させる表示領域制御装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明による表示領域制御装置は、表示要素である1以上の画面部品を表示するための表示領域制御装置であって、表示部と、前記画面部品を表示するためのデータを記憶するデータ記憶部と、前記データ記憶部に記憶された前記データを取得し、取得した前記データを前記画面部品に反映する画面部品反映部と、前記データが前記画面部品に反映されたか否かを示す反映状態を記憶する画面部品状態記憶部と、前記反映状態に従って、前記データが反映された前記画面部品を前記表示部に表示するための表示領域を決定する表示領域制御部と、前記データが反映された前記画面部品を前記表示領域に表示させ、前記データが反映されていない前記画面部品を隠蔽する画面部品管理部とを備える。
これにより、データの反映に時間がかかることによって表示できない画面部品が隠蔽される。したがって、表示領域制御装置は、画面部品の表示に時間がかかる場合の違和感を低減させることができる。
また、前記表示領域制御部は、前記データが反映されていない前記画面部品が前記表示領域から排除されるように、前記表示領域を決定してもよい。
これにより、表示可能な画面部品に応じて、表示領域が変更される。したがって、空欄が表示されなくなるため、表示領域制御装置は、違和感を低減できる。
また、前記画面部品管理部は、前記データが反映された前記画面部品の大きさを拡大することにより、前記データが反映されていない前記画面部品を隠蔽してもよい。
これにより、表示できない画面部品が、表示領域に入らず、隠蔽される。したがって、表示領域制御装置は、表示領域を変更することなく、違和感を低減できる。
また、前記画面部品管理部は、前記データが反映された前記画面部品が表示される間隔を大きくすることにより、前記データが反映されていない前記画面部品を隠蔽してもよい。
これにより、表示できない画面部品が、表示領域に入らず、隠蔽される。したがって、表示領域制御装置は、表示領域および画面部品の大きさを維持しつつ、違和感を低減できる。
また、前記画面部品管理部は、前記データが反映されていない前記画面部品にグラデーションを重ねることにより、前記データが反映されていない前記画面部品を隠蔽してもよい。
これにより、表示できない画面部品が、グラデーションによって、より自然に隠蔽される。
また、前記表示領域制御装置は、さらに、前記画面部品を順次表示させるためのスクロール要求を受付ける要求受付部と、前記スクロール要求に従って、表示対象の前記画面部品を決定する操作画面作成部とを備え、前記表示領域制御部は、前記操作画面作成部により決定された表示対象の前記画面部品の前記反映状態に従って、前記表示領域を決定し、前記画面部品管理部は、前記操作画面作成部により決定された表示対象の前記画面部品のうち、前記データが反映された前記画面部品を前記表示領域に表示させ、前記データが反映されていない前記画面部品を隠蔽してもよい。
これにより、スクロールに追従した表示ができない画面部品が隠蔽され、違和感が低減される。
また、前記操作画面作成部は、前記スクロール要求に従って表示対象の前記画面部品を決定するときに、前記反映状態を参照することにより、前記データが反映されていない前記画面部品の多さを示す値が予め定められた範囲になるように、表示対象の前記画面部品を決定してもよい。
これにより、隠蔽される画面部品が多くなった場合、スクロール量およびスクロール速度等が調整される。したがって、表示領域制御装置は、隠蔽される画面部品の量を抑制し、違和感を低減できる。
また、前記画面部品状態記憶部は、さらに、表示の準備のために前記データが反映される予備の前記画面部品であるか否かを示す予備状態を記憶し、前記表示領域制御部は、前記予備状態に従って、予備の前記画面部品が前記表示領域から排除されるように、前記表示領域を決定し、前記画面部品管理部は、予備ではない前記画面部品であって前記データが反映された前記画面部品を前記表示領域に表示させ、前記データが反映されていない前記画面部品および予備の前記画面部品を隠蔽してもよい。
これにより、表示対象になる前に、画面部品にデータが反映される。したがって、表示領域制御装置は、スクロール等による高速な表示の切り替えに対応できる。
また、本発明による表示領域制御方法は、表示要素である1以上の画面部品を表示するための表示領域制御方法であって、前記画面部品を表示するためのデータを記憶するデータ記憶部に記憶された前記データを取得し、取得した前記データを前記画面部品に反映する画面部品反映ステップと、前記データが前記画面部品に反映されたか否かを示す反映状態を記憶する画面部品状態記憶部に記憶された前記反映状態に従って、前記データが反映された前記画面部品を表示部に表示するための表示領域を決定する表示領域制御ステップと、前記データが反映された前記画面部品を前記表示領域に表示させ、前記データが反映されていない前記画面部品を隠蔽する画面部品管理ステップとを含む表示領域制御方法であってもよい。
これにより、データの反映に時間がかかることによって表示できない画面部品が隠蔽される。したがって、画面部品の表示に時間がかかる場合の違和感が低減される。
また、本発明による集積回路は、表示要素である1以上の画面部品を表示するための集積回路であって、前記画面部品を表示するためのデータを記憶するデータ記憶部に記憶された前記データを取得し、取得した前記データを前記画面部品に反映する画面部品反映部と、前記データが前記画面部品に反映されたか否かを示す反映状態を記憶する画面部品状態記憶部に記憶された前記反映状態に従って、前記データが反映された前記画面部品を表示部に表示するための表示領域を決定する表示領域制御部と、前記データが反映された前記画面部品を前記表示領域に表示させ、前記データが反映されていない前記画面部品を隠蔽する画面部品管理部とを備える集積回路であってもよい。
これにより、違和感の低減が、集積回路により実現される。
本発明に係る表示領域制御装置、表示領域制御方法または集積回路は、画面部品の表示に時間がかかる場合の違和感を低減させることができる。
図1は、実施の形態における表示領域制御装置の構成図である。
図2は、実施の形態における表示領域制御装置による表示の一例を示す図である。
図3は、実施の形態におけるデータ記憶部が記憶しているデータの一例を示す図である。
図4は、実施の形態における画面部品状態記憶部が記憶する情報の種類の一例を示す図である。
図5は、実施の形態における初期化のフローチャートである。
図6は、実施の形態における表示のフローチャートである。
図7は、実施の形態における画面部品反映部にデータの反映を要求した後のフローチャートである。
図8は、実施の形態における表示領域制御部が表示領域を算出する処理のフローチャートである。
図9は、実施の形態における画面部品状態記憶部により記憶された情報を示す図である。
図10は、実施の形態における表示領域制御装置によるスクロール発生時の表示の一例を示す図である。
図11は、実施の形態における画面部品状態記憶部によりスクロール発生時に記憶された情報を示す図である。
図12は、実施の形態における表示領域制御装置の特徴的な構成要素を示す図である。
図13Aは、実施の形態における画面部品の第1の表示例を示す図である。
図13Bは、実施の形態における画面部品の第2の表示例を示す図である。
図13Cは、実施の形態における画面部品の第3の表示例を示す図である。
図13Dは、実施の形態における画面部品の第4の表示例を示す図である。
図13Eは、実施の形態における画面部品の第5の表示例を示す図である。
図13Fは、実施の形態における画面部品の第6の表示例を示す図である。
図13Gは、実施の形態における画面部品の第7の表示例を示す図である。
図14は、実施の形態における隠蔽処理の第1の例を示す図である。
図15は、実施の形態における隠蔽処理の第2の例を示す図である。
図16は、実施の形態における隠蔽処理の第3の例を示す図である。
以下、本発明の実施の形態における表示領域制御装置について、図面を参照しながら説明する。
図1は、実施の形態における表示領域制御装置の構成図である。
図1に示された表示領域制御装置100は、要求受付部101、操作画面作成部102、開始データID記憶部103、画面部品管理部104、画面部品反映部105、画面部品状態記憶部106、データ記憶部107、表示領域制御部108および表示部109を備える。
要求受付部101は、ユーザ120からの要求を受け取る。ユーザ120からの要求には、操作画面初期化要求および操作画面表示要求などがある。また、要求受付部101へ要求を出すアクターはユーザ120だけでなく、プログラムであってもよい。この要求は、要求受付部101を経由し、操作画面作成部102へ通知される。
操作画面作成部102は、要求受付部101からの要求を受け、操作画面の作成を行う。
開始データID記憶部103は、操作画面に表示される画面部品のうち、最初の画面部品に対応するデータIDが記憶される。データIDとは、画面部品に対応するデータを一意に識別するための識別子である。操作画面作成部102は、開始データID記憶部103に記憶されるデータIDをユーザ120からの要求に応じて算出する。
画面部品管理部104は、画面部品の状態を管理する。データIDに対応するデータが反映された画面部品は、画像、文字および動画などとして、操作画面に表示される。
画面部品反映部105は、データ記憶部107からデータを取得し、取得したデータを画面部品に反映する。これにより、画面部品が、画像、文字および動画等として、生成される。
画面部品状態記憶部106は、画面部品の状態を記憶する。
データ記憶部107は、データIDに対応するデータを記憶する。記憶されるデータには、画像、文字および動画などがある。記憶されるデータは、その他、画像の大きさ、画像の形状および文字の色などであってもよい。画面部品は、このようなデータに基づいて、生成される。
表示領域制御部108は、画面部品状態記憶部106に記憶された画面部品の状態に基づいて、画面部品が表示される領域を算出する。
表示部109は、画面部品を、表示領域制御部108により算出された表示領域に表示する。表示部109は、アニメーションおよび3Dを駆使した視覚効果による表示ができてもよい。
図2は、図1に示された表示領域制御装置100による表示の一例を示す図である。
リスト200は、表示要素である画面部品201〜208により構成され、操作画面作成部102により作成される。画面部品201〜208には、それぞれのデータIDに対応するデータが反映される。表示領域210は、実際に、表示部109に表示される領域である。すなわち、リスト200に含まれる画面部品201〜208のうち、表示領域210の範囲内にある画面部品202〜207が操作画面に表示される。
画面部品201と画面部品208は、ユーザ120からのスクロール操作発生に備えて、予め準備される。画面部品201と画面部品208が予め準備されていない場合、スクロール操作発生時、データが反映されていない画面部品201と画面部品208が、空欄で表示される。画面部品201と画面部品208が予め準備されることにより、スクロール操作発生時、画面部品201と画面部品208が、表示領域210にすぐに表示される。
図3は、図1に示されたデータ記憶部107が記憶しているデータの一例を示す図である。
図3に示されたデータ記憶テーブル300は、データ記憶部107が記憶するデータを保持するテーブルであって、データを一意に識別するデータIDと、データIDに対応するデータ内容とが記憶される。行301〜311は、データ記憶テーブル300により管理される情報である。データIDは、数値、文字列およびハッシュ値等のインデックスで表現される。
データ内容は、画面部品を表示するための情報である。例えば、データ内容は、画面部品そのものであってもよいし、画面部品を生成するために必要な情報であってもよい。また、データを示す情報であってもよいし、データの実体を参照するような情報であってもよい。データ内容として管理される情報は複数あってもよい。
図4は、図1に示された画面部品状態記憶部106が記憶する情報の種類の一例を示す図である。
データID401は、画面部品反映部105が画面部品に反映させるためのデータに対応するデータIDである。反映状態402は、画面部品反映部105がデータIDに対応するデータを画面部品に反映しているか否かを示す情報である。予備状態403は、スクロール発生時にユーザ120のスクロール操作に追従して、画面部品を表示するために準備しておく予備の画面部品であるか否かを示す情報である。表示可能状態404は、表示領域210に表示可能な画面部品であるか否かを示す情報である。
図5は、図1に示された表示領域制御装置100が、操作画面の表示前に、初期化を行う処理のフローチャートである。
まず、処理が開始され(S500)、ユーザ120から操作画面を表示するための操作画面初期化要求を要求受付部101が受付ける(S501)。操作画面初期化要求は、操作画面表示要求が発生する前に発生する。
次に、この要求を受付けた要求受付部101は、操作画面作成部102を初期化することにより、初期状態にする(S502)。
次に、操作画面作成部102は、開始データID記憶部103を初期化することにより、初期状態にする(S503)。
次に、操作画面作成部102は、画面部品管理部104を初期化することにより、初期状態にする(S504)。
次に、画面部品管理部104は、画面部品状態記憶部106を初期化することにより、初期状態にする(S505)。ここで、反映状態402には、未反映が設定される。予備状態403には、画面部品毎に、予備であるか否かが設定される。表示可能状態には、非表示状態が設定される。
次に、画面部品反映部105は、操作画面の表示に必要な画面部品にデータを反映する(S506)。これにより、表示領域制御装置100は、ユーザ120から操作画面表示要求を受けたときに、遅滞無く操作画面を表示できる。
そして、表示領域制御装置100は、処理を終了する(S507)。
図6は、図1に示された表示領域制御装置100が操作画面を表示する処理のフローチャートである。
まず、処理が開始され(S600)、ユーザ120から操作画面を表示するための操作画面表示要求を要求受付部101が受け付ける(S601)。操作画面表示要求には、ユーザ120が操作画面をスクロール操作することにより発生する要求、すなわち、操作画面をスクロールして表示するためのスクロール要求も含まれる。
次に、要求受付部101は、操作画面作成部102へ操作画面表示要求を通知する(S602)。ユーザ120が操作画面をスクロール操作することにより操作画面表示要求が発生した場合、操作画面表示要求にスクロールに関する情報が含まれる。スクロールに関する情報は、スクロール方向、スクロール量およびスクロール加速度等である。
次に、操作画面作成部102は、開始データID記憶部103から開始データIDを取得する(S603)。
次に、操作画面作成部102は、操作画面表示要求に含まれるスクロールに関する情報と開始データIDから、新しい開始データIDを算出する(S604)。これにより、表示対象となる画面部品が決定される。なお、スクロールによる操作画面表示要求ではない場合、新しい開始データIDは、開始データID記憶部103に記憶された開始データIDのままである。
ここで、操作画面表示要求に含まれる加速度およびスクロール量等が大きすぎ、画面部品の表示準備が間に合わない場合、操作画面作成部102は、加速度およびスクロール量等の大きさを変更し、開始データIDを算出してもよい。その場合、操作画面作成部102は、画面部品状態記憶部106に記憶された情報を参照し、開始データIDの算出を行う。
例えば、操作画面作成部102は、画面部品状態記憶部106に記憶された反映状態を参照することにより、データが反映されていない画面部品の多さを示す値が予め定められた範囲になるように、表示対象の画面部品を決定し、新しい開始データIDを算出する。データが反映されていない画面部品の多さを示す値は、データが反映されていない画面部品の数または割合等である。これにより、操作画面作成部102は、スクロールによってデータが反映されていない画面部品が表示対象となることを低減させる。
そして、操作画面作成部102は、開始データID記憶部103に新しい開始データIDを記憶させる(S605)。
次に、操作画面作成部102は、画面部品管理部104へ新しい開始データIDを通知する(S606)。
次に、画面部品管理部104は、新しい開始データIDに基づいて画面部品状態記憶部106が記憶する情報を更新する(S607)。例えば、表示領域制御装置100が図2に示されたリスト200を表示しようとする場合、画面部品状態記憶部106には、画面部品201〜208の状態が順に記憶される。この例では、画面部品202に対応するデータIDが開始データIDと等しくなる。
なお、画面部品状態記憶部106に記憶された情報は、ユーザによる操作画面への操作が発生する度に更新される。
また、開始データIDが、データ記憶部107によって管理された先頭のデータIDである場合、画面部品201に対応するデータIDは、データ記憶部107によって管理された一番後方のデータIDであってもよい。これにより、データ記憶部107によって管理されたデータが、スクロールにより繰り返して画面部品として表示される。ここで、データ記憶部107が管理する順序および方法等には、他の方法が用いられてもよい。
次に、画面部品管理部104は、画面部品状態記憶部106により記憶された画面部品の状態のそれぞれに対して、処理を行う(S608)。
画面部品状態記憶部106により記憶された画面部品の状態に対して行われる処理(S608)を次に示す。
まず、画面部品管理部104は、画面部品状態記憶部106に記憶された画面部品の反映状態を参照する(S609)。
ここで、画面部品の反映状態が反映済み、または、反映中である場合、画面部品管理部104は、次の画面部品の状態に対して処理を行う(S608)。
一方、画面部品の反映状態が未反映である場合、画面部品反映部105にデータIDに対応するデータの反映を要求する(S611)。次に、画面部品状態記憶部106へ画面部品が反映中であることを設定する(S612)。そして、次の画面部品の状態に対して処理を行う(S608)。
そして、画面部品状態記憶部106により記憶された画面部品の状態に対して行われる処理(S608)が完了した後、表示領域制御部108は、画面部品状態記憶部106に記憶された情報に基づいて表示領域を算出する(S613)。
次に、表示部109は、算出された表示領域に画面部品を表示する(S614)。このとき、画面部品管理部104は、データが反映された画面部品を表示領域に表示させ、データが反映されていない画面部品を隠蔽する。
そして、表示領域制御装置100は、処理を終了する(S615)。
これにより、データの反映に時間がかかることによって表示できない画面部品が隠蔽される。したがって、表示領域制御装置100は、画面部品の表示に時間がかかる場合に、ユーザ120が抱く違和感を低減させることができる。
図7は、図6に示されたデータの反映を要求する処理(S611)の後、行われる処理のフローチャートである。図7に示された処理は、図6に示されたデータの反映を要求する処理(S611)以降の処理と並列して行われる。
まず、処理が開始され(S700)、データの反映を要求された画面部品反映部105は、データ記憶部107からデータIDに対応するデータを取得する(S701)。
画面部品反映部105は、データを取得した後、データを画面部品へ反映する(S702)。画面部品へのデータの反映は、即座に完了しない場合がある。
データの反映が完了した後、画面部品反映部105は、画面部品管理部104へデータの反映が完了したことを通知する(S703)。
次に、画面部品管理部104は、画面部品状態記憶部106へ画面部品へのデータ反映が完了したことを設定する(S704)。すなわち、画面部品状態記憶部106に記憶された画面部品の反映状態を反映済に設定する。表示領域制御部108は、画面部品状態記憶部106に記憶された情報に基づいて表示領域を算出する(S705)。
次に、表示部109は、算出された表示領域に画面部品を表示する(S706)。このとき、画面部品管理部104は、データが反映された画面部品を表示領域に表示させ、データが反映されていない画面部品を隠蔽する。
そして、表示領域制御装置100は、処理を終了する(S707)。
なお、図7に示された表示領域を算出する処理(S705)は、図6に示された表示領域を算出する処理(S613)と同様である。また、図7に示された画面部品を表示する処理(S706)は、図6に示された画面部品を表示する処理(S614)と同様である。図7に示された処理において、表示領域制御装置100は、画面部品の反映が完了したときに、表示領域を算出し、画面部品を表示する。
図8は、図7に示された表示領域を算出する処理(S705)のフローチャートである。
まず、処理が開始され(S800)、画面部品管理部104は、画面部品状態記憶部106に記憶された画面部品のそれぞれに対して、表示可能状態を設定する(S801)。
画面部品状態記憶部106に記憶された画面部品のそれぞれに対して、表示可能状態を設定する処理(S801)を次に示す。
まず、画面部品管理部104は、画面部品状態記憶部106に記憶された画面部品の予備状態を確認する(S802)。
ここで、予備状態がYESの場合、表示状態をNOに設定する(S803)。そして、次の画面部品に対して、表示可能状態を設定する処理を行う(S801)。
一方、予備状態がNOの場合、画面部品の反映状態を確認する(S804)。そして、反映状態が反映済みの場合、表示可能状態をYESに設定する(S805)。反映状態が未反映、もしくは、反映中の場合、表示可能状態をNOに設定する(S806)。そして、次の画面部品に対して、表示可能状態を設定する処理を行う(S801)。
表示領域制御部108は、表示可能状態がYESに設定されている画面部品を表示対象として判断し、それらの画面部品が収まるように表示領域を設定する(S807)。
そして、表示領域制御部108は、処理を終了する(S808)。
これにより、表示領域制御部108は、画面部品の反映状態に従って、データが反映された前記画面部品を前記表示部に表示するための表示領域を決定する。
次に、図2、図9、図10および図11を用いて、表示領域制御装置100の動作を詳細に示す。
まず、図2に示されたリスト200が表示領域210の範囲で表示されているとする。
図9は、図2で示されたリスト200が表示対象であるときに、画面部品状態記憶部106に記憶されている情報を示す図である。行900は、画面部品状態記憶部106が記憶する情報の種類である。行901〜908の状態は、図2に示された画面部品201〜208の状態である。
画面部品201〜208は、データの反映が完了している。そのため、行901〜908の反映状態は、反映済となる。行901と行908に対応する画面部品201と画面部品208は表示の準備のために反映される画面部品である。そのため、画面部品201と画面部品208の予備状態はYESであり、それ以外はNOである。
表示領域制御部108は、反映状態が反映済であり、予備状態がNOである行902〜907の表示可能状態をYESに設定し、それ以外をNOに設定する。ここで、表示領域制御部108が表示可能状態をYESに設定した行902〜907に対応する領域、すなわち、画面部品202〜207に対応する領域が表示領域となる。そして、画面部品202〜207が、表示部109に表示される。
図10は、図1に示された表示領域制御装置100によるスクロール発生時の表示の一例を示す図である。
図10に示されたリスト1000は、図2に示されたリスト200が表示対象であるときに、ユーザ120またはプログラムから下へのスクロール要求が発生した後の表示対象である。リスト1000は、表示要素である画面部品1001〜1008により構成され、操作画面作成部102により作成される。画面部品1001〜1008は、それぞれ、データIDに対応するデータが反映される。
ここで、画面部品1007と画面部品1008への反映より速い速度でスクロール操作が行われた場合、画面部品1007と画面部品1008への反映が間に合わず、何も表示されない。このとき、画面部品1007と画面部品1008の反映状態は、反映中になる。画面部品1007と画面部品1008はデータが反映されていないため、表示領域制御部108は、表示領域1010を図2に示されたスクロール前の表示領域210よりも縮小する。
表示領域1010は、実際に、表示部109に表示される領域である。すなわち、リスト1000に含まれる画面部品1001〜1008のうち、表示領域1010の範囲内にある画面部品1002〜1006が操作画面に表示される。この表示領域1010は、画面部品1007への反映が完了したタイミングで、拡大され、表示領域210と同じサイズになる。
このように、表示領域制御装置100は、表示領域を制御することにより、反映されていない画面部品を隠蔽する。
図11は、図10に示されたリスト1000が表示対象であるときに、画面部品状態記憶部106に記憶されている情報を示す図である。行1100は、画面部品状態記憶部106が記憶する情報の種類である。行1101〜1108の状態は、図10に示された画面部品1001〜1008の状態である。
画面部品1001〜1006は、データの反映が完了している。そのため、行1101〜1106の反映状態は、反映済である。画面部品1007と画面部品1008は、データの反映中である。そのため、行1107と行1108の反映状態は、反映中となる。
表示領域制御部108は、反映状態が反映済であり、予備状態がNOである行1102〜1106の表示可能状態にYESを設定し、それ以外をNOに設定する。ここで、表示領域制御部108が表示可能状態をYESに設定した行1102〜1106に対応する領域、すなわち、画面部品1002〜1006に対応する領域が表示領域となる。そして、画面部品1002〜1006が、表示部109に表示される。このように表示領域制御部108が制御する表示領域は、操作画面に表示される画面部品の状態に応じて、拡大または縮小される。
図12は、実施の形態における表示領域制御装置の特徴的な構成要素を示す図である。
図12に示された表示領域制御装置100は、画面部品管理部104、画面部品反映部105、画面部品状態記憶部106、データ記憶部107、表示領域制御部108および表示部109を備える。
すなわち、図1に示された要求受付部101、操作画面作成部102および開始データID記憶部103はなくてもよい。例えば、表示領域制御装置100が、予め定められた時間間隔で順次画面部品を表示する場合であって、ユーザ120からの操作を受け付けない場合、要求受付部101等の構成要素は不要である。要求受付部101、操作画面作成部102および開始データID記憶部103がない場合でも、本発明の目的は達成される。
また、本発明による表示領域制御は、操作画面に表示されるリストのみではなく、様々な画面の表示に適用できる。以下に、表示領域の制御が適用される画面部品の表示例を例示する。
図13Aは、画面部品の第1の表示例を示す図である。図13Aに示された画面1311には、表示領域1312に画面部品1313が表示される。表示領域1312に縦スクロールバーが表示されており、ユーザがスクロールした場合、順次画面部品が表示される。画面部品として表示される文字は、もっと多くてもよい。また、画像が、画面部品として表示されてもよい。
このような場合において、表示領域制御装置100は、表示領域1312を小さくすることによって、データが反映されていない画面部品を隠蔽する。表示領域制御装置100は、スクロール量を変更することにより、データが反映されていない画面部品を隠蔽してもよい。
図13Bは、画面部品の第2の表示例を示す図である。図13Bに示された画面1321には、表示領域1322に画面部品1323が表示される。表示領域1322にスクロールバーが表示されており、ユーザがスクロールした場合、順次画面部品が表示される。図13Aに示された表示例と同様に、画面部品は、より多くの文字であってもよいし、画像であってもよい。
そして、図13Aに示された表示例と同様に、図13Bに示された表示例においても、表示領域制御装置100は、データが反映されていない画面部品を隠蔽できる。
図13Cは、画面部品の第3の表示例を示す図である。図13Cに示された画面1331には、表示領域1332に画面部品1333が表示される。画面部品1333は、文字であってもよいし、画像であってもよい。また、さらに、多くの画面部品が配置されてもよい。
このような場合において、表示領域制御装置100は、表示領域1332を小さくすることによって、データが反映されていない画面部品を隠蔽する。また、表示領域制御装置100は、データが反映された画面部品を大きく表示することにより、データが反映されていない画面部品を隠蔽してもよい。すなわち、データが反映された画面部品の表示が大きい場合、データが反映されていない画面部品は、表示領域に入らなくなる。これにより、データが反映されていない画面部品が隠蔽される。
図13Dは、画面部品の第4の表示例を示す図である。図13Dに示された画面1341には、表示領域1342に画面部品1343が表示される。図13Dに示された表示例において、図13Cに示された表示例と同様に、画面部品が表示される。さらに、図13Dに示された表示例において、画面部品が傾斜して表示され、より多くの画面部品が表示される。
そして、図13Cに示された表示例と同様に、図13Dに示された表示例においても、表示領域制御装置100は、データが反映されていない画面部品を隠蔽できる。さらに、表示領域制御装置100の画面部品管理部104は、傾斜の角度を変えることにより、表示領域1342に表示される画面部品の数を変更できる。したがって、画面部品管理部104は、傾斜の角度を変えることにより、データが反映されていない画面部品を隠蔽できる。
図13Eは、画面部品の第5の表示例を示す図である。図13Eに示された画面1351には、表示領域1352に画面部品が表示される。「D」「E」「F」で示される文字等は、それぞれが画面部品であって、球状のオブジェクトに画面部品が貼り付けられている。球状のオブジェクトで表示されている領域が、表示領域1352である。
このような場合において、表示領域制御装置100は、球状のオブジェクトの大きさを変えることにより、画面部品の数を増減できる。すなわち、データが反映されている画面部品が少ない場合、表示領域制御装置100の表示領域制御部108は、球状のオブジェクトで表示される表示領域1352を縮小する。これにより、表示領域制御装置100は、データが反映されていない画面部品を隠蔽する。
図13Fは、画面部品の第6の表示例を示す図である。図13Fに示された画面1361には、表示領域1362に画面部品が表示される。「D」「E」「F」で示される文字は、それぞれが画面部品であって、円柱状のオブジェクトに画面部品が貼り付けられている。円柱状のオブジェクトで表示されている領域が、表示領域1362である。
そして、図13Eに示された表示例と同様に、データが反映されている画面部品が少ない場合、表示領域制御装置100は、円柱状のオブジェクトを小さくすることにより、データが反映されていない画面部品を隠蔽できる。
図13Gは、画面部品の第7の表示例を示す図である。図13Gに示された画面1371には、表示領域1372に画面部品が表示される。すなわち、円で表示された表示領域1372の中にある画面部品のみが表示される。
このような場合において、データが反映されている画面部品が少ない場合、表示領域制御装置100の表示領域制御部108は、円で示される表示領域1372を小さくする。これにより、表示領域制御装置100は、データが反映されていない画面部品を隠蔽できる。
図13Aから図13Gにおいて示された表示は例であって、表示領域制御装置100は、表示領域の増減等により、他の態様により表示される画面部品にも、データが反映されていない画面部品を隠蔽できる。
次に、画面部品の隠蔽処理の例について記載する。
図14は、隠蔽処理の第1の例を示す図である。図14には、隠蔽処理の適用前の画面1401と適用後の画面1411が対比されて示されている。
適用前の画面1401の表示領域1402に、画面部品が表示される。図14に示された「A」、「B」および「C」は、それぞれが画面部品である。画面部品は、円柱状のオブジェクト1403に貼り付いた状態で表示される。そして、「A」および「B」はデータが反映された画面部品であり、「C」はデータが反映されていない画面部品である。したがって、「C」は実際には表示されていない。
そして、図14に示された例において、表示領域制御装置100が隠蔽処理を行った場合、適用後の画面1411が表示される。画面部品は、適用前と同様に、円柱状のオブジェクト1413に貼り付いた状態で表示される。しかし、画面1411の表示領域1412は、適用前よりも小さくなる。そして、データが反映されていない画面部品「C」は、表示領域1412の外側になる。
これにより、データが反映されていない画面部品「C」は、隠蔽される。ここで、表示されない領域は、「C」の部分だけではなく、表示領域1412が全体として小さくなっているため、ユーザに対する違和感は、低減される。
図15は、隠蔽処理の第2の例を示す図である。図15には、隠蔽処理の適用前の画面1401と適用後の画面1511が対比されて示されている。
適用前の画面1401は、図14に示された例と同様に表示される。
そして、図15に示された例において、表示領域制御装置100が隠蔽処理を行った場合、適用後の画面1511が表示される。表示領域制御装置100の画面部品管理部104は、画面部品が貼り付いている円柱状のオブジェクト1513を適用前よりも大きく表示部109に表示させる。これにより、画面部品が大きくなり、データが反映されていない画面部品「C」は、表示領域1512の外側になる。
これにより、データが反映されていない画面部品「C」は、隠蔽されるため、ユーザに対する違和感は、低減される。
なお、ここで、画面部品管理部104は、画面部品を大きくしたが、画面部品の表示間隔を大きくしてもよい。これにより、データが反映されていない画面部品「C」が隠蔽され、ユーザに対する違和感は、低減される。
図16は、隠蔽処理の第3の例を示す図である。図16には、隠蔽処理の適用前の画面1401と適用後の画面1611が対比されて示されている。
適用前の画面1401は、図14に示された例と同様に表示される。
そして、図16に示された例において、表示領域制御装置100が隠蔽処理を行った場合、適用後の画面1611が表示される。表示領域1612および円柱状のオブジェクト1613は、適用前と同じ大きさである。そして、表示領域制御装置100の画面部品管理部104は、表示領域1612の中の領域における両端の部分にグラデーション1614を重ねることにより、データが反映されていない画面部品「C」を隠蔽する。
また、グラデーション1614は、表示領域1612の境界付近が濃く、表示領域1612の中央付近が薄くなるように表示されることにより、ユーザに対する違和感は、低減される。
以上、図を用いて隠蔽処理を示したが、画面部品管理部104は、表示部109に表示領域制御部108により制御される表示領域を表示するとき、表示領域が拡大および縮小する様子をアニメーションにより表示してもよいし、アニメーションせずに表示してもよい。また、図16に示したように、画面部品管理部104は、表示領域の境界付近をグラデーションで表示し、そのグラデーションを拡大および縮小してもよい。
また、画面部品管理部104は、表示部109に画面部品を表示する際の透過度を制御し、フェードインおよびフェードアウトすることにより、データが反映されていない画面部品を隠蔽してもよい。また、表示領域制御装置100は、3Dの筒および球等の周りを沿うように画面部品を表示する際は、表示領域の変更だけでなく、その直径を変更することにより、表示領域を変更できてもよい。表示領域の変更は、ユーザ120に分からないように変化することが望ましい。
また、表示領域制御部108は、操作画面を円滑にスクロール表示するために準備される予備の画面部品の数を増減できてもよい。これにより、表示領域制御装置100は、表示領域制御装置100の処理負荷が低いときに、データを画面部品に反映できる。
以上、実施の形態に示されたように、本発明による表示領域制御装置は、画面部品を表示するための表示領域を制御し、データが反映されていない画面部品を隠蔽する。これにより、画面部品の表示に時間がかかる場合に、ユーザが抱く違和感を低減させることができる。
なお、実施の形態は例であって、本発明は実施の形態に限定されるのではない。実施の形態に対して当業者が思いつく変形を施して得られる形態、および、実施の形態における構成要素を任意に組み合わせて実現される別の形態も、本発明に含まれる。
また、図1および図12に示された表示領域制御装置の構成要素は、集積回路であるLSI(Large Scale Integration)として実現されてもよい。これらの構成要素は、個別に1チップ化されてもよいし、一部または全てを含むように1チップ化されてもよい。ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC(Integrated Circuit)、システムLSI、スーパーLSIまたはウルトラLSIと呼称されることもある。
また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路または汎用プロセッサで実現してもよい。プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)、または、LSI内部の回路セルの接続および設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。
さらには、半導体技術の進歩または派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて、表示領域制御装置に含まれる構成要素の集積回路化を行ってもよい。
また、表示領域制御装置の構成要素のうち、データを格納する手段だけ1チップ化せずに別構成としてもよい。
また、本発明は、表示領域制御装置として実現できるだけでなく、表示領域制御装置を構成する処理手段をステップとする方法として実現できる。そして、本発明は、その方法に含まれるステップをコンピュータに実行させるプログラムとして実現できる。さらに、本発明は、そのプログラムを記憶したCD−ROM等のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体として実現できる。
本発明による表示領域制御装置、表示領域制御方法および集積回路は、画面部品の表示に時間がかかる場合の違和感を低減させるという効果を有し、テレビ、記録装置、再生装置、カーナビゲーション、携帯電話、固定電話、プリンター、FAX、PDA、PC、デジタルカメラ、冷蔵庫、電子レンジおよび洗濯機などの機器に用いられるものとして有用である。
100 表示領域制御装置
101 要求受付部
102 操作画面作成部
103 開始データID記憶部
104 画面部品管理部
105 画面部品反映部
106 画面部品状態記憶部
107 データ記憶部
108 表示領域制御部
109 表示部
120 ユーザ
200、1000 リスト
201、202、203、204、205、206、207、208、1001、1002、1003、1004、1005、1006、1007、1008、1313、1323、1333、1343 画面部品
210、1010、1312、1322、1332、1342、1352、1362、1372、1402、1412、1512、1612 表示領域
300 データ記憶テーブル
301、302、303、304、305、306、307、308、309、310、311、900、901、902、903、904、905、906、907、908、1100、1101、1102、1103、1104、1105、1106、1107、1108 行
401 データID
402 反映状態
403 予備状態
404 表示可能状態
1311、1321、1331、1341、1351、1361、1371、1401、1411、1511、1611 画面
1403、1413、1513、1613 オブジェクト
1614 グラデーション