JPWO2010005045A1 - 薄型マイクロフォン及びマイクロフォン付きヘルメット - Google Patents
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Abstract
簡単な構成で薄型マイクロフォンを実現できると共に、マイクロフォンに対して汗や埃等の外部からの影響を遮断でき、ノイズ音の発生を防止すること。このヘルメット(10)は、あご紐(18)にマイク部(30)が取り付けられている。マイク部(30)は、低反発ゴムからなり、ヘルメット装着者の喉周囲に接触可能な面積を有する保持部材(31)と、保持部材(31)の内部に挟み込まれた薄型の圧電素子(32)とで構成されている。マイク部(30)は、薄板状の圧電素子(32)を両面から可撓性フィルム(33a,33b)で挟んで熱圧着し、圧電素子(32)と可撓性フィルム(33a,33b)の一体シートを低反発ゴム(31)の内部に挟み込んだ構成を有する。
Description
本発明は、薄型マイクロフォン、及び工事用、防災用、乗車用その他の用途に適用可能なマイクロフォン付きヘルメットに関する。
騒音下で作業を行う必要がある工事現場などにおいては、指示者と作業者との間で意思の疎通を図るためにスピーカ付きヘルメットが提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、二輪車及び自動車等の乗車時には運転者の両手が拘束されることから、スピーカ及びマイクロフォンを備えた乗車用ヘルメットが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
図16は特許文献2に開示された乗車用ヘルメットの要部側面図であり、図17は図16の2-2線矢視断面図である。帽体111の外郭を硬質合成樹脂からなるシェル112で構成し、ヘルメット装着者の顔をその前方側から覆う位置に透明なシールド板113が取付けられている。乗車用ヘルメットには、ヘッドセット114が装着されている。ヘッドセット114は、帽体111に内蔵される左右一対のスピーカ115と、シェル112の下縁に装着されるホルダ116と、ヘルメット装着者の喉に接触するように配置される骨伝導マイクロフォン117とを備え、該ヘッドセット114に連なる複数の接続端子118を有する第1コネクタ119がホルダ116に固定され、図示しない通信機器やオーディオ機器に接続される外部導線121に連なる第2コネクタ120が、着脱を可能として第1コネクタ119に結合される。シェル112にはあご紐122がリベット123により連結されており、このあご紐122は、ヘルメット装着者の頬に接触するようにしてシェル112の下部内面に装着されるチークパッド124の内面に沿って下方に延出される。
あご紐122には、保持バンド126が装着され、該保持バンド126に、骨伝導マイクロフォン117が保持される。骨伝導マイクロフォン117は、保持バンド126およびあご紐122間に挟まれるマイクロフォン本体117aと、そのマイクロフォン本体117aから突出してヘルメット装着者の喉に接触する振動検知部117bとを備える。保持バンド126には、振動検知部117bを貫通させる保持孔127が設けられている。保持孔127から突出した振動検知部117bの周囲で保持バンド126には弾性材料から成るパッド128が装着されている。
しかしながら、上述した乗車用ヘルメットの骨伝導マイクロフォン117は、マイクロフォン本体117a、振動検知部117b、保持孔127及びパッド128で構成されているため構造が複雑でコスト高になると共に、振動検知部117bをマイクロフォン本体117aから突出させてヘルメット装着者の喉に接触させるので厚さが必要であった。また、骨伝導マイクロフォン117が露出しており直接人体に接触するため、汗や埃といった外部からの影響を直接受けて故障を引き起こす可能性があった。
また、本発明者が特許文献1記載のシート状スピーカと同じ構成のマイクロフォンを試作し、ヘルメットのあご紐に装着して試したところ、ヘルメット装着者の音声を効率よく再生できることを確認できた。
しかしながら、ヘルメット装着者の音声だけでなく、音声以外の各種雑音まで広範囲に拾ってしまうことが判った。特に、シート状スピーカの外表面を形成するプラスチック材料とあご紐が擦れて違和感のあるノイズ音を発生させる問題があった。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、単純な構造で全体を薄くでき、しかもノイズ抑制機能を備えた薄型マイクロフォンを提供することを目的とする。また、本発明は、簡単な構成で薄型マイクロフォンを実現できると共に、マイクロフォンに対して汗や埃等の外部からの影響を遮断でき、プラスチック材料とあご紐が擦れることによるノイズ音を防止できるマイクロフォン付きヘルメットを提供することを目的とする。
本発明者は、圧電素子をマイクロフォンとして用いることのできる保持部材の材質について検討した。圧電素子は、加速度センサ内蔵型のマイクロフォンやボイスコイル振動型のマイクロフォンと異なり、圧電素子に接する部材の材質によってはマイクロフォンとして機能し得ない、又は十分な感度を実現できないことが判明した。
また、圧電素子を可撓性フィルムで挟み込んで圧着した一体シートの場合、それ自体でマイクロフォンとして機能するが、音声以外の音まで高感度に拾うため、雑音が大きくて実用化に向いていないことが判明した。
本発明者は、保持部材の材質について鋭意検討した結果、圧電素子がマイクロフォンとして機能し得ると共に、圧電素子を可撓性フィルムで挟み込んで圧着した一体シートの場合にはノイズの発生を抑制できる保持部材の材質として、低反発のゴム部材(非反発ゴムを含む)、ゲルのようなある程度の粘性を示す材質が適していることを見出し、本発明をするに至った。
本発明の一態様に係る薄型マイクロフォンは、音声振動を電気的な音声信号に変換する薄板状をなすセンシング部と、前記センシング部に接合された電極と、前記電極に接続され前記センシング部に発生した電気的な音声信号を取り出すための導線と、を備えたセンサ素子と、低反発のゴム部材からなり、前記センサ素子の表面を覆うように密着して当該センサ素子を保持する保持部材とを具備したことを特徴とする。
本発明の薄型マイクロフォンによれば、センシング部を保持する保持部材として低反発のゴム部材を用いたので、音声以外の各種雑音を大幅に削減することができた。しかも、センシング部の両面を覆っている低反発ゴム部材は防水性を有することから、マイクロフォンが防水性の保持部材で保護されることとなり、汗や埃といった外部からの影響を軽減することができる。
また、上記薄型マイクロフォンにおいて、前記センシング部は、外部圧力が加えられると起電力が発生する圧電材料で構成されることができる。
また、上記薄型マイクロフォンにおいて、前記センサ素子は、2枚の可撓性フィルムで挟持され、当該可撓性フィルム同士が圧着された構成としても良い。
また、上記薄型マイクロフォンにおいて、前記センサ素子は、2枚のゲルシートで挟持された状態で、前記保持部材に保持された構成としても良い。
また、上記薄型マイクロフォンにおいて、前記保持部材は、反発弾性率が2〜13%である低反発のゴム部材で構成されても良い。
本発明の他の態様は、ヘルメット装着状態において、ヘルメット装着者の頭部または喉周囲に前記薄型マイクロフォンを接触させる。
本発明の他の態様は、イヤーマフ装着状態において、イヤーパッド内に設けた前記薄型マイクロフォンを耳殻と接触させる。
本発明によれば、単純な構造で全体を薄くでき、しかもノイズ抑制機能を備えた薄型マイクロフォンを提供できる。
また、本発明によれば、マイクロフォンに対して汗や埃等の外部からの影響を遮断でき、プラスチック材料とあご紐が擦れることによるノイズ音を防止できるマイクロフォン付きルメットを提供できる。
また、本発明によれば、マイクロフォンに対して汗や埃等の外部からの影響を遮断でき、プラスチック材料とあご紐が擦れることによるノイズ音を防止できるマイクロフォン付きルメットを提供できる。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態に係るマイクロフォン付きヘルメットについて説明する。本実施の形態に係るヘルメットは、例えば、高/低圧活線作業、電気工事作業又は土木作業に適した工事用ヘルメットに適用されるが、これに限定されるものではなく、乗車用ヘルメットなど任意のヘルメットに適用することが可能である。以下においては、本実施の形態に係るヘルメットの実施例である無線型ヘルメットについて説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係るマイクロフォン付き無線型ヘルメット(以下、単に「ヘルメット」という)10の全体図である。
図1は、本発明の実施の形態1に係るマイクロフォン付き無線型ヘルメット(以下、単に「ヘルメット」という)10の全体図である。
図1に示すヘルメット10は、帽体11が好ましくは高/低圧活線作業又は電気工事作業に適したポリカーボネート樹脂で成形される。帽体11の正面開口部に所定の角度で外方へ出たつば12が一体形成されている。例えば、ポリカーボネート樹脂で成形される帽体11は、厚生労働省規格による耐貫通性能、耐衝撃吸収性能及び耐電圧性能を実現できる。但し、帽体11の材料は、ポリカーボネート樹脂に限定されるものではなく、所要の性能を実現できる材料であれば、他の材料を用いることが可能である。
帽体11の内面には、衝撃吸収用のハンモック部材13が取り付けられている。ハンモック部材13は、帽体開口部内周に沿って配設される帯状のリング部14と、リング部14の複数個所で帽体11の内面形状に沿って半円状に掛け渡される複数のリブ部材15とを備えている。帽体11には、ハンモック部材13のリング部14が対向する領域に取り付け穴(図示していない)が複数形成されており、取り付けボタン(図示していない)にてリング部14とリブ部材15の端部とを同時に帽体11に取り付け可能に構成されている。
また、帽体11の内面には、耳紐16、17が帽体11の左右に取り付けられている。この耳紐16、17もハンモック部材13と同様の構造にて取り付け穴及びボタン(図示していない)を介して帽体11に取り付けられている。左右の耳紐16,17間にあご紐18を架けられるように構成している。あご紐18は、帽体11の左右の外縁部に直接取り付けても良く、またあご紐18と左右の耳紐16,17とを一体として構成してもよい。工事用ヘルメットは、ハンモック部材13、耳紐16、17及びあご紐18からなる着装体を、帽体11に対して容易に着脱することができるように構成されている。特に、耐電圧性能試験を行う場合など、着装体を帽体から取り外す必要性がある。また、着装体だけを交換したいといった要請も有る。このため、一般的なヘルメット10は、着装体を帽体11から取り外すことができる構造となっており、上述した帽体11に形成した取り付け穴と取り付けボタンによる着脱構造もその一例であり、その他の構成を採ることも可能である。
本実施の形態に係るヘルメット10は、あご紐18にマイク部30が取り付けられている。マイク部30は、低反発ゴムからなり、ヘルメット装着者の喉周囲に接触可能な面積を有する保持部材31と、保持部材31の内部に挟み込まれた薄型の圧電素子32とで構成されている。
保持部材31は、衝撃、振動吸収性に優れ、外力を受けてもほとんど反発せずエネルギーを吸収する性質を有するものが望ましい。例えば、低反発ゴムとしてシリコンゴム又はブチルゴムを用いることができる。
本発明者は、低反発ゴム部材の幾つかのサンプルを用いて、感度及びノイズ抑制効果について検証した。その結果、低反発ゴム部材の性能として、硬さはJIS K6253に基づく試験方法で30〜60、引っ張り強さはJIS K6251に基づく試験方法で7〜13(MPa)、伸びは500〜850(%)、反発弾性率はJIS K6255に基づく試験方法で2〜13(%)、静的せん断弾性率はJIS K6254に基づく試験方法で0.2〜0.8(MPa)の範囲については、感度及びノイズ抑制効果について改善効果が認められた。なお、ヘルメットの用途や要請される感度によっては上記性能に限定されない。
図2(a)〜(c)はマイク部30の構成例を示す断面図である。
図2(a)に示すマイク部30は、薄板状の圧電素子32を両面から可撓性フィルム33a,33bで挟んで熱圧着し、圧電素子32と可撓性フィルム33a,33bの一体シートを低反発ゴム(31)の内部に挟み込んだ構成を有する。マイク部30のあご紐18への取り付け面には薄型ファスナー36が固定されている。
図2(a)に示すマイク部30は、薄板状の圧電素子32を両面から可撓性フィルム33a,33bで挟んで熱圧着し、圧電素子32と可撓性フィルム33a,33bの一体シートを低反発ゴム(31)の内部に挟み込んだ構成を有する。マイク部30のあご紐18への取り付け面には薄型ファスナー36が固定されている。
図2(a)に示すマイク構成を有するマイク部30は、図7に示す手順にて製造することができる。保持部材31を構成する1枚の低反発ゴムを準備する。所定の厚さを有するシート状の低反発ゴムは方形状に所定サイズでカットする。一方、薄板状の圧電素子32を両面から可撓性フィルム33a,33bで挟んで熱圧着し、圧電素子32と可撓性フィルム33a,33bの一体シートを準備する。カットしたシート状の低反発ゴムを平面上に載置し、片側の半分の領域31aに、圧電素子32を両面から可撓性フィルム33a,33bで挟んでなる一体シートをセットする。一体シートがセットされていない片側領域31bに接着剤を塗り、低反発ゴムを中央で2分する折り曲げ線L1に沿って低反発ゴムを折り畳んで片側の領域31bをもう片側の領域31aに重ねて貼り合わせる。なお、低反発ゴムの片側領域31aと31bとを予め切り離しておき、折り畳むことなく重ね合わせるだけとしても良い。
圧電素子32は、薄板状をなす電極層32aと、この電極層32aの上面に同心円状に形成された薄板状の圧電層32bの2層構造を有している。電極層32a及び圧電層32bには、音声信号を取り出すための導線38a,38bがそれぞれ接続されている。これらの導線38a,38bは、ケーブル38内に収納され、その一端からそれぞれ電極層32a及び圧電層32bに接続される一方、その他端にて後述する無線モジュール50に接続されている。すなわち、この無線モジュール50に対して音声信号が取り込まれるように構成されている。
図2(b)に示すマイク部30は、低反発ゴム(31)の内部に薄板状の圧電素子32を直接挿入し、圧電素子32と低反発ゴム(31)の内面との間に接着剤を充填して固定した構成を有する。マイク部30のあご紐18への取り付け面には薄型ファスナー36が固定されている。
図2(b)に示すマイク構成を有するマイク部30は、図8に示す手順にて製造することができる。保持部材31を構成する1枚の低反発ゴムを準備する。2枚のシート状の低反発ゴムを重ね合わせないため、ある程度の厚さが必要である。所要の厚さを有するシート状の低反発ゴムは方形状に所定サイズでカットする。シート状の低反発ゴムの側面から圧電素子32を挿入可能な切り込み34を入れ、その切り込み34から圧電素子32を挿入する。さらに、切り込み34に接着剤34aを充填して切り込み34を塞ぐ。圧電素子32は接着剤34aを介して低反発ゴムの内面に密着した状態で固定される。
図2(c)に示すマイク部30は、圧電素子32の両面をゲルシート35a,35bで挟み、そのゲルシート一体物を低反発ゴム(31)の内部に挟み込んだ構成を有する。マイク部30のあご紐18への取り付け面には薄型ファスナー36が固定されている。
図3はマイク部30をあご紐18に取り付けるためのファスナー構造を示す模式図である。本実施の形態では、ポリプロピレンやポリエステル製のプラスチックシートに凹凸のファスナー構造を成形してなる薄型メカニカルファスナーを用いる。マイク部30の保持部材31の取り付け面に、一方の薄型ファスナー36が粘着剤又は縫い付けで固定されている。薄型ファスナー36にはフック36aが全面に形成されている。一方、あご紐18の取り付け面には他方の薄型ファスナー37が粘着剤又は縫い付けで固定されている。薄型ファスナー37にはループ37aが全面に形成されている。マイク部30側の薄型ファスナー36のフック36aが、あご紐18側の薄型ファスナー37のループ37aに係合して強固に固定されるものとなる。
また、帽体11の内側にスピーカ部20を備えている。帽体11の内面とハンモック部材13との間には、衝撃吸収用に例えば数十mm程度の隙間が形成されている。スピーカ部20は、帽体11における頭頂部の内面と、ハンモック部材13との間に形成される空間に配置されるように帽体11の内面に取り付けられている。例えば、スピーカ部20は、帽体11の頭頂部の内面に接着固定されるが、これに限定されるものではなく、任意の方法により帽体11の内面に取り付けることが可能である。ハンモック部材13は、このように帽体11の内面に取り付けられるスピーカ部20を内側から支持するように帽体11に取り付けられている。これにより、帽体11からスピーカ部20が脱落する事態を防止することが可能となっている。
図4(a)(b)はスピーカ部20の斜視図及び側断面図であり、図5はスピーカ部20の分解斜視図である。図4(b)においては、スピーカ部20に収納される圧電素子23の中央部を通過する断面を示している。
また、スピーカ部20は、2枚の収納部材21、22を重ねた状態でその内部に形成される空間に薄板状をなす圧電素子23を収納する構造を有する。収納部材21、22は、例えば、発泡スチロールを成形して構成される。収納部材21、22は、それぞれ薄型の円盤形状を有しており、接着剤などを用いて重ねて接合される。なお、ここでは、収納部材21、22を発泡スチロールで構成する場合について例示しているが、収納部材21、22については、例えば、絶縁性の樹脂材料を成形して構成するようにしても良い。
上方側に配置される収納部材21には、図5に示すように、その下面の中央に円形状の凹部21aが形成されている。一方、下方側に配置される収納部材22には、図5に示すように、その上面の中央に円形状の凹部22aが形成されている。収納部材21、22は、これらの凹部21a、22aを対向配置した状態で接合され、これらの凹部21a、22aで形成される空間に圧電素子23を収納するように構成されている。凹部21a、22aは、それぞれ後述する圧電素子23の電極層23aの外周縁部を挟持すると共に、圧電素子23の中央部に配置される圧電層23bをこの空間内で振動可能とする形状を有している。また、収納部材22には、凹部22aから外部側に向かう溝部22bが形成されている。溝部22bには、圧電素子23に接続されるケーブル24が配置される。
なお、収納部材21、22を構成する材料がある程度の硬度を持つことは、スピーカ部20からの出力音量を増大する観点から望ましい。この場合において、スピーカ部20においては、これらの収納部材21、22を発泡スチロールで構成しており、所要の硬度を提供することができることから、スピーカ部20からのスピーカ音量を効果的に増大することが可能となる。また、圧電素子23の両面を可撓性フィルムで挟んで圧着したものを用いることもできる。
圧電素子23は、図5に示すように、円形の板状をなす電極層23aと、この電極層23aの上面に同心円状に形成された薄板状の圧電層23bの2層構造を有している。電極層23a及び圧電層23bには、音声信号を印加するために不図示の導線がそれぞれ接続されている。これらの導線は、ケーブル24内に収納され、その一端からそれぞれ電極層23a及び圧電層23bに接続される一方、その他端にて後述するアンプ54bに接続されている。すなわち、このアンプ54bから増幅出力された音声信号がケーブル24内の導線を介して圧電素子23へ印加可能に構成されている。
なお、マイク部30の圧電素子32及びスピーカ部20の圧電素子23は、2層構造を有するものを示しているが、圧電素子の構成についてはこれに限定されるものではない。例えば、2層以外の積層型であっても良く、単板型、ムーニ型、シンバル型、モノモルフ型、ユニモルフ型、バイモルフ型、マルチモルフ型等のいずれのタイプであっても良い。また、その素材が、セラミックであっても良く、或いは、圧電性高分子材料PVDF(Polyvinylidene fluoride)フィルムであっても良い。圧電素子23を後者のフィルムで形成した場合、前者の圧電セラミックと比較してスピーカ部20及びマイク部30の小型化及び薄型化に寄与するため望ましい。
このようにスピーカ部20においては、2枚の収納部材21、22内の空間にその外周縁部を挟持すると共にその中央部を振動可能な状態で圧電素子23を収納し、この状態の圧電素子23に対して音声信号を印加するように構成されている。このようなスピーカ部20によれば、一対の収納部材21、22内の空間において圧電素子23の所望の振動を許容することができるので、圧電素子23を密着固定する場合と比べてスピーカ部20における出力音量を大きくすることが可能となる。
特に、圧電素子23を収納部材21、22に収納する際においては、収納部材22の凹部22aに対応する位置に圧電素子23を配置し、その上方側から収納部材21を接着剤等により接合させるだけで済む。このため、従来のシート状スピーカのように、可撓性シートの所定位置に圧電素子23を配置する作業や、可撓性シートを加熱するための装置を用いた熱圧着作業といった作業を行う必要がなく、簡単な作業によりヘルメット10に利用されるスピーカを製造することが可能となる。
次に、以上のように構成されたヘルメット10に音声信号を供給すると共にヘルメット装着者の音声信号を他の無線モジュールへ無線送信するシステムについて説明する。
図1に示すように、ヘルメット装着者は、無線通信モジュール40、携帯電話機(PHSを含む)41又はトランシーバ42を携帯しているものとする。トランシーバ42の場合、ケーブル43の一方のケーブル端子43aをトランシーバ42の有するイヤホンマイク端子44に接続する一方、無線通信モジュール40の入出力端子45にケーブル43の他方の端子43bを接続する。ケーブル43はスピーカ用ラインとマイク用ラインとから構成されており、端子43bにはスピーカ用ラインとマイク用ラインのそれぞれの導通部が形成されている。無線通信モジュール40の入出力端子45は、スピーカ用ライン及びマイク用ラインの各導通部に独立に接触するように構成されている。
なお、携帯電話機41の場合も、トランシーバ42と同様に、ケーブル46の一方のケーブル端子46aを携帯電話機41の有するイヤホンマイク端子47に接続し、無線通信モジュール40の入出力端子45にケーブル46の他方の端子46bを接続する。
図1に示すように、帽体11の内面又は外面には無線モジュール50が取り付けられている。ヘルメット側の無線モジュール50とヘルメット装着者が携帯する無線通信モジュール40との間で無線通信可能に構成している。無線モジュール50は、ケーブル24を介してスピーカ部20に接続されている。無線モジュール50は、ケーブル38を介してマイク部20に接続されている。無線モジュール50の入出力端子50aに対してケーブル38の端子38aが挿脱されるように構成されている。
図6(a)はヘルメット側の無線モジュール50の概略構成図であり、図6(b)はヘルメット装着者側の無線通信モジュール40及び無線装置(携帯電話機41又はトランシーバ42)の概略構成図である。ヘルメット側の無線モジュール50は、電池51、送受信ユニット52、アンテナ53及びアンプ54a,54bを備えている。マイク部30から出力された音声信号がアンプ54aを介して送受信ユニット52に入力される。送受信ユニット52は、マイク部30から入力した音声信号を無線送信するように構成されており、当該無線信号はヘルメット装着者側の無線通信モジュール40によって受信される。また、ヘルメット装着者側の無線通信モジュール40から無線送信された音声信号がアンテナ53で受信されて送受信ユニット52に入力される。送受信ユニット52は、アンテナ53で受信した音声信号をアンプ54bで増幅してスピーカ部20へ出力するように構成されている。
また、ヘルメット装着者側の無線通信モジュール40は、電源55、送受信ユニット56及びアンテナ57で構成されている。無線装置41又は42のスピーカ用ライン46cを介して入力する音声信号を送受信ユニット56がアンテナ57から無線送信するように構成されている。また、アンテナ57で受信した音声信号を送受信ユニット56からマイク用ライン46dに送出するように構成されている。
本実施の形態1では、ヘルメット装着者があご紐18の端部を耳紐17に結ぶことにより、あご紐18に取り付けられているマイク部30が装着者の喉部に対応する位置に配設されることになる。マイク部30は縦長の方形状をなしており装着者の喉周囲に接触するだけの面積を有している。このため、従来の咽喉マイクロフォンのように装着者の喉にピンポイントで押し当てる必要がなく、マイク部30が喉周囲に接触していれば十分に装着者の音声を検出することができる。装着者が音声を発すると、その振動が圧電素子32を振動させて電気(音声信号)を発生し、かかる電気信号が音声信号としてケーブル38を介して無線モジュール50へ伝送される。
ここで、図2(a)のマイク部構成のように、可撓性フィルム33a,33bで圧電素子32を挟み込んだ一体シートを用いることで、発声による振動を効率よく捉えることができ、圧電素子32単体に比べて、高い感度を実現できる。しかも、あご紐18に対して可撓性フィルム33a,33bが直接接触しないため、可撓性フィルム33a,33bがあご紐18と擦れることによる雑音の発生を防止することができる。
また、図2(b)のマイク部構成のように、圧電素子32を低反発ゴム(31)で直接挟み込んだ場合も、周囲の雑音は抑制すると共に、音声による振動を圧電素子32で電気信号に変換した音声信号は無線モジュール50へ伝送される。
また、図2(c)のマイク部構成のように、圧電素子32をゲル35a,35bで挟み、さらに低反発ゴム(31)で覆うようにした場合は、ゲル35a,35b及び低反発ゴム(31)で周辺雑音は遮断すると共に、音声の振動は圧電素子32に伝えられて音声信号に変換される。圧電素子32で電気信号に変換された音声信号は無線モジュール50へ伝送される。
本発明者は、音声振動を電気的な音声信号に変換する圧電素子32と、この圧電素子32の表面を覆う低反発ゴム部材と、を組み合わせ薄型マイクロフォン(マイク部)を構成したところ、薄型マイクロフォンが喉周囲の音源に面で接触すると高い感度で音声振動を拾い上げること(センシング)ができることを見出した。また、圧電素子32の表面を覆う低反発ゴム部材そのものを、圧電素子32を保持するための保持部材として用いることにより、薄型マイクロフォンと直接接していない周囲からの雑音を大幅にカットできることを見出した。このような知検に基づいて、高騒音下で作業する工事用ヘルメット、風圧による風切り音が大きい環境で使用する二輪車用ヘルメットに、本発明の薄型マイクロフォンを適用することが有効であると考えた。
無線モジュール50では、アンプ54aで音声信号を増幅し、送受信ユニット52がアンテナ53から無線送信する。装着者側の無線モジュール40がヘルメット側の無線モジュール50から送信された信号を受信し、送受信ユニット56が無線装置41又は42へ出力する。無線装置41又は42は、通信相手の無線装置(相手トランシーバ又は携帯電話基地局装置)へ音声信号を音声データとして無線送信する。
一方、装着者が保持する無線装置41又は42は、通信相手の無線装置(相手トランシーバ又は携帯電話基地局装置)から現在の通話相手の音声データを受信する。無線装置41又は42は、通信相手の無線装置から通話相手の音声データを受信すると、無線モジュール40経由でヘルメット側の無線モジュール50へ無線送信する。ヘルメット側の無線モジュール50は、無線装置41又は42から受信した音声データを音声信号にしてアンプ54bを介してスピーカ部20へ伝送する。
スピーカ部20は、アンプ54bから出力される音声信号がケーブル24内の導線を介して電極層23a及び圧電層23bに印加される。圧電素子23は、印加された音声信号に応じて振動し、圧電素子23の上下面に密着した収納部材21、22からその振動を波動として外部に放射することにより音声が出力される。従って、このヘルメット10を装着している作業員は、ヘルメット内部から発せられた音声を頭頂部より受けて聴くことができるものとなる。
このように、ヘルメット側の無線モジュール50は、マイク部30から入力した音声信号を無線モジュール40に対して無線送信する一方、アンテナ53で受信した無線モジュール40からの音声信号をスピーカ部20へ出力するので、ヘルメット装着者は両手を拘束することなく、他人と会話することが可能になる。
以上説明したように、薄板状をなす圧電素子32を低反発ゴム部材で構成された保持部材31で保持する薄型マイクロフォンをヘルメット10のマクロフォンとして適用したので、ヘルメット装着者の音声を感度良く拾うことができると共に、音声以外の各種雑音を大幅に削減することができた。しかも、マイクロフォンの両面を覆っている低反発ゴムは防水性を有することから、マイクロフォンが防水性の保持部材で保護されることとなり、汗や埃といった外部からの影響を軽減することができる。圧電素子32を挟んだ一対の低反発ゴムの貼り合わせ面を接着剤で接合して接合境界の防水機能を持たせることで、あご紐18から取り外したマイク部30を水洗いすることも可能である。
また、本実施の形態に係るヘルメット10によれば、重ねられた状態で圧電素子23を収納する空間(凹部21a、22a)を内部に有する一対の収納部材21、22に圧電素子23を収納してスピーカ部20を構成していることから、収納部材21、22内の空間に圧電素子23を収納すると共に、これらを接合するだけでスピーカ部20を製造することができるので、可撓性シートの所定位置に圧電素子を配置する作業や、可撓性シートを加熱するための装置を用いた熱圧着作業などの複雑な作業を必要とすることなく音声出力用のスピーカを製造することができ、このスピーカを用いて装着者に音声を伝達することが可能となる。
なお、以上の説明では、マイク部30を喉周囲に面接触させるための保持部材としてあご紐18を利用していたが、マイク部30を頭部に面接触させても上記同様の作用効果を奏することができる。
図9(a)(b)に示すように、ハンモック部材13のリング部14を保持部材として利用すれば、ヘルメット装着者の頭部(側面)にマイク部30を面接触させることができる。また、ヘルメット装着者の頭部に対してマイク部30を面接触させる場所は、側頭部(図9)に限定されない。たとえば、ハンモック部材13のリング部14を保持部材として利用して、後頭部にマイク部30を面接触させてもよい。
次に、上記した薄型マイクロフォン(マイク部30)を、マイクロフォン付きイヤーマフに用いた例を説明する。
図10(a)はイヤーマフの外観図である。イヤーマフ70は、椀型形状に形成され一方が開口した左右一対のイヤーマフ本体71,72と、左右のイヤーマフ本体71,72を連結する弾性を有する連結部73と、各イヤーマフ本体71,72の開口部に取り付けられ装着時に耳殻と接触するイヤーパッド74と、一方のイヤーマフ本体71のイヤーパッド74に設けられた薄型マイクロフォン75とを具備する。
図10(a)はイヤーマフの外観図である。イヤーマフ70は、椀型形状に形成され一方が開口した左右一対のイヤーマフ本体71,72と、左右のイヤーマフ本体71,72を連結する弾性を有する連結部73と、各イヤーマフ本体71,72の開口部に取り付けられ装着時に耳殻と接触するイヤーパッド74と、一方のイヤーマフ本体71のイヤーパッド74に設けられた薄型マイクロフォン75とを具備する。
一方のイヤーマフ本体71は、イヤーパッド74の内側に薄型マイクロフォン75が設けられている。薄型マイクロフォン75は、上記マイク部30と基本構成は同じであり、薄板状をなす圧電素子76と、圧電素子76の外周面を覆うように保持する低反発ゴム部材からなる保持部材77とを備える。
他方のイヤーマフ本体72は、イヤーマフ本体72の外周面に設けられた外部集音マイク78と、外部集音マイク78から出力される音声信号のレベルを調整する調整つまみ79とを備える。
図10(b)はイヤーマフ本体71を装着した際の耳Mと薄型マイクロフォン75との位置関係を示している。同図に示すように、中央部が開口したイヤーパッド74が耳殻に押し当てられるので、薄型マイクロフォン75が適切な弾性力で耳殻(同図では耳の下側)に面接触する。
図11はイヤーマフ70の音声送信系統の構成図である。圧電素子76は、圧電層76aと電極層76bの2層構造を有しており、音声振動を電気的な音声信号に変換する。電気的な音声信号は、連結部73に沿って配線したケーブル75aを介して他方のイヤーマフ本体72へ送られる。
他方のイヤーマフ本体72は、外部音を集音する外部集音マイク78から出力される音声信号が、音量調整器79を介して当該イヤーマフ本体72に設けられたスピーカ80から音声出力される。スピーカ80から音声出力される音量は音量調整器79で調整される。イヤーマフ70は両耳を完全に塞いでしまうが、外部集音マイク78で集音した外部音をイヤーマフ70のスピーカ80から聞くことができる。
また、他方のイヤーマフ本体72は、薄型マイクロフォン75に接続されたケーブル75aの他端部を、スイッチ81の接点81bを介してトランシーバ82に接続している。スイッチ81のボタン81aを押下すると、スイッチが閉じて、薄型マイクロフォン75から出力される音声信号がトランシーバ82へ送られる。すなわち、通話時に常開スイッチ81のボタン81aを押下することで、発生音声がトランシーバ82から無線送信される。また、トランシーバ82で受信した音声信号がスイッチ81の接点81cを介してスピーカ80に入力される。スイッチ81のボタン81aを押下すると接点81cが開いて受信音声信号が入力されなくなり、ボタン81aを開放すると接点81cが閉じて受信音声信号がトランシーバ82からスピーカ80へ供給される。
このようなイヤーマフ70によれば、薄型マイクロフォン75が、上述したとおり周辺ノイズを大幅にカットするノイズ抑制機能を奏すると共に、耳殻に押し当てられて確実に面接触して音声振動を高感度に検出するので、騒音環境下でも騒音の影響を抑えた通話を実現できる。例えば、ヘリコプターの乗務員用の会話システムに好適である。
なお、以上の説明では、薄型マイクロフォンで構成されたマイク部をヘルメット、イヤーマフと組み合わせ、ヘルメットやイヤーマフの一部をマイク保持部として用いているが、ヘルメット、イヤーマフと組み合わせないで使用することも可能である。図12に示すように、薄型マイクロフォン30aを、頭部における耳の後ろの部分に貼付しても音声振動を拾うことができる。または、薄型マイクロフォン30bを喉周囲に貼付し、又は薄型マイクロフォン30cを音声振動が発声する胸部に貼付してもよい。
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2としてスピーカ部をヘルメット内部の緩衝部材に埋め込んだ構成について説明する。マイク部30の構成は実施の形態1と同様である。なお、以下においては、実施の形態1に係るヘルメット10(これに音声信号を供給するシステムを含む)と同様の構成については、同一の符号を付与し、その説明を省略する。
次に、本発明の実施の形態2としてスピーカ部をヘルメット内部の緩衝部材に埋め込んだ構成について説明する。マイク部30の構成は実施の形態1と同様である。なお、以下においては、実施の形態1に係るヘルメット10(これに音声信号を供給するシステムを含む)と同様の構成については、同一の符号を付与し、その説明を省略する。
図13は、本発明の実施の形態2に係るスピーカ付きヘルメット60の全体図である。図14は、実施の形態2に係るスピーカ付きヘルメット60の側断面図である。なお、図13においては、説明の便宜上、スピーカ付きヘルメット60を後方側から示すと共に、実施の形態1で説明したハンモック部材13を省略している。また、図14においては、スピーカ部20に収納される圧電素子23の中央部を通過する断面を示している。
スピーカ付きヘルメット60においては、帽体11の内面に沿って緩衝部材61が配設されている。緩衝部材61は、例えば、発泡スチロールを成形して構成され、概して、下方側に開口した半球形状を有している。この緩衝部材61は、帽体11の内面にその一部又は全部が接着固定され、例えば、ヘルメット60に加わった衝撃を緩和するものである。なお、本実施の形態において、緩衝部材61は、スピーカ部20の収納部材21、22と同一の材料で構成されるが、これに限定されるものではない。
スピーカ部20は、このように帽体11の内側に配置される緩衝部材61に固定される。緩衝部材61における利用者の後頭部の上方側の位置には、スピーカ部20を圧入可能な円形状の開口部62が形成されている。緩衝部材61に固定する際、スピーカ部20は、この開口部62に圧入される。このように、緩衝部材61の開口部62にスピーカ部20を圧入して固定する場合には、スピーカ部20を取り付けるための特別な構成を必要とすることなく、簡単にスピーカ部20を帽体11に取り付けることが可能となる。なお、このように緩衝部材61に形成された開口部62にスピーカ部20が圧入される場合においては、その収納部材21、22を、図14に示すように、緩衝部材61の内面及び外面の曲面に応じた形状とすることが好ましい。
特に、本実施の形態に係るヘルメット60においては、スピーカ部20の収納部材21、22の材料を、緩衝部材61と同一の材料で構成している。このため、スピーカ部20は、緩衝部材61の一部を構成することとなる。この場合には、スピーカ部20の収納部材21、22を緩衝部材61の一部として機能させることができるので、スピーカ部20を固定するための開口部62を設けた場合においても、緩衝部材61における衝撃緩和機能が低下する事態を防止することが可能となる。
なお、ここでは、緩衝部材61に開口部62が形成されている場合について示しているが、これに限定されるものではない。例えば、緩衝部材61にスピーカ部20を圧入可能な凹部を形成するようにしても良い。いずれの場合にも、緩衝部材61には、スピーカ部20の電極層23a及び圧電層23bに接続されるケーブル24を導出する溝部を形成する必要がある。ここでは、ケーブル24を緩衝部材61の内側に導出させる場合について示しているが、その構成についてはこれに限定されるものではない。緩衝部材61の内部にこれを埋め込み、緩衝部材61の下方側端部から導出しても良く、緩衝部材61と帽体11との間を通るように配置しても良い。
また、図15に示すように、緩衝部材61に形成した凹部63内に、直接、圧電素子23を配置した状態で収納部材21を緩衝部材61に接合するようにしても良い。なお、この場合、緩衝部材61の凹部63に収納部材22に相当する機能を持たせることとなるため、凹部63の中央部には、凹部22aに相当する凹部63aが形成される。この場合において、圧電素子23は、上記実施の形態と同様に、電極層23aの外周縁部が収納部材21と緩衝部材61との間で挟持され、圧電層23bがこれらの凹部21a、63aで振動可能に配置される。この場合には、収納部材21と緩衝部材61との間に形成される空間に圧電素子23が収納されるので、収納部材22を省略でき、スピーカ部20の部品点数を削減することが可能となる。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されず、種々変更して実施することが可能である。上記実施の形態において、添付図面に図示されている大きさや形状などについては、これに限定されず、本発明の効果を発揮する範囲内で適宜変更することが可能である。その他、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施することが可能である。
上記実施の形態1、実施の形態2においては、ヘルメット側の無線モジュール50と装着者側の無線装置41又は42とを装着者側の無線モジュール40を介して無線通信するシステム構成としたが、スピーカ部20、マイク部30を装着者側の無線装置41又は42とケーブルで接続するようにシステム構成しても良い。
また、上記実施の形態においては、スピーカ部20、マイク部30に備えられる圧電素子23、32の数量が1つである場合について説明しているが、圧電素子23、32の数量についてはこれに限定されるものではなく、2つ以上備えるようにしても良い。圧電素子23、32の数量については、適宜選択されることが望ましい。
Claims (10)
- 音声振動を電気的な音声信号に変換する薄板状をなすセンシング部と、前記センシング部に接合された電極と、前記電極に接続され前記センシング部に発生した電気的な音声信号を取り出すための導線と、を備えたセンサ素子と、
低反発のゴム部材からなり、前記センサ素子の表面を覆うように密着して当該センサ素子を保持する保持部材と、
を具備したことを特徴とする薄型マイクロフォン。 - 前記センシング部は、外部圧力が加えられると起電力が発生する圧電材料で構成されたことを特徴とする請求項1記載の薄型マイクロフォン。
- 前記センサ素子は、2枚の可撓性フィルムで挟持され、当該可撓性フィルム同士が圧着されていることを特徴とする請求項2記載の薄型マイクロフォン。
- 前記センサ素子は、2枚のゲルシートで挟持された状態で、前記保持部材に保持されていることを特徴とする請求項1記載の薄型マイクロフォン。
- 前記保持部材は、反発弾性率が2〜13%である低反発のゴム部材で構成されることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の薄型マイクロフォン。
- ヘルメット本体と、
請求項1から請求項5のいずれかに記載の薄型マイクロフォンと、
ヘルメット装着状態においてヘルメット装着者の頭部または喉周囲に前記薄型マイクロフォンを接触させるマイク保持部と、
を備えたことを特徴とするマイクロフォン付きヘルメット。 - 前記ヘルメット本体の内面側にスピーカが設けられ、
前記スピーカは、少なくとも一つの薄板状をなす圧電素子と、前記圧電素子を両面から挟み込んで互いに熱圧着された一対の可撓性フィルムと、前記可撓性フィルムをその周縁部を固定した状態で収納する内部空間を有する収納部材と、を備えることを特徴とする請求項6記載のマイクロフォン付きヘルメット。 - 前記ヘルメット本体は、ヘルメット本体内面に沿って配置される緩衝部材を備え、
前記スピーカは、前記緩衝部材に設けられた開口部又は凹部に圧入されることを特徴とする請求項6又は請求項7記載のマイクロフォン付きヘルメット。 - 前記ヘルメット本体内面又は外面に取り付けられた無線モジュールを備え、
前記無線モジュールは、前記薄型マイクロフォン及び前記スピーカに接続されていて、前記薄型マイクロフォンから入力する音声信号を電力増幅して他の無線モジュールへ無線通信する一方、他の無線モジュールから受信した音声信号を電力増幅して前記スピーカへ供給することを特徴とする請求項6から請求項8のいずれかに記載のマイクロフォン付きヘルメット。 - 椀型形状に形成され一方が開口したイヤーマフ本体と、
前記イヤーマフ本体の開口部に取り付けられ装着時に耳殻と接触するイヤーパッドと、
前記イヤーパッドのイヤーマフ本体側となる内面に設けられた請求項1から請求項5のいずれかに記載の薄型マイクロフォンと、
を具備したことを特徴とするイヤーマフ。
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