JPWO2010086958A1 - 水力発電装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】比較的小さな水流でも効率的な発電が可能な水力発電装置を提供する。【解決手段】水力発電装置P1において、フロート1の底面に設けたケーシング2の水路23内に、互いに逆回転する一対の水車3A,3Bを設け、一方側の水車3Aの回転軸4Aを増速機5の入力軸に連結し、他方側の水車3Bの回転軸4Bを増速機5のギア本体に連結して、増速機5の入力軸とギア本体を同軸上で相対的に逆回転させることにより、増速比を倍増させた駆動力を増速機5の出力軸から発電機6に出力するようにした。【選択図】図1

Description

本発明は、河川や人工の用水路等に設置され、水の流れを利用して発電する水力発電装置に関する。
従来、水路の途中に堰を設けることにより、水の落差を利用して発電を行う水力発電装置が知られている(例えば特許文献1参照)。この水力発電装置は、水の通路内に水車を設置したL字型のドラフトチューブを堰板の上流側に配置することにより、通路内を流れ落ちる水流によって水車を回転させ、その回転力を発電機に伝達して発電を行うように構成されている。
特開平11−30179号公報
しかしながら、このような水の落差を利用した水力発電装置の場合には、水路の途中に段差を形成するために、堰板やL字型のドラフトチューブ等を設置する必要がある。すなわち、水車の設置以外に発電のための専用の設備を敷設しなければならず、設置作業が面倒であり、発電コストも高くなるという問題があった。
そこで、本発明は上記の問題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、水の落差を利用せずに簡単に設置が可能な水力発電装置であって、特に、比較的小さな水流でも効率的な発電を行うことができる水力発電装置を提供することにある。
上記の目的を達成するため、本発明は、水平方向に流れる水流を利用して発電する水力発電装置であって、水面に浮上させるフロートと、フロートの底面に設けられ、水中に沈めた状態で上流側の取水口から下流側の排水口に向かって貫通した水路を有するケーシングと、ケーシングの水路の幅方向に間隔を空けて対向配置され、水路の中心部を通過する水流によって互いに逆回転する一対の水車と、水深方向に起立した姿勢で各水車の回転中心に固定され、上端部がフロートを介して水面上に突出する一対の回転軸と、回転軸に連結され、入力された回転軸の回転を増速して出力する増速機と、フロートの上面に設置され、増速機を介して出力された駆動力によって発電する発電機と、を備え、一方側の回転軸が増速機の入力軸に連結され、他方側の回転軸が増速機のギア本体に連結されており、増速機の入力軸とギア本体を同軸上で相対的に逆回転させることにより、増速比を倍増させた駆動力を増速機の出力軸から発電機に出力するようにしたことを特徴とする。
本発明の水力発電装置において、増速機には遊星ギア機構を採用することができる。遊星ギア機構は、中心に配置されたサンギアと、サンギアの外周を取り囲むように設けられたリングギアと、サンギアとリングギアの間に配置されてサンギアの外歯とリングギアの内歯の両方に噛み合う複数個のプラネットギアと、プラネットギア同士を連結するプラネタリキャリアを備えて構成される。ここで、増速機に遊星ギア機構を採用した場合、回転軸と増速機と発電機の連結構造としては次のような構造が考えられる。
A.定格電力が200〜500W程度の発電機(小型発電機)を使用する場合
一方側の回転軸がプラネタリキャリアに動力伝達機構を介して連結され、他方側の回転軸がリングギアに動力伝達機構を介して連結されており、プラネタリキャリアとリングギアを同軸上で相対的に逆回転させることで、プラネットギアからサンギアに伝達した駆動力を発電機に出力する構造であって、増速機の出力軸が発電機の回転子に直接連結されることにより、フロート上に垂直に配置された増速機の上方に発電機が垂直に載置されている構造
B.定格電力が5〜10KW程度の発電機(中型発電機)を使用する場合
一方側の回転軸がプラネタリキャリアに動力伝達機構を介して連結され、他方側の回転軸がリングギアに動力伝達機構を介して連結されており、プラネタリキャリアとリングギアを同軸上で相対的に逆回転させることで、プラネットギアからサンギアに伝達した駆動力を発電機に出力する構造であって、増速機の出力軸が発電機の回転子に動力伝達機構を介して連結されることにより、フロート上に垂直に配置された増速機の側方に発電機が垂直に設置されている構造
C.定格電力が100〜200KW程度の発電機(大型発電機)を使用する場合
一方側の回転軸がプラネタリキャリアに動力伝達機構とベベルギア機構を介して連結され、他方側の回転軸がリングギアに動力伝達機構とベベルギア機構を介して連結され、増速機の出力軸が発電機の回転子に動力伝達機構を介して連結されることにより、フロート上に水平に配置された増速機の側方に発電機が水平に設置されている構造
また、本発明の水力発電装置において、動力伝達機構を構成する駆動チェーン又は駆動ベルトの外周に、ギア軸が長孔内を摺動する緩み止めギアを当接させることで駆動チェーン又は駆動ベルトの張力を調整する張力調整機構が設けられていても良い。
また、本発明の水力発電装置において、ケーシングの取水口側に、取水口の開口端の面積を上流側から下流側に向かって徐々に減少させる水流増速部が設けられていると、取水口から取り込まれた水流がケーシング内で圧縮され、加速した水流が水路内を通過するようになるので好ましい。
また、本発明の水力発電装置において、ケーシングの排水口側に、排水口の開口端の面積を上流側から下流側に向かって徐々に増大させる乱流抑制部が設けられていると、ケーシング内の水路から流れ出る水が乱流抑制部で解放され、排水口よりも下流側の周辺部に発生する乱流が抑制されるので好ましい。
なお、水車の形状としては、クロスフロー型やタービンファン型を採用することができる。クロスフロー型とは、回転軸に固定した上下の円盤間の円周方向に湾曲板状の羽根を複数枚並べて配置して、羽根と回転軸の間に水が通り抜ける隙間を設けたものである。このクロスフロー型の水車によれば、水が羽根と回転軸の間の隙間を確実に通り抜け、隙間を通り抜けた水が後方側の羽根を再度押して回転力を付与するので、流速1〜2.5m/sec程度の比較的流れの遅い水流に設置する場合に好適である。これに対して、タービンファン型とは、回転軸に固定した本体の外周に螺旋状の溝を形成したものである。このタービンファン型の水車は、水が通り抜ける隙間が無く、クロスフロー型の水車に比べて強度が高いので、流速2.5m/sec以上の流れの速い水流に設置する場合に好適である。
本発明の水力発電装置によれば、水流を加速させて水の運動エネルギーを高めるとともに、高めた運動エネルギーによって互いに逆回転する水車の回転を利用して増速機の入力軸とギア本体を同軸上で相対的に逆回転させることにより、増速比を倍増させた駆動力を増速機の出力軸から発電機に出力するようにした。このため、速度の遅い水流に設置する場合であっても、発電量を多くするために増速機のギア比を大きくしたり発電機の極数を増やしたりしなくても済み、装置の小型化とコストダウンを図れ、発電機の発電効率を大幅に向上させることができるという効果が得られる。
以下、本発明を実施するための形態(第1〜3実施形態)について、図面を参照しながら説明する。
[第1実施形態]
第1実施形態の水力発電装置を図1〜10に示す。図1は同装置の外観を示す斜視図、図2と図3は同装置の内部構造を示す断面図、図4は同装置の主要部を示す斜視図、図5は同装置の動作原理を示す正面図、図6は同装置における増速機の拡大図、図7は同装置の上面図、図8〜10は同装置の部分断面図である。
図1に示すように、本実施形態の水力発電装置P1は、河川または工業用水路や農業用水路等の人工水路に浮かべて設置され、ほぼ水平方向に流れる水の移動エネルギーを電気エネルギーに変換して発電するフロート型の流水式発電装置である。この水力発電装置P1は、フロート1と、ケーシング2と、水車3と、回転軸4と、増速機5と、発電機6を備えて大略構成されている。以下、各部の構造について詳細に説明する。
フロート1は、中空構造体からなり、少なくとも増速機5と発電機6を水面より上に設置するためのものである。このフロート1は河川や用水路の川縁(陸上)に置かれた構造物に固定するか、あるいは水上に設置されている他の構造物に固定するための構成部品として設けられている。この水力発電装置P1によれば、水面に浮上させたフロート1を構造物に固定するだけの簡単な作業で設置が完了するので、極めて低コストで設置することが可能である。
ケーシング2は、例えばアクリル等のプラスチック板やステンレス等の金属板を略方形管状に成形したものであり、フロート1の底面に固定されている。このケーシング2は流れの生じている水中に沈めた状態で設置され、水流の上流側に開口した取水口21から下流側に開口した排水口22に向かって貫通した水路23を有している。このようにフロート1の底面に固定したケーシング2に取水口21を設けたことにより、河川や用水路の水深や水位の変動に影響されず、常に水面付近(水の移動エネルギーが最大となる位置)に流れる水を取水口21から取り込むことができる。
図2に示すように、ケーシング2の取水口21側には水流増速部24が設けられている。この水流増速部24は、取水口21の開口端の面積が上流側から下流側に向かって徐々に減少するように、テーパ状の整流板をケーシング2の本体に一体成形したものであり、取水口21から水路23に到達するまでの過程で水の通過面積を狭めて圧縮し、ケーシング2内を圧力管状態にする。これにより、ベルヌーイの定理によって損失水頭(摩擦抵抗)を最小限に軽減し、取水口21から取り込まれる水の流速V1を流速V2に増加させ、加速した水流が水路23内を通過するようになっている。
ケーシング2の排水口22側には乱流抑制部25が設けられている。この乱流抑制部25は、排水口22の開口端の面積が上流側から下流側に向かって徐々に増大するように、テーパ状の整流板をケーシング2本体に一体成形したものである。ケーシング2内の水路23を流れる水の流速は水流増速部24によってケーシング2の本体の外側を流れる水の流速よりも大きくなるため、両者が排水口22付近で直接合流すると速度差に起因して乱流が発生する場合がある。そこで、ケーシング2内の水路23から流れ出る水を乱流抑制部25で解放し、流速V2を流速V3に低下させつつスムーズに排水することによって、排水口22よりも下流側の周辺部に発生する乱流を抑制し、発電流量を調整できるようになっている。
ケーシング2内の水路23には一対の水車3(3A,3B)が収容されている。本実施形態の水車3は垂直軸型の2軸構造であり、一対の水車3A,3Bが水路23の幅方向に所定間隔を空けて対向配置され、水路23を通過する水流によって互いに逆回転するように構成されている。水車3を回転させるために、各々の水車3A,3Bの中心部には回転軸4(4A,4B)が固定されている。図3に示すように、回転軸4はケーシング2の水路23内で水深方向(鉛直方向)に起立した姿勢で設けられており、上端部がフロート1の貫通孔11を突き抜けて水面上に突出し、下端部がケーシング2の底面の軸受41によって回転可能に支持されている。
本実施形態において、水車3の形状はクロスフロー型を採用している。図4に詳細に示すように、このクロスフロー型の水車3は、水の圧力を直接受けて回転する抗力型の一種であり、上下の円盤31,31を回転軸4に固定し、その円盤31,31間に複数枚の湾曲板状の羽根32,32,…を円盤31の円周方向に等間隔で並べて配置して、羽根32と回転軸4の間に水が通り抜ける隙間33を設けたものである。これにより、両方の水車3A,3Bは一対の回転軸4A,4B間を通過する水の圧力を複数枚の羽根32,32,…の湾曲面32aで受けて回転する。また、図2において、水路23の中心部を通過する最大流速の水流が両水車3A,3Bの最も内側の羽根32,32の先端部に衝突することによって、左側に配置された水車3Aは回転軸4Bを中心にして矢印S1方向に回転し、右側に配置された水車3Bは回転軸4Bを中心にして矢印S2方向に回転するようになっている。
また、水車3の回転効率を考慮して、ケーシング2には水流規制部26が設けられている。この水流規制部26は、ケーシング2の水路23の幅方向において、回転軸4とケーシング2の間を流れる水流を規制するようにケーシング2の壁面を湾曲状に成形したものである。より詳しくは、クロスフロー型の水車3に逆方向の回転が生じないように、ケーシング2の内部に個々の水車3A,3Bの外側半分を覆う湾曲壁(言い換えれば、水路23内において両側の回転軸4A,4Bよりも外側に位置する複数枚の羽根32,32,…を囲んだ形状の湾曲壁)が設けられている。このため、水路23内を流れる水の進路が湾曲壁に沿って規制され、これにより一対の水車3A,3Bが効率良く回転し、大きな回転力を得ることができる。
上記のようにして一対の水車3A,3Bが回転すると、その回転力はそれぞれの回転軸4A,4Bから増速機5を介して発電機6に伝達される。ここで、本実施形態の水力発電装置P1は、水流を加速させて水の運動エネルギーを高めるとともに、高めた運動エネルギーによって互いに逆回転する2軸構造の水車3A,3Bの回転力を効果的に利用することにより、増速機5の増速比を高くして発電機6の発電効率を向上させたことが特徴である。そのための構造として、一対の回転軸4A,4Bにそれぞれ別々に増速機5を連結するのではなく、図4に示すように一対の回転軸4A,4Bを一個の増速機5に連結するようにした。
図5において、増速機5は、入力軸51に入力された回転軸4A,4Bの回転数を増加して発電機6の定格回転数に調整し、その回転数の駆動力を出力軸52から出力して発電機6に伝達する機能を有する。より詳細に説明すると、図6に示すように、本実施形態の増速機5は遊星ギア機構からなり、中心に配置されたサンギア53と、サンギア53の外周を取り囲むように設けられたリングギア54と、サンギア53とリングギア54の間に配置されてサンギア53の外歯とリングギア54の内歯の両方に噛み合う複数個のプラネットギア55,55,…と、プラネットギア55,55同士を連結する上下のプラネタリキャリア56,56を備えて構成されている。また、入力軸51はプラネタリキャリア56に接続され、出力軸52はサンギア53に接続されている。
図5に戻って回転軸4と増速機5との関係を見ると、左側の回転軸4Aが入力軸51に連結され、右側の回転軸4Bがリングギア54に連結されている。その連結構造として、本実施形態ではスプロケットとチェーンからなる動力伝達機構7を採用しており、左側の回転軸4Aに装着したスプロケット71と増速機5の入力軸51に装着したスプロケット71に駆動チェーン72を掛け回して連結し、右側の回転軸4Bに装着したスプロケット71とリングギア54の下端に設けたギア部54aに駆動チェーン72を掛け回して連結してある。なお、スプロケット71とチェーン72による動力伝達機構7に代えて、図示しないプーリとベルトによる動力伝達機構を採用しても良い。
また、回転軸4の駆動力を増速機5に確実に伝達するために、図7〜10に示すように、すべての駆動チェーン72に対して張力調整機構8が設けられている。この張力調整機構8は、緩み止めギア81と長孔82で構成されており、緩み止めギア81のギア軸81aが長孔82に嵌められている。このため、ギア軸81aを長孔82内で摺動させて緩み止めギア81を駆動チェーン72の外周に圧接することにより、駆動チェーン72の張力調整を容易に行える。
さらに、図5において、増速機5の出力軸52を発電機6の回転子61に直接連結することにより、増速機5と発電機6が接続されている。本実施形態では、図1に示したように、増速機5をフロート1の上面に垂直に設置し、その上方に発電機6を垂直に載置した構造になっている。また、増速機5の上に発電機6を載置する関係から、本実施形態の発電機6(6A)は、定格電力が200〜500W程度の小型のものを使用している。したがって、この水力発電装置P1は、増速機5と発電機6からなる発電部品が水面よりも上に設置されるので、製造コストを安価にでき、しかもこれらの部品のメンテナンスを簡単に行うことができる。
本実施形態の水力発電装置P1は以上のように構成されており、ケーシング2内の水路23を水流が通過すると、一対の水車3A,3Bがそれぞれの回転軸4A,4Bを中心にして互いに逆回転する。ここで、図5と図6に示したように、左側の回転軸4Aは矢印S1方向に回転するが、このとき駆動チェーン72を介して増速機5の入力軸51が同じ方向に回転し、その回転が入力軸51からプラネタリキャリア56に伝達する。また、このとき右側の回転軸4Bは逆に矢印S2方向に回転するが、その回転は駆動チェーン72を介して増速機5のリングギア54に伝達する。これにより、増速機5ではプラネタリキャリア56とリングギア54が同軸上で相対的に逆回転し、プラネットギア55からサンギア53に伝達した駆動力が出力軸52から発電機6の回転子61に出力される。
したがって、本実施形態の水力発電装置P1によれば、速度の遅い水流に設置した場合であっても、プラネタリキャリア56とリングギア54の相対的な逆回転によって、増速機5の増速比が倍増し、出力軸52から発電機6の回転子61に出力される駆動力が極めて大きくなる。よって、発電量を多くするために増速機5のギア比を大きくしたり発電機6の極数を増やしたりしなくても済み、装置の小型化とコストダウンを図れ、発電機6の発電効率を大幅に向上させることができる。
[第2実施形態]
第2実施形態の水力発電装置を図11〜16に示す。図11は同装置の主要部を示す斜視図、図12は同装置の動作原理を示す正面図、図13は同装置の上面図、図14〜16は同装置の部分断面図である。なお、本実施形態において、図1〜10で説明した第1実施形態の水力発電装置P1と同一の構成については同一の符号を付与し、その詳細な説明を省略する。
図11に示すように、本実施形態の水力発電装置P2は、第1実施形態の水力発電装置P1で使用した小型の発電機6(6A)に代えて、定格電力が5〜10KW程度の中型の発電機6(6B)を使用したものである。中型の発電機6Bを使用する場合、その重量はおよそ100kgを超えるため、第1実施形態のように増速機5の上に発電機6Bを載置するとその荷重によって増速機5に負荷が掛かり、ギアが回転しないか場合によってはギアが潰れて故障してしまい、回転軸4(4A,4B)の回転力を発電機6に伝達できなくなる。
そこで、本実施形態では発電機6Bを増速機5に対して新たな動力伝達機構7によって連結するようにした。すなわち、図11〜16に示すように、増速機5の出力軸52と発電機6Bの回転子61にそれぞれスプロケット73を装着し、両スプロケット73,73に駆動チェーン74を掛け回して連結してある。これにより、増速機5がフロート1の上面に垂直に設置され、その増速機5の側方に発電機6Bを垂直に縦置きした構造になっている。なお、その他の構造は第1実施形態の水力発電装置P1と同様である。
このように、本実施形態の水力発電装置P2によれば、発電機6Bを増速機5の上に載せずに増速機5の側方に配置したことにより、発電機6Bの重みで増速機5が故障することはなく、回転軸4(4A,4B)の回転力が増速機5を介して発電機6Bに確実に伝達される。したがって、第1実施形態と同様に、互いに逆回転する回転軸4A,4Bの回転を利用することで増速機5による増速比が倍増するので、発電機6Bの発電効率を向上させることができる。
[第3実施形態]
第3実施形態の水力発電装置を図17〜22に示す。図17は同装置の主要部を示す斜視図、図18と図19は同装置の動作原理を示す正面図と側面図、図20は同装置の上面図、図21と図22は同装置の部分断面図である。なお、本実施形態において、図1〜10で説明した第1実施形態の水力発電装置P1と同一の構成については同一の符号を付与し、その詳細な説明を省略する。
図17に示すように、本実施形態の水力発電装置P3は、第1実施形態の水力発電装置P1で使用した小型の発電機6(6A)に代えて、定格電力が100〜200KW程度の大型の発電機6(6C)を使用したものである。このような大型の発電機6Cは、通常その重量が1tを超えるものであり、中型の発電機6Bと同じく増速機5の上に載置することは勿論不可能である。しかも大型の発電機6Cは回転子61に入力される回転が極めて高速であり、その高速回転に対応するために直径を小さくして軸方向に長くした形態のものが多い。
そこで、本実施形態では増速機5を回転軸4(4A,4B)に対して動力伝達機構7とベベルギア機構9で連結し、発電機6Cを増速機5に対して動力伝達機構7で連結することにより、発電機6Cを横置きにした。
より詳細には、図17〜22に示すように、左側の回転軸4Aに装着したスプロケット71とベベルギア機構9の入力軸91に装着したスプロケット71に駆動チェーン72を掛け回し、増速機5の入力軸51に装着したスプロケット71とベベルギア機構9の出力軸92に装着したスプロケット71に駆動チェーン72を掛け回す。これにより、左側の回転軸4Aと増速機5の入力軸51が、傘歯車同士を垂直方向に噛み合わせてなる主動ギア93と従動ギア94を介して連結されている。
また、右側の回転軸4Bに装着したスプロケット71ともう一つのベベルギア機構9の入力軸91に装着したスプロケット71に駆動チェーン72を掛け回し、リングギア54の下端のギア部54aに駆動チェーン72を掛け回す。これにより、右側の回転軸4Bと増速機5のリングギア54が、傘歯車同士を垂直方向に噛み合わせてなる主動ギア93と従動ギア94を介して連結されている。
更に、増速機5の出力軸52に装着したスプロケット73と発電機6Cの回転子61に装着したスプロケット73に駆動チェーン74を掛け回して連結してある。これにより、増速機5はフロート1の上面に水平に設置され、その増速機5の側方に発電機6Cが回転子61を水平方向に向けて配置した構造になっている。なお、その他の構造は第1実施形態の水力発電装置P1と同様である。
このように、本実施形態の水力発電装置P3によれば、左側の回転軸4Aが矢印S1方向に回転すると、駆動チェーン72からベベルギア9の入力軸91に伝達された垂直軸の回転が主動ギア93と従動ギア94を介して水平軸の回転に変換される。そして、ベベルギア9の出力軸92の回転が駆動チェーン72を介して増速機5の入力軸51からプラネタリキャリア56に伝達する。また、右側の回転軸4Bが矢印S2方向に回転すると、駆動チェーン72からベベルギア9の入力軸91に伝達された垂直軸の回転が主動ギア93と従動ギア94を介して水平軸の回転に変換される。そして、ベベルギア9の出力軸92の回転が駆動チェーン72を介して増速機5のリングギア54に伝達する。
これにより、増速機5ではプラネタリキャリア56とリングギア54が同軸上で相対的に逆回転し、プラネットギア55からサンギア53に伝達した駆動力が出力軸52から発電機6の回転子61に出力される。したがって、第1実施形態と同様に、互いに逆回転する回転軸4A,4Bの回転を利用することで増速機5による増速比が倍増するので、発電機6Cの発電効率を向上させることができる。
以上説明した実施形態では水車3の形状としてクロスフロー型を採用したが、これに代えて、図23に示すようなタービンファン型を採用することもできる。このタービンファン型の水車3(3C,3D)は、全体としてレモンのような略球状の本体34を有し、水の通り抜けを良くするために本体34の外周に螺旋状の溝35を形成したものである。
なお、上述したクロスフロー型の水車3(3A,3B)は、水が羽根32と回転軸4の間の隙間33を確実に通り抜け、隙間33を通り抜けた水が後方側の羽根32の湾曲面32aを再度押して回転力を付与するので、流速1〜2.5m/sec程度の比較的流れの遅い水流に設置する場合に好適である。これに対して、流速2.5m/sec以上の流れの速い水流に設置する場合には、その速い流れに耐え得るように、水が通り抜ける隙間を無くして全体の強度を高めたタービンファン型の水車3(3C,3D)を使用するのが好ましい。
本発明の水力発電装置は、水平方向に流れる水の移動エネルギーを利用して効率的な発電エネルギーを得ることができるため、次のような様々な利用ケースとその効果が考えられる。
(1)工場排水路での利用ケース
自然エネルギーの利用による省エネ効果、CO2対策
安定した発電による買電利用効果
(2)農業用水路での利用ケース
電気を利用していなかった場所への独立電源
(3)水処理施設や発電所放流渠での利用ケース
水路を有効利用した新たな産業の創出や都市活性化
PPP事業やPFI事業なども含め、既存施設を有効に活用した新しい事業の創出など
第1実施形態の水力発電装置の外観を示す斜視図である。 図1の水力発電装置の内部構造を示す横断面図である。 図1の水力発電装置の内部構造を示す縦断面図である。 図1の水力発電装置の主要部を示す斜視図である。 図1の水力発電装置の動作原理を模式的に示す正面図である。 図5の水力発電装置における増速機の拡大図である。 図5の上面図である。 図5のA−A線断面図である。 図5のB−B線断面図である。 図5のC−C線断面図である。 第2実施形態の水力発電装置の主要部を示す斜視図である。 図11の水力発電装置の動作原理を模式的に示す正面図である。 図12の上面図である。 図12のA−A線断面図である。 図12のB−B線断面図である。 図12のC−C線断面図である。 第3実施形態の水力発電装置の主要部を示す斜視図である。 図17の水力発電装置の動作原理を模式的に示す正面図である。 図17の水力発電装置の動作原理を模式的に示す側面図である。 図18の上面図である。 図18のA−A線断面図である。 図18のB−B線断面図である。 水力発電装置における水車の変形例を示す縦断面図である。
符号の説明
P1…第1実施形態の水力発電装置
P2…第2実施形態の水力発電装置
P3…第3実施形態の水力発電装置
1…フロート
11…貫通孔
2…ケーシング
21…取水口
22…排水口
23…水路
24…水流増速部
25…乱流抑制部
26…水流規制部
3…水車
31…円盤
32…羽根
33…隙間
34…本体
35…溝
4…回転軸
41…軸受
5…増速機
51…入力軸
52…出力軸
53…サンギア
54…リングギア
55…プラネットギア
56…プラネタリキャリア
6…発電機
61…回転子
7…動力伝達機構
71…スプロケット
72…駆動チェーン
73…スプロケット
74…駆動チェーン
8…張力調整機構
81…緩み止めギア
82…長孔
9…ベベルギア機構
91…入力軸
92…出力軸
93…主動ギア
94…従動ギア
本発明は、河川や人工の用水路等に設置され、水の流れを利用して発電する水力発電装置に関する。
従来、水路の途中に堰を設けることにより、水の落差を利用して発電を行う水力発電装置が知られている(例えば特許文献1参照)。この水力発電装置は、水の通路内に水車を設置したL字型のドラフトチューブを堰板の上流側に配置することにより、通路内を流れ落ちる水流によって水車を回転させ、その回転力を発電機に伝達して発電を行うように構成されている。
特開平11−30179号公報
しかしながら、このような水の落差を利用した水力発電装置の場合には、水路の途中に段差を形成するために、堰板やL字型のドラフトチューブ等を設置する必要がある。すなわち、水車の設置以外に発電のための専用の設備を敷設しなければならず、設置作業が面倒であり、発電コストも高くなるという問題があった。
そこで、本発明は上記の問題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、水の落差を利用せずに簡単に設置が可能な水力発電装置であって、特に、比較的小さな水流でも効率的な発電を行うことができる水力発電装置を提供することにある。
上記の目的を達成するため、本発明は、水平方向に流れる水流を利用して発電する水力発電装置であって、水面に浮上させるフロートと、フロートの底面に設けられ、水中に沈めた状態で上流側の取水口から下流側の排水口に向かって貫通した水路を有するケーシングと、ケーシングの水路内に流れる水流を水路の中心部に向けて規制する水流規制部と、ケーシングの水路の幅方向に間隔を空けて対向配置され、水路の中心部を通過する最大流速の水流の圧力を各々の羽根の先端部で直接受けて互いに逆回転する一対の抗力型の水車と、水深方向に起立した姿勢で各水車の回転中心に固定され、上端部がフロートを介して水面上に突出する一対の回転軸と、回転軸に連結され、入力された回転軸の回転を増速して出力する増速機と、フロートの上面に設置され、増速機を介して出力された駆動力によって発電する発電機と、を備え、一方側の回転軸が増速機の入力軸に連結され、他方側の回転軸が増速機のギア本体に連結されており、増速機の入力軸とギア本体を同軸上で相対的に逆回転させることにより、増速比を倍増させた駆動力を増速機の出力軸から発電機に出力するようにしたことを特徴とする。
本発明の水力発電装置において、増速機には遊星ギア機構を採用することができる。遊星ギア機構は、中心に配置されたサンギアと、サンギアの外周を取り囲むように設けられたリングギアと、サンギアとリングギアの間に配置されてサンギアの外歯とリングギアの内歯の両方に噛み合う複数個のプラネットギアと、プラネットギア同士を連結するプラネタリキャリアを備えて構成される。ここで、増速機に遊星ギア機構を採用した場合、回転軸と増速機と発電機の連結構造としては次のような構造が考えられる。
A.定格電力が200〜500W程度の発電機(小型発電機)を使用する場合
一方側の回転軸がプラネタリキャリアに動力伝達機構を介して連結され、他方側の回転軸がリングギアに動力伝達機構を介して連結されており、プラネタリキャリアとリングギアを同軸上で相対的に逆回転させることで、プラネットギアからサンギアに伝達した駆動力を発電機に出力する構造であって、増速機の出力軸が発電機の回転子に直接連結されることにより、フロート上に垂直に配置された増速機の上方に発電機が垂直に載置されている構造
B.定格電力が5〜10KW程度の発電機(中型発電機)を使用する場合
一方側の回転軸がプラネタリキャリアに動力伝達機構を介して連結され、他方側の回転軸がリングギアに動力伝達機構を介して連結されており、プラネタリキャリアとリングギアを同軸上で相対的に逆回転させることで、プラネットギアからサンギアに伝達した駆動力を発電機に出力する構造であって、増速機の出力軸が発電機の回転子に動力伝達機構を介して連結されることにより、フロート上に垂直に配置された増速機の側方に発電機が垂直に設置されている構造
C.定格電力が100〜200KW程度の発電機(大型発電機)を使用する場合
一方側の回転軸がプラネタリキャリアに動力伝達機構とベベルギア機構を介して連結され、他方側の回転軸がリングギアに動力伝達機構とベベルギア機構を介して連結され、増速機の出力軸が発電機の回転子に動力伝達機構を介して連結されることにより、フロート上に水平に配置された増速機の側方に発電機が水平に設置されている構造
また、本発明の水力発電装置において、動力伝達機構を構成する駆動チェーン又は駆動ベルトの外周に、ギア軸が長孔内を摺動する緩み止めギアを当接させることで駆動チェーン又は駆動ベルトの張力を調整する張力調整機構が設けられていても良い。
また、本発明の水力発電装置において、ケーシングの取水口側に、取水口の開口端の面積を上流側から下流側に向かって徐々に減少させる水流増速部が設けられていると、取水口から取り込まれた水流がケーシング内で圧縮され、加速した水流が水路内を通過するようになるので好ましい。
また、本発明の水力発電装置において、ケーシングの排水口側に、排水口の開口端の面積を上流側から下流側に向かって徐々に増大させる乱流抑制部が設けられていると、ケーシング内の水路から流れ出る水が乱流抑制部で解放され、排水口よりも下流側の周辺部に発生する乱流が抑制されるので好ましい。
なお、水車の形状としては、クロスフロー型やタービンファン型を採用することができる。クロスフロー型とは、回転軸に固定した上下の円盤間の円周方向に湾曲板状の羽根を複数枚並べて配置して、羽根と回転軸の間に水が通り抜ける隙間を設けたものである。このクロスフロー型の水車によれば、水が羽根と回転軸の間の隙間を確実に通り抜け、隙間を通り抜けた水が後方側の羽根を再度押して回転力を付与するので、流速1〜2.5m/sec程度の比較的流れの遅い水流に設置する場合に好適である。これに対して、タービンファン型とは、回転軸に固定した本体の外周に螺旋状の溝を形成したものである。このタービンファン型の水車は、水が通り抜ける隙間が無く、クロスフロー型の水車に比べて強度が高いので、流速2.5m/sec以上の流れの速い水流に設置する場合に好適である。
本発明の水力発電装置によれば、水流を加速させて水の運動エネルギーを高めるとともに、高めた運動エネルギーによって互いに逆回転する水車の回転を利用して増速機の入力軸とギア本体を同軸上で相対的に逆回転させることにより、増速比を倍増させた駆動力を増速機の出力軸から発電機に出力するようにした。このため、速度の遅い水流に設置する場合であっても、発電量を多くするために増速機のギア比を大きくしたり発電機の極数を増やしたりしなくても済み、装置の小型化とコストダウンを図れ、発電機の発電効率を大幅に向上させることができるという効果が得られる。
以下、本発明を実施するための形態(第1〜3実施形態)について、図面を参照しながら説明する。
[第1実施形態]
第1実施形態の水力発電装置を図1〜10に示す。図1は同装置の外観を示す斜視図、図2と図3は同装置の内部構造を示す断面図、図4は同装置の主要部を示す斜視図、図5は同装置の動作原理を示す正面図、図6は同装置における増速機の拡大図、図7は同装置の上面図、図8〜10は同装置の部分断面図である。
図1に示すように、本実施形態の水力発電装置P1は、河川または工業用水路や農業用水路等の人工水路に浮かべて設置され、ほぼ水平方向に流れる水の移動エネルギーを電気エネルギーに変換して発電するフロート型の流水式発電装置である。この水力発電装置P1は、フロート1と、ケーシング2と、水車3と、回転軸4と、増速機5と、発電機6を備えて大略構成されている。以下、各部の構造について詳細に説明する。
フロート1は、中空構造体からなり、少なくとも増速機5と発電機6を水面より上に設置するためのものである。このフロート1は河川や用水路の川縁(陸上)に置かれた構造物に固定するか、あるいは水上に設置されている他の構造物に固定するための構成部品として設けられている。この水力発電装置P1によれば、水面に浮上させたフロート1を構造物に固定するだけの簡単な作業で設置が完了するので、極めて低コストで設置することが可能である。
ケーシング2は、例えばアクリル等のプラスチック板やステンレス等の金属板を略方形管状に成形したものであり、フロート1の底面に固定されている。このケーシング2は流れの生じている水中に沈めた状態で設置され、水流の上流側に開口した取水口21から下流側に開口した排水口22に向かって貫通した水路23を有している。このようにフロート1の底面に固定したケーシング2に取水口21を設けたことにより、河川や用水路の水深や水位の変動に影響されず、常に水面付近(水の移動エネルギーが最大となる位置)に流れる水を取水口21から取り込むことができる。
図2に示すように、ケーシング2の取水口21側には水流増速部24が設けられている。この水流増速部24は、取水口21の開口端の面積が上流側から下流側に向かって徐々に減少するように、テーパ状の整流板をケーシング2の本体に一体成形したものであり、取水口21から水路23に到達するまでの過程で水の通過面積を狭めて圧縮し、ケーシング2内を圧力管状態にする。これにより、ベルヌーイの定理によって損失水頭(摩擦抵抗)を最小限に軽減し、取水口21から取り込まれる水の流速V1を流速V2に増加させ、加速した水流が水路23内を通過するようになっている。
ケーシング2の排水口22側には乱流抑制部25が設けられている。この乱流抑制部25は、排水口22の開口端の面積が上流側から下流側に向かって徐々に増大するように、テーパ状の整流板をケーシング2本体に一体成形したものである。ケーシング2内の水路23を流れる水の流速は水流増速部24によってケーシング2の本体の外側を流れる水の流速よりも大きくなるため、両者が排水口22付近で直接合流すると速度差に起因して乱流が発生する場合がある。そこで、ケーシング2内の水路23から流れ出る水を乱流抑制部25で解放し、流速V2を流速V3に低下させつつスムーズに排水することによって、排水口22よりも下流側の周辺部に発生する乱流を抑制し、発電流量を調整できるようになっている。
ケーシング2内の水路23には一対の水車3(3A,3B)が収容されている。本実施形態の水車3は垂直軸型の2軸構造であり、一対の水車3A,3Bが水路23の幅方向に所定間隔を空けて対向配置され、水路23を通過する水流によって互いに逆回転するように構成されている。水車3を回転させるために、各々の水車3A,3Bの中心部には回転軸4(4A,4B)が固定されている。図3に示すように、回転軸4はケーシング2の水路23内で水深方向(鉛直方向)に起立した姿勢で設けられており、上端部がフロート1の貫通孔11を突き抜けて水面上に突出し、下端部がケーシング2の底面の軸受41によって回転可能に支持されている。
本実施形態において、水車3の形状はクロスフロー型を採用している。図4に詳細に示すように、このクロスフロー型の水車3は、水の圧力を直接受けて回転する抗力型の一種であり、上下の円盤31,31を回転軸4に固定し、その円盤31,31間に複数枚の湾曲板状の羽根32,32,…を円盤31の円周方向に等間隔で並べて配置して、羽根32と回転軸4の間に水が通り抜ける隙間33を設けたものである。これにより、両方の水車3A,3Bは一対の回転軸4A,4B間を通過する水の圧力を複数枚の羽根32,32,…の湾曲面32aで受けて回転する。また、図2において、水路23の中心部を通過する最大流速の水流が両水車3A,3Bの最も内側の羽根32,32の先端部に衝突することによって、左側に配置された水車3Aは回転軸4Bを中心にして矢印S1方向に回転し、右側に配置された水車3Bは回転軸4Bを中心にして矢印S2方向に回転するようになっている。
また、水車3の回転効率を考慮して、ケーシング2には水流規制部26が設けられている。この水流規制部26は、ケーシング2の水路23の幅方向において、回転軸4とケーシング2の間を流れる水流を規制するようにケーシング2の壁面を湾曲状に成形したものである。より詳しくは、クロスフロー型の水車3に逆方向の回転が生じないように、ケーシング2の内部に個々の水車3A,3Bの外側半分を覆う湾曲壁(言い換えれば、水路23内において両側の回転軸4A,4Bよりも外側に位置する複数枚の羽根32,32,…を囲んだ形状の湾曲壁)が設けられている。このため、水路23内を流れる水の進路が湾曲壁に沿って規制され、これにより一対の水車3A,3Bが効率良く回転し、大きな回転力を得ることができる。
上記のようにして一対の水車3A,3Bが回転すると、その回転力はそれぞれの回転軸4A,4Bから増速機5を介して発電機6に伝達される。ここで、本実施形態の水力発電装置P1は、水流を加速させて水の運動エネルギーを高めるとともに、高めた運動エネルギーによって互いに逆回転する2軸構造の水車3A,3Bの回転力を効果的に利用することにより、増速機5の増速比を高くして発電機6の発電効率を向上させたことが特徴である。そのための構造として、一対の回転軸4A,4Bにそれぞれ別々に増速機5を連結するのではなく、図4に示すように一対の回転軸4A,4Bを一個の増速機5に連結するようにした。
図5において、増速機5は、入力軸51に入力された回転軸4A,4Bの回転数を増加して発電機6の定格回転数に調整し、その回転数の駆動力を出力軸52から出力して発電機6に伝達する機能を有する。より詳細に説明すると、図6に示すように、本実施形態の増速機5は遊星ギア機構からなり、中心に配置されたサンギア53と、サンギア53の外周を取り囲むように設けられたリングギア54と、サンギア53とリングギア54の間に配置されてサンギア53の外歯とリングギア54の内歯の両方に噛み合う複数個のプラネットギア55,55,…と、プラネットギア55,55同士を連結する上下のプラネタリキャリア56,56を備えて構成されている。また、入力軸51はプラネタリキャリア56に接続され、出力軸52はサンギア53に接続されている。
図5に戻って回転軸4と増速機5との関係を見ると、左側の回転軸4Aが入力軸51に連結され、右側の回転軸4Bがリングギア54に連結されている。その連結構造として、本実施形態ではスプロケットとチェーンからなる動力伝達機構7を採用しており、左側の回転軸4Aに装着したスプロケット71と増速機5の入力軸51に装着したスプロケット71に駆動チェーン72を掛け回して連結し、右側の回転軸4Bに装着したスプロケット71とリングギア54の下端に設けたギア部54aに駆動チェーン72を掛け回して連結してある。なお、スプロケット71とチェーン72による動力伝達機構7に代えて、図示しないプーリとベルトによる動力伝達機構を採用しても良い。
また、回転軸4の駆動力を増速機5に確実に伝達するために、図7〜10に示すように、すべての駆動チェーン72に対して張力調整機構8が設けられている。この張力調整機構8は、緩み止めギア81と長孔82で構成されており、緩み止めギア81のギア軸81aが長孔82に嵌められている。このため、ギア軸81aを長孔82内で摺動させて緩み止めギア81を駆動チェーン72の外周に圧接することにより、駆動チェーン72の張力調整を容易に行える。
さらに、図5において、増速機5の出力軸52を発電機6の回転子61に直接連結することにより、増速機5と発電機6が接続されている。本実施形態では、図1に示したように、増速機5をフロート1の上面に垂直に設置し、その上方に発電機6を垂直に載置した構造になっている。また、増速機5の上に発電機6を載置する関係から、本実施形態の発電機6(6A)は、定格電力が200〜500W程度の小型のものを使用している。したがって、この水力発電装置P1は、増速機5と発電機6からなる発電部品が水面よりも上に設置されるので、製造コストを安価にでき、しかもこれらの部品のメンテナンスを簡単に行うことができる。
本実施形態の水力発電装置P1は以上のように構成されており、ケーシング2内の水路23を水流が通過すると、一対の水車3A,3Bがそれぞれの回転軸4A,4Bを中心にして互いに逆回転する。ここで、図5と図6に示したように、左側の回転軸4Aは矢印S1方向に回転するが、このとき駆動チェーン72を介して増速機5の入力軸51が同じ方向に回転し、その回転が入力軸51からプラネタリキャリア56に伝達する。また、このとき右側の回転軸4Bは逆に矢印S2方向に回転するが、その回転は駆動チェーン72を介して増速機5のリングギア54に伝達する。これにより、増速機5ではプラネタリキャリア56とリングギア54が同軸上で相対的に逆回転し、プラネットギア55からサンギア53に伝達した駆動力が出力軸52から発電機6の回転子61に出力される。
したがって、本実施形態の水力発電装置P1によれば、速度の遅い水流に設置した場合であっても、プラネタリキャリア56とリングギア54の相対的な逆回転によって、増速機5の増速比が倍増し、出力軸52から発電機6の回転子61に出力される駆動力が極めて大きくなる。よって、発電量を多くするために増速機5のギア比を大きくしたり発電機6の極数を増やしたりしなくても済み、装置の小型化とコストダウンを図れ、発電機6の発電効率を大幅に向上させることができる。
[第2実施形態]
第2実施形態の水力発電装置を図11〜16に示す。図11は同装置の主要部を示す斜視図、図12は同装置の動作原理を示す正面図、図13は同装置の上面図、図14〜16は同装置の部分断面図である。なお、本実施形態において、図1〜10で説明した第1実施形態の水力発電装置P1と同一の構成については同一の符号を付与し、その詳細な説明を省略する。
図11に示すように、本実施形態の水力発電装置P2は、第1実施形態の水力発電装置P1で使用した小型の発電機6(6A)に代えて、定格電力が5〜10KW程度の中型の発電機6(6B)を使用したものである。中型の発電機6Bを使用する場合、その重量はおよそ100kgを超えるため、第1実施形態のように増速機5の上に発電機6Bを載置するとその荷重によって増速機5に負荷が掛かり、ギアが回転しないか場合によってはギアが潰れて故障してしまい、回転軸4(4A,4B)の回転力を発電機6に伝達できなくなる。
そこで、本実施形態では発電機6Bを増速機5に対して新たな動力伝達機構7によって連結するようにした。すなわち、図11〜16に示すように、増速機5の出力軸52と発電機6Bの回転子61にそれぞれスプロケット73を装着し、両スプロケット73,73に駆動チェーン74を掛け回して連結してある。これにより、増速機5がフロート1の上面に垂直に設置され、その増速機5の側方に発電機6Bを垂直に縦置きした構造になっている。なお、その他の構造は第1実施形態の水力発電装置P1と同様である。
このように、本実施形態の水力発電装置P2によれば、発電機6Bを増速機5の上に載せずに増速機5の側方に配置したことにより、発電機6Bの重みで増速機5が故障することはなく、回転軸4(4A,4B)の回転力が増速機5を介して発電機6Bに確実に伝達される。したがって、第1実施形態と同様に、互いに逆回転する回転軸4A,4Bの回転を利用することで増速機5による増速比が倍増するので、発電機6Bの発電効率を向上させることができる。
[第3実施形態]
第3実施形態の水力発電装置を図17〜22に示す。図17は同装置の主要部を示す斜視図、図18と図19は同装置の動作原理を示す正面図と側面図、図20は同装置の上面図、図21と図22は同装置の部分断面図である。なお、本実施形態において、図1〜10で説明した第1実施形態の水力発電装置P1と同一の構成については同一の符号を付与し、その詳細な説明を省略する。
図17に示すように、本実施形態の水力発電装置P3は、第1実施形態の水力発電装置P1で使用した小型の発電機6(6A)に代えて、定格電力が100〜200KW程度の大型の発電機6(6C)を使用したものである。このような大型の発電機6Cは、通常その重量が1tを超えるものであり、中型の発電機6Bと同じく増速機5の上に載置することは勿論不可能である。しかも大型の発電機6Cは回転子61に入力される回転が極めて高速であり、その高速回転に対応するために直径を小さくして軸方向に長くした形態のものが多い。
そこで、本実施形態では増速機5を回転軸4(4A,4B)に対して動力伝達機構7とベベルギア機構9で連結し、発電機6Cを増速機5に対して動力伝達機構7で連結することにより、発電機6Cを横置きにした。
より詳細には、図17〜22に示すように、左側の回転軸4Aに装着したスプロケット71とベベルギア機構9の入力軸91に装着したスプロケット71に駆動チェーン72を掛け回し、増速機5の入力軸51に装着したスプロケット71とベベルギア機構9の出力軸92に装着したスプロケット71に駆動チェーン72を掛け回す。これにより、左側の回転軸4Aと増速機5の入力軸51が、傘歯車同士を垂直方向に噛み合わせてなる主動ギア93と従動ギア94を介して連結されている。
また、右側の回転軸4Bに装着したスプロケット71ともう一つのベベルギア機構9の入力軸91に装着したスプロケット71に駆動チェーン72を掛け回し、リングギア54の下端のギア部54aに駆動チェーン72を掛け回す。これにより、右側の回転軸4Bと増速機5のリングギア54が、傘歯車同士を垂直方向に噛み合わせてなる主動ギア93と従動ギア94を介して連結されている。
更に、増速機5の出力軸52に装着したスプロケット73と発電機6Cの回転子61に装着したスプロケット73に駆動チェーン74を掛け回して連結してある。これにより、増速機5はフロート1の上面に水平に設置され、その増速機5の側方に発電機6Cが回転子61を水平方向に向けて配置した構造になっている。なお、その他の構造は第1実施形態の水力発電装置P1と同様である。
このように、本実施形態の水力発電装置P3によれば、左側の回転軸4Aが矢印S1方向に回転すると、駆動チェーン72からベベルギア9の入力軸91に伝達された垂直軸の回転が主動ギア93と従動ギア94を介して水平軸の回転に変換される。そして、ベベルギア9の出力軸92の回転が駆動チェーン72を介して増速機5の入力軸51からプラネタリキャリア56に伝達する。また、右側の回転軸4Bが矢印S2方向に回転すると、駆動チェーン72からベベルギア9の入力軸91に伝達された垂直軸の回転が主動ギア93と従動ギア94を介して水平軸の回転に変換される。そして、ベベルギア9の出力軸92の回転が駆動チェーン72を介して増速機5のリングギア54に伝達する。
これにより、増速機5ではプラネタリキャリア56とリングギア54が同軸上で相対的に逆回転し、プラネットギア55からサンギア53に伝達した駆動力が出力軸52から発電機6の回転子61に出力される。したがって、第1実施形態と同様に、互いに逆回転する回転軸4A,4Bの回転を利用することで増速機5による増速比が倍増するので、発電機6Cの発電効率を向上させることができる。
以上説明した実施形態では水車3の形状としてクロスフロー型を採用したが、これに代えて、図23に示すようなタービンファン型を採用することもできる。このタービンファン型の水車3(3C,3D)は、全体としてレモンのような略球状の本体34を有し、水の通り抜けを良くするために本体34の外周に螺旋状の溝35を形成したものである。
なお、上述したクロスフロー型の水車3(3A,3B)は、水が羽根32と回転軸4の間の隙間33を確実に通り抜け、隙間33を通り抜けた水が後方側の羽根32の湾曲面32aを再度押して回転力を付与するので、流速1〜2.5m/sec程度の比較的流れの遅い水流に設置する場合に好適である。これに対して、流速2.5m/sec以上の流れの速い水流に設置する場合には、その速い流れに耐え得るように、水が通り抜ける隙間を無くして全体の強度を高めたタービンファン型の水車3(3C,3D)を使用するのが好ましい。
本発明の水力発電装置は、水平方向に流れる水の移動エネルギーを利用して効率的な発電エネルギーを得ることができるため、次のような様々な利用ケースとその効果が考えられる。
(1)工場排水路での利用ケース
自然エネルギーの利用による省エネ効果、CO2対策
安定した発電による買電利用効果
(2)農業用水路での利用ケース
電気を利用していなかった場所への独立電源
(3)水処理施設や発電所放流渠での利用ケース
水路を有効利用した新たな産業の創出や都市活性化
PPP事業やPFI事業なども含め、既存施設を有効に活用した新しい事業の創出など
第1実施形態の水力発電装置の外観を示す斜視図である。 図1の水力発電装置の内部構造を示す横断面図である。 図1の水力発電装置の内部構造を示す縦断面図である。 図1の水力発電装置の主要部を示す斜視図である。 図1の水力発電装置の動作原理を模式的に示す正面図である。 図5の水力発電装置における増速機の拡大図である。 図5の上面図である。 図5のA−A線断面図である。 図5のB−B線断面図である。 図5のC−C線断面図である。 第2実施形態の水力発電装置の主要部を示す斜視図である。 図11の水力発電装置の動作原理を模式的に示す正面図である。 図12の上面図である。 図12のA−A線断面図である。 図12のB−B線断面図である。 図12のC−C線断面図である。 第3実施形態の水力発電装置の主要部を示す斜視図である。 図17の水力発電装置の動作原理を模式的に示す正面図である。 図17の水力発電装置の動作原理を模式的に示す側面図である。 図18の上面図である。 図18のA−A線断面図である。 図18のB−B線断面図である。 水力発電装置における水車の変形例を示す縦断面図である。
P1…第1実施形態の水力発電装置
P2…第2実施形態の水力発電装置
P3…第3実施形態の水力発電装置
1…フロート
11…貫通孔
2…ケーシング
21…取水口
22…排水口
23…水路
24…水流増速部
25…乱流抑制部
26…水流規制部
3…水車
31…円盤
32…羽根
33…隙間
34…本体
35…溝
4…回転軸
41…軸受
5…増速機
51…入力軸
52…出力軸
53…サンギア
54…リングギア
55…プラネットギア
56…プラネタリキャリア
6…発電機
61…回転子
7…動力伝達機構
71…スプロケット
72…駆動チェーン
73…スプロケット
74…駆動チェーン
8…張力調整機構
81…緩み止めギア
82…長孔
9…ベベルギア機構
91…入力軸
92…出力軸
93…主動ギア
94…従動ギア
上記の目的を達成するため、本発明は、水平方向に流れる水流を利用して発電する水力発電装置であって、水面に浮上させるフロートと、フロートの底面に設けられ、水中に沈めた状態で上流側の取水口から下流側の排水口に向かって貫通した水路を有するケーシングと、ケーシングの水路内に流れる水流を水路の中心部に向けて規制する水流規制部と、ケーシングの水路の幅方向に間隔を空けて対向配置され、水路の中心部を通過する最大流速の水流の圧力を各々の羽根の先端部で直接受けて互いに逆回転する一対の抗力型の水車と、水深方向に起立した姿勢で各水車の回転中心に固定され、上端部がフロートを介して水面上に突出する一対の回転軸と、回転軸に連結され、入力された回転軸の回転を増速して出力する増速機と、フロートの上面に設置され、増速機を介して出力された駆動力によって発電する発電機と、を備え、増速機が遊星ギア機構からなり、リングギアの下端に設けたギア部に対して動力伝達機構を介して一方側の回転軸が連結され、プラネタリキャリアに接続されギア部より外方に突出した入力軸に対して動力伝達機構を介して他方側の回転軸が連結されており、リングギアとプラネタリキャリアを同軸上で相対的に逆回転させることにより、プラネットギアからサンギアに伝達した駆動力を増速機の出力軸から発電機に出力することを特徴とする。
本発明の水力発電装置において、増速機には遊星ギア機構を採用している。遊星ギア機構は、中心に配置されたサンギアと、サンギアの外周を取り囲むように設けられたリングギアと、サンギアとリングギアの間に配置されてサンギアの外歯とリングギアの内歯の両方に噛み合う複数個のプラネットギアと、プラネットギア同士を連結するプラネタリキャリアを備えて構成される。ここで、増速機に遊星ギア機構を採用した場合、回転軸と増速機と発電機の連結構造としては次のような構造が考えられる。
A.定格電力が200〜500W程度の発電機(小型発電機)を使用する場合
増速機の出力軸が発電機の回転子に直接連結されることにより、フロート上に垂直に配置された増速機の上方に発電機が垂直に載置されている構造
B.定格電力が5〜10KW程度の発電機(中型発電機)を使用する場合
増速機の出力軸が発電機の回転子に動力伝達機構を介して連結されることにより、フロート上に垂直に配置された増速機の側方に発電機が垂直に設置されている構造
C.定格電力が100〜200KW程度の発電機(大型発電機)を使用する場合
一方側の回転軸が動力伝達機構とベベルギア機構を介してギア部に連結され、他方側の回転軸が動力伝達機構とベベルギア機構を介して入力軸に連結され、増速機の出力軸が発電機の回転子に動力伝達機構を介して連結されることにより、フロート上に水平に配置された増速機の側方に発電機が水平に設置されている構造

Claims (10)

  1. 水平方向に流れる水流を利用して発電する水力発電装置であって、
    水面に浮上させるフロートと、
    フロートの底面に設けられ、水中に沈めた状態で上流側の取水口から下流側の排水口に向かって貫通した水路を有するケーシングと、
    ケーシングの水路の幅方向に間隔を空けて対向配置され、水路の中心部を通過する水流によって互いに逆回転する一対の水車と、
    水深方向に起立した姿勢で各水車の回転中心に固定され、上端部がフロートを介して水面上に突出する一対の回転軸と、
    回転軸に連結され、入力された回転軸の回転を増速して出力する増速機と、
    フロートの上面に設置され、増速機を介して出力された駆動力によって発電する発電機と、を備え、
    一方側の回転軸が増速機の入力軸に連結され、他方側の回転軸が増速機のギア本体に連結されており、増速機の入力軸とギア本体を同軸上で相対的に逆回転させることにより、増速比を倍増させた駆動力を増速機の出力軸から発電機に出力するようにしたことを特徴とする水力発電装置。
  2. 増速機が遊星ギア機構からなり、一方側の回転軸がプラネタリキャリアに動力伝達機構を介して連結され、他方側の回転軸がリングギアに動力伝達機構を介して連結されており、プラネタリキャリアとリングギアを同軸上で相対的に逆回転させることで、プラネットギアからサンギアに伝達した駆動力を発電機に出力することを特徴とする請求項1に記載の水力発電装置。
  3. 増速機の出力軸が発電機の回転子に直接連結されることにより、フロート上に垂直に配置された増速機の上方に発電機が垂直に載置されていることを特徴とする請求項2に記載の水力発電装置。
  4. 増速機の出力軸が発電機の回転子に動力伝達機構を介して連結されることにより、フロート上に垂直に配置された増速機の側方に発電機が垂直に設置されていることを特徴とする請求項2に記載の水力発電装置。
  5. 増速機が遊星ギア機構からなり、一方側の回転軸がプラネタリキャリアに動力伝達機構とベベルギア機構を介して連結され、他方側の回転軸がリングギアに動力伝達機構とベベルギア機構を介して連結され、増速機の出力軸が発電機の回転子に動力伝達機構を介して連結されることにより、フロート上に水平に配置された増速機の側方に発電機が水平に設置されていることを特徴とする請求項1に記載の水力発電装置。
  6. 動力伝達機構を構成する駆動チェーン又は駆動ベルトの外周に、ギア軸が長孔内を摺動する緩み止めギアを当接させることで駆動チェーン又は駆動ベルトの張力を調整する張力調整機構が設けられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の水力発電装置。
  7. ケーシングの取水口側に、取水口の開口端の面積を上流側から下流側に向かって徐々に減少させる水流増速部が設けられていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の水力発電装置。
  8. ケーシングの排水口側に、排水口の開口端の面積を上流側から下流側に向かって徐々に増大させる乱流抑制部が設けられていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の水力発電装置。
  9. 水車の形状が、クロスフロー型であり、回転軸に固定した上下の円盤間の円周方向に湾曲板状の羽根を複数枚並べて配置して、羽根と回転軸の間に水が通り抜ける隙間を設けたことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の水力発電装置。
  10. 水車の形状が、タービンファン型であり、回転軸に固定した本体の外周に螺旋状の溝を形成したことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の水力発電装置。
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