JPWO2009123255A1 - アプタマー選抜方法及び装置、ならびにアプタマーを用いたセンサ方法 - Google Patents

アプタマー選抜方法及び装置、ならびにアプタマーを用いたセンサ方法 Download PDF

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Abstract

本発明の目的は、分子に特異的に結合する核酸であるアプタマーを選抜する方法及び装置であって、操作が簡便で汎用性の高いものを開発することにある。本発明が提供する、アプタマー選抜方法は、分子に特異的に結合する核酸であるアプタマーを選抜する方法であって、核酸の二本鎖部分に特異的に結合する二本鎖核酸結合物質が、アプタマー候補である第1の一本鎖核酸の配列の少なくとも一部がハイブリダイズすることによって形成される核酸の二本鎖部分に結合する第1の工程と、第1の一本鎖核酸と、第1の一本鎖核酸が特異的に結合する分子と、が結合する第2の工程と、分子と結合する第1の一本鎖核酸と、二本鎖核酸結合物質と、が離れる第3の工程と、を有する。

Description

本発明は、アプタマー選抜方法、選抜用装置、及び選抜装置、ならびにアプタマーを用いたセンサ方法及び装置に関する。
DNA、RNA、PNA等の核酸の中には、特定の分子に特異的に結合する性質を有するものが存在する。このような核酸は一般的にアプタマーと呼ばれる。タンパク質の中には、抗体と呼ばれるタンパク質が存在し、抗体は特定の分子(抗原)に特異的に結合する性質を有する。アプタマーは、特定の分子に特異的に結合するという点で抗体と似ているが、抗体はタンパク質であるのに対し、アプタマーは核酸であるという点で異なる。アプタマーが特異的に結合する分子を本発明では標的分子と呼ぶ。
アプタマーを選抜するために様々な方法が存在するが、その中でも最も有名な方法が、特許文献1(US 5475096A1)に示されているSystematic Evolution of Ligands by Exponential Enrichment(SELEX法)である。
特許文献1(US 5475096A1)に記載されているSELEX法では、まず初めに、標的分子をカラム等に固定化し、そこに多種多様のアプタマー候補の核酸が含まれた核酸プールを流し込む。このとき、アプタマーではない核酸は標的分子に結合しないため、アプタマーでない核酸はカラムには固定化されない。対して、アプタマーである核酸は標的分子に結合するため、標的分子を介してアプタマーである核酸がカラムに固定化される。このようにして、カラムに固定化された核酸のみを抽出することによって、アプタマーを選抜することが可能となる。
しかし、選抜されたアプタマーは、必ずしも標的分子に対して最適な配列を持つ核酸ではない。そこで、SELEX法では、上記の工程で選抜された核酸の配列を、アプタマーとして最適化させるために、選抜した核酸を鋳型として、Polymerase Chain Reaction(PCR)で増幅し、その増幅産物を基に、新たな核酸プールを作製する。PCRとは、用意した核酸を鋳型として増幅させ、その核酸のコピーを大量に作成する手法の一つである。通常、PCRによって増幅した核酸は、鋳型となる核酸配列と同じ配列を有する。しかし、SELEX法のPCRでは、通常とは異なる条件で増幅を行うことによって、得られる増幅産物中に含まれる核酸の一部は、鋳型とは僅かに異なる配列を有する核酸とすることができる。このようにして、アプタマーとして選抜された核酸と同じ配列を有するものと、その配列とは僅かに異なる多種多様な核酸配列の核酸が混在する核酸プールができる。そして、得られた核酸プールを標的分子が固定化されたカラムに流し込み、その中からアプタマーを再度選抜する。このように、アプタマーの選抜工程と、選抜された核酸を鋳型として得られる増幅産物を基に、次段の選抜用の核酸プールを作製する工程とを繰り返すことによって、アプタマーとしての核酸配列を最適化することができる。なお、本発明において、核酸を増幅するとは、用意した核酸を鋳型として、調製される増幅産物を基に、鋳型と同じ配列を有する核酸コピーを大量に作製することと、用意した核酸を鋳型として、鋳型の同じ配列の核酸に加えて、その核酸とは僅かに異なる配列を有する核酸を大量に作製することの両方を指す。
特許文献2(US 6706482B2)によれば、特許文献1(US 5475096A1)のように標的分子をカラムへ固定化せずに、SELEX法を行う方式が述べられている。具体的な方式としては、選抜する核酸の一端を蛍光色素などの化合物で修飾(標識)し、その化合物(標識)を選択できるカラムを用いることによって、SELEX法を行っている。
また、非特許文献1(D. P. Morse, Biochem. Biophys. Res. Commun., no.359, pp.94‐101 (2007))によれば、特許文献1(US 5475096A1)のように標的分子をカラムへ固定化せずに、SELEX法を行う方式が述べられている。具体的な方式としては、アプタマー候補の核酸の5’末端にある約6塩基と相補な核酸断片を用いる。この核酸断片には、ビオチンが結合されている。これによって、アプタマー候補の核酸の5’末端には、相補な核酸断片を介して、ビオチンが結合される。このアプタマー候補の核酸を、アビジンを固定化したカラムに導入すると、ビオチンとアビジンの高い親和力により、アプタマー候補の核酸がカラムに固定化される。そのカラムに標的分子を導入したときに、標的分子と高い結合能を有するアプタマーが有れば、アプタマー候補の核酸の5’末端にあるハイブリタイゼーションが壊れて、高い結合能を有するアプタマーを選抜することができる。
また、非特許文献2(Manjula Rajendran et al., Nucleic Acids Res. vol.31, no.19, pp.5700-5713. (2003))によれば、特許文献1(US 5475096A1)のように標的分子をカラムへ固定化せずに、SELEX法を行う方式が述べられている。具体的な方式としては、非特許文献1(D. P. Morse, Biochem. Biophys. Res. Commun., no.359, pp.94‐101 (2007))に開示される方式とよく似ているが、相補な核酸断片のビオチンが結合されていない末端に蛍光クエンチャーが結合しており、アプタマー候補の核酸に蛍光試薬が結合している。このため、アプタマー候補の核酸と相補な核酸断片がハイブリタイゼーションしたとき、蛍光試薬と蛍光クエンチャーが影響し合い、蛍光色を発色しない様になっている。
また、非特許文献3(Nutiu R, and Li Y., Angew. Chem. Int. Ed. Engl, vol.44, pp.1061-1065, (2005))によれば、特許文献1(US 5475096A1)のように標的分子をカラムへ固定化をせずに、SELEX法を行う方式が述べられている。具体的な方式としては、非特許文献1(D. P. Morse, Biochem. Biophys. Res. Commun., no.359, pp.94‐101 (2007))に開示される方式と似ているが、違いとして、相補な核酸断片がアプタマー候補の核酸の中程でハイブリタイゼーションすることが挙げられる。
米国特許第5475096号明細書 米国特許第6706482号明細書 D. P. Morse, "Direct selection of RNA beacon aptamers", Biochem. Biophys. Res. Commun., no.359, pp.94‐101 (2007) Manjula Rajendran et al., "In vitro selection of molecular beacons", Nucleic Acids Res. vol.31, no.19, pp.5700-5713. (2003) Nutiu R, and Li Y., "In vitro selection of structure-switching signaling aptamers", Angew. Chem. Int. Ed. Engl, vol.44, pp.1061-1065, (2005)
しかしながら、上記で説明した方法では、標的分子或いはアプタマー候補の核酸をカラム等に固定化するために、標的分子或いはアプタマー候補の核酸またはその核酸と相補な核酸断片に修飾処理(標識)を施さなければならない。なお、核酸同士のハイブリダイゼーションは、ここで言う修飾処理(標識)には含まれないものとする。
特許文献1(US 5475096A1)に示される方法では、標的分子をカラム等に固定化する必要がある。標的分子の固定化は、標的分子の一部を修飾して、カラム等に結合したリンカー分子と標的分子を結合させることによって実現される。しかし、標的分子を修飾するのは以下の理由から望ましくない。
まず、標的分子の一部が修飾によって変更されるため、アプタマーの「エピトープ」(認識部)となりうる部位が標的分子から消えてしまう恐れがある。また、標的分子がリンカー分子を介在としてカラム等に固定化されるため、標的分子からアプタマーへの提示部位が限られてしまう。さらに、標的分子が低分子である場合、リンカー分子との接続に使用できる官能基が少ないため、標的分子とリンカー分子との接続が難しいという問題もある。以上のように、標的分子の固定化は、アプタマーが標的分子を認識するのを邪魔するだけでなく、技術的に全ての標的分子に用いることができないため汎用性が低い、という問題がある。
特許文献2(US 6706482B2)及び非特許文献1〜3(D. P. Morse, Biochem. Biophys. Res. Commun., no.359, pp.94‐101 (2007), Manjula Rajendran et al., Nucleic Acids Res. vol.31, no.19, pp.5700-5713. (2003),Nutiu R, and Li Y., Angew. Chem. Int. Ed. Engl, vol.44, pp.1061-1065, (2005))では、標的分子を固定化せずに、アプタマー候補の核酸、またはそれに相補な核酸断片に修飾(標識)等の処理を施して、アプタマー候補の核酸をカラム等に固定化している。
特許文献2(US 6706482B2)に示される方法では、アプタマー候補の核酸の一端を蛍光色素等の化合物で修飾(標識)し、その化合物を介在して核酸をカラムに固定化している。従って、特許文献2(US 6706482B2)の方法では、全てのアプタマー候補の一端を修飾処理(標識)しなければいけない。これは、作業工程的に非常に面倒である。
非特許文献1〜3(D. P. Morse, Biochem. Biophys. Res. Commun., no.359, pp.94‐101 (2007), Manjula Rajendran et al., Nucleic Acids Res. vol.31, no.19, pp.5700-5713. (2003),Nutiu R, and Li Y., Angew. Chem. Int. Ed. Engl, vol.44, pp.1061-1065, (2005))に示される方法では、アプタマー候補の核酸の一部と相補な核酸断片を用い、その核酸断片の一端を修飾処理(標識)してカラムに固定化している。そして、アプタマー候補の核酸と相補な核酸断片のハイブリタイゼーションを介してアプタマー候補の核酸をカラムに固定化している。従って、非特許文献1〜3(標識)の方法では、アプタマー候補と相補な核酸断片全ての一端を修飾処理(標識)しなければいけない。これは、特許文献2(US 6706482B2)と同様に、作業工程的に非常に面倒である。
さらに、特許文献1(US 5475096A1)、特許文献2(US 6706482B2)、非特許文献1〜3(D. P. Morse, Biochem. Biophys. Res. Commun., no.359, pp.94‐101 (2007), Manjula Rajendran et al., Nucleic Acids Res. vol.31, no.19, pp.5700-5713. (2003),Nutiu R, and Li Y., Angew. Chem. Int. Ed. Engl, vol.44, pp.1061-1065, (2005))の全てに共通する問題として、アプタマー選抜方法としての汎用性の低さが挙げられる。アプタマーの選抜では、多種多様な核酸配列が用いられる。そして、標的分子は、実験者の目的に応じて変化するため、用いられる標的分子も多種多様である。そのため、特許文献1(US 5475096A1)、特許文献2(US 6706482B2)、非特許文献1〜3(D. P. Morse, Biochem. Biophys. Res. Commun., no.359, pp.94‐101 (2007), Manjula Rajendran et al., Nucleic Acids Res. vol.31, no.19, pp.5700-5713. (2003),Nutiu R, and Li Y., Angew. Chem. Int. Ed. Engl, vol.44, pp.1061-1065, (2005))の方法では、実験を行う度に、標的分子またはアプタマー候補の核酸に対して実験者が同様の修飾処理(標識)を施す必要がある。
本発明の目的は、標的分子、あるいはアプタマー候補の核酸をカラム等に固定化するために、標的分子、あるいはアプタマー候補の核酸またはその核酸と相補な核酸断片に修飾処理(標識)を施さずに、アプタマー選抜を可能とするアプタマー選抜方法及び装置を提供することにある。
本発明のアプタマー選抜方法は、
分子に特異的に結合する核酸であるアプタマーを選抜する方法であって、
核酸の二本鎖部分に特異的に結合する二本鎖核酸結合物質が、アプタマー候補である第1の一本鎖核酸の配列の少なくとも一部がハイブリダイズすることによって形成される核酸の二本鎖部分に結合する第1の工程と、
第1の一本鎖核酸と、第1の一本鎖核酸が特異的に結合する分子と、が結合する第2の工程と、
分子と結合する第1の一本鎖核酸と、二本鎖核酸結合物質と、が離れる第3の工程と、を有する
ことを特徴とする方法である。
また、本発明のアプタマー選抜用装置は、
分子に特異的に結合する核酸であるアプタマーを選抜するのに用いるアプタマー選抜用装置であって、
部材と、
部材に結合した二本鎖核酸結合物質と、を有し、
二本鎖核酸結合物質が、アプタマー候補である一本鎖核酸の配列の少なくとも一部がハイブリダイズすることによって形成される核酸の二本鎖部分に特異的に結合し、一本鎖核酸が特異的に結合する分子が、一本鎖核酸に結合すると、一本鎖核酸と二本鎖核酸結合物質とが離れる
ことを特徴とする装置である。
また、本発明のセンサ用装置は、
分子を検知するために用いられるセンサ用装置であって、
部材と、
部材に結合した第1の二本鎖核酸結合物質と、
第1の二本鎖核酸結合物質が特異的に結合した、分子のアプタマーを有する一本鎖核酸の配列の少なくとも一部がハイブリダイズすることによって形成される核酸の二本鎖部分と、を有し、
分子がアプタマーに結合すると、一本鎖核酸と第1の二本鎖核酸結合物質とが離れる
ことを特徴とする装置である。
また、本発明のセンサ装置は、
分子を検知するセンサ装置であって、
部材と、
部材に結合した二本鎖核酸結合物質と、
二本鎖核酸結合物質が特異的に結合した、分子のアプタマーを有する一本鎖核酸の配列の少なくとも一部がハイブリダイズすることによって形成される核酸の二本鎖部分と、
二本鎖核酸結合物質に結合した核酸、または/および二本鎖核酸結合物質から離れた核酸の少なくとも一部を検知する核酸検知手段と、を有し、
分子がアプタマーに結合すると、一本鎖核酸と二本鎖核酸結合物質とが離れる
ことを特徴とする装置である。
また、本発明のセンサ装置は、
分子を検知するセンサ装置であって、
部材と、
部材に結合した第1の二本鎖核酸結合物質と、
第1の二本鎖核酸結合物質が特異的に結合した、分子のアプタマーを有する一本鎖核酸の配列の少なくとも一部がハイブリダイズすることによって形成される核酸の二本鎖部分と、
核酸の二本鎖部分に結合した第2の二本鎖核酸結合物質と、
核酸の二本鎖部分に結合した第2の二本鎖核酸結合物質、または/および核酸の二本鎖部分から離れた第2の二本鎖核酸結合物質を検知する二本鎖核酸結合物質検知手段と、を有し、
分子がアプタマーに結合すると、一本鎖核酸と第2の二本鎖核酸結合物質とが離れる
ことを特徴とする装置である。
また、本発明のセンサ方法は、
分子を検知するセンサ方法であって、
部材と、部材に結合した二本鎖核酸結合物質と、二本鎖核酸結合物質が特異的に結合した、分子のアプタマーを有する一本鎖核酸の配列の少なくとも一部がハイブリダイズすることによって形成される核酸の二本鎖部分と、を有し、分子がアプタマーに結合すると、一本鎖核酸と二本鎖核酸結合物質とが離れるセンサ用装置が有するアプタマーに分子が接触する第1の工程と、
第1の工程後に、二本鎖核酸結合物質に結合した核酸、または/および二本鎖核酸結合物質から離れた核酸の少なくとも一部を検知する第2の工程と、を有することを特徴とする方法である。
また、本発明のセンサ方法は、
分子を検知するセンサ方法であって、
部材と、部材に結合した第1の二本鎖核酸結合物質と、第1の二本鎖核酸結合物質が特異的に結合した、分子のアプタマーを有する一本鎖核酸の配列の少なくとも一部がハイブリダイズすることによって形成される核酸の二本鎖部分と、核酸の二本鎖部分に結合した第2の二本鎖核酸結合物質と、を有し、分子がアプタマーに結合すると、一本鎖核酸と第2の二本鎖核酸結合物質とが離れるセンサ用装置が有するアプタマーに分子が接触する第1の工程と、
第1の工程後に、核酸の二本鎖部分に結合した第2の二本鎖核酸結合物質、または/および一本鎖核酸から離れた第2の二本鎖核酸結合物質を検知する第2の工程と、を有する
ことを特徴とする方法である。
本発明によれば、核酸の二本鎖部分に特異的に結合する二本鎖核酸結合物質を用いることによって、標的分子、あるいはアプタマー候補の核酸またはその核酸と相補な核酸断片に対して、固定化のための修飾処理を施すことなく、アプタマーを選抜する方法及び装置を実現する。
図1は、本発明の第1の実施形態を模式的に示す図である。 図2は、本発明の第2の実施形態を模式的に示す図である。 図3は、本発明の第3の実施形態を模式的に示す図である。 図4は、本発明の第4の実施形態を模式的に示す図である。 図5は、本発明の第6の実施形態を模式的に示す図である。 図6は、本発明の第6の実施形態を模式的に示す図である。 図7は、本発明の第7の実施形態を模式的に示す図である。 図8は、本発明の第7の実施形態を模式的に示す図である。
図1〜8に示す各符号は、下記の意味を有する。
1 一本鎖核酸
2 一本鎖核酸の一部もしくは全体と相補な核酸断片
3 二本鎖核酸結合物質
4 部材
5 標的分子
6 一本鎖核酸であって、自身の配列とハイブリダイズして二本鎖核酸部分を形成しているもの
7 標識
8 標的分子ではない分子
9 部材に固定化されていない第2の二本鎖核酸結合物質
10 センサ用装置
11 被検査対象物
以下に本発明に係るアプタマー選抜方法及び装置と、アプタマーを利用したセンサ方法及び装置について、図1乃至図8を用いて説明する。
[第1の実施形態]
第1の実施形態では、本発明に係るアプタマー選抜方法及び装置であって、アプタマー候補である一本鎖核酸の少なくとも一部が核酸断片とハイブリダイズして二本鎖核酸部分を形成し、二本鎖核酸結合物質が部材に結合されているアプタマー選抜方法及び装置について説明する。本実施形態におけるアプタマー選抜方法及び装置を図1に示す。
本実施形態のアプタマー選抜方法の第1の工程では、アプタマー候補である一本鎖核酸1の少なくとも一部がハイブリダイズすることによって形成される核酸の二本鎖部分に二本鎖核酸結合物質3が結合する。一本鎖核酸1は、その一部の配列と相補的な配列を有する一本鎖核酸である核酸断片2とハイブリダイズして二本鎖の核酸部分を形成している(図1(A))。この核酸の二本鎖部分に、二本鎖核酸結合物質3が結する(図1(B))。二本鎖核酸結合物質3は、核酸の二本鎖部分に特異的に結合し、核酸の一本鎖部分には結合しない性質を有する。二本鎖核酸結合物質3は部材4に結合しているため、一本鎖酸1も二本鎖核酸結合物質3を介して部材4に結合する。
本実施形態のアプタマー選抜方法の第2の工程では、一本鎖核酸1と標的分子5とが結合する。第1の工程によって、一本鎖核酸1が有する二本鎖核酸部分には二本鎖核酸結合物質3が結合している。この一本鎖核酸1に標的分子5を近づけると(図1(C))、一本鎖核酸1が、標的分子5のアプタマーであった場合は、標的分子5が一本鎖核酸1に結合する(図1(D))。逆に、一本鎖核酸1が、標的分子5のアプタマーでなかった場合は、標的分子5は一本鎖核酸1には結合しない(図1(D))。
本実施形態のアプタマー選抜方法の第3の工程では、標的分子5と結合する一本鎖核酸1と、二本鎖核酸結合物質3とが離れる。第2の工程によって、アプタマーである一本鎖核酸1が標的分子5と結合した際に、ブランチ・マイグレーション(branch migration)が起こり、核酸の二本鎖部分が消える。このブランチ・マイグレーションは、標的分子5と一本鎖核酸1との結合が、核酸の二本鎖部分を形成していた核酸同士の結合よりも強いときに起こる。このようにして核酸の二本鎖部分が消えると、二本鎖核酸結合物質3は一本鎖核酸1には結合し続けられないため、一本鎖核酸1と二本鎖核酸物質3は離れる(図1(E))。アプタマーではない一本鎖核酸1は、二本鎖部分を有し続けるため、二本鎖核酸結合物質3に結合し続ける。
その他、下記のような機構と見做すことも可能である。一本鎖核酸1と核酸断片2のハイブリッド体は、一種の複合体である。従って、複合体の解離平衡は、解離定数KD1=[一本鎖核酸1]・[核酸断片2]/[一本鎖核酸1:核酸断片2]に従う。一本鎖核酸1と標的分子5が、複合体を形成した「(一本鎖核酸1+標的分子5)」と核酸断片2のハイブリッド体は、一種の複合体である。従って、この複合体の解離平衡は、解離定数KD2=[(一本鎖核酸1+標的分子5)]・[核酸断片2]/[(一本鎖核酸1+標的分子5):核酸断片2]に従う。一本鎖核酸1と標的分子5の複合体(一本鎖核酸1+標的分子5)の形成が進行すると、液相中の一本鎖核酸1の濃度[一本鎖核酸1]が低下すると、解離定数KD1に従って、一本鎖核酸1と核酸断片2のハイブリッド体の濃度[一本鎖核酸1:核酸断片2]も次第に減少する。一方、一本鎖核酸1と分子5の複合体(一本鎖核酸1+分子5)と核酸断片2とのハイブリッド体(複合体)の解離定数KD2は、解離定数KD1とは、相違している。解離定数KD2が、解離定数KD1よりも格段に大きく、KD2≫KD1である場合、液相中に存在する標的分子5の濃度[標的分子5]が十分に高い際には、液相中に、一本鎖核酸1と標的分子5の複合体(一本鎖核酸1+標的分子5)が蓄積する。一方、液相中の一本鎖核酸1と核酸断片2のハイブリッド体の濃度[一本鎖核酸1:核酸断片2]が減少するため、一本鎖核酸1と核酸断片2のハイブリッド体と二本鎖核酸物質3と複合体の濃度[(一本鎖核酸1:核酸断片2)+二本鎖核酸物質3]も減少する。最終的に、液相中に、一本鎖核酸1と標的分子5の複合体(一本鎖核酸1+標的分子5)が蓄積し、逆に、一本鎖核酸1と核酸断片2のハイブリッド体と二本鎖核酸物質3と複合体は消失する。
前記の現象は、標的分子5に対する優れた結合能を有する一本鎖核酸1において、上記の解離定数KD2が、解離定数KD1よりも格段に大きく、KD2≫KD1である際に、特に顕著に進行する。
一方、上記の現象は、標的分子5に対する結合能を示さない一本鎖核酸では生じないので、アプタマーではない一本鎖核酸1は、二本鎖部分を有し続けるため、二本鎖核酸結合物質3に結合し続ける。
本実施形態のアプタマー選抜方法の第4の工程では、第3の工程によって二本鎖核酸結合物質3と分離した一本鎖核酸1を回収する。第3の工程によって、アプタマーである一本鎖核酸1は、二本鎖核酸結合物質3とは離れたため、部材4とも離れた状態にある。そこで、例えば、部材4上に溶液等を流すことによって、一本鎖核酸1がその溶液と同時に流され、アプタマーである一本鎖核酸1を回収することができる。アプタマーではない一本鎖核酸1については、その二本鎖部分が二本鎖核酸結合物質3に結合しているため、溶液を流しても流れ落ちたりはせず、部材4に固定化された状態を維持し続ける。従って、本第4の工程では、アプタマーである一本鎖核酸のみを回収することができる。
本発明に係るアプタマー選抜方法によって、標的分子、あるいはアプタマー候補の核酸またはその核酸と相補な核酸断片に対して固定化のための修飾処理を施さずにアプタマーを選抜することが可能となる。従って、標的分子のエピトープ及びアプタマーへの提示部位が消える恐れはなく、標的分子またはアプタマー候補の核酸を部材へ固定化する必要もなくなる。
本発明に係るアプタマー選抜装置は、部材4に二本鎖核酸結合物質3が結合したものである。このアプタマー選抜装置は、その配列の一部が二本鎖部分の形成に携わっているアプタマー候補の多種多様な核酸及び多種多様な標的分子について適用することができるため、汎用性が高い。また、本発明に係るアプタマー選抜装置は、二本鎖核酸結合物質3が有する二本鎖核酸部分に対する結合能が失われない限り、何度でも再利用できる。
二本鎖核酸結合物質3を部材4に結合させる方法は、官能基を利用する等の一般的な固定化方法で良く、その方法は特に限定されない。例えば、二本鎖核酸結合物質3にアミノ基、部材4にカルボキシル基を付加して、これらアミノ基とカルボキシル基が結合することによって、二本鎖核酸結合物質3を部材4に固定化することができる。
本発明で利用する、二本鎖核酸結合物質3は、核酸の二本鎖部分に特異的に結合する物質を表す。従って、二本鎖核酸結合物質3は、核酸の一本鎖部分には結合しない。二本鎖核酸結合物質3には、例えば、インタカレータ、核酸結合タンパク質等があるが、これらに限定されるものではない。インタカレータには、例えば、エチジウムブロマイド、アクチノマイシン、ノガラマイシン、ディスタマイシンA、メチジウムなどがある。核酸結合タンパク質には、例えば、グルーブバインダー、ジンクフィンガー、ロイシンジッパなどがある。
二本鎖核酸結合物質3の中には、特定の二本鎖配列に特異的に結合するものがある。これらを多種類同時に用いることによって、多種多様なアプタマー候補の中からアプタマー選抜が可能となる。
本発明で利用する、核酸は、DNAであってもRNAであっても良い。また、PNAのような核酸模倣体であっても良い。
アプタマー候補の一本鎖核酸は、多種類用意しておくのが望ましい。充分なバリエーションを持つ核酸を用意することにより、より高い結合能を有するアプタマーを選抜することが可能である。
一般的なアプタマーの配列の長さは、30 merから50 merであるが、その長さは特に限定されない。ただし、配列が短すぎるとアプタマーとしての特異性が低くなる。逆に、核酸がRNAであった場合、配列が長すぎると、RNAaseによって分解されやすくなる。核酸の長さは実験条件、実験結果に応じて適宜変更することが望ましい。
後述するように、アプタマー候補である一本鎖核酸は、例えば、PCR法を適用した増幅産物を調製する際、鋳型として利用される。その際、得られる増幅産物は、PCR法を適用した増幅に利用される、下流側プライマーの配列と相補的な配列を、その3’末端に、また、上流側プライマーの配列に相当する配列をその5’末端に有するものとなる。従って、得られる増幅産物は、前記の下流側プライマー、上流側プライマーの配列により決定される、3’末端と5’末端の固定領域の間に、種々の配列を有する、所謂「ランダム配列」部分を具えている。上記の「アプタマーの配列」は、この「ランダム配列」部分に応じて、分子に対する結合能を示す領域に相当している。すなわち、一般に、前記「ランダム配列」部分の長さを、例えば、30 mer〜50 merの範囲に選択する。一方、3’末端と5’末端の固定領域の配列の長さは、それぞれ、PCR法を適用した増幅の条件に応じて適宜選択される、上流側プライマーと下流側プライマーの配列に依存して、選択される。さらには、PCR法を適用した増幅産物をテンプレートとして、in vitro 転写によって、一本鎖RNAを調製する際に、該in vitro 転写に利用するRNAポリメラーゼ酵素のプロモータ配列をその5’末端に具える上流側プライマーが利用される。その場合、調製される一本鎖RNAの5’末端は、前記プロモータ配列の3’末端に連結されている、上流側プライマーの配列に対応する配列となっている。
アプタマー候補である一本鎖核酸が形成する二本鎖核酸部分は、一本鎖核酸のどの部分にあっても良い。一本鎖核酸の端部にあっても良いし、中ほどにあっても良い。また、アプタマー候補である一本鎖核酸の全配列が核酸断片とハイブリダイズして、二本鎖部分を形成していても良い。
なお、アプタマー候補である一本鎖核酸の配列が、上述するような、3’末端と5’末端の固定領域の間に、種々の配列を有する、所謂「ランダム配列」部分を具えている際には、前記の3’末端または5’末端の固定領域を利用して、核酸断片と二本鎖部分を形成する構成を選択することができる。その際、3’末端または5’末端の固定領域の全配列が、核酸断片とハイブリダイズして、二本鎖部分を形成する態様を選択することもできる。あるいは、3’末端または5’末端の固定領域の一部分の配列が、核酸断片とハイブリダイズして、二本鎖部分を形成する態様を選択することもできる。その場合、前記一部分の配列は、一本鎖核酸の3’末端または5’末端に選択することができる。また、前記一部分の配列を、前記3’末端または5’末端の固定領域の他の端に選択し、一本鎖核酸の中ほどに、二本鎖部分を形成する態様を選択することもできる。
一方、所謂「ランダム配列」部分の一部を利用して、核酸断片と二本鎖部分を形成する構成は、通常、利用頻度は低い。
部材4は、核酸への吸着性がないもの、もしくは、核酸への吸着性がない様に処理が可能なものであれば、その材料は特に限定しない。部材4が核酸への吸着性を有する場合は、部材4をブロッキング剤等で処理して、核酸が部材4へ吸着されないようにすれば良い。部材4として、基板を用いても良いし、ビーズを用いても良い。部材4に、導電性材料を用いると、第8の実施形態で説明する本発明に係るセンサ方法及び装置としても使用できる。
上記の第1の工程〜第4の工程は、通常は、溶液中で行う。用いる溶液は、複合体形成反応、複合体解離反応に利用される、一般的な反応溶液で良く、各工程を行う際の、温度、pH、金属イオン等の条件は適宜設定する。具体的な実験条件は、SELEX法の実験の条件と同様で良い。標的分子とアプタマーの結合を促進させるために、Mgイオン(Mg2+)を溶液に加えると良い。ただし、本発明のアプタマー選抜方法は、核酸の二本鎖部分を利用するため、核酸の二重鎖結合が維持できないような温度条件やpH等は望ましくない。また、二本鎖核酸結合物質3が有する二本鎖核酸に特異的に結合する能力が失われるような条件も望ましくない。
第1の一本鎖核酸1と核酸断片2との結合力が強い場合、アプタマーである第1の一本鎖核酸1に標的分子5が触れても、アプタマーと標的分子5は結合せず、アプタマーは二本鎖核酸結合物質3を介して部材4に固定化されたままとなる。このような場合は、温度、pH等の実験条件を変更すれば良い。例えば、温度を核酸の二本鎖部分の融解温度(Tm)を付近に設定することによって、核酸の二本鎖部分が解けやすくなる。核酸の二本鎖部分の融解温度(Tm)とは、二本鎖核酸が熱変性によって一本鎖核酸になる温度である。このように、核酸同士の結合力が弱くなる条件で行うことによって、選抜できるアプタマーを増やすことができる。
第1の工程で二本鎖核酸結合物質に結合しなかった一本鎖核酸は、図1(B)に示すように、除去するのが望ましい。結合しなかった一本鎖核酸をそのまま残しておくと、アプタマー選抜時にアプタマーではない一本鎖核酸が混在してしまい、アプタマー選抜の性能が低くなるためである。
選抜したアプタマーを後にPCRを用いて増幅させるために、アプタマー候補として用いる一本鎖核酸には予めプライマーを付与しておくのが望ましい。特に、後に、第5の実施形態で説明するように、選抜したアプタマーの核酸配列を最適化する場合は、プライマーを付与しておくのが望ましい。また、核酸断片にはプライマーを付与せず、アプタマー候補である一本鎖核酸にのみプライマーを付与しておくと、アプタマーと一緒に回収される核酸断片は増幅されないため、アプタマー選抜の性能を高めることができる。
本発明に係るアプタマー選抜方法を応用する際、工夫次第で、標的分子に対する特異性をより高くすることも可能である。例えば、下記に示す方法によって、標的分子と類似する構造を持つ化合物には結合せず、標的分子にのみ結合するアプタマーを抽出することが可能である。
第1の工程で核酸と二本鎖核酸結合物質が結合した後、標的分子と類似する構造を持つ化合物を核酸と接触させる。そして、標的分子と類似する構造を持つ化合物と結合して、二本鎖核酸結合物質と離れた核酸は除去する。そして、第2の工程以降を実施する。このように、標的分子と類似する構造を持つ化合物と結合する核酸を候補から除くことによって、アプタマーの標的分子に対する特異性を上げることができる。
第1の実施形態では、本発明に係るアプタマー選抜方法及び装置であって、アプタマー候補である一本鎖核酸の一部が核酸断片とハイブリダイズして二本鎖核酸部分を形成し、二本鎖核酸結合物質が部材に結合しているものについて説明した。本発明に係るアプタマー選抜方法では、標的分子、あるいはアプタマー候補の一本鎖核酸またはその一本鎖核酸と相補な核酸断片に対して固定化のための修飾処理は不要である。そのため、標的分子の「エピトープ」(認識部位)、あるいは、アプタマーへの「提示部位」が消える恐れがなく、標的分子、またはアプタマー候補の一本鎖核酸を部材へ固定化するという面倒な処理も必要とされない。そのため、アプタマー選抜の操作が簡易になり、アプタマー選抜の効率性、生産性が高くなる。さらに、本発明に係るアプタマー選抜装置は汎用性が高く、多種多様のアプタマー候補の一本鎖核酸、ならびに標的分子に対して使用することができる。加えて、本発明に係るアプタマー選抜用装置は、二本鎖核酸結合物質が有する二本鎖核酸に対する結合能を失わない限り、再利用が可能である。本発明によって、アプタマー選抜の操作の簡易性、効率性、生産性が上がり、また、汎用性及び再利用性が高い装置の実現が可能となった。
(第1の実施態様)
上記の第1の実施形態にかかるアプタマー選抜方法の具体的な実施態様に関して、トロンビンと特異的に結合するアプタマーの選抜に適用する事例に基づき、説明する。
図1に示した第1の実施形態を、トロンビンと特異的に結合するアプタマーを選抜方法に適用するためには、アプタマーの候補として、一本鎖核酸1の中、上述する「ランダム配列」部分として、長さが30merから50merの「ランダムな配列」を有する候補を用意する。この一本鎖核酸1の少なくとも一部が、核酸断片2とハイブリダイズして二本鎖核酸部分を形成し、部材4に結合されている二本鎖核酸結合物質3によって、該二本鎖核酸部分が結合されているアプタマー候補を用いる。
このような二本鎖核酸結合物質3としては、例えば、インターカレータ、核酸結合タンパク質等が挙げられるが、これらには制限されない。前記インターカレータとしては、例えば、アクリジン、エチジウムブロマイドなどの含窒素縮合環化合物、メチレンブルー、ベンゾピレン、アクチノマイシン、ノガラマイシン、ディスタマイシンA、メチジウム、およびこれらの誘導体等が挙げられる。
このインターカレータには、部材4として利用する、支持体に、固定可能なリンカーを含む。
二本鎖核酸結合物質3に対して、該二本鎖核酸部分が結合されている複合体の検出を、共鳴プラズモン測定装置、例えば、ビアコア等で行う場合には、部材4として利用する、支持体として、該共鳴プラズモン測定装置のセンサ・チップ用の金基板を用いる。
標的分子5と、一本鎖核酸1との複合体形成反応を行う際、その反応溶液として、塩化ナトリウムを溶解したリン酸緩衝液などが使用可能であるが、これに限るものではない。
前記の反応溶液中に、標的分子5のトロンビンが、所定の濃度となるように、トロンビンの水溶液を添加する。標的分子5と、一本鎖核酸1との複合体形成過程では、前記センサ・チップを、該所定濃度のトロンビンを含む反応溶液中において、室温で2時間インキュベートする。
[第2の実施形態]
第2の実施形態では、本発明に係るアプタマー選抜方法であって、アプタマー候補である一本鎖核酸6が、その一本鎖核酸自身の配列とハイブリダイズして二本鎖核酸部分を形成しているアプタマー選抜方法について説明する。第2の実施形態におけるアプタマー選抜方法及び装置を図2に示す。第2の実施形態は、第1の実施形態の応用であるため、第1の実施形態と同様な点については説明を省略する。
第2の実施形態で用いるアプタマー候補の一本鎖核酸6では、一本鎖核酸6の配列の少なくとも一部と、その一本鎖核酸6の配列の少なくとも一部と、がハイブリダイズして核酸の二本鎖部分を形成している(図2(A))。
このように、一本鎖核酸6の一部が自身の相補な配列とハイブリダイズすることによって、一本鎖核酸6のみで核酸の二本鎖核酸部分を形成することができる。そのため、一本鎖核酸6と相補な配列を有する新たな核酸断片を用意する必要がない。
第1、第2、第3、第4の工程は、第1の実施形態と同様に行えば良い。また、アプタマー選抜方法に用いる装置も、第1の実施形態で用いた装置と同じものを用いれば良い。
一本鎖核酸6が形成する核酸の二本鎖部分は、ヘアピン構造、シュードノット構造などが取られるが、二本鎖部分を形成していれば良く、その構造はこれらに限定されるものではない。
その他、下記のような機構と見做すことも可能である。一本鎖核酸が、三次構造を形成する過程は、一種の立体異性体間の平衡反応である。従って、液相中における、立体異性体間の平衡は、平衡定数K=[一本鎖核酸]/[三次構造体]に従う。平衡定数Kが十分に小さい場合、すなわち、1≫K、特には、K≒0である場合には、液相中には、一本鎖核酸6の三次構造体のみが存在していると見做せる。一方、液相中における、一本鎖核酸6の三次構造体と標的分子5の複合体「(三次構造体+標的分子5)」の形成過程は、解離定数KD1=[三次構造体]・[標的分子5]/[(三次構造体+標的分子5)]に従う。また、一本鎖核酸6の三次構造体と二本鎖核酸結合物質3との複合体「三次構造体:二本鎖核酸結合物質3」の形成過程は、解離定数KD2=[三次構造体]・[二本鎖核酸結合物質3]/[三次構造体:二本鎖核酸結合物質3]に従う。同様に、一本鎖核酸6の三次構造体と標的分子5の複合体「(三次構造体+標的分子5)」と二本鎖核酸結合物質3との複合体「(三次構造体+標的分子5):二本鎖核酸結合物質3」の形成過程は、解離定数KD3=[(三次構造体+標的分子5)]・[二本鎖核酸結合物質3]/[(三次構造体+標的分子5):二本鎖核酸結合物質3]に従う。液相中における、一本鎖核酸6の三次構造体と標的分子5の複合体「(三次構造体+標的分子5)」の形成が進行すると、液相中の一本鎖核酸6の三次構造体の濃度[三次構造体]が減少する。その結果、解離定数KD2に従って、一本鎖核酸6の三次構造体と標的分子5の複合体「(三次構造体+標的分子5)」の解離が進行する。その際、液相中に存在する標的分子5の濃度[標的分子5]が十分に高い際には、液相中では、遊離した一本鎖核酸6の三次構造体は、標的分子5と複合体を速やかに形成する。一方、一本鎖核酸6の三次構造体と二本鎖核酸結合物質3との複合体「三次構造体:二本鎖核酸結合物質3」の解離定数KD2と、一本鎖核酸6の三次構造体と標的分子5の複合体「(三次構造体+標的分子5)」と二本鎖核酸結合物質3との複合体「(三次構造体+標的分子5):二本鎖核酸結合物質3」の解離定数KD3とは相違している。解離定数KD3が、解離定数KD2よりも格段に大きく、KD3≫KD2である場合、液相中に存在する標的分子5の濃度[標的分子5]が十分に高い際には、液相中に、一本鎖核酸6の三次構造体と標的分子5の複合体(三次構造体+標的分子5)が蓄積する。その極一部は、一本鎖核酸6の三次構造体と標的分子5の複合体「(三次構造体+標的分子5)」と二本鎖核酸結合物質3との複合体「(三次構造体+標的分子5):二本鎖核酸結合物質3」を構成するが、一本鎖核酸6の三次構造体と標的分子5の複合体(三次構造体+標的分子5)のほぼ全ては、液相中に蓄積される。最終的には、液相中に、一本鎖核酸6の三次構造体と標的分子5の複合体(三次構造体+標的分子5)が蓄積し、逆に、一本鎖核酸6の三次構造体と二本鎖核酸物質3と複合体の大半は消失する。
前記の現象は、標的分子5に対する優れた結合能を有する一本鎖核酸6の三次構造体において、上記の解離定数KD3が、解離定数KD2よりも格段に大きく、KD3≫KD2である際に、特に顕著に進行する。
一方、上記の現象は、標的分子5に対する結合能を示さない一本鎖核酸の三次構造体では生じないので、アプタマーではない一本鎖核酸6は、二本鎖核酸結合物質3に結合し続ける。
第2の実施形態では、本発明に係るアプタマー選抜方法であって、アプタマー候補である一本鎖核酸が自身の配列とハイブリダイズして二本鎖核酸部分を形成しているものについて説明した。一本鎖核酸が自身の配列とハイブリダイズして二本鎖核酸部分を形成することによって、一本鎖核酸と相補な配列を有する別の核酸断片は不要となる。
[第3の実施形態]
第3の実施形態では、本発明に係るアプタマー選抜方法であって、アプタマー候補である核酸の二本鎖部分を二本鎖核酸結合物質に結合させる前に、核酸と標的分子を結合させるアプタマー選抜方法について説明する。第3の実施形態におけるアプタマー選抜方法を図3に示す。第3の実施形態は、第1の実施形態の応用であるため、第1の実施形態、ならびに第2の実施形態と同様な点については説明を省略する。
第3の実施形態の第1の工程では、アプタマー候補として、配列の少なくとも一部がハイブリダイズすることによって形成される二本鎖部分を有する一本鎖核酸1を用意し(図3(A))、これが標的分子5と結合する(図3(B))。このとき、アプタマーである一本鎖核酸1のみが核酸断片2と離れて標的分子5と結合する。アプタマーではない一本鎖核酸1は、核酸断片2とハイブリダイズしたまま二本鎖部分を有し続ける。
第3の実施形態の第2の工程では、第1の工程によって形成された、標的分子5と一本鎖核酸1が結合した物質及び二本鎖部分を有する核酸を分離するために、二本鎖部分を有する核酸のみを二本鎖核酸結合物質3に結合させる(図3(C)、(D))。標的分子5と一本鎖核酸1が結合した物質は、核酸の二本鎖部分を有しないため、二本鎖核酸結合物質3には結合しない。対して、二本鎖部分を有する核酸はその二本鎖部分が二本鎖核酸結合物質3に結合する。二本鎖部分は有する核酸は、二本鎖核酸結合物質3を介して部材に固定化される。
第3の実施形態の第3の工程では、アプタマーである一本鎖核酸1を回収する。例えば、部材4が基板である場合、標的分子5と一本鎖核酸1が結合した物質及び二本鎖部分を有する核酸が含まれる溶液を基板上に注ぎ込むことによって、アプタマーではない二本鎖部分を有する核酸のみを基板に結合させ、アプタマーである一本鎖核酸1を回収することが可能となる。
アプタマー候補である一本鎖核酸1は、核酸断片2とハイブリダイズして二本鎖核酸を形成したものであっても良いし、一本鎖核酸1自身の配列とハイブリダイズして二本鎖部分を形成したものであっても良い。
第3の実施形態では、本発明に係るアプタマー選抜方法であって、アプタマー候補である核酸の二本鎖部分を二本鎖核酸結合物質に結合させる前に、一本鎖核酸と標的分子を結合させるアプタマー選抜方法について説明した。上記で説明したように、二本鎖部分を有するアプタマー候補の核酸は、二本鎖核酸結合物質と標的分子のいずれを先に結合させても良い。
[第4の実施形態]
第4の実施形態では、本発明に係るアプタマー選抜方法あって、タグを有する二本鎖核酸結合物質を用いるアプタマー選抜方法について説明する。第4の実施形態におけるアプタマー選抜方法を図4に示す。第4の実施形態は、第1の実施形態〜第3の実施形態の応用であるため、第1の実施形態〜第3の実施形態と同様な点については説明を省略する。
第4の実施形態におけるアプタマー選抜方法の第1の工程では、第1の実施形態と同様に、アプタマー候補である一本鎖核酸1の配列の少なくとも一部がハイブリダイズすることによって形成される核酸の二本鎖部分が二本鎖核酸結合物質3と結合する(図4(B))。ただし、二本鎖核酸結合物質3が予め部材4に結合していない点で第1の実施形態と異なる(図4(A))。二本鎖核酸結合物質3が部材4に結合していないため、二本鎖核酸結合物質3に結合した一本鎖核酸1も部材には固定化されない。
第4の実施形態の第2の工程では、一本鎖核酸1と標的分子5とが結合する(図4(C))。このとき、一本鎖核酸1がアプタマーであった場合は標的分子5と結合するが、一本鎖核酸1がアプタマーでなかった場合は、標的分子5は一本鎖核酸1には結合しない(図4(D))。
第4の実施形態の第3の工程では、標的分子5と結合する一本鎖核酸1と、二本鎖核酸結合物質3とが分離する(図4(E))。第2の工程において標的分子5がアプタマーである一本鎖核酸1と結合すると、核酸の二本鎖部分が消えるため、二本鎖核酸結合物質3は一本鎖核酸1には結合できず、一本鎖核酸1と二本鎖核酸物質3は離れる。アプタマーではない一本鎖核酸1は二本鎖部分を有し続けるため、二本鎖核酸結合物質3に結合し続ける。
第4の実施形態の第4の工程では、第3の工程によって、二本鎖核酸結合物質3と分離した一本鎖核酸1を回収する(図4(F)、図4(G))。このとき、二本鎖核酸結合物質3と結合している核酸はアプタマーではないため、二本鎖核酸結合物質3と結合している核酸を回収するのは望ましくない。第4工程は、二本鎖核酸結合物質3を選択的に分離することによって実現される。本実施形態の二本鎖核酸結合物質3はタグを有している。このタグとアフィニティーが高い部材4とを用いて二本鎖核酸結合物質3を選択的に抽出することによって、二本鎖核酸結合物質3に結合しているアプタマーでない核酸も併せて抽出することができる(図4(F)。その結果、アプタマーである一本鎖核酸1のみを回収することができる(図4(G))。
二本鎖核酸結合物質3が有するタグとは、二本鎖核酸結合物質3を選択的に抽出可能にする構造または性質を有するものを表し、例えば、His-tagタンパク質やGST融合タンパク質等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
第4の実施形態における部材4は、二本鎖核酸結合物質3のタグとアフィニティーが高い物質であり、部材4は使用するタグに応じて変わる。例えば、His−tagタンパク質を用いる場合は、His−tagタンパク質とアフィニティーが高いコバルトレジン等が望ましく、GST融合タンパク質を用いる場合は、グルタチオン・ビーズ等が望ましい。
アプタマー候補である一本鎖核酸1は、核酸断片2とハイブリダイズして二本鎖核酸部分を形成したものであっても良いし、一本鎖核酸1自身の配列とハイブリダイズして二本鎖部分を形成したものであっても良い。
第4の実施形態では、本発明に係るアプタマー選抜方法であって、タグを有する二本鎖核酸結合物質を用いてアプタマー選抜する方法について説明した。二本鎖核酸結合物質にタグを付与して、二本鎖核酸結合物質を選択的に抽出することが可能であれば、二本鎖核酸物質を予め部材に結合させずに、アプタマー選抜することができる。
[第5の実施形態]
第5の実施形態では、本発明に係るアプタマー選抜方法であって、第4の工程において回収した一本鎖核酸が増幅する第5の工程、第5の工程で増幅した一本鎖核酸を第1の工程の第1の一本鎖核酸として用いて、必要に応じて、第1の工程〜第5の工程を繰り返す第6の工程と、アプタマーである一本鎖核酸の塩基配列を決定する第7の工程を有する方法について説明する。第5の実施形態は、第1の実施形態〜第4の実施形態の応用であるため、第1の実施形態〜第4の実施形態と同様な点については説明を省略する。
第5の実施形態では、第1の実施形態〜第4の実施形態で説明した、第1の工程〜第4の工程によって、アプタマーである一本鎖核酸を回収した後に、この一本鎖核酸を鋳型として、Polymerase Chain Reaction(PCR)等を用いて増幅させる、第5の工程を有する。
第5の実施形態の第6の工程では、第5の工程で増幅した一本鎖核酸を、第1の工程の第1の一本鎖核酸として用いて、必要に応じて、第1の工程〜第5の工程を繰り返す。第1の工程〜第4の工程によって、初めに用意した一本鎖核酸のライブラリからアプタマーを選抜できる。ただし、ここで選抜されたアプタマーは、必ずしも標的分子に最適なアプタマーではない。そこで、第1の工程〜第5の工程を繰り返して、アプタマーである一本鎖核酸の配列を最適化することによって、標的分子とのアフィニティーがより高いアプタマーを選抜することが可能となる。
第6の工程を行う場合、第5の工程では、一本鎖核酸の配列の一部に変異が入るように、一本鎖核酸を増幅させる。これによって、第4の工程で回収した一本鎖核酸の配列と同じ配列の一本鎖核酸に加えて、その配列とは僅かに異なる配列を有する一本鎖核酸が、多種類、生成される。このようにして作製した、アプタマーである一本鎖核酸の配列に似た配列を有する核酸が多数含まれる核酸プールを用いて、第1〜第5の工程を繰り返し行い、アプタマーとしての配列の最適化を行う。
第5の実施形態の第7の工程では、本発明のアプタマー選抜方法によって選抜したアプタマーである一本鎖核酸の塩基配列を決定する。塩基配列は、通常行われているシーケンシング方法によって決定することができ、その方法は特に限定されない。得られたアプタマーをPCRで増幅させて、そのままダイレクトシーケンシングを行っても良いし、ベクターを用いてクローニングを行ってからシーケンシングを行っても良い。
第6の工程では、第1の工程〜第5の工程を複数回繰り返す際、初めは、アプタマーが標的分子と結合しやすい条件や、アプタマー候補の核酸の二本鎖部分が壊れやすい条件でアプタマー選抜を行い、回数を重ねる度に、それらの条件を厳しくするのが望ましい。初めから、アプタマーが標的分子と結合しにくい条件やアプタマーの二本鎖部分が壊れにくい条件でアプタマー選抜を行うと、第4の工程でアプタマーを回収できない場合もある。初めは、条件をゆるく設定してアプタマー候補として多くの一本鎖核酸を選抜し、第6の工程によるアプタマー配列の最適化を行いながら、アプタマー選抜の条件を厳しくしていくことによって、効率良くアプタマーとしての配列の最適化ができる。そして、アフィニティーの高いアプタマー選抜することができる。
アプタマーが標的分子と結合しやすい条件とは、アプタマーと標的分子との結合力が強くなる条件であり、温度、pH等の実験条件を変えることよって条件を設定することができる。
なお、アプタマーと標的分子との結合力が強くなる条件の一つは、アプタマーと標的分子の複合体「(アプタマー+標的分子)」の解離定数K=[アプタマー]・[標的分子]/[(アプタマー+標的分子)]が小さくなる条件に相当している。なお、解離定数Kは、一般に、該複合体の形成エネルギーΔE(但し、ΔE<0)と温度Tに対して、exp(ΔE/kT)の依存性を示すので、温度T、ならびに、pH等の溶液条件に依存するΔEを変化させることで、変化する。
また、標的分子との複合体の形成過程で、アプタマーは、三次構造体を形成していると、一本鎖核酸が、三次構造を形成する過程は、一種の立体異性体間の平衡反応である。従って、液相中における、立体異性体間の平衡は、平衡定数K=[一本鎖核酸]/[三次構造体]に従う。この平衡定数Kを小さくすると、三次構造体の比率が増し、結果的に、アプタマーと標的分子の複合体の比率を増す効果がある。平衡定数Kも、一般に、該三次構造体の形成エネルギーΔE(但し、ΔE<0)と温度Tに対して、exp(ΔE/kT)の依存性を示すので、温度T、ならびに、pH等の溶液条件に依存するΔEを変化させることで、変化する。
アプタマー候補の核酸の二本鎖部分が壊れやすい条件とは、核酸同士の結合力が弱くなる条件であり、温度、pH等の実験条件を変えることによって条件を設定することができる。
なお、アプタマー候補の核酸の二本鎖部分が壊れやすい条件、すなわち、核酸同士の結合力が弱くなる条件の一つは、一本鎖核酸と核酸断片のハイブリッド体「一本鎖核酸:核酸断片」の解離定数KD1=[一本鎖核酸]・[核酸断片]/[一本鎖核酸:核酸断片]が大きくなる条件に相当している。解離定数KD1も、一般に、該ハイブリッド体の形成エネルギーΔE(但し、ΔE<0)と温度Tに対して、exp(ΔE/kT)の依存性を示すので、温度T、ならびに、pH等の溶液条件に依存するΔEを変化させることで、変化する。
第5の工程で、PCRによるアプタマーの一本鎖核酸の増幅を行うために、選抜に用いる一本鎖核酸には、予めプライマーを付けておくのが望ましい。プライマーが付いていることによって、PCRによる増幅を簡易に行うことが可能となる。また、第1の工程で用意した一本鎖核酸が核酸断片とハイブリダイズして二本鎖核酸部分を形成していた場合、第4の工程でアプタマーである一本鎖核酸とアプタマーでない核酸断片の両方が回収されてしまう。しかし、アプタマーである一本鎖核酸にのみプライマーが付いていれば、第5の工程において、アプタマーのみを増幅することができる。
一本鎖核酸に対して与える変異は、逆転写や、PCRを行う際の実験条件を操作して、逆転写酵素や、ポリメラーゼのエラー率を上げることによって起こすことができる。実験条件とは、テンプレートとなるアプタマー配列の量や配列の質、反応溶液に加えるMgやdNTPの量、PCR効率、阻害物質の存在、サイクル数などが挙げられる。
第7の工程で、アプタマーである一本鎖核酸の配列を決定する際には、第5の工程にて行うPCRで一本鎖核酸を鋳型としてそのコピーを大量に作製するのが望ましい。この場合、作製する一本鎖核酸に変異が入らないように、一本鎖核酸を増幅する。一本鎖核酸のコピーを大量に作ることによって、配列を決定しやすくなる。
第5の実施形態では、本発明に係るアプタマー選抜方法であって、第4の工程において回収した一本鎖核酸を増幅させる第5の工程、第5の工程で増幅させた一本鎖核酸を第1の工程の第1の一本鎖核酸として用いて必要に応じて第1〜5の工程を繰り返す第6の工程、アプタマーである一本鎖核酸の塩基配列を決定する第7の工程を有する方法について説明した。これらの工程を実施することによって、アプタマーの配列の最適化を図ることができ、標的分子に対して高い特異性を有するアプタマー選抜が可能となる。また、アプタマーとして選抜された一本鎖核酸の配列を決定することが可能となる。
[第6の実施形態]
第6の実施形態では、本発明に係るアプタマーを用いた分子を検知するために用いられるセンサ用装置、及び、分子を検知するセンサ装置及び方法であって、核酸を検知することによって標的分子を検知することができるものについて説明する。第6の実施形態におけるアプタマーを用いたセンサ用装置及び方法を、図5及び図6を用いて説明する。なお、第6の実施形態と、第1の実施形態〜第5の実施形態と同様な点については、説明を省略する。
本発明に係るアプタマーを用いたセンサ用装置10を、図5(A)、図6(A)に示す。部材4には二本鎖核酸結合物質3が結合している。アプタマーである一本鎖核酸1は、その配列と相補的な配列を有する核酸断片2とハイブリダイズして核酸の二本鎖部分を形成している。アプタマーである一本鎖核酸1は、この二本鎖部分を介して部材4に結合している。一本鎖核酸1及び核酸断片2にはそれぞれ標識7が付加されている。アプタマーである一本鎖核酸1は、標的分子に特異的に結合するアプタマーの配列を有する核酸であれば良い。
第6の実施形態の第1の工程では、センサ装置10が有するアプタマーの一本鎖核酸1と被検査対象物11が接触する(図5(B),図6(B))。このとき、被検査対象物11の中に標的分子5が含まれている場合は、標的分子5とアプタマーである一本鎖核酸1が結合する。標的分子5とアプタマーである一本鎖核酸1が結合した場合、ブランチ・マイグレーションによって一本鎖核酸1が有する二本鎖核酸部分が解かれるため、核酸の二本鎖部分がなくなる。そのため、一本鎖核酸1は、二本鎖核酸結合物質3から離れる(図5(C))。対して、被検査対象物11に含まれる標的分子でない分子8はアプタマーである一本鎖核酸1とは結合しない。そのため、一本鎖核酸1は二本鎖核酸結合物質3に結合し続ける(図6(C))。
前記の過程は、上記第2の実施形態において、説明した過程と同様の原理に基づいている。
第6の実施形態の第2の工程では、二本鎖核酸結合物質3から離れた核酸を検知する。第1の工程において用いた被検査対象物11に標的分子5が含まれていた場合、アプタマーである一本鎖核酸1や核酸断片2が二本鎖核酸結合物質3から離れる。これら二本鎖核酸結合物質3から離れた核酸を検知することができれば、被検査対象物11に標的分子5が含まれていたと判断できる。逆に、二本鎖核酸結合物質3から離れた核酸を検知することができなければ、被検査対象物11に標的分子5は含まれていなかったと判断できる。
第6の実施形態では、第2の工程で、二本鎖核酸結合物質3に結合する核酸を検知することによって、被検査対象物11に標的分子5が含まれていたかを確認することもできる。第1の工程後に、二本鎖核酸結合物質3に結合している核酸の量を調べ、その量と第1の工程前に二本鎖核酸結合物質3に結合していた核酸の量と比較する。そして、第1の工程後に二本鎖核酸結合物質3に結合していた核酸の量が第1の工程前よりも少なければ、被検査対象物に標的分子5が含まれていたため、アプタマーである一本鎖核酸1が二本鎖核酸結合物質3から離れたと判断できる。
このように、本発明に係るセンサ方法及び装置によって、アプタマーが特異的に結合する標的分子が被検査対象物に含まれるか否を調べることができる。本発明に係るセンサ用装置は、第1の実施形態〜第5の実施形態で用いたアプタマー選抜用装置またはアプタマー選抜装置にアプタマーを結合させたものを利用できるため、汎用性、再利用性が高い。
図5(A)に示した装置に、二本鎖核酸結合物質3から離れた核酸を検知する手段、または二本鎖核酸結合物質3に結合する核酸の少なくとも一部を検知する手段を加えれば、この装置がセンサ装置となる。
核酸を検知するためには、例えば、核酸の少なくとも一部を標識すれば良い。アプタマーである一本鎖核酸1、またはアプタマーに相補な核酸断片2を、蛍光色素、放射性同位体(RI)、蛍光クエンチャー、蛍光試薬等で予め標識7しておき、これら標識7に起因する信号強度、あるいは、信号強度の変化量を測定することによって、核酸の量を検出することが可能となる。図7,8では、一本鎖核酸1と核酸断片2に、標識7が付与されているが、いずれか一方のみに標識7を付与しても良い。
二本鎖核酸結合物質3から離れた核酸を検知する場合は、第1の工程後、二本鎖核酸結合物質3から離れた核酸を部材4から除去し、それらの核酸を回収するのが望ましい。二本鎖核酸結合物質3から離れた核酸を回収することによって、検出に利用される核酸の量(濃度)を増やすことができ、検出感度が上がる。
核酸を検知するためには、必ずしも予め標識しておく必要はない。例えば、分光光度計や質量分析装置を用いて回収物の中に含まれている核酸を調べることによって、二本鎖核酸結合物質3から離れた核酸があるか否かを判断できる。
二本鎖核酸結合物質3に結合する核酸を検知して、被検査対処物11に標的分子5が含まれるか否かを調べる場合、第1の工程後に二本鎖核酸結合物質3から離れた核酸を部材4から除去するのが望ましい。除去することによって、第1の工程後の二本鎖核酸結合物質3に結合する核酸の量を正確に測定することができる。また、第1の工程後の二本鎖核酸結合物質3に結合する核酸の量と、第1の工程前の二本鎖核酸結合物質3に結合する核酸の量を正確に比較することができる。
第1の工程前の二本鎖核酸結合物質3に結合する核酸の量は、第1の工程前に二本鎖核酸結合物質3に結合する核酸が有する標識7に由来する信号強度を測定することによって、調べることができる。第1の工程前の二本鎖核酸結合物質3に結合する核酸の量が予め既知であった場合は、第1の工程前に二本鎖核酸結合物質3に結合する核酸が有する標識7に由来する信号強度を測定する必要は無い。
なお、二本鎖核酸結合物質3に結合する核酸を検知して、被検査対象物に標的分子が含まれるか否かを調べる場合、例えば、蛍光クエンチャーと蛍光試薬を用いて、核酸が二本鎖核酸部分を形成している状態では信号を発せず、核酸が一本鎖核酸の状態では信号を発するようにずれば、核酸除去工程は不要である。
アプタマーは、第1の実施形態〜第5の実施形態で選抜したアプタマーを用いるのが望ましい。これは、第1の実施形態〜第5の実施形態で選抜したアプタマーが形成する二本鎖核酸部分は二本鎖核酸結合物質3に結合するためである。加えて、標的分子がアプタマーに結合したら、結果的に、核酸の二本鎖部分が解かれ、最終的に、アプタマーが二本鎖核酸結合物質3から離れるためである。
アプタマー候補である一本鎖核酸1は、核酸断片2とハイブリダイズして二本鎖核酸を形成したものであっても良いし、一本鎖核酸1自身の配列とハイブリダイズして二本鎖部分を形成したものであっても良い。
第6の実施形態では、本発明に係るアプタマーを用いたセンサ用装置、センサ装置及び方法であって、核酸を検知することによって標的分子の存在を確かめることができるものについて説明した。第6の実施形態におけるセンサ装置は、第1の実施形態〜第5の実施形態で用いた装置をそのまま用いることができるため、汎用性、再利用性に優れているといえる。さらに、第1の実施形態〜第5の実施形態で選抜されたアプタマーを用いれば、標的分子がアプタマーに結合した際にアプタマーが二本鎖結合物質から離れることを確認することなく、そのまま、アプタマーを利用することができる。本発明のセンサ用装置、センサ装置及び方法は、様々なセンサに応用可能であり、例えば、第1の実施形態〜第5の実施形態を利用して選別された、コカイン等の麻薬や爆薬等の危険物に対するアプタマーを利用すると、標的分子である、コカイン等の麻薬や爆薬等の危険物を検知するセンサ装置及び方法として利用することができる。
[第7の実施形態]
第7の実施形態では、本発明に係るアプタマーを用いた分子を検知するために用いられるセンサ用装置、及び、分子を検知するセンサ装置及び方法であって、二本鎖核酸結合物質を検知することによって標的分子の存在を確かめることができるものについて説明する。第7の実施形態におけるアプタマーを用いたセンサ用装置及び方法を、図7及び図8を用いて説明する。なお、第7の実施形態と、第6の実施形態と同様な点については、説明を省略する。
第7の実施形態に係るアプタマーを用いたセンサ用装置10を、図7(A)、図8(A)に示す。部材4には、第1の二本鎖核酸結合物質3が結合している。アプタマーである一本鎖核酸1は、その配列と相補的な配列を有する核酸断片2とハイブリダイズして二本鎖部分を形成している。この二本鎖部分には、第1の二本鎖核酸結合物質3と、部材4に結合していない第2の二本鎖核酸結合物質9が結合している。第2の二本鎖核酸結合物質9は、核酸の二本鎖部分と第1の二本鎖核酸結合物質3を介して、部材4に固定化されている。
第7の実施形態に係るアプタマーを用いたセンサ方法について、図7及び図8を用いて説明する。
第7の実施形態の第1の工程では、センサ装置10が有するアプタマーの一本鎖核酸1と被検査対象物11が接触する(図7(B),図8(B))。このとき、被検査対象物11の中に標的分子5が含まれている場合は、標的分子5とアプタマーである一本鎖核酸1が結合する。標的分子5とアプタマーである一本鎖核酸1が結合した場合、ブランチ・マイグレーションによって一本鎖核酸1が有する二本鎖核酸部分が解かれるため、核酸の二本鎖部分がなくなる。そのため、一本鎖核酸1は、第1の二本鎖核酸結合物質3から離れる。さらに、第2の二本鎖核酸結合物質9も、一本鎖核酸1及び第1の二本鎖核酸結合物質3から離れる(図7(C))。対して、被検査対象物11に含まれる標的分子でない物質8はアプタマーである一本鎖核酸1とは結合しない。従って、第2の二本鎖核酸結合物質9は核酸の二本鎖部分に結合し続ける(図8(C))。
前記の過程は、上記第2の実施形態において、説明した過程と同様の原理に基づいている。
第7の実施形態の第2の工程では、一本鎖核酸1から離れた第2の二本鎖核酸結合物質9を検知する。第1の工程において用いた被検査対象物11に標的分子5が含まれていた場合、第2の二本鎖核酸結合物質9が一本鎖核酸1から離れる。これら一本鎖核酸1から離れた第2の二本鎖核酸結合物質9を検知することができれば、被検査対象物11に標的分子5が含まれていたと判断できる。逆に、一本鎖核酸1から離れた第2の二本鎖核酸結合物質9を検知することができなければ、被検査対象物11に標的分子5が含まれていなかったと判断できる。
第7の実施形態では、第2の工程で、一本鎖核酸1に結合する第2の二本鎖核酸結合物質9を検知することによって、被検査対象物11に標的分子5が含まれていたかを確認することもできる。第1の工程後に、一本鎖核酸1に結合している第2の二本鎖核酸結合物質9の量を調べ、その量と第1の工程前に一本鎖核酸1に結合していた第2の二本鎖核酸結合物質9の量と比較する。そして、第1の工程後に一本鎖核酸1に結合していた第2の二本鎖核酸結合物質9の量が第1の工程前よりも少なければ、被検査対象物11に標的分子5が含まれていたと判断することができる。
このように、本発明に係るセンサ方法及び装置によって、アプタマーが特異的に結合する標的分子が被検査対象物に含まれるか否を調べることができる。本発明係るセンサ装置は、第1の実施形態〜第5の実施形態で用いたアプタマー選抜用装置、またはアプタマー選抜用装置にアプタマーを結合させたものを利用できるため、汎用性、再利用性に優れているといえる。
第2の二本鎖核酸結合物質9を検知するためには、例えば、第2の二本鎖核酸結合物質9を標識すれば良い。蛍光色素、放射性同位体(RI)、蛍光クエンチャー等で第2の二本鎖核酸結合物質9を予め標識しておき、これら標識に由来する信号強度を測定することによって、第2の二本鎖核酸結合物質9の量を検出することが可能となる。また、第2の二本鎖核酸結合物質9がタグを有していれば、一本鎖核酸1から離れた第2の二本鎖核酸結合物質9を回収し、第2の二本鎖核酸結合物質9の量を調べることが可能である。また、第2の二本鎖核酸結合物質9には標識せずに、質量分析装置を用いて一本鎖核酸1から離れた第2の二本鎖核酸結合物質9の有無を調べても良い。
部材4に固定化されている第2の二本鎖核酸結合物質9の量は、部材4へ流れる電流を測定することによって調べることができる。この場合、第1の二本鎖核酸結合物質3、第2の二本鎖核酸結合物質9、及び部材4は、導電性であることが望ましい。以下に、この方法について説明する。
初めに、被検査対象物11をアプタマーの一本鎖核酸1に接触させる前の部材4(図7(A)、図8(A))に流れる電流を測定する。電流は、部材4、部材4に結合した第1の二本鎖核酸結合物質3、核酸の二本鎖部分を介して部材4に固定化された第2の二本鎖核酸結合物質9に流れる。
次に、被検査対象物11をアプタマーに接触させた後の部材4に流れる電流を測定する(図7(C)、図8(C))。被検査対象物11の中にアプタマーと結合する標的分子5が含まれていた場合、被検査対象物11をアプタマーに接触させると、結果的に、核酸の二本鎖部分が消えるため、第2の二本鎖核酸結合物質9が核酸の二本鎖部分から離れ、部材4からも離れる(図7(C))。従って、部材4に流れる電流の大きさは、被検査対象物11をアプタマーに接触させた後の方が接触させる前よりも小さくなる。被検査対象物11の中に標的分子5が含まれない場合は、第2の二本鎖核酸結合物質9が核酸の二本鎖部分への結合を介して部材4に固定化され続けるため、部材4に流れる電流の大きさは変わらない。
以上の方法を用いて、被検査対象物11をアプタマーに接触させる前後で、部材4に流れる電流の大きさを比較することによって、標的分子5の存在の有無を調べることができる。
図7(A)に示した装置に、一本鎖核酸1から離れた第2の二本鎖核酸結合物質9を検知する手段、または一本鎖核酸1に結合する第2の二本鎖核酸結合物質9を検知する手段、あるいは、部材4、部材4に結合した第1の二本鎖核酸結合物質3、及び第2の二本鎖核酸結合物質9に電流を流す手段、ならびにその電流を測定する手段を加えれば、この装置はセンサ装置となる。
被検査対象物11をアプタマーの一本鎖核酸1に接触させる前の部材4に流れる電流の大きさが既知である場合、被検査対象物11をアプタマーの一本鎖核酸1に接触させる前に部材4に流れる電流を測定する必要は無い。
アプタマーである一本鎖核酸1に結合する第2の二本鎖核酸結合物質9の数は、一つであっても良いし、複数であっても良いが、複数ある方がセンサとしての感度が上がる。
第7の実施形態と第6の実施形態とは、調べる物質が、第6の実施形態では核酸であるのに対し、第7の実施形態では部材に結合していない第2の二本鎖核酸結合物質であるという点で異なりはするが、部材に結合した第1の二本鎖核酸結合物質に結合した物質、または、離れた物質を調べて標的分子を検知するという点において同様である。従って、第1の二本鎖核酸結合物質から離れた物質を除去することや回収すること、第1の二本鎖核酸結合物質に結合した物質や離れた物質を検知することなど、第6の実施形態で説明したことは、第7の実施形態においても同様であると言える。
第7の実施形態では、本発明に係るアプタマーを用いたセンサ装置及び方法であって、第2の二本鎖核酸結合物質を検知することによって、標的分子の存在を確かめることができるものについて説明した。第7の実施形態におけるセンサ装置は、第1の実施形態〜第5の実施形態で用いた装置をそのまま用いることができるため、汎用性及び再利用性に優れている。さらに、第1の実施形態〜第5の実施形態で選抜されたアプタマーを用いれば、標的分子がアプタマーに結合した際に、アプタマーが二本鎖結合物質から離れることを確認するための実験等をすることなく、そのまま、アプタマーをセンサ装置に利用することができる。さらに、部材、第1の二本鎖核酸結合物質及び第2の二本鎖核酸結合物質に導電性物質を用いれば、電流測定によって簡便に標的分子の存在を検知することができる。
以上、実施形態(及び具体例)を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態(及び具体例)に限定されものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
この出願は、2008年4月1日に出願された日本出願特願2008−095265を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
本発明は、分子に特異的に結合する核酸であるアプタマーの選抜に汎用できる。

Claims (48)

  1. 分子に特異的に結合する核酸であるアプタマーを選抜する方法であって、
    核酸の二本鎖部分に特異的に結合する二本鎖核酸結合物質が、アプタマー候補である第1の一本鎖核酸の配列の少なくとも一部がハイブリダイズすることによって形成される、核酸の二本鎖部分に結合する、第1の工程と、
    前記第1の一本鎖核酸と、前記第1の一本鎖核酸が特異的に結合する分子と、が結合する、第2の工程と、
    前記分子と結合する前記第1の一本鎖核酸と、前記二本鎖核酸結合物質と、が離れる、第3の工程と、
    を有する
    ことを特徴とするアプタマー選抜方法。
  2. アプタマーを選抜する方法であって、
    前記第3の工程によって前記二本鎖核酸結合物質と離れた、前記第1の一本鎖核酸を回収する、第4の工程を有する
    ことを特徴とする請求項1に記載のアプタマー選抜方法。
  3. アプタマーを選抜する方法であって、
    前記第4の工程で回収した、前記第1の一本鎖核酸が増幅する、第5の工程と、
    前記第5の工程で増幅した一本鎖核酸を、前記第1の工程の第1の一本鎖核酸として用い、必要に応じて、前記第1の工程〜第5の工程を繰り返す、第6の工程と、
    を有することを特徴とする請求項2に記載のアプタマー選抜方法。
  4. アプタマーを選抜する方法であって、
    前記第4の工程で回収した、前記第1の一本鎖核酸の配列を決定する、第7の工程を有する
    ことを特徴とする請求項2または3記載のアプタマー選抜方法。
  5. 前記核酸の二本鎖部分が、
    前記第1の一本鎖核酸の配列の少なくとも一部と、第2の一本鎖核酸の配列の少なくとも一部と、がハイブリダイズすることによって形成される
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のアプタマー選抜方法。
  6. 前記核酸の二本鎖部分が、
    前記第1の一本鎖核酸の配列の一部と、前記第1の一本鎖核酸の配列の一部と、がハイブリダイズすることによって形成される
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のアプタマー選抜方法。
  7. 前記二本鎖核酸結合物質が、
    インタカレータまたは核酸結合タンパク質である
    ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載のアプタマー選抜方法。
  8. 前記二本鎖核酸結合物質が、
    部材に結合している
    ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載のアプタマー選抜方法。
  9. 前記二本鎖核酸結合物質が、
    タグを有する
    ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載のアプタマー選抜方法。
  10. 前記第1の工程後に、
    前記二本鎖核酸結合物質に結合しなかった核酸を除去する工程を有する
    ことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載のアプタマー選抜方法。
  11. 前記第5の工程で増幅した前記一本鎖核酸中に、
    前記第4の工程で回収した前記第1の一本鎖核酸とは異なる配列を有する一本鎖核酸が含まれている
    ことを特徴とする請求項3乃至10のいずれか一項に記載のアプタマー選抜方法。
  12. 前記第6の工程で行う、前記第2の工程で、
    前記第6の工程を繰り返す度ごとに、前記第1の一本鎖核酸と前記分子との結合力を弱める条件を選択する
    ことを特徴とする請求項3乃至11記載のいずれか一項に記載のアプタマー選抜方法。
  13. 前記第6の工程で行う、前記第2の工程、または/および前記第3の工程で、
    前記第6の工程を繰り返す度ごとに、前記核酸の二本鎖部分を形成する一本鎖核酸同士の結合を強める条件を選択する
    ことを特徴とする請求項3乃至12のいずれか一項に記載のアプタマー選抜方法。
  14. 分子に特異的に結合する核酸であるアプタマーを選抜するのに用いるアプタマー選抜用装置であって、
    部材と、
    前記部材に結合した二本鎖核酸結合物質と、を有し、
    前記二本鎖核酸結合物質が、アプタマー候補である一本鎖核酸の配列の少なくとも一部がハイブリダイズすることによって形成される核酸の二本鎖部分に特異的に結合し、
    前記一本鎖核酸が特異的に結合する分子が、前記一本鎖核酸に結合すると、前記一本鎖核酸と前記二本鎖核酸結合物質とが離れる
    ことを特徴とするアプタマー選抜用装置。
  15. 前記二本鎖核酸結合物質が、
    インタカレータまたは核酸結合タンパク質である
    ことを特徴とする請求項14に記載のアプタマー選抜装置。
  16. 前記二本鎖核酸結合物質から離れた前記一本鎖核酸を除去する手段、または/および前記二本鎖核酸結合物質から離れた前記一本鎖核酸を回収する手段を有する
    請求項14または15に記載のアプタマー選抜用装置。
  17. 分子を検知するために用いられるセンサ用装置であって、
    部材と、
    前記部材に結合した第1の二本鎖核酸結合物質と、
    前記第1の二本鎖核酸結合物質が特異的に結合した、前記分子のアプタマーを有する一本鎖核酸の配列の少なくとも一部がハイブリダイズすることによって形成される核酸の二本鎖部分と、を有し、
    前記分子が前記アプタマーに結合すると、前記一本鎖核酸と前記第1の二本鎖核酸結合物質とが離れる
    ことを特徴とするセンサ用装置。
  18. 前記一本鎖核酸が、
    標識を有する
    ことを特徴とする請求項17に記載のセンサ用装置。
  19. 前記一本鎖核酸の前記二本鎖部分に結合する第2の二本鎖核酸結合物質を有し、
    前記分子が前記アプタマーに結合すると、前記一本鎖核酸と前記第2の二本鎖核酸結合物質とが離れる
    ことを特徴とする請求項17または18に記載のセンサ用装置。
  20. 前記第1の二本鎖核酸結合物質及び前記第2の二本鎖核酸結合物質が、
    導電性物質である
    ことを特徴とする請求項19に記載のセンサ用装置。
  21. 前記第2の二本鎖核酸結合物質が、
    標識を有する
    ことを特徴とする請求項19または20に記載のセンサ用装置。
  22. 分子を検知するセンサ装置であって、
    部材と、
    前記部材に結合した二本鎖核酸結合物質と、
    前記二本鎖核酸結合物質が特異的に結合した、前記分子のアプタマーを有する一本鎖核酸の配列の少なくとも一部がハイブリダイズすることによって形成される核酸の二本鎖部分と、
    前記二本鎖核酸結合物質に結合した前記一本鎖核酸、または/および前記二本鎖核酸結合物質から離れた前記一本鎖核酸の少なくとも一部を検知する核酸検知手段と、を有し、
    前記分子が前記アプタマーに結合すると、前記一本鎖核酸と前記二本鎖核酸結合物質とが離れる
    ことを特徴とするセンサ装置。
  23. 前記一本鎖核酸が、
    標識を有する
    ことを特徴とする請求項22に記載のセンサ装置。
  24. 前記二本鎖核酸結合物質から離れた前記一本鎖核酸を除去する核酸除去手段、または/および前記二本鎖核酸結合物質から離れた前記一本鎖核酸を回収する核酸回収手段を有する
    ことを特徴とする請求項22または23に記載のセンサ装置。
  25. 分子を検知するセンサ装置であって、
    部材と、
    前記部材に結合した第1の二本鎖核酸結合物質と、
    前記第1の二本鎖核酸結合物質が特異的に結合した、前記分子のアプタマーを有する一本鎖核酸の配列の少なくとも一部がハイブリダイズすることによって形成される核酸の二本鎖部分と、
    前記核酸の前記二本鎖部分に結合した第2の二本鎖核酸結合物質と、
    前記核酸の前記二本鎖部分に結合した前記第2の二本鎖核酸結合物質、または/および前記核酸の前記二本鎖部分から離れた前記第2の二本鎖核酸結合物質を検知する二本鎖核酸結合物質検知手段と、を有し、
    前記分子が前記アプタマーに結合すると、前記一本鎖核酸と前記第2の二本鎖核酸結合物質とが離れる
    ことを特徴とするセンサ装置。
  26. 前記一本鎖核酸から離れた前記第2の二本鎖核酸結合物質を除去する二本鎖核酸結合物質除去手段、または/および前記一本鎖核酸から離れた前記第2の二本鎖核酸結合物質を回収する二本鎖核酸結合物質回収手段を有する
    ことを特徴とする請求項25に記載のセンサ装置。
  27. 前記部材及び、前記部材に結合した、前記第1の二本鎖核酸結合物質及び前記第2の二本鎖核酸結合物質に電流を流す手段と、
    前記電流を測定する手段と、を有する
    ことを特徴とする請求項25または26に記載のセンサ装置。
  28. 前記第1の二本鎖核酸結合物質及び前記第2の二本鎖核酸結合物質が、導電性物質である
    ことを特徴とする請求項27に記載のセンサ装置。
  29. 前記第1の二本鎖核酸結合物質または/および前記第2の二本鎖核酸結合物質が、標識を有する
    ことを特徴とする請求項25乃至28のいずれか一項に記載のセンサ装置。
  30. 分子を検知するセンサ方法であって、
    部材と、
    前記部材に結合した二本鎖核酸結合物質と、
    前記二本鎖核酸結合物質が特異的に結合した、前記分子のアプタマーを有する一本鎖核酸の配列の少なくとも一部がハイブリダイズすることによって形成される核酸の二本鎖部分と、を有し、
    前記分子が前記アプタマーに結合すると、前記一本鎖核酸と前記二本鎖核酸結合物質とが離れるセンサ用装置が有する前記アプタマーに分子が接触する第1の工程と、
    第1の工程後に、前記二本鎖核酸結合物質に結合した前記核酸または/および前記二本鎖核酸結合物質から離れた前記核酸の少なくとも一部を検知する第2の工程と、を有する
    ことを特徴とするセンサ方法。
  31. 前記一本鎖核酸が、標識を有する
    ことを特徴とする請求項30に記載のセンサ方法。
  32. 前記第2の工程で、
    第1の工程後に、前記二本鎖核酸結合物質に結合している前記一本鎖核酸が有する前記標識に由来する第2の信号強度を測定する
    ことを特徴とする請求項31に記載のセンサ方法。
  33. 第1の工程前の前記第1の二本鎖核酸結合物質に結合した前記一本鎖核酸が有する前記標識に由来する第1の信号強度と、第2の前記信号強度と、を比較する第3の工程を有する
    ことを特徴とする請求項32に記載のセンサ方法。
  34. 前記第1の工程前に、
    前記第1の信号強度を測定する事前測定工程を有する
    ことを特徴とする請求項33に記載のセンサ方法。
  35. 前記第1の工程後に、前記第1の二本鎖核酸結合物質から離れた前記一本鎖核酸を除去する核酸除去工程、または/および前記第1の工程後に、前記第1の二本鎖核酸結合物質から離れた前記一本鎖核酸を回収する核酸回収工程を有する
    ことを特徴とする請求項30乃至34のいずれか一項に記載のセンサ方法。
  36. 前記第2の工程で、
    回収した前記一本鎖核酸が有する前記標識に由来する信号強度を測定する
    ことを特徴とする請求項35に記載のセンサ方法。
  37. 分子を検知するセンサ方法であって、
    部材と、
    前記部材に結合した第1の二本鎖核酸結合物質と、
    前記第1の二本鎖核酸結合物質が特異的に結合した、前記分子のアプタマーを有する一本鎖核酸の配列の少なくとも一部がハイブリダイズすることによって形成される核酸の二本鎖部分と、前記核酸の前記二本鎖部分に結合した第2の二本鎖核酸結合物質と、を有し、
    前記分子が前記アプタマーに結合すると、前記一本鎖核酸と前記第2の二本鎖核酸結合物質とが離れるセンサ用装置が有する前記アプタマーに分子が接触する第1の工程と、
    第1の工程後に、前記核酸の前記二本鎖部分に結合した前記第2の二本鎖核酸結合物質、または/および、前記一本鎖核酸から離れた前記第2の二本鎖核酸結合物質を検知する第2の工程と、を有する
    ことを特徴とするセンサ方法。
  38. 前記第2の二本鎖核酸結合物質が、標識を有する
    ことを特徴とする請求項37に記載のセンサ方法。
  39. 前記第2の工程で、
    前記核酸の前記二本鎖部分に結合している前記第2の二本鎖核酸結合物質が有する前記標識に由来する第2の信号強度を測定する
    ことを特徴とする請求項38に記載のセンサ方法。
  40. 第1の工程前の前記核酸の前記二本鎖部分に結合している前記第2の二本鎖核酸結合物質が有する前記標識に由来する第1の信号強度と、前記第2の信号強度と、を比較する第3の工程を有する
    ことを特徴とする請求項39に記載のセンサ方法。
  41. 前記第1の工程前に、
    前記第1の信号強度を測定する事前測定工程を有する
    ことを特徴とする請求項40に記載のセンサ方法。
  42. 前記第1の工程後に、前記一本鎖核酸から離れた前記第2の二本鎖核酸結合物質を除去する二本鎖核酸結合物質除去工程、または/および前記第1の工程後に、前記一本鎖核酸から離れた前記第2の二本鎖核酸結合物質を回収する二本鎖核酸結合物質回収工程を有する
    ことを特徴とする請求項37乃至41のいずれか一項に記載のセンサ方法。
  43. 前記第2の工程で、
    回収した前記第2の二本鎖核酸結合物質が有する前記標識に由来する信号強度を測定する
    ことを特徴とする請求項42に記載のセンサ方法。
  44. 前記部材、及び前記第1の二本鎖核酸結合物質及び前記第2の二本鎖核酸結合物質が導電性物質であり、
    前記第2の工程で、前記部材、及び前記部材に結合した前記第1の二本鎖核酸結合物質及び前記第2の二本鎖核酸結合物質に流れる第2の電流を測定する
    ことを特徴とする請求項37乃至43のいずれか一項に記載のセンサ方法。
  45. 第1の工程前の前記部材、及び前記部材に結合した前記第1の二本鎖核酸結合物質及び前記第2の二本鎖核酸結合物質に流れる第1の電流と、前記第2の電流と、を比較する第3の工程を有する
    ことを特徴とする請求項44に記載のセンサ方法。
  46. 前記第1の工程前に、
    前記第1の電流を測定する事前電流測定工程を有する
    ことを特徴とする請求項45に記載のセンサ方法。
  47. 前記第1の電流の大きさが予め既知である
    ことを特徴とする請求項45または46に記載のセンサ方法。
  48. 前記第1の信号強度が、予め既知である
    ことを特徴とする請求項33、34、40、41のいずれか一項に記載のセンサ方法。
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