JPH08211087A - 流れの可視化画像解析装置 - Google Patents

流れの可視化画像解析装置

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JPH08211087A
JPH08211087A JP5228198A JP22819893A JPH08211087A JP H08211087 A JPH08211087 A JP H08211087A JP 5228198 A JP5228198 A JP 5228198A JP 22819893 A JP22819893 A JP 22819893A JP H08211087 A JPH08211087 A JP H08211087A
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flow
visualization
particle
pattern
velocity
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JP5228198A
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English (en)
Inventor
Hirobumi Onari
博文 大成
Katsutoshi Watanabe
勝利 渡辺
Takanori Saga
孝徳 佐賀
Kunio Maeda
邦男 前田
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Original Assignee
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 流脈パターンと粒子流跡を同時抽出するため
の流れの可視化画像を解析するための装置の提供。 【構成】 2台のシャッター速度の異なるカメラで,可
視化されたスリット面を撮影し,流脈パターンと粒子流
跡を同時抽出して,比較考察せしめる。流れの可視化画
像解析装置の構成は,カメラ,照明用スリット,カメラ
及び照明の横方向あるいは縦方向の移動装置,流れ方向
の移動装置,これらの移動装置の制御装置及びそのため
の電子計算機,画像入力装置,画像解析装置を配設した
ものからなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,流れの流脈パターンか
ら考察される流れの秩序運動の時空間構造と瞬時粒子流
跡から求められる速度ベクトル及び渦度,瞬時レイノル
ズ応力などの物理量との直接比較を可能せしめることに
よって,複雑な乱流中の構造を一挙に解明するための流
れの可視化画像解析装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】各種流
れの構造を解明する方法は,流れの可視化法,流速計測
法,数値計算法の3つに大別される。これらは,流れの
究明において数々の優れた特徴を発揮してきたが,それ
ぞれがその境界で詳細に検討を可能とするまでの発展に
は至っていない。ところが,最近,この流れの可視化と
流速計測の谷間を埋める手段として,PIV(Part
icle Image Veloclmetry)と呼
ばれる手法が盛んに研究されている。この手法の原理
は,流れに投入したトレーサ粒子の時々刻々の運動を撮
影し,それらを画像処理することによって,その運動の
瞬時の変位量や流速分布を明らかにすることにある。こ
れまでに,さまざまなPIVが開発されてきているが
(たとえば,Adrian,R.J.,Particl
e−Imaging Techniques for
Experimental Fluid Mechan
ics,Ann.Rev.Fluid Mech.,2
3(1991),261に詳しく解説されている)。な
かでも,PSV(Laser Specle Velo
cimetry)とPTV(Particle Tra
cking Velocimetry)と呼ばれる2つ
の手法が特に注目を集めている。前者は,写真上の検査
領域におけるトレーサ粒子群の平均的な変位量を求める
方法であり,後者は個々のトレーサ粒子の変位量を直接
測定する方法である。これらの手法の利点は,流れ場の
瞬時速度分布を空間的に明らかにすることにあり,これ
によって流れの構造の詳しい考察が可能となってきた。
しかし,流れの向きが判別できない,流れの詳細な瞬時
構造を明らかにし得る空間分解能に劣るなどの欠点があ
り,これらが乱流のように3次元の複雑な構造を有する
場合には特に問題となる。
【0003】さて,従来の流れの可視化法においては,
さまざまな流脈パターンの可視化が試みられている。こ
の方法の利点は,流れ場の空間構造を比較的平易に明ら
かにすることにあり,流れの構造の定性的評価において
は有益である。しかし,このパターンから速度情報を定
量的に得ることは不可能であり,ここに流れの可視化法
の主要な問題点が存在していた。
【0004】以上のような欠点や問題点をもつ従来のP
IV法や可視化法においては,流れの構造を定性的かつ
定量的に詳しく,しかも平易にかつ安価な手法で明らか
にすることには,特に乱流や物体背後の剥離を伴う流れ
などの複雑な3次元流れにおいては大きな困難が存在し
ていた。しかも,従来のいずれの方法においても,個々
の利点を生かしながら,それらの欠点や問題点を克服す
ることは不可能であった。
【0005】すなわち,従来のPIV法及び流れの可視
化法は,次のような問題点を有している。 .PIV法においては,流れの空間構造の理解するま
でにさまざまな解析を行う必要があり,しかも乱流のよ
うに流れの構造が複雑な場合には,それらの解析量から
正確に流れの空間構造を推測することが難しい。 .PSVにおいては,二重露光方式を採用するため
に,流れの方向を識別することが難しい。 .PTV,特に3次元PTVにおいては,瞬時の空間
分解能が十分でなく,それらを何回も平均操作して各種
乱れ統計量を求めることに留まっていることから,瞬時
の秩序構造と速度情報を比較考察することが困難であ
る。 .PSV及びPIVのいずれにおいても,そのシステ
ムを構築するのに大変な費用を要する。 .流脈パターンによる流れの可視化画像からは,速度
の定量的な評価を得ることができない。
【0006】.複雑な3次元構造を有する乱流の秩序
運動や物体背後の剥離を伴う流れなどにおいては,まず
流れの可視化法を用いて,その空間構造の特徴を明らか
にすることが求められるが,それには,高度な3次元可
視化の適用が必要となる。ところがこの可視化法自身の
適用がなかなか容易でなく,得られた可視化の結果にお
いても定量的な評価が難しく,主観的な解釈に陥りやす
い。
【0007】本発明者らが先に発表した事項は下記のと
おりである。近年,流れのなかに多数の微小粒子を注入
し,その瞬間流跡の画像処理によって,流れ場全体の構
造を把握しようとする手法が次々に開発されている。こ
の手法は,PIV(particle−image v
elocimetry)法と呼ばれ,すでに,わが国に
おいても,木下による先駆的研究や,宇民・上野,西野
らによって,せん断乱流の構造を解明する試みがなさ
れ,すぐれたいくつかの成果が示されている。最近,K
lineは,せん断流れにおける乱流構造,とりわけ秩
序運動(coherent motion)を究明する
課題が,乱流の物理的理解におけるますます中心的存在
となりつつあることを示し,その基本的な未解明の課題
として,(a)秩序構造の時空間関係,(b)秩序構造
の因果関係,(c)基本的力学を明らかにすることの重
要性を指摘した。また,Robinsonも同様の観点
から,秩序運動に関する1980年代の研究を詳しく解
説し,次の2つがその課題解明の鍵となることを示し
た。 渦の形成と発達を明らかにする。 内外層の秩序運動の相互作用を明らかにする。 そこで,本研究においては,の課題を達成するため
に,上述のPIV法と,従来の断面視法を同時に適用す
ることによって,秩序運動の流脈パターンとそれを形成
させる速度ベクトルの関係が比較検討された。
【0008】DPIV法の概念と秩序運動の定義 壁乱流における秩序運動を解明する新しい手法として,
DPIV(dye−particle−image v
elocimetry)法を導入する。本方法では,ト
レーサーとして染料と粒子の両方を同時に流れ場に注入
する。前者においては,秩序運動の流脈パターンが表現
され,後者においては,それぞれの瞬時流跡から流れ場
の各地点における速度ベクトルが得られることから,こ
の流脈パターンと速度変動の関係が詳しく検討され得
る。この場合,それぞれのトレーサーの果たす役割は次
の通りである。 染料の流脈パターン:秩序運動の空間構造あるいはそれ
同士の境界を明確にする。 粒子の流脈パターン:それぞれの粒子の描く瞬時流跡の
パターンより,流れの各地点における速度ベクトルが求
められる。 これらの役割の明確化とその重畳的考察によって,秩序
運動の構造性に関する理解はより平易でかつ本質的とな
り得る。ところで,本論における「秩序運動」の定義
は,次のRobinsonのそれに従う。 「少なくともひとつの基本的な流れの変動(速度成分,
密度,湿度など)が,流れの最小局所スケールよりも本
質的に大きい時空間領域上で,それ自身あるいは他の変
動量と本質的な相関を示すような流れの3次元領域」
【0009】DPIV法の適用例 (1)可視化法 図1には,DPIV法の適用を可能とする可視化システ
ムの一例が示されている。流れ場は開水路乱流であり,
本図はその上部から平面的に眺めたものである。
【0010】
【図1】
【0011】秩序運動の側断面視を行うために,水路上
部からハロゲンスリットが照射された。このスリット内
に可視化された染料流脈と粒子流跡が,左右の2台のカ
メラのそれぞれによって撮影された。左のカメラでは,
比較的短い撮影時間(1/125秒)で撮影され,流脈
パターンが鮮明に可視化された。一方,右のカメラで
は,それと相対的に長い撮影時間(1/15秒)で,粒
子流跡が撮影された。この後者の撮影ネガの左右を反転
させて焼き付けすると,流脈と流跡が対応する一組の写
真ができあがる。これを図2に示す。
【0012】
【図2】
【0013】この図の(a)流脈パターンがトレースさ
れ,さらに(b)に示された流跡がデジタイザーで読み
取られた。この両者の合成を図3に示す。
【0014】
【図3】
【0015】(2)平均流速分布と乱れ強度特性 本実験は,とりあえずリブレット粗面乱流境界層でなさ
れた。流れ場のレイノルズ数Re=7000,水深8
cm,計測点のレイノルズ数Rx=4×10,運動量
厚さを用いたレイノルズ数Rθ=430程度である。図
4には,LDVによる流速計測結果と,粒子の流跡から
求められた平均流速と乱れ強度のそれぞれが示されてい
る。
【0016】
【図4】
【0017】なお,粒子流跡から求められた平均流速
は,水深方向に40の領域分割がなされ,その分割領域
内に存在した粒子流跡の平均値に対して,1回の移動平
均値より求められた。LDVによる平均流速分布の全体
は,リブレット粗面上の流れ場のためにやや対数則から
はずれる傾向を示すが,粒子流跡から得られた分布と
は,かなりの一致を示している。また,同図(b)に
は,実線がLDV,○と□が粒子流跡の乱れ強度の計測
結果のそれぞれが示されているが,この両者においても
かなりの一致が認められる。
【0018】(3)流脈パターンと速度変動ベクトルと
の対応 図5には,流脈パターンと速度変動ベクトルを重ねたも
のが示されている。
【0019】
【図5】
【0020】図中の細線ベクトルは流れ方向流速成分が
正,太線ベクトルは負である場合を示す。これより,S
では,横渦(壁縦渦の先端部)成分の存在を示す流脈
パターンが明らかであり,この周囲では,この横渦によ
って誘起されたと思われる速度変動パターンが示されて
いる。また,Sは,この横渦領域と下流の染料上昇領
域(S)の間に挟まれた領域であり,その下流での大
規模な上昇流のために流れ方向流速成分の発達が抑制さ
れて,壁に向かう,いわゆる典型的なsweep型の大
規模な下降流が形成され始めている。さらにS領域で
は,染料が存在するほとんどの領域で,太線速度変動ベ
クトルが存在し,流れ方向成分が負のいわゆるejec
tion型の大規模な上昇流の領域が形成されている。
しかし,この領域内には,下降流成分も認められ,この
領域全体としては,複雑な多重構造性を示しているよう
に思われる。次に,図5の速度変動ベクトルについて,
水深方向に5分割,流れ方向に10分割し,それぞれの
格子に含まれる速度変動ベクトルの平均値を求めて,そ
の変動ベクトルの始点座標を格子の中心とした。また,
格子を水深方向及び流れ方向に1/4格子ずつ移動さ
せ,上記の計算を繰り返すことによって,おおまかな空
間平均操作を行った。そのベクトル図を図6に示す。こ
れより,各点の速度変動ベクトルと秩序運動の流脈パタ
ーンとの対応はより一層明確となりうる。
【0021】
【図6】
【0022】秩序運動の流脈パターンと速度変動ベクト
ルの対応から,それらの相互関係が考察された。また,
流脈パターンは,uv値や渦度ωzの分布ともかなりの
対応を示す。
【0023】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明者らは上
記従来技術の問題点を解決すべく鋭意研究を重ねた結
果,流れの秩序運動の空間構造と速度情報を同時に抽出
することができる流れの可視化画像解析装置を開発し
た。
【0024】第1の発明は,流れの縦断面に照明用スリ
ットを挿入し,その断面において,互いに対面したシャ
ッター速度の異なるカメラを水路外部に設置することに
よって,トレーサの流脈パターンと粒子流跡を同時に可
視化する装置を備えたことを特徴とする流れの可視化画
像解析装置であり,第2の発明は,流れの水平断面に照
明用スリットを挿入し,その断面の上部にシャッター速
度の異なるカメラを設置することによって,トレーサの
流脈パターンと粒子流跡を同時に可視化する装置を備え
たことを特徴とする流れの可視化画像解析装置であり,
第3の発明は,可視化の形象を撮影するカメラが水中に
設置される場合には,防水が施されたカメラを水没させ
て配備することを特徴とする前記第1項又は第2項に記
載の流れの可視化画像解析装置であり,第4の発明は,
可視化のトレーサの比重が流体とほとんど変わらない蛍
光染料と微粒子を用いることを特徴とする前記第1項な
いし第3項の発明のいずれかに記載の流れの可視化画像
解析装置で有り,第5の発明は,カメラを設置する移動
装置が,流れの方向に対して横方向あるいは垂直方向
に,さらには流れの方向に,照明のスリットとともに互
いの距離を変えずに移動してトレーサの流脈パターンと
粒子流跡を同時に可視化する装置を備えたことを特徴と
する前記第1項ないし第4項の発明のいずれかに記載の
流れの可視化画像解析装置であり,第6の発明は,前記
第1項ないし第5項の発明のいずれかに記載の装置を用
いた得られた流脈パターンと粒子流跡より,乱流の秩序
構造と瞬時速度を同時に対応させながら画像処理するこ
とを特徴とする流れの可視化画像解析装置である。そし
て,上記の発明において,瞬時流脈パターンを撮影する
カメラは,35ミリスチールカメラあるいはビデオカメ
ラのどちらでもよく,対象とする流れ場の特徴を考慮し
てその選択を行う必要がある。さらに,カメラの台数を
増やして装置内に設置することによって,流れ場の時空
間構造に関するより詳しい情報が得留ことができる。そ
してまた,可視化断面をコンピュータ制御のサーボモー
タ駆動による移動装置によって瞬時に流れの方向に対し
て,横方向あるいは垂直方向に動かしながら,時々刻々
の連続撮影を行えば,流れの3次元構造に関する時・空
間及び速度に関する情報を一挙に得ることができる。
【0025】
【作用】以上の発明においては,第1に,流脈パターン
と瞬時粒子流跡から求められた流れ場の各点における速
度ベクトルを対応させて考察することができるために,
流れの構造,特に乱流中の秩序運動に関する定性的及び
定量的情報を同時に得ることができる。ここに,従来の
染料注入法による流脈可視化やPIV法よりも格段に優
れた点が認められる。第2に,本可視化法に基づく連続
撮影によって,乱流中のの秩序運動の時空間構造も考察
することができる。第3に,可視化断面を横方向あるい
は縦方向に移動させ,その過程で連続的に可視化撮影を
することによって,2次元から3次元の流脈パターン及
び速度情報を得ることができる。第4に,本可視化法は
乱流や剥離を伴う3次元流など複雑な流れの解析に有効
であり,その複雑な流れの構造の解明に必要な流脈パタ
ーンと速度情報を一挙に得ることができる。第5に,従
来のPSV法や3次元PTV法と比較して遥かに平易か
つ安価なシステムで,より重要な情報を大量に得ること
ができる。第6に,流脈パターンの可視化写真内に写さ
れた各粒子画像と粒子流跡の各画像の対応を取ることに
よって,過誤画像の除去や流れ方向を確認することがで
きる。後者については,特に逆流を伴う流れにおいて有
効である。第7に,流れ方向に移動撮影を行えば,その
流脈パターンと速度情報において,秩序運動のラグラン
ジュ的考察も可能となる。
【0026】
【実施例】以下に,本発明の実施例のいくつかを図面に
基づいて説明する。図7は,本発明に係る手法であるD
PIV法(Dye ParticleImage Ve
locimetry)の流れ認識法図である。流れの可
視化法,流速計測法,数値計算法の三者との相対的位置
関係を示す。本DPIV法は,流れの可視化法と流速計
測法の両方を包含する手法と考えられる。
【0027】
【図7】
【0028】図8に本発明に係るDPIV法の概要を示
す。本手法は,流れに注入した染料の流脈パターンと粒
子流跡を2台のカメラで夫々そのシャッター速度を変え
て同時撮影する方法である。この手法の適用によって,
流れのなかの秩序運動の流脈パターンとそこにおける速
度ベクトル,さらにはそのベクトルから求められた渦度
や瞬時レイノルズ応力などの分布特性との比較が可能と
なる。
【0029】
【図8】
【0030】図9に,本手法の概略と水路の横断面図を
示す。流体の流れ方向は,手前から向うである。
【0031】
【図9】
【0032】図9において,1は実験用透明(側壁の
み)水路,2は流れ方向移動台車,3は流脈パターン撮
影用カメラ,4は粒子流跡撮影用撮影カメラ,5は照明
用スリット光源,6は可視化断面に挿入されたスリット
光膜,7はカメラと照明を同時に移動させるためのサー
ボモータを中心した電子制御装置,8は同制御装置をコ
ントロールする電子計算機,9はカメラ及び照明支持装
置,10は滑車,11はレール,12は水路支持I型
鋼,13は移動用滑車,14はカメラ及び照明装置の移
動方向,15は水路支持板,16は支持用溝型鋼,17
は水面である。図9において,6のスリット断面に染料
流脈と流体の比重とほとんど同一の粒子が可視化され,
それを2台のカメラでそれぞれシャッター速度を変えて
撮影する。また,14の方向に照明とカメラを移動・停
止させながら連続的に撮影することによって,流脈パタ
ーンと速度ベクトルの三次元情報を得ることができる。
この場合,染料水溶液(比重1.005)は水路上流で
一度にビーカーから注入し,その水塊が流下した後,壁
面上の粘性底層に滞留した染料が流下して,流れの乱れ
成分によって次々と巻き上げられる。また,もうひとつ
のトレーサである粒子は,その平均径が300ミクロン
程度であり,その比重は1.002〜1.008程度に
調節されて使用された。この粒子は,上記染料とは別に
上流端で粒子混入液とともに注入された。なお,3,4
のカメラはモータードライブ付きカメラを使用したが,
それらはシャッター速度可変のビデオテレビカメラによ
っても代用され得る。特に,後者の場合,より高速の流
れに適切である。
【0033】
【図10】
【0034】図10は,縦方向(y方向)にカメラ及び
照明用スリットを移動させて撮影する場合の装置の概略
を示す。図10において,20は可視化断面に挿入され
たスリット光膜,21は透明側壁を有する水路,22は
流れ方向移動装置,23は流脈パターン撮影用カメラ,
24は粒子流跡撮影用カメラ,25は照明用スリット光
源(アルゴンレーザー光膜,ハロゲンスリット光膜),
26は同照明止め金,27はカメラ及び照明移動装置の
移動制御装置,28は電子計算機,29はカメラ及び照
明の取り付け装置,30は水路支持板,31は水路支持
用I型鋼,32は滑車,33はレール,34は支持用溝
型鋼,35はカメラ及び照明の移動方向,36は水面で
ある。図10において,流れ方向,染料及び粒子水溶液
の注入方法及び撮影カメラとその方法は図3に示した方
法と同一である。図10においては,乱流中の秩序構造
の水平断面のパターンと粒子流跡からu(流れ方向流
早)及びw(横方向流速)の速度ベクトルが得られる。
この場合,y方向にカメラと照明を移動させながら,連
続撮影を行うことによって,3時元の流脈パターンと速
度情報が得られる。
【0035】
【図11】
【0036】図11に,本DPIV法による流脈パター
ンと粒子流跡の縦断面視の一例を示す。(b)の粒子流
跡の写真は,ネガフィルムを反転させて焼き付けること
によって得られた。(a)の写真内に白く点状に写され
たのが粒子であり,このそれぞれが(b)の写真内の線
状に写された軌跡の左端が対応し,その始点となる。
【0037】
【図12】
【0038】図12に,図11(a)に示された流脈パ
ターンと粒子流跡の両方がトレースされている。この粒
子流跡の位置と長さをディジタイザーで読み取り,その
流れをシャッター速度で割ることによって,各点の瞬時
速度が得られる。この各点の瞬時流速から,あらかじめ
同じ流れ場でレーザー流速計によって計測された平均流
速を差し引くと,図13に示されるような変動速度ベク
トルが得られる。
【0039】
【図13】
【0040】図中のまるS1の部分は,そのベクトルと
染料流脈の渦巻きパターンが,まるS2では上部から壁
に向かって下降する,いわゆるスイープ型の下降ベクト
ル成分がまるS3には染料が集中して大規模に上昇して
いる様子が明らかである。図13の変動速度ベクトルを
空間的に移動平均して示したのが図14であり,上記の
染料流脈のパターンと変動速度ベクトルの対応が一層明
らかである。
【0041】
【図14】
【0042】以上の図11〜14から,渦度や瞬時レシ
ノルズ応力, 変形成分などの物理量が得られ,それら
と流脈パターンとの対応関係を考察することも可能であ
る。
【0043】
【発明の効果】以上実施例等で詳述したように,本発明
によれば流れの可視化画像解析技術において,下記のご
とき優れた作用効果が発揮される。 (1)流れの可視化画像解析及び乱流解析技術におい
て,流脈パターンと速度ベクトルを同時に抽出できる顕
著な実験及び技術的向上がもたらされる。すなわち,こ
の同時抽出は従来不可能とされてきた方法であり,この
方法によって,流脈的パターンの定性的観察と数値情報
に基づく定量的考察を結合させることができる。 (2)染料流脈パターンと粒子流跡の2次元可視化情報
(x,y平面あるいは,x,z平面)を移動撮影するこ
とによって,3次元及び4次元の拡張が可能となること
から,従来の流体計測法における格段の向上がもたらせ
る。しかも,本システムの構築は従来のPSV法と比較
して,格段に安価(おそらく一桁も)で可能となる。 (3)本手法は,複雑乱流の解析にも十分適用であるほ
か,大型の実験水槽内では,防水を施した装置を水没さ
せて(ただし,照明は除いて)適用することができ,こ
れらの分析においても実験技術的向上がもたらされる。
たとえば,3次元波,成層流の構造を解明する際にも本
手法が有益であることが予期される。
【図面の簡単な説明】
【図1】DPIV法の適用を可能とする可視化システム
の一例。
【図2】デジタイザーで読み取られた(a)流脈パター
ンと(b)流跡との写真図。
【図3】図2(a)流脈パターンと図2(b)流跡との
重合図。
【図4】LDVによる流速計測結果と,粒子の流跡から
求められた平均流速と乱れ強度を示す図。
【図5】流脈パターンと速度変動ベクトルとの重合図。
【図6】流脈パターンと平均操作を行った変動流速ベク
トルの重合図。
【図7】本発明に係る手法であるDPIV法の流れ認識
図。
【図8】本発明に係るDPIV法の概要図。
【図9】本発明実施例の概略と水路の横断面図。
【図10】縦方向(y方向)にカメラ及び照明用スリッ
トを移動させて撮影する場合の装置の概略図。
【図11】本発明DPIV法による流脈パターンと粒子
流跡の縦断面視の一例を示す写真図。
【図12】図11に示された流脈パターンと粒子流跡の
両方のトレース図。
【図13】流脈パターンと変動速度ベクトル図。
【図14】図13の流脈パターンと空間平均操作後の変
動速度ベクトル図。
【符号の説明】
1:透明水路, 2:流れ方向移動台車,
3:流脈撮影用カメラ, 4:粒子流跡撮影用カメ
ラ,5:照明用スリット光源, 6:スリット光膜,
7:移動制御装置, 8:電子計算機 9:カメラ支持装置, 10:滑車,11:レール,
12:支持I型鋼,13:移動用滑車,
14:移動方向,15:水路支持板, 1
6:支持溝型鋼,17:水面, 20:ス
リット光膜,21:透明水路, 22:流れ方
向移動台車,23:流脈撮影用カメラ, 24:粒子流
跡撮影用カメラ,25:照明用スリット光源,26:照
明支持枠,27:移動制御装置, 28:電子計算
機 29:カメラ支持装置, 30:水路支持板,31:
水路支持I型鋼, 32:滑車,33:レール,
34:支持溝型鋼,35:移動方向,
36:水面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大成 博文 山口県徳山市城ケ丘三丁目15−20 (72)発明者 渡辺 勝利 山口県徳山市周陽3丁目4−4−204 (72)発明者 佐賀 孝徳 山口県防府市大字江泊1987−99 (72)発明者 前田 邦男 広島県広島市佐伯郡海老園1丁目3−11

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 流れの縦断面に照明用スリットを挿入
    し,その断面において,互いに面したシャッター速度の
    異なるカメラを水路外部に設置することによって,トレ
    ーサの流脈パターンと粒子流跡を同時に可視化する装置
    を備えたことを特徴とする流れの可視化画像解析装置。
  2. 【請求項2】 流れの水平断面に照明用スリットを挿入
    し,その断面の上部にシャッター速度の異なるカメラを
    設置することによって,トレーサの流脈パターンと粒子
    流跡を同時に可視化する装置を備えたことを特徴とする
    流れの可視化画像解析装置。
  3. 【請求項3】 可視化の形象を撮影するカメラが水中に
    設置される場合には,防水が施されたカメラを水没させ
    て配備することを特徴とする請求項1又は2記載の流れ
    の可視化画像解析装置。
  4. 【請求項4】 可視化のトレーサの比重が流体とほとん
    ど変わらない蛍光染料と微粒子を用いることを特徴とす
    る請求項1ないし3のいずれかに記載の流れの可視化画
    像解析装置。
  5. 【請求項5】 カメラを設置する移動装置が,流れの方
    向に対して横方向あるいは垂直方向に,さらには流れの
    方向に,照明のスリットとともに互いの距離を変えずに
    移動してトレーサの流脈パターンと粒子流跡を同時に可
    視化する装置を備えたことを特徴とする請求項1ないし
    4のいずれかに記載の流れの可視化画像解析装置。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし5のいずれかに記載の装
    置を用いて得られた流脈パターンと粒子流跡より,乱流
    の秩序構造と瞬時速度を同時に対応させながら画像処理
    することを特徴とする流れの可視化画像解析装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
ES2155331A1 (es) * 1998-05-13 2001-05-01 Univ Madrid Carlos Iii Procedimiento de velocimetria por correlacion de imagenes de particulas con resolucion espacial menor que el tamaño de la ventana de interrogacion.
WO2011065175A1 (ja) * 2009-11-27 2011-06-03 国立大学法人京都工芸繊維大学 応力計測装置及び応力計測方法
CN102564728A (zh) * 2011-12-15 2012-07-11 中国人民解放军军事医学科学院卫生装备研究所 基于piv技术的人体上呼吸道流场测量方法及实验装置
CN113720401A (zh) * 2021-09-27 2021-11-30 成都市环境应急指挥保障中心 一种基于水下粒子测速的明渠流量测量系统和方法

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