JPWO2008032879A1 - 自由曲面プリズム、ヘッドマウントディスプレイ - Google Patents
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Abstract
導波板を用いたヘッドマウントディスプレイを薄型化する。ヘッドマウントディスプレイは、ディスプレイ133、自由曲面プリズム134、導波板120を備えている。ディスプレイ133から、自由曲面プリズム134に入った光は、自由曲面プリズム134の内部で2回反射して、適当な倍率に拡大されて導波板120に向かう。導波板120の内部に、自由曲面プリズム134の出射瞳が位置している。導波板120の内部に入った光は、導波板120の内部をその左右方向に進み、使用者の眼に向けて射出される。導波板120と自由曲面プリズム134の導波板120に臨む面までの距離は略3mmとされている。
Description
本発明は、使用者の頭部に装着して使用するヘッドマウントディスプレイに関する。
頭部などの身体に装着して使用され、使用者の眼前に画像を表示するヘッドマウントディスプレイが、バーチャルリアリティをはじめ、画像を表示するための種々の分野で利用されている。ヘッドマウントディスプレイは、一般的にはゴーグル形状、あるいは大型の眼鏡のフレーム形状に形成される。
ヘッドマウントディスプレイの構造は種々提案されているが、その中に、導波板を使ったものが存在する。導波板は、回折格子のような多数の溝を有する構造とされており、多くの場合、使用者の両眼を覆うような形状とされている。導波板を用いたヘッドマウントディスプレイは、画像を表示する小さなディスプレイからの光をそのディスプレイに表示されている画像を拡大するようにしてから導波板の内部に導き、導波板の内部で幾度も反射させながらその光を使用者の眼の前まで導き、そしてその光を導波板から使用者の双方の眼へ射出させることにより、使用者にディスプレイに表示された画像を拡大した状態で見せるようになっている。
このような導波板を用いたヘッドマウントディスプレイに限った話ではないが、ヘッドマウントディスプレイは一般的に、小型であればあるほどよい。特に、ヘッドマウントディスプレイは、使用者の頭部に取付けた場合における前後方向の厚みが小さければ小さいほど、デザイン性に優れたものとなる。
そのような観点から、導波板を用いたヘッドマウントディスプレイの前後方向の厚みを小さくする(これを、本願では単に「薄型化」という場合がある。)ための研究がなされている。しかしながら、ディスプレイと、ディスプレイに表示された画像を拡大するためのレンズ系と、導波板とが適当な関係になるように、ディスプレイから導波板までの光の経路が直線になるように配すると、導波板の前面からディスプレイの後面までの距離がどうしても35mmを超えてしまう。ディスプレイから導波板までの光の経路中の適当な部分に鏡を入れることにより光の経路を曲げ、それによりヘッドマウントディスプレイを薄型化することも試みられているが、その場合にも上述の距離は25mm程度にまでしか抑えられない。様々な試作が行われているが、実際、それ以上の薄型化を行えた導波板を用いたヘッドマウントディスプレイは現存しない。
もっとも、薄型化のみを重視するのであれば、導波板を用いないようなヘッドマウントディスプレイを開発することも可能であるが、導波板を用いたヘッドマウントディスプレイには、導波板を用いることにより使用者の眼に光を射出する場合の導波板上の瞳を大きくできるので使用者の個性による眼幅の差によらず使用者が画像を見易くなり、また、画像を見た場合の使用者の疲労を抑えられるという利点がある。
また、導波板を使用者の両眼を覆うようなデザインとし、ディスプレイからの光を使用者の両眼に導くようにした場合には、片眼で画像を見る場合よりも使用者の疲れを軽減できる。特に、導波板を用いたヘッドマウントディスプレイは、1つのディスプレイに表示された元は1つの共通の画像を使用者の両眼にそれぞれ導くような構成にすることが容易であるため、色味や大きさの違いなどのない同じ画像を両眼に見せることが比較的容易であり、それ故使用者が画像を見ることによる疲労を軽減させるのに向いている。
このような利点のあるヘッドマウントディスプレイを薄型化できれば、その需要は非常に大きい。
本発明は、かかる課題を解消するものであり、導波板を用いたヘッドマウントディスプレイを薄型化するための技術を提供することをその課題とする。
ヘッドマウントディスプレイの構造は種々提案されているが、その中に、導波板を使ったものが存在する。導波板は、回折格子のような多数の溝を有する構造とされており、多くの場合、使用者の両眼を覆うような形状とされている。導波板を用いたヘッドマウントディスプレイは、画像を表示する小さなディスプレイからの光をそのディスプレイに表示されている画像を拡大するようにしてから導波板の内部に導き、導波板の内部で幾度も反射させながらその光を使用者の眼の前まで導き、そしてその光を導波板から使用者の双方の眼へ射出させることにより、使用者にディスプレイに表示された画像を拡大した状態で見せるようになっている。
このような導波板を用いたヘッドマウントディスプレイに限った話ではないが、ヘッドマウントディスプレイは一般的に、小型であればあるほどよい。特に、ヘッドマウントディスプレイは、使用者の頭部に取付けた場合における前後方向の厚みが小さければ小さいほど、デザイン性に優れたものとなる。
そのような観点から、導波板を用いたヘッドマウントディスプレイの前後方向の厚みを小さくする(これを、本願では単に「薄型化」という場合がある。)ための研究がなされている。しかしながら、ディスプレイと、ディスプレイに表示された画像を拡大するためのレンズ系と、導波板とが適当な関係になるように、ディスプレイから導波板までの光の経路が直線になるように配すると、導波板の前面からディスプレイの後面までの距離がどうしても35mmを超えてしまう。ディスプレイから導波板までの光の経路中の適当な部分に鏡を入れることにより光の経路を曲げ、それによりヘッドマウントディスプレイを薄型化することも試みられているが、その場合にも上述の距離は25mm程度にまでしか抑えられない。様々な試作が行われているが、実際、それ以上の薄型化を行えた導波板を用いたヘッドマウントディスプレイは現存しない。
もっとも、薄型化のみを重視するのであれば、導波板を用いないようなヘッドマウントディスプレイを開発することも可能であるが、導波板を用いたヘッドマウントディスプレイには、導波板を用いることにより使用者の眼に光を射出する場合の導波板上の瞳を大きくできるので使用者の個性による眼幅の差によらず使用者が画像を見易くなり、また、画像を見た場合の使用者の疲労を抑えられるという利点がある。
また、導波板を使用者の両眼を覆うようなデザインとし、ディスプレイからの光を使用者の両眼に導くようにした場合には、片眼で画像を見る場合よりも使用者の疲れを軽減できる。特に、導波板を用いたヘッドマウントディスプレイは、1つのディスプレイに表示された元は1つの共通の画像を使用者の両眼にそれぞれ導くような構成にすることが容易であるため、色味や大きさの違いなどのない同じ画像を両眼に見せることが比較的容易であり、それ故使用者が画像を見ることによる疲労を軽減させるのに向いている。
このような利点のあるヘッドマウントディスプレイを薄型化できれば、その需要は非常に大きい。
本発明は、かかる課題を解消するものであり、導波板を用いたヘッドマウントディスプレイを薄型化するための技術を提供することをその課題とする。
本願発明者は、以下の自由曲面プリズムと、ヘッドマウントディスプレイとを、上述の課題を解決することのできる発明として提案する。
本発明は、自由曲面プリズムを用いることにより上述の課題を解決する。
自由曲面プリズムは、第1面、第2面、第3面、第4面の4つの面を備えており、その内部で光を2回反射することで、入ってきた光の向きを変え、また、その内部での2回の光の反射と、その内部に光を入れるときと出すときの2回の屈折により入ってきた光の元となった像を拡大するように光を変化させるものとされている。簡単にいうと、自由曲面プリズムは、プリズムとレンズの機能を併せ持ったものである。
本発明のヘッドマウントディスプレイは、画像を表示するディスプレイと、自由曲面プリズムと、導波板とを備えており、使用者の頭部に固定して用いられる。
そして、そのヘッドマウントディスプレイにおける前記自由曲面プリズムは、第1面、第2面、第3面、及び第4面の4つの面を持ち、前記ディスプレイからの光に前記第1面を通過させ、前記第1面を通過させた光を前記第2面で反射させ、前記第2面で反射させた光を前記第3面で反射させ、前記第3面で反射させた光に前記第4面を通過させることで、その内部に導いた光の方向を変化させるとともに、前記ディスプレイに表示された画像を拡大するものとされている。また、前記自由曲面プリズムの前記第1面、前記第2面、前記第3面、及び前記第4面は、この自由曲面プリズムの面状の出射瞳が、前記第4面から10mm以内の位置に存在するようにされている。また、前記導波板は、その一部が前記出射瞳の上に位置するとともにその他の一部が当該ヘッドマウントディスプレイの使用時に使用者の少なくとも一方の眼の前に位置するものとされ、前記出射瞳からその内部に導かれた前記自由曲面プリズムからの光を反射させながら導き、使用者の前記眼へ射出するようになっている。なお、本願発明における『出射瞳が、前記第4面から10mm以内の位置』という定義は、第4面が曲面であることから、本来は一義的には定まらない。そこで、この明細書では、第4面から瞳までの距離を、第4面と瞳がもっとも離れている部分における第4面と瞳の距離と定義することとする。言い換えれば、本願発明における『出射瞳が、前記第4面から10mm以内の位置』という文言は、出射瞳を含む平面と、第4面の一部を構成する多数の平面のうち、出射瞳を含む平面から最も離れている部分までの距離が10mm以内という意味である。
このヘッドマウントディスプレイは、上述の如き自由曲面プリズムを用いて、光の方向の変化と、画像の拡大を行う。自由曲面プリズムは、上述したように2回の反射と2回の屈折により画像を拡大することができるものであるので、その大きさの割には大きな倍率で画像の拡大を行うことができ、また、光の向きを変化させることが可能であるのでディスプレイから導波板までの間の光の経路を曲げられる。これらの機能により、本発明のヘッドマウントディスプレイは、薄型化が図られることになる。
ところで、導波板を用いないヘッドマウントディスプレイの分野では、自由曲面プリズムを用いるという発想自体は従来から存在していた。しかしながら、従来の自由曲面プリズムを用いたヘッドマウントディスプレイでは、導波板を用いずに、自由曲面プリズムの第4面から出た光をそのまま使用者の眼へ導くことが普通であった。自由曲面プリズムを用いると、ヘッドマウントディスプレイの小型化、薄型化を図れるのに、何も大きな導波板を用いてヘッドマウントディスプレイを大型化する必要はないからである。そのような用途で自由曲面プリズムは用いられていたため、使用者の眼の直前に自由曲面プリズムを置くことによって使用者に圧迫感を与えないようにすることを考慮して、従来の自由曲面プリズムの出射瞳の眼からの距離は20mm程度以上とされていた(言い換えれば、従来の自由曲面プリズムを用いたヘッドマウントディスプレイでは、自由曲面プリズムの第4面が、使用者の眼から20mm程度以上離れた位置に位置するようにされていた。)。
本発明では、そのような従来の常識を覆し、自由曲面プリズムの面状の出射瞳が、前記第4面から10mm以内の位置に来るようにし、その出射瞳と重なる位置にその一部が重なるようにして導波板を配することにより、ヘッドマウントディスプレイの薄型化を実現している。なお、このような構成により試作を行ったところ、導波板の前面からディスプレイの後端までの距離は、13mm程度まで縮めることができた。
なお、自由曲面プリズムの面状の出射瞳は、前記第4面から10mm程度の位置に来るようになっていれば本発明のヘッドマウントディスプレイを従来のヘッドマウントディスプレイよりも十分に薄型化されたものにできるが、自由曲面プリズムの第4面から出射瞳までの距離を10mmよりもより小さく、例えば3mm程度よりも小さくすることもできる。更にいえば、その距離は、1mm以下にもでき、限りなく0に近づけることが可能である。
なお、本願発明の自由曲面プリズムは、第1面、第2面、第3面、及び第4面を備えていればよい。従来の自由曲面プリズムは、多くの場合、第2面と第4面が滑らかに連なる一連の面とされており、その断面形状が略三角形状とされている。しかしながら、本願発明の自由曲面プリズムでは、第2面と第4面が必ずしも滑らかに連なる一連の面とされている必要はない。本願発明の自由曲面プリズムは、また、第1面、第2面、第3面、及び第4面を備えているのであれば、それ以外の面を備えていても構わない。
前記導波板は、その一部が前記出射瞳の上に位置するとともにその他の一部が当該ヘッドマウントディスプレイの使用時に使用者の少なくとも一方の眼の前に位置するものとされ、前記出射瞳からその内部に導かれた前記自由曲面プリズムからの光を反射させながら導き、使用者の前記眼へ射出するようになっていれば、その詳細を問わない。導波板は、板状であれば、曲がっていてもよい。
導波板は、その一部が前記出射瞳の上に位置するとともにその他の一部が当該ヘッドマウントディスプレイの使用時に使用者の双方の眼の前に位置するものとされており、前記出射瞳からその内部に導かれた前記自由曲面プリズムからの光を反射させながら導き、使用者の前記双方の眼へ射出するようになっていてもよい。この場合、ヘッドマウントディスプレイは両眼で画像を見るものとなる。この場合、両眼で見る画像は、同じディスプレイに表示されていた同じものなので、使用者はヘッドマウントディスプレイで画像を見ても疲れを感じ離い。
ディスプレイと自由曲面プリズムの位置関係はどのようにされていてもよい。自由曲面プリズムを用いることによりディスプレイからの光の導波板までの経路を曲げられるので、ディスプレイと導波板は、一般的には正対しない(平行とはならない。)。
例えば、前記ディスプレイは、前記自由曲面プリズムの上又は下に位置するようにすることができる。このようにすると、ディスプレイ、自由曲面プリズム、及び導波板を使用者の顔に対して左右対称に構成でき、デザイン的に優れたものにできる。
以上のようなヘッドマウントディスプレイを実現するための自由曲面プリズムとして、以下のものを本願発明者は提案する。
本発明の自由曲面プリズムは、第1面、第2面、第3面、及び第4面の4つの面を持ち、画像を表示する外部のディスプレイからの光に前記第1面を通過させ、前記第1面を通過させた光を前記第2面で反射させ、前記第2面で反射させた光を前記第3面で反射させ、前記第3面で反射させた光に前記第4面を通過させることで、その内部に導いた光の方向を変化させるとともに、前記ディスプレイに表示された画像を拡大するものである。
この自由曲面プリズムの前記第1面、前記第2面、前記第3面、及び前記第4面は、この自由曲面プリズムの面状の出射瞳が、前記第4面から10mm以内の位置に存在するようになっている。
この自由曲面プリズムは、以下のようなものであっても構わない。
即ち、前記ディスプレイからの光のうち、前記第1面を通過してから前記第2面で反射させられるまでのものを第1光束、前記第2面で反射してから前記第3面で反射させられるまでのものを第2光束、前記第3面で反射してから前記第4面を通過させられるまでのものを第3光束とした場合であって、前記第2面と前記第4面が滑らかに連なる一連の面である場合に、前記第1面、前記第2面、前記第3面、及び前記第4面は、反射されて前記第2光束となる前記第1光束が到達する前記第2面上の範囲と、前記第3光束が通過する前記第4面上の範囲の重複部分が、前記第3光束が通過する前記第4面上の範囲の30%以下となるようになっていてもよい。反射されて前記第2光束となる前記第1光束が到達する前記第2面上の範囲と、前記第3光束が通過する前記第4面上の範囲の重複部分が、前記第3光束が通過する前記第4面上の範囲の30%以下となるようにすると、出射瞳を第4面に近づけ、また、出射瞳を大きくするのに有利である。なお、出射瞳を大きくできれば、使用者が画像を見易くなり、また、使用者が画像を見たときに疲れにくくなることに繋がる。
前記第3面には金属が付着されており、前記第3面は前記第2面で反射させた光をその金属により反射させるようになっていてもよい。通常の自由曲面プリズムは、第3面で、全反射を行うようになっているが、第3面で金属による反射を行わせるようにすることで、第3面を、そこでの反射が全反射となるように設計しなくてもよくなるので、自由曲面プリズムの第3面の設計の自由度を増すことができるようになる。また、前記第3面には、誘電体多層膜が形成されており、前記第3面は前記第2面で反射させた光をその誘電体多層膜により反射させるようになっていてもよい。金属による反射の場合、その反射率は限りなく100%に近い全反射に比べればどうしても小さくなる。それに対し、誘電体多層膜を用いれば、全反射に近い反射率を得られる。
本発明は、自由曲面プリズムを用いることにより上述の課題を解決する。
自由曲面プリズムは、第1面、第2面、第3面、第4面の4つの面を備えており、その内部で光を2回反射することで、入ってきた光の向きを変え、また、その内部での2回の光の反射と、その内部に光を入れるときと出すときの2回の屈折により入ってきた光の元となった像を拡大するように光を変化させるものとされている。簡単にいうと、自由曲面プリズムは、プリズムとレンズの機能を併せ持ったものである。
本発明のヘッドマウントディスプレイは、画像を表示するディスプレイと、自由曲面プリズムと、導波板とを備えており、使用者の頭部に固定して用いられる。
そして、そのヘッドマウントディスプレイにおける前記自由曲面プリズムは、第1面、第2面、第3面、及び第4面の4つの面を持ち、前記ディスプレイからの光に前記第1面を通過させ、前記第1面を通過させた光を前記第2面で反射させ、前記第2面で反射させた光を前記第3面で反射させ、前記第3面で反射させた光に前記第4面を通過させることで、その内部に導いた光の方向を変化させるとともに、前記ディスプレイに表示された画像を拡大するものとされている。また、前記自由曲面プリズムの前記第1面、前記第2面、前記第3面、及び前記第4面は、この自由曲面プリズムの面状の出射瞳が、前記第4面から10mm以内の位置に存在するようにされている。また、前記導波板は、その一部が前記出射瞳の上に位置するとともにその他の一部が当該ヘッドマウントディスプレイの使用時に使用者の少なくとも一方の眼の前に位置するものとされ、前記出射瞳からその内部に導かれた前記自由曲面プリズムからの光を反射させながら導き、使用者の前記眼へ射出するようになっている。なお、本願発明における『出射瞳が、前記第4面から10mm以内の位置』という定義は、第4面が曲面であることから、本来は一義的には定まらない。そこで、この明細書では、第4面から瞳までの距離を、第4面と瞳がもっとも離れている部分における第4面と瞳の距離と定義することとする。言い換えれば、本願発明における『出射瞳が、前記第4面から10mm以内の位置』という文言は、出射瞳を含む平面と、第4面の一部を構成する多数の平面のうち、出射瞳を含む平面から最も離れている部分までの距離が10mm以内という意味である。
このヘッドマウントディスプレイは、上述の如き自由曲面プリズムを用いて、光の方向の変化と、画像の拡大を行う。自由曲面プリズムは、上述したように2回の反射と2回の屈折により画像を拡大することができるものであるので、その大きさの割には大きな倍率で画像の拡大を行うことができ、また、光の向きを変化させることが可能であるのでディスプレイから導波板までの間の光の経路を曲げられる。これらの機能により、本発明のヘッドマウントディスプレイは、薄型化が図られることになる。
ところで、導波板を用いないヘッドマウントディスプレイの分野では、自由曲面プリズムを用いるという発想自体は従来から存在していた。しかしながら、従来の自由曲面プリズムを用いたヘッドマウントディスプレイでは、導波板を用いずに、自由曲面プリズムの第4面から出た光をそのまま使用者の眼へ導くことが普通であった。自由曲面プリズムを用いると、ヘッドマウントディスプレイの小型化、薄型化を図れるのに、何も大きな導波板を用いてヘッドマウントディスプレイを大型化する必要はないからである。そのような用途で自由曲面プリズムは用いられていたため、使用者の眼の直前に自由曲面プリズムを置くことによって使用者に圧迫感を与えないようにすることを考慮して、従来の自由曲面プリズムの出射瞳の眼からの距離は20mm程度以上とされていた(言い換えれば、従来の自由曲面プリズムを用いたヘッドマウントディスプレイでは、自由曲面プリズムの第4面が、使用者の眼から20mm程度以上離れた位置に位置するようにされていた。)。
本発明では、そのような従来の常識を覆し、自由曲面プリズムの面状の出射瞳が、前記第4面から10mm以内の位置に来るようにし、その出射瞳と重なる位置にその一部が重なるようにして導波板を配することにより、ヘッドマウントディスプレイの薄型化を実現している。なお、このような構成により試作を行ったところ、導波板の前面からディスプレイの後端までの距離は、13mm程度まで縮めることができた。
なお、自由曲面プリズムの面状の出射瞳は、前記第4面から10mm程度の位置に来るようになっていれば本発明のヘッドマウントディスプレイを従来のヘッドマウントディスプレイよりも十分に薄型化されたものにできるが、自由曲面プリズムの第4面から出射瞳までの距離を10mmよりもより小さく、例えば3mm程度よりも小さくすることもできる。更にいえば、その距離は、1mm以下にもでき、限りなく0に近づけることが可能である。
なお、本願発明の自由曲面プリズムは、第1面、第2面、第3面、及び第4面を備えていればよい。従来の自由曲面プリズムは、多くの場合、第2面と第4面が滑らかに連なる一連の面とされており、その断面形状が略三角形状とされている。しかしながら、本願発明の自由曲面プリズムでは、第2面と第4面が必ずしも滑らかに連なる一連の面とされている必要はない。本願発明の自由曲面プリズムは、また、第1面、第2面、第3面、及び第4面を備えているのであれば、それ以外の面を備えていても構わない。
前記導波板は、その一部が前記出射瞳の上に位置するとともにその他の一部が当該ヘッドマウントディスプレイの使用時に使用者の少なくとも一方の眼の前に位置するものとされ、前記出射瞳からその内部に導かれた前記自由曲面プリズムからの光を反射させながら導き、使用者の前記眼へ射出するようになっていれば、その詳細を問わない。導波板は、板状であれば、曲がっていてもよい。
導波板は、その一部が前記出射瞳の上に位置するとともにその他の一部が当該ヘッドマウントディスプレイの使用時に使用者の双方の眼の前に位置するものとされており、前記出射瞳からその内部に導かれた前記自由曲面プリズムからの光を反射させながら導き、使用者の前記双方の眼へ射出するようになっていてもよい。この場合、ヘッドマウントディスプレイは両眼で画像を見るものとなる。この場合、両眼で見る画像は、同じディスプレイに表示されていた同じものなので、使用者はヘッドマウントディスプレイで画像を見ても疲れを感じ離い。
ディスプレイと自由曲面プリズムの位置関係はどのようにされていてもよい。自由曲面プリズムを用いることによりディスプレイからの光の導波板までの経路を曲げられるので、ディスプレイと導波板は、一般的には正対しない(平行とはならない。)。
例えば、前記ディスプレイは、前記自由曲面プリズムの上又は下に位置するようにすることができる。このようにすると、ディスプレイ、自由曲面プリズム、及び導波板を使用者の顔に対して左右対称に構成でき、デザイン的に優れたものにできる。
以上のようなヘッドマウントディスプレイを実現するための自由曲面プリズムとして、以下のものを本願発明者は提案する。
本発明の自由曲面プリズムは、第1面、第2面、第3面、及び第4面の4つの面を持ち、画像を表示する外部のディスプレイからの光に前記第1面を通過させ、前記第1面を通過させた光を前記第2面で反射させ、前記第2面で反射させた光を前記第3面で反射させ、前記第3面で反射させた光に前記第4面を通過させることで、その内部に導いた光の方向を変化させるとともに、前記ディスプレイに表示された画像を拡大するものである。
この自由曲面プリズムの前記第1面、前記第2面、前記第3面、及び前記第4面は、この自由曲面プリズムの面状の出射瞳が、前記第4面から10mm以内の位置に存在するようになっている。
この自由曲面プリズムは、以下のようなものであっても構わない。
即ち、前記ディスプレイからの光のうち、前記第1面を通過してから前記第2面で反射させられるまでのものを第1光束、前記第2面で反射してから前記第3面で反射させられるまでのものを第2光束、前記第3面で反射してから前記第4面を通過させられるまでのものを第3光束とした場合であって、前記第2面と前記第4面が滑らかに連なる一連の面である場合に、前記第1面、前記第2面、前記第3面、及び前記第4面は、反射されて前記第2光束となる前記第1光束が到達する前記第2面上の範囲と、前記第3光束が通過する前記第4面上の範囲の重複部分が、前記第3光束が通過する前記第4面上の範囲の30%以下となるようになっていてもよい。反射されて前記第2光束となる前記第1光束が到達する前記第2面上の範囲と、前記第3光束が通過する前記第4面上の範囲の重複部分が、前記第3光束が通過する前記第4面上の範囲の30%以下となるようにすると、出射瞳を第4面に近づけ、また、出射瞳を大きくするのに有利である。なお、出射瞳を大きくできれば、使用者が画像を見易くなり、また、使用者が画像を見たときに疲れにくくなることに繋がる。
前記第3面には金属が付着されており、前記第3面は前記第2面で反射させた光をその金属により反射させるようになっていてもよい。通常の自由曲面プリズムは、第3面で、全反射を行うようになっているが、第3面で金属による反射を行わせるようにすることで、第3面を、そこでの反射が全反射となるように設計しなくてもよくなるので、自由曲面プリズムの第3面の設計の自由度を増すことができるようになる。また、前記第3面には、誘電体多層膜が形成されており、前記第3面は前記第2面で反射させた光をその誘電体多層膜により反射させるようになっていてもよい。金属による反射の場合、その反射率は限りなく100%に近い全反射に比べればどうしても小さくなる。それに対し、誘電体多層膜を用いれば、全反射に近い反射率を得られる。
図1は、本発明の一実施形態によるヘッドマウントディスプレイの外観を示す斜視図である。
図2は、図1に示したヘッドマウントディスプレイの表示部近辺の縦断面図である。
図3は、図1に示したヘッドマウントディスプレイにおけるディスプレイからの光の挙動を説明するための図である。
図4は、図1に示したヘッドマウントディスプレイにおけるディスプレイからの光の挙動を説明するための図である。
図5は、図1に示したヘッドマウントディスプレイの導波板内における光の挙動を概略的に示す平面図である。
図6は、一実施形態に示したヘッドマウントディスプレイの変形例3が備える自由曲面プリズムの例を示す側面図である。
図2は、図1に示したヘッドマウントディスプレイの表示部近辺の縦断面図である。
図3は、図1に示したヘッドマウントディスプレイにおけるディスプレイからの光の挙動を説明するための図である。
図4は、図1に示したヘッドマウントディスプレイにおけるディスプレイからの光の挙動を説明するための図である。
図5は、図1に示したヘッドマウントディスプレイの導波板内における光の挙動を概略的に示す平面図である。
図6は、一実施形態に示したヘッドマウントディスプレイの変形例3が備える自由曲面プリズムの例を示す側面図である。
以下、本発明の好ましい一実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
この実施形態におけるヘッドマウントディスプレイ100は、図1に示したような眼鏡様の外観をしている。ヘッドマウントディスプレイ100は、通常の眼鏡が備えるのと同様のつる110と、通常の眼鏡のレンズに相当する位置に設けられた導波板120と、その内部に光学系を内蔵した表示部130とを備えている。
つる110は、使用者の頭部へヘッドマウントディスプレイ100を固定するものである。この実施形態のつる110は2本であり、導波板120の両側に設けられている。つる110と導波板120とをヒンジ接続することにより、通常の眼鏡のように、つる110を導波板120に対して平行になるような向きで折畳めるようになっていてもよい。つる110の先端を使用者の両耳にそれぞれ係止するか、或いは2本のつる110により使用者の頭部を挟み込むことで、使用者の頭部にヘッドマウントディスプレイ100が固定される。
導波板120は、回折格子のような構造とされている。導波板120は、この実施形態では矩形の平板状とされており、その前後(なお、この実施形態では便宜上、ヘッドマウントディスプレイ100を使用者の頭部に装着した場合の使用者の顔の前側(図1における紙面の手前側)をヘッドマウントディスプレイ100の「前」と、その逆側(図1における紙面の奥側)をヘッドマウントディスプレイ100の「後」と表現する場合がある。)の面に多数の縦方向の溝が切られた構成とされている。導波板120は、この実施形態では樹脂製である。なお、導波板120は必ずしも矩形である必要はない。また、導波板120は、必ずしも平板状である必要はなく、板状であれば湾曲していてもよい。
導波板120は、その内部に後述するようにして表示部130から導かれた光を、その内部で非常に多くの回数反射させながら(詳細には、その前後の面で反射させながら)その両端側へ導くようになっている。このような導波板120としては、例えば、特表2006−510059に開示された回折格子(素子)を用いることができる。
なお、導波板120は、ヘッドマウントディスプレイ100が使用者の頭部に固定された場合に、使用者の両眼を覆うようにされており、且つ使用者の眼からの距離が20〜30mm程度となるようにされている。この距離は、通常の眼鏡における眼と眼鏡のレンズの間の距離よりも大きくされているが、それは、導波板120が使用者に圧迫感を与えないようにするためである。上述のつる110は、ヘッドマウントディスプレイ100が使用者の頭部に固定された場合に導波板120と眼が上述の関係を保てるように、通常の眼鏡のつるよりも若干その長さが長くされている。もっとも、導波板120は、眼との距離が通常の眼鏡の眼とレンズの間の距離程度の距離に保たれるようになっていても構わない。
なお、図示を省略するが、導波板120に、通常の眼鏡におけるノーズパッド様のものを取付け、鼻の上に載せたそれにより、前方に迫り出した導波板120を支えるような構成にすることも可能である。
表示部130は、導波板120に臨む側が開放されている中空のケース131の内部に、図2に示したような部品を収納してなる。この実施形態のケース131は、必ずしもそうである必要はないが樹脂製である。なお、ケース131は、必ずしも導波板120に臨む側の全面が開放されている必要はなく、導波板120に臨む側のうち、後述する自由曲面プリズムからの光を導波板120に導くのに必要な範囲が開放されていればそれで足りる。
ケース131の内部には、この実施形態では、制御基板132、ディスプレイ133、及び自由曲面プリズム134が設けられている。
制御基板132は、ディスプレイ133によってなされる後述する画像の表示を制御するものとなっている。制御基板132は、画像を表示するためのデータをディスプレイ133に送り、ディスプレイ133に適切な画像を表示させる。制御基板132は、ケース131の外部から画像についてのデータを受けてそれをディスプレイ133に表示させる。かかるデータを無線で受取るため、この実施形態の制御基板132はアンテナを内蔵している。もっとも、制御基板132は、かかるデータを有線で受取るように構成されていてもよい。
制御基板132が受取る画像のデータは、例えば、図外のハードディスクプレイヤや、DVDプレイヤ、或いはテレビジョン放送用のチューナなどの画像のデータを送信できる所定の装置から制御基板132へ送られるようになっている。制御基板132に画像のデータを送る機器としては、上述のものの他に、パーソナルコンピュータ、携帯電話、コンピュータゲームを実行するゲーム専用装置、MP3プレイヤなどが考えられる。
ディスプレイ133は、画像を表示するものであり、この実施形態では液晶ディスプレイとされている。ディスプレイ133が画像を表示した場合、その画像についての光は自由曲面プリズム134に送られるようになっている。
自由曲面プリズム134は、断面略三角形状とされている。
自由曲面プリズム134は、第1面S1、第2面S2、第3面S3という3つの面を備えている。第1面S1、第2面S2、第3面S3はともに、自由曲面とされている。この実施形態における第2面S2は、本願発明における第2面と第4面を兼ねるものである。この実施形態で説明する自由曲面プリズム134は、本願発明の自由曲面プリズムのうち、第2面と第4面が滑らかに連なる一連の面とされている場合に相当する。
第1面S1は、ディスプレイ133に臨まされており、ディスプレイ133に表示された画像についてのディスプレイ133からの光を通過させて自由曲面プリズム134の内部に導く。ディスプレイ133からの光は、第1面S1を通過するときに屈折しディスプレイ133に表示された画像が拡大されるように変化する。
第2面S2は、第1面S1を通過した光を反射(通常は全反射である。)するようにされている。第1面S1を通過した光は、第2面S2で反射されることによりその方向を大きく変え、また、ディスプレイ133に表示された画像が拡大されるように変化する。第2面S2のうち、第1面S1から来た光を反射する部分が本願発明における第2面である。第2面S2は、また、第3面S3で反射された光を通過させる。これについては、後述する。第2面S2のうち、第3面S3から来た光を透過する部分が本願発明における第4面である。
第3面S3は、第2面S2で反射された光を反射させるようになっている。第2面S2で反射された光は、第3面S3で反射されることによりその方向を大きく変え、また、ディスプレイ133に表示された画像が拡大されるように変化する。なお、第3面S3で行われる反射は、全反射であっても、金属による反射であっても構わない。第3面S3で行われる反射が全反射である場合には、第2面S2で反射された光が第3面S3に至る場合の入射角が全反射角以下となるように第3面S3の曲面が設計される。第3面S3で行われる反射が金属による反射である場合には、第3面S3はそこで生じる反射が全反射となるように構成されている必要がないが、第3面S3の外側には、金属が、例えば蒸着によって付着されている。なお第3面S3の外側に、金属を付着させる代わりに、誘電体多層膜を形成することができる。この場合の反射は、誘電体多層膜によりなされる。
上述したように第3面S3で反射された光は、第2面S2に再び向い、第2面S2を通過する。第2面S2を通過する光は、第2面S2を通過するときに屈折しディスプレイ133に表示された画像が拡大されるように変化する。
上述したように構成されている自由曲面プリズム134は、その面状となる出射瞳が、導波板120上に位置するようになっている。なお、この実施形態では、出射瞳は、導波板120の左右方向の丁度中心に位置するようになっている。
自由曲面プリズム134の第2面S2(のより詳細には、第2面S2のうち第3面S3からの光が透過する部分、即ち本願発明における第4面)と導波板120の距離(図2におけるl)は、10mm以下、この実施形態では略3mmとされている。つまり、この実施形態では、第2面S2から出射瞳までの距離が10mm以下、より詳細には3mm程度とされている。なお、この距離は限りなく0に近づけられる。
なお、この実施形態では、自由曲面プリズム134の上方にディスプレイ133を配置する構成としたが、自由曲面プリズム134とディスプレイ133の位置関係を反転させ、自由曲面プリズム134の下方にディスプレイ133を配することも可能である。その場合には、制御基板132をも自由曲面プリズム134の下方に配するようにしてもよい。
次に、このヘッドマウントディスプレイ100の使用方法について説明する。
このヘッドマウントディスプレイ100を使用するには、まず、ヘッドマウントディスプレイ100を使用者の頭部へ固定する。ヘッドマウントディスプレイ100の使用者の頭部への固定は、上述したように、ヘッドマウントディスプレイ100のつる110を、使用者の耳へ係止するか、ヘッドマウントディスプレイ100のつる110で使用者の頭部を挟み込むことで行う。
そうすると、導波板120は、使用者の眼から凡そ20mmの距離に位置することになる。
この状態で使用者は、外部のハードディスクプレイヤ、DVDプレイヤ、テレビジョン放送用のチューナなどの所定の機器を操作し、ヘッドマウントディスプレイ100で表示すべき画像についてのデータを、それらの機器にヘッドマウントディスプレイ100へ送らせる。
その画像についてのデータは、上述したように、表示部130内の制御基板132が、それに内蔵された図示せぬアンテナにより受取る。制御基板132は、そのデータをディスプレイ133に送る。ディスプレイ133は、そのデータに基づく画像を表示する。
ディスプレイ133に表示された画像についての光は、ディスプレイ133から出て、自由曲面プリズム134の内部に入る。
自由曲面プリズム134内での光の挙動を、図3に示す。
ディスプレイ133から出た光は、第1面S1を通過する。
第1面S1を通過した光は、第2面S2で反射される。
第2面S2で反射された光は、第3面S3で反射される。
第3面S3で反射された光は、第2面S2を通過して、出射瞳Pに向かう。出射瞳Pは面状であり、上述したように、図3では省略されている導波板120の内部に位置している。
ここで、第1面S1を通過してから、第2面S2で反射されるまでの光を第1光束L1、第2面S2で反射されてから、第3面S3で反射されるまでの光を第2光束L2、第3面S3で反射されてから、第2面S2を通過するまでの光を第3光束L3と呼ぶことにすると、第1光束L1〜第3光束L3は、必ずしもそうである必要はないが、この実施形態では、以下のような関係となる。即ち、第2面S2において、そこで反射されて第2光束L2となる第1光束L1が到達した範囲(B1:これが本願発明でいう第2面である。)と、第3光束L3が通過する範囲(B2:これが本願発明でいう第4面である。)との重複部分が、第3光束L3が通過する範囲の30%以下となるようになっている。このような条件が満たされるように第1面S1、第2面S2、第3面S3を設計することで、出射瞳Pと第2面S2の距離を近づけ易く、また、出射瞳Pを大きくし易くなる。なお、第2面S2において、そこで反射されて第2光束L2となる第1光束L1が到達した範囲(B1)と、第3光束L3が通過する範囲(B2)を図4に示す。図4は、図3における自由曲面プリズムの内部のみを抜き出して図示したものである。
出射瞳Pに向かった光は、図5に示したように、導波板120の内部をその前後の面で反射されながら、導波板120の左右方向に分かれて進み、使用者の両眼のそれぞれへ射出される。その光により、使用者は、両眼で、適当な大きさに拡大された画像を見ることになる。
<変形例1>
上述のヘッドマウントディスプレイ100の変形例1について説明する。
上述のヘッドマウントディスプレイ100は、つる110と、導波板120と、表示部130とを備え、全体として眼鏡様の外観をしていたが、つる110はなくすことが可能である。つまり、この変形例1のヘッドマウントディスプレイ100は、導波板120と表示部130とを備えてなる。
このようなヘッドマウントディスプレイ100は、使用者がかけている眼鏡のレンズの上縁部分、(或いは、そのレンズを支持している上側のフレーム)に対して固定される。つまり、変形例1のヘッドマウントディスプレイ100は、広く知られたクリップサングラスのような態様で、眼鏡に対して取付けられる。
したがって、変形例1のヘッドマウントディスプレイ100は、つる110に代えて、眼鏡へヘッドマウントディスプレイ100を固定するためのクリップを備えている。
<変形例2>
上述の実施形態における自由曲面プリズム134は、第3面S3では、全反射、金属、誘電体多層膜による反射のいずれかを用いることができるようにされていたが、第2面S2で生じる反射は、通常は全反射であることのみを説明した。それは、第2面S2では、第1面S1を通過した光の反射のみならず、第3面S3を反射した光の透過も行われるため、反射しか行われない第3面S3と異なり、その全面に金属を付着させたり、誘電体多層膜を形成したりするわけにはいかないからである。しかしながら、第2面S2において、そこで反射されて第2光束L2となる第1光束L1が到達した範囲(B1)と、第3光束L3が通過する範囲(B2)とがまったく重複しないのであれば、つまり、本願でいう第2面と第4面がまったく重複しないのであれば、第2面S2のうち、範囲(B1)を含み且つ範囲(B2)を含まない範囲に金属を付着させ、或いは誘電体多層膜を形成することで、範囲(B1)で生じる反射を金属による反射又は誘電体多層膜による反射に置き換えることが可能である。
<変形例3>
上述した実施形態における自由曲面プリズム134の第2面S2は、滑らかに連続する曲面とされていた。しかしながら、第2面S2は、例えば階段状の、或いは滑らかではなく角を持つように連続した複数の面に分割されていてもよい。
上述したように、第2面S2は、第1面S1を通過した光の反射する機能と、第3面S3を反射した光の透過する機能という2つの機能を有する。そして、上述したように、この2つの機能は、第2面S2において、そこで反射されて第2光束L2となる第1光束L1が到達した範囲(B1)と、第3光束L3が通過する範囲(B2)とをまったく重複させないような設計とすることで完全に分離することが可能である。この場合、範囲(B1)と、範囲(B2)は、滑らかに連続する共通の面の上に存在する必要はない。つまり、範囲(B1)を含む面と、範囲(B2)を含む面は、同じ第2面S2であっても、滑らかに連続することのない、例えばその間に段差のある、異なる滑らかな曲面上にあっても構わない。その場合、範囲(B1)を含む曲面の外側には、金属が付着されていてもよいし、誘電体多層膜が形成されていてもよい。このような自由曲面プリズムの一例を示す側面図を図6に示す。なお、第2面S2のうち、範囲(B1)と、範囲(B2)の間のそれらを繋ぐ面では、第1面S1を通過した光の反射も、第3面S3を反射した光の透過も行われない。
この実施形態におけるヘッドマウントディスプレイ100は、図1に示したような眼鏡様の外観をしている。ヘッドマウントディスプレイ100は、通常の眼鏡が備えるのと同様のつる110と、通常の眼鏡のレンズに相当する位置に設けられた導波板120と、その内部に光学系を内蔵した表示部130とを備えている。
つる110は、使用者の頭部へヘッドマウントディスプレイ100を固定するものである。この実施形態のつる110は2本であり、導波板120の両側に設けられている。つる110と導波板120とをヒンジ接続することにより、通常の眼鏡のように、つる110を導波板120に対して平行になるような向きで折畳めるようになっていてもよい。つる110の先端を使用者の両耳にそれぞれ係止するか、或いは2本のつる110により使用者の頭部を挟み込むことで、使用者の頭部にヘッドマウントディスプレイ100が固定される。
導波板120は、回折格子のような構造とされている。導波板120は、この実施形態では矩形の平板状とされており、その前後(なお、この実施形態では便宜上、ヘッドマウントディスプレイ100を使用者の頭部に装着した場合の使用者の顔の前側(図1における紙面の手前側)をヘッドマウントディスプレイ100の「前」と、その逆側(図1における紙面の奥側)をヘッドマウントディスプレイ100の「後」と表現する場合がある。)の面に多数の縦方向の溝が切られた構成とされている。導波板120は、この実施形態では樹脂製である。なお、導波板120は必ずしも矩形である必要はない。また、導波板120は、必ずしも平板状である必要はなく、板状であれば湾曲していてもよい。
導波板120は、その内部に後述するようにして表示部130から導かれた光を、その内部で非常に多くの回数反射させながら(詳細には、その前後の面で反射させながら)その両端側へ導くようになっている。このような導波板120としては、例えば、特表2006−510059に開示された回折格子(素子)を用いることができる。
なお、導波板120は、ヘッドマウントディスプレイ100が使用者の頭部に固定された場合に、使用者の両眼を覆うようにされており、且つ使用者の眼からの距離が20〜30mm程度となるようにされている。この距離は、通常の眼鏡における眼と眼鏡のレンズの間の距離よりも大きくされているが、それは、導波板120が使用者に圧迫感を与えないようにするためである。上述のつる110は、ヘッドマウントディスプレイ100が使用者の頭部に固定された場合に導波板120と眼が上述の関係を保てるように、通常の眼鏡のつるよりも若干その長さが長くされている。もっとも、導波板120は、眼との距離が通常の眼鏡の眼とレンズの間の距離程度の距離に保たれるようになっていても構わない。
なお、図示を省略するが、導波板120に、通常の眼鏡におけるノーズパッド様のものを取付け、鼻の上に載せたそれにより、前方に迫り出した導波板120を支えるような構成にすることも可能である。
表示部130は、導波板120に臨む側が開放されている中空のケース131の内部に、図2に示したような部品を収納してなる。この実施形態のケース131は、必ずしもそうである必要はないが樹脂製である。なお、ケース131は、必ずしも導波板120に臨む側の全面が開放されている必要はなく、導波板120に臨む側のうち、後述する自由曲面プリズムからの光を導波板120に導くのに必要な範囲が開放されていればそれで足りる。
ケース131の内部には、この実施形態では、制御基板132、ディスプレイ133、及び自由曲面プリズム134が設けられている。
制御基板132は、ディスプレイ133によってなされる後述する画像の表示を制御するものとなっている。制御基板132は、画像を表示するためのデータをディスプレイ133に送り、ディスプレイ133に適切な画像を表示させる。制御基板132は、ケース131の外部から画像についてのデータを受けてそれをディスプレイ133に表示させる。かかるデータを無線で受取るため、この実施形態の制御基板132はアンテナを内蔵している。もっとも、制御基板132は、かかるデータを有線で受取るように構成されていてもよい。
制御基板132が受取る画像のデータは、例えば、図外のハードディスクプレイヤや、DVDプレイヤ、或いはテレビジョン放送用のチューナなどの画像のデータを送信できる所定の装置から制御基板132へ送られるようになっている。制御基板132に画像のデータを送る機器としては、上述のものの他に、パーソナルコンピュータ、携帯電話、コンピュータゲームを実行するゲーム専用装置、MP3プレイヤなどが考えられる。
ディスプレイ133は、画像を表示するものであり、この実施形態では液晶ディスプレイとされている。ディスプレイ133が画像を表示した場合、その画像についての光は自由曲面プリズム134に送られるようになっている。
自由曲面プリズム134は、断面略三角形状とされている。
自由曲面プリズム134は、第1面S1、第2面S2、第3面S3という3つの面を備えている。第1面S1、第2面S2、第3面S3はともに、自由曲面とされている。この実施形態における第2面S2は、本願発明における第2面と第4面を兼ねるものである。この実施形態で説明する自由曲面プリズム134は、本願発明の自由曲面プリズムのうち、第2面と第4面が滑らかに連なる一連の面とされている場合に相当する。
第1面S1は、ディスプレイ133に臨まされており、ディスプレイ133に表示された画像についてのディスプレイ133からの光を通過させて自由曲面プリズム134の内部に導く。ディスプレイ133からの光は、第1面S1を通過するときに屈折しディスプレイ133に表示された画像が拡大されるように変化する。
第2面S2は、第1面S1を通過した光を反射(通常は全反射である。)するようにされている。第1面S1を通過した光は、第2面S2で反射されることによりその方向を大きく変え、また、ディスプレイ133に表示された画像が拡大されるように変化する。第2面S2のうち、第1面S1から来た光を反射する部分が本願発明における第2面である。第2面S2は、また、第3面S3で反射された光を通過させる。これについては、後述する。第2面S2のうち、第3面S3から来た光を透過する部分が本願発明における第4面である。
第3面S3は、第2面S2で反射された光を反射させるようになっている。第2面S2で反射された光は、第3面S3で反射されることによりその方向を大きく変え、また、ディスプレイ133に表示された画像が拡大されるように変化する。なお、第3面S3で行われる反射は、全反射であっても、金属による反射であっても構わない。第3面S3で行われる反射が全反射である場合には、第2面S2で反射された光が第3面S3に至る場合の入射角が全反射角以下となるように第3面S3の曲面が設計される。第3面S3で行われる反射が金属による反射である場合には、第3面S3はそこで生じる反射が全反射となるように構成されている必要がないが、第3面S3の外側には、金属が、例えば蒸着によって付着されている。なお第3面S3の外側に、金属を付着させる代わりに、誘電体多層膜を形成することができる。この場合の反射は、誘電体多層膜によりなされる。
上述したように第3面S3で反射された光は、第2面S2に再び向い、第2面S2を通過する。第2面S2を通過する光は、第2面S2を通過するときに屈折しディスプレイ133に表示された画像が拡大されるように変化する。
上述したように構成されている自由曲面プリズム134は、その面状となる出射瞳が、導波板120上に位置するようになっている。なお、この実施形態では、出射瞳は、導波板120の左右方向の丁度中心に位置するようになっている。
自由曲面プリズム134の第2面S2(のより詳細には、第2面S2のうち第3面S3からの光が透過する部分、即ち本願発明における第4面)と導波板120の距離(図2におけるl)は、10mm以下、この実施形態では略3mmとされている。つまり、この実施形態では、第2面S2から出射瞳までの距離が10mm以下、より詳細には3mm程度とされている。なお、この距離は限りなく0に近づけられる。
なお、この実施形態では、自由曲面プリズム134の上方にディスプレイ133を配置する構成としたが、自由曲面プリズム134とディスプレイ133の位置関係を反転させ、自由曲面プリズム134の下方にディスプレイ133を配することも可能である。その場合には、制御基板132をも自由曲面プリズム134の下方に配するようにしてもよい。
次に、このヘッドマウントディスプレイ100の使用方法について説明する。
このヘッドマウントディスプレイ100を使用するには、まず、ヘッドマウントディスプレイ100を使用者の頭部へ固定する。ヘッドマウントディスプレイ100の使用者の頭部への固定は、上述したように、ヘッドマウントディスプレイ100のつる110を、使用者の耳へ係止するか、ヘッドマウントディスプレイ100のつる110で使用者の頭部を挟み込むことで行う。
そうすると、導波板120は、使用者の眼から凡そ20mmの距離に位置することになる。
この状態で使用者は、外部のハードディスクプレイヤ、DVDプレイヤ、テレビジョン放送用のチューナなどの所定の機器を操作し、ヘッドマウントディスプレイ100で表示すべき画像についてのデータを、それらの機器にヘッドマウントディスプレイ100へ送らせる。
その画像についてのデータは、上述したように、表示部130内の制御基板132が、それに内蔵された図示せぬアンテナにより受取る。制御基板132は、そのデータをディスプレイ133に送る。ディスプレイ133は、そのデータに基づく画像を表示する。
ディスプレイ133に表示された画像についての光は、ディスプレイ133から出て、自由曲面プリズム134の内部に入る。
自由曲面プリズム134内での光の挙動を、図3に示す。
ディスプレイ133から出た光は、第1面S1を通過する。
第1面S1を通過した光は、第2面S2で反射される。
第2面S2で反射された光は、第3面S3で反射される。
第3面S3で反射された光は、第2面S2を通過して、出射瞳Pに向かう。出射瞳Pは面状であり、上述したように、図3では省略されている導波板120の内部に位置している。
ここで、第1面S1を通過してから、第2面S2で反射されるまでの光を第1光束L1、第2面S2で反射されてから、第3面S3で反射されるまでの光を第2光束L2、第3面S3で反射されてから、第2面S2を通過するまでの光を第3光束L3と呼ぶことにすると、第1光束L1〜第3光束L3は、必ずしもそうである必要はないが、この実施形態では、以下のような関係となる。即ち、第2面S2において、そこで反射されて第2光束L2となる第1光束L1が到達した範囲(B1:これが本願発明でいう第2面である。)と、第3光束L3が通過する範囲(B2:これが本願発明でいう第4面である。)との重複部分が、第3光束L3が通過する範囲の30%以下となるようになっている。このような条件が満たされるように第1面S1、第2面S2、第3面S3を設計することで、出射瞳Pと第2面S2の距離を近づけ易く、また、出射瞳Pを大きくし易くなる。なお、第2面S2において、そこで反射されて第2光束L2となる第1光束L1が到達した範囲(B1)と、第3光束L3が通過する範囲(B2)を図4に示す。図4は、図3における自由曲面プリズムの内部のみを抜き出して図示したものである。
出射瞳Pに向かった光は、図5に示したように、導波板120の内部をその前後の面で反射されながら、導波板120の左右方向に分かれて進み、使用者の両眼のそれぞれへ射出される。その光により、使用者は、両眼で、適当な大きさに拡大された画像を見ることになる。
<変形例1>
上述のヘッドマウントディスプレイ100の変形例1について説明する。
上述のヘッドマウントディスプレイ100は、つる110と、導波板120と、表示部130とを備え、全体として眼鏡様の外観をしていたが、つる110はなくすことが可能である。つまり、この変形例1のヘッドマウントディスプレイ100は、導波板120と表示部130とを備えてなる。
このようなヘッドマウントディスプレイ100は、使用者がかけている眼鏡のレンズの上縁部分、(或いは、そのレンズを支持している上側のフレーム)に対して固定される。つまり、変形例1のヘッドマウントディスプレイ100は、広く知られたクリップサングラスのような態様で、眼鏡に対して取付けられる。
したがって、変形例1のヘッドマウントディスプレイ100は、つる110に代えて、眼鏡へヘッドマウントディスプレイ100を固定するためのクリップを備えている。
<変形例2>
上述の実施形態における自由曲面プリズム134は、第3面S3では、全反射、金属、誘電体多層膜による反射のいずれかを用いることができるようにされていたが、第2面S2で生じる反射は、通常は全反射であることのみを説明した。それは、第2面S2では、第1面S1を通過した光の反射のみならず、第3面S3を反射した光の透過も行われるため、反射しか行われない第3面S3と異なり、その全面に金属を付着させたり、誘電体多層膜を形成したりするわけにはいかないからである。しかしながら、第2面S2において、そこで反射されて第2光束L2となる第1光束L1が到達した範囲(B1)と、第3光束L3が通過する範囲(B2)とがまったく重複しないのであれば、つまり、本願でいう第2面と第4面がまったく重複しないのであれば、第2面S2のうち、範囲(B1)を含み且つ範囲(B2)を含まない範囲に金属を付着させ、或いは誘電体多層膜を形成することで、範囲(B1)で生じる反射を金属による反射又は誘電体多層膜による反射に置き換えることが可能である。
<変形例3>
上述した実施形態における自由曲面プリズム134の第2面S2は、滑らかに連続する曲面とされていた。しかしながら、第2面S2は、例えば階段状の、或いは滑らかではなく角を持つように連続した複数の面に分割されていてもよい。
上述したように、第2面S2は、第1面S1を通過した光の反射する機能と、第3面S3を反射した光の透過する機能という2つの機能を有する。そして、上述したように、この2つの機能は、第2面S2において、そこで反射されて第2光束L2となる第1光束L1が到達した範囲(B1)と、第3光束L3が通過する範囲(B2)とをまったく重複させないような設計とすることで完全に分離することが可能である。この場合、範囲(B1)と、範囲(B2)は、滑らかに連続する共通の面の上に存在する必要はない。つまり、範囲(B1)を含む面と、範囲(B2)を含む面は、同じ第2面S2であっても、滑らかに連続することのない、例えばその間に段差のある、異なる滑らかな曲面上にあっても構わない。その場合、範囲(B1)を含む曲面の外側には、金属が付着されていてもよいし、誘電体多層膜が形成されていてもよい。このような自由曲面プリズムの一例を示す側面図を図6に示す。なお、第2面S2のうち、範囲(B1)と、範囲(B2)の間のそれらを繋ぐ面では、第1面S1を通過した光の反射も、第3面S3を反射した光の透過も行われない。
Claims (7)
- 第1面、第2面、第3面、及び第4面の4つの面を持ち、画像を表示する外部のディスプレイからの光に前記第1面を通過させ、前記第1面を通過させた光を前記第2面で反射させ、前記第2面で反射させた光を前記第3面で反射させ、前記第3面で反射させた光に前記第4面を通過させることで、その内部に導いた光の方向を変化させるとともに、前記ディスプレイに表示された画像を拡大する自由曲面プリズムであって、
前記第1面、前記第2面、前記第3面、及び前記第4面は、この自由曲面プリズムの面状の出射瞳が、前記第4面から10mm以内の位置に存在するようになっている、
自由曲面プリズム。 - 前記ディスプレイからの光のうち、前記第1面を通過してから前記第2面で反射させられるまでのものを第1光束、前記第2面で反射してから前記第3面で反射させられるまでのものを第2光束、前記第3面で反射してから前記第4面を通過させられるまでのものを第3光束とした場合であって、前記第2面と前記第4面が、滑らかに連なる一連の面とされている場合、
前記第1面、前記第2面、前記第3面、及び前記第4面は、反射されて前記第2光束となる前記第1光束が到達する前記第2面上の範囲と、前記第3光束が通過する前記第4面上の範囲の重複部分が、前記第3光束が通過する前記第4面上の範囲の30%以下となるようになっている、
請求の範囲第1項記載の自由曲面プリズム。 - 前記第3面には金属が付着されており、前記第3面は前記第2面で反射させた光をその金属により反射させるようになっている、
請求の範囲第1項又は第2項記載の自由曲面プリズム。 - 前記第3面には、誘電体多層膜が形成されており、前記第3面は前記第2面で反射させた光をその誘電体多層膜により反射させるようになっている、
請求の範囲第1項又は第2項記載の自由曲面プリズム。 - 画像を表示するディスプレイと、自由曲面プリズムと、導波板とを備えており、使用者の頭部に固定して用いられるヘッドマウントディスプレイであって、
前記自由曲面プリズムは、第1面、第2面、第3面、及び第4面の4つの面を持ち、前記ディスプレイからの光に前記第1面を通過させ、前記第1面を通過させた光を前記第2面で反射させ、前記第2面で反射させた光を前記第3面で反射させ、前記第3面で反射させた光に前記第4面を通過させることで、その内部に導いた光の方向を変化させるとともに、前記ディスプレイに表示された画像を拡大するものとされているとともに、
前記自由曲面プリズムの前記第1面、前記第2面、前記第3面、及び前記第4面は、この自由曲面プリズムの面状の出射瞳が、前記第4面から10mm以内の位置に存在するようにされ、
且つ、前記導波板は、その一部が前記出射瞳の上に位置するとともにその他の一部が当該ヘッドマウントディスプレイの使用時に使用者の少なくとも一方の眼の前に位置するものとされ、前記出射瞳からその内部に導かれた前記自由曲面プリズムからの光を反射させながら導き、使用者の前記眼へ射出するようになっている、
ヘッドマウントディスプレイ。 - 前記導波板は、その一部が前記出射瞳の上に位置するとともにその他の一部が当該ヘッドマウントディスプレイの使用時に使用者の双方の眼の前に位置するものとされており、前記出射瞳からその内部に導かれた前記自由曲面プリズムからの光を反射させながら導き、使用者の前記双方の眼へ射出するようになっている、
請求の範囲第5項記載のヘッドマウントディスプレイ。 - 前記ディスプレイは、前記自由曲面プリズムの上又は下に位置するようになっている、
請求の範囲第5項又は第6項記載のヘッドマウントディスプレイ。
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