JPWO2009093337A1 - 垂直軸型風車 - Google Patents
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Abstract
本発明は、風力発電などに使用される垂直軸型風車に関し、その目的は、広範囲の風速域における発電効率の向上を図ることである。垂直回転軸に直交する面内で、該垂直回転軸を中心として等角度間隔に複数のブレード(3)が設けられた垂直軸型風車において、翼外面(3a)が翼内面(3b)に比べて大きく外側に湾曲し、1.0以上の揚力係数を有する流線形非対称翼型でブレードを形成するとともに、該ブレードの翼内面に、所定の位置(P)を起点として後縁まで切り欠くことによって切欠部(B)を形成し、ブレードの厚さ(T)を、該ブレードの翼弦長(C)に対して22%〜30%とし、かつ、所定の位置を、ブレードの翼弦長に対して前縁から45%の位置より後ろで65%の位置より前にした。
Description
本発明は、風力発電などに使用される垂直軸型風車に関し、より詳細には、風車の発電効率を向上できるようにブレード形状の改良を図った垂直軸型風車に関する。
一般に、風力発電用の風車には、回転軸が風の方向に対して水平(平行)になっている水平軸型風車(プロペラ型風車)と、回転軸が風の方向に対して垂直になっている垂直軸型風車とが知られている。
このうち、垂直軸型風車には、サボニウス型やパドル型などのように、風車の空気力を発生させる部位(ブレード)に働く抗力を風車の主たる回転力とするサボニウス効果によって風車を回転させる抗力型と、ダリウス型やジャイロミル型などのように、ブレードに働く揚力の回転方向成分を風車の主たる回転力とするジャイロミル効果によって風車を回転させる揚力型とが知られている。
また、近年、上述したサボニウス効果とジャイロミル効果とを併せ持つように改良されたハイブリッド型の垂直軸型風車が改良され、例えば、日本国特許第3451085号公報に開示されている。
同文献に開示されている垂直軸型風車では、垂直回転軸に直交する面内で、該回転軸を中心として一定角度ごとに複数のブレードが設けられ、該ブレードの形状には、NACA4字系翼型、RAF翼型、ゲッチンゲン翼型などに代表されるような、飛行機に使用される流線形の断面形状を有する翼型が使用されている。また、このブレードの翼内面(回転軸側の表面)には、翼弦長に対して前縁から35%〜45%の位置を起点として後縁まで切り欠いたことにより形成された切欠部が設けられている。
このようなブレード構造を有する垂直軸型風車では、回転静止状態を含む低風速域(ブレードの回転速度と風速の比が1未満の回転状態)においては、切欠部がブレードの後方からの風を受けることにより生じるサボニウス効果によって主たる回転力を得て、一方、中・高風速域(ブレードの回転速度と風速の比が1以上の回転状態)においては、ブレード前方からの風に対して生じるジャイロミル効果によって主たる回転力を得ている。
しかしながら、近年、自然エネルギに対する関心の高まりに伴って、風力発電の需要が増加傾向にあり、このような風力発電の分野では、発電効率をより向上させた風車が求められていた。
一般に、NACA4字系翼型、FAF翼型、ゲッチンゲン翼型などに代表される飛行機等に使用される流線型翼型のブレードの厚さは、翼弦長に対して12%〜15%程度であった。従来の風力発電用の風車では、このような形状を有する翼型をそのままブレードとして使用し、仮に変更したとしても、日本国特許第3451085号公報に開示されるように、その翼型の一部に切欠部などを設ける程度であった。
確かに、同文献に開示されているように、ブレードの一部に切欠部を設けることによって風車の発電効率を向上させることができるが、上述したような従来の翼型を用いたブレード形状、特に厚さが翼弦長に対して15%未満である翼型を用いたブレード形状では、風車の発電効率をさらに向上させるには限界があった。
このうち、垂直軸型風車には、サボニウス型やパドル型などのように、風車の空気力を発生させる部位(ブレード)に働く抗力を風車の主たる回転力とするサボニウス効果によって風車を回転させる抗力型と、ダリウス型やジャイロミル型などのように、ブレードに働く揚力の回転方向成分を風車の主たる回転力とするジャイロミル効果によって風車を回転させる揚力型とが知られている。
また、近年、上述したサボニウス効果とジャイロミル効果とを併せ持つように改良されたハイブリッド型の垂直軸型風車が改良され、例えば、日本国特許第3451085号公報に開示されている。
同文献に開示されている垂直軸型風車では、垂直回転軸に直交する面内で、該回転軸を中心として一定角度ごとに複数のブレードが設けられ、該ブレードの形状には、NACA4字系翼型、RAF翼型、ゲッチンゲン翼型などに代表されるような、飛行機に使用される流線形の断面形状を有する翼型が使用されている。また、このブレードの翼内面(回転軸側の表面)には、翼弦長に対して前縁から35%〜45%の位置を起点として後縁まで切り欠いたことにより形成された切欠部が設けられている。
このようなブレード構造を有する垂直軸型風車では、回転静止状態を含む低風速域(ブレードの回転速度と風速の比が1未満の回転状態)においては、切欠部がブレードの後方からの風を受けることにより生じるサボニウス効果によって主たる回転力を得て、一方、中・高風速域(ブレードの回転速度と風速の比が1以上の回転状態)においては、ブレード前方からの風に対して生じるジャイロミル効果によって主たる回転力を得ている。
しかしながら、近年、自然エネルギに対する関心の高まりに伴って、風力発電の需要が増加傾向にあり、このような風力発電の分野では、発電効率をより向上させた風車が求められていた。
一般に、NACA4字系翼型、FAF翼型、ゲッチンゲン翼型などに代表される飛行機等に使用される流線型翼型のブレードの厚さは、翼弦長に対して12%〜15%程度であった。従来の風力発電用の風車では、このような形状を有する翼型をそのままブレードとして使用し、仮に変更したとしても、日本国特許第3451085号公報に開示されるように、その翼型の一部に切欠部などを設ける程度であった。
確かに、同文献に開示されているように、ブレードの一部に切欠部を設けることによって風車の発電効率を向上させることができるが、上述したような従来の翼型を用いたブレード形状、特に厚さが翼弦長に対して15%未満である翼型を用いたブレード形状では、風車の発電効率をさらに向上させるには限界があった。
そこで、本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ブレードの翼弦長に対する厚さの割合を高くするとともに、該ブレードの一部に形成される切欠部を最適な位置に設けることによって、広範囲の風速域における発電効率の向上を図った垂直軸型風車を提供することにある。
本発明の上記目的は、垂直回転軸に直交する面内で、該垂直回転軸を中心として等角度間隔に複数のブレードが設けられた垂直軸型風車において、前記ブレードが、その翼外面が翼内面に比べて大きく外側に湾曲し、1.0以上の揚力係数を有するように形成された流線形非対称翼型であり、前記ブレードの翼内面が、所定の位置を起点として後縁まで切り欠くことによって形成された切欠部を有し、前記ブレードの厚さが、該ブレードの翼弦長に対して15%〜30%であり、かつ、前記所定の位置が、前記ブレードの翼弦長に対して前縁から45%の位置より後ろで65%の位置より前であることにより、達成される。
また、上記目的は、前記ブレードの厚さが、前記ブレードの翼弦長に対して25%〜30%であることにより、効果的に達成される。
さらに、上記目的は、前記所定の位置が、前記ブレードの翼弦長に対して前縁から45%〜55%の位置であることにより、効果的に達成される。
本発明に係る垂直軸型風車によれば、垂直回転軸を中心として等角度間隔に設けられる複数のブレードの厚さを、該ブレードの翼弦長に対して15%〜30%とし、かつ、翼弦長に対して前縁から45%の位置より後ろで65%の位置より前の位置を起点として、ブレードの翼内面に切欠部を形成した。このブレード構造により、低風速域(約1〜3m/sec)におけるブレードのレイノルズ数は約105以下となり、この状態における抗力係数を大きく(約1.0)することができるので、高いサボニウス効果を維持することができる。また、このブレード構造により、ブレードの翼外面および翼内面の圧力分布を前方に集中させることができるので、ブレードにおける風圧中心を前方に大きく移動させて、空気力の回転方向成分を増大することができる。すなわち、本発明に係るブレードの形状は、低風速域における優れたサボニウス効果を維持しつつ、中・高風速域におけるジャイロミル効果を大幅に向上させることができる。この結果、ブレードの性能を向上させるための新たな機構等を設けることなく、起動時から中・高風速時に亘る広範囲の風速域において発電効率の向上を図ることができるので、優れた発電力を有する風車を低コストで製造することができる。
本発明の上記目的は、垂直回転軸に直交する面内で、該垂直回転軸を中心として等角度間隔に複数のブレードが設けられた垂直軸型風車において、前記ブレードが、その翼外面が翼内面に比べて大きく外側に湾曲し、1.0以上の揚力係数を有するように形成された流線形非対称翼型であり、前記ブレードの翼内面が、所定の位置を起点として後縁まで切り欠くことによって形成された切欠部を有し、前記ブレードの厚さが、該ブレードの翼弦長に対して15%〜30%であり、かつ、前記所定の位置が、前記ブレードの翼弦長に対して前縁から45%の位置より後ろで65%の位置より前であることにより、達成される。
また、上記目的は、前記ブレードの厚さが、前記ブレードの翼弦長に対して25%〜30%であることにより、効果的に達成される。
さらに、上記目的は、前記所定の位置が、前記ブレードの翼弦長に対して前縁から45%〜55%の位置であることにより、効果的に達成される。
本発明に係る垂直軸型風車によれば、垂直回転軸を中心として等角度間隔に設けられる複数のブレードの厚さを、該ブレードの翼弦長に対して15%〜30%とし、かつ、翼弦長に対して前縁から45%の位置より後ろで65%の位置より前の位置を起点として、ブレードの翼内面に切欠部を形成した。このブレード構造により、低風速域(約1〜3m/sec)におけるブレードのレイノルズ数は約105以下となり、この状態における抗力係数を大きく(約1.0)することができるので、高いサボニウス効果を維持することができる。また、このブレード構造により、ブレードの翼外面および翼内面の圧力分布を前方に集中させることができるので、ブレードにおける風圧中心を前方に大きく移動させて、空気力の回転方向成分を増大することができる。すなわち、本発明に係るブレードの形状は、低風速域における優れたサボニウス効果を維持しつつ、中・高風速域におけるジャイロミル効果を大幅に向上させることができる。この結果、ブレードの性能を向上させるための新たな機構等を設けることなく、起動時から中・高風速時に亘る広範囲の風速域において発電効率の向上を図ることができるので、優れた発電力を有する風車を低コストで製造することができる。
第1図は、本発明の実施形態に係る垂直軸型風車を示す上面図である。
第2図は、第1図中の矢印II方向から見た垂直軸型風車を示す側面図である。
第3図は、本発明の実施形態に係る垂直軸型風車のブレードを示す要部斜視図である。
第4図は、本発明の実施形態に係る垂直軸型風車のブレード形状に関する説明図である。
第5図は、本発明の実施形態に係る垂直軸型風車の出力試験に用いた風洞装置を示す概略断面図である。
第6図は、本発明の実施形態に係る垂直軸型風車の出力試験に用いた供試体を示す概略側面図である。
第7図は、本発明の実施形態に係る垂直軸型風車の出力試験に用いた発電効率実験装置を示す概略側面図である。
第8図は、ブレードの翼厚を一定にして、切欠起点の位置を変更した場合の出力結果を示すグラフである。
第9図は、ブレードの切欠起点の位置を一定にして、翼厚を変更した場合の出力結果を示すグラフである。
第2図は、第1図中の矢印II方向から見た垂直軸型風車を示す側面図である。
第3図は、本発明の実施形態に係る垂直軸型風車のブレードを示す要部斜視図である。
第4図は、本発明の実施形態に係る垂直軸型風車のブレード形状に関する説明図である。
第5図は、本発明の実施形態に係る垂直軸型風車の出力試験に用いた風洞装置を示す概略断面図である。
第6図は、本発明の実施形態に係る垂直軸型風車の出力試験に用いた供試体を示す概略側面図である。
第7図は、本発明の実施形態に係る垂直軸型風車の出力試験に用いた発電効率実験装置を示す概略側面図である。
第8図は、ブレードの翼厚を一定にして、切欠起点の位置を変更した場合の出力結果を示すグラフである。
第9図は、ブレードの切欠起点の位置を一定にして、翼厚を変更した場合の出力結果を示すグラフである。
1 垂直軸型風車
2 回転軸
3 ブレード
3a 翼外面
3b 翼内面
4 センターポール
5 支持ストラット
8 外皮
B 切欠部
C 翼弦長
T 翼厚
P ブレード前縁から切欠起点までの距離
2 回転軸
3 ブレード
3a 翼外面
3b 翼内面
4 センターポール
5 支持ストラット
8 外皮
B 切欠部
C 翼弦長
T 翼厚
P ブレード前縁から切欠起点までの距離
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照にしながら説明する。
第1図は、本発明の実施形態に係る垂直軸型風車を示す上面図であり、第2図は、第1図中の矢印II方向から見た垂直軸型風車を示す側面図である。
第1図および第2図に示すように、本実施形態に係る垂直軸型風車1は、下端部が発電機等(図示せず)に連結された垂直な回転軸2を備え、該回転軸2に直交する面内で同一半径の円周方向に沿って等角度間隔(本実施形態では120°間隔)で3枚の翼型のブレード3が回転軸2に平行に配されている。各ブレード3は、回転軸2と同軸に連結されたセンターポール4から放射状に延設された支持ストラット5の端部に所定の取付角(本実施形態では支持ストラット4に対して略90°)で固定されている。また、センターポール4の下方には、軸受6および風車支持ポール7が設けられ、センターポール4の下端から下方に延びる回転軸2を回転自在に支持している。このような構成からなる垂直軸型風車1では、風力から得られるブレード3の回転力が、支持ストラット5およびセンターポール4を介して回転軸2に伝達されるようになっている。
また、第3図は、本発明の実施形態に係る垂直軸型風車のブレードを示す要部斜視図であり、第4図は、本発明の実施形態に係る垂直軸型風車のブレード形状に関する説明図である。
第3図および第4図に示すように、各ブレード3の表面は、アルミニウム合金やチタニウム合金などの軽金属、あるいは繊維強化プラスチック(FRP)などの複合材などの材質からなる薄板状の素材を曲げて形成された外皮8で構成されている。このブレード3の翼形断面は、1.0以上(好ましくは1.0〜1.4)の揚力係数を有する流線形であり、特に、軽飛行機(離陸重量5700kgf以下の飛行機)などの主翼に使用されている非対称翼型の形状、例えばNACA4字系翼型、RAF翼型、ゲッチンゲン翼型などであることが好ましい。なお、本実施形態では、翼型の膨らみが大きい面(外周側の面)をブレード3の翼外面3aとし、翼型の膨らみが小さい面(内周側の面)をブレード3の翼内面3bとする。
また、第3図に示すように、ブレード3の内部にはリブ(支持桁)9が嵌挿されている。このリブ9は、ブレード3の翼外面3aおよび翼内面3bの内側にリベットや接着剤などによって取り付けられ、回転時のブレード3の変形を防止している。そして、このブレード3の翼内面3bの一部、すなわち翼弦に対して回転軸2側(センターポール4側)には、所定の位置を起点として後縁まで切り欠くことにより形成された切欠部Bが備えられている。
このような構成からなり、サボニウス効果とジャイロミル効果とを有するハイブリッド型の風車1では、ブレード3の翼厚を大きくするにつれて翼外面3aおよび翼内面3bの圧力分布が前方に集中し、ジャイロミル効果が向上する傾向を有するが、その一方で、切欠部Bによって得られる抗力に対して、ブレード3の前方からの風により生じる形状抗力の割合が増加してしまい、サボニウス効果を低下させてしまうという傾向も有する。また、このようなハイブリッド型の風車1では、切欠部Bが形成される起点を前縁側にするにつれてサボニウス効果が向上する傾向を有するが、その一方で、この切欠部Bがブレードの周囲の圧力分布に対して大きな影響を及ぼしてしまい、ジャイロミル効果を低下させてしまうという傾向も有する。
そこで、このような特性を考慮して、本実施形態に係る垂直軸型風車1の各ブレード3は、優れたサボニウス効果を維持しつつ、中・高風速域(6[m/s]以上)におけるジャイロミル効果を大幅に向上させることができる翼型で形成されている。このブレード3の翼型は、第4図に示すように、ブレード3の翼弦長をC、翼厚をT、ブレード3の前縁から切欠部Bの起点までの距離をPとすると、0.15≦(T/C)≦0.30、かつ、0.45<(P/C)<0.65になっている。すなわち、ブレード3の翼厚Tが該ブレード3の翼弦長Cに対して15%〜30%であり、かつ、切欠部Bの起点が翼弦長Cに対して前縁から45%の位置より後ろで65%の位置より前になっている。
以上のように、本実施形態に係る垂直軸型風車1では、従来のもの(ブレードの翼弦長に対する翼厚が15%未満の翼型)より厚いブレード3を用いるとともに、翼内面3bの切欠部Bの起点を後縁側にしたことにより、低風速域における優れたサボニウス効果を維持しつつ、翼外面3aおよび翼内面3bの圧力分布をブレード3の前縁側に集中させてジャイロミル効果を大幅に向上させることができる。
第1図は、本発明の実施形態に係る垂直軸型風車を示す上面図であり、第2図は、第1図中の矢印II方向から見た垂直軸型風車を示す側面図である。
第1図および第2図に示すように、本実施形態に係る垂直軸型風車1は、下端部が発電機等(図示せず)に連結された垂直な回転軸2を備え、該回転軸2に直交する面内で同一半径の円周方向に沿って等角度間隔(本実施形態では120°間隔)で3枚の翼型のブレード3が回転軸2に平行に配されている。各ブレード3は、回転軸2と同軸に連結されたセンターポール4から放射状に延設された支持ストラット5の端部に所定の取付角(本実施形態では支持ストラット4に対して略90°)で固定されている。また、センターポール4の下方には、軸受6および風車支持ポール7が設けられ、センターポール4の下端から下方に延びる回転軸2を回転自在に支持している。このような構成からなる垂直軸型風車1では、風力から得られるブレード3の回転力が、支持ストラット5およびセンターポール4を介して回転軸2に伝達されるようになっている。
また、第3図は、本発明の実施形態に係る垂直軸型風車のブレードを示す要部斜視図であり、第4図は、本発明の実施形態に係る垂直軸型風車のブレード形状に関する説明図である。
第3図および第4図に示すように、各ブレード3の表面は、アルミニウム合金やチタニウム合金などの軽金属、あるいは繊維強化プラスチック(FRP)などの複合材などの材質からなる薄板状の素材を曲げて形成された外皮8で構成されている。このブレード3の翼形断面は、1.0以上(好ましくは1.0〜1.4)の揚力係数を有する流線形であり、特に、軽飛行機(離陸重量5700kgf以下の飛行機)などの主翼に使用されている非対称翼型の形状、例えばNACA4字系翼型、RAF翼型、ゲッチンゲン翼型などであることが好ましい。なお、本実施形態では、翼型の膨らみが大きい面(外周側の面)をブレード3の翼外面3aとし、翼型の膨らみが小さい面(内周側の面)をブレード3の翼内面3bとする。
また、第3図に示すように、ブレード3の内部にはリブ(支持桁)9が嵌挿されている。このリブ9は、ブレード3の翼外面3aおよび翼内面3bの内側にリベットや接着剤などによって取り付けられ、回転時のブレード3の変形を防止している。そして、このブレード3の翼内面3bの一部、すなわち翼弦に対して回転軸2側(センターポール4側)には、所定の位置を起点として後縁まで切り欠くことにより形成された切欠部Bが備えられている。
このような構成からなり、サボニウス効果とジャイロミル効果とを有するハイブリッド型の風車1では、ブレード3の翼厚を大きくするにつれて翼外面3aおよび翼内面3bの圧力分布が前方に集中し、ジャイロミル効果が向上する傾向を有するが、その一方で、切欠部Bによって得られる抗力に対して、ブレード3の前方からの風により生じる形状抗力の割合が増加してしまい、サボニウス効果を低下させてしまうという傾向も有する。また、このようなハイブリッド型の風車1では、切欠部Bが形成される起点を前縁側にするにつれてサボニウス効果が向上する傾向を有するが、その一方で、この切欠部Bがブレードの周囲の圧力分布に対して大きな影響を及ぼしてしまい、ジャイロミル効果を低下させてしまうという傾向も有する。
そこで、このような特性を考慮して、本実施形態に係る垂直軸型風車1の各ブレード3は、優れたサボニウス効果を維持しつつ、中・高風速域(6[m/s]以上)におけるジャイロミル効果を大幅に向上させることができる翼型で形成されている。このブレード3の翼型は、第4図に示すように、ブレード3の翼弦長をC、翼厚をT、ブレード3の前縁から切欠部Bの起点までの距離をPとすると、0.15≦(T/C)≦0.30、かつ、0.45<(P/C)<0.65になっている。すなわち、ブレード3の翼厚Tが該ブレード3の翼弦長Cに対して15%〜30%であり、かつ、切欠部Bの起点が翼弦長Cに対して前縁から45%の位置より後ろで65%の位置より前になっている。
以上のように、本実施形態に係る垂直軸型風車1では、従来のもの(ブレードの翼弦長に対する翼厚が15%未満の翼型)より厚いブレード3を用いるとともに、翼内面3bの切欠部Bの起点を後縁側にしたことにより、低風速域における優れたサボニウス効果を維持しつつ、翼外面3aおよび翼内面3bの圧力分布をブレード3の前縁側に集中させてジャイロミル効果を大幅に向上させることができる。
以下、上述した本発明の実施形態に係る垂直軸型風車の出力試験、およびその結果について説明する。
上述したような構成を有する垂直軸型風車1におけるブレード3の翼厚および切欠部Bの位置を変更した場合の出力特性(発電効率)を確認するために、ゲッチンゲン型回流式風洞装置(第5図)、該風洞装置の測定部に配される供試体(第6図)、および該供試体にセットされる発電機の発電効率を測定する発電効率測定装置(第7図)を用いて、風車の出力試験が行われた。
第5図において、実験室内に設置された風洞装置10は、吸込管11、第1変流管12、第2変流管13、第3変流管14、第4変流管15、および第2変流管13内に設けられた羽根車16aを回転する送風機16を備え、第4変流管15の端部開口に設けられた2000[mm]×2000[mm]の吹出口15aから最大ノズル風速60[m/sec]で風を吹き出すことが可能である。
また、風洞装置10の各部寸法は、L1=2000[mm],L2=4200[mm],L3=3200[mm],L4=3200[mm],L5=5000[mm],L6=3500[mm],L7=14158[mm],L8=13196[mm],L9=5000[mm],L10=2656[mm],L11=29900[mm],L12=1696[mm],L13=34252[mm]である。
本風洞実験では、第6図に示すように、風洞装置10の吹出口15aと吸込管11の開口端部との間の測定部に配される供試体(風車)1´に発電機21を取り付け、風速を任意に変更しながら風車1´を回転させた。この際、発電機21を電子負荷装置に接続し、該電子負荷装置の負荷を変化させて最適負荷を求め、この負荷における出力(電圧、電流、電力)を計測することにより、発電機21の発電効率の影響を考慮した風車1´の発電力を求めた。
また、第7図に示すように、風車1´に使用する発電機21を発電効率実験装置22にセットして、上記風洞実験で使用するものと同一の電子負荷装置と電子電力計測装置を用いて発電機21の発電効率を求める実験を行った。この実験では、発電機21とモータ23との間に設けた回転トルク計24を用いて、発電機21の回転モーメントと回転数を計測して入力を確認するとともに、電子電力計測装置を用いて発電力を計測し、発電機21の発電効率を求めた。
この風洞実験では、回転直径D=1200[mm]の面内で等角度間隔に設けられた4枚のブレード3を有する風車1´を供試体として使用した。そして、ブレード長さHを1200[mm]、ブレード幅(翼弦長)Cを220[mm]に設定し、以下の表1に示すように、ブレード3の『翼厚比率』あるいは『切欠位置比率』が異なる8種類の供試体1´を用いて、各供試体1´の風速に対する発電力を測定した。ここで、『翼厚比率』とは上記実施形態で説明したブレード3の翼弦長Cに対する翼厚Tの比率であり、『切欠位置比率』とは上記実施形態で説明したブレード3の翼弦長Cに対する前縁から切欠起点までの距離Pの比率である。
供試体(1)〜(4)は、ブレード3の翼厚を一定にして、切欠部Bの切欠起点の位置を変更した場合の出力特性を比較するためのものであり、その結果は、第8図に示すとおりである。ブレード3の切欠部Bは、サボニウス効果によって低風速でも風車を起動可能にする働きがあるため、その切欠起点の位置は、風車の起動風速に大きく影響を与える。第8図に示すように、ブレード3の切欠起点の位置が、35%(供試体(1))、45%(供試体(2))、55%(供試体(3))と増加するにつれて起動風速が大きくなり、65%(供試体(4))では55%の略2倍の起動風速を要するという結果になった。
一方、中風速域(6〜12[m/sec])では、ブレード3のジャイロミル効果による空気力の前進方向成分によって回転力が生じるため、ブレード3の切欠起点の位置が、35%、45%、55%と増加するにつれて出力は大きくなったが、風速10[m/sec]における65%の出力は、55%の出力に比べて然程大きく増加しなかった。これは、切欠位置比率が55%以上である切欠部Bは、ブレード3の周囲の圧力分布に大きな影響を与えていないことを意味し、仮に切欠起点の位置を65%以上にしても、それ以上のジャイロミル効果の増加をあまり期待することはできない。
したがって、ブレード3に形成される切欠部Bの起点は、起動風速と中風速時の発電効率を考慮すると、ブレード3の翼弦長Cに対して前縁から45%の位置より後ろで65%の位置より前であることが好ましく、特に45%〜55%の位置であることが望ましい。
また、供試体(5)〜(8)は、ブレード3の切欠起点の位置を、上記供試体(1)〜(4)の出力結果から得られた最適なものである55%で一定にして、翼厚を変更した場合の出力特性を比較するためのものであり、その結果は、第9図に示すとおりである。
本実施形態のような垂直軸型風車1では、切欠部Bがブレード3の後方からの風を受けることにより生じる抗力が、ブレード3の前方からの風により生じる形状抗力より大きく、この効力差により風車1の回転力(特に起動力)が生じる。ブレード3の翼厚を大きくすると切欠部Bの受風面積が大きくなり、この受風面積の増加に比例してブレード3の後方からの風により生じる抗力は増加するが、その一方で、ブレード3の前方からの風によるブレード3の形状抗力も増加する。
第9図に示すように、各供試体(5)〜(8)の起動風速は、翼厚比率15〜30%においては翼厚を厚くしても起動風速は微増であったが、翼厚比率30〜35%においては翼厚を厚くした場合の起動風速の増加が顕著であった。これは、翼厚比率が30%を超えるとブレードの形状抗力が大きく増加することによって、切欠部Bにより生じる抗力と形状抗力との抗力差が小さくなり、これにより起動モーメント(回転力)が減少してしまうことを意味している。すなわち、翼厚比率15〜30%における翼厚の増加に伴うブレード3の形状抗力の増加は略一定であるが、30%を超えると形状抗力が大幅に増加する傾向にあるため、起動風速の増加に大きく影響を与えてしまう。
一方、中風速域(6〜12[m/sec])では、ブレード3のジャイロミル効果による空気力の前進方向成分によって回転力が生じるため、ブレード3の翼厚比率が、15%(供試体(5))、25%(供試体(6))、30%(供試体(7))と増加するにつれて出力は大きくなったが、35%(供試体(8))の出力は、30%の出力に比べて然程大きく増加しなかった。これは、翼厚比率が15%〜30%の場合においては、翼厚の増加に伴ってブレード3の翼外面3aおよび翼内面3bの圧力分布が前方に集中してジャイロミル効果が向上するが、翼厚比率が30%を超えている場合には、翼厚をそれ以上に増加しても、ブレード3の周囲の圧力分布にあまり大きな影響を与えていないことを意味し、仮に翼厚比率を30%以上にしても、それ以上のジャイロミル効果の増加をあまり期待することはできない。
したがって、ブレード3の翼厚は、起動風速と中風速時の発電効率を考慮すると、ブレード3の翼弦長Cに対して15%〜30%であることが好ましく、特に25%〜30%の位置であることが望ましい。
以上のように、本発明の実施形態に係る垂直軸型風車1では、ブレード3の翼厚Tが翼弦長Cに対して15%〜30%であり、かつ、切欠部Bの起点が翼弦長Cに対して前縁から45%の位置より後ろで65%の位置より前になっている新たな翼型を採用することにより、風車1の発電効率を広範囲の風速域において大幅に向上させることができる。
また、本発明の実施形態に係る垂直軸型風車1のブレード3は、このような性能を向上させるために新たな機構を付加するわけではないので、装置を大型化または複雑化することなく、低コストで製造することができる。
以上、本発明の実施形態および実施例について具体的に説明してきたが、本発明はこれに限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
上述したような構成を有する垂直軸型風車1におけるブレード3の翼厚および切欠部Bの位置を変更した場合の出力特性(発電効率)を確認するために、ゲッチンゲン型回流式風洞装置(第5図)、該風洞装置の測定部に配される供試体(第6図)、および該供試体にセットされる発電機の発電効率を測定する発電効率測定装置(第7図)を用いて、風車の出力試験が行われた。
第5図において、実験室内に設置された風洞装置10は、吸込管11、第1変流管12、第2変流管13、第3変流管14、第4変流管15、および第2変流管13内に設けられた羽根車16aを回転する送風機16を備え、第4変流管15の端部開口に設けられた2000[mm]×2000[mm]の吹出口15aから最大ノズル風速60[m/sec]で風を吹き出すことが可能である。
また、風洞装置10の各部寸法は、L1=2000[mm],L2=4200[mm],L3=3200[mm],L4=3200[mm],L5=5000[mm],L6=3500[mm],L7=14158[mm],L8=13196[mm],L9=5000[mm],L10=2656[mm],L11=29900[mm],L12=1696[mm],L13=34252[mm]である。
本風洞実験では、第6図に示すように、風洞装置10の吹出口15aと吸込管11の開口端部との間の測定部に配される供試体(風車)1´に発電機21を取り付け、風速を任意に変更しながら風車1´を回転させた。この際、発電機21を電子負荷装置に接続し、該電子負荷装置の負荷を変化させて最適負荷を求め、この負荷における出力(電圧、電流、電力)を計測することにより、発電機21の発電効率の影響を考慮した風車1´の発電力を求めた。
また、第7図に示すように、風車1´に使用する発電機21を発電効率実験装置22にセットして、上記風洞実験で使用するものと同一の電子負荷装置と電子電力計測装置を用いて発電機21の発電効率を求める実験を行った。この実験では、発電機21とモータ23との間に設けた回転トルク計24を用いて、発電機21の回転モーメントと回転数を計測して入力を確認するとともに、電子電力計測装置を用いて発電力を計測し、発電機21の発電効率を求めた。
この風洞実験では、回転直径D=1200[mm]の面内で等角度間隔に設けられた4枚のブレード3を有する風車1´を供試体として使用した。そして、ブレード長さHを1200[mm]、ブレード幅(翼弦長)Cを220[mm]に設定し、以下の表1に示すように、ブレード3の『翼厚比率』あるいは『切欠位置比率』が異なる8種類の供試体1´を用いて、各供試体1´の風速に対する発電力を測定した。ここで、『翼厚比率』とは上記実施形態で説明したブレード3の翼弦長Cに対する翼厚Tの比率であり、『切欠位置比率』とは上記実施形態で説明したブレード3の翼弦長Cに対する前縁から切欠起点までの距離Pの比率である。
一方、中風速域(6〜12[m/sec])では、ブレード3のジャイロミル効果による空気力の前進方向成分によって回転力が生じるため、ブレード3の切欠起点の位置が、35%、45%、55%と増加するにつれて出力は大きくなったが、風速10[m/sec]における65%の出力は、55%の出力に比べて然程大きく増加しなかった。これは、切欠位置比率が55%以上である切欠部Bは、ブレード3の周囲の圧力分布に大きな影響を与えていないことを意味し、仮に切欠起点の位置を65%以上にしても、それ以上のジャイロミル効果の増加をあまり期待することはできない。
したがって、ブレード3に形成される切欠部Bの起点は、起動風速と中風速時の発電効率を考慮すると、ブレード3の翼弦長Cに対して前縁から45%の位置より後ろで65%の位置より前であることが好ましく、特に45%〜55%の位置であることが望ましい。
また、供試体(5)〜(8)は、ブレード3の切欠起点の位置を、上記供試体(1)〜(4)の出力結果から得られた最適なものである55%で一定にして、翼厚を変更した場合の出力特性を比較するためのものであり、その結果は、第9図に示すとおりである。
本実施形態のような垂直軸型風車1では、切欠部Bがブレード3の後方からの風を受けることにより生じる抗力が、ブレード3の前方からの風により生じる形状抗力より大きく、この効力差により風車1の回転力(特に起動力)が生じる。ブレード3の翼厚を大きくすると切欠部Bの受風面積が大きくなり、この受風面積の増加に比例してブレード3の後方からの風により生じる抗力は増加するが、その一方で、ブレード3の前方からの風によるブレード3の形状抗力も増加する。
第9図に示すように、各供試体(5)〜(8)の起動風速は、翼厚比率15〜30%においては翼厚を厚くしても起動風速は微増であったが、翼厚比率30〜35%においては翼厚を厚くした場合の起動風速の増加が顕著であった。これは、翼厚比率が30%を超えるとブレードの形状抗力が大きく増加することによって、切欠部Bにより生じる抗力と形状抗力との抗力差が小さくなり、これにより起動モーメント(回転力)が減少してしまうことを意味している。すなわち、翼厚比率15〜30%における翼厚の増加に伴うブレード3の形状抗力の増加は略一定であるが、30%を超えると形状抗力が大幅に増加する傾向にあるため、起動風速の増加に大きく影響を与えてしまう。
一方、中風速域(6〜12[m/sec])では、ブレード3のジャイロミル効果による空気力の前進方向成分によって回転力が生じるため、ブレード3の翼厚比率が、15%(供試体(5))、25%(供試体(6))、30%(供試体(7))と増加するにつれて出力は大きくなったが、35%(供試体(8))の出力は、30%の出力に比べて然程大きく増加しなかった。これは、翼厚比率が15%〜30%の場合においては、翼厚の増加に伴ってブレード3の翼外面3aおよび翼内面3bの圧力分布が前方に集中してジャイロミル効果が向上するが、翼厚比率が30%を超えている場合には、翼厚をそれ以上に増加しても、ブレード3の周囲の圧力分布にあまり大きな影響を与えていないことを意味し、仮に翼厚比率を30%以上にしても、それ以上のジャイロミル効果の増加をあまり期待することはできない。
したがって、ブレード3の翼厚は、起動風速と中風速時の発電効率を考慮すると、ブレード3の翼弦長Cに対して15%〜30%であることが好ましく、特に25%〜30%の位置であることが望ましい。
以上のように、本発明の実施形態に係る垂直軸型風車1では、ブレード3の翼厚Tが翼弦長Cに対して15%〜30%であり、かつ、切欠部Bの起点が翼弦長Cに対して前縁から45%の位置より後ろで65%の位置より前になっている新たな翼型を採用することにより、風車1の発電効率を広範囲の風速域において大幅に向上させることができる。
また、本発明の実施形態に係る垂直軸型風車1のブレード3は、このような性能を向上させるために新たな機構を付加するわけではないので、装置を大型化または複雑化することなく、低コストで製造することができる。
以上、本発明の実施形態および実施例について具体的に説明してきたが、本発明はこれに限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
本発明に係る垂直軸型風車は、低風速域から高風速域まで広範囲の風速域において、風力を効果的に回転力に変換することができるので、例えば、風力発電用の風車として有用である。
Claims (3)
- 垂直回転軸に直交する面内で、該垂直回転軸を中心として等角度間隔に複数のブレードが設けられた垂直軸型風車であって、
前記ブレードは、その翼外面が翼内面に比べて大きく外側に湾曲し、1.0以上の揚力係数を有するように形成された流線形非対称翼型であり、
前記ブレードの翼内面は、所定の位置を起点として後縁まで切り欠くことによって形成された切欠部を有し、
前記ブレードの厚さは、該ブレードの翼弦長に対して15%〜30%であり、かつ、
前記所定の位置は、前記ブレードの翼弦長に対して前縁から45%の位置より後ろで65%の位置より前であることを特徴とする垂直軸型風車。 - 前記ブレードの厚さは、前記ブレードの翼弦長に対して25%〜30%である請求の範囲第1項に記載の垂直軸型風車。
- 前記所定の位置は、前記ブレードの翼弦長に対して前縁から45%〜55%の位置である請求の範囲第1項または第2項に記載の垂直軸型風車。
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