JPWO2011065175A1 - 応力計測装置及び応力計測方法 - Google Patents

応力計測装置及び応力計測方法 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2011065175A1
JPWO2011065175A1 JP2011543180A JP2011543180A JPWO2011065175A1 JP WO2011065175 A1 JPWO2011065175 A1 JP WO2011065175A1 JP 2011543180 A JP2011543180 A JP 2011543180A JP 2011543180 A JP2011543180 A JP 2011543180A JP WO2011065175 A1 JPWO2011065175 A1 JP WO2011065175A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
model
transmissive member
light transmissive
stress
refractive index
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2011543180A
Other languages
English (en)
Inventor
田中 洋介
洋介 田中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyoto Institute of Technology NUC
Original Assignee
Kyoto Institute of Technology NUC
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kyoto Institute of Technology NUC filed Critical Kyoto Institute of Technology NUC
Publication of JPWO2011065175A1 publication Critical patent/JPWO2011065175A1/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01LMEASURING FORCE, STRESS, TORQUE, WORK, MECHANICAL POWER, MECHANICAL EFFICIENCY, OR FLUID PRESSURE
    • G01L1/00Measuring force or stress, in general
    • G01L1/24Measuring force or stress, in general by measuring variations of optical properties of material when it is stressed, e.g. by photoelastic stress analysis using infrared, visible light, ultraviolet
    • G01L1/247Measuring force or stress, in general by measuring variations of optical properties of material when it is stressed, e.g. by photoelastic stress analysis using infrared, visible light, ultraviolet using distributed sensing elements, e.g. microcapsules
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03HHOLOGRAPHIC PROCESSES OR APPARATUS
    • G03H1/00Holographic processes or apparatus using light, infrared or ultraviolet waves for obtaining holograms or for obtaining an image from them; Details peculiar thereto
    • G03H1/04Processes or apparatus for producing holograms
    • G03H1/0443Digital holography, i.e. recording holograms with digital recording means
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03HHOLOGRAPHIC PROCESSES OR APPARATUS
    • G03H1/00Holographic processes or apparatus using light, infrared or ultraviolet waves for obtaining holograms or for obtaining an image from them; Details peculiar thereto
    • G03H1/0005Adaptation of holography to specific applications
    • G03H2001/0033Adaptation of holography to specific applications in hologrammetry for measuring or analysing

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Computing Systems (AREA)
  • Theoretical Computer Science (AREA)
  • Length Measuring Devices By Optical Means (AREA)

Abstract

ラピッドプロトタイピング(RP)を用いた3次元応力を計測する際に、複雑な形状を持つRPモデルを用いた場合でも、高精度に3次元応力の経時変化を計測することができる応力計測装置及び応力計測方法を提供する。応力計測装置(100)は、光が照射されるRPモデル(21)の内部に分散された複数の粒子のそれぞれについて画像処理してRPモデル(21)の内部におけるそれぞれの移動方向及び移動量を算出し、それらの算出結果を用いてRPモデル(21)の内部に生じる3次元応力を計測する。応力計測装置(100)は、RPモデル(21)の屈折率に整合する屈折率を持つ屈折率整合液(22)の中にRPモデル(21)を浸しながら保持する保持部(20)と、保持部(20)に保持されているRPモデル(21)に荷重を印加する荷重印加機構(31)及び荷重印加機構(32)とを備えている。

Description

本発明は、製品の3次元応力を計測するための応力計測装置及び応力計測方法に係り、特に、ラピッドプロトタイピング(Rapid Prototyping)を用いた応力計測装置及び応力計測方法に関する。
従来、製品の設計検証として、3次元CAD及びラピッドプロトタイピング(以下、「RP」と略す場合もある。)を利用した設計検証が挙げられる。ここで、「3次元CAD」は、3次元座標を入力して立体的なモデルを構築するツールのことをいう。「RP」は、設計形状を有する製品の試作品を速やかに造形する技術のことをいう。
一般に、自動車などの車体の内部に配置される部品を設計する際には、車体に部品が収まるかどうかだけでなく、自動車の衝突安全試験として、衝突時における車体や各部品などのひずみ解析も事前に設計段階で検証する必要がある。
そこで、このような自動車などの製品の設計には、一般に、CADが使用されている。特に、最近の3次元CADの普及により、設計者は3次元像をコンピュータ画面上で確認できるので作業性は向上し、また、最近のRPの普及により、設計者は、現実の部品を使用して試作品を作成することなく、はるかに短時間で対象物の形状を有する3次元モデルを作成することができる。このため、設計検証の利便性と正確性は格段に向上した。
RPによって造形された試作品(以下、単に、「RPモデル」と呼ぶ場合もある。)を作成するためのRP装置の一例としては、例えば、3次元CADデータに基づいて液体樹脂などをレーザ光や紫外線で硬化する光造形装置が既に知られている。
ところで、このようなRPモデルを用いて、上述したような、衝突時における車体や各部品などのひずみ解析といった、製品の3次元応力を計測する場合において、公知の光弾性法を利用する手法が提案されている(例えば、非特許文献1を参照。)。
光弾性法は、応力解析における有効な手法の1つである。RPモデルに外力を加えて、そのRPモデルの内部に生じる応力の場の状態を計測することができる。
この方法では、外力の印加により複屈折を起こす性質を持つ光弾性材料を用いてRPモデルを形成する。そして、そのRPモデルに所定の荷重を加えながら、一定時間、且つ、一定温度の下、放置する(この工程を「プロセス1」と呼ぶ。)。
次に、そのRPモデルを複数の板状の層に切断し、各層における応力場を公知の光弾性計測装置を用いて計測する(この工程を「プロセス2」と呼ぶ。)。
最後に、各層における2次元応力場を今度は弾性力学の支配方程式に代入することによって、そのRPモデルの内部における応力場を3次元的に得ることができる。
しかしながら、上記の手法では、荷重と共に刻々と変わっていく応力場の変化を計測しようとした場合、所定の時間経過ごとに、上述したような、プロセス1とプロセス2とを何度も繰り返さなければならない。
すなわち、上記の手法には、製品の3次元応力場の経時的変化を計測するためには莫大な時間と人手による手間がかかってしまうといった課題があった。
この課題は、製品開発の高速化を図る上で致命的な欠陥となる。
一方、接着剤に多数の粒子を混入し、それら粒子の動きを検出して、接着剤の硬化収縮による流動を可視化する。そして、接着剤の硬化状態の検出や、接着剤の硬化を狙った位置に対するエネルギー照射の位置決めをするなどして、接着の品質を向上させる。そうすることにより、接着剤と被着体との界面での接着破壊の抑制、接着剤の硬化収縮による残留応力の低減、被着体上における接着剤の硬化を狙う位置決めの精度の向上、及び接着剤の経時変化の低減を可能とする接着方法及び接着装置が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
この接着方法及び接着装置では、接着剤に混入されている検出対象の粒子または領域に焦点を合わせた対物レンズにより、粒子または領域の画像を2次元CCDカメラにより撮像する。時系列で複数回撮像して複数画像を取得することによって、粒子の時間的な位置変化を画像として捉える。
そうすることにより、接着剤硬化による残留応力の経時変化を高速に検出することができる。
しかしながら、上記の接着方法及び接着装置では、被計測対象物である接着剤とその周囲の雰囲気ガス(通常、空気)との間に屈折率の違いが生じてしまう。
このため、接着剤からの散乱光が、接着剤から周囲の雰囲気ガスへ進入する際、それらの界面における接着剤と周囲の雰囲気ガスとの間の屈折率の違いにより屈折し、その結果、2次元CCDカメラがその散乱光を正確に撮像することができないといった課題があった。
この課題は、特に、被計測対象物が複雑な形状を持つ場合、それらの界面における被計測対象物とその周囲との屈折率の違いによる散乱光の屈折が重畳するため、2次元CCDカメラによる撮像の精度を大きく低下させてしまう。
日本国公開特許公報「特開2005−350524号公報(2005年12月22日公開)」
Robertson, K.: Photoelastic stress analysis, John Wiler & Sons, (1977), 362-367.
上記課題に鑑み、本発明の目的は、ラピッドプロトタイピング(RP)を用いた3次元応力を計測する際に、複雑な形状を持つRPモデルを用いた場合でも、高精度に3次元応力の経時変化を計測することができる応力計測装置及び応力計測方法を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明に係る応力計測装置は、光が照射される光透過性部材の内部に分散された複数の粒子のそれぞれについて画像処理して前記光透過性部材の内部におけるそれぞれの移動方向及び移動量を算出し、それらの算出結果を用いて前記光透過性部材の内部に生じる3次元応力を計測する応力計測装置において、前記光透過性部材の屈折率に整合する屈折率を持つ屈折率整合液の中に、前記光透過性部材を浸しながら保持する保持部と、前記保持部に保持されている前記光透過性部材に荷重を印加する荷重印加機構とを備えている。
ここで、「荷重印加機構」が光透過性部材に荷重を印加することで、光透過性部材に圧縮応力、せん断応力、曲げ応力といった各種の応力分布が実現される。
上記の応力計測装置では、応力計測対象である光透過性部材を、その屈折率と整合する屈折率を有する屈折率整合液に浸しながら、その光透過性部材に荷重を印加することができる。
このため、光透過性部材と屈折率整合液との界面における光の屈折を抑えながら、荷重が印加されている光透過性部材の3次元応力を計測することができるので、光透過性部材の3次元応力の経時変化を高精度に計測することができる。
本発明に係る応力計測方法は、光が照射される光透過性部材の内部に分散された複数の粒子のそれぞれについて画像処理して前記光透過性部材の内部におけるそれぞれの移動方向及び移動量を算出し、それらの算出結果を用いて前記光透過性部材の内部に生じる3次元応力を計測する応力計測方法において、前記光透過性部材の屈折率に整合する屈折率を持つ屈折率整合液の中に、前記光透過性部材を浸しながら保持し、前記屈折率整合液の中に浸されている前記光透過性部材に荷重を印加しつつ、前記光透過性部材の内部に生じる3次元応力の経時変化を計測する。
上記の応力計測方法では、応力計測対象である光透過性部材を、その屈折率と整合する屈折率を有する屈折率整合液に浸しながら、その光透過性部材に荷重を印加することができる。
このため、光透過性部材と屈折率整合液との界面における光の屈折を抑えながら、荷重が印加されている光透過性部材の3次元応力を計測することができるので、光透過性部材の3次元応力の経時変化を高精度に計測することができる。
本発明の応力計測装置は、以上のように、光が照射される光透過性部材の内部に分散された複数の粒子のそれぞれについて画像処理して前記光透過性部材の内部におけるそれぞれの移動方向及び移動量を算出し、それらの算出結果を用いて前記光透過性部材の内部に生じる3次元応力を計測する応力計測装置において、前記光透過性部材の屈折率に整合する屈折率を持つ屈折率整合液の中に、前記光透過性部材を浸しながら保持する保持部と、前記保持部に保持されている前記光透過性部材に荷重を印加する荷重印加機構とを備えている。
本発明に係る応力計測方法は、以上のように、光が照射される光透過性部材の内部に分散された複数の粒子のそれぞれについて画像処理して前記光透過性部材の内部におけるそれぞれの移動方向及び移動量を算出し、それらの算出結果を用いて前記光透過性部材の内部に生じる3次元応力を計測する応力計測方法において、前記光透過性部材の屈折率に整合する屈折率を持つ屈折率整合液の中に、前記光透過性部材を浸しながら保持し、前記屈折率整合液の中に浸されている前記光透過性部材に荷重を印加しつつ、前記光透過性部材の内部に生じる3次元応力の経時変化を計測する。
それゆえ、ラピッドプロトタイピング(RP)を用いた3次元応力を計測する際に、複雑な形状を持つRPモデルを用いた場合でも、高精度に3次元応力の経時変化を計測することができるという効果を奏する。
本発明の一実施形態に係る応力計測装置の概略構成図である。 上記の応力計測装置に用いられるRPモデル及び屈折率整合液を説明するための概念図である。 上記のRPモデルの具体例を示す断面図である。 上記の応力計測装置が備えている画像処理装置によるデジタルホログラフィ画像の記録及びその再生を説明するための概念図である。 上記の画像処理装置によるデジタルホログラフィ画像の記録から3次元応力場を導出するまでの処理について説明するための概念図である(その1)。 上記の画像処理装置によるデジタルホログラフィ画像の記録から3次元応力場を導出するまでの処理について説明するための概念図である(その2)。 本発明の他の実施形態に係る応力計測装置の概略構成図である。 上記の応力計測装置に用いられるRPモデル及び撹拌液を説明するための概念図である。 上記のRPモデルの具体例を示す断面図である。 上記のRPモデル内に分散されたトレーサ粒子の画像データを表わす図である。 上記の撹拌液から出射された撹拌液参照光及び撹拌液物体光を上記の画像処理装置が撮影した画像データを表わす図である。 上記のRPモデルから出射されたRPモデル参照光及びRPモデル物体光を上記の画像処理装置が撮影した画像データを表わす図である。 粒子マスク相関法に用いられるテンプレートを説明するためのグラフである。 図8及び図9中Cで示す領域をy方向から見た画像データ及びz方向から見た画像データを表わす図である。
〔実施の形態1〕
本発明の一実施形態について図1〜図6に基づいて説明すれば、以下の通りである。
(応力計測の原理)
本発明の一実施形態に係る応力計測装置は、3次元CAD及びRP技術によって造形されたRPモデルを用いてRPモデルの内部の応力場を計測するものである。特に、本発明の一実施形態に係る応力計測装置は、RPモデルに荷重を印加しながら、RPモデルの内部に生じる応力場の経時変化を計測することができるものである。
なお、3次元CADは、対象物の3次元モデルを形成する汎用のCADである。3次元CADが形成する3次元モデルは、ソリッドモデルとしての対象物の外形輪郭を忠実に再現することができる。このようなCADには、その名称の如何に関わらず、当業界で周知のいかなる技術も適用することができる。
また、RP技術は、入力されたデータに対応する対象物の外形形状を有するRPモデルを速やかに造形する技術である。RP技術は、例えば、液体樹脂をレーザ光や紫外線で硬化する光造形装置を用いて実現される。このようなRP技術は、当業界で周知のいかなる技術も適用することができる。
本発明の実施の形態では、このRPモデルは、光を透過する透明材料を用いて形成される。この透明材料としては、例えばアクリル等の透明樹脂を用いることが好ましい。もちろん、本発明はこのような樹脂に限られるものではない。要は、外力の印加により複屈折を起こさない性質を持つ光弾性材料であればよい。
そして、そのRPモデル内部には、多数のトレーサ粒子(粒子)が均一に分散される。これらのトレーサ粒子はそれぞれが含まれる、RPモデルの各部位の変位に追従し、各部位と共に移動する。
先ず、RPモデルに分散される多数のトレーサ粒子について簡単に説明する。
近年、流動場における可視化技術の研究が進み、画像処理技術を応用した速度の全域計測技術の一例として、複雑な流動場における流体の速度を、画像処理技術を利用して高精度、かつ精密に測定可能な粒子画像流体速度計(Particle Image Velocimetry、以下「PIV」と称する。)が開発されている。
この画像処理技術を利用したPIVは、その多くが流れの中に混入され、流れに十分追従するトレーサ粒子にパルスレーザ光を照射してその運動を追跡し、ビデオカメラなどでトレーサ粒子群の動きを撮影する。流れのタイムスケールに比べて十分小さい時間間隔でトレーサ粒子群が移動した距離を撮影した画像を求め、その移動距離を微小撮影時間間隔で割って速度を求めるという原理に基づくものである。
PIVでは複数のトレーサ粒子が存在するある範囲内の平均的な流体速度を計測することとなることから、トレーサ粒子の個数を多くすることで空間的に一様な計測点を定めることができる。そのため、PIVでは速度の空間微分を得やすい利点がある。これらの理由から、流動場の組織構造の抽出に必要な速度や渦度の計測にはPIVは非常に有効な手段であるといえる。
このようなPIV解析については、例えば、社団法人可視化情報学会、「PIVハンドブック」、森北出版株式会社、2002年7月20日に詳しく記載されている。
本発明の一実施形態に係る応力計測装置では、このようなPIV解析を利用し、RPモデルの内部に生じた応力場の経時変化を計測するものである。
すなわち、本発明の一実施形態では、RPモデルに多数のトレーサ粒子を予め分散させておく。それら多数のトレーサ粒子はRPモデル内部において移動することは無く、RPモデル内部における位置が固定されている。また、多数のトレーサ粒子はRPモデルの内部により多く、そして、均一に分散させておくことが好ましい。ここで、この「均一に分散させておく」の「均一」は、完全に均一であるのみならず、実質的に均一と言える場合も含むことを意味する。具体的には、トレーサ粒子がRPモデルの内部に分散される度合いの指標として、以下の式で表わされる相対移動距離ρを用いた場合、0<ρ<1の範囲であれば、均一に分散されていると言える。
上記の式において、相対移動距離ρが1以上である場合、粒子像を個々に対応付けし、追跡することが困難となるため、ρ<1である必要がある。一方、0<ρとするのは、上記の式において、rmax(最大移動距離)、N(ホログラム再生体積内の粒子数)、V(ある1つの粒子が次時刻までに移動する可能性をもつ領域の大きさ)及びπはいずれも正の値であることから導き出される。
なお、本発明の一実施形態では、RPモデルの内部に多数のトレーサ粒子を均一に分散される例を用いて説明するが、本発明はこれに限られるものではない。
例えば、RPモデルの内部における計測対象である部分に、計測対象外である部分よりも多くのトレーサ粒子を分散させる、つまり、その計測対象である部分にトレーサ粒子を局所的に集中させてもよい。
そうすることにより、トレーサ粒子が局所的に集中して分散された部分における計測点を増加させることができるので、計測対象であるその部分の計測精度を高めることができる。
このようなRPモデルに荷重を印加すれば、その荷重の印加に伴い、RPモデルの各部位に変位が生じる。RPモデルの各部位に存在するトレーサ粒子は、各部位と共に移動する。
したがって、RPモデルに分散された多数のトレーサ粒子それぞれの動きを追跡すれば、RPモデルの各部位の変位を観測することが可能となる。
そこで、本発明の一実施形態に係る応力計測装置では、このようにして多数のトレーサ粒子が、その内部に分散されたRPモデルを用いる。そして、そのRPモデルに荷重を印加させながら、RPモデル内部に分散された多数のトレーサ粒子の速度をPIV解析に基づき求めるものである。
そして、その求めた各トレーサ粒子の速度は、RPモデルの各部位の速度を表わしており、その結果、RPモデルの各部位における移動距離及び移動方向を計測することができる。
このようにして計測された結果を基に、本発明の一実施形態に係る応力計測装置は、RPモデルの内部に生じた応力場の経時変化を計測する。
(応力計測装置100)
次に、本発明の一実施形態に係る応力計測装置100について説明する。応力計測装置100は、1台のカメラを用いたインラインホログラフィ撮影システムを用いた3次元応力計測装置である。
なお、本発明は、1台のカメラを用いたインライン3次元応力計測装置の実施形態に限定されるものではない。例えば、複数台のカメラを並べて三角測量の原理で計測を行なうステレオ法であってもよい。また、そのようなステレオ法のうち、複数台のカメラを同じ光軸に配置して計測するインライン型であってもよいし、複数台のカメラを異なる光軸に配置して計測するオフアクシス型であってもよい。
また、以下では、光源から出射された光がトレーサ粒子によって回折されて物体光となる例を示すが、本発明はこれに限るものではない。トレーサ粒子自身から光が放射された物体光となってもよい。
図1は、本発明の一実施形態に係る応力計測装置100の概略構成図である。応力計測装置100は、図1に示すように、光源11と、第1の光学系12と、第2の光学系13と、カメラ14と、制御装置15と、保持部20と、荷重印加機構31及び荷重印加機構32と、画像処理装置40と、を備えている。
光源11は、例えばレーザ光を出射するレーザ光源を用いることができる。この場合、CWレーザでもパルスレーザであってもよい。ただし、後述するトレーサ粒子からの物体光の強度を十分に確保する観点からいえば、高出力が得られるレーザ光源であることが好ましい。図1では、図面の見易さのため、光源11から出射されたレーザ光については、その光路のみを図中Aで示す矢印で示している。
なお、以下では、光源11にレーザ光源を用いた場合について説明するが、本実施形態はこれに限定されることはない。レーザ光の替わりに、超音波、X線、LEDからの光、スーパールミネッセントダイオードからの光、ハロゲンランプからの光、キセノンランプからの光、水銀ランプからの光、ナトリウムランプからの光、マイクロ波、テラヘルツ光、電子線、またはラジオ波を用いてもよい。
第1の光学系12は、光源11から出射されたレーザ光を平行光化するための光学系であり、例えばコリメートレンズを用いればよい。光源11から出射されたレーザ光は、このようなコリメートレンズからなる第1の光学系12を通過することにより均一に拡散され、平行光となる。このようにして平行光化されたレーザ光が保持部20に照射されることになる。
保持部20は、応力計測装置100が応力計測を行なう計測対象であるRPモデルを収納するためのものである。保持部20は、その内部に、RPモデル(光透過性部材)21を収納する。また、保持部20は、その内部に、屈折率整合液22が満たされており、RPモデル21は、その全部がこの屈折率整合液22に浸されながら、保持部20の内部に収納されることになる。
保持部20及びその内部に満たされている屈折率整合液22はいずれも、光源11から出射されたレーザ光を透過させる。このため、光源11から出射されたレーザ光は、第1の光学系12を通過した後、保持部20の側壁と、屈折率整合液22とをこの順で通過し、RPモデル21に進入することになる。
RPモデル21の内部には、後述するように、多数のトレーサ粒子が分散されており、RPモデル21に進入したレーザ光は、RPモデル21の内部に存在するトレーサ粒子により回折され、回折されなかったレーザ光とともにRPモデル21から出射される。このとき、回折されなかったレーザ光が参照光となり、その結果、この参照光と、回折されたレーザ光である物体光とが干渉することになる。
そして、RPモデル21から出射されたレーザ光、つまり、物体光と参照光は共に、屈折率整合液22と、保持部20の側壁とをこの順で通過し、第2の光学系13に進入する。
第2の光学系13は、第1の光学系12と同様、例えばコリメートレンズを用いることができる。第2の光学系13は、保持部20から出射されたレーザ光(物体光及び参照光)を再び平行光化し、カメラ14に入射するための光学系である。例えば、複数のコリメートレンズの組み合わせを用いてもよい。
カメラ14(撮像部)は、例えばCCDカメラや高速CCDカメラ、EMCCDカメラ、IICCDカメラ、CMOSカメラ等の公知のカメラを用いることができる。カメラ14が撮影した画像データは画像処理装置40に出力され、そのような画像データを基に、この画像処理装置40内でRPモデル21内部のトレーサ粒子の移動距離や移動方向が算出される。
上述したように、RPモデル21から出射されるレーザ光は、物体光と参照光とを含んでおり、これら2つの光は互いに干渉しあい、その結果、カメラ14には、RPモデル21の内部に存在する各トレーサ粒子のデジタルホログラフィ画像が撮像される。
そして、カメラ14は、その撮像されたデジタルホログラフィ画像を例えばデジタルデータとして記録し、そのデジタルデータを画像処理装置40に出力する。
画像処理装置40は、カメラ14が撮影したデジタルホログラフィ画像を基に、3次元画像処理を実行する。画像処理装置40は、上述したPIV解析を実行するための解析部41を有しており、この解析部41は、RPモデル21内部の各トレーサ粒子について、カメラ14が撮影したデジタルホログラフィ画像に対して3次元PIV解析を実行する。
画像処理装置40は、解析部41により実行される3次元PIV解析に基づき、例えば時刻t0に撮像されたデジタルホログラフィ画像からその時刻における各トレーサ粒子の3次元位置を算出する。同様に、時刻t0+Δtに撮像されたデジタルホログラフィ画像からその時刻t0+Δtにおける各トレーサ粒子の3次元位置を算出する。そして、各時刻における3次元位置の差分をΔtで除算することにより、各トレーサ粒子の速度ベクトルを算出することができる。
画像処理装置40は、このようして算出されたRPモデル21内部の各トレーサ粒子の速度ベクトルから、時刻t0から時刻t0+Δtまでの間におけるRPモデル21内部の応力場の経時変化を計測する。
荷重印加機構31及び荷重印加機構32は、保持部20の内部に収納されているRPモデル21に荷重を印加するための機構である。荷重印加機構31及び荷重印加機構32は、RPモデル21への荷重の印加の仕方を調節することで、RPモデル21に圧縮応力、せん断応力、曲げ応力といった各種の応力分布を実現することができる。
荷重印加機構31及び荷重印加機構32は、保持部20の内部に屈折率整合液22に浸されながら収納されているRPモデル21をその上下方向(図1におけるy軸方向)から支持している。このような状況において、RPモデル21に対し、荷重印加機構31からは下向き(図1におけるy軸の負の向き)に荷重を印加し、荷重印加機構32からは上向き(図1におけるy軸の正の向き)に荷重を印加する。
制御装置15は、光源11と、カメラ14と、荷重印加機構31及び荷重印加機構32のそれぞれとの間において、各種の制御信号のやり取りを行なうことができるよう、これらの各々と電気的に接続されている。制御装置15は、例えば、光源11の駆動動作と、カメラ14の撮影動作と、荷重印加機構31及び荷重印加機構32の各荷重印加動作とを制御する。
制御装置15は、例えば、光源11からのレーザ光の出射タイミングと、荷重印加機構31及び荷重印加機構32による荷重の印加タイミングと、カメラ14による撮影タイミングとを、同期させればよい。
(RPモデル21及び屈折率整合液22)
次に、RPモデル21及び屈折率整合液22について説明する。図2は、RPモデル21及び屈折率整合液22を説明するための概念図である。図2では、図面の見易さのため、光源11から出射されたレーザ光については、その光路のみを図中Aで示す矢印で示している。なお、図中Bで示す範囲は、RPモデル21における、光源11から出射されたレーザ光の照射領域である。
図2に示すように、RPモデル21の内部には多数のトレーサ粒子23が分散されている。なお、トレーサ粒子23の種類等は本発明では特に限定するものではないが、RPモデル21を構成する光弾性体材料の種類等に応じて適宜選択される。
また、上述したように、RPモデル21は保持部20の内部に収納されており、その保持部20の内部は屈折率整合液22で満たされている。つまり、図2に示すように、RPモデル21の周囲は屈折率整合液22で取り囲まれている。
この屈折率整合液22は、RPモデル21を構成する光弾性体材料が持つ屈折率に整合する屈折率を有している。具体的には、屈折率整合液22は、RPモデル21を構成する光弾性体材料が持つ屈折率と実質的に同一の屈折率を有している。
なお、RPモデル21を構成する光弾性体材料と屈折率整合液22との屈折率の差が1%前後であれば、両者の屈折率は実質的に同一であるといえる。
RPモデル21の屈折率と屈折率整合液22の屈折率が同一であれば、RPモデル21と屈折率整合液22との間の界面における屈折率の差が解消されることになる。
このため、光源11から出射されたレーザ光が、屈折率整合液22と、RPモデル21とを、この順で通過する際、それらの界面において屈折することがない。
また、RPモデル21内部の多数のトレーサ粒子23に回折された物体光及び、多数のトレーサ粒子23に回折されなかった参照光はいずれも、RPモデル21から屈折率整合液22に進入する際、それらの界面において屈折することがない。
したがって、光源11から出射されたレーザ光が、屈折率整合液22とRPモデル21との界面において屈折することなく、RPモデル21に進入する。そして、RPモデル21内で回折された物体光及び、回折されなかった参照光が、屈折率整合液22とRPモデル21との界面において屈折することなく、屈折率整合液22に進入する。
このため、カメラ14は、RPモデル21内部の多数のトレーサ粒子23に回折された物体光及び、多数のトレーサ粒子23に回折されなかった参照光のいずれも正確に撮像することができる。
RPモデル21とその周囲との間における屈折率の差は、RPモデル21の形状が複雑になればなるほど、それらの界面を通過するレーザ光を大きく屈折させ、カメラ14による正確な撮像を阻害する度合いが大きくなる。
本発明の一実施形態に係る応力計測装置100では、このようにRPモデル21の周囲を、RPモデル21の屈折率と同一の屈折率を有する屈折率整合液22で取り囲むことで、上記のような課題を解消することができる。
(実施例)
次に、RPモデル21及び屈折率整合液22の実施例について説明する。図3は、RPモデル21の具体例を示す断面図である。
図3に示す実施例では、RPモデル21を構成する材料は、光透過性のアクリル樹脂(屈折率1.4883、弾性係数3317Mpa)である。そのサイズは7.9×50×7.9mmである。
また、RPモデル21に荷重を印加する荷重印加機構31及び荷重印加機構32は、上述したように、2つの荷重印加機構32によりRPモデル21を支持すると共に、1つの荷重印加機構31によりRPモデル21の長手方向(図3におけるx軸方向)の中心点付近に圧力(荷重)を印加する。2つの荷重印加機構32が支持する箇所は、RPモデル21の上記の中心点から互いに距離L(=15mm)だけ離れた位置にある。
本実施例では、荷重印加機構31から印加される圧力は100Nである。
トレーサ粒子23の直径の平均値は60μmである。
屈折率整合液22は、ヨウ化ナトリウム溶液であり、その屈折率はRPモデル21を構成するアクリル樹脂と同一の屈折率を持つ。
この圧力(荷重)の印加の前後において、上述したように、RPモデル21内部の各トレーサ粒子23の3次元位置を計測し、この圧力(荷重)の印加の前後における各トレーサ粒子23の速度ベクトルを算出する。
(画素処理装置40)
次に、画像処理装置40による画像処理について説明する。先ず、画像処理装置40による、カメラ14が撮影したデジタルホログラフィ画像の記録及びその再生について説明する。図4は、画像処理装置40によるデジタルホログラフィ画像の記録及びその再生を説明するための概念図である。
図4に示すように、ξ‐η平面は、RPモデル21内の3次元空間において実存する1つの粒子(トレーサ粒子23)の座標を表わしている。
この粒子(トレーサ粒子23)により回折した物体光及び、この粒子(トレーサ粒子23)により回折しなかった参照光は、カメラ14の撮像面において光強度I(x,y,0)として記録される。なお、カメラ14の撮像面は、ξ‐η平面上における上記の粒子(トレーサ粒子23)から距離dだけ離れたx‐y平面上にある。
次に、z軸上の任意の位置z=d’における光振幅場h(x,y)は、以下の式で表わすことができる。
ここで、jは虚数単位を示し、λはレーザ光の波長を示している。また、Lは、x‐y平面とx‐y平面との間における、対応する2点間の距離であり、以下の式で表わされる。
そして光強度I(x,y)は、以下の式から算出される。
このようにして、x‐y平面から距離dだけ離れたx‐y平面上において上記の粒子(トレーサ粒子23)が再生される。
次に、画像処理装置40による、カメラ14が撮影したデジタルホログラフィ画像の記録から3次元応力場を導出するまでについて説明する。図5及び図6は、画像処理装置40によるデジタルホログラフィ画像の記録から3次元応力場を導出するまでについて説明するための概念図である。
図5に示すように、先ず、RPモデル21に荷重印加機構31及び荷重印加機構32によるRPモデル21への荷重印加の前後において、カメラ14によるデジタルホログラフィ画像がそれぞれ記録される(ステップ1)。
上述したように、各デジタルホログラフィ画像が再生され、各トレーサ粒子23の3次元位置が検出される(ステップ2)。
この荷重印加の前後における各トレーサ粒子23の3次元ベクトル場を算出する(ステップ3)。
誤った3次元ベクトル場を削除する(ステップ4)。
3次元ベクトル場を再配置する(ステップ5)。
3次元ベクトル場をスムージングする(ステップ6)。
このようにして得られたRPモデル21への荷重印加の前後における3次元ベクトル場から、以下の式を用いて3次元変位場を算出する。
ε (εx, εy, εz) = ∂U/∂x = (∂u/∂x, ∂v/∂y, ∂w/∂z) …(4)
そして、図6に示すように、式(4)から得られた3次元変位場(図6の(a))から、以下の式を用いて3次元応力場(図6の(b))を算出する。
σ(σx, σy, σz)= E・ε= (E・εx, E・εy, E・εz) …(5)
このようにして、画像処理装置40はRPモデル21への荷重印加の前後における3次元応力場を算出する。
〔実施の形態2〕
次に、本発明の実施の形態2について説明する。上記の実施の形態1では、多数のトレーサ粒子を例えば車体やその車体に収められる各種の部品といった構造体に分散させ、それら多数のトレーサ粒子の変位、つまり、移動方向及び移動量を追跡することにより、構造体の3次元応力を計測する実施の形態であった。なお、上記構造体とは、外力などの荷重に抵抗できるように、各種の部材を組み合わせた物体のことである。
これに対し、本発明の実施の形態2は、上記構造体と流体とが同時に存在する3次元空間内における、上記構造体内の3次元応力の経時変化の計測と上記流体の3次元速度の経時変化の計測とを同時に行なう実施の形態である。
具体的には、本発明の実施の形態2は、上記実施の形態1と同様に、上記構造体内に多数のトレーサ粒子を分散させる。さらに、上記流体内にも多数のトレーサ粒子を分散させる。ただし、上記構造体内に分散されるトレーサ粒子と上記流体内に分散されるトレーサ粒子とでは、それらの粒径が異なっている。
すなわち、本発明の実施の形態2では、このような互いに異なる粒径を持つ2種類のトレーサ粒子をそれぞれ、上記構造体と上記流体とに分散させる。そして、それら2種類のトレーサ粒子の各々に対し、上記実施の形態1の応力計測装置及び応力計測方法を適用し、上記構造体については3次元応力の経時変化を計測する一方、上記流体に関しては3次元速度の経時変化を計測するものである。
流体の3次元速度の経時変化は、上記実施の形態1と同様にして多数のトレーサ粒子の変位を追跡することにより、計測することができる。構造体であれば、その形状が固定であるがゆえに、荷重が印加されればその内部に応力が発生する。これに対し、流体は流動体、変形体であり、荷重が印加されればその印加の向きに流動、変形する。したがって、構造体であればトレーサ粒子の変位は構造体内の3次元応力の経時変化を表わすことになり、流体であればトレーサ粒子の変位は流体の3次元速度の経時変化を表わすことになる。
なお、本発明の実施の形態2は、上記のような、構造体と流体とが同時に存在する3次元空間に限られるものでは無い。例えば、2つ以上の構造体が相互に作用を及ぼしあう(例えば、相互に荷重を印加しあう)3次元空間内における、それら2つ以上の構造体内の3次元応力の経時変化を計測することも可能である。
以下では、上で述べたように、上記構造体と流体とが同時に存在する3次元空間内における、上記構造体内の3次元応力の経時変化の計測と上記流体の3次元速度の経時変化の計測とを同時に行なう実施の形態について説明する。
(応力計測装置100a)
図7は、本発明の実施の形態2に係る応力計測装置100aの概略構成図である。以下、上記の実施の形態1と同様の部分については、同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
応力計測装置100aは、図7に示すように、光源11と、第1の光学系12と、第2の光学系13と、カメラ14と、制御装置15aと、保持部20と、画像処理装置40と、を備えている。
そして、保持部20の内部には、密閉容器51と、密閉容器51内に満たされ、撹拌される撹拌液52と、密閉容器51の内壁に固定されたRPモデル(光透過性部材)53と、密閉容器51内の撹拌液52を撹拌するための撹拌部材54と、が設けられている。
密閉容器51は、応力計測装置100aが応力計測を行なう計測対象である上記構造体であるRPモデル53と、応力計測装置100aが速度計測を行なう計測対象である上記流体である撹拌液52と、収納するためのものである。RPモデル53は、その全部がこの撹拌液52に浸されながら、密閉容器51の内部に収納されることになる。
密閉容器51及びその内部に満たされている撹拌液52はいずれも、光源11から出射されたレーザ光を透過させる。このため、光源11から出射されたレーザ光は、第1の光学系12を通過した後、保持部20の側壁と、屈折率整合液22と、密閉容器51の側壁と、をこの順で通過し、撹拌液52及びRPモデル53に進入することになる。
RPモデル53の内部には、上記実施の形態1と同様、多数のトレーサ粒子が分散されており、RPモデル53に進入したレーザ光は、RPモデル53の内部に存在するトレーサ粒子により回折され、回折されなかったレーザ光とともにRPモデル53から出射される。このとき、回折されなかったレーザ光が参照光となり、その結果、この参照光と、回折されたレーザ光である物体光とが干渉することになる。これら参照光と物体光とは、RPモデル53内のトレーサ粒子の変位を追跡するために利用される。以下、RPモデル53内のトレーサ粒子の変位を追跡するために利用される参照光及び物体光をそれぞれ、「RPモデル参照光」及び「RPモデル物体光」と呼ぶ。
そして、RPモデル53から出射されたレーザ光、つまり、RPモデル物体光とRPモデル参照光は共に、撹拌液52と、密閉容器51の側壁と、屈折率整合液22と、保持部20の側壁とをこの順で通過し、第2の光学系13に進入する。なお、このRPモデル物体光とRPモデル参照光とのそれぞれの一部は、撹拌液52内のトレーサ粒子56により、再び回折される場合もある。その場合、その回折された光は、RPモデル53内のトレーサ粒子の変位を追跡するためには利用されないことになる。
さらに、RPモデル53と同様、撹拌液52の内部には、多数のトレーサ粒子56が分散されており、撹拌液52に進入したレーザ光は、撹拌液52の内部に存在するトレーサ粒子56により回折され、回折されなかったレーザ光とともに撹拌液52から出射される。このとき、回折されなかったレーザ光が参照光となり、その結果、この参照光と、回折されたレーザ光である物体光とが干渉することになる。これら参照光と物体光とは、撹拌液52内のトレーサ粒子56の変位を追跡するために利用される。以下、撹拌液52内のトレーサ粒子56の変位を追跡するために利用される参照光及び物体光をそれぞれ、「撹拌液参照光」及び「撹拌液物体光」と呼ぶ。
そして、撹拌液52から出射されたレーザ光、つまり、撹拌液物体光と撹拌液参照光は共に、密閉容器51の側壁と、屈折率整合液22と、保持部20の側壁とをこの順で通過し、第2の光学系13に進入する。なお、この撹拌液物体光と撹拌液参照光とのそれぞれの一部は、RPモデル53内のトレーサ粒子により、再び回折される場合もある。その場合、その回折された光は、撹拌液52内のトレーサ粒子の変位を追跡するためには利用されないことになる。
撹拌部材54は、撹拌液52を撹拌させるための部材である。撹拌部材54は、例えば、こまのように自転動作を行なうことにより、その自転の向きに従う流れを撹拌液52に引き起こすためのものである。図7の場合であれば、撹拌部材54は、xz平面における右回転または左回転の流れを撹拌液52に引き起こすことができる。これにより、撹拌液52の中に上で述べたような右回転や左回転の流れが生じ、その結果、撹拌液52の一部はRPモデル53に衝突することになる。この衝突は、上記の実施の形態1において荷重印加機構31及び荷重印加機構32がRPモデル21に印加する荷重と同様、RPモデル53に荷重を印加することになる。図7の場合、撹拌部材54がxz平面における右回転または左回転すると、xz平面に平行な向き(図8中Dで示す矢印の向き)の荷重がRPモデル53に印加されることになる。
すなわち、撹拌部材54による撹拌液52の流れはRPモデル53に荷重を印加する荷重印加機構であるといえる。
また、撹拌部材54は、例えば、保持部20の外部に向かって延在する支柱54aを備えており、この支柱54aが駆動回路55に接続されている。駆動回路55は、支柱54aを回転させることにより、上で述べた撹拌部材54の自転動作を駆動させる。駆動回路55は、後述するように、制御回路15aにその駆動動作が制御されている。
応力計測装置100aでは、上で述べたRPモデル参照光及びRPモデル物体光と、撹拌液参照光及び撹拌液物体光とを、カメラ14が撮像することになる。すなわち、RPモデル参照光及びRPモデル物体光をカメラ14が撮影した画像データは、画像処理装置40に出力され、そのような画像データを基に、この画像処理装置40内でRPモデル53内部のトレーサ粒子の移動距離や移動方向が算出される。一方、撹拌液参照光及び撹拌液物体光をカメラ14が撮影した画像データは、画像処理装置40に出力され、そのような画像データを基に、この画像処理装置40内で撹拌液52内部のトレーサ粒子56の移動距離や移動方向が算出される。
RPモデル53から出射されるレーザ光である、RPモデル物体光とRPモデル参照光は互いに干渉しあい、その結果、カメラ14には、RPモデル53の内部に存在する各トレーサ粒子のデジタルホログラフィ画像が撮像される。
そして、カメラ14は、その撮像されたデジタルホログラフィ画像を例えばデジタルデータとして記録し、そのデジタルデータを画像処理装置40に出力する。
画像処理装置40は、カメラ14が撮影したデジタルホログラフィ画像を基に、3次元画像処理を実行する。解析部41は、RPモデル53内部の各トレーサ粒子について、カメラ14が撮影したデジタルホログラフィ画像に対して3次元PIV解析を実行する。
画像処理装置40は、解析部41により実行される3次元PIV解析に基づき、例えば時刻t0に撮像されたデジタルホログラフィ画像からその時刻における各トレーサ粒子の3次元位置を算出する。同様に、時刻t0+Δtに撮像されたデジタルホログラフィ画像からその時刻t0+Δtにおける各トレーサ粒子の3次元位置を算出する。そして、各時刻における3次元位置の差分をΔtで除算することにより、各トレーサ粒子の速度ベクトルを算出することができる。
画像処理装置40は、このようして算出されたRPモデル53内部の各トレーサ粒子の速度ベクトルから、時刻t0から時刻t0+Δtまでの間におけるRPモデル53内部の応力場の経時変化を計測する。
同様に、撹拌液52から出射されるレーザ光である、撹拌液物体光と撹拌液参照光は互いに干渉しあい、その結果、カメラ14には、撹拌液52の内部に存在する各トレーサ粒子56のデジタルホログラフィ画像が撮像される。
そして、カメラ14は、その撮像されたデジタルホログラフィ画像を例えばデジタルデータとして記録し、そのデジタルデータを画像処理装置40に出力する。
画像処理装置40は、カメラ14が撮影したデジタルホログラフィ画像を基に、3次元画像処理を実行する。解析部41は、撹拌液52内部の各トレーサ粒子56について、カメラ14が撮影したデジタルホログラフィ画像に対して3次元PIV解析を実行する。
画像処理装置40は、解析部41により実行される3次元PIV解析に基づき、例えば時刻t0に撮像されたデジタルホログラフィ画像からその時刻における各トレーサ粒子56の3次元位置を算出する。同様に、時刻t0+Δtに撮像されたデジタルホログラフィ画像からその時刻t0+Δtにおける各トレーサ粒子56の3次元位置を算出する。そして、各時刻における3次元位置の差分をΔtで除算することにより、各トレーサ粒子56の速度ベクトルを算出することができる。
画像処理装置40は、このようして算出された撹拌液52内部の各トレーサ粒子56の速度ベクトルから、時刻t0から時刻t0+Δtまでの間における撹拌液52の速度場の経時変化を計測する。
制御装置15aは、光源11と、カメラ14と、駆動回路55のそれぞれとの間において、各種の制御信号のやり取りを行なうことができるよう、これらの各々と電気的に接続されている。制御装置15は、例えば、光源11の駆動動作と、カメラ14の撮影動作と、駆動回路55の駆動動作とを制御する。
制御装置15は、例えば、光源11からのレーザ光の出射タイミングと、駆動回路55による撹拌部材54の駆動タイミングと、カメラ14による撮影タイミングとを、同期させればよい。
(撹拌液52及びRPモデル53)
次に、撹拌液52及びRPモデル53について説明する。図8は、撹拌液52及びRPモデル53を説明するための概念図である。図8では、図面の見易さのため、光源11から出射されたレーザ光については、その光路のみを図中Aで示す矢印で示している。なお、図中Cで示す範囲は、撹拌液52及びRPモデル53における、光源11から出射されたレーザ光の照射領域である。
図8に示すように、RPモデル53の内部には多数のトレーサ粒子57が分散されている。トレーサ粒子57の種類等は本発明では特に限定するものではないが、RPモデル53を構成する光弾性体材料の種類等に応じて適宜選択される。
また、上述したように、RPモデル53は密閉容器51の内壁に固定されており、その密閉容器51の内部は撹拌液52で満たされている。つまり、図8に示すように、RPモデル53の周囲は撹拌液52で取り囲まれている。
この撹拌液52は、RPモデル53を構成する光弾性体材料が持つ屈折率に整合する屈折率を有している。具体的には、撹拌液52は、RPモデル53を構成する光弾性体材料が持つ屈折率と実質的に同一の屈折率を有している。このことから、攪拌液52は、上記実施の形態1においてRPモデル21の周囲を取り囲む屈折率整合液22と同様の機能を有するものといえる。
なお、RPモデル53を構成する光弾性体材料と撹拌液52との屈折率の差が1%前後であれば、両者の屈折率は実質的に同一であるといえる。
RPモデル53の屈折率と撹拌液52の屈折率が同一であれば、RPモデル53と撹拌液52との間の界面における屈折率の差が解消されることになる。
このため、光源11から出射されたレーザ光が、撹拌液52と、RPモデル53とを、この順で通過する際、それらの界面において屈折することがない。
また、RPモデル53内部の多数のトレーサ粒子57に回折されたRPモデル物体光及び、多数のトレーサ粒子57に回折されなかったRPモデル参照光はいずれも、RPモデル53から撹拌液52に進入する際、それらの界面において屈折することがない。
したがって、光源11から出射されたレーザ光が、撹拌液52とRPモデル53との界面において屈折することなく、RPモデル53に進入する。そして、RPモデル53内で回折されたRPモデル物体光及びRPモデル参照光が、撹拌液52とRPモデル53との界面において屈折することなく、撹拌液52に進入する。
このため、カメラ14は、RPモデル53内部の多数のトレーサ粒子57に回折されたRPモデル物体光及び、多数のトレーサ粒子57に回折されなかったRPモデル参照光のいずれも正確に撮像することができる。
RPモデル53とその周囲との間における屈折率の差は、RPモデル53の形状が複雑になればなるほど、それらの界面を通過するレーザ光を大きく屈折させ、カメラ14による正確な撮像を阻害する度合いが大きくなる。
本発明の実施の形態2に係る応力計測装置100aにおいても、このようにRPモデル53の周囲を、RPモデル53の屈折率と同一の屈折率を有する撹拌液52で取り囲むことで、上記のような課題を解消することができる。
なお、本実施の形態2においては、密閉容器51が保持部20の内部に収納されており、その保持部20の内部は屈折率整合液22で満たされている。つまり、図8に示すように、密閉容器51の周囲が屈折率整合液22で取り囲まれている。
このため、屈折率整合液22は、密閉容器51を構成する、光を透過する透明材料が持つ屈折率に整合する屈折率を有している。例えば、密閉容器51をRPモデル53と同一の光弾性体材料を用いて構成すれば、屈折率整合液22、密閉容器51、撹拌液52及びRPモデル53は実質的に同一の屈折率を有していればよい。屈折率整合液22と密閉容器51とが同一の屈折率を有することによる効果は、上述した、撹拌液52とRPモデル53とが同一の屈折率を有することによる効果と同様であり、ここでは繰り返して説明しない。
(実施例)
次に、撹拌液52及びRPモデル53の実施例について説明する。図9は、撹拌液52(その一部)及びRPモデル53の具体例を示す断面図である。
図9に示す実施例では、RPモデル53を構成する材料は、光透過性のアクリル樹脂(屈折率1.4883、弾性係数3317Mpa)である。その形状は円柱形状であり、その断面の直径が2mm、その長さが11.5mmである。RPモデル53に分散されたトレーサ粒子57の直径の平均値は100μmである。図10に、RPモデル53に分散されたトレーサ粒子57を示す。
なお、図8に示すように、RPモデル53が、その内壁に固定される密閉容器51は、その外観形状が円柱形状であり、その断面の直径(内壁の直径)dは41mmである。RPモデル53は、この密閉容器51の底面からの高さhが20mmの位置に固定されている。
撹拌液52は、屈折率整合液22と同様、ヨウ化ナトリウム溶液であり、その屈折率はRPモデル53を構成するアクリル樹脂と同一の屈折率を持つ。その動粘性係数(動的粘度)は、30.4℃において1.365mm/secである。撹拌液52に分散されたトレーサ粒子56の直径の平均値は60μmである。
なお、図8及び図9中Cで示す範囲は、撹拌液52及びRPモデル53における、光源11から出射されたレーザ光の照射領域であるが、そのサイズは30.72×30.72×6.0mmである。
図11は、撹拌液参照光及び撹拌液物体光をカメラ14が撮影した画像データを表わす図である。図11に示すように、撹拌液52内のトレーサ粒子56が撮影されている。
図12は、RPモデル参照光及びRPモデル物体光をカメラ14が撮影した画像データを表わす図である。図12に示すように、RPモデル53内のトレーサ粒子57が撮影されている。
なお、応力計測装置100aは、上述したように、RPモデル53内の3次元応力の経時変化の計測と撹拌液52の3次元速度の経時変化の計測とを同時に行なうものである。したがって、トレーサ粒子56とトレーサ粒子57とを区別し、撮影する必要がある。このため、例えば、例えば、社団法人可視化情報学会、「PIVハンドブック」、森北出版株式会社、2002年7月20日に詳しく記載されている、粒子マスク相関法を用いることにより、トレーサ粒子56とトレーサ粒子57と区別し、それぞれを撮影することができる。
この粒子マスク相関法では、トレーサ粒子56及びトレーサ粒子57の各々の理想的な粒子像をそれぞれのテンプレートとして予め準備する。それぞれのテンプレートを用いて、トレーサ粒子56及びトレーサ粒子57のそれぞれの粒子画像が混在する画像データの中から、各テンプレートに類似する領域をトレーサ粒子56及びトレーサ粒子57のそれぞれの粒子像として抽出する。図13は、トレーサ粒子56及びトレーサ粒子57の各テンプレートの幅を示すものである。図13の場合、撹拌液52内のトレーサ粒子56(第1の粒子)のテンプレートの幅が−2〜2ピクセルであり、RPモデル53内のトレーサ粒子57(第2の粒子)のテンプレートの幅が−3〜3ピクセルとなっている。
本実施形態2においては、トレーサ粒子56及びトレーサ粒子57が互いに異なる粒径を持つことにより、上記のようにして、両者を区別し、撮影することが可能となる。
図14は、図8及び図9中Cで示す領域をy方向から見た画像データ及びz方向から見た画像データを表わす図である。図14に示すように、撹拌液52内のトレーサ粒子56及びRPモデル53内のトレーサ粒子57が撮影されている。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明に係る応力計測装置は、光が照射される光透過性部材の内部に分散された複数の粒子のそれぞれについて画像処理して前記光透過性部材の内部におけるそれぞれの移動方向及び移動量を算出し、それらの算出結果を用いて前記光透過性部材の内部に生じる3次元応力を計測する応力計測装置において、前記光透過性部材の屈折率に整合する屈折率を持つ屈折率整合液の中に、前記光透過性部材を浸しながら保持する保持部と、前記保持部に保持されている前記光透過性部材に荷重を印加する荷重印加機構とを備えている。
ここで、「荷重印加機構」が光透過性部材に荷重を印加することで、光透過性部材に圧縮応力、せん断応力、曲げ応力といった各種の応力分布が実現される。
上記の応力計測装置では、応力計測対象である光透過性部材を、その屈折率と整合する屈折率を有する屈折率整合液に浸しながら、その光透過性部材に荷重を印加することができる。
このため、光透過性部材と屈折率整合液との界面における光の屈折を抑えながら、荷重が印加されている光透過性部材の3次元応力を計測することができるので、光透過性部材の3次元応力の経時変化を高精度に計測することができる。
前記光透過性部材と前記屈折率整合液とは、それぞれの屈折率が実質的に同一であることが好ましい。
この場合、光透過性部材が複雑な形状を持つ場合でも、光透過性部材と屈折率整合液との界面における光の屈折を効果的に抑えることができ、光透過性部材の3次元応力の経時変化を高精度に計測することができる。
ここで、「それぞれの屈折率が同一である」の「同一」は、完全に一致するのみならず、実質的に一致する場合を含むことを意味する。具体的には、光透過性部材と屈折率整合液との屈折率の差は、1%前後であれば、両者の屈折率は同一であるといえる。
前記複数の粒子は、前記光透過性部材の内部に均一に分散されていることが好ましい。
この場合、光透過性部材の3次元応力の計測をより精度良く行なうことができる。
ここで、この「均一に分散させておく」の「均一」は、完全に均一であるのみならず、実質的に均一と言える場合も含むことを意味する。
前記複数の粒子は、前記光透過性部材の内部のうち前記応力計測装置による計測対象となる一部の部分に局所的に集中するようにして前記光透過性部材の内部に分散されていることが好ましい。
この場合、計測対象となる一部の部分に多くの粒子が分散されているので、その部分の計測精度を高めることができる。
前記光透過性部材は、製品の複雑な形状を設計するための3次元CADモデルに基づき、ラピッドプロトタイピングを利用して形成されたラピッドプロトタイピングモデルであることが好ましい。
この場合、従来からのラピッドプロトタイピング装置を用いることができる。
本発明に係る応力計測方法は、光が照射される光透過性部材の内部に分散された複数の粒子のそれぞれについて画像処理して前記光透過性部材の内部におけるそれぞれの移動方向及び移動量を算出し、それらの算出結果を用いて前記光透過性部材の内部に生じる3次元応力を計測する応力計測方法において、前記光透過性部材の屈折率に整合する屈折率を持つ屈折率整合液の中に、前記光透過性部材を浸しながら保持し、前記屈折率整合液の中に浸されている前記光透過性部材に荷重を印加しつつ、前記光透過性部材の内部に生じる3次元応力の経時変化を計測する。
上記の応力計測方法では、応力計測対象である光透過性部材を、その屈折率と整合する屈折率を有する屈折率整合液に浸しながら、その光透過性部材に荷重を印加することができる。
このため、光透過性部材と屈折率整合液との界面における光の屈折を抑えながら、荷重が印加されている光透過性部材の3次元応力を計測することができるので、光透過性部材の3次元応力の経時変化を高精度に計測することができる。
前記荷重印加機構は、前記光透過性部材の全部が浸されながら、撹拌される撹拌液であり、且つ、前記撹拌液が前記屈折率整合液となっており、前記撹拌液の内部には、前記光透過性部材の内部に分散される複数の粒子とは異なる粒径を持つ複数の粒子が分散され、前記応力計測装置は、前記撹拌液の撹拌により荷重が印加される前記光透過性部材の内部に生じる3次元応力を計測することが好ましい。
この場合、流体である撹拌液の撹拌により荷重が印加される光透過性部材の内部に生じる3次元応力を計測することができる。
このため、構造体であるRPモデルと流体である攪拌液とが同時に存在し、相互に作用しあう3次元空間内における、RPモデル内の3次元応力の経時変化を計測することができる。
前記応力計測装置はさらに、光が照射される前記撹拌液の内部に分散された複数の粒子のそれぞれについて画像処理して前記撹拌液の内部におけるそれぞれの移動方向及び移動量を算出し、それらの算出結果を用いて前記撹拌液の3次元速度を計測することが好ましい。
この場合、RPモデル内の3次元応力の経時変化の計測と攪拌液の3次元速度の経時変化の計測とを同時に行なうことが実現される。
上記の応力計測方法において、前記光透過性部材に印加される荷重は、撹拌液に前記光透過性部材の全部を浸しながら、前記撹拌液を撹拌することにより前記光透過性部材に印加される荷重であり、且つ、前記撹拌液が前記屈折率整合液となっており、前記撹拌液の内部には、前記光透過性部材の内部に分散される複数の粒子とは異なる粒径を持つ複数の粒子が分散されていることが好ましい。
この場合、流体である撹拌液の撹拌により荷重が印加される光透過性部材の内部に生じる3次元応力を計測することができる。
このため、構造体であるRPモデルと流体である攪拌液とが同時に存在し、相互に作用しあう3次元空間内における、RPモデル内の3次元応力の経時変化を計測することができる。
本発明は、3次元CAD及びRPを用いて形成されたRPモデルの3次元応力場の経時変化を3次元ホログラフィックPIVや3次元ステレオPIVに基づき計測する応力計測装置及び応力計測方法に好適である。また、上記RPモデルと流体とが同時に存在する3次元空間内における、上記RPモデル内の3次元応力の経時変化の計測と上記流体の3次元速度の経時変化の計測とを同時に行なう応力計測装置及び応力計測方法に好適であるにも利用可能である。さらに、2つ以上のRPモデルが相互に作用を及ぼしあう3次元空間内における、それら2つ以上のRPモデル内の3次元応力の経時変化を同時に計測する応力計測装置及び応力計測方法にも好適である。
11 光源
12 第1の光学系
13 第2の光学系
14 カメラ
15、15a 制御装置
20 保持部
21、53 RPモデル(光透過性部材)
22 屈折率整合液
23 トレーサ粒子(粒子)
31、32 荷重印加機構
40 画像処理装置
41 解析部
51 密閉容器
52 撹拌液
54 撹拌部材
55 駆動回路
100、100a 応力計測装置

Claims (9)

  1. 光が照射される光透過性部材の内部に分散された複数の粒子のそれぞれについて画像処理して前記光透過性部材の内部におけるそれぞれの移動方向及び移動量を算出し、それらの算出結果を用いて前記光透過性部材の内部に生じる3次元応力を計測する応力計測装置において、
    前記光透過性部材の屈折率に整合する屈折率を持つ屈折率整合液の中に、前記光透過性部材を浸しながら保持する保持部と、
    前記保持部に保持されている前記光透過性部材に荷重を印加する荷重印加機構と
    を備えていることを特徴とする応力計測装置。
  2. 前記光透過性部材と前記屈折率整合液とは、それぞれの屈折率が同一であることを特徴とする請求項1に記載の応力計測装置。
  3. 前記複数の粒子は、前記光透過性部材の内部に均一に分散されていることを特徴とする請求項1または2に記載の応力計測装置。
  4. 前記複数の粒子は、前記光透過性部材の内部のうち前記応力計測装置による計測対象となる一部の部分に局所的に集中するようにして前記光透過性部材の内部に分散されていることを特徴とする請求項1または2に記載の応力計測装置。
  5. 前記光透過性部材は、製品の複雑な形状を設計するための3次元CADモデルに基づき、ラピッドプロトタイピングを利用して形成されたラピッドプロトタイピングモデルであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の応力計測装置。
  6. 光が照射される光透過性部材の内部に分散された複数の粒子のそれぞれについて画像処理して前記光透過性部材の内部におけるそれぞれの移動方向及び移動量を算出し、それらの算出結果を用いて前記光透過性部材の内部に生じる3次元応力を計測する応力計測方法において、
    前記光透過性部材の屈折率に整合する屈折率を持つ屈折率整合液の中に、前記光透過性部材を浸しながら保持し、
    前記屈折率整合液の中に浸されている前記光透過性部材に荷重を印加しつつ、前記光透過性部材の内部に生じる3次元応力の経時変化を計測することを特徴とする応力計測方法。
  7. 前記荷重印加機構は、前記光透過性部材の全部が浸されながら、撹拌される撹拌液であり、且つ、前記撹拌液が前記屈折率整合液となっており、
    前記撹拌液の内部には、前記光透過性部材の内部に分散される複数の粒子とは異なる粒径を持つ複数の粒子が分散され、前記応力計測装置は、前記撹拌液の撹拌により荷重が印加される前記光透過性部材の内部に生じる3次元応力を計測することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の応力計測装置。
  8. 前記応力計測装置はさらに、光が照射される前記撹拌液の内部に分散された複数の粒子のそれぞれについて画像処理して前記撹拌液の内部におけるそれぞれの移動方向及び移動量を算出し、それらの算出結果を用いて前記撹拌液の3次元速度を計測することを特徴とする請求項7に記載の応力計測装置。
  9. 前記光透過性部材に印加される荷重は、撹拌液に前記光透過性部材の全部を浸しながら、前記撹拌液を撹拌することにより前記光透過性部材に印加される荷重であり、且つ、前記撹拌液が前記屈折率整合液となっており、
    前記撹拌液の内部には、前記光透過性部材の内部に分散される複数の粒子とは異なる粒径を持つ複数の粒子が分散されていることを特徴とする請求項6に記載の応力計測方法。
JP2011543180A 2009-11-27 2010-10-27 応力計測装置及び応力計測方法 Pending JPWO2011065175A1 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009270501 2009-11-27
JP2009270501 2009-11-27
PCT/JP2010/069043 WO2011065175A1 (ja) 2009-11-27 2010-10-27 応力計測装置及び応力計測方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPWO2011065175A1 true JPWO2011065175A1 (ja) 2013-04-11

Family

ID=44066279

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011543180A Pending JPWO2011065175A1 (ja) 2009-11-27 2010-10-27 応力計測装置及び応力計測方法

Country Status (3)

Country Link
US (1) US20120250001A1 (ja)
JP (1) JPWO2011065175A1 (ja)
WO (1) WO2011065175A1 (ja)

Families Citing this family (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102519628B (zh) * 2011-12-16 2013-12-11 清华大学 颗粒三维受力与二维流速场的耦合测量装置
US9869596B2 (en) 2013-05-03 2018-01-16 Indian Council Of Medical Research Non-contact method for measurement of strain profile at a location interposed within a soft deformable object with dynamic evolution of the strain under dynamic loading or fracture of the object
CN105283744B (zh) * 2013-06-05 2018-05-18 Ev 集团 E·索尔纳有限责任公司 用以确定压力地图的测量装置及方法
JP2016024002A (ja) * 2014-07-18 2016-02-08 日本電気硝子株式会社 透明物品の応力測定方法
EP3324166A1 (en) * 2016-11-22 2018-05-23 Nokia Technologies OY Force sensing
TWI716183B (zh) * 2018-11-20 2021-01-11 財團法人工業技術研究院 應力測量裝置和應力測量方法
US11408730B2 (en) 2018-11-20 2022-08-09 Industrial Technology Research Institute Stress measuring device and stress measuring method
CN110208080B (zh) * 2019-06-21 2021-08-13 华东交通大学 一种颗粒材料接触应力可视化试验加载设备及其使用方法
CN113108964A (zh) * 2021-04-20 2021-07-13 昆明理工大学 一种基于数字全息技术的玻璃应力检测方法与检测装置
CN113551818B (zh) * 2021-07-23 2023-03-14 西安建筑科技大学 一种基于负泊松比结构的测量方法及系统
KR102653004B1 (ko) * 2021-08-18 2024-04-01 한국과학기술원 비정규 상태기반 페리다이나믹스와 디지털 이미지 상관법을 이용한 불연속 영역을 포함하는 구조물의 변위장 및 응력장 측정방법

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006003137A (ja) * 2004-06-16 2006-01-05 Toudai Tlo Ltd 光学式触覚センサ及び該センサにおける情報取得方法
JP2009526972A (ja) * 2006-02-14 2009-07-23 ウニヴェルシテ カトリック ド ルヴァン 内部応力を作動させる、マイクロサイズおよびナノサイズの材料サンプルの物理的特性の試験用のマイクロマシンおよびナノマシン

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US2341422A (en) * 1941-07-09 1944-02-08 Mississippi Valley Res Lab Inc Photoelastic instrument
US2645151A (en) * 1948-12-29 1953-07-14 Carlton H Hastings Apparatus for dynamic determination of reduction in area of specimens during mechanical tests
JPS6141933A (ja) * 1984-08-03 1986-02-28 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 物体内の応力測定方法および装置
JPH08211087A (ja) * 1993-08-20 1996-08-20 Hirobumi Onari 流れの可視化画像解析装置
JP2000227384A (ja) * 1999-02-08 2000-08-15 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 風洞試験用模型
JP2001091530A (ja) * 1999-09-22 2001-04-06 Mitsuba Corp 流体の可視化
JP4376378B2 (ja) * 1999-10-21 2009-12-02 株式会社ミツバ 翼面上の流れ計測方法
KR100416979B1 (ko) * 2002-03-18 2004-02-05 삼성전자주식회사 광섬유의 잔류응력 측정장치
JP4568883B2 (ja) * 2006-01-20 2010-10-27 独立行政法人産業技術総合研究所 応力・歪みの解析方法及び装置
US7377181B2 (en) * 2006-03-10 2008-05-27 Northrop Grumman Corporation In-situ large area optical strain measurement using an encoded dot pattern

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006003137A (ja) * 2004-06-16 2006-01-05 Toudai Tlo Ltd 光学式触覚センサ及び該センサにおける情報取得方法
JP2009526972A (ja) * 2006-02-14 2009-07-23 ウニヴェルシテ カトリック ド ルヴァン 内部応力を作動させる、マイクロサイズおよびナノサイズの材料サンプルの物理的特性の試験用のマイクロマシンおよびナノマシン

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
JPN6014008683; 田中 洋介, 外3名: '"ディジタルホログラフィと屈折率マッチングを用いた構造体の3次元変位計測"' 2009年度年次大会講演論文集(1) , 20090912, p. 149 - 150, 社団法人日本機械学会 *

Also Published As

Publication number Publication date
US20120250001A1 (en) 2012-10-04
WO2011065175A1 (ja) 2011-06-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2011065175A1 (ja) 応力計測装置及び応力計測方法
Lynch et al. Three-dimensional particle image velocimetry using a plenoptic camera
Haleem et al. Exploring the potential of 3D scanning in Industry 4.0: An overview
KR102533520B1 (ko) 포토리소그래피 프로세스의 요소의 결함의 알려지지 않은 효과를 평가하기 위한 방법 및 장치
CN110392817A (zh) 用于散斑减少激光线生成的系统和方法
Delpiano et al. Performance of optical flow techniques for motion analysis of fluorescent point signals in confocal microscopy
EP3492861B1 (en) Image processing system and image processing method
CN105679689A (zh) 探测装置和探测方法
JP2014044095A (ja) 三次元位置測定方法、速度測定方法、三次元位置測定装置及び速度測定装置
Koch et al. Theory-assisted optical ray tracing to extract cavitation-bubble shapes from experiment
CN109827756A (zh) 一种车载whud虚像测试系统及测试方法
JP2006309012A (ja) ホログラムデータ生成装置、方法およびプログラム、ならびにホログラムデータ生成システムおよびホログラム表示システム
JP6176054B2 (ja) 液滴内流動観察方法及び液滴内流動観察装置
Haleem et al. Holography and its applications for industry 4.0: An overview
Zhu et al. Weight coefficient calculation through equivalent ray tracing method for light field particle image velocimetry
Laning et al. Orthographic imaging of free-flowing aerosol particles
Lynch et al. Preliminary development of a 3-D, 3-C PIV technique using light field imaging
US3564904A (en) Ultrasonic holography with color rendition
Vermeulen et al. Manufacturing of patient‐specific optically accessible airway models by fused deposition modeling
Fahringer et al. The effect of grid resolution on the accuracy of tomographic reconstruction using a plenoptic camera
JPH11326008A (ja) 流体中の粉体の3次元空間分布の立体像および当該分布の3次元移動速度分布の簡易再構築装置
Buyukozturk et al. High-speed, 3D volumetric displacement and strain mapping in soft materials using light field microscopy
Ueda et al. Fringe projection profilometry system verification for 3D shape measurement using virtual space of game engine
KR102058776B1 (ko) 비가시광 적외선 다점 레이저빔과 적외선 카메라 영상기반 물체의 3차원 미세진동 측정에 의한 음원 진단 방법 및 장치
Butz et al. Data assimilation of structural deformation using finite element simulations and single-perspective projection data based on the example of X-ray imaging

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20130705

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140304

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20140708