JPWO2009107235A1 - 切りくず吸引ドリル - Google Patents

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Abstract

切りくず吸引ドリル10は、切れ刃24により鋳物等の被削材42に対して穴明け加工を行なうが、生成された切りくずは、切れ刃用溝22に形成された切りくず取込み穴30から切りくず吸引通路18内に吸引され、シャンク16側へ排出される。その場合に、刃部12の外周面に空気導入溝32が設けられているため、切れ刃24によって切りくずが生成される工具先端部に空気が良好に導入されるようになり、切りくず吸引通路18による空気の吸引に伴って工具先端部に導入された空気が切りくずと共に良好に切りくず取込み穴30内に吸引される。特に、工具の内部には1本の切りくず吸引通路18が設けられるだけであるため、その断面積を十分に確保することが可能で、その切りくず吸引通路18の拡大に伴って切りくず取込み穴30も大きくできるため、切りくず詰まりの発生が抑制されるとともに優れた切りくず吸引性能が得られるようになる。

Description

本発明はドリルに係り、特に、環境汚染の予防や清掃作業の簡略化を図るために切りくずを強制的に吸引して排出する切りくず吸引ドリルに関するものである。
(a) 外周面に切れ刃用溝が形成されているとともに、その切れ刃用溝が工具先端側に開口する端縁に穴明け用の切れ刃が設けられた刃部と、(b) 工具の内部に軸心に沿って設けられるとともに、前記切れ刃用溝に開口する切りくず取込み穴が形成された切りくず吸引通路と、を有し、(c) 軸心まわりに回転駆動されつつ工具先端側へ前進させられることにより前記切れ刃によって穴明け加工を行なうとともに、その穴明け加工で生成された切りくずを前記切りくず取込み穴から前記切りくず吸引通路内に吸引してシャンク側へ排出する切りくず吸引ドリルが提案されている(特許文献1参照)。このような切りくず吸引ドリルによれば、穴明け加工で生成された切りくずが切りくず取込み穴から切りくず吸引通路内に吸引されてシャンク側へ排出されるため、クーラントで洗い流す場合に比較して、切りくずの後始末が容易になって清掃作業が簡略化されるとともに、切りくずの飛散による作業環境の悪化が大幅に改善される。
特公昭44−13745号公報
ところで、上記引用文献1に記載の切りくず吸引ドリルは、切りくず吸引通路とは別に空気導入通路が工具の内部に設けられ、切りくず吸引通路による吸引に伴って空気導入通路から空気が工具の先端部分へ導入されるようになっているため、切りくず吸引通路の断面積を十分に確保することが困難で、切りくず詰まりが発生し易いとともに、切りくず取込み穴が小さくて切りくずの吸引作用が十分に得られないという問題があった。空気導入通路の開口部、すなわち空気の導入部位も切れ刃より手前であるため、切れ刃によって生成された切りくずを必ずしも効率良く切りくず取込み穴に導くことができない。また、切れ刃を形成するための切れ刃用溝に連続して螺旋状溝が軸方向に連続して設けられているため、その螺旋状溝からも空気が工具先端側へ導入されることになり、切りくず吸引通路が空気ばかり吸い込んで、切りくずをうまく吸い込むことができない可能性があった。更に、切りくず吸引通路の負圧の作用だけで空気導入通路内に空気が導入されるため、十分な空気の流れを発生させることが困難で、この点でも切りくずの吸引作用が十分に得られない可能性がある。
本発明は以上の事情を背景として為されたもので、その目的とするところは、切れ刃によって生成された切りくずが高い吸引作用で切りくず吸引通路内に良好に吸引され、切りくず詰まりを生じることなくその切りくず吸引通路内を通って良好に排出されるようにすることにある。
かかる目的を達成するために、第1発明は、(a) 外周面に切れ刃用溝が形成されているとともに、その切れ刃用溝が工具先端側に開口する端縁に穴明け用の切れ刃が設けられた刃部と、(b) 工具の内部に軸心Oに沿って設けられるとともに、前記切れ刃用溝に開口する切りくず取込み穴が形成された切りくず吸引通路と、を有し、(c) 軸心Oまわりに回転駆動されつつ工具先端側へ前進させられることにより前記切れ刃によって穴明け加工を行なうとともに、その穴明け加工で生成された切りくずを前記切りくず取込み穴から前記切りくず吸引通路内に吸引してシャンク側へ排出する切りくず吸引ドリルにおいて、(d) 前記刃部の外周面には、前記切れ刃の逃げ面に達するように空気導入溝が設けられていることを特徴とする。
第2発明は、第1発明の切りくず吸引ドリルにおいて、(a) 前記切れ刃用溝は、軸心Oと平行な直溝またはシャンク側から見た工具回転方向と同じ方向にねじれたねじれ溝で、(b) 前記空気導入溝は、軸心Oと平行な直溝またはシャンク側から見た工具回転方向と反対方向にねじれたねじれ溝で、軸方向において前記切れ刃用溝よりもシャンク側へ長く延び出すように設けられていることを特徴とする。
第3発明は、第1発明または第2発明の切りくず吸引ドリルにおいて、ドリル径Dに対して、前記刃部の軸方向長さL3は1.0D〜2.0Dの範囲内であることを特徴とする。なお、刃部は、前記切れ刃用溝が形成されている範囲である。
第4発明は、第1発明〜第3発明の何れかの切りくず吸引ドリルにおいて、ドリル径Dに対して、前記切りくず取込み穴の軸方向長さL1は0.3D〜1.0Dの範囲内で、軸方向と直角な幅方向の最大寸法である幅寸法L2は0.15D以上であることを特徴とする。
第5発明は、第1発明〜第4発明の何れかの切りくず吸引ドリルにおいて、前記切れ刃の逃げ面には、前記空気導入溝を通って導入された空気がその逃げ面と加工穴の底面との間の隙間を通って前記切れ刃用溝内へ流入できるように所定の逃げが設けられていることを特徴とする。
第6発明は、第1発明〜第5発明の何れかの切りくず吸引ドリルにおいて、前記切れ刃の逃げ面には、前記切れ刃用溝が工具先端側に開口する端縁のうち前記切れ刃と反対側に位置する部分と前記空気導入溝とを繋ぐように連通溝が設けられていることを特徴とする。
第7発明は、第1発明〜第6発明の何れかの切りくず吸引ドリルにおいて、(a) 前記切れ刃用溝および前記切れ刃は、軸心Oに対して対称的に一対設けられている一方、(b) 前記切りくず吸引通路は、工具の軸心Oと同心に形成された単一の円形穴で、(c) その切りくず吸引通路の先端に部分的に交わるように前記一対の切れ刃用溝が設けられることにより、それぞれその切れ刃用溝に開口する一対の切りくず取込み穴が形成されていることを特徴とする。
第8発明は、第1発明〜第7発明の何れかの切りくず吸引ドリルにおいて、(a) 前記刃部に連続してその刃部よりも径寸法が小さい首部を有し、(b) 前記切れ刃用溝は、前記刃部と前記首部との境界の段差に達しない範囲に設けられている一方、(c) 前記空気導入溝は、前記刃部と前記首部との境界の段差を含んで設けられていることを特徴とする。
第9発明は、第8発明の切りくず吸引ドリルにおいて、前記首部の径寸法d1は、加工穴の内周面との間に前記切りくず吸引通路の断面積と同じかそれ以上の断面積の環状空間が形成されるように定められていることを特徴とする。
このような切りくず吸引ドリルにおいては、刃部の外周面に切れ刃の逃げ面に達するように空気導入溝が設けられているため、切れ刃によって切りくずが生成される工具先端部に空気が良好に導入されるようになり、切りくず吸引通路による空気の吸引に伴って、空気導入溝から工具先端部に導入された空気が切りくずと共に良好に切りくず取込み穴内に吸引され、切りくず吸引通路を経てシャンク側へ良好に排出されるようになる。その場合に、刃部の外周面に空気導入溝が設けられることにより、工具の内部には切りくず吸引通路が設けられるだけであるため、その切りくず吸引通路の断面積を十分に確保することが可能で、その切りくず吸引通路の拡大に伴って切りくず取込み穴も大きくすることができるため、切りくず詰まりの発生が抑制されるとともに、優れた切りくず吸引性能が得られるようになる。加えて、工具の内部に空気導入通路を設ける場合に比較して、空気の導入部位が切りくずを生成する切れ刃に一層近くなるため、その切りくずを一層効果的に切りくず取込み穴内に導くことができ、切りくず吸引性能が一層向上する。
また、穴明け加工の進行に伴って切れ刃用溝が設けられた刃部が加工穴内に入り込むと、その切れ刃用溝からの空気の流入が制限されるため、空気導入溝を中心として空気が工具先端部に導入されるようになり、その工具先端側から切りくず取込み穴内に吸い込まれる際に切りくずが一層良好に切りくず吸引通路内に吸引されるようになる。
第2発明では、空気導入溝が軸心Oと平行な直溝または工具回転方向と反対方向にねじれたねじれ溝であり、ねじれ溝とした場合には、穴明け加工の際の工具の回転に伴って空気導入溝を経て工具先端側へ空気が一層良好に導入されるようになり、切りくず吸引通路による空気の吸引と相まって空気導入溝から工具先端部を経て切りくず取込み穴へ向かう空気の流れが良好に形成され、その空気の流れにより切りくずが一層良好に切りくず吸引通路内に吸引されるようになる。また、この空気導入溝は、軸方向において切れ刃用溝よりもシャンク側へ長く延び出すように設けられているため、切れ刃用溝が加工穴内に完全に入り込んだ後には、空気導入溝を中心として空気が工具先端部に導入されるようになり、優れた切りくず吸引性能が得られるようになる。
第3発明では、切れ刃用溝が設けられた刃部の軸方向長さL3が1.0D〜2.0Dの範囲内で比較的短いため、加工穴と刃部との摺接による加工抵抗が低減されるとともに、その刃部よりも深い穴を加工する際には、その刃部が加工穴内に完全に入り込んだ後は空気導入溝を中心として空気が工具先端部に導入されるようになり、優れた切りくず吸引性能が得られる。
第4発明では、切りくず取込み穴の軸方向長さL1が0.3D〜1.0Dの範囲内で、軸方向と直角な幅寸法L2が0.15D以上であるため、切れ刃によって生成された切りくずが良好に切りくず取込み穴内に吸引される。特に、鋳物など比較的小さくて且つ絡み難い切りくずが生成される場合に、その切りくずを良好に吸引して除去することができる。
第5発明では、切れ刃の逃げ面に所定の逃げが設けられ、空気導入溝を通って導入された空気がその逃げ面と加工穴の底面との間の隙間を通って切れ刃用溝内へ流入できるようになっているため、空気導入溝内に導入された空気が切れ刃の逃げ面と加工穴の底面との間の隙間を通って切れ刃用溝内へ良好に流入させられ、切りくずを切りくず取込み穴内に吸引する空気の流れが良好に形成される。
第6発明では、切れ刃の逃げ面に連通溝が設けられ、切れ刃用溝と空気導入溝とが繋がれているため、空気導入溝内に導入された空気がその連通溝を通って切れ刃用溝内へ良好に流入させられ、切りくずを切りくず取込み穴内に吸引する空気の流れが良好に形成される。
第7発明は、軸心Oに対して対称的に一対の切れ刃が設けられているが、工具の軸心Oと同心に単一の切りくず吸引通路が設けられているため、大きな流通断面積を確保することが可能で、切りくず詰まりを抑制しつつ一対の切れ刃によって生成された切りくずを良好にシャンク側へ排出することができる。また、切りくず吸引通路の先端に部分的に交わるように一対の切れ刃用溝が設けられて一対の切りくず取込み穴が形成されているため、切削加工或いは研削加工などで切れ刃用溝を形成する際に同時に切りくず取込み穴を設けることができるとともに、例えばその切れ刃用溝の勾配角θを変更することにより、切りくず取込み穴の形状や大きさを簡単に調整することができる。
第8発明は、刃部に連続して刃部よりも径寸法が小さい首部を有する場合で、その刃部と首部との境界の段差を含んで空気導入溝を設ければ、加工穴の内周面と首部との間の隙間を通って空気導入溝内に空気が良好に導入されるため、空気導入溝の加工長さが短くなるとともに、首部の加工は円筒切削加工或いは研削加工等により比較的簡単に且つ迅速に行なうことができるため、製造コストが低減される。
第9発明では、首部の径寸法d1が、加工穴の内周面との間に切りくず吸引通路の断面積と同じかそれ以上の断面積の環状空間が形成されるように定められているため、その首部と加工穴の内周面との間に十分な量の空気が流入し、切りくずを切りくず取込み穴内に吸引するための空気の流れが良好に形成される。
本発明の一実施例である2枚刃の切りくず吸引ドリルを示す図で、(a) は概略正面図、(b) は先端部の拡大図、(c) は(b) の右方向すなわち先端側から見た端面図、(d) は(c) の下方から見た図で(b) に比較して軸心Oまわりの位相が90°異なる方向から見た図である。 図1の切りくず吸引ドリルの先端部を切れ刃用溝に沿って破断した断面図である。 図1の切りくず吸引ドリルに設けられた切りくず取込み穴の拡大図である。 図1の切りくず吸引ドリルを用いて穴明け加工を行なった場合の空気の流れを説明する断面図である。 本発明品を含む4種類の試験品を用いて穴明け加工を行い、切りくず吸引性能を調べた結果を説明する図である。 本発明の他の実施例を説明する図で、図1の(d) に対応する先端部の拡大図である。 本発明の更に別の実施例を説明する正面図である。
符号の説明
10、50、60:切りくず吸引ドリル 12、62:刃部 14:首部 16:シャンク 18:切りくず吸引通路 20:加工穴 22:切れ刃用溝 24:切れ刃 26:逃げ面 30:切りくず取込み穴 32、64:空気導入溝 52:連通溝 O:軸心 D:ドリル径
本発明は、2枚刃のドリルに好適に適用されるが、1枚刃のドリルや3枚刃以上のドリルに適用することも可能である。ドリルの材質は、超硬合金や高速度工具鋼等の種々の工具材料を使用できる。
本発明の切りくず吸引ドリルは、基本的には切削油剤を使用しないドライ加工に好適に用いられるが、切りくずの吸引作用が適当に得られる範囲で、ミスト状の切削油剤などを使用しても差し支えない。また、例えば鋳物やアルミ鋳物など、切りくずが細かくて且つ絡みにくい被削材に対する穴明け加工に好適に用いられる。
本発明は、刃部よりも小径の首部を有するドリルに好適に適用されるが、ドリル径Dと略同じ径寸法でシャンクまで達しているものや、シャンク側に向かうに従って連続的に径寸法が小さくなるバックテーパが設けられたものにも、良好に適用され得る。その場合に、切れ刃用溝が設けられる刃部は、先端側の比較的短い範囲(例えば軸方向長さL3=1.0D〜2.0D程度)に設定することが望ましく、空気導入溝は、その刃部を超えてシャンク側へ向かって延び出すように設ければ良い。
切れ刃用溝は、軸心Oと平行であっても良いが、切れ刃によって生成された切りくずが切れ刃用溝に開口する切りくず取込み穴に向かって良好に流動するように、シャンク側から見た工具回転方向と同じ方向へねじれたねじれ溝とすることが望ましい。この切れ刃用溝は短くて良いため、軸心Oに対して傾斜する直線状の傾斜溝であっても良く、このような傾斜溝もねじれ溝の一態様である。なお、切れ刃用溝は比較的短く、且つ切りくず吸引通路の吸引で切りくずが吸い込まれるため、切れ刃用溝がシャンク側から見た工具回転方向と反対方向へねじれたり傾斜したりしていても、切りくず取込み穴内に吸引することができる。
切りくず吸引通路は、例えば軸心Oと同心に設けられる直線状の円形穴が望ましいが、軸心Oまわりにねじれたねじれ穴や、断面が三角形や四角形等の角形穴を採用することもできるなど、切りくずを流通させることができる種々の態様が可能である。円形穴の切りくず吸引通路の場合、その径寸法d2は、小さ過ぎると切りくずの流通が阻害され、大き過ぎると工具の剛性が損なわれるため、例えば0.3D〜0.7Dの範囲内が適当で、0.5D〜0.7D程度が望ましい。この切りくず吸引通路は、例えばシャンク側の端面に達するように設けられて、切りくずを排出するように構成されるが、シャンクの中間部、或いはシャンクと首部との境界等に、外周面に開口する排出穴等を設けて切りくずを排出することもできる。
空気導入溝は、軸心Oと平行であっても良いが、工具の回転に伴って空気が流入するように、シャンク側から見た工具回転方向と反対方向へねじれたねじれ溝とすることが望ましい。小径の首部を備えていて刃部のみに空気導入溝が設けられる場合など、その長さ寸法が短い場合には、軸心Oに対して傾斜する直線状の傾斜溝であっても良く、このような傾斜溝もねじれ溝の一態様である。なお、切りくず吸引通路の吸引による負圧によっても空気が空気導入溝内に流入するため、シャンク側から見た工具回転方向と同じ方向へねじれたり傾斜したりしている空気導入溝を採用することもできる。
上記空気導入溝は、切れ刃用溝に対応してその切れ刃用溝と同じ数だけ設けられる。この空気導入溝は、例えば一定の深さ寸法で外周面に沿って湾曲する円弧溝などで、切削加工或いは砥石による研削加工などで形成することができる。空気導入溝は、切れ刃用溝と交差したり接触したりしないように設けられ、工具先端部における流通を除いて互いに空気が流通しないように完全に分離して設けることが望ましいが、一部が接続されて僅かな量の空気が流通するようになっていても差し支えない。例えば、切れ刃の逃げ面と切れ刃用溝との境界部分に空気導入溝の先端部が開口するようになっていても良い。
切りくず取込み穴の軸方向長さL1は、0.3Dよりも小さいと切りくず詰まりが発生し易くなって溶着を生じる可能性が高くなる一方、軸方向長さL1が1.0Dよりも大きいと空気ばかり吸い込み易くなって切りくず吸引性能が低下するため、0.3D〜1.0Dの範囲内が適当である。また、切りくず取込み穴の幅寸法L2は、0.15Dよりも小さいと切りくず詰まりが発生し易くなって溶着を生じる可能性が高くなる。なお、この幅寸法L2の上限は、切りくず吸引通路の大きさや切れ刃用溝の断面形状等によって定まる。
上記切りくず取込み穴は、例えば切れ刃用溝が切りくず吸引通路の先端に部分的に交わるように設けられることによって形成されるが、必ずしも交差によって形成された穴をそのまま切りくず取込み穴として使用する必要はなく、必要に応じて研削加工等により穴を拡大して切りくず取込み穴として使用するようにしても良い。切れ刃用溝と切りくず吸引通路とが全く交差しない場合には、切れ刃用溝の底部に穴明け加工等を行なって切りくず吸引通路に連通させるようにしても良いなど、種々の態様が可能である。
刃部は、上記切りくず取込み穴を形成できれば良いため、その長さ寸法L3は、1.0D〜2.0Dの範囲内が適当である。長さ寸法L3が2.0Dよりも長くても差し支えないが、例えば空気導入溝としてねじれ溝を形成する場合には、その空気導入溝が切れ刃用溝と干渉(接触)しないようにするため、刃部の長さ寸法L3、すなわち切れ刃用溝の長さ寸法はできるだけ短い方が望ましい。
前記第8発明では、切れ刃用溝が刃部と首部との境界の段差に達しない範囲に設けられているが、例えば空気導入溝だけでは十分に空気を導入することが困難で、適当な空気の流れを形成することが難しい場合には、切れ刃用溝が刃部と首部との境界の段差に達するように形成し、所定量の空気が首部から切れ刃用溝内に流入するように構成することも可能である。
以下、本発明の実施例を、図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は本発明の一実施例である切りくず吸引ドリル10を示す図で、(a) は軸心Oと直角方向から見た概略正面図、(b) は先端の刃部12の拡大図、(c) は(b) の右方向すなわち先端側から見た端面図、(d) は(c) の下方から見た図で(b) に比較して軸心Oまわりの位相が90°異なる方向から見た図である。この切りくず吸引ドリル10は、超硬合金にて構成されているとともに、ドリル径Dと同じ径寸法を有する刃部12、刃部12よりも小径で一定の径寸法d1の首部14、および刃部12と同じ径寸法のシャンク16とを、軸心O上に連続して一体に備えている。本実施例では、ドリル径D=10mmで、首部14の径寸法d1=8mmで、軸心O上にはシャンク16側の端面から先端近くまで一定の径寸法d2=6mm(0.6D)の直線状の有底の円形穴が切りくず吸引通路18として形成されている。首部14の径寸法d1は、加工穴20(図4参照)の内周面との間の環状の隙間21が切りくず吸引通路18の断面積と略同じになるように、加工穴20の内径=ドリル径Dとして、次式(1) を満足するように定められている。
2 π−d12 π=d22 π ・・・(1)
上記刃部12の外周面には、軸心Oに対して対称的に一対の切れ刃用溝22が設けられており、その切れ刃用溝22の工具先端側に開口する端縁にそれぞれ穴明け用の切れ刃24が設けられている。本実施例の切りくず吸引ドリル10は、シャンク16側から見て右まわりに回転駆動されることにより穴明け加工を行なうもので、上記切れ刃用溝22は所定のねじれ角(例えば20°程度)で右まわりにねじれたねじれ溝、厳密には直線状の傾斜溝とされており、切れ刃24によって生成された切りくずには、工具の回転に伴ってその切れ刃用溝22の傾斜により首部14側へ向かう方向の分力が作用する。また、切れ刃24には、所定の逃げ角ρで円弧状に逃げるように逃げ面26が形成されている。逃げ角ρは、本実施例では約10°とされている。
上記切れ刃用溝22は、図2に示すように先端に例えば1.0〜1.3mm程度の心厚を残す状態で、その先端から軸心Oに対して所定の勾配角θで傾斜するように、砥石による研削加工によって形成されており、その溝底の一部が前記切りくず吸引通路18と交差(干渉)することにより、切りくず取込み穴30が形成されている。図3は、この切りくず取込み穴30を示す正面図、すなわち図1(b) に相当する形状の拡大図で、切りくず取込み穴30の軸心Oと平行な方向の軸方向長さL1は0.3D〜1.0Dの範囲内で、軸方向と直角な幅方向の最大寸法である幅寸法L2は0.15D以上である。この切りくず取込み穴30の形状や大きさは、上記勾配角θや切れ刃用溝22の断面形状によって定まり、本実施例では勾配角θ≒20°で、軸方向長さL1≒5.0mm(0.5D)とされ、幅寸法L2≒2.5mm(0.25D)とされている。図2は、切れ刃用溝22の傾斜(ねじれ)に沿って切り開いた断面図である。
刃部12は、切れ刃用溝22が首部14に達することがないように、厳密には首部14と刃部12との境界の段差に達しないように、その軸方向長さL3が1.0D〜2.0Dの範囲内で設定されており、本実施例ではL3≒12mm(1.2D)とされている。
刃部12の外周面にはまた、切れ刃用溝22と交差することがないように、軸心Oに対して対称的に一対の空気導入溝32が設けられている。空気導入溝32は、シャンク16側から見た工具回転方向と反対方向すなわち左まわりに所定のねじれ角(例えば30°程度)でねじれたねじれ溝で、首部14と刃部12との境界の段差を含んで前記逃げ面26に達するように設けられており、穴明け加工時の工具の回転に伴って外部の空気が空気導入溝32に沿って工具の先端側へ流動させられる。この空気導入溝32は、砥石による研削加工によって所定の幅寸法(例えば2〜3mm程度)で、溝底径が例えば首部14の径寸法と略同じかそれより小さく、少なくとも切りくず吸引通路18に達することがないように形成されている。本実施例では、空気導入溝32がその全長に亘って切れ刃用溝22と接することなく、完全に分離して設けられている。
そして、このような切りくず吸引ドリル10は、図4に示すように前記切りくず吸引通路18の後端部、すなわちシャンク16側の開口部に吸引装置40が接続され、その吸引装置40により所定の吸引力で空気を吸引しつつ、図示しない加工機械(マシニングセンタなど)によりシャンク16側から見て軸心Oの右まわりに回転駆動しつつ工具先端側へ前進させて、切れ刃24により鋳物等の被削材42に対して穴明け加工を行なう。その場合に、穴明け加工で生成された切りくずは、切れ刃用溝22に形成された切りくず取込み穴30から切りくず吸引通路18内に吸引され、シャンク16側へ排出される。
ここで、本実施例では刃部12の外周面に切れ刃24の逃げ面26に達するように空気導入溝32が設けられているため、切れ刃24によって切りくずが生成される工具先端部に空気が良好に導入されるようになり、切りくず吸引通路18による空気の吸引に伴い、空気導入溝32から工具先端部に導入された空気が切りくずと共に良好に切りくず取込み穴30内に吸引される。特に、刃部12の外周面に空気導入溝32が設けられることにより、工具の内部には1本の切りくず吸引通路18が設けられるだけであるため、その切りくず吸引通路18の断面積を十分に確保することが可能で、その切りくず吸引通路18の拡大に伴って切りくず取込み穴30も大きくすることができるため、切りくず詰まりの発生が抑制されるとともに、優れた切りくず吸引性能が得られるようになる。
また、工具の内部に空気導入通路を設ける場合に比較して、空気の導入部位が切りくずを生成する切れ刃24に一層近くなるため、その切りくずを一層効果的に切りくず取込み穴30内に導くことができ、切りくず吸引性能が一層向上する。
また、穴明け加工の進行に伴って切れ刃用溝22が設けられた刃部12が加工穴20内に入り込むと、その切れ刃用溝22からの空気の流入が制限されるため、空気導入溝32を中心として空気が工具先端部に導入されるようになり、その工具先端側から切りくず取込み穴30内に吸い込まれる際に切りくずが一層良好に切りくず吸引通路18内に吸引されるようになる。すなわち、空気導入溝32は刃部12と首部14との境界の段差を含んで形成されており、その境界の段差に達しないように設けられた切れ刃用溝22よりもシャンク16側へ延び出すように設けられているとともに、それ等の空気導入溝32および切れ刃用溝22は互いに交差しないように完全に分離して形成されているため、切れ刃用溝22が設けられた刃部12が加工穴20内に完全に入り込んだ後には、専ら空気導入溝32から空気が工具先端部に導入されるようになり、優れた切りくず吸引性能が得られるようになるのである。図4の太線矢印は、この時の空気の流れを示したものである。
また、本実施例では、空気導入溝32が工具回転方向と反対方向にねじれたねじれ溝であるため、穴明け加工の際の工具の回転に伴って空気導入溝32を経て工具先端側へ空気が一層良好に導入されるようになり、切りくず吸引通路18による空気の吸引と相まって空気導入溝32から工具先端部を経て切りくず取込み穴30へ向かう空気の流れが良好に形成され、その空気の流れにより切りくずが一層良好に切りくず吸引通路18内に吸引されるようになる。
また、本実施例では、切れ刃用溝22が設けられた刃部12の軸方向長さL3が1.0D〜2.0Dの範囲内で比較的短いため、加工穴20と刃部12との摺接による加工抵抗が低減されるとともに、その刃部12よりも深い穴を加工する際には、その刃部12が加工穴20内に完全に入り込んだ後は、首部14と加工穴20の内周面との間の隙間21および空気導入溝32を経て空気が工具先端部に導入されるようになり、優れた切りくず吸引性能が得られる。
また、本実施例では、切りくず取込み穴30の軸方向長さL1が0.3D〜1.0Dの範囲内で、軸方向と直角な幅寸法L2が0.15D以上であるため、切れ刃24によって生成された切りくずが良好に切りくず取込み穴30内に吸引される。特に、鋳物など比較的小さくて且つ絡み難い切りくずが生成される場合に、その切りくずを良好に吸引して除去することができる。
また、本実施例では、切れ刃24の逃げ面26に所定の逃げ角ρで円弧状の逃げが設けられているため、空気導入溝32内に導入された空気が切れ刃24の逃げ面26と加工穴20の底面との間の隙間を通って切れ刃用溝22内へ良好に流入させられ、切りくずを切りくず取込み穴30内に吸引する空気の流れが良好に形成される。
また、本実施例では、軸心Oに対して対称的に一対の切れ刃24が設けられているが、工具の軸心Oと同心に単一の切りくず吸引通路18が設けられているため、大きな流通断面積を確保することが可能で、切りくず詰まりを抑制しつつ一対の切れ刃24によって生成された切りくずを良好にシャンク16側へ排出することができる。
また、切りくず吸引通路18の先端に部分的に交わるように一対の切れ刃用溝22が設けられて一対の切りくず取込み穴30が形成されているため、研削加工によって切れ刃用溝22を形成する際に同時に切りくず取込み穴30を設けることができるとともに、その切れ刃用溝22の勾配角θを変更することにより、切りくず取込み穴30の形状や大きさを簡単に調整することができる。
また、本実施例は、刃部12に連続して刃部12よりも径寸法が小さい首部14を有する場合で、その刃部12と首部14との境界の段差を含んで空気導入溝32を設ければ、加工穴20の内周面と首部14との間の隙間21を通って空気導入溝32内に空気が良好に導入されるため、空気導入溝32の加工長さが短くなるとともに、首部14の加工は円筒研削加工等により比較的簡単に且つ迅速に行なうことができるため、製造コストが低減される。
また、上記首部14の径寸法d1が、加工穴20の内周面との間に切りくず吸引通路18の断面積と略同じ断面積の環状空間が形成されるように定められているため、その首部14と加工穴20の内周面との間に十分な量の空気が流入し、切りくずを切りくず取込み穴30内に吸引するための空気の流れが良好に形成される。
次に、図5の(b) に示すように、切りくず取込み穴30の大きさおよび空気導入溝32の有無が異なる4種類の試験品No1〜No4を用意し、(a) に示す試験条件で穴明け加工を行って切りくず吸引性能を調べた結果を説明する。試験品No1〜No4の基本形状は前記実施例の切りくず吸引ドリル10と同じで、径寸法d2=6mmの切りくず吸引通路18を備えており、切れ刃用溝22の勾配角θによって切りくず取込み穴30の形状が変更されている。空気導入溝32を有する試験品No3、No4が本発明品で、その中の試験品No3は、前記実施例と同じものである。
そして、試験品No3による穴明け加工時に切りくず吸引通路18を経て吸引された切りくずの重量を100%として、切りくず吸引量を比較したところ、図5の(b) に示す結果が得られた。切りくず取込み穴30が比較的小さく且つ空気導入溝32を備えていない試験品No1では、切りくずがうまく吸引せず、切りくず取込み穴30に切りくずが詰まって溶着が発生し、穴明け加工が不可であった。試験品No2は、試験品No3と同じ形状の切りくず取込み穴30が設けられているが、空気導入溝32を備えていなため、空気の流れがうまく形成されず、試験品No3に比較して切りくず吸引量は85%程度であった。試験品No4は、切りくず取込み穴30が大きく、従って切れ刃用溝22が刃部12を超えて首部14にまで達している場合であり、刃部12が加工穴20内に完全に入り込んだ後も、その切れ刃用溝22を経て空気が切りくず取込み穴30に吸引されるため、その分だけ切りくず吸引性能が損なわれ、試験品No3に比較して切りくず吸引量は90%程度であった。
次に、本発明の他の実施例を説明する。なお、以下の実施例において前記実施例と実質的に共通する部分には同一の符号を付して詳しい説明を省略する。
図6の切りくず吸引ドリル50は、前記実施例に比較して、前記空気導入溝32と切れ刃用溝22とを繋ぐように切れ刃24の逃げ面26に連通溝52を設けた場合である。この場合には、空気導入溝32内に導入された空気がその連通溝52を通って切れ刃用溝22内へ良好に流入させられるようになり、前記逃げ角ρによる逃げ面26の逃げと相まって、切りくずを切りくず取込み穴30内に吸引するための空気の流れが良好に形成される。また、このように連通溝52が設けられることにより、逃げ角ρを小さくすることが可能で、設計の自由度が高くなる。
図7の切りくず吸引ドリル60は、ドリル先端からシャンク16側へ向かうに従って連続的に径寸法が小さくなるバックテーパが設けられたもので、切れ刃用溝22は前記実施例と同じで、その切れ刃用溝22が設けられた軸方向長さL3の範囲が刃部62である。一方、一対の切れ刃用溝22に対応して逃げ面26に達するように設けられた一対の空気導入溝64は、前記空気導入溝32と同様に切れ刃用溝22と交差することがないように左ねじれで設けられているが、その長さ寸法は十分に長くてドリル外周面に螺旋状に設けられており、穴明け加工に際して刃部62が加工穴20内に完全に入り込んでも、外部の空気を空気導入溝64から工具先端部に導入できるようになっている。
本実施例においても、刃部62を含めてその外周面に空気導入溝64が設けられ、その空気導入溝64を経て外部の空気が工具先端部に良好に導入されるため、工具の内部には1本の切りくず吸引通路18が設けられるだけで良く、その切りくず吸引通路18の断面積を十分に確保することが可能で、その切りくず吸引通路18の拡大に伴って切りくず取込み穴30も大きくすることができるため、切りくず詰まりの発生が抑制されるとともに、優れた切りくず吸引性能が得られるようになるなど、前記実施例と同様の効果が得られる。
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、これ等はあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
本発明の切りくず吸引ドリルは、刃部の外周面に空気導入溝が設けられ、その空気導入溝を経て外部の空気が工具先端部に良好に導入されるため、工具の内部には切りくず吸引通路を設けるだけで良く、その切りくず吸引通路の断面積を十分に確保することが可能で、その切りくず吸引通路の拡大に伴って切りくず取込み穴も大きくすることができるため、切りくず詰まりの発生が抑制されるとともに、優れた切りくず吸引性能が得られるようになり、切りくずを排出しない環境に優しい穴明け加工に好適に用いられる。
【0001】
技術分野
[0001]
本発明はドリルに係り、特に、環境汚染の予防や清掃作業の簡略化を図るために切りくずを強制的に吸引して排出する切りくず吸引ソリッドドリルに関するものである。
背景技術
[0002]
(a)外周面に切れ刃用溝が形成されているとともに、その切れ刃用溝が工具先端側に開口する端縁に穴明け用の切れ刃が設けられた刃部と、(b)工具の内部に軸心に沿って設けられるとともに、前記切れ刃用溝に開口する切りくず取込み穴が形成された切りくず吸引通路と、を有し、(c)軸心まわりに回転駆動されつつ工具先端側へ前進させられることにより前記切れ刃によって穴明け加工を行なうとともに、その穴明け加工で生成された切りくずを前記切りくず取込み穴から前記切りくず吸引通路内に吸引してシャンク側へ排出する切りくず吸引ソリッドドリルが提案されている(特許文献1参照)。このような切りくず吸引ソリッドドリルによれば、穴明け加工で生成された切りくずが切りくず取込み穴から切りくず吸引通路内に吸引されてシャンク側へ排出されるため、クーラントで洗い流す場合に比較して、切りくずの後始末が容易になって清掃作業が簡略化されるとともに、切りくずの飛散による作業環境の悪化が大幅に改善される。
特許文献1:特公昭44−13745号公報
発明の開示
発明が解決しようとする課題
[0003]
ところで、上記引用文献1に記載の切りくず吸引ソリッドドリルは、切りくず吸引通路とは別に空気導入通路が工具の内部に設けられ、切りくず吸引通路による吸引に伴って空気導入通路から空気が工具の先端部分へ導入されるようになっているため、切りくず吸引通路の断面積を十分に確保することが困難で、切りくず詰まりが発生し易いとともに、切りくず取込み穴が小さくて切りくずの吸引作用が十分に得られないという問題があった。空気導入通路の開口部、すなわち空気の導入部位も切れ刃より手前であるため、切れ刃によって生成された切りくずを必ずしも効率良く切りくず取込み穴に
【0002】
導くことができない。また、切れ刃を形成するための切れ刃用溝に連続して螺旋状溝が軸方向に連続して設けられているため、その螺旋状溝からも空気が工具先端側へ導入されることになり、切りくず吸引通路が空気ばかり吸い込んで、切りくずをうまく吸い込むことができない可能性があった。更に、切りくず吸引通路の負圧の作用だけで空気導入通路内に空気が導入されるため、十分な空気の流れを発生させることが困難で、この点でも切りくずの吸引作用が十分に得られない可能性がある。
[0004]
本発明は以上の事情を背景として為されたもので、その目的とするところは、切れ刃によって生成された切りくずが高い吸引作用で切りくず吸引通路内に良好に吸引され、切りくず詰まりを生じることなくその切りくず吸引通路内を通って良好に排出されるようにすることにある。
課題を解決するための手段
[0005]
かかる目的を達成するために、第1発明は、(a)外周面に切れ刃用溝が形成されているとともに、その切れ刃用溝が工具先端側に開口する端縁に穴明け用の切れ刃が設けられた刃部を一体に備えている一方、(b)工具の内部に軸心Oに沿って設けられるとともに、前記切れ刃用溝に開口する切りくず取込み穴が形成された切りくず吸引通路を有し、(c)軸心Oまわりに回転駆動されつつ工具先端側へ前進させられることにより前記切れ刃によって穴明け加工を行なうとともに、その穴明け加工で生成された切りくずを前記切りくず取込み穴から前記切りくず吸引通路内に吸引してシャンク側へ排出する切りくず吸引ソリッドドリルにおいて、(d)前記刃部の外周面には、シャンク側から見た工具回転方向と反対方向にねじれている空気導入溝が前記切れ刃の逃げ面に達するように設けられており、前記切りくず吸引通路による空気の吸引に伴って、その空気導入溝から工具先端部に導入された空気が切りくずと共に前記切りくず取込み穴内に吸引され、その切りくず吸引通路を経てシャンク側へ排出されるようになっていることを特徴とする。
[0006]
第2発明は、第1発明の切りくず吸引ソリッドドリルにおいて、(a)前記切れ刃用溝は、軸心Oと平行な直溝またはシャンク側から見た工具回転方向と同じ方向にねじれたねじれ溝で、(b)前記空気導入溝は、軸方向において前記切れ刃用溝よりもシャンク側へ長く延び出すように設けられていることを特徴とする。
[0007]
第3発明は、第1発明または第2発明の切りくず吸引ソリッドドリルにおいて、ドリル径Dに対して、前記刃部の軸方向長さL3は1.0D〜2.0Dの範囲内であることを特徴とする。なお、刃部は、前記切れ刃用溝が形成されている範囲である。
【0003】
[0008]
第4発明は、第1発明〜第3発明の何れかの切りくず吸引ソリッドドリルにおいて、ドリル径Dに対して、前記切りくず取込み穴の軸方向長さL1は0.3D〜1.0Dの範囲内で、軸方向と直角な幅方向の最大寸法である幅寸法L2は0.15D以上であることを特徴とする。
[0009]
第5発明は、第1発明〜第4発明の何れかの切りくず吸引ソリッドドリルにおいて、前記切れ刃の逃げ面には、前記空気導入溝を通って導入された空気がその逃げ面と加工穴の底面との間の隙間を通って前記切れ刃用溝内へ流入できるように所定の逃げが設けられていることを特徴とする。
[0010]
第6発明は、第1発明〜第5発明の何れかの切りくず吸引ソリッドドリルにおいて、前記切れ刃の逃げ面には、前記切れ刃用溝が工具先端側に開口する端縁のうち前記切れ刃と反対側に位置する部分と前記空気導入溝とを繋ぐように連通溝が設けられていることを特徴とする。
[0011]
第7発明は、第1発明〜第6発明の何れかの切りくず吸引ソリッドドリルにおいて、(a)前記切れ刃用溝および前記切れ刃は、軸心Oに対して対称的に一対設けられている一方、(b)前記切りくず吸引通路は、工具の軸心Oと同心に形成された単一の円形穴で、(c)その切りくず吸引通路の先端に部分的に交わるように前記一対の切れ刃用溝が設けられることにより、それぞれその切れ刃用溝に開口する一対の切りくず取込み穴が形成されていることを特徴とする。
[0012]
第8発明は、第1発明〜第7発明の何れかの切りくず吸引ソリッドドリルにおいて、(a)前記刃部に連続してその刃部よりも径寸法が小さい首部を一体に有し、(b)前記切れ刃用溝は、前記刃部と前記首部との境界の段差に達しない範囲に設けられている一方、(c)前記空気導入溝は、前記刃部と前記首部との境界の段差を含んで設けられていることを特徴とする。
[0013]
第9発明は、第8発明の切りくず吸引ソリッドドリルにおいて、前記首部の径寸法d1は、加工穴の内周面との間に前記切りくず吸引通路の断面積と同じかそれ以上の断面積の環状空間が形成されるように定められていることを特徴とする。
発明の効果
[0014]
このような切りくず吸引ソリッドドリルにおいては、刃部の外周面に切れ刃の逃げ面に達す
【0004】
るように空気導入溝が設けられているため、切れ刃によって切りくずが生成される工具先端部に空気が良好に導入されるようになり、切りくず吸引通路による空気の吸引に伴って、空気導入溝から工具先端部に導入された空気が切りくずと共に良好に切りくず取込み穴内に吸引され、切りくず吸引通路を経てシャンク側へ良好に排出されるようになる。その場合に、刃部の外周面に空気導入溝が設けられることにより、工具の内部には切りくず吸引通路が設けられるだけであるため、その切りくず吸引通路の断面積を十分に確保することが可能で、その切りくず吸引通路の拡大に伴って切りくず取込み穴も大きくすることができるため、切りくず詰まりの発生が抑制されるとともに、優れた切りくず吸引性能が得られるようになる。加えて、工具の内部に空気導入通路を設ける場合に比較して、空気の導入部位が切りくずを生成する切れ刃に一層近くなるため、その切りくずを一層効果的に切りくず取込み穴内に導くことができ、切りくず吸引性能が一層向上する。
[0015]
また、穴明け加工の進行に伴って切れ刃用溝が設けられた刃部が加工穴内に入り込むと、その切れ刃用溝からの空気の流入が制限されるため、空気導入溝を中心として空気が工具先端部に導入されるようになり、その工具先端側から切りくず取込み穴内に吸い込まれる際に切りくずが一層良好に切りくず吸引通路内に吸引されるようになる。
また、空気導入溝が工具回転方向と反対方向にねじれているため、穴明け加工の際の工具の回転に伴って空気導入溝を経て工具先端側へ空気が一層良好に導入されるようになり、切りくず吸引通路による空気の吸引と相まって空気導入溝から工具先端部を経て切りくず取込み穴へ向かう空気の流れが良好に形成され、その空気の流れにより切りくずが一層良好に切りくず吸引通路内に吸引されるようになる。
[0016]
第2発明では、空気導入溝が軸方向において切れ刃用溝よりもシャンク側へ長く延び出すように設けられているため、切れ刃用溝が加工穴内に完全に入り込んだ後には、空気導入溝を中心として空気が工具先端部に導入されるようになり、優れた切りくず吸引性能が得られるようになる。
[0017]
第3発明では、切れ刃用溝が設けられた刃部の軸方向長さL3が1.0D〜2.0Dの
【0006】
刃部と首部との境界の段差を含んで空気導入溝を設ければ、加工穴の内周面と首部との間の隙間を通って空気導入溝内に空気が良好に導入されるため、空気導入溝の加工長さが短くなるとともに、首部の加工は円筒切削加工或いは研削加工等により比較的簡単に且つ迅速に行なうことができるため、製造コストが低減される。
[0023]
第9発明では、首部の径寸法d1が、加工穴の内周面との間に切りくず吸引通路の断面積と同じかそれ以上の断面積の環状空間が形成されるように定められているため、その首部と加工穴の内周面との間に十分な量の空気が流入し、切りくずを切りくず取込み穴内に吸引するための空気の流れが良好に形成される。
図面の簡単な説明
[0024]
[図1]本発明の一実施例である2枚刃の切りくず吸引ソリッドドリルを示す図で、(a)は概略正面図、(b)は先端部の拡大図、(c)は(b)の右方向すなわち先端側から見た端面図、(d)は(c)の下方から見た図で(b)に比較して軸心Oまわりの位相が90°異なる方向から見た図である。
[図2]図1の切りくず吸引ソリッドドリルの先端部を切れ刃用溝に沿って破断した断面図である。
[図3]図1の切りくず吸引ソリッドドリルに設けられた切りくず取込み穴の拡大図である。
[図4]図1の切りくず吸引ソリッドドリルを用いて穴明け加工を行なった場合の空気の流れを説明する断面図である。
[図5]本発明品を含む4種類の試験品を用いて穴明け加工を行い、切りくず吸引性能を調べた結果を説明する図である。
[図6]本発明の他の実施例を説明する図で、図1の(d)に対応する先端部の拡大図である。
[図7]本発明の更に別の実施例を説明する正面図である。
符号の説明
[0025]
10、50、60:切りくず吸引ソリッドドリル 12、62:刃部 14:首部 16:シャンク 18:切りくず吸引通路 20:加工穴 22:切れ刃用溝 24:切れ刃 26:逃げ面 30:切りくず取込み穴 32、64:空気導入溝 52:連通溝 O:軸心 D:ドリル径
【0007】
発明を実施するための最良の形態
[0026]
本発明は、2枚刃のドリルに好適に適用されるが、1枚刃のドリルや3枚刃以上のドリルに適用することも可能である。ドリルの材質は、超硬合金や高速度工具鋼等の種々の工具材料を使用できる。
[0027]
本発明の切りくず吸引ソリッドドリルは、基本的には切削油剤を使用しないドライ加工に好適に用いられるが、切りくずの吸引作用が適当に得られる範囲で、ミスト状の切削油剤などを使用しても差し支えない。また、例えば鋳物やアルミ鋳物など、切りくずが細かくて且つ絡みにくい被削材に対する穴明け加工に好適に用いられる。
[0028]
本発明は、刃部よりも小径の首部を有するドリルに好適に適用されるが、ドリル径Dと略同じ径寸法でシャンクまで達しているものや、シャンク側に向かうに従って連続的に径寸法が小さくなるバックテーパが設けられたものにも、良好に適用され得る。その場合に、切れ刃用溝が設けられる刃部は、先端側の比較的短い範囲(例えば軸方向長さL3=1.0D〜2.0D程度)に設定することが望ましく、空気導入溝は、その刃部を超えてシャンク側へ向かって延び出すように設ければ良い。
[0029]
切れ刃用溝は、軸心Oと平行であっても良いが、切れ刃によって生成された切りくずが切れ刃用溝に開口する切りくず取込み穴に向かって良好に流動するように、シャンク側から見た工具回転方向と同じ方向へねじれたねじれ溝とすることが望ましい。この切れ刃用溝は短くて良いため、軸心Oに対して傾斜する直線状の傾斜溝であっても良く、このような傾斜溝もねじれ溝の一態様である。なお、切れ刃用溝は比較的短く、且つ切りくず吸引通路の吸引で切りくずが吸い込まれるため、切れ刃用溝がシャンク側から見た工具回転方向と反対方向へねじれたり傾斜したりしていても、切りくず取込み穴内に吸引することができる。
[0030]
切りくず吸引通路は、例えば軸心Oと同心に設けられる直線状の円形穴が望ましいが、軸心Oまわりにねじれたねじれ穴や、断面が三角形や四角形等の角形穴を採用することもできるなど、切りくずを流通させることができる種々の態様が可能である。円形穴の切りくず吸引通路の場合、その径寸法d2は、小さ過ぎると切りくずの流通が阻害され、大き過ぎると工具の剛性が損なわれるため、例えば0.3D〜0.7Dの範囲内が適当で、0.5D〜0.7D程度が望ましい。この切りくず吸引通路は、例えばシャン
【0008】
ク側の端面に達するように設けられて、切りくずを排出するように構成されるが、シャンクの中間部、或いはシャンクと首部との境界等に、外周面に開口する排出穴等を設けて切りくずを排出することもできる。
[0031]
空気導入溝は、工具の回転に伴って空気が流入するように、シャンク側から見た工具回転方向と反対方向へねじれたねじれ溝とされる。小径の首部を備えていて刃部のみに空気導入溝が設けられる場合など、その長さ寸法が短い場合には、軸心Oに対して傾斜する直線状の傾斜溝であっても良く、このような傾斜溝もねじれ溝の一態様である。
[0032]
上記空気導入溝は、切れ刃用溝に対応してその切れ刃用溝と同じ数だけ設けられる。この空気導入溝は、例えば一定の深さ寸法で外周面に沿って湾曲する円弧溝などで、切削加工或いは砥石による研削加工などで形成することができる。空気導入溝は、切れ刃用溝と交差したり接触したりしないように設けられ、工具先端部における流通を除いて互いに空気が流通しないように完全に分離して設けることが望ましいが、一部が接続されて僅かな量の空気が流通するようになっていても差し支えない。例えば、切れ刃の逃げ面と切れ刃用溝との境界部分に空気導入溝の先端部が開口するようになっていても良い。
[0033]
切りくず取込み穴の軸方向長さL1は、0.3Dよりも小さいと切りくず詰まりが発生し易くなって溶着を生じる可能性が高くなる一方、軸方向長さL1が1.0Dよりも大きいと空気ばかり吸い込み易くなって切りくず吸引性能が低下するため、0.3D〜1.0Dの範囲内が適当である。また、切りくず取込み穴の幅寸法L2は、0.15Dよりも小さいと切りくず詰まりが発生し易くなって溶着を生じる可能性が高くなる。なお、この幅寸法L2の上限は、切りくず吸引通路の大きさや切れ刃用溝の断面形状等によって定まる。
[0034]
上記切りくず取込み穴は、例えば切れ刃用溝が切りくず吸引通路の先端に部分的に交わるように設けられることによって形成されるが、必ずしも交差によって形成され
【0009】
た穴をそのまま切りくず取込み穴として使用する必要はなく、必要に応じて研削加工等により穴を拡大して切りくず取込み穴として使用するようにしても良い。切れ刃用溝と切りくず吸引通路とが全く交差しない場合には、切れ刃用溝の底部に穴明け加工等を行なって切りくず吸引通路に連通させるようにしても良いなど、種々の態様が可能である。
[0035]
刃部は、上記切りくず取込み穴を形成できれば良いため、その長さ寸法L3は、1.0D〜2.0Dの範囲内が適当である。長さ寸法L3が2.0Dよりも長くても差し支えないが、空気導入溝が切れ刃用溝と干渉(接触)しないようにするため、刃部の長さ寸法L3、すなわち切れ刃用溝の長さ寸法はできるだけ短い方が望ましい。
[0036]
前記第8発明では、切れ刃用溝が刃部と首部との境界の段差に達しない範囲に設けられているが、例えば空気導入溝だけでは十分に空気を導入することが困難で、適当な空気の流れを形成することが難しい場合には、切れ刃用溝が刃部と首部との境界の段差に達するように形成し、所定量の空気が首部から切れ刃用溝内に流入するように構成することも可能である。
実施例
[0037]
以下、本発明の実施例を、図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は本発明の一実施例である切りくず吸引ソリッドドリル10を示す図で、(a)は軸心Oと直角方向から見た概略正面図、(b)は先端の刃部12の拡大図、(c)は(b)の右方向すなわち先端側から見た端面図、(d)は(c)の下方から見た図で(b)に比較して軸心Oまわりの位相が90°異なる方向から見た図である。この切りくず吸引ソリッドドリル10は、超硬合金にて構成されているとともに、ドリル径Dと同じ径寸法を有する刃部12、刃部12よりも小径で一定の径寸法d1の首部14、および刃部12と同じ径寸法のシャンク16とを、軸心O上に連続して一体に備えている。本実施例では、ドリル径D=10mmで、首部14の径寸法d1=8mmで、軸心O上にはシャンク16側の端面から先端近くまで一定の径寸法d2=6mm(0.6D)の直線状の有底の円形穴が切りくず吸引通路18として形成されている。首部14の径寸法d1は、加工穴20(図4参照)の内周面との間の環状の隙間21が切りくず吸引通路18の断面積と略同じになるように、加工
【0010】
穴20の内径=ドリル径Dとして、次式(1)を満足するように定められている。
π−d1π=d2π ・・・(1)
[0038]
上記刃部12の外周面には、軸心Oに対して対称的に一対の切れ刃用溝22が設けられており、その切れ刃用溝22の工具先端側に開口する端縁にそれぞれ穴明け用の切れ刃24が設けられている。本実施例の切りくず吸引ソリッドドリル10は、シャンク16側から見て右まわりに回転駆動されることにより穴明け加工を行なうもので、上記切れ刃用溝22は所定のねじれ角(例えば20°程度)で右まわりにねじれたねじれ溝、厳密には直線状の傾斜溝とされており、切れ刃24によって生成された切りくずには、工具の回転に伴ってその切れ刃用溝22の傾斜により首部14側へ向かう方向の分力が作用する。また、切れ刃24には、所定の逃げ角ρで円弧状に逃げるように逃げ面26が形成されている。逃げ角ρは、本実施例では約10°とされている。
[0039]
上記切れ刃用溝22は、図2に示すように先端に例えば1.0〜1.3mm程度の心厚を残す状態で、その先端から軸心Oに対して所定の勾配角θで傾斜するように、砥石による研削加工によって形成されており、その溝底の一部が前記切りくず吸引通路18と交差(干渉)することにより、切りくず取込み穴30が形成されている。図3は、この切りくず取込み穴30を示す正面図、すなわち図1(b)に相当する形状の拡大図で、切りくず取込み穴30の軸心Oと平行な方向の軸方向長さL1は0.3D〜1.0Dの範囲内で、軸方向と直角な幅方向の最大寸法である幅寸法L2は0.15D以上である。この切りくず取込み穴30の形状や大きさは、上記勾配角θや切れ刃用溝22の断面形状によって定まり、本実施例では勾配角θ≒20°で、軸方向長さL1≒5.0mm(0.5D)とされ、幅寸法L2≒2.5mm(0.25D)とされている。図2は、切れ刃用溝22の傾斜(ねじれ)に沿って切り開いた断面図である。
[0040]
刃部12は、切れ刃用溝22が首部14に達することがないように、厳密には首部14と刃部12との境界の段差に達しないように、その軸方向長さL3が1.0D〜2.0Dの範囲内で設定されており、本実施例ではL3≒12mm(1.2D)とされている。
[0041]
刃部12の外周面にはまた、切れ刃用溝22と交差することがないように、軸心Oに対して対称的に一対の空気導入溝32が設けられている。空気導入溝32は、シャンク16側から見た工具回転方向と反対方向すなわち左まわりに所定のねじれ角(例えば3
【0011】
0°程度)でねじれたねじれ溝で、首部14と刃部12との境界の段差を含んで前記逃げ面26に達するように設けられており、穴明け加工時の工具の回転に伴って外部の空気が空気導入溝32に沿って工具の先端側へ流動させられる。この空気導入溝32は、砥石による研削加工によって所定の幅寸法(例えば2〜3mm程度)で、溝底径が例えば首部14の径寸法と略同じかそれより小さく、少なくとも切りくず吸引通路18に達することがないように形成されている。本実施例では、空気導入溝32がその全長に亘って切れ刃用溝22と接することなく、完全に分離して設けられている。
[0042]
そして、このような切りくず吸引ソリッドドリル10は、図4に示すように前記切りくず吸引通路18の後端部、すなわちシャンク16側の開口部に吸引装置40が接続され、その吸引装置40により所定の吸引力で空気を吸引しつつ、図示しない加工機械(マシニングセンタなど)によりシャンク16側から見て軸心Oの右まわりに回転駆動しつつ工具先端側へ前進させて、切れ刃24により鋳物等の被削材42に対して穴明け加工を行なう。その場合に、穴明け加工で生成された切りくずは、切れ刃用溝22に形成された切りくず取込み穴30から切りくず吸引通路18内に吸引され、シャンク16側へ排出される。
[0043]
ここで、本実施例では刃部12の外周面に切れ刃24の逃げ面26に達するように空気導入溝32が設けられているため、切れ刃24によって切りくずが生成される工具先端部に空気が良好に導入されるようになり、切りくず吸引通路18による空気の吸引に伴い、空気導入溝32から工具先端部に導入された空気が切りくずと共に良好に切りくず取込み穴30内に吸引される。特に、刃部12の外周面に空気導入溝32が設けられることにより、工具の内部には1本の切りくず吸引通路18が設けられるだけであるため、その切りくず吸引通路18の断面積を十分に確保することが可能で、その切りくず吸引通路18の拡大に伴って切りくず取込み穴30も大きくすることができるため、切りくず詰まりの発生が抑制されるとともに、優れた切りくず吸引性能が得られるようになる。
[0044]
また、工具の内部に空気導入通路を設ける場合に比較して、空気の導入部位が切りくずを生成する切れ刃24に一層近くなるため、その切りくずを一層効果的に切りくず取込み穴30内に導くことができ、切りくず吸引性能が一層向上する。
【0013】
て除去することができる。
[0049]
また、本実施例では、切れ刃24の逃げ面26に所定の逃げ角ρで円弧状の逃げが設けられているため、空気導入溝32内に導入された空気が切れ刃24の逃げ面26と加工穴20の底面との間の隙間を通って切れ刃用溝22内へ良好に流入させられ、切りくずを切りくず取込み穴30内に吸引する空気の流れが良好に形成される。
[0050]
また、本実施例では、軸心Oに対して対称的に一対の切れ刃24が設けられているが、工具の軸心Oと同心に単一の切りくず吸引通路18が設けられているため、大きな流通断面積を確保することが可能で、切りくず詰まりを抑制しつつ一対の切れ刃24によって生成された切りくずを良好にシャンク16側へ排出することができる。
[0051]
また、切りくず吸引通路18の先端に部分的に交わるように一対の切れ刃用溝22が設けられて一対の切りくず取込み穴30が形成されているため、研削加工によって切れ刃用溝22を形成する際に同時に切りくず取込み穴30を設けることができるとともに、その切れ刃用溝22の勾配角θを変更することにより、切りくず取込み穴30の形状や大きさを簡単に調整することができる。
[0052]
また、本実施例は、刃部12に連続して刃部12よりも径寸法が小さい首部14を有する場合で、その刃部12と首部14との境界の段差を含んで空気導入溝32を設ければ、加工穴20の内周面と首部14との間の隙間21を通って空気導入溝32内に空気が良好に導入されるため、空気導入溝32の加工長さが短くなるとともに、首部14の加工は円筒研削加工等により比較的簡単に且つ迅速に行なうことができるため、製造コストが低減される。
[0053]
また、上記首部14の径寸法d1が、加工穴20の内周面との間に切りくず吸引通路18の断面積と略同じ断面積の環状空間が形成されるように定められているため、その首部14と加工穴20の内周面との間に十分な量の空気が流入し、切りくずを切りくず取込み穴30内に吸引するための空気の流れが良好に形成される。
[0054]
次に、図5の(b)に示すように、切りくず取込み穴30の大きさおよび空気導入溝32の有無が異なる4種類の試験品No1〜No4を用意し、(a)に示す試験条件で穴明け加工を行って切りくず吸引性能を調べた結果を説明する。試験品No1〜No4の基本形状は前記実施例の切りくず吸引ソリッドドリル10と同じで、径寸法d2=6mmの切りくず吸
【0014】
引通路18を備えており、切れ刃用溝22の勾配角θによって切りくず取込み穴30の形状が変更されている。空気導入溝32を有する試験品No3、No4が本発明品で、その中の試験品No3は、前記実施例と同じものである。
[0055]
そして、試験品No3による穴明け加工時に切りくず吸引通路18を経て吸引された切りくずの重量を100%として、切りくず吸引量を比較したところ、図5の(b)に示す結果が得られた。切りくず取込み穴30が比較的小さく且つ空気導入溝32を備えていない試験品No1では、切りくずがうまく吸引せず、切りくず取込み穴30に切りくずが詰まって溶着が発生し、穴明け加工が不可であった。試験品No2は、試験品No3と同じ形状の切りくず取込み穴30が設けられているが、空気導入溝32を備えていなため、空気の流れがうまく形成されず、試験品No3に比較して切りくず吸引量は85%程度であった。試験品No4は、切りくず取込み穴30が大きく、従って切れ刃用溝22が刃部12を超えて首部14にまで達している場合であり、刃部12が加工穴20内に完全に入り込んだ後も、その切れ刃用溝22を経て空気が切りくず取込み穴30に吸引されるため、その分だけ切りくず吸引性能が損なわれ、試験品No3に比較して切りくず吸引量は90%程度であった。
[0056]
次に、本発明の他の実施例を説明する。なお、以下の実施例において前記実施例と実質的に共通する部分には同一の符号を付して詳しい説明を省略する。
[0057]
図6の切りくず吸引ソリッドドリル50は、前記実施例に比較して、前記空気導入溝32と切れ刃用溝22とを繋ぐように切れ刃24の逃げ面26に連通溝52を設けた場合である。この場合には、空気導入溝32内に導入された空気がその連通溝52を通って切れ刃用溝22内へ良好に流入させられるようになり、前記逃げ角ρによる逃げ面26の逃げと相まって、切りくずを切りくず取込み穴30内に吸引するための空気の流れが良好に形成される。また、このように連通溝52が設けられることにより、逃げ角ρを小さくすることが可能で、設計の自由度が高くなる。
[0058]
図7の切りくず吸引ソリッドドリル60は、ドリル先端からシャンク16側へ向かうに従って連続的に径寸法が小さくなるバックテーパが設けられたもので、切れ刃用溝22は前記実施例と同じで、その切れ刃用溝22が設けられた軸方向長さL3の範囲が刃部62である。一方、一対の切れ刃用溝22に対応して逃げ面26に達するように設けられた一対
【0015】
の空気導入溝64は、前記空気導入溝32と同様に切れ刃用溝22と交差することがないように左ねじれで設けられているが、その長さ寸法は十分に長くてドリル外周面に螺旋状に設けられており、穴明け加工に際して刃部62が加工穴20内に完全に入り込んでも、外部の空気を空気導入溝64から工具先端部に導入できるようになっている。
[0059]
本実施例においても、刃部62を含めてその外周面に空気導入溝64が設けられ、その空気導入溝64を経て外部の空気が工具先端部に良好に導入されるため、工具の内部には1本の切りくず吸引通路18が設けられるだけで良く、その切りくず吸引通路18の断面積を十分に確保することが可能で、その切りくず吸引通路18の拡大に伴って切りくず取込み穴30も大きくすることができるため、切りくず詰まりの発生が抑制されるとともに、優れた切りくず吸引性能が得られるようになるなど、前記実施例と同様の効果が得られる。
[0060]
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、これ等はあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
産業上の利用可能性
[0061]
本発明の切りくず吸引ソリッドドリルは、刃部の外周面に空気導入溝が設けられ、その空気導入溝を経て外部の空気が工具先端部に良好に導入されるため、工具の内部には切りくず吸引通路を設けるだけで良く、その切りくず吸引通路の断面積を十分に確保することが可能で、その切りくず吸引通路の拡大に伴って切りくず取込み穴も大きくすることができるため、切りくず詰まりの発生が抑制されるとともに、優れた切りくず吸引性能が得られるようになり、切りくずを排出しない環境に優しい穴明け加工に好適に用いられる。

Claims (9)

  1. 外周面に切れ刃用溝が形成されているとともに、該切れ刃用溝が工具先端側に開口する端縁に穴明け用の切れ刃が設けられた刃部と、
    工具の内部に軸心Oに沿って設けられるとともに、前記切れ刃用溝に開口する切りくず取込み穴が形成された切りくず吸引通路と、
    を有し、軸心Oまわりに回転駆動されつつ工具先端側へ前進させられることにより前記切れ刃によって穴明け加工を行なうとともに、該穴明け加工で生成された切りくずを前記切りくず取込み穴から前記切りくず吸引通路内に吸引してシャンク側へ排出する切りくず吸引ドリルにおいて、
    前記刃部の外周面には、前記切れ刃の逃げ面に達するように空気導入溝が設けられている
    ことを特徴とする切りくず吸引ドリル。
  2. 前記切れ刃用溝は、軸心Oと平行な直溝またはシャンク側から見た工具回転方向と同じ方向にねじれたねじれ溝で、
    前記空気導入溝は、軸心Oと平行な直溝またはシャンク側から見た工具回転方向と反対方向にねじれたねじれ溝で、軸方向において前記切れ刃用溝よりもシャンク側へ長く延び出すように設けられている
    ことを特徴とする請求項1に記載の切りくず吸引ドリル。
  3. ドリル径Dに対して、前記刃部の軸方向長さL3は1.0D〜2.0Dの範囲内である
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の切りくず吸引ドリル。
  4. ドリル径Dに対して、前記切りくず取込み穴の軸方向長さL1は0.3D〜1.0Dの範囲内で、軸方向と直角な幅方向の最大寸法である幅寸法L2は0.15D以上である
    ことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の切りくず吸引ドリル。
  5. 前記切れ刃の逃げ面には、前記空気導入溝を通って導入された空気が該逃げ面と加工穴の底面との間の隙間を通って前記切れ刃用溝内へ流入できるように所定の逃げが設けられている
    ことを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の切りくず吸引ドリル。
  6. 前記切れ刃の逃げ面には、前記切れ刃用溝が工具先端側に開口する端縁のうち前記切れ刃と反対側に位置する部分と前記空気導入溝とを繋ぐように連通溝が設けられている
    ことを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の切りくず吸引ドリル。
  7. 前記切れ刃用溝および前記切れ刃は、軸心Oに対して対称的に一対設けられている一方、
    前記切りくず吸引通路は、工具の軸心Oと同心に形成された単一の円形穴で、
    該切りくず吸引通路の先端に部分的に交わるように前記一対の切れ刃用溝が設けられることにより、それぞれ該切れ刃用溝に開口する一対の切りくず取込み穴が形成されている
    ことを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の切りくず吸引ドリル。
  8. 前記刃部に連続して該刃部よりも径寸法が小さい首部を有し、
    前記切れ刃用溝は、前記刃部と前記首部との境界の段差に達しない範囲に設けられている一方、
    前記空気導入溝は、前記刃部と前記首部との境界の段差を含んで設けられている
    ことを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載の切りくず吸引ドリル。
  9. 前記首部の径寸法d1は、加工穴の内周面との間に前記切りくず吸引通路の断面積と同じかそれ以上の断面積の環状空間が形成されるように定められている
    ことを特徴とする請求項8に記載の切りくず吸引ドリル。
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