JPWO2009133863A1 - Ep1アゴニストを含有してなる免疫増強剤 - Google Patents

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Abstract

EP1アゴニストは、細胞傷害性T細胞の活性化作用および/またはナチュラルキラー細胞の活性化作用を介した免疫増強作用を有する。そのため、癌、微生物感染症等の予防および/または治療に有用である。

Description

本発明は、EP1アゴニストを含有してなる免疫増強剤に関する。
より詳しくは、特に癌および/または微生物感染症に対する免疫増強に用いられる、EP1アゴニストを含有してなる免疫増強剤に関する。
従来の癌に対する治療方法には、外科的療法、抗癌剤による化学療法、放射線療法、あるいはこれらを組み合わせた治療方法がある。しかしながら、外科的療法には、癌細胞が転移した場合に対応しきれないという問題点があり、それを補う化学療法、放射線療法には、癌細胞のみならず正常な細胞も攻撃し、強い副作用が発現することや、抗癌剤や放射線に対する抵抗性があること等の問題点が知られている。
そこで、近年では、癌の新たな治療方法の1つとして、生体が元来持っている免疫系を増強させることによって、癌細胞を排除する治療方法(免疫療法)の研究が行なわれてきた。例えば、非特異的免疫活性化剤(例えば、クレスチン、ベスタチン等)、サイトカイン療法(例えば、インターフェロン、インターロイキン等)、抗体療法(例えば、ハーセプチン等)、免疫細胞療法(例えば、樹状細胞ワクチン療法、ペプチドワクチン療法等)等を用いた臨床研究がなされている。中でも、最近は細胞傷害性T細胞(Cytotoxic T lymphocyte:CTL)の活性化を目的とした免疫細胞療法が着目されている。かかる方法では、未熟なT細胞が、抗原提示細胞(例えば、樹状細胞、マクロファージ等)が提示する主要組織適合複合体(Major histocompatibility complex:MHC)分子と抗原ペプチド(例えば、断片化された癌細胞抗原等)との複合体を認識し、同時に共刺激分子からのシグナルが入ることにより、その提示された複合体に特異的な細胞傷害活性を有する成熟T細胞、すなわちCTLに誘導される。樹状細胞ワクチン療法とは、抗原提示させた培養樹状細胞を投与することによって、効率よくCTLを誘導する方法であるが、牛胎児血清を含む培養液を用いることや、投与経路等の問題点が懸念されている。また、ペプチドワクチン療法とは、不活性化された癌細胞や微生物に感染した細胞に由来する抗原ペプチドを投与することによって、それら抗原を特異的に認識するCTLの活性化を促す方法である。さらに、当該抗原ペプチドとして、不活性化されたウイルス断片や原虫等の微生物ペプチドを用いることによって、癌だけでなく微生物感染症にも免疫細胞療法が応用されている。
現在では、これらを組み合わせて、より効率的で安全性の高い免疫療法が開発されてきている。例えば、経皮的な免疫療法として、強力な粘着テープで角質層を除去することによって、樹状細胞の一種である表皮ランゲルハンス細胞を活性化し、さらに角質層除去皮膚へ抗原ペプチドを塗布することにより、生体内にCTLを誘導する方法が開発されている(特許文献1参照、非特許文献1、2参照)。
一方、PGE2レセプターのサブタイプであるEP1レセプターに特異的に結合するEP1アゴニストが、悪性のケラチノサイトを増殖させること(非特許文献3参照)、未分化のT細胞をTh1細胞へ分化誘導することが知られている(非特許文献4参照)。また、EP1アンタゴニストが、腸癌、乳腺癌の治療に有効であることが知られている(特許文献2参照)。
しかしながら、これらの文献には、EP1アゴニストが細胞傷害性T細胞の活性化および/またはナチュラルキラー細胞の活性化を介した免疫増強作用を有すること、とりわけ、癌(特に、メラノーマ)やウイルス感染(特に、インフルエンザウイルス)に対する免疫増強作用を有することは、記載も示唆も一切なされていない。
特許第3879785号公報 国際公開第00/69465号パンフレット
プロシーディングス・オブ・ザ・ナチュラル・アカデミー・サイエンシズ・オブ・ザ・ユナイテッド・ステイツ・オブ・アメリカ(Proceedings of the natural academy sciences of USA)、第97巻、371〜376ページ、2000年 キャンサー・リサーチ(Cancer research)、第66巻、10136〜10144ページ、2006年 ネオプラジア(Neoplasia)、第3巻、402〜410ページ、2001年 ジャーナル・オブ・エクスペリメンタル・メディシン(The Journal of experimental medicine)、第204巻、2865〜2874ページ、2007年
これまで、癌や感染症の治療方法として、免疫細胞療法の利用が試みられているが、例えば、本療法に用いられる抗原ペプチドには有効性、投与方法に問題があり、樹状細胞には安全性に問題があるため、未だ有効な治療方法として確立していない。そこで、細胞傷害性T細胞活性化作用および/またはナチュラルキラー細胞の活性化を介した、癌やウイルス等に対する免疫増強作用を有し、アジュバントとしても使用可能であって、低分子でより安全かつ適用の簡便な薬剤を提供することを本発明の目的とする。
そこで、本発明は、癌やウイルス等に対する免疫増強作用を有し、アジュバントとしても使用可能な、低分子でより適用の簡便な薬剤を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記した目的を達成するべく鋭意検討を行った結果、驚くべきことに、EP1アゴニストが(1)免疫増強作用を有し、とりわけ(2)癌および/または微生物感染症に対する免疫増強作用を有することを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、
[1]EP1アゴニストを含有してなる免疫増強剤、
[2]EP1アゴニストが、一般式(I)
Figure 2009133863
(式中、Aは4〜7員の炭素環を表し、
1は、水酸基、C1〜4のアルコキシ基またはNR45(式中、R4およびR5は各々独立して、水素原子またはC1〜4のアルキル基を表す。)を表し、
2は、1個の水酸基で置換された、C1〜8のアルキレン基、C3〜8のアルケニレン基またはC3〜8のアルキニレン基を表し、
3は、
(1)水素原子またはC1〜4のアルキル基、
(2)1〜3個のC1〜4のアルキル基、C1〜4のアルコキシ基、ハロゲン原子、トリフルオロメチル基またはニトロ基で置換されてもよい、フェニル基またはC3〜7のシクロアルキル基、または
(3)1〜3個のC1〜4のアルキル基、C1〜4のアルコキシ基、ハロゲン原子、トリフルオロメチル基またはニトロ基で置換されてもよい、フェノキシ基を表す。)で示される基を表し、
Figure 2009133863
は、α配置の結合を表し、
Figure 2009133863
は、β配置の結合を表す。
ただし、(i)R2が1個の水酸基で置換されたC3〜8のアルケニレン基またはC3〜8のアルキニレン基を表す時、基中の水酸基は、二重結合または三重結合に関係する炭素原子には結合せず、かつ(ii)R3が(3)を表す時、R2中の水酸基と当該R3基とは、同一の炭素原子には結合しないものとする。)
で示される6−オキソ−PGE1化合物、その塩またはそのシクロデキストリン包接化合物である前記[1]記載の剤、
[3]癌および/または微生物感染症に対する免疫増強に用いられる前記[1]記載の剤、
[4]癌が、消化器癌、皮膚癌、呼吸器癌、泌尿器癌、肝臓癌、および膵臓癌から選択される1種以上である前記[3]記載の剤、
[5]皮膚癌がメラノーマである前記[4]記載の剤、
[6]微生物が、ウイルス、細菌および真菌から選択される1種以上である前記[3]記載の剤、
[7]ウイルスがインフルエンザウイルスである前記[6]記載の剤、
[8]EP1アゴニストが(13E)−(11α,15S,17S)−2,5−エタノ−6,9−ジオキソ−11,15−ジヒドロキシ−17,20−ジメチルプロスタ−13−エン酸である前記[2]記載の剤、
[9]さらに抗原ペプチドを含有する前記[1]記載の剤、
[10]抗原ペプチドがメラノーマ特異的抗原ペプチドである前記[8]記載の剤、
[11](13E)−(11α,15S,17S)−2,5−エタノ−6,9−ジオキソ−11,15−ジヒドロキシ−17,20−ジメチルプロスタ−13−エン酸を有効成分として含有し、さらにメラノーマ特異的抗原ペプチドを任意で含有していてもよい、メラノーマに対する免疫を増強させるための医薬、
[12]EP1アゴニストの有効量を、任意により抗原ペプチドとの併用で、哺乳動物に投与することを特徴とする、哺乳動物における免疫増強方法、
[13]任意により抗原ペプチドと併用される、免疫増強剤を製造するためのEP1アゴニストの使用、および
[14]任意により抗原ペプチドと併用される、免疫増強のためのEP1アゴニスト等に関する。
EP1アゴニストは、細胞傷害性T細胞活性化作用および/またはナチュラルキラー細胞の活性化を介した免疫増強作用を有する。そのため、癌、微生物感染症等の予防および/または治療に有用である。さらに、抗原ペプチドと併用することによって、アジュバントとしての効果をも得ることができる。
実施例4の実験群(1)、(2)および(3)におけるメラノーマ増殖抑制作用を示すグラフである。
[免疫増強剤]
本発明において、後記する実施例で示すように、EP1アゴニストは単独で細胞傷害性T細胞(Cytotoxic T lymphocyte:以下、CTLと略記する場合がある。)の活性化および/またはナチュラルキラー細胞の活性化作用を有するので、それ単独で免疫増強剤として使用することができる。
本発明において、免疫増強剤とは、免疫増強作用を有する薬剤をいう。ここで、免疫増強(または免疫増強作用)とは、細胞傷害性T細胞の活性化および/またはナチュラルキラー細胞(NK1.1+細胞)の活性化に基づいて、外敵(例えば、癌細胞、病原微生物等)に感染した標的細胞を排除する作用を増強することを意味する。このような免疫増強によって予防および/または治療され得る疾患としては、例えば癌、微生物感染症等が挙げられる。
本発明において、免疫増強によって予防および/または治療され得る癌としては、一般的に悪性腫瘍と呼ばれるもの全体が含まれ、例えば、脳神経に関わる癌(例えば、小児脳腫瘍(例:神経芽細胞腫、髄芽腫、星細胞腫(幼若性毛髪様星細胞腫)、上衣腫、頭蓋咽頭腫、胚細胞腫瘍、視神経膠腫、脈絡叢乳頭腫、脳幹部神経膠腫)、成人脳腫瘍(例:成人星細胞腫、成人悪性星細胞腫、成人膠芽腫、成人脳室上衣腫、成人悪性脳室上衣腫、成人悪性乏突起細胞腫、成人髄芽腫、成人髄膜腫、成人悪性髄膜腫)、神経膠腫(例:星細胞腫、乏突起膠腫、上衣腫、脳幹グリオーマ)、下垂体腺腫、聴神経鞘腫、網膜芽細胞腫、ぶどう膜悪性黒色腫等)、呼吸器癌(例えば、咽頭癌(例:上咽頭癌、中咽頭癌、下咽頭癌)、喉頭癌、副鼻腔癌、肺癌(例:小細胞癌、非小細胞癌)、胸腺腫、中皮腫等)、消化器癌(例えば、食道癌、胃癌、十二指腸癌、大腸癌(例:結腸癌、直腸癌、肛門癌)等)、口腔癌(例えば、歯肉癌、舌癌、唾液腺癌等)、泌尿器癌(例えば、陰茎癌、腎盂・尿管癌、腎細胞癌、精巣(睾丸)腫瘍、前立腺癌、膀胱癌等)、女性に関わる癌(外陰癌、子宮癌(例:子宮頚部癌、子宮体部癌(子宮内膜癌))、子宮肉腫、絨毛性疾患(例:胞状奇胎、絨毛癌、胎盤部絨毛性腫瘍、存続絨毛症)、腟癌、乳癌、乳房肉腫、卵巣癌、卵巣胚細胞腫瘍等)、皮膚癌(例えば、メラノーマ(悪性黒色腫)(例:悪性黒子型黒色腫、表在拡大型黒色腫、結節型黒色腫、末端黒子型黒色腫、侵食性黒色腫)、菌状息肉症、有棘細胞癌、基底細胞癌、皮膚癌前駆症・表皮内癌(例:日光角化症、ボーエン病、パージェット(Paget)病)、リンパ腫様丘疹症、皮膚CD30陽性細胞未分化大細胞リンパ腫、セザリー症候群、皮膚B細胞リンパ腫等)、骨・筋肉癌(例えば、骨肉腫、軟部肉腫、横紋肉腫、滑液膜肉腫、脂肪肉腫等)、甲状腺癌、カルチノイド、肝臓癌(肝細胞癌)、肝芽腫、胆管癌、胆嚢癌、膵臓癌、膵内分泌腫瘍(例えば、インスリノーマ、ガストリノーマ、VIP産生腺腫等)、原発不明癌、遺伝性腫瘍・家族性腫瘍(例えば、遺伝性非ポリポーシス大腸癌、家族性大腸ポリポーシス、遺伝性乳癌、卵巣癌症候群、リー・フラウメニ症候群、遺伝性黒色腫、ウィルムス腫瘍、遺伝性乳頭状腎細胞癌、フォン・ヒッペル−リンドウ症候群、多発性内分泌腫瘍症等)、白血病(例えば、急性骨髄性白血病、急性リンパ性白血病、骨髄異形成症候群、慢性骨髄性白血病・慢性骨髄増殖性疾患、成人T細胞白血病リンパ腫、慢性リンパ性白血病・小細胞性リンパ腫等)、多発性骨髄腫、原発性マクログロブリン血症、悪性リンパ腫(例えば、ホジキンリンパ腫、中高悪性度リンパ腫、バーキットリンパ腫、リンパ芽球性リンパ腫、濾胞性リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、MALT(Mucosa-Associated Lymphoid Tissue)リンパ腫、NK(ナチュラルキラー)細胞リンパ腫等)等が挙げられる。免疫増強によって、予防および/または治療され得る癌としては、消化器癌、皮膚癌、呼吸器癌、泌尿器癌、肝臓癌、および膵臓癌が好適であり、皮膚癌がより好適であり、メラノーマがとりわけ好適である。
本発明において、免疫増強によって予防および/または治療され得る微生物感染症には、一般的に感染症と呼ばれるもの全体が含まれ、具体的には、ウイルス、細菌、真菌等に代表される1種以上の病原微生物に、体内の正常細胞が感染し増殖して発症する症状が挙げられる。上記した病原微生物には、リケッチア、クラミジア、原虫、寄生虫等も含まれる。
本発明において、微生物感染症に係るウイルスとしては、例えば、ヒト肝炎ウイルス(例えば、B型肝炎、C型肝炎、A型肝炎およびE型肝炎等)、ヒトレトロウイルス、ヒト免疫不全ウイルス(例えば、HIV1およびHIV2等)、ヒトT細胞白血病ウイルスまたはヒトTリンパ向性ウイルス(例えば、HTLV1およびHTLV2等)、単純ヘルペスウイルス1型もしくは2型、エプスタイン・バー(EB)ウイルス、サイトメガロウイルス、水痘−帯状疱疹ウイルス、ヒトヘルペスウイルス(例えば、ヒトヘルペスウイルス6等)、ポリオウイルス、麻疹ウイルス、風疹ウイルス、日本脳炎ウイルス、おたふくウイルス、インフルエンザウイルス、風邪ウイルス(例えば、アデノウイルス、エンテロウイルス、ライノウイルス等)、重症急性呼吸器症候群(SARS)を発症するウイルス、エボラウイルス、西ナイルウイルス、フラビウイルス、エコーウイルス、コクサッキーウイルス、コロナウイルス、呼吸器多核体(合胞体)ウイルス、ロタウイルス、ノロウイルス、サポウイルス、はしかウイルス、パルボウイルス、ワクシニアウイルス、HTLウイルス、デングウイルス、ハピローマウイルス、軟属腫ウイルス、狂犬病ウイルス、JCウイルス、アルボウイルス、脳炎ウイルス、ハンタウイルス等が挙げられる。免疫増強によって、予防および/または治療され得るウイルスとしては、インフルエンザウイルスが好適である。
本発明において、インフルエンザウイルスとしては、例えば、A型インフルエンザウイルス、B型インフルエンザウイルス、C型インフルエンザウイルスが挙げられる。A型インフルエンザウイルスの亜型としては、例えば、H1N1型、H2N2型、H2N8型、H3N2型、H3N8型、H5N1型、H7N6型、H9N2型等が挙げられる。ここで、「亜型」とはウイルスの表面抗原のうち、9種類の赤血球凝集素(hemagglutinin:HA)抗原と15種類のノイラミニダーゼ(neuraminidase:NA)抗原の各抗原性の違いと両者の組み合わせの違いによって分類されたグループを意味する。また、本発明における、A型インフルエンザウイルスは、その感染宿主(例えば、ヒト、鳥)を限定されない。
本発明において、微生物感染症に係る細菌としては、例えば、コレラ菌、サルモネラ菌、大腸菌、レジオネラ菌、炭疽菌、ヘリコバクターピロリ菌、リステリア菌、結核菌、非結核性抗酸菌、ブドウ球菌、連鎖球菌、肺炎球菌、髄膜炎菌、肺炎桿菌、セラチア菌、ジフテリア菌、ブルセラ菌、バルトネラ−ヘンセレ、エリジペロスリックス−ルシオパシエ、放線菌、ライム病菌、ウェルシュ菌、赤痢菌、ペスト菌、破傷風菌、エンテロバクター菌等が挙げられる。
本発明において、微生物感染症に係る真菌としては、例えば、カンジダ、アスペルギルス、クリプトコッカス、ブラストミセス、コクシジオイデス、ヒストプラスマ、パラコクシジオイデス、スポロトリクス等が挙げられる。
本発明において、微生物感染症に係る原虫としては、例えば、マラリア原虫、トキソプラズマ原虫等が挙げられる。
本発明において、微生物感染症に係る寄生虫としては、例えば、赤痢アメーバ、回虫、バベシア、クリプトスポリジウム、ランブル鞭毛虫、鉤虫、蟯虫、住血吸虫、条虫、旋毛虫、鞭虫等が挙げられる。
本発明において、微生物感染症に係るその他の微生物には、例えば、マイコプラズマ、スピロヘータ等が挙げられる。
[EP1アゴニスト]
本発明に係る免疫増強剤(以下、本発明の剤と略記する場合がある。)は、EP1アゴニストを含有してなる免疫増強剤である。本発明の剤に用いられるEP1アゴニストには、プロスタグランジンE2(PGE2)のレセプターのサブタイプであるEP1に選択的に結合して、アゴニスト活性を示す任意の化合物が含まれる。そのようなEP1アゴニストとしては、現在までに知られているものに加えて、今後見出されるものも含まれる。現在までに知られているEP1アゴニストとしては、例えば、以下の(A)〜(D)に記載された化合物が挙げられる。
(A)特開平11−322709号公報には、以下の一般式(I)で示される化合物がEP1アゴニスト作用を有することが記載されている。なお、一般式(I)で示される化合物の各基の定義は、特開平11−322709号公報に詳細に記載されている。従って、本発明の剤に用いられるEP1アゴニストとしては、一般式(I)
Figure 2009133863
(式中、Aは4〜7員の炭素環を表し、
1は、水酸基、C1〜4のアルコキシ基またはNR45(式中、R4およびR5は各々独立して、水素原子またはC1〜4のアルキル基を表す。)を表し、
2は、1個の水酸基で置換された、C1〜8のアルキレン基、C3〜8のアルケニレン基またはC3〜8のアルキニレン基を表し、
3は、
(1)水素原子またはC1〜4のアルキル基、
(2)1〜3個のC1〜4のアルキル基、C1〜4のアルコキシ基、ハロゲン原子、トリフルオロメチル基またはニトロ基で置換されてもよい、フェニル基またはC3〜7のシクロアルキル基、または
(3)1〜3個のC1〜4のアルキル基、C1〜4のアルコキシ基、ハロゲン原子、トリフルオロメチル基またはニトロ基で置換されてもよい、フェノキシ基を表す。)で示される基を表し、
Figure 2009133863
は、α配置の結合を表し、
Figure 2009133863
は、β配置の結合を表す。
ただし、(i)R2が1個の水酸基で置換されたC3〜8のアルケニレン基またはC3〜8のアルキニレン基を表す時、基中の水酸基は、二重結合または三重結合に関係する炭素原子には結合せず、かつ(ii)R3が(3)を表す時、R2中の水酸基と当該R3基とは、同一の炭素原子には結合しないものとする。)
で示される6−オキソ−PGE1化合物、その塩またはそのシクロデキストリン包接化合物が含まれる。
(B)国際公開第99/02165号パンフレットには、以下の一般式(IB)で示される化合物がEP1アゴニスト作用を有することが記載されている。なお、一般式(IB)で示される化合物の各基の定義は、国際公開第99/02165号パンフレットに詳細に記載されている。従って、本発明の剤に用いられるEP1アゴニストとしては、一般式(IB)
Figure 2009133863
(式中、波線で示された結合はαまたはβ構造を表し、点線で示された結合は単結合、三重結合、またはシス若しくはトランス構造の二重結合を表している。
Bは、水素、飽和または不飽和アルキル、好ましくはC1〜10のアルキル、シクロアルキル、好ましくはC3〜8シクロアルキル、アリール、アリールアルキル、好ましくはアリールC2〜5アルキルまたはヘテロアリールであり、
1Bは酸素と硫黄と窒素から選択されるヘテロ原子が随意に介在する2〜5の炭素原子を有する飽和もしくは不飽和アルキル基またはシクロアルキル、好ましくはC3〜7シクロアルキル、シクロアルケニル、好ましくはC3〜7シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリールであり、
BはC−OHまたはC=Oであり、
2Bは水素、水酸基、メチル、エチル、メトキシまたはOCOR4B(R4Bは直鎖もしくは分枝鎖の飽和もしくは不飽和アルキル基、好ましくはC1〜10アルキル、特に好ましくはC1〜6アルキルまたはシクロアルキル、好ましくはC3〜8シクロアルキル、またはアリール基)であり、
3Bは酸素と硫黄と窒素から選択される1つまたは複数のヘテロ原子が随意に介在する好ましくは3〜8の炭素原子、特に好ましくは3〜5の炭素原子を有し、各々の炭素原子がC1〜6アルキル基と水酸基とカルボニル基から選択される置換基によって随意に置換され、水酸基とカルボニル基がプロスタグランジン構造の第15位の炭素に優先的に結合し、前記アルキル基が、C1〜3アルキル、C1〜3アルコキシ、水酸基、ニトロ基、トリフルオロメチルまたはハロゲンによって、単一または独立に複数個置換され得る、シクロアルキル(好ましくはC3〜8シクロアルキル)、アリールもしくはヘテロアリール基を随意に含む直鎖もしくは分枝鎖の飽和もしくは不飽和アルキル基である。)で示されるプロスタグランジン誘導体、または医薬として許容可能なその塩もしくはエステルが含まれる。
(C)国際公開第00/51585号パンフレットには、以下の一般式(IC)で示される化合物がEP1アゴニスト作用を有することが記載されている。なお、一般式(IC)で示される化合物の各基の定義は、国際公開第00/51585号パンフレットに詳細に記載されている。従って、本発明の剤に用いられるEP1アゴニストとしては、一般式(IC)
Figure 2009133863
(式中、R1Cが、CO2H、C(O)NHOH、CO22C、CH2OH、S(O)22C、C(O)NHR2C、C(O)NHS(O)22Cまたはテトラゾールであり、R2Cが、アルキル、ヘテロアルキル、炭素環式脂肪族環、複素環式脂肪族環、芳香族環または複素環式芳香族環であることを特徴とし、
Cが、(CH2nC(ここでnCは0〜3の整数である)、NH、SまたはOであり、
Cが、シクロアルキルまたは芳香族部分であり、置換されているか、または無置換であることを特徴とする。)で示されるプロスタグランジン類似体が含まれる。
(D)国際公開第00/51616号パンフレットには、以下の一般式(ID)で示される化合物がEP1アゴニスト作用を有することが記載されている。なお、一般式(ID)で示される化合物の各基の定義は、国際公開第00/51616号パンフレットに詳細に記載されている。従って、本発明の剤に用いられるEP1アゴニストとしては、一般式(ID)
Figure 2009133863
(式中、R1Dが、CO2H、C(O)NHOH、CO23D、CH2OH、S(O)23DまたはC(O)NHR3Dであり、R3Dが、独立してアルキル、ヘテロアルキル、炭素環式脂肪族環、複素環式脂肪族環、芳香族環または複素環式芳香族環であることを特徴とし、
Dが、CH2、O、またはN−OR4Dであり、R4Dが、水素または低級アルキルであることを特徴とし、
aDが、単結合、トランス二重結合または三重結合であり、
それぞれのR2Dが、独立して水素または低級アルキルであり、
Dが、(a)[C(R5D)(R5D)]mD−YD−[C(R5D)(R5D)]nD−ZDであり、それぞれのR5Dが、独立して水素、低級アルキル、アルコキシまたはハロゲンであり、mDが、0〜1の整数であり、nDが、0〜1の整数であり、YDが、C(R5D)(R5D)、O、NH、Sまたは共有結合であり、およびZDが、フェニル、チエニル、またはフラニルであり、当該フェニル、チエニルまたはフラニルは無置換または1〜2のハロゲンで置換されていることを特徴とし、または(b)[C(R5D)(R5D)]pD−UD−[C(R5D)(R5D)]qDであり、R5Dが、上記と同様であり、pDが、1〜3の整数であり、qDが、1〜3の整数であり、およびp+qが1〜4であり、およびUDが、C(R5D)(R5D)、O、NHまたはSであることを特徴とする。)で示されるプロスタグランジン類似体が含まれる。
本発明の剤に用いられるEP1アゴニストとしては、一般式(I)で示される化合物が好ましく、より好ましくは、(13E)−(11α,15S,17S)−2,5−エタノ−6,9−ジオキソ−11,15−ジヒドロキシ−17,20−ジメチルプロスタ−13−エン酸、サルプロストン等が挙げられる。
なお、本発明の剤は、上述の各種のEP1アゴニストのうち、何れか一種を単独で含有していてもよく、二種以上を任意の組合せ及び比率で併有していてもよい。
(異性体)
前記した一般式(I)および一般式(IB)〜(ID)で示される各化合物(以下、本発明の剤に用いられる化合物と略記する場合がある。)が異性体を有する場合には、特に指示しない限り、これらの異性体はすべて本発明に包含される。例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルキルオキシ基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、アルキニルオキシ基、アルキルチオ基、アルキルスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、アシル基およびアシルオキシ基には、直鎖のものおよび分枝鎖のものが含まれる。さらに、二重結合、環、縮合環における異性体(E体、Z体、シス体、トランス体)、不斉炭素の存在等による異性体(R体、S体、α配置、β配置、エナンチオマー、ジアステレオマー)、旋光性を有する光学活性体(D体、L体、d体、l体)、クロマトグラフィー分離による極性体(高極性体、低極性体)、平衡化合物、回転異性体、およびこれらの任意の割合の混合物、ラセミ混合物は、すべて本発明に含まれる。また、本発明は、互変異性体による異性体をもすべて包含する。
(塩および溶媒和物)
本発明の剤に用いられる化合物の塩には、薬理学的に許容されるすべての塩が含まれる。薬理学的に許容される塩は、毒性の少ない、水溶性のものが好ましい。適当な塩としては、例えば、アルカリ金属(カリウム、ナトリウム、リチウム等)の塩、アルカリ土類金属(カルシウム、マグネシウム等)の塩、アンモニウム塩(テトラメチルアンモニウム塩、テトラブチルアンモニウム塩等)、有機アミン(トリエチルアミン、メチルアミン、ジメチルアミン、シクロペンチルアミン、ベンジルアミン、フェネチルアミン、ピペリジン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミン、リジン、アルギニン、N−メチル−D−グルカミン等)の塩、酸付加物塩(無機酸塩(塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩等)、有機酸塩(酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、乳酸塩、酒石酸塩、シュウ酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、安息香酸塩、クエン酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩、イセチオン酸塩、グルクロン酸塩、グルコン酸塩等)等)が挙げられる。
さらに塩には、四級アンモニウム塩も含まれる。四級アンモニウム塩とは、本発明の剤に用いられる化合物の窒素原子が、R0基によって四級化されたものを表す。R0基は、フェニル基によって置換されていてもよいC1〜8アルキル基を表す。
本発明の剤に用いられる化合物の適当な溶媒和物としては、例えば、水、アルコール系溶媒(例えば、メタノール、エタノール等)等の溶媒和物が挙げられる。溶媒和物は低毒性かつ水溶性であることが好ましい。また、本発明の剤に用いられる化合物の溶媒和物には、本発明の剤に用いられる化合物のアルカリ(土類)金属塩、アンモニウム塩、有機アミン塩、酸付加物塩の溶媒和物も含まれる。
本発明の剤に用いられる化合物は、公知の方法で、上記の塩または上記の溶媒和物に変換することができる。
(シクロデキストリン包接化合物)
本発明の剤に用いられる化合物は、α−、β−あるいはγ−シクロデキストリン、あるいはこれらの混合物を用いて、特公昭50−3362号、同52−31404号または同61−52146号明細書記載の方法を用いることにより、シクロデキストリン包接化合物に変換することができる。シクロデキストリン包接化合物に変換することにより、安定性が増大し、また水溶性が大きくなるため、薬剤として使用する際に好都合である。中でも、α−シクロデキストリン包接化合物に変換することが好ましい。
(プロドラッグ)
本発明の剤に用いられる化合物のプロドラッグは、生体内において酵素や胃酸等による反応により本発明の剤に用いられる化合物に変換される化合物をいう。本発明の剤に用いられる化合物のプロドラッグとしては、例えば、本発明の剤に用いられる化合物がアミノ基を有する場合、該アミノ基がアシル化、アルキル化、リン酸化された化合物(例えば、本発明の剤に用いられる化合物のアミノ基がエイコサノイル化、アラニル化、ペンチルアミノアミノカルボニル化、(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メトキシカルボニル化、テトラヒドロフラニル化、ピロリジルメチル化、ピバロイルオキシメチル化、アセトキシメチル化、tert−ブチル化された化合物等);本発明の剤に用いられる化合物が水酸基を有する場合、該水酸基がアシル化、アルキル化、リン酸化、ホウ酸化された化合物(例えば、本発明の剤に用いられる化合物の水酸基がアセチル化、パルミトイル化、プロパノイル化、ピバロイル化、サクシニル化、フマリル化、アラニル化、ジメチルアミノメチルカルボニル化された化合物等);本発明の剤に用いられる化合物がカルボキシル基を有する場合、該カルボキシル基がエステル化、アミド化された化合物(例えば、本発明の剤に用いられる化合物のカルボキシル基がエチルエステル化、フェニルエステル化、カルボキシメチルエステル化、ジメチルアミノメチルエステル化、ピバロイルオキシメチルエステル化、1−{(エトキシカルボニル)オキシ}エチルエステル化、フタリジルエステル化、(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メチルエステル化、1−{[(シクロヘキシルオキシ)カルボニル]オキシ}エチルエステル化、メチルアミド化された化合物等);等が挙げられる。これらの化合物は自体公知の方法によって製造することができる。また、本発明の剤に用いられる化合物のプロドラッグは水和物および非水和物のいずれであってもよい。また、本発明の剤に用いられる化合物のプロドラッグは、廣川書店1990年刊「医薬品の開発」第7巻「分子設計」163〜198ページに記載されているような、生理的条件で本発明の剤に用いられる化合物に変化するものであってもよい。さらに、本発明の剤に用いられる化合物は同位元素(例えば、3H、14C、35S、125I等)等で標識されていてもよい。
(EP1アゴニストの製造方法)
本発明の剤に用いられるEP1アゴニストは、公知の方法、例えば、特開平11−322709号公報、国際公開第99/02165号パンフレット、国際公開第00/51585号パンフレット、国際公開第00/51616号パンフレット等に記載された方法か、それに準じた方法で製造することができる。例えば、好ましいEP1アゴニストとして例示した、(13E)−(11α,15S,17S)−2,5−エタノ−6,9−ジオキソ−11,15−ジヒドロキシ−17,20−ジメチルプロスタ−13−エン酸は、特開平11−322709号公報記載の方法により製造することができる。
(毒性)
本発明の剤に用いられるEP1アゴニストの毒性は非常に低いものであり、医薬として使用するために十分に安全であることが確認された。
(医薬品への適用)
EP1アゴニストは、細胞傷害性T細胞の活性化作用および/またはナチュラルキラー細胞(NK1.1+細胞)の活性化作用を介した免疫増強作用を有するので、哺乳動物(即ち、ヒトまたは非ヒト動物(例えばサル、ヒツジ、ウシ、ウマ、イヌ、ネコ、ウサギ、ラット、マウス等))における、癌、微生物感染症等の予防および/または治療に有用である。後述する抗原ペプチドと併用する場合には、EP1アゴニストをその増感剤またはアジュバントとして用いることもできる。
すなわち、EP1アゴニスト(またはEP1アゴニストと、後述する抗原ペプチドとの組合せ)は、微生物感染症によって引き起こされる各種疾患の治療に有用である。そのような疾患としては、例えば、蜂巣炎、急性リンパ管炎、リンパ節炎、皮膚膿瘍、壊死性皮下感染、ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群、毛包炎、フルンケル、化膿性汗腺炎、カルブンケル、感染性爪囲炎、紅色陰癬、皮膚糸状菌感染症(例えば、白癬等)、カンジダ症、癜風、疥癬、クリーピング・ディジーズ、流行性発疹チフス、発疹熱、恙虫病、ロッキー山紅斑熱、エールリヒア症、リケッチア痘、バルトネラ症、疣贅、急性呼吸器疾患、急性咽頭結膜熱、流行性角結膜炎、帯状疱疹、ラムゼイ・ハント症候群、進行性多巣性白質脳症、アルボウイルス脳炎等が挙げられる。
[抗原ペプチド]
本発明の剤は、その成分として更に抗原ペプチドを含有していてもよく、また、抗原ペプチドと併用して、その増感剤またはアジュバントとして使用してもよい。
抗原ペプチドを本発明の剤の成分として用いる場合、または本発明の剤と併用する場合、かかる抗原ペプチドとしては、本発明の剤によって免疫増強の標的とする癌または微生物を特異的にCTLが認識できるような抗原を用いることが好ましい。例えば、メラノーマに対する免疫増強を期待して、抗原ペプチドとしてメラノーマ特異的抗原ペプチドの一種であるTRP−2(Tyrosinase-related protein 2)を用いることが挙げられる。
その他の抗原ペプチドとしては、例えば、癌(腫瘍)抗原ペプチド、ウイルス抗原ペプチド等が挙げられる。癌(腫瘍)抗原ペプチドとしては、例えば、MAGE−1、MAGE−2、MAGE−3、MAGE−A4、MAGE−6、MART1、TRP−1、チロシナーゼ、gp100、HER2/neu、CEA、β−カテニン、CHP、CpG、MUC−1、NY−ESO−1、BAGE、GAGE−1、GAGE−2、SAGE、LAGE、WT−1、hTERT、CDK4、p15、p53、PSA、gp1001、MAGE−12、テロメラーゼ、SART、SYT−SSX、サバイビン、CTL前駆体志向(precursor-oriented)ペプチド、MN/CA9、OY−TES−1、SCP−1、GnT−V、PRAME等が挙げられる。ウイルス抗原ペプチドとしては、例えば、EBウイルス抗原、サイトメガロウイルス抗原、ヘルペスウイルス抗原(例えば、HSV糖タンパク質B)、インフルエンザウイルス抗原(例えば、インフルエンザウイルスNP由来のNP(nucleprotein)ペプチド、M1ペプチド、M2ペプチド、HAペプチド、NAペプチド、PB1ペプチド、PB2ペプチド、PAペプチド、NP2ペプチド等)、HIV抗原等が挙げられる。上記以外の抗原ペプチドとしては、例えば、サルモネラ抗原、赤痢抗原、エンテロバクター抗原、原虫や寄生虫由来の抗原等が挙げられる。
上記した癌(腫瘍)抗原ペプチドは、当業者にとって明らかなように、治療対象とする癌、および抗原ペプチドが結合する特定の主要組織適合抗原(Human Leukocyte Antigen;HLA)に応じて使い分けることができる。例えば、メラノーマを対象とする場合には、HLA−A0201またはHLA−A2402に結合する抗原ペプチドを用いればよく、具体的には、MART−1、gp−100、MAGE−2、MAGE−3、チロシナーゼ、TRP−2を用いることが好ましい。
同様に、ウイルス抗原ペプチドについても、インフルエンザウイルス感染を対象とする場合には、インフルエンザウイルスNPペプチドを用いることが好ましい。
また、上記した抗原ペプチドは、当業者にとって明らかなように、CTLによって特異的に認識されるエピトープに相当する部分配列であることが好ましい。例えば、TRP−2ではその部分配列として、VYDFFVWL(配列番号1)を用いる。同様に、インフルエンザウイルスNPペプチドではその部分配列として、例えば、NP366−374:ASNENMETM(配列番号2)、NP55−69、NP147−158を用いることができる。また、インフルエンザウイルスのM2ペプチドではその部分配列として、例えば、M2e−1ペプチド、M2e−2ペプチド、M2e−3ペプチドを用いることができる。インフルエンザウイルスのHAペプチドではその部分配列として、例えば、HA91−108を用いることができる。
なお、本発明の剤が抗原ペプチドを含有する場合は、上述の各種の抗原ペプチドのうち、何れか一種を単独で含有していてもよく、二種以上を任意の組合せ及び比率で併有していてもよい。
[他の薬物]
本発明の剤は、前記した抗原ペプチドとは別に、1)免疫増強作用の補完および/または増強、2)該EP1アゴニストの動態・吸収改善、投与量の低減、および/または、3)該EP1アゴニストの副作用の軽減のために、他の薬剤を成分として含有していてもよく、また、かかる他の薬物と併用して投与してもよい。
該他の薬物は、低分子化合物であってもよく、また、高分子の蛋白、ポリペプチド、ポリヌクレオチド(DNA、RNA、遺伝子)、アンチセンス、デコイ、抗体、またはワクチン等であってもよい(ただし、前記した抗原ペプチドは除かれる)。また、他の薬物には、現在までに見出されているものだけでなく、今後見出されるものも含まれる。
他の薬物としては、免疫賦活薬、抗癌剤(例えば、アルキル化薬、代謝拮抗薬、抗癌性抗生物質、植物性製剤、ホルモン薬、白金化合物、HDAC(ヒストンデアセチラーゼ)阻害薬、PARP(ポリ(ADP−リボース)ポリメラーゼ)阻害薬等)、抗ウイルス薬、抗生物質、抗真菌薬、抗寄生虫薬、抗原虫薬等が挙げられる。
免疫賦活薬としては、例えば、レンチナン、ピシバニール、クレスチン、シゾフィラン、ウベニメクス、インターフェロン、ロベンザリット、TF、GM−CSF、M−CSF、G−CSF、IL−1、IL−2、IL−3、IL−12等が挙げられる。
アルキル化薬としては、例えば、塩酸ナイトロジェンマスタード−N−オキシド、シクロホスファミド、イホスファミド、メルファラン、チオテパ、カルボコン、ブスルファン、塩酸ニムスチン、ダカルバジン、ラニムスチン等が挙げられる。
代謝拮抗薬としては、例えば、メトトレキサート、メルカプトプリン、6−メルカプトプリンリボシド、フルオロウラシル、テガフール、テガフール・ウラシル、カルモフール、ドキシフルリジン、シタラビン、エノシタビン、テガフール・ギメスタット・オタスタットカリウム、塩酸ゲムシタビン、シタラビンオクホスファート、塩酸プロカルバジン、ヒドロキシカルバミド等が挙げられる。
抗癌性抗生物質としては、例えば、アクチノマイシンD、マイトマイシンC、塩酸ダウノルビシン、塩酸ドキソルビシン、塩酸アクラルビシン、ネオカルチノスタチン、塩酸ピラルビシン、(塩酸)エピルビシン、塩酸イダルビシン、クロモマイシンA3、(塩酸)ブレオマイシン、硫酸ペプロマイシン、テラルビシン、ジノスタチン・スチマラマー等が挙げられる。
植物性製剤としては、例えば、硫酸ビンブラスチン、硫酸ビンクリスチン、硫酸ビンデシン、塩酸イリノテカン、エトポシド、フルタミド、酒石酸ビノレルビン、ドセタキセル水和物、パクリタキセル等が挙げられる。
ホルモン剤としては、例えば、リン酸エストラムスチンナトリウム、メピチオスタン、エピチオスタノール、酢酸ゴセレリン、ホスフェストロール(リン酸ジエチルスチルベストロール)、クエン酸タモキシフェン、クエン酸トレミフェン、塩酸ファドロゾール水和物、酢酸メドロキシプロゲステロン、ビカルタミド、酢酸リュープロレリン、アナストロゾール、エクセメスタン等が挙げられる。
白金化合物としては、例えば、カルボプラチン、シスプラチン、ネダプラチン等が挙げられる。
HDAC阻害薬としては、ボリノスタット、AN−9、ベリノスタット、MGCD−0103、MS−275、パノビノスタット、ロミデプシン、タセジナリン、バルプロ酸、VP−101、CRA−024781、ITF−2357、ピロキサミド、CS−055、EHT−0205、FR−135313、NSC−3852、PXD−118490、SAHA類縁体、LAQ−824等が挙げられる。
PARP阻害薬としては、GPI−15427、GPI−16539、GPI−18078、GPI−6000、GPI−6150、KU−0687、INO−1001、FK−866、4−(4−(N,N−ジメチルアミノメチル)フェニル)−5−ヒドロキシイソキノリノン、FR−255595、FR−257516、FR−261529、FR−247304、M−50916、ABT−472、ONO−1924H、DR−2313、CEP−8983、AG−014699、BGP−15、AAI−028、PD−141076、PD−141703、ONO−2231等が挙げられる。
抗ウイルス薬としては、例えば、抗HIV薬(例:CCR5拮抗薬、CXCR4拮抗薬、逆転写酵素阻害薬、フュージョン阻害薬等)、抗インフルエンザウイルス薬(例:リン酸オセルタミビル、ザナミビル水和物等)、抗ヘルペスウイルス薬(例:アシクロビル等)、インターフェロン−αもしくはβおよび各種免疫グロブリン等が挙げられる。
抗生物質としては、例えば、セフェム系抗生物質(例:セファクロル等)、ペニシリン系抗生物質(例:アモキシシリン等)、マクロライド系抗生物質(例:エチルコハク酸エリスロマイシン等)、セフチブテン、セフロキシムナトリウム、ドキソルビシン、トブラマイシン、メロペネム三水和物、塩酸セフェタメトピボキシル、硫酸アストロマイシン、硫酸シソマイシン、硫酸ネチルマイシン等が挙げられる。
抗真菌薬としては、例えば、イトラコナゾール、フルコナゾール、ラノコナゾール、硝酸スルコナゾール、硝酸オキシコナゾール、硝酸エコナゾール、硝酸イトコナゾール、硝酸クロコナゾール、クロトリマゾール、塩酸テルビナフィン、トルナフタート、ビホナゾール、塩酸ネチコナゾール、ケトコナゾール、塩酸ブテナフィン、硝酸ミコナゾール、ボリコナゾール、アムホテリシンB、フルシトシン、グリセオフルビン、ミカファンギン等が挙げられる。
抗寄生虫薬としては、例えば、サントニン、コンバントリン、スパトニン、メベンダゾール、ミンテゾール、エスカゾール、ビルトリシド、キニーネ、ファンシダール、フラジール、ハイシジン等が挙げられる。
抗原虫薬としては、例えば、メトロニダゾール、ペンタミジン等が挙げられる。
なお、本発明の剤が他の薬剤を含有する場合は、上述の各種の他の薬剤のうち、何れか一種を単独で含有していてもよく、二種以上を任意の組合せ及び比率で併有していてもよい。
[その他の成分]
本発明の剤は、上述のEP1アゴニスト、並びに、任意により用いられる上述の抗原ペプチドおよび/または他の薬物に加え、その他の成分を含有していてもよい。その他の成分としては、本発明の剤を各種の剤型に製剤する際に用いられる、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、安定剤等の製剤基剤が挙げられる。これらの製剤基剤については後述する。
[本発明の剤の使用方法]
本発明の剤は上述のように、哺乳動物等の対象に対して、その免疫増強を目的として投与される。本発明の剤を上記の目的で用いる場合、通常は全身的または局所的に、経口または非経口の形で投与される。
本発明の剤の投与量は、対象に対して所望の免疫増強作用をもたらすのに有効な量のEP1アゴニストを含有するように決定する。かかるEP1アゴニストの有効量は、対象の種類、年齢、体重、症状、治療効果、投与方法、処理時間、併用すべき他の免疫療法等によって異なるが、対象がヒトの場合は、通常は、体重70kgの成人一人当たり一回の投与につき、0.1ng以上、好ましくは1ng以上、より好ましくは10ng以上、また、通常1000mg以下、好ましくは100mg以下、より好ましくは10mg以下の範囲である。もちろん、前記したように有効量や投与量は種々の条件により変動するので、上記範囲より少量の投与で十分な場合もあるし、また、上記範囲を越えて多量の投与が必要な場合もある。
本発明の剤の投与形態は、対象の種類、年齢、体重、症状、治療効果、投与方法、処理時間等によって異なるが、例えば、上述の有効量のEP1アゴニストを含有する本発明の剤の単回投与量を、一日一回から数回経口投与するか、一日一回から数回非経口投与すればよい。また、一日1時間から24時間の範囲で静脈内に持続投与するか、または一日から3ヶ月の範囲で局所に持続投与してもよい。
本発明の剤を投与する際には、経口投与のための内服用固形剤、内服用液剤、および、非経口投与のための注射剤、外用剤、坐剤、点眼剤、吸入剤等として用いられる。
非経口投与のための外用剤の剤形には、例えば、軟膏剤、ゲル剤、クリーム剤、湿布剤、貼付剤、リニメント剤、噴霧剤、吸入剤、スプレー剤、点眼剤、点耳剤および点鼻剤等が含まれる。これらはひとつまたはそれ以上の活性物質を含み、公知の方法または通常使用されている処方により製造、調製される。
軟膏剤は公知であり、あるいは通常使用されている処方により製造される。例えば、ひとつまたはそれ以上の活性物質(EP1アゴニスト、並びに、任意により用いられる抗原ペプチドおよび/または他の薬物)を基剤に研和、または溶融させて製造、調製される。軟膏基剤は公知のもの、あるいは通常使用されているものの中から選ばれる。例えば、高級脂肪酸または高級脂肪酸エステル(アジピン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、アジピン酸エステル、ミリスチン酸エステル、パルミチン酸エステル、ステアリン酸エステル、オレイン酸エステル等)、ロウ類(ミツロウ、鯨ロウ、セレシン等)、界面活性剤(ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル等)、高級アルコール(セタノール、ステアリルアルコール、セトステアリルアルコール等)、シリコン油(ジメチルポリシロキサン等)、炭化水素類(親水ワセリン、白色ワセリン、精製ラノリン、流動パラフィン等)、グリコール類(エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、マクロゴール等)、植物油(ヒマシ油、オリーブ油、ごま油、テレピン油等)、動物油(ミンク油、卵黄油、スクワラン、スクワレン等)、水、吸収促進剤、かぶれ防止剤から選ばれるものを単独で、または2種以上を混合して用いる。さらに、保湿剤、保存剤、安定化剤、抗酸化剤、着香剤等を含んでいてもよい。
ゲル剤は公知であり、あるいは通常使用されている処方により製造される。例えば、ひとつまたはそれ以上の活性物質を基剤に溶融させて製造、調製される。ゲル基剤は公知のもの、あるいは通常使用されているものの中から選ばれる。例えば、低級アルコール(エタノール、イソプロピルアルコール等)、ゲル化剤(カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース等)、中和剤(トリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン等)、界面活性剤(モノステアリン酸ポリエチレングリコール等)、ガム類、水、吸収促進剤、かぶれ防止剤から選ばれるものを単独で、または2種以上を混合して用いる。さらに、保存剤、抗酸化剤、着香剤等を含んでいてもよい。
クリーム剤は公知であり、或いは通常使用されている処方により製造される。例えば、ひとつまたはそれ以上の活性物質を基剤に溶融または乳化させて製造、調製される。クリーム基剤は公知のもの、あるいは通常使用されているものの中から選ばれる。例えば、高級脂肪酸エステル、低級アルコール、炭化水素類、多価アルコール(プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール等)、高級アルコール(2−ヘキシルデカノール、セタノール等)、乳化剤(ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、脂肪酸エステル類等)、水、吸収促進剤、かぶれ防止剤から選ばれるものを単独で、または2種以上を混合して用いる。さらに、保存剤、抗酸化剤、着香剤等を含んでいてもよい。
湿布剤は公知であり、あるいは通常使用されている処方により製造される。例えば、ひとつまたはそれ以上の活性物質を基剤に溶融させ、練合物とし支持体上に展延塗布して製造される。湿布基剤は公知のもの、あるいは通常使用されているものの中から選ばれる。例えば、増粘剤(ポリアクリル酸、ポリビニルピロリドン、アラビアゴム、デンプン、ゼラチン、メチルセルロース等)、湿潤剤(尿素、グリセリン、プロピレングリコール等)、充填剤(カオリン、酸化亜鉛、タルク、カルシウム、マグネシウム等)、水、溶解補助剤、粘着付与剤、かぶれ防止剤から選ばれるものを単独で、または2種以上を混合して用いる。さらに、保存剤、抗酸化剤、着香剤等を含んでいてもよい。
貼付剤は公知であり、あるいは通常使用されている処方により製造される。例えば、ひとつまたはそれ以上の活性物質を基剤に溶融させ、支持体上に展延塗布して製造される。貼付剤用基剤は公知のもの、あるいは通常使用されているものの中から選ばれる。例えば、高分子基剤(スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、ポリイソブチレンゴム、アクリル酸エステル樹脂、アクリル系共重合樹脂、シリコーンゴム等)、油脂、高級脂肪酸、経皮透過促進剤(オレイン酸、ミリスチン酸イソプロピル、D−メントール、クロタミトン等)、粘着付与剤(ロジン誘導体、脂環族飽和炭化水素樹脂等)、かぶれ防止剤(グリセリン、クロタミトン等)から選ばれるものを単独で、または2種以上を混合して用いる。さらに、保存剤、抗酸化剤、着香剤等を含んでいてもよい。貼付剤には、例えば、プラスター剤(例えば、マトリックス(粘着単層)型貼付剤、リザーバー型貼付剤等)、パップ剤等が挙げられる。さらに、マトリックス型貼付剤には、薬剤分散型のマトリックス型貼付剤、薬剤溶解型のマトリックス型貼付剤等が含まれる。プラスター剤は、テープ剤とも称される。
リニメント剤は公知であり、あるいは通常使用されている処方により製造される。例えば、ひとつまたはそれ以上の活性物質を水、アルコール(エタノール、ポリエチレングリコール等)、高級脂肪酸、グリセリン、セッケン、乳化剤、懸濁化剤等から選ばれるもの単独または2種以上に溶解、懸濁または乳化させて製造、調製される。さらに、保存剤、抗酸化剤、着香剤等を含んでいてもよい。
噴霧剤、吸入剤、およびスプレー剤は、一般的に用いられる希釈剤以外に、亜硫酸水素ナトリウム等の安定剤、および/または、等張性を与える緩衝剤、例えば塩化ナトリウム、クエン酸ナトリウムまたはクエン酸等の等張剤を含有していてもよい。また、エアゾル剤としても構わない。
非経口投与のための吸入剤としては、エアロゾル剤、吸入用粉末剤又は吸入用液剤が含まれ、当該吸入用液剤は、用時に水又は他の適当な媒体に溶解又は懸濁させて使用する形態であってもよい。
これらの吸入剤は公知の方法に準じて製造される。
例えば、吸入用液剤の場合には、防腐剤(塩化ベンザルコニウム、パラベン等)、着色剤、緩衝化剤(リン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム等)、等張化剤(塩化ナトリウム、濃グリセリン等)、増粘剤(カリボキシビニルポリマー等)、吸収促進剤などを必要に応じて適宜選択して調製される。
吸入用粉末剤の場合には、滑沢剤(ステアリン酸およびその塩等)、結合剤(デンプン、デキストリン等)、賦形剤(乳糖、セルロース等)、着色剤、防腐剤(塩化ベンザルコニウム、パラベン等)、吸収促進剤などを必要に応じて適宜選択して調製される。
吸入用液剤を投与する際には通常噴霧器(アトマイザー、ネブライザー)が使用され、吸入用粉末剤を投与する際には通常粉末薬剤用吸入投与器が使用される。
非経口投与のための注射剤としては、溶液、懸濁液、乳濁液および用時溶剤に溶解または懸濁して用いる固形の注射剤を包含する。注射剤は、ひとつまたはそれ以上の活性物質を溶剤に溶解、懸濁または乳化させて用いられる。溶剤として、例えば注射用蒸留水、生理食塩水、植物油、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、エタノールのようなアルコール類等およびそれらの組み合わせが用いられる。さらにこの注射剤は、安定剤、溶解補助剤(グルタミン酸、アスパラギン酸、ポリソルベート80(登録商標)等)、懸濁化剤、乳化剤、無痛化剤、緩衝剤、保存剤等を含んでいてもよい。これらは最終工程において滅菌するか無菌操作法によって製造、調製される。また無菌の固形剤、例えば凍結乾燥品を製造し、その使用前に無菌化または無菌の注射用蒸留水または他の溶剤に溶解して使用することもできる。
非経口投与のためその他の組成物としては、ひとつまたはそれ以上の活性物質を含み、常法により処方される直腸内投与のための坐剤および腟内投与のための腟坐剤等が含まれる。
経口投与のための内服用固形剤には、錠剤、丸剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤等が含まれる。カプセル剤には、ハードカプセルおよびソフトカプセルが含まれる。また、錠剤には舌下錠、口腔内貼付錠、口腔内速崩壊錠などが含まれる。
このような内服用固形剤においては、ひとつまたはそれ以上の活性物質をそのままか、または賦形剤(ラクトース、マンニトール、グルコース、微結晶セルロース、デンプン等)、結合剤(ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム等)、崩壊剤(繊維素グリコール酸カルシウム等)、滑沢剤(ステアリン酸マグネシウム等)、安定剤、溶解補助剤(グルタミン酸、アスパラギン酸等)等と混合し、常法に従って製剤化して用いる。また、必要によりコーティング剤(白糖、ゼラチン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート等)を用いて、1又は2以上の層で被覆してもよい。さらには、ゼラチン等の吸収され得る物質からなるカプセルに、活性物質を包含させて用いてもよい。
舌下錠は公知の方法に準じて製造、調製される。例えば、ひとつまたはそれ以上の活性物質に賦形剤(ラクトース、マンニトール、グルコース、微結晶セルロース、コロイダルシリカ、デンプン等)、結合剤(ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム等)、崩壊剤(デンプン、L−ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、クロスカルメロースナトリウム、繊維素グリコール酸カルシウム等)、滑沢剤(ステアリン酸マグネシウム等)、膨潤剤(ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カーボポール、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、キサンタンガム、グアーガム等)、膨潤補助剤(グルコース、フルクトース、マンニトール、キシリトール、エリスリトール、マルトース、トレハロース、リン酸塩、クエン酸塩、ケイ酸塩、グリシン、グルタミン酸、アルギニン等)、安定剤、溶解補助剤(ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グルタミン酸、アスパラギン酸等)、香味料(オレンジ、ストロベリー、ミント、レモン、バニラ等)等と混合され、常法に従って製剤化して用いられる。また、必要によりコーティング剤(白糖、ゼラチン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート等)を用いて、1又は2以上の層で被覆してもよい。また、必要に応じて常用される防腐剤、抗酸化剤、着色剤、甘味剤等の添加物を加えることもできる。
口腔内貼付錠は公知の方法に準じて製造、調製される。例えば、ひとつまたはそれ以上の活性物質に賦形剤(ラクトース、マンニトール、グルコース、微結晶セルロース、コロイダルシリカ、デンプン等)、結合剤(ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム等)、崩壊剤(デンプン、L−ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、クロスカルメロースナトリウム、繊維素グリコール酸カルシウム等)、滑沢剤(ステアリン酸マグネシウム等)、付着剤(ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カーボポール、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、キサンタンガム、グアーガム等)、付着補助剤(グルコース、フルクトース、マンニトール、キシリトール、エリスリトール、マルトース、トレハロース、リン酸塩、クエン酸塩、ケイ酸塩、グリシン、グルタミン酸、アルギニン等)、安定剤、溶解補助剤(ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グルタミン酸、アスパラギン酸等)、香味料(オレンジ、ストロベリー、ミント、レモン、バニラ等)等と混合され、常法に従って製剤化して用いられる。また、必要によりコーティング剤(白糖、ゼラチン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート等)を用いて、1又は2以上の層で被覆してもよい。また、必要に応じて常用される防腐剤、抗酸化剤、着色剤、甘味剤等の添加物を加えることもできる。
口腔内速崩壊錠は公知の方法に準じて製造、調製される。例えば、ひとつまたはそれ以上の活性物質をそのまま、あるいは原末もしくは造粒原末粒子に適当なコーティング剤(エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アクリル酸メタクリル酸コポリマー等)、可塑剤(ポリエチレングリコール、クエン酸トリエチル等)を用いて被覆を施した活性物質に賦形剤(ラクトース、マンニトール、グルコース、微結晶セルロース、コロイダルシリカ、デンプン等)、結合剤(ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム等)、崩壊剤(デンプン、L−ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、クロスカルメロースナトリウム、繊維素グリコール酸カルシウム等)、滑沢剤(ステアリン酸マグネシウム等)、分散補助剤(グルコース、フルクトース、マンニトール、キシリトール、エリスリトール、マルトース、トレハロース、リン酸塩、クエン酸塩、ケイ酸塩、グリシン、グルタミン酸、アルギニン等)、安定剤、溶解補助剤(ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グルタミン酸、アスパラギン酸等)、香味料(オレンジ、ストロベリー、ミント、レモン、バニラ等)等と混合され、常法に従って製剤化して用いられる。また、必要によりコーティング剤(白糖、ゼラチン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート等)を用いて、1又は2以上の層で被覆してもよい。また、必要に応じて常用される防腐剤、抗酸化剤、着色剤、甘味剤等の添加物を加えることもできる。
経口投与のための内服用液剤は、薬剤的に許容される水剤、懸濁剤、乳剤、シロップ剤、エリキシル剤等を含む。このような液剤においては、ひとつまたはそれ以上の活性物質が、一般的に用いられる希釈剤(精製水、エタノールまたはそれらの混液等)に溶解、懸濁または乳化される。さらにこの液剤は、湿潤剤、懸濁化剤、乳化剤、甘味剤、風味剤、芳香剤、保存剤、緩衝剤等を含有していてもよい。
なお、EP1アゴニストに加えて、抗原ペプチドおよび/または他の薬物を使用する場合は、これらを何れも本発明の剤の成分とし、1つの製剤中に両成分を配合した配合製剤の形態で投与してもよいが、抗原ペプチドおよび/または他の薬物の一部または全部を、本発明の剤とは別の製剤にして投与する形態をとってもよい。
抗原ペプチドおよび/または他の薬物を、本発明の剤とは別の製剤にして投与する場合は、これらの製剤を同時投与してもよく、時間差により投与してもよい。時間差による投与の場合は、本発明の剤、抗原ペプチド、他の薬物の投与順は制限されず、任意の順番で投与することができる。
抗原ペプチドおよび/または他の薬物の投与量は、本発明の剤の成分とする場合、及び、本発明の剤とは別の製剤にする場合の何れについても、臨床上用いられている用量を基準として、適宜選択することができる。また、本発明の剤に用いられるEP1アゴニストと、抗原ペプチドおよび/または他の薬物との比率は、投与対象の年齢および体重、投与方法、投与時間等により適宜選択することができる。例えば、本発明の剤に用いられるEP1アゴニスト1質量部に対し、抗原ペプチドおよび/または他の薬物を0.01〜100質量部の割合で用いればよい。
[免疫療法]
本発明の剤の免疫増強作用(例えば癌、微生物感染症等に対する免疫増強作用)を高めるために、一般的に用いられているその他の免疫療法を併用してもよい。その他の免疫療法としては、癌、微生物感染症等に対する任意の免疫療法が挙げられ、例えば、経皮的免疫療法(例:テープストリッピング法)、NK(ナチュラルキラー)細胞療法、CTL療法(ここで、CTL療法とは、外来の培養した癌特異的CTLを用いた免疫細胞療法をいう。)、サイトカイン療法、CD3−LAK療法、LAK療法、樹状細胞療法等が挙げられる。また、本発明の剤を、一般的に用いられているその他の癌治療方法または微生物感染症の治療方法と併用してもよい。かかる癌治療方法の具体例としては、前記した抗癌剤を用いた化学療法、放射線療法、粒子線(荷電重粒子線)療法、定位放射線照射、温熱療法、造血幹細胞移植等が挙げられる。これらの免疫療法や癌治療方法の中でも、本発明の剤との併用に特に好適なものとしては、経皮的免疫療法、中でもテープストリッピング法が挙げられる。
テープストリッピング法とは、具体的には、特許第3879785号公報等に記載されているように、粘着性のあるテープ製剤、アセトン等を用いて、(皮膚表皮)角質層を物理的・化学的に除去した部位に、細胞傷害性T細胞を活性化する物質(例えば、本発明の剤に用いられるEP1アゴニスト、抗原ペプチド等)を投与する方法をいう。このとき、粘着性のあるテープ製剤を用いることが好ましく、具体的には粘着剤として、アクリル系ポリマー、ゴム系ポリマー、親水性ポリマー等を用い、支持体として、プラスチックフィルム(例えば、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体等)を用いたテープ製剤が好ましい。粘着性のあるテープ製剤を用いて角質層を破壊する方法としては、テープ製剤を表皮角質層面に接着させた後剥離する操作を1〜数回繰り返す方法が挙げられる。
本発明の剤を上記したテープストリッピング法と併用する場合、本発明の剤に用いられるEP1アゴニストの投与方法としては、テープストリッピング法に用いるテープ製剤中の粘着層に含有させて投与してもよいし、テープストリッピング法によって剥離された(皮膚表皮)角質層の部位に任意の方法で投与(例えば、貼付剤、注射剤)してもよいし、当該部位以外に投与(例えば、経口投与、静脈投与、皮下投与)してもよい。さらに、抗原ペプチドを併用する場合、該抗原ペプチドは、上記テープ製剤の粘着層に含有させるか、EP1アゴニストとともに粘着層に含有させて投与してもよく、上記した剥離部位に任意の方法で投与(例えば、貼付剤)してもよいし、当該部位以外に投与(例えば、静脈投与)してもよい。
該抗原ペプチドを投与する方法としては、角質層を破壊した後、対象とする抗原ペプチド溶液(ジメチルスルホキシド(DMSO)、リン酸緩衝液(PBS)等)を任意の大きさのガーゼパッドに吸収させ、1〜数カ所の角質除去部位に貼付する方法が挙げられる。複数の箇所に抗原ペプチドを投与する場合、腕部、大腿部、腹部および背部の異なる部位に投与することが挙げられる。投与期間としては、24時間毎に当該パッドを貼り替え、1〜3ヶ月持続的に投与することが挙げられる。
本発明の剤の免疫増強作用(特に癌または微生物感染に対する免疫増強作用、中でもメラノーマもしくはインフルエンザウイルスに対する免疫増強作用)を効果的に発現させるためには、前記に列挙したEP1アゴニスト、抗原ペプチド、その他の癌または微生物感染症の治療方法等のそれぞれについて、以下の通り組み合わせることが好ましい。すなわち、EP1アゴニストとして、(13E)−(11α,15S,17S)−2,5−エタノ−6,9−ジオキソ−11,15−ジヒドロキシ−17,20−ジメチルプロスタ−13−エン酸と、抗原ペプチドとを組み合わせることが好ましく、(13E)−(11α,15S,17S)−2,5−エタノ−6,9−ジオキソ−11,15−ジヒドロキシ−17,20−ジメチルプロスタ−13−エン酸と、抗原ペプチドおよびその他の癌または微生物感染に対する免疫療法とを組み合わせることがより好ましく、さらには(13E)−(11α,15S,17S)−2,5−エタノ−6,9−ジオキソ−11,15−ジヒドロキシ−17,20−ジメチルプロスタ−13−エン酸と、抗原ペプチドとして、メラノーマ特異的抗原ペプチド(TRP−2)またはインフルエンザウイルス特異的抗原ペプチド(インフルエンザウイルスNPペプチド)およびテープストリッピング法とを組み合わせることが特に好ましい。
上記した組合せは、テープストリッピング法を用いたメラノーマまたはインフルエンザウイルスに対する免疫療法における、医薬または医薬組成物として使用することができる。その好ましい態様としては、例えば、テープストリッピング法によって剥離された皮膚表皮角質層または角質層に、EP1アゴニストである(13E)−(11α,15S,17S)−2,5−エタノ−6,9−ジオキソ−11,15−ジヒドロキシ−17,20−ジメチルプロスタ−13−エン酸を有効成分として粘着層に含有させた貼付剤として投与することである。さらに、当該貼付剤を使用する際には、抗原ペプチドであるTRP−2またはインフルエンザウイルスNPペプチドを併用することが好ましく、その態様としては、別々の貼付剤として投与するか、当該貼付剤の粘着層内に、(13E)−(11α,15S,17S)−2,5−エタノ−6,9−ジオキソ−11,15−ジヒドロキシ−17,20−ジメチルプロスタ−13−エン酸と共にTRP−2またはインフルエンザウイルスNPペプチドを含有させた貼付剤として投与することがより好ましい。
上記した医薬または医薬組成物(特に貼付剤)においては、皮膚に局所投与することにより薬物の全身循環を回避することができるため、経口投与、静脈投与等による全身循環によって想定され得る副作用を少なくすることができる。
本発明には、EP1アゴニストによって活性化された細胞傷害性T細胞も含まれる。該細胞は、公知の技術によって培養された未成熟なT細胞に、至適量のEP1アゴニストを処理することによって製造することができる。細胞傷害性T細胞の活性化の有無は、通常用いられている方法、例えば、フローサイトメトリー解析等によって分析することができる。このようにして得られた該細胞は、免疫療法、例えば、CTL療法に用いることができる。
EP1アゴニストが本発明の効果を示すことは、以下の実験によって証明された。以下に実験方法を示すが、これに限定されるものではない。例えば、下記実施例で用いた抗原ペプチドであるTRP−2、インフルエンザウイルスNPペプチドの代わりに、上記に列挙した抗原ペプチドを用いて同様の操作を行なうことにより、対象とする癌や微生物感染症に対する免疫増強作用も評価することができる。
実施例1:頚部リンパ節における細胞傷害性T細胞の活性化
実施例1(1):C57BL/6(B6)マウス耳翼の角質層を、粘着テープを用いてストリッピング操作を10回繰り返すことにより破壊し、被験物質として抗原ペプチドあるいはEP1アゴニストを塗布した。抗原ペプチドとしては、メラノーマ特異的抗原ペプチド(アコード(株)ペプチド事業部;以下、TRP−2と略記する。)を70%エタノールに溶解させた溶液を用い、耳翼片面当たり10μgを塗布した。EP1アゴニストとしては、(13E)−(11α,15S,17S)−2,5−エタノ−6,9−ジオキソ−11,15−ジヒドロキシ−17,20−ジメチルプロスタ−13−エン酸(以下、化合物Aと略記する。)を用い、アセトン:オリーブオイル=10:1の混合溶媒に溶解して耳翼片面当たり100μM溶液を20μL塗布した。被験物質塗布から1週間後に頚部リンパ節を除去した。テトラマー(医学生物学研究所(株))によるフローサイトメトリー解析(FACScaliber;ベクトン・ディッキンソン(株))により、頚部リンパ節における全単核球細胞数を100としたときのTRP−2特異的CTLの頻度を測定した。なお、実験群としては、(1)テープストリッピング法(以下、TSと略記する。)のみ行なった群、(2)TS後にTRP−2を塗布した群、(3)TS後に化合物Aを塗布した群、(4)TS後にTRP−2および化合物Aを塗布した群を設けた。
なお、メラノーマ特異的抗原ペプチドであるTRP−2は、前記非特許文献1記載の下記に示す部分配列に基づいて合成した(アコード(株)ペプチド事業部)。
TRP−2:tyrosinase-related protein 2 181-188
配列:Val Tyr Asp Phe Phe Val Trp Leu (配列番号1)
(結果)
結果を以下の表1に示す。
Figure 2009133863
EP1アゴニストとして化合物Aを塗布した群(実験群(3)および(4))では、実験群(1)に比べて、頚部リンパ節中のTRP−2特異的CTLの割合が増加したことから、EP1アゴニストはTRP−2特異的CTLの活性化作用を有することが示唆された。また、実験群(4)の結果から、EP1アゴニストを抗原ペプチドと併用することにより、その作用は増強されることが示唆された。
実施例1(2):抗原ペプチドとして、インフルエンザウイルス特異的抗原であるNPペプチド(以下、NPと略記する。)を用い、実施例1(1)と同様の操作を行なって、被験化合物をC57BL/6(B6)マウスに塗布した。被験物質塗布から5日後に、取り出した頚部リンパ節から実験群毎に頚部リンパ球を採取した。採取した脾細胞リンパ球とNPとをIL−2(10U/mL)含有培地で共培養し、NP特異的CTLを増幅させた。一方、標的細胞として、マウス胸腺腫由来EL4細胞を、カルセイン(同仁化学)で標識した上、10μg/mLのNPに曝露したNPパルスEL4細胞群とNPパルスを行わなかったEL4細胞群を設けた。上記で培養したNP特異的CTLとカルセイン標識EL4細胞を混合し、3時間後の残存しているカルセイン標識EL−4細胞数についてテラスキャン(ミネルヴァテック株式会社)を用いて測定した。なお、実験群としては、(1)TSのみ行なった群、(2)TS後にNPを塗布した群、(3)TS後にNPおよび化合物Aを塗布した群を設けた。NPパルスの有無に応じて、実験群毎にEL4細胞数のカウントを行った。比溶解(Specific lysis)(%)は、常法により、以下の計算式を用いて算出した。
比溶解(Specific lysis)(%)={1−(EL4細胞のカウント数)}×100
なお、インフルエンザウイルス特異的抗原ペプチドであるNPは、配列番号2示す部分配列(Nature、第348巻、252−254ページ、(1990)年)を用いた(MBL(株式会社 医学生物学研究所))。
インフルエンザウイルスA/PR/8/34株;インフルエンザウイルス核タンパク質(NP)366-374
配列:Ala Ser Asn Glu Asn Met Glu Thr Met (配列番号2)
[結果]
実施例1(2)の結果を以下の表2に示す。なお、値は比溶解(Specific lysis)(%)を示す。
Figure 2009133863
以上から、抗原ペプチドを投与する(実験群(2))と、NPを発現しているEL4細胞のみを特異的に攻撃することが示されたことから、NP特異的CTLが誘導されていることが示された。さらに、EP1アゴニストを同時投与した群(実験群(3))の結果から、EP1アゴニストと抗原ペプチドとを併用することにより、そのNP特異的CTL誘導能は著しく増強されることが示唆された。
実施例2:単離ランゲルハンス細胞における細胞傷害性T細胞の活性化
C57BL/6(B6)マウス耳翼の一方の角質層から、一定面積に削除した耳翼表皮シートをトリプシン処理することによって表皮細胞浮遊液を得た。得られた表皮細胞浮遊液をI−Ab抗原に特異的な抗体を用いて、パンニング(panning)法により表皮ランゲルハンス細胞を単離した。単離したランゲルハンス細胞(細胞密度;1mLあたり105個)に各被験物質(TRP−2(濃度;10μg/mL)および化合物A(1μM))を添加した後、培地(cRPMI1640培地;シグマ株式会社)で培養した。半日後、B6マウスの頚部リンパ節から単離した脾細胞リンパ球と7日間共培養した。その後、テトラマー(医学生物学研究所(株))によるフローサイトメトリー解析(FACScaliber;ベクトン・ディッキンソン(株))により、培地中の全単核球細胞数を100としたときのTRP−2特異的CTLの頻度を測定した。なお、実験群としては、(1)無処理群、(2)TRP−2を添加した群、(3)TRP−2および化合物Aを添加した群を設けた。
(結果)
結果を以下の表3に示す。
Figure 2009133863
抗原ペプチドとして、TRP−2を添加した群(実験群(2))では、B6脾細胞リンパ球中のTRP−2特異的CTLの割合が増加し、TRP−2特異的CTLが誘導されていることがわかった。さらに、EP1アゴニストを同時添加した群(実験群(3))の結果から、EP1アゴニストと抗原ペプチドとを併用することにより、そのTRP−2特異的CTL誘導能は増強されることが示唆された。
実施例3:培養ランゲルハンス細胞における細胞表面分子の発現変動
上記実施例2と同様の操作により、C57BL/6(B6)マウスのランゲルハンス細胞を単離した後、EP1アゴニストとして化合物A(1μM)を添加し、半日間、培地(cRPMI1640培地;シグマ株式会社)で培養した。その後、これを細胞表面分子であるI−Ab、B7−1(CD80)、B7−2(CD86)、CD40およびICAM−1(CD54)に特異的な抗体を用いて染色し、フローサイトメトリーでそれらの発現変動を解析した。対照区としては、化合物Aを添加する以外は同様の処理をした実験群を設けた。
(結果)
結果を以下の表4に示す。
Figure 2009133863
この結果から、EP1アゴニストは、ランゲルハンス細胞において、MHCクラスII抗原分子であるI−Abだけでなく、T細胞への共刺激分子である、B7−1およびICAM−1分子の発現を増強させることがわかった。
実施例4:メラノーマ増殖抑制作用
B6マウスの右耳翼の角質層を実施例1と同様にTSで除去した所に、被験物質(TRP−2および化合物A)を塗布し、2週間後に左耳翼についても同様の処理を行なった。両耳に塗布した被験物質はいずれも同じ組合せのものを用い、TRP−2は耳翼片面当たり10μg、化合物Aは耳翼片面当たり100μM溶液20μLをそれぞれ塗布した。上記処理を行なった4日後のマウスに、B16メラノーマ細胞(理化学研究所細胞バンク)を2×105個皮下移植し、腫瘍増殖を観察した。実験群としては、(1)TSのみ行なった群、(2)TS後にTRP−2を塗布した群、(3)TS後にTRP−2および化合物Aを塗布した群を設けた(各群4例)。
(結果)
腫瘍増殖の指標として、B16メラノーマ細胞接種後の日数における各群の腫瘍直径(mm)を測定した結果を図1に示す。
EP1アゴニストとして化合物Aを塗布した群(実験群(3))では、実験群(1)に比べて、腫瘍直径が小さく、腫瘍増殖速度の低下が観察された。その効果は、TRP−2(実験群(2))に比べて顕著に腫瘍増殖速度が低下したことから、EP1アゴニストと抗原ペプチドを併用することで、抗原ペプチドのメラノーマ増殖抑制作用が著しく増強されることが示唆された。
実施例5:メラノーマ接種マウスにおける延命効果
2×105個のB16メラノーマ細胞を実施例4と同様に、B6マウスに移植した。移植後5日目に、B6マウスの右耳翼を実施例2と同様の方法により、各被験物質(TRP−2(耳翼片面当たり10μg)、化合物A(耳翼片面当たり100μM溶液を20μL)を投与した。それから10日後に、左耳翼についても同様の処理を行ない、各実験群のマウスの生死を確認した。なお、実験群としては、(1)TSのみ行なった群、(2)TS後に化合物Aを塗布した群、(3)TS後にTRP−2および化合物Aを塗布した群を設定した(各群8例)。
(結果)
各実験群の生存個体数(匹数)の推移を表5に示す。
Figure 2009133863
実験群(1)では36日目に全例死亡したのに対して、EP1アゴニストを投与した群ではいずれも36日目でも生存個体数があったことから、EP1アゴニストによるメラノーマ接種マウスにおける延命効果が示された。とりわけ実験群(3)においては、移植後56日目においても半数が生存しているという顕著な延命効果が示され、EP1アゴニストと抗原ペプチドを併用することにより、その延命効果が増強されることが示唆された。
実施例6:頚部リンパ節におけるNK1.1+細胞の活性化
実施例1と同様に、B6マウス耳翼の角質層を粘着テープを用いて、ストリッピング操作を10回繰り返すことにより破壊し、被験物質としてEP1アゴニスト(化合物A;耳翼片面当たり100μM溶液20μL)を塗布した。被験物質塗布から2週間後に頚部リンパ節を除去した。フローサイトメトリー解析を行い、頚部リンパ節における全単核球細胞数を100としたときのNK1.1+細胞の頻度を測定した。なお、実験群としては、(1)TSのみ行なった群、(2)TS後に化合物Aを塗布した群を設けた。
(結果)
結果を以下の表6に示す。
Figure 2009133863
EP1アゴニストとして化合物Aを塗布した群(実験群(2))では、実験群(1)に比べて、頚部リンパ節中のNK1.1+細胞の割合が増加したことから、EP1アゴニストはNK1.1+細胞の活性化作用を有することが示唆された。
実施例7:脾臓リンパ球増殖能試験
実施例6と同様に、TSを行なった後、被験物質として化合物A(耳翼片面当たり100μM溶液20μL)を塗布した。被験物質塗布から1週間後に脾臓リンパ球を回収し、37℃、3日間、IL−2(10U/mL)含有培地(cRPMI1640培地;シグマ株式会社)で培養した。細胞増殖試薬としてWST−1(タカラバイオ株式会社)を用いて、細胞増殖能試験を行なった(吸光度450nm)。実験群は、実施例6と同様の実験群を設けた(各群3例)。
(結果)
結果を以下の表7に示す。添加したWST−1がすべてフォルマザンに分解されたときの450nmにおける吸光度を1としたときの、各実験群の吸光強度の相対値をWST−1の取り込み率、すなわち細胞増殖率を示した。
Figure 2009133863
EP1アゴニストとして化合物Aを塗布した群(実験群(2))では、実験群(1)に比べて、細胞増殖率が増加したことから、EP1アゴニストは脾臓リンパ球の増殖能を有することが示唆された。
[製剤例]
製剤例1:錠剤
(13E)−(11α,15S,17S)−2,5−エタノ−6,9−ジオキソ−11,15−ジヒドロキシ−17,20−ジメチルプロスタ−13−エン酸(300mg)のエタノール溶液(1000mL)溶液、ステアリン酸マグネシウム(10g)、二酸化ケイ素(2000mg)、タルク(1000mg)、線維素グリコール酸カルシウム(20g)を常法により混合し、乾燥後、微結晶セルロース(500g)を加え、全量を100gとし、均一になるまで良く混合した後、常法により打錠し、1錠中に30μgの活性物質を含有する錠剤10000錠を得た。
製剤例2:注射剤
(13E)−(11α,15S,17S)−2,5−エタノ−6,9−ジオキソ−11,15−ジヒドロキシ−17,20−ジメチルプロスタ−13−エン酸(50mg)を注射用蒸留水(30L)に溶解し、溶液をメンブランフィルターで滅菌濾過した後、5mL用量の注射用アンプルに3mLずつ注入して、1アンプル中に、5μgの活性物質を含有する注射剤(10000アンプル)を得た。
製剤例3:貼付剤
スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(300mg)、超淡色ロジンエステル(300mg)および軽質流動パラフィン(400mg)を酢酸エチル(キシダ化学製)(1000mg)に溶解させて、粘着液を調製した。(13E)−(11α,15S,17S)−2,5−エタノ−6,9−ジオキソ−11,15−ジヒドロキシ−17,20−ジメチルプロスタ−13−エン酸(40mg)を粘着液に溶解させて塗工液を調製した。塗工液を支持体上に、厚みが約60μmになるようにベーカー式アプリケーターを用いて展延した。粘着面を室温下、18時間減圧乾燥させた。乾燥した粘着面を剥離ライナーで覆い、適宜カットして貼付剤(主成分量:0.2mg/cm2)を作製した。
EP1アゴニストは、細胞傷害性T細胞活性化作用および/またはナチュラルキラー細胞の活性化を介した免疫増強作用を有する。そのため、癌、微生物感染症等の予防および/または治療に有用である。

Claims (14)

  1. EP1アゴニストを含有してなる免疫増強剤。
  2. EP1アゴニストが、一般式(I)
    Figure 2009133863
    (式中、Aは4〜7員の炭素環を表し、
    1は、水酸基、C1〜4のアルコキシ基またはNR45(式中、R4およびR5は各々独立して、水素原子またはC1〜4のアルキル基を表す。)を表し、
    2は、1個の水酸基で置換された、C1〜8のアルキレン基、C3〜8のアルケニレン基またはC3〜8のアルキニレン基を表し、
    3は、
    (1)水素原子またはC1〜4のアルキル基、
    (2)1〜3個のC1〜4のアルキル基、C1〜4のアルコキシ基、ハロゲン原子、トリフルオロメチル基またはニトロ基で置換されてもよい、フェニル基またはC3〜7のシクロアルキル基、または
    (3)1〜3個のC1〜4のアルキル基、C1〜4のアルコキシ基、ハロゲン原子、トリフルオロメチル基またはニトロ基で置換されてもよい、フェノキシ基を表す。)で示される基を表し、
    Figure 2009133863
    は、α配置の結合を表し、
    Figure 2009133863
    は、β配置の結合を表す。
    ただし、(i)R2が1個の水酸基で置換されたC3〜8のアルケニレン基またはC3〜8のアルキニレン基を表す時、基中の水酸基は、二重結合または三重結合に関係する炭素原子には結合せず、かつ(ii)R3が(3)を表す時、R2中の水酸基と当該R3基とは、同一の炭素原子には結合しないものとする。)
    で示される6−オキソ−PGE1化合物、その塩またはそのシクロデキストリン包接化合物である請求項1記載の剤。
  3. 癌および/または微生物感染症に対する免疫増強に用いられる請求項1記載の剤。
  4. 癌が、消化器癌、皮膚癌、呼吸器癌、泌尿器癌、肝臓癌、および膵臓癌から選択される1種以上である請求項3記載の剤。
  5. 皮膚癌がメラノーマである請求項4記載の剤。
  6. 微生物が、ウイルス、細菌および真菌から選択される1種以上である請求項3記載の剤。
  7. ウイルスがインフルエンザウイルスである請求項6記載の剤。
  8. EP1アゴニストが(13E)−(11α,15S,17S)−2,5−エタノ−6,9−ジオキソ−11,15−ジヒドロキシ−17,20−ジメチルプロスタ−13−エン酸である請求項2記載の剤。
  9. さらに抗原ペプチドを含有する請求項1記載の剤。
  10. 抗原ペプチドがメラノーマ特異的抗原ペプチドである請求項8記載の剤。
  11. (13E)−(11α,15S,17S)−2,5−エタノ−6,9−ジオキソ−11,15−ジヒドロキシ−17,20−ジメチルプロスタ−13−エン酸を有効成分として含有し、さらにメラノーマ特異的抗原ペプチドを任意で含有していてもよい、メラノーマに対する免疫を増強させるための医薬。
  12. EP1アゴニストの有効量を、任意により抗原ペプチドとの併用で、哺乳動物に投与することを特徴とする、哺乳動物における免疫増強方法。
  13. 任意により抗原ペプチドと併用される、免疫増強剤を製造するためのEP1アゴニストの使用。
  14. 任意により抗原ペプチドと併用される、免疫増強のためのEP1アゴニスト。
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