JPWO2010110286A1 - 瘻管治療材料 - Google Patents

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Abstract

従来の治療方法では、治癒率が必ずしも十分ではない、治癒に要する期間が必ずしも短くない、瘻管は人や病状によって異なるので、各々の瘻管の状況に応じて柔軟に容易に十分に対応することができない等の問題の少なくとも一つを緩和し、更に解決することができる新規な瘻管治療材料を提供する。本発明に係る瘻管治療材料は、生分解性繊維とコラーゲンからできており、生分解性繊維の間にコラーゲンが保持されることを特徴とする。本発明に係る瘻管治療材料を用いて、生体内に生じる瘻管、例えば、気管食道瘻、胃皮膚瘻、肛門直腸瘻、膣と尿道の間に生じる瘻、膣と膀胱の間に生じる瘻等生体内のあらゆる二つの部位の間に生じる瘻によって生ずる瘻管を閉塞することで、これらの瘻を治療することができる。本発明に係る瘻管治療材料を用いることで、より低侵襲な瘻管の治療ができる。

Description

本発明は、生体内に生じる瘻管、例えば、気管食道瘻、胃皮膚瘻、肛門直腸瘻(痔瘻)、膣と直腸の間に生じる瘻(直腸膣瘻)、膣と膀胱の間に生じる瘻(直腸膀胱瘻)等生体内のあらゆる二つの部位の間に生じる瘻によって生ずる瘻管を閉塞することで、これらの瘻を治療するための材料に関する。特に、痔瘻、直腸膣瘻等による種々の瘻管を閉塞することで治療するための材料に関する。
痔瘻は、肛門線への感染が原因となって、瘻管が形成され、その瘻管によって慢性化したさまざまな症状を呈する疾患である。肛門科を受診する患者の5〜20%は、痔瘻の患者であり、男性に多く、有病者は非常に多い。痔瘻を放置すると、痔瘻癌を発症することがある。近年増加傾向にあることも痔瘻の特徴である。
痔瘻には、I型痔瘻〜IV型痔瘻がある。I型痔瘻は、皮膚痔瘻及び粘膜下痔瘻等とも呼ばれ、瘻管が肛門括約筋をつらぬいていないタイプである。II型痔瘻(図1参照)は、歯状線(1)付近に存在する原発口(2)から内外肛門括約筋(3、4)を貫いて、皮膚に開口する2次口(5)に至る瘻管(6)を形成しているタイプである。III型痔瘻は、坐骨直腸窩痔瘻とも呼ばれ坐骨直腸筋の間に大きな原発巣を作り、この原発巣から外肛門括約筋を貫いて、左右に痔瘻のトンネルを造るタイプである。IV型痔瘻は、骨盤直腸窩痔瘻とも呼ばれ、瘻管が肛門括約筋の奥にある肛門挙筋を貫いて進行するタイプである。患者の80%は、II型痔瘻である。
従来、痔瘻に対する混本的な治療方法は、手術以外に方法がなく、特に日本では、現在でもその状況はかわらない(図2参照)。手術による治療方法には、Lay Open 法(図2(a))及び Coring Out 法(図2(b))等が一般的に用いられる。Lay Open 法では、肛門括約筋の切り開き(11)が行われ、Coring Out 法では、肛門括約筋のくりぬき(12)が行われるので、これらの方法では、肛門括約筋の一部を切断することが必須であり、手術後に患者の排便機能に障害を生ずる危険性がある。また、古典的な治療法として、Seton 法(図2(c))が知られている。Seton 法は、輪ゴム(13)等を瘻管に留置し、腐食作用で徐々に瘻管を切断する方法である。肛門括約筋を、時間をかけて(数ヶ月から数年に渡って)離断することで、ある程度括約筋不全を予防することができる。しかし、留置時間が長く、患者のQOL(quality of life:生活の質)の低下が問題である。
海外では、フィブリン糊を用いる治療例が多数報告されている(例えば、特許文献1参照)。瘻管にフィブリン糊を注入することのみによって、瘻管を閉塞する方法である。非常に簡便であり、肛門括約筋に障害が残らない治療法であるが、瘻管が塞がらず、再発率が高いという問題がある。フィブリン糊が体内で分解される過程で、瘻管が塞がらないままで、フィブリン糊が、縮小し、脱落することが原因であると考えられる。
新規な治療材料として、ブタの粘膜下組織から作られた Surgisis AFP(登録商標)(以下、単に「AFP」ともいう)が、2005年にFDA(Food and Drug Administration:米国食品医薬品局)に認可され、Cook Biotech Inc. により製造されている(例えば、特許文献2及び非特許文献1参照)。AFPは、トランペット状の頭部から細い糸状の尾部に向けて先細りの概ね円錐形の本体形状を有し、本体の外側表面に小さな突起部を有する(例えば、図3参照)。
AFPを用いる治療方法は、AFPを細い尾部の方から、原発口(2)を通して瘻管(6)内に引き入れて、AFPの頭部で瘻管(6)の原発口(2)を塞ぎ、瘻管(6)内にAFPを留置固定することで行う。留置されたAFP内部に、細胞や血管が入り込み、AFPの周囲から組織化が進み、最終的にはAFPは体内に吸収されて消失することによって瘻管が閉塞される。特許文献1によると、動物実験によるデータは示されていないが、臨床実験では、フィブリン糊による治療群と豚の粘膜下組織を用いたAFPによる治療群の各々の手術後3ヶ月後の治癒率は、40%と87%であり、AFPを用いる治療の方が優れると報告されている。
しかし、AFPを用いる場合、下記の問題がある。原発口(2)にトランペット状のAFPの頭部を配置して、瘻管を閉鎖するため、APFは、円錐状の形状を有する。しかし、瘻管は各患者や病状によって、種々の瘻管の形状を有するので、必ずしもAFPは、各々の瘻管に適合しない。特に、内肛門括約筋部通過部では、瘻管の内径が1mm以下であって狭いので、AFPは瘻管を無理に押し広げることとなる。従って、AFPの脱落の危険性や、AFP内部の組織化に要する時間が長くなり、治癒率の低下や、治癒に要する期間が長くなり、更には再発の危険性が高くなる。
従って、AFPを用いる治療では、治癒率が必ずしも十分ではない、治癒に要する期間が必ずしも短くない、瘻管は人や病状によって異なるので、各々の瘻管の状況に応じて柔軟に容易に十分に対応することができない等の問題があり、それらの少なくとも一つを緩和し、更には解決することが求められている。
米国特許第5,752,974号明細書 特表2007−534369号公報 Cook Biotech Inc.の2005年のカタログ
本発明は、上記課題を解決するためなされたものであり、上述の従来の治療方法、例えばAFPを用いる治療方法では、治癒率が必ずしも十分ではない、治癒に要する期間が必ずしも短くない、瘻管は人や病状によって異なるので、各々の瘻管の状況に応じて柔軟に容易に十分に対応することができない等の問題の少なくとも一つを緩和し、更に解決することができる新規な瘻管治療材料を提供することを目的とする。
更にそのような瘻管治療材料の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、かかる課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、特定の材料を組み合わせることでできる瘻管治療材料が、驚くべきことに、種々の瘻管を閉塞するために有用であり、そのような特定の材料を組み合わせることでできる瘻管閉鎖材料を用いることで、上述の課題を解決することができることに着目して、本発明を解決することに至ったものである。
即ち、本発明は、一の要旨において、生分解性繊維とコラーゲンからできている新規な瘻管治療材料を提供し、それは、生分解性繊維の間にコラーゲンが保持される瘻管治療材料である。本発明に係る瘻管治療材料は、種々の瘻管を閉塞するために好適に使用することができる。
本発明の一の態様において、本発明は、生分解性繊維は、ポリグリコール酸を含む瘻管治療材料を提供する。
本発明の好ましい態様において、コラーゲンは、薄フィルム多房状構造体である瘻管治療材料を提供する。
本発明の別の態様において、生分解性繊維とコラーゲンとの重量比(生分解性繊維/コラーゲン)は、2〜10である瘻管治療材料を提供する。
本発明の他の要旨において、生分解性繊維の間に存するコラーゲン溶液を凍結乾燥することを含む上記瘻管治療材料の製造方法を提供する。
本発明に係る瘻管治療材料は、生分解性繊維とコラーゲンからできており、生分解性繊維の間にコラーゲンが保持される瘻管治療材料であるので、柔軟であり回復性を有する瘻管治療材料であり、治癒率が必ずしも十分ではない、治癒に要する期間が必ずしも短くない、瘻管は人や病状によって異なるので、各々の瘻管の状況に応じて柔軟に容易に十分に対応することができない等の問題の少なくとも一つを緩和し、更に解決することができる。
本発明に係る瘻管治療材料は、生分解性繊維が、ポリグリコール酸を含む場合、体内瘻管内に配置した場合、形態を十分に維持することで、瘻管からの脱離を防止することができ、治癒率をより向上させることができる。
本発明に係る瘻管治療材料は、コラーゲンが、薄フィルム多房状構造体である場合、組織化がより向上されるので、治癒率がより向上し、治癒期間をより短縮することができる。
本発明に係る瘻管治療材料は、生分解性繊維とコラーゲンとの重量比(生分解性繊維/コラーゲン)が、2〜10である場合、治癒率が必ずしも十分ではない、治癒に要する期間が必ずしも短くない、瘻管は人や病状によって異なるので、各々の瘻管の状況に応じて柔軟に容易に十分に対応することができない等の問題の少なくとも一つをより緩和し、更により解決することができる。
図1は、II型痔瘻を、模式的に示す。 図2(a)は、Lay Open 法を模式的に示す。 図2(b)はCoring Out 法を模式的に示す。 図2(c)は、Seton 法を模式的に示す。 図3は、Surgisis AFP(AFP)の写真を示す。 図4は、本発明に係る瘻管治療材料の一例の写真を示す。 図5(a)は、本発明に係る瘻管治療材料の一例の横断面の電子顕微鏡写真を示す。加速電圧は12kV、倍率は30倍である。 図5(b)は、本発明に係る瘻管治療材料の一例の横断面の電子顕微鏡写真を示す。加速電圧は12kV、倍率は50倍である。 図6(a)は、本発明に係る5mmの直径を有する瘻管治療材料を、1mmの直径を有するチューブに挿入した様子を写真で示す。 図6(b)は、1mmの直径を有するチューブに挿入した本発明に係る5mmの直径を有する瘻管治療材料を、取り出す様子を写真で示す。 図7(a)は、本発明に係る瘻管治療材料をSDラット皮下に挿入後の第1週目の状態を、光学顕微鏡を用いて、40倍で撮影した写真を示す。 図7(b)は、本発明に係る瘻管治療材料をSDラット皮下に挿入後の第2週目の、光学顕微鏡による写真を示す。倍率は40倍である。 図7(c)は、本発明に係る瘻管治療材料をSDラット皮下に挿入後の第4週目の、光学顕微鏡による写真を示す。倍率は40倍である。 図7(d)は、本発明に係る瘻管治療材料をSDラット皮下に挿入後の第12週目の、光学顕微鏡による写真を示す。倍率は40倍である。 図8(a)は、AFPをSDラット皮下に挿入後の第1週目の、光学顕微鏡による写真を示す。倍率は40倍である。 図8(b)は、AFPをSDラット皮下に挿入後の第2週目の、光学顕微鏡による写真を示す。倍率は40倍である。 図8(c)は、AFPをSDラット皮下に挿入後の第4週目の、光学顕微鏡による写真を示す。倍率は40倍である。 図8(d)は、AFPをSDラット皮下に挿入後の第12週目の、光学顕微鏡による写真を示す。倍率は40倍である。
1 歯状線、 2 原発口、 3 内側肛門括約筋、 4 外側肛門括約筋、
5 2次口、 6 瘻管、 11 切り開き、 12 くりぬき、
13 輪ゴム、 20 血管
以下、添付した図面を参照しながら、より具体的にかつ詳細に本発明を説明するが、これらの説明は、単に本発明を説明するためのものであり、本発明を何ら制限することを意図するものではないことが、理解されるべきである。
本発明において「生分解性繊維」とは、生体内で分解する性質を有し、その繊維の間にコラーゲンを付着等によって保持し得るものであって、本発明が目的とする瘻管治療材料を得ることができるものであれば、特に制限されるものではない。そのような生分解性繊維を製造するための材料として、例えば、ポリグリコール酸(PGA)、ポリ乳酸(PLA)、ラクタイドとグルコライドの共重合体(例えば、ポリグラクチン910)、ポリ−ε−カプロラクトン、乳酸とε−カプロラクトンの共重合体等を例示することができる。生体内で早期に吸収されることから、ポリグリコール酸であることが好ましい。生分解性繊維は、単独で又は組み合わせて使用することができる。このような生分解性繊維は、一般的に既知の方法を用いて製造することができる。市販の生分解性繊維を使用してよい。
生分解性繊維の太さ、長さ、破断強度及び平均分子量等の種々の性質は、本発明が目的とする瘻管治療材料を得ることができれば特に制限されるものではなく、適宜、選択することができる。また、生分解性繊維の生分解性の速度は、本発明が目的とする瘻管治療材料を得ることができれば特に制限されるものではなく、適宜、選択することができる。生分解性繊維は、生体内で、2週間〜6ヶ月で分解されることが好ましく、2週間〜3ヶ月で分解されることがより好ましく、2週間〜1ヶ月で分解されることが特に好ましい。
生分解性繊維は、その繊維の間にコラーゲンを保持することができる保持体、例えば、繊維が複雑に絡まったスポンジ状、繊維の束状、たわし状等の保持体を形成する。
本発明において、「コラーゲン」とは、一般的に「コラーゲン」と呼ばれるものであって、本発明が目的とする「瘻管治療材料」を得ることができるものであれば、特に、制限されるものではない。そのような「コラーゲン」として、例えば、ウシ、ブタ、ヒト由来のコラーゲンを例示することができるが、特に抗原性の少ないアテロコラーゲンが好ましい。
コラーゲンは、生分解性繊維の間に保持されるが、そのコラーゲンは、コラーゲン全体として種々の構造、例えば、繊維状、スポンジ状、薄フィルム多房状等の種々の構造を有してよく、本発明が目的とする「瘻管治療材料」を得ることができる限り、特に制限されるものではない。
「繊維状コラーゲン」とは、細かいコラーゲン繊維によって構成されている構造体をいう。「スポンジ状コラーゲン」とは、この繊維状コラーゲンを基本単位として構成されたコラーゲンによる構造体であり、スポンジ状の中空構造体と成っているコラーゲンをいう。
「薄フィルム多房状コラーゲン」とは、薄いフィルム状のコラーゲンから実質的に構成され、薄いフィルムの間に多くの房(又は室)を含む構造体をいう。コラーゲンから成る「薄フィルム多房状構造体」は、「洋菓子のパイ」のように、表面が平滑な薄い多くのフィルムで構成されている。
この「薄フィルム」のフィルム厚は、0.01〜200μmであることが好ましく、0.1〜50μmであることがより好ましく、0.5〜5μmであることが特に好ましい。更に、この「薄フィルム多房状構造体」は、フィルムの間隔は、例えば約50μm〜約3mmであるが、300μm〜2000μmであることが好ましい。薄フィルムで構成される房状の空間は、連続していても、閉鎖されていてもよい。
コラーゲンは、薄フィルム多房状構造体であることが、組織をより早く再生して、瘻管をより短時間で閉塞するために好ましい。
本発明に係る「瘻管治療材料」では、上述のような生分解性繊維の間にコラーゲンが保持される。従って、生分解性繊維の間に、繊維状、スポンジ状、薄フィルム多房状のコラーゲンが保持されるので、全体として柔らかい、可撓性を有するスポンジ状の材料が形成される。
生分解性繊維とコラーゲンとの重量比(生分解性繊維/コラーゲン)は、2〜10であることが好ましく、3〜7であることがより好ましく、4〜5.5であることが特に好ましい。生分解性繊維とコラーゲンとの重量比が2より小さくなると、引っ張り強度が弱くなり得、全体的な強度が弱く成り得る。また、生分解性繊維とコラーゲンとの重量比が10を超えると、強度が強く成り得、柔軟性及び回復性が弱くなり得る。
本発明に係る瘻管治療材料は、目的とする瘻管治療材料を得ることができる限り、生分解性繊維及びコラーゲン以外の材料を含むことができる。例えば、bFGF等の増殖因子、感染症を防止するための抗生物質等を含むことができる。
本発明に係る瘻管治療材料の形状は、治療対象の瘻管の形状に対応して、種々の形態をとることができる。一般的には、長尺状の形状であって、その横断面は、円形、楕円形、多角形等であってよいが、円形であることが好ましい。長尺形状の横断面の寸法は、長尺形状の長尺方向に従って変化してよく、例えば、全体として先細りを有する、例えば円錐等の錐又は例えば円錐台等の錐台等の形状であってよい。長尺形状の横断面の寸法が、長尺方向に従って実質的に変化しない、柱状の形状であることがより好ましく、全体として円柱状であることが特に好ましい。尚、「横断面の寸法」とは、長尺形状の長さ方向に垂直方向に切断して得られた切断面の最も長い部分の長さをいい、例えば、切断面が円形であれば、寸法とは直径であり、楕円形であれば、長径である。
本発明に係る瘻管治療材料は、長尺形状を有する場合、一般的には、横断面の寸法は、3〜7mmであることが好ましく、3〜6mmであることがより好ましく、4〜5mmであることが特に好ましい。長尺形状の長尺方向の長さは、20〜100mmであることが好ましく、30〜80mmであることがより好ましく、30〜50mmであることが特に好ましい。
本発明に係る瘻管治療材料は、目的とする瘻管治療材料を得ることができる限り、いずれの製造方法を用いて製造してもよい。そのような製造方法として、例えば、生分解性繊維の間に存するコラーゲン溶液を凍結乾燥することを含む製造方法を例示することができる。
この製造方法では、例えば、まず、生分解性繊維による保持体を準備する。保持体は、例えば、たわし状、束状、スポンジ状等の繊維同士の間に中空を有する形態を有し、生分解性繊維を、そのような形態をとるように絡ませる等によって製造することができる。生分解性繊維の市販の不織布を、ピンセット等でほぐして製造してもよい。
次に、生分解性繊維による保持体を所望の形状に整える。必要が有れば、そのために、保持体を、例えば、円柱状等のチューブ内に挿入して、円柱状等の形状に整えても良い。
その後、この保持体に、コラーゲン溶液を浸して、生分解性繊維の間にコラーゲン溶液を存在させ、そのコラーゲン溶液を凍結乾燥することで、本発明に係る瘻管治療材料を製造することができる。生分解性繊維の保持体が、チューブ内に存する場合、コラーゲン溶液を、そのチューブ内につめることで、生分解性繊維の間にコラーゲン溶液を浸して、生分解性繊維の間に存するコラーゲン溶液を凍結乾燥してもよい。
生分解性繊維の間に存するコラーゲンは、より具体的には、例えば、アテロコラーゲンの水溶液に浸した生分解性繊維をディープフリーザーで凍結後、凍結乾燥機で乾燥させ、真空下で熱架橋処理することで得ることができる。生分解性繊維を円柱状等のチューブに挿入した場合、チューブ内にアテロコラーゲンの水溶液を詰め込むことで、アテロコラーゲンの水溶液に浸した生分解性繊維をディープフリーザーで凍結後、凍結乾燥機で乾燥させ、チューブからコラーゲンを保持した生分解性繊維をとりだした後、真空下で熱架橋処理することで得ることができる。
アテロコラーゲンの希塩酸溶液の濃度は、0.5〜3.5重量%が好ましく、1.0〜3.0重量%がより好ましく、1.0〜2.0重量%が特に好ましい。希塩酸の濃度は、0.0001〜0.01Nであることが好ましく、0.001Nであることが特に好ましい。希塩酸のpHは、2〜4であることが好ましく、3であることが特に好ましい。
凍結温度は、コラーゲンを凍結乾燥することができ、目的とする瘻管治療材料を得ることができれば特に制限されるものではない。凍結乾燥して得られるコラーゲンの構造に応じて適宜凍結温度を選択することができる。一般的に−20℃付近で凍結すると線維状又はスポンジ状コラーゲンが得られ、−80℃付近で凍結すると、薄フィルム多房状コラーゲンが得られ、−196℃付近で凍結すると、線維状又はスポンジ状コラーゲンが得られる。組織再生能力の点から、コラーゲンは、薄フィルム多房状コラーゲンが好ましく、凍結温度は、−70℃〜−100℃がより好ましく、−80〜−90℃が特に好ましい。
凍結乾燥は、凍結した温度で、例えば、薄フィルム多房状コラーゲンを得た場合、−80℃〜−90℃の温度で、5.0Pa以下に減圧して、24時間行うことが好ましい。熱架橋処理は、1Torr以下に減圧して、100〜150℃で6〜48時間行うことが好ましく、120〜145℃で12〜48時間行うことがより好ましく、140℃で24時間行うことが特に好ましい。
本発明に係る瘻管治療材料の一例を図4に示す。直径5mmで長さ30mmのおよそ円柱状の形状を有する。その横断面の電子顕微鏡写真を図5(a)〜(b)に示す。図5(a)の加速電圧は12kVで、30倍であり、図5(b)の加速電圧は12kVで50倍である。フィルム状にみえているものがコラーゲンであり、線維状にみえているものがPGAの線維である。PGA線維間にコラーゲンの薄フィルム多房状構造体が保持されていることが理解できる。
本発明に係る瘻管治療材料は、材料内部に空洞を有し、柔軟であり可撓性を有する。従って、長尺形状の長尺方向に、また長尺方向と垂直方向に圧縮したとしても、もとの形状に回復する回復性も有する。従って、治療の対象である瘻管より少し大きな瘻管治療材料を使用すると、瘻管の複雑な形態に適合して、瘻管にしっかり密着することができる。瘻管にしっかり密着するので、より周囲からの組織の誘導が進みやすい。そして、瘻管治療材料は生分解性繊維を含む。その生分解性繊維は通常コラーゲンより分解が遅いので、瘻管治療材料は、ある程度組織化が進む期間、強度を保つことができ、脱落の危険性を減少させることができる。
本発明に係る瘻管治療材料は、生体内に生じる瘻管、例えば、気管食道瘻、胃皮膚瘻、肛門直腸瘻、痔瘻、直腸膣瘻、直腸膀胱瘻等生体内のあらゆる二つの部位の間に生じる瘻により生ずる瘻管を閉塞することで治療するための材料として使用することができる。特に、痔瘻、直腸膣瘻等による生ずる種々の瘻管を閉塞することで治療するために使用することができる。
本発明に係る瘻管治療材料は、原発口から2次口までが直線的に繋がったII型痔瘻について、より好ましく使用することができる。感染が落ち着いた慢性期に留置することが好ましい。本発明に係る瘻管治療材料は、瘻管内への留置がより容易であり、原発口側からのみならず、2次口側から留置することも可能である。従って、本発明に係る瘻管治療材料を用いることで、より低侵襲な治療をすることができる。
尚、本発明に係る瘻管治療材料を瘻管内に留置する方法は、瘻管治療材料を瘻管内に留置することができれば特に制限されるものではない。例えば、瘻管治療材料を、原発口又は2次口から瘻管内に引き入れて、留置することができる。その際、瘻管治療材料に糸をかけて行うことができる。
以下、本発明を実施例及び比較例により具体的に説明する。但し、本発明はその要旨を逸脱しない限り以下の実施例に限定されるものではない。
実施例1
ポリグリコール酸の不織布(グンゼ社製のネオベール(商品名))28.2mgを、ほぐして、内径が5mm、長さが3cmのポリプロピレンチューブ内に配置して、ポリグリコール酸の繊維が絡まった、直径5mm長さ30mmの円柱を、ポリプロピレンチューブ内に得た。次に、シリンジで、1重量%のコラーゲン(ブタの真皮に由来する日本ハム社製のNMPコラーゲンPSN(商品名))の希塩酸(0.001N)溶液(pH=約3.0)を、ポリプロピレンチューブ内に充填した。−80℃〜−86℃のディープフリーザー内で凍結した。凍結乾燥機で、−80℃で48時間乾燥した。加熱による架橋処理を、1Torr以下の真空下で、140℃で24時間行い実施例1に係る瘻管治療材料を得た。得られた瘻管治療材料の重量は、34.9mgなので、コラーゲンは、6.7mg含まれていた。従って、実施例1に係る瘻管のポリグリコール酸とコラーゲンとの重量比(ポリグリコール酸/コラーゲン)は、4.21であった。
図4に、実施例1に係る瘻管治療材料の写真を示した。ポリグリコール酸が円柱状に密集しており、その繊維の間に、コラーゲンが保持されていた。この瘻管治療材料の一部を横方向に切断し、その断面を電子顕微鏡で観察した。その電子顕微鏡写真を図5(a)〜(b)に示した。図5(a)の加速電圧は、12kV、倍率は30倍であった。図5(b)の加速電圧は、12kV、倍率は50倍であった。糸状のポリグリコール酸の繊維は、白い点として撮影されており、その繊維の間に、コラーゲンが薄膜状で多くの室を形成した状態で存在していた。
実施例1に係る瘻管治療材料は、図5(a)〜(b)からも理解できるように、生分解性繊維とコラーゲンを組み合わせたことで、全体としてスポンジのような構造を有していた。従って、可撓性を有し、つぶしても簡単に元の形状に回復することができた。例えば、図6(a)に示すように、内径1mmのポリプロピレンチューブに、実施例1の瘻管治療材料に糸をかけて、ピンセットを用いて挿入したところ、5mmの直径を有する瘻管治療材料は、容易に直径方向に縮むことができ、内径1mmのポリプロピレンチューブに挿入することができた。また、図6(b)に示すように、実施例1の瘻管治療材料を、上記内径1mmのポリプロピレンチューブから、抜き取ると、容易に元の形状に戻り、直径5mmに回復することができた。従って、本発明に係る瘻管治療材料は、実際の生体内の瘻管内に挿入すると、瘻管の複雑な形状に適応して、適宜収縮し、また回復して、組織にしっかりと密着することができる。従って、より周囲からの細胞の誘導が起こりやすい環境を作ることができ、かつ、より脱落する可能性を減少させることができる。
更に、実施例1に係る瘻管治療材料では、生分解性材料の繊維としてポリグリコール酸を用いているので、従来の縫合糸と同様の強さを繊維が有する。従って、実施例1に係る瘻管治療材料は、その強度をより維持することができるので、更に、脱落する可能性を低減することができる。
本発明に係る瘻管治療材料の組織再構築能力を検討するために、実施例1の瘻管治療材料を、SDラットの皮下に埋入した。図7(a)〜(d)は、実施例1に係る瘻管治療材料をSDラット皮下に挿入後の第1週目から第12週目の状態を、Hematoxylin and Eosin染色し、光学顕微鏡を用いて、40倍で撮影した写真を示す。図7(a)は、第1週目の写真を示す。第1週目では、瘻管治療材料の約50%に渡り、細胞浸潤が認められた。即ち、線で示したところまで、組織化が認められた。図7(b)は、第2週目の写真を示す。第2週目では、リンパ球、マクロファージ、繊維芽細胞等は中心部まで完全に到達し、豊富な新生血管(20)が認められた。完全に組織化が進んでいた。図7(c)は第4週目の写真を示す。第4週目では、実施例2に係る瘻管治療材料全体は、やや縮小する傾向にあるが、ポリグリコール酸の繊維は、明らかに残存することを認めた。図7(d)は、第12週目の写真を示す。第12週目では、瘻管治療材料のPGAは、ほぼ完全に分解され、周囲の細胞と一体になって組織の再構築がされたことが認められた。
実施例2
ポリグリコール酸の不織布(グンゼ社製のネオベール(商品名))を12〜45mg使用し、コラーゲンを4〜8mg含ませたことを除いて、実施例1に記載の方法と同様の方法を用いて、ポリグリコール酸とコラーゲンとの種々の重量比(ポリグリコール酸/コラーゲン)(2.5〜10.0)を有する種々の瘻管治療材料を製造した。具体的に使用したポリグリコール酸とコラーゲンの重量、ポリグリコール酸とコラーゲンとの重量比の値を表1に示した。
実施例2(a)〜(e)に係る瘻管治療材料について、実施例1と同様に形状の変化を評価した。実施例2(a)〜(e)に係る瘻管治療材料も、生分解性繊維とコラーゲンを組み合わせたことで、全体としてスポンジのような構造を有していた。従って、いずれについても、可撓性を有し、つぶしても元の形状に回復することができた。
次に、実施例2(a)〜(e)に係る瘻管治療材料についても、実施例1と同様に、SDラットの皮下に埋入して、光学顕微鏡を用いて観察し、その組織再構築能力を調べたところ、同様に、優れた組織再構築能力を示した。
比較例1
本発明に係る瘻管治療材料と比較するために、AFP(Cook Biotech Inc.製)を、実施例2の瘻管治療材料と同様に、SDラットの皮下に埋入して、その組織再構築能力を検討した。比較したAFPを図3に示した。全体として円錐状で、長さは95mmで、トランペット状の頭部は約5mmの直径を有し、尾部は約2mmの直径を有する。AFPは、本体の外側表面に小さな突起部を有する。
図8(a)〜(d)は、比較例1に係るAFPをSDラット皮下に挿入後の第1週目から第12週目の状態を、Hematoxylin and Eosin染色し、光学顕微鏡を用いて、40倍で撮影した写真を示す。図8(a)は、第1週目の写真を示す。第1週目では、まだ、AFP内部への細胞浸潤は認められなかった。図8(b)は、第2週目の写真を示す。第2週目では、AFPと皮下組織との間に炎症反応を伴いながら、AFPの外側から約30%に渡り、リンパ球、マクロファージ、線維芽細胞等の細胞浸潤が認められた。即ち、線で示したところまで、組織化が認められた。図8(c)は第4週目の写真を示す。第4週目では、細胞浸潤は更に進行し、AFPの約80%におよんだが、まだ、AFPの中央部には、組織化は認められなかった。図8(d)は、第12週目の写真を示す。第12週目では、AFPの中央部まで組織化が進んでいることが認められたが、AFPの残存が明らかに認められ、まだ組織の再構築は不十分であった。
実施例3〜5
実施例1に記載した方法と同様の方法を用いて実施例3〜5に係る瘻管治療材料を作製し、下記表1に記載した直径と長さを有する円柱状の瘻管治療材料を得た。瘻管治療材料の直径と長さは、全て直径5mm、長さ30mmである。実施例4の組成は、実施例1の組成と同様である。実施例4のポリグリコール酸の量を基準として、実施例3のポリグリコール酸の量は50%であり、実施例5のポリグリコール酸の量は150%である。使用した、ポリグリコール酸の不織布(ネオベール(商品名))の量と、コラーゲンの量、及びポリグリコール酸とコラーゲンとの重量比(ポリグリコール酸/コラーゲン)を、表2に示した。
実施例3〜5に係る瘻管治療材料について、実施例1と同様に形状の変化を評価した。実施例3〜5に係る瘻管治療材料も、生分解性繊維とコラーゲンを組み合わせたことで、全体としてスポンジのような構造を有していた。従って、いずれについても、可撓性を有し、つぶしても元の形状に回復することができたが、実施例3及び4は、実施例5より、より回復性が良好であった。
次に、実施例3〜5に係る瘻管治療材料についても、実施例1と同様に、SDラットの皮下に埋入して、光学顕微鏡を用いて観察し、その組織再構築能力を調べたところ、同様に、優れた組織再構築能力を示した。
更に、力学的強度を測るために、破断強度を測定した。アイコーエンジニアリング社製のMODEL−1356(商品名)を用いて、長さ1.5cmの実施例3〜5の瘻管治療材料の各々を、20℃で、80mm/minで引っ張り、引っ張り強度を測定した。各々の瘻管治療材料が破断する際の最大引っ張り強度を破断強度とした。結果は、表2に示した。
本発明に係る瘻管治療材料は、生分解性繊維とコラーゲンからできており、生分解性繊維の間にコラーゲンが保持されることを特徴とする。本発明に係る瘻管治療材料を用いて、生体内に生じる瘻管、例えば、気管食道瘻、胃皮膚瘻、肛門直腸瘻、膣と尿道の間に生じる瘻、膣と膀胱の間に生じる瘻等の生体内のあらゆる二つの部位の間に生じる瘻によって生ずる瘻管を閉塞することで、これらの瘻を治療することができる。特に、痔瘻、直腸膣瘻等による種々の瘻管を閉塞するために使用することができる。本発明に係る瘻管治療材料を用いることで、より低侵襲な瘻管の治療ができる。
[関連出願]
尚、本出願は、2009年3月25日に日本国でされた出願番号2009−074122を基礎出願とする日本国特許法第41条又はパリ条約第4条に基づく優先権を主張する。この基礎出願の内容は、参照することによって、本明細書に組み込まれる。

Claims (5)

  1. 生分解性繊維とコラーゲンからできている瘻管治療材料であって、生分解性繊維の間にコラーゲンが保持される瘻管治療材料。
  2. 生分解性繊維は、ポリグリコール酸を含む請求項1に記載の瘻管治療材料。
  3. コラーゲンは、薄フィルム多房状構造体である請求項1又は2に記載の瘻管治療材料。
  4. 生分解性繊維とコラーゲンとの重量比(生分解性繊維/コラーゲン)=2〜10である請求項1〜3のいずれかに記載の瘻管治療材料。
  5. 生分解性繊維の間に存するコラーゲン溶液を凍結乾燥することを含む請求項1〜4のいずれかに記載の瘻管治療材料の製造方法。
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