JPWO2009008183A1 - エレベータ装置 - Google Patents

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Abstract

通常走行するかごを非常停止させる場合にかごを緩停止させることができるとともに、戸開走行するかごを非常停止させる場合には、かごを急停止させることができるエレベータ装置を提供する。このため、通常走行するエレベータのかごを非常停止させる際には、かごの減速度を制御しながら、ブレーキ装置に制動力を生じさせるようにする。一方、かごの所定の戸開走行状態を判断した場合には、通常走行するかごを非常停止させる場合と比較して、かごの停止距離が短くなるように、ブレーキ装置に制動力を生じさせる。

Description

この発明は、エレベータ装置に関するものである。
エレベータ装置は、一般に、エレベータのかごと釣合い重りとを主ロープによって釣瓶式に懸架するとともに、この主ロープを巻上機の駆動綱車に巻き掛けることにより、駆動綱車の回動を制御して、かごを走行及び停止させている。また、利用者が上記構成のエレベータを乗り降りする間、上記かごは所定の着床位置に停止されており、この時のかごは、上記巻上機に備えられたブレーキ装置の停止保持力によって停止保持されている。即ち、エレベータの通常運転時、上記ブレーキ装置は、かごの停止時に動作する。
一方、非常時には、上記ブレーキ装置がかごの走行時にも動作し、かごを非常停止させる。このようなエレベータ装置の従来技術として、例えば、かごを走行状態から非常停止させる際に、かごを緩停止させるようにブレーキ装置の制動力を制御することにより、利用者に対して不快感を与えないようにしたものが提案されている(特許文献1参照)。
日本特開平7−206288号公報
エレベータ装置では、上述のように、かごの停止時にはブレーキ装置が動作しているため、一般に、戸が開いた状態でかごが走行を開始することはない。しかし、例えば、リレベル機能を備えたエレベータ装置では、かごの着床時にかご位置を補正するため、戸開状態のままかごを低速走行させることがある。なお、リレベル機能とは、かご内の乗客数が変化することによって主ロープの伸び量が増減し、かごが所定の着床位置からずれてしまった場合に、かご位置を自動で補正して、かごを上記所定の着床位置に戻す機能のことをいう。
そして、このリレベル動作中にかごの非常停止が必要になった場合、特許文献1記載のもののようにかごを緩停止させようとすると、かごの停止距離は当然に長くなり、場合によっては戸口とエレベータ乗場との間隔を十分に確保することができなくなるといった問題があった。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、その目的は、通常走行状態からかごを非常停止させる場合にかごを緩停止させることができ、戸開走行状態、即ちリレベル動作中の走行状態からかごを非常停止させる場合に、かごを急停止させることができるエレベータ装置を提供することである。
この発明に係るエレベータ装置は、エレベータ昇降路内を昇降するかごと、通常運転におけるかごの着床時に、かごを停止させるブレーキ装置と、通常走行するかごを非常停止させる際に、かごの減速度を制御しながら、ブレーキ装置に制動力を生じさせる制御指令部と、かごの所定の戸開走行状態を判断した場合に、通常走行するかごを非常停止させる場合と比較して、かごの停止距離が短くなるようにブレーキ装置に制動力を生じさせる戸開走行判断部と、を備えたものである。
また、この発明に係るエレベータ装置は、エレベータ昇降路内を昇降するかごと、通常運転におけるかごの着床時に、かごを停止させるブレーキ装置と、通常走行するかごを非常停止させる際に、かごの減速度を制御しながら、ブレーキ装置に制動力を生じさせる制御指令部と、戸の開閉状態を検出する戸開閉状態検出手段と、かごの速度を検出する速度検出手段と、戸開閉状態検出手段の検出結果及び速度検出手段の検出結果に基づいて、ブレーキ装置の制動力の制御を、かごを非常停止させる際のエレベータの状態に対応して変更させる戸開走行判断部と、を備え、戸開走行判断部は、所定の戸開状態が判定された場合に、所定の戸開状態が判定されない場合と比較して、かごの停止距離が短くなるようにブレーキ装置に制動力を生じさせるとともに、所定の戸開状態が判定され且つかごの速度が所定値以下の場合は、所定の戸開状態が判定され且つかごの速度が所定値を超える場合と比較して、かごの停止距離が短くなるようにブレーキ装置に制動力を生じさせるものである。
この発明によれば、通常走行状態からかごを非常停止させる場合にかごを緩停止させることができ、戸開走行状態、即ちリレベル動作中の走行状態からかごを非常停止させる場合に、かごを急停止させることができるようになる。
この発明の実施の形態1におけるエレベータ装置を示す全体構成図である。 この発明の実施の形態1におけるエレベータ装置を示す要部構成図である。 この発明の実施の形態1におけるエレベータ装置の動作を説明するための図である。 この発明の実施の形態1におけるエレベータ装置の動作を説明するための図である。 この発明の実施の形態4におけるエレベータ装置の動作の一部を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態4におけるエレベータ装置の動作を説明するための図である。 非常停止時に安全リレーを制御して停止距離を制限する際の動作を説明するための図である。 非常停止時に安全リレーを制御して停止距離を制限する際の他の動作を説明するための図である。 非常停止時に安全リレーを制御して停止距離を制限する際の他の動作を説明するための図である。
符号の説明
1 かご、 2 釣合い重り、 3 主ロープ、 4 巻上機、 5 駆動綱車、
6 モータ、 7 ブレーキ装置、 8 制御装置、 9 ブレーキ制御装置、
10 ブレーキ車、 11 ブレーキライニング、 12 ブレーキコイル、
13 制御指令部、 14 加速度計、 15 秤装置、 16 巻上機エンコーダ、
17 調速機、 18 調速機エンコーダ、 19 戸開走行判断部、
20 戸開状態判定部、 21 走行状態判定部、 22 戸開閉検知センサ、
23 階床位置センサ、 24 安全リレー、 25 境界線、 26 斜線部、
27 境界線、 28 斜線部、 29 境界線
この発明をより詳細に説明するため、添付の図面に従ってこれを説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1におけるエレベータ装置を示す全体構成図、図2はこの発明の実施の形態1におけるエレベータ装置を示す要部構成図である。図1及び図2において、1はエレベータ昇降路内を昇降するかご、2は昇降路内をかご1とは逆方向に昇降する釣合い重り、3はかご1と釣合い重り2とを釣瓶式に懸架する主ロープ、4は主ロープ3を介してかご1を駆動するエレベータ用巻上機である。なお、上記主ロープ3は、ベルト等の他の懸架手段であっても構わない。
上記巻上機4は、例えば、駆動綱車5、モータ6、ブレーキ装置7によって構成される。そして、上記主ロープ3が巻き掛けられた駆動綱車5の回動をモータ6で制御することにより、かご1を走行(昇降)及び停止させる。8はエレベータ全体の運行制御を司る制御装置であり、モータ6への動作指令は、この制御装置8によって行われる。また、利用者の乗降時、かご1は所定の着床位置に停止されており、この時のかご1は、上記ブレーキ装置7の停止保持力によって停止保持される。9は制御装置8からの入力信号等に基づいて、ブレーキ装置7の動作を制御するブレーキ制御装置である。
ここで、上記ブレーキ装置7の具体的な構成について説明する。
10は駆動綱車5に連動して回動するブレーキ車、11は図示しない弾性体の反発力によってブレーキ車10側に常時付勢されるブレーキライニング、12は電磁力を発生させてブレーキライニング11をブレーキ車10から離隔させるブレーキコイルである。通常運転におけるかご1の着床時、ブレーキ装置7は、ブレーキライニング11がブレーキ車10に押し付けられることによって生じる摩擦力により、駆動綱車5の回動を阻止して、かご1を停止保持する。また、かご1の走行時には、ブレーキコイル12により生じた電磁力によってブレーキライニング11をブレーキ車10から離隔させ、駆動綱車5を回動自在な状態にする。
一方、通常走行するかご1を非常停止させる場合、上記ブレーキ制御装置9は、制御装置8から受け取った指令に基づいてブレーキ装置7を動作させ、かご1を制動する。この時、ブレーキ制御装置9は、かご1の状態を参照して、かご1を緩停止させるために必要な速度や減速度を演算する。そして、ブレーキ制御装置9は、その演算結果に基づいて、かご1を緩停止させるように減速度を制御しながら、ブレーキ装置7に制動力を生じさせる。即ち、図1に示すエレベータ装置のように、ブレーキ装置7として電磁ブレーキが採用されている場合には、ブレーキコイル12に印加する電圧を制御して、ブレーキライニング11をブレーキ車10に押し付ける力(制動力)の強弱を調整する。
具体的に、ブレーキ制御装置9の上記動作は、ブレーキ装置7の制動力を制御する制御指令部13によって行われる。制御指令部13は、例えば、かご1の目標とする状態と現在の状態とを比較し、かご1が目標の状態に追従するように制動力の強弱を調整する。
上記かご1の現在の状態は、制御装置8からの状態信号やかご1からの状態信号に基づいて判断される。ここで、上記状態信号は、かご1に直接設けられたセンサ等の信号を利用しても良いし、かご1に連動する部位に設けられたセンサ等の信号を利用しても良い。かご1に直接設けられたセンサとは、例えば、かご1天井部に設置された加速度計14や、かご枠と主ロープ3端部との間に設けられた秤装置15等のことである。また、かご1に連動する部位に設けられたセンサとは、例えば、巻上機エンコーダ16や、調速機17に設けられた調速機エンコーダ18等のことである。
次に、図3(図3a乃至図3c)に基づいて、通常走行しているかご1を非常停止させる際の動作について説明する。図3はこの発明の実施の形態1におけるエレベータ装置の動作を説明するための図であり、図3aは戸閉状態で通常走行するかご1を非常停止させる際のかご位置の時間変化を、図3bはその時のかご速度の時間変化を、図3cはその時のかご減速度の時間変化を示している。
図3a乃至図3cでは、表している状態量が異なるものの、A乃至Dは、それぞれ記号毎に、共通するシステム状態の状態量変化を表している。即ち、図中、Aはかご1及び釣合い重り2の重量差が走行中のかご1に対して加速側に働く状態で、ブレーキ装置7に最大の制動力を生じさせ、かご1を急停止させた場合に対応する。また、Bはかご1及び釣合い重り2の重量差が走行中のかご1に対して減速側に働く状態で、ブレーキ装置7に最大の制動力を生じさせ、かご1を急停止させた場合に対応する。これに対し、CはAと同じ状態でブレーキ装置7の制動力を制御し、かご1を緩停止させた場合に、また、DはBと同じ状態でブレーキ装置7の制動力を制御し、かご1を緩停止させた場合に対応する。
図3a乃至図3cからも分かるように、かご1の減速度を目標の減速度に追従させるように制動力を制御することにより、利用者に不快感を与えずにかご1を緩停止させることができるようになる。かかる場合、当然、図3aに示すように、停止するまでにかご1が進む距離は長くなる。しかし、通常走行時、かご戸及び乗場戸は完全に閉鎖されており、停止距離が伸びても特に問題が生じることはない。
一方、ブレーキ制御装置9には、上記制御指令部13以外に、戸開走行判断部19が備えられている。この戸開走行判断部19は、かご1が所定の戸開走行状態になったことを検出するための手段であり、制御装置8からの入力信号等に基づいて上記所定の戸開走行状態を判断すると、制御指令部13に対して、かご1を急停止させるための指令を出力する。即ち、戸開走行判断部19は、かご1が所定の戸開走行状態になったことを検出することにより、通常走行するかご1を非常停止させる上記場合と比較して、かご1の停止距離が短くなるようにブレーキ装置7に制動力を生じさせる。
戸開走行判断部19は、例えば、戸開状態判定部20と走行状態判定部21とにより構成される。戸開状態判定部20は、戸が開いている状態を判定する。なお、戸開状態の判定は、戸の開閉状態を検出する戸開閉状態検出手段を利用した様々な方法によって実現できる。例えば、戸の動きを直接検知する戸開閉検知センサ22の検知信号や、戸を駆動するアクチュエータの電流や電圧、上記アクチュエータの動作を検知するセンサ(図示せず)の検知信号等を利用することにより、戸開状態を判定することができる。
具体的に、戸開閉検知センサ22の検知信号を利用する場合には、戸開閉検知センサ22をかご戸に設置しても、乗場戸に設置しても良い。但し、乗場戸は各エレベータ乗場に設置されているため、戸開閉検知センサ22を乗場戸に設置する場合には各階の乗場戸への設置が必要となる。一方、戸開閉検知センサ22をかご戸に設置する場合には一箇所のみの設置で良いため、安価に構成でき、据付性及び保守性に優れるといった利点がある。
また、戸を駆動するアクチュエータの電流や電圧の変化から、戸閉状態を維持するようにトルクが発生しているかを判断したり、戸開閉動作時のトルクの時間変化を検知して戸閉に至ったことを判断したりすることによっても、戸開状態は判定できる。更に、上記アクチュエータを制御するエンコーダやレゾルバ信号を参照して戸の動きを検知し、戸開状態を判定することも可能である。
一方、上記走行状態判定部21は、かご1の走行状態を判定する。走行状態の判定は、かご1の走行状態を検出する走行状態検出手段を利用してかご1の位置や速度、減速度を検知することにより、様々な方法で実現できる。例えば、上述の加速度計14や、秤装置15、巻上機エンコーダ16、調速機エンコーダ18、或いは階床位置センサ23からの信号によって、かご1の走行状態は判定できる。なお、これらの信号は必ずしもその全てが必要になる訳ではない。即ち、少なくとも1つの信号を得ることができれば、かご1の速度を割り出すことによって、かご1が所定の走行状態にあるか否かを容易に判定することができる。
以上は、戸開状態判定部20と走行状態判定部21とによって戸開走行判断部19を構成した場合の説明であるが、戸開走行判断部19は、上記判定部20及び21の双方の機能を有していれば良く、例えば、以下に示す判定方法によっても所定の戸開走行状態を検出することは可能である。加速度計14からの信号を利用する場合には、その大きさを積分して速度相当の信号として利用する等の工夫次第では、加速度計14からの信号のみによって、かご1が所定の戸開走行状態にあるか否かを判断することも可能である。また、秤装置15は、かご1の加減速時における見た目のかご1内重量変化を検出することができる。このため、秤装置15からの信号を利用して、戸開閉動作等を基準にかご1の加速や減速を検出することにより、エレベータが通常走行状態にあるか否かを判断することもできる。上記階床位置センサ23は、かご1が着床位置から一定以上ずれたことやそのずれ量を検知する。このため、階床位置センサ23からの信号を利用することにより、かご1が戸開状態で一定距離以上着床位置からずれたことを判断して、所定の戸開走行と判定することも可能である。
このように、戸開走行判断部19は、様々な方法によって戸開走行状態を判断することができる。このため、戸開走行を判断するための複数の検知装置がエレベータ装置に備えられている場合には、戸開走行判断部19は、それらの全ての検知装置によって戸開走行状態が検知された場合に、かご1が所定の戸開走行状態にあると判断しても良いし、何れか1つの検知装置によって戸開走行状態が検知された場合に、かご1が所定の戸開走行状態にあると判断しても良い。或いは、戸開走行状態を検知した検知装置の数や、多数決に基づいて、かご1が所定の戸開走行状態にあるか否かを判断するように構成しても良い。
図2に示す場合では、例えば、戸開走行判断部19は、戸開状態判定部20によって所定の戸開状態が判定され、且つ、走行状態判定部21によってかご1の所定の走行状態が判定された場合に、かご1が戸開走行状態にあると判断する。そして、戸開走行判断部19によってかご1の戸開走行状態が検出されると、制御指令部13は、かご1が必要十分に短い距離で停止することができるように、ブレーキ装置7の制動力を制御する、或いは、制動力の制御を中止してブレーキ装置7に最大の制動力を生じさせる。
具体的に、制御指令部13は、戸開走行判断部19によって所定の戸開走行状態が判断されると、戸閉走行状態における非常停止の場合よりも目標の減速度を大きな値に設定したり、電磁ブレーキへの通電を遮断したりすることにより、大きな制動力を生じさせるようにする。また、図2に示すブレーキ制御装置9のように通電部分に安全リレー24が設けられている場合には、制御指令部13又は戸開走行判断部19からの指令によって安全リレー24を開放し、確実に電磁ブレーキへの通電を遮断するように構成しても良い。
ここで、図4(図4a乃至図4c)はこの発明の実施の形態1におけるエレベータ装置の動作を説明するための図である。具体的に、図4aは戸開走行したかご1を非常停止させた際のかご位置の時間変化を、図4bはその時のかご速度の時間変化を、図4cはその時のかご減速度の時間変化を示している。
図4a乃至図4cでは、表している状態量が異なるものの、E及びFは、それぞれ記号毎に、共通するシステム状態の状態量変化を表している。即ち、Eは正規の着床位置停止後にかご1が戸開走行を開始した状態で、ブレーキ装置7の制動力を制御しながらかご1を緩停止させた場合に対応する。FはEと同じ状態でブレーキ装置7に最大の制動力を生じさせ、かご1を急停止させた場合に対応する。なお、図4a乃至図4cの時間軸は共通しており、戸開走行を開始した点を戸開走行開始点とし、ブレーキ制御装置9によって所定の戸開走行状態が検出され、ブレーキ装置7による非常停止が開始された点を非常停止動作開始点としている。
図4a乃至図4cから分かるように、制動力の制御を中止してブレーキ装置7に最大の制動力を生じさせる(或いは、所定の方法によってブレーキ装置7の制動力を制御する)ことにより、かご1を緩停止させる場合と比較して、かご1の停止距離を大幅に短くすることができるようになる。したがって、エレベータ装置がリレベル動作中に非常停止状態に入った場合であっても、かご1を即座に停止させることができ、戸口とエレベータ乗場との間隔を十分に確保することができるようになる。
この発明の実施の形態1によれば、通常走行するかご1を非常停止させる場合にはかご1を緩停止させることができ、利用者に不快感を与えるような事態は発生しない。また、戸開走行するかご1を非常停止させる場合にはかご1を急停止させることができ、戸口とエレベータ乗場との間隔を十分に確保できるようになる。なお、上記実施の形態1においては、戸開走行判断部19をブレーキ制御装置9の内部に設けた場合について説明したが、同様の機能を有する手段を外部に設けても良い。また、例えば、制御装置8からの信号に戸開走行の判定信号に相当するものが含まれている場合には、その信号のみから所定の戸開走行状態を判断し、制御指令部13への伝達や安全リレー24の操作に反映させることも可能である。
実施の形態2.
所定の戸開走行状態のかご1を非常停止させる場合、有し得る最大速度V(以下、「戸開走行上限速度」という)は、次式によって算出できる。
Figure 2009008183
上記数式中の各定数及び、以下に示す数式中の各定数は、かご1の動作を基準とする。ここで、α(t)は時刻tを引数とするかご1の加速度、t1はリレベル動作開始時の時刻、t2は戸開走行判断部19が非常停止指令を出力した後にかご速度が最大となる時刻、Fmotは巻上機4の動力がかご1及びその連動する部位を加速する力の最大値、Fnubはかご1と釣合い重り2との重量不均衡が、かご1及びその連動する部位を加速する力の最大値、F(t)は時刻tを引数とするブレーキによる制動力の最小値である。また、各関数での引数tは、非常停止開始時を基準時刻0とした時刻である。なお、上記かご1に連動する部位とは、かご1、釣合い重り2、巻上機ロータ、ロープ等の駆動部分を指している。
また、次式は、非常停止指令が出力された後の力の平衡式であり、これにより上記t2が定められる。
Figure 2009008183
上記数式中には、巻上機4の動力を表す項Fmotが存在するが、非常停止動作時には、巻上機4の動力伝達を絶つことから、通常のエレベータではFmot=0とする。
また、t1は次式により定められる。
Figure 2009008183
なお、Mはかご1及びその連動する部位についての総慣性質量、Xはリレベル動作を開始してから戸開走行判断部19が非常停止指令を出力するまでのかご1の最大移動量である。
また、上記移動量(ずれ量)Xは通常短い距離であるため、上記式より戸開走行上限速度Vは小さい速度として算出される。このため、通常走行状態からの非常停止の場合には、かご1の初速度は、多くの場合で戸開走行上限速度Vよりも大きくなる(図3b参照)。また、戸開走行からの非常停止の場合には、かご1の初速度は、どのような場合においても戸開走行上限速度Vよりも小さくなる(図4b参照)。
したがって、戸開走行判断部19は、上記戸開走行上限速度Vを基準にして、かご1の所定の戸開走行状態を判断することも可能である。なお、この場合には、かご1の速度を検出する速度検出手段が必要になる。そして、戸開走行判断部19は、かご1を非常停止させる場合(例えば、制御装置8から非常停止指令が入力された場合やかご1が本来停止すべき時に走行を検出した場合)に、上記速度検出手段によって検出されたかご1の速度が、所定の速度以上、上記戸開走行上限速度V以下である場合には、戸開走行の可能性があるとして、かご1の速度が戸開走行上限速度Vよりも大きいと検出された場合よりもかご1の停止距離が短くなるように、ブレーキ装置7に制動力を生じさせる。即ち、かかる場合には、実際の戸開状態に関わらずかご1が所定の戸開走行状態にあると判断して、かご1を急停止させる。このような動作により、戸開閉検知センサ22からの信号等に基づく戸開状態の判定が不要になる。
なお、上記判断手法では、通常走行するかご1を非常停止させる場合であっても、戸開走行と判断されてかご1が急停止されるような事態も生じ得る。しかし、かかる場合、急停止される際のかご1は非常に小さい速度で走行していることになるため、停止までの時間は短く、制動力が十分に働く前にかご1を停止させることができる。したがって、利用者に対して不快感を与えるには至らない。
実施の形態3.
ブレーキ制御装置9は、制御装置8等から非常停止指令が発せられた場合に、戸開走行判断部19(戸開状態判定部20)によって所定の戸開状態が判定されると、戸開状態が検出されていない場合よりもかご1の停止距離が短くなるように、ブレーキ装置7に制動力を生じさせる。即ち、かかる場合には、実際のかご1の走行状態に関わらずかご1が所定の戸開走行状態にあると判断して、常にかご1を急停止させる。これにより、戸口とエレベータ乗場との間隔を十分に確保したままかご1を停止させることができるようになる。この発明の実施の形態3によれば、ブレーキ制御装置9は走行状態を判定する必要がなくなり、その構成を簡素化できるという利点を有する。
実施の形態4.
エレベータでは、通常走行時、戸は完全に閉鎖されている。しかし、エレベータでは、かご1の走行時にかご1内の乗客が故意に戸を開けてしまうような事態も想定される。かかる場合、エレベータでは、安全システムが作動し、かご1を非常停止する。
このような原因によって行われる非常停止に際し、実施の形態2で示した方法が適用されると、場合によっては、かご1が戸開状態のまま長い距離を走行してしまう恐れがあった。例えば、乗客によって故意に戸が開けられた時のかご1の速度が、戸開走行上限速度V等の所定速度以下である場合は、急停止のための制御が行われることによってかご1が短い停止距離で停止する。このため、特に問題が生じることはない。しかし、戸開時のかご1の速度が上記所定速度を超えている場合は、かご1を緩停止させるために特に制限なくブレーキ装置7の制動力が制御されるため、かご1が停止するまでの距離、即ち戸開走行距離が長くなることがあった。
一方、上記非常停止が行われる際に実施の形態3で示した方法が適用されると、戸開状態が判定された場合に、その時のかご1の速度に関係なく急停止のための制御が行われるため、必要以上に過大な減速度が生じてしまう恐れがあった。例えば、図1に示すような一般的なエレベータ、即ち、かご1と釣合い重り2とが主ロープ3によって釣瓶式に懸架される構成のエレベータでは、通常、回転している駆動綱車5を強制的に制動することにより、急停止が行われる。つまり、駆動綱車5を急制動することにより、駆動綱車5とこの駆動綱車5に巻き掛けられた主ロープ3との摩擦力を利用して、かご1を減速及び停止させている。
このため、かご1の非常停止時に、場合によっては、駆動綱車5と主ロープ3との間に滑りが発生することがあった。一般に、この滑りの量、即ち駆動綱車5の回転量と主ロープ3の移動量(進み量)との差は、かご1の速度が大きい程大きくなる。したがって、乗客によって戸が開けられた時のかご1の速度が大きい場合には、駆動綱車5と主ロープ3との間に発生する滑りによって、かご1の停止距離が長くなることがあった。
実施の形態4では、かご1を非常停止させる際のブレーキ装置7に対する制御を、エレベータの3つの状態に対応して適切に変更することにより、上述の問題を解消することを目的としている。以下に、この実施の形態におけるエレベータ装置の具体的な動作について説明する。
図5はこの発明の実施の形態4におけるエレベータ装置の動作の一部を示すフローチャートである。ブレーキ制御装置9では、制御装置8等から非常停止指令が発せられると(S101)、戸開走行判断部19において、先ず、戸の開閉状態を判定する(S102)。ここで、戸開状態判定部20によって所定の戸開状態が判定されない場合(S102のNo)、ブレーキ制御装置9は、第1のエレベータ状態(以下、「ケース1」という)に対応した制御を、ブレーキ装置7に対して行う。
一方、戸開状態判定部20によって所定の戸開状態が判定されると、戸開走行判断部19では、更に、かご1の速度が戸開走行上限速度Vよりも大きいか否かを判定する(S103)。ここで、走行状態判定部21によって、かご1の速度が戸開走行上限速度V以下であると判定された場合(S103のYes)、ブレーキ制御装置9は、第2のエレベータ状態(以下、「ケース2」ともいう)に対応した制御を、ブレーキ装置7に対して行う。また、走行状態判定部21によって、かご1の速度が戸開走行上限速度Vよりも大きいと判定された場合(S103のNo)、ブレーキ制御装置9は、第3のエレベータ状態(以下、「ケース3」ともいう)に対応した制御を、ブレーキ装置7に対して実施する。
以下に、ケース1乃至3においてブレーキ制御装置9が行う具体的な制御について説明する。
<ケース1(戸閉状態のかご1を非常停止させる場合)>
ブレーキ制御装置9は、かご1を緩停止させるために、特に制限なくブレーキ装置7の制動力を制御する。戸が完全に閉鎖されている状態であれば、かご1の停止距離が長くなっても特に問題になることはなく、また、停止距離に制限を設けると、かご1を緩停止させるという、ブレーキ装置7を制御する本来の目的に沿った効果を十分に得ることができない場合があるためである。
なお、終端階付近で、特に制限なく過度に緩やかにかご1を減速させると、かご1が昇降路の端部に進入し、緩衝器等の安全装置によってかご1が停止してしまうことも考えられる。かかる場合であっても、特に安全性に問題が生じることはない。しかし、上記安全装置を作動させないために、かご1を緩停止させる効果が得られる範囲で停止距離が長くなるのを制限しても良い。
<ケース2(所定の戸開状態で、且つ、戸開走行上限速度V等の所定速度以下で走行するかご1を非常停止させる場合)>
ブレーキ制御装置9は、かご1が必要十分に短い距離で停止することができるように、ブレーキ装置7の制動力を制御する、或いは、制動力の制御を中止してブレーキ装置7に最大の制動力を生じさせる。かかる場合、非常停止時のかご1の速度は小さいため、ブレーキ装置7の制動力が最大まで立ち上がる前にかご1は停止する。したがって、非常停止時に生じる減速度は小さく、駆動綱車5と主ロープ3との間に滑りは生じ難い。また、かご1の速度が遅いために、仮に上記両者間に滑りが発生したとしてもその滑り量は小さく、停止距離が長くなることはない。また、かご1を意図的に急減速させるため、戸口とエレベータ乗場との間には、十分な間隔が確保される。
<ケース3(所定の戸開状態で、且つ、戸開走行上限速度V等の所定速度を超える速度で走行するかご1を非常停止させる場合)>
ブレーキ制御装置9は、許容される距離内でかご1が停止するように停止距離を制限しつつ、駆動綱車5と主ロープ3との間に滑りが生じない減速度でかご1が減速するように、ブレーキ装置7の制動力を制御する。これは、戸が開いた状態で走行する距離に制限を加えて停止距離が長くなるのを防止するとともに、駆動綱車5と主ロープ3との間に生じる滑りによって停止距離が長くなるのを防止するためである。
このように、ブレーキ制御装置9(戸開走行判断部19)は、かご1の非常停止時に所定の戸開状態が判定された場合は、判定されない場合と比較して、かご1の停止距離が短くなるようにブレーキ装置7に制動力を生じさせる。また、所定の戸開状態が判定された場合であっても、かご1の速度が戸開走行上限速度V等の所定速度以下の場合は、上記所定速度を超える場合と比較して、かご1の停止距離が短くなるようにブレーキ装置7に制動力を生じさせる。
このような機能を有するため、上記ケース3では、ケース1と異なり、停止距離に制限を持たせている。以下に、停止距離に制限を設定する際の具体的方法について説明する。
図6(図6a乃至図6c)はこの発明の実施の形態4におけるエレベータ装置の動作を説明するための図である。具体的に、図6aはかご1を非常停止させた際のかご位置の時間変化を、図6bはその時のかご速度の時間変化を、図6cはその時のかご減速度の時間変化を示している。
図6a乃至図6cでは、表している状態量が異なるものの、A乃至Dは、それぞれ記号毎に、共通するシステム状態の状態量変化を表している。即ち、図中、Aは制動力の制御を行わずにブレーキ装置7に最大の制動力を生じさせ、かご1を急停止させた場合に対応する。Bは上記ケース3で行う制動力の制御をブレーキ装置7に対して行い、かご1を停止させた場合に対応する。また、Cは上記ケース1で行う制動力の制御をブレーキ装置7に対して行い、かご1を停止させた場合に対応する。
図6a乃至図6cからも分かるように、Bに示す場合は、かご1の停止距離に制限が設けられているため、その目標減速度は、Cにおける目標減速度よりも高い値に設定される。なお、制御指令部13は、B及びCの何れにおいても、設定されている目標減速度に実際の減速度が追従するように、ブレーキ装置7を制御する。したがって、非常停止時におけるかご1の速度変化は、CよりもBの場合の方が大きな傾き(図6bにおける傾斜)を有することとなり、Bの停止距離は、Cの停止距離よりも当然に短くなる。
なお、上記ケース2で行う制動力の制御をブレーキ装置7に対して行い、かご1を停止させた場合は、実施の形態1において図4を引用して説明したFの場合に対応する。このケース2において、戸口とエレベータ乗場との間に十分な間隔を確実に確保できる場合は、ケース3で示したような高い目標減速度を設定して、ブレーキ装置7の制動力を制御するように構成しても良い。
ケース3に示す停止距離の制限については、制御指令部13の動作により行っても良い。また、ブレーキ制御装置9が図2に示す構成を有する場合は、戸開走行判断部19等が安全リレー24を操作(制御)することによって、上記停止距離を制限する機能を実現しても良い。
以下に、図7乃至図9に基づいて、安全リレー24を開閉制御することによって停止距離を制限する場合の具体的方法とその効果について説明する。
図7(図7a乃至図7c)は非常停止時に安全リレーを制御して停止距離を制限する際の動作を説明するための図である。具体的に、図7aはかご1を非常停止させる際のかご位置の時間変化を、図7bはその時のかご速度の時間変化を、図7cはその時のかご減速度の時間変化を示している。図7a乃至図7cでは、表している状態量が異なるものの、A乃至D、及びB´は、それぞれ記号毎に、共通するシステム状態の状態量変化を表している。また、図7bには、境界線25と、斜線部26で示された、この境界線25よりも遅い速度領域とが示されている。なお、上記境界線25の詳細については後述する。
安全リレー24の開閉制御は、速度検出手段によって検出された現在のかご1の速度と、上記境界線25に示す速度とを比較した結果に基づいて行われる。具体的に、現在のかご1の速度が境界線25で示される速度よりも遅い場合は安全リレー24を閉路し、現在のかご1の速度が境界線25で示される速度よりも速い場合は安全リレー24を開路するように、戸開走行判断部19から安全リレー24に対して動作指令を出力する。
次に、図7a乃至図7cにおけるA乃至D、及びB´の各状態変化について説明する。
Aはかご1及び釣合い重り2の重量差が走行中のかご1に対して最も加速側に働く場合であって、制動力の制御が行われずにブレーキ装置7に最大の制動力を生じさせて、かご1を急停止させた場合に対応する。BはAの状態でトラクション能力が低下し、駆動綱車5と主ロープ3との間に滑りが発生した場合に対応する。即ち、Bはこのエレベータシステムにおいて、最もかご1が減速しない場合の状態を示している。なお、B´はかご1の状態量がBとなる時の駆動綱車5の状態量を示している。
Cはかご1及び釣合い重り2の重量差が走行中のかご1に対して減速側に働く場合であって、減速度が目標減速度に追従するようにブレーキ装置7の制動力を制御し、かご1を緩停止させた場合に対応する。ここで、Cにおいては、速度検出手段によって検出されたかご1の速度が、境界線25を越える、即ち境界線25で示される速度よりも速くなった場合は、安全リレー24を開放してブレーキ装置7に最大の制動力を生じさせることにより、かご1を減速させる。
なお、この境界線25は、上述のように最もかご1が減速しない場合の状態であるため、境界線25上の速度で走行するかご1を、上記最大の制動力で減速させても、図2のBに示す速度変化線を越えることはない。例えば、DはCのi点(Cにおいて、かご1の速度が境界線25を越えた点)で、このエレベータシステムにおける最もかご1が減速しない状態に陥った場合の状態量を示している。Dに示す場合であっても、かご1の速度がBを越えることはない。即ち、境界線25は、その各時刻に対応する境界線25上の所定速度からDに相当する速度変化線を想定した場合に、その速度がBの速度を超えないような各時刻と速度との関係として定められる。
このように設定された境界線25を基準にして安全リレー24を開閉制御することにより、かご1の速度を、このエレベータシステムにおいて最もかご1が減速しない場合の速度、或いはそれよりも低い速度に維持することができるようになり、非常停止時における停止距離は、Bに示す場合よりも確実に短くなる。即ち、エレベータの設計ではBに示すような停止距離の発生も予定されているところ、これより停止距離が短くなる場合には、ブレーキ装置7の制動力の制御による影響で予定外に長い停止距離が生じる恐れはない。
なお、境界線25を定める際には、その線上の各時刻に対する各速度を高めに設定することにより、その境界線25以下となる斜線部26が広く取れるようになる。これにより、安全リレー24を閉路してブレーキ装置7の制動力を緩和できる状態が大きくなり、本来の機能である減速度低減効果をよく発揮できる。
以上は、ブレーキ装置7に最大の制動力を生じさせた際に最もかご1が減速しない場合の速度を越えないように境界線25を設定して、停止距離を短くした場合の例である。
次に、図8に基づいて、境界線25の他の設定方法について説明する。
図8(図8a及び図8b)は非常停止時に安全リレーを制御して停止距離を制限する際の他の動作を説明するための図である。具体的に、図8は、ケース1において最もかご1が減速しない場合よりも長い停止距離を許容するが、所定距離の範囲内で停止してかご1の昇降路端部進入を防止するための安全リレー24の開閉操作の例を示している。ここに示す安全リレー24の開閉操作では、図8bの境界線27を基準に安全リレー24を開閉する。なお、図8bでは、境界線27よりも遅い速度領域を示す斜線部28が、台形を呈する場合について示している。
かかる場合、最もかご1が減速しない状態において、境界線27上で安全リレー24を開放してブレーキ装置7に最大の制動力を生じさせた場合、その速度変化は、例えば、F、F´、F´´に示すように生じる。このため、Eで示す速度変化線を越えるようなことはない。したがって、上記境界線27を基準として安全リレー24を開閉する場合、Eの状態量変化で生じる停止距離よりも短い距離で停止できることとなる。
更に、ケース2の場合に停止距離を制限するのではなく、ブレーキ装置7に最大の制動力を生じさせて停止する場合、図9bに示す境界線29を基準に、安全リレー24の開閉制御を行うことでも可能である。この境界線29は、非常停止動作開始点から速度0の大きさを有する。そして、その場合の停止時の状態変化は、図9にA、B、B´として示すように、図7におけるA、B、B´と同様となる。
以上から、本実施の形態の構成を有するエレベータでは、戸が閉じている場合の非常停止時にはかご1を十分緩い減速度で減速停止できる効果、並びに、戸開走行時には戸口とエレベータ乗場との間隔を十分に確保できる効果に加えて、走行中に戸が開いた場合の非常停止時には、停止距離に制限を設けて停止できるといった効果がある。
上記構成は、その適用が所定のエレベータ装置に限定されず、全てのエレベータ装置に対して適用することが可能である。

Claims (5)

  1. エレベータ昇降路内を昇降するかごと、
    通常運転における前記かごの着床時に、前記かごを停止させるブレーキ装置と、
    通常走行する前記かごを非常停止させる際に、前記かごの減速度を制御しながら、前記ブレーキ装置に制動力を生じさせる制御指令部と、
    前記かごの所定の戸開走行状態を判断した場合に、通常走行する前記かごを非常停止させる場合と比較して、前記かごの停止距離が短くなるように前記ブレーキ装置に制動力を生じさせる戸開走行判断部と、
    を備えたことを特徴とするエレベータ装置。
  2. 戸の開閉状態を検出する戸開閉状態検出手段と、
    かごの走行状態を検出する走行状態検出手段と、
    を備え、
    戸開走行判断部は、前記戸開閉状態検出手段の検出結果に基づいて所定の戸開状態が判定され、且つ、前記走行状態検出手段の検出結果に基づいて前記かごの所定の走行状態が判定された場合に、前記かごが戸開走行状態にあると判断することを特徴とする請求項1に記載のエレベータ装置。
  3. かごの速度を検出する速度検出手段と、
    を備え、
    戸開走行判断部は、前記かごを非常停止させる際に、前記速度検出手段によって検出された前記かごの速度が所定値よりも小さいと判断された場合に、戸開状態に関わらず、前記かごが戸開走行状態にあると判断することを特徴とする請求項1に記載のエレベータ装置。
  4. 戸の開閉状態を検出する戸開閉状態検出手段と、
    を備え、
    戸開走行判断部は、かごを非常停止させる際に、前記戸開閉状態検出手段の検出結果に基づいて所定の戸開状態が判定された場合に、前記かごの走行状態に関わらず、前記かごが戸開走行状態にあると判断することを特徴とする請求項1に記載のエレベータ装置。
  5. エレベータ昇降路内を昇降するかごと、
    通常運転における前記かごの着床時に、前記かごを停止させるブレーキ装置と、
    通常走行する前記かごを非常停止させる際に、前記かごの減速度を制御しながら、前記ブレーキ装置に制動力を生じさせる制御指令部と、
    戸の開閉状態を検出する戸開閉状態検出手段と、
    かごの速度を検出する速度検出手段と、
    前記戸開閉状態検出手段の検出結果及び前記速度検出手段の検出結果に基づいて、前記ブレーキ装置の制動力の制御を、前記かごを非常停止させる際のエレベータの状態に対応して変更させる戸開走行判断部と、
    を備え、
    前記戸開走行判断部は、
    所定の戸開状態が判定された場合に、前記所定の戸開状態が判定されない場合と比較して、前記かごの停止距離が短くなるように前記ブレーキ装置に制動力を生じさせるとともに、
    前記所定の戸開状態が判定され且つ前記かごの速度が所定値以下の場合は、前記所定の戸開状態が判定され且つ前記かごの速度が前記所定値を超える場合と比較して、前記かごの停止距離が短くなるように前記ブレーキ装置に制動力を生じさせることを特徴とするエレベータ装置。
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