JPWO2011039985A1 - パケット回復方法、パケット回復システム、その方法で用いられる移動端末及び中間装置 - Google Patents

パケット回復方法、パケット回復システム、その方法で用いられる移動端末及び中間装置 Download PDF

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Abstract

本発明は、ゲートウェイ装置におけるパケット廃棄情報をリアルタイムに通知することにより、移動端末における無駄な待ち時間(タイムアウト)を待つことなくパケットリカバリ処理を開始でき、通信品質並びに通信効率を向上させることができるパケット回復方法などを提供する技術が開示され、その技術によれば移動端末と移動端末の通信相手装置との間で送受信されるパケットのうち、移動端末と通信相手装置との通信経路上に配置された中間装置によって廃棄されたパケットの回復のためのパケット回復方法であって、中間装置が、パケットを廃棄した旨の廃棄通知メッセージの送信を必要とする通信フローの情報に基づいて廃棄通知メッセージを移動端末へ送信するステップと、移動端末が、廃棄通知メッセージに基づいて、廃棄されたパケットの再送を要求する再送要求メッセージを通相手信装置へ送信するステップとを有する。

Description

本発明は、パケット通信においてパケットロスが発生した際に迅速な復旧を行わせるためのパケット回復方法、パケット回復システム、その方法で用いられる移動端末及び中間装置に関する。
従来の移動通信システム、特に3GPP規格に基づく移動通信システムでは、移動端末がコアネットワークを介して通信相手とパケット通信を行う際のデータパス(ここでは3GPP規格に準じて特にベアラと呼ぶ)に設定する帯域割り当てに二通りの考え方があった。一つはGBR(Guaranteed Bit Rate)を適用するもので、これに基づくベアラをGBRベアラと呼ぶ。もう一つはGBRを適用しないもので、これに基づくベアラを非GBR(あるいはnon−GBR)ベアラと呼ぶ。
GBRベアラは、QoS保証が適用されるベアラであり、下記の非特許文献2に開示されるようなQCI(QoS Class Identifier)、GBR(Guaranteed Bit Rate)、MBR(Maximum Bit Rate)などの伝送遅延、パケットロス、伝送レートなどに関する保証値が設定される。QCIは、伝送優先度、伝送遅延バジェット、パケットロスバジェットなどについて定義された複数のQoSプロファイルを識別するための識別子(ID)である。移動端末(UE)が送信/受信するパケットの中継を行うゲートウェイ(非特許文献2ではPDN-GWあるいはPGW(Packet Data Network Gateway)と呼ぶ)は、GBRやMBRを超えるUEのトラフィックについてパケットの廃棄を行うことがある。
非GBRベアラは、部分的なQoS保証が適用されるベアラであり、非特許文献2に開示されるようなQCI、APN−AMBR(Per APN Aggregate Maximum Bit Rate)、UE−AMBR(per UE Aggregate Maximum Bit Rate)などの伝送遅延、パケットロス、APN/UE単位の伝送レートなどに関する保証値が設定される。GBRベアラにおけるGBRの扱いと同様、PGWでは、APN−AMBRあるいはUE−AMBR(これらを総じてAMBRとよぶ)を超えるUEのトラフィックについてパケットの廃棄を行うことがある。
PGWでは、MBRやAMBRを超える流量のパケットを廃棄することがある。PGWによるパケット廃棄が生じると、送信ノードが当該パケットに対する受信Ackが未受信であることを再送タイマのタイムアウトをトリガとして検出したり、移動端末(受信側)がパケット受信タイマのタイムアウトをトリガとして再送要求を送信したりして、廃棄されたパケットの再送によりリカバリーを試みる。しかし、実際のパケット廃棄は、タイムアウトの検出より前に発生したものであり、移動端末やアプリケーションにとっては無駄な待ち時間を浪費して通信効率が著しく低下し、アプリケーションの利便性が低下するという問題があった。
下記の非特許文献1は、ICMP(Internet Control Message Protocol)到達不能メッセージ(ICMP unreachable message)を用いて、送信ノードにおけるTCP(Transmission Control Protocol)再送タイマの調整を行わせる方法について開示するものである。これを応用して、上記の問題を解決することができる。つまり、パケットが廃棄されたことをICMP到達不能メッセージを用いて送信ノードに通知して、再送要求処理を実行させることにより、パケット再送タイマのタイムアウトを待つことなく廃棄されたパケットを迅速に再送させることができる。
A. Zimmermann "Make TCP more Robust to Long Connectivity Disruptions", draft-zimmermann-tcp-lcd-01 July 2009 "GPRS enhancements for E-UTRAN access (Release9)", 3GPP TS23.401 v.9.1.0 June 2009 "The Addition of Explicit Congestion Notification (ECN) to IP", IETF RFC3168September 2001 "GPRS Tunnelling Protocol for Control plane (GTPv2-C) (Release8)", 3GPP TS29.274 v.8.2.0 June 2009
しかしながら、上記従来技術においては、ICMP到達不能メッセージを受信すると、該当する通信セッションを切断してしまうアプリケーションを搭載する通信ノードが既に流通しており、必ずしも意図した効果、すなわち迅速なパケットリカバリ処理(例えば再送処理)を促すという効果、が得られるとは限らない。こうした通信ノードは、例えばパソコンや携帯電話、その他の携帯端末、テレビやビデオレコーダなどのネット家電などであり、意図した効果を得るために、これらすべての通信ノードにICMP到達不能メッセージを受信しても通信セッションを切断しないように対応させたり、ICMP到達不能メッセージとは異なる同様の効果を得るための独自のメッセージに対応させたりすることは、莫大なコストや対応のための人的労力を伴うため、まったく現実的でない。また、パケットを廃棄した中間ノード(本発明ではゲートウェイ装置(PGW)に相当)が、アドレス以外の情報で通信フローを識別している場合、中間ノードは、送信ノードのアドレスをパケットヘッダから抽出する必要があり、中間ノード(PGW)の処理負荷を増大させることにもなる。
このように、世界中に既に存在するすべての通信ノードに上記機能の対応を期待するのは、必要となるコストや人的労力の点で、ほぼ不可能と考えてもよく、これらの送信ノードに頼ることなく、通信ノードが搭載する通信スタックやアプリケーションに既に実装されている再送メカニズムを利用して、無駄な再送待ち時間を浪費することなく、迅速に再送要求の送信やパケットリカバリ処理を開始させるために、パケット廃棄情報をリアルタイムに、かつ効率的に移動端末に通知できる方法が必要となる。ここで、移動端末は、所定の規格(例えば3GPP)にもとづいて通信方法が規格化され、またオペレータ等によって管理されるものであり、上記課題を解決するための改修に伴う労力は、上記従来技術よりはるかに少ない。
本発明は、上記の問題点に鑑み、移動端末が登録したパケットフィルタ情報に基づいてゲートウェイ装置がパケット廃棄時の情報通知対象フローを決定し、ゲートウェイ装置が、決定したフローについてパケット廃棄通知を移動端末に送信する。これにより、実際にパケットが廃棄された時点でパケットの受信ノードである移動端末にそのことを通知し、移動端末がパケット送信ノードに対してリアルタイムに再送要求を送信することができるので、移動端末は無駄な再送待ち時間を消費することなく、通信効率を向上させることができるパケット回復方法、パケット回復システム、その方法で用いられる移動端末及び中間装置(ゲートウェイ装置)を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明によれば、移動端末と前記移動端末の通信相手装置との間で送受信されるパケットのうち、前記移動端末と前記通信相手装置との通信経路上に配置された中間装置によって廃棄されたパケットを回復するためのパケット回復方法であって、前記中間装置が、パケットを廃棄したことを通知する廃棄通知メッセージの送信を必要とする通信フローの情報に基づいて前記廃棄通知メッセージを前記移動端末へ送信するステップと、前記移動端末が、前記廃棄通知メッセージに基づいて、廃棄された前記パケットの再送を要求する再送要求メッセージを前記通相手信装置へ送信するステップとを、有するパケット回復方法が提供される。この構成により、無駄な再送待ち時間を消費することなく、通信効率を向上させることができる。
また、本発明によれば、移動端末と、前記移動端末の通信相手装置と、前記移動端末と前記通信相手装置との通信経路上に配置された中間装置とを備え、廃棄されたパケットの回復を行うパケット回復システムであって、前記中間装置が、前記移動端末と前記通信相手装置との間で送受信されるパケットを廃棄した場合に、パケットを廃棄したことを示す廃棄通知メッセージの送信を必要とする通信フローの情報に基づいて前記廃棄通知メッセージを前記移動端末へ送信し、前記移動端末が、前記廃棄通知メッセージに基づいて、廃棄された前記パケットの再送を要求する再送要求メッセージを前記通信相手装置へ送信するパケット回復システムが提供される。この構成により、無駄な再送待ち時間を消費することなく、通信効率を向上させることができる。
また、本発明によれば、移動端末と前記移動端末の通信相手装置との間で送受信されるパケットのうち、前記移動端末と前記通信相手装置との通信経路上に配置された中間装置によって廃棄されたパケットの回復を行う前記移動端末であって、パケットを廃棄したことを通知する廃棄通知メッセージを前記中間装置から受信する受信手段と、受信した前記廃棄通知メッセージに基づいて、廃棄された前記パケットの再送を要求する再送要求メッセージを生成するメッセージ生成手段と、生成された前記再送要求メッセージを前記通信相手装置へ送信する送信手段とを、備える移動端末が提供される。この構成により、無駄な再送待ち時間を消費することなく、通信効率を向上させることができる。
また、本発明によれば、移動端末と前記移動端末の通信相手装置との通信経路上に配置され、前記移動端末と前記通信相手装置との間で送受信されるパケットを廃棄する中間装置であって、パケットを廃棄したことを通知する廃棄通知メッセージの送信を必要とする通信フローの情報に基づいて前記廃棄通知メッセージを生成するメッセージ生成手段と、生成された前記廃棄通知メッセージを前記移動端末へ送信する送信手段とを、備える中間装置が提供される。この構成により、無駄な再送待ち時間を消費することなく、通信効率を向上させることができる。
本発明のパケット回復方法、パケット回復システム、その方法で用いられる移動端末(UE)及び中間装置(ゲートウェイ装置:PGW)は、PGW200が所定のQoS値を超える流量のパケットを廃棄する際に、廃棄パケットが対応付けられるベアラとそのベアラを保有するUE100を容易に特定できるので、PGW200の負荷を特に増加させることなく、パケット廃棄(パケット廃棄タイミング)をリアルタイムにUE100に通知して、UE100が再送要求などのパケットリカバリ処理を実施することで通信効率を向上させることができる。また、UE100が設定するTFTを参照して、パケット廃棄通知の要否を確認することにより、UE100が必要とする通信フローのパケット廃棄だけを通知することができ、コアネットワークやアクセスネットワークのトラフィックを無意味に増加させたり、UE100やPGW200自身の処理負荷を無意味に増加させたりすることなく、適した通信フローの状態をUE100に通知して、適正に再送制御処理を実施させることができる。
本発明の第1の実施の形態における通信システムの構成の一例を示す構成図 本発明の第1の実施の形態に係るパケット回復方法の一例を説明するためのシーケンスチャート 本発明の第1の実態の形態におけるパケットフィルタの構成の一例を示す構成図 本発明の第1、2の実態の形態におけるトラフィックフローテンプレート(TFT)の構成の一例を示す構成図 本発明の第1の実施の形態に係る移動端末の構成の一例を示す構成図 本発明の第1の実施の形態に係る移動端末における処理フローの一例を示すフローチャート 本発明の第1の実施の形態に係るゲートウェイ装置の構成の一例を示す構成図 本発明の第1の実施の形態に係るゲートウェイ装置における処理フローの一例を示すフローチャート 本発明の第2の実施の形態における通信システムの構成の一例を示す構成図 本発明の第2の実施の形態に係るベアラ解放回避方法の一例を説明するためのシーケンスチャート 本発明の第2の実施の形態におけるパケットフィルタの構成の一例を示す構成図 本発明の第2の実施の形態に係る移動端末の構成の一例を示す構成図 本発明の第2の実施の形態に係る移動端末における処理フローの一例を示すフローチャート 本発明の第2の実施の形態に係るゲートウェイ装置の構成の一例を示す構成図 本発明の第2の実施の形態に係るゲートウェイ装置における処理フローの一例を示すフローチャート 本発明の第3の実施の形態における通信システムの構成の一例を示す構成図 本発明の第3の実施の形態におけるベアラ解放回避方法の一例を説明するためのシーケンスチャート 本発明の第3の実施の形態に係るRNの構成の一例を示す構成図 本発明の第3の実施の形態における動作フローの一例を示すフローチャート 本発明の第4の実施の形態における通信システムの構成の一例を示す構成図 本発明の第4の実施の形態におけるベアラ解放回避方法の一例を説明するためのシーケンスチャート 本発明の第4の実施の形態に係るRNの構成の一例を示す構成図 本発明の第4の実施の形態における動作フローの一例を示すフローチャート
<第1の実施の形態>
本発明の第1の実施の形態の詳細な動作について説明する。図1は本発明の第1の実施の形態によるシステム構成を説明するための図であり、アクセスネットワーク10と、コアネットワーク20と、パケットデータネットワーク(PDN:Packet Data Network)30と、アクセスネットワーク10に接続してコアネットワーク20経由でPDN30と接続する移動端末(UE)100と、PDN30を介して移動端末100と通信を行う通信相手(CN:Correspondent Node)300と、移動端末100がPDN30に接続する際の接続制御を行うゲートウェイ装置(PGW:PDN Gateway)200とが配備される。
さらに詳細には、アクセスネットワーク10は、採用する規格に応じて3GPPアクセスネットワーク(例えば、LTE、GPRS、WCDMAなど)、Non−3GPPアクセスネットワーク(例えば、WiMAXなどの無線WAN、WiFiなどの無線LAN、3GPP2規格に準じたHRPDなどのセルラアクセスネットワーク、イーサネット(登録商標)(Ethernet(登録商標))などの有線LANなど)などと称されることもある。
また、コアネットワーク20は、3GPP規格に準じてEPC(Evolved Packet Core network)や、単に3GPPコアネットワーク、またコアネットワーク20を含むシステムとしてEPS(Evolved Packet System)などと称されることもある。ゲートウェイ装置200も同様に、採用する規格に応じて、ゲートウェイGPRSサービングノード(Gateway GPRS Serving Node:GGSN)、ホームエージェント(Home Agent:HA)、ローカルモビリティアンカー(Local Mobility Anchor:LMA)などと称されることもある。
図1において、移動端末100は、アクセスネットワーク10経由でPDN30への接続処理をゲートウェイ装置200との間で実施し、PDN30との接続が完了すると、通信相手300と通信を行う(例えば、TCPプロトコルを用いたデータ転送など)。なお、第1の実施の形態では、移動端末100、ゲートウェイ装置200は、説明のため非特許文献2に示す3GPP E−UTRAN、SAE(System Architecture Evolution)規格に準じて動作するものとする。
図2は、本発明の第1の実施の形態におけるパケット回復方法の一例を説明するためのシーケンスチャートである。移動端末(以下、UE)100は、PDN30に接続するため、ゲートウェイ装置(以下、PGW)200に対して、非特許文献2に示すような接続処理(アタッチ手順:Attach Procedure)を実行する(ステップS201)。この接続処理を通じて、UE100はPDN30からIPアドレス(IPv4アドレス、IPv4サブネット、IPv6アドレス、IPv6プレフィクスなど)を取得し、PDN30経由で通信相手300などの外部通信ノードと通信を開始できるようになる。
続いてUE100は、パケット廃棄時に通知してほしい通信フローをPGW200に知らせるために、パケットフィルタの設定を行う(ステップS202)。すなわち、UE100は、通信フローの情報をPGW200に事前に登録する。非特許文献2には、UE100がベアラリソース修正手順(UE requested bearer resource modification procedure)を用いて、PGW200が管理するトラフィックフローテンプレート(Traffic Flow Template、以下TFTと呼ぶ)のパケットフィルタを設定する方法が開示されている(新規フィルタの追加、既存フィルタの修正、既存フィルタの削除)。
パケットフィルタは、アップリンク用とダウンリンク用に区別して設定され、管理用のパケットフィルタ識別子、個々のフィルタの評価順序を決定する評価優先度(Evaluation Precedence index)、そして通信フローを表記するための要素である、相手ノードのIPアドレス(リモートアドレス:Remote Address)(及びサブネットマスクあるいはIPプレフィクス)、プロトコル番号(IPv4の場合)、ネクストヘッダ番号(IPv6の場合)、自ポート範囲(Local Port Range)、相手ポート範囲(Remote Port Range)、IPsecセキュリティパラメータインデックス(IPsec Security Parameter Index:SPI)、TOS値(IPv4の場合)、トラフィッククラス(Traffic Class:IPv6の場合)及びTOS/トラフィッククラスに対するマスク値、フローラベル(IPv6の場合)、そしてパケット廃棄時の通知有無、などの情報で構成される。UE100は、これらの中から必要な要素をベアラリソース修正手順におけるRequest Bearer Resource Modificationメッセージに記載して送信する。
なお、パケットフィルタの設定は、接続処理(ステップS201)の中で実施するものであってもよく、UE100は接続要求メッセージ(例えば、非特許文献2のAttach Requestメッセージ)に、パケット廃棄通知を必要とする通信フローの情報を記載して送信する。通信フローの情報は、ベアラリソース修正手順と同様に、通信フローを表現するのに必要な要素を接続要求メッセージに記載する。また、パケットフィルタの設定は、アプリケーション生成時や、UE状態の変化時(後述する移動度に応じた設定、等)に実施するものであってもよい。
パケット廃棄通知の取得対象とする通信フローは、例えば次のように指定することができる。
1)通信相手ごと
UEが通信を行っている通信相手のアドレス単位で通信フローを定義する。すなわち、通信フローの情報は、UEが通信を行っている通信相手のアドレス単位で登録される。この場合、Remote Addressに通信相手のアドレス(あるいはIPサブネットやIPプレフィクス)を記載してパケットフィルタを構成する。ここで、通信相手が異なるアドレスタイプ(すなわちIPv4アドレスとIPv6アドレス)の双方を保有し、UEがそれらのアドレスに対して同時に通信を行っている場合、アドレスタイプ毎に通信フローを定義してもよいし、それらのアドレスタイプを束ねて一つの通信フローとして定義してもよい。
前者の場合、例えば、IPv4アドレス(あるいはIPv4サブネット、以下同様)を用いた通信フローだけパケット廃棄通知の対象とし、IPv6アドレス(あるいはIPv6プレフィクス、以下同様)を用いた通信フローはパケット廃棄通知の対象としない設定とすることができる。このとき、アドレスやサブネット・プレフィクス値を指定するのではなく、アドレスタイプ(IPv4やIPv6、または両者を示すIPv4/IPv6)を指定するものであってもよく、これによってパケットフィルタの情報量を低減でき、設定に要するトラフィックの低減を図ることができるとともに、TFT管理テーブルを節約することにより、リソースの有効活用を図ることができる。後者の場合、例えば、IPv4アドレスとIPv6アドレスをともに記載したパケットフィルタを構成し、それらの通信フローに対して共通的にパケット廃棄通知を受けるように(または受けないように)設定することができる。これにより、通信フローの特性に応じて、必要最低限の通信フローに対してパケット廃棄通知を受けるようにすることができ、PGWやUEの処理負荷並びに通信トラフィックの低減を図ることができる。また、TFT管理テーブルを節約することにより、リソースの有効活用を図ることができる。
2)ポート番号ごと
UEが通信を行っているポート番号単位で通信フローを定義する。すなわち、通信フローの情報は、UEが通信を行っているポート番号単位で登録される。例えば、FTPプロトコルを用いたアプリケーション(ファイル転送アプリケーション)の通信フロー(標準的にはポート20番と21番を用いる)はパケット廃棄通知の対象とし、HTTP(Hyper Text Transfer Protocol)プロトコルを用いたアプリケーション(Webブラウザ)の通信フロー(標準的にはポート80番を用いる)はパケット廃棄通知の対象としない設定にしたりすることができる。
ここで、アプリケーションやプロトコルによっては、使用するポート番号が変更されることがあり、必ずしも上記のような標準的なポート番号を用いる必要はなく、適したポート番号をパケットフィルタに設定する。またポート番号のレンジを設定してもよい。これにより、通信フローの特性に応じて、必要最低限の通信フローに対してパケット廃棄通知を受けるようにすることができ、PGWやUEの処理負荷並びに通信トラフィックの低減を図ることができる。また、TFT管理テーブルを節約することにより、リソースの有効活用を図ることができる。
3)プロトコルタイプごと
UEが通信を行っているプロトコル単位で通信フローを定義する。すなわち、通信フローの情報は、UEが通信を行っているプロトコル単位で登録される。例えば、TCP(Transmission Control Protocol)を用いた通信フローはパケット廃棄通知の対象とし、UDP(User Datagram Protocol)を用いた通信フローは対象としないように設定することができる。TCPの場合に廃棄通知を取得するメリットとして、TCPが実施する再送制御を効率化させることによる通信効率の向上があげられる。
ここで、UDPを用いた通信フローであっても、アプリケーションが再送制御を実施しているような場合は、その効率化のために、廃棄通知を受け取るものとしてもよい。これにより、通信フローの特性に応じて、必要最低限の通信フローに対してパケット廃棄通知を受けるようにすることができ、PGWやUEの処理負荷並びに通信トラフィックの低減を図ることができる。また、TFT管理テーブルを節約することにより、リソースの有効活用を図ることができる。
4)QCIごと
ベアラに紐付けされたQCI(QoS Class Identifier)単位で通信フローを定義する。すなわち、通信フローの情報はQCI単位で登録される。QCIは、伝送優先度、伝送遅延バジェット、パケットロスバジェットなどについて定義された複数のQoSプロファイルを識別するための識別子(ID)である。例えば、QCI8はTCPを用いたアプリケーション向けのQoSプロファイルであるので、パケット廃棄通知を受け取る設定としたり、QCI1は通話(Conversational Voice)向けのQoSプロファイルであるので、パケット廃棄通知を受け取らない設定としたりすることができる。これにより、通信フローの特性に応じて、必要最低限の通信フローに対してパケット廃棄通知を受けるようにすることができ、PGWやUEの処理負荷並びに通信トラフィックの低減を図ることができる。また、TFT管理テーブルを節約することにより、リソースの有効活用を図ることができる。
5)アプリケーションごと
アプリケーションごとにPDNコネクションを生成管理するような場合、アプリケーション単位で廃棄対象とする通信フローを定義してもよい。例えば、そのPDNコネクション上を流れるすべての通信フローについて、廃棄通知を受けるようにするために、パケット廃棄通知有無フラグのみを有効にしたパケットフィルタを設定登録する。これにより、通信フローの特性に応じて、必要最低限の通信フローに対してパケット廃棄通知を受けるようにすることができ、PGWやUEの処理負荷並びに通信トラフィックの低減を図ることができる。また、TFT管理テーブルを節約することにより、リソースの有効活用を図ることができる。
なお、上記説明では、パケット廃棄通知を受ける場合と受けない場合で、ともに設定を行うように説明したが、廃棄通知を受けない場合は特に設定を行わなくてもよい。すなわち、デフォルトで廃棄通知を受けない設定(すなわちパケット廃棄通知フラグをOFF)としておき、通知を受ける場合のみ設定(すなわち同フラグをONにセットする)を行うものとしてもよい。また、逆に、デフォルトで廃棄通知を受ける設定(すなわち同フラグをON)としておき、あえて通知を受けなくてもよい場合のみ設定(すなわち同フラグをOFFにセットする)を行うようにしてもよい。これにより、必要最低限の設定を行うだけでよく、TFT管理テーブルを節約することにより、リソースの有効活用を図ることができるとともに、UEやPGWの処理負荷並びに通信トラフィックの低減を図ることができる。
また、上記説明では通信フローを定義する要素について示したが、それらの組み合わせであってもよい。例えば、UDPを用いた通信フローであっても、アプリケーションによっては再送制御を実施しているものと実施していないものがあるので、さらに通信相手やポート番号で分類して設定することができる。これによって、アプリケーションやプロトコルの状況に応じて、適したパケットフィルタを柔軟に構成することができる。
また、特にアプリケーションによるパケットリカバリをサポートしているような場合に、所定数のパケットが連続して廃棄された場合に通知するように設定してもよい。すなわち、PGW200は、廃棄したパケットが所定の数に達した場合に廃棄通知メッセージを送信する。例えば、通常のVoIPアプリケーションでは、再生音声の補間処理を行っており、数個程度(例えば2〜3個)のパケットロスは許容できる。そのため、例えば3個のパケットが連続して廃棄された場合に廃棄通知を受け取る設定とすることにより、アプリケーションのパケットリカバリ処理でカバーできない場合は迅速に再送制御をするなどの対応が可能となる。また、これにより、廃棄通知の回数を必要最低限に抑えることが可能となり、UEやPGWの処理負荷ならびに通信トラフィックを低減し、ひいてはシステム負荷の低減を図ることができる。
また、UE100の移動度や移動状態に応じて廃棄通知を受ける設定を行ってもよい。例えば、高速移動時や移動に伴う一時的な通信状態の悪化でPGWにおけるパケット滞留が懸念される場合は、廃棄通知を受ける設定をすることにより、ハンドオーバや通信状態の悪化により通信できなかった期間に受信する予定であったパケットのロスを迅速かつ的確に検出することができ、通信効率の向上を図ることができる。
PGW200は、UE100からパケットフィルタ情報を取得すると、自身が管理するUE100用のTFTに設定する(フィルタ設定:ステップS203)。ここで、廃棄通知対象とする通信フローについて、課金ポリシ等との照合を行ってもよい。例えば、通信の課金・QoSポリシを決定したり関連情報を配布したりするPCRF(Policy and Charging Rules Function)や、UE100の契約情報を管理するHSS(Home Subscriber Server)に対して、PGWが、廃棄通知対象として登録されようとしている通信フローが課金やQoS管理、あるいはUEの契約上問題がない(許容されるものであるか)確認を依頼し(あるいは関連情報を取得してPGWにおいて確認し)、問題がない場合のみ、通信フローの設定を有効とし、TFTに登録する。このように、特定の通信フローあるいは特定のユーザに対して廃棄通知の設定を許可することにより、すべての通信フローに対して廃棄通知設定が行われるような事態を回避でき、PGWの負荷低減を図ることができる。なお、上記以外の条件に基づいて通信フローの登録可否を判断したり、PGWが独自に判断したりするものであってもよい。
以降、PGW200は、UE100−CN300間の通信トラフィックを中継することができるようになり、同時にUE100に対するPDNコネクション内の通信ベアラ(非特許文献2では、EPSベアラに相当)がGBRベアラか非GBRベアラかに応じて、GBRベアラの場合はMBRに基づく流量制御、非GBRベアラの場合はAMBRに基づく流量制御を実施する(ステップS204)。すなわち、GBRベアラの場合はMBRを超える流量のパケットを廃棄し、非GBRベアラの場合はAMBRを超える流量のパケットを廃棄する(流量超えのパケット:ステップS205)。
なお、廃棄通知対象とする通信フローの設定は、ネットワーク側で主体的に行うものであってもよい。例えば、PCRFから取得したQoSパラメータや課金情報、またHSSから取得したUEの契約情報等にもとづいて、UEやアプリケーション、またはオペレータやサービスプロバイダにとって特に重要な通信フローに対して、廃棄通知が設定されたパケットフィルタをPGWがTFTに登録するものであってもよい。さらには、UEによる設定とネットワーク側装置による設定を統合したものであってもよい。このとき、UEによる設定とネットワークによる設定の干渉を回避するために、いずれかの設定内容を優先するための優先度を設けてもよい。
次に、PGW200が管理するパケットフィルタとTFT構造について図3、図4を用いて説明する。なお、ここで説明するパケットフィルタ構造は、UEがPGWに通知対象フローを登録する際にも用いられる。
図3は、パケットフィルタ構造の一例を示す図であり、フィルタID、優先順位(Precedence)、通信相手のアドレス(リモートアドレス)とサブネットマスク、プロトコル番号(IPv4の場合)あるいはネクストヘッダ値(IPv6の場合)、ローカルポート範囲(自ポート範囲)、通信相手のポート範囲(相手ポート範囲)、IPsecで用いるセキュリティ識別子(IPsec SPI)、TOS値(IPv4の場合)あるいはトラフィッククラス(IPv6の場合)及びマスク、フローラベル(IPv6の場合)といった従来のパケットフィルタ情報の他に、QCIや、本願の特徴である廃棄通知要否のフラグを新たに含む。
各フィルタエントリにはフィルタIDが付与され、図3の例では少なくとも3つのエントリが登録されている。また各エントリには、評価の優先順位(Precedence)が指定されており、所定の順序(昇順あるいは降順)で対象通信フローに対してエントリの評価が実施される。例えば、図3に示したパケットフィルタの例では、フィルタIDが1のエントリにはフロー情報は何も指定されていない。すなわち、すべての通信フローがこのエントリにマッチすることになる。
フィルタIDが2のエントリには、通信相手のポート番号80だけが指定されている。これより、この通信フローはHTTPを用いたトラフィックであることが推察される。フィルタIDが3のエントリには、通信相手のアドレスx.x.x.xが指定されている。また、フィルタIDが2と3のエントリに対して、廃棄通知要否がY(Yes)(あるいはON)に設定されているので、これらのエントリに合致する通信フローのパケットを廃棄した場合はUEに通知を行う。
これらのエントリを有するパケットフィルタをもとに、通信フローを評価する際、まず優先順位の高いフィルタIDが3のエントリから評価が行われる。すなわち、通信フローの送信元アドレス(下りパケットの場合)あるいはあて先アドレス(上りパケットの場合)がx.x.x.xであるか評価する。次にフィルタIDが2のエントリに基づいて通信フローの送信元ポート(下りパケットの場合)あるいはあて先ポート(上りパケットの場合)が80番であるか評価する。いずれのエントリにも合致しなかった場合、フィルタIDが1のエントリに合致することになる。ここで、QCIは別テーブル(別構造体)で管理されるものを参照するだけのものであってもよい。また、優先順位は、降順・昇順のいずれを適用してもよい。すなわち、優先順位値のより小さい方を高優先とするものであってもよい。
図4は、TFT構造の一例を示す図である。TFT構造では、先に説明したパケットフィルタ構造に登録されたエントリに合致する通信フローを伝送するEPSベアラを指定する。すなわち、パケットフィルタ構造のエントリに対応するフィルタIDと、各エントリに合致する通信フロー(パケット)を伝送させるEPSベアラIDとを記載する。図4の例によれば、フィルタIDが3及び2に合致する通信フローはEPSベアラ5を用いて、それ以外の通信フロー(すなわちフィルタIDが1に合致する通信フロー)はEPSベアラ3を用いてUEとPGW間の伝送が行われる。
流入パケットの混雑などによりMBR、AMBRを上回る流量のパケットを検出すると、PGW200は対象となるパケットを廃棄し(ステップS206)、先にUE100が設定したパケットフィルタのうち、パケット廃棄時の通知が必要とされるエントリに合致する場合は、UE100にパケット廃棄通知メッセージ(Drop Notification)を送信する(ステップS207)。パケット廃棄通知メッセージを受信したUE100は、廃棄されたパケットに対するリカバリー処理を実施する。例えば、図2に示すように再送要求メッセージ(Retransmission Request)を廃棄パケットの送信元(すなわち通信相手(CN)300)に送信する(ステップS208)。
これを受けて、通信相手300は、廃棄されたパケットをUE100に再送する(ステップS209)。このときUE100は、再送要求メッセージを送信するまでに所定の待ち時間を設けてもよい。これによって、ネットワークが混雑していたり、PGWの処理負荷が高まっていたりすることがパケット廃棄の要因となっているような場合に、いくらか時間をおいて送受信させることにより、更なる混雑や処理負荷増を引き起こすことなく、再送要求並びに再送パケットの伝送を正常に行わせることができる。
また、UE100は、再度、パケットが廃棄される可能性がある旨の通知を再送要求メッセージに含めて送信し、通信相手300が再送パケットの送信までに所定の時間を設けてもよく、上記と同等の効果を期待することができる。また、UE100は、再送制御以外のリカバリー処理を実施してもよい。例えば、前後のパケットから抽出したコンテンツ(アプリケーションデータ)をもとにデータ補完を試みてもよいし、データロスが許容される場合は、単にパケットロス(あるいはコンテンツロス)として扱うものであってもよい。
ここで、パケット廃棄通知メッセージには、廃棄されたパケットの先頭から所定のサイズ分のコンテンツを含めることができる(例えば、廃棄パケットの先頭から60バイトなど)。これによって、UE100あるいはUE100上で動作するアプリケーションが、パケットの送信元アドレスを知り、再送要求メッセージを送信することができる。また、UE100(ないしアプリケーション)が廃棄パケットの概要(例えば、TCPやUDPなどのプロトコル番号、ポート番号、シーケンス番号やTCPセグメント番号などのヘッダ情報や、アプリケーションデータの少なくとも一部)を知ることができ、再送制御方式や再送制御を実施するプロトコルレイヤ(レイヤ4、レイヤ5など)やプロトコル(TCP、SCTP(Stream Control Transmission Protocol)、アプリケーション独自など)を決定したり、再送制御の必要性を決定したりすることができる。また、パケット廃棄通知メッセージは、ICMPメッセージなどのユーザプレーンメッセージであってもよいし、非特許文献2に開示されるベアラリソース修正メッセージ(Bearer Resource Modification Message)のようなコントロールプレーンメッセージであってもよい。
また、廃棄パケットの識別子(例えば、シーケンス番号やTCPセグメント番号など)を知ることによって、再送対象のパケットを特定することができ、確実に再送制御を実行することができる。なお、廃棄パケットの一部を含めずに、PGW200が廃棄パケットから抽出した送信元アドレスだけを廃棄通知メッセージに含めてもよい。パケット廃棄通知メッセージを制御プレーン(Control Plane)でUE100に配送する場合は、廃棄されたパケットの通信フローが属するベアラの識別子(ベアラID)をメッセージに含めることにより、UE100はそのベアラに対して設定されたTFTを参照して、TFTのパケットフィルタに通信相手のアドレスが登録されている場合は、廃棄パケットの一部からアドレスを抽出することなく再送要求メッセージを送信することができる。
なお、上記ではPGW200がUE100に対してパケット廃棄を通知して、UE100が廃棄パケットに対するリカバリーを実施することについて説明したが、UE100の送信したパケットがPGW200によって廃棄されるような場合にも、本発明による方法は適用できる。すなわち、UE100が送信したパケットが、PGW200によって廃棄されると、PGW200がパケット廃棄通知メッセージをUE100に送信し、UE100がこれを受け取って、廃棄されたパケットを再送する。このとき、再送までに所定の遅延を設けてもよく、これにより、PGW200やPDNのさらなる混雑を回避することができる。
またさらには、廃棄パケットのリカバリーをPGW200が実施するものであってもよい。すなわち、パケット廃棄を検出すると、パケット廃棄通知メッセージをUE100に送信せずに、廃棄パケットの送信元アドレス(すなわち通信相手300)に対して再送要求メッセージを送信する。これにより、UE−PGW間の通信、UEによるリカバリー処理が不要となり、UE100がリカバリー処理を実施する場合に比べて、よりリアルタイムな再送制御を実施することができる。
ここで、PGW200は、UE100の再送要求タイマがエクスパイアするなどして、自発的な再送要求を実施させないよう、PGW200にて代理再送要求中なので自発的な再送要求を実施しないようUE100に指示してもよい(例えば、廃棄通知メッセージに再送要求処理の抑制を指示するフラグを設けたり、独自のメッセージにより指示したりする、など)。これを受けてUE100は、再送要求タイマがエクスパイアするなどしても自発的な再送要求を実施しない。例えば、再送要求タイマをリセットあるいは無効化したり、送信予定の再送要求メッセージを破棄したりすることで、再送要求処理を抑制する。これにより、重複した再送要求を抑えることができ、通信相手300における混乱を回避させたり、通信相手300が同一パケットを重複して送信することによるトラフィック増を防いだりすることができ、ひいては通信相手300の処理負荷の低減を図ることができる。
また、UE100が再送制御を実施する場合において、PGW200がパケット廃棄通知メッセージの送信時あるいは送信前後に、UE100への再送制御指示中につき、自発的な再送制御を実施しないよう、通信相手300に指示してもよい。すなわち、PGW200は、廃棄通知メッセージをUE100へ送信する際、自発的なパケットの再送制御をする必要がない旨のメッセージを通信相手300へ送信する。これにより、通信相手300が、ACK未受信タイマがエクスパイアするなどしても、タイマをリセットあるいは無効化したり、再送予定のパケット送信を停止させたりして、自発的なパケット再送を実施することを防止でき、上記と同様、同一パケットによるトラフィック増を防ぐことができ、処理負荷の低減を図ることができる。
上記説明したように、本発明によるパケット回復方法では、PGW200が所定のQoS値を超える流量のパケットを廃棄する際に、廃棄パケットが対応付けられるベアラとそのベアラを保有するUE100を容易に特定できるので、PGW200の負荷を特に増加させることなく、パケット廃棄(パケット廃棄タイミング)をリアルタイムにUE100に通知して、UE100が再送要求などのパケットリカバリ処理を実施することで通信効率を向上させることができる。
また、UE100が設定するTFTを参照して、パケット廃棄通知の要否を確認することにより、UE100が必要とする通信フローのパケット廃棄だけを通知することができ、コアネットワークやアクセスネットワークのトラフィックを無意味に増加させたり、UE100やPGW200自身の処理負荷を無意味に増加させたりすることなく、適した通信フローの状態をUE100に通知して、適正に再送制御処理を実施させることができる。
次に、本発明の第1の実施の形態に係る移動端末(UE)の動作の一例について図5、図6を用いて説明する。図5は本発明の第1の実施の形態に係るUEの構成の一例を説明するための構成図である。通信部501は、アクセスネットワーク10の基地局と接続して通信を行うための通信処理を実施し、具体的には基地局やアクセスネットワーク10内の他のノードと通信するための通信プロトコル処理(ここではIPプロトコルを含む下位のプロトコル処理を行うものとする)並びにモデム処理を実施する。
通信制御部502は、通信プロトコルを操作して本発明に基づく方法を含む通信制御を行う。フィルタ管理部503は、本発明を実施するためのパケットフィルタの構築と管理を行う。再送制御部504は、廃棄されたパケットをリカバリーするための再送処理を実施する。上位層処理部505は、IPレイヤより上位のプロトコル処理を実施する。アプリケーション部506は、アプリケーション処理を実施する。なお、通信部501は、フィルタ管理部503が構築したパケットフィルタ情報に基づいて、送信パケットを伝送するPDNコネクションやベアラを決定する。
本発明による方法は、主に通信制御部502に実装されるものとして、その動作の一例について周辺の動作を交えながら図6を用いて説明する。まず、UEが通信開始する際に、非特許文献2に示されるようなPDNコネクションセットアップ処理を実施する。具体的には、アプリケーションの要請やハンドオーバ等を契機としてPDNコネクションの開設を決定すると、通信制御部502は、非特許文献2に示すアタッチ手順(Attach Procedure)、あるいは既にアタッチメント手順が完了している場合は、PDNコネクション追加手順(Additional PDN Connectivity Procedure)を実施する(PDNコネクションセットアップ:ステップS601)。各手順の中で用いられるメッセージの送受信は通信部501を介して行われる。
PDNコネクションセットアップ処理が完了すると、通信制御部502指示を受けるなどして、フィルタ管理部503がパケット廃棄通知の対象とする通信フローを記述したパケットフィルタを構築し、通信制御部502を介してPGWに登録する。具体的には、フィルタ管理部503が、上記説明したような形式で通信フローを表記してパケットフィルタを構築し、通信制御部502が、非特許文献2に示すようなベアラ修正手順(Bearer Modification Procedure)を用いて、構築したパケットフィルタをPGWのTFTに登録する(パケットフィルタセットアップ:ステップS602)。上記手順で用いられるメッセージの送受信は通信部501を介して行われる。
なお、パケットフィルタのPGWへの登録(ステップS602)は、PDNコネクションセットアップ処理(ステップS601)の中であわせて実施するものであってもよい。すなわち、UEは、廃棄通知対象とする通信フローを記述したパケットフィルタを、アタッチ手順やPDNコネクション追加手順のメッセージに含めてPGWに送信してもよい。
確立(セットアップ)したPDNコネクションを用いて、UEが通信を開始する。通信部501がメッセージを受信するとき(受信メッセージが制御プレーンメッセージか:ステップS603)、受信メッセージがユーザプレーンメッセージである場合、すなわち受信メッセージが、先に確立したPDNコネクション内に開設されたベアラ上を伝送してUEに到達するものであった場合(例えば、IPパケットを含むメッセージあるいはIPパケットそのもの)、IPパケットのペイロードを上位層処理部505に転送し、然るべき上位層処理が行われる(ステップS606)。その結果、抽出されたアプリケーションデータはアプリケーション部506に転送され、処理される。
受信メッセージが制御プレーンメッセージである場合、受信メッセージがパケット廃棄通知メッセージであるか確認する(ステップS604)。受信メッセージがパケット廃棄通知メッセージでなかった場合は、通信制御部502において対応する処理が実施される(ステップS607)。受信メッセージがパケット廃棄通知メッセージであった場合、通信制御部502は然るべき処理部、例えば上位層処理部505やアプリケーション部506に、パケットが廃棄されたことを通知するとともに廃棄通知メッセージに情報(例えば、廃棄パケットの一部など)が含まれている場合はその情報を転送し、廃棄パケットに対するリカバリー処理を促す(パケットリカバリ処理:ステップS605)。
リカバリー処理の一例として、パケットの送信元に対して再送要求処理を実施する。廃棄通知メッセージに廃棄パケットのヘッダ(全体あるいは一部)が含まれている場合は、それをもとにパケット送信元のアドレスを特定することができる。または、先に登録した廃棄通知対象とする通信フローのフローフィルタ情報から通信相手のアドレスを特定してもよい。再送要求処理は、通信制御部502が行うものであってもよいし、通信制御部502以外の処理部、例えば上位層処理部505やアプリケーション部506が行うものであってもよく、適した再送要求を実施できる処理部において実施することが望ましい。例えば、上位層処理部505やアプリケーション部506が、廃棄パケットの識別子に対するNACK応答を送信元に返すことにより、送信元端末に当該パケットを再送させることができる。
他のリカバリー処理の例は、アプリケーションによるデータ補間である。例えば、既に受信済みのデータから廃棄パケットが含んでいたであろうデータを推定して生成し、データ全体を再生する。この場合、再送要求は行わない。
なお、廃棄パケットに対するリカバリー処理は、廃棄通知メッセージを受信する都度行われるものでなくてもよい。すなわち、再送制御を実施するプロトコルなどの事情に応じて、リカバリー処理を実施する廃棄パケット数を決めておいてもよい。例えば、2パケット廃棄される毎にリカバリー処理を起動する場合、1回の廃棄通知で1個の廃棄パケット情報が通知されるとすると、合計2回の廃棄通知を受信したときに1度リカバリー処理を実施すればよい。
また、1回の廃棄通知で複数の廃棄パケット情報が通知される場合は、通知された廃棄パケット数が、リカバリー処理の起動に必要な廃棄パケット数に達した時点で、リカバリー処理を実施すればよい。これにより、すべての廃棄通知に対応する必要がなくなり、同時に必要最低限のリカバリー処理を起動することができるようになり、UE装置内の処理負荷の低減を図ることができる。
なお、パケット廃棄通知メッセージがICMPメッセージなどのユーザプレーンデータ(すなわちIP層以上のレイヤで規定されるプロトコル)で実装されるものであってもよく、その場合は、受信したデータがパケット廃棄通知メッセージに該当するかを判定し(ステップS604と同様の処理)、パケット廃棄通知メッセージであった場合は、パケットリカバリ処理を開始する(ステップS605と同様の処理)。受信したデータがパケット廃棄通知メッセージでなかった場合は、上位層処理部505にて処理が行われる(ステップS606)。以降は、上記説明したのと同じ処理となるので、ここでは説明を割愛する。
なお、通信制御部502が、リカバリー処理を実施する処理部を特定する方法としては、パケット廃棄通知メッセージが伝送されたベアラの識別子(廃棄通知メッセージがユーザプレーンデータで実装される場合)、また廃棄通知メッセージに含まれる情報(例えば、ベアラ識別子、廃棄パケットのヘッダ情報から抽出した受信アドレスや受信ポート番号、プロトコル番号など)から、廃棄されたパケットの受信処理を本来行うべきであった上位層プロトコル(あるいはIP層のプロトコル)を特定して、特定した情報とともに上位層処理部505に通知したり、同様にして受信ソケットを特定し、廃棄パケットのデータが本来転送されるべきであったアプリケーション部506に通知したりする。
次に、本発明の第1の実施の形態に係るゲートウェイ装置(PGW)の動作の一例について図7、図8を用いて説明する。図7は本発明の第1の実施の形態に係るPGWの構成の一例を説明するための構成図である。通信部701は、PDN30(具体的には、例えばPDN30内に設置される図示していないゲートウェイ)と通信を行ったり、コアネットワーク20内のノードと通信を行ったりするための通信処理を実施し、具体的には、通信プロトコル処理(ここではIPプロトコルを含む下位のプロトコル処理を行うものとする)並びにモデム処理を実施する。
なお、通信部701はPDN側と接続するための通信部(PDNインタフェース)と、コアネットワーク側と接続するための通信部(コアネットワーク・インタフェース)に論理的あるいは物理的に分離されていてもよい。通信制御部702は、通信プロトコルを操作するなど通信部701の制御管理を行う。フィルタ管理部703は、本発明を実施するためのパケットフィルタをTFTとともに管理する。転送処理部704は、フィルタ管理部703が管理するTFTに基づいて、PDNから受信したパケットの転送制御ならびに流量制御を実施する。コネクション管理部705は、UEとの間で確立するPDNコネクションやベアラの制御や管理を行う。
本発明による方法は、主に転送処理部704に実装されるものとして、その動作の一例について、周辺の動作を交えながら図8を用いて説明する。まず、UEからのPDNコネクション確立要求、例えば非特許文献2に示すような、アタッチ手順(Attach Procedure)、あるいは既にアタッチメント手順が完了している場合は、PDNコネクション追加手順(Additional PDN Connectivity Procedure)のメッセージを通信部701が受信すると、通信制御部702を介してコネクション管理部705に転送され、コネクション管理部705及び通信制御部702の制御のもと、UEが所望のPDNとの間で通信を行うためのPDNコネクションを確立する(PDNコネクションセットアップ:ステップS801)。PDNコネクション確立に用いられるメッセージの送受信は通信部701を介して行われる。
続いて、UEからパケットフィルタを登録あるいは更新するためのメッセージ、例えば非特許文献2に示すようなベアラ修正手順(Bearer Modification Procedure)で用いられるメッセージを通信部701が受信すると、通信制御部702を介してフィルタ管理部703がTFTを更新する(パケットフィルタセットアップ:ステップS802)。これによって、UEが廃棄通知対象とする通信フローがPGWのTFTに登録され、以降PGWはTFTを参照することによって、パケット廃棄時にパケットヘッダを参照したりすることなく、すなわち大きな負荷を伴うことなくUEにパケット廃棄を通知することができるようになる。
なお、廃棄通知対象となる通信フローの情報を含むパケットフィルタのTFTへの登録(ステップS802)は、PDNコネクションセットアップ(ステップS801)の中であわせて実施される場合もある。また、廃棄通知対象となる通信フローのパケットフィルタ及びTFTへの登録は、PGWが独自に実施するものであってもよい。すなわち、PDNコネクションセットアップ(ステップS801)の過程で、PCRF(Policy and Charging Rules Function)から取得したQoSパラメータ(セットアップ中のPDNコネクション及びベアラに適用される)や課金情報に基づいて、UEやアプリケーションにとって特に重要な通信フローに対して廃棄通知が設定されたパケットフィルタをTFTに登録してもよい。
例えば、通常より高めの料金を特別に支払っているユーザに対しては、すべての通信フローに対して廃棄通知設定を行ってもよい。廃棄通知設定がデフォルトで有効となるようなQoSポリシを設けてもよく、例えば、廃棄通知設定が有効となるようなQCIが指定されたPDNコネクションやベアラについては、UEからの登録がなくても自動的にPGWによって廃棄通知を設定するようにしてもよい。
確立(セットアップ)したPDNコネクションあてのパケット、すなわち当該PDNコネクション向けに割り当てたIPアドレスあるいはIPプレフィクスやIPサブネットに宛てられたパケットを通信部701がPDNから受信する(ステップS803)と、受信パケットを転送処理部704に転送する。転送処理部704は、フィルタ管理部703が管理するTFTを参照して、対応するベアラを検索し、転送先となるコアネットワーク内のノード(SGWやSGSN、AGWなど)を決定し、転送キューに積む。
通信部701は転送キューに積まれたパケットを順次コアネットワークに向けて、すなわちUEあてに送出する(ステップS806)。このとき、PGWは対応するベアラに通じるトンネル(GTPトンネルやPMIPトンネル、Dual Stack MIPなどのモバイルIPトンネル)に対してパケットを送信する(すなわちトンネルヘッダを付加して送信する)。なお、転送キューについては、GBRベアラあてパケットはそのPDNに対するGBRベアラ単位、non−GBRベアラあてパケットはPDN単位で設けられており、それらのキューの間でも、QCIなどに基づく転送の優先制御が実施されているものとする。あるいは単にQCI単位で転送キューが設けられていてもよく、以下説明する処理を同様に適用することができる。
ここで、コアネットワーク内の輻輳などにより通信部701による送信処理が滞ると、転送キューに積まれたパケット量が所定の閾値を上回ることがある。すなわち、UEのGBRベアラに対してはPDNコネクション確立時あるいはベアラリソース修正時に割り当てられた容量(MBRにて示される)、non−GBRベアラに対してはPDN全体に対して割り当てられた容量(APN−AMBRにて示される)に対して、各キューに積まれたパケットの総量(パケットサイズ)とそれらの送出予定時刻から算出された実容量が上回る場合に、最近キューに積まれたパケットから順次廃棄される。なお、GBRベアラに対するパケット廃棄指標をGBR、non−GBRベアラに対するパケット廃棄指標をUE−AMBRとしてもよい。
このようにして、パケットを廃棄するか否か(ステップS804)を判断し、さらにはパケットの廃棄が実施されると、転送処理部704は、廃棄したパケットにマッチするパケットフィルタエントリ(あらためてTFTを参照してもよいし、例えばパケット毎のキャッシュ情報に記載するなどキューに積む際にパケットに紐づけておいてもよい)の廃棄通知要否フラグがONの場合は、廃棄パケットを転送する予定であったベアラのUEに対してパケット廃棄通知メッセージを送信する(ステップS805)。
パケット廃棄通知メッセージには、廃棄パケットの一部、例えばパケットヘッダや、さらにはペイロードの先頭から所定サイズ分のデータ(例えば数十バイト)、またはパケットの先頭から所定サイズ分のデータ(例えば数十バイト)を含めてもよい。また、パケット廃棄通知メッセージは、例えばICMPメッセージを応用するなどして、該当するベアラのユーザプレーンを用いてUEに伝送するものであってもよい。
なお、転送処理部704は、実際にパケットを廃棄する前、すなわち、パケット廃棄を決定した時点で、UEにパケット廃棄通知メッセージを送信してもよい。これによって、UEにおいては、より迅速にパケットリカバリ処理、例えば再送要求をよりリアルタイムに実施できるようになり、UEの通信効率を向上させることができる。
<第2の実施の形態>
本発明の第2の実施の形態の詳細な動作について説明する。図9は本発明の第2の実施の形態によるシステム構成を説明するための図であり、アクセスネットワーク10と、コアネットワーク20と、パケットデータネットワーク(PDN)30と、アクセスネットワーク10に接続してコアネットワーク20経由でPDN30と接続する移動端末(UE)100と、PDN30を介して移動端末100と通信を行う通信相手(CN:Correspondent Node)300と、また、移動端末100がPDN30に接続する際の接続制御を行うゲートウェイ装置(PGW:PDN Gateway)200と、PGW200に対してアクセスネットワーク10に対する移動端末100の局所的な接続制御を実施する局所ゲートウェイ装置(SGW:Serving Gateway)600と、移動端末100の移動管理を行う移動管理装置(MME:Mobility Management Entity)500と、移動端末100に対するアクセスネットワーク10の直接的なアタッチポイントとなる基地局装置(eNB:evolved Node B)400とが配備される。
さらに詳細には、アクセスネットワーク10は、採用する規格に応じて3GPPアクセスネットワーク(例えば、LTE、GPRS、WCDMAなど)、Non−3GPPアクセスネットワーク(例えば、WiMAXなどの無線WAN、WiFiなどの無線LAN、3GPP2規格に準じたHRPDなどのセルラアクセスネットワーク、イーサネット(登録商標)(Ethernet(登録商標))などの有線LANなど)などと称されることもある。
また、コアネットワーク20は、3GPP規格に準じてEPC(Evolved Packet Core network)や、単に3GPPコアネットワーク、またコアネットワーク20を含むシステムとしてEPS(Evolved Packet System)などと称されることもある。ゲートウェイ装置200も同様に、採用する規格に応じて、ゲートウェイGPRSサービングノード(Gateway GPRS Serving Node:GGSN)、ホームエージェント(Home Agent:HA)、ローカルモビリティアンカー(LMA:Local Mobility Anchor)などと称されることもある。
局所ゲートウェイ装置600は、アクセスゲートウェイ(Access Gateway:AGW)、モビリティアンカーゲートウェイ(Mobility Anchor Gateway:MAG)、パケットデータゲートウェイ(Packet Data Gateway:PDG、enhanced Packet Data Gateway:ePDG)サービングGPRSサービングノード(Serving GPRS Serving Node:SGSN)などと称されることもある。また、基地局装置400は、アクセスポイント(AP:Access Point)、ノードB(NB:Node B)、ベースステーション(Base Station:BS)、アタッチポイント(PoA:Point of Attachment)などと称されることもある。また、家庭や店舗、学校等の構内などに設置されるホーム基地局(例えば、Home eNodeB(HeNB)やHome NodeB(HNB)、ピコセル(Pico cell)基地局、フェムトセル(Femto cell)基地局、アットセル(Atto cell)基地局)であってもよい。
本発明の第2の実施の形態では、第1の実施の形態で説明した内容に加え、さらに新たな課題を解決するものである。すなわち、図9において、アクセスネットワーク10が収容するUE数の増加や、アクセスネットワーク10内のトラフィックの増加などを理由に、当初UEに割り当てたQoS保証値(具体的にはGBR値)を基地局eNB400が維持できなくなると、UE100への通知なしにGBRベアラを切断(あるいは無効化)することがある。
基地局400がGBRベアラ切断を判断した時に、UE100に通知することも考えられるが、既に普及設置されている既存の基地局(しかもカバーエリアを確保するため、設置場所も拡散されている)をすべて対応させるのは、莫大なコストを要するため現実的ではない。一方、一部の基地局だけがベアラ切断通知機能に対応している状況では、UE100からみたシステム挙動が一貫せず(あるところでは通知を受けられるが、あるところでは通知を受けられずベアラが勝手に切断されてしまう)、システム安定性の点で望ましくない。
以下説明する本発明の第2の実施の形態によれば、基地局に比べて設置台数が極めて少なく、また設置場所も局所化される傾向にあるPGWを変更するだけで所望の効果を得ることができ、したがって導入コストも大きく抑えることができる。すなわち、PGWにおいて基地局が発行するベアラリリースを捕捉してUEに通知し、UEがベアラリソースを調整することでベアラリリースを停止させる。これによって、著しいコスト増加を伴うことなく、安定性の確保された通信システムを提供することができ、さらには、UEが存続を希望するベアラについては、ベアラリソースを削減して設定することで、ベアラ存続を維持させることも可能であることから、リアルタイムストリーミングでビデオ視聴しているユーザが、ウィンドウサイズを縮小させて(すなわち品質を落として)でも視聴を継続させたいような場合に対応できるようになり(従来は意図せず切断されていた)、ユーザ利便性の向上を図ることができる。
以下、図10を用いて本発明の第2の実施の形態による方法の動作について詳しく説明する。図10は、本発明の第2の実施の形態におけるベアラ解放回避方法の一例を説明するためのシーケンスチャートである。ステップS1001からS1004までは、第1の実施の形態で説明したステップS201からS204までの処理と同じであるので、ここでは説明を割愛する。
通信相手300と通信を行っている状態で、UE100は定期的に、あるいは常時、無線リンクや基地局を中心とするアクセスシステムの状態を評価する(ステップS1005)。例えば、電波強度を観測することにより、ハンドオーバを実行するほどではないが、現状のQoSを維持するには難しい状況になっていることを判断(例えば、無線区間でのパケットロス、すなわち無線リンクレベルのパケットロスが発生しており、RRC(Radio Resource Control)やMACなどのリンクレイヤによる再送制御が動作していることを検出した場合など)することができる。
また、非特許文献3に開示されるようなECN(Explicit Congestion Notification)プロトコルを用いて、基地局が評価した混雑状況をECNヘッダに記載して、ユーザプレーンのパケットヘッダに重畳してUE100に通知することが可能である場合、UE100は受信したパケットのECNヘッダから混雑状況を読み出して(例えば、ビット列が’00’以外の値である、など)、基地局が現状のQoSを維持するには難しい状況になっていることを判断することができる。ここで、ECNヘッダ付きのパケットは、ユーザプレーンで伝送されるため、どのベアラに対するパケットであるかを判別できるという特徴がある。
また、さらには、基地局400におけるトラフィックの混雑状況や、端末収容状況、リソース使用状況(あるいはリソース残量)などの情報を他の基地局とで交換しているような場合、例えば非特許文献2に開示されるようなX2インタフェースを用いて基地局間で上記混雑状況や収容状況などの情報をLOAD INFORMATIONによって交換しているような場合は、それらと同様の情報を基地局400からUE100に直接通知してもよい。これによって、UE100が基地局400やアクセスネットワークの混雑状況や負荷状況を直接的に知ることができる。このとき、あわせて許容可能なトラフィック量や収容数などを示す値(スレッショルド)をUE100への通知メッセージに付加してもよい。
上記条件のうち、いずれか一つでも満たされる場合、すなわち、UE100が基地局400あるいはアクセスネットワークにおいてベアラの維持が困難な状況になりつつあると判断した場合、先にTFTに設定したパケットフィルタの更新(Update、あるいは再設定(Reconfiguration)とも呼ぶ)を行う(パケットフィルタ更新メッセージの送信:ステップS1006)。なお、先にパケットフィルタの設定を行わなかった場合(すべての通信フローに対して設定してない場合や、特定の通信フローに対して設定してない場合)は、ここで新規に設定する。
なお、UE100がECNを受信すると、直ちに通信レートを下げるためにベアラに設定されたビットレート(すなわちGBRやAMBR)を下方修正する処理を開始する場合がある。このように、通信レートを下げたことによってECNを受信しなくなった場合は、パケットフィルタの更新あるいは設定を行わずに、引き続き基地局やアクセスネットワークの状態監視を継続するものであってもよい。これは、ECNを受信しなくなったことが、少なくともそのUEに対しては混雑が解消できたことを示すからである。一方、ECNを引き続き断続的あるいは連続して受信し続けるような場合は、混雑が解消されていないので、パケットフィルタを更新あるいは設定して、不意のベアラ解消に備えることができる。
また、UE100の接続時に決定されたARP(Allocation and Retention Priority)が所定値よりも高い場合は、ネットワークが優先してベアラを維持してくれるため、パケットフィルタの更新あるいは設定を行わなくてもよい。
このパケットフィルタ更新(あるいはTFT更新とも呼ぶ)は、UE100が接続を維持したい通信フローを収容するベアラに対する、基地局400の判断によるベアラリリースを回避するために行う。すなわち、UE100は、パケットフィルタ更新メッセージに、接続を維持したい通信フローに関するパケットフィルタ情報とベアラ解放抑止を指示する情報(例えば、フラグなど)を記載して送信する。パケットフィルタ更新メッセージは、MME500やSGW600などのノードを経由してPGW200に配送される。
ここで、ベアラ解放抑止を指示するためのパケットフィルタの更新あるいは設定は、UE100の移動度や通信位置などに応じて実施するものであってもよい。例えば、低速でセル境界を移動していたり、単にセル境界で通信していたりするときは、通信状態が不安定になりやるいため、積極的にパケットフィルタの更新を行い、それ以外の場合は行わないものであってもよい。これによって、本質的にベアラ切断対象となりうるユーザのみを対象に本発明によるサービスを提供でき、システム負荷の低減とともに、リソース有効活用を図ることができる。
PGW200がパケットフィルタ更新メッセージを受信すると、パケットフィルタ情報をメッセージから抽出して、PGW200が管理するTFTにUE100の対象通信フローに関するエントリを作成又は更新する(フィルタ更新:ステップS1007)。ここで、既存のパケットフィルタの更新は、UE100が通知するパケットフィルタ情報に既存パケットフィルタのフィルタIDを含めることにより、PGW200が該当するパケットフィルタを特定して実施する。
ここで、PGW200が管理するパケットフィルタについて図11を用いて説明する。ここで説明するパケットフィルタ構造は、UEがPGWに通知対象フローを登録する際にも用いられる。なお、TFT構造は先に図4を用いて説明したのと同じ構造を用いることができるので、ここでは説明を割愛する。
図11に示すパケットフィルタ構造は、図3に示したのとほとんど同じ構成をもつものであるが、唯一異なるのは、第2の実施の形態の特徴であるベアラ解放抑止を要求するためのフラグ(あるいは相当の情報)を有する点である。UEがベアラ解放抑止を指示する場合、ベアラ解放抑止フラグをY(Yes)(あるいはON)にしてPGWに登録する。
PGWはフィルタIDが3のエントリに対応する通信フローを伝送するためのベアラ(すなわちEPSベアラ5)に対してベアラ解放処理が開始されたことを検出すると、以下説明する手順に基づいてベアラ解放抑止処理を実施する。パケットフィルタ更新メッセージは、非特許文献2に開示されるようなベアラリソース修正手順(UE requested bearer resource modification procedure)におけるRequest Bearer Resource Modificationメッセージに相当するものであるが、他のメッセージであってもよい。ここで、パケットフィルタ情報の更新・設定は、次のような粒度で実施することができる。
1)無線リンクや基地局の状態が、現状のQoSを維持するには難しい状況であることの検出をベアラ単位で実施できる場合、すなわち、特定のベアラに対して現状QoSの維持が難しい状況であると判断できる場合、そのベアラ上を流れる通信フロー(すべてあるいは一部)に対してベアラ解放抑止を有効に設定するパケットフィルタ更新を実施する。これは、基地局がECNなどを用いて、ユーザプレーン上で混雑状況をUE100に通知するような場合の実施例である。すなわち、UE100は、基地局が混雑状況を記載したECNヘッダを含むパケットが流れるベアラを特定することができるので、そのベアラを流れる通信フローの中から接続を維持したいものについてベアラ解放抑止を有効化させることができる。
ベアラ単位のパケットフィルタ更新は、UE100やPGW200において更新対象となるパケットフィルタエントリを容易に特定できることから、それらノードの処理負荷を低減させることができる。これはTFT構造の構成上の特性から、登録されたパケットフィルタを、ベアラIDを鍵として検索しやすいためである(例えば、図4参照)。
ここで、特定できたベアラがデフォルトベアラであった場合、基地局によるベアラリリースの対象外であることから、ベアラ解放抑止のためのパケットフィルタ更新は行わなくてもよく、その設定のためのトラフィック並びにUE100やPGW200における処理負荷の低減を図ることができる。
2)無線リンクや基地局の状態が、現状のQoSを維持するには難しい状況であることの検出をPDNコネクション単位で実施できる場合、例えば、特定のPDNコネクション上を流れるパケットのロス率がすべてのベアラに対して一様に高まっていることが検出できた場合など、現状QoSの維持が難しい状況であると判断できる場合、そのPDNコネクション上を流れる通信フロー(すべてあるいは一部)に対してベアラ解放抑止を有効に設定するパケットフィルタ更新を実施する。
ここで、特定できたPDNコネクションのデフォルトベアラについては、基地局によるベアラリリースの対象外であることから、ベアラ解放抑止のためのパケットフィルタ更新は行わなくてもよく、その設定のためのトラフィック並びにUE100やPGW200における処理負荷の低減を図ることができる。
3)無線ベアラや基地局の状態が、現状のQoSを維持するには難しい状況であることを検出すると、既存の通信フィルタすべてに対してベアラ解放抑止を有効に設定するパケットフィルタ更新を実施する。これは、特に、無線リンクの状態からQoS維持の困難さを判断するような場合に有効である。すなわち、無線リンクの状態が悪化していることを検出したが、対象となるベアラを特定できないような場合である。
基地局400が、実際にQoS維持が難しいことなどを理由にベアラ解放を決定すると(ステップS1008)、非特許文献2に示すようなベアラ解放手順(Dedicated Bearer Deactivation Procedure)を開始する。すなわち、基地局400がベアラ解放指示メッセージ(Bearer Release Indication)をMME500に送信する(ステップS1009)。これを受けて、MME500がベアラ削除コマンドメッセージ(Delete Bearer Command)をSGW600に送信すると(ステップS1010)、SGW600はそれをPGW200に転送する(ステップS1011)。
PGW200は、ベアラ削除コマンドメッセージを受信すると、メッセージから削除対象のベアラ(ベアラID)を確認し、TFT並びにパケットフィルタを参照して、そのベアラに対してベアラ解放抑止が設定されているかを確認する(ベアラ解放抑止の設定の確認:ステップS1012)。削除対象のベアラに対してベアラ解放抑止が設定されていない場合、PGW200は通常の(すなわち非特許文献2に示されるような)ベアラ解放手順を継続し、対象ベアラは解放される。削除対象のベアラに対してベアラ解放抑止が設定されている場合、PGW200は実施中のベアラ解放手順を中断(停止)し、UE100にベアラ解放手順が実施されていることを通知する(ベアラ解放通知メッセージ:ステップS1013)。
ベアラ解放通知メッセージには、解放対象のベアラIDを記載してもよい。また、特にベアラIDを記載しない場合でも、対象ベアラに関連するシグナリングプレーンやユーザプレーン上にベアラ解放通知メッセージを流すことによって、UE100が対象ベアラを特定できるようにするものであってもよい。
UE100がベアラ解放通知メッセージを受信すると、基地局400が発行したベアラ解放を停止させて通信フローを維持させるため、対象ベアラに対するQoS値を減少させる設定を行う。具体的には、非特許文献2に示すようなベアラリソース修正手順(UE requested bearer resource modification procedure)を実施して、ネットワークに新たなQoS値を設定する。すなわちUE100は、ベアラリソース修正要求メッセージを送信する(ステップS1014)。MME500がこれを受信すると、SGW600にベアラリソースコマンドメッセージを送信し(ステップS1015)、SGW600はそれをPGW200に転送する(ステップS1016)。
これを受けてPGW200は、非特許文献2に示すようなPGW主導ベアラ修正手順(PGW initiated bearer modification procedure)を起動して、先に解放対象となったUE100のベアラに対するQoS設定を実行する(PGW主導ベアラ修正手順を起動:ステップS1017)。QoS設定が完了すると、PGW200は、先に停止させていたベアラ解放手順に対して、処理が失敗した旨の応答を送信する。
これは、例えば非特許文献4に示されるようなベアラ削除失敗通知(Delete Bearer Failure Indication)メッセージである。これにより、SGW600やMME500、基地局400は、ベアラ解放処理を実施することなく処理を完了する。UE100は、要求したQoS設定に基づいて更新されたベアラを用いて通信を継続させることができる。
なお、ベアラ解放通知メッセージ(ステップS1013)の中で、PGW200からUE100に適正なQoS値(又は推奨されるQoS値)が通知されるものであってもよい。さらに通知されるQoS値は、PGW200がPCRFなどのQoSを管理するネットワークノードから取得したポリシやあらかじめ設定されたポリシに基づいて決定するものであってもよいし、基地局400やMME500などのネットワークノードがアクセスネットワークの状況に基づいて決定するものであってもよい。
また、ベアラ解放処理を一時的に停止させず、UE100が対象ベアラのQoS調整を開始する前に、PGW200がベアラ解放処理を失敗させてもよい。これにより、システムの不安定な状態(QoS調整を行っている間、アクセスネットワークとしては本来解放させてしまいたい状態にあるベアラが生かされるでもなく切断されるでもなく維持されてしまっている不安定な状態)を回避でき、システム全体の効率低下を避けることができる。
第2の実施の形態によれば、従来基地局400が発行するベアラリリース通知(ベアラ解放指示メッセージ:ステップS1009)には、ベアラリリースの理由となる情報(例えば、無線区間の混雑、基地局の停止、など)が含まれていないため、PGW200では、正しく所望のベアラリリースだけを停止させることができなかったが、第2の実施の形態では、UE100がベアラリリースの可能性とその解放抑止要求をあらかじめPGW200に通知してあるので、正しく所望のベアラリリースだけを停止させることが可能となる。また、既に全世界に設置され、稼動している無数の基地局や、MME−SGW−PGW間の既存シグナリングを変更することなく、PGWとUEの変更により所望の効果を達成することができ、実施コストの点で優位である。
なお、あらかじめ対応が必要なエリアが限定されているなどの理由から、当該処理に関係する基地局数が許容される実施コストの範囲内であることが明らかである場合は、次のような方法により、基地局によるベアラリリースを抑止することもできる。一つには、ベアラのQoS保証ができなくなってきたため、パケットの配送ができないことを示す通知を基地局がUEに送信する。このメッセージには、ICMP UnreachableメッセージやAS(Access Stratum)シグナリングなどを用いることができる。
あるいは同通知を基地局がPGWに送信してもよく、これを受けてPGWは、該当するパケットについて、先に説明したパケット廃棄通知をUEに送信する。通知を受けたUEは、先に示したのと同様の手順により、パケットリカバリ処理を開始する。すなわち、廃棄されたパケットの再送要求を送信元端末に対して実施したり、廃棄されたパケットのデータをアプリケーションレベルで補間して再送を不要としたりする。
次に、本発明の第2の実施の形態に係る移動端末(UE)の動作の一例について図12、図13を用いて説明する。図12は本発明の第2の実施の形態に係るUEの構成の一例を説明するための構成図である。基本的な構成要素は、図5において説明したものであるが、第2の実施の形態に係るUEの構成において唯一異なるのは、第2の実施の形態の特徴であるアクセスNW(ネットワーク)状態検出部1207を有していることである。アクセスNW状態検出部1207は、UEが接続しているアクセスネットワークの状態、すなわちトラフィックの混雑状況や収容端末の過密状態などを推定し、基地局においてベアラQoSの維持が可能であるかを推測する。
本発明による方法は、主に通信制御部1202に実装されるものとして、その動作の一例について図13を用いて説明する。なお、ステップS1301からS1307に示した処理は、第1の実施の形態において説明したステップS601からS607とそれぞれ同じ処理であるので、ここでは説明を割愛する。
ステップS1301、S1302を経てPDNコネクションを確立した後、アクセスNW状態検出部1207は、先に示したような手順に基づいてアクセスネットワークの状態を検出する(アクセスネットワークが不安定か:ステップS1308)。その結果、基地局をはじめとするアクセスネットワークにおいてベアラQoSの維持が困難となる可能性があり、基地局(あるいはアクセスネットワーク内のその他のノード)によってベアラが独自に解放されうることを察知して、それを抑止するようPGWに通知して、パケットフィルタを更新する(ステップS1309)。
具体的には、先に説明したように、解放されたくないベアラに対してベアラ解放抑止フラグ(あるいは相当の情報)をONにしたパケットフィルタ(エントリ)を、ベアラリソース修正手順を通じてPGWに登録する。ここで登録するパケットフィルタエントリが、PGWのTFTに既存のものとマッチする場合、PGWはそれを更新する(少なくともベアラ解放抑止フラグをONにする)。マッチしない場合、PGWは新規のエントリを作成する。
なお、上記ベアラ解放抑止のためのパケットフィルタ更新は、特に通信中であり解放されては困るベアラについて実施するものであってもよい。これによって、本来解放されても影響のないベアラにまで解放抑止を実施させる必要がなくなり、要求のためのパケットフィルタ更新を行わないでよいことから、通信トラフィックの低減やUE、MME、PGWなどネットワークノードの処理負荷低減を図ることができる。
また、常にすべてのベアラについて解放抑止させたい場合は、一括要求するものであってもよい。すなわち、全ベアラを対象とする識別子を設けるなどして、全ベアラに対して解放抑止フラグをONにしたパケットフィルタエントリを構築して、PGWに登録してもよい。
一方、通信部1201において受信したメッセージがベアラ解放通知メッセージか否か(ステップS1310)で、ベアラ解放通知メッセージであった場合、通信制御部1202が、メッセージに含まれる情報から解放されようとしているベアラ識別子を抽出し、当該ベアラに対してベアラQoSを下方修正するためのベアラリソース修正手順を実施する(ベアラQoS調整:ステップS1311)。例えば、それまでGBR=10Mbpsだったベアラに対して、GBR=5Mbpsとするようなベアラリソース修正要求メッセージ(Request Bearer Resource Modification)を通信部1201を介して送信する。
ここで、GBR以外のパラメータを修正してもよい。例えば、MBR値の下方修正であったり、遅延プロファイルを大きめに設定したりしてもよいし、QCI自体をより制限の緩いものに変更するものであってもよい。こうして、主にQoSパラメータを調整して、ベアラ容量などを下方修正することで、自身が保有するベアラの解放を回避できるのみならず、アクセスネットワーク全体のトラフィックも低減させることができる。
次に、本発明の第2の実施の形態に係るゲートウェイ装置(PGW)の動作の一例について図14、図15を用いて説明する。図14は本発明の第2の実施の形態に係るPGWの構成の一例を説明するための構成図である。基本的な構成要素は、図7において説明したものであるが、第2の実施の形態におけるPGWの構成において唯一異なるのは、本発明の第2の実施の形態の特徴であるベアラ解放抑止部1406を有していることである。
第2の実施の形態における特徴的な方法は、主にベアラ解放抑止部1406に実装されるものとして、その動作の一例について図15を用いて説明する。なお、ステップS1501からS1502、またS1504からS1507に示した処理は、第1の実施の形態において説明したステップS801からS802、またS803からS806とそれぞれ同じ処理であるので、ここでは説明を割愛する。
ステップS1501、S1502を経てUEがPDNに接続するためのPDNコネクションを確立した後、通信部1401がコアネットワーク側からパケット/メッセージを受信したか否か(ステップS1503)を判断し、コアネットワーク側からメッセージを受信したと判断する(ステップS1508)と、パケットフィルタを更新するための非特許文献2に示すようなベアラリソース修正要求メッセージか否か(パケットフィルタ更新か:ステップS1509)を判断され、ベアラリソース修正要求メッセージであった場合は、通信制御部1402を介してフィルタ管理部1403に転送する。フィルタ管理部1403は、UEから通知されたパケットフィルタをTFTに登録する(TFT更新:ステップS1510)。
このとき、UEが通知したパケットフィルタではベアラ解放抑止フラグがONに設定されており、したがって、TFTにもベアラ解放抑止フラグが有効設定されたパケットフィルタが登録される。
また、通信制御部1402は、受信したメッセージが、アクセスネットワーク、特に基地局が発行したベアラ解放要求に起因するベアラ解放メッセージ、具体的には、例えば非特許文献2に示されるベアラ削除コマンド(Delete Bearer Command)メッセージか否か(ベアラ解放メッセージか:ステップS1511)を判断し、ベアラ削除コマンドメッセージであった場合、フィルタ管理部1403が管理するTFTを参照して、そのベアラにマッチするパケットフィルタエントリにベアラ解放抑止フラグが設定されているか確認する(ベアラ解放抑止フラグあるか:ステップS1513)。
ベアラ解放抑止フラグが設定されていない場合(すなわち、OFFに設定されている場合)は、通常のベアラ解放処理を実施する(ステップS1514)。例えば、非特許文献2に示されるように、ベアラ削除コマンドメッセージを受信したPGWの通信制御部1402は、PCRFに対してIP−CANセッション修正手順(PCEF initiated IP-CAN Session Modification Procedure)を実行し、ベアラ削除要求(Delete Bearer Request)メッセージをSGWに送信する。そして、続けてSGWから受信するベアラ削除応答(Delete Bearer Response)メッセージを受けて、指定されたベアラコンテキストやリソースを解放する。
ベアラ解放抑止フラグが有効(ON)に設定されている場合は、ベアラ解放抑止部1406が、ベアラ解放抑止処理を実施する(ステップS1515)。具体的には、ベアラ解放抑止部1406が、例えば非特許文献2に示されるようなベアラ削除要求(Delete Bearer Request)メッセージの送信を一時的に停止あるいは拒否するよう通信制御部1402に指示して、実施されているベアラ解放処理を一時的に中断あるいは拒否させる。これを受けて、通信制御部1402は、ベアラ解放処理のステートを、一時中断を示す状態に遷移させるか、ベアラ解放処理を拒否あるいは失敗となったことを示す、非特許文献4に示すようなベアラ削除失敗通知(Delete Bearer Failure Indication)メッセージをSGWに送信する。
さらに、ベアラ解放抑止部1406は、ベアラ解放通知メッセージを通信制御部1402経由でUEに送信する。これを受けてUEは、切断対象となっているベアラの存在に気づき、対象ベアラを存続させるために、ベアラのQoS調整を開始するため、例えば非特許文献2に示されるようなベアラリソース修正要求(Request Bearer Resource Modification)メッセージを送信し、その結果、PGWの通信部1401は、ベアラリソースコマンド(Bearer Resource Command)メッセージを受信し、非特許文献2に示される方法により、ベアラリソース修正処理が通信制御部1402によって適正に実施される。
ベアラ解放通知メッセージには、適正なQoSパラメータを記載してもよい。例えば、現在のアクセスネットワークにおける、ベアラ維持可能な伝送容量やQCI値などをMMEやAAAサーバを通じて取得できる場合、それらの取得した値をベアラ解放通知メッセージに記載してUEに通知する。これによって、UEは現在のアクセスネットワーク状態に応じてベアラQoSを調整してベアラを維持することができるようになり、ひいてはセッション切断を回避してユーザ利便性を向上させることができる。
UEによるベアラQoS調整処理、すなわちベアラリソース修正処理が完了すると、ベアラ解放抑止部1406は、先に中断させていたベアラ解放処理を失敗させるよう通信制御部1402に指示し、これを受けて通信制御部1402は、非特許文献4に示すようなベアラ削除失敗通知(Delete Bearer Failure Indication)メッセージを用いて、ベアラ解放処理を終了させる。ここで、ベアラリソース修正処理が失敗した場合は、ベアラ解放処理を継続して実施するものであってもよい。すなわち、ベアラリソース修正処理が成功したときのみ一時中断していたベアラ解放処理を失敗させ、ベアラリソース修正処理が失敗したときは、一時中断していたベアラ解放処理を継続実施して対象ベアラを解放させる。
QoS調整が失敗して、アクセスネットワーク(特に基地局)がそもそもサポートできないとしたQoSを有するベアラを維持させるのはシステム運用の点で望ましくないことからベアラの解放を決断する。これにより、システムに過度の負荷がかかるのを回避することができ、システム効率の向上を図ることができる。
なお、コアネットワーク側から受信したメッセージが、上記いずれにも該当しないメッセージであった場合は、別途規定される然るべき処理が実施される(対応するメッセージ処理:ステップS1512)。
上述した第2の実施の形態に係る発明によれば、移動端末に割り当てられた通信品質(QoS保証値)が維持できないことによってベアラが解放されることを回避するベアラ解放回避方法であって、ゲートウェイ装置が、前記移動端末が接続する基地局によるベアラ解放が開始されたことを検出し、前記ベアラ解放が開始された旨のベアラ解放通知メッセージを前記移動端末へ送信するステップと、前記移動端末が、前記ベアラ解放通知メッセージに基づいて、割り当てられた前記通信品質を修正する処理を行うステップとを、有するベアラ解放回避方法が提供される。
また、第2の実施の形態に係るベアラ解放回避方法において、前記移動端末が、前記基地局との無線通信状態の悪化を判断し、前記ベアラ解放通知メッセージを前記移動端末自身に送信すべき旨の情報(フラグ)を前記ゲートウェイ装置に登録し、前記ゲートウェイ装置が、前記送信すべき旨の情報に基づいて前記ベアラ解放通知メッセージを前記移動端末へ送信することは、好ましい態様である。
また、第2の実施の形態に係るベアラ解放回避方法において、前記移動端末が、前記基地局が属するアクセスネットワークのトラフィック状態の悪化の通知を受けて、前記ベアラ解放通知メッセージを前記移動端末自身に送信すべき旨の情報(フラグ)を前記ゲートウェイ装置に登録し、前記ゲートウェイ装置が、前記送信すべき旨の情報に基づいて前記ベアラ解放通知メッセージを前記移動端末へ送信することは、好ましい態様である。
また、第2の実施の形態に係る発明によれば、移動端末と、前記移動端末の通信相手装置と前記移動端末との通信経路上に配置されたゲートウェイ装置とを備え、前記移動端末に割り当てられた通信品質が維持できなくなることによるベアラの解放を回避するベアラ解放回避システムであって、ゲートウェイ装置が、前記移動端末が接続する基地局によるベアラ解放が開始されたことを検出し、前記ベアラ解放が開始された旨のベアラ解放通知メッセージを前記移動端末へ送信し、前記移動端末が、前記ベアラ解放通知メッセージに基づいて、割り当てられた前記通信品質を修正する処理を行うベアラ解放回避システムが提供される。
また、第2の実施の形態に係るベアラ解放システムにおいて、前記移動端末が、前記基地局との無線通信状態の悪化を判断し、前記ベアラ解放通知メッセージを前記移動端末自身に送信すべき旨の情報(フラグ)を前記ゲートウェイ装置に登録し、前記ゲートウェイ装置が、前記送信すべき旨の情報に基づいて前記ベアラ解放通知メッセージを前記移動端末へ送信することは、好ましい態様である。
また、第2の実施の形態に係るベアラ解放システムにおいて、前記移動端末が、前記基地局が属するアクセスネットワークのトラフィック状態の悪化の通知を受けて、前記ベアラ解放通知メッセージを前記移動端末自身に送信すべき旨の情報(フラグ)を前記ゲートウェイ装置に登録し、前記ゲートウェイ装置は、前記送信すべき旨の情報に基づいて前記ベアラ解放通知メッセージを前記移動端末へ送信することは、好ましい態様である。
また、第2の実施の形態に係る発明によれば、移動端末に割り当てられた通信品質(QoS保証値)が維持できないことによってベアラが解放されることを回避する前記移動端末であって、前記移動端末自身が接続する基地局によるベアラ解放が開始されたことを検出するゲートウェイ装置によって送信された、前記ベアラ解放が開始された旨のベアラ解放通知メッセージを受信する受信手段と、受信した前記ベアラ解放通知メッセージに基づいて、割り当てられた前記通信品質を修正する処理を行う処理手段とを、備える移動端末が提供される。
また、第2の実施の形態に係る発明によれば、移動端末に割り当てられた通信品質(QoS保証値)が維持できないことによってベアラが解放されることを回避するゲートウェイ装置であって、前記移動端末が接続する基地局によるベアラ解放が開始されたことを検出する検出手段と、前記検出により、前記ベアラ解放が開始された旨のベアラ解放通知メッセージを生成するメッセージ生成手段と、生成された前記ベアラ解放通知メッセージを前記移動端末へ送信する送信手段とを、備えるゲートウェイ装置が提供される。
また、第2の実施の形態に係るゲートウェイ装置において、前記検出手段が、前記ベアラ解放の開始を検出した後、前記ベアラ解放の処理を中断させることは、好ましい態様である。
<第3の実施の形態>
本発明の第3の実施の形態の詳細な動作について説明する。図16は本発明の第3の実施の形態によるシステム構成を説明するための図であり、アクセスネットワーク10と、コアネットワーク20と、パケットデータネットワーク(PDN)30と、アクセスネットワーク10に接続してコアネットワーク20経由でPDN30と接続する移動端末(UE)100と、PDN30を介して移動端末100と通信を行う通信相手(CN:Correspondent Node)300と、また、移動端末100がPDN30に接続する際の接続制御を行うゲートウェイ装置(PGW:PDN Gateway)200と、PGW200に対してアクセスネットワーク10に対する移動端末100の局所的な接続制御を実施する局所ゲートウェイ装置(SGW:Serving Gateway)600と、移動端末100の移動管理を行う移動管理装置(MME:Mobility Management Entity)500と、移動端末100に対するアクセスネットワーク10の直接的なアタッチポイントとなる移動基地局(RN:Relay Node)800と、移動基地局800のアクセスネットワーク10におけるアタッチポイントとなる基地局装置(DeNB:Donor evolved Node B)400と、移動基地局800の移動管理を行う移動管理装置(RN−MME)900とが配備される。
本発明の第3の実施の形態では、第2の実施の形態で説明した内容に加え、さらに新たな課題を解決するものである。すなわち、図16において、通信エリア拡充を主な目的として移動基地局RN800が導入される場合、RN800はアクセスネットワーク10における基地局DeNB400にアタッチして無線ベアラを確立し、配下の移動端末UE100によるシグナリング及びユーザデータトラフィックを収容する。UE100はRN800にアタッチして無線ベアラおよびPGWとのコネクション(PDNコネクション)を確立し、CN300と通信を行う。
こうした状況において、RN800によるアクセスネットワークのカバレッジ向上に伴い、アクセスネットワークにおける端末収容数を増加できる一方で、RN800を直接的に、またUE100を間接的に収容するDeNB400においてリソース消費の増加が懸念される。これにより、リソース不足を理由にDeNB400がRN800のGBRベアラを解放するような状況が、より発生しやすくなるものと想定される。この場合、UE100がRN800との無線リンク状態の悪化から第2の実施の形態にて説明したベアラ切断抑制制御を行い、RN800によるGBRベアラ解放を抑止することは可能である。
しかし、実際には、RN800とDeNB400との間の無線リンク状態の悪化により、DeNB400がRN800のGBRベアラを解放してしまうことも想定され、UE100による判断だけではDeNB400によるベアラ解放まで抑止するのは不可能である。別の例では、UE100とRN800間の通信状態は良好であっても、RN800とDeNB400間の通信状態が悪化しているかもしれない。このときUE100はベアラ解放を抑止する制御を実施しないので、RN800のベアラが解放されることにより、結果的にUE100のベアラも解放されてしまう。
UE100がRN800とDeNB400間の無線リンクの状態を監視するのは、技術的に困難さを伴う。例えば、UE100は、UE100がアタッチしているRN800がどのDeNB400にアタッチしているかを、リアルタイムに判別する必要がある。RN800は移動可能であるため、複数のDeNB400間をハンドオーバすることもある。こうした状況は、RN800に接続中のDeNB400に関する情報を定期的あるいはハンドオーバの都度通知させる、などにより可能ではある。
しかしながら、さらにUE100は、自身の通信処理と並行して(例えば、無通信や応答待ちの時間を利用して)RN800とDeNB400間の無線状況を監視する必要がある。RN800とDeNB400間は、UE100とRN800間の接続とは異なる周波数で接続されることもあり、その場合UE100は通信デバイスの周波数サーチならびに周波数切り替え、同期、報知情報の読み出し、等の処理を行うことになるため、自身の通信への影響が大きい(例えば、データレート低減)、バッテリ消費量が増加、などの問題が発生する。
したがって、本発明では、UE100とRN800間、およびRN800とDeNB400間の無線状況に応じて所定の通信ベアラが不意に解放(リリース)されることを防ぐ方法について説明する。
以下、図17を用いて本発明の第3の実施の形態による方法の動作について詳しく説明する。図17は、本発明の第3の実施の形態におけるベアラ解放回避方法の一例を説明するためのシーケンスチャートである。
まず、RN800がアタッチ手順を実施する(ステップS1700)。これによってRN800とDeNB400の間に、UE100を収容するための無線ベアラを確立する。RN800のモビリティはRN−MME900が管理する。RN800がUE100を収容する準備(無線ベアラの確立など)を終えると、UE100がRN800を介してPDN30へのアタッチ手順を実施する(ステップS1701)。これにより、UE100、RN800、SGW600、PGW200を経由するPDNコネクション(EPSベアラ)が確立され、CN300と通信(データパケットの送受信)を行うことができるようになる(ステップS1702)。なお、ステップS1700及びステップS1701のアタッチ手順は、単に無線ベアラやPDNコネクションを追加するための手順であってもよく、その場合は手順の名称がアタッチ手順とは異なることがある(例えば、ベアラ追加手順やPDNコネクション追加手順など)。
続いてUE100は、ベアラ解放抑止フラグを含むパケットフィルタ更新メッセージを送信する(ステップS1704)。このメッセージは、MME500を介してPGW200に配送される。なお、UE100はアクセスシステムの状態を評価した結果、パケットフィルタ更新メッセージを送信するものであってもよい(ステップS1703)。アクセスシステムの状態評価は、第2の実施の形態にて説明したのと同じものであり、RN800とUE100間の無線状態に基づき、適切なタイミングでRN800によるベアラ解放を抑止させることができる。また、UE100は、RN800との間の無線状態の善し悪しによらず、新たにPDNコネクションを確立した直後にパケットフィルタ更新メッセージを送信するものであってもよい。これによって、RN800とDeNB400間の無線状態の悪化によってDeNB400がRN800のベアラを解放する場合にも対応させることができる。
PGW200は、パケットフィルタ更新メッセージを受信すると、該当するUE100のPDNコネクションに関するパケットフィルタを更新する(ステップS1705)。すなわち、対象であるPDNコネクションのパケットフィルタエントリに、ベアラ解放抑止フラグを付加する。
次に、RN800がUE100のベアラ解放を実施する場合の抑止処理について説明する。RN800が、UE100のベアラに対してQoS維持が難しいことなどを理由にベアラ解放を決定すると(ステップS1706)、ベアラ解放手順(Dedicated Bearer Deactivation Procedure)を開始する。すなわち、RN800がベアラ解放指示メッセージ(Bearer Release Indication)をMME500に送信する(ステップS1707)。これを受けて、MME500がベアラ削除コマンドメッセージ(Delete Bearer Command)をSGW600に送信すると、SGW600はそれをPGW200に転送する(ステップS1708)。
PGW200は、ベアラ削除コマンドメッセージを受信すると、メッセージから削除対象のベアラ(ベアラID等で識別する)を確認し、TFT並びにパケットフィルタを参照して、そのベアラに対してベアラ解放抑止が設定されているかを確認する(ベアラ解放抑止の設定の確認:ステップS1709)。削除対象のベアラに対してベアラ解放抑止が設定されていない場合、PGW200は通常の(すなわち、非特許文献2に示されるような)ベアラ解放手順を継続し、対象ベアラは解放される。削除対象のベアラに対してベアラ解放抑止が設定されている場合、PGW200は実施中のベアラ解放手順を中断(停止)し、UE100にベアラ解放手順が実施されていることを通知する(ベアラ解放通知メッセージ:ステップS1710)。
ベアラ解放通知メッセージには、解放対象のベアラIDを記載してもよい。また、特にベアラIDを記載しない場合でも、対象ベアラに関連するシグナリングプレーンやユーザプレーン上にベアラ解放通知メッセージを流すことによって、UE100が対象ベアラを特定できるようにするものであってもよい。
UE100がベアラ解放通知メッセージを受信すると、RN800が発行したベアラ解放を停止させて通信フローを維持させるため、対象ベアラのQoS値を減少させる設定を行う。具体的には、非特許文献2に示すようなベアラリソース修正手順(UE requested bearer resource modification procedure)を実施して、ネットワークに新たなQoS値を設定する。すなわちUE100は、ベアラリソース修正要求メッセージを送信する(ステップS1711)。MME500がこれを受信すると、SGW600にベアラリソースコマンドメッセージを送信し、SGW600はそれをPGW200に転送する(ステップS1712)。
これを受けてPGW200は、非特許文献2に示すようなPGW主導ベアラ修正手順(PGW initiated bearer modification procedure)を起動して、先に解放対象となったUE100のベアラに対するQoS設定を実行する(PGW主導ベアラ修正手順を起動:ステップS1713)。QoS設定が完了すると、PGW200は、先に停止させていたベアラ解放手順に対して、処理が失敗した旨の応答を送信する。
これは、例えば非特許文献4に示されるようなベアラ削除失敗通知(Delete Bearer Failure Indication)メッセージである。これにより、SGW600やMME500、基地局400は、ベアラ解放処理を実施することなく処理を完了する。UE100は、要求したQoS設定に基づいて更新されたベアラを用いて通信を継続させることができる。
ここで、RN800は既存の基地局(eNB)とは異なり、今後普及が見込まれる装置である。このことから、本発明による機能を搭載させることが可能であると考える。すなわち、UE100が送信するパケットフィルタ更新メッセージにベアラ解放抑止フラグが付加されていることを判別して、処理の最適化を行うことが可能である。具体的には、ベアラ解放抑止フラグを付加したパケットフィルタ更新メッセージ(これはNASメッセージとして処理される)を送信する際に、当該メッセージを転送するためのRRCメッセージにその旨を示す情報を付加して送信する。
例えば、RRCメッセージにも同様に、ベアラ解放抑止フラグを追加する。ここで、ベアラ解放抑止の対象となるベアラIDを追加してもよい(EPSベアラIDあるいは該当する無線ベアラID(例えばDRB識別子(DRB-ID));RN800は無線ベアラIDのみ評価するため、特別な変換処理が不要である後者(無線ベアラID)が望ましい)。RN800はRRCメッセージの情報を読み取って記憶し、それ以降に対象ベアラの解放を決断する際に、自発的に対象ベアラのQoSを低下させて解放を抑止したり、ベアラ解放通知メッセージをUE100に送信したり(これによりUE100が対象ベアラのQoSを調整)、あるいは無線状態のよい近隣基地局へハンドオーバ(特にマクロ基地局(eNB)などへのハンドオーバ)させたりするなど、UE100の対象ベアラを解放させずに済む処理を実施することもできる。
さらに、RN800に本発明による機能を追加する場合、DeNB400によるRN800のベアラ解放にも対応させることが可能である。これについて、ステップ14以降で説明する。DeNB400がRN800のベアラ解放を決定すると(ステップS1714)、ベアラ解放指示メッセージをRN−MME900に送信する(ステップS1715)。これを受けて、RN−MME900はベアラ解放の実施を決定し、ベアラ解放要求メッセージをDeNB400に送信する(ステップS1716)。DeNB400は、RRCコネクション再設定メッセージをRN800に送信する(ステップS1717)。RN800は、対象ベアラの解放を受理し、解放処理を開始するとともに、RRCコネクション再設定完了メッセージをDeNB400に送信する(ステップS1718)。これを受けてDeNB400がベアラ解放応答メッセージをRN−MME900に送信する(ステップS1719)。
ここで、RN800は解放対象であるベアラ(以下、RNベアラとも呼ぶ)が、先にUE100から抑止対象に指定されたUE100のベアラを収容するRNベアラであることを検出すると、そのUE100のベアラの収容先を他のRNベアラに切り替える(ステップS1720)。このとき、UE100のベアラを収容可能なQoS能力を有するRNベアラに切り替える。あるいは、RN800がUE100にベアラ解放通知メッセージを送信し、QoSリソースを削減するためのベアラリソース修正要求メッセージの送信を促してもよい。このとき、ベアラ解放通知メッセージに、RN800において収容可能なQoSパラメータを通知してもよい。
RN800はUE100の対象ベアラの収容先切り替えを完了すると、解放対象であるRN800のベアラコンテキストを解放し、コンテキスト解放応答メッセージをDeNB400経由でRN−MME900に送信する(ステップS1721)。
なお、UE100においてパケットフィルタ更新メッセージの送信を判断する際に、RN800からの通信品質情報を用いてもよい。特に、RN800がDeNB400−RN800間の通信品質情報を含めてUE100に通知するような場合は、UE100−RN800−DeNB400の無線状態をUE100が総合的に判断し、適したタイミングでベアラ解放抑止のためのフィルタ情報をPGW200に設定することができ、永続的にベアラ解放抑止のための情報をネットワーク側装置に設定しておく必要がなくなる。これにより、ネットワーク側装置のリソース効率化を図ることができる。
さらには、RN800がDeNB400−RN800間の無線状態を、UE100−RN800間の無線リンクに反映してもよい。例えば、DeNB400−RN800間の無線リンクにおけるパケットロス数を、UE100−RN800間の無線リンク上で再現させたり(同じ数のパケットをあえてロスさせる)、DeNB400がRN800に要求するのと同回数の再送要求をUE100に対して発行したり、DeNB400−RN800間の無線リンクと同等のアクセス状態(例えば、アクセス成功頻度、送受信成功頻度など)となるように、UE100に対するスロット割当て頻度を調整(例えば、意図的に下げる)したりすることにより、DeNB400−RN800間の無線状態を擬似的にUE100−RN800間の無線リンクに再現させる。これにより、RN800がUE100にDeNB400−RN800間の無線状態を明示的に通知する必要がなくなり、シグナリングトラフィックの削減を図ることができる。
また、UE100からベアラ解放抑止フラグ付きのパケットフィルタ更新メッセージが送信された際に、UE100とRN800間の無線品質は悪化しているが、RN800とDeNB400間の無線品質が良好であることをRN800が検出した場合、RN800はUE100に対する無線品質を向上させてもよい(例えば、RN800をUE100に近い位置に移動させる、UE100に対するリソース割り当てを増加する、など)。さらには、UE100からのパケットフィルタ更新メッセージを転送せずに破棄してもよい。これにより、不要なシグナリングによるトラフィック増加を抑えるとともに、PGW200による監視負荷を低減させることができる。
また、RN800を運用停止する等の場合、RN800あるいはMME500は、UE100からのベアラ解放抑止フラグ付きのパケットフィルタ更新メッセージを拒否するものであってもよい。その際、UE100に拒否理由(例えば、RN運用停止)を通知することで、UE100からのメッセージ再送を回避することができる。
次に、本発明の第3の実施の形態に係る移動基地局(RN)の動作の一例について図18、図19を用いて説明する。図18は本発明の第3の実施の形態に係るRNの構成の一例を説明するための構成図である。通信部803は、アクセスネットワーク10においてUE100やDeNB400と接続して通信を行うための通信処理を実施し、具体的にはUE100やDeNB400、またアクセスネットワーク10内の他のノードと通信するための通信プロトコル処理(ここではIPプロトコルを含む下位のプロトコル処理、例えばNASやAS、RRC処理を行うものとする)並びにモデム処理を実施する。
RN制御部801は、通信部803と連携しながら移動基地局(リレーノード)の動作を実施する。アクセスNW状態検出部802は、RNが接続しているアクセスネットワークの状態、すなわちトラフィックの混雑状況や収容端末の過密状態などを推定し、DeNBにおいてベアラQoSの維持が可能であるかを推測する。また、アクセスNW状態検出部802では、UEとの間の無線リンクの状態を検出することもできる。ベアラ管理部804は、本発明を実施するためのベアラ管理を行う。
本発明による方法は、主にベアラ管理部804に実装されるものとして、その動作の一例について図19を用いて説明する。
RN800は、RN制御部801の制御にもとづいて起動処理を行い、UEベアラを収容するためのRNベアラを確立する(ステップS1901)。この処理は、通信部803を介して行われるアタッチ手順に相当する。続いて、受信するデータ(メッセージ)が、UEからのベアラ解放抑止のためのパケットフィルタ更新メッセージであるかを判定する(ステップS1902)。この判定処理の詳細については、先に説明した通りである。パケットフィルタ更新メッセージであった場合は、解放抑止の対象となるベアラIDを抽出・格納し(ステップS1903)、上位ノード(ここではDeNB400)にメッセージを転送する(ステップS1904)。
受信データがパケットフィルタ更新メッセージではない場合は、さらにそのメッセージがRRCコネクション再設定メッセージであるかを判定する(ステップS1905)。RRCコネクション再設定メッセージである場合は、対応する処理の実施し、RRCコネクション再設定完了メッセージを送信する(ステップS1906)。ここで、RRCコネクション再設定の対象であるRNベアラが、解放抑止対象であるUEベアラに対応するもの(解放抑止対象であるUEベアラを収容するもの)であるかを判定する(ステップS1907)。
これは先にステップS1903で格納しておいたUEベアラIDとの対比により判定を実施する。解放抑止対象のUEベアラを収容するRNベアラが今回の解放対象である場合は、そのUEベアラを他のRNベアラに乗せ替える(切り替える)処理(具体的にはUEベアラコンテキストを新たなRNベアラにマッピングさせる処理)を行い(ステップS1908)、コンテキスト解放応答メッセージを送信する(ステップS1909)。対象UEベアラがない場合は、UEベアラの乗せ替えを行うことなくステップS1909を実施する。受信データがRRCコネクション再設定メッセージではない場合は、対応するメッセージ処理を実施する(ステップS1910)。
なお、UE装置の構成ならびに動作は、先の実施の形態にて説明したもの(すなわち図12、図13に示した構成ならびに動作)と同じであるため説明を割愛する。また、PGW装置の構成ならびに動作も、先に説明したもの(すなわち図14、図15に示した構成ならびに動作)と同じであるので説明を割愛する。
<第4の実施の形態>
本発明の第4の実施の形態の詳細な動作について説明する。図20は本発明の第4の実施の形態によるシステム構成を説明するための図であり、アクセスネットワーク10と、コアネットワーク20と、パケットデータネットワーク(PDN)30と、アクセスネットワーク10に接続してコアネットワーク20経由でPDN30と接続する移動端末(UE)100と、PDN30を介して移動端末100と通信を行う通信相手(CN:Correspondent Node)300と、また、移動端末100がPDN30に接続する際の接続制御を行うゲートウェイ装置(PGW:PDN Gateway)200と、PGW200に対してアクセスネットワーク10に対する移動端末100の局所的な接続制御を実施する局所ゲートウェイ装置(SGW:Serving Gateway)600と、移動端末100の移動管理を行う移動管理装置(MME:Mobility Management Entity)500と、移動端末100に対するアクセスネットワーク10の直接的なアタッチポイントとなる移動基地局(RN:Relay Node)800と、移動基地局800のアクセスネットワーク10におけるアタッチポイントとなる基地局装置(DeNB:Donor evolved Node B)400と、移動基地局800の移動管理を行う移動管理装置(RN−MME)900と、移動基地局800を収容するゲートウェイ装置(RN−S/PGW)1000とが配備される。
なお、RN−S/PGW1000は、PGW200とSGW600を、説明の便宜上、一つの機能であるかのように取り扱うものであり、実際にRN−SGWとRN−PGWのように物理的あるいは論理的に異なる装置で構成されるものであってもよい。
本発明の第4の実施の形態では、第3の実施の形態で説明した新たな課題を、第3の実施の形態で説明したのとは異なる形態でRNを収容するネットワークシステムにおいて解決するものである。すなわち、第3の実施の形態ではRNがS1ベアラのみ有し、UEのS1ベアラ及びEPSベアラを収容していたのに対し、第4の実施の形態ではRNがS1ベアラとEPSベアラを有し、UEのS1ベアラとEPSベアラを収容する点が異なる。
以下、図21を用いて本発明の第4の実施の形態による方法の動作について詳しく説明する。図21は、本発明の第4の実施の形態におけるベアラ解放回避方法の一例を説明するためのシーケンスチャートである。
まず、RN800がアタッチ手順を実施する(ステップ2101)。これによってRN800とRN−S/PGW1000の間にEPSベアラを確立し、UE100を収容することができるようになる。RN800のモビリティはRN−MME900が管理する。RN800がUE100を収容する準備を終えると、UE100がRN800を介してPDN30へのアタッチ手順を実施する(ステップS2102)。これにより、UE100、RN800、SGW600、PGW200を経由するPDNコネクション(EPSベアラ)が確立され、CN300と通信(データパケットの送受信)を行うことができるようになる(ステップS2103)。なお、ステップS2101及びステップS2102のアタッチ手順は、単にPDNコネクション(EPSベアラ)を追加するための手順であってもよく、その場合は手順の名称がアタッチ手順とは異なることがある(例えば、ベアラ追加手順やPDNコネクション追加手順など)。
続いてUE100は、ベアラ解放抑止フラグを含むパケットフィルタ更新メッセージを送信する(ステップS2105)。このメッセージは、MME500を介してPGW200に配送される。なお、UE100はアクセスシステムの状態を評価した結果、パケットフィルタ更新メッセージを送信するものであってもよい(ステップS2104)。アクセスシステムの状態評価は、第2の実施の形態にて説明したのと同じものであり、RN800とUE100間の無線状態に基づき、適切なタイミングでRN800によるベアラ解放を抑止させることができる。また、UE100は、RN800との間の無線状態の善し悪しによらず、新たにPDNコネクションを確立した直後にパケットフィルタ更新メッセージを送信するものであってもよい。これによって、RN800とDeNB400間の無線状態の悪化によってDeNB400がRN800のベアラを解放する場合にも対応させることができる。
PGW200は、パケットフィルタ更新メッセージを受信すると、該当するUE100のPDNコネクションに関するパケットフィルタを更新する(ステップS2106)。すなわち、対象であるPDNコネクションのパケットフィルタエントリに、ベアラ解放抑止フラグを付加する。なお、RN800がUE100のベアラ解放を実施する場合の抑止処理は、第3の実施の形態にて説明した動作と同じであるので、ここでは説明を割愛する。
ここで、RN800は既存の基地局(eNB)とは異なり、今後普及が見込まれる装置である。このことから、本発明による機能を搭載させることが可能であると考える。すなわち、UE100が送信するパケットフィルタ更新メッセージにベアラ解放抑止フラグが付加されていることを判別して、処理の最適化を行うことが可能である。具体的には、ベアラ解放抑止フラグを付加したパケットフィルタ更新メッセージ(これはNASメッセージとして処理される)を送信する際に、当該メッセージを転送するためのRRCメッセージにその旨を示す情報を付加して送信する。
例えば、RRCメッセージにも同様に、ベアラ解放抑止フラグを追加する。ここで、ベアラ解放抑止の対象となるベアラIDを追加してもよい(EPSベアラIDあるいは該当する無線ベアラID(例えば、DRB識別子(DRB-ID));RN800は無線ベアラIDのみ評価するため、特別な変換処理が不要である後者のIDが望ましい)。RN800はRRCメッセージの情報を読み取って記憶し、それ以降に対象ベアラの解放を決断する際に、自発的に対象ベアラのQoSを低下させて解放を抑止したり、ベアラ解放通知メッセージをUE100に送信したり(これによりUE100が対象ベアラのQoSを調整)、あるいは無線状態のよい近隣基地局へハンドオーバ(特にマクロ基地局(eNB)などへのハンドオーバ)させたりするなど、UE100の対象ベアラを解放させずにすむ処理を実施することもできる。
さらに、RN800に本発明による機能を追加する場合、DeNB400によるRN800のベアラ解放にも対応させることが可能である。これについて、ステップ7以降で説明する。RN800がUE100によるベアラ解放抑止フラグを含むパケットフィルタ更新メッセージの送信を検出すると、解放抑止の対象となるベアラを特定する(ステップS2107)。これは、パケットフィルタ更新メッセージを転送するUE100の無線ベアラIDから、そのベアラを収容するRN800のベアラ(ID)を導き出すものであってもよいし、先に示したようにUE100からRRCメッセージの中で指示されたベアラIDをもとに、そのベアラを収容するRN800のベアラ(ID)を導き出すものであってもよい。
続いてRN800は、ベアラ解放抑止フラグを含むパケットフィルタ更新メッセージを送信する(ステップS2108)。このメッセージは、RN−MME900を介してRN−S/PGW1000に配送される。RN−S/PGW1000(の特にPGW装置に相当する処理部)は、パケットフィルタ更新メッセージを受信すると、該当するRN800のPDNコネクションに関するパケットフィルタを更新する(ステップS2109)。すなわち、対象であるPDNコネクションのパケットフィルタエントリに、ベアラ解放抑止フラグを付加する。
DeNB400が、RN800のベアラに対してQoS維持が難しいことなどを理由にベアラ解放を決定すると(ステップS2110)、ベアラ解放手順(Dedicated Bearer Deactivation Procedure)を開始する。すなわち、DeNB400がベアラ解放指示メッセージ(Bearer Release Indication)をRN−MME900に送信する(ステップS2111)。これを受けて、RN−MME900がベアラ削除コマンドメッセージ(Delete Bearer Command)をRN−S/PGW1000に送信する(ステップS2112)。
RN−S/PGW1000は、ベアラ削除コマンドメッセージを受信すると、メッセージから削除対象のベアラ(ベアラID)を確認し、TFT並びにパケットフィルタを参照して、そのベアラに対してベアラ解放抑止が設定されているかを確認する(ベアラ解放抑止の設定の確認:ステップS2113)。削除対象のベアラに対してベアラ解放抑止が設定されていない場合、RN−S/PGW1000は通常の(すなわち非特許文献2に示されるような)ベアラ解放手順を継続し、対象ベアラは解放される。削除対象のベアラに対してベアラ解放抑止が設定されている場合、RN−S/PGW1000は実施中のベアラ解放手順を中断(停止)し、RN800にベアラ解放手順が実施されていることを通知する(ベアラ解放通知メッセージ:ステップS2114)。
ベアラ解放通知メッセージには、解放対象のベアラIDを記載してもよい。また、特にベアラIDを記載しない場合でも、対象ベアラに関連するシグナリングプレーンやユーザプレーン上にベアラ解放通知メッセージを流すことによって、RN800が対象ベアラを特定できるようにするものであってもよい。
RN800がベアラ解放通知メッセージを受信すると、DeNB400が発行したベアラ解放を停止させて通信フローを維持させるため、対象ベアラに対するQoS値を減少させる設定を行う。具体的には、非特許文献2に示すようなベアラリソース修正手順(UE requested bearer resource modification procedure)を実施して、ネットワークに新たなQoS値を設定する。すなわちRN800は、ベアラリソース修正要求メッセージを送信する(ステップS2115)。RN−MME900がこれを受信すると、RN−S/PGW1000にベアラリソースコマンドメッセージを送信する(ステップS2116)。これを受けてRN−S/PGW1000は、非特許文献2に示すようなPGW主導ベアラ修正手順(PGW initiated bearer modification procedure)を起動して、先に解放対象となったRN800のベアラに対するQoS設定を実行する(PGW主導ベアラ修正手順を起動:ステップS2117)。QoS設定が完了すると、RN−S/PGW1000は、先に停止させていたベアラ解放手順に対して、処理が失敗した旨の応答を送信する。
これは、例えば非特許文献4に示されるようなベアラ削除失敗通知(Delete Bearer Failure Indication)メッセージである。これにより、RN−S/PGW1000(の特にSGW装置に相当する処理部)やRN−MME900、DeNB400は、ベアラ解放処理を実施することなく処理を完了する。RN800は、要求したQoS設定に基づいて更新されたベアラを用いて通信を継続させることができる。
なお、RN800は、ベアラ解放通知メッセージを受信したときに、そのベアラが収容するUE100のベアラの収容先を他のRNベアラに切り替えるものであってもよい。このとき、UE100のベアラを収容可能なQoS能力を有するベアラに切り替える。あるいは、RN800がUE100にベアラ解放通知メッセージを送信し、QoSリソースを削減するためのベアラリソース修正要求メッセージの送信を促してもよい。このとき、ベアラ解放通知メッセージに、RN800において収容可能なQoSパラメータを通知してもよい。RN800はUE100の対象ベアラの収容先切り替えを完了すると、所定の手続きを用いて、解放対象であるRN800のベアラを解放する。
また、UE100においてパケットフィルタ更新メッセージの送信を判断する際に、RN800からの通信品質情報を用いてもよい。特に、RN800がDeNB400−RN800間の通信品質情報を含めてUE100に通知するような場合は、UE100−RN800−DeNB400の無線状態をUE100が総合的に判断し、適したタイミングでベアラ解放抑止のためのフィルタ情報をPGW200に設定することができ、永続的にベアラ解放抑止のための情報をネットワーク側装置に設定しておく必要がなくなる。これにより、ネットワーク側装置のリソース効率化を図ることができる。さらには、RN800がDeNB400−RN800間の無線状態を、UE100−RN800間の無線リンクに反映してもよい。
例えば、DeNB400−RN800間の無線リンクにおけるパケットロス数を、UE100−RN800間の無線リンク上で再現させたり(同じ数のパケットをあえてロスさせる)、DeNB400がRN800に要求するのと同回数の再送要求をUE100に対して発行したり、DeNB400−RN800間の無線リンクと同等のアクセス頻度となるように、UE100に対するスロット割当て頻度を調整(例えば、意図的に下げる)したりすることにより、DeNB400−RN800間の無線状態を擬似的にUE100−RN800間の無線リンクに再現させる。これにより、RN800がUE100にDeNB400−RN800間の無線状態を明示的に通知する必要がなくなり、シグナリングトラフィックの削減を図ることができる。
また、UE100からベアラ解放抑止フラグ付きのパケットフィルタ更新メッセージが送信された際に、UE100とRN800間の無線品質は悪化しているが、RN800とDeNB400間の無線品質が良好であることをRN800が検出した場合、RN800はUE100に対する無線品質を向上させてもよい(例えば、RN800をUE100に近い位置に移動させる、UE100に対するリソース割り当てを増加する、など)。さらには、UE100からのパケットフィルタ更新メッセージを転送せずに破棄してもよい。これにより、不要なシグナリングによるトラフィック増加を抑えるとともに、PGW200による監視負荷を低減させることができる。
また、RN800を運用停止する等の場合、RN800あるいはMME500は、UE100からのベアラ解放抑止フラグ付きのパケットフィルタ更新メッセージを拒否するものであってもよい。その際、UE100に拒否理由(例えば、RN運用停止)を通知することで、UE100からのメッセージ再送を回避することができる。
次に、本発明の第4の実施の形態に係る移動基地局(RN)の動作の一例について図22、図23を用いて説明する。図22は本発明の第4の実施の形態に係るRNの構成の一例を説明するための構成図である。通信部813は、アクセスネットワーク10においてUE100やDeNB400と接続して通信を行うための通信処理を実施し、具体的にはUE100やDeNB400、またアクセスネットワーク10内の他のノードと通信するための通信プロトコル処理(ここではIPプロトコルを含む下位のプロトコル処理、例えばNASやAS、RRC処理を行うものとする)並びにモデム処理を実施する。
RN制御部811は、通信部813と連携しながら移動基地局(リレーノード)の動作を実施する。アクセスNW状態検出部812は、RNが接続しているアクセスネットワークの状態、すなわちトラフィックの混雑状況や収容端末の過密状態などを推定し、DeNBにおいてベアラQoSの維持が可能であるかを推測する。また、アクセスNW状態検出部812では、UEとの間の無線リンクの状態を検出することもできる。ベアラ管理部814は、本発明を実施するためのベアラ管理を行う。フィルタ管理部815は、本発明を実施するためのパケットフィルタの構築と管理を行う。なお、通信部813は、フィルタ管理部815が構築したパケットフィルタ情報に基づいて、送信パケットを伝送するPDNコネクションやベアラを決定する。
本発明による方法は、主にベアラ管理部814に実装されるものとして、その動作の一例について図23を用いて説明する。RN800は、RN制御部811の制御に基づいて起動処理を行い、UEベアラを収容するためのRNベアラを確立する(ステップS2301)。この処理は、通信部813を介して行われるアタッチ手順に相当する。続いて、受信するデータ(メッセージ)が、UEからのベアラ解放抑止のためのパケットフィルタ更新メッセージであるかを判定する(ステップS2302)。
この判定処理の詳細については、先に説明した通りである。パケットフィルタ更新メッセージであった場合は、解放抑止の対象となるベアラIDを抽出・格納し(ステップS2303)、上位ノード(ここではDeNB400)にメッセージを転送する(ステップS2304)。さらにフィルタ管理部815が、解放抑止対象であるUEベアラを収容するRNベアラに対してベアラ解放抑止フラグ(あるいは相当の情報)をONにしたパケットフィルタ(エントリ)をRN−S/PGW1000(のPGW装置に相当する処理部)に登録するためのパケットフィルタ更新メッセージを生成して送信する(ステップS2305)。
受信データがパケットフィルタ更新メッセージではない場合は、さらにそのメッセージがベアラ解放通知メッセージであるかを判定する(ステップS2306)。ベアラ解放通知メッセージである場合は、第2の実施の形態において説明したUE100が実施するベアラQoSの調整処理と同等の処理を、ベアラ解放通知メッセージによって通知される対象RNベアラに対して実施する(ステップS2307)。受信データがベアラ解放通知メッセージではない場合は、対応するメッセージ処理を実施する(ステップS2308)。
なお、UE装置の構成ならびに動作は、先の実施の形態にて説明したもの(すなわち図12、図13に示した構成ならびに動作)と同じであるため説明を割愛する。また、PGW装置の構成ならびに動作も、先に説明したもの(すなわち図14、図15に示した構成ならびに動作)と同じであるので説明を割愛する。
なお、上記各実施の形態の説明に用いた各機能ブロックは、典型的には集積回路であるLSIとして実現される。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部又はすべてを含むように1チップ化されてもよい。ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路又は汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。さらには、半導体技術の進歩又は派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。例えばバイオ技術の適応などが可能性としてあり得る。
また、上記各実施の形態においては、パケット受信する通信ノードを特に移動端末100としたが、移動端末100は特に移動を伴ったり、移動に対応する機能を有するノードである必要はなく、特定の場所に据え付けられたノードであったり、移動に対応する機能を有しないノード、また移動を伴わないノードであってもよい。
また、上記各実施の形態において説明したパケット廃棄通知メッセージやベアラ解放通知メッセージは、単体のメッセージである必要はなく、パケット廃棄を通知する情報やベアラ解放を通知する情報を含むフィールドを有する他のメッセージであってもよい。例えば、他の目的を持つメッセージにパケット廃棄やベアラ解放を通知するための情報を含むフィールドを重畳したようなものであってもよい。
本発明のパケット回復方法、パケット回復システム、その方法で用いられる移動端末及び中間装置(ゲートウェイ装置)は、PGW200が所定のQoS値を超える流量のパケットを廃棄する際に、廃棄パケットが対応付けられるベアラとそのベアラを保有するUE100を容易に特定できるので、PGW200の負荷を特に増加させることなく、パケット廃棄(パケット廃棄タイミング)をリアルタイムにUE100に通知して、UE100が再送要求などのパケットリカバリ処理を実施することで通信効率を向上させることができ、また、UE100が設定するTFTを参照して、パケット廃棄通知の要否を確認することにより、UE100が必要とする通信フローのパケット廃棄だけを通知することができ、コアネットワークやアクセスネットワークのトラフィックを無意味に増加させたり、UE100やPGW200自身の処理負荷を無意味に増加させたりすることなく、適した通信フローの状態をUE100に通知して、適正に再送制御処理を実施させることができるので、パケット通信においてパケットロスが発生した際に迅速な復旧を行わせるためのパケット回復方法、パケット回復システム、その方法で用いられる移動端末及び中間装置(ゲートウェイ装置)などに有用である。

Claims (18)

  1. 移動端末と前記移動端末の通信相手装置との間で送受信されるパケットのうち、前記移動端末と前記通信相手装置との通信経路上に配置された中間装置によって廃棄されたパケットを回復するためのパケット回復方法であって、
    前記中間装置が、パケットを廃棄したことを通知する廃棄通知メッセージの送信を必要とする通信フローの情報に基づいて前記廃棄通知メッセージを前記移動端末へ送信するステップと、
    前記移動端末が、前記廃棄通知メッセージに基づいて、廃棄された前記パケットの再送を要求する再送要求メッセージを前記通相手信装置へ送信するステップとを、
    有するパケット回復方法。
  2. 前記移動端末は、前記通信フローの情報を前記中間装置に事前に登録する請求項1に記載のパケット回復方法。
  3. 前記通信フローの情報は、前記移動端末が通信を行っているポート番号単位で登録される請求項2に記載のパケット回復方法。
  4. 前記通信フローの情報は、前記移動端末が通信を行っている通信相手のアドレス単位で登録される請求項2に記載のパケット回復方法。
  5. 前記通信フローの情報は、前記移動端末が通信を行っているプロトコル単位で登録される請求項2に記載のパケット回復方法。
  6. 前記通信フローの情報は、QCI単位で登録される請求項2に記載のパケット回復方法。
  7. 前記中間装置は、廃棄したパケットが所定の数に達した場合に前記廃棄通知メッセージを送信する請求項1から6のいずれか1つに記載のパケット回復方法。
  8. 前記中間装置は、前記廃棄通知メッセージを前記移動端末へ送信する際、自発的なパケットの再送制御をする必要がないことを示すメッセージを前記通信相手装置へ送信する請求項1に記載のパケット回復方法。
  9. 移動端末と、前記移動端末の通信相手装置と、前記移動端末と前記通信相手装置との通信経路上に配置された中間装置とを備え、廃棄されたパケットの回復を行うパケット回復システムであって、
    前記中間装置が、前記移動端末と前記通信相手装置との間で送受信されるパケットを廃棄した場合に、パケットを廃棄したことを示す廃棄通知メッセージの送信を必要とする通信フローの情報に基づいて前記廃棄通知メッセージを前記移動端末へ送信し、
    前記移動端末が、前記廃棄通知メッセージに基づいて、廃棄された前記パケットの再送を要求する再送要求メッセージを前記通信相手装置へ送信するパケット回復システム。
  10. 前記移動端末は、前記通信フローの情報を前記中間装置に事前に登録する請求項9に記載のパケット回復システム。
  11. 前記通信フローの情報は、前記移動端末が通信を行っているポート番号単位で登録される請求項10に記載のパケット回復システム。
  12. 前記通信フローの情報は、前記移動端末が通信を行っている通信相手のアドレス単位で登録される請求項10に記載のパケット回復システム。
  13. 前記通信フローの情報は、前記移動端末が通信を行っているプロトコル単位で登録される請求項10に記載のパケット回復システム。
  14. 前記通信フローの情報は、QCI単位で登録される請求項10に記載のパケット回復システム。
  15. 前記中間装置は、廃棄したパケットが所定の数に達した場合に前記廃棄通知メッセージを送信する請求項9から14のいずれか1つに記載のパケット回復システム。
  16. 前記中間装置は、前記廃棄通知メッセージを前記移動端末へ送信する際、自発的なパケットの再送制御をする必要がないことを示すメッセージを前記通信相手装置へ送信する請求項9に記載のパケット回復システム。
  17. 移動端末と前記移動端末の通信相手装置との間で送受信されるパケットのうち、前記移動端末と前記通信相手装置との通信経路上に配置された中間装置によって廃棄されたパケットの回復を行う前記移動端末であって、
    パケットを廃棄したことを通知する廃棄通知メッセージを前記中間装置から受信する受信手段と、
    受信した前記廃棄通知メッセージに基づいて、廃棄された前記パケットの再送を要求する再送要求メッセージを生成するメッセージ生成手段と、
    生成された前記再送要求メッセージを前記通信相手装置へ送信する送信手段とを、
    備える移動端末。
  18. 移動端末と前記移動端末の通信相手装置との通信経路上に配置され、前記移動端末と前記通信相手装置との間で送受信されるパケットを廃棄する中間装置であって、
    パケットを廃棄したことを通知する廃棄通知メッセージの送信を必要とする通信フローの情報に基づいて前記廃棄通知メッセージを生成するメッセージ生成手段と、
    生成された前記廃棄通知メッセージを前記移動端末へ送信する送信手段とを、
    備える中間装置。
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