JPWO2010079526A1 - 雑音除去装置及び雑音除去プログラム - Google Patents

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Abstract

指向性制御部10が、複数のマイクロホン2,3の出力信号から、信号処理により目的音方向に指向性を向けた主ビーム信号と目的音方向に死角を向けた副ビーム信号とを算出し、周波数分析部20がスペクトルに変換する。音源判別部30は、主ビーム信号と副ビーム信号のスペクトルから音源が音声か、定常騒音か、非定常騒音かを判別して音源判別結果として出力すると共に、主ビーム信号に対する騒音の統計量である平均スペクトルを算出する。妨害音除去部50は、主ビーム信号のスペクトルから平均スペクトルを減算して妨害音を除去する。

Description

この発明は、複数のマイクロホンを用いて雑音を除去する雑音除去装置及び雑音除去プログラムに関するものである。
従来、音声認識及びハンズフリー通話では、音声に雑音が重畳することにより、認識性能及び明瞭性が低下するという問題があった。このような問題を解決する技術として様々な雑音除去手法が提案されているが、ひとつの手法として複数のマイクロホンを用いた雑音除去手段がある。一般的に、複数のマイクロホンを用いることで1つのマイクロホンを用いた場合よりも雑音抑圧効果を高めることができる。
複数のマイクロホンを用いた雑音除去手法として、複数マイクロホンの入力のパワー差及び時間差を比較し、目的音以外の成分を除去する手法が知られている(例えば、特許文献1参照)。この手法では、複数のマイクロホンの出力信号を周波数分析し帯域別に各チャネルのパワー差または時間差を比較することで、各チャネルから目的音源の成分を選択し不要成分を抑圧していた。
特許第3435357号
特許文献1に記載された手法は、マイクロホンの出力信号同士を直接比較するため、設置したマイクロホンの特性、設置方向、及び設置間隔によっては、目的音と妨害音のパワー差または時間差が小さくなり雑音除去能力が低下するという課題があった。
この発明は上記した課題を解決するためになされたものであり、複数のマイクロホンの出力信号に対して信号処理により指向性を制御するようにして、強調された目的音と目的音が抑圧された妨害音を比較することにより、パワー差を明確にして雑音除去能力を向上させることを目的とする。また、信号処理により指向性を制御するようにして、目的音方向が変わるような場合でもマイクロホン設置位置を変えることなく雑音除去を行うことができるようにする。また、騒音の統計量を用いて妨害音を除去するようにして、目的音と選択された帯域に騒音が重畳している場合でも騒音を除去できるようにする。
この発明の雑音除去装置は、複数のマイクロホンの出力信号から、信号処理により目的音方向に指向性を向けた主ビーム信号と目的音方向に死角を向けた副ビーム信号とを算出する指向性制御部と、指向性制御部で算出した主ビーム信号と副ビーム信号それぞれに対して周波数分析を行い、主ビーム信号及び副ビーム信号のスペクトルを算出する周波数分析部と、周波数分析部で算出した主ビーム信号と副ビーム信号のスペクトルから音源の種類を判別して音源判別結果として出力すると共に、主ビーム信号に対する騒音の統計量を算出する音源判別部と、周波数分析部で算出した副ビーム信号のスペクトル、ならびに音源判別部から入力した音源判別結果及び騒音の統計量を用いて、当該主ビーム信号のスペクトルから妨害音を除去する妨害音除去部とを備えるようにしたものである。
この発明によれば、雑音除去装置において、信号処理により指向性を制御して主ビーム信号及び副ビーム信号を算出することにより、強調された目的音と目的音が抑圧された妨害音を比較することができ、この結果、パワー差を明確にして雑音除去能力を向上させることができる。また、目的音方向が変わるような場合でもマイクロホン設置位置を変えることなく雑音除去を行うことができる。また、騒音の統計量を用いて妨害音を除去することにより、目的音と選択された帯域に騒音が重畳している場合でも騒音を除去できる。
この発明の雑音除去プログラムは、コンピュータを、複数のマイクロホンの出力信号から、信号処理により目的音方向に指向性を向けた主ビーム信号と目的音方向に死角を向けた副ビーム信号とを算出する指向性制御手段と、指向性制御手段で算出した主ビーム信号と副ビーム信号それぞれに対して周波数分析を行い、主ビーム信号及び副ビーム信号のスペクトルを算出する周波数分析手段と、周波数分析手段で算出した主ビーム信号と副ビーム信号のスペクトルから音源の種類を判別して音源判別結果として出力すると共に、主ビーム信号に対する騒音の統計量を算出する音源判別手段と、周波数分析手段で算出した副ビーム信号のスペクトル、ならびに音源判別手段で出力した音源判別結果及び騒音の統計量を用いて、当該主ビーム信号のスペクトルから妨害音を除去する妨害音除去手段として機能させるようにしたものである。
この発明によれば、雑音除去プログラムは、信号処理により指向性を制御して主ビーム信号及び副ビーム信号を算出することにより、強調された目的音と目的音が抑圧された妨害音を比較することができ、この結果、パワー差を明確にして雑音除去能力を向上させることができる。また、目的音方向が変わるような場合でもマイクロホン設置位置を変えることなく雑音除去を行うことができる。また、騒音の統計量を用いて妨害音を除去することにより、目的音と選択された帯域に騒音が重畳している場合でも騒音を除去できる。
この発明の実施の形態1に係る雑音除去装置1の構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態1に係る雑音除去装置1における音源判別部30の内部構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態1に係る雑音除去装置1における妨害音除去部50の内部構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態1に係る雑音除去装置1の指向性制御部10及び周波数分析部20の動作を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態1に係る雑音除去装置1の音源判別部30の動作を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態1に係る雑音除去装置1の音源判別部30の動作を示すフローチャートの続きである。 この発明の実施の形態1に係る雑音除去装置1の妨害音除去部50の動作を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態2に係る雑音除去装置1の構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態2に係る雑音除去装置1の目的音方向通知部60、指向性制御部10及び周波数分析部20の動作を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態3に係る雑音除去装置1の構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態3に係る雑音除去装置1の言語通知部80及び妨害音除去部50の動作を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態4に係る雑音除去装置1の妨害音除去部50の内部構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態4に係る雑音除去装置1の妨害音除去部50の動作を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態4に係る雑音除去装置1の妨害音除去部50の動作を示すフローチャートの続きである。
以下、この発明をより詳細に説明するために、この発明を実施するための最良の形態について、添付の図面に従って説明する。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係る雑音除去装置1の構成を示すブロック図である。図において、雑音除去装置1は、複数のマイクロホン2,3の出力信号から雑音を除去した信号を算出する装置であって、指向性制御部10、周波数分析部20、音源判別部30、騒音スペクトルメモリ40、妨害音除去部50を備えている。なお、実施の形態1では複数のマイクロホンの一例としてマイクロホン2,3を用いるが、任意の個数を用いてもかまわない。
指向性制御部10は、複数のマイクロホン2,3の出力信号に対して信号処理により指向性を制御する部位であり、目的音方向に指向性を向けた主ビーム信号と目的音方向に死角を向けた副ビーム信号を出力する。
周波数分析部20は、指向性制御部10が出力する主ビーム信号と副ビーム信号に対してFFT(Fast Fourier Transform)等の周波数分析を行う部位であり、主ビーム信号のスペクトルと副ビーム信号のスペクトルをそれぞれ音源判別部30及び妨害音除去部50へ出力する。
音源判別部30は、主ビーム信号と副ビーム信号のスペクトルから音源が音声か非定常騒音か定常騒音かの判別を行う部位であり、音源判別結果を妨害音除去部50へ出力すると共に、主ビーム信号のスペクトルを騒音スペクトルメモリ40へ出力する。
騒音スペクトルメモリ40は、音源判別部30から出力された主ビーム信号に対する騒音の統計量を記憶すると共に、騒音の統計量である平均スペクトルを妨害音除去部50へ出力する。
妨害音除去部50は、音源判別部30から出力された音源判別結果と周波数分析部20から出力された副ビーム信号のスペクトルと騒音スペクトルメモリ40から出力された騒音の平均スペクトルを用いて、周波数分析部20から出力された主ビーム信号のスペクトルから妨害音(雑音)を除去する部位であり、雑音を除去した主ビーム信号のスペクトルを生成する。
また、図2は実施の形態1に係る雑音除去装置1における音源判別部30の内部構成を示すブロック図である。図において、音源判別部30は、帯域制限部31、差分パワー算出部32、騒音統計量算出部33、SNR(信号対雑音比)推定部34、判別部35を備えている。
帯域制限部31は、主ビーム信号と副ビーム信号のスペクトルに対して帯域制限を行う部位であり、帯域制限を行った主ビーム信号と副ビーム信号の帯域制限パワーを差分パワー算出部32へ出力する。
差分パワー算出部32は、主ビーム信号と副ビーム信号の帯域制限パワーから主ビーム信号と副ビーム信号の差分パワーを算出する部位であり、算出した差分パワーを判別部35へ出力する。
騒音統計量算出部33は、帯域制限部31から出力された主ビーム信号のスペクトルから騒音の統計量を算出する部位であり、算出した騒音の統計量と主ビーム信号のスペクトルをSNR推定部34へ出力すると共に、騒音の統計量を騒音スペクトルメモリ40へ出力する。
SNR推定部34は、騒音統計量算出部33から出力された主ビーム信号のスペクトルと騒音の統計量から現在のSNRを推定する部位であり、推定したSNRを判別部35へ出力する。
判別部35は、差分パワー算出部32から出力された差分パワーとSNR推定部34から出力された推定SNRから、マイクロホン2,3からの現在の入力が音声か定常騒音か非定常騒音かを判別する部位であり、判定の結果を音源判別結果として妨害音除去部50へ出力する。
また、図3は実施の形態1に係る雑音除去装置1における妨害音除去部50の内部構成を示すブロック図である。図において、妨害音除去部50は、帯域別パワー抑圧部51、定常騒音除去部52を備えている。
帯域別パワー抑圧部51は、周波数分析部20から出力された主ビーム信号と副ビーム信号のスペクトルに対して帯域毎のパワーを比較して、抑圧条件を満たす場合に主ビーム信号のスペクトルの該当する帯域のパワーを抑圧する部位であり、抑圧後の主ビーム信号のスペクトル(抑圧スペクトル)を定常騒音除去部52へ出力する。
定常騒音除去部52は、帯域別パワー抑圧部51が出力する抑圧後の主ビーム信号スペクトルから、騒音スペクトルメモリ40に記憶されている騒音の統計量である平均スペクトルを減算する部位であり、平均スペクトル減算後の主ビーム信号のスペクトル(抑圧減算スペクトル)を出力する。
なおここでは、雑音除去装置1の構成要素のうち、指向性制御部10、周波数分析部20、音源判別部30、騒音スペクトルメモリ40、妨害音除去部50、帯域制限部31、差分パワー算出部32、騒音統計量算出部33、SNR推定部34、判別部35、帯域別パワー抑圧部51、定常騒音除去部52はそれぞれ専用の回路によりハードウェアとして構成するものとして説明するが、雑音除去装置1がコンピュータで構成される場合には、指向性制御部10、周波数分析部20、音源判別部30、騒音スペクトルメモリ40、妨害音除去部50、帯域制限部31、差分パワー算出部32、騒音統計量算出部33、SNR推定部34、判別部35、帯域別パワー抑圧部51、定常騒音除去部52の処理内容を記述しているプログラムをコンピュータのメモリに格納し、コンピュータのCPUが当該メモリに格納されているプログラムを実行するようにしてもよい。
次に、雑音除去装置1の動作を説明する。図4は雑音除去装置1の指向性制御部10及び周波数分析部20の動作を示すフローチャートである。まず複数のマイクロホンの出力信号xm(n)(m=1,2,‥,M)が入力されると、指向性制御部10は主ビーム信号y1(n)を以下の式(1)に基づき算出する(ステップST101)。式(1)においてh1m(n)はマイクロホンm(図1ではマイクロホン2,3)の出力信号に対する主ビームのフィルタ係数、*は畳み込み演算を表す。指向性制御部10は、フィルタ係数h1m(n)を目的音方向に対する感度を保ちつつ、目的音方向の感度を抑圧するように事前に学習しておく。学習には適応フィルタの学習方法として公知であるNLMS法等を用いることができる。
また、指向性制御部10は副ビーム信号y2(n)を以下の式(2)に基づき算出する(ステップST102)。式(2)においてh2m(n)はマイクロホンmの出力信号に対する副ビームのフィルタ係数である。指向性制御部10は、フィルタ係数h2m(n)を目的音方向に対する感度を抑圧しつつ、その他の方向の感度を保つように事前に学習しておく。なお、上記の説明ではステップST101の後にステップST102を行う手順で説明しているが、ステップST101とステップST102を並列に処理しても良い。
Figure 2010079526
次に、周波数分析部20は主ビーム信号y1(n)のフレームtにおけるLサンプルの入力(L(t−1)≦n≦Lt)に対してハミング窓等の窓関数を適用後、FFT等の周波数分析を行って、主ビーム信号のフレームtのスペクトルP1t(f)を算出する(ステップST103)。fは周波数の帯域番号である。
また、周波数分析部20は副ビーム信号y2(n)のフレームtにおけるLサンプルの入力(L(t−1)≦n≦Lt)に対してハミング窓等の窓関数を適用後、FFT等の周波数分析を行って、副ビーム信号のフレームtのスペクトルP2t(f)を算出する(ST104)。なお、上記の説明ではステップST103の後にステップST104を行う手順で説明しているが、ステップST103とステップST104を並列に処理しても良い。
以上が雑音除去装置1の指向性制御部10及び周波数分析部20の動作例である。
次に、音源判別部30の動作を説明する。図5Aおよび図5Bは雑音除去装置1の音源判別部30の動作を示すフローチャートである。まず、帯域制限部31が主ビーム信号のフレームtのスペクトルP1t(f)からフレームtの主ビーム信号の帯域制限パワーPOW1tを以下の式(3)に基づき算出する(ステップST105)。式(3)においてFminは帯域制限する下限周波数、Fmaxは上限周波数である。
また、帯域制限部31は副ビーム信号のフレームtのパワースペクトルP2t(f)からフレームtの副ビーム信号の帯域制限パワーPOW2tを以下の式(4)に基づき算出する(ステップST106)。
Figure 2010079526
差分パワー算出部32はフレームtの帯域制限パワーの差分パワーDtを以下の式(5)に基づき算出する(ステップST107)。
なお、後述するように差分パワーDtは音源が目的音方向であるかどうかを判別するパラメータとして利用されるため、上限周波数Fmaxは空間的なエイリアジングが起きない上限帯域、つまり時間差から方向が一意に決まる上限帯域に設定することが望ましい。よって、空間エイリアジングFmaxはマイクロホン2,3の設置間隔Dmicから以下の式(6)に基づき算出できる。なお、式(6)においてCは音速(331.5m/s)、SFはサンプリング周波数(Hz)、N_FFTはFFTのポイント数である。
Figure 2010079526
騒音統計量算出部33は以下の手順で騒音の統計量、即ち周波数番号fの騒音スペクトル(後述の条件に該当する主ビーム信号のスペクトル)の平均値μfと標準偏差σfを更新する。騒音統計量算出部33はまず、周波数番号fを0に設定する(ステップST108)。騒音統計量算出部33は、周波数番号fがFFTポイント数N_FFTよりも小さい場合(ステップST109“Yes”)にはステップST110へ進み、そうでない場合(ST109“No”)はステップST113に進む。
騒音統計量算出部33は、フレーム番号tが初期化フレーム数INIT_FRAMEより小さいか、P1t(f)−μ(f)<kσ(f)の条件を満たす場合(ステップST110“Yes”)にはステップST111へ進み、そうでない場合(ステップST110“No”)はステップST112に進む。kは更新パラメータであり、値が大きいと騒音変動に対する追従性が高くなり、値が小さいと騒音変動に対する追従性が低くなる。
続いて騒音統計量算出部33は、以下の式(7)〜(13)に基づき平均値μf及び標準偏差σfを更新する(ステップST111)。式(7)〜(13)において、SUM1(f)、SUM2(f)は周波数番号fに対する加算用バッファ、BUFSIZEは統計量を算出するフレーム数、cnt(f)は周波数番号fのカウンタ、oldestは加算用バッファ内で加算されている最も古いフレーム番号を表す。
Figure 2010079526
騒音統計量算出部33は、周波数番号fをインクリメントして(ステップST112)、ステップST109へ戻る。
周波数番号fがFFTポイント数N_FFT以上の場合(ST109“No”)、騒音統計量算出部33はステップST113に進む。ステップST113において、SNR推定部34は主ビーム信号のフレームtのSNRtを以下の式(14)に基づき推定する。
Figure 2010079526
判別部35は以下の手順で音源の判別を行う。判別部35はまず、SNRtが閾値TH1よりも大きい場合(ステップST114“Yes”)にステップST115に進み、そうでない場合(ステップST114“No”)はステップST116に進む。
判別部35は、SNRtが閾値TH1よりも大きく、差分パワーDtが閾値TH2よりも小さい場合(ステップST115“Yes”)に音源判別結果Restに「音声」を代入し(ステップST117)、SNRtが閾値TH1よりも大きく、差分パワーDtが閾値TH2以上の場合(ステップST115“No”)は音源判別結果Restに「非定常騒音」を代入する(ステップST118)。
他方、判別部35は、SNRtが閾値TH1以下で、差分パワーDtが閾値TH3よりも小さい場合(ステップST116“Yes”)に音源判別結果Restに「非定常騒音」を代入し(ステップST118)、SNRtが閾値TH1以下で、差分パワーDtが閾値TH3以上の場合(ステップST116“No”)に音源判別結果Restに「定常騒音」を代入する(ステップST119)。
以上が雑音除去装置1の音源判別部30の動作例である。
次に、妨害音除去部50の動作を説明する。図6は雑音除去装置1の妨害音除去部50の動作を示すフローチャートである。帯域別パワー抑圧部51はまず、周波数番号fを0に設定する(ステップST120)。
帯域別パワー抑圧部51は、周波数番号fが上限周波数Fmaxよりも小さいか周波数番号fがN_FFT−Fmaxよりも大きい場合(ステップST121“Yes”)にステップST122へ進み、そうでない場合(ステップST121“No”)は妨害音除去処理を終了する。
帯域別パワー抑圧部51は、音源判別部30から出力される音源判別結果Restが「非定常騒音」の場合(ステップST122“Yes”)にステップST123へ進んで主ビーム信号の該当帯域のパワーを抑圧する処理を行い、そうでない場合(ST122“No”)にはST125へ進む。
さらに帯域別パワー抑圧部51は、周波数分析部20から出力される主ビーム信号のスペクトルP1t(f)と副ビーム信号のスペクトルP2t(f)とを比較する(抑圧条件、ステップST123)。副ビーム信号のスペクトルP2t(f)の方が大きい場合(ステップST123“Yes”)はステップST124に進み、そうでない場合(ステップST123“No”)はステップST125へ進む。
帯域別パワー抑圧部51は、P1t(f)<P2t(f)である場合(ステップST123“Yes”)に周波数番号fは妨害音成分が優位であると判断して、以下の式(15)に基づき、主ビーム信号のスペクトルP1t(f)の抑圧を行う(ステップST124)。式(15)においてγ1は抑圧係数である。
1f(f)=γ11f(f) (15)
続いて、定常騒音除去部52が以下の式(16)に基づき、騒音スペクトルメモリ40から出力された騒音スペクトルの平均値μfを用いて、抑圧した主ビーム信号のスペクトルP1t(f)から定常騒音を除去する(ステップST125)。式(16)においてγ2はフロアリング係数である。
1f(f)=max(P1f(f)−μf,γ21f(f)) (16)
最後に、定常騒音除去部52は周波数番号fをインクリメントして(ステップST126)、ステップST121へ戻る。
以上が雑音除去装置1の妨害音除去部50の動作例である。
以上のように、実施の形態1によれば、指向性制御部10において複数のマイクロホンの出力信号に対して信号処理により指向性を制御することとしたので、音源判別部30において強調された目的音である主ビーム信号と目的音が抑圧された妨害音である副ビーム信号とを比較することになり、従来方法と比較するとパワー差を明確にすることができる。この結果、妨害音除去部50における雑音除去能力を向上させることができる。
また、指向性制御部10において信号処理により指向性を制御しているため、目的音方向が変わるような場合でもマイクロホン2,3の設置位置を変えることなく雑音除去を行うことができる。
また、音源判別部30において帯域別の抑圧処理を非定常騒音と判別されたフレームのみで行うこととしたので、目的音声の周波数特性が歪むのを防止することができる。
さらに、騒音スペクトルメモリ40に記憶している騒音の統計量を用いて、妨害音除去部50が妨害音を除去しているため、目的音と選択された帯域に騒音が重畳している場合でも騒音を除去できる。
実施の形態2.
上記実施の形態1の雑音除去装置1は目的音方向が一方向に固定している状況を想定していた。そのため、目的音方向が変わった場合、例えば発話者の位置に変化があった場合等には雑音を正確に除去することができない。本実施の形態2はこのような問題を解決することを目的としている。
図7は、この発明の実施の形態2に係る雑音除去装置1の構成を示すブロック図である。図7において、図1と比して新規な要素は目的音方向通知部60とフィルタ係数メモリ70を設けた点にあり、図1と同一または相当の部分については同一の符号を付し説明を省略する。
目的音方向通知部60は、センサ等の外部入力(不図示)から目的音方向を判別し通知する部位であり、目的音方向を指向性制御部10へ出力する。フィルタ係数メモリ70は、各目的音方向に対応する主ビームと副ビームを形成するためのフィルタ係数を記憶する部位であり、目的音方向に対応するフィルタ係数を指向性制御部10へ出力する。なお、フィルタ係数メモリ70に記憶するフィルタ係数は、事前に、想定される目的音方向に応じて学習しておく。
次に雑音除去装置1の動作を説明する。図8は雑音除去装置1の目的音方向通知部60、指向性制御部10及び周波数分析部20の動作を示すフローチャートである。実施の形態1の雑音除去装置と同一の処理については図4〜図6のフローチャートと同一の符号を付して説明を省略する。
まず目的音方向通知部60はセンサ等の外部入力から目的音方向を判別する。例えば車内で雑音除去装置1が動作する場合、カーナビゲーションシステムから車のハンドル設置方向を取得し、その方向を目的音方向とする(ステップST201)。そして、目的音方向通知部60は指向性制御部10へ目的音方向を通知する。
次に、指向性制御部10は、目的音方向通知部60から通知された目的音方向に対応したフィルタ係数をフィルタ係数メモリ70から取得し、マイクロホンmの出力信号に対する主ビーム及び副ビームのフィルタ係数h1m(n),h2m(n)に設定する(ST202)。指向性制御部10は、これらのフィルタ係数を用いてこれ以降の処理を行うが、以下の動作は上記実施の形態1と同様なため説明を省略する。
以上のように、実施の形態2によれば、指向性制御部10が各目的音方向に対応したフィルタ係数を用いて指向性を制御することとしたので、目的音方向が一方向でなく固定でない場合でも正確に雑音除去を行うことができる。
実施の形態3.
上記実施の形態1及び2の雑音除去装置1は雑音除去後の用途は考慮していない。しかし、雑音除去装置1を例えば音声認識の前処理として用いる場合、言語によっては妨害音除去により周波数特性が非線形処理されることで音響モデルとのミスマッチが生じ認識性能に悪影響を与える場合がある。本実施の形態3はこのような問題を解決することを目的としている。
図9は、この発明の実施の形態3に係る雑音除去装置1の構成を示すブロック図である。図9において、図1と比して新規な要素は言語通知部80を設けた点にあり、図1と同一または相当の部分については同一の符号を付し説明を省略する。
言語通知部80は、雑音除去装置1の後段に接続されている装置から使用言語を取得し通知する部位であり、マイクロホン2,3から入力される音声の言語種別を妨害音除去部50へ出力する。
次に雑音除去装置1の動作を説明する。図10は雑音除去装置1の言語通知部80及び妨害音除去部50の動作を示すフローチャートである。上記実施の形態1の雑音除去装置1と同一の処理については図4〜図6のフローチャートと同一の符号を付して説明を省略する。
妨害音除去部50の動作(ステップST120〜ST126)に先立ち、言語通知部80は後段に接続されている装置から使用言語を取得する。例えば車内で雑音除去装置1が動作する場合、後段にはカーナビゲーションシステム内の音声認識装置が接続される。そこで、言語通知部80はカーナビゲーションシステムまたは音声認識装置から使用言語を取得する(ステップST301)。
妨害音除去部50では、まず、通知された言語種別が妨害音除去の悪影響がない言語(または妨害音除去処理効果が少ない言語)かどうかを判定する。妨害音除去部50は、使用言語と妨害音除去処理の影響の対応関係を保持し、悪影響がない言語の場合(ステップST302“Yes”)にステップST120へ進み、悪影響がある場合(ステップST302“No”)に妨害音除去処理をスキップして終了する。ステップST120以降の処理は上記実施の形態1と同一であるので説明を省略する。
以上のように、実施の形態3によれば、妨害音除去部50において、妨害音除去により周波数特性が非線形処理されることで音響モデルとのミスマッチが生じ認識性能に悪影響を与える言語の場合は妨害音除去処理をスキップすることとしたので、悪影響を未然に防止し、妨害音除去の効果がある言語が入力された場合に正確に雑音除去を行うことができるのである。
実施の形態4.
上記実施の形態1〜3の雑音除去装置1は非定常騒音と判別したフレームに対して、帯域別に主ビームと副ビームのパワーを比較し、副ビームのパワーが大きい帯域に対して騒音抑圧を行う構成とした。しかし、音源判別部30において抑圧を行う帯域を上限周波数Fmaxで制限しているため、マイクロホン2,3の設置間隔によっては使用帯域に対して一部の帯域しか抑圧が行えずに十分な騒音抑圧性能が得られない。本実施の形態4はこのような問題を解決することを目的としている。
図11は、この発明の実施の形態4に係る雑音除去装置1の妨害音除去部50の内部構成を示すブロック図である。図11において、図3と比して新規な要素は置換可否判別部53、スペクトル保存メモリ54、スペクトル出力部55を設けた点にある。なお、本実施の形態の雑音除去装置1は、図1に示す上記実施の形態1の雑音除去装置1と図面上では同様の構成であるため、以下では図1を援用して説明する。
置換可否判別部53は、音源判別部30の音源判別結果に応じてスペクトル置換の要否を判別する部位であり、置換可否判別結果を帯域別パワー抑圧部51及びスペクトル出力部55に出力する。スペクトル保存メモリ54は、定常騒音除去部52が出力する主ビーム信号のスペクトルを一定時間記憶する部位であり、記憶しているスペクトルを必要に応じてスペクトル出力部55へ出力する。スペクトル出力部55は、定常騒音除去部52の最終的な処理結果である主ビーム信号の妨害音抑圧後のスペクトルを出力する部位であり、置換可否判別部53が一定時間前のスペクトルの置き換えが可能と判別した場合は騒音スペクトルメモリ40に記憶されている騒音の平均スペクトルを減衰させたスペクトルを出力し、置き換えが不可と判別した場合はスペクトル保存メモリ54に記憶されている一定時間前の主ビーム信号のスペクトルを出力する。
次に雑音除去装置1の動作を説明する。図12A及び図12Bは雑音除去装置1の妨害音除去部50の動作を示すフローチャートである。上記実施の形態1の雑音除去装置1と同一の処理については図4〜図6のフローチャートと同一の符号を付して説明を省略する。
まず、置換可否判別部53が、以下の手順でsフレーム前のスペクトルの置換可否判別処理を行う。置換可否判別部53はまず、sフレーム前のスペクトルに対して置換が可能かどうかを示すフラグflg_repにFALSEを代入する(ステップST401)。
置換可否判別部53は続いて、フレームtよりsフレーム前、即ちt−sフレームの音源判別結果Rest-sが「非定常騒音」の場合(ステップST402“Yes”)にステップST403へ進み、そうでない場合(ステップST402“No”)にステップST120へ進む。
音源判別結果Rest-sが「非定常騒音」の場合(ステップST402“Yes”)、置換可否判別部53はフラグflg_repにTRUEを代入し(ステップST403)、カウンタiにt−s+1を代入する(ステップST404)。
次いで置換可否判別部53は、カウンタiがフレームt以下の場合(ステップST405“Yes”)にステップST406に進み、そうでない場合(ステップST405“No”)にステップST120へ進む。
置換可否判別部53は、カウンタiの音源判別結果Resiが音声の場合(ステップST406“Yes”)にステップST408に進み、そうでない場合(ステップST406“No”)はカウンタiをインクリメントして(ステップST407)、ステップST405へ戻る。
カウンタiの音源判別結果Resiが音声の場合(ステップST406“Yes”)、置換可否判別部53はフラグflg_repにFALSEを代入して(ステップST408)、ステップST120へ進む。
以上が置換可否判別部53の動作例である。
ステップST120〜ST126の処理は上記実施の形態1と同じであるため説明を省略する。ただし、ステップST121の帯域別パワー抑圧部51の処理において、f<Fmaxまたはf>N_FFT−Fmaxを満たさない場合にはステップST409へ進む点が異なる。ステップST409にて、スペクトル保存メモリ54は定常騒音除去部52から出力される主ビーム信号のスペクトルP1t(f)を保存する。
続いて、スペクトル出力部55が、以下の手順でスペクトルの出力を行う。スペクトル出力部55はまず、置換可否判別部53の置換可否判別結果であるフラグflg_repがTRUEである場合(ステップST410“Yes”)にステップST411に進む。そうでない場合(ステップST410“No”)はステップST412に進む。
次にスペクトル出力部55は、騒音スペクトルメモリ40に記憶されている騒音の平均スペクトルを以下の式(17)に基づき減衰させたスペクトル(騒音の統計量に基づくスペクトル)を算出し(ステップST411)する。そしてスペクトル出力部55は、スペクトル保存メモリ54に記憶されている主ビーム信号のスペクトルに換えて、式(17)に基づいたスペクトルP1t-s(f)を出力する(ステップST412)。
1t-s(f)=γ2μf (17)
なお、ステップST410“No”(即ち音源判別結果が「非定常騒音」であり置換不可と判別された場合)でステップST411をスキップしてステップST412へ進んだ場合、スペクトル出力部55は、置き換えを行わずにスペクトル保存メモリ54に記憶されているsフレーム前の主ビーム信号のスペクトルP1t-s(f)をそのまま出力する。
以上が実施の形態4における妨害音除去部50の動作例である。
この実施の形態4では入力に対して出力がsフレーム遅延するためsは可能な限り小さい方が望ましいが、sの値が0に近くなると音声の先頭が欠ける等の悪影響が生じることを考慮する必要がある。
以上のように、実施の形態4によれば、置換可否判別部53において非定常騒音と判定された主ビーム信号スペクトルのフレームを、スペクトル出力部55において騒音の平均スペクトルで置き換えるようにしたので、マイクロホン2,3の設置間隔が広く帯域別の抑圧対象となる帯域が狭い場合でも全帯域に対して雑音除去を行うことができるのである。また、過去sフレームに音声が含まれないことを置換条件としているので、発話の先頭が欠けることを防止することができるのである。
なお、上述した説明では、上記実施の形態1で示した構成に対して上記実施の形態2から上記実施の形態4までをそれぞれ適用する場合を示したが、これに限らず、上記実施の形態2から上記実施の形態4までの構成を適宜組み合わせたものであってもかまわない。
以上のように、この発明に係る雑音除去装置は、特定の用途に限定されるものではないが、例えばカーナビゲーションシステム、携帯電話、情報端末等での騒音環境下の音声認識性能、または通話品質向上を実現する上で特に有用であり、話者適応化装置等に用いるのに適している。

Claims (7)

  1. 複数のマイクロホンの出力信号から、信号処理により目的音方向に指向性を向けた主ビーム信号と目的音方向に死角を向けた副ビーム信号とを算出する指向性制御部と、
    前記指向性制御部で算出した前記主ビーム信号と前記副ビーム信号それぞれに対して周波数分析を行い、前記主ビーム信号及び前記副ビーム信号のスペクトルを算出する周波数分析部と、
    前記周波数分析部で算出した前記主ビーム信号と前記副ビーム信号のスペクトルから音源の種類を判別して音源判別結果として出力すると共に、主ビーム信号に対する騒音の統計量を算出する音源判別部と、
    前記周波数分析部で算出した前記副ビーム信号のスペクトル、ならびに前記音源判別部から入力した前記音源判別結果及び前記騒音の統計量を用いて、当該主ビーム信号のスペクトルから妨害音を除去する妨害音除去部とを備えた雑音除去装置。
  2. 主ビーム信号及び副ビーム信号の指向性を制御するためのフィルタ係数を、目的音方向に対応付けて記憶しているフィルタ係数メモリと、
    目的音方向の情報を取得して、指向性制御部へ通知する目的音方向通知部とを備え、
    前記指向性制御部は、前記目的音方向通知部から通知された前記目的音方向に対応するフィルタ係数を前記フィルタ係数メモリから選択して、当該フィルタ係数を用いて、複数のマイクロホンの出力信号から主ビーム信号と副ビーム信号とを算出することを特徴とする請求項1記載の雑音除去装置。
  3. 複数のマイクロホンの出力信号に含まれる、処理対象となっている音声の言語種別の情報を取得して、妨害音除去部へ通知する言語通知部を備え、
    前記妨害音除去部は、前記言語通知部から通知された前記言語種別に応じて妨害音除去処理の要否を判断することを特徴とする請求項1記載の雑音除去装置。
  4. 音源判別部は、
    主ビーム信号と副ビーム信号のスペクトルに対して帯域制限を行なう帯域制限部と、
    前記帯域制限部で帯域制限された前記主ビーム信号と前記副ビーム信号のスペクトルから差分パワーを算出する差分パワー算出部と、
    前記主ビーム信号のスペクトルから騒音の統計量を算出する騒音統計量算出部と、
    前記主ビーム信号のスペクトルと前記騒音の統計量から、現在の信号対雑音比を推定するSNR推定部と、
    前記差分パワー算出部で算出した前記差分パワーと前記SNR推定部で推定した前記信号対雑音比から、マイクロホンの現在の出力信号が音声か、定常騒音か、非定常騒音かを判別して、音源判別結果として出力する判別部とを備えることを特徴とする請求項1記載の雑音除去装置。
  5. 妨害音除去部は、
    主ビーム信号と副ビーム信号のスペクトルに対して、帯域毎のパワーを比較して所定の抑圧条件を満たす場合に当該主ビーム信号の該当する帯域のパワーを抑圧する帯域別パワー抑圧部と、
    前記帯域別パワー抑圧部で抑圧した前記主ビーム信号の抑圧スペクトルから、騒音の統計量を減算する定常騒音除去部とを備えることを特徴とする請求項1記載の雑音除去装置。
  6. 妨害音除去部は、
    定常騒音除去部で減算した主ビーム信号の抑圧減算スペクトルを一定時間記憶しておくスペクトル保存メモリと、
    音源判別部から入力した音源判別結果に応じて、前記スペクトル保存メモリに記憶された一定時間前の抑圧減算スペクトルを、騒音の統計量に基づくスペクトルに置換するか否か判別する置換可否判別部と、
    前記置換可否判別部で置換可と判別した場合に、前記騒音の統計量に基づくスペクトルを出力し、前記置換可否判別部で置換不可と判別した場合に、前記スペクトル保存メモリに記憶された一定時間前の前記抑圧減算スペクトルを出力するスペクトル出力部とを備えることを特徴とする請求項5記載の雑音除去装置。
  7. コンピュータを、複数のマイクロホンの出力信号から、信号処理により目的音方向に指向性を向けた主ビーム信号と目的音方向に死角を向けた副ビーム信号とを算出する指向性制御手段と、
    前記指向性制御手段で算出した前記主ビーム信号と前記副ビーム信号それぞれに対して周波数分析を行い、前記主ビーム信号及び前記副ビーム信号のスペクトルを算出する周波数分析手段と、
    前記周波数分析手段で算出した前記主ビーム信号と前記副ビーム信号のスペクトルから音源の種類を判別して音源判別結果として出力すると共に、主ビーム信号に対する騒音の統計量を算出する音源判別手段と、
    前記周波数分析手段で算出した前記副ビーム信号のスペクトル、ならびに前記音源判別手段で出力した前記音源判別結果及び前記騒音の統計量を用いて、当該主ビーム信号のスペクトルから妨害音を除去する妨害音除去手段として機能させるための雑音除去プログラム。
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