JPWO2008072461A1 - 対物レンズ及び光ピックアップ装置 - Google Patents
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Abstract
低コストの樹脂材料を用いながら、温度変化による球面収差変化を低減し、且つ、既存の構成を変えずに光利用効率の向上を図るために、本発明に係る対物レンズ7は、樹脂材料からなる光ピックアップ装置用の対物レンズにおいて、当該対物レンズの温度が変化した際の収差変化を補正する機能を有する光路差付与構造を有し、かつ、当該対物レンズの像側開口数が0.8以上であり、h線404.7nmの光束に対する前記樹脂材料の屈折率をnhとしたとき、当該屈折率nhが下記式(A)の条件を満たす。1.6≦nh≦1.72 … (A)
Description
本発明は、樹脂材料からなる光ピックアップ装置用の対物レンズ及びその対物レンズを用いた光ピックアップ装置に関する。
従来から、光ピックアップ装置用の対物レンズの構成材料として、ガラスや樹脂の材料開発が進められているが、ガラスで対物レンズを製造しようとすると、素材そのものが高価である上に、ガラスは樹脂に比較して融点が高いので成形用金型の劣化が早く、製造コストが増加する。そのため、安価に製造可能でかつ製造コストも低減可能という理由で、対物レンズの構成材料として樹脂を用いることが強く望まれている。
しかしながら、樹脂はガラスに比べ温度変化による光学性能の変化が大きい。すなわち、樹脂材料は一般的に温度変化(温度上昇)に伴い屈折率が変動(低下)する為、球面収差が変化することとなる。このような収差変化は、トラッキングやフォーカシングのようなレンズ駆動によっては補償できない為、改善が望まれていた。
このような問題を解決するため、特許文献1に開示された技術では、対物レンズの光学面に回折構造を設け、温度変化による光源波長の変化を利用することで、対物レンズの温度が変化した際の屈折率変動による球面収差の変化を補償している。具体的には、光源の周辺温度が変化(上昇)する場合に発生する光源の波長変動(長波長側へのシフト)に伴う回折作用の変化による球面収差変化で、対物レンズの温度が変化(上昇)した際の屈折率変動による球面収差変化を相殺し、その結果として光学系における温度変化に伴う球面収差の発生を抑えている。
ところで、近年では、デジタル画像の高画素化や地上波デジタル放送の普及に伴い、Blu−Ray Disk(BD)と呼ばれる規格の高記録容量光ディスク(光情報記録媒体)が提案されている。それに伴い光ピックアップ装置では、380〜420nmという短波長の青紫色光を出射する光源と、像側開口数が0.8以上という高開口数の対物レンズとが、要求されている。
このような状況下において、BD規格の光ディスクの適用を想定すると、温度変化があってもその光源波長の変動が小さく(+30℃の温度変動で1.5nm程度の波長変動がある。)、特許文献1に開示された技術のように温度変化に伴う屈折率変動による球面収差変化を、波長変動に伴う回折作用の変化による球面収差変化で相殺するということができなくなり、光学系として温度変化に伴う球面収差の発生を十分に抑えきれないという問題を誘発する。
これに対し、対物レンズの光学面に特殊な回折構造を設けたり(特許文献2参照)、非周期位相構造(Non Periodic Phase Structure,以下「NPS」という。)と呼ばれる位相構造を設けたりして(特許文献3参照)、光源の波長変動に依存させずに、対物レンズにおける屈折率変動による球面収差変化自体の発生を抑制する技術も提案されている。
特開平11−337818号公報
特開2001−283459号公報
国際公開第02/41307号パンフレット
しかしながら、BD規格の光ディスクの適用を想定した場合に、特許文献2,3に開示された技術を適用したときでも、像側開口数が0.8以上の対物レンズにおける球面収差変化を十分に抑制する為には、輪帯数を増やす必要がある。そのため、対物レンズの製造時において金型から輪帯形状を樹脂に転写してその転写体を金型から離型しようとした場合に、輪帯形状が微細である故に樹脂材料が金型の輪帯形状の端部まで入り込まず、輪帯形状が設計通りに転写されなかったり、樹脂成型品の各輪帯同士で形状にバラツキ(いわゆる転写ダレ)が生じ、結果的に製造後の対物レンズにおいて設計通りの精度が保持されず、光利用効率が低下してしまう問題が発生した。
更に、像側開口数が0.8以上の対物レンズ(特にレンズの周辺部分)においては、従来の対物レンズと比較して入射面の曲率半径が小さくなる(曲率が大きくなる)為、入射光束が輪帯形状で遮られることで陰となる部分が生じ、光利用効率が低下してしまうことが判明した。
また、従来のDVD規格用の対物レンズにおいては光利用効率の波長依存性が問題となるレベルではなかったが、BD規格用の対物レンズでは光源波長の短波長化に伴い波長変化における光利用効率低下が無視できない。図5は、光源(半導体レーザ)の波長のばらつきも考慮した回折効率の温度依存性を示す図であり、同図に示すように±30℃以内で10%程度の回折効率の低下が観測されている。そのため、設計波長で光利用効率を70%以上に設定することが技術的な課題となっている。
本発明の目的は、BD規格の光ディスクの適用を想定した場合でも、低コストの樹脂材料を用いながら、温度変化による球面収差変化を低減でき、且つ、既存の構成を変えずに光利用効率の向上を図ることができる対物レンズを提供することである。
上記課題を解決するため第1の発明は、
樹脂材料からなる光ピックアップ装置用の対物レンズにおいて、
当該対物レンズの温度が変化した際の収差変化を補正する機能を有する光路差付与構造を有し、かつ、当該対物レンズの像側開口数が0.8以上であり、
h線404.7nmの光束に対する前記樹脂材料の屈折率をnhとしたとき、当該屈折率nhが下記式(A)の条件を満たすことを特徴としている。
樹脂材料からなる光ピックアップ装置用の対物レンズにおいて、
当該対物レンズの温度が変化した際の収差変化を補正する機能を有する光路差付与構造を有し、かつ、当該対物レンズの像側開口数が0.8以上であり、
h線404.7nmの光束に対する前記樹脂材料の屈折率をnhとしたとき、当該屈折率nhが下記式(A)の条件を満たすことを特徴としている。
1.6≦nh≦1.72 … (A)
上記第1の発明に係る対物レンズにおいては、
下記式(B)の条件を満たすのが好ましい。
上記第1の発明に係る対物レンズにおいては、
下記式(B)の条件を満たすのが好ましい。
(D×m×Rn)/(f×nh)<100 … (B)
上記式(B)中、「D」は当該対物レンズの光軸上の厚さであり、「m」はm=d(n−1)/λで表される回折次数であり、「Rn」は光線が透過する面の有効径内における光路差付与構造の輪帯数であり、「f」は使用波長(λ)における当該対物レンズの焦点距離である。上記「m=d(n−1)/λ」中、「d」は輪帯段差量であり、「n」は使用波長(λ)における媒質(当該対物レンズ)の屈折率であり、「λ」は使用波長である。
上記式(B)中、「D」は当該対物レンズの光軸上の厚さであり、「m」はm=d(n−1)/λで表される回折次数であり、「Rn」は光線が透過する面の有効径内における光路差付与構造の輪帯数であり、「f」は使用波長(λ)における当該対物レンズの焦点距離である。上記「m=d(n−1)/λ」中、「d」は輪帯段差量であり、「n」は使用波長(λ)における媒質(当該対物レンズ)の屈折率であり、「λ」は使用波長である。
第2の発明は、
第1の発明に係る対物レンズを有する光ピックアップ装置である。
第1の発明に係る対物レンズを有する光ピックアップ装置である。
本発明によれば、BD規格の光ディスクの適用を想定した場合でも、低コストの樹脂材
料を用いながら、温度変化による球面収差変化を低減でき、且つ、既存の構成を変えずに光利用効率の向上を図ることができる。
料を用いながら、温度変化による球面収差変化を低減でき、且つ、既存の構成を変えずに光利用効率の向上を図ることができる。
1 光ピックアップ装置
2 半導体レーザ発振器
3 コリメータ
4 ビームスプリッタ
5 1/4波長板
6 絞り
7 対物レンズ
71 入射面
72 出射面
73 光路差付与構造
8 センサーレンズ群
9 センサー
10 2次元アクチュエータ
D 光ディスク
D1 保護基板
D2 情報記録面
2 半導体レーザ発振器
3 コリメータ
4 ビームスプリッタ
5 1/4波長板
6 絞り
7 対物レンズ
71 入射面
72 出射面
73 光路差付与構造
8 センサーレンズ群
9 センサー
10 2次元アクチュエータ
D 光ディスク
D1 保護基板
D2 情報記録面
以下、図面を参照しながら本発明を実施するための最良の形態について説明する。ただし、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、発明の範囲は以下の実施形態及び図示例に限定されるものではない。
はじめに、本発明に係る光ピックアップ装置1について説明する。
図1は、光ピックアップ装置1の内部構造を示す模式図である。
図1に示す通り、光ピックアップ装置1には、光源としての半導体レーザ発振器2が具備されている。半導体レーザ発振器2は、BD用として波長380〜420nmの特定波長(例えば404.7nm)の青紫色レーザを出射するようになっている。半導体レーザ発振器2から出射される青紫色光の光軸上には、半導体レーザ発振器2から離間する方向に向かって、コリメータ3、ビームスプリッタ4、1/4波長板5、絞り6、対物レンズ7が順次配設されている。
ビームスプリッタ4と近接した位置であって、上述した青紫色光の光軸と直交する方向には、2組のレンズからなるセンサーレンズ群8、センサー9が順次配設されている。
対物レンズ7は、高密度な光ディスクD(BD用光ディスク)に対向した位置に配置されており、半導体レーザ発振器2から出射された青紫色光を光ディスクDの一面上に集光するようになっている。対物レンズ7には、2次元アクチュエータ10が具備されており、当該2次元アクチュエータ10の動作により、対物レンズ7は所定の範囲を移動自在となっている。
続いて、光ピックアップ装置1の作用について説明する。
光ピックアップ装置1は、光ディスクDへの情報の記録動作時や光ディスクDに記録された情報の再生動作時に、半導体レーザ発振器2から青紫色光を出射する。出射された青紫色光は、コリメータ3を透過して平行光にコリメートされた後、ビームスプリッタ4を透過して、1/4波長板5を透過する。さらに、当該青紫色光は絞り6及び対物レンズ7を透過した後、光ディスクDの保護基板D1を介して情報記録面D2に集光スポットを形成する。
集光スポットを形成した青紫色光は、光ディスクDの情報記録面D2で情報ピットによって変調され、情報記録面D2によって反射される。そして、この反射光は、対物レンズ7及び絞り6を順次透過した後、1/4波長板5によって偏光方向が変更され、ビームスプリッタ4で反射する。その後、当該反射光は、センサーレンズ群8を透過して非点収差が与えられ、センサー9で受光されて、最終的には、センサー9によって光電変換されることによって電気的な信号となる。
以後、このような動作が繰り返し行われ、光ディスクDに対する情報の記録動作や、光ディスクDに記録された情報の再生動作が完了する。
続いて、本発明に係る対物レンズ7について説明する。
図2は対物レンズ7の構造を示す断面図であり、図3はその変形例を示す図面である。
図2に示す通り、対物レンズ7は光の入射面71(半導体レーザ発振器2に対向する光学面)と出射面72(光ディスクDに対向する光学面)とが共に非球面で構成された単レ
ンズであって、像側開口数が0.8以上となっている。入射面71には光軸を中心として輪帯状を呈した光路差付与構造73(図2中拡大図参照)が形成されている。光路差付与構造73は温度変化時の対物レンズ7の収差変化を補正する機能を有するもので、対物レンズ7の入射面71では光路差付与構造73として断面形状が鋸歯状を呈した回折構造が形成されている。
ンズであって、像側開口数が0.8以上となっている。入射面71には光軸を中心として輪帯状を呈した光路差付与構造73(図2中拡大図参照)が形成されている。光路差付与構造73は温度変化時の対物レンズ7の収差変化を補正する機能を有するもので、対物レンズ7の入射面71では光路差付与構造73として断面形状が鋸歯状を呈した回折構造が形成されている。
なお、光路差付与構造73は図2の回折構造に限らず、図3に示すNPS構造であってもよい。
対物レンズ7は下記式(A)の条件を満たす樹脂材料で構成されている。
1.6≦nh≦1.72 … (A)
上記式(A)中、「nh」はh線404.7nmの光束に対する屈折率である。
上記式(A)中、「nh」はh線404.7nmの光束に対する屈折率である。
対物レンズ7はそのような樹脂材料で構成されている限り、その種類が特には制限されない。ここでいう「樹脂材料」とは、少なくとも樹脂を主成分とした材料を意味しており、「樹脂を主成分とした材料」とは、具体的には材料全体に対する樹脂の割合が50重量%より大きい材料を意味する。そのような樹脂材料としては、成形が容易であるという特性を鑑みて、射出成形が可能な材料であることが好ましい。
当該樹脂材料は、光ピックアップ装置用の対物レンズ7に求められる性能を向上させる目的で、特に制限なく添加剤を含有してもよいが、従来から短波長の光を受光するためのものであるため、耐光安定剤を含有することが好ましい。
また、当該樹脂材料は、樹脂を主成分とする限り、1種類の樹脂のみで構成するか又は複数種類の樹脂を混合して構成した樹脂単体であってもよいし、樹脂に無機粒子を分散させた有機無機複合体であってもよい。
樹脂に無機粒子を分散させる場合において、光ピックアップ装置用の対物レンズ7としての透明性を損なわせないためには、当該無機粒子は使用波長に対して粒径が十分に小さい必要があり、具体的には体積平均粒径が30nm以下であることが好ましい。十分に粒径の小さい無機粒子を樹脂に添加することで、透明性を保ちながら樹脂材料としての屈折率を調整したり、樹脂材料としての特性を所望の特性に調整することができる。
当該樹脂材料を構成するのに適用可能な樹脂としては、対物レンズ7を構成する樹脂材料として上記式(A)の条件を満たす限り制限はないが、樹脂単体で上記式(A)の条件を満たすことが困難である場合は、屈折率の高い無機粒子を樹脂に分散させることで、屈折率を所望の値に調整してもよい。
当該樹脂材料を構成するのに適用可能な樹脂としては、光学材料として一般的に用いられる透明樹脂であれば特に制限はない。上記式(A)の条件を満たす樹脂材料であれば、その樹脂材料は樹脂単体で構成されてもよいし、樹脂と公知の無機粒子との有機無機複合体で構成されてもよく、当該樹脂としては熱可塑性樹脂、硬化性樹脂の何れの樹脂を用いてもよい。
当該熱可塑性樹脂としては、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、あるいは熱可塑性ポリイミド系樹脂等が好適である。
当該硬化性樹脂としては、紫外線及び電子線照射、あるいは加熱処理の何れかの操作によって硬化し得るものが適用可能であり、例えば、原子の屈折率が高い硫黄原子を含有する樹脂を用いることができる。硬化性樹脂の一例としては、ポリチオール化合物とポリイソシアネート化合物の反応により得られるチオウレタン構造を有する硬化型樹脂があり、硬化組成物成分であるモノマーのポリチオール化合物として1分子中に4個の硫黄原子を有する分岐型ポリチオール化合物や1分子中に5個の硫黄原子を有する分岐型ポリチオール化合物、あるいは分子中にジチアン環構造を有するポリチオール化合物等を用いた樹脂や、エピスルフィド系樹脂などが挙げられる。
当該樹脂材料を樹脂と無機粒子との有機無機複合体で構成する場合には、当該無機粒子として酸化物粒子や半導体結晶組成の粒子等が適用可能である。
当該酸化物微粒子としては、例えば、酸化珪素、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化ハフニウム、酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化ストロンチウム、酸化バリウム、酸化イットリウム、酸化ランタン、酸化セリウム、酸化インジウム、酸化錫、酸化鉛、これら酸化物より構成される複酸化物であるニオブ酸リチウム、ニオブ酸カリウム、タンタル酸リチウム等、あるいは、リン酸塩、硫酸塩等、を挙げることができる。
当該半導体結晶組成の微粒子の組成例としては、例えば、炭素、ケイ素、ゲルマニウム、錫等の周期表第14族元素の単体、リン(黒リン)等の周期表第15族元素の単体、セレン、テルル等の周期表第16族元素の単体、炭化ケイ素(SiC)等の複数の周期表第14族元素からなる化合物、酸化錫(IV)(SnO2)、硫化錫(II、IV)(Sn(II)Sn(IV)S3)、硫化錫(IV)(SnS2)、硫化錫(II)(SnS)、セレン化錫(II)(SnSe)、テルル化錫(II)(SnTe)、硫化鉛(II)(PbS)、セレン化鉛(II)(PbSe)、テルル化鉛(II)(PbTe)等の周期表第14族元素と周期表第16族元素との化合物、窒化ホウ素(BN)、リン化ホウ素(BP)、砒化ホウ素(BAs)、窒化アルミニウム(AlN)、リン化アルミニウム(AlP)、砒化アルミニウム(AlAs)、アンチモン化アルミニウム(AlSb)、窒化ガリウム(GaN)、リン化ガリウム(GaP)、砒化ガリウム(GaAs)、アンチモン化ガリウム(GaSb)、窒化インジウム(InN)、リン化インジウム(InP)、砒化インジウム(InAs)、アンチモン化インジウム(InSb)等の周期表第13族元素と周期表第15族元素との化合物(あるいはIII−V族化合物半導体)、硫化アルミニウム(Al2S3)、セレン化アルミニウム(Al2Se3)、硫化ガリウム(Ga2S3)、セレン化ガリウム(Ga2Se3)、テルル化ガリウム(Ga2Te3)、酸化インジウム(In2O3)、硫化インジウム(In2S3)、セレン化インジウム(In2Se3)、テルル化インジウム(In2Te3)等の周期表第13族元素と周期表第16族元素との化合物、塩化タリウム(I)(TlCl)、臭化タリウム(I)(TlBr)、ヨウ化タリウム(I)(TlI)等の周期表第13族元素と周期表第17族元素との化合物、酸化亜鉛(ZnO)、硫化亜鉛(ZnS)、セレン化亜鉛(ZnSe)、テルル化亜鉛(ZnTe)、酸化カドミウム(CdO)、硫化カドミウム(CdS)、セレン化カドミウム(CdSe)、テルル化カドミウム(CdTe)、硫化水銀(HgS)、セレン化水銀(HgSe)、テルル化水銀(HgTe)等の周期表第12族元素と周期表第16族元素との化合物(あるいはII〜VI族化合物半導体)、硫化砒素(III)(As2S3)、セレン化砒素(III)(As2Se3)、テルル化砒素(III)(As2Te3)、硫化アンチモン(III)(Sb2S3)、セレン化アンチモン(III)(Sb2Se3)、テルル化アンチモン(III)(Sb2Te3)、硫化ビスマス(III)(Bi2S3)、セレン化ビスマス(III)(Bi2Se3)、テルル化ビスマス(III)(Bi2Te3)等の周期表第15族元素と周期表第16族元素との化合物、酸化銅(I)(Cu2O)、セレン化銅(I)(Cu2Se)等の周期表第11族元素と周期表第16族元素との化合物、塩化銅(I)(CuCl)、臭化銅(I)(CuBr)、ヨウ化銅(I)(CuI)、塩化銀(AgCl)、臭化銀(AgBr)等の周期表第11族元素と周期表第17族元素との化合物、酸化ニッケル(II)(NiO)等の周期表第10族元素と周期表第16族元素との化合物、酸化コバルト(II)(CoO)、硫化コバルト(II)(CoS)等の周期表第9族元素と周期表第16族元素との化合物、四酸化三鉄(Fe3O4)、硫化鉄(II)(FeS)等の周期表第8族元素と周期表第16族元素との化合物、酸化マンガン(II)(MnO)等の周期表第7族元素と周期表第16族元素との化合物、硫化モリブデン(IV)(MoS2)、酸化タングステン(IV)(WO2)等の周期表第6族元素と周期表第16族元素との化合物、酸化バナジウム(II)(VO)、酸化バナジウム(IV)(VO2)、酸化タンタル(V)(Ta2O5)等の周期表第5族元素と周期表第16族元素との化合物、酸化チタン(TiO2、Ti2O5、Ti2O3、Ti5O9等)等の周期表第4族元素と周期表第16族元素との化合物、硫化マグネシウム(MgS)、セレン化マグネシウム(MgSe)等の周期表第2族元素と周期表第16族元素との化合物、酸化カドミウム(II)クロム(III)(CdCr2O4)、セレン化カドミウム(II)クロム(III)(CdCr2Se4)、硫化銅(II)クロム(III)(CuCr2S4)、セレン化水銀(II)クロム(III)(HgCr2Se4)等のカルコゲンスピネル類、バリウムチタネート(BaTiO3)等が挙げられる。
G.Schmidら;Adv.Mater.,4巻,494頁(1991)に報告されている(BN)75(BF2)15F15や、D.Fenskeら;Angew.Chem.Int.Ed.Engl.,29巻,1452頁(1990)に報告されているCu146Se73(トリエチルホスフィン)22のように構造の確定されている半導体クラスターも同様に例示される。
続いて、対物レンズ7の製造方法について説明する。
対物レンズ7の製造方法としては、従来の樹脂材料の成形に用いられる方法を特に制限なく用いることができる。
樹脂材料を樹脂単体で構成する場合にはそのまま成形工程の処理を実行すればよい(下記参照)が、樹脂材料を有機無機複合体で構成する場合には成形前に樹脂と無機粒子とを混合する。
樹脂材料を有機無機複合体で構成する場合において、樹脂として熱可塑性樹脂を適用してその熱可塑性樹脂に無機粒子を混合するときには、溶融混練装置でせん断力を与えながら熱可塑性樹脂と無機粒子とを混合するのがよい。このとき、熱可塑性樹脂の酸化による機能低下を防ぐため、Ar、N2等の不活性ガス雰囲気下で操作する事が好ましい。
他方、樹脂として硬化性樹脂を適用してその硬化性樹脂に無機粒子を混合する場合には、例えば有機無機複合体の構成成分の性状が液体状であるときには、硬化性樹脂と無機粒子との各成分を所定量配合し、その後に溶解混合するか、又はミキサーやブレンダー等で均一に混合し、その後にニーダーやロール等で適当な温度で加熱混練して液体状の有機無機複合体を得ることができる。有機無機複合体の構成成分の性状が固体状であるときには、硬化性樹脂と無機粒子との各成分を所定量配合し、その後にミキサーやブレンダー等で均一に混合し、その後にニーダーやロール等で加熱混練したものを冷却固化した後粉砕して、固体状の有機無機複合体を得ることができる。
熱可塑性樹脂の樹脂単体を用いて、又は熱可塑性樹脂と無機粒子との有機無機複合体を用いて対物レンズ7を成形する方法としては、特に制限されるものではないが、低複屈折性、機械強度、寸法精度等の特性に優れた成形物を得る為には溶融成形が好ましい。溶融成形法としては、例えば、市販のプレス成形、市販の押し出し成形、市販の射出成形等が挙げられるが、射出成形が成形性、生産性の観点から好ましい。
成形条件は使用目的又は成形方法により適宜選択されるが、例えば、射出成形における樹脂材料(熱可塑性樹脂の樹脂単体又は熱可塑性樹脂と無機粒子との有機無機複合体)の温度は、150℃〜400℃の範囲が好ましく、200℃〜350℃の範囲が更に好ましく、200℃〜330℃の範囲が特に好ましい。このような温度範囲で成形を行えば、成形時に適度な流動性を当該樹脂材料に付与して成形品のヒケやひずみを防止したり、樹脂材料の熱分解によるシルバーストリークの発生を防止したり、更には成形物の黄変を効果的に防止することができる。
一方、硬化性樹脂の樹脂単体を用いて、又は硬化性樹脂と無機粒子との有機無機複合体を用いて対物レンズ7を硬化・成形する方法についても特に制限されるものではなく、硬化性樹脂が紫外線及び電子線硬化性の場合は、透光性の所定形状の金型等に樹脂材料を充填し、その後に紫外線及び電子線を照射して硬化・成形させればよい。硬化性樹脂が熱硬化性の場合は、圧縮成形、トランスファー成形、射出成形等により硬化・成形することができる。
以上の構成を具備する対物レンズ7は下記の特性を有しており、その特性が対物レンズ7の特徴部分となっている。
第1の特性として、h線404.7nmの光束に対する屈折率であって対物レンズ7を構成する樹脂材料の屈折率をnhとしたとき、当該屈折率nhが下記式(A)の条件を満たしている。
1.6≦nh≦1.72 … (A)
第2の特性として、下記式(B)の条件を満たしている。
第2の特性として、下記式(B)の条件を満たしている。
(D×m×Rn)/(f×nh)<100 … (B)
上記式(B)中、「D」は対物レンズ7の光軸上の厚さであり(図2参照)、「m」はm=d(n−1)/λで表される回折次数であり、「Rn」は光線が透過する面の有効径内における光路差付与構造73の輪帯数であり、「f」は使用波長(λ)における対物レンズ7の焦点距離である。
上記式(B)中、「D」は対物レンズ7の光軸上の厚さであり(図2参照)、「m」はm=d(n−1)/λで表される回折次数であり、「Rn」は光線が透過する面の有効径内における光路差付与構造73の輪帯数であり、「f」は使用波長(λ)における対物レンズ7の焦点距離である。
上記「m=d(n−1)/λ」中、「d」は輪帯段差量であり(図2中拡大図参照)、「n」は使用波長(λ)における媒質(対物レンズ7)の屈折率であり、「λ」は使用波長である。「輪帯段差量(単に段差量ともいう)」とは、図2中の拡大図に示されるように、隣り合う輪帯の間の段差部における光軸方向の距離を意味する。
以上の本実施形態に係る対物レンズ7によれば、BD規格の光ディスクの適用を想定した場合でも、低コストの樹脂材料を用いながら、温度変化による球面収差変化を低減でき、且つ、既存の構成を変えずに光利用効率の向上を図ることができる(下記実施例参照)。
本実施例では、複数のBD専用対物レンズを作製し(下記実施例1,2及び比較例参照)、各対物レンズの光利用効率を算出した。
[実施例1]
(1)製造方法
純水160cc、エタノール560cc、アンモニア水(25%)30ccの混合溶液にアルミナ(日本アエロジル社製Aluminium Oxide C)を10g加えて作製した懸濁液を、ウルトラアペックスミル(壽工業株式会社)を用いて分散し、アルミナ粒子の分散液を得た。その後、この分散液を撹拌しながら、その分散液に対し、テトラエトキシシラン(信越化学社製LS−2430)76cc、水16cc、エタノール56ccの混合溶液を8時間かけて滴下した。さらに、滴下終了後の分散液を1時間攪拌し続けたところで、アンモニア水を用いてその分散液のpHを10.4まで上げ、室温で15時間攪拌を行った。
[実施例1]
(1)製造方法
純水160cc、エタノール560cc、アンモニア水(25%)30ccの混合溶液にアルミナ(日本アエロジル社製Aluminium Oxide C)を10g加えて作製した懸濁液を、ウルトラアペックスミル(壽工業株式会社)を用いて分散し、アルミナ粒子の分散液を得た。その後、この分散液を撹拌しながら、その分散液に対し、テトラエトキシシラン(信越化学社製LS−2430)76cc、水16cc、エタノール56ccの混合溶液を8時間かけて滴下した。さらに、滴下終了後の分散液を1時間攪拌し続けたところで、アンモニア水を用いてその分散液のpHを10.4まで上げ、室温で15時間攪拌を行った。
その後、遠心分離を用いて上記分散液中からアルミナ粒子を分離し、190℃で5時間加熱して乾燥を行い、白色粉末状の無機粒子を得た。得られた無機粒子5質量部に対し、メタノール300質量部と1モル%の硝酸水溶液とを添加し、この混合液を50℃で撹拌しながら、その混合液に対しメタノール100質量部とシクロペンチルトリメトキシシラン6質量部との混合液を60分かけて滴下し、その後さらに当該分散液を24時間撹拌した。得られた透明な分散液を酢酸エチルに懸濁させ、その懸濁液に対し遠心分離を行い、表面改質した白色の無機粒子を得た。
次に、上記無機粒子を、溶融した36質量部のポリカーボネート樹脂(帝人化成社製パンライトAD5503)に添加し、溶融混練によりポリカーボネート樹脂に上記無機粒子を分散させ、樹脂と無機粒子との有機無機複合体を作製した。混練条件は、混練装置としてHAAKE社製混練装置を用い、混練温度を200℃と、混練回転数を30rpm(round per minute)と、混練時間を無機粒子の添加終了後の5分間とした。得られた樹脂と無機粒子との有機無機複合体を溶融させて加熱成型し、厚さ3mmの試験用プレートを作製した。当該試験用プレートを「実施例1」とした。
なお、カルニュー光学工業(株)製の自動屈折計KPR−200を用いて、実施例1の樹脂材料(有機無機複合体)のh線404.7nmの屈折率nhを測定したところ、nh=1.61であった。
(2)レンズデータ
実施例1の対物レンズのレンズデータを表1に示す。
(2)レンズデータ
実施例1の対物レンズのレンズデータを表1に示す。
なお、実施例1では、焦点距離が1.764mmで、像側開口数が0.85で、基準波長が405nmである。
表1上段中、面番号「2,3」が対物レンズの面を示し、面番号「4」が光ディスクの面を示す。「ri」は第i面の曲率半径を表し、「di」は第i面から第(i+1)面までの変位を表し、「ni」は第i面の波長404.7nmの光に対する屈折率を表す。
対物レンズの入射面(光源側光学面,第2面)及び出射面(光ディスク側の光学面,第3面)は、数式1に対し表1に示す係数を代入した数式で規定される、光軸の周りに軸対称な非球面に形成されている。
数式1中、「x」は光軸方向の軸(光の進行方向を正とする)を表し、「κ」は円錐係数を表し、「A2i」は非球面係数を表し、「h」は光軸に垂直な方向の高さを表す。
第2面の回折構造は、この構造により透過波面に付加される光路差で表される。かかる光路差は、「H(mm)」を光軸に垂直な方向の高さと、「B2i」を光路差関数係数とするとき、数式2に表1に示す係数を代入して定義される「光路差関数Φ(H)(mm)」で表される。
[実施例2]
(1)製造方法
実施例1の樹脂をフルオレン系樹脂(大阪ガスケミカル社製OKP4)に変更した。それ以外は、実施例1の製造方法と同様にして厚さ3mmの試験用プレートを作製し、これを「実施例2」とした。
(1)製造方法
実施例1の樹脂をフルオレン系樹脂(大阪ガスケミカル社製OKP4)に変更した。それ以外は、実施例1の製造方法と同様にして厚さ3mmの試験用プレートを作製し、これを「実施例2」とした。
なお、カルニュー光学工業(株)製の自動屈折計KPR−200を用いて、実施例2の樹脂材料(有機無機複合体)のh線404.7nmの屈折率nhを測定したところ、nh=1.66であった。
(2)レンズデータ
実施例2の対物レンズのレンズデータを表2に示す。
(2)レンズデータ
実施例2の対物レンズのレンズデータを表2に示す。
なお、実施例2では、焦点距離,開口数,基準波長がすべて実施例1のそれと同様であり、当該対物レンズの入射面や出射面,第2面の回折構造は実施例1で説明したのと同様の意味を有しており、当該対物レンズを特徴付ける文字等も実施例1と同様の意味を有している。
[比較例]
比較例の対物レンズのレンズデータを表3に示す。
比較例の対物レンズのレンズデータを表3に示す。
なお、比較例では、焦点距離,開口数,基準波長がすべて実施例1のそれと同様であり、当該対物レンズの入射面や出射面,第2面の回折構造は実施例1で説明したのと同様の意味を有しており、当該対物レンズを特徴付ける文字等も実施例1と同様の意味を有している。
[回折効率,光利用効率の算出]
上記実施例1,2及び比較例の各対物レンズの光利用効率を下記の通り算出し、その算出結果を各対物レンズの特性等と併せて表4に示す。
(1)成形時の転写不足を考慮した回折効率(%)の算出
反射による損失を無視したm次の回折効率ηmは数式3,数式4で表現される。
上記実施例1,2及び比較例の各対物レンズの光利用効率を下記の通り算出し、その算出結果を各対物レンズの特性等と併せて表4に示す。
(1)成形時の転写不足を考慮した回折効率(%)の算出
反射による損失を無視したm次の回折効率ηmは数式3,数式4で表現される。
数式3,数式4中、「φ」は回折格子の持つ位相関数であり、数式5で表現される。
ここで、図4に示す通り、回折のブレーズ形状の先端が「r」という転写不良をもっている場合には、数式3は数式6で表される。
段差形状によって付与される設計時の位相をAとしたとき、転写不足を考慮した場合の位相Bは下記式で計算される。
位相B=d’/(λ/1000/(n−1)) … (X)
上記式(X)中、「d’」は位相付与に寄与する段差量(μm)であり、「λ」は使用波長(nm)であり、「n」は使用波長λにおける媒質屈折率である。
上記式(X)中、「d’」は位相付与に寄与する段差量(μm)であり、「λ」は使用波長(nm)であり、「n」は使用波長λにおける媒質屈折率である。
このとき、回折効率ηmは数式7,数式8により計算される。
すなわち、転写不良部分の形状を測定により求め、形状誤差量を理想形状より差し引いた際の位相寄与の積分を計算すると、成形時の転写不足を考慮した回折効率が算出できる。
(2)レンズ透過後の光利用効率(%)の算出
実施例1、実施例2及び比較例の各対物レンズの分光透過率に上記回折効率を積算し、その値を光利用効率とした。
(2)レンズ透過後の光利用効率(%)の算出
実施例1、実施例2及び比較例の各対物レンズの分光透過率に上記回折効率を積算し、その値を光利用効率とした。
なお、実施例1、実施例2、比較例の樹脂材料は消衰係数(k)が6.086×10−07であり、実施例1の対物レンズの分光透過率は87.1%(h線)であり反射防止コート成膜後は90%(h線)であった。実施例2の対物レンズの分光透過率は85.9%(h線)であり反射防止コート成膜後は89%(h線)であった。比較例の対物レンズの分光透過率は88.3%(h線)であり反射防止コート成膜後は91%(h線)であった。
表4中、「D」は各対物レンズの光軸上の厚さであり、「m」はm=d(n−1)/λで表される回折次数であり、「Rn」は光線が透過する面の有効径内における光路差付与構造の輪帯数であり、「nh」はh線404.7nmの屈折率であり、上記「m=d(n−1)/λ」中、「d」は輪帯段差量であり、「n」は使用波長(λ)における媒質(各対物レンズ)の屈折率であり、「λ」は使用波長である。
表4中、「ΔT=+30℃」は温度が30℃上昇したという意味であり、「Δλ=1.5nm」は使用波長が1.5nm変動したという意味であり、「WFE(Wave Front Error)」は波面収差(λ)である。
「最大段差量」は光路差付与構造の各輪帯の段差量のなかで最大のものであり、「最小輪帯幅」は光路差付与構造の各輪帯の幅のなかで最小のものであり、「形状誤差」は金型と樹脂成型品(対物レンズ)との形状のズレ量を意味するものである。
表4に示す通り、実施例1,2の対物レンズと比較例の対物レンズとを比較すると、ΔT=+30℃、Δλ=1.5nmのWFEの欄に示される通り、温度変化による波面収差の変化は実施例1,2及び比較例の各対物レンズでともに十分に補正されているが、比較例の対物レンズは、nhが上記式(A)の条件から外れていることで、波面収差の変化を抑えるのに必要な輪帯数(「Rn」に相当する。)が大きくなり、結果として、光利用効率が70%を下回っている。光ピックアップ装置用の対物レンズとしては、光利用効率は少なくとも70%よりも大きい必要があり、比較例の対物レンズは用いることができない。
これに対し、実施例1,2の対物レンズはnhが上記式(A)の条件を満たしており、その結果、比較例の対物レンズより輪帯数(「Rn」に相当する。)が少なく、光利用効率が70%を上回っている(表4中太字参照)。また、対物レンズの既存の構成を変えずに光利用効率の向上を図る上では、更に、上記式(B)の条件を満たすのが有用であることがわかる。
また、SEM(Scanning Electron Microscope)測定から、対物レンズの見込み角が大きくなると光路差付与構造中の輪帯の段差量(表4中「d」に相当する。)の形状誤差が大きくなることがわかった。
これに着目して実施例1,2の対物レンズと比較例の対物レンズとを比較すると、表4に示す通り、nhが1.6以上である実施例1,2の対物レンズは比較例の対物レンズより形状誤差が低減している。形状誤差が低減している理由には、有効径周辺部分での面形状が大きく関係し、有効径周辺部分で面形状の傾きが緩やか、すなわち見込み角が小さいほうが形状誤差は小さくなる。「見込み角」とは、光線が光学面の有効径の端部で当該光学面と交わる点における法線と光軸とが交わる角度である(図2参照)。実施例1,2、比較例共に、光軸からの高さh=1.5mmでの見込み角は、実施例1が63.3°、実施例2が62.1°、比較例が65.2°である。以上から、上記式(A)の条件を満たすことは、形状誤差の低減に有用であり、結果的に光利用効率の向上につながっていることがわかる。
Claims (3)
- 樹脂材料からなる光ピックアップ装置用の対物レンズにおいて、
当該対物レンズの温度が変化した際の収差変化を補正する機能を有する光路差付与構造を有し、かつ、当該対物レンズの像側開口数が0.8以上であり、
h線404.7nmの光束に対する前記樹脂材料の屈折率をnhとしたとき、当該屈折率nhが下記式(A)の条件を満たすことを特徴とする対物レンズ。
1.6≦nh≦1.72 … (A) - 下記式(B)の条件を満たすことを特徴とする請求の範囲第1項に記載の対物レンズ。
(D×m×Rn)/(f×nh)<100 … (B)
(上記式(B)中、「D」は当該対物レンズの光軸上の厚さであり、「m」はm=d(n−1)/λで表される回折次数であり、「Rn」は光線が透過する面の有効径内における光路差付与構造の輪帯数であり、「f」は使用波長(λ)における当該対物レンズの焦点距離である。上記「m=d(n−1)/λ」中、「d」は輪帯段差量であり、「n」は使用波長(λ)における媒質(当該対物レンズ)の屈折率であり、「λ」は使用波長である。) - 請求の範囲第1項又は第2項に記載の対物レンズを有することを特徴とする光ピックアップ装置。
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