JPWO2008044504A1 - 舌癌の判定方法 - Google Patents

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Abstract

舌癌の悪性度を客観的かつ正確に判定することが可能な舌癌の判定方法と、舌癌組織検体の分析方法と、舌癌組織検体の分析用キットとを提供する。舌癌組織検体におけるインテグリンファミリー遺伝子及び対照遺伝子のmRNA量を測定し、インテグリンファミリー遺伝子のmRNA量/対照遺伝子のmRNA量の比により舌癌の悪性度を判定することを特徴とする舌癌の判定方法と、舌癌組織検体におけるインテグリンファミリー遺伝子及び対照遺伝子のmRNA量を測定するステップと、インテグリンファミリー遺伝子のmRNA量/対照遺伝子のmRNA量の比を臨床データと関連づけるステップとを含むことを特徴とする舌癌組織検体の分析方法と、舌癌組織検体の分析用キットとを提供する。

Description

本発明は、舌癌の悪性度を判定する舌癌の判定方法に関する。
舌癌は口腔癌の中で最も頻度が高く、リンパ節転移も高頻度で認められ、またその5年生存率は、転移陰性症例で50%前後、後発転移を含む陽性症例では11%前後との報告もある(非特許文献1)。また、臨床経過において他の部位を原発とする口腔扁平上皮癌と比べて早期に転移を起こす傾向がある。そのため、腫瘍の大きさに関わらず、舌癌の悪性度を正確に判定し、それに基づいた治療方針を決定することは癌の制御という観点からのみならず、治療後の摂食嚥下や発音の障害によって影響されるQOLの観点からも重要である。
そして、従来、舌癌の予後の推定因子として、病理組織学的な分化度(非特許文献2)、浸潤性(非特許文献2)、リンパ節転移(非特許文献2及び3)、原発巣の大きさ(非特許文献2)、血清中の腫瘍マーカー(非特許文献4)、などが使用されている。
Jan Nyman et al.Prognotic factors for local control and survival of cancer of the oral tongue .ActOncologia;1993:667-73 Kurokawa H et al.The high prognostic valueof the histologic grade at the deep invasive front of tongue squamous cell carcinoma .J Oral Pathol Med2005;34:329-33 Okamoto M et al.Prediction of delayed neck metastasis in patients with stage I/II squamous cell carcinoma of the tongue.J Oral Pathol Med2002;15:227-233 Xin Huang et al.Serum proteomics study of the squamous cell carcinoma antigen1 in tongue cancer.J.oraloncology.2006 Jan;42(1):25-30.
しかし、病理組織学的検査方法は、癌組織の形態分析によって、口腔癌の存在を把握できるが、その生物学的性質に関する客観的情報と信頼性は乏しく、実際の治療法決定上において、生物学的性質(悪性度)が極めて多岐にわたる口腔癌の個別的情報源としては十分な検査方法ではなかった。
そして、腫瘍マーカーを用いた検査方法は、客観的な定量データであるものの、検査時の病態把握に留まり、偽陽性あるいは偽陰性の頻度が高く、治療法を決定するための情報としての信頼性は不十分であった。
そこで、近年、分子レベルで腫瘍の性格を特徴付けられるバイオマーカーの実用化が期待されているが、具体的な判定システムの構築はいまだ途上にある。
現在、口腔癌の分子生物学的バイオマーカーの候補としてマトリックスメタプロテナーゼ(matrix metalloproteinase)ファミリー、カドヘリン(cadherin)ファミリー、インテグリン(integrin)ファミリー、などが挙げられている。上記の如く、舌癌の予後・転帰は疫学的にリンパ節転移の数と深い関係があり、腫瘍の悪性度を予測する上で単純かつ現実的な指標である。
したがって、前述の組織改造、細胞接着、細胞運動または脈管新生などに関与する適切な分子をバイオマーカーとして用いることにより、転移を来たしていない、さらに早期の段階における舌癌悪性度の精密判定が可能となる。そして、早期に癌の生物学的性質を精密に把握することは、それに応じた最適の治療を可能にし、もたらされる恩恵は非常に大きい。
しかし、従来、遺伝子発現レベルを用いた舌癌の悪性度判定の実用例はない。
そこで、本発明は、インテグリンファミリー遺伝子をバイオマーカーとして用い、インテグリンファミリー遺伝子のmRNA量を測定することにより、より客観的かつ正確に舌癌の悪性度を判定することが可能な舌癌の判定方法を提供することを目的とする。
本発明者らが先立って行った口腔扁平上皮癌のマイクロアレイ遺伝子発現解析の結果において、インテグリンα3とインテグリンβ4は転移陽性腫瘍において有意に高い発現傾向を示した。
インテグリン(ITG)はα鎖とβ鎖からなる細胞膜貫通型のヘテロダイマーの構造を持ち、細胞質と細胞外マトリックスをつなぐ受容体である。細胞膜表面のITGはフィブロネクチン、コラーゲンやラミニンなどの細胞外基質蛋白、もしくは血小板や白血球の接着に関与する受容体として、スーパーファミリーを形成する。現在のところITGはヒトで、α鎖の18種、β鎖の8種がクローニングされており、α鎖とβ鎖が組み合わされた受容体として24種が確認されている。それぞれのレセプターの細胞外ドメイン(domain)は特定の細胞外マトリックスに特異的な結合を形成する。α鎖、β鎖はともに90%が細胞外ドメインで、残りの短い細胞内ドメインにはタリン、パキシリン、α-アクニチンといった細胞内アンカー蛋白を介して細胞骨格のアクチンファイバーが結合する。細胞外リガンドと細胞骨格とを結びつける接着分子としての働きとともに、細胞外マトリックスからのシグナリングに対し、チロシンリン酸化、細胞内カルシウム濃度の変化、イノシトールリン脂質合成、サイクリン合成、初期遺伝子発現を引き起こすことで細胞運動、細胞の増殖・分化・アポトーシスに関与することが知られている。その他、ITGとリガンド間の反応をブロックすることによる細胞分化やアポトーシスの抑制が報告されている。腫瘍組織においては、高い浸潤・転移能に対応してITG分子の分布の規則性が失われることが知られている。これらを考え合わせるとITGの仲介する接着とシグナリングの不秩序化は腫瘍細胞の発生、増殖、アポトーシス、運動性、浸潤性といった病態にさまざまの形で関与することが予想される。
そこで、本発明者らは、先立つマイクロアレイ遺伝子発現解析の結果に基づき、舌扁平上皮癌の転移性や生命予後のバイオマーカー候補分子としてインテグリンファミリー遺伝子に着目した。これまでに、腫瘍細胞における接着、運動、分化の制御機能への関与が記述されてきたITGα−1、−2、−3、−5、−6、−vおよびITGβ−1、−3、−4、−5、−6についてリアルタイムPCR法を用いた遺伝子発現定量解析を行った。
ところで腫瘍組織は、腫瘍細胞と、周囲の癌間質(cancer stroma)にある繊維芽細胞、炎症系細胞など多様な細胞とを含む細胞構成を有している。したがって、癌組織の細胞構成が、定量される遺伝子のmRNA量を大きく左右することが予想される。そのため、適切な遺伝子のmRNA量によるITG遺伝子発現レベルの標準化がバイオマーカーの解析において重要である。標準化に用いる分子の候補としては、いわゆるハウスキーピング遺伝子のみならず、上皮細胞骨格をコードするKRT5、アンカー蛋白質をコードするJUP、PLEC1、PXN、ITGに対するリガンド(Ligand)分子をコードするLAMA3、LAMA4、LAMA5、Col1A1、VTNを同様に定量した。そして、機能的あるいは組織内局在の側面から関連する遺伝子のmRNA量でITG遺伝子のmRNA量を標準化することによって、上記の臨床検体のばらつきに起因する問題点の回避を試みた。
このように、上記課題に鑑みて鋭意検討した結果、インテグリンファミリー遺伝子と対照遺伝子のmRNA量を測定し、両者の比により、インテグリンファミリー遺伝子のmRNA量を標準化した数値により、舌癌の悪性度を客観的かつ正確に判定できることを見出し、本発明に想到した。
本発明は、舌癌組織検体におけるインテグリンファミリー遺伝子及び対照遺伝子のmRNA量を測定し、インテグリンファミリー遺伝子のmRNA量/対照遺伝子のmRNA量の比により舌癌の悪性度を判定することを特徴とする舌癌の判定方法を提供する。
本発明の舌癌の判定方法における前記インテグリンファミリー遺伝子は、インテグリンα3及び/又はインテグリンβ4及び/又はインテグリンβ5の場合がある。
本発明の舌癌の判定方法における前記インテグリンファミリー遺伝子及び対照遺伝子のmRNA量の測定をリアルタイムPCR法により行う場合がある。
本発明の舌癌の判定方法における前記インテグリンファミリー遺伝子及び対照遺伝子のmRNA量の測定をノザンブロット法又は固相ハイブリダイゼーション法により行う場合がある。
本発明の舌癌の判定方法における前記対照遺伝子は、ハウスキーピング遺伝子及び/又は細胞骨格分子遺伝子及び/又はアンカー蛋白遺伝子及び/又は細胞外基質遺伝子の場合がある。
本発明の舌癌の判定方法における前記対照遺伝子はACTBの場合がある。
本発明の舌癌の判定方法における前記対照遺伝子はKRT5の場合がある。
本発明の舌癌の判定方法における前記対照遺伝子は、JUP及び/又はPXNの場合がある。
本発明の判定方法は、舌扁平上皮癌の判定方法の場合がある。
本発明は、舌癌組織検体におけるインテグリンファミリー遺伝子及び対照遺伝子のmRNA量を測定するステップと、インテグリンファミリー遺伝子のmRNA量/対照遺伝子のmRNA量の比を臨床データと関連づけるステップとを含むことを特徴とする舌癌組織検体の分析方法を提供する。
本発明の舌癌組織検体の分析方法における前記臨床データは、TNM分類と、Y−K分類と、化学療法へのレスポンスと、放射線療法へのレスポンスと、予後とからなるグループから選択される、1種類または2種類以上のデータの場合がある。
本発明の舌癌組織検体の分析方法における前記インテグリンファミリー遺伝子及び対照遺伝子のmRNA量の測定は、リアルタイムPCR法により行う場合がある。
本発明の舌癌組織検体の分析方法における前記インテグリンファミリー遺伝子及び対照遺伝子のmRNA量の測定は、ノザンブロット法又は固相ハイブリダイゼーション法により行う場合がある。
本発明の舌癌組織検体の分析方法における前記インテグリンファミリー遺伝子は、インテグリンα3及び/又はインテグリンβ4及び/又はインテグリンβ5の場合がある。
本発明の舌癌組織検体の分析方法における前記対照遺伝子は、ハウスキーピング遺伝子及び/又は細胞骨格分子遺伝子及び/又はアンカー蛋白遺伝子及び/又は細胞外基質遺伝子の場合がある。
本発明の舌癌組織検体の分析方法における前記対照遺伝子はACTBの場合がある。
本発明の舌癌組織検体の分析方法における前記対照遺伝子はKRT5の場合がある。
本発明の舌癌組織検体の分析方法における前記対照遺伝子は、JUP及び/又はPXNの場合がある。
本発明の舌癌組織検体の分析方法における前記舌癌は舌扁平上皮癌の場合がある。
本発明は、インテグリンα3、インテグリンβ4及びインテグリンβ5からなるグループから選択される1個又は2個以上のインテグリンファミリー遺伝子の舌癌組織検体におけるmRNA量の測定を行うためのプライマー対と、ACTB、KRT5、JUP及びPXNからなるグループから選択される1個又は2個以上の対照遺伝子の舌癌組織検体におけるmRNA量の測定を行うためのプライマー対と、本発明の舌癌組織検体の分析方法を説明した取扱い説明書とからなることを特徴とする舌癌組織検体の分析用キットを提供する。
本発明は、インテグリンα3及びKRT5と、インテグリンα3及びJUPと、インテグリンβ4及びJUPと、インテグリンβ4及びKRTと、インテグリンβ5及びACTBと、インテグリンβ5及びPXNとからなるグループから選択される1組又は2組以上のインテグリンファミリー遺伝子及び対照遺伝子の組合せの舌癌組織検体におけるmRNA量の測定を行うためのプライマー対の組合せと、本発明の舌癌組織検体の分析方法を説明した取扱い説明書とからなることを特徴とする舌癌組織検体の分析用キットを提供する。
本発明は、インテグリンα3、インテグリンβ4及びインテグリンβ5からなるグループから選択される1個又は2個以上のインテグリンファミリー遺伝子の舌癌組織検体におけるmRNA量を行うためのプローブと、ACTB、KRT5、JUP及びPXNからなるグループから選択される1個又は2個以上の対照遺伝子の舌癌組織検体におけるmRNA量の測定を行うためのプローブと、本発明の舌癌組織検体の分析方法を説明した取扱い説明書とからなることを特徴とする舌癌組織検体の分析用キットを提供する。
本発明は、インテグリンα3及びKRT5と、インテグリンα3及びJUPと、インテグリンβ4及びJUPと、インテグリンβ4及びKRTと、インテグリンβ5及びACTBと、インテグリンβ5及びPXNとからなるグループから選択される1組又は2組以上のインテグリンファミリー遺伝子及び対照遺伝子の組合せの舌癌組織検体におけるmRNA量の測定を行うためのプライマー対と、本発明の舌癌組織検体の分析方法を説明した取扱い説明書とからなることを特徴とする舌癌組織検体の分析用キットを提供する。
本発明の舌癌の判定方法によれば、舌癌組織検体におけるインテグリンファミリー遺伝子と対照遺伝子の発現量、すなわちmRNA量を測定し、両者の比により、舌癌、特に舌扁平上皮癌の悪性度を客観的かつ正確に判定することができる。舌癌組織検体の分析方法によれば、舌癌組織検体におけるインテグリンファミリー遺伝子のmRNA量/対照遺伝子のmRNA量の比を臨床データと関連づけることにより、舌癌、特に舌扁平上皮癌の悪性度を客観的かつ正確に判定する上で有用な分析をすることができる。本発明の舌癌組織検体の分析用キットは、舌癌、特に舌扁平上皮癌の悪性度を客観的かつ正確に判定する上で有用な分析をすることを可能にする。
それにより、データから予後不良と判定された症例については、従来臨床的に予後良好と判断されていた症例に対しても、より強力な術前術後の化学療法・放射線療法、手術における切除範囲の拡大、術前術後の経過観察における各種検査の判定を綿密に行うといった集中的な治療方針を行うことにより、癌制御率の改善が可能となる。また、予後良好と判定された症例については、過剰な治療・検査を避けることで、それぞれの患者に最良の医療サービスを提供することができる。
そして、遺伝子レベルでの検討を加味して判定を行うことにより、高精度な判定を行うことができるため、医療費や背指針的な不安などの患者の負担を軽減することができる。結果として、社会的にも適正な医療が行われることによる医療費の削減をもたらすことが可能である。
本発明の実施例1における、主成分分析における第1主成分と第2主成分を用いた各変数の因子負荷量散布図である。 本発明の実施例1における、コックスの比例ハザードモデルにおける、舌扁平上皮癌組織内のITGB4/JUPの高低による2群間のカプランマイヤー生存曲線を示すグラフである。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の舌癌の判定方法は、舌癌組織検体におけるインテグリンファミリー遺伝子の発現量、すなわちmRNA量を測定し、インテグリンファミリー遺伝子のmRNA量/対照遺伝子のmRNA量の比により、インテグリンファミリー遺伝子のmRNA量を標準化した数値により舌癌の悪性度を判定することを特徴とする。
そして、前記インテグリンファミリー遺伝子は、ITGA3及び/又はITGB4及び/又はITGB5である。
そして、前記インテグリンファミリー遺伝子のmRNA量の測定は、特定の方法に限定されるものではないが、リアルタイムPCR法がより好適に用いられる。本発明のmRNA量の測定には、ノザンブロット法又は固相ハイブリダイゼーション法が用いられる場合がある。固相ハイブリダイゼーション法は、異なる遺伝子についてのプローブが2次元的に整列したアレイにmRNA又はmRNA由来の標識核酸をハイブリダイゼーションさせるマルチアレイハイブリダイゼーション法と、異なる遺伝子についてのプローブが不動化されたビーズにmRNA又はmRNA由来の標識核酸をハイブリダイゼーションさせるビーズハイブリダイゼーション法を含むが、これらに限定されない。
本発明の舌癌の判定方法を実施するには、舌癌組織の一部からRNAを抽出し、cDNAを合成する。このcDNAを鋳型としてタックマン(TaqMan)(登録商標)プローブを用いた定量的リアルタイムPCRによりインテグリンファミリー遺伝子群の発現定量を行う。つぎに、同時に対照に用いる各種遺伝子の発現定量を行う。そして、ITGA3、ITGB4、ITGB5遺伝子のmRNA量を、各種対照遺伝子のmRNA量を分母にとって標準化し、数値データを作成する。そして、この標準化した数値データを用いて、舌癌の悪性度を判定する。このように、インテグリン遺伝子のmRNA量/対照遺伝子のmRNA量の比により、癌の生物学的・臨床的性質を正確に把握、予測することができ、舌癌の臨床判定に用いることができる。
そして、前記対照遺伝子はハウスキーピング遺伝子及び/又は細胞骨格分子遺伝子及び/又はアンカー蛋白遺伝子及び/又は細胞外基質遺伝子である。
そして、前記対照遺伝子は、中でも、ACTBが好適に用いられる。
そして、前記対照遺伝子は、中でも、KRT5が好適に用いられる。
そして、前記対照遺伝子は、中でも、JUP及び/又はPXNが好適に用いられる。
本発明に用いる、インテグリンファミリー遺伝子及び/又は対照遺伝子のmRNA量をリアルタイムPCR法によって行うためのプライマー対は、国立遺伝学研究所の日本DNAデータバンク(DDBJ)その他の機関のホームページから得られるそれぞれの遺伝子のcDNAのヌクレオチド配列に基づいて、本発明の技術分野の通常の技量を有する者に周知の方法により設計することができる。
本発明に用いる、インテグリンファミリー遺伝子及び/又は対照遺伝子のmRNAをノザンブロット法又は固相ハイブリダイゼーション法によって行うためのプローブは、国立遺伝学研究所の日本DNAデータバンク(DDBJ)その他の機関のホームページから得られるそれぞれの遺伝子のcDNAのヌクレオチド配列に基づいて、本発明の技術分野の通常の技量を有する者に周知の方法により設計することができる。
このように、本発明における舌癌の判定方法により、舌癌、特に舌扁平上皮癌の悪性度をより客観的かつ正確に判定することができる。
以下に本発明の実施例によって、本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら制限されるものではない。なお、以下の実施例1における実験方法等は次の通りである。
(対象症例)
遺伝子発現解析に用いた腫瘍検体は1999年から2005年までに新潟大学医歯学総合病院歯科口腔外科、長岡赤十字病院歯科口腔外科、信州大学医学部歯科口腔外科において治療を施行した舌癌66症例の生検あるいは手術切除時に採取した。それらは組織学的に扁平上皮癌の診断がなされており、TNM分類、浸潤様式(Y−K分類)、その他の詳細のデータを表1に示す。本発明における研究の実施計画は新潟大学歯学部倫理委員会で承認を受けるとともに、研究遂行に際しては日本文部科学省公布の臨床研究に関する倫理規定の内容を遵守した。患者の研究協力に際しては研究の主旨を説明し、インフォームドコンセントを得たうえで同意書を作成した。
Figure 2008044504
(RNAの抽出)
腫瘍組織はRNA レイター(RNA Later)(アンビオン、TE、USA)に浸漬保存された。それらの腫瘍組織は特別な解剖(dissection)をせず、腫瘍実質細胞と線維芽細胞、血管内皮細胞、炎症細胞など多様な間質構成細胞から構成されていた。トータルRNA抽出はTRIゾル リージェント(TRIzol reagent)(インビトロジェン株式会社、カールスバッド、Ca、USA)中でホモジェナイズの後(ウルトラツーラックス(Ultra―Turrax)T8、IKA ラボテクニック(Labortechinik)、スタウフェン、ドイツ)、同試薬の標準プロトコールに2回のフェノール沈殿処理(PCI シグマアルドリッチ株式会社、セントルイス、 USA)を付加して行われた。トータルRNA 2μgを鋳型として逆転写反応によって(スーパースクリプトII(Super Scropt II)、インビトロジェン株式会社、カールスバッド、Ca、USA:標準プロトコールに従い)1本鎖cDNAを合成した。
(リアルタイムPCRによる相対的遺伝子発現定量)
舌扁平上皮癌組織より合成されたcDNAを鋳型とし、定量的リアルタイムPCR(スマートサイクラー(Smart Cycler)、セフェイド、サニーベール、CA、USA)による遺伝子発現定量を行った。リアルタイムモニタリング(Real time monitoring)はタックマン(TaqMan)(登録商標)プローブ(タックマン(登録商標)ジーンエクスプレッションアッセイズ(Gene Expression Assays)、アプライドバイオシステムズ(Applied Biosystems)、CA、USA)を用い、タックマン(登録商標)ユニバーサルPCRマスターミックス(Universal PCR Master Mix)(アプライドバイオシステムズ)にてABI社標準プロトコール(95℃/600秒、95℃/15秒+60℃/60秒×温度サイクル)で行った。標準となる舌癌組織のcDNAを鋳型として数段階の希釈系列(1:10:100:1000:10000:100000)を作成し、各濃度サンプルについて同様のプロトコールによるリアルタイムPCR(real time PCR)を行い、各遺伝子のスタンダードカーブを描記した。遺伝子のmRNA量はスレッシホウルドサイクル(threshold cycle)(Ct値)からそれぞれのスタンダードカーブに基づいて定量された。
解析の対象遺伝子としてITGファミリー遺伝子11種、いわゆるハウスキーピング遺伝子(HKG)3種、ITGのリガンドを含む細胞外基質遺伝子(ECM)7種、ITGレセプターの細胞質側で機能するいわゆるアンカー蛋白(ANK)および細胞骨格分子(CSK)からなる4種を選定した(表2)。
Figure 2008044504
(統計学的解析)
臨床データと遺伝子発現データからなる各変数に基本統計量として平均値、標準偏差、歪度、尖度を算出し分布型を評価した後、各変数間の相関係数行列を算出した。前述の11種のITGファミリー(ITG)遺伝子の発現レベルをその他のHKG、ECM、ANKおよびCSK遺伝子14種の発現レベルで標準化した数値データについて、臨床的悪性度の指標としての頚部リンパ節転移の有無および死の転帰との関連をマンホイットニー(Mann-Whitney)検定で単変量的に解析した。この結果をもとに、多変量回帰分析における変数選択をステップワイズ法により行い、頚部リンパ節転移と転帰について高い関連(p≦0.01)が示唆されたITG遺伝子発現比を続く多変量的な解析に用いた。臨床的パラメーターとして対象症例の年齢、性別、腫瘍の進展範囲に関しては腫瘍の大きさ、転移に関する項目として頚部リンパ節転移の有無と数、遠隔臓器転移、治療に関する情報として化学療法の有無と放射線治療の有無、臨床的経過として死の転帰の情報を用いた。
多変量解析として全変数を用いた主成分分析を行い、変数間の関連性を検討した。ついで頸部リンパ節転移を目的変数とした多重ロジスティック回帰分析による関連因子検出と共に頸部転移に関する予測モデルの評価を行った。さらに生死の有無である転帰をエンドポイントとしたコックス(Cox)の比例ハザードモデルによる分析を行った。
(組織学的観察)
遺伝子発現解析に用いたものと同一の腫瘍検体についてパラフィン切片のよるHE組織染色所見を観察した。標本は10%ホルマリン固定の後、通法に従い作成された。統計学的に臨床的悪性度と有意な関連が示唆された複数のマーカーについて、臨床的な経過と共に、その高低による形態学的所見を検討した。
(統計学的解析)
1.単変量解析
各変数間の相関係数行列の所見では、背景要因間では、頸部リンパ節転移と放射線照射(r=0.54)、遠隔臓器転移と死の転帰の間(r=0.67)において比較的高い相関がみられた。ITG遺伝子比の間では、ITGA3/JUPとITGA3/KRT5(r=0.75)、ITGB5/LAMA3とITGB5/TNC(r=0.52)、ITGB4/JUPとITGA3/GAPD(r=0.57)ならびにITGB4/KRT5(0.91)、ITGB5/ACTBとITGB5/TNC(r=0.64)、ITGB5/LAMA3(r=0.69)ならびにITGB5/LAMA5(0.59)、ITGB5/LAMA4とITGB5/FN1(r=0.60)の間でそれぞれ高い相関が示された。また背景要因と遺伝子との間では、転帰とITGB4/JUP(r=0.53)との間でそれぞれ比較的高い相関が認められた。
14種の関連遺伝子によりそれぞれ11種のITG遺伝子発現レベルを標準化することにより算出した151項目の遺伝子発現比と頚部リンパ節転移の有無ならびに死の転帰の関係について行ったマンホイットニー(Mann-Whitney)検定の結果を表3と表4に示す。
Figure 2008044504
Figure 2008044504
頚部リンパ節転移に関してはITGA3とITGB5において有意性を示す遺伝子比が多く認められた。標準化に用いる遺伝子種ではKRT5とJUPによる場合に有意性を示す遺伝子比項目が多く見られた。ITGファミリー遺伝子とECM遺伝子群、アンカー蛋白のPXNの遺伝子発現レベルはリンパ節転移や転帰の悪傾向に伴い概して上昇する傾向が見られた。唯一ITGB5のみは臨床経過の悪化に伴い発現レベルを低下する傾向があり、結果的にITGB5が悪性所見に伴い転写量を上昇するECM分子とアンカー蛋白遺伝子でまとまった有意性を示すことが予想された。死の転帰についてはITGB4とITGB5に有意性を示す遺伝子比が集中した。この結果において、頚部リンパ節転移あるいは死の転帰において有意水準1%以下を示したITGA3/GAPD、ITGA3/KRT5、ITGA3/JUP、ITGB4/KRT5、ITGB4/JUP、ITGB5/ACTB、ITGB5/FN1、ITGB5/TNC、ITGB5/LAMA3、ITGB5/LAMA4、ITGB5/LAMA5、ITGB5/PXNを多変量的統計解析に用いた。
2.多変量解析
主成分分析:臨床データおよび遺伝子発現データを変数とした主成分分析の結果では固有値が1以上の主成分は第1主成分から第7主成分まであり、累積寄与率は72.9%を示した。各主成分と変数との因子負荷量が0.5以上を示した変数を2つ以上含む主成分は第1主成分から第3主成分までで、固有値はいずれも2以上だった(表5)。
Figure 2008044504
第1主成分(Z-1)はITGB3〜5に関する各種遺伝子比ならびに死の転帰の因子負荷量が高い絶対値を示した。プラス符号で大きな値はITGB4/JUP、ITGB4/KRT5、ITGA3/GAPD、マイナス符号ではITGB5/ACTB、ITGB5/LAMA5の遺伝子発現情報において検出された。第2主成分(Z-2)ではITGA3の遺伝子比とともに頸部リンパ節転移の有無に関する要因の因子負荷量が高い値を示した。死の転帰を反映する第一主成分とは対照的にITG遺伝子発現比の中でITGA3/JUPとITGA3/KRT5が孤立的にプラス符号で高い因子負荷量値を示すと共に腫瘍長径(サイズ)、化学療法が比較的高い因子負荷量値を示した。第3主成分(Z-3)では遠隔臓器転移と死の転帰が大きな因子負荷量値を示し、一方でITG遺伝子発現比には高い値を示すものはなく、この成分が臨床パラメーター間の関連を表すことが理解された。この第3主成分では化学療法の因子がマイナス符号で大きな因子負荷量値を示した。
第1主成分と第2主成分の因子負荷量散布図で、前述のごとく横軸Z-1の第1主成分は「死の転帰」に関する遺伝子の要因軸、縦軸Z-2の第2主成分は「頸部リンパ節転移」に関する遺伝子の要因軸と解釈された(図1)。転帰の要因軸(横軸Z-1)において、相関を示すプラス符号の因子負荷量はITGB4とITGA3の遺伝子比群に認められ、逆相関を示すマイナス符合の因子負荷量はITGB5の遺伝子比からなり、それぞれ図の右半球と左半球に分布した。一方、頸部リンパ節転移の要因軸(縦軸Z-2)においてITG遺伝子比の多くは0の周囲に分布するなかで、ITGA3/JUPとITGA3/KRT5のみが頚部リンパ節転移と同じレベルの因子負荷量域に分布した。加えて、腫瘍の長径(サイズ)は第2主成分(縦軸)において頚部リンパ節転移の要因に近接するものの、第1主成分(横軸)においては比較的小さな絶対値の因子負荷量域に位置した。
頸部リンパ節転移に関する多重ロジスティック回帰分析:単変量解析ならびに主成分分析の結果を元に、頸部リンパ節転移の有無を目的変数とした多重ロジスティック回帰分析を行った。その結果、頸部リンパ節転移に有意に影響している要因として、ITGA3/JUPとITGB5/PXNが検出された(表6)。
Figure 2008044504
この内、頚部リンパ節転移に対し前者の遺伝子は正の方向、後者の遺伝子は負の方向に影響していた。これらの内、ITGA3/JUPの偏回帰係数ならびにオッズ比が最も大きな値を示した。頸部リンパ節転移の有無に関する予測精度の評価では、本モデルによる有病正診率は74.3%、無病正診率は71.0%、正確度は72.7%を示した(表7)。
Figure 2008044504
生死の転帰についてのコックス(Cox)の比例ハザードモデル:転帰、すなわち生死をエンドポイントとしたコックス(Cox)の比例ハザードモデルによる回帰分析を行った結果、死の転帰に有意に影響している要因としてITGB4/JUPが検出された(表8)。
Figure 2008044504
ROC曲線を用いてITGB4/JUPの最適カットオフ(cut-off)値を求めて2値化し、カプランマイヤー(Kaplan-Meier)法により各群の生存曲線を描出した(図2)。2群間における生存関数のログ・ランク検定およびウィルコクスン(Wilcoxon)検定で、ITGB4/JUPが0.15未満の群がそれ以上の群より高い生存率を示し、いずれも有意水準0.1%未満で有意差が認められた。
(遺伝子発現解析結果に基づく組織学的所見の検討)
遺伝子発現解析の結果よりITGB4/JUPとITGA3/JUPの値に基づき症例を選択した。ITGB4/JUPが高値を示した腫瘍は頚部リンパ節多発転移の後、遠隔臓器転移の結果死亡の経過をたどる場合が多かった。生存症例でも原発腫瘍切除後に頚部後発転移を来たすなど臨床的後悪性を示す経過が観察された。組織所見にはすべてが一定の組織所見を示さなかったが、小細胞包巣から単一細胞が拡散性に浸潤する所見がITGB4/JUPが高値の腫瘍でのみ観察された組織学的特徴だった。細胞の分化レベルは全般に低分化と判断される腫瘍実質からなるものから高分化領域と低分化領域を混在するものが含まれた。炎症系細胞の浸潤が強い場合などに腫瘍浸潤像を判別することが困難であるが、全般に浸潤先端部における高浸潤所見では一致しており、組織学的には高悪性を示した。ITGA3/JUPが高値を示した腫瘍は小細胞包巣レベルでの浸潤所見が主に観察された。ITGB4/JUP高値を併発する場合以外に遠隔臓器転移は認められなかった。細胞の分化度は低分化から高分化を混在したが、ITGB4/JUP高値の腫瘍より概して分化度は高いといえた。上皮細胞として未分化で比較的均質な腫瘍細胞を有するITGB4/JUP高値の腫瘍組織と比較すると、腫瘍細胞の異型性はむしろさまざまであるものの、小腫瘍細胞包巣単位での潤様式についてはほぼ一定の組織学的傾向として観察された。ITGB4/JUP、ITGA3/JUPともに低値の組織像で浸潤所見は認められず、基底膜構造や細胞間橋構造など上皮の基本的所見は維持されていた。
(考察)
舌癌組織における遺伝子の発現レベルを基にした、悪性度精密判定システムの確立を目的として、ITGレセプターのαおよびβサブユニットをコードする11種類のITG遺伝子についてバイオマーカー候補遺伝子の検討を行った。遺伝子発現データの統計学的処理からITGA3、ITGB4およびITGB5の3遺伝子の発現データが舌癌の臨床経過によく対応する可能性が示された。統計学的にいずれのITG遺伝子発現レベルもリンパ節転移の成立に関与が認められ、組織学的悪性所見ともある程度の相関を示していた。本発明における研究の結果において着目すべき点は舌癌の経過に伴い見出されるリンパ節転移には臨床的に頚部リンパ節転移のレベルで制御可能なものと将来的に遠隔臓器転移から死の転帰に深く結びつくものが共に存在し、前者はITGA3、後者はITGB4とITGB5の遺伝子発現レベルにより定義される可能性が示された点にある。
本発明者らが行った遺伝子発現定量は細胞成分の分離を行わず、バイオプシー時や手術時に切除された全腫瘍組織を対象とした。そのため、はじめの段階で遺伝子検体を一定の条件に整えることが困難だった。集められた遺伝子検体はさまざまな濃度、分解レベル、組織構成の違い、採取部位の偏りを内包することを前提としていた。そのような条件下で臨床上有効な遺伝子発現情報を採取するための工夫は、実用上避けることの出来ない課題と思われた。条件が異なる遺伝子発現定量結果を効率的に比較する方法として、従来、組織一般に発現しているいわゆるハウスキーピング遺伝子(HKG)発現レベルに対する比化、すなわち標準化がなされてきた。しかし昨今、定量的リアルタイムPCRの一般化に伴い、それらHKGの発現レベルは組織間あるいは組織内採取部位において大きなばらつきを有し、標準化に用いる遺伝子として必ずしも適さないことが指摘されるようになった。このような背景に加え、扁平上皮癌(SCC)組織を構成する上皮および腫瘍細胞、繊維芽細胞、炎症性浸潤細胞などで特徴的な局在を示す各種ITGファミリー遺伝子群の発現レベル変動を効率的に抽出する組み合わせを選定することを目的に複数の遺伝子発現による標準化を試みた。HKGに加えて、ITG分子との間の共局在性や機能的かかわりを基に細胞間基質を構成する各種間質(ECM)分子、細胞骨格分子(CSK)やアンカー蛋白遺伝子(ANK)による標準化を検討した。その結果、頚部リンパ節転移および死の転帰についてのマンホイットニー(Mann Whitney)検定による単変量的な解析で、ITGA3、ITGB4とITGB5においてKRT5、JUPおよびPXNによる標準化データにおいて高い有意性が検出された。ITGA3とITGB4は口腔粘膜において主に上皮内に局在する分子であり、その標準化において上皮系細胞のCSKや細胞膜上のITGやカドヘリンなどの接着分子と細胞内フィラメントをつなぐANKであるKRT5やJUPが症例間の遺伝子発現データの比較に際しての標準化分子として有用である可能性が示された。将来的にそれらの分子間の局在性を詳細に検討することによって、提示された有意性の機能的な裏づけをもとめる必要が残されている。
主成分分析による解析は多様な局面から因子間の結びつきを総覧する上で有用であった。死の転帰に対応する第一主成分において、遠隔臓器転移や頚部リンパ節多発転移とともにITGB4/JUPやITGB5/ACTBを代表とするITG遺伝子発現比が大きい因子負荷量絶対値を示した。このことは、これらのITG遺伝子発現レベルが死の転帰に対して正あるいは逆相関することを意味している。一方、頚部リンパ節転移に対応を示す第2主成分において、ITGA3/KRT5とITGA3/JUPが孤立的に高い因子負荷量を示したことは、これらが独立した因子として頚部リンパ節転移の成立に関連することを示唆している。これらの因子間における相互関係は第1主成分と第2主成分の因子負荷量散布図でよく表現される。腫瘍の長径(図1におけるサイズ:エ)が第2主成分軸(縦軸)付近で比較的大きな因子負荷量域に位置することは、腫瘍の大きさは死の転帰に直接結びつかないが、頚部リンパ節転移成立に有る程度影響することを示している。これに近接して同じく第2主成分軸の周囲に位置するITGA3/KRT5(シ)とITGA3/JUP(ス)によって表現される値は腫瘍の大きさに相関し、第1主成分軸(横軸)で示される死の転帰には関連していない。これらは頚部郭清など適切な治療が行われた場合に制御可能な頚部リンパ節転移能を反映するといえるであろう。その逆に第1主成分軸上において、ITGB4とITGB5の発現比レベルによって定義されるリンパ節転移能は同じく頚部リンパ節転移、とりわけ頚部リンパ節多発転移(カ)、に関わるが、同時に遠隔臓器転移や局所再発に強く関連するために最終的に死の転帰に結びついていると解釈される。第3主成分は第1主成分と同様に転帰と遠隔臓器転移の要因軸を表すが、化学療法の実施がマイナス符号で大きな因子負荷量を示したことは化学療法実施が遠隔臓器転移と転帰に逆相関すること、言い換えると化学療法実施が遠隔転移や死の転帰を抑制している可能性を意味している。
多重ロジスティック回帰分析により頸部リンパ節転移に有意に影響する要因としてITGA3/JUPとITGB5/PXNが検出された。ITGA3/JUPは前述の主成分分析の結果で遠隔転移や死の転帰に関与しないリンパ節転移の傾向を示す因子の一つであり、一方ITGB5/PXNは遠隔臓器転移あるいは死の転帰に関連する要因軸を反映する因子である。これらの内、ITGA3/JUPの偏回帰係数ならびにオッズ比が最も大きな値を示し、リンパ節転移一般において大きな影響を持つことを示している。この所見はリンパ節転移のほとんどが遠隔転移や局所再発による制御困難に陥るものではなく、多くは頚部リンパ節レベルで抑止されるものであることに整合すると考えられる。
このように、リンパ節転移は二つの独立した転移性に基づく効果の総和として表現される現象であることが多重ロジスティック解析においても示される結果となった。これら二つの要因をもとに算出される頚部リンパ節転移回帰モデルによる頸部リンパ節転移の予測精度は有病正診率74.3%、無病正診率71.0%、正確度72.7%を示したものの、臨床応用に要する必要レベルを満たすものとは言い難い。しかしながら、多様な細胞成分によって構成される、きわめて複雑な生物学的作用の結果であるリンパ節転移において、ITG分子に関係する2要因のみによる判定としては予想を超える高い正確度と思われる。将来的に他の生物学的現象に関与する多様な分子群を加えた予測モデルに発展させることによって、正確性を実用域に立ち上げることが今後の課題である。
死の転帰にかかわる要因についての解析としておこなったコックス(Cox)の比例ハザードモデルにおいて、多変量的な解析にも関わらず唯一ITGB4/JUPのみが検出された。この結果は主成分分析の因子負荷量散布図において第一主成分(Z-1)、死の転帰に対応する要因軸に近接してITGB4とITGB5の遺伝子発現比の項目が分布したことに整合し、ITGB4とITGB5の項目が逆相関しつつ死の転帰あるいは遠隔臓器転移を説明する近似の要因として判定されたことを示している。それらを代表する主因子としてITGB4/JUPが示したハザード比1055671、有意確立p<0.0001、同様にカプランマイヤー法による累積生存率曲線とログ・ランク検定においても、この因子が持つ高い説明力が明らかにされた。
ITGファミリー分子は従来腫瘍の性質に影響を及ぼす機能について比較的多くの報告がなされてきた。ITGA3はITGβ1サブユニットと対を形成し、組織内において間質分子フィブロネクチン(Fibronectin)(FN)、LAMA3を構成成分とするラミニン−5(Laminin-5)(ラミニン(Laminin)α3β1γ1)、LAMA5を構成成分とするラミニン−10(Laminin-10)(ラミニン(Laminin)α5β1γ1)およびラミニン−11(Laminin-11)(ラミニン(Laminin)α5β2γ1)に対するレセプターとして機能する。ITGA3発現は主に上皮基底細胞をはじめとし肺、子宮、食道、腎糸球体など広い分布が観られ、その機能は正常では細胞の接着、運動、アポトーシスに関与するといわれている。子宮癌や大腸癌においてITGA3をサブユニットとしてもつインテグリン(Integrin)α3β1発現状態は癌細胞の転移や病理組織学的グレードに影響することについて報告がなされている。一方ITGB4の発現も上皮細胞や間葉ではシュワン細胞、血管内皮細胞などで発現が認められ、インテグリン(Integrin)α6β4レセプターはラミニン−5(laminin-5)に対するレセプターとして機能する。細胞接着の他、創傷治癒や神経伸張時、胎児期にも発現が確認される事から、細胞の発生・分化・増殖において広く関与していると考えられる。ITGB5も上皮基底細胞に認められ、インテグリン(Integrin)αvβ5のサブユニットを形成しFN、ビトロネクチン(Vitronectin)とのレセプターとして機能する。正常細胞において細胞の接着、増殖、運動、脈管形成の機能に関わるとされ、浸潤性の高い胃癌において強く発現することが知られている。は腫瘍の増殖と転移の成立において腫瘍組織内への血管新生は重要な現象としてあげられる。これまでの研究においてITGB4が血管内皮細胞において発現し、その細胞遊走と浸潤をつかさどる因子として提示されている。そのノックアウトマウスにおいては腫瘍組織に隣接する血管の新生が著しく阻害されることが示されている。逆にITGB5についてはITGB5のノックアウトマウスでは腫瘍細胞周囲への血管の新生が増強されることから、腫瘍組織への血管新生に対し抑制作用が示されている。本発明における研究においてはITGB4発現比の上昇とITGB5発現比の低下が遠隔臓器転移と死の転帰にかかわることが示されたが、これらのインテグリン発現情報が血管新生の活発化による腫瘍の血管内への移行と腫瘍増殖活発化の現象を反映していることが可能性として想起される。今後これらのメカニズムについては精査が必要と考えている。
従来、遠隔転移性の予想や生命予後の予測のうえで組織学的判定のみでは基準が不明確であった。組織学的所見によっても腫瘍が有する高悪性をある程度の割合で予想することが可能であるが、今回示したようにITGB4/JUPとITGA3/JUPの高低による分類で組織像は多様な形態を呈し、すなわち組織像のみでは遠隔転移の可能性や転帰について再現性のある予後判定が難しい場合がしばしばあった。今回示したように頚部リンパ節転移には遠隔転移に結びつきにくいものと、密接な関連を有する少なくとも2通りの因子が関与していることが示唆された。遺伝子発現データはいわば口腔癌の治療に際してもっとも苦慮するこれらの問題点にこれまでにない客観的な情報をもたらすことが期待できる。舌癌は口腔癌の約半数を占め、比較的早期から転移を生ずる性質を持っているため、T1−T2症例といえども潜在するリンパ節転移や遠隔転移を予測する手段の実用化による利益が非常に大きいと考えられる。従来の研究と共に本発明における研究において化学療法による遠隔転移の抑制効果の可能性が示されており、正確に腫瘍の性質を把握した上での治療計画は制御率向上の上できわめて重要な意味を有する。頚部リンパ節転移、遠隔臓器転移の危険性や腫瘍の浸潤性についての情報提供のシステム構築による総体的な利益、生存率やQOLの改善、医療費の適正化等、もたらされる利益は非常に大きいと考えられる。
【0014】
[0066]
[表3]
Figure 2008044504
【0015】
[0067]
[表4]
Figure 2008044504

Claims (23)

  1. 舌癌組織検体におけるインテグリンファミリー遺伝子及び対照遺伝子のmRNA量を測定し、インテグリンファミリー遺伝子のmRNA量/対照遺伝子のmRNA量の比により舌癌の悪性度を判定することを特徴とする舌癌の判定方法。
  2. 前記インテグリンファミリー遺伝子は、インテグリンα3及び/又はインテグリンβ4及び/又はインテグリンβ5であることを特徴とする請求項1に記載の舌癌の判定方法。
  3. 前記インテグリンファミリー遺伝子のmRNA量の測定をリアルタイムPCR法によって行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の舌癌の判定方法。
  4. 前記インテグリンファミリー遺伝子及び対照遺伝子のmRNA量の測定をノザンブロット法又は固相ハイブリダイゼーション法によって行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の舌癌組織検体の分析方法。
  5. 前記対照遺伝子は、ハウスキーピング遺伝子及び/又は細胞骨格分子遺伝子及び/又はアンカー蛋白遺伝子及び/又は細胞外基質遺伝子であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の舌癌の判定方法。
  6. 前記対照遺伝子はACTBであることを特徴とする請求項5に記載の舌癌の判定方法。
  7. 前記対照遺伝子はKRT5であることを特徴とする請求項5に記載の舌癌の判定方法。
  8. 前記対照遺伝子は、JUP及び/又はPXNであることを特徴とする請求項5に記載の舌癌の判定方法。
  9. 前記舌癌が舌扁平上皮癌であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1つに記載の舌癌の判定方法。
  10. 舌癌組織検体におけるインテグリンファミリー遺伝子及び対照遺伝子のmRNA量を測定するステップと、インテグリンファミリー遺伝子のmRNA量/対照遺伝子のmRNA量の比を臨床データと関連づけるステップとを含むことを特徴とする舌癌組織検体の分析方法。
  11. 前記臨床データは、TNM分類と、Y−K分類と、化学療法へのレスポンスと、放射線療法へのレスポンスと、予後とからなるグループから選択される、1種類または2種類以上のデータであることを特徴とする請求項10に記載の舌癌組織検体の分析方法。
  12. 前記インテグリンファミリー遺伝子及び対照遺伝子のmRNA量の測定はリアルタイムPCR法によって行うことを特徴とする請求項10又は11に記載の舌癌組織検体の分析方法。
  13. 前記インテグリンファミリー遺伝子及び対照遺伝子のmRNA量の測定はノザンブロット法又は固相ハイブリダイゼーション法によって行うことを特徴とする請求項10又は11に記載の舌癌組織検体の分析方法。
  14. 前記インテグリンファミリー遺伝子は、インテグリンα3及び/又はインテグリンβ4及び/又はインテグリンβ5であることを特徴とする請求項9〜13のいずれか1つに記載の舌癌組織検体の分析方法。
  15. 前記対照遺伝子は、ハウスキーピング遺伝子及び/又は細胞骨格分子遺伝子及び/又はアンカー蛋白遺伝子及び/又は細胞外基質遺伝子であることを特徴とする請求項9〜14のいずれか1つに記載の舌癌組織検体の分析方法。
  16. 前記対照遺伝子はACTBであることを特徴とする請求項15に記載の舌癌組織検体の分析方法。
  17. 前記対照遺伝子はKRT5であることを特徴とする請求項15に記載の舌癌組織検体の分析方法。
  18. 前記対照遺伝子は、JUP及び/又はPXNであることを特徴とする請求項15に記載の舌癌組織検体の分析方法。
  19. 前記舌癌は舌扁平上皮癌であることを特徴とする請求項9〜18のいずれか1つに記載の舌癌組織検体の分析方法。
  20. インテグリンα3、インテグリンβ4及びインテグリンβ5からなるグループから選択される1個又は2個以上のインテグリンファミリー遺伝子の舌癌組織検体におけるmRNA量の測定を行うためのプライマー対と、ACTB、KRT5、JUP及びPXNからなるグループから選択される1個又は2個以上の対照遺伝子の舌癌組織検体におけるmRNA量の測定を行うためのプライマー対と、請求項10、11又は12に記載の舌癌組織検体の分析方法を説明した取扱い説明書とからなることを特徴とする舌癌組織検体の分析用キット。
  21. インテグリンα3及びKRT5と、インテグリンα3及びJUPと、インテグリンβ4及びJUPと、インテグリンβ4及びKRTと、インテグリンβ5及びACTBと、インテグリンβ5及びPXNとからなるグループから選択される1組又は2組以上のインテグリンファミリー遺伝子及び対照遺伝子の組合せの舌癌組織検体におけるmRNA量の測定を行うためのプライマー対の組合せと、請求項10、11又は12に記載の舌癌組織検体の分析方法を説明した取扱い説明書とからなることを特徴とする舌癌組織検体の分析用キット。
  22. インテグリンα3、インテグリンβ4及びインテグリンβ5からなるグループから選択される1個又は2個以上のインテグリンファミリー遺伝子の舌癌組織検体におけるmRNA量の測定を行うためのプローブと、ACTB、KRT5、JUP及びPXNからなるグループから選択される1個又は2個以上の対照遺伝子の舌癌組織検体におけるmRNA量の測定を行うためのプローブと、請求項10、11又は13に記載の舌癌組織検体の分析方法を説明した取扱い説明書とからなることを特徴とする舌癌組織検体の分析用キット。
  23. インテグリンα3及びKRT5と、インテグリンα3及びJUPと、インテグリンβ4及びJUPと、インテグリンβ4及びKRTと、インテグリンβ5及びACTBと、インテグリンβ5及びPXNとからなるグループから選択される1組又は2組以上のインテグリンファミリー遺伝子及び対照遺伝子の組合せの舌癌組織検体におけるmRNA量の測定をノザンブロット法又は固相ハイブリダイゼーション法によって行うためのプローブの組合せと、請求項10、11又は13に記載の舌癌組織検体の分析方法を説明した取扱い説明書とからなることを特徴とする舌癌組織検体の分析用キット。
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