JPWO2009041534A1 - 磁気共鳴イメージング装置及びその作動方法、画像診断システム並びに診断方法 - Google Patents

磁気共鳴イメージング装置及びその作動方法、画像診断システム並びに診断方法 Download PDF

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Abstract

本発明は組織病変を超早期に検出することを目的とする。このため、本発明では、高周波信号を送信したのち被検体から磁気共鳴信号を受信する送受信手段26と、MTパルスの印加を伴わない第1の撮影条件と前記MTパルスの印加を伴う第2の撮影条件とに対応したパルスシーケンスに基づくスキャンが実行されるよう前記送受信手段を制御する制御手段40と、前記第1の撮影条件によって前記被検体から受信した第1の磁気共鳴信号の信号強度Moと前記第2の撮影条件によって前記被検体から受信した第2の磁気共鳴信号の信号強度Msとの関数で表される病変診断評価指数を算出する算出手段36と、前記病変診断評価指数に基づいて前記撮影領域における生体組織の病変の予兆を検出する検出手段38と、を備える核磁気共鳴イメージング装置10とする。

Description

本発明は、磁気共鳴イメージング装置及びその作動方法、画像診断システム並びに診断方法に関する。
医療現場においては、患者自身のためはもちろん、医療経済的な観点からも病変の早期発見及び早期治療が強く求められている。例えば、磁気共鳴イメージング(MRI)などによる画像診断は、組織の病変・異常を発見するための有用な手法の一つである。このMRIを用いた撮影技術の一つとして、MT(magnetization transfer)効果を応用した手法が提案されている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。
また、本発明者らは、MT効果の影響分を強調して画像化するための新たな指標として、Equivalent Cross−Relaxation Rate(ECR)を既に提案している(例えば、非特許文献1)。この非特許文献1には、乳癌転移リンパ節組織と正常組織とのECRを比較した場合、乳癌転移リンパ節組織では正常組織よりも低値であることが開示されている。
特開平11−313810号公報 特開2006−116299号公報 Magnetic Resonance in Medicine、2005、54、p.1300−1304
一般に、組織の病変は、組織の機能異常が出現して血液検査や生化学検査等の異常値として現れて初めて、検査対象となり、そして検出される。しかしながら、このような生化学的検査上のデータが異常値を示したときには、既に組織病変が進行している場合もある。また、従来のMR画像診断技術は、組織の形態的な変化や血流の変化などによって病態を把握するものであるため、組織の機能異常が現れるまでは病変を発見できなかった。さらに、本発明者らが既に提案したECRについては、癌組織と正常組織とではECRが相違する、といった生体組織の性状に対する評価は行われているものの、病変の進行程度とECRとの関係は明らかではなかった。
このように、従来はあくまで疾患の診断は、検査における異常値や組織の形態学的な異常の存在診断が中心であり、組織病変の予兆の段階を異常として検出することは行われていなかった。したがって、現状において、機能異常や組織の形態学的変化が現れていない段階で、わずかな組織病変を疾患の予兆として検出して、早期治療を実現することは不可能であった。
そこで、本発明は、組織病変を超早期に検出することのできる磁気共鳴イメージング装置及びその作動方法、画像診断システム並びに診断方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、信号強度Moと前記第2の撮影条件によって前記被検体から受信した第2の磁気共鳴信号の信号強度Msとの関数として表される病変診断評価指数が、診断対象となる組織の分子構造変化を鋭敏に反映できるかどうかについて検討するため、患者の血液・生体検査値と組織の病変診断評価指数とを付き合わせた。すると、病変診断評価指数は、意外にも、血液・生体検査値で異常値が出現するよりも前の段階で生体組織の異常の予兆又は存在を鋭敏に検出・診断できる指標であることを見出した。すなわち、MRIや生化学データが異常域に達していない段階においても、すでに病変診断評価指数が健常者とは区別できる値を示しているという知見を得た。さらに、病変診断評価指数が健常者のそれと区別される患者について、その後、生化学検査値が異常域に達するという知見を得た。本発明者らは、これらの知見に基づき、本発明を完成した。すなわち、本発明によれば以下の手段が提供される。
本発明によれば、磁気共鳴イメージング装置であって、高周波信号を送信したのち被検体から磁気共鳴信号を受信する送受信手段と、MTパルスの印加を伴わない第1の撮影条件と前記MTパルスの印加を伴う第2の撮影条件とに対応したパルスシーケンスに基づくスキャンが実行されるよう前記送受信手段を制御する制御手段と、前記第1の撮影条件によって前記被検体から受信した第1の磁気共鳴信号の信号強度Moと前記第2の撮影条件によって前記被検体から受信した第2の磁気共鳴信号の信号強度Msとの関数として表される病変診断評価指数を算出する算出手段と、前記病変診断評価指数に基づいて前記撮影領域における生体組織の病変又はその予兆を検出する検出手段と、を備える装置が提供される。なお、病変診断評価指数は、以下の式に基づいて算出されるものであってもよい。以下の式(1)で表される病変診断評価指数は、本発明者らが既に提案しているECRである。
本発明によれば、前記検出手段は、前記病変診断評価指数の経時変化に基づいて前記生体組織の病変又はその予兆を検出する手段である、前記装置も提供される。また、前記検出手段は、前記病変診断評価指数による診断とは異なる方法によって確定診断がついた患者に関する検査情報に関連付けられた病変診断評価指数の閾値情報に基づいて前記生体組織の病変又はその予兆を検出する手段であるものとしてもよい。
また、本発明によれば、前記検出手段は、前記患者の血液に関する検査情報に関連付けられた病変診断評価指数の閾値情報に基づいて検出を行う手段であるものとしてもよい。
前記検出手段は、さらに、前記閾値情報に基づいて前記生体組織の病変及び予兆を検出する手段であってもよい。この態様において、前記検出手段は、前記病変診断評価指数の値が、所定の閾値情報E1を超えるときには組織の正常を検出し、前記所定の閾値情報E2を超えて所定の閾値情報E1以下のときには組織病変の予兆を検出し、前記所定の閾値情報E2以下のときには組織病変の存在を検出する手段であってもよい。
さらに、本発明によれば、健常者群及び前記病変診断評価指数による診断とは異なる方法によって確定診断がついた患者群について得られた前記病変診断評価指数以外の検査情報とこれらの検査情報に関連付けられた病変診断評価指数との相関関係を用いるとともに、被検体の前記病変診断評価指数以外の検査情報及び前記病変診断評価指数とに基づいて検出を行う手段である、前記装置も提供される。
本発明によれば、前記生体組織が肝臓であり、前記検査情報が、グルタミン酸オキサロ酢酸トランスアミナーゼ(GOT)、グルタミン酸ピルビン酸トランスアミナーゼ(GPT)、アルブミン、ビリルビン、コリンエステラーゼ及びインドシアニングリーン(ICG)からなる群より選ばれる1種又は2種以上の成分の血液学的情報である、前記装置が提供される。
また、本発明において、前記MTパルスは、照射周波数が水の共鳴周波数の近位部であるものとしてもよい。
本発明によれば、磁気共鳴イメージング装置の作動方法であって、MTパルスの印加を伴わない第1の撮影条件によって被検体から受信した第1の磁気共鳴信号Moと、前記MTパルスの印加を伴う第2の撮影条件によって前記被検体から受信した第2の磁気共鳴信号Msとの関数として表される病変診断評価指数を算出する算出工程と、前記病変診断評価指数に基づいて撮影領域における生体組織の病変の予兆を検出する検出工程と、を備える、作動方法が提供される。
本発明によれば、画像診断システムであって、高周波信号を送信したのち被検体から磁気共鳴信号を受信する送受信手段と、MTパルスの印加を伴わない第1の撮影条件と前記MTパルスの印加を伴う第2の撮影条件とに対応したパルスシーケンスに基づくスキャンが実行されるよう前記送受信手段を制御する制御手段と、前記第1の撮影条件によって前記被検体から受信した第1の磁気共鳴信号の信号強度Moと前記第2の撮影条件によって前記被検体から受信した第2の磁気共鳴信号の信号強度Msとの関数として表される病変診断評価指数を算出する算出手段と、前記病変診断評価指数に基づいて前記撮影領域の生体組織の病変又はその予兆を検出する検出手段と、を備える、システムが提供される。
本発明によれば、生体組織の病変の検出方法であって、MTパルスの印加を伴わない第1の撮影条件によって被検体から受信した第1の磁気共鳴信号の信号強度Moと、前記MTパルスの印加を伴う第2の撮影条件によって前記被検体から受信した第2の磁気共鳴信号の信号強度Msとの関数として表される病変診断評価指数に基づいて生体組織の病変又はその予兆を検出する検出工程、を備える、検出方法が提供される。
本発明によれば、生体組織の病変の検出装置であって、MTパルスの印加を伴わない第1の撮影条件によって被検体の撮影領域から受信した第1の磁気共鳴信号の信号強度Moと、前記MTパルスの印加を伴う第2の撮影条件によって前記被検体の前記撮影領域から受信した第2の磁気共鳴信号の信号強度Msとの関数として表される病変診断評価指数を取得する手段と、前記病変診断評価指数に基づいて前記撮影領域の生体組織の病変又はその予兆を検出する検出手段と、
を備える、装置が提供される。
本発明の検出装置は、前記撮影領域における病変診断評価指数に基づいて前記撮影領域の病変程度を画像化する画像化手段と、前記撮影領域の病変程度の画像を出力する出力手段と、を備えることもできる。
図1は、病変診断評価指数算出のための撮影で用いるパルス列の一例を示す説明図である。 図2は、病変診断評価指数の閾値情報を設定するためのプロットの一例を示す説明図である。 図3は、病変診断評価指数の閾値情報の一例を示す説明図である。 図4は、病変診断評価指数と血液に関する検査情報とを用いて病変を検出するための一例を示す説明図である。 図5は、本発明の磁気共鳴イメージング装置10の概略構成を示すブロック図である。 図6は、本発明の磁気共鳴イメージング装置10の作動方法を示すフローチャートである。 図7は、実施例1の病変診断評価指数データと血液データとの相関関係を示す図であり、(a)は、血液データがGOPであり、(b)はGPTであり、(c)はアルブミンであり、(d)はビリルビンであり、(e)はコリンエステラーゼであり、(f)はICGである。 図8は、実施例2の病変診断評価指数の算出を行った後の血液データの経時的な推移を示す図であり、(a)は血液データがアルブミンであり、(b)はコリンエステラーゼである。 図9は、正常組織と異常組織についての細胞密度と病変診断評価指数のプロットを示す図である。 図10は、各種血液検査結果の組み合わせで肝硬変群、肝炎群及び正常群を分類した結果を示す図である。 図11は、図10に示す各群に含まれる患者らの病変診断評価指数の分布を調べたグラフを示す図である。 図12は、各病変診断評価指数の範囲に含まれる図10に示す各群の患者数のグラフを示す図である。 図13は、11名の被験者の病変診断評価指数と血小板検査結果の経時変化(1ヶ月)を示す図である。
本発明のMRI装置及び診断方法等によれば、MTパルスの印加を伴わない第1の撮影条件によって被検体の撮影領域から受信した第1の磁気共鳴信号の信号強度Moと、前記MTパルスの印加を伴う第2の撮影条件によって前記被検体の前記撮影領域から受信した第2の磁気共鳴信号の信号強度Msとの関数として表される病変診断評価指数を組織病変の予兆又は存在の指標として用いることで、組織の生体分子における微小な構造変化を確実に捉えることができる。本発明者らによれば、病変診断評価指数は、腫瘍組織などの罹患組織において正常組織とは異なる値を示すことがわかっている。しかしながら、図9に示すように、正常な組織から腫瘍の転移等により組織が線維化するのに伴って細胞密度が低下すると病変診断評価指数も低下し、正常組織と異常組織(ここでは腫瘍の転移組織)につき、細胞密度と病変診断評価指数とをプロットすると、両組織は病変診断評価指数によって明確に区別できることがわかった。また、画像診断や生化学検査データで異常を検出するよりも前の段階で、すなわち、これら従来の手法によっては正常と診断される段階で、病変診断評価指数が既に健常者とは区別可能な異常値を示すことが今回初めて見出された。しかも、病変診断評価指数は、予兆の段階から組織病変が他の診断手法で検出される段階及びその後の病状の進行程度に応じて低下することもわかった。
今回新たに得られた、病変診断評価指数が組織病変の存在診断の指標及び組織病変を予兆の段階で検出する指標(予兆診断の指標)となりうるという知見は、病変診断評価指数が組織の微細構造変化を検出できることに基づくものと考えられるが、その検出性能と組織病変の予兆とは全く関連付けられていなかった。従来、病変診断評価指数は、あくまで罹患組織の状態を鋭敏に反映できるものとして使用されているに過ぎなかった。
以上のことから、本発明によれば、超早期に組織病変を検出できる新規な診断手法及び装置を提供することができる。しかも、本発明によれば、非侵襲でしかも定量的に組織病変を予兆の段階から進行段階までを検出することができるため、健常者を対象とする定期的な診断手法として、また、診断段階及び治療段階での第1選択的な診断手法として、極めて有用である。
また、本発明では、日常臨床で用いられている通常のMRI装置にMT効果を検出可能な機能を付加するだけで実行できるため、特別な装置も必要としないし汎用性も高い。さらに、MRI装置で撮影した画像データを処理するだけであることから、迅速かつ簡単に病変を検出することができる。このように、病変診断評価指数は、生体組織の病変を超早期に発見・診断するための新たな指標として非常に有効である。
本発明によれば、磁気共鳴イメージング装置のほか、その作動方法、画像診断システム及び診断方法が提供される。以下、本発明の実施の形態について適宜図面を用いて詳細に説明する。ここで、図1は、病変診断評価指数の算出のための撮影で用いるパルス列の一例を示す説明図であり、図2は、病変診断評価指数の閾値情報を設定するためのプロットの一例を示す説明図であり、図3は、病変診断評価指数の閾値情報の一例を示す説明図であり、図4は、病変診断評価指数と血液に関する検査情報とを用いて病変を検出するための一例を示す説明図であり、図5は、本発明の磁気共鳴イメージング装置10の概略構成を示すブロック図であり、図6は、磁気共鳴イメージング装置10の作動方法を示すフローチャートである。なお、以下に示す形態は、本発明の好ましい形態であるが、本発明を限定するものではない。
(診断方法)
本発明の診断方法は、診断対象から得た病変診断評価指数についての情報を分析することにより生体組織の病変を診断する方法である。本発明の診断対象は特に限定せず、ヒト、非ヒト動物のいずれであってもよい。非ヒト動物としては、家畜、家禽、ペット等が挙げられる。また、生体組織の種類も特に限定せず、頭部、胸部、腹部、腰部、脚部など全身のあらゆる器官における組織をその対象とすることができる。好ましくは、病変の進行とともに増加又は減少する生体因子との関連付けが可能な器官であり、より好ましくは、その生体因子が血液に関する検査情報であり、さらに好ましくは、その器官が肝臓である。
診断対象とする疾病の種類も特に限定しない。例えば、肝臓の場合、急性肝炎、慢性肝炎、アルコール性肝炎など各種肝炎や、肝硬変、肝細胞癌といった種々の肝機能障害の診断に適用することができる。
(検出工程)
本診断方法は、検出工程を備える。検出工程は、MTパルスの印加を伴わない第1の撮影条件によって被検体から受信した第1の磁気共鳴信号の信号強度Moと、MTパルスの印加を伴う第2の撮影条件によって被検体から受信した第2の磁気共鳴信号の信号強度Msとの関数として表される病変診断評価指数に基づいて生体組織の病変又はその予兆を検出する工程である。
(MTパルス)
MTパルスは、生体組織などの高分子化合物に結合したプロトン(結合水)と自由水プロトンとの間の交差緩和(磁化移動効果)を誘起するために用いるラジオ波である。本発明で用いるMTパルスは、生体組織において有効な磁化移動効果が得られる限り、その形態は特に限定しない。例えば、sinc波形を持つパルスであってもよいし、ガウス分布の波形を持つパルスであってもよい。
MTパルスは、水に含まれるプロトンの共鳴周波数から所定周波数だけ離れた周波数帯域を励起する。励起のために用いる周波数は特に限定しないが、対象とする生体組織の磁化移動効果を効果的にするには、水の共鳴周波数の近位部であることが好ましい。具体的には、水の共鳴周波数からの位置(オフセット周波数)が20ppm以下であることが好ましく、10ppm以下であることがより好ましい。
(第1の撮影条件及び第2の撮影条件)
病変診断評価指数の算出に用いられる第1の磁気共鳴信号の信号強度Moと第2の磁気共鳴信号の信号強度Msとは、それぞれ、MTパルスの印加を伴わない第1の撮影条件とMTパルスの印加を伴う第2の撮影条件とにより磁気共鳴イメージング装置で生体組織を撮像することによって取得することができる。例えば、第1の撮影条件が、撮影用パルスシーケンスに基づいたスキャンを実行する場合、第2の撮影条件は、撮影用パルスシーケンスに先立ってMTパルスを照射するものであることが好適である。なお、第1の撮影条件及び第2の撮影条件のパルスシーケンスにおいては、撮影用パルス及びMTパルス以外の他のパルスが、これらと同時に又は別個に付加されてもよい。
第2の撮影条件において、磁化移動効果を誘起可能であれば、MTパルスを照射する形態は特に限定しない。例えば、1回だけの孤立したRFパルスとして構成されていてもよいし、周期的に繰り返される複数のRFパルスとして構成されていてもよい。好ましくは、RFパルスを1回照射する形態である。
このときのMTパルスの印加時間や印加強度、フリップ角、バンド幅などの各条件は特に限定せず、対象とする生体組織や照射領域などに応じて適宜設定することができる。
なお、撮影用パルスシーケンスの形態は特に限定せず、2次元スキャンでも3次元スキャンでもよいが、3次元スキャンが好ましい。また、そのパルス列の形態も特に限定せず、例えば、スピンエコー(SE)法、グラジェントエコー(GRE)法、Spoiled gradient recalled acquisition in steady state(SPGR)法、高速SPGR法、フィールドエコー(FE)法、高速SE法など種々のパルス列を適宜採用することができる。好ましくは、SPGR法を用いる。
病変診断評価指数算出のための撮影で用いるパルス列の一例を図1に示す。図1のうち、(a)は第1の撮影条件で設定されるパルスシーケンスであり、(b)は第2の撮影条件で設定されるパルスシーケンスである。図1に示すように、第1の撮影条件では、画像データを収集するための撮影用パルスシーケンスで構成されているのに対し、第2の撮影条件では、画像データの収集に先立ってプリパルスとして被検体に印加されるようにMTパルスシーケンスが設定されている。すなわち、図1(b)に示すように、第2の撮影条件では、まず、MTパルスシーケンスが実行され、これに続いて撮影用パルスシーケンスに基づくスキャンが実行される。
なお、撮影に用いる磁気共鳴イメージング(MRI)装置は、MTパルスを印加可能に構成されていればその構成等は特に限定しない。このような装置は、例えば、日常臨床で汎用されている通常のMRI装置に、MTパルスを印加する機能を設定するためのプログラム等を追加することにより構成することができる。
(病変診断評価指数)
本診断方法では、病変診断評価指数に基づいて生体組織の病変の予兆を検出する。病変診断評価指数は、関心領域におけるMTパルス非照射時の信号強度(第1の磁気共鳴信号の信号強度Mo)とMTパルス照射時の信号強度(第2の磁気共鳴信号の信号強度Ms)との関数で表される。病変診断評価指数を表すMo及びMsを含む関数(数式)としては、例えば、|Mo−Ms|、Mo/Ms及びMs/Moからなる群から選択されるいずれかの数式又はこれらの群から選択される1種又は2種以上を含む数式が挙げられる。典型的には、以下の式(1)で表される関数が挙げられる。すなわち、病変診断評価指数を、MoとMsとの差分を照射時の信号強度(第2の磁気共鳴信号の信号強度Ms)で除すことで表される信号強度の減少率(%)で表すことができる。
病変診断評価指数は、上記式(1)で表されることが好ましい。病変診断評価指数が上記式(1)で表されるとき、信号強度を減少率で表す指標であるMTR(Magnetization Transfer Ratio)に比べて、MTパルス照射時と非照射時との間の微小な信号強度の変化を増幅して表現できる。つまり、上記式(1)で表される病変診断評価指数によれば、磁化移動効果の影響分を強調して表現できる。なお、従来のMTRとは、関心領域におけるMTパルス非照射時の信号強度とMTパルス照射時の信号強度との差分を非照射時の信号強度で除すことで表される信号強度の減少率(%)をいう。
病変診断評価指数は、磁化移動効果の影響を定量的に表現できる。この磁化移動効果によれば、水と高分子や蛋白質等との間の分子間交差緩和を反映した情報を提供でき、これにより、生体組織の微細構造変化を評価できるものと考えられる。したがって、病変診断評価指数は、組織の微小な構造変化を評価するための情報を提供することができるものと考えられる。具体的には、線維化が起きていない正常組織では、磁化移動効果が大きいために病変診断評価指数が高値を示し、線維化した異常組織では、磁化移動効果が小さいために病変診断評価指数が低値を示すものと考えられる。
病変診断評価指数によれば、生体組織の病変・異常を血液検査や生化学検査よりも早く検出することができる。これは、病変診断評価指数が生体組織の分子構造変化を鋭敏に検出可能であることから、組織の機能異常が出現する前の予兆の段階を捉えることができるためと考えられる。
病変診断評価指数を取得する生体組織の対象領域は、特に限定しないが、予兆検出を目的とする場合、他の画像診断や生検において異常が検出されていない正常組織を対象領域とすることが好ましい。病変診断評価指数を用いることで、他の検査情報によれば一見して正常組織であっても、その病変又はその予兆としての組織の微細構造変化を病変診断評価指数の低下として検出することができる。
病変診断評価指数の算出の対象となる領域は、第1の磁気共鳴信号と第2の磁気共鳴信号とで同一又は同一とみなされる計測部位であれば、その大きさや位置等は特に限定しない。領域の大きさは、例えば、第1の撮影条件と第2の撮影条件とによって得られた画像において、対応する1又は2以上の画素を用いてもよいし、画像上又は生体組織上での所定面積(例えば、数〜数十平方ミリメートル)としてもよい。画像上の所定面積における病変診断評価指数を算出する場合、例えば、所定面積内に含まれる画素毎に病変診断評価指数を算出し、その平均値を求めることによって算出してもよい。
(生体組織の病変の予兆を検出するための形態)
このようにして算出した病変診断評価指数に基づいて生体組織の病変又はその予兆を検出する形態は特に限定せず、種々の形態を採用することができる。ここで、「生体組織の病変又はその予兆を検出する」とは、少なくとも生体組織における病変の予兆の有無を検出するほか、病変の存在、その病態や進行度について検出することも含む。
生体組織の病変又はその予兆を病変診断評価指数に基づいて検出する一つの形態は、健常者群と当該病変に関連する疾患が最終的に確定診断された患者群との病変診断評価指数データから、予兆を検出するための閾値情報としての1種又は2種以上の病変診断評価指数を設定し、この病変診断評価指数に基づいて検出する形態である。具体的には、健常者群及び患者群の病変診断評価指数データから、生体組織についての組織病変又はその予兆が疑われる閾値情報としての一つの病変診断評価指数を設定し、対象患者の病変診断評価指数と設定した閾値情報との大小から予兆を検出する。例えば、予兆が疑われる閾値情報としての病変診断評価指数は、上限値として設定される。すなわち、実測した病変診断評価指数が一定値以下あるいは一定値未満の場合において病変の予兆ありなどとして検出することができる。また、他に、正常とされる閾値情報としての病変診断評価指数と異常とされる閾値情報としての病変診断評価指数とを設定し、実測した病変診断評価指数がこれらの正常〜異常の範囲にあるときに病変の予兆ありとして検出することもできる。正常〜異常の範囲は、さらに細分化して閾値情報を設定してもよい。
生体組織の病変又はその予兆を病変診断評価指数に基づいて検出する他の一の形態は、既に所定の疾患の確定診断がなされた患者群について得られた、診断前から診断後の病変診断評価指数の経時変化(疾患の進行を伴う)を利用する形態である。この形態においては、こうした患者群の疾患対象組織の病変診断評価指数データを利用し、これらのデータから組織病変の予兆、存在及び病変進行程度を判定する閾値情報としての病変診断評価指数を設定し、設定した閾値情報に基づいて診断する。
例えば、こうした患者群の病変診断評価指数の変化量(対時間)に基づく所定の低下率を、組織病変の予兆及び組織病変の存在検出のための閾値情報として利用することができる。特に、診断前における病変診断評価指数の低下率は、組織病変の予兆検出に好ましい閾値情報であり、診断前後における病変診断評価指数の低下率は、組織病変の存在検出に好ましい閾値情報であり、診断後の病変診断評価指数の低下率は、組織病変の進行程度の判定に好ましい閾値情報である。
なお、組織の病変又はその予兆を検出するための他の一つの形態には、特に閾値情報としての病変診断評価指数の変化量によらないで病変診断評価指数の経時的な減少率(減少傾向)に基づいて病変を検出する形態も含まれる。これらの形態によれば、関心領域での病勢などを判断することができる。また、ある時点での病変診断評価指数の値のみによって病変の有無や進行程度などを判断する場合に比較して、診断に対する確度を一層高めることができる。すなわち、同一患者の病変診断評価指数を経時的に観察した場合、同一の関心領域においては、病変診断評価指数の低下の度合いが大きいほど生体分子の構造変化も大きいと考えられる。したがって、病変診断評価指数の減少率が大きい領域においては、病変の早期進行の可能性が高いものと判断できる。したがって、病変診断評価指数をモニタリングすることは、早期診断及び早期治療に有用である。
また、患者群の診断前、診断時及び診断後の病変診断評価指数データから、組織病変の予兆を検出するための閾値情報としての病変診断評価指数、組織病変の存在を検出するための閾値情報としての病変診断評価指数及び疾患の進行程度をそれぞれ診断するための閾値情報としての病変診断評価指数を設定することができる。この形態において、予兆又は存在が疑われる閾値情報としての病変診断評価指数は、上限値として設定される。また、病変診断評価指数変化量は下限値として設定される。例えば、病変診断評価指数が一定値以下あるいは一定値未満のときには、組織病変の予兆ありなどとして検出することができ、病変診断評価指数の変化量が一定以上あるいは一定値超であるときには、組織病変の予兆ありなどとして検出することができる。
こうした病変診断評価指数についての閾値情報の設定にあたり、患者群における確定診断の手法は病変診断評価指数以外であれば特に限定しない。例えば、血液検査や尿検査、画像検査、病理検査などをそれぞれ又は適宜組み合わせて用いることができる。好ましい確定診断手法としては、各種臨床検査における検査が挙げられる。このような検査による情報(検査情報)を用いることで病変診断評価指数データとの相関関係を利用して統計的に有用な閾値情報を設定することができる。
例えば、図2に示すように、健常者群と患者群とについての病変診断評価指数データと所定の検査情報との相関関係のプロットを作成し、検査情報の境界値(異常域の上限又は下限)に相当するときの病変診断評価指数に基づいて閾値情報としての病変診断評価指数を設定することができる。すなわち、健常者群の病変診断評価指数に基づいて組織が正常なときの病変診断評価指数を閾値情報E1として設定し、患者群について検査情報の境界値に相当するときの病変診断評価指数を閾値情報E2として設定する。なお、閾値情報E2は、組織病変の存在の検出に有効である。こうすることで、例えば、算出した病変診断評価指数が閾値情報E2を超えて閾値情報E1以下のときには、組織病変の予兆ありとすることができる。また、閾値情報E2以下のときには、病変ありとすることができる。
また、これら健常者群及び患者群の病変診断評価指数プロットから、特に、組織病変の予兆がある将来の患者群を判定するための病変診断評価指数を閾値情報E3として設定することができる。例えば、閾値情報E3については、算出した病変診断評価指数が閾値情報E3よりも高いときには予兆なしとし、閾値情報E3以下のときには、組織病変の予兆ありとすることができる。
病変診断評価指数の閾値情報の一例を図3に示す。図3では、病変診断評価指数が閾値情報E1を超えるときには組織は正常と評価し、閾値情報E2を超えて閾値情報E1以下のときには組織病変の予兆ありと評価し、閾値情報E2以下のときには組織病変の存在ありと評価するものとした。なお、図3では、病変の状態を3段階で評価したが、これに限定されず、2段階で評価してもよいし、4段階以上で評価してもよい。
例えば、閾値情報E2は、70%以上90%未満の範囲内の値で設定してもよい。より好ましくは、80%近傍の値であり、さらに好ましくは、肝臓疾患を対象とする場合に80%近傍の値である。
病変診断評価指数を用いる組織病変等の検出に際して、閾値情報として選択した所定の数値を基準として論理式等を設定してするとき、当該所定の数値を含むか含まないかは適宜決定することができる。したがって、本明細書において、閾値情報を基準として組織病変の存在や正常性を検出するときにおいて、所定の閾値情報以上というとき、所定の閾値情報を超えるときに置き換えてもよい。また、同様に、所定の閾値情報以下というとき、所定の閾値情報未満と置き換えてもよい。
閾値情報を設定するための検査情報としては、特に限定しないが、診断対象とする疾病の進行とともに増加又は減少する生体因子に関する検査情報を用いることが好ましい。例えば、血液や尿、便、唾液、喀痰、細胞密度などに関する検査情報などを用いることができる。好ましくは、血液に関する検査情報である。
血液に関する検査情報を用いる場合、その種類は特に限定しない。例えば、生体組織が肝臓の場合、グルタミン酸オキサロ酢酸トランスアミナーゼ(GOT)、グルタミン酸ピルビン酸トランスアミナーゼ(GPT)、アルブミン、ビリルビン、コリンエステラーゼ、インドシアニングリーン(ICG)、乳酸脱水素酵素(LDH)、プロトロンビン時間(PT)、γ−GTP、アルカリフォスファターゼ(ALP)、α−フェトプロテイン(AFP)、異常プロトロンビン、(CEA)、CA19−9など肝機能の指標となる種々の血液学的なデータを用いることができる。好ましくは、GOP、GPT、アルブミン、ビリルビン、コリンエステラーゼ及びICGからなる群より選ばれる1種又は2種以上のデータであり、より好ましくは、アルブミン、ビリルビン及びコリンエステラーゼからなる群より選ばれる1種又は2種以上のデータであり、さらに好ましくは、アルブミン及び/又はコリンエステラーゼである。また、血小板数であってもよい。
病変診断評価指数データは、画像上で可視化された状態で示されることが好ましい。こうすれば、関心領域における組織病変の予兆及び存在の有無を明確に把握することができる。可視化するには、例えば、病変診断評価指数の閾値情報によって区分される病変診断評価指数の各領域を、色相、彩度、濃淡等によって区別可能に表示することができる。
生体組織の病変又はその予兆を病変診断評価指数に基づいて検出する他の一つの形態は、健常者群及び病変診断評価指数による診断とは異なる方法によって確定診断がついた患者群について得られた病変診断評価指数以外の検査情報とこれらの検査情報に関連付けられた病変診断評価指数との相関関係を用いるとともに、被検体の前記病変診断評価指数以外の検査情報及び前記病変診断評価指数とに基づいて検出を行う形態である。すなわち、健常者群及び最終的に所定疾患が確定された患者群について得られた病変診断評価指数以外の組織病変や疾患に関連する検査情報と病変診断評価指数データとの相関関係を利用する形態である。こうすることで、対象とする疾病に対する診断の確度を高めることができる。この形態においては、例えば、図4に示すように、健常者群と患者群とにつき、検査情報を横軸とし病変診断評価指数を縦軸として、健常者群についての分布(相関プロット)、患者群の分布(相関プロット)を作成し、このプロットを利用することができる。すなわち、診断対象患者についての病変診断評価指数と所定の検査情報とを取得したとき、この病変診断評価指数と検査情報とに基づくドットがどちらの分布(相関プロット)に該当するか否かを統計学的手法に基づいて判定する。この手法によると、特に、検査情報が異常値を表していないときであっても、確実に将来の病変、すなわち、病変又はその予兆を検出することができる。
この形態において用いる検査情報としては特に限定しない。例えば、血液や尿、便、喀痰、唾液など種々の生体因子に関する検査情報、病理検査に関する情報、CTや超音波検査などの画像検査に関する情報等を用いることができる。好ましくは、閾値情報の設定時に用いた各種検査情報を利用する。より好ましくは、少なくとも血液に関する検査情報を用いる。
病変診断評価指数が、式(1)により算出されるときには、病変又はその予兆や病勢を定量的に評価することができるのに好ましいものとなっている。また、定量的な評価であることから、通常の画像診断では見えない程度の微小な病変又はその予兆を知ることもできるし、偽陰性率の低下にも繋がる。さらに、血液データなどの検査情報とは異なり、病変が出現した領域を特定することもできる。しかも、非侵襲で評価できるため、生検が不適な患部における診断も可能であるし、患者への負担も少ない。
また、病変診断評価指数によれば、病変診断評価指数以外の臨床データや画像情報などの検査情報や病理情報などの検査情報に基づいて正常と診断された組織においても、組織病変又はその予兆を検出することができる。具体的には、一見して正常組織と判断される組織において組織病変又はその予兆を診断することができるほか、臓器の一部が異常と診断されている場合、未だ異常と診断されていない一見して正常と判断される組織にまで病変が進行している場合の予兆を検出することができる。また、癌患者に対し、未だ癌の診断がなされていない臓器の病変診断評価指数を調べることにより、その臓器への癌転移の予兆を検出することもできる。また、完治した器官の病変診断評価指数を経時的に追跡していくことにより、再発の予兆を検出することもできる。したがって、病変診断評価指数に基づいて組織病変又はその予兆を検出することにより、組織病変の出現を見越して予防的医療や早期治療が可能となる。
なお、以上のような病変診断評価指数を用いた診断は、定点的な病変診断評価指数検査によっても十分効果を発揮するが、病変診断評価指数をモニタリングすること、好ましくは定期的にモニタリングすることによってより効果を発揮し、またその予兆検出精度も向上する。したがって、病変診断評価指数検査及び病変診断評価指数モニタリング検査は、健康診断における検査、確定診断前の検査、再燃、転移及び再発等に関する経過観察中の検査、治療中における検査、予後における検査、再燃あるいは再発後の検査に利用することで、早期診断及び早期治療に大きく貢献することができる。
本診断方法は、人の行為によって実現されてもよいし、あるいは、1又は複数のコンピュータによって実現されてもよい。コンピュータで実現する場合、そのコンピュータは、磁気共鳴イメージング装置とは別に構成されるものであってもよいし、磁気共鳴イメージング装置の一部を構成するものであってもよい。
次に、本発明の磁気共鳴イメージング装置について図5を参照しながら説明する。本装置は、上述した本発明の診断方法を実施するのに適した装置である。
(磁気共鳴イメージング装置)
本発明の磁気共鳴イメージング装置(以下、MRI装置と称することもある)10は、日常臨床で用いられているMRI装置にMTパルスを付加可能な手段や病変診断評価指数を算出する手段、病変診断評価指数に基づいて病変又はその予兆を検出する手段等を付加したものである。なお、MTパルスについては、既に本発明の診断方法で説明したとおりである。本装置は、図5に示すように、パルスシーケンスに基づいたスキャンを実行するスキャン部20と、スキャン部20を制御するとともに画像データの処理を行うコントローラ30とを備える。
(スキャン部)
スキャン部20は、図5に示すように、撮像空間に静磁場を発生させる静磁場発生部22と、静磁場に位置情報を付加するための傾斜磁場を発生する傾斜磁場発生部24と、被検体にRF信号を送信して被検体からMR信号を受信する送受信手段26と、被検体を載置する寝台部28と、を備えている。
静磁場発生部22は、被検体が収容される撮像空間に静磁場を形成する。静磁場発生部22の形態は特に限定せず、例えば、静磁場用磁石と静磁場電源とにより構成してもよいし、あるいは永久磁石により構成してもよい。また、静磁場を形成する方向も限定しないが、被検体の体軸方向に対して垂直な方向に静磁場の方向が沿うように形成されるのが好ましい。
傾斜磁場発生部24は、静磁場が形成された撮像空間の磁場強度に勾配をかけることにより、被検体からのMR信号に位置情報を付加する。傾斜磁場発生部24は、例えば、主磁石の内側にx方向、y方向、z方向の3方向に対応する3対のコイルによって構成された通常の傾斜磁場コイルを用いることができる。
送受信手段26は、例えば、RFコイルによって構成されており、電磁気信号の送受信を行う。すなわち、送受信手段26は、静磁場が形成された撮像空間内に配置された被検体にRFパルスを送信する。これにより、高周波磁場が形成され、被検体の撮像領域におけるプロトンのスピンが励起される。そして、この励起されたプロトンから発生する電磁波を磁気共鳴信号(MR信号)として被検体から受信する。
寝台部28は、被検体を載置するための台である。寝台部28は、撮像空間の内部と外部との間を移動可能に構成されている。
(コントローラ)
コントローラ30は、第1の撮影条件及び第2の撮影条件を設定可能な撮影条件設定部32と、画像を生成する画像生成部34と、病変診断評価指数を算出する算出手段36と、算出した病変診断評価指数に基づいて生体組織の病変の予兆又は存在を検出する検出手段38と、コントローラ30全体及びスキャン部20の各部の動作を制御する制御手段40と、を備えている。
撮影条件設定部32は、操作者からの指示が入力される入力部33に入力された入力データ(例えば、スキャン回数やフリップ角、エコー数、エコー時間といったスキャンパラメータや撮影指令など)に基づいて撮影条件を設定する。すなわち、入力データに基づいてスキャン部20で実行すべきパルスシーケンスを作成する。この撮影条件設定部32においては、少なくとも、MTパルスの印加を伴わない第1の撮影条件とMTパルスの印加を伴う第2の撮影条件とを設定可能になっている。
画像生成部34は、送受信手段26から制御手段40に入力されたMR信号に基づいて画像処理を行う。すなわち、画像生成部34では、送受信手段26からのデジタルデータをフーリエ空間(k空間)に配置し、2次元又は3次元のフーリエ変換に付して実空間の画像データに再構成する。画像生成部34での画像処理の形態は特に限定しない。例えば、複数フレームの画像データ間の加算処理(単純加算処理、加算平均処理、重み付け加算処理など)や差分演算処理、最大値投影(MIP)処理などが挙げられる。このようにして再構成された画像は、表示部35に表示される。また、画像生成部34には、病変診断評価指数の閾値情報と色とを関連付けた情報が記憶されており、画素毎の病変診断評価指数値に基づいて画像化を行う。
算出手段36は、予め記憶されたプログラムに基づいて病変診断評価指数を算出する。具体的には、第1の撮影条件で撮影された画像データと第2の撮影条件で撮影された画像データとを制御手段40から入力して病変診断評価指数を算出し、算出した病変診断評価指数を制御手段40に出力する。
検出手段38は、算出手段36で算出した病変診断評価指数に基づいて生体組織の病変の予兆又は存在を検出する。この検出手段38は、予め設定された病変診断評価指数の閾値情報(例えば、図3に示す閾値情報)を記憶しており、この閾値情報に基づいて組織病変の予兆又は存在の有無を検出したり、あるいは、その病態や進行度を判断したりする。なお、病変診断評価指数の閾値情報を設定するための方法は、上述した本発明の診断方法における設定方法をそのまま適用することができる。
制御手段40は、撮影条件設定部32で設定されたパルスシーケンスに基づくスキャンが実行されるようスキャン部20を制御する。制御手段40は、例えば、CPU42を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、スキャン部20を構成する各部の動作やコントローラ30全体をコントロールする。すなわち、制御手段40は、静磁場発生部22や傾斜磁場発生部24、送受信手段26、寝台部28と電気的に接続されており、これらの各部に制御信号などを出力し、送受信手段26からのMR信号などを入力する。また、制御手段40は、コントローラ30を構成する撮影条件設定部32や入力部33、画像生成部34、表示部35、算出手段36、検出手段38とも電気的に接続されており、制御信号や指令信号等のやり取りを行う。
(作動方法)
次に、こうして構成された本発明の磁気共鳴イメージング装置10の機能、特に、病変診断評価指数を指標として生体組織の病変又はその予兆などを検出する手順について説明する。制御手段40のCPU42は、入力部33からスキャン開始指令を入力すると、図6に示す病変診断評価指数指標診断ルーチンを実行する。
この病変診断評価指数指標診断ルーチンが開始されると、制御手段40のCPU42は、まず、撮影条件設定部32で設定された第1の撮影条件に基づいてスキャンを実行する(ステップS100)。具体的には、予め設定したパルス列に応じて静磁場発生部22及び傾斜磁場発生部24を駆動して撮像空間に磁場を形成するとともに、MTパルスを印加しない通常の撮影用シーケンスに基づくスキャンが実行されるよう送受信手段26を駆動する。これにより、磁化移動効果の影響を受けていない第1の磁気共鳴信号が得られる。
撮影用シーケンスに基づくスキャンが全て終了すると、CPU42は、第1の撮影条件での撮像により収集・配置されたk空間のデジタルデータに3次元のフーリエ変換を施して実空間の画像データに再構成する(ステップS110)。
続いて、CPU42は、撮影条件設定部32で設定された第2の撮影条件に基づいてスキャンを実行する(ステップS120)。第2の撮影条件では、静磁場発生部22及び傾斜磁場発生部24を駆動するとともに、MTパルスと撮影用パルスとを寝台部28上の被検体に印加するよう送受信手段26を駆動する。これにより、磁化移動効果が反映されたMR信号(第2の磁気共鳴信号)を被検体から得ることができる。そして、MTパルスが先頭に付加された撮影用シーケンスに基づくスキャンが全て終了すると、第1の撮影条件と同様にして収集・配置されたk空間のデジタルデータを実空間の画像データに再構成する(ステップS130)。
第1の撮影条件と第2の撮影条件とに基づく撮像が終了すると、CPU42は、第1の磁気共鳴信号の信号強度Moと第2の磁気共鳴信号の信号強度Msとを用いて病変診断評価指数を算出する(ステップS140)。ここでは、対応する画素毎に算出処理を実施することとした。
病変診断評価指数データを算出したのち、CPU42は、算出した病変診断評価指数データに基づいて生体組織の病変の予兆及び存在を検出して表示部35に表示し(ステップS150)、本ルーチンを終了する。ステップS150における検出工程では、算出された各画素の病変診断評価指数データを、予め記憶された病変診断評価指数の閾値情報と色彩との対応関係に照らし合わせ、病変診断評価指数データに対応する色を画素毎に特定し、特定された各色で構成される画像を表示部35に表示するとともに、組織の状態と色とを関連付けた情報を表示部35に表示する。これにより、病変診断評価指数データが組織の状態に関連付けた状態で可視化されるため、表示部35を視認した操作者は、病変又はその予兆や病態を容易にかつ精度よく把握することができる。
なお、本形態においては、ステップS150で病変診断評価指数を画像化することにより検出結果を表示したが、病変が存在する領域やその進行度といった病変に関する情報が表示されれば、病変診断評価指数の画像化以外の方法(例えば、文字や数値など)で検出結果を表示してもよい。
また、ステップS140では、第1の撮影条件又は第2の撮影条件によって撮像された画像上で操作者が選択した関心領域の信号強度から病変診断評価指数を算出してもよい。このとき、ステップS150では、この関心領域における病変の予兆を検出してもよい。
さらに、ステップS150では、定点的な病変診断評価指数データに基づいて組織病変又はその予兆を検出したが、この代わりに又はこれに加えて、予め保存された同一患者の過去の病変診断評価指数と今回算出した病変診断評価指数とに基づいて病変診断評価指数の変化量(対時間)を算出し、算出した変化量に基づいて病変の進行度や転移の有無などを解析してもよい。
なお、本発明の磁気共鳴イメージング装置及びその作動方法には、既に説明した本発明の診断方法における機能、用途などをそのまま適用できる。したがって、上記各種形態の本発明の診断方法を実現するための各種形態を含む。
(画像診断システム)
本発明の画像診断システムは、上述した本発明の磁気共鳴イメージング装置における送受信手段、制御手段、算出手段及び検出手段を備える。本画像診断システムには、既に説明した本発明の診断方法、磁気共鳴イメージング装置及びその作動方法における構成や機能、用途などをそのまま適用できる。したがって、上記各種形態の本発明の診断方法、磁気共鳴イメージング装置及びその作動方法を実現するための各種形態を含む。
(生体組織の病変の検出装置)
本発明の検出装置は、MTパルスの印加を伴わない第1の撮影条件によって被検体の撮影領域から受信した第1の磁気共鳴信号の信号強度Moと、前記MTパルスの印加を伴う第2の撮影条件によって前記被検体の前記撮影領域から受信した第2の磁気共鳴信号の信号強度Msとを用いて式(1)で表される病変診断評価指数を取得する手段と、前記病変診断評価指数に基づいて前記撮影領域の生体組織の又はその予兆を検出する検出手段と、を備えることができる。
本検出装置によれば、核磁気共鳴イメージング装置において取得された信号強度Mo及びMsを入力することにより、式(1)で表される病変診断評価指数を取得することができる。さらに、取得した病変診断評価指数に基づいて撮影領域における病変又はその予兆を検出することができる。本検出装置によれば、従来の核磁気共鳴イメージング装置から上記信号強度を取得して病変診断評価指数を算出又は病変診断評価指数を直接取得することで、従来の核磁気共鳴イメージング装置のみでは不可能であった生体組織の病変又はその予兆を容易に検出することができるようになる。
病変診断評価指数の取得手段は、核磁気共鳴イメージング装置等において式(1)に基づいて算出された病変診断評価指数を入力する手段であってもよいし、核磁気共鳴イメージング装置等において取得され本検出装置に入力された信号強度Mo及びMsに基づいて検出装置内で式(1)に基づいて算出処理する手段であってもよい。このような手段としては、既に説明した核磁気共鳴イメージング装置で病変診断評価指数を取得するステップを実行する手段を採用することができる。
本検出装置の備える病変又はその予兆を検出する検出手段は、核磁気共鳴イメージング装置における生体組織の病変又はその予兆を検出するステップを実行する手段を採用することができる。また、当該手段における各種実施態様をそのまま本検出装置にも適用することができる。
さらに、本検出装置は、前記撮影領域における病変診断評価指数に基づいて撮影領域の病変程度を画像化する画像化手段を備えることができる。病変診断評価指数に基づいて撮影領域の病変程度を画像化することにより、撮影領域における病変程度、すなわち、病変又はその予兆からさらには進行程度を容易に把握することができる。病変診断評価指数に基づいて撮影領域の病変程度の画像を出力するには、検出手段に基づいて予め病変診断評価指数と病変程度を関連付けておくことが必要である。ここで病変診断評価指数と病変程度を関連付けするには、既に説明したように病変診断評価指数の経時変化、病変診断評価指数の閾値情報及び検査情報と病変診断評価指数との相関関係(プロット)を利用することができる。
画像化手段は、病変程度を画像化した画像情報を形成するものであれば足りる。したがって、形成した画像情報をそのまま外部の適当なモニターや核磁気共鳴イメージング装置等の画像表示手段に出力してもよいし、本検出装置が画像表示手段を備える場合には、当該画像表示手段に画像を表示してもよい。
(プログラム)
本発明によれば、病変診断評価指数に基づいて生体組織の病変又はその予兆を検出するための画像診断プログラムが提供される。本発明の画像診断プログラムは、1又は複数のコンピュータに、上述した作動方法の検出工程を実行させるためのプログラムである。このプログラムは、コンピュータが読み取り可能な記録媒体(例えばハードディスク、ROM、FD、CD、DVDなど)に記録されていてもよいし、伝送媒体(インターネットやLANなどの通信網)を介してあるコンピュータから別のコンピュータへ配信されてもよいし、その他どのような態様で授受されてもよい。このプログラムを一つのコンピュータに実行させるか又は複数のコンピュータに各動作を分担して実行させれば、上述した作動方法と同様の効果が得られる。
以下、本発明を具体例を挙げて説明するが、本発明は以下に例示する具体例に限定されるものではない。
(実施例1)
(MRI)
表1に示す17名の患者(正常肝3例、転移性肝癌3例、肝細胞癌11例)の肝臓部位を磁気共鳴イメージング装置により撮影した。表1の患者における確定診断は、MRIやCTによる画像検査、血液検査など病変診断評価指数以外の手法を適宜組み合わせることにより行った。なお、表1に示す病名のうち、HCCは肝細胞癌、TAEは肝動脈塞栓療法、LCは肝硬変、FNHは限局性結節性過形成を表す。
MR装置としては、1.5T超伝導MR装置(GE社製、SIGNA MR/i 1.5T High Speed Ver.9.0)を使用した。なお、この装置には、MT−RFパルスを照射可能なプログラムが設定されている。MR装置による撮影では、MT−RFパルスを付加しない3D−spoiled gradient recalled acquisition in steady state(以下、SPGRとする)と、SPGRに先立ってMT−RFパルスを付加したMT−SPGRとを用いて行った。
撮影条件は、繰り返し時間TR=39msec、エコー時間TE=6.9msec、flip angle=30°、matrix size=256×96、FOV=40cm、slice thickness=10mm、overlap location=0mm、location per slab=8とした。また、MT−RFパルスは、オフセット周波数として水の共鳴周波数から低磁場側に7ppm離れた周波数を採用し、sinc波形で18msec間照射した(照射強度は3.26μT)。
(病変診断評価指数の算出)
SPGRによる撮影とMT−SPGRによる撮影とで得られた画像データを用いて病変診断評価指数を算出した。具体的には、同一断面の画像上の同一領域を抽出し、抽出した領域(関心領域)につき、式(1)を用いて画素毎の病変診断評価指数を算出し、その領域内における各画素の平均値として求めた。なお、画像上で関心領域を抽出するのにあたっては、MR画像上正常組織と判断される領域を選定した。その結果を表2に示す。
(血液データの取得)
表1に示す患者に対して血液検査を行った。検査は、表2に示す6項目について日常臨床で行われる通常の手法により実施した。その結果を表2に示す。
(相関関係の評価及び病変診断評価指数の閾値情報の設定)
患者から取得した病変診断評価指数データと血液データとを用いて両者の相関関係を評価するとともに、病変診断評価指数の閾値情報を設定した。相関関係の評価にあたっては、表2に示す患者の病変診断評価指数データと各種血液データとの相関関係のプロットを作成し、スピアマン順位相関係数(r)を算出することにより評価した。また、閾値情報の設定は、作成したプロットを用い、各種血液データが異常とされる境界値に相当する病変診断評価指数値を決定した。作成したプロットとスピアマン順位相関係数とを図7に示す。なお、図7のうち、(a)は、血液データがGOP(AST(アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ)ともいう)であり、(b)はGPT(ALT(アラニンアミノトランスフェラーゼ)ともいう)であり、(c)はアルブミンであり、(d)はビリルビンであり、(e)はコリンエステラーゼであり、(f)はICGである。
図7に示すように、スピアマン順位相関係数は、それぞれ、−0.73(GOP)、−0.69(GPT)、0.66(アルブミン)、−0.83(ビリルビン)、0.67(コリンエステラーゼ)、−0.71(ICG)であった。特に、GOP、ビリルビン及びICGでは、両者間で強い相関が見られた。また、血液データの境界値に相当する病変診断評価指数は、(a)〜(f)のいずれにおいても80%近傍の値(以下、それぞれにつき境界値という。)をとることがわかった。さらに、(a)〜(f)のうち、(c)のアルブミン、(d)のビリルビン及び(e)のコリンエステラーゼにおいては、正常肝群と異常肝群との分布が明確に区別された。すなわち、血液データが正常域にあるときの病変診断評価指数を比較すると、異常肝群では正常肝群よりも低い領域に分布された。
以上の結果から、病変診断評価指数は血液データと強い相関関係にあり、血液データが悪化するにつれて数値が低下することがわかった。また、病変診断評価指数の閾値を80%近傍の値として肝機能障害を検出できることがわかった。さらに、血液データがアルブミン、ビリルビン又はコリンエステラーゼの場合には、正常肝群と異常肝群との分布(プロット)が区別して表されることから、関心領域における病変診断評価指数がいずれの分布(プロット)に属するかを評価することにより、その領域が正常か異常かを評価できることがわかった。さらに、血液データの正常域において、異常肝群の病変診断評価指数は、正常肝群よりも低い領域に分布することから、異常肝群の病変診断評価指数は血液データよりも早い段階で正常肝群と区別可能な値を示すことが示唆された。
これらのことから、病変診断評価指数は、組織異常を検出するための新たな指標になりうることが示唆された。また、病変診断評価指数によれば、血液検査結果よりも早期に病変を検出できることが示唆された。さらに、異常肝群の病変診断評価指数が血液データの正常域においても正常肝群と区別可能な値をとること及び病変診断評価指数が組織の微細構造変化を検出可能であるものと考えられることを考慮すると、病変診断評価指数は、組織病変の存在だけでなく、病変の予兆を検出・診断するための極めて有用な指標であることが示唆された。
(実施例2)
実施例2では、表1の患者のうち、血液データがおおよそ正常域にあって病変診断評価指数が境界値近傍の値である患者に対し、病変診断評価指数の算出を行った後の血液データの経時的な推移を評価した。評価は、病変診断評価指数の算出時における血液データと算出時から1か月後の血液データとを比較することにより行った。血液データとしては、アルブミン及びコリンエステラーゼを用いた。その結果を図8に示す。なお、図8のうち、(a)は血液データがアルブミンであり、(b)はコリンエステラーゼである。また、評価のためのデータは、アルブミンについては、表1及び表2における症例2、13、16及び17を用い、コリンエステラーゼについては症例2を用いた。
図8(a)及び(b)に示すように、アルブミン及びコリンエステラーゼの両者において、いずれの症例においても、病変診断評価指数検査時から1か月後には数値が低下していた。アルブミンでは、症例2、13及び17において数値が大きく低下していた。また、症例2及び13では、病変診断評価指数検査時にはアルブミンは正常域であったのに対し、病変診断評価指数検査から1か月後には異常域に達していた。さらに、症例2においては、コリンエステラーゼにおいても同様に、病変診断評価指数検査時には正常域であったのに対し、病変診断評価指数検査から1か月後には異常域に達していた。
以上の結果から、病変診断評価指数は、血液データで異常を検出するよりも前の段階で既に正常肝の患者とは区別可能な値(80%近傍の値)を示すことがわかった。また、病変診断評価指数が80%近傍の患者においては、病変診断評価指数検査時には血液データが正常であっても、その後、血液データが異常域に達することがわかった。
これらのことから、病変診断評価指数は、血液検査値で異常値が出現するよりも前の段階、すなわち、血液検査では正常と診断される段階で、組織病変又はその予兆を鋭敏に検出・診断できる指標であることが示唆された。すなわち、病変診断評価指数と他の検査情報とに基づいて組織病変又はその予兆を判定するための閾値を設定することができ、この閾値を用いることで単独で組織病変又はその予兆を検出できることがわかった。したがって、病変診断評価指数によれば、従来の組織病変の診断方法と比較して、超早期に組織病変又はその予兆を検出できるものといえる。その結果、組織病変に対する超早期の治療及び診断を可能にすることができるといえる。
(実施例3)
本実施例では、診断の確定した患者ら(肝硬変患者、肝炎患者及び健常者(正常))の合計30人についてのAST(アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ、GOT)、ALT(GPT)、LDH(乳酸脱水素酵素)、Che(コリンエステラーゼ)、Alb(アルブミン)、Bil(ビルビリン)、γ−GTP、ALP(アルカリホスファターゼ)及びPlt(血小板)についての血液検査結果の各データを用いて、肝硬変群、肝炎群及び正常群を分類したところ、以下の式に示す因子2及び因子3によってこれらを分類できた。この結果を図10に示す。
次いで、これらの各群についての病変診断評価指数を式(1)に基づいて算出し、取得した病変診断評価指数を5%間隔でとりまとめた上、各群に含まれる患者らの病変診断評価指数の分布を調べた。その結果を図11に示す。また、各病変診断評価指数の範囲に含まれる各群の患者数を調べた。その結果を図12に示す。
図10〜図12に示すように、病変診断評価指数に基づいても、肝硬変群、肝炎群及び正常群と分類することができた。すなわち、病変診断評価指数について、例えば、90%近傍を閾値とすると、病変診断評価指数が当該閾値以上又は超のとき、肝炎又は肝硬変の組織病変が存在し当該疾患である可能性が低い又は正常であると診断することができ、当該閾値未満又は以下のときには、肝炎又は肝硬変の組織病変が存在し当該疾患である可能性が高いと診断することができる。また、例えば、80%近傍を閾値とすると、当該閾値未満又は以下のときには、肝硬変である可能性が高いと診断することができ、病変診断評価指数が当該閾値以上又は超であり90%未満又は以下のときには、肝硬変ではないが肝炎の可能性が高いと診断できる。
(実施例4)
本実施例では、肝疾患の疑いのある11名の被験者について、式(1)で表される病変診断評価指数と同時期に血小板検査結果を取得するとともに、同じ被験者につき一ヶ月後の血小板検査結果を取得した。これらの結果を図13に示す。なお、血小板の基準値(正常範囲)は、10万〜40万/μlである。
図13に示すように、病変診断評価指数が84.4%以下のときには、当初検査時及び1ヶ月後においても血小板検査結果に改善は見られなかった。また、病変診断評価指数が85.5%以上91.0%以下のときには、1ヶ月後において当初検査結果と同等かあるいは低下していた。さらに、病変診断評価指数が92.7%以上のときには、血小板検査結果は改善傾向にあった。すなわち、血小板検査結果が正常範囲であっても、病変診断評価指数が一定以下の場合には、将来的に血小板が現象する傾向、すなわち、肝疾患の前段階か肝疾患の極めて早期の段階を検出することができることがわかった。
以上のことから、たとえば、病変診断評価指数が約85%未満又は以下の場合には、肝疾患の可能性が高いと診断でき、同係数が約85%以上又は超約90%未満又は以下の場合には、肝疾患の前段階の組織変化かあるいは肝疾患の極めて早期の組織病変が存在している可能性が高いと診断できる。すなわち、肝疾患の前段階又は肝疾患の超早期である可能性が高いと診断できる。また、同係数が約90%以上又は超のときには、そのような組織変化や組織病変がないと診断できる。すなわち、肝疾患でない可能性が高いと診断できる。
本発明は、以上説明したとおりであることから、次の形態で実施できることが明らかである。
本発明によれば、磁気共鳴イメージング装置であって、高周波信号を送信したのち被検体から磁気共鳴信号を受信する送受信手段と、MTパルスの印加を伴わない第1の撮影条件と前記MTパルスの印加を伴う第2の撮影条件とに対応したパルスシーケンスに基づくスキャンが実行されるよう前記送受信手段を制御する制御手段と、前記第1の撮影条件によって前記被検体から受信した第1の磁気共鳴信号の信号強度Moと前記第2の撮影条件によって前記被検体から受信した第2の磁気共鳴信号の信号強度Msとを用いて上記式(1)で表される病変診断評価指数を算出する算出手段と、前記病変診断評価指数に基づいて前記撮影領域における生体組織の病変又はその予兆を検出する検出手段と、を備え、前記検出手段が、前記病変診断評価指数による診断とは異なる方法によって確定診断がついた患者に関する検査情報に関連付けられた病変診断評価指数の閾値情報に基づいて前記生体組織の病変又はその予兆を検出する手段であるとき、前記閾値情報は、前記患者に関する検査情報の境界値に相当する病変診断評価指数に基づいて設定してもよい。この形態において、前記閾値情報は、前記患者に関する検査情報の境界値に相当する病変診断評価指数以上の値とすることもできる。
また、前記患者に関する検査情報は、血液に関する検査情報のうちアルブミン、ビリルビン及びコリンエステラーゼからなる群より選ばれる1種又は2種以上のデータであってもよい。あるいは、前記患者に関する検査情報は、アルブミン及び/又はコリンエステラーゼであってもよい。
また、前記検出手段は、血液に関する検査情報によって病変又はその予兆を検出するよりも早期に前記生体組織の病変又はその予兆を検出する手段であるものとすることもできる。
上記形態において、さらに、前記算出手段で算出した病変診断評価指数を画像化して表示する表示手段を備えていてもよい。この形態において、前記表示手段は、前記病変診断評価指数の閾値情報に基づいて画像化してもよい。
前記検出手段は、肝臓疾患の予兆を検出する手段であってもよい。この形態において、前記肝臓疾患は、肝炎、肝硬変及び肝細胞癌からなる群より選ばれる1種又は2種以上であってもよい。
本発明によれば、生体組織の病変の診断方法であって、MTパルスの印加を伴わない第1の撮影条件によって被検体から受信した第1の磁気共鳴信号の信号強度Moと、前記MTパルスの印加を伴う第2の撮影条件によって前記被検体から受信した第2の磁気共鳴信号の信号強度Msとを用いて上記式(1)で表される病変診断評価指数に基づいて生体組織の病変の予兆を検出する検出工程、を備え、前記検出工程は、血液に関する検査情報によって前記生体組織の病変を検出するよりも早期に実施される工程であるものとしてもよい。
本発明によれば、上記した診断方法を実施するための磁気共鳴イメージング装置の作動方法、画像診断システムとして実施することも明らかである。また、上記した診断方法における生体組織の病変又はその予兆を検出する検出工程を実施する、生体組織の病変の検出方法、こうした検出工程を実行する生体組織の病変の検出装置、さらには、検出した病変程度を画像化する画像化手段を備える検出装置としても実施することができる。

Claims (14)

  1. 磁気共鳴イメージング装置であって、
    高周波信号を送信したのち被検体から磁気共鳴信号を受信する送受信手段と、
    MTパルスの印加を伴わない第1の撮影条件と前記MTパルスの印加を伴う第2の撮影条件とに対応したパルスシーケンスに基づくスキャンが実行されるよう前記送受信手段を制御する制御手段と、
    前記第1の撮影条件によって前記被検体から受信した第1の磁気共鳴信号の信号強度Moと前記第2の撮影条件によって前記被検体から受信した第2の磁気共鳴信号の信号強度Msとの関数として表される病変診断評価指数を算出する算出手段と、
    前記病変診断評価指数前記撮影領域における生体組織の病変又は予兆を検出する検出手段と、
  2. 前記検出手段は、前記病変診断評価指数の経時変化に基づいて前記生体組織の病変の予兆を検出する手段である、請求項1に記載の装置。
  3. 前記検出手段は、前記病変診断評価指数以外の情報によって確定診断がついた患者に関する検査情報に関連付けられた病変診断評価指数の閾値情報に基づいて前記生体組織の病変又は予兆を検出する手段である、請求項1又は2に記載の装置。
  4. 前記検出手段は、前記患者の血液に関する検査情報に関連付けられた病変診断評価指数の閾値情報に基づいて検出を行う手段である、請求項3に記載の装置。
  5. 前記検出手段は、前記閾値情報に基づいて前記生体組織の病変及び予兆を検出する手段である、請求項3又は4に記載の装置。
  6. 前記検出手段は、前記病変診断評価指数の値が、所定の閾値情報E1を超えるときには組織の正常を検出し、前記所定の閾値情報E2を超えて所定の閾値情報E1以下のときには組織病変の予兆を検出し、前記所定の閾値情報E2以下のときには組織病変の存在を検出する手段である、請求項5に記載の装置。
  7. 前記生体組織が肝臓であり、
    前記検査情報が、グルタミン酸オキサロ酢酸トランスアミナーゼ、グルタミン酸ピルビン酸トランスアミナーゼ、アルブミン、ビリルビン、コリンエステラーゼ及びインドシアニングリーンからなる群より選ばれる1種又は2種以上の成分の血液学的情報である、請求項3〜6のいずれかに記載の装置。
  8. 前記検出手段は、健常者群及び前記病変診断評価指数による診断とは異なる方法によって確定診断がついた患者群について得られた前記病変診断評価指数以外の検査情報とこれらの検査情報に関連付けられた病変診断評価指数との相関関係を用いるとともに、被検体の前記病変診断評価指数以外の検査情報及び前記病変診断評価指数とに基づいて検出を行う手段である、請求項1〜7のいずれかに記載の装置。
  9. 前記MTパルスは、照射周波数が水の共鳴周波数の近位部である、請求項1〜8のいずれかに記載の装置。
  10. 磁気共鳴イメージング装置の作動方法であって、
    MTパルスの印加を伴わない第1の撮影条件によって被検体から受信した第1の磁気共鳴信号Moと、前記MTパルスの印加を伴う第2の撮影条件によって前記被検体から受信した第2の磁気共鳴信号Msとの関数として表される病変診断評価指数を算出する算出工程と、
    前記病変診断評価指数に基づいて撮影領域における生体組織の病変の予兆を検出する検出工程と、
    を備える、作動方法。
  11. 画像診断システムであって、
    高周波信号を送信したのち被検体から磁気共鳴信号を受信する送受信手段と、
    MTパルスの印加を伴わない第1の撮影条件と前記MTパルスの印加を伴う第2の撮影条件とに対応したパルスシーケンスに基づくスキャンが実行されるよう前記送受信手段を制御する制御手段と、
    前記第1の撮影条件によって前記被検体から受信した第1の磁気共鳴信号の信号強度Moと前記第2の撮影条件によって前記被検体から受信した第2の磁気共鳴信号の信号強度Msとの関数として表される病変診断評価指数を算出する算出手段と、
    前記病変診断評価指数に基づいて前記撮影領域の生体組織の病変の予兆を検出する検出手段と、
    を備える、システム。
  12. 生体組織の病変の検出方法であって、
    MTパルスの印加を伴わない第1の撮影条件によって被検体から受信した第1の磁気共鳴信号の信号強度Moと、前記MTパルスの印加を伴う第2の撮影条件によって前記被検体から受信した第2の磁気共鳴信号の信号強度Msとの関数として表される病変診断評価指数に基づいて生体組織の病変又はその予兆を検出する検出工程、
    を備える、方法。
  13. 生体組織の病変の検出装置であって、
    MTパルスの印加を伴わない第1の撮影条件によって被検体の撮影領域から受信した第1の磁気共鳴信号の信号強度Moと、前記MTパルスの印加を伴う第2の撮影条件によって前記被検体の前記撮影領域から受信した第2の磁気共鳴信号の信号強度Msとの関数として表される病変診断評価指数を取得する手段と、
    前記病変診断評価指数に基づいて前記撮影領域の生体組織の病変又はその予兆を検出する検出手段と、
    を備える、装置。
  14. 前記撮影領域における病変診断評価指数に基づいて前記撮影領域の病変程度を画像化する画像化手段と、
    前記撮影領域の病変程度の画像を出力する出力手段と、
    を備える、請求項13に記載の装置。
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