JPWO2011030906A1 - 歯牙切削装置及び歯牙修復システム - Google Patents
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Abstract
【課題】担当医師の技量によらず高い切削精度を達成する。【解決手段】切削対象の歯Tの画像情報を取得し、取得した画像情報をもとに、前記歯Tの切削想定領域を近似する複数の連続的な線セグメントsを設定する。設定した線セグメントsをもとに、前記歯Tの切削想定領域を再現する形成外形Pを所定の規則に従って作成する。作成した形成外形Pに沿って前記歯を自動的に切削するか、切削工具を用いて前記歯を切削する操作者に対し、作成した形成外形に沿って切削が進められるように促す案内を提供する。
Description
本発明は、歯牙切削装置及び方法に関し、より詳細には、形成外形の設計を自動的に行う装置及び方法に関する。
歯牙形成の精度向上は、臨床的な意義が大きいことから、これまでにも平行形成に関連した様々な研究が国内外で行われている。これらの研究は、次のように大別することができる。
第1は、ドリル等の切削工具を先端部に備える歯科用ハンドピース(以下、単に「ハンドピース」という。)の運動を、機械的に平行移動に制限するものである。そして、第2は、ハンドピースに水準器等を取り付けて、その傾きを確認しながら切削作業を進められるようにするものである。しかしながら、これらの技術は、いずれも歯科医師がハンドピースを手に持ち、歯牙形成に際して頭の中で想定した切削後の形態のイメージに従って切削を実行するものであることから、切削精度が担当医師の技量に大きく依存するという問題がある。仮に担当医師が適切なイメージを持つことができたとしても、完全にそのイメージ通りに切削を達成することは、技量の個人差もあって困難である。
このような切削精度の問題を考慮した技術として、次のようなものが存在する。ハンドピースにその傾斜角度が検出可能な傾斜センサを取り付け、切削時におけるハンドピースの実際の傾斜角度を、センサ出力値に基づくフィードバック制御によって自動調整するものである(非特許文献1)。
「コンピュータ支援による歯科切削装置の開発」(歯科材料・器械、11巻6号、974〜984、1992)
しかしながら、上記の関連技術には、歯科医師が想定した歯牙形態のイメージに従ってハンドピースを手で操作するものであることに変わりはなく、技量の問題が依然として残ることに加え、平行形成の精度向上に関して一定の効果が得られるものの、従来のハンドピース同様の工具操作性を重視したことから、その効果が限定的であるという問題がある。歯牙形成は、鋳造及び歯科用CAD/CAM(コンピュータ支援設計及び製造)による修復物の製作の出発点であり、以降全ての工程に大きな影響を及ぼすことから、担当医師の技量によらず高い切削精度を達成することが望まれる。
本発明は、以上の問題を考慮した歯牙切削装置及び方法を提供するものである。本発明に係る装置及び方法は、切削対象の歯の画像情報を取得し、取得した画像情報をもとに、前記歯の切削想定領域を近似する複数の連続的な直線又は曲線のセグメントを設定する。そして、設定したセグメントをもとに、前記切削想定領域を再現する形成外形を所定の規則に従って作成し、作成した形成外形に沿って前記歯を切削する。
ここで、前記歯の切削は、自動制御工具によって行うようにしてもよいが、切削工具を手に持って歯を切削する操作者に対し、前記外形作成手段が作成した形成外形に沿って切削が進められるように促す案内を提供してもよい。この案内は、例えば、作成した形成外形を歯の表面に投影したものであってよい。前記画像情報が示す前記歯の画像を画面に表示して、担当医師である操作者に対して前記画像の歯科的特徴点の入力を促し、前記セグメントは、入力された歯科的特徴点のうち隣り合う点を繋いで設定するのが好ましい。そして、設定したセグメントを前記画像に重ねて表示し、これを画面上で移動又は変形させることによってセグメント及び形成外形を修正可能とするとよい。
本発明のセグメントは、複数の態様のセグメントを含んで構成することができ、そのようなセグメントとして、例えば、一端が開放され、他端で他のセグメントと接続する第1のセグメントと、両端で他のセグメントと接続する第2のセグメントと、を含んでよい。
形成外形は、前記歯の切削想定領域を幾何学的に再現するものであるのが好ましく、そのような形態において、形成外形の作成に関する規則は、設計パラメータを用いて設定することが可能である。例えば、設計パラメータは、形成外形のうち第1のセグメントに対応する凸部の最小曲率半径及びこの凸部に付与するテーパ角、ならびに接続点を共有する複数の第1のセグメントが形成する鳩尾形部の脹らみ角を含んでよい。設計パラメータは、操作者によって設定可能であるのが好ましい。
本発明は、担当医師が持つ形成形態のイメージ(切削想定領域)を形成外形として再現し、再現した領域(形成外形)に沿って対象組織を自動的に切削し、又は担当医師が形成外形に沿って切削を進められるように案内する。ここで、形成外形は、切削想定領域を近似するセグメントをもとに、所定の規則に従って作成するものであり、この作成に関する規則は、対象とする歯のう蝕範囲又は歯質等を考慮して適切に設定することが可能である。従って、本発明によれば、セグメントの設定という簡単な工程の採用によって技量の影響をできる限り排除するとともに、実際の切削を自動制御によって又は担当医師に対して案内を提供することによって行うことで、担当医師の技量によらず高い切削精度を達成することができる。
本発明に関する他の目的及び特徴は、添付の図面を参照した以下の説明により理解することができる。
優先権主張の基礎となる日本国特許出願第2009−212305号の内容は、その全体が本願の一部として組み込まれ、参照される。
以下に図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
(概要)
本発明の一実施形態では、人の下顎の右側又は左側第1大臼歯を切削対象の組織としてそれらの1級インレー窩洞を設計し、設計した窩洞の外形(「形成外形」に相当し、以下「形成外形」という。)に沿って切削を実行する。本実施形態では、実際の歯の切削を自動制御によって行う。
本発明の一実施形態では、人の下顎の右側又は左側第1大臼歯を切削対象の組織としてそれらの1級インレー窩洞を設計し、設計した窩洞の外形(「形成外形」に相当し、以下「形成外形」という。)に沿って切削を実行する。本実施形態では、実際の歯の切削を自動制御によって行う。
本実施形態において、形成外形は、対象とする大臼歯(以下「対象歯」という。)Tの切削想定領域を幾何学的に再現したものであり、設計又は作成の始点として対象歯Tの咬合面の裂溝を採用する。パーソナルコンピュータとして構成される演算ユニット1に接続したディスプレイ7上に対象歯Tの画像を表示するとともに、その咬合面の画像に、複数の連続的なセグメント(本実施形態では、線分)を重ねて表示する。そして、設計パラメータとして凸部の最小曲率半径r及びテーパ角θ、ならびに鳩尾形部の脹らみ角ψを採用し、これらの設計パラメータr,θ及びψを用いた所定の規則によって形成外形を作成する。形成外形の作成に関する規則(以下「作成規則」という。)は、ビジュアルプログラミング言語等によって実現することが可能である。
本装置の操作者(一般的には、歯の治療を担当する歯科医師)によってセグメントが設定され、かつ設計パラメータが設定されると、形成外形がソフトウェアによって作成される。本実施形態において、形成外形は、凸部と凹部とを有する閉曲線によって表し、この形成外形のうち最も狭い部分は、切削工具の直径と等しいか又はそれよりも大きな値の幅を有する。このことは、切削工具の窩洞全体に対する到達可能性を確保するうえで重要である。本実施形態では、ディスプレイ7上でセグメントを移動又は変形させたり、設計パラメータを変えたりすることで、形成外形を調整することが可能である。
以下の説明では、大臼歯の1級インレー窩洞を形成することとし、理解をより簡単にするため、切削工具の直径を一定とし、エナメル(縁ベベル)の仕上げを行うことなく、窩洞の2次元的な外形のみに着目する。
(歯牙切削装置の構成)
図1は、本実施形態に係る切削装置(以下「本装置」という。)の構成を概念的に示している。
図1は、本実施形態に係る切削装置(以下「本装置」という。)の構成を概念的に示している。
本装置は、パーソナルコンピュータとして構成される演算ユニット1を備え、この演算ユニット1は、セグメント設定部101、外形作成部102、画像変換部103、制御信号発生部104及び通信インターフェース105を含んでいる。これらの部分101〜105のうち、セグメント設定部101が「セグメント設定手段」に、外形作成部102が「外形作成手段」に対応し、制御信号発生部104、ならびに後述する駆動ユニット3及び切削工具9が「切削手段」に対応する。そして、演算ユニット1は、その周辺装置として、カメラ2、切削工具9及びその駆動ユニット3、プローブ4、マウス5、キーボード6、ディスプレイ7、ならびに停止スイッチ8を備えている。カメラ2は、「画像情報取得手段」に対応するものであり、対象歯Tを撮影し、その画像情報を演算ユニット1に送信する。駆動ユニット3は、後に述べるように、切削工具9をx,y及びzの3軸方向に駆動可能に構成される。プローブ4は、後述する切削開始点の設定及び形成後の窩洞の計測のために設けられ、本実施形態では、接触プローブが採用される。プローブ4として、レーザ等を用いた光学的な手法によって計測を行う、非接触型のプローブを採用してもよいことは勿論であり、この非接触プローブによれば、形成後の窩洞のより詳細な計測が可能である。カメラ2による画像情報の取得及びプローブ4による窩洞の計測は、対象歯Tを対象として口腔内で行うことが可能であるが、口腔内の模型(例えば、石膏模型)を作成し、この模型における対象歯について行うようにしてもよい。プローブ4によって取得した計測情報は、演算ユニット1の通信インターフェース105を介して出力され、ネットワークを介して図示しない補綴物の製作ファシリティに提供される。ここで、プローブ4は、「寸法情報取得手段」に対応し、通信インターフェース105は、「情報出力手段」に対応する。マウス5等の入力装置は、操作者がセグメントを設定し、形成外形の作成規則を設定する際に使用される。ディスプレイ7は、操作者が目視可能な位置に配置され、切削に際して対象歯Tの画像を表示するとともに、後に述べるように、セグメント及び形成外形を表示する。停止スイッチ8は、「保全手段」を構成し、治療対象者が不意な動きをした場合に、本装置を強制的に停止するために操作者によって起動されるものである。本実施形態では、切削工具9として既存のモータ駆動又はエアタービン駆動型のハンドピースを採用している。ハンドピースは、手持ちでの操作に適した設計であるが、切削工具9は、これに限らず、自動形成専用の設計とするのが好ましく、例えば、胴部をより細身に形成することが可能である。さらに、切削工具9は、カメラ2及びプローブ4と一体に構成してもよい。
図2は、本装置(切削工具9及びその駆動ユニット3)の構成を側面視によって示している。
切削工具9は、駆動ユニット3の可動ステージ31(太線によって強調して示す。)に固定されており、アクチュエータ32a〜32cによってこの可動ステージ31とともにx,y及びzの各軸方向に駆動される。可動ステージ31は、駆動ユニット3の基盤3aに対して相対的に3軸方向に移動可能である。本実施形態において、駆動ユニット3は、モータを内蔵した3つのストロークアクチュエータ(線形アクチュエータ)32a〜32cを組み合わせて構成され、第1のアクチュエータ32aによってx軸方向の動きが、第2のアクチュエータ32b(紙面に対して反対側の側面に位置し、二点鎖線によってその外形のみを示す。)によってy軸方向の動きが、第3のアクチュエータ32cによってz軸方向の動きが付与される。切削工具9と可動ステージ31とは、切削工具9の胴部を包囲するブラケット33を介して結合されている。切削ユニット(切削工具9及びブラケット33)は、保守管理及び部品の交換、又は他のユニットとの交換等のため、駆動ユニット3に対して着脱可能な構成であるとよい。着脱を容易にすると同時に装着時のガタを最小限に抑えるため、ネジ等の機械的な位置決め・固定機構に加えて永久磁石の磁力等を用いた磁気的な機構を併用してもよく、本実施形態では、駆動ユニット3の可動ステージ31に対向する部位に磁石3aが取り付けられている。演算ユニット1から駆動方向に応じたアクチュエータ32a〜32cに制御信号が供給されることで、対応するアクチュエータ32a〜32cが作動し、切削工具9が駆動される。
駆動ユニット3は、歯科用レントゲン装置のようにバランスアーム等に装着することで、治療対象者に対して位置決め可能に支持することが可能であり、歯科用ユニットにおいて一体的に搭載することができる。駆動ユニット3は、キャスターを用いて可動式に構成してもよい。
図3は、歯の固定装置の構成を示している。
本実施形態では、印象用トレー41及び印象材42を用いて固定装置(「位置固定手段」に対応する。)を構成する。トレー41の本体41aによって歯列全体又は一部を覆い、本体41aと歯列(具体的には、対象歯T以外の歯)との間に印象材42を充填することで、トレー41と歯列とを弾性的に固定する。そして、トレー41の柄部41bを、駆動ユニット3の基盤3aに立設した接続ユニット51に取り付けることで、対象歯Tと基盤3aとの位置関係を決定する。本実施形態では、接続ユニット51にボールジョイント51aを用いることで、治療対象者の姿勢によらず、対象歯Tの咬合面と切削工具9とのなす角度を適切に設定し、維持可能としている。接続ユニット51に対するトレー41の固定は、トレー41の柄部41bに設けられた穴(印象取得に通常用いられるトレーには、収納時にぶら下げるための穴を有するものがある。)を利用することが可能である。トレー41の柄部41b又は接続ユニット51の一方又は両方にトレー41の回転を防止するための構造を設けるのが好ましい。本実施形態では、トレー41の柄部41bに設けられた穴にネジ51bを通して接続ユニット51に固定するとともに、接続ユニット51においてトレー41の柄部41bの幅に溝g(図2)を設け、この溝gに柄部41bを嵌め込むようにしている。トレー41の着脱を容易にすると同時に装着時のガタを最小限に抑えるため、溝g等による機械的な位置決め・固定機構に加えて永久磁石51cの磁力等を用いた磁気的な機構を併用してもよい。
このように、本実施形態では、印象用トレー41と歯列との間に印象材42を介在させているため、歯列の歯に対してトレー41が直接には接触していないが、トレー41において、本体41aの内面から内向きに突出する1又は複数の突起を設け、この突起を歯列の歯に接触させて、対象歯Tを固定するようにしてもよい。例えば、(下顎の右側大臼歯を切削対象とする場合は、)トレー41の本体41aにおいて、歯列の右側小臼歯、左側小臼歯及び左側大臼歯の各咬合面に対応する3箇所の位置に突起を設け、トレー41と歯列との間に印象材42を充填するとともに、これらの突起が各咬合面に達するまでトレー41を歯列に押し付けることで、トレー41を歯に直接接触させる。これにより、印象材42に起因する弾性の影響を抑え、対象歯Tのより確実な固定が可能となる。
さらに、印象材42と歯列との間の空間を真空ポンプによって積極的に排気し、この空間を陰圧に保つようにしてもよい。ここで、真空ポンプの吸引圧力を調整する真空レギュレータを設け、適度な陰圧に制御する。真空ポンプの保護及び配管内の汚染防止のため、印象用トレー41と真空ポンプとの間に水分又は異物用のトラップを設けるとよく、トラップに水位センサを設置し、トラップの満水を検出することで、溜まった水分等を適宜廃棄する。トレー41が歯列から外れた場合は、上記空間の圧力が上昇して、陰圧から略大気圧に戻るため、上記空間の圧力を固定装置に関する異常判断の指標として用いることができる。例えば、上記空間の圧力を検出する圧力センサを設け、その圧力検出値を演算ユニット1に入力する。そして、上記空間の圧力が略大気圧に戻ったことが圧力検出値から判断された場合に、切削工具9による切削を停止させる。これらの真空ポンプ(真空レギュレータを含む。)及び圧力センサは、「位置固定手段」を構成するものである。治療対象者の口腔内にインプラントが植立されている場合は、そのフィクスチャーを固定源に採用することも可能である。
印象用トレー41には、治療対象者の不意の動きを検出する「保全手段」を取り付けてもよい。本実施形態では、「保全手段」として加速度センサ11を採用している。加速度センサ11は、図1,3に示すように、トレー41の本体41a(例えば、右側の臼歯部を切削対象とする場合は、切削工具9の動きに影響のない左側の臼歯部又は前歯部に対応する本体41aの上面)又は柄部41bに取り付けることで、切削工具9の動作と干渉することなく、トレー41の動きから治療対象者の不意の動きを検出することが可能である。加速度センサ11は、トレー41に限らず、対象歯T若しくは歯列中の他の歯、又は本装置の基盤3a側の部分(例えば、接続ユニット51)に取り付けてもよく、これらのうち複数の箇所に取り付けることも可能である。加速度センサ11の出力は、演算ユニット1に入力され、演算ユニット1は、センサ出力値から治療対象者の不意の動きを検出したときに、切削工具9の駆動ユニット3に対して切削を強制的に停止させる信号を出力する。
「保全手段」には、加速度センサ11以外に角速度センサ、力センサ又は変位センサを採用してもよく、又はこれらのうち任意の複数の組み合わせを採用してもよい。これらのセンサは、トレー41、歯列及び本装置の基盤3a側の部分のいずれか又は複数の箇所に取り付けることができる。例えば、力センサ12は、歪ゲージ又は圧電素子であり、加速度センサ11と組み合わせて使用することができる。力センサ12をトレー41aの柄部41b又は接続ユニット51に取り付けて、トレー41に加わる荷重又はトレー41の変形を検出することにより、治療対象者の不意の動きを検出することができる。
なお、カメラ2としてテレビカメラを採用した場合は、治療対象者の動きをモーションキャプチャ技術によって検出することが可能である。この場合のカメラ2は、停止スイッチ8等とともに「保全手段」を構成する。
印象用トレー41には、対象歯T以外の口腔内部位(例えば、舌又は粘膜等)を切削工具9との接触から保護するため、ガード又はプロテクタ41cを取り付けてもよい。図4は、ガード41cの形状及び口腔内における位置を概略的に示しているが、ガード41cは、プレス加工、溶接、ろう付け又は接着等によってトレー41と一体的に構成することも、スナップフィット等の方法によってトレー41に対して着脱式に構成することもできる。材質には生体に安全なものが選択される必要があり、金属(例えば、ステンレス)又は高分子材料(例えば、シリコーン若しくはプラスチック)等が好ましい。
さらに、印象用トレー41には、これと一体又は別体に排唾用の吸引装置を装着してもよい。
印象用トレー41は、本装置に専用のトレーであってもよいが、通常の印象取得に共用可能な構成とすることも可能である。例えば、トレー41の本体41aのうち対象歯Tに対応する部分を取り外し可能な構造とすることで、通常の方法に従って印象を取得し及び石膏模型を作成した後、対象歯Tに対応するトレー部分及びその周辺の印象材を除去することで、装置固定用に利用することができる。これにより、印象取得の回数を減らし、治療対象者への負担を軽減するとともに、比較的高価な印象材の使用量を削減することができる。
印象用トレー41の着脱に伴う歯列に対する位置のずれは、例えば、トレー41を最初に装着した状態の画像と再装着した状態の画像とをカメラで取り込み、オプティカルフローを計算することで検出することが可能である。計算したオプティカルフローを画面上に表示することで、位置のずれの視覚的な確認を可能とし、ずれを修正することができる。具体的には、トレー41を手動で動かして元の位置に戻すか、又はずれた分を計算し、切削時にこれを補正する。
印象用トレー41及び接続ユニット51の一方又は両方に、トレー41の装着状態若しくは種類の検出、又は情報(例えば、治療対象者又はトレー41に関する情報)の通信のための機構を備えることが可能である。そのような機構には、例えば、スイッチ、電気接点、近接センサ、バーコード、RFID及び赤外線通信等がある。小型のRFIDであれば、トレー41ではなく、印象材42に埋め込むこともできる。トレー41等に関する情報を読み出し、ディスプレイ7上に表示することで、異なる治療対象者の間でトレー41の入れ違いが生じるのを防ぐことが可能である。本実施形態では、可動ステージ31が駆動ユニット3の磁石3aに吸着した状態で接点回路が閉じるスイッチ15(図2)を設けている。スイッチ、RFID等の検出又は通信手段は、切削工具9及び駆動ユニット3の一方又は両方に適用することも可能であり、スイッチ等の出力から切削工具9の装着状態を検出し、ディスプレイ7上に表示することで、装着した切削工具9にガタつきがある場合にこれを操作者に認識させ、装着状態の確認を促すことができる。
(キャリブレーション)
切削を行う際は、初めに、カメラ2を用いて対象歯Tの咬合面を撮影し、その画像をディスプレイ7に表示するとともに、対象歯Tの咬合面の高さ(切削開始点の高さ)を測定する。咬合面の高さは、第3のアクチュエータ32cを駆動して可動ステージ31をz軸方向に移動させ、可動ステージ31に取り付けたプローブ4を対象歯Tに接触させることにより、求めることが可能である。ここで、プローブ4は、その先端が切削工具の先端と一致する位置に取り付けておく。さらに、ディスプレイ7に表示された画像上の位置(x,y座標)と、切削工具9の実際の位置(x,y座標)とを、次のようにして対応させる。可動ステージ31に取り付けたプローブ4を第1及び第2のアクチュエータ32a,32bによってx,y軸方向に移動させるとともに、移動前後の各位置における画像を取り込む。そして、画像上のプローブ4の中心座標を各位置について計算し、実際にプローブ4を移動させた距離と、画像上のプローブ4の座標とを用いて、キャリブレーションを行う。
(形成外形の作成)
図4A〜4Cは、セグメントの設定及び形成外形の作成の手順を時系列に示しており、図5〜9は、形成外形の作成に関する規則(作成規則)を示している。
本実施形態では、カメラ2によって対象歯Tの咬合面の画像を取り込み、これをディスプレイ7上に表示する。咬合面では、図4A(a)に示すように、対象歯Tの主な裂溝がう蝕に対する切削想定領域に全体として含まれることから、これを作成の始点として採用する。
図4A(b)に示すように、切削想定領域を近似する複数の連続的なセグメントs(s1,s2)を設定し、画像上に重ねて表示する。本実施形態では、対象歯Tの歯科的特徴点として主な裂溝を採用し、操作者がマウス5によって画像上で複数の特徴点p(pc,pf)を特定すると、隣り合う特徴点(pc−pf,pc−pc)を繋いだ線分としてセグメントsを設定する。う蝕の程度が著しいなどの理由で裂溝そのものを直接確認することができない場合であっても、歯科医師であれば、残された咬頭の位置若しくは反対側の同種の歯、又は歯の一般的な形態をもとに、裂溝の位置を推測することが可能である。歯科的特徴点pの特定が人の手によらず、画像処理等によって自動的になし得る場合は、セグメントsを自動的に設定することも可能である。セグメントsは、後に述べるように、設定後に修正することができる。セグメントsは、直線に限らず、歯の種類又は形成形態によっては曲線(連続的な曲線群又は直線と曲線との組み合わせ)としてもよい。
本実施形態において、セグメントsは、2つの種類に分類することができる。第1の種類のセグメント(第1のセグメント)s1は、裂溝の枝の部分に対応するものであり、一端が開放され、他端で他のセグメント(本実施形態では、第2のセグメント)と接続する線分である。第2の種類のセグメント(第2のセグメント)s2は、裂溝の幹の部分に対応するものであり、両端で他のセグメント(第1又は第2のセグメント)と接続する線分である。第1及び第2のセグメントs1,s2の接続端pcは、裂溝の交点に対応する。
上記3つの設計パラメータのうち第1のものは、裂溝の枝部(換言すれば、第1のセグメントs1)に対応する凸部の最小曲率半径rである。既に述べたように、切削工具9の到達可能性を確保するため、最小曲率半径rは、切削工具9の半径以上に設定する。図4A(c)に示すように、第1のセグメントs1の開放端pfを中心として半径rの補助円cを描く。補助円cの一部である円弧は、作成後の形成外形の一部となる。そして、図4B(d)及び(e)に示すように、第1のセグメントs1と平行で、且つ、この第1のセグメントs1から距離rを隔てた補助線(T線)ltと、第2のセグメントs2と平行で、且つ、この第2のセグメントs2から距離rを隔てた補助線(P線)lpとを描く。半径rの切削工具9を単にこれらのセグメントs1,s2に沿って動かすだけで、咬頭及び隆線の減少が最小限に抑えられるが、ここまでによる外形では、図4B(f)に示すように、セグメントsの交点周辺に尖った角部が残されたままである。
本実施形態では、形成外形の円滑度(連続的な微分可能性)を確保するため、ベジエ曲線を導入する。ベジエ曲線は、コンピュータグラフィックスの分野において、滑らかな曲線を描く際にしばしば用いられている。後に述べるように定められる制御点の数に応じて、2次、3次又は4次のベジエ曲線を描くことが可能である。
例えば、図6及び8に示すように、3つの点p1,p2及びp3について、次式(1)によって2次のベジエ曲線b2を描くことができる。ここで、tは、0〜1の変数である。
b2(t)=(1−t)2p1+2(1−t)tp2+t2p3 …(1)
そして、図7及び9に示すように、4つの点p1〜p4又は5つの点p1〜p5について、次式(2)及び(3)によって夫々3次又は4次のベジエ曲線b3,b4を描くことができる。
そして、図7及び9に示すように、4つの点p1〜p4又は5つの点p1〜p5について、次式(2)及び(3)によって夫々3次又は4次のベジエ曲線b3,b4を描くことができる。
b3(t)=(1−t)3p1+3(1−t)2tp2+3(1−t)t2p3+t3p4 …(2)
b4(t)=(1−t)4p1+4(1−t)3tp2+6(1−t)2t2p3+4(1−t)t3p4+t4p5 …(3)
図6〜9から理解し得るように、ベジエ曲線には次のような重要な特徴がある:nを制御点の数としたときに、(1)曲線は、p1に始まり、pnに終わること、(2)点p1及びpnにおいて、線p1p2及びpn−1pnが夫々曲線の接線となること、及び(3)曲線上のいかなる点も制御点の内側に存在することである。上記(1)及び(2)の特徴のため、p1及びpnにおいて、曲線を円弧に対して滑らかに接続することができる。形成外形の円滑度を確保し得る限りにおいて、ベジエ曲線に代えて円弧を採用してもよい。
b4(t)=(1−t)4p1+4(1−t)3tp2+6(1−t)2t2p3+4(1−t)t3p4+t4p5 …(3)
図6〜9から理解し得るように、ベジエ曲線には次のような重要な特徴がある:nを制御点の数としたときに、(1)曲線は、p1に始まり、pnに終わること、(2)点p1及びpnにおいて、線p1p2及びpn−1pnが夫々曲線の接線となること、及び(3)曲線上のいかなる点も制御点の内側に存在することである。上記(1)及び(2)の特徴のため、p1及びpnにおいて、曲線を円弧に対して滑らかに接続することができる。形成外形の円滑度を確保し得る限りにおいて、ベジエ曲線に代えて円弧を採用してもよい。
ここで、より具体的な規則を設定するため、本実施形態では、図6〜9に示すように、近接したセグメントの3種の組み合わせを導入し、夫々U,V及びW型と定義する。
図6に示すV型の組み合わせ(type−V)は、接続端pcを共有して隣り合う2つの第1のセグメントs1,s1の組み合わせである。これらのセグメントs1は、後に述べるように、形成外形の鳩尾形部を形成する。図7及び8に示すU型の組み合わせ(type−U)は、1つの第2のセグメントs2と、この第2のセグメントs2の各端部pc,pcに接続する2つの第1のセグメントs1,s1とで構成される。T線ltの交点とP線lpとの位置関係に応じて更に2つの態様(図7又は8)に分類することができる。そして、図9に示すW型の組み合わせ(type−W)は、4分割式の折り畳み定規のように接続する、2つの第2のセグメントs2,s2及び2つの第1のセグメントs1,s1で構成される。
本実施形態では、形成外形の凸部にテーパを付けるため、図5に示すように、第2の設計パラメータであるテーパ角θを導入する。ここで、T線ltを、第1のセグメントs1に対して角度θをなす円弧の接線として再定義する。θを0以上とすることで、切削工具9の半径がrである場合に、工具9を凸部全体に到達させることが可能となる。図4C(g)は、それぞれの凸部について、テーパを付した後のT線ltを示している。
V型の組み合わせにおける2つの円弧は、形成形態の鳩尾形部(dovetail、以下「鳩尾形部」という。)となる。この鳩尾形部に脹らみを付けるため、図6に示すように、第3の設計パラメータである脹らみ角ψを導入する。ψが0以上である場合は、半径rの切削工具9の、鳩尾形部全体に対する到達可能性が保証される。ψを負の値として鳩尾形部にへこみを与えることも可能であるが、ψの下限値は、2つの第1のセグメントs1,s1が形成するV字のプロポーションに応じて決定するのが好ましい。V型の組み合わせにおける追加の補助線として、図4C(g)及び図6に示すように、共通の接線p1p3に対して角度ψをなす2つの接線(D線)ldを引き、3つの点(接点p1’,p3’及びD線ldの交点p2)によって定められる2次のベジエ曲線b2により、2つの円弧を接続する。鳩尾形部において、2つの円弧を、ベジエ曲線に代える円弧によって接続してもよい。図4C(h)は、鳩尾形部を接続するベジエ曲線b2を示している。
U型の組み合わせにおける2つの円弧は、図7に示すように、4つの点p1〜p4によって定められる3次のベジエ曲線b3によって接続する。図8に示すように、T線lt,ltがP線lpと交差するよりも前に互いに交差する場合は、曲線b3に代えて、3つの点(p1,p3及び交点p2)によって定められる2次のベジエ曲線b2を使用する。
W型の組み合わせには、図9に示す4次のベジエ曲線b4を適用する。点p2及びp4は、T線ltとその直近のP線lpとの交点である。p3は、2つのT線lt,ltのなす内角の二等分線(B線lb)とP線lpとの交点である。U型の組み合わせの場合と同様に、必要に応じて、より低次のベジエ曲線を適用することが可能である。図4C(h)は、凹部を形成する3次及び4次のベジエ曲線b3,b4を示している。
(窩洞の形成)
実際の窩洞の形成は、基本的には以下に述べる方法の単独又は組み合わせによって実施する。
1.ウ窩若しくは小窩・裂溝等の対象歯Tの限局した範囲、又はセグメントsに沿って所定の深さ(Z)まで掘り下げた後、作成した外形(X,Y)まで窩洞を拡大させる方法(括弧内は、窩洞の深さ方向をZ軸と一致させた場合の方向を示す)。
2.掘り下げと拡大とを繰り返しながら少しずつ深さ方向に切削を進めていく方法。
3.形成した外形まで拡大させてから所定の深さまで掘り下げる方法。
以上の方法による切削はいずれも2.5軸加工で達成し得るが、3軸以上の加工で行ってもよい。
ウ蝕の範囲又は深さが予め分かっている場合は、それらを考慮して形成外形を作成し、自動切削を行う。深さが不明であったり、歯髄との距離が近いことが予想されたりした場合は、ウ蝕部分については従来と同様に手動で除去し、必要に応じてセメント等で裏層するか、埋め戻してから作成した外形に至るまで自動切削を行う。一定の範囲又は深さまで自動切削を行った後、ウ蝕の状況を確認し、切削量が不足している場合に更に自動切削を続行するようにしてもよい。
ここで、切削を行う際の切削工具9の送り速度は、対象歯Tを始めとする生体及び装置への負担、ならびに切削時間と密接な関係がある。送り速度を高くすると、単位時間当たりの切削量が多くなり、切削に要する時間は短くなるが、生体及び装置にかかる負担は増大する。また、送り速度が高過ぎると、切削速度(切削工具9の回転速度)の低下若しくは停止、又は切削工具9の破損等をもたらす可能性があり、安全性が低下する。他方、送り速度が低い場合は、切削に不要に長い時間を要することとなり、生体への負担が増大する。送り速度の制御方法として、操作者が設定した速度で一定とする方法と、切削状態に応じて自動的に可変とする方法とが考えられる。前者は、最大負荷時を想定して、送り速度を低めに設定する必要がある一方、後者は、軽負荷時では送り速度を高く、重負荷時では送り速度を低くすることで、安全性を確保しつつ、切削時間の短縮を図ることができる。
切削状態は、例えば、モータ駆動の切削工具においては回転速度又は電流から、エアタービン駆動の切削工具においては回転速度から判断することが可能である。送り速度には安全のために上限が設けられており、手動制御による場合の送り速度及び自動制御による場合の送り速度の目標値は、切削中も操作者が随時変更することができる。自動制御による場合の目標値の変更は、操作者が術野から目を逸らさずに行うことができるように、リモートコントローラによるとよい。
送り速度の具体的な制御について、エアタービン駆動の切削工具9を用いる場合を例に以下に示す。
エアタービン駆動では、工具の切削トルクと回転速度とが略反比例の関係にあることを利用して、工具の切削パワーを回転速度の関数として求めることができる。具体的には、無負荷時の回転速度(即ち最高回転速度)をSmax、停止トルク(即ち最大トルク)をTmaxとすれば、切削トルクTと回転速度Sとの関係は、次のように近似することができる。
T/Tmax=1−S/Smax …(4)
ここで、s=S/Smax、t=T/Tmaxとすれば、s及びtは、夫々0〜1の値をとり、t=1−sとなる。
そして、切削パワーpは、回転速度と切削トルクとの積に比例することから、次のように係数を4としてsの二次関数として表すことができる。
ここで、s=S/Smax、t=T/Tmaxとすれば、s及びtは、夫々0〜1の値をとり、t=1−sとなる。
そして、切削パワーpは、回転速度と切削トルクとの積に比例することから、次のように係数を4としてsの二次関数として表すことができる。
p=4×s×t=4×s×(1−s) …(5)
ここで、s=1〜0.5の場合にp=0〜1の値をとり、s=0.5(最高回転速度Smaxの1/2)の場合にp=1で最大パワーとなる。送り速度と切削パワーとは比例する(例えば、送り速度を2倍にすると、単位時間当たりの切削量が2倍となるので、切削に要するパワーも2倍となる。)ので、測定した回転速度から上式(5)によって切削パワーpを算出し、その値pを制御量として送り速度を自動的に制御(例えば、PID制御)することができる。具体的には、sが大きく、pが目標値に対して小さいとき(無負荷寄りのとき)は、送り速度を大きくし、sが小さく、pが目標値に対して大きい(最大出力寄りのとき)は、送り速度を小さくする。
ここで、s=1〜0.5の場合にp=0〜1の値をとり、s=0.5(最高回転速度Smaxの1/2)の場合にp=1で最大パワーとなる。送り速度と切削パワーとは比例する(例えば、送り速度を2倍にすると、単位時間当たりの切削量が2倍となるので、切削に要するパワーも2倍となる。)ので、測定した回転速度から上式(5)によって切削パワーpを算出し、その値pを制御量として送り速度を自動的に制御(例えば、PID制御)することができる。具体的には、sが大きく、pが目標値に対して小さいとき(無負荷寄りのとき)は、送り速度を大きくし、sが小さく、pが目標値に対して大きい(最大出力寄りのとき)は、送り速度を小さくする。
s=0.5〜0のとき、即ち送り速度が高過ぎて回転速度が大きく低下しているときは、s=1〜0.5のときと同様に制御すると、pが小さいために送り速度を更に大きくしてしまう可能性がある。これを回避する方法として、例えば、上式(5)を修正して、s<0.5においてp≧1とすることが考えられる。切削中に何らかの理由でs=0、即ち切削工具9の回転が停止してしまったり、回転速度センサが故障してしまったりしたときは、安全のために送り速度を0として、可動ステージ3を強制的に停止させる。
なお、実際のsの値を把握するため、切削時における工具の回転速度を検出する回転センサを設置し、そのセンサ検出値を演算ユニット1に読み込ませるようにしてもよい。演算ユニット1においてsの値を算出し、駆動ユニット3に対してその算出値に応じた制御信号を出力することができる。
送り速度の制御は、工具の回転速度自体に着目し、これが上記目標パワーに対応する回転速度(目標回転速度)よりも高い場合に増加させ、目標回転速度よりも低い場合に低下させるようにしても実現可能である。
投影装置等によって操作者の手動による切削を案内する場合は、対象歯Tの表面に投影されるカーソルの動きを制御するなどして、操作者が工具の送り速度を適切に加減することができるようにしてもよい。
(実際の作成例に関する評価)
本実施形態では、歯列の解剖学的模型(株式会社ニッシン社製、B3−305)を使用する。
上で述べた作成規則は、ビジュアルプログラミング言語(例えば、米国ナショナルインスツルメンツ社製、LabVIEW8.6)又はC言語等の他のプログラミング言語を用いて実現することが可能である。対象歯Tを本装置に固定してキャリブレーションを行った後、ソフトウェアを起動することで、カメラ2によって撮影された咬合面の画像がディスプレイ7に表示され、操作者は、マウス5を用いてディスプレイ7上で対象歯Tの歯科的特徴点pをクリック指定することで、主な裂溝に沿って複数の連続的なセグメントsを設定することができる。セグメントs及び設計パラメータr,θ,ψを設定すると、形成外形がソフトウェアによって自動的に作成され、形成外形に沿って対象歯Tの切削が実行される。
図10は、凸部の最小曲率半径r及びテーパ角θ、ならびに鳩尾形部の脹らみ角ψの、形成外形に及ぼす影響を示している。最小曲率半径rを0.5mm、0.6mm、0.7mm及び0.8mmとし、テーパ角θを0°、10°、20°及び30°とし、脹らみ角ψを−20°、0°及び20°として、下顎の右側第1大臼歯の1級インレー窩洞を設計する場合について、これらの設計パラメータr,θ及びψが及ぼす影響を評価したものである。
最小曲率半径rについて、図10(a)から、その増大に対して凸部の曲率半径が増大する一方、凹部の曲率半径が減少し、形成外形は、全体として拡大する傾向にあることが分かる。そして、図10(b)に示すように、θの増大に対して鳩尾形部を含む凸部の幅が拡大するため、より大きな形成外形が得られる。さらに、図10(c)に示すように、ψが正の値である場合は、鳩尾形部は、第1のセグメントs1の接続端pcに対して遠位側に凸となり、負の値である場合は、近位側に凸(又は遠位側に凹)となる。
図4C(i)は、作成後の形成外形Pを示している。形成外形Pのいかなる部分も、切削工具9の直径よりも大きな値の幅を有しており、かつ滑らかな内面が達成されている。ディスプレイ7上でセグメントs1,s2を動かしたり、又は設計パラメータr,θ,ψを変えたりすることで、設計を容易に修正することが可能である。
ここで、最小曲率半径rが切削工具9の半径に等しく、テーパ角θ及び脹らみ角ψが0である場合は、工具9による到達可能性を確保したうえで対象歯Tの切削量が最も少なくなる。しかしながら、上記ベジエ曲線の(3)の特徴のため、工具9の半径がrに等しい場合であっても、ベジエ曲線によって定められる第2のセグメントs2に沿った狭小部の幅が工具9の直径よりも常に大きくなってしまう。この問題を解決するため、狭小部の幅が工具9の直径以上となる限りにおいて、P線lpを第2のセグメントs2に対して距離rの位置よりも近付けて配置することで、より狭い幅の外形Pを作成し、歯質の除去量を削減することができる。ただし、図8に示すように、2つのT線lt,ltがP線lpに届く前に交差する場合は、P線lpを第2のセグメントs2に近付ける方法は、効果がない。第1及び第2の設計パラメータr,θは、セラミックインレー等、金属よりも強度的な信頼性に劣るために歯質をより多く削らなければならない修復について、これに適した幅を確保するのに必要なだけ大きくすればよい。
凸部の最小曲率半径は、第1の設計パラメータrによって規定される一方、凹部のそれはベジエ曲線の態様に依存するものであり、その最小値は定められない。従って、ベジエ曲線の制御点の位置によって鋭角の凹部を有する形成外形を作成することも可能である。実際に、rが大きくなるほど凹部の曲率半径は小さくなる傾向にあるが、歯質における鋭角及びノッチ状部分の形成は避けられるべきである。これについては2つの方法がある。1つは、P線lpを第2のセグメントs2からより離す(>r)ことであり、他の1つは、外形を丸めること、換言すれば、鋭角の角部又は隅部を所望の曲率半径を有する内接円弧で置き換えることである。
以上のように、本実施形態によれば、その全体に亘って切削工具9を到達させることのできる、大臼歯の滑らかな1級インレー窩洞を設計し、実現することができる。そして、形成外形の作成及び対象歯Tの切削をソフトウェアによって自動的に実行可能であることから、担当医師の技量の影響をできる限り排除して、適切に設計された外形のもとで高い切削精度を達成することができる。本実施形態を適用して得られる窩洞は、その全体に亘って滑らかであり、プローブ4等による計測が容易、かつ正確である。これらの利点は、アマルガム及びキャストメタル修復に限らず、近年急速に発展が進んでいる歯科用CAD/CAMシステムによってなされるセラミック修復についても有益である。窩洞の幾何学的設計は、将来においてCAD/CAM技術を用いて歯牙形成がコンピュータ処理によって行われるようになった場合に、欠くことのできない手法となるものと考えられる。
本実施形態に係る装置及び方法は、二次元画像から対象歯Tのう蝕範囲を確認する一方、咬合紙等を用いて咬合接触点の位置を確認することで、それらの位置を窩洞の設計に反映させることができる。さらに、セグメントs1,s2の位置及び設計パラメータr,θ,ψを調整することにより、多様な窩洞の設計に適用することも可能である。そして、これらの設計パラメータは、窩洞全体で一定に設定してもよいが、部分毎に変えることもできる。実際には以上の説明で示した1級インレー窩洞以外の窩洞も存在するが、作成規則を修正することで、以上に示した1級窩洞に限らず、頬側溝又は舌側溝を含む1級窩洞や、2級窩洞(例えば、隣接面のスライスカット)等、他の窩洞を設計することが可能である。さらに、複数の二次元画像を用いたり、接触式若しくは非接触式の三次元プローブ又は三次元CTによって得られる計測情報を用いたりすることで、対象歯Tの三次元情報を得て、これを三次元的な窩洞の設計に反映させ、形成をより的確に行うことができる。
ここで、本発明の他の実施形態の説明として、図5A〜5Cに示す歯Tを対象に2級窩洞を設計する場合について述べる。以下の説明では、図12A及び12Bに示す点a〜eのいずれもが操作者によってディスプレイ7上で指定されるものとするが、各点の特徴から演算ユニット1によって自動的に特定することも可能である。
図12Aは、2級窩洞における咬合面から隣接面への移行部をスライスカットによって設計する場合の例を示している。
図12Aに示す2級窩洞の設計において、操作者は、対象歯Tの輪郭を参考に、対象歯Tの輪郭線上の点aを指定するとともに(必ずしも輪郭線上である必要はない)、設計後の窩洞の形態を想定して、点aとの相対関係から形成外形P上の点bを指定する。図中点線で示す補助線は、形成外形Pに対する点bでの接線である。そして、操作者は、2つの点aを繋ぐ直線(形成後の窩洞においてスライスカット面を形成する。)上に点cを指定する。以上のようにして指定した点b,c及び点x(補助線とa−a線との交点)を制御点として点b,cを結ぶ2次のベジエ曲線を作成し、点a,c及びbを接続する移行部の外形を設計する。ここで、設計した移行部の外形は、作成規則に従って先に設計した形成外形(例えば、図12A(a)に示す鳩尾形部の外形)に優先し、形成外形Pと移行部の外形とを点bで滑らかに繋いだ線を最終的な形成外形とする。さらに、移行部の設計に用いる線は、ベジエ曲線に限られるものではなく、例えば、曲線上に想定される複数の点を指定し、これらの点をスプライン曲線によって繋ぐことで、移行部を設計することもできる。
移行部の設計は、スライスカットに限らず、直線、スイーピングカーブ又はリバースカーブによることも可能である。図12Bは、これらの例による場合の移行部の設計例を示している。
直線による場合は、図12B(a)に示すように、点a及び点bを直線で繋ぐことによって移行部を設計する。点bは、形成外形P上の点であり、点aは、形成外形Pに対する点bでの接線(補助線)と対象歯Tの輪郭線との交点である。点aは、補助線と輪郭線との交点として操作者が指定してもよいが、演算ユニット1にその位置を判断させ、特定させることも可能である。
スイーピングカーブによる場合は、図12B(b)に示すように、対象歯Tの輪郭線上の点aと形成外形P上の点bとを2次のベジエ曲線で繋ぐことによって移行部を設計する。点cは、形成外形Pに対する点bでの接線(補助線)上の点で、操作者が指定する。点a及び点bを繋ぐベジエ曲線は、点a,c及びbを制御点として作成することができる。
リバースカーブによる場合は、図12B(c)に示すように、対象歯Tの輪郭線上の点aと形成外形P上の点bとを2つのベジエ曲線(図示の例では、いずれも2次)で繋ぐことによって移行部を設計する。点cは、形成外形Pに対する点bでの接線(補助線)上の点で、操作者が指定し、点dは、形成後の窩洞の形態を想定して操作者が指定する。さらに、点eは、点c及び点dを繋ぐ直線(補助線)上の点で、操作者が指定する。点a及び点eを繋ぐ第1のベジエ曲線は、点a,d及びeを制御点として作成することができ、点e及び点bを繋ぐ第2のベジエ曲線は、点e,c及びbを制御点として作成することができる。
本発明は、窩洞に限らず、支台歯の形成に適用することも可能である(この意味において、本発明の「補綴物」には、インレーのほか、ブリッジ及びクラウンが含まれるものとする)。既に述べたように、本発明は、臼歯部でいう咬合面に相当する面のない前歯部に適用することも可能であり、前歯部への適用では、例えば、審美歯科で行われるポーセレンラミネートベニヤの支台歯形成のように、前歯の唇側を表面から所定の範囲に亘って削り取るといった切削が可能である。
以上の説明では、人の下顎の第1大臼歯を切削対象とする場合について述べたが、本発明は、これ以外の硬組織、例えば、人の下顎の右側若しくは左側第2大臼歯、又は上顎の第1若しくは第2大臼歯の切削に適用することも可能である。これに加え、歯列との位置関係を変更することで、上下両顎の左右両側の歯(臼歯部に限らず、小臼歯部及び前歯部を含む。)の形成に適用することもできる。さらに、本発明は、人の歯の切削に適用するほか、歯以外の硬組織(例えば、関節の骨)又は軟骨等、他の対象組織の切削に適用することも可能であり、固定装置を適宜に変更することで、リウマチの指の関節手術における骨又は軟骨の形成に適用することができる。
以上の説明では、自動切削装置によって歯を切削する場合について述べたが、これに限らず、担当医師がハンドピースを手に持ち、歯の切削を手動で行う場合に適用することも可能である。この場合は、設計した外形をプロジェクタ21によって切削歯Tの表面(例えば、咬合面)に光学的に投影したり、AR(拡張現実)技術によってディスプレイ7上に表示したりすることで、設計した外形に沿って切削が正確に進められるように歯科医師(術者)を案内することができる。投影又は表示する情報は、外形に限らず、座標軸、カーソル又は文字等を含んでもよい。投影装置21又はAR技術を実装した画像変換部103は、本発明の他の実施形態に係る「切削手段」を構成する。
以上の説明では、天然歯(人の歯)を切削する場合について説明したが、本発明は、天然歯を始めとする生体組織だけでなく、金属、有機材料及び無機材料等、様々な材料にも応用することができる。例えば、補綴物(修復物を含む。)を切削対象とし、以上で述べた方法によって自動形成した歯に適合する補綴物を、歯の切削に用いるのと同一の装置によって製作することが可能である。具体的には、補綴物の材料をバイス又はチャック等の固定具によって基盤3a上で固定し、本装置の切削工具9によって加工する。切削工具9先端の刃は、歯の切削と共用のものとしてもよいが、補綴物の加工に専用のものであるのが好ましく、材料の種類、部位又は工程(粗加工、仕上げ加工等)に応じて交換されるのがより好ましい。既存の歯科用CAD/CAMシステムとの統合が可能であることはいうまでもない。
さらに、本発明は、治療用だけでなく、教育用にも使用することができる。例えば、学生等の実習生に対して以上で述べた方法によって設計した窩洞を再現するように切削させた場合に、切削量に過不足が生じている部位及びその過不足の量、切削の粗さ等を計測することで、形成の出来不出来を評価することができる。形成結果の評価システムには公知のいかなるシステム(例えば、株式会社モリタの歯科臨床実習教育用シミュレーションシステム「クリンシム」)をも採用することができる。
以上では、本発明について好ましい実施の形態により説明したが、本発明の範囲は、この説明に何ら制限されるものではなく、請求の範囲の記載をもとに、適用条文に従い判断される。
1…演算ユニット、2…カメラ、3…駆動ユニット、4…プローブ(接触プローブ)、5…マウス、6…キーボード、7…ディスプレイ、8…停止スイッチ、9…切削工具(ハンドピース)、11…加速度センサ、12…力センサ、3a…基盤、31…可動ステージ、32a〜32c…ストロークアクチュエータ、33…ブラケット、41…印象用トレー、42…印象材、51…接続ユニット、51a…ボールジョイント、101…セグメント設定部、102…外形作成部、103…画像変換部、104…制御信号発生部、105…通信インターフェース、T…対象歯、p…特徴点(pc…接続端、pf…開放端)、s…セグメント(s1…第1のセグメント、s2…第2のセグメント)、c…補助円、lt,lp…補助線、b2〜b4…ベジエ曲線、P…形成外形。
本発明は、歯牙切削装置及び歯牙修復システムに関し、より詳細には、形成外形の設計を自動的に行う装置及びシステムに関する。
本発明は、以上の問題を考慮した歯牙切削装置及び歯牙修復システムを提供するものである。
本発明に係る歯牙切削装置は、切削対象の歯の画像情報を取得し、取得した画像情報をもとに、前記歯の切削想定領域を近似する複数の連続的な直線又は曲線のセグメントを設定する。そして、設定したセグメントをもとに、前記切削想定領域を再現する形成外形を所定の規則に従って作成し、作成した形成外形に沿って前記歯を切削する。
本発明に係る歯牙切削装置は、切削対象の歯の画像情報を取得し、取得した画像情報をもとに、前記歯の切削想定領域を近似する複数の連続的な直線又は曲線のセグメントを設定する。そして、設定したセグメントをもとに、前記切削想定領域を再現する形成外形を所定の規則に従って作成し、作成した形成外形に沿って前記歯を切削する。
形成外形は、前記歯の切削想定領域を幾何学的に再現するものであるのが好ましく、そのような形態において、形成外形の作成に関する規則は、設計パラメータを用いて設定することが可能である。例えば、設計パラメータは、形成外形のうち第1のセグメントに対応する凸部の最小曲率半径及びこの凸部に付与するテーパ角、ならびに接続点を共有する複数の第1のセグメントが形成する鳩尾形部の脹らみ角を含んでよい。設計パラメータは、操作者によって設定可能であるのが好ましい。
本発明に係る歯牙修復システムは、切削後の歯に装着される補綴物を加工する手段と、コンピュータとを備え、前記コンピュータにより、切削後の歯の切削領域に関する寸法情報をもとに補綴物の形状データを作成するとともに、前記加工手段に対し、作成した形状データに応じた制御信号を提供する。
本発明に係る歯牙修復システムは、切削後の歯に装着される補綴物を加工する手段と、コンピュータとを備え、前記コンピュータにより、切削後の歯の切削領域に関する寸法情報をもとに補綴物の形状データを作成するとともに、前記加工手段に対し、作成した形状データに応じた制御信号を提供する。
Claims (30)
- 切削対象の歯の画像情報を取得する画像情報取得手段と、
前記画像情報取得手段が取得した画像情報をもとに、前記歯の切削想定領域を近似する複数の連続的な直線又は曲線のセグメントを設定するセグメント設定手段と、
前記セグメント設定手段が設定したセグメントをもとに、前記切削想定領域を再現する形成外形を所定の規則に従って作成する外形作成手段と、
前記外形作成手段が作成した形成外形に沿って前記歯を自動的に切削するか、又は切削工具を手に持って前記歯を切削する操作者に対し、前記外形作成手段が作成した形成外形に沿って前記切削が進められるように促す案内を提供する切削手段と、
を含んで構成される歯牙切削装置。 - 前記セグメント設定手段は、前記画像情報が示す前記歯の画像を画面に表示して、操作者に対して前記画像の歯科的特徴点の入力を促し、入力された歯科的特徴点のうち隣り合う点を繋いで前記セグメントを設定する請求項1に記載の歯牙切削装置。
- 前記セグメント設定手段は、設定したセグメントを前記画像に重ねて表示し、表示したセグメントを前記画面上で移動又は変形させる操作者の指令によって前記セグメントを修正可能である請求項2に記載の歯牙切削装置。
- 前記セグメント設定手段は、前記歯の咬合面の裂溝に沿って前記セグメントを設定する請求項1〜3のいずれか1つに記載の歯牙切削装置。
- 前記セグメントは、一端が開放され、他端で他のセグメントと接続する第1のセグメントと、両端で他のセグメントと接続する第2のセグメントとを含んで構成される請求項4に記載の歯牙切削装置。
- 前記形成外形は、前記歯の切削想定領域を幾何学的に再現するものである請求項5に記載の歯牙切削装置。
- 前記外形作成手段は、前記第1のセグメントについてその開放端を中心とする所定の半径の補助円を算出し、算出した補助円上の円弧を包含する閉曲線として前記形成外形を作成する請求項6に記載の歯牙切削装置。
- 前記外形作成手段は、前記形成外形のうち接続端を共有する複数の前記第1のセグメントが形成する鳩尾形部を、前記補助円に接する第1の曲線によって接続する請求項7に記載の歯牙切削装置。
- 前記第1の曲線は、前記接続端に対して遠位側に凸である請求項8に記載の歯牙切削装置。
- 前記第1の曲線は、円弧又はベジエ曲線である請求項8又は9に記載の歯牙切削装置。
- 前記外形作成手段は、前記第2のセグメントに対する接続端を異にして隣り合う前記第1のセグメントの間の形成外形を、前記補助円に接し、かつ前記第2のセグメントに対して近位側に凸の第2の曲線によって作成する請求項7〜10のいずれか1つに記載の歯牙切削装置。
- 前記第2の曲線は、円弧又はベジエ曲線である請求項11に記載の歯牙切削装置。
- 前記外形作成手段は、前記形成外形のうち前記第1のセグメントに対応する凸部に、前記第1のセグメントの接続端に近付くほど幅が広がるテーパを付与する請求項6〜12のいずれか1つに記載の歯牙切削装置。
- 前記歯の輪郭線上の第1の点と、前記外形作成手段が作成した形成外形上の第2の点とを繋ぐ隣接面への移行部の外形を所定の規則に従って作成し、作成した隣接面への移行部の外形と前記形成外形とを前記第2の点において繋いだ線を、最終的な形成外形として設定する手段を更に含んで構成される請求項1〜13のいずれか1つに記載の歯牙切削装置。
- 前記切削手段は、工具の送り速度を切削時におけるこの工具の実際の回転速度に応じて制御し又は操作者が前記実際の回転速度の変化に対して前記送り速度を加減するように促す手段を備える請求項1〜14のいずれか1つに記載の歯牙切削装置。
- 前記切削対象の歯を前記切削手段の基準位置に対して固定する位置固定手段を更に含んで構成される請求項1〜15のいずれか1つに記載の歯牙切削装置。
- 前記位置固定手段は、
印象用トレーと、
前記印象用トレーと前記歯の歯列との間に充填される印象材と、
前記印象用トレーを前記切削手段の基部に固定する接続ユニットと、を含んで構成される請求項16に記載の歯牙切削装置。 - 前記印象用トレーは、その内面に、前記切削対象の歯又は前記歯列を構成する他の歯と接触する突起を含んで構成される請求項17に記載の歯牙切削装置。
- 前記位置固定手段は、前記印象材と前記歯列との間の空間を排気可能に配設された真空ポンプを更に含んで構成される請求項17又は18に記載の歯牙切削装置。
- 前記位置固定手段は、前記印象材及び歯列の間の空間の圧力に応じて前記歯の切削を停止する手段を更に含んで構成される請求項19に記載の歯牙切削装置。
- 前記位置固定手段は、治療対象者の口腔内に埋設されたインプラントのフィクスチャーを含んで構成される請求項16〜20のいずれか1つに記載の歯牙切削装置。
- 前記切削手段による前記歯の切削を緊急停止する保全手段を更に含んで構成される請求項1〜21のいずれか1つに記載の歯牙切削装置。
- 前記保全手段は、治療対象者の動きを検出可能に配置された加速度センサ、角速度センサ、力センサ及び変位センサのうち少なくとも1つを含んで構成され、検出した前記治療対象者の動きに応じて前記歯の切削を停止する請求項22に記載の歯牙切削装置。
- 前記保全手段は、前記操作者によって前記歯の切削を強制停止可能に構成された停止スイッチを含んで構成される請求項22又は23に記載の歯牙切削装置。
- 前記切削手段による切削後の歯についてその切削領域の寸法情報を取得する寸法情報取得手段と、
前記寸法情報取得手段が取得した寸法情報を出力する情報出力手段と、を更に含んで構成される請求項1〜24のいずれか1つに記載の歯牙切削装置。 - 前記寸法情報取得手段は、前記切削領域を計測可能に配置されたプローブを含んで構成される請求項25に記載の歯牙切削装置。
- 請求項25又は26に記載の歯牙切削装置と、
前記切削装置による切削後の歯に装着される補綴物を加工する手段と、
コンピュータを含んで構成され、このコンピュータにより、前記情報出力手段が出力した寸法情報をもとに前記補綴物の形状データを作成するとともに、前記加工手段に対し、前記形状データに応じた制御信号を提供する手段と、
を含んで構成される歯牙修復システム。 - 切削対象の硬組織又は軟骨の画像情報を取得する画像情報取得手段と、
前記画像情報取得手段が取得した画像情報をもとに、前記対象組織の切削想定領域を近似する複数の連続的な直線又は曲線のセグメントを設定するセグメント設定手段と、
前記セグメント設定手段が設定したセグメントをもとに、前記切削想定領域を再現する形成外形を所定の規則に従って作成する外形作成手段と、
前記外形作成手段が作成した形成外形に沿って前記対象組織を自動的に切削するか、又は切削工具を手に持って前記歯を切削する操作者に対し、前記外形作成手段が作成した形成外形に沿って前記切削が進められるように促す案内を提供する切削手段と、
を含んで構成される切削装置。 - 切削対象の歯又は他の対象組織の画像情報を取得し、
取得した画像情報をもとに、前記対象組織の切削想定領域を近似する複数の連続的な直線又は曲線のセグメントを設定し、
設定したセグメントをもとに、前記切削想定領域を所定の規則に従って再現する形成外形を作成し、
作成した形成外形の寸法に応じた前記対象組織の切削制御信号を出力する切削装置の制御方法。 - コンピュータを含んで構成され、歯又は他の対象組織の切削工具を備える切削ユニットの動作を制御する駆動ユニットに対し、
前記対象組織の画像情報を入力する情報入力処理と、
入力した画像情報をもとに、前記対象組織の切削想定領域を近似する複数の連続的な直線又は曲線のセグメントを設定するセグメント設定処理と、
設定したセグメントをもとに、前記切削想定領域を再現する形成外形を所定の規則に従って作成する外形作成処理と、
前記駆動ユニットに対し、作成した形成外形に沿って前記切削工具を移動させる信号を出力する信号出力処理と、
を実行させる切削制御プログラム。
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