JPWO2009044596A1 - 音声合成装置、音声合成方法および音声合成プログラム - Google Patents
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Abstract
Description
また、特許第3235747号公報には、周期性を有する有声部分に関しては実音声の分析処理によって得られた各1ピッチ周期分に対応する音声波形データを使用し、周期性の無い無声部分に関しては実音声をそのまま音声波形データとして使用し、合成音声を生成する技術が開示されている。以下、特開2005−292708号公報、特開2001−249678号公報、特許第3235747号公報に開示された技術を第1の関連例と呼ぶ。
また、第2の関連例では、収録された波形をそのまま接続するため、非常に高音質であるが、ピッチパタンの形状を変更しないため、思い通りの韻律が再現できず、生成される合成音の韻律の安定性が非常に低くなるという問題点があった。
以下、本発明を実施するための最良の実施例について図面を参照して説明する。なお、全ての図面において同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
図1は本発明の第1実施例に係る音声合成装置の構成を示すブロック図、図2は図1の音声合成装置の動作を示すフローチャートである。
図1を参照すると、本実施例に係る音声合成装置は、ピッチパタン生成部104と、単位波形選択部106と、音声波形生成部107とを備えている。
ピッチパタン生成部104は、ピッチパタン生成に必要な情報であるピッチパタン目標データが入力されると(図2ステップS101)、このピッチパタン目標データに基づいて、予め用意された標準パタンと元発話パタンとを組み合わせてピッチパタンを生成する(ステップS102)。ピッチパタン目標データは、少なくとも音節、音素、単語等からなる音韻情報を含む。標準パタンは、音声の少なくとも1つ以上のピッチパタンの概形を近似的に表現するものである。元発話パタンは、収録音声のピッチパタンを忠実に再現するものである。
続いて、本発明の第2実施例について説明する。図3は本発明の第2実施例に係る音声合成装置の構成を示すブロック図である。本実施例は、第1実施例をより具体的に説明するものである。
図3を参照すると、本実施例に係る音声合成装置は、ピッチパタン目標データ入力部101と、標準パタン記憶部102と、元発話パタン記憶部103と、ピッチパタン生成部104と、単位波形記憶部105と、単位波形選択部106と、音声波形生成部107とを備えている。
標準パタン記憶部102には、音声の少なくとも1つ以上のピッチパタンの概形を近似的に表現する標準パタンが予め記憶されている。
単位波形記憶部105には、収録音声から生成された単位波形データが予め記憶されている。この単位波形は、少なくとも前記元発話パタンに対応する元発話単位波形を含む。
ピッチパタン生成部104は、ピッチパタン目標データに基づいて、標準パタン記憶部102に記憶されている標準パタンと元発話パタン記憶部103に記憶されている元発話パタンとを組み合わせてピッチパタンを生成する(ステップS102)。
音声波形生成部107は、ピッチパタン生成部104で生成されたピッチパタンおよび単位波形選択部106で選択された単位波形データに基づいて、音声波形データを生成する(ステップS104)。
こうして、本実施例によれば、第1実施例と同様の効果を得ることができる。
続いて、本発明の第3実施例について、図面を参照して説明する。図4は本発明の第3実施例に係る音声合成装置の構成を示すブロック図である。
図4を参照すると、本実施例に係る音声合成装置は、第2実施例の構成に加えて、標準単位波形記憶部109を備え、さらに単位波形記憶部105の代わりに元発話単位波形記憶部108を備え、単位波形選択部106の代わりに単位波形選択部106aを備えるものである。
元発話単位波形記憶部108には、元発話パタンに対応する元発話単位波形データが予め記憶されている。
標準単位波形記憶部109には、標準パタンに対応する標準単位波形データが予め記憶されている。
単位波形選択部106aは、ピッチパタン生成部104で生成されたピッチパタンに基づいて、元発話単位波形記憶部108および標準単位波形記憶部109に記憶されている単位波形データを選択する(ステップS103)。このとき、単位波形選択部106aは、ピッチパタン生成部104で生成されたピッチパタン内において、元発話パタンで構成されている部分については、元発話単位波形記憶部108に記憶されている対応する元発話単位波形データを選択し、収録音声におけるピッチパタンを忠実に再現する。また、単位波形選択部106aは、生成されたピッチパタン内において、標準パタンで構成されている部分については、標準単位波形記憶部109に記憶されている標準単位波形データを選択する。
続いて、本発明の第4実施例について説明する。図5は本発明の第4実施例に係る音声合成装置の概要を示すブロック図である。本実施例は、第2実施例のより具体的な例を示すものである。
元発話パタン選択部303は、ピッチパタン目標データおよび元発話パタン記憶部103内に記憶されている元発話パタンの音韻情報やアクセント位置等を利用して、ピッチパタン内で使用される元発話パタンを選択する(図7ステップS201)。
元発話パタン記憶部103には、元発話パタンおよび発声内容を示す音節列データが記憶されている。元発話パタンは、収録音声のピッチ周波数の微細変化を含むピッチパタンを忠実に再現するパタンであり、時刻情報とピッチ周波数の数値とを持つ節点により表現される。また、元発話パタン記憶部103には、元発話パタンとして、「稼動していなければ(かどーしていな”ければ)」という発話内容の収録音声を表現する元発話パタンが記憶されているものとする。ここで、「”」は標準語におけるアクセント位置を示している。
単位波形選択部106は、継続時間長生成部302で生成された継続時間長データとピッチパタン生成部104で生成されたピッチパタンとを含む韻律データに基づいて、単位波形記憶部105内に記憶された単位波形データを選択する。ここで、ピッチパタン内の元発話パタン区間については、対応する単位波形データを選択する。したがって、単位を選択する際には、元発話パタン区間の単位波形との接続を考慮して標準パタン区間の単位が選択されることになる。
本実施例を用いれば、元発話パタン区間では対応する元発話波形単位を、収録音声が再現されるように用い、その他の区間ではピッチパタンの概形を損なわないように標準パタンを用いるため、安定したピッチパタンを生成し、収録音声に匹敵する高い自然性と音質を持つ合成音を生成することが可能となる。
続いて、本発明の第5実施例について説明する。本実施例の音声合成装置は全体として第4実施例と同様の構成を持ち、ピッチパタン生成部104内の構成と動作のみが異なる。したがって、ピッチパタン生成部104の詳細な構成例のみを、図10を参照して説明する。
本実施例のピッチパタン生成部104は、元発話パタン選択部303aと、標準パタン選択部304aと、パタン接続部305aと、元発話パタン候補検索部307と、ピッチパタン決定部308とから構成される。本実施例のピッチパタン生成部104の動作を図11に示す。
この出願は、2007年10月5日に出願された日本出願特願2007−261704号を基礎とする優先権を主張し、その開示の内容を全てここに取り込む。
Claims (17)
- 少なくとも音節、音素、単語等からなる音韻情報を含むピッチパタン目標データに基づいて、ピッチパタンの概形を近似的に表現する標準パタンと収録音声のピッチパタンを表現する元発話パタンとを組み合わせてピッチパタンを生成するピッチパタン生成手段と、
前記生成されたピッチパタンに基づいて単位波形データを選択し、この選択に際して前記元発話パタンを使用する区間においてはこの元発話パタンと対応する元発話単位波形データを選択する単位波形選択手段と、
前記生成されたピッチパタンが表す韻律を再現するように、前記選択された単位波形データを編集して合成音声を生成する音声波形生成手段とを備えることを特徴とする音声合成装置。 - 請求項1記載の音声合成装置において、
前記単位波形選択手段は、前記標準パタンを使用する区間においては前記元発話単位波形とは別の単位波形データを選択することを特徴とする音声合成装置。 - 請求項1記載の音声合成装置において、
さらに、前記元発話パタンとこの元発話パタンに対応する音節列情報とを記憶する元発話パタン記憶手段を備え、
前記ピッチパタン生成手段は、
少なくとも前記ピッチパタン目標データと前記元発話パタン記憶手段に記憶された音節列情報に基づいて前記元発話パタンを選択する元発話パタン選択手段と、
前記標準パタンを使用する区間において前記ピッチパタン目標データに基づいて前記標準パタンを選択する標準パタン選択手段と、
前記元発話パタン選択手段によって選択された元発話パタンと前記標準パタン選択手段によって選択された標準パタンとを接続して前記ピッチパタンを生成するパタン接続手段とからなることを特徴とする音声合成装置。 - 請求項1記載の音声合成装置において、
前記ピッチパタン生成手段は、前記元発話単位波形データの特徴量に基づいて、前記標準パタンと前記元発話パタンの構成を決定するものであり、
前記元発話単位波形データの特徴量として、少なくともピッチ周波数を含むことを特徴とする音声合成装置。 - 請求項4記載の音声合成装置において、
前記ピッチパタン生成手段は、前記元発話パタン区間において、単位波形データの特徴量の変更量が最小になるように前記標準パタンと前記元発話パタンの構成を決定することを特徴とする音声合成装置。 - 請求項1記載の音声合成装置において、
前記ピッチパタン生成手段は、アクセント句全体の標準パタンの一部を元発話パタンに置換することを特徴とする音声合成装置。 - 請求項1記載の音声合成装置において、
さらに、入力テキストデータを言語解析し、前記ピッチパタン目標データを作成する言語解析手段を備えることを特徴とする音声合成装置。 - 請求項1記載の音声合成装置において、
さらに、前記元発話パタンとこの元発話パタンに対応する音節列情報とを記憶する元発話パタン記憶手段を備え、
前記ピッチパタン生成手段は、
少なくとも前記ピッチパタン目標データと前記元発話パタン記憶手段に記憶された音節列情報に基づいて、前記ピッチパタン目標データと一致する元発話パタンの候補を検索する元発話パタン候補検索手段と、
この元発話パタン候補検索手段で検索された全ての元発話パタンを元発話パタンの候補として選択する元発話パタン選択手段と、
前記標準パタンを使用する区間において前記ピッチパタン目標データに基づいて前記標準パタンの候補を選択する標準パタン選択手段と、
前記元発話パタン選択手段によって選択された元発話パタンの候補と前記標準パタン選択手段によって選択された標準パタンの候補とを接続して前記ピッチパタンの候補を生成するパタン接続手段と、
このパタン接続手段で生成された複数のピッチパタン候補の中から、予め設定された選択基準に従って最適なピッチパタンを決定するピッチパタン決定手段とからなることを特徴とする音声合成装置。 - 少なくとも音節、音素、単語等からなる音韻情報を含むピッチパタン目標データに基づいて、ピッチパタンの概形を近似的に表現する標準パタンと収録音声のピッチパタンを表現する元発話パタンとを組み合わせてピッチパタンを生成するピッチパタン生成ステップと、
前記生成されたピッチパタンに基づいて単位波形データを選択し、この選択に際して前記元発話パタンを使用する区間においてはこの元発話パタンと対応する元発話単位波形データを選択する単位波形選択ステップと、
前記生成されたピッチパタンが表す韻律を再現するように、前記選択された単位波形データを編集して合成音声を生成する音声波形生成ステップとを備えることを特徴とする音声合成方法。 - 請求項9記載の音声合成方法において、
前記単位波形選択ステップは、前記標準パタンを使用する区間においては前記元発話単位波形とは別の単位波形データを選択することを特徴とする音声合成方法。 - 請求項9記載の音声合成方法において、
前記ピッチパタン生成ステップは、
少なくとも前記ピッチパタン目標データと元発話パタン記憶手段に記憶された元発話パタンの音節列情報に基づいて前記元発話パタンを選択する元発話パタン選択ステップと、
前記標準パタンを使用する区間において前記ピッチパタン目標データに基づいて前記標準パタンを選択する標準パタン選択ステップと、
前記元発話パタン選択ステップによって選択された元発話パタンと前記標準パタン選択ステップによって選択された標準パタンとを接続して前記ピッチパタンを生成するパタン接続ステップとからなることを特徴とする音声合成方法。 - 請求項9記載の音声合成方法において、
前記ピッチパタン生成ステップは、前記元発話単位波形データの特徴量に基づいて、前記標準パタンと前記元発話パタンの構成を決定するステップを含むものであり、
前記元発話単位波形データの特徴量として、少なくともピッチ周波数を含むことを特徴とする音声合成方法。 - 請求項12記載の音声合成方法において、
前記ピッチパタン生成ステップは、前記元発話パタン区間において、単位波形データの特徴量の変更量が最小になるように前記標準パタンと前記元発話パタンの構成を決定することを特徴とする音声合成方法。 - 請求項9記載の音声合成方法において、
前記ピッチパタン生成ステップは、アクセント句全体の標準パタンの一部を元発話パタンに置換するステップを含むことを特徴とする音声合成方法。 - 請求項9記載の音声合成方法において、
さらに、前記ピッチパタン生成ステップの前に、入力テキストデータを言語解析し、前記ピッチパタン目標データを作成する言語解析ステップを備えることを特徴とする音声合成方法。 - 請求項9記載の音声合成方法において、
前記ピッチパタン生成ステップは、
少なくとも前記ピッチパタン目標データと元発話パタン記憶手段に記憶された元発話パタンの音節列情報に基づいて、前記ピッチパタン目標データと一致する元発話パタンの候補を検索する元発話パタン候補検索ステップと、
この元発話パタン候補検索ステップで検索された全ての元発話パタンを元発話パタンの候補として選択する元発話パタン選択ステップと、
前記標準パタンを使用する区間において前記ピッチパタン目標データに基づいて前記標準パタンの候補を選択する標準パタン選択ステップと、
前記元発話パタン選択ステップによって選択された元発話パタンの候補と前記標準パタン選択ステップによって選択された標準パタンの候補とを接続して前記ピッチパタンの候補を生成するパタン接続ステップと、
このパタン接続ステップで生成された複数のピッチパタン候補の中から、予め設定された選択基準に従って最適なピッチパタンを決定するピッチパタン決定ステップとからなることを特徴とする音声合成方法。 - 少なくとも音節、音素、単語等からなる音韻情報を含むピッチパタン目標データに基づいて、ピッチパタンの概形を近似的に表現する標準パタンと収録音声のピッチパタンを表現する元発話パタンとを組み合わせてピッチパタンを生成するピッチパタン生成ステップと、
前記生成されたピッチパタンに基づいて単位波形データを選択し、この選択に際して前記元発話パタンを使用する区間においてはこの元発話パタンと対応する元発話単位波形データを選択する単位波形選択ステップと、
前記生成されたピッチパタンが表す韻律を再現するように、前記選択された単位波形データを編集して合成音声を生成する音声波形生成ステップとを、コンピュータに実行させることを特徴とする音声合成プログラム。
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