JPWO2011067928A1 - 補聴器 - Google Patents

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Abstract

補聴器(100)において、制御装置(4)は、伝達特性算出部(18)と、補正特性算出部(21)と、補正部(17)と、を備える。伝達特性算出部(18)は、フィッティング時においてレシーバ(3)から出力される補正用音声が外耳道マイクロフォン(10)で収集されることによって生成される第1音声データと、補正用音声データと、に基づいてフィッティング時伝達特性Gf(ω)を算出する。伝達特性算出部(18)は、フィッティング後におけるユーザ操作に応じてレシーバ(3)から出力される補正用音声が外耳道マイクロフォン(10)で収集されることによって生成される第3音声データと、補正用音声データと、に基づいてユーザ使用時伝達特性Gu(ω)を算出する。補正特性算出部(21)は、フィッティング時伝達特性Gf(ω)とユーザ使用時伝達特性Gu(ω)とに基づいて補正特性H(ω)を算出する。補正部(17)は、補正特性H(ω)に基づいて、補聴処理部(16)によって補聴処理された入力音データを補正する。

Description

本発明は、補聴器に関するものである。
補聴器は、ユーザの外耳道の入り口に装着、または外耳道内に挿入されるレシーバと、レシーバに接続された制御装置と、制御装置に接続された外部マイクロフォンとを備える。補聴器は、外部マイクロフォンで集音した音を、制御装置で補聴処理した後に、レシーバを介して外耳道に供給する。制御装置における補聴処理は、補聴器使用前のフィッティング時に設定された補聴機能設定にしたがって、行われる。フィッティング時の補聴機能設定は、良く知られているように、可聴周波数帯を例えば低音から高音にかけて順次出力される音の聞こえ方に応じて設定される。しかしながら、補聴機能設定を行っても補聴器の使用環境(例えば、装着状態)によっては、適切な補聴機能を発揮できないことがある。
そこで、下記特許文献1においては、補聴器使用前のフィッティング時に、外部マイクロフォンによって集音した音の音圧と外耳道マイクロフォンで集音した音圧との比較結果に基づいて、外耳道マイクロフォンで集音する音圧が一定となるように、制御装置による補聴処理(増幅)を行うことが提案されている。
特開平3−007498号公報
(発明が解決しようとする課題)
しかしながら、特許文献1に記載の補聴処理は、単に音圧を一定に制御するだけであるため、例えばフィッティングの翌日、ユーザが補聴器を耳に装着した時に、昨日のフィッティング時とは随分聞こえ方が違うことで、違和感を感ずることが多い。
この点をさらに具体的に説明する。補聴器の装着位置は、取付けの度に微妙にずれしてしまうことがあり、この補聴器の微妙な装着位置の差は、レシーバと鼓膜との間における外耳道内の容積差となる。これは、補聴器の外耳道内にレシーバを挿入するタイプで考えると理解がしやすく、外耳道内にレシーバを深く挿入すれば外耳道内容積は小さくなり、逆に外耳道内にレシーバを浅く挿入すれば外耳道内容積は大きくなる。この外耳道内容積の変動はそのまま音響特性(すなわち、周波数特性)に影響を与えてしまう。特にレシーバの外耳道への挿入位置がずれることによってレシーバから鼓膜の距離が変化しやすいので、外耳道共振と距離減衰による音圧変動の影響が大きい。従って、フィッティング調整された特性状態が必ずしも得られない場合があるため、昨日のフィッティング時とは随分聞こえ方(音質)が違うとユーザに感じさせるものとなる。結果として聞こえ方に対するユーザの満足感の低いものとしてしまうのである。
本発明は、補聴器の微妙な装着位置のずれによる音響特性(すなわち、周波数特性)の変動を抑制可能な補聴器を提供することを目的とするものである。
(課題を解決するための手段)
本発明に係る補聴器は、外耳道外の音を収集する外部マイクロフォンと、外耳道内の音を収集する外耳道マイクロフォンと、フィッティングによって設定されるフィッティング情報に基づいて、外部マイクロフォンによって収集される音を示す入力音データを補聴処理する補聴処理部と、補正用音声データに基づいて補正用音声を出力する補正用音声出力部と、ユーザ操作を受け付ける受付部と、フィッティング時において、補正用音声出力部から出力される補正用音声が外耳道マイクロフォンにおいて収集されることで生成される第1音声データと、補正用音声データに対応する第2音声データと、に基づいてフィッティング時伝達特性を算出し、フィッティング後におけるユーザ操作に応じて補正用音声出力部から出力される補正用音声が外耳道マイクロフォンにおいて収集されることで生成される第3音声データと、補正用音声データに対応する第4音声データと、に基づいてユーザ使用時伝達特性を算出する伝達特性算出部と、フィッティング時伝達特性とユーザ使用時伝達特性とに基づいて補正特性を算出する補正特性算出部と、補正特性に基づいて、補聴処理部によって補聴処理された入力音データを補正する補正部と、を備える。
(効果)
本発明によれば、補聴器の微妙な装着位置の変動による音響特性(すなわち、周波数特性)の変動を抑制可能な補聴器を提供することができる。
第1実施形態にかかる補聴器の斜視図である。 第1実施形態に係る補聴器の使用状態を示す図である。 第1実施形態に係るレシーバ部分の正面図である。 第1実施形態に係る制御ブロック図である。 第1実施形態に係る制御ブロック図である。 第1実施形態に係る第2音声データを示すグラフである。 第1実施形態に係る補聴器のフィッティング時の状態を示す図である。 第1実施形態に係る第1音声データを示すグラフである。 第1実施形態に係る第4音声データを示すグラフである。 第1実施形態に係る補聴器の使用時の状態を示す図である。 第1実施形態に係る第3音声データを示すグラフである。 第1実施形態に係るフィッティング時伝達特性の算出方法を示す模式図である。 第1実施形態に係るユーザ使用時伝達特性の算出方法を示す模式図である。 第1実施形態に係る補正特性の算出方法を示す模式図である。 第2実施形態にかかる補聴器の斜視図である。 第2実施形態に係る制御ブロック図である。 第2実施形態に係る制御ブロック図である。 第2実施形態に係る第2音声データを示すグラフである。 第2実施形態に係る補聴器のフィッティング時の状態を示す図である。 第2実施形態に係る第1音声データを示すグラフである。 第2実施形態に係る第4音声データを示すグラフである。 第2実施形態に係る補聴器の使用時の状態を示す図である。 第2実施形態に係る第3音声データを示すグラフである。 第2実施形態に係るフィッティング時伝達特性の算出方法を示す模式図である。 第2実施形態に係るユーザ使用時伝達特性の算出方法を示す模式図である。 第2実施形態に係る補正特性の算出方法を示す模式図である。 実施形態に係る貫通孔Tの構成を示す正面図である。
以下、本発明の一実施形態を、添付図面を用いて説明する。
(第1実施形態)
〈補聴器100の構成〉
図1は第1実施形態に係る補聴器100を示す。補聴器100は、耳の背面側に沿うように装着される本体ケース1と、この本体ケース1に耳掛け部2を介して連結されたレシーバ3(「補正用音声出力部」の一例)とを備えている。前記本体ケース1内には、制御装置4や電池5が内蔵させられている。また、本体ケース1の表面には、電源スイッチ6、ボリューム7、外部マイクロフォン8、装着補正スイッチ9が設けられている。さらに、レシーバ3は図2、図3のごとく、軟質材料で形成された装着体11に外耳道マイクロフォン10とともに一体化されている。レシーバ3と外耳道マイクロフォン10それぞれは、装着体11に形成される音響管12、13を介して外耳道14内に向けて開口する。
つまり、レシーバ3が図2のごとく外耳道14の入り口に装着、またはこの外耳道14内に挿入された場合、前記レシーバ3と外耳道マイクロフォン10は、それぞれ音響管12、13を介して外耳道14内に向けて開口した状態となるのである。なお、この図2においては、外耳道14に対するレシーバ3と外耳道マイクロフォン10の位置関係を理解しやすいように、耳掛け部2は、耳(耳介)15上に掛けられていない。ただし、実使用時には、耳掛け部2が耳(耳介)15上に掛けられ、本体ケース1は耳(耳介)15の背面に沿うように配置された状態で、レシーバ3が図2のごとく外耳道14の入り口に装着、またはこの外耳道14内に挿入される。
〈制御装置4の構成〉
図4及び図5は第1実施形態に係る制御装置4の電気的な制御ブロック図を示す。なお、図4及び図5では、動作中の構成同士が互いに実線で連結され、動作していない構成同士は互いに破線で連結されている。
制御装置4は、前記外部マイクロフォン8で収音した音を示す入力音データを補聴処理する補聴処理部16と、この補聴処理部16の出力を補正後に前記レシーバ3に出力する補正部17と、前記外耳道マイクロフォン10の出力側に接続した伝達特性算出部18と、フィッティング時伝達特性格納部19と、補正用音声出力を前記伝達特性算出部18と前記レシーバ3に出力する補正用音声データ格納部20と、前記伝達特性算出部18の出力を格納するユーザ使用時伝達特性格納部28と、このユーザ使用時伝達特性格納部28の出力と前記フィッティング時伝達特性格納部19の出力から補正特性H(ω)を算出する補正特性算出部21と、この補正特性算出部21の出力側に設けた補正特性格納部29とを備えている。また、この制御装置4には、前記装着補正スイッチ9が接続されている。なお、22、23、24は増幅器、25、26はA/D変換器、27はD/A変換器、30は音声再生処理部である。
図6A、図6B及び図6Cは補聴器100のフィッティング時の状態を示している。この時には、補聴器を耳(具体的には、耳介)15に装着し、通常のフィッティング動作、つまり可聴周波数帯を例えば低音から高音にかけて順次出力し、その時の音がどのように聞こえるかによって補聴機能設定が行われる。このようなフィッティング動作によって決定されたフィッティング情報が図4の補聴処理部16に登録される。このフィッティング直後、直ちに、装着補正スイッチ9がユーザによってONされる(図5参照)。
なお、制御装置4の動作は、装着補正スイッチ9が所定時間内に何度押されるかによって切換るものであり、装着補正スイッチ9が所定時間内に一度押されることによって、制御装置4の動作は、フィッティング時伝達特性格納部19にフィッティング時伝達特性を格納する動作に切り替わる。すると、装着補正スイッチ9がONし、「フィッティング時伝達特性を格納させている状態であること」が音声で報知される。そして、このようにフィッティング時伝達特性を格納させている状態になると、音声再生処理部30は、補正用音声データ格納部20から補正用音声データ(本実施形態に係る「第2音声データ」の一例、例えば白色雑音のように0〜16KHzの広帯域で、時間的強度の少ない音のデータ)を取得する。そして、音声再生処理部30は、補正用音声データ(図6Aに示すスペクトルX(ω))を、伝達特性算出部18に伝送するとともにD/A変換器27及び増幅器24を介してレシーバ3に出力する。その結果、レシーバ3から補正用音声が発せられ、次にこのレシーバ3からの音は外耳道マイクロフォン10で集音される。
図5に示すように、補正用音声が外耳道マイクロフォン10で集音されることによって生成される第1音声データ(図6Cに示すスペクトルYf(ω))は、前記伝達特性算出部18に供給される。伝達特性算出部18は、前記外耳道マイクロフォン10で集音することによって生成される第1音声データ(図6Cに示すスペクトルYf(ω))と、補正用音声データ(本実施形態に係る「第2音声データ」の一例、図6Aに示すスペクトルX(ω))とを比較し、その比較結果に基づいてフィッティング時伝達特性Gf(ω)を算出する。伝達特性算出部18は、算出されたフィッティング時伝達特性Gf(ω)をフィッティング時伝達特性格納部19に格納する。フィッティング時伝達特性Gf(ω)の算出方法については後述する。
次に、装着補正スイッチ9が所定時間内に三度押されると、装着補正スイッチ9は図4のごとく、OFF(装着補正スイッチ9がOFFされたことはレシーバ3から音声で報知される)され、この日はこの状態での補聴器使用が行われる。つまり、外部マイクロフォン8、増幅器23、24、A/D変換器26、D/A変換器27、補聴処理部16、補正部17、レシーバ3だけが動作し、通常の補聴動作、すなわち補聴処理部16に登録されたフィッティング情報による補聴動作が行われるのである。この時、補正特性格納部29には、補正特性算出部21からの出力が供給されないので、補正部17は補正動作を行わず、信号を通過させるだけである。
図7A、図7B及び図7Cは翌日に使用者が補聴器100を装着した状態を示しており、図6Bと図7Bの比較から明らかのように、外耳道14の奥へとレシーバ3の装着位置がずれている。この時には、外耳道内容積は図6Bよりも小さくなる(逆に外耳道14内にレシーバ3を浅く挿入すれば外耳道内容積は大きくなる)。この外耳道内容積の変動はそのまま音響特性(周波数特性)に影響を与えてしまう。その結果として、昨日のフィッティング時とは随分聞こえ方が違うという違和感をユーザに感じさせるものとなるので、ユーザの聞こえ方に対する満足感が低下する。
そこで、この時には、ユーザは装着補正スイッチ9を所定時間内に二度押しすることによって、図5のごとく装着補正スイッチ9をON(装着補正スイッチ9がON状態であり、補正処理を実行中であることがレシーバ3から音声で報知される)させる。すると、音声再生処理部30は、補正用音声データ格納部20から補正用音声データ(例えば白色雑音のように0〜16KHzの広帯域で、時間的強度の少ない音のデータ)を取得する。そして、音声再生処理部30は、補正用音声データ(本実施形態に係る「第4音声データ」の一例、図7Aに示すスペクトルX(ω))を、伝達特性算出部18に伝送するとともにD/A変換器27及び増幅器24を介してレシーバ3に出力する。
その結果、レシーバ3から補正用音声が発せられ、この補正用音声は外耳道マイクロフォン10で集音される。この外耳道マイクロフォン10で集音することによって生成される第3音声データ(図7Cに示すスペクトルYu(ω))は、前記伝達特性算出部18に供給される。伝達特性算出部18は、外耳道マイクロフォン10で集音することによって生成される第3音声データ(図7Cに示すスペクトルYu(ω))と音声再生処理部30から伝送された前記補正用音声データ(本実施形態に係る「第4音声データ」の一例、図7Aに示すスペクトルX(ω))とを比較し、その比較結果に基づいてユーザ使用時伝達特性Gu(ω)を算出する。伝達特性算出部18は、算出されたユーザ使用時伝達特性Gu(ω)をユーザ使用時伝達特性格納部28に格納する。ユーザ使用時伝達特性Gu(ω)の算出方法については後述する。
その後、補正特性算出部21は、ユーザ使用時伝達特性格納部28に格納されたユーザ使用時伝達特性Gu(ω)と、フィッティング時伝達特性格納部19に格納されているフィッティング時伝達特性Gf(ω)とから補正特性H(ω)を算出し、この補正特性H(ω)を補正特性格納部29に格納する。補正特性H(ω)の算出方法については後述する。
次に、装着補正スイッチ9が所定時間内に三度押されると、装着補正スイッチ9は図4のごとく、OFF(装着補正スイッチ9がOFFされたことはレシーバ3から音声で報知される)する。この時には、この図4の実線で示すように、外部マイクロフォン8、増幅器23、24、A/D変換器26、27、補聴処理部16、補正部17、レシーバ3が動作するとともに、補正部17は、補正特性格納部29に格納された補正特性H(ω)に基づいて補聴処理部16で補聴処理された入力音声データを補正する。
〈フィッティング時伝達特性Gf(ω)の算出方法〉
図8は、伝達特性算出部18におけるフィッティング時伝達特性Gf(ω)の算出方法を説明するための模式図である。フィッティング時伝達特性Gf(ω)は、フィッティング時においてレシーバ3から出力される補正用音声が外耳道マイクロフォン10で集音されることによって生成される第1音声データ(図6Cに示すスペクトルYf(ω))を、補正用音声データ格納部20からの補正用音声データ(本実施形態に係る「第2音声データ」の一例、図6Aに示すスペクトルX(ω))で割ることによって算出される。なお、このようなフィッティング時伝達特性Gf(ω)は、例えば、次の算出式(1)や算出式(2)などに基づいて算出される。
Gf(ω)=Yf(ω)/X(ω) ・・・(1)
Gf(ω)=〔Σ{Yf(ω)/X(ω)}〕/N ・・・(2)
〈ユーザ使用時伝達特性Gu(ω)の算出方法〉
図9は、伝達特性算出部18におけるユーザ使用時伝達特性Gu(ω)の算出方法を説明するための模式図である。ユーザ使用時伝達特性Gu(ω)は、フィッティング後においてユーザが装着補正スイッチ9を所定時間内に二度押しすることに応じてレシーバ3から出力される補正用音声が外耳道マイクロフォン10で集音されることによって生成される第3音声データ(図7Cに示すスペクトルYu(ω))を、補正用音声データ格納部20からの補正用音声データ(本実施形態に係る「第4音声データ」の一例、図7Aに示すスペクトルX(ω))で割ることによって算出される。なお、このようなユーザ使用時伝達特性Gu(ω)は、例えば、次の算出式(3)や算出式(4)などに基づいて算出される。
Gu(ω)=Yu(ω)/X(ω) ・・・(3)
Gu(ω)=〔Σ{Yu(ω)/X(ω)}〕/N ・・・(4)
〈補正特性H(ω)の算出方法〉
図10は、補正特性算出部21における補正特性H(ω)の算出方法を説明するための模式図である。補正特性H(ω)は、図8のフィッティング時伝達特性Gf(ω)を、図9のユーザ使用時伝達特性Gu(ω)で割ることによって算出される。なお、このような補正特性H(ω)は、例えば次の算出式(5)などに基づいて算出される。
H(ω)=Gf(ω)/Gu(ω) ・・・(5)
このようにして得られた図10の補正特性H(ω)は補正特性格納部29に格納され、この補正特性格納部29に格納された補正特性H(ω)が補正部17に供給される。すると、補正部17は、補聴処理部16からの出力を補正特性H(ω)に基づいて補正する。
〈作用及び効果〉
第1実施形態に係る補聴器100において、制御装置4は、伝達特性算出部18と、補正特性算出部21と、補正部17と、を備える。伝達特性算出部18は、フィッティング時においてレシーバ3(「補正用音声出力部」の一例)から出力される補正用音声が外耳道マイクロフォン10で収集されることによって生成される第1音声データ(図6Cに示すスペクトルYf(ω))と、補正用音声データ(本実施形態に係る「第2音声データ」の一例、図6Aに示すスペクトルX(ω))と、に基づいてフィッティング時伝達特性Gf(ω)を算出する。伝達特性算出部18は、フィッティング後におけるユーザ操作に応じてレシーバ3から出力される補正用音声が外耳道マイクロフォン10で収集されることによって生成される第3音声データ(図7Cに示すスペクトルYu(ω))と、補正用音声データ(本実施形態に係る「第4音声データ」の一例、図7Aに示すスペクトルX(ω))と、に基づいてユーザ使用時伝達特性Gu(ω)を算出する。補正特性算出部21は、フィッティング時伝達特性Gf(ω)とユーザ使用時伝達特性Gu(ω)とに基づいて補正特性H(ω)を算出する。補正部17は、補正特性H(ω)に基づいて、補聴処理部16によって補聴処理された入力音データを補正する。
このように、補正部17は、ユーザの要求に応じて算出されるユーザ使用時伝達特性Gu(ω)と、フィッティング時に取得済みのフィッティング時伝達特性Gf(ω)と、に基づいて算出される補正特性H(ω)に基づいて、補聴処理された入力音データを補正する。従って、補聴器100の装着位置がフィッティング時から微妙にずれることによって外耳道内容積が変動した場合においても、補聴処理された入力音データは、外耳道内容積の変動に応じて補正される。そのため、補聴器100の装着位置のずれに伴って音響特性(周波数特性)が変動することを抑制することができるので、ユーザの聞こえについての満足感を高めることができる。
(第2実施形態)
〈補聴器100Aの構成〉
図11は第2実施形態に係る補聴器100Aを示す。図11に示すように、第2実施形態に係る補聴器200は、本体ケース1の表面に設けられる補正音用スピーカ31(「補正用音声出力部」の一例)を備える点で、上記第1実施形態に係る補聴器100と相違している。
〈制御装置4A〉
図12及び図13は第2実施形態に係る制御装置4Aの電気的な制御ブロック図を示す。なお、図12及び図13では、動作中の構成同士が互いに実線で連結され、動作していない構成同士は互いに破線で連結されている。
制御装置4Aは、音声再生処理部30Aが補正音用スピーカ31に接続されている点で、上記第1実施形態に係る制御装置4と相違している。音声再生処理部30Aは、D/A変換器32及び増幅器33を介して、補正音用スピーカ31に接続されている。
図14A、図14B及び図14Cは補聴器100Aのフィッティング時の状態を示している。この時には、補聴器を耳(具体的には、耳介)15に装着し、通常のフィッティング動作、つまり可聴周波数帯を例えば低音から高音にかけて順次出力し、その時の音がどのように聞こえるかによって補聴機能設定が行われる。このようなフィッティング動作によって決定されたフィッティング情報が図12の補聴処理部16に登録される。このフィッティング直後、直ちに、装着補正スイッチ9がユーザによってONされる(図13参照)。
なお、制御装置4Aの動作は、装着補正スイッチ9が所定時間内に何度押されるかによって切換るものであり、装着補正スイッチ9が所定時間内に一度押されることによって、制御装置4Aの動作は、フィッティング時伝達特性格納部19にフィッティング時伝達特性を格納する動作に切り替わる。すると、装着補正スイッチ9がONし、「フィッティング時伝達特性を格納させている状態であること」が音声で報知される。そして、このようにフィッティング時伝達特性を格納させている状態になると、音声再生処理部30Aは、補正用音声データ格納部20から補正用音声データ(例えば白色雑音のように0〜16KHzの広帯域で、時間的強度の少ない音のデータ)を取得する。そして、音声再生処理部30Aは、補正用音声データを、D/A変換器32及び増幅器33を介して補正音用スピーカ31に出力する。その結果、補正音用スピーカ31から補正用音声が発せられ、次にこの補正音用スピーカ31からの音は外部マイクロフォン8及び外耳道マイクロフォン10のそれぞれで集音される。
図13に示すように、補正用音声が外耳道マイクロフォン10で集音されることによって生成される第1音声データ(図14Cに示すスペクトルYf(ω))と、補正用音声が外部マイクロフォン8で集音されることによって生成される第2音声データ(本実施形態に係る「第2音声データ」の一例、図14Aに示すスペクトルX(ω))とは、伝達特性算出部18に供給される。
伝達特性算出部18は、第1音声データ(図14Cに示すスペクトルYf(ω))と第2音声データ(図14Aに示すスペクトルX(ω))とを比較し、その比較結果に基づいてフィッティング時伝達特性Gf(ω)を算出する。伝達特性算出部18は、算出されたフィッティング時伝達特性Gf(ω)をフィッティング時伝達特性格納部19に格納する。フィッティング時伝達特性Gf(ω)の算出方法については後述する。
なお、フィッティング時伝達特性Gf(ω)を算出する場合、伝達特性算出部18は、後述するユーザ使用時伝達特性格納部28ではなく、フィッティング時伝達特性格納部19と選択的に接続される。
また、上記第1実施形態では、補正用音声データ自体を「第2音声データ」の例としたが、第2実施形態では、フィッティング時に外部マイクロフォン8によって収集される補正用音声を示すデータを「第2音声データ」の例として説明する。
次に、装着補正スイッチ9が所定時間内に三度押されると、装着補正スイッチ9は図13のごとく、OFF(装着補正スイッチ9がOFFされたことはレシーバ3から音声で報知される)され、この日はこの状態での補聴器使用が行われる。つまり、外部マイクロフォン8、増幅器23、24、A/D変換器26、D/A変換器27、補聴処理部16、補正部17、レシーバ3だけが動作し、通常の補聴動作、すなわち補聴処理部16に登録されたフィッティング情報による補聴動作が行われるのである。この時、補正特性格納部29には、補正特性算出部21からの出力が供給されないので、補正部17は補正動作を行わず、信号を通過させるだけである。
図15A、図15B及び図15Cは翌日に使用者が補聴器100Aを装着した状態を示しており、図14Bと図15Bの比較から明らかなように、外耳道14の奥へとレシーバ3の装着位置がずれている。この時には、外耳道内容積は図14Bよりも小さくなる(逆に外耳道14内にレシーバ3を浅く挿入すれば外耳道内容積は大きくなる)。この外耳道内容積の変動はそのまま音響特性(周波数特性)に影響を与えてしまう。その結果として、昨日のフィッティング時とは随分聞こえ方が違うという違和感をユーザに感じさせるものとなるので、ユーザの聞こえ方に対する満足感が低下する。
そこで、この時には、ユーザは装着補正スイッチ9を所定時間内に二度押しすることによって、図13のごとく装着補正スイッチ9をON(装着補正スイッチ9がON状態であり、補正処理を実行中であることがレシーバ3から音声で報知される)させる。すると、音声再生処理部30Aは、補正用音声データ格納部20から補正用音声データ(例えば白色雑音のように0〜16KHzの広帯域で、時間的強度の少ない音のデータ)を取得する。そして、音声再生処理部30Aは、補正用音声データを、D/A変換器27及び増幅器24を介して補正音用スピーカ31に出力する。
その結果、補正音用スピーカ31から補正用音声が発せられ、この補正用音声は外耳道マイクロフォン10及び外部マイクロフォン8で集音される。この外耳道マイクロフォン10で集音することによって生成される第3音声データ(図15Cに示すスペクトルYu(ω))と、外部マイクロフォン8で集音することによって生成される第4音声データ(図15Aに示すスペクトルX(ω))とは、伝達特性算出部18に供給される。伝達特性算出部18は、第3音声データ(図15Cに示すスペクトルYu(ω))と第4音声データ(図15Aに示すスペクトルX(ω))とを比較し、その比較結果に基づいてユーザ使用時伝達特性Gu(ω)を算出する。伝達特性算出部18は、算出されたユーザ使用時伝達特性Gu(ω)をユーザ使用時伝達特性格納部28に格納する。ユーザ使用時伝達特性Gu(ω)の算出方法については後述する。
なお、ユーザ使用時伝達特性Gu(ω)を算出する場合、伝達特性算出部18は、フィッティング時伝達特性格納部19ではなく、ユーザ使用時伝達特性格納部28と選択的に接続される。
また、上記第1実施形態では、補正用音声データ自体を「第4音声データ」の例としたが、第2実施形態では、ユーザ操作に応じて補正音用スピーカ31から出力され、外部マイクロフォン8によって収集される補正用音声を示すデータを「第4音声データ」の例として説明する。
その後、補正特性算出部21は、ユーザ使用時伝達特性格納部28に格納されたユーザ使用時伝達特性Gu(ω)と、フィッティング時伝達特性格納部19に格納されているフィッティング時伝達特性Gf(ω)とから補正特性H(ω)を算出し、この補正特性H(ω)を補正特性格納部29に格納する。補正特性H(ω)の算出方法については後述する。
次に、装着補正スイッチ9が所定時間内に三度押されると、装着補正スイッチ9は図12のごとく、OFF(装着補正スイッチ9がOFFされたことはレシーバ3から音声で報知される)する。この時には、この図12の実線で示すように、外部マイクロフォン8、増幅器23、24、A/D変換器26、27、補聴処理部16、補正部17、レシーバ3が動作するとともに、補正部17は、補正特性格納部29に格納された補正特性H(ω)に基づいて補聴処理部16で補聴処理された入力音声データを補正する。
〈フィッティング時伝達特性Gf(ω)の算出方法〉
図16は、伝達特性算出部18におけるフィッティング時伝達特性Gf(ω)の算出方法を説明するための模式図である。フィッティング時伝達特性Gf(ω)は、フィッティング時において補正音用スピーカ31から出力される補正用音声が外耳道マイクロフォン10で集音されることによって生成される第1音声データ(図14Cに示すスペクトルYf(ω))を、補正用音声が外部マイクロフォン8で集音されることによって生成される第2音声データ(図14Aに示すスペクトルX(ω))で割ることによって算出される。なお、このようなフィッティング時伝達特性Gf(ω)は、例えば、次の算出式(6)や算出式(7)などに基づいて算出される。
Gf(ω)=Yf(ω)/X(ω) ・・・(6)
Gf(ω)=〔Σ{Yf(ω)/X(ω)}〕/N ・・・(7)
〈ユーザ使用時伝達特性Gu(ω)の算出方法〉
図17は、伝達特性算出部18におけるユーザ使用時伝達特性Gu(ω)の算出方法を説明するための模式図である。ユーザ使用時伝達特性Gu(ω)は、フィッティング後においてユーザが装着補正スイッチ9を所定時間内に二度押しすることに応じてレシーバ3から出力される補正用音声が外耳道マイクロフォン10で集音されることによって生成される第3音声データ(図7Cに示すスペクトルYu(ω))を、補正用音声が外部マイクロフォン8で集音されることによって生成される第4音声データ(図15Aに示すスペクトルX(ω))で割ることによって算出される。なお、このようなユーザ使用時伝達特性Gu(ω)は、例えば、次の算出式(8)や算出式(9)などに基づいて算出される。
Gu(ω)=Yu(ω)/X(ω) ・・・(8)
Gu(ω)=〔Σ{Yu(ω)/X(ω)}〕/N ・・・(9)
〈補正特性H(ω)の算出方法〉
図18は、補正特性算出部21における補正特性H(ω)の算出方法を説明するための模式図である。補正特性H(ω)は、図16のフィッティング時伝達特性Gf(ω)を、図17のユーザ使用時伝達特性Gu(ω)で割ることによって算出される。なお、このような補正特性H(ω)は、例えば次の算出式(10)などに基づいて算出される。
H(ω)=Gf(ω)/Gu(ω) ・・・(10)
このようにして得られた図18の補正特性H(ω)は補正特性格納部29に格納され、この補正特性格納部29に格納された補正特性H(ω)が補正部17に供給される。すると、補正部17は、補聴処理部16からの出力を補正特性H(ω)に基づいて補正する。
〈作用及び効果〉
第2実施形態に係る補聴器100において、制御装置4は、伝達特性算出部18と、補正特性算出部21と、補正部17と、を備える。伝達特性算出部18は、フィッティング時において補正音用スピーカ31(「補正用音声出力部」の一例)から出力される補正用音声が外耳道マイクロフォン10で収集されることによって生成される第1音声データ(図14Cに示すスペクトルYf(ω))と、外部マイクロフォン8で収集されることによって生成される第2音声データ(図14Aに示すスペクトルX(ω))と、に基づいてフィッティング時伝達特性Gf(ω)を算出する。伝達特性算出部18は、フィッティング後におけるユーザ操作に応じて補正音用スピーカ31から出力される補正用音声が外耳道マイクロフォン10で収集されることによって生成される第3音声データ(図15Cに示すスペクトルYu(ω))と、外部マイクロフォン8で収集されることによって生成される第4音声データ(図15Aに示すスペクトルX(ω))と、に基づいてユーザ使用時伝達特性Gu(ω)を算出する。補正特性算出部21は、フィッティング時伝達特性Gf(ω)とユーザ使用時伝達特性Gu(ω)とに基づいて補正特性H(ω)を算出する。補正部17は、補正特性H(ω)に基づいて、補聴処理部16によって補聴処理された入力音データを補正する。
このように、補正部17は、ユーザの要求に応じて算出されるユーザ使用時伝達特性Gu(ω)と、フィッティング時に取得済みのフィッティング時伝達特性Gf(ω)と、に基づいて算出される補正特性H(ω)に基づいて、補聴処理された入力音データを補正する。従って、補聴器100の装着位置がフィッティング時から微妙にずれることによって外耳道内容積が変動した場合においても、補聴処理された入力音データは、外耳道内容積の変動に応じて補正される。そのため、補聴器100の装着位置のずれに伴って音響特性(周波数特性)が変動することを抑制することができるので、ユーザの聞こえについての満足感を高めることができる。
(その他の実施形態)
(A)上記実施形態では、補正特性算出部21において、ユーザ使用時伝達特性格納部28に格納されたユーザ使用時伝達特性Gu(ω)と、フィッティング時伝達特性格納部20に格納されたフィッティング時伝達特性Gf(ω)とから補正特性H(ω)を算出したが、ユーザ使用時伝達特性Gu(ω)は伝達特性算出部18から出力されているので、伝達特性算出部18の出力をユーザ使用時伝達特性Gu(ω)として活用し、フィッティング時伝達特性格納部19に格納されたフィッティング時伝達特性とで補正特性を算出しても良い。
(B)上記第2実施形態では特に触れていないが、図19に示すように、補聴器100は、レシーバ3及び外耳道マイクロフォン10が埋設される耳栓部34と、耳栓部34に形成され、外耳道14内と外耳道14外とに連通する貫通孔Tと、を備えていてもよい。この場合、補正音用スピーカ31から発せられる補正用音声は、貫通孔Tを介して外耳道14内に導かれる。そのため、補正音用スピーカ31から発せられる補正用音声を、第1音声データ(図14Cに示すスペクトルYf(ω))と第3音声データ(図15Cに示すスペクトルYu(ω))とに精度良く反映させることができる。なお、貫通孔Tを設けることによって、外耳道14内における音のこもり感を抑制できるので、ユーザの聞こえ方をより向上させることができる。
(C)上記第2実施形態において、第2音声データ(図14Aに示すスペクトルX(ω))と第4音声データ(図15Aに示すスペクトルX(ω))とは、外部マイクロフォン8における集音によって生成されることとしたが、これに限られるものではない。第2音声データ及び第4音声データの少なくとも一方として、補正用音声データ格納部20に格納されている補正用音声データを簡易的に用いることができる。
本発明においては、耳に補聴器を装着後、ユーザが、満足感が低いと感ずる時には、装着補正スイッチを操作すれば、補聴器の微妙な装着差による聞こえ方の違和感を解消し、聞こえ方に対するユーザの満足感を高めることができる。このため、補聴器として、広く活用が期待される。
1 本体ケース
2 耳掛け部
3 レシーバ
4 制御装置
5 電池
6 電源スイッチ
7 ボリューム
8 外部マイクロフォン
9 装着補正スイッチ
10 外耳道マイクロフォン
11 装着体
12,13 音響管
14 外耳道
15 耳(耳介)
16 補聴処理部
17 補正部
18 伝達特性算出部
19 フィッティング時伝達特性格納部
20 補正用音声データ格納部
21 補正特性算出部
22,23,24 増幅器
25,26 A/D変換器
27 D/A変換器
28 ユーザ使用時伝達特性格納部
29 補正特性格納部
30 音声再生処理部
31 補正音用スピーカ
32 D/A変換器
33 増幅器
34 耳栓部
T 貫通孔
【書類名】明細書
【発明の名称】補聴器
【技術分野】
【0001】
本発明は、補聴器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
補聴器は、ユーザの外耳道の入り口に装着、または外耳道内に挿入されるレシーバと、レシーバに接続された制御装置と、制御装置に接続された外部マイクロフォンとを備える。補聴器は、外部マイクロフォンで集音した音を、制御装置で補聴処理した後に、レシーバを介して外耳道に供給する。制御装置における補聴処理は、補聴器使用前のフィッティング時に設定された補聴機能設定にしたがって、行われる。フィッティング時の補聴機能設定は、良く知られているように、可聴周波数帯を例えば低音から高音にかけて順次出力される音の聞こえ方に応じて設定される。しかしながら、補聴機能設定を行っても補聴器の使用環境(例えば、装着状態)によっては、適切な補聴機能を発揮できないことがある。
【0003】
そこで、下記特許文献1においては、補聴器使用前のフィッティング時に、外部マイクロフォンによって集音した音の音圧と外耳道マイクロフォンで集音した音圧との比較結果に基づいて、外耳道マイクロフォンで集音する音圧が一定となるように、制御装置による補聴処理(増幅)を行うことが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平3−007498号公報
【発明の概要】
(発明が解決しようとする課題)
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の補聴処理は、単に音圧を一定に制御するだけであるため、例えばフィッティングの翌日、ユーザが補聴器を耳に装着した時に、昨日のフィッティング時とは随分聞こえ方が違うことで、違和感を感ずることが多い。
【0006】
この点をさらに具体的に説明する。補聴器の装着位置は、取付けの度に微妙にずれしてしまうことがあり、この補聴器の微妙な装着位置の差は、レシーバと鼓膜との間における外耳道内の容積差となる。これは、補聴器の外耳道内にレシーバを挿入するタイプで考えると理解がしやすく、外耳道内にレシーバを深く挿入すれば外耳道内容積は小さくなり、逆に外耳道内にレシーバを浅く挿入すれば外耳道内容積は大きくなる。この外耳道内容積の変動はそのまま音響特性(すなわち、周波数特性)に影響を与えてしまう。特にレシーバの外耳道への挿入位置がずれることによってレシーバから鼓膜の距離が変化しやすいので、外耳道共振と距離減衰による音圧変動の影響が大きい。従って、フィッティング調整された特性状態が必ずしも得られない場合があるため、昨日のフィッティング時とは随分聞こえ方(音質)が違うとユーザに感じさせるものとなる。結果として聞こえ方に対するユーザの満足感の低いものとしてしまうのである。
【0007】
本発明は、補聴器の微妙な装着位置のずれによる音響特性(すなわち、周波数特性)の変動を抑制可能な補聴器を提供することを目的とするものである。
【0008】
(課題を解決するための手段)
本発明に係る補聴器は、外耳道外の音を収集する外部マイクロフォンと、外耳道内の音を収集する外耳道マイクロフォンと、フィッティングによって設定されるフィッティング情報に基づいて、外部マイクロフォンによって収集される音を示す入力音データを補聴処理する補聴処理部と、補正用音声データに基づいて補正用音声を出力する補正用音声出力部と、ユーザ操作を受け付ける受付部と、フィッティング時において、補正用音声出力部から出力される補正用音声が外耳道マイクロフォンにおいて収集されることで生成される第1音声データと、補正用音声データに対応する第2音声データと、に基づいてフィッティング時伝達特性を算出し、フィッティング後におけるユーザ操作に応じて補正用音声出力部から出力される補正用音声が外耳道マイクロフォンにおいて収集されることで生成される第3音声データと、補正用音声データに対応する第4音声データと、に基づいてユーザ使用時伝達特性を算出する伝達特性算出部と、フィッティング時伝達特性とユーザ使用時伝達特性とに基づいて補正特性を算出する補正特性算出部と、補正特性に基づいて、補聴処理部によって補聴処理された入力音データを補正する補正部と、を備える。
【0009】
(効果)
本発明によれば、補聴器の微妙な装着位置の変動による音響特性(すなわち、周波数特性)の変動を抑制可能な補聴器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】第1実施形態にかかる補聴器の斜視図である。
【図2】第1実施形態に係る補聴器の使用状態を示す図である。
【図3】第1実施形態に係るレシーバ部分の正面図である。
【図4】第1実施形態に係る制御ブロック図である。
【図5】第1実施形態に係る制御ブロック図である。
【図6A】第1実施形態に係る第2音声データを示すグラフである。
【図6B】第1実施形態に係る補聴器のフィッティング時の状態を示す図である。
【図6C】第1実施形態に係る第1音声データを示すグラフである。
【図7A】第1実施形態に係る第4音声データを示すグラフである。
【図7B】第1実施形態に係る補聴器の使用時の状態を示す図である。
【図7C】第1実施形態に係る第3音声データを示すグラフである。
【図8】第1実施形態に係るフィッティング時伝達特性の算出方法を示す模式図である。
【図9】第1実施形態に係るユーザ使用時伝達特性の算出方法を示す模式図である。
【図10】第1実施形態に係る補正特性の算出方法を示す模式図である。
【図11】第2実施形態にかかる補聴器の斜視図である。
【図12】第2実施形態に係る制御ブロック図である。
【図13】第2実施形態に係る制御ブロック図である。
【図14A】第2実施形態に係る第2音声データを示すグラフである。
【図14B】第2実施形態に係る補聴器のフィッティング時の状態を示す図である。
【図14C】第2実施形態に係る第1音声データを示すグラフである。
【図15A】第2実施形態に係る第4音声データを示すグラフである。
【図15B】第2実施形態に係る補聴器の使用時の状態を示す図である。
【図15C】第2実施形態に係る第3音声データを示すグラフである。
【図16】第2実施形態に係るフィッティング時伝達特性の算出方法を示す模式図である。
【図17】第2実施形態に係るユーザ使用時伝達特性の算出方法を示す模式図である。
【図18】第2実施形態に係る補正特性の算出方法を示す模式図である。
【図19】実施形態に係る貫通孔Tの構成を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一実施形態を、添付図面を用いて説明する。
(第1実施形態)
〈補聴器100の構成〉
図1は第1実施形態に係る補聴器100を示す。補聴器100は、耳の背面側に沿うように装着される本体ケース1と、この本体ケース1に耳掛け部2を介して連結されたレシーバ3(「補正用音声出力部」の一例)とを備えている。前記本体ケース1内には、制御装置4や電池5が内蔵させられている。また、本体ケース1の表面には、電源スイッチ6、ボリューム7、外部マイクロフォン8、装着補正スイッチ9が設けられている。さらに、レシーバ3は図2、図3のごとく、軟質材料で形成された装着体11に外耳道マイクロフォン10とともに一体化されている。レシーバ3と外耳道マイクロフォン10それぞれは、装着体11に形成される音響管12、13を介して外耳道14内に向けて開口する。
【0012】
つまり、レシーバ3が図2のごとく外耳道14の入り口に装着、またはこの外耳道14内に挿入された場合、前記レシーバ3と外耳道マイクロフォン10は、それぞれ音響管12、13を介して外耳道14内に向けて開口した状態となるのである。なお、この図2においては、外耳道14に対するレシーバ3と外耳道マイクロフォン10の位置関係を理解しやすいように、耳掛け部2は、耳(耳介)15上に掛けられていない。ただし、実使用時には、耳掛け部2が耳(耳介)15上に掛けられ、本体ケース1は耳(耳介)15の背面に沿うように配置された状態で、レシーバ3が図2のごとく外耳道14の入り口に装着、またはこの外耳道14内に挿入される。
【0013】
〈制御装置4の構成〉
図4及び図5は第1実施形態に係る制御装置4の電気的な制御ブロック図を示す。なお、図4及び図5では、動作中の構成同士が互いに実線で連結され、動作していない構成同士は互いに破線で連結されている。
制御装置4は、前記外部マイクロフォン8で収音した音を示す入力音データを補聴処理する補聴処理部16と、この補聴処理部16の出力を補正後に前記レシーバ3に出力する補正部17と、前記外耳道マイクロフォン10の出力側に接続した伝達特性算出部18と、フィッティング時伝達特性格納部19と、補正用音声出力を前記伝達特性算出部18と前記レシーバ3に出力する補正用音声データ格納部20と、前記伝達特性算出部18の出力を格納するユーザ使用時伝達特性格納部28と、このユーザ使用時伝達特性格納部28の出力と前記フィッティング時伝達特性格納部19の出力から補正特性H(ω)を算出する補正特性算出部21と、この補正特性算出部21の出力側に設けた補正特性格納部29とを備えている。また、この制御装置4には、前記装着補正スイッチ9が接続されている。なお、22、23、24は増幅器、25、26はA/D変換器、27はD/A変換器、30は音声再生処理部である。
【0014】
図6A、図6B及び図6Cは補聴器100のフィッティング時の状態を示している。この時には、補聴器を耳(具体的には、耳介)15に装着し、通常のフィッティング動作、つまり可聴周波数帯を例えば低音から高音にかけて順次出力し、その時の音がどのように聞こえるかによって補聴機能設定が行われる。このようなフィッティング動作によって決定されたフィッティング情報が図4の補聴処理部16に登録される。このフィッティング直後、直ちに、装着補正スイッチ9がユーザによってONされる(図5参照)。
【0015】
なお、制御装置4の動作は、装着補正スイッチ9が所定時間内に何度押されるかによって切換るものであり、装着補正スイッチ9が所定時間内に一度押されることによって、制御装置4の動作は、フィッティング時伝達特性格納部19にフィッティング時伝達特性を格納する動作に切り替わる。すると、装着補正スイッチ9がONし、「フィッティング時伝達特性を格納させている状態であること」が音声で報知される。そして、このようにフィッティング時伝達特性を格納させている状態になると、音声再生処理部30は、補正用音声データ格納部20から補正用音声データ(本実施形態に係る「第2音声データ」の一例、例えば白色雑音のように0〜16KHzの広帯域で、時間的強度の少ない音のデータ)を取得する。そして、音声再生処理部30は、補正用音声データ(図6Aに示すスペクトルX(ω))を、伝達特性算出部18に伝送するとともにD/A変換器27及び増幅器24を介してレシーバ3に出力する。その結果、レシーバ3から補正用音声が発せられ、次にこのレシーバ3からの音は外耳道マイクロフォン10で集音される。
【0016】
図5に示すように、補正用音声が外耳道マイクロフォン10で集音されることによって生成される第1音声データ(図6Cに示すスペクトルYf(ω))は、前記伝達特性算出部18に供給される。伝達特性算出部18は、前記外耳道マイクロフォン10で集音することによって生成される第1音声データ(図6Cに示すスペクトルYf(ω))と、補正用音声データ(本実施形態に係る「第2音声データ」の一例、図6Aに示すスペクトルX(ω))とを比較し、その比較結果に基づいてフィッティング時伝達特性Gf(ω)を算出する。伝達特性算出部18は、算出されたフィッティング時伝達特性Gf(ω)をフィッティング時伝達特性格納部19に格納する。フィッティング時伝達特性Gf(ω)の算出方法については後述する。
【0017】
次に、装着補正スイッチ9が所定時間内に三度押されると、装着補正スイッチ9は図4のごとく、OFF(装着補正スイッチ9がOFFされたことはレシーバ3から音声で報知される)され、この日はこの状態での補聴器使用が行われる。つまり、外部マイクロフォン8、増幅器23、24、A/D変換器26、D/A変換器27、補聴処理部16、補正部17、レシーバ3だけが動作し、通常の補聴動作、すなわち補聴処理部16に登録されたフィッティング情報による補聴動作が行われるのである。この時、補正特性格納部29には、補正特性算出部21からの出力が供給されないので、補正部17は補正動作を行わず、信号を通過させるだけである。
【0018】
図7A、図7B及び図7Cは翌日に使用者が補聴器100を装着した状態を示しており、図6Bと図7Bの比較から明らかのように、外耳道14の奥へとレシーバ3の装着位置がずれている。この時には、外耳道内容積は図6Bよりも小さくなる(逆に外耳道14内にレシーバ3を浅く挿入すれば外耳道内容積は大きくなる)。この外耳道内容積の変動はそのまま音響特性(周波数特性)に影響を与えてしまう。その結果として、昨日のフィッティング時とは随分聞こえ方が違うという違和感をユーザに感じさせるものとなるので、ユーザの聞こえ方に対する満足感が低下する。
【0019】
そこで、この時には、ユーザは装着補正スイッチ9を所定時間内に二度押しすることによって、図5のごとく装着補正スイッチ9をON(装着補正スイッチ9がON状態であり、補正処理を実行中であることがレシーバ3から音声で報知される)させる。すると、音声再生処理部30は、補正用音声データ格納部20から補正用音声データ(例えば白色雑音のように0〜16KHzの広帯域で、時間的強度の少ない音のデータ)を取得する。そして、音声再生処理部30は、補正用音声データ(本実施形態に係る「第4音声データ」の一例、図7Aに示すスペクトルX(ω))を、伝達特性算出部18に伝送するとともにD/A変換器27及び増幅器24を介してレシーバ3に出力する。
【0020】
その結果、レシーバ3から補正用音声が発せられ、この補正用音声は外耳道マイクロフォン10で集音される。この外耳道マイクロフォン10で集音することによって生成される第3音声データ(図7Cに示すスペクトルYu(ω))は、前記伝達特性算出部18に供給される。伝達特性算出部18は、外耳道マイクロフォン10で集音することによって生成される第3音声データ(図7Cに示すスペクトルYu(ω))と音声再生処理部30から伝送された前記補正用音声データ(本実施形態に係る「第4音声データ」の一例、図7Aに示すスペクトルX(ω))とを比較し、その比較結果に基づいてユーザ使用時伝達特性Gu(ω)を算出する。伝達特性算出部18は、算出されたユーザ使用時伝達特性Gu(ω)をユーザ使用時伝達特性格納部28に格納する。ユーザ使用時伝達特性Gu(ω)の算出方法については後述する。
その後、補正特性算出部21は、ユーザ使用時伝達特性格納部28に格納されたユーザ使用時伝達特性Gu(ω)と、フィッティング時伝達特性格納部19に格納されているフィッティング時伝達特性Gf(ω)とから補正特性H(ω)を算出し、この補正特性H(ω)を補正特性格納部29に格納する。補正特性H(ω)の算出方法については後述する。
【0021】
次に、装着補正スイッチ9が所定時間内に三度押されると、装着補正スイッチ9は図4のごとく、OFF(装着補正スイッチ9がOFFされたことはレシーバ3から音声で報知される)する。この時には、この図4の実線で示すように、外部マイクロフォン8、増幅器23、24、A/D変換器26、27、補聴処理部16、補正部17、レシーバ3が動作するとともに、補正部17は、補正特性格納部29に格納された補正特性H(ω)に基づいて補聴処理部16で補聴処理された入力音声データを補正する。
【0022】
〈フィッティング時伝達特性Gf(ω)の算出方法〉
図8は、伝達特性算出部18におけるフィッティング時伝達特性Gf(ω)の算出方法を説明するための模式図である。フィッティング時伝達特性Gf(ω)は、フィッティング時においてレシーバ3から出力される補正用音声が外耳道マイクロフォン10で集音されることによって生成される第1音声データ(図6Cに示すスペクトルYf(ω))を、補正用音声データ格納部20からの補正用音声データ(本実施形態に係る「第2音声データ」の一例、図6Aに示すスペクトルX(ω))で割ることによって算出される。なお、このようなフィッティング時伝達特性Gf(ω)は、例えば、次の算出式(1)や算出式(2)などに基づいて算出される。
Gf(ω)=Yf(ω)/X(ω) ・・・(1)
Gf(ω)=〔Σ{Yf(ω)/X(ω)}〕/N ・・・(2)
【0023】
〈ユーザ使用時伝達特性Gu(ω)の算出方法〉
図9は、伝達特性算出部18におけるユーザ使用時伝達特性Gu(ω)の算出方法を説明するための模式図である。ユーザ使用時伝達特性Gu(ω)は、フィッティング後においてユーザが装着補正スイッチ9を所定時間内に二度押しすることに応じてレシーバ3から出力される補正用音声が外耳道マイクロフォン10で集音されることによって生成される第3音声データ(図7Cに示すスペクトルYu(ω))を、補正用音声データ格納部20からの補正用音声データ(本実施形態に係る「第4音声データ」の一例、図7Aに示すスペクトルX(ω))で割ることによって算出される。なお、このようなユーザ使用時伝達特性Gu(ω)は、例えば、次の算出式(3)や算出式(4)などに基づいて算出される。
Gu(ω)=Yu(ω)/X(ω) ・・・(3)
Gu(ω)=〔Σ{Yu(ω)/X(ω)}〕/N ・・・(4)
【0024】
〈補正特性H(ω)の算出方法〉
図10は、補正特性算出部21における補正特性H(ω)の算出方法を説明するための模式図である。補正特性H(ω)は、図8のフィッティング時伝達特性Gf(ω)を、図9のユーザ使用時伝達特性Gu(ω)で割ることによって算出される。なお、このような補正特性H(ω)は、例えば次の算出式(5)などに基づいて算出される。
H(ω)=Gf(ω)/Gu(ω) ・・・(5)
このようにして得られた図10の補正特性H(ω)は補正特性格納部29に格納され、この補正特性格納部29に格納された補正特性H(ω)が補正部17に供給される。すると、補正部17は、補聴処理部16からの出力を補正特性H(ω)に基づいて補正する。
【0025】
〈作用及び効果〉
第1実施形態に係る補聴器100において、制御装置4は、伝達特性算出部18と、補正特性算出部21と、補正部17と、を備える。伝達特性算出部18は、フィッティング時においてレシーバ3(「補正用音声出力部」の一例)から出力される補正用音声が外耳道マイクロフォン10で収集されることによって生成される第1音声データ(図6Cに示すスペクトルYf(ω))と、補正用音声データ(本実施形態に係る「第2音声データ」の一例、図6Aに示すスペクトルX(ω))と、に基づいてフィッティング時伝達特性Gf(ω)を算出する。伝達特性算出部18は、フィッティング後におけるユーザ操作に応じてレシーバ3から出力される補正用音声が外耳道マイクロフォン10で収集されることによって生成される第3音声データ(図7Cに示すスペクトルYu(ω))と、補正用音声データ(本実施形態に係る「第4音声データ」の一例、図7Aに示すスペクトルX(ω))と、に基づいてユーザ使用時伝達特性Gu(ω)を算出する。補正特性算出部21は、フィッティング時伝達特性Gf(ω)とユーザ使用時伝達特性Gu(ω)とに基づいて補正特性H(ω)を算出する。補正部17は、補正特性H(ω)に基づいて、補聴処理部16によって補聴処理された入力音データを補正する。
【0026】
このように、補正部17は、ユーザの要求に応じて算出されるユーザ使用時伝達特性Gu(ω)と、フィッティング時に取得済みのフィッティング時伝達特性Gf(ω)と、に基づいて算出される補正特性H(ω)に基づいて、補聴処理された入力音データを補正する。従って、補聴器100の装着位置がフィッティング時から微妙にずれることによって外耳道内容積が変動した場合においても、補聴処理された入力音データは、外耳道内容積の変動に応じて補正される。そのため、補聴器100の装着位置のずれに伴って音響特性(周波数特性)が変動することを抑制することができるので、ユーザの聞こえについての満足感を高めることができる。
【0027】
(第2実施形態)
〈補聴器100Aの構成〉
図11は第2実施形態に係る補聴器100Aを示す。図11に示すように、第2実施形態に係る補聴器200は、本体ケース1の表面に設けられる補正音用スピーカ31(「補正用音声出力部」の一例)を備える点で、上記第1実施形態に係る補聴器100と相違している。
【0028】
〈制御装置4A〉
図12及び図13は第2実施形態に係る制御装置4Aの電気的な制御ブロック図を示す。なお、図12及び図13では、動作中の構成同士が互いに実線で連結され、動作していない構成同士は互いに破線で連結されている。
制御装置4Aは、音声再生処理部30Aが補正音用スピーカ31に接続されている点で、上記第1実施形態に係る制御装置4と相違している。音声再生処理部30Aは、D/A変換器32及び増幅器33を介して、補正音用スピーカ31に接続されている。
【0029】
図14A、図14B及び図14Cは補聴器100Aのフィッティング時の状態を示している。この時には、補聴器を耳(具体的には、耳介)15に装着し、通常のフィッティング動作、つまり可聴周波数帯を例えば低音から高音にかけて順次出力し、その時の音がどのように聞こえるかによって補聴機能設定が行われる。このようなフィッティング動作によって決定されたフィッティング情報が図12の補聴処理部16に登録される。このフィッティング直後、直ちに、装着補正スイッチ9がユーザによってONされる(図13参照)。
【0030】
なお、制御装置4Aの動作は、装着補正スイッチ9が所定時間内に何度押されるかによって切換るものであり、装着補正スイッチ9が所定時間内に一度押されることによって、制御装置4Aの動作は、フィッティング時伝達特性格納部19にフィッティング時伝達特性を格納する動作に切り替わる。すると、装着補正スイッチ9がONし、「フィッティング時伝達特性を格納させている状態であること」が音声で報知される。そして、このようにフィッティング時伝達特性を格納させている状態になると、音声再生処理部30Aは、補正用音声データ格納部20から補正用音声データ(例えば白色雑音のように0〜16KHzの広帯域で、時間的強度の少ない音のデータ)を取得する。そして、音声再生処理部30Aは、補正用音声データを、D/A変換器32及び増幅器33を介して補正音用スピーカ31に出力する。その結果、補正音用スピーカ31から補正用音声が発せられ、次にこの補正音用スピーカ31からの音は外部マイクロフォン8及び外耳道マイクロフォン10のそれぞれで集音される。
【0031】
図13に示すように、補正用音声が外耳道マイクロフォン10で集音されることによって生成される第1音声データ(図14Cに示すスペクトルYf(ω))と、補正用音声が外部マイクロフォン8で集音されることによって生成される第2音声データ(本実施形態に係る「第2音声データ」の一例、図14Aに示すスペクトルX(ω))とは、伝達特性算出部18に供給される。
伝達特性算出部18は、第1音声データ(図14Cに示すスペクトルYf(ω))と第2音声データ(図14Aに示すスペクトルX(ω))とを比較し、その比較結果に基づいてフィッティング時伝達特性Gf(ω)を算出する。伝達特性算出部18は、算出されたフィッティング時伝達特性Gf(ω)をフィッティング時伝達特性格納部19に格納する。フィッティング時伝達特性Gf(ω)の算出方法については後述する。
【0032】
なお、フィッティング時伝達特性Gf(ω)を算出する場合、伝達特性算出部18は、後述するユーザ使用時伝達特性格納部28ではなく、フィッティング時伝達特性格納部19と選択的に接続される。
また、上記第1実施形態では、補正用音声データ自体を「第2音声データ」の例としたが、第2実施形態では、フィッティング時に外部マイクロフォン8によって収集される補正用音声を示すデータを「第2音声データ」の例として説明する。
【0033】
次に、装着補正スイッチ9が所定時間内に三度押されると、装着補正スイッチ9は図13のごとく、OFF(装着補正スイッチ9がOFFされたことはレシーバ3から音声で報知される)され、この日はこの状態での補聴器使用が行われる。つまり、外部マイクロフォン8、増幅器23、24、A/D変換器26、D/A変換器27、補聴処理部16、補正部17、レシーバ3だけが動作し、通常の補聴動作、すなわち補聴処理部16に登録されたフィッティング情報による補聴動作が行われるのである。この時、補正特性格納部29には、補正特性算出部21からの出力が供給されないので、補正部17は補正動作を行わず、信号を通過させるだけである。
【0034】
図15A、図15B及び図15Cは翌日に使用者が補聴器100Aを装着した状態を示しており、図14Bと図15Bの比較から明らかなように、外耳道14の奥へとレシーバ3の装着位置がずれている。この時には、外耳道内容積は図14Bよりも小さくなる(逆に外耳道14内にレシーバ3を浅く挿入すれば外耳道内容積は大きくなる)。この外耳道内容積の変動はそのまま音響特性(周波数特性)に影響を与えてしまう。その結果として、昨日のフィッティング時とは随分聞こえ方が違うという違和感をユーザに感じさせるものとなるので、ユーザの聞こえ方に対する満足感が低下する。
【0035】
そこで、この時には、ユーザは装着補正スイッチ9を所定時間内に二度押しすることによって、図13のごとく装着補正スイッチ9をON(装着補正スイッチ9がON状態であり、補正処理を実行中であることがレシーバ3から音声で報知される)させる。すると、音声再生処理部30Aは、補正用音声データ格納部20から補正用音声データ(例えば白色雑音のように0〜16KHzの広帯域で、時間的強度の少ない音のデータ)を取得する。そして、音声再生処理部30Aは、補正用音声データを、D/A変換器27及び増幅器24を介して補正音用スピーカ31に出力する。
【0036】
その結果、補正音用スピーカ31から補正用音声が発せられ、この補正用音声は外耳道マイクロフォン10及び外部マイクロフォン8で集音される。この外耳道マイクロフォン10で集音することによって生成される第3音声データ(図15Cに示すスペクトルYu(ω))と、外部マイクロフォン8で集音することによって生成される第4音声データ(図15Aに示すスペクトルX(ω))とは、伝達特性算出部18に供給される。伝達特性算出部18は、第3音声データ(図15Cに示すスペクトルYu(ω))と第4音声データ(図15Aに示すスペクトルX(ω))とを比較し、その比較結果に基づいてユーザ使用時伝達特性Gu(ω)を算出する。伝達特性算出部18は、算出されたユーザ使用時伝達特性Gu(ω)をユーザ使用時伝達特性格納部28に格納する。ユーザ使用時伝達特性Gu(ω)の算出方法については後述する。
【0037】
なお、ユーザ使用時伝達特性Gu(ω)を算出する場合、伝達特性算出部18は、フィッティング時伝達特性格納部19ではなく、ユーザ使用時伝達特性格納部28と選択的に接続される。
また、上記第1実施形態では、補正用音声データ自体を「第4音声データ」の例としたが、第2実施形態では、ユーザ操作に応じて補正音用スピーカ31から出力され、外部マイクロフォン8によって収集される補正用音声を示すデータを「第4音声データ」の例として説明する。
その後、補正特性算出部21は、ユーザ使用時伝達特性格納部28に格納されたユーザ使用時伝達特性Gu(ω)と、フィッティング時伝達特性格納部19に格納されているフィッティング時伝達特性Gf(ω)とから補正特性H(ω)を算出し、この補正特性H(ω)を補正特性格納部29に格納する。補正特性H(ω)の算出方法については後述する。
【0038】
次に、装着補正スイッチ9が所定時間内に三度押されると、装着補正スイッチ9は図12のごとく、OFF(装着補正スイッチ9がOFFされたことはレシーバ3から音声で報知される)する。この時には、この図12の実線で示すように、外部マイクロフォン8、増幅器23、24、A/D変換器26、27、補聴処理部16、補正部17、レシーバ3が動作するとともに、補正部17は、補正特性格納部29に格納された補正特性H(ω)に基づいて補聴処理部16で補聴処理された入力音声データを補正する。
【0039】
〈フィッティング時伝達特性Gf(ω)の算出方法〉
図16は、伝達特性算出部18におけるフィッティング時伝達特性Gf(ω)の算出方法を説明するための模式図である。フィッティング時伝達特性Gf(ω)は、フィッティング時において補正音用スピーカ31から出力される補正用音声が外耳道マイクロフォン10で集音されることによって生成される第1音声データ(図14Cに示すスペクトルYf(ω))を、補正用音声が外部マイクロフォン8で集音されることによって生成される第2音声データ(図14Aに示すスペクトルX(ω))で割ることによって算出される。なお、このようなフィッティング時伝達特性Gf(ω)は、例えば、次の算出式(6)や算出式(7)などに基づいて算出される。
Gf(ω)=Yf(ω)/X(ω) ・・・(6)
Gf(ω)=〔Σ{Yf(ω)/X(ω)}〕/N ・・・(7)
【0040】
〈ユーザ使用時伝達特性Gu(ω)の算出方法〉
図17は、伝達特性算出部18におけるユーザ使用時伝達特性Gu(ω)の算出方法を説明するための模式図である。ユーザ使用時伝達特性Gu(ω)は、フィッティング後においてユーザが装着補正スイッチ9を所定時間内に二度押しすることに応じてレシーバ3から出力される補正用音声が外耳道マイクロフォン10で集音されることによって生成される第3音声データ(図7Cに示すスペクトルYu(ω))を、補正用音声が外部マイクロフォン8で集音されることによって生成される第4音声データ(図15Aに示すスペクトルX(ω))で割ることによって算出される。なお、このようなユーザ使用時伝達特性Gu(ω)は、例えば、次の算出式(8)や算出式(9)などに基づいて算出される。
Gu(ω)=Yu(ω)/X(ω) ・・・(8)
Gu(ω)=〔Σ{Yu(ω)/X(ω)}〕/N ・・・(9)
【0041】
〈補正特性H(ω)の算出方法〉
図18は、補正特性算出部21における補正特性H(ω)の算出方法を説明するための模式図である。補正特性H(ω)は、図16のフィッティング時伝達特性Gf(ω)を、図17のユーザ使用時伝達特性Gu(ω)で割ることによって算出される。なお、このような補正特性H(ω)は、例えば次の算出式(10)などに基づいて算出される。
H(ω)=Gf(ω)/Gu(ω) ・・・(10)
このようにして得られた図18の補正特性H(ω)は補正特性格納部29に格納され、この補正特性格納部29に格納された補正特性H(ω)が補正部17に供給される。すると、補正部17は、補聴処理部16からの出力を補正特性H(ω)に基づいて補正する。
【0042】
〈作用及び効果〉
第2実施形態に係る補聴器100Aにおいて、制御装置4Aは、伝達特性算出部18と、補正特性算出部21と、補正部17と、を備える。伝達特性算出部18は、フィッティング時において補正音用スピーカ31(「補正用音声出力部」の一例)から出力される補正用音声が外耳道マイクロフォン10で収集されることによって生成される第1音声データ(図14Cに示すスペクトルYf(ω))と、外部マイクロフォン8で収集されることによって生成される第2音声データ(図14Aに示すスペクトルX(ω))と、に基づいてフィッティング時伝達特性Gf(ω)を算出する。伝達特性算出部18は、フィッティング後におけるユーザ操作に応じて補正音用スピーカ31から出力される補正用音声が外耳道マイクロフォン10で収集されることによって生成される第3音声データ(図15Cに示すスペクトルYu(ω))と、外部マイクロフォン8で収集されることによって生成される第4音声データ(図15Aに示すスペクトルX(ω))と、に基づいてユーザ使用時伝達特性Gu(ω)を算出する。補正特性算出部21は、フィッティング時伝達特性Gf(ω)とユーザ使用時伝達特性Gu(ω)とに基づいて補正特性H(ω)を算出する。補正部17は、補正特性H(ω)に基づいて、補聴処理部16によって補聴処理された入力音データを補正する。
【0043】
このように、補正部17は、ユーザの要求に応じて算出されるユーザ使用時伝達特性Gu(ω)と、フィッティング時に取得済みのフィッティング時伝達特性Gf(ω)と、に基づいて算出される補正特性H(ω)に基づいて、補聴処理された入力音データを補正する。従って、補聴器100Aの装着位置がフィッティング時から微妙にずれることによって外耳道内容積が変動した場合においても、補聴処理された入力音データは、外耳道内容積の変動に応じて補正される。そのため、補聴器100Aの装着位置のずれに伴って音響特性(周波数特性)が変動することを抑制することができるので、ユーザの聞こえについての満足感を高めることができる。
【0044】
(その他の実施形態)
(A)上記実施形態では、補正特性算出部21において、ユーザ使用時伝達特性格納部28に格納されたユーザ使用時伝達特性Gu(ω)と、フィッティング時伝達特性格納部20に格納されたフィッティング時伝達特性Gf(ω)とから補正特性H(ω)を算出したが、ユーザ使用時伝達特性Gu(ω)は伝達特性算出部18から出力されているので、伝達特性算出部18の出力をユーザ使用時伝達特性Gu(ω)として活用し、フィッティング時伝達特性格納部19に格納されたフィッティング時伝達特性とで補正特性を算出しても良い。
【0045】
(B)上記第2実施形態では特に触れていないが、図19に示すように、補聴器100は、レシーバ3及び外耳道マイクロフォン10が埋設される耳栓部34と、耳栓部34に形成され、外耳道14内と外耳道14外とに連通する貫通孔Tと、を備えていてもよい。この場合、補正音用スピーカ31から発せられる補正用音声は、貫通孔Tを介して外耳道14内に導かれる。そのため、補正音用スピーカ31から発せられる補正用音声を、第1音声データ(図14Cに示すスペクトルYf(ω))と第3音声データ(図15Cに示すスペクトルYu(ω))とに精度良く反映させることができる。なお、貫通孔Tを設けることによって、外耳道14内における音のこもり感を抑制できるので、ユーザの聞こえ方をより向上させることができる。
【0046】
(C)上記第2実施形態において、第2音声データ(図14Aに示すスペクトルX(ω))と第4音声データ(図15Aに示すスペクトルX(ω))とは、外部マイクロフォン8における集音によって生成されることとしたが、これに限られるものではない。第2音声データ及び第4音声データの少なくとも一方として、補正用音声データ格納部20に格納されている補正用音声データを簡易的に用いることができる。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明においては、耳に補聴器を装着後、ユーザが、満足感が低いと感ずる時には、装着補正スイッチを操作すれば、補聴器の微妙な装着差による聞こえ方の違和感を解消し、聞こえ方に対するユーザの満足感を高めることができる。このため、補聴器として、広く活用が期待される。
【符号の説明】
【0048】
1 本体ケース
2 耳掛け部
3 レシーバ
4 制御装置
5 電池
6 電源スイッチ
7 ボリューム
8 外部マイクロフォン
9 装着補正スイッチ
10 外耳道マイクロフォン
11 装着体
12,13 音響管
14 外耳道
15 耳(耳介)
16 補聴処理部
17 補正部
18 伝達特性算出部
19 フィッティング時伝達特性格納部
20 補正用音声データ格納部
21 補正特性算出部
22,23,24 増幅器
25,26 A/D変換器
27 D/A変換器
28 ユーザ使用時伝達特性格納部
29 補正特性格納部
30 音声再生処理部
31 補正音用スピーカ
32 D/A変換器
33 増幅器
34 耳栓部
T 貫通孔

Claims (5)

  1. 外耳道外の音を収集する外部マイクロフォンと、
    外耳道内の音を収集する外耳道マイクロフォンと、
    フィッティングによって設定されるフィッティング情報に基づいて、前記外部マイクロフォンによって収集される音を示す入力音データを補聴処理する補聴処理部と、
    補正用音声データに基づいて補正用音声を出力する補正用音声出力部と、
    ユーザ操作を受け付ける受付部と、
    前記フィッティング時において、前記補正用音声出力部から出力される前記補正用音声が前記外耳道マイクロフォンにおいて収集されることで生成される第1音声データと、前記補正用音声データに対応する第2音声データと、に基づいてフィッティング時伝達特性を算出し、前記フィッティング後におけるユーザ操作に応じて前記補正用音声出力部から出力される前記補正用音声が前記外耳道マイクロフォンにおいて収集されることで生成される第3音声データと、前記補正用音声データに対応する第4音声データと、に基づいてユーザ使用時伝達特性を算出する伝達特性算出部と、
    前記フィッティング時伝達特性と前記ユーザ使用時伝達特性とに基づいて補正特性を算出する補正特性算出部と、
    前記補正特性に基づいて、前記補聴処理部によって補聴処理された前記入力音データを補正する補正部と、
    を備える補聴器。
  2. 前記外耳道の入り口に装着または前記外耳道内に挿入され、前記補正部によって補正された前記入力音データに応じて前記外耳道内に音声を出力するレシーバを備え、
    前記補正用音声出力部は、前記レシーバであり、
    前記第2音声データ及び前記第4音声データは、前記補正用音声データである、
    請求項1に記載の補聴器。
  3. 前記外耳道外に配置され、前記外耳道外に音声を出力する外部スピーカを備え、
    前記補正用音声出力部は、前記外部スピーカであり、
    前記第2音声データ及び前記第4音声データは、前記補正用音声出力部から出力される前記補正用音声が前記外部マイクロフォンにおいて収集されることで生成される、
    請求項1に記載の補聴器。
  4. 前記外耳道の入り口に装着または前記外耳道内に挿入され、前記外耳道マイクロフォンが埋設される耳栓部を備え、
    前記耳栓部は、前記外耳道内と前記外耳道外とに連通する貫通孔を有する、
    請求項3に記載の補聴器。
  5. 前記受付部は、一つのボタンによって構成されており、
    前記伝達特性算出部は、ユーザが前記ボタンを所定回数押した場合に、前記ユーザ使用時伝達特性を算出する、
    請求項1に記載の補聴器。
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