JPWO2009084304A1 - アクチュエータシステムおよびその制御方法 - Google Patents

アクチュエータシステムおよびその制御方法 Download PDF

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Abstract

指令生成部(2)で生成される指令信号は、複数の比較回路(6)の間で共通に使用される。一方で、各比較回路(6)におけるしきい値は、外部設定に応じて、それぞれ独立に設定可能に構成されるので、アクチュエータアレイ7を構成する各エレメントにおける駆動開始タイミングを柔軟に設定できる。

Description

この発明は、複数のアクチュエータからなるアクチュエータシステムに関し、特により柔軟な制御が可能な構成に関する。
従来、産業用などのロボットは、生物の関節に相当するリンク機構を有している。このリンク機構の制御は、そのアーム位置およびアーム角度を随時演算することで行なわれる(たとえば、特開2005−121371号公報(特許文献1)参照)。特に、ロボットが生産装置の一部として用いられる場合には、その生産ラインに流れるワークを正確にピックアップする必要があり、また剛体であるロボットの一部が人と接触しないような安全対策も必要である。そのため、各アームの位置や干渉範囲などを考慮した、比較的複雑な演算を行なう必要があった。
このようなロボットにおける制御演算の内容としては、目的とすべき作業位置の3次元座標を所定の基準点に対する絶対座標に変換し、さらにその座標とセンサなどで検出される実位置との偏差を随時算出することで、モータなどの駆動装置に対する制御指令を生成する。
より具体的には、たとえば6自由度をもつロボットの場合には、アーム先端の位置を1回算出するために4×4の行列の乗算を6回行なう必要がある。さらに、目標とすべき作業位置との偏差から制御指令を1回生成するために、さらに4×4の逆行列による乗算を6回行なう必要がある。
特開2005−121371号公報
上述したように、6自由度をもつ一般的な産業用ロボットであっても、その制御を行なうために必要な演算量は膨大であり、高速処理には限界がある。さらに、人間の指を模した15自由度をもつようなアクチュエータなどを実現しようとすると、制御指令の演算処理自体が発散してしまい実行できないことも想定される。また、複数のアクチュエータを直列または並列に接続したアレイ構造を採用した場合には、その演算はさらに複雑化する。このように、従来のロボットのようにアーム位置を正確に演算する必要がある従来の制御方法にはおのずから限界がある。
ところで、近年、生物がもつ筋肉の機構に着目した人工的なアクチュエータ、いわゆる人工筋肉と呼ばれるアクチュエータが注目されている。実際の生物では、能動筋と呼ばれる筋肉と、拮抗筋と呼ばれる筋肉とが対になって関節などを形成している。そして、たとえば関節を動かす場合には、一方の筋肉が収縮するとともに、他方の筋肉は弛緩状態に維持される。弛緩状態にある筋肉は少ない力でその伸縮状態を変化させるので、一方の筋肉の収縮によって発生した仕事量は、ほぼ当該関節を動かすこと(外部仕事)に用いられる。
このような、生物の関節に近似したアクチュエータを複数個組み合わせたアレイ構造を用いることで、より柔軟なアクチュエータシステムを実現できると考えられる。
しかしながら、このようなアクチュエータシステムに対して、従来の産業用ロボットと同様の制御方法を適用したのでは、その性能を十分に発揮することができないという課題がある。
そこで、この発明は、かかる課題を解決するためになされたものであり、その目的は、人工筋肉を用いた柔軟な制御が可能なアクチュエータシステムを提供することである。
この発明のある局面に従えば、複数のアクチュエータと、複数のアクチュエータの各々を駆動するための駆動部とを含むアクチュエータシステムを提供する。複数のアクチュエータの各々は、固定子および可動子を含む。固定子および可動子は、駆動時において、所定の移動軸に沿って一方向に相対移動するとともに、非駆動時において、外力を受けて移動軸に沿っていずれの方向にも相対移動が可能に構成されている。複数のアクチュエータの各々は、隣接するアクチュエータと固定子同士および可動子同士の少なくとも一方が連結されている。駆動部は、複数のアクチュエータを駆動するための共通の指令信号を生成する指令生成部と、複数のアクチュエータの各々に対応付けられた、指令信号を予め設定されたしきい値と比較することで、各アクチュエータにおける駆動タイミングを制御するための複数の比較部とを含む。複数の比較部の各々は、しきい値を変更できる部位を含む。
好ましくは、変更できる部位は、外部設定に応じてしきい値を変更可能に構成される。
好ましくは、駆動部は、複数の比較部の各々に対応付けられた、指令生成部からの指令信号の一部を取り除いた上で対応の比較部へ与えるための取り除き部をさらに含む。
さらに好ましくは、取り除き部は、対応の比較部への指令信号の入力経路とグランドとの間に電気的に接続された抵抗要素を含む。
好ましくは、駆動部は、複数の比較部の各々に対応付けられた、指令生成部からの指令信号を蓄積するための蓄積部をさらに含む。
好ましくは、複数のアクチュエータの各々は、アクチュエータシステムにおける少なくとも1つの自由度のいずれかに分類される。複数の比較部におけるしきい値は、対応のアクチュエータの自由度毎に設定される。
好ましくは、駆動部は、複数のアクチュエータにおける位置を取得する位置取得部をさらに含む。指令生成部は、入力される目標位置と位置取得部によって取得された位置との比較結果に基づいて、指令信号を生成する。
好ましくは、指令信号は、電流信号および電圧信号のいずれかである。
好ましくは、固定子は、駆動時において、少なくとも径方向に変位を生じる変位部を含む。可動子は、固定子の変位部による変位を受けて、移動軸の一方向に作用力を及ぼす受圧部を含む。駆動時に受圧部が発生する作用力は、非駆動時に固定子および可動子が相対移動するのに要する力に比較して大きい。
この発明の別の局面に従えば、複数のアクチュエータと、複数のアクチュエータの各々を駆動するための駆動部とを含むアクチュエータシステムの制御方法を提供する。複数のアクチュエータの各々は、固定子および可動子を含む。固定子および可動子は、駆動時において、所定の移動軸に沿って一方向に相対移動するとともに、非駆動時において、外力を受けて移動軸に沿っていずれの方向にも相対移動が可能に構成されている。複数のアクチュエータの各々は、隣接するアクチュエータと固定子同士および可動子同士の少なくとも一方が連結されている。制御方法は、複数のアクチュエータを駆動するための共通の指令信号を生成するステップと、複数のアクチュエータに対するしきい値をそれぞれ設定するステップと、複数のアクチュエータの各々について、指令信号を対応のしきい値と比較することで、当該アクチュエータにおける駆動タイミングを制御するステップとを含む。
この発明によれば、人工筋肉を用いた柔軟な制御が可能なアクチュエータシステムを実現できる。
この発明に係るアクチュエータを適用した機構の一例を示す図である。 この発明の実施の形態に従うアクチュエータの要部を示す断面図である。 この発明の実施の形態に従うアクチュエータの動作原理を説明するための図である。 この発明の実施の形態に従う固定子の構造を示す模式図である。 この発明の実施の形態に従う別形態のアクチュエータの構造を示す模式図である。 この発明の実施の形態に従うアクチュエータシステムの概略の構成図である。 3次元配列をもつアクチュエータアレイの短手方向の断面構造を示す模式図である。 この発明の実施の形態に従うアクチュエータアレイによって実現される挙動の一例を説明するための図である。 この発明の実施の形態に従う駆動部を実現するための回路構成の一例を示す図である。 この発明の実施の形態に従う信号発生器が発生する指令信号の時間波形の一例を示す図である。 この発明の実施の形態に従う漏れ回路の効果を説明するための図である。 この発明の実施の形態に従うアクチュエータシステムにおいて、複数の自由度の各々について目標位置を設定した場合の制御ブロック図である。 この発明の実施の形態に従うアクチュエータの第2変形例の構造を示す模式図である。 この発明の実施の形態に従うアクチュエータの第3変形例の構造を示す模式図である。 この発明の実施の形態に従うアクチュエータの第4変形例の構造を説明する図である。 この発明の実施の形態に従うアクチュエータの第5変形例の構造を説明する図である。 この発明の実施の形態に従うアクチュエータの第6変形例の構造を示す模式図である。 この発明の実施の形態に従うアクチュエータの第7変形例の構造を示す模式図である。 この発明の実施の形態に従うアクチュエータの可動子と固定子との接触面における第1変形例を示す図である。 この発明の実施の形態に従うアクチュエータの可動子と固定子との接触面における第2変形例を示す図である。 この発明の実施の形態に従う可動子の別形態を示す図である。 この発明の実施の形態に従う固定子の別形態を示す図である。
符号の説明
1 機構、2 指令生成部、4 位置取得部、5 撮像部、6 比較回路、7 アクチュエータアレイ、8 漏れ回路、9 積分回路、10,20 部材、44 引き算要素、46 加算器、48 割り算器、50 積分器、52 引き算器、62 コンパレータ、64 トリガ端子、100,110,120,130,140,306 可動子、102,404 受圧部、112 クリアランス、122 突起部、132 スリット、200,210,220,232,240,250,290,402 固定子、202 シム材、204a 圧電部材、206a 表面電極、208 交流電圧源、209 スイッチ、212 回転体、214 回転軸、216 偏心体、218 配線、222,234 変位部、224 形状記憶合金ファイバ、226 リング部材、228 電流源、230 バネ部材、242 膨張収縮部、244 ヒータ部、246 電源部、248 媒質、252 コア部、256 クラッド部、254a,254b,258a,258b,258c,258d 電極、259 直流電圧源、292,294 ストッパ部、300 弾性体、302 回転体、304 偏心体、400A,400B,400C,400D グループ、C1 コンデンサ、D1 ダイオード、FG 信号発生器、Q1 トランジスタ、R1,R2,R3,R4 抵抗、SYS アクチュエータシステム、VR 可変抵抗。
この発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中の同一または相当部分については、同一符号を付してその説明は繰返さない。
<概要>
本発明は、生物のもつ筋肉の構造に近似したアクチュエータを複数個用いたアレイ構造のアクチュエータシステムを提供するものである。そこで、まず本発明に係るアクチュエータについて説明する。
生物のもつ筋肉は、アクチンと、アクチン同士を連結するミオシンとを基本構造としている。筋肉の緊張時には、ミオシンがアクチン内に滑り込む(スライドする)ことで、アクチン間の距離が縮まって収縮動作が実現される。一方、筋肉の弛緩時には、アクチンとミオシンとの間は非常に緩い結合状態となり、ミオシンは、小さい外力でアクチンとの相対関係を自在に変化させる。すなわち、生物のもつ筋肉は、緊張状態にあれば一方向に収縮する一方で、弛緩状態にあれば外部からの力を受けて自由に伸張または収縮することになる。このように、本発明に係るアクチュエータは、その動作に「指向性」を持つ。
図1は、この発明に係るアクチュエータを適用した機構の一例を示す図である。
図1(A)を参照して、機構1は、代表的に、2つの部材10および20をリンク結合したものであり、2つの部材10および20は、リンク部を中心にして相対的な回転移動が可能である。そして、部材10と部材20との間は、紙面上側および紙面下側において、複数の本発明に係るアクチュエータが直列に連結されている。本発明に係るアクチュエータは、基本構造として、可動子(ロータ)100と、固定子(ステータ)200とを含む。複数の可動子100と固定子200とが交互に連結され、全体的な収縮/弛緩運動を実現する。
図1(B)に示すように、部材20が部材10に対して、紙面上側に回転移動する場合には、紙面上側に配置されたアクチュエータが「収縮」動作を行なう一方で、紙面下側に配置されたアクチュエータが「滑り」動作を行なう。
図1(C)に示すように、部材20が部材10に対して、紙面下側に回転移動する場合には、紙面下側に配置されたアクチュエータが「収縮」動作を行なう一方で、紙面上側に配置されたアクチュエータが「滑り」動作を行なう。
「収縮」動作は、後述するように可動子100が変位を生じることで固定子200に対して応力を与え、この応力によって可動子100と固定子200とが所定の一方方向に相対移動するものである。また、「滑り」動作は、後述するように可動子100と固定子200との間の摩擦力が比較的小さな値に維持された状態で、両者が外部からの力に従って相対移動するものである。すなわち、「滑り」動作を行なうアクチュエータでは、その収縮または伸張に要する仕事量は非常に少なくて済む。その結果、図1(B)の場合では、紙面上側に配置されたアクチュエータが発生する仕事量は、ほぼすべて部材10と部材20との間の相対移動に用いられることになり、高い仕事効率を実現できる。また、図1(C)においても同様である。
さらに、紙面上側および紙面下側に配置された2つのアクチュエータがいずれも「収縮」動作を行なうことで、機構1における剛性を高めることもできる。すなわち、2つのアクチュエータがいずれも「収縮」動作を行なうことで、部材10と部材20との間の相対位置を固定することも可能となる。
なお、図1では、説明を容易化するために、複数のアクチュエータが一列に直列接続されている構成について例示するが、複数のアクチュエータが複数列にわたって並列接続されるとともに、それらが互いに直列接続されるような構造を採用してもよい。なお、実際の筋肉においても、複数のアクチンおよびミオシンの基本構造が互いにアレイ状に結合されている。
以上のように、実際の生物がもつ関節と同様に、能動筋に相当するアクチュエータと、拮抗筋に相当するアクチュエータとを一対で用いることで、高い自由度をもつ機構やデバイスを実現することができる。
なお、上述の可動子100と固定子200とからなるアクチュエータは、本発明に係るアクチュエータシステムの基本構造となるため、以下では、「エレメント」とも記す。
<アクチュエータの構造>
図2は、この発明の実施の形態に従うアクチュエータの要部を示す断面図である。図2(A)は、伸張状態を示し、図2(B)は、収縮状態を示す。
図2を参照して、本実施の形態に従うアクチュエータは、中空の可動子(ロータ)100と、ロッド状の固定子(ステータ)200とを含む。可動子100および固定子200は、共通の軸に沿って配置され、所定の移動軸に沿って相対移動可能に構成される。すなわち、ロッド状の固定子200がその両端に位置する可動子100内にそれぞれ収容されることで、隣接する可動子100の間の距離が縮まって収縮動作が実現される。なお、可動子100および固定子200は、その断面が円形である円柱形状であってもよいし、その断面が多角形である多角柱形状であってもよい。以下の説明では、説明の便宜上、可動子100および固定子200が主として円柱形状である場合について例示する。
本明細書において、「可動子」または「ロータ」との名称は、外見上、隣接するもの同士の距離が変化することに着目して付したものであり、「固定子」または「ステータ」との名称は、外見上、自身が移動しないことに着目して付したものである。しかしながら、これらの名称は便宜的のものに過ぎず、これらの意義はその名称に拘泥されるものではない。
図2(A)に示すように、可動子100の両端の略中心軸には、それぞれ固定子200が貫通するための穴部が形成されており、固定子200が自在に滑り(スライド)可能に構成される。以下の説明では、可動子100および固定子200の中心軸に沿った方向を「軸方向」とも称し、この軸方向に対して垂直な方向を「径方向」とも称す。
可動子100の穴部には、軸方向に沿った径方向の大きさ(半径)が不均一な受圧部102が形成されている。図2(B)に示すように、アクチュエータの駆動時において、固定子200は少なくとも径方向の変位(変形)を生じる。受圧部102は、この固定子200による径方向の変位を受けて、可動子100および固定子200を軸方向に沿って所定の向き(可動子100同士が近接する向き)に相対移動させるための作用力を及ぼす。
すなわち、駆動時には、固定子200が径方向に押し広げるような力を連続的に発生することで、固定子200がその両端に位置する可動子100内に収容され、この結果、隣接する可動子100の間の距離が縮まって収縮動作が実現される。一方、非駆動時には、可動子100と固定子200との間には、相対的に低い摩擦力のみが生じるので、外部からの僅かな力を受けて両者は自在に相対移動できる。
<アクチュエータの動作原理>
図3は、この発明の実施の形態に従うアクチュエータの動作原理を説明するための図である。図3(A)は、駆動時の収縮動作を示し、図3(B)は、非駆動時の滑り動作を示す。
図3(A)を参照して、本実施の形態に従うアクチュエータでは、駆動時には固定子200が少なくとも径方向に変位(変形)を生じ、この変位によって可動子100の受圧部102は応力Fを受ける。
可動子100には、軸方向に沿った径方向の大きさ(半径)が不均一に形成された受圧部102が形成されている。代表的に、受圧部102は、軸方向を中心としたテーパー形状を有し、固定子200から受けた応力から軸方向に非対称な分力(作用力)を発生する。すなわち、本実施の形態に従う受圧部102は、その面に応力Fを受けると、軸方向に沿って紙面右向きの作用力Faを及ぼす。この作用力Faによって、可動子100が紙面右向きに移動する力、および固定子200が紙面左向きに移動する力が生じる。
なお、受圧部102の形状としては、テーパー形状に限定されることなく、固定子200から受けた応力から軸方向に非対称な分力(作用力)を発生できる形状であればいずれの形状であってもよい。
図3(B)を参照して、本実施の形態に従うアクチュエータでは、非駆動時には固定子200が軸方向に延伸する形状を維持するので、可動子100と固定子200とは、受圧部102の一部と接触し得るものの、その摩擦力は相対的に小さい。したがって、非駆動時には、可動子100と固定子200との間は、その相対関係を自在に変化させることができる。
そのため、本実施の形態に従うアクチュエータは、非駆動時において、わずかな仕事量で位置関係を変化させる「滑り」動作を実現できる。
<アクチュエータにおける固定子の構造>
以下、図4を参照して、本実施の形態に従う固定子200の構造について説明する。少なくとも径方向の変位(変形)を生じることが可能な固定子200の一例として、電圧を印加されることで圧電効果、電歪効果、マクスウェル力などによってひずみを生じるひずみ部材を用いて構成することができる。すなわち、変位部の主構成部材として、逆圧電作用によって変形する圧電材料を含む固定子200を用いることができる。
図4は、この発明の実施の形態に従う固定子200の構造を示す模式図である。
図4を参照して、本実施の形態に従う固定子200は、いわゆるバイモルフ構造であり、その表面に銅などの導電性材料が形成されたシム材202と、シム材202の両サイドにそれぞれ接着された圧電部材204aおよび204bと、圧電部材204aおよび204bの外周側の表面にそれぞれ形成された表面電極206aおよび206bとからなる。なお、シム材202は、非駆動時に固定子200全体を軸方向に向けるための弾性補強部材である。
アクチュエータの駆動時には、後述する駆動部から駆動指令(トリガ)が与えられて、スイッチ209が導通(オン)状態に変化する。その結果、シム材202と、表面電極206aおよび206bとの間には、交流電圧源208によって所定の交流電圧が印加される。圧電部材204aおよび204bには、シム材202を中心として対称の電界が印加されるので、圧電部材204aおよび204bに生じる内部電界の方向は、互いに反対になる。ここで、圧電部材204aおよび204bは、印加される電界の方向によって伸縮方向を異ならせる異方性を有している。そのため、圧電部材204aおよび204bに上述のような交流電圧が印加されると、圧電部材204aおよび204bのうち一方は伸張し、他方は収縮することになる。したがって、交流電圧源208が交流電圧を印加、すなわち圧電部材204aおよび204bでの電界方向を所定時間毎に切り換えることで、固定子200全体として、径方向(図4では、紙面上下方向)に周期的に繰り返し変形することになる。
駆動時には、このような固定子200の周期的な変形によって、上述した受圧部102によって軸方向の作用力が発生し、可動子100同士の収縮動作が実現される。一方、非駆動時には、固定子200が軸方向に延伸した形状を維持するので、滑り動作を実現することもできる。
<アクチュエータの構造の別形態>
図5は、この発明の実施の形態に従う別形態のアクチュエータの構造を示す模式図である。
図5を参照して、本実施の形態に従う別形態のアクチュエータは、可動子100内に固定子200と一体化された変位部222が配置されている。そして、駆動時には、変位部222が少なくとも径方向に膨張することで、収縮動作を実現する。すなわち、変位部222が少なくとも径方向に膨張することで、可動子100の受圧部に接している部分が可動子100および固定子200を軸方向に沿って所定の向き(可動子100同士が近接する向き)に相対移動させるための作用力を及ぼす。
<アクチュエータシステムの全体構成>
図6は、この発明の実施の形態に従うアクチュエータシステムSYSの概略の構成図である。なお、図6では、図5に示すようなアクチュエータをエレメントとする構成について例示するが、図2に示すようなアクチュエータを用いてもよい。すなわち、本実施の形態に従うアクチュエータシステムSYSにおいては、駆動時において、所定の移動軸に沿って一方向に相対移動する一方で、非駆動時において、外力を受けて移動軸に沿っていずれの方向にも相対移動が可能であれば、どのようなアクチュエータを用いてもよい。
図6を参照して、本実施の形態に従うアクチュエータシステムSYSは、複数のアクチュエータからなるアクチュエータアレイ7と、アクチュエータの各々を駆動するための駆動部とを含む。
アクチュエータアレイ7は、複数のアクチュエータを含む。互いに隣接するアクチュエータの間で、それぞれの可動子100同士およびそれぞれの固定子200同士の少なくとも一方が連結される。一例として、図6には、紙面左右方向に一列に配列された4個のアクチュエータの組を、紙面上下方向に4段配列した、4行×4列のアレイ構成を示す。紙面左右方向に一列に配列された4個のアクチュエータの各組では、隣接するアクチュエータの間で、それぞれの固定子200同士が連結される。また、紙面上下方向に隣接するアクチュエータの間では、それぞれの可動子100同士が連結される。なお、以下では、隣接するアクチュエータの固定子200同士の連結を「直列接続」とも称し、隣接するアクチュエータの可動子100同士の連結を「並列接続」とも称する。
なお、アクチュエータの可動子100同士は、弾性体300を介して連結されることが好ましい。弾性体300を用いることで、アクチュエータの動作量(変位量)の差異をより有効に吸収することができる。また、特定のアクチュエータに対して応力が集中することによるアクチュエータの破損などを防止できる。
さらに、2次元配列のアレイ同士を並列接続して、3次元配列としてもよい。
図7は、3次元配列をもつアクチュエータアレイの短手方向の断面構造を示す模式図である。なお、図6は、図7のVI−VI線断面図を概略的に示すものである。図7に示すように、複数のアクチュエータを2次元的に並列接続するとともに、この2次元的に配置されたアクチュエータアレイの各々を長手方向に直列接続することで、3次元配置されたアクチュエータアレイを構成できる。
このような3次元的に配置されたアクチュエータアレイを用いることで、生物のもつ様々な動きを実現することもできる。
再度、図6を参照して、アクチュエータシステムSYSは、駆動部として、指令生成部2と、位置取得部4と、撮像部5と、複数の比較回路6とを含む。
このアクチュエータシステムSYSでは、ユーザもしくは上位のホストコンピュータなどから与えられた目標位置(目標値)に従って、指令生成部2が指令信号を生成する。そして、各アクチュエータに対応付けられた比較回路6が、この指令信号と予め設定されたしきい値と比較することで、各アクチュエータにおける駆動タイミングを制御するための駆動指令(トリガ)を生成する。この駆動指令を受けると、各アクチュエータは駆動状態になり、収縮動作を行なう。このとき、非駆動状態に維持されるアクチュエータは、隣接するアクチュエータなどからの外力を受けて、滑り動作(収縮または伸張)を行ない得る。
ここで、指令生成部2で生成される指令信号は、複数の比較回路6の間で共通に使用される。一方で、各比較回路6におけるしきい値は、外部設定に応じて、それぞれ独立に設定可能に構成されるので、アクチュエータアレイ7を構成する各エレメントにおける駆動開始タイミングを柔軟に設定できる。
一方、撮像部5がアクチュエータアレイ7全体の状態を撮像しており、この撮像部5によって撮像された画像に基づいて、位置取得部4がアクチュエータアレイ7全体の現在位置(あるいは、基準位置からの変位)を取得する。すなわち、位置取得部4は、公知の画像処理手法を用いて、アクチュエータアレイ7全体の現在位置を取得する。そして、位置取得部4は、取得した現在位置を指令生成部2へ与え、指令生成部2は、目標位置と現在位置とを比較して得られる比較結果(位置偏差)に基づいて、指令信号を随時補正していく。
このように、本実施の形態に従うアクチュエータシステムSYSでは、アクチュエータアレイ7の現在位置に基づいたフィードバック制御により、アクチュエータアレイ7の位置(変位)が制御される。なお、アクチュエータアレイ7の現在位置を取得する手段としては、上述の画像処理を用いた方法の他にも、アクチュエータアレイ7の変位を直接的または間接的に検出可能なセンサを用いてもよい。
上述のように、アクチュエータアレイ7全体の位置に基づいてフィードバック制御を行なうことで、従来の産業用ロボットのように複雑な演算を要することなく、アクチュエータアレイ7の全体制御を容易に実現できる。また、各比較回路6におけるしきい値を任意に設定することにより、アクチュエータアレイ7の各エレメントに固有の動作をさせることもできる。すなわち、本実施の形態に従うアクチュエータシステムSYSでは、アクチュエータアレイ7全体のマクロ的な制御と、各アクチュエータのミクロ的な制御とを容易に両立できる。
また、アクチュエータシステムSYSは、各アクチュエータに対応付けられた、複数の漏れ回路8をさらに含む。漏れ回路8は、比較回路6に入力される駆動指令をキャンセル(リフレッシュ)する機能を果たし、指令生成部2からの指令信号の一部を取り除くことで、駆動指令の蓄積による定常的な偏差の発生を抑制する。なお、詳細については後述する。この漏れ回路8によって、よりアクチュエータアレイ7の制御系をより安定化させることができる。
<アクチュエータアレイの挙動>
上述のような制御動作によって実現されるアクチュエータアレイ7の挙動について図8を参照して説明する。
図8は、この発明の実施の形態に従うアクチュエータアレイ7によって実現される挙動の一例を説明するための図である。図8(A)は、非駆動状態を示し、図8(B)は、目標位置と現在位置との間の偏差が相対的に小さい場合を示し、図8(C)は、目標位置と現在位置との間の偏差が相対的に大きい場合を示す。
図8(A)を参照して、4つのエレメントが直列接続されるとともに、各直列接続された4つのエレメントの組が4つ並列接続された4×4のアクチュエータアレイ7を考える。非駆動状態(動作前)では、各エレメント間の間隔は略同一になっているものとする。
このアクチュエータアレイ7において、紙面上下方向に配列された各4個のエレメントに対してそれぞれ1自由度が設定される。そして、各自由度が設定されたエレメントの4つのグループ(グループ400A,400B,400C,400D)毎に対応の比較回路6におけるしきい値が独立に設定される。以下では、一例として、グループ400Aに属する可動子100とグループ400Bに属する可動子100との間の収縮動作が開始される第1しきい値を、グループ400Bに属する可動子100とグループ400Cに属する可動子100との間の収縮動作が開始される第2しきい値に比較して小さく設定した場合について説明する。
ここで、何らかの目標位置が設定された場合に、現在位置に対する偏差が相対的に小さい場合および大きな場合について、それぞれ図8(B)および図8(C)を用いて説明する。
図8(B)に示すように、偏差が相対的に小さい場合(すなわち、第1しきい値以上、かつ第2しきい値未満の場合)には、まず、グループ400Aに属する可動子100とグループ400Bに属する可動子100との間で、収縮動作が開始される。一方、グループ400Bに属する可動子100とグループ400Cに属する可動子100との間は非駆動状態に維持されるので、これらの間の相対的な距離は維持されたまま、グループ400Aに属する可動子100とグループ400Bに属する可動子100との間の収縮動作に従って、アクチュエータアレイ7全体としては紙面左側に収縮する。
これに対して、図8(C)に示すように、偏差が相対的に大きな場合(すなわち、第2しきい値以上の場合)には、グループ400Bに属する可動子100とグループ400Cに属する可動子100との間でも収縮動作が開始される。その結果、アクチュエータアレイ7全体としては紙面左側により大きく収縮する。
このように、比較回路6におけるしきい値を適切に設定することで、収縮動作を行なうエレメントの数や位置(あるいは、収縮動作の開始タイミング)を偏差に応じて変化させることができる。このように、比較回路6においてしきい値を設定するだけで、アクチュエータアレイ7の各エレメントに固有の動作を実現させることができる。すなわち、同一のアクチュエータアレイ内に、相対的に高い応答性をもつアクチュエータと、相対的に低い応答性をもつアクチュエータとを自在に配置することができる。
<回路構成>
図9は、この発明の実施の形態に従う駆動部を実現するための回路構成の一例を示す図である。
図9を参照して、駆動部は、指令生成部2、複数の比較回路6および複数の漏れ回路8に加えて、各アクチュエータに対応付けられた複数の積分回路9を含む。
指令生成部2は、引き算器52と、信号発生器FGとを含む。引き算器52は、外部入力された目標位置から位置取得部4(図6)で取得された現在位置を差し引くことで偏差を算出する。信号発生器FGは、引き算器52で算出された偏差に応じた指令信号を発生する。より具体的には、信号発生器FGは、指令信号として、引き算器52からの偏差に応じた変調度をもつ交流信号を発生する。
図10は、この発明の実施の形態に従う信号発生器FGが発生する指令信号の時間波形の一例を示す図である。
図10(A)を参照して、指令信号の一例として、電圧または電流がステップ状に変化する交流信号を用いてもよい。この場合には、偏差に応じて、ステップの大きさを変化させることが好ましい。
また、図10(B)を参照して、指令信号の別の一例として、電圧または電流がランプ状に変化する交流信号を用いてもよい。この場合には、偏差に応じて、ランプの傾きを変化させることが好ましい。
また、図10(C)を参照して、指令信号のさらに別の一例として、パルス状の交流信号を用いてもよい。この場合には、偏差に応じて、パルスの振幅およびパルス幅の少なくとも一方を変化させることが好ましい。あるいは、図10(d)に示すように、所定周期内に発生するパルスの数を偏差に応じて変化させてもよい。この場合には、各パルスは、同一の振幅かつパルス幅に設定される。
さらに、指令信号として、擬似周期的な信号や、直流信号などを用いてもよい。
再度、図9を参照して、積分回路9は、指令信号(電圧信号または電流信号)によって運ばれる電荷を蓄積する電荷蓄積部として機能する。具体的には、積分回路9は、電荷を蓄積するためのコンデンサC1と、信号発生器FGとコンデンサC1との間の経路に設けられた逆流防止用のダイオードD1と、電荷の蓄積タイミングを制御するトランジスタQ1とを含む。また、トランジスタQ1のゲートに所定の電位を与えるための、直列に接続された抵抗R1およびR2を含む。
この積分回路9の動作について説明すると、まず、信号発生器FGから正の電位(グランドに対して正の電圧)をもつ指令信号が発生すると、ダイオードD1が活性化するとともに、抵抗R1およびR2によって分圧された電位がトランジスタQ1のゲートに印加され、トランジスタQ1も活性化する。その結果、ダイオードD1およびトランジスタQ1が導通状態になるので、信号発生器FGからの電荷がコンデンサC1に蓄積される。これに対して、信号発生器FGから負の電位(グランドに対して負の電圧)をもつ指令信号が発生すると、ダイオードD1およびトランジスタQ1は非導通状態に戻るので、コンデンサC1に蓄積された電荷が信号発生器FG側に逆流することを防止できる。
したがって、コンデンサC1には、指令信号の変調度、すなわち正の電位の大きさおよび期間に応じた電荷が蓄積されることになる。
次に、比較回路6は、対応の積分回路9のコンデンサC1に蓄積された電荷によって生じる電圧と任意に設定されるしきい値とを比較するとともに、コンデンサC1に生じる電圧がしきい値を超えた場合に、駆動指令(トリガ)を発生する。具体的には、比較回路6は、コンパレータ62と、抵抗R4と、可変抵抗VRと、トリガ端子64とを含む。
コンパレータ62は、指令信号としきい値とを比較する比較回路であり、代表的にオペアンプなどからなる。すなわち、コンパレータ62は、その反転入力(−端子)に入力される指令信号の電圧が、その非反転入力(+端子)に入力される抵抗R4および可変抵抗VRによって設定されるしきい値(しきい電圧)より小さい場合には、LOレベル電位Veeをトリガ端子64へ出力する一方で、指令信号の電圧がしきい値より大きい場合には、HIレベル電圧Vccをトリガ端子64へ出力する。したがって、指令信号の電圧が予め設定されたしきい値を超えると、トリガ端子64から出力される電圧は、LOレベル電圧VeeからHIレベル電圧Vccへ変化する。このHIレベル電圧Vccを受けて、図示しない対応のエレメントが活性化される。
抵抗R4と可変抵抗VRとは、内部電圧Vcc1とグランドとの間に直列に接続されるとともに、両者の間のノードは、コンパレータ62の非反転入力(+端子)と電気的に接続される。この抵抗R4と可変抵抗VRと間のノードの電圧(しきい電圧Vth)は、内部電圧Vcc1が抵抗R4と可変抵抗VRとによって分圧された結果生じるものであり、そのしきい電圧Vthの値は、
しきい電圧Vth=Vcc1×VR/(R4+VR)
となる。したがって、可変抵抗VRの大きさを調整することで、任意のしきい電圧Vthを設定できる。
なお、ユーザが可変抵抗VRを直接操作してしきい値(しきい電圧)を設定してもよいし、電子ボリュームを用いた可変抵抗VRを採用することで、各電子ボリュームとデータ通信可能な共通の設定器を用いてそれぞれのしきい値を集中的に管理するようにしてもよい。
次に、漏れ回路8について説明する。漏れ回路8は、本願発明の「取り除き部」に対応し、積分回路9のコンデンサC1に蓄積された電荷(指令信号)の一部をグランドに放電することで、駆動指令の蓄積による定常的な偏差の発生を抑制する。
具体的には、漏れ回路8は、比較回路6への指令信号の入力経路とグランドとの間に電気的に接続された抵抗R3を含む。蓄積された指令信号による電荷の放電時には、積分回路9のコンデンサC1と抵抗R3とを含む放電経路が形成されるので、その放電時定数τ=C1×R3となる。したがって、信号発生器FGが発生する指令信号と、コンデンサC1および抵抗R3の大きさとを適切に設定することで、各エレメントの適切な応答速度を保ちつつ、不要な動作を抑制することができる。
なお、図9では、抵抗要素として抵抗R3を用いる構成について例示したが、トランジスタを抵抗要素として用いてもよい。この場合には、たとえば、所定のバイアス電位をゲートに与えるなどして、所定の抵抗値を実現することができる。
図11は、この発明の実施の形態に従う漏れ回路8の効果を説明するための図である。図11(A)は、信号発生器FGからの指令信号の周期が放電時定数τに比較して長い場合を示し、図11(B)は、信号発生器FGからの指令信号の周期が放電時定数τに比較して短い場合を示す。
図11(A)に示すように、信号発生器FGからの指令信号の周期が放電時定数τに比較して長い場合には、HIレベルの指令信号が入力された期間内には、積分回路9のコンデンサC1に電荷が蓄積されることで電圧が上昇するが、それ以降の期間においては蓄積された電荷が急速に放電され、その電圧も低下する。その結果、コンデンサC1に現れる電圧はノコギリ状の時間波形となり、しきい電圧Vthまで到達することができない。
一方、図11(B)に示すように、信号発生器FGからの指令信号の周期が放電時定数τに比較して短い場合には、積分回路9のコンデンサC1に電荷が十分に放電される前に、指令信号が連続的に入力されるため、新たな電荷が蓄積される。その結果、コンデンサC1に現れる電圧は、一次遅れ系に類似した時間波形で上昇し、しきい電圧Vthまで到達する。
このように偏差に応じて、指令信号の振幅、周期、パルス幅などを適切に設定することで、所定値以上の偏差が生じないと、エレメントが活性化されないようなシステムを構成することができる。また、偏差が僅かな場合であっても、積分回路9によって指令信号が蓄積されることで、エレメントが不要に活性化される場合があるが、本実施の形態に係るような漏れ回路8を設けることで、このような不要な動作の発生を回避できる。そのため、アクチュエータアレイ7を安定して作動させることができる。特に、システムが複雑となってくることで配線数が増え密集してくると、クロストークによるノイズが発生しやすくなるが、そのノイズが蓄積することで起こる誤動作を防ぐことができる。
<自由度毎の制御>
上述の説明では、1つの目標位置が与えられた場合の構成について例示したが、アクチュエータアレイに対して複数の自由度を設定し、各自由度について動作を制御する場合には、各自由度について目標位置を設定するとともに、各自由度についてフィードバック制御系を構成する必要がある。
図12は、この発明の実施の形態に従うアクチュエータシステムSYSにおいて、複数の自由度の各々について目標位置を設定した場合の制御ブロック図である。
図12を参照して、一例として、アクチュエータアレイに対して3つの自由度1〜3を設定し、各エレメントがいずれか1つの自由度に分類されるように構成する。そして、各自由度について目標位置1〜3を与える。また、位置取得部4および撮像部5を用いて、各自由度における現在位置をそれぞれ取得する。
なお、同一自由度に設定されたエレメント同士は、互いに直列または並列接続されており、当該自由度に対して設定される目標位置に従って、全体的な動作を行なう。
このような構成によれば、たとえば自由度1においては、引き算器52で目標位置1と現在位置1との偏差が算出され、この偏差に応じて信号発生器FGから指令信号が生成される。この生成された指令信号は、積分回路9に相当する積分要素(1/s)によって積分されるとともに、その積分された一部は漏れ回路8に相当する引き算要素44において取り除かれた上で、複数の比較回路6へ与えられる。なお、同一の自由度に属する複数のエレメントのそれぞれ対応する複数の比較回路6におけるしきい値については、任意に設定が可能である。
各比較回路6が指令信号の積算値と自身のしきい値とを比較することで駆動指令を随時生成する。この駆動指令を受けて、各エレメントが収縮動作を行なうことで生じる発生力は、各エレメントが互いに連結されているために、加算器46で加算されることと等価となる。そして、この加算器46で加算された発生力の合力がアクチュエートの対象物に与えられる。この対象物および各エレメントの慣性質量の合計値をMとすると、対象物の加速度は、加算器46で加算された発生力の合力を慣性質量の合計値Mで除算する(割り算器48)ことで算出される。さらに、この加速度が2階の積分がされて(積分器50)、各自由度の現在位置として現れる。
その他の自由度についても同様である。
上述のように、各自由度についてのフィードバックループが機能することで、アクチュエータアレイが各自由度についての目標位置に応じた動作を独立に行なう。なお、いずれかの自由度において目標位置に到達した場合には、当該自由度に属するエレメントは非駆動状態になるが、他の自由度での動作の影響を受けて、目標位置に一旦到達した後の位置が変動する場合もある。このような場合には、目標位置を維持するために、当該自由度に属するエレメントは、再度駆動状態になる。
この発明の実施の形態によれば、同一の自由度に属する複数のエレメントによって生じる位置をフィードバック制御系によって全体的に制御するので、従来の産業用ロボットのように複雑な演算を要することなく、正確な位置制御を実現できる。
これと同時に、各エレメントにおけるしきい値を独立に設定できるので、同一の指令信号に対する各エレメントの応答性を柔軟に設定できる。これにより、アクチュエータアレイを構成する各エレメントに固有の動作を行なわせることも可能となり、さらに状況に応じてしきい値を変化させることで、生物のように反応性を自在に変更することもできる。
さらに、各自由度について1つのフィードバックループを用いるだけで済むので、多数のエレメントを含むアクチュエータアレイを構成した場合であっても、その制御を比較的容易に実現することができる。
また、本実施の形態では、漏れ回路が、所定の時定数で指令信号を打ち消すので、駆動指令の蓄積による定常的な偏差の発生を抑制することができる。これにより、アクチュエータアレイの制御系をより安定化することもできる。
<アクチュエータの第1変形例>
上述の図4に示すバイモルフ構造の固定子200に代えて、1層の圧電部材を用いたユニモルフ構造を採用することもできる。この場合の断面形状は、多角形となるので、可動子100の両端には、楕円または多角形の穴部を形成することが好ましい。
さらに、このようなバイモルフ構造を用いた別形態として、2本の圧電ファイバを対にして用いる構成も可能である。この圧電ファイバは、所定の金属材料からなるコア部を配置し、このコア部の周辺に圧電部材でクラッド部を形成するとともに、クラッド部の外表面にスパッタリングなどを用いて電極を形成することで製造される。さらに、このように製造された2つの圧電ファイバをペアにし、長手方向に沿って互いに接着することで、バイモルフ構造とすることができる。
このような一対の圧電ファイバからなるバイモルフ構造では、コア部と外表面の電極との間に、互いに逆位相の交流電圧をそれぞれの圧電ファイバに印加することで、径方向に周期的に変形させることができる。なお、この場合の断面形状は、楕円または多角形となるので、可動子100の両端には、楕円または多角形の穴部を形成することが好ましい。
さらに、電圧を印加されることで圧電効果、電歪効果、マクスウェル力などによってひずみを別の形で変位として取り出すこともできる。
<アクチュエータの第2変形例>
図13は、この発明の実施の形態に従うアクチュエータの第2変形例の構造を示す模式図である。
図13を参照して、アクチュエータの第2変形例である固定子250は、導電性のコア部252と、コア部252の周辺に同心円状態に形成されたクラッド部256とからなる。クラッド部256は、圧電部材、電歪部材、誘電部材などからなり、電圧の印加によって生じる内部電界を受けて変位を生じる。なお、コア部252は、金属または導電性のフィラーを混入したポリマーなどからなる。また、クラッド部256を形成する圧電部材、電歪部材、誘電部材は、セラミックスまたはポリマー、あるいはそれらのコンポジット(混合)などからなる。
クラッド部256の軸方向の各端面には、コア部252と電気的に接続された電極254a,254bが形成され、電極254a,254bはクラッド部256の軸方向への延びを規制する機能も果たす。また、クラッド部256の両サイドには、電極258a,258b,258c,258dが形成されている。
アクチュエータの駆動時において、電極254a,254bおよびコア部252と、電極258a,258b,258c,258dとの間には、直流電圧源259によって所定の直流電圧が印加される。この結果、クラッド部256には分極作用によって変位が生じ、軸方向への変形は電極254a,254bによって規制されるため、この生じた変位は径方向への変形として現れる。
駆動時には、このような固定子250の径方向への変形によって、上述した受圧部102によって軸方向の作用力が発生し、可動子100同士の収縮動作が実現される。一方、非駆動時には、固定子250は元の(変形がない)形状を維持するので、滑り動作を実現することもできる。
なお、上述した固定子200,250で生じる変位は、軸を中心として生じるようにしてもよいし、尾ひれ運動のように、軸からずれた位置を中心として生じるような変位であってもよい。
本実施の形態に従うアクチュエータの第2変形例によれば、可動子と固定子との間の静止摩擦力が小さいので、駆動時における磨耗を低減することができる。そのため、アクチュエータの寿命を延ばすことができる。
<アクチュエータの第3変形例>
上述の説明では、圧電効果、電歪効果、マクスウェル力などによって生じるひずみを利用して変位を発生する構成について例示したが、本実施の形態では、回転体で偏心力を発生させることで変位を発生する構成について説明する。
図14は、この発明の実施の形態に従うアクチュエータの第3変形例の構造を示す模式図である。
図14を参照して、本実施の形態に従うアクチュエータの第3変形例は、可動子100と、固定子210とを含む。可動子100については、上述したものと同様であるので、詳細な説明は繰返さない。
固定子210は、その両サイドに配置された回転体212と、回転体212の回転軸214から偏心して連結された偏心体216とを含む。回転体212は、代表的にモータなどの電動機からなり、アクチュエータの駆動時において、図示しない電源装置から配線218を介して電力が供給される。この固定子210と一体化された回転体212の回転に伴って偏心体216も回転し、この偏心体216の回転に伴って径方向に偏心力が生じる。そして、この径方向への偏心力によって、固定子210の両端部が径方向に変形を生じる。
なお、上述したような、その回転軸を固定子210の中心軸と一致させて電動機を配置するとともに、この電動機の回転軸に偏心体を付加する構成に代えて、断面形状の不均一にし、電動機自体から偏心力が発生するようにしてもよい。
本実施の形態に従うアクチュエータの第3変形例によれば、適切なモータを選択することで、任意の駆動力を実現することができる。
<アクチュエータの第4変形例>
形状記憶合金などのマルテンサイト変態によって形状を変化させる部材を用いて変位を発生する構成を採用してもよい。
図15は、この発明の実施の形態に従うアクチュエータの第4変形例の構造を説明する図である。
図15(A)および図15(B)を参照して、本実施の形態に従うアクチュエータの第4変形例における可動子は、Ti−Ni系材料からなる形状記憶合金ファイバ224を用いて構成される。より具体的には、形状記憶合金ファイバ224には、高温時の記憶形状として、ほぼ直線状の形状を与えておく。そして、この形状記憶合金ファイバ224を室温下においてコイル状に巻き、このコイル形状にした形状記憶合金ファイバ224を、たとえばゴムなどの弾性材料からなるリング部材226により結束する。
このように構成された変位部222を加熱すると、形状記憶合金ファイバ224は記憶形状である直線形状に戻ろうとするため、変位部222の剛性が高まる。その結果、形状記憶合金ファイバ224は、リング部材226による締め付け力を超えて、径方向に押し広がっていく。
本実施の形態に従うアクチュエータの第4変形例における変位部222は、このような形状記憶合金ファイバ224が発生する径方向へ押し広がる力を用いて、径方向の変位(変形)を生じる。
図15(C)を参照して、電流源228から形状記憶合金ファイバ224に電流を通電し、この電流によって生じるジュール熱を用いて、形状記憶合金ファイバ224を加熱する。なお、形状記憶合金ファイバ224は、変態点を超えなければ変形を生じないので、電流源228の電流供給能力は、形状記憶合金ファイバ224の変態点に応じて適切に設計される。すなわち、電流源228は、形状記憶合金ファイバ224に対して変態点をまたぐ温度変化を与えることができるように、その供給電流値が設計される。
このように、本実施の形態に従うアクチュエータの第4変形例では、駆動時には、形状記憶合金ファイバ224が加熱されて径方向に押し広げるような力を連続的に発生させることで、固定子220が可動子100内に収容され、この結果、隣接する可動子100の間の距離が縮まって収縮動作が実現される。一方、非駆動時には、冷却されることで形状記憶合金ファイバ224の剛性が低下し、リング部材226による締め付け力によって形状記憶合金ファイバ224は押し潰される。その結果、可動子100と固定子220とは、外部からの僅かな力を受けて両者は自在に相対移動できるようになる。
なお、形状記憶合金ファイバ224を加熱する方法としては、上述したように、電流源228から形状記憶合金ファイバ224に通電する構成に代えて、可動子100の内側または外側に配置された熱源を用いて、形状記憶合金ファイバ224を直接的または間接的に加熱してもよい。
本実施の形態に従うアクチュエータの第4変形例によれば、変位の発生に要する時間が長いので、よりゆっくりと変位を生じさせる必要のあるアプリケーションに適する。
<アクチュエータの第5変形例>
上述した図15に示すように、変位部222が全体的に膨張する場合であっても可動子100の収縮は実現できるが、可動子100の受圧部102に接している部分が大きく膨張する構成がより好ましい。そこで、図16に示すような形状の変位部を用いることで、可動子100の収縮速度および収縮量をより大きくすることができる。
図16は、この発明の実施の形態に従うアクチュエータの第5変形例の構造を説明する図である。
図16(A)および図16(B)を参照して、本実施の形態に従うアクチュエータの第5変形例における可動子は、形状記憶合金からなる変位部234を含んで構成される。より具体的には、変位部234は、形状記憶合金をらせん状に巻いてバネとして形成したものである。この変位部234には、図16(B)に示すような中心部が膨らんだ形状を記憶させておく。さらに、変位部234は、隣接する変位部234(図示しない)とバネ部材230を介して相互に連結される。このバネ部材230からの張力によって、室温下の変位部234は、中心部の膨らみが低減し、略円柱状の形状となる。
このような変位部234を図示しない電流源を用いて加熱することで、変位部234からは、図16(B)に示すような形状に戻ろうとする復元力が発生する。図16(C)に示すように、変位部234を可動子100の受圧部102に接しておくことで、このような復元力が受圧部102に与えられる。その結果、軸方向の作用力が発生し、固定子232が可動子100内に収容される。
このように、本実施の形態に従うアクチュエータの第4変形例においては、駆動時には、変位部234が加熱されて径方向に押し広げるような力を連続的に発生させることで、固定子232が可動子100内に収容され、この結果、隣接する可動子100の間の距離が縮まって収縮動作が実現される。一方、非駆動時には、冷却されることで変位部234の剛性が低下し、バネ部材230の張力によって変位部234は押し潰される。その結果、可動子100と固定子232とは、外部からの僅かな力を受けて両者は自在に相対移動できるようになる。
本実施の形態に従うアクチュエータの第5変形例によれば、変位の発生に要する時間が長いので、よりゆっくりと変位を生じさせる必要のあるアプリケーションに適する。
<アクチュエータの第6変形例>
本実施の形態に従うアクチュエータの第6変形例では、相転移による体積変化を利用して変位を発生する構成について説明する。
図17は、この発明の実施の形態に従うアクチュエータの第6変形例の構造を示す模式図である。
図17を参照して、本実施の形態に従うアクチュエータの第6変形例は、可動子100と、固定子240とを含む。本実施の形態に従うアクチュエータの第6変形例における可動子100については、上述したものと同様であるので、詳細な説明は繰返さない。
固定子240は、内圧を受けて少なくとも径方向に外形を変化し得る膨張収縮部242と、膨張収縮部242に封入され、相転移により体積が変化する媒質248とを含む。膨張収縮部242は、代表的にゴムなどの弾性体からなる袋状の部材である。また、媒質248としては、代表的に水などの常温で液体を維持する物質が好ましい。
さらに、固定子240には、媒質248を加熱するために膨張収縮部242内に設けられたヒータ部244と、ヒータ部244に電流を供給するための電源部246とを含む。
このように構成された固定子240内のヒータ部244に、電源部246から電流を供給し、媒質248をその沸点まで加熱すると、媒質248は液相から気相へ相転移する。この結果、膨張収縮部242の内圧が上昇し、膨張収縮部242はその外形を膨張させる。その結果、膨張収縮部242は、径方向に押し広がっていく。
本実施の形態に従うアクチュエータの第6変形例における固定子240は、このような膨張収縮部242が発生する径方向へ押し広がる力を用いて、径方向の変位(変形)を生じる。なお、媒質248は、転移温度(この場合には、沸点)を超えなければ相転移を生じないので、電源部246の電力供給能力は、媒質248の転移温度に応じて適切に設計される。すなわち、電源部246は、媒質248の転移温度をまたぐ温度変化を与えることができるように、その供給能力が設計される。
このように、本実施の形態に従うアクチュエータの第6変形例においては、駆動時には、媒質248が加熱されて相転移を生じることで、膨張収縮部242から径方向に押し広げる力が発生する。この径方向に押し広げる力によって、固定子240が可動子100内に収容され、この結果、隣接する可動子100の間の距離が縮まって収縮動作が実現される。一方、非駆動時には、膨張収縮部242を介して放熱されることで、媒質248が冷却されて液体に戻り、膨張収縮部242は収縮する。その結果、可動子100と固定子240とは、外部からの僅かな力を受けて両者は自在に相対移動できるようになる。
本実施の形態に従うアクチュエータの第6変形例によれば、変位の発生に要する時間が長いので、よりゆっくりと変位を生じさせる必要のあるアプリケーションに適する。
<アクチュエータの第7変形例>
上述した各アクチュエータにおいては、可動子内に固定子が収容される構成について例示したが、固定子内に可動子が収容されるようにしてもよい。
図18は、この発明の実施の形態に従うアクチュエータの第7変形例の構造を示す模式図である。
図18を参照して、この発明の実施の形態に従うアクチュエータの第7変形例は、図14に示すアクチュエータにおける固定子と可動子との機能を入れ替えたものに相当する。具体的には、この発明の実施の形態に従うアクチュエータの第7変形例は、可動子306と、固定子402とを含む。
可動子306は、その両サイドに配置された回転体302と、回転体302の回転軸から偏心して連結された偏心体304とを含む。回転体302は、代表的にモータなどの電動機からなり、アクチュエータの駆動時において、図示しない電源装置から供給される電力によって回転運動を生じる。この可動子306と一体化された回転体302の回転に伴って偏心体304も回転し、この偏心体304の回転に伴って径方向に偏心力が生じる。そして、この径方向への偏心力によって、可動子306の両端部が径方向に変形を生じる。
一方、固定子402は、中空構造の回転体302を貫通して回転自在に構成されており、その両端には、軸方向に沿った径方向の大きさ(半径)が不均一な受圧部404が形成されている。そして、アクチュエータの可動時に可動子306が発生する少なくとも径方向の変位を受けて、受圧部404は、可動子306および固定子402を軸方向に沿って所定の向き(可動子306同士が近接する向き)に相対移動させるための作用力を及ぼす。
その他の構成は、上述したアクチュエータの構成とほぼ同様であるので、詳細な説明は繰返さない。
なお、説明の便宜上、この発明の実施の形態に従うアクチュエータの第7変形例として、図14に示すアクチュエータにおいて固定子と可動子との機能を入れ替えた構成について例示したが、その他の実施の形態についても、同様に固定子と可動子との位置関係を入れ替えることができる。
<可動子と固定子の接触面における変形例>
上述の説明では、各アクチュエータが、非駆動時において、可動子と固定子とが外部からの僅かな力で自在に相対移動できる構成を有する点について詳述した。以下では、このような非駆動時により自在に相対移動できるための構造について例示する。
図19は、この発明の実施の形態に従うアクチュエータの可動子と固定子との接触面における第1変形例を示す図である。
図19を参照して、第1変形例に従うアクチュエータにおいては、可動子110には、固定子200の断面形状に比較してより大きな断面形状をもつ穴部が形成されている。すなわち、可動子110には、固定子200に対して所定のクリアランス112が設けてあり、固定子200が径方向に変位を生じない非駆動時には、可動子110と固定子200との相対移動に際して、両者の間に生じる摩擦力(応力)は相対的に小さくなる。
一例として、図14に示すアクチュエータにおいて、固定子200を外形6mmのシリコンチューブで構成し、可動子110を外形10mmで内径6mmのプラスチック(代表的に、ジュラコン)で構成した場合には、駆動時に両者の間に働く駆動力は0.2N程度となる。
そこで、固定子200と可動子110との間のクリアランス112は、非駆動時の両者の摩擦力が、駆動時の駆動力0.2Nより小さくなるように設計することが好ましい。
代替的に、固定子と可動子との間をクリアランスではなく、点接触または線接触などの相対的に摩擦力を低減できるような支持部材を用いてもよい。
図20は、この発明の実施の形態に従うアクチュエータの可動子と固定子との接触面における第2変形例を示す図である。
図20を参照して、第2変形例に従うアクチュエータにおいては、可動子120と固定子200との間には、両者を点接触または線接触で支持するための突起部122が設けられている。この突起部122は、樹脂または金属からなる線状部材からなる。
このような突起部122は、外部からの応力に応じて弾性変形するため、固定子200の移動に応じて、僅かな力で形状を変化させるため、非駆動時における可動子120と固定子200との相対移動に要する摩擦力を低減できる。
また、図19に示すような線状部材に代えて、膜状の部材からなる突起部を用いてもよい。
<フレキシブル構造>
図6に示すアクチュエータアレイを構成する場合において、必要な移動量(変位量)を実現するために、固定子が移動量に応じた長さだけ可動子内に収容される必要がある。すなわち、可動子は、固定子の全長のうち、必要な長さ分だけ収容できるように構成される必要がある。
また、アクチュエータアレイに要求される特性によっては、可動範囲が直線的であるとは限らない。そのため、必要に応じて、可とう性を有するように固定子を構成することが好ましい。
図21は、この発明の実施の形態に従う可動子の別形態を示す図である。図21を参照して、本形態では、図14に示すアクチュエータと同様の固定子210を含むアクチュエータを用いる場合について例示する。
図21(A)を参照して、各可動子130の両端には、それぞれ固定子210が相対移動するための穴部が設けてある。駆動時には、それぞれの固定子210が変位を発生させることで、各固定子210は、それぞれの端が各可動子130の中に収容されることになる。
このとき、各可動子130から見ると、両端に位置する固定子210がそれぞれその中に進入してくることになり、その結果、隣接する可動子130の間の距離が縮まる。このとき、可動子130が直線形状であれば、両端に位置する可動子130は、略同一の軸上を可動子130の中心に向けてそれぞれ移動することになる。しかしながら、適用される機構によっては、外力を受けることによって、両端の可動子130が同一の軸上を移動しない場合もある。このような場合には、当該外力に適応できるように、可動子130を樹脂などで構成することで、可動子130に可とう性(弾性)を持たせることが好ましい。
一方で、非駆動時における滑り動作時には、固定子210と可動子120との間の伸張動作を妨げないことが必要である。すなわち、可動子130は、曲げ方向には柔軟であるが、伸び方向には所定の剛性を持つ必要がある。
そこで、図21(B)に示すように、外装にスリット132を形成して、曲げ方向の剛性を低減することで、曲げ方向に柔軟であり、かつ伸び方向に剛性をもつ可動子130を構成することができる。
あるいは、所定の方向に強化繊維を配合することにより、可動子130に配向方向の異方性を持たせるようにしてもよい。
このような可とう性を持たせることによって、アクチュエータの適用される機構(アプリケーション)に応じて、適切な方向に駆動力を発揮できる。
<破損防止構造>
図6に示すアクチュエータアレイを構成する場合において、各アクチュエータにどのような外力が加わった場合であっても、アクチュエータを保護する必要がある。このような保護機能の一例として、固定子と可動子との間の相対移動を所定範囲に規制するための構成について例示する。
図22は、この発明の実施の形態に従う固定子の別形態を示す図である。
図22を参照して、本形態に従う固定子290には、可動子140との間の相対移動を規制するためのストッパ部292,294が形成されている。
より具体的には、各固定子290の中心部(隣接する可動子140の中間)に形成されたストッパ部292は、過挿入防止ストッパであり、可動子140内における固定子290同士の干渉を防止する。すなわち、駆動時の収縮動作では、各可動子140にはその両側から固定子290が収容されるため、何らの規制を行なわないと、可動子140内で隣接する固定子290同士が干渉し得る。そこで、そこで、可動子140の穴部の断面形状より大きな断面形状をもつストッパ部292を形成することで、固定子290の干渉防止を行なう。
また、各固定子290の両端に形成されたストッパ部294は、抜け防止ストッパであり、固定子290が可動子140から抜け出ることを防止する。すなわち、非駆動時の滑り動作では、可動子140と固定子290との間の摩擦力は非常に小さいので、僅かな外力を受けて固定子290は可動子140から抜け出ようとする。そこで、可動子140の受圧部の断面形状より大きな断面形状をもつストッパ部294を形成することで、固定子290の抜け防止を行なう。
なお、可動子140にリング状の受圧部を挿入することでアクチュエータを形成する場合には、受圧部自身が抜け出るおそれがあるので、可動子140の両端には、受圧部の抜け防止に突起部を設けることが好ましい。
このような構成を採用することで、適用先の機構(アプリケーション)において要求される伸縮特性に関わらず、各アクチュエータを保護することができるのので、アクチュエータの堅牢性を高めることができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなく、請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。

Claims (10)

  1. 複数のアクチュエータ(100,200;100,250;100,210;100,220;100,232;100,240;306,402;110,200;120,200;130,210;140,290)と、
    前記複数のアクチュエータの各々を駆動するための駆動部(2,4,5,6;2,4,5,6,9)とを備え、
    前記複数のアクチュエータの各々は、固定子(200,210,220,232,240,250,290,402)および可動子(100,110,120,130,140,306)を含み、
    前記固定子および前記可動子は、駆動時において、所定の移動軸に沿って一方向に相対移動するとともに、非駆動時において、外力を受けて前記移動軸に沿っていずれの方向にも相対移動が可能に構成されており、
    前記複数のアクチュエータの各々は、隣接するアクチュエータと固定子同士および可動子同士の少なくとも一方が連結されており、
    前記駆動部は、
    前記複数のアクチュエータを駆動するための共通の指令信号を生成する指令生成部(2)と、
    前記複数のアクチュエータの各々に対応付けられた、前記指令信号を予め設定されたしきい値と比較することで、各アクチュエータにおける駆動タイミングを制御するための複数の比較部(6)とを含み、
    前記複数の比較部の各々は、前記しきい値を変更できる部位(R4,VR)を含む、アクチュエータシステム。
  2. 前記変更できる部位は、外部設定に応じて前記しきい値を変更可能に構成される、請求の範囲第1項に記載のアクチュエータシステム。
  3. 前記駆動部は、前記複数の比較部の各々に対応付けられた、前記指令生成部からの前記指令信号の一部を取り除いた上で対応の前記比較部へ与えるための取り除き部(8)をさらに含む、請求の範囲第1項に記載のアクチュエータシステム。
  4. 前記取り除き部は、対応の前記比較部への前記指令信号の入力経路とグランドとの間に電気的に接続された抵抗要素(R3)を含む、請求の範囲第3項に記載のアクチュエータシステム。
  5. 前記駆動部は、前記複数の比較部の各々に対応付けられた、前記指令生成部からの前記指令信号を蓄積するための蓄積部(9)をさらに含む、請求の範囲第1項に記載のアクチュエータシステム。
  6. 複数のアクチュエータの各々は、前記アクチュエータシステムにおける少なくとも1つの自由度のいずれかに分類され、
    前記複数の比較部における前記しきい値は、対応の前記アクチュエータの自由度毎に設定される、請求の範囲第1項に記載のアクチュエータシステム。
  7. 前記駆動部は、前記複数のアクチュエータにおける位置を取得する位置取得部(4)をさらに含み、
    前記指令生成部は、入力される目標位置と前記位置取得部によって取得された位置との比較結果に基づいて、前記指令信号を生成する、請求の範囲第1項に記載のアクチュエータシステム。
  8. 前記指令信号は、電流信号および電圧信号のいずれかである、請求の範囲第1項に記載のアクチュエータシステム。
  9. 前記固定子は、駆動時において、少なくとも径方向に変位を生じる変位部(202;222;256;214;224;234;242;302,304;)を含み、
    前記可動子は、前記固定子の前記変位部による変位を受けて、前記移動軸の一方向に作用力を及ぼす受圧部(102,404)を含み、
    駆動時に前記受圧部が発生する作用力は、非駆動時に前記固定子および前記可動子が相対移動するのに要する力に比較して大きい、請求の範囲第1項に記載のアクチュエータシステム。
  10. 複数のアクチュエータ(100,200;100,250;100,210;100,220;100,232;100,240;306,402;110,200;120,200;130,210;140,290)と、前記複数のアクチュエータの各々を駆動するための駆動部(2,4,5,6;2,4,5,6,9)とを備えるアクチュエータシステム(SYS)の制御方法であって、
    前記複数のアクチュエータの各々は、固定子(200,210,220,232,240,250,290,402)および可動子(100,110,120,130,140,306)を含み、
    前記固定子および前記可動子は、駆動時において、所定の移動軸に沿って一方向に相対移動するとともに、非駆動時において、外力を受けて前記移動軸に沿っていずれの方向にも相対移動が可能に構成されており、
    前記複数のアクチュエータの各々は、隣接するアクチュエータと固定子同士および可動子同士の少なくとも一方が連結されており、
    前記制御方法は、
    前記複数のアクチュエータを駆動するための共通の指令信号を生成するステップ(FG)と、
    前記複数のアクチュエータに対するしきい値をそれぞれ設定するステップと、
    前記複数のアクチュエータの各々について、前記指令信号を対応の前記しきい値と比較することで、当該アクチュエータにおける駆動タイミングを制御するステップとを含む、制御方法。
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