JPWO2009011342A1 - スプレーガンとその制御システム - Google Patents

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仁 川喜多
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洋 片野田
洋 片野田
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    • C23C4/129Flame spraying

Abstract

燃焼ジェットを発生させる燃焼室と、発生された燃焼ジェットが通過し噴出されるバレルとを備えるスプレーガンであって、前記燃焼室は、燃焼ジェットの燃焼温度を調節可能とする不活性ガス供給口を有し、前記バレルは、燃焼ジェット中にコーティング粒子を供給する供給口を有し、コーティング粒子が樹脂であって、温度調節された燃焼ジェットと共にコーティング粒子を噴出口から噴出するとともに、下記式(1)と式(2)を共に満たすバレル内加熱時間tとなるようにバレルの前記供給口から噴出口までの距離(L)が設定されていることを特徴とするスプレーガンと、その制御システムを提供する。α:粒子の熱拡散率(m2/s)t:バレル内加熱時間(s)r:粒子半径(m)Tav:バレル内の燃焼ジェット平均温度(℃)Tcp:粒子の付着臨界温度(℃)

Description

本発明は、樹脂の溶剤フリーのコーティングを現場レベルで可能にする新しいスプレーガンと、そのスプレーガンの制御システムに関するものである。
従来より、プラスチックに代表される樹脂は耐食性・変形追従性に優れていることから、これらの性質を利用して、鉄やアルミニウム等の様々な基板の表面にプラスチックによる保護コーティングを施し、その後で加工して成形することが良く行われている。
この場合、厚いコーティングは溶融したプラスチック原料を基材の上に流して作成するが、例えば100ミクロン以下といった薄い膜を均一に作製することは困難である。また、超高分子量ポリエチレン等の樹脂は流動性に乏しいため、粉体を溶融して流動させるコーティング法を用いることができない。
対象とする基材に樹脂などを薄くコーティングする方法は、真空蒸着法などがあるが、特殊な設備が必要であり長大な基材を対象にした場合には全く不可能であるため、溶剤による樹脂の溶解液を塗布するのが通常である。
この溶剤使用型の樹脂コーティングでは、溶剤により樹脂の変質や基材のダメージ、溶媒飛散による作業者や環境への障害など多くの問題があり、できれば溶剤を不要とした樹脂コーティングが望まれていた。
一方で、無機材料の薄膜コーティングについては、溶剤を全く不要としながらも、スプレーガンを用いて基材に容易に無機材料を吹き付けコーティングできるHVOF溶射(高速フレーム溶射)が多くの実績を示すに至っている。たとえば、本発明者らは、Tiの酸化を抑えて緻密な金属TiもしくはTi合金の被膜を形成することのできるHVOF溶射装置を提案している(特許文献1照)。しかしながら、HVOF溶射は高温の燃焼ジェットを利用したコーティング方法であり、単に樹脂コーティング材料に適用すると、高温に曝されることになるため、樹脂は熱的劣化を受けるという問題があった。
また、HVOF溶射用のスプレーガンを利用してPEEK(ポリエーテルエーテルケトン)等の耐熱樹脂を基材に吹き付ける技術が下記の文献に開示されている(特許文献2および3参照)。しかしながら、これらの方法によると、あらかじめ基材の表面に、粗面化処理及び/又は樹脂に対して良好な接着性を有する結合層の塗布が必須であり、作業工程が多くなったり、上記塗布技術の範疇を超えるものではなかった。また、粗面化処理表面にPEEKを公知のHVOF溶射用のスプレーガンにて溶融コーティングしても、コーティング材が基材表面の微小な凹凸にまで入り込めず、強固なコーティングはできていなかった。
特開2000−96203号公報 特開2007−175881号公報 本発明は、以上のとおりの背景から、従来の問題点を解消して、樹脂の溶剤フリーのコーティングを現場レベルで簡便に可能にする新しいスプレーガンと、そのスプレーガンの制御システムを提供することを目的とする。
本発明は、上記の課題を解決するものとして以下のことを特徴としている。
発明1のスプレーガンは、燃焼ジェットを発生させる燃焼室と、発生された燃焼ジェットが通過し噴出されるバレルとを備えるスプレーガンであって、前記燃焼室は、燃焼ジェットの燃焼温度を調節可能とする不活性ガス供給口を有し、前記バレルは、燃焼ジェット中にコーティング粒子を供給する供給口を有し、温度調節された燃焼ジェットと共にコーティング粒子を噴出口から噴出するとともに、コーティング粒子が樹脂であり、下記式(1)と式(2)を共に満たすバレル内加熱時間tとなるようにバレルの前記供給口から噴出口までの距離(L)が設定されていることを特徴としている。
α:粒子の熱拡散率(m/s)
t:バレル内加熱時間(s)
r:粒子半径(m)
Tav:バレル内の燃焼ジェット平均温度(℃)
Tcp:粒子の付着臨界温度(℃)
発明2のスプレーガンは、上記発明1において、コーティング粒子が、超高分子量ポリエチレンであることを特徴としている。
発明3のスプレーガンは、上記発明1または2において、不活性ガス供給口は、調整バルブ、バルブ位置検出器およびバルブ調整手段により自動調整可能とされていることを特徴としている。
発明4のスプレーガンは、上記発明1ないし3のいずれかにおいて、バレルの前記供給口から噴出口までの距離(L)が、25cm以上であることを特徴とする。
発明5のスプレーガンは、上記発明1ないし4のいずれかにおいて、燃焼ジェットの速度がマッハ1以上であることを特徴とする。
発明6のスプレーガンの制御システムは、燃焼ジェットと共に樹脂からなるコーティング粒子をバレルを通過させて噴出するスプレーガンにおいて、使用するスプレーガンとコーティング粒子に応じて燃焼ジェット温度を適切に制御するシステムであって、前記コーティング粒子の半径r、熱拡散率αおよび付着臨界温度Tcpとバレル内加熱時間tに基づき、下式(1)と式(2)を満たすように前記不活性ガスの供給量を調整する手段を有することを特徴とする。
α:粒子の熱拡散率(m/s)
t:バレル内加熱時間(s)
r:粒子半径(m)
Tav:バレル内の燃焼ジェット平均温度(℃)
Tcp:粒子の付着臨界温度(℃)
発明7のスプレーガンの制御システムは、上記発明6において、使用するコーティング粒子に応じて燃焼ジェット温度を適切に制御するシステムであって、入力されるコーティング粒子の熱拡散率α(m/s)、同粒子の半径r(m)、バレル内加熱時間t(s)及び同粒子の付着臨界温度Tcp(℃)の値を格納する手段(S1)、前記コーティング粒子の熱拡散率α(m/s)、同粒子の半径r(m)およびバレル内加熱時間t(s)の値に基づき、前記式(1)が成立する否かを演算し、成立する場合は前記TcpデータをS3に送り、成立しない場合は使用不可のメッセージを表示する手段(S2)、送られたTcpデータに基づき、前記式(2)を使用してバレル内のジェットの平均温度Tav(℃)の許容範囲を演算し、S43に送る手段(S3)、不活性ガスの供給量を調節するバルブの位置を検出する手段(S41)、検出された位置情報に基づいてバレル内のジェット平均温度Tavを演算する手段(S42)、演算されたTav値と前記Tav許容範囲とを比較し、これがTav許容範囲内にある場合は使用可能のメッセージを表示し、許容範囲より小さい場合は(−)を大きい場合は(+)の信号をS5に送る手段(S43)、送られた信号が(+)の場合は増量信号を、(−)の場合は減量信号をバルブ調整手段に送る手段(S5)、とを備えることを特徴としている。
発明8のスプレーガンの制御システムは、上記発明6または7のシステムにおいて、手段(S43)で使用可能のメッセージを表示するか、システムを中断するまで、手段(S41)において、バルブの位置を定期的に検出させることを特徴としている。
発明1では、研究者は、樹脂材料の熱物性を考慮しながら大気中での溶射プロセスについて鋭意研究した結果、従来よりも低い温度で長時間にわたって加熱・加速することが可能なスプレーガン構造とすることで、金属や無機材料に比べて熱拡散率および分解温度が低い樹脂を溶射により基材にコーティングできることを実証するに至った。これによって、特殊な設備を必要とせず、オープンな空間においても、無溶剤で簡便に樹脂をコーティングすることが可能になった。
発明2により、コーティング粒子として、たとえば溶融状態でも流動性に乏しい超高分子量ポリエチレンを使用することができる。
発明3〜5で規定された構造を持つスプレーガンと発明6〜8に規定されるシステムとにより、吹き付ける樹脂の性状に適した燃焼ジェット(燃焼噴流)を容易に発生させることが可能となり、簡便に良好な樹脂コーティングが実現される。
図1は、本発明のスプレーガンの一例を示す断面模式図である。 図2は、バレル内のジェット平均温度Tavを算出した結果を例示したグラフである。 図3は、本発明のスプレーガンの制御システムの一例を示すフロー図である。 図4は、基板の温度調整構造を示す概念図である。 図5は、本発明のスプレーガンとその制御システムにより得られたコーティング層(A)と、比較例で得られたコーティング層(B)の膜状態を例示した図である。 図6は、本発明のスプレーガンとその制御システムにより得られたコーティング層の断面を観察した結果を例示した図である。 図7は、本発明のスプレーガンとその制御システムにより得られたコーティング層の基材保護性能を試験した結果を例示した図である。
符号の説明
(1) 燃焼室
(11) 燃焼部
(12) 温調部
(13) 不活性ガス供給口
(13b) 調整バルブ
(14) ノズル
(15) 燃料供給部口
(16) 点火プラグ
(2) バレル
(20) 供給口
(31) 冷却水供給口
(32) 冷却水排出口
(A) 基板
(L) 供給口から噴出口までの距離
(La) 基板表面と噴射口との距離
(t) バレル内加熱時間
本願発明のスプレーガンの構成の代表的な例を図1に例示した。本発明のスプレーガンは、燃焼室(1)とバレル(2)とから構成されている。
前記燃焼室(1)は、たとえば、燃焼部(11)と温調部(12)とノズル(14)とから構成され、燃焼部(11)には、点火プラグ(16)と燃料供給口(15)および酸素供給口(17)が設けられていて、燃料供給量と酸素供給量は供給側にて調整可能とされている。温調部(12)には、不活性ガス供給口(13)が設けられていて、不活性ガスの供給量は供給側に設けた調整バルブ(13b)により調整することで、燃焼ガスの温度が調整可能とされている。この調整バルブ(13b)は、例えば、バルブ位置検出器およびバルブ調整手段(何れも図示せず)等の手段を利用することで自動調整可能とすることもできる。燃焼部(11)にて発生された燃焼ガスは、温調部(12)において適切な量の不活性ガスの供給により冷却されて温度が調節され、ノズル(14)を介して燃焼ジェットとして、前記バレル(2)に供給される。
燃焼ジェットの温度は、通常3000℃程度であるが、不活性ガスの供給により冷却することができ、おおよそ3000℃〜300℃程度の範囲で調整可能とされる。実際的には、コーディング材料の特性に合わせて1000℃〜400℃程度の範囲で調整されることになる。
燃焼ジェットの速度は、付着性の高い樹脂コーディングを行うには、少なくともマッハ1以上(超音速)のジェット速度とすることが好ましい。好ましくはマッハ2以上である。この燃焼ジェットの速度は、燃焼させる燃料と酸素および不活性ガスの流量を制御することで調整することができ、例えば、以下の実施例において、バレル(2)内ではマッハ2程度の超音速とすることができる。ここで、不活性ガスの供給量は、燃焼部(11)における燃料と酸素の供給量に影響を及ぼし、不活性ガスを増加させると、燃料と酸素は減少されるが、結果的には、燃焼ジェットの噴射速度に大きな変動を与ることなく(tに影響しない程度)、温度調整を可能としている。すなわち、樹脂に対応した低温であっても超音速の燃焼ジェットが実現されている。
燃料としては、公知の各種の熱源を用いることができるが、例えば、代表的には、灯油やアセチレン等を用いることが例示される。上記の燃焼ジェット速度を実現するには、燃焼部(11)やノズル(14)の寸法や形状にもよるが、目安として、燃料として灯油を用いる場合、灯油流量を0.3〜0.5SLM,酸素流量を500〜900SLM程度の範囲とすることが例示される。もちろん、これに限定されるものではない。不活性ガスとしては、窒素や、He,Ar等の希ガス等を用いることができる。
バレル(2)には、その燃焼室に近い側にコーティング粒子を圧入する供給口(20)が設けられていて、温度調節された燃焼ジェットと共にコーティング粒子を他端の噴出口から噴出する。この出願の発明においては、コーティング粒子を加熱する燃焼ジェットの温度とともに、コーティング粒子がこのバレル(2)を通過する時間が重要であり、これを効果的に制御することができる供給口(20)からバレル(2)の先端である噴出口までの距離(L)が適切に決定されることとなる。この距離(L)については、下式(1)および式(2)を考慮して設定することができる。
式(1)は、コーティング粒子の熱拡散率α(m/s)、バレル内加熱時間t(s)、粒子半径r(m)の関数である右辺の値が、0.5よりも大きくなるように規定される。上記のとおり、燃焼ジェットの温度は従来のスプレーガンよりもかなり低い温度に設定されるため、右辺の値が0.5以下の場合には、コーティング粒子の加熱状態が不十分となり、良好なコーディング層を得ることができない。右辺の値が大きいほうが、粒子衝突時において全体が均一に加熱されることになり、微小凹凸への入り込みが広範に渡って確実となり、付着しやすくなると考えられる。なお、コーティング粒子の熱拡散率αは、以下の式により求めることができる。
α=k/ρ・Cp
ここで、k:熱伝導率(J/smK)、ρ:密度(kg/m3)、Cp:比熱(K/kgK)である。熱伝導率、密度、比熱は材料ハンドブック等の値を利用することができる。
式(2)のTav/Tcpの値は、バレル内のジェット平均温度Tav(℃)とコーティング粒子の付着臨界温度Tcp(℃)の比であって、2.5より大きく、4.5より小さくなるよう規定される。コーティング粒子の熱的劣化を防ぐことを重視する場合は、Tav/Tcpの値を下限側にシフトするのが好ましいが、2.5以下の場合にはコーティング粒子の加熱状態が不十分となり、良好な緻密性および付着性のコーディング層を得ることができない。また、コーティング層の緻密さや基材との付着性を重視する場合は、Tav/Tcpの値を上限側にシフトすることができるが、4.5以上とするとコーティング粒子が劣化され付着しなかったり、コーティング層の物性が劣る可能性があるため好ましくない。
なお、Tavは、(1)燃焼ガスに対する不活性ガスの質量流量から温調部での燃焼ジェットの温度を計算し、(2)その条件の下、流体力学の観点からノズル、バレルでの流れ方向のガス温度分布を計算し、(3)バレル内のガス温度分布から、バレル内の平均温度Tavを算出することで、理論的に求めることができる。
また、粒子の付着臨界温度(Tcp)は、それを構成する樹脂の軟化温度±10℃とする。±10℃としたのは、同様な樹脂であっても、含まれる添加物や合成度合いなどにより軟化温度が若干変化するので、これらの変化を包含して適正な温度設定ができるようにするためである。
そしてこのバレルにおける上記距離(L)については、公知のスプレーガンでは10〜20cm程度とされている。しかし、このようなLの値では、熱拡散率αが大きく、かつ、粒子半径r(m)が極めて小さいコーティング粒子を選択しなければ良好なコーティング層が得られず、実用できるものではなかった。そのため、従来技術のように、良質なコーティングを得るには、基材の粗面化処理および樹脂に対して良好な接着性を有するコーティング層の塗布といった特別な工程が欠かせないものとされていた。これに対し、本願発明においては、汎用の一般的な熱拡散率αおよび粒子半径r(m)の樹脂コーティング粒子を用いた場合であっても、上記式(1)(2)を満たすよう距離(L)を設定することで、簡便かつ良好な樹脂コーティングが実現可能とされる。
このようなスプレーガンのL値は、式(1)(2)からも明らかなとおり、使用するコーティング樹脂に大きく係るため特別な値に限定されるものではないが、これまでの検証では公知のスプレーガンより長い20cm以上であり、実際的には25cm以上とするのが好ましく、より好適には30cm以上とすることが例示される。代表的には35〜50cm程度とするのが、コーティング粒子の物性を考慮すると好ましい例として示される。発明者らは、コーティング粒子の供給口から基材までの総飛行距離が700mmの範囲まではコーティングが十分可能なことを確認している。従って、噴出口から基材までの距離(La)を700mmから差し引いた長さ程度までは、十分に距離(L)として設定可能と考えられる。
スプレーガンによる樹脂コーティングでは、燃焼ジェットの温度が低温であるため、バレルの距離(L)が従来のように20cm程度以下ではバレル内で樹脂コーティング粒子が十分加熱されなかったが、たとえば、上記距離(L)を40cm程度とすることで十分な加熱が可能となり、良好なコーティングができるようになる。この場合、コーティング粒子がバレル内に留まる時間をたとえば700μs程度以上とすることができ、十分に粒子を加熱、加速することができる。
また、実際のコーティング作業では、樹脂コーディング粒子が基材上にコーティングされた後も、燃焼ジェットは一定時間コーティング面に吹き付けられることになる。ここで、距離(L)を上記のとおり従来より長く、例えば40cm程度に伸ばすことで、燃焼ジェットの温度をバレル内で適度に低下させて樹脂コーティングの熱劣化を防ぐことができる。
なお、図中(A)はコーティング対象である基板であり、基板(A)の表面と噴射口との距離を(La)と表記している。また、図1のスプレーガンでは、各構成部分は二重隔壁にて構成され、その内部に冷却水を供給・排水する供給口(31)と排出口(32)を設けるなどして、外壁の加熱を抑えて安定した運転が可能なよう考慮することができる。また、バレル(2)を水冷することで、燃焼ジェットを適温に冷却しやすくなる。
以上の本願発明のスプレーガンによると、下記実施例の考察から、コーディング粒子としては、従来各種の塗料用に使用されている樹脂を同様に使用できるものと考えられる。例えば、以下のものが例示される。
ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、アクリロニトリル/スチレン樹脂(AS)、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン樹脂(ABS)、メタクリル樹脂(PMMA)、塩化ビニル(PVC)、ポリアミド(PA)、ポリアセタール(POM)、超高分子ポリエチレン(UHPE)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、GF強化ポリエチレンテレフタレート(GF−PET)、ポリメチルペンテン(TPX)、ポリカーボネイト(PC)、変性ポリフェニレンエーテル(PPE)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、液晶ポリマー(LCP)、ポリテトラフロロエチレン(PTFE)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリアリレート(PAR)、ポリサルフォン(PSF)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリアミドイミド(PAI)
これらのコーディング粒子の粒径について特に制限はないものの、各々の材料の熱拡散率α等を考慮してよりコーティングに適切な粒径のものを用いることもできる。ただし、スプレーガンへのコーティング粒子の供給の点からは、500ミクロンより大きいものは現実的ではないといえる。また、所望の効果を得るために各種材料を加えることも可能であるが、例えば従来技術に見られる複合材料化は基本的に必要ではない。
なお、コーティングの対象である基材についても特に制限はなく、炭素鋼のみならず各種の金属や合金からなる以下の金属、および無機材料からなるセラミック等に対して使用可能と考えられる。
金属(マグネシウム、アルミニウム、銅、鉄、チタンなど)およびその合金セラミック(アルミナなどの酸化物、TiNなどの窒化物、SiCなどの炭化物、B4Cなどのホウ化物など)。
さらに、基材の温度維持を行うことで、例えば、以下に例示するような樹脂基材に対しても容易にコーティングできる。プラスチック(ポリエチレン,ポリ塩化ビニル,ポリプロピレン,ポリスチレンなどの汎用プラスチック、ポリ酢酸ビニル,ABS樹脂,AS樹脂,アクリル樹脂、ポリアセタール、ポリイミド,ポリカーボネイト,変性ポリフェニレンエーテル(PPE),ポリブチレンテレフタレート、ポリアリレート,ポリスルホン,ポリフェニレンスルフィド,ポリエーテルエーテルケトン,ポリイミド樹脂,フッ素樹脂など)
また、図3は、本発明のスプレーガンを制御する制御システムの一例について説明するフロー図である。図中、点線で囲んだ部分はコンピュータソフトによる操作を示している。
本発明のスプレーガンの制御システムは、燃焼ジェットと共に樹脂からなるコーティング粒子をバレルを通過させて噴出するスプレーガンにおいて、使用するコーティング粒子に応じて燃焼ジェット温度を適切に制御するシステムであって、前記コーティング粒子の半径r、熱拡散率αおよび付着臨界温度Tcpとバレル内加熱時間tに基づき、前記の式(1)と式(2)を満たすように前記不活性ガスの供給量を適切に制御するシステムであって、具体的には、例えば以下の手段により演算が実行される。
まず、使用するコーティング粒子の熱拡散率α(m/s)、同粒子の半径r(m)、バレル内加熱時間t(s)及び同粒子の付着臨界温度Tcp(℃)の物性値を入力すると、これらの値は手段(S1)に格納される。
手段(S2)において、前記コーティング粒子の熱拡散率α(m/s)、同粒子の半径r(m)およびバレル内加熱時間t(s)の値に基づき、前記式(1)が成立する否かが演算され、成立する場合は前記Tcpデータを手段(S3)に送り、成立しない場合は使用不可のメッセージが表示される。
手段(S3)では、送られたTcpデータに基づき、式(2)を使用してバレル内のジェットの平均温度Tav(℃)の許容範囲を演算し、手段(S43)に送る。
手段(S4)では、手段(S41)にて不活性ガスの供給量を調節するバルブの位置を検出し、手段(S42)にて検出された位置情報に基づいてバレル内のジェット平均温度Tavを演算し、手段(S43)にて演算されたTav値と前記Tav許容範囲とを比較し、これがTav許容範囲内にある場合は使用可能のメッセージを表示し、許容範囲より小さい場合は(−)を大きい場合は(+)の信号を手段(S5)に送る。
手段(S5)では、送られた信号が(+)の場合は増量信号を、(−)の場合は減量信号をバルブ調整手段に送るようにし、使用するコーティング粒子に応じて燃焼ジェット温度を適切に制御する。
手段(S41)は、手段(S43)で使用可能のメッセージを表示するか、システムを中断するまで、定期的にバルブの位置を検出させるようにしてもよい。バルブ調整手段としては、例えば、電流によって駆動するアクチュエータであるソレノイド等を使用することができる。
以上の制御システムをスプレーガンに搭載することで、より簡便に、最適条件での樹脂コーティングを実現することができる。
そこで以下に実施例を示し、さらに詳しく説明する。もちろん、以下の例によって本発明が限定されることはない。
(実施例1)
図1は、本発明のスプレーガンの実施例を示した縦断面概略図である。
このスプレーガンは、燃焼室(1)とバレル(2)から構成されている。前記燃焼室(1)は、燃焼部(11)と温調部(12)とノズル(14)とから構成され、燃焼部(11)には、点火プラグ(16)と燃料供給口(15)および酸素供給口(17)が設けられていて、燃料供給量と酸素供給量は供給側にて調整することができる。温調部(12)には、不活性ガス供給口(13)が設けられていて、不活性ガスの供給量を供給側に設けた調整バルブ(13b)により調整することで、燃焼ガスの温度を調整することができる。燃焼部(11)にて発生された燃焼ガスは、温調部(12)において適切な量の不活性ガスの供給により冷却されて温度が調節され、ノズル(14)を介して燃焼ジェットとして、前記バレル(2)に供給される。この燃焼ジェットの速度は、バレル(2)内ではマッハ2程度の超音速となり、燃焼ジェットの温度は3000〜400℃の範囲で調整可能としている。
この供給口(20)から前記バレル(2)の先端である噴出口までの距離(L)によって、バレル内加熱時間(t)が決定されることとなる。
燃料として灯油を、不活性ガスとして窒素を用いた場合のバレル内平均温度Tavを計算した結果を図2に示した。なお、この実施例で作製したバレルの前記供給口から噴出口までの距離(L)は40cmであった。
また、コーティング粒子として、三井化学社製の超高分子量ポリエチレン、ミペロンXM220(粒径:43μm)を用いた場合、熱拡散率αは2.4、付着臨界温度Tcpは393Kである。
なお、各構成部分は二重隔壁にて構成され、その内部に冷却水を供給・排水する供給口(31)と排出口(32)が設けてあり、外壁の加熱を抑えて安定した運転が可能なようにした。(A)はコーティング対象である基板であり、基板(A)の表面と噴射口との距離を(La)と表記している。
(実施例2)
図2は、本発明のスプレーガンを制御する制御システムの一例について説明するフロー図である。図中、点線で囲んだ部分はコンピュータソフトによる操作を示している。
以下の手順で演算が実行される。
S1:α(使用するコーティング粒子の熱拡散率(m/s)、r(同粒子の半径(m))及びTcp(同粒子の付着臨界温度(℃))並びにt(前記バレル長さLで決まるバレル内加熱時間(s))を入力する。
S2:式(1)に基づき、入力されたデータで所定のスプレーガンが使用できるか(式(1)を満たすか否か)を判定し、満たさない場合は、ディスプレーなどに使用不能とのメッセージを表示するようにした。
逆に、式(1)を満たす場合は、S3に進み、入力したTcpデータをS3に送り込むようにしてある。
S3:S2から送られたTcpデータに基づき、式(2)を使用してTav(バレル内のジェットの平均温度(℃))の許容範囲を求め、S4にそれを送り込む。
S4:不活性ガスの供給量を調節するバルブの位置を検出する検出器(S41)の位置情報に基づき、演算(S42)された現段階のTavと前記S3で求めたTav範囲とを比較し、これが、Tav範囲内にある場合は、使用可能とのメッセージを表示するようにした。
逆に、その範囲より外れている場合には、演算結果で得られた+,−の信号をS5に送るようにしてある(S43)。
S5:送られた信号がプラス、マイナスの何れであるかを判別し、プラスの場合は増量信号を、マイナスの場合は減量信号をバルブ調整ソレノイドに出力するようにしてある。
そして、使用可能の信号を発するか、操作を中断する入力があるまでの間、S4,S5を繰り返し行い、不活性ガスの供給量をコーティング粒子の物性や使用するスプレーガンの特性に合わせて自動調整するようにしてある。
なおこの繰り返し間隔は、一回のソレノイド操作が完了する程度の時間以上の時間間隔で行うのがシステムの安定性と信頼性を高めるのに必要である。
なお、実施例1のスプレーガンを用いる場合は、t(バレル内加熱時間(s))は、燃焼ジェットの速度が初期(不活性ガスを樹脂に対応する最小限度の量で供給した場合)の燃焼ガスの発生量により決定され、不活性ガスの供給量ではtを左右するほどには変化しないが、スプレーガンの大きさなどによっては変化する可能性がある。よって、実験的に設定したスプレーガンの固有の換算式を予め入力しておいて、バレルの長さLを入力すると自動的にtに換算するようにすることも可能である。
(実施例3)
本実施例では、前記実施例1の構造を持ったスプレーガンを用い、実施例2に示したシステムを利用して、以下の諸条件で行った樹脂のコーティング結果を示した。コーティング粒子としては、三井化学社製の超高分子量ポリエチレン、ミペロンXM220を用いた。また、燃料としては灯油を流量0.35SLMで、酸素を流量670SLMで、そして不活性ガス(窒素)を流量:0,500,1000SLMで供給した。
バレルの距離(L)は、No.1〜15までは16インチ、No.16〜18までは8インチであって、このような条件下、バレル内加熱時間tはそれぞれ0.8×10−3秒、0.4×10−3秒に設定された。実際にコーティング粒子は700〜300μs程度はバレル内に留まることになる。
また、基板(A)の温度を図4に示すように制御することを試みた。
当該温度制御は、測定温度に対する基板温度の測定値との差異により、測定温度が高温の場合は冷却装置をONにし、加熱装置をOFFとし、測定温度が低温の場合はこの逆を行い、基板を加熱、冷却して設定温度に維持しようとするものである。
その結果、表1に示す実験結果を得た。
なお基材は炭素鋼(SS400)を用いた。
表1の結果から明らかなとおり、前記式(1)(2)を満たすものでは、基材に均一な厚さで良好に樹脂コーティングが行え、また、得られたコーティング層は極めて緻密なものであった。コーティング層の厚さも、数μm〜数百μm程度まで容易に調節することが可能であった。そして、例えば、図5(A)に示したように、本発明により得られたコーティング層は、用いた超高分子量ポリエチレンと同様の白色半透明であって、膜厚が100μm以下程度の薄さの場合には基板の炭素鋼の灰色が透けて見えるのが観察された。
また、実験No.2のコーティング基板の断面を図6に示した。超音速ジェットによりコーティング材料が基材表面に深く食い込み、付着のみならず機械的な形状によっても、基材に強固に固定されていることが分かる。
一方、前記式(1)(2)を満たさない条件の場合は、コーティング層の基板への付着性が弱くコーティングが行えなかったり、また、熱的劣化により変色および変質してしまっているのが確認された。図5(B)に示したように、コーティング層が形成された場合でも黒色に変色してしまっていた。
さらに、実験No.2と同様の条件で、炭素鋼SS400基材上にポリエチレンコーティング(膜厚50ミクロン)を施した後、基材裏面に銅線を接続し、コーティング面を2cmだけ残してその他をシリコン樹脂にて絶縁被覆した試料を、室温にて人工海水に5日間浸漬した。その結果を図7に示した。コーティング層の表面には全く錆が出ておらず、コーティング表面が浸漬前と同じ状態を維持することが確認された。50μmという薄さでも、均一で緻密なポリエチレンコーティングが形成されたことにより、基材に優れたバリヤー機能が付与されることが分かった。
本発明のスプレーガンによると、溶剤フリーで、既設の構造物等に対し容易に、均一かつ強固な樹脂コーティングを施すことができ、その電気絶縁、防食、防錆、防汚、耐薬品、耐衝撃、耐磨耗、耐曲げ及び耐引っ張り等の耐環境性能の向上等に利用することができる。
また、低環境負荷(溶剤不要)で、膜厚制御、高速成膜、および高効率(大気化成膜)等の作業条件を実現でき、従来では不可能とされていた作業条件下でのコーティングが可能とされる。

Claims (8)

  1. 燃焼ジェットを発生させる燃焼室と、発生された燃焼ジェットが通過し噴出されるバレルとを備えるスプレーガンであって、
    前記燃焼室は、燃焼ジェットの燃焼温度を調節可能とする不活性ガス供給口を有し、前記バレルは、燃焼ジェット中にコーティング粒子を供給する供給口を有し、コーティング粒子が樹脂であって、温度調節された燃焼ジェットと共にコーティング粒子を噴出口から噴出するとともに、
    下記式(1)と式(2)を共に満たすバレル内加熱時間tとなるようにバレルの前記供給口から噴出口までの距離(L)が設定されていることを特徴とするスプレーガン。
    α:粒子の熱拡散率(m/s)
    t:バレル内加熱時間(s)
    r:粒子半径(m)
    Tav:バレル内の燃焼ジェット平均温度(℃)
    Tcp:粒子の付着臨界温度(℃)
  2. コーティング粒子が、超高分子量ポリエチレンであることを特徴とする請求項1のスプレーガン。
  3. 不活性ガス供給口は、調整バルブ、バルブ位置検出器およびバルブ調整手段により自動調整可能とされていることを特徴とする請求項1または2記載のスプレーガン。
  4. バレルの前記供給口から噴出口までの距離(L)が、25cm以上であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のスプレーガン。
  5. 燃焼ジェットの速度がマッハ1以上であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のスプレーガン。
  6. 燃焼ジェットと共に樹脂からなるコーティング粒子をバレルを通過させて噴出するスプレーガンにおいて、使用するコーティング粒子に応じて燃焼ジェット温度を適切に制御するシステムであって、前記コーティング粒子の半径r、熱拡散率αおよび付着臨界温度Tcpとバレル内加熱時間tに基づき、下式(1)と式(2)を満たすように前記不活性ガスの供給量を調整する手段を有することを特徴とするスプレーガンの制御システム。
  7. 入力されるコーティング粒子の熱拡散率α(m/s)、同粒子の半径r(m)、バレル内加熱時間t(s)及び同粒子の付着臨界温度Tcp(℃)の値を格納する手段(S1)、
    前記コーティング粒子の熱拡散率α(m/s)、同粒子の半径r(m)およびバレル内加熱時間t(s)の値に基づき、下式(1)
    α:粒子の熱拡散率(m/s)
    t:バレル内加熱時間(s)
    r:粒子半径(m)
    が成立する否かを演算し、成立する場合は前記TcpデータをS3に送り、成立しない場合は使用不可のメッセージを表示する手段(S2)、
    送られたTcpデータに基づき、下式(2)
    Tav:バレル内の燃焼ジェット平均温度(℃)
    Tcp:粒子の付着臨界温度(℃)
    を使用してバレル内のジェットの平均温度Tav(℃)の許容範囲を演算し、S43に送る手段(S3)、
    不活性ガスの供給量を調節するバルブの位置を検出する手段(S41)、検出された位置情報に基づいてバレル内のジェット平均温度Tavを演算する手段(S42)、演算されたTav値と前記Tav許容範囲とを比較し、これがTav許容範囲内にある場合は使用可能のメッセージを表示し、許容範囲より小さい場合は(−)を大きい場合は(+)の信号をS5に送る手段(S43)、
    送られた信号が(+)の場合は増量信号を、(−)の場合は減量信号をバルブ調整手段に送る手段(S5)、
    とを備えることを特徴とする請求項5記載のスプレーガンの制御システム。
  8. 前記手段(S43)で使用可能のメッセージを表示するか、システムを中断するまで、手段(S41)において、バルブの位置を定期的に検出させることを特徴とする請求項5または6に記載のスプレーガンの制御システム。
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