JPWO2010150695A1 - 光源評価装置、光源評価システム、光源調整システムおよび光源評価方法 - Google Patents

光源評価装置、光源評価システム、光源調整システムおよび光源評価方法 Download PDF

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Abstract

分光放射計で測定されたソーラシミュレータから放射される光の分光放射照度と、自然太陽光の分光放射照度と、予め測定された測定対象の太陽電池の分光感度とに基づいて、自然太陽光に対するソーラシミュレータから放射される光の特性の評価値を演算することで、測定対象の太陽電池の分光感度に合わせた基準セルや擬似セルを作製することなく、太陽電池の特性を測定するための光源であるソーラシミュレータの特性を評価することのできる光源評価装置、光源評価システム、光源調整システムおよび光源評価方法を提供することができる。

Description

本発明は、光源評価装置、光源評価システム、光源調整システムおよび光源評価方法に関し、特に太陽電池の特性を評価するための光源であるソーラシミュレータの特性を評価する光源評価装置、光源評価システム、光源調整システムおよび光源評価方法に関する。
昨今の環境問題およびエネルギー問題への対応として、太陽電池の開発が盛んで、材料として、従来の単結晶シリコンから、アモルファスシリコン、薄膜シリコン、有機化合物、色素増感型などの多くの種類が、構造としても、従来の単接合から積層型の多接合まで多くの構造が開発されている。
そこで、この太陽電池の光電変換効率を公正に評価するために、国際的に標準化された評価方法の規格が、IEC60794やJIS規格(C8905〜C8991)で定義されている。その規格を要約すると、基準太陽光(AM1.5の太陽光)と同じ分光スペクトルおよび放射照度を模した光を照明する照明装置(以下、ソーラシミュレータと言う)の照明下で、太陽電池の発電量を測定するようになっている。
しかしながら、基準太陽光と同じ分光スペクトルおよび放射照度を有するソーラシミュレータを個々の検査機関や企業で保持、運用するのは無理がある。そこで、実際には、測定対象の太陽電池と同じ分光感度特性を持つ基準セルを作成し、公的機関(例えば、日本では産業技術総合研究所)が保有する基準太陽光に限りなく近い特性を持つ高近似シミュレータを用いて、作成した基準セルを校正する。個々の検査機関や企業では、校正された基準セルを用いて、保持、運用するソーラシミュレータの光量を調整して測定対象の太陽電池の測定を行っている。
この方法では、基準セルは測定対象の太陽電池と同じ分光感度を持つことが必要であり、新しい種類の太陽電池が開発される度に、作製した新しい太陽電池の中から標準的な分光感度を持つものを選び出して新しい基準セルとし、これを公的機関で校正する必要があり、この手間と費用は非常に大きい。
また、特に薄膜積層型の太陽電池では、入射光のスペクトルによって、出力特性が大きく変化するため、ソーラシミュレータにも、高い分光スペクトルの一致度が要求される。
そこで、例えば特許文献1には、薄膜積層型の太陽電池を構成する各要素セルのスペクトル依存性を反映させて作製された複数の基準セル(実際には、測定対象の太陽電池とは異なる種類の太陽電池を用いて作製される疑似セルである)を用いて、ソーラシミュレータの分光放射照度スペクトルを調整することで、分光スペクトルの一致度の高いソーラシミュレータを用いなくても、薄膜積層型の太陽電池の評価を行うことができる方法が示されている。
特開2006−147755号公報
しかしながら、特許文献1の方法では、基準セル(疑似セル)の作製にあたり、各要素セルのスペクトル依存性を反映させるために意図的に半導体層の厚みを変化させたり、ガラスフィルタを貼り合わせたりしており、基準セル(疑似セル)の作製に非常に大きな手間と費用を要する。これらの問題点は、ハードウェアとしての基準セル(疑似セル)を作製することに起因している。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、測定対象の太陽電池の分光感度に合わせた基準セルや擬似セルを作製することなく、太陽電池の特性を測定するための光源であるソーラシミュレータの特性を評価することのできる光源評価装置、光源評価システム、光源調整システムおよび光源評価方法を提供することを目的とする。
本発明の目的は、下記構成により達成することができる。
1.太陽電池の特性を測定するための光源であるソーラシミュレータの特性を評価する光源評価装置であって、
前記ソーラシミュレータから放射される光の分光放射照度を測定する分光放射計と、
自然太陽光の分光放射照度と、予め測定された測定対象の太陽電池の分光感度とを記憶する記憶部と、
前記分光放射計で測定された前記ソーラシミュレータから放射される光の前記分光放射照度と、前記記憶部に記憶された、前記自然太陽光の分光放射照度と前記測定対象の太陽電池の分光感度とに基づいて、前記自然太陽光に対する前記ソーラシミュレータから放射される光の特性の評価値を演算する演算部とを備えたことを特徴とする光源評価装置。
2.前記光源評価装置は、さらに表示部を備え、
前記評価値、または前記評価値に基づいた前記ソーラシミュレータの光量を調節する指標を表示することを特徴とする前記1に記載の光源評価装置。
3.前記演算部は、前記評価値として、下記の(1式)で示される前記測定対象の太陽電池の短絡電流の補正係数kの演算を行うことを特徴とする前記1に記載の光源評価装置。
ここに、
k={∫S(λ)・P(λ)dλ}/{∫L(λ)・P(λ)dλ}・・・(1式)
S(λ):自然太陽光の分光放射照度
P(λ):測定対象の太陽電池の分光感度
L(λ):ソーラシミュレータから放射される光の分光放射照度
である。
4.前記ソーラシミュレータは、光量を調節する光量調節部を備え、
前記補正係数kが下記の(3式)を満足するように、前記光量調節部を用いて前記ソーラシミュレータの光量を調節することを特徴とする前記3に記載の光源評価装置。
ここに、
1−α≦k≦1+β・・・(3式)
α、β:許容誤差
である。
5.太陽電池の特性を測定するための光源であるソーラシミュレータの特性を評価する光源評価システムであって、
前記ソーラシミュレータから放射される光の分光放射照度を測定する分光放射計と、
前記分光放射計とは別体に設けられた制御装置とを備え、
前記制御装置は、
自然太陽光の分光放射照度と、予め測定された測定対象の太陽電池の分光感度とを記憶する記憶部と、
前記分光放射計で測定された前記ソーラシミュレータから放射される光の前記分光放射照度と、前記記憶部に記憶された、前記自然太陽光の分光放射照度と前記測定対象の太陽電池の分光感度とに基づいて、前記自然太陽光に対する前記ソーラシミュレータから放射される光の特性の評価値を演算する演算部とを備えたことを特徴とする光源評価システム。
6.前記演算部は、前記評価値として、下記の(1式)で示される前記測定対象の太陽電池の短絡電流の補正係数kの演算を行う演算部とを有することを特徴とする前記5に記載の光源評価システム。
ここに、
k={∫S(λ)・P(λ)dλ}/{∫L(λ)・P(λ)dλ}・・・(1式)
S(λ):自然太陽光の分光放射照度
P(λ):測定対象の太陽電池の分光感度
L(λ):ソーラシミュレータから放射される光の分光放射照度
である。
7.前記ソーラシミュレータは、光量を調節する光量調節部を備え、
前記制御装置は、前記補正係数kが下記の(3式)を満足するように、前記光量調節部を用いて前記ソーラシミュレータの光量を調節することを特徴とする前記6に記載の光源評価システム。
ここに、
1−α≦k≦1+β・・・(3式)
α、β:許容誤差
である。
8.前記5から7の何れか1項に記載の光源評価システムと、
光量を調節する光量調節部を備えたソーラシミュレータとを備えた光源調整システムであって、
前記制御装置は、前記ソーラシミュレータに対して、前記評価値に基づいて光量調節信号を生成して出力することを特徴とする光源調整システム。
9.太陽電池の特性を測定するための光源であるソーラシミュレータの特性を評価する光源評価方法であって、
記憶部に、自然太陽光の分光放射照度と、予め測定された測定対象の太陽電池の分光感度とを記憶する記憶工程と、
分光放射計で、前記ソーラシミュレータから放射される光の分光放射照度を測定する分光放射照度測定工程と、
演算部で、前記分光放射計で測定された前記分光放射照度と、前記記憶部に記憶された、前記自然太陽光の分光放射照度と前記測定対象の太陽電池の分光感度とに基づいて、下記の(1式)で示される前記測定対象の太陽電池の短絡電流の補正係数kの演算を行う演算工程とを備えたことを特徴とする光源評価方法。
ここに、
k={∫S(λ)・P(λ)dλ}/{∫L(λ)・P(λ)dλ}・・・(1式)
S(λ):自然太陽光の分光放射照度
P(λ):測定対象の太陽電池の分光感度
L(λ):ソーラシミュレータから放射される光の分光放射照度
である。
10.前記ソーラシミュレータは、光量を調節する光量調節部を備え、
前記補正係数kが下記の(3式)を満足するように、前記光量調節部を用いて前記ソーラシミュレータの光量を調節する光量調節工程を備えたことを特徴とする前記9に記載の光源評価方法。
ここに、
1−α≦k≦1+β・・・(3式)
α、β:許容誤差
である。
本発明によれば、分光放射計で測定されたソーラシミュレータから放射される光の分光放射照度と、自然太陽光の分光放射照度と、予め測定された測定対象の太陽電池の分光感度とに基づいて、自然太陽光に対するソーラシミュレータから放射される光の特性の評価値を演算することで、測定対象の太陽電池の分光感度に合わせた基準セルや擬似セルを作製することなく、太陽電池の特性を測定するための光源であるソーラシミュレータの特性を評価することのできる光源評価装置、光源評価システム、光源調整システムおよび光源評価方法を提供することができる。
光源評価装置の第1の実施の形態の構成の一例を示す外観模式図である。 光源評価装置の第1の実施の形態の内部構成の一例を示すブロック図である。 光源評価装置の第1の実施の形態の構成の他の例を示す外観模式図である。 光源評価装置の第1の実施の形態の光源評価方法を示すフローチャートである。 光源評価装置の第2の実施の形態の光源評価方法を示すフローチャートである。 光源評価システムの実施の形態の構成の一例を示す外観模式図である。 光源評価システムの実施の形態の内部構成の一例を示すブロック図である。 光源評価システムの実施の形態の光源評価方法を示すフローチャートである。 基準太陽光の分光放射照度S(λ)を示すグラフである。
以下、本発明を図示の実施の形態に基づいて説明するが、本発明は該実施の形態に限らない。なお、図中、同一あるいは同等の部分には同一の番号を付与し、重複する説明は省略する。
最初に、本発明における光源評価装置の第1の実施の形態について、図1および図2を用いて説明する、図1は、本発明における光源評価装置の第1の実施の形態の構成の一例を示す外観模式図である。また、図2は、光源評価装置の第1の実施の形態の内部構成の一例を示すブロック図である。
図1において、光源評価装置1は、受光部11、光ファイバ12および光源評価装置本体13等で構成される。受光部11は、台板111、白色反射板112および受光光学系113等で構成され、ソーラシミュレータSSから放射された光SRを台板111上の白色反射板112で反射し、反射された光SRを受光光学系113で集光して光ファイバ12を介して光源評価装置本体13内に導く。
光源評価装置本体13には、表示部17、操作部18およびインターフェース部(以下、I/F部と言う)19等が設けられている。詳細は図2で説明する。
図2において、光源評価装置1は、受光部11、光ファイバ12および光源評価装置本体13等で構成される。光源評価装置本体13は、分光部14、制御部15、記憶部16、表示部17、操作部18およびI/F部19等で構成されている。
分光部14は、分光デバイス141、光電変換素子アレイ142、増幅部143およびA/D変換部144等で構成されている。分光デバイス141は、回折格子やプリズム、スリット等を用いて、入射光を波長毎に分光する素子である。光電変換素子アレイ142は、フォトダイオードアレイやCCD型撮像素子等を用いて、分光デバイス141で分光された入射光を光電変換する素子である。
ソーラシミュレータSSから放射された光SRは、受光部11で集光され、光ファイバ12を介して光源評価装置本体13内の分光部14に導かれ、分光デバイス141で波長毎に分光され、光電変換素子アレイ142で波長毎に光電変換され、増幅部143で波長毎に増幅され、A/D変換部144で波長毎にデジタルデータ化される。受光部11、光ファイバ12および分光部14は分光放射計10を構成する。
制御部15は、表示制御部151、分光制御部152、演算部153、記憶制御部154および入出力制御部155等で構成されている。
表示制御部151は、表示部17への表示を制御する。分光制御部152は、分光部14を含む分光放射計10の動作を制御する。演算部153は、自然太陽光(ここでは、基準太陽光)に対するソーラシミュレータSSから放射された光SRの特性の評価値Evの一例である、後述する測定対象の太陽電池PVの短絡電流の補正係数kを演算する。記憶制御部154は、記憶部16への記憶動作および記憶部16に記憶されたデータの読出動作を制御する。入出力制御部155は、操作部18からの入力およびI/F部19を介した外部との入出力を制御する。
実際には、制御部15は例えばCPUとROMおよびRAM等で構成され、ROMに記憶されたプログラムをRAM上に展開し、展開されたプログラムに従って、上述した各部の機能を果たす。ROMを書き換え可能な素子(PROM)としておけば、プログラムの更新も可能である。
記憶部16には、後述する基準太陽光の分光放射照度S(λ)、測定対象の太陽電池PVの分光感度P(λ)、ソーラシミュレータSSの分光放射照度L(λ)および測定対象の太陽電池PVの短絡電流の補正係数k等を記憶するための領域が設けられている。
表示部17は、例えば液晶等の表示部材等で構成され、表示制御部151の制御に従って、例えば、操作部18からの入力内容、記憶部16に記憶された分光放射照度S(λ)や分光感度P(λ)、分光部14で測定された分光放射照度L(λ)、演算部153で演算された補正係数k等を表示する。
操作部18は、例えば、光源評価装置1での分光動作や、補正係数kの演算動作、あるいはI/F部19を介した外部との入出力動作等を指示するための入力部である。
I/F部19は、外部とのプログラムやデータの入出力を行うインターフェースであり、例えば、分光放射照度S(λ)や分光感度P(λ)の入力、補正係数kの出力、制御部15の動作を規定するプログラムの入力等を行う。
なお、第1の実施の形態および後述する第2の実施の形態で言う外部とは、光源評価装置1とプログラムやデータのやりとりを行う装置あるいはシステムであり、例えば、ソーラシミュレータSSの動作を制御する装置や、ソーラシミュレータSSや光源評価装置1を含み、太陽電池PVの特性の測定や評価を行う装置あるいはシステム等のことである。
ここで、光源評価装置の第1の実施の形態の構成の他の例について、図3を用いて説明する。図3は、光源評価装置の第1の実施の形態の構成の他の例を示す外観模式図である。図3に示す第1の実施の形態の他の例は、図1では別体となっていた受光部11を光源評価装置本体13と一体化した所謂オールインワンタイプの装置である。
図3において、光源評価装置1は、光源評価装置本体13に一体に組み込まれた受光部11、表示部17、操作部18、I/F部19および図示しない分光部14、制御部15、記憶部16等で構成される。
受光部11は、第1の実施の形態と同様に白色反射板および受光光学系等で構成されていてもよいが、ここでは、ソーラシミュレータSSからの光SRを、開口部115を介して積分球114に取り込み、積分球114の出力部116から出力される光をレンズ等の光学系117を介して分光デバイス141に導く構成を例示している。
その他の光源評価装置1を構成する各部については、図1および図2に示した各部と同じであるので、説明は省略する。
次に、光源評価装置の第1の実施の形態の光源評価方法について、図4を用いて説明する。図4は、光源評価装置の第1の実施の形態の光源評価方法を示すフローチャートである。
図4において、ステップS11で、基準太陽光の分光放射照度S(λ)が、I/F部19を介して外部から読み込まれ、記憶部16に記憶されるとともに、演算部153に読み込まれる。基準太陽光の分光放射照度S(λ)は、国際的に統一された規格として規定されている既知のデータであり、予め外部に記憶されている。基準太陽光の分光放射照度S(λ)は、予め記憶部16に記憶させておいてもよい。
図9に、基準太陽光(AM1.5)の分光放射照度S(λ)のグラフを、大気圏外の太陽光(AM0)の分光放射照度S(λ)とともに示す。本発明では、図9に示した基準太陽光(AM1.5)、大気圏外の太陽光(AM0)および地表に垂直入射する太陽光(AM1.0)等を含む全ての太陽光を総称して、自然太陽光と呼ぶことにする。
ステップS13で、測定対象の太陽電池PVの分光感度P(λ)が、I/F部19を介して外部から読み込まれ、記憶部16に記憶されるとともに、演算部153に読み込まれる。測定対象の太陽電池PVの分光感度P(λ)は、分光器を用いて、別途、予め測定されたデータであり、予め外部に記憶されている。測定対象の太陽電池PVの分光感度P(λ)は、予め記憶部16に記憶させておいてもよい。ここに、ステップS11およびS13は、本発明における記憶工程として機能する。
ステップS15(分光放射照度測定工程)で、光源評価装置1の分光放射計10を用いて、ソーラシミュレータSSの分光放射照度L(λ)が測定され、演算部153に読み込まれるとともに、必要に応じて記憶部16に記憶される。
ステップS17(演算工程)で、演算部153によって、上述した基準太陽光の分光放射照度S(λ)、測定対象の太陽電池PVの分光感度P(λ)、ソーラシミュレータSSの分光放射照度L(λ)から、下記の(1式)に従って、測定対象の太陽電池PVの短絡電流の補正係数kが演算され、必要に応じて記憶部16に記憶される。ここに、
k={∫S(λ)・P(λ)dλ}/{∫L(λ)・P(λ)dλ}・・・(1式)
である。ただし、補正係数kの分子は基準太陽光下での測定対象の太陽電池PVの単位面積当たりの換算短絡電流値であり、分母はソーラシミュレータSS光下での測定対象の太陽電池PVの単位面積当たりの換算短絡電流値である。
ステップS19で、ステップS17で演算された測定対象の太陽電池PVの短絡電流の補正係数kが、必要に応じて、表示部17に表示され、I/F部19を介して外部に出力され、一連の動作が終了される。
測定対象の太陽電池PVの基準太陽光下での短絡電流Iscを求めるには、上述したソーラシミュレータSSの放射光下で、測定対象の太陽電池PVの短絡電流Imesを測定し、下記の(2式)に従って、基準太陽光下での短絡電流Iscを演算すればよい。ここに、
Isc=k×Imes・・・(2式)
である。
(2式)から分かるように、補正係数kは、基準太陽光下での短絡電流IscとソーラシミュレータSSの放射光下での短絡電流Imesとを結びつける係数であり、このことから、補正係数kは、基準太陽光に対するソーラシミュレータSSから放射される光の特性の評価値Evの一例である。
ここで、基準太陽光に対するソーラシミュレータSSから放射される光の特性の評価値Evの、上述した補正係数k以外の例について説明する。
例えば、評価値Evの他の例として、補正係数kの分子と分母との差である差分値jを考える。ここに、
j={∫S(λ)・P(λ)dλ}−{∫L(λ)・P(λ)dλ}
である。
つまり、差分値jは、基準太陽光下での測定対象の太陽電池PVの単位面積当たりの換算短絡電流値と、ソーラシミュレータSS光下での測定対象の太陽電池PVの単位面積当たりの換算短絡電流値との差であり、差分値jを0(ゼロ)に近づけることで、ソーラシミュレータSSから放射される光を基準太陽光に近づけることができる。
上述したように、光源評価装置の第1の実施の形態によれば、分光放射計で測定されたソーラシミュレータから放射される光の分光放射照度と、既知の基準太陽光の分光放射照度と、予め測定された測定対象の太陽電池の分光感度とに基づいて(1式)で示される短絡電流の補正係数kを演算することで、測定対象の太陽電池の分光感度に合わせた基準セルや擬似セルを作製することなく、太陽電池の特性を測定するための光源であるソーラシミュレータの特性を評価することのできる光源評価装置および光源評価方法を提供することができる。
さらに、基準太陽光の分光放射照度S(λ)を基準太陽光(AM1.5)以外の自然太陽光、例えば図9に示した大気圏外の太陽光(AM0)の分光放射照度S(λ)に入れ替えれば、大気圏外の太陽光(AM0)の分光放射照度S(λ)と、測定対象の太陽電池PVの分光感度P(λ)と、ソーラシミュレータSSの分光放射照度L(λ)とから、測定対象の太陽電池PVを、例えば宇宙ステーションで使用する場合の短絡電流Iscを、演算によって求めることができる。大気圏外の太陽光を模したソーラシミュレータSSを作製したり、測定対象の太陽電池を大気圏外に持ち出して測定したりする必要はない。
同様に、基準太陽光の分光放射照度S(λ)を、地表に垂直入射する太陽光(AM1.0)の分光放射照度S(λ)に入れ替えれば、黄道直下での測定対象の太陽電池PVの短絡電流Iscを、演算によって求めることができる。
また、例えば新しく開発された太陽電池PVの基準太陽光下での短絡電流Iscを求めたければ、新しく開発された太陽電池PVの分光感度P(λ)を測定して(1式)の分光感度P(λ)と入れ替え、新しく開発された太陽電池PVのソーラシミュレータSSの放射光下での短絡電流Imesを測定するだけで、(1式)および(2式)から短絡電流Iscを求めることができる。太陽電池PVが新しく開発される度に、新しい太陽電池PVの特性に合わせた基準セルや擬似セルを作成する必要はない。
次に、光源評価装置の第2の実施の形態について、図5を用いて説明する。図5は、光源評価装置の第2の実施の形態の光源評価方法を示すフローチャートである。第2の実施の形態の構成は、第1の実施の形態と同じである。
図4に示した第1の実施の形態の光源評価方法では、測定対象の太陽電池PVの短絡電流の補正係数kを求めて出力したが、測定対象の太陽電池PVの基準太陽光下での短絡電流Iscを求めるためには、上述したように、別途、ソーラシミュレータSSの放射光下で測定対象の太陽電池PVの短絡電流Imesを測定し、基準太陽光下での短絡電流Iscを演算する必要がある。そこで、第2の実施の形態では、基準太陽光下での短絡電流Iscを求めるまでを光源評価装置1で行う。
図5において、ステップS11からS17までは、図4と同じであるので、説明は省略する。
ステップS21において、電流計等を用いて、測定対象の太陽電池PVのソーラシミュレータSSの放射光下での短絡電流Imesが測定され、測定された短絡電流Imesが、I/F部19を介して演算部153に読み込まれるとともに、必要に応じて記憶部16に記憶される。
ステップS23において、ステップS17で演算された補正係数kと、ステップS21で測定された測定対象の太陽電池PVのソーラシミュレータSSの放射光下での短絡電流Imesとから、上述した(2式)に従って、基準太陽光下での短絡電流Iscが演算される。
ステップS25で、ステップS23で演算された測定対象の太陽電池PVの基準太陽光下での短絡電流Iscが、必要に応じて、表示部17に表示され、I/F部19を介して外部に出力され、一連の動作が終了される。
上述したように、光源評価装置の第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態の効果に加えて、(2式)で示される測定対象の太陽電池PVの基準太陽光下での短絡電流Iscを演算することで、測定対象の太陽電池PVの評価も行うことのできる光源評価装置および光源評価方法を提供することができる。
次に、本発明における光源評価システムおよび光源調整システムの実施の形態について、図6および図7を用いて説明する、図6は、本発明における光源評価システムおよび光源調整システムの実施の形態の構成の一例を示す外観模式図である。また、図7は、光源評価システムおよび光源調整システムの実施の形態の内部構成の一例を示すブロック図である。
図6において、光源評価システム2は、分光放射計20および制御装置23等で構成される。また、光源調整システムLCSは、光源評価システム2と、光量調節部SRCを備えたソーラシミュレータSS等とで構成される。
分光放射計20は、受光部21およびI/F部246等を備え、図7で後述する制御装置23のI/F部29と接続ケーブル291で接続されている。ソーラシミュレータSSから放射される光SRは、受光部21で受光されて、分光放射計20内で分光され、分光の結果は、I/F部246および接続ケーブル291を介して制御装置23に送信される。
制御装置23は、例えばパーソナルコンピュータPC等で構成され、表示部27としてのモニタや、操作部28としてのキーボード等を備えている。制御装置23と分光放射計20とは、接続ケーブル291で接続されている。同様に、制御装置23は、ソーラシミュレータSSとも接続ケーブル293で接続されている。ソーラシミュレータSSは、光SRの光量を調節する光量調節部SRCを備えており、後述するように、制御装置23からの光量調節信号Lcに従って、光量調節部SRCによって、ソーラシミュレータSSから放射される光SRの光量が調節される。
図7において、光源評価システム2は、分光放射計20および制御装置23等で構成される。また、光源調整システムLCSは、光源評価システム2と、光量調節部SRCを備えたソーラシミュレータSS等とで構成される。
分光放射計20は、受光部21および分光部14等で構成され、分光部14は、分光デバイス241、光電変換素子アレイ242、増幅部243、A/D変換部244、分光制御部245およびI/F部246等で構成されている。
受光部21は、第1の実施の形態と同様に白色反射板および受光光学系等で構成されていてもよいし、第1の実施の形態の他の例と同様に、ソーラシミュレータSSからの光SRを開口部115を介して積分球114に取り込み、積分球114から出力される光をレンズ等の光学系を介して分光デバイス241に導く構成でもよい。また、例えば、ソーラシミュレータSSからの光SRをレンズ等の光学系により分光デバイス241に導く構成等、従来から知られている分光放射計の受光部の構成の何れであってもよい。
分光デバイス241は、回折格子やプリズム、スリット等を用いて、入射光を波長毎に分光する素子である。光電変換素子アレイ242は、フォトダイオードアレイやCCD型撮像素子等を用いて、分光デバイス241で分光された光を光電変換する素子である。
ソーラシミュレータSSから放射された光SRは、受光部21で受光され、分光デバイス241で波長毎に分光され、光電変換素子アレイ242で波長毎に光電変換され、増幅部243で波長毎に増幅され、A/D変換部244で波長毎にデジタルデータ化され、ソーラシミュレータの分光放射照度L(λ)として、I/F部246から制御装置23へと、接続ケーブル291を介して出力される。これらの動作は、分光制御部245によって制御される。
制御装置23は、制御部25、記憶部26、表示部27、操作部28およびI/F部29等で構成される。制御部25は、表示制御部251、演算部253、記憶制御部254および入出力制御部255等で構成される。
表示制御部251は、表示部27への表示を制御する。演算部253は、後述する測定対象の太陽電池PVの短絡電流の補正係数kを演算するとともに、補正係数kに基づいて、図8で後述するソーラシミュレータSSの光量調節信号Lcを生成する。補正係数kの代わりに、上述した差分値jを用いてもよい。
記憶制御部254は、記憶部26への記憶動作および記憶部26に記憶されたデータの読出動作を制御する。入出力制御部255は、操作部28からの入力およびI/F部29を介した分光放射計20やソーラシミュレータSSおよび外部との入出力を制御する。
記憶部26には、後述する基準太陽光の分光放射照度S(λ)、測定対象の太陽電池PVの分光感度P(λ)、ソーラシミュレータSSの分光放射照度L(λ)および測定対象の太陽電池PVの短絡電流の補正係数kや差分値j等の評価値Ev等を記憶するための領域が設けられている。
表示部27は、表示制御部251の制御に従って、例えば、操作部28からの入力内容、記憶部26に記憶された分光放射照度S(λ)や分光感度P(λ)、分光放射計20で測定された分光放射照度L(λ)、演算部253で演算された補正係数kや差分値j等の評価値Ev等を表示する。
操作部28は、例えば、分光放射計20での分光動作や、制御装置23での補正係数kの演算動作、あるいはI/F部29を介した外部との入出力動作等を指示するための入力部である。
I/F部29は、外部とのプログラムやデータの入出力を行うインターフェースであり、例えば、分光放射照度S(λ)や分光感度P(λ)の入力、分光放射計20からのソーラシミュレータの分光放射照度L(λ)の入力、図8で後述するソーラシミュレータSSの光量調節信号Lcの出力、制御部25の動作を規定するプログラムの入力等を行う。
実際には、制御装置23は、例えばパーソナルコンピュータPC等で構成され、表示部27としてのモニタや、操作部28としてのキーボード等を備えている。制御部25は例えばCPUとハードディスク、ROMおよびRAM等で構成され、ハードディスク上に記憶されたプログラムをRAM上に展開し、展開されたプログラムに従って、上述した各部の機能を果たす。ハードディスク上のプログラムを書き換えることで、光源評価システム2の動作の更新も可能である。
なお、光源評価システムの実施の形態で言う外部とは、光源評価システム2とプログラムやデータのやりとりを行う装置あるいはシステムであり、例えば、ソーラシミュレータSSの動作を制御する装置や、ソーラシミュレータSSや光源評価システム2を含み、太陽電池PVの特性の測定や評価を行う装置あるいはシステム等のことである。
次に、光源評価システムおよび光源調整システムの実施の形態の光源評価方法について、図8を用いて説明する。図8は、光源評価システムおよび光源調整システムの実施の形態の光源評価方法を示すフローチャートである。
光源評価システムおよび光源調整システムの実施の形態の光源評価方法は、上述した光源評価装置の第1および第2の実施の形態の光源評価方法と同じであってもよいが、ここでは、従来と同様に、ソーラシミュレータSSの光量を調節することで、測定対象の太陽電池PVの、基準太陽光下での短絡電流IscとソーラシミュレータSSの放射光下での短絡電流Imesとを一致させる光源評価方法を示す。なお、図8に示す光源評価方法を、上述した光源評価装置の第1の実施の形態に適用することも可能である。
図8において、ステップS31で、基準太陽光の分光放射照度S(λ)が、I/F部29を介して外部から読み込まれ、記憶部26に記憶されるとともに、演算部253に読み込まれる。基準太陽光の分光放射照度S(λ)は、予め記憶部26に記憶させておいてもよい。
ステップS33で、測定対象の太陽電池PVの分光感度P(λ)が、I/F部29を介して外部から読み込まれ、記憶部26に記憶されるとともに、演算部253に読み込まれる。測定対象の太陽電池PVの分光感度P(λ)は、分光器を用いて、別途、予め測定されたデータであり、予め外部に記憶されている。測定対象の太陽電池PVの分光感度P(λ)は、予め記憶部26に記憶させておいてもよい。ここに、ステップS31およびS33は、本発明における記憶工程として機能する。
ステップS35(分光放射照度測定工程)で、光源評価システム2の分光放射計20を用いて、ソーラシミュレータSSの分光放射照度L(λ)が測定され、演算部253に読み込まれるとともに、必要に応じて記憶部26に記憶される。
ステップS37(演算工程)で、演算部253によって、上述した基準太陽光の分光放射照度S(λ)、測定対象の太陽電池PVの分光感度P(λ)、ソーラシミュレータSSの分光放射照度L(λ)から、上述した(1式)に従って、測定対象の太陽電池PVの短絡電流の補正係数kが演算され、必要に応じて記憶部26に記憶される。
ステップS39で、ステップS37で演算された測定対象の太陽電池PVの短絡電流の補正係数kが、下記の(3式)を満たしているか否かが確認される。ここに、
1−α≦k≦1+β・・・(3式)
α、β:許容誤差
である。
補正係数kが(3式)を満たしていない場合(ステップS39;No)、測定対象の太陽電池PVの基準太陽光下での短絡電流IscとソーラシミュレータSSの放射光下での短絡電流Imesとが一致していないとみなされ、ステップS41で、I/F部29と接続ケーブル293とを介して、制御装置23からソーラシミュレータSSに、光量の調節を指示する光量調節信号Lcが出力され、ステップS35に戻る。
光量調節信号Lcは、補正係数kが1+βよりも大きい場合には、ソーラシミュレータSSの光量を大きくする信号であり、補正係数kが1−αよりも小さい場合には、ソーラシミュレータSSの光量を小さくする信号である。なお、許容誤差αおよびβは、測定対象の太陽電池PVが遵守すべき規格を満足することができるように、適宜決定されればよい。
ソーラシミュレータSSでは、光量調節信号Lcに従って、自動あるいは手動で、光量を増加あるいは減少させて光量調節が行われる。光量調節は、絞りの口径の制御や濃度フィルタの使用等、ソーラシミュレータSSのスペクトル分布を変化させない方法で行われることが望ましいが、調節量が大きくなければ、光源として使用されているランプの点灯電圧を制御することでも可能である。
光量調節を手動で行う場合、表示部27には、補正係数kや差分値j等の評価値Evではなく、評価値Evに基づいたソーラシミュレータSSの光量を調整するための指標、例えば、「光量増」や「光量減」等の文字による指標や、「△」や「▼」あるいは「↑」や「↓」等の方向を示す記号等の指標を表示して、調整を行うこともできる。さらに、補正係数kや差分値j等の評価値Evのちに基づいて、「+5」や「−2」のように、調整の量を示してもよい。
光源評価システム2あるいは光源調整システムLCSでは、ソーラシミュレータSSの光量調節が行われた後に、再度ステップS35(分光放射照度測定工程)が実行されてソーラシミュレータSSの分光放射照度L(λ)が測定され、ステップS37(演算工程)で補正係数kが演算され、ステップS39で補正係数kが(3式)を満たしているか否かが確認される。
ステップS35からS41の動作が、補正係数kが(3式)を満たすまで繰り返され、補正係数kが(3式)を満たすと(ステップS39;Yes)、ソーラシミュレータSSの光量調節が完了したとみなされて、一連の動作が終了される。ここに、ステップS35からS41は、本発明の光量調節工程として機能する。
この状態で、測定対象の太陽電池PVのソーラシミュレータSSの放射光下での短絡電流Imes=基準太陽光下での短絡電流Iscとしてよいので、短絡電流Imesを測定することで、測定対象の太陽電池PVの測定、評価を行えばよい。
上述したように、光源評価システムおよび光源調整システムの実施の形態によれば、分光放射計で測定されたソーラシミュレータから放射される光の分光放射照度と、既知の基準太陽光の分光放射照度と、予め測定された測定対象の太陽電池の分光感度とに基づいて短絡電流の補正係数kを演算し、補正係数kが所定の許容誤差に入るようにソーラシミュレータの光量を調節することで、測定対象の太陽電池の分光感度に合わせた基準セルや擬似セルを作製することなく、太陽電池の特性を測定するための光源であるソーラシミュレータの特性を基準太陽光に合わせこむことのできる光源評価システム、光源調整システムおよび光源評価方法を提供することができる。
以上に述べたように、本発明によれば、分光放射計で測定されたソーラシミュレータから放射される光の分光放射照度と、自然太陽光の分光放射照度と、予め測定された測定対象の太陽電池の分光感度とに基づいて、自然太陽光に対するソーラシミュレータから放射される光の特性の評価値を演算することで、測定対象の太陽電池の分光感度に合わせた基準セルや擬似セルを作製することなく、太陽電池の特性を測定するための光源であるソーラシミュレータの特性を評価することのできる光源評価装置、光源評価システム、光源調整システムおよび光源評価方法を提供することができる。
なお、本発明に係る光源評価装置、光源評価システム、光源調整システムおよび光源評価方法を構成する各構成の細部構成および細部動作に関しては、本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
1 光源評価装置
2 光源評価システム
10、20 分光放射計
11、21 受光部
111 台板
112 白色反射板
113 受光光学系
114 積分球
115 (積分球114の)開口部
116 (積分球114の)出力部
117 光学系
12 光ファイバ
13 光源評価装置本体
14、24 分光部
141、241 分光デバイス
142、242 光電変換素子アレイ
143、243 増幅部
144、244 A/D変換部
15、25 制御部
151、251 表示制御部
152、245 分光制御部
153、253 演算部
154、254 記憶制御部
155、255 入出力制御部
16、26 記憶部
17、27 表示部
18、28 操作部
19、29、246 インターフェース(I/F)部
23 制御装置
291、293 接続ケーブル
Ev (自然太陽光に対するソーラシミュレータSSから放射される光の特性を評価するための)評価値
LCS 光源調整システム
SS ソーラシミュレータ
SR (ソーラシミュレータSSから放射された)光
SRC (ソーラシミュレータの)光量調節部
Lc 光量調節信号
Isc (測定対象の太陽電池の基準太陽光下での)短絡電流
Imes (測定対象の太陽電池のソーラシミュレータの放射光下での)短絡電流
S(λ) 基準太陽光の分光放射照度
P(λ) 測定対象の太陽電池の分光感度
L(λ) ソーラシミュレータの分光放射照度
k (測定対象の太陽電池の短絡電流の)補正係数
j (測定対象の太陽電池の短絡電流の)差分値
本発明は、光源評価装置、光源評価システム、光源調整システムおよび光源評価方法に関し、特に太陽電池の特性を評価するための光源であるソーラシミュレータの特性を評価する光源評価装置、光源評価システム、光源調整システムおよび光源評価方法に関する。
昨今の環境問題およびエネルギー問題への対応として、太陽電池の開発が盛んで、材料として、従来の単結晶シリコンから、アモルファスシリコン、薄膜シリコン、有機化合物、色素増感型などの多くの種類が、構造としても、従来の単接合から積層型の多接合まで多くの構造が開発されている。
そこで、この太陽電池の光電変換効率を公正に評価するために、国際的に標準化された評価方法の規格が、IEC60794やJIS規格(C8905〜C8991)で定義されている。その規格を要約すると、基準太陽光(AM1.5の太陽光)と同じ分光スペクトルおよび放射照度を模した光を照明する照明装置(以下、ソーラシミュレータと言う)の照明下で、太陽電池の発電量を測定するようになっている。
しかしながら、基準太陽光と同じ分光スペクトルおよび放射照度を有するソーラシミュレータを個々の検査機関や企業で保持、運用するのは無理がある。そこで、実際には、測定対象の太陽電池と同じ分光感度特性を持つ基準セルを作成し、公的機関(例えば、日本では産業技術総合研究所)が保有する基準太陽光に限りなく近い特性を持つ高近似シミュレータを用いて、作成した基準セルを校正する。個々の検査機関や企業では、校正された基準セルを用いて、保持、運用するソーラシミュレータの光量を調整して測定対象の太陽電池の測定を行っている。
この方法では、基準セルは測定対象の太陽電池と同じ分光感度を持つことが必要であり、新しい種類の太陽電池が開発される度に、作製した新しい太陽電池の中から標準的な分光感度を持つものを選び出して新しい基準セルとし、これを公的機関で校正する必要があり、この手間と費用は非常に大きい。
また、特に薄膜積層型の太陽電池では、入射光のスペクトルによって、出力特性が大きく変化するため、ソーラシミュレータにも、高い分光スペクトルの一致度が要求される。
そこで、例えば特許文献1には、薄膜積層型の太陽電池を構成する各要素セルのスペクトル依存性を反映させて作製された複数の基準セル(実際には、測定対象の太陽電池とは異なる種類の太陽電池を用いて作製される疑似セルである)を用いて、ソーラシミュレータの分光放射照度スペクトルを調整することで、分光スペクトルの一致度の高いソーラシミュレータを用いなくても、薄膜積層型の太陽電池の評価を行うことができる方法が示されている。
特開2006−147755号公報
しかしながら、特許文献1の方法では、基準セル(疑似セル)の作製にあたり、各要素セルのスペクトル依存性を反映させるために意図的に半導体層の厚みを変化させたり、ガラスフィルタを貼り合わせたりしており、基準セル(疑似セル)の作製に非常に大きな手間と費用を要する。これらの問題点は、ハードウェアとしての基準セル(疑似セル)を作製することに起因している。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、測定対象の太陽電池の分光感度に合わせた基準セルや擬似セルを作製することなく、太陽電池の特性を測定するための光源であるソーラシミュレータの特性を評価することのできる光源評価装置、光源評価システム、光源調整システムおよび光源評価方法を提供することを目的とする。
本発明の目的は、下記構成により達成することができる。
本発明の一態様にかかる光源評価装置は、太陽電池の特性を測定するための光源であるソーラシミュレータの特性を評価する光源評価装置であって、前記ソーラシミュレータから放射される光の分光放射照度を測定する分光放射計と、自然太陽光の分光放射照度と、予め測定された測定対象の太陽電池の分光感度とを記憶する記憶部と、前記分光放射計で測定された前記ソーラシミュレータから放射される光の前記分光放射照度と、前記記憶部に記憶された、前記自然太陽光の分光放射照度と前記測定対象の太陽電池の分光感度とに基づいて、前記自然太陽光に対する前記ソーラシミュレータから放射される光の特性の評価値を演算する演算部とを備えたことを特徴とする。
また、他の一態様では、上述の光源評価装置において、前記演算部は、前記評価値として、下記の(1式)で示される前記測定対象の太陽電池における短絡電流の補正係数kの演算を行うことを特徴とする。
ここに
k={∫S(λ)・P(λ)dλ}/{∫L(λ)・P(λ)dλ}・・・(1式)
S(λ):自然太陽光の分光放射照度
P(λ):測定対象の太陽電池の分光感度
L(λ):ソーラシミュレータから放射される光の分光放射照度
である
また、他の一態様では、上述の光源評価装置において、前記ソーラシミュレータは、光量を調節する光量調節部を備え前記補正係数kが下記の(3式)を満足するように、前記光量調節部を用いて前記ソーラシミュレータの光量を調節することを特徴とする。
ここに
1−α≦k≦1+β・・・(3式)
α、β:許容誤差
である
また、他の一態様では、これら上述の光源評価装置において、前記光源評価装置は、さらに表示部を備え、前記評価値、または前記評価値に基づいた前記ソーラシミュレータの光量を調節する指標を表示することを特徴とする。
また、本発明の他の一態様にかかる光源評価システムは、太陽電池の特性を測定するための光源であるソーラシミュレータの特性を評価する光源評価システムであって、前記ソーラシミュレータから放射される光の分光放射照度を測定する分光放射計と、前記分光放射計とは別体に設けられた制御装置とを備え、前記制御装置は、自然太陽光の分光放射照度と、予め測定された測定対象の太陽電池の分光感度とを記憶する記憶部と、前記分光放射計で測定された前記ソーラシミュレータから放射される光の前記分光放射照度と、前記記憶部に記憶された、前記自然太陽光の分光放射照度と前記測定対象の太陽電池の分光感度とに基づいて、前記自然太陽光に対する前記ソーラシミュレータから放射される光の特性の評価値を演算する演算部とを備えたことを特徴とする。
また、他の一態様では、上述の光源評価システムにおいて、前記演算部は、前記評価値として、下記の(1式)で示される前記測定対象の太陽電池における短絡電流の補正係数kの演算を行うことを特徴とする。
ここに、
k={∫S(λ)・P(λ)dλ}/{∫L(λ)・P(λ)dλ}・・・(1式)
S(λ):自然太陽光の分光放射照度
P(λ):測定対象の太陽電池の分光感度
L(λ):ソーラシミュレータから放射される光の分光放射照度
である。
また、他の一態様では、上述の光源評価システムにおいて、前記ソーラシミュレータは、光量を調節する光量調節部を備え、前記制御装置は、前記補正係数kが下記の(3式)を満足するように、前記光量調節部を用いて前記ソーラシミュレータの光量を調節することを特徴とする。
ここに、
1−α≦k≦1+β・・・(3式)
α、β:許容誤差
である。
また、本発明の他の一態様にかかる光源調整システムは、これら上述の何れか光源評価システムと、光量を調節する光量調節部を備えたソーラシミュレータとを備えた光源調整システムであって、前記制御装置は、前記ソーラシミュレータに対して、前記評価値に基づいて光量調節信号を生成して出力することを特徴とする。
また、本発明の他の一態様にかかる光源評価方法は、太陽電池の特性を測定するための光源であるソーラシミュレータの特性を評価する光源評価方法であって、記憶部に、自然太陽光の分光放射照度と、予め測定された測定対象の太陽電池の分光感度とを記憶する記憶工程と、分光放射計で、前記ソーラシミュレータから放射される光の分光放射照度を測定する分光放射照度測定工程と、演算部で、前記分光放射計で測定された前記分光放射照度と、前記記憶部に記憶された、前記自然太陽光の分光放射照度と前記測定対象の太陽電池の分光感度とに基づいて、下記の(1式)で示される前記測定対象の太陽電池における短絡電流の補正係数kの演算を行う演算工程とを備えたことを特徴とする。
ここに、
k={∫S(λ)・P(λ)dλ}/{∫L(λ)・P(λ)dλ}・・・(1式)
S(λ):自然太陽光の分光放射照度
P(λ):測定対象の太陽電池の分光感度
L(λ):ソーラシミュレータから放射される光の分光放射照度
である。
また、他の一態様では、上述の光源評価方法において、前記ソーラシミュレータは、光量を調節する光量調節部を備え、前記補正係数kが下記の(3式)を満足するように、前記光量調節部を用いて前記ソーラシミュレータの光量を調節する光量調節工程をさらに備えたことを特徴とする。
ここに、
1−α≦k≦1+β・・・(3式)
α、β:許容誤差
である。
本発明によれば、分光放射計で測定されたソーラシミュレータから放射される光の分光放射照度と、自然太陽光の分光放射照度と、予め測定された測定対象の太陽電池の分光感度とに基づいて、自然太陽光に対するソーラシミュレータから放射される光の特性の評価値を演算することで、測定対象の太陽電池の分光感度に合わせた基準セルや擬似セルを作製することなく、太陽電池の特性を測定するための光源であるソーラシミュレータの特性を評価することのできる光源評価装置、光源評価システム、光源調整システムおよび光源評価方法を提供することができる。
光源評価装置の第1の実施の形態の構成の一例を示す外観模式図である。 光源評価装置の第1の実施の形態の内部構成の一例を示すブロック図である。 光源評価装置の第1の実施の形態の構成の他の例を示す外観模式図である。 光源評価装置の第1の実施の形態の光源評価方法を示すフローチャートである。 光源評価装置の第2の実施の形態の光源評価方法を示すフローチャートである。 光源評価システムの実施の形態の構成の一例を示す外観模式図である。 光源評価システムの実施の形態の内部構成の一例を示すブロック図である。 光源評価システムの実施の形態の光源評価方法を示すフローチャートである。 基準太陽光の分光放射照度S(λ)を示すグラフである。
以下、本発明を図示の実施の形態に基づいて説明するが、本発明は該実施の形態に限らない。なお、図中、同一あるいは同等の部分には同一の番号を付与し、重複する説明は省略する。
最初に、本発明における光源評価装置の第1の実施の形態について、図1および図2を用いて説明する、図1は、本発明における光源評価装置の第1の実施の形態の構成の一例を示す外観模式図である。また、図2は、光源評価装置の第1の実施の形態の内部構成の一例を示すブロック図である。
図1において、光源評価装置1は、受光部11、光ファイバ12および光源評価装置本体13等で構成される。受光部11は、台板111、白色反射板112および受光光学系113等で構成され、ソーラシミュレータSSから放射された光SRを台板111上の白色反射板112で反射し、反射された光SRを受光光学系113で集光して光ファイバ12を介して光源評価装置本体13内に導く。
光源評価装置本体13には、表示部17、操作部18およびインターフェース部(以下、I/F部と言う)19等が設けられている。詳細は図2で説明する。
図2において、光源評価装置1は、受光部11、光ファイバ12および光源評価装置本体13等で構成される。光源評価装置本体13は、分光部14、制御部15、記憶部16、表示部17、操作部18およびI/F部19等で構成されている。
分光部14は、分光デバイス141、光電変換素子アレイ142、増幅部143およびA/D変換部144等で構成されている。分光デバイス141は、回折格子やプリズム、スリット等を用いて、入射光を波長毎に分光する素子である。光電変換素子アレイ142は、フォトダイオードアレイやCCD型撮像素子等を用いて、分光デバイス141で分光された入射光を光電変換する素子である。
ソーラシミュレータSSから放射された光SRは、受光部11で集光され、光ファイバ12を介して光源評価装置本体13内の分光部14に導かれ、分光デバイス141で波長毎に分光され、光電変換素子アレイ142で波長毎に光電変換され、増幅部143で波長毎に増幅され、A/D変換部144で波長毎にデジタルデータ化される。受光部11、光ファイバ12および分光部14は分光放射計10を構成する。
制御部15は、表示制御部151、分光制御部152、演算部153、記憶制御部154および入出力制御部155等で構成されている。
表示制御部151は、表示部17への表示を制御する。分光制御部152は、分光部14を含む分光放射計10の動作を制御する。演算部153は、自然太陽光(ここでは、基準太陽光)に対するソーラシミュレータSSから放射された光SRの特性の評価値Evの一例である、後述する測定対象の太陽電池PVの短絡電流の補正係数kを演算する。記憶制御部154は、記憶部16への記憶動作および記憶部16に記憶されたデータの読出動作を制御する。入出力制御部155は、操作部18からの入力およびI/F部19を介した外部との入出力を制御する。
実際には、制御部15は例えばCPUとROMおよびRAM等で構成され、ROMに記憶されたプログラムをRAM上に展開し、展開されたプログラムに従って、上述した各部の機能を果たす。ROMを書き換え可能な素子(PROM)としておけば、プログラムの更新も可能である。
記憶部16には、後述する基準太陽光の分光放射照度S(λ)、測定対象の太陽電池PVの分光感度P(λ)、ソーラシミュレータSSの分光放射照度L(λ)および測定対象の太陽電池PVの短絡電流の補正係数k等を記憶するための領域が設けられている。
表示部17は、例えば液晶等の表示部材等で構成され、表示制御部151の制御に従って、例えば、操作部18からの入力内容、記憶部16に記憶された分光放射照度S(λ)や分光感度P(λ)、分光部14で測定された分光放射照度L(λ)、演算部153で演算された補正係数k等を表示する。
操作部18は、例えば、光源評価装置1での分光動作や、補正係数kの演算動作、あるいはI/F部19を介した外部との入出力動作等を指示するための入力部である。
I/F部19は、外部とのプログラムやデータの入出力を行うインターフェースであり、例えば、分光放射照度S(λ)や分光感度P(λ)の入力、補正係数kの出力、制御部15の動作を規定するプログラムの入力等を行う。
なお、第1の実施の形態および後述する第2の実施の形態で言う外部とは、光源評価装置1とプログラムやデータのやりとりを行う装置あるいはシステムであり、例えば、ソーラシミュレータSSの動作を制御する装置や、ソーラシミュレータSSや光源評価装置1を含み、太陽電池PVの特性の測定や評価を行う装置あるいはシステム等のことである。
ここで、光源評価装置の第1の実施の形態の構成の他の例について、図3を用いて説明する。図3は、光源評価装置の第1の実施の形態の構成の他の例を示す外観模式図である。図3に示す第1の実施の形態の他の例は、図1では別体となっていた受光部11を光源評価装置本体13と一体化した所謂オールインワンタイプの装置である。
図3において、光源評価装置1は、光源評価装置本体13に一体に組み込まれた受光部11、表示部17、操作部18、I/F部19および図示しない分光部14、制御部15、記憶部16等で構成される。
受光部11は、第1の実施の形態と同様に白色反射板および受光光学系等で構成されていてもよいが、ここでは、ソーラシミュレータSSからの光SRを、開口部115を介して積分球114に取り込み、積分球114の出力部116から出力される光をレンズ等の光学系117を介して分光デバイス141に導く構成を例示している。
その他の光源評価装置1を構成する各部については、図1および図2に示した各部と同じであるので、説明は省略する。
次に、光源評価装置の第1の実施の形態の光源評価方法について、図4を用いて説明する。図4は、光源評価装置の第1の実施の形態の光源評価方法を示すフローチャートである。
図4において、ステップS11で、基準太陽光の分光放射照度S(λ)が、I/F部19を介して外部から読み込まれ、記憶部16に記憶されるとともに、演算部153に読み込まれる。基準太陽光の分光放射照度S(λ)は、国際的に統一された規格として規定されている既知のデータであり、予め外部に記憶されている。基準太陽光の分光放射照度S(λ)は、予め記憶部16に記憶させておいてもよい。
図9に、基準太陽光(AM1.5)の分光放射照度S(λ)のグラフを、大気圏外の太陽光(AM0)の分光放射照度S(λ)とともに示す。本発明では、図9に示した基準太陽光(AM1.5)、大気圏外の太陽光(AM0)および地表に垂直入射する太陽光(AM1.0)等を含む全ての太陽光を総称して、自然太陽光と呼ぶことにする。
ステップS13で、測定対象の太陽電池PVの分光感度P(λ)が、I/F部19を介して外部から読み込まれ、記憶部16に記憶されるとともに、演算部153に読み込まれる。測定対象の太陽電池PVの分光感度P(λ)は、分光器を用いて、別途、予め測定されたデータであり、予め外部に記憶されている。測定対象の太陽電池PVの分光感度P(λ)は、予め記憶部16に記憶させておいてもよい。ここに、ステップS11およびS13は、本発明における記憶工程として機能する。
ステップS15(分光放射照度測定工程)で、光源評価装置1の分光放射計10を用いて、ソーラシミュレータSSの分光放射照度L(λ)が測定され、演算部153に読み込まれるとともに、必要に応じて記憶部16に記憶される。
ステップS17(演算工程)で、演算部153によって、上述した基準太陽光の分光放射照度S(λ)、測定対象の太陽電池PVの分光感度P(λ)、ソーラシミュレータSSの分光放射照度L(λ)から、下記の(1式)に従って、測定対象の太陽電池PVの短絡電流の補正係数kが演算され、必要に応じて記憶部16に記憶される。ここに、
k={∫S(λ)・P(λ)dλ}/{∫L(λ)・P(λ)dλ}・・・(1式)
である。ただし、補正係数kの分子は基準太陽光下での測定対象の太陽電池PVの単位面積当たりの換算短絡電流値であり、分母はソーラシミュレータSS光下での測定対象の太陽電池PVの単位面積当たりの換算短絡電流値である。
ステップS19で、ステップS17で演算された測定対象の太陽電池PVの短絡電流の補正係数kが、必要に応じて、表示部17に表示され、I/F部19を介して外部に出力され、一連の動作が終了される。
測定対象の太陽電池PVの基準太陽光下での短絡電流Iscを求めるには、上述したソーラシミュレータSSの放射光下で、測定対象の太陽電池PVの短絡電流Imesを測定し、下記の(2式)に従って、基準太陽光下での短絡電流Iscを演算すればよい。ここに、
Isc=k×Imes・・・(2式)
である。
(2式)から分かるように、補正係数kは、基準太陽光下での短絡電流IscとソーラシミュレータSSの放射光下での短絡電流Imesとを結びつける係数であり、このことから、補正係数kは、基準太陽光に対するソーラシミュレータSSから放射される光の特性の評価値Evの一例である。
ここで、基準太陽光に対するソーラシミュレータSSから放射される光の特性の評価値Evの、上述した補正係数k以外の例について説明する。
例えば、評価値Evの他の例として、補正係数kの分子と分母との差である差分値jを考える。ここに、
j={∫S(λ)・P(λ)dλ}−{∫L(λ)・P(λ)dλ}
である。
つまり、差分値jは、基準太陽光下での測定対象の太陽電池PVの単位面積当たりの換算短絡電流値と、ソーラシミュレータSS光下での測定対象の太陽電池PVの単位面積当たりの換算短絡電流値との差であり、差分値jを0(ゼロ)に近づけることで、ソーラシミュレータSSから放射される光を基準太陽光に近づけることができる。
上述したように、光源評価装置の第1の実施の形態によれば、分光放射計で測定されたソーラシミュレータから放射される光の分光放射照度と、既知の基準太陽光の分光放射照度と、予め測定された測定対象の太陽電池の分光感度とに基づいて(1式)で示される短絡電流の補正係数kを演算することで、測定対象の太陽電池の分光感度に合わせた基準セルや擬似セルを作製することなく、太陽電池の特性を測定するための光源であるソーラシミュレータの特性を評価することのできる光源評価装置および光源評価方法を提供することができる。
さらに、基準太陽光の分光放射照度S(λ)を基準太陽光(AM1.5)以外の自然太陽光、例えば図9に示した大気圏外の太陽光(AM0)の分光放射照度S(λ)に入れ替えれば、大気圏外の太陽光(AM0)の分光放射照度S(λ)と、測定対象の太陽電池PVの分光感度P(λ)と、ソーラシミュレータSSの分光放射照度L(λ)とから、測定対象の太陽電池PVを、例えば宇宙ステーションで使用する場合の短絡電流Iscを、演算によって求めることができる。大気圏外の太陽光を模したソーラシミュレータSSを作製したり、測定対象の太陽電池を大気圏外に持ち出して測定したりする必要はない。
同様に、基準太陽光の分光放射照度S(λ)を、地表に垂直入射する太陽光(AM1.0)の分光放射照度S(λ)に入れ替えれば、黄道直下での測定対象の太陽電池PVの短絡電流Iscを、演算によって求めることができる。
また、例えば新しく開発された太陽電池PVの基準太陽光下での短絡電流Iscを求めたければ、新しく開発された太陽電池PVの分光感度P(λ)を測定して(1式)の分光感度P(λ)と入れ替え、新しく開発された太陽電池PVのソーラシミュレータSSの放射光下での短絡電流Imesを測定するだけで、(1式)および(2式)から短絡電流Iscを求めることができる。太陽電池PVが新しく開発される度に、新しい太陽電池PVの特性に合わせた基準セルや擬似セルを作成する必要はない。
次に、光源評価装置の第2の実施の形態について、図5を用いて説明する。図5は、光源評価装置の第2の実施の形態の光源評価方法を示すフローチャートである。第2の実施の形態の構成は、第1の実施の形態と同じである。
図4に示した第1の実施の形態の光源評価方法では、測定対象の太陽電池PVの短絡電流の補正係数kを求めて出力したが、測定対象の太陽電池PVの基準太陽光下での短絡電流Iscを求めるためには、上述したように、別途、ソーラシミュレータSSの放射光下で測定対象の太陽電池PVの短絡電流Imesを測定し、基準太陽光下での短絡電流Iscを演算する必要がある。そこで、第2の実施の形態では、基準太陽光下での短絡電流Iscを求めるまでを光源評価装置1で行う。
図5において、ステップS11からS17までは、図4と同じであるので、説明は省略する。
ステップS21において、電流計等を用いて、測定対象の太陽電池PVのソーラシミュレータSSの放射光下での短絡電流Imesが測定され、測定された短絡電流Imesが、I/F部19を介して演算部153に読み込まれるとともに、必要に応じて記憶部16に記憶される。
ステップS23において、ステップS17で演算された補正係数kと、ステップS21で測定された測定対象の太陽電池PVのソーラシミュレータSSの放射光下での短絡電流Imesとから、上述した(2式)に従って、基準太陽光下での短絡電流Iscが演算される。
ステップS25で、ステップS23で演算された測定対象の太陽電池PVの基準太陽光下での短絡電流Iscが、必要に応じて、表示部17に表示され、I/F部19を介して外部に出力され、一連の動作が終了される。
上述したように、光源評価装置の第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態の効果に加えて、(2式)で示される測定対象の太陽電池PVの基準太陽光下での短絡電流Iscを演算することで、測定対象の太陽電池PVの評価も行うことのできる光源評価装置および光源評価方法を提供することができる。
次に、本発明における光源評価システムおよび光源調整システムの実施の形態について、図6および図7を用いて説明する、図6は、本発明における光源評価システムおよび光源調整システムの実施の形態の構成の一例を示す外観模式図である。また、図7は、光源評価システムおよび光源調整システムの実施の形態の内部構成の一例を示すブロック図である。
図6において、光源評価システム2は、分光放射計20および制御装置23等で構成される。また、光源調整システムLCSは、光源評価システム2と、光量調節部SRCを備えたソーラシミュレータSS等とで構成される。
分光放射計20は、受光部21およびI/F部246等を備え、図7で後述する制御装置23のI/F部29と接続ケーブル291で接続されている。ソーラシミュレータSSから放射される光SRは、受光部21で受光されて、分光放射計20内で分光され、分光の結果は、I/F部246および接続ケーブル291を介して制御装置23に送信される。
制御装置23は、例えばパーソナルコンピュータPC等で構成され、表示部27としてのモニタや、操作部28としてのキーボード等を備えている。制御装置23と分光放射計20とは、接続ケーブル291で接続されている。同様に、制御装置23は、ソーラシミュレータSSとも接続ケーブル293で接続されている。ソーラシミュレータSSは、光SRの光量を調節する光量調節部SRCを備えており、後述するように、制御装置23からの光量調節信号Lcに従って、光量調節部SRCによって、ソーラシミュレータSSから放射される光SRの光量が調節される。
図7において、光源評価システム2は、分光放射計20および制御装置23等で構成される。また、光源調整システムLCSは、光源評価システム2と、光量調節部SRCを備えたソーラシミュレータSS等とで構成される。
分光放射計20は、受光部21および分光部14等で構成され、分光部14は、分光デバイス241、光電変換素子アレイ242、増幅部243、A/D変換部244、分光制御部245およびI/F部246等で構成されている。
受光部21は、第1の実施の形態と同様に白色反射板および受光光学系等で構成されていてもよいし、第1の実施の形態の他の例と同様に、ソーラシミュレータSSからの光SRを開口部115を介して積分球114に取り込み、積分球114から出力される光をレンズ等の光学系を介して分光デバイス241に導く構成でもよい。また、例えば、ソーラシミュレータSSからの光SRをレンズ等の光学系により分光デバイス241に導く構成等、従来から知られている分光放射計の受光部の構成の何れであってもよい。
分光デバイス241は、回折格子やプリズム、スリット等を用いて、入射光を波長毎に分光する素子である。光電変換素子アレイ242は、フォトダイオードアレイやCCD型撮像素子等を用いて、分光デバイス241で分光された光を光電変換する素子である。
ソーラシミュレータSSから放射された光SRは、受光部21で受光され、分光デバイス241で波長毎に分光され、光電変換素子アレイ242で波長毎に光電変換され、増幅部243で波長毎に増幅され、A/D変換部244で波長毎にデジタルデータ化され、ソーラシミュレータの分光放射照度L(λ)として、I/F部246から制御装置23へと、接続ケーブル291を介して出力される。これらの動作は、分光制御部245によって制御される。
制御装置23は、制御部25、記憶部26、表示部27、操作部28およびI/F部29等で構成される。制御部25は、表示制御部251、演算部253、記憶制御部254および入出力制御部255等で構成される。
表示制御部251は、表示部27への表示を制御する。演算部253は、後述する測定対象の太陽電池PVの短絡電流の補正係数kを演算するとともに、補正係数kに基づいて、図8で後述するソーラシミュレータSSの光量調節信号Lcを生成する。補正係数kの代わりに、上述した差分値jを用いてもよい。
記憶制御部254は、記憶部26への記憶動作および記憶部26に記憶されたデータの読出動作を制御する。入出力制御部255は、操作部28からの入力およびI/F部29を介した分光放射計20やソーラシミュレータSSおよび外部との入出力を制御する。
記憶部26には、後述する基準太陽光の分光放射照度S(λ)、測定対象の太陽電池PVの分光感度P(λ)、ソーラシミュレータSSの分光放射照度L(λ)および測定対象の太陽電池PVの短絡電流の補正係数kや差分値j等の評価値Ev等を記憶するための領域が設けられている。
表示部27は、表示制御部251の制御に従って、例えば、操作部28からの入力内容、記憶部26に記憶された分光放射照度S(λ)や分光感度P(λ)、分光放射計20で測定された分光放射照度L(λ)、演算部253で演算された補正係数kや差分値j等の評価値Ev等を表示する。
操作部28は、例えば、分光放射計20での分光動作や、制御装置23での補正係数kの演算動作、あるいはI/F部29を介した外部との入出力動作等を指示するための入力部である。
I/F部29は、外部とのプログラムやデータの入出力を行うインターフェースであり、例えば、分光放射照度S(λ)や分光感度P(λ)の入力、分光放射計20からのソーラシミュレータの分光放射照度L(λ)の入力、図8で後述するソーラシミュレータSSの光量調節信号Lcの出力、制御部25の動作を規定するプログラムの入力等を行う。
実際には、制御装置23は、例えばパーソナルコンピュータPC等で構成され、表示部27としてのモニタや、操作部28としてのキーボード等を備えている。制御部25は例えばCPUとハードディスク、ROMおよびRAM等で構成され、ハードディスク上に記憶されたプログラムをRAM上に展開し、展開されたプログラムに従って、上述した各部の機能を果たす。ハードディスク上のプログラムを書き換えることで、光源評価システム2の動作の更新も可能である。
なお、光源評価システムの実施の形態で言う外部とは、光源評価システム2とプログラムやデータのやりとりを行う装置あるいはシステムであり、例えば、ソーラシミュレータSSの動作を制御する装置や、ソーラシミュレータSSや光源評価システム2を含み、太陽電池PVの特性の測定や評価を行う装置あるいはシステム等のことである。
次に、光源評価システムおよび光源調整システムの実施の形態の光源評価方法について、図8を用いて説明する。図8は、光源評価システムおよび光源調整システムの実施の形態の光源評価方法を示すフローチャートである。
光源評価システムおよび光源調整システムの実施の形態の光源評価方法は、上述した光源評価装置の第1および第2の実施の形態の光源評価方法と同じであってもよいが、ここでは、従来と同様に、ソーラシミュレータSSの光量を調節することで、測定対象の太陽電池PVの、基準太陽光下での短絡電流IscとソーラシミュレータSSの放射光下での短絡電流Imesとを一致させる光源評価方法を示す。なお、図8に示す光源評価方法を、上述した光源評価装置の第1の実施の形態に適用することも可能である。
図8において、ステップS31で、基準太陽光の分光放射照度S(λ)が、I/F部29を介して外部から読み込まれ、記憶部26に記憶されるとともに、演算部253に読み込まれる。基準太陽光の分光放射照度S(λ)は、予め記憶部26に記憶させておいてもよい。
ステップS33で、測定対象の太陽電池PVの分光感度P(λ)が、I/F部29を介して外部から読み込まれ、記憶部26に記憶されるとともに、演算部253に読み込まれる。測定対象の太陽電池PVの分光感度P(λ)は、分光器を用いて、別途、予め測定されたデータであり、予め外部に記憶されている。測定対象の太陽電池PVの分光感度P(λ)は、予め記憶部26に記憶させておいてもよい。ここに、ステップS31およびS33は、本発明における記憶工程として機能する。
ステップS35(分光放射照度測定工程)で、光源評価システム2の分光放射計20を用いて、ソーラシミュレータSSの分光放射照度L(λ)が測定され、演算部253に読み込まれるとともに、必要に応じて記憶部26に記憶される。
ステップS37(演算工程)で、演算部253によって、上述した基準太陽光の分光放射照度S(λ)、測定対象の太陽電池PVの分光感度P(λ)、ソーラシミュレータSSの分光放射照度L(λ)から、上述した(1式)に従って、測定対象の太陽電池PVの短絡電流の補正係数kが演算され、必要に応じて記憶部26に記憶される。
ステップS39で、ステップS37で演算された測定対象の太陽電池PVの短絡電流の補正係数kが、下記の(3式)を満たしているか否かが確認される。ここに、
1−α≦k≦1+β・・・(3式)
α、β:許容誤差
である。
補正係数kが(3式)を満たしていない場合(ステップS39;No)、測定対象の太陽電池PVの基準太陽光下での短絡電流IscとソーラシミュレータSSの放射光下での短絡電流Imesとが一致していないとみなされ、ステップS41で、I/F部29と接続ケーブル293とを介して、制御装置23からソーラシミュレータSSに、光量の調節を指示する光量調節信号Lcが出力され、ステップS35に戻る。
光量調節信号Lcは、補正係数kが1+βよりも大きい場合には、ソーラシミュレータSSの光量を大きくする信号であり、補正係数kが1−αよりも小さい場合には、ソーラシミュレータSSの光量を小さくする信号である。なお、許容誤差αおよびβは、測定対象の太陽電池PVが遵守すべき規格を満足することができるように、適宜決定されればよい。
ソーラシミュレータSSでは、光量調節信号Lcに従って、自動あるいは手動で、光量を増加あるいは減少させて光量調節が行われる。光量調節は、絞りの口径の制御や濃度フィルタの使用等、ソーラシミュレータSSのスペクトル分布を変化させない方法で行われることが望ましいが、調節量が大きくなければ、光源として使用されているランプの点灯電圧を制御することでも可能である。
光量調節を手動で行う場合、表示部27には、補正係数kや差分値j等の評価値Evではなく、評価値Evに基づいたソーラシミュレータSSの光量を調整するための指標、例えば、「光量増」や「光量減」等の文字による指標や、「△」や「▼」あるいは「↑」や「↓」等の方向を示す記号等の指標を表示して、調整を行うこともできる。さらに、補正係数kや差分値j等の評価値Evのちに基づいて、「+5」や「−2」のように、調整の量を示してもよい。
光源評価システム2あるいは光源調整システムLCSでは、ソーラシミュレータSSの光量調節が行われた後に、再度ステップS35(分光放射照度測定工程)が実行されてソーラシミュレータSSの分光放射照度L(λ)が測定され、ステップS37(演算工程)で補正係数kが演算され、ステップS39で補正係数kが(3式)を満たしているか否かが確認される。
ステップS35からS41の動作が、補正係数kが(3式)を満たすまで繰り返され、補正係数kが(3式)を満たすと(ステップS39;Yes)、ソーラシミュレータSSの光量調節が完了したとみなされて、一連の動作が終了される。ここに、ステップS35からS41は、本発明の光量調節工程として機能する。
この状態で、測定対象の太陽電池PVのソーラシミュレータSSの放射光下での短絡電流Imes=基準太陽光下での短絡電流Iscとしてよいので、短絡電流Imesを測定することで、測定対象の太陽電池PVの測定、評価を行えばよい。
上述したように、光源評価システムおよび光源調整システムの実施の形態によれば、分光放射計で測定されたソーラシミュレータから放射される光の分光放射照度と、既知の基準太陽光の分光放射照度と、予め測定された測定対象の太陽電池の分光感度とに基づいて短絡電流の補正係数kを演算し、補正係数kが所定の許容誤差に入るようにソーラシミュレータの光量を調節することで、測定対象の太陽電池の分光感度に合わせた基準セルや擬似セルを作製することなく、太陽電池の特性を測定するための光源であるソーラシミュレータの特性を基準太陽光に合わせこむことのできる光源評価システム、光源調整システムおよび光源評価方法を提供することができる。
以上に述べたように、本発明によれば、分光放射計で測定されたソーラシミュレータから放射される光の分光放射照度と、自然太陽光の分光放射照度と、予め測定された測定対象の太陽電池の分光感度とに基づいて、自然太陽光に対するソーラシミュレータから放射される光の特性の評価値を演算することで、測定対象の太陽電池の分光感度に合わせた基準セルや擬似セルを作製することなく、太陽電池の特性を測定するための光源であるソーラシミュレータの特性を評価することのできる光源評価装置、光源評価システム、光源調整システムおよび光源評価方法を提供することができる。
なお、本発明に係る光源評価装置、光源評価システム、光源調整システムおよび光源評価方法を構成する各構成の細部構成および細部動作に関しては、本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
1 光源評価装置
2 光源評価システム
10、20 分光放射計
11、21 受光部
111 台板
112 白色反射板
113 受光光学系
114 積分球
115 (積分球114の)開口部
116 (積分球114の)出力部
117 光学系
12 光ファイバ
13 光源評価装置本体
14、24 分光部
141、241 分光デバイス
142、242 光電変換素子アレイ
143、243 増幅部
144、244 A/D変換部
15、25 制御部
151、251 表示制御部
152、245 分光制御部
153、253 演算部
154、254 記憶制御部
155、255 入出力制御部
16、26 記憶部
17、27 表示部
18、28 操作部
19、29、246 インターフェース(I/F)部
23 制御装置
291、293 接続ケーブル
Ev (自然太陽光に対するソーラシミュレータSSから放射される光の特性を評価するための)評価値
LCS 光源調整システム
SS ソーラシミュレータ
SR (ソーラシミュレータSSから放射された)光
SRC (ソーラシミュレータの)光量調節部
Lc 光量調節信号
Isc (測定対象の太陽電池の基準太陽光下での)短絡電流
Imes (測定対象の太陽電池のソーラシミュレータの放射光下での)短絡電流
S(λ) 基準太陽光の分光放射照度
P(λ) 測定対象の太陽電池の分光感度
L(λ) ソーラシミュレータの分光放射照度
k (測定対象の太陽電池の短絡電流の)補正係数
j (測定対象の太陽電池の短絡電流の)差分値

Claims (10)

  1. 太陽電池の特性を測定するための光源であるソーラシミュレータの特性を評価する光源評価装置であって、
    前記ソーラシミュレータから放射される光の分光放射照度を測定する分光放射計と、
    自然太陽光の分光放射照度と、予め測定された測定対象の太陽電池の分光感度とを記憶する記憶部と、
    前記分光放射計で測定された前記ソーラシミュレータから放射される光の前記分光放射照度と、前記記憶部に記憶された、前記自然太陽光の分光放射照度と前記測定対象の太陽電池の分光感度とに基づいて、前記自然太陽光に対する前記ソーラシミュレータから放射される光の特性の評価値を演算する演算部とを備えたことを特徴とする光源評価装置。
  2. 前記光源評価装置は、さらに表示部を備え、
    前記評価値、または前記評価値に基づいた前記ソーラシミュレータの光量を調節する指標を表示することを特徴とする請求項1に記載の光源評価装置。
  3. 前記演算部は、前記評価値として、下記の(1式)で示される前記測定対象の太陽電池の短絡電流の補正係数kの演算を行うことを特徴とする請求項1に記載の光源評価装置。
    ここに、
    k={∫S(λ)・P(λ)dλ}/{∫L(λ)・P(λ)dλ}・・・(1式)
    S(λ):自然太陽光の分光放射照度
    P(λ):測定対象の太陽電池の分光感度
    L(λ):ソーラシミュレータから放射される光の分光放射照度
    である。
  4. 前記ソーラシミュレータは、光量を調節する光量調節部を備え、
    前記補正係数kが下記の(3式)を満足するように、前記光量調節部を用いて前記ソーラシミュレータの光量を調節することを特徴とする請求項3に記載の光源評価装置。
    ここに、
    1−α≦k≦1+β・・・(3式)
    α、β:許容誤差
    である。
  5. 太陽電池の特性を測定するための光源であるソーラシミュレータの特性を評価する光源評価システムであって、
    前記ソーラシミュレータから放射される光の分光放射照度を測定する分光放射計と、
    前記分光放射計とは別体に設けられた制御装置とを備え、
    前記制御装置は、
    自然太陽光の分光放射照度と、予め測定された測定対象の太陽電池の分光感度とを記憶する記憶部と、
    前記分光放射計で測定された前記ソーラシミュレータから放射される光の前記分光放射照度と、前記記憶部に記憶された、前記自然太陽光の分光放射照度と前記測定対象の太陽電池の分光感度とに基づいて、前記自然太陽光に対する前記ソーラシミュレータから放射される光の特性の評価値を演算する演算部とを備えたことを特徴とする光源評価システム。
  6. 前記演算部は、前記評価値として、下記の(1式)で示される前記測定対象の太陽電池の短絡電流の補正係数kの演算を行う演算部とを有することを特徴とする請求項5に記載の光源評価システム。
    ここに、
    k={∫S(λ)・P(λ)dλ}/{∫L(λ)・P(λ)dλ}・・・(1式)
    S(λ):自然太陽光の分光放射照度
    P(λ):測定対象の太陽電池の分光感度
    L(λ):ソーラシミュレータから放射される光の分光放射照度
    である。
  7. 前記ソーラシミュレータは、光量を調節する光量調節部を備え、
    前記制御装置は、前記補正係数kが下記の(3式)を満足するように、前記光量調節部を用いて前記ソーラシミュレータの光量を調節することを特徴とする請求項6に記載の光源評価システム。
    ここに、
    1−α≦k≦1+β・・・(3式)
    α、β:許容誤差
    である。
  8. 請求項5から7の何れか1項に記載の光源評価システムと、
    光量を調節する光量調節部を備えたソーラシミュレータとを備えた光源調整システムであって、
    前記制御装置は、前記ソーラシミュレータに対して、前記評価値に基づいて光量調節信号を生成して出力することを特徴とする光源調整システム。
  9. 太陽電池の特性を測定するための光源であるソーラシミュレータの特性を評価する光源評価方法であって、
    記憶部に、自然太陽光の分光放射照度と、予め測定された測定対象の太陽電池の分光感度とを記憶する記憶工程と、
    分光放射計で、前記ソーラシミュレータから放射される光の分光放射照度を測定する分光放射照度測定工程と、
    演算部で、前記分光放射計で測定された前記分光放射照度と、前記記憶部に記憶された、前記自然太陽光の分光放射照度と前記測定対象の太陽電池の分光感度とに基づいて、下記の(1式)で示される前記測定対象の太陽電池の短絡電流の補正係数kの演算を行う演算工程とを備えたことを特徴とする光源評価方法。
    ここに、
    k={∫S(λ)・P(λ)dλ}/{∫L(λ)・P(λ)dλ}・・・(1式)
    S(λ):自然太陽光の分光放射照度
    P(λ):測定対象の太陽電池の分光感度
    L(λ):ソーラシミュレータから放射される光の分光放射照度
    である。
  10. 前記ソーラシミュレータは、光量を調節する光量調節部を備え、
    前記補正係数kが下記の(3式)を満足するように、前記光量調節部を用いて前記ソーラシミュレータの光量を調節する光量調節工程を備えたことを特徴とする請求項9に記載の光源評価方法。
    ここに、
    1−α≦k≦1+β・・・(3式)
    α、β:許容誤差
    である。
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