JPWO2007145333A1 - 免疫力評価方法、免疫力評価装置、免疫力評価プログラム、及び免疫力評価プログラムを記録した情報記録媒体 - Google Patents

免疫力評価方法、免疫力評価装置、免疫力評価プログラム、及び免疫力評価プログラムを記録した情報記録媒体 Download PDF

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Abstract

採取した血液に含まれる免疫細胞に対応する免疫細胞マーカーを用いて免疫力を評価する免疫力評価方法であり、選択した2種類以上の免疫細胞マーカー毎に、採取した血液に含まれる各免疫細胞マーカーに基づく評価値を求めるステップと、選択した2種類以上の免疫細胞マーカーに関する求めた評価値を合算するステップと、合算した結果から免疫力を評価するステップとを備えている。

Description

本発明は、採取された血液に含まれる複数の免疫細胞に対応する免疫細胞マーカーを用いて免疫力を評価する免疫力評価方法、免疫力評価装置、免疫力評価プログラム、及び免疫力評価プログラムを記録した情報記録媒体に関する。
血液中のリンパ球は免疫力を担当する中心的細胞であるが、それは、T細胞、B細胞、ナチュラルキラー細胞(NK細胞)等、機能の異なる細胞(亜集団)からなっている。また、T細胞についても一様ではなく、機能的に異なる亜集団細胞からなるが、それらの亜集団はCD4T細胞やCD8T細胞、あるいはナイーブT細胞やメモリーT細胞と呼ばれている。
それら各種の細胞にはそれぞれに特異な表面蛋白(抗原)があり、従来は、それらの抗原に対する抗体を用いて染色し、フローサイトメトリーにより数や割合を測定していた。また、培養条件下で、各リンパ球の増殖能力や増殖に関わる蛋白(サイトカイン)を測定することにより、機能測定を行っていた。
上記した方法により、リンパ球の亜集団の構成やそれらの機能が、加齢により変動あるいは低下することを、本願の発明者らは明らかにしている(非特許文献1、2参照)
(Utsuyama M, Hirokawa K, Kurashima C, Fukayama M, Inamatsu T,Suzuki K, Hashimoto W and Sato K.共著,「Differential age-change in the number of CD4+CD45RA+ and CD4+CD29+ T cell subsets in the human peripheral blood.」,Mechanism of Ageing and Development.,1992年3月15日63巻1号p.57-68 廣川勝▲いく▼,「老化と免疫」,日本老年医学会誌,2003年11月40巻6号p.543‐552
しかしながら、それら個々のデータは、それぞれの細胞亜集団の比率や機能を示すものではあるが、必ずしもヒトの総合的な免疫力を表すものではない。
健常者の末梢血液中には、白血球が4000〜8000/μl存在する。白血球は、(I)分葉した核をもち、細胞内に顆粒をもつ顆粒細胞、(II)円形の核をもつ単核細胞からなる。単核細胞の大部分はリンパ球からなり、一部貪食機能を主とする単球(マクロファージ)もこの中に含まれる。この単核細胞のリンパ球が免疫細胞の主役になる。
リンパ球は機能の異なるいろいろなサブグループから構成されている。大きなサブグループはT細胞、B細胞そしてNK細胞の3つの集団である。
T細胞はさらに2つの大きな集団、CD4T細胞とCD8T細胞に分かれる。
そして、T細胞、B細胞のそれぞれは、感染など抗原刺激を受けたことのあるメモリー細胞とまだそうした経験のないナイーブ細胞とからなる。
ここに示したのは極めて大まかな大きな集団の区別であるが、これらの集団はそれぞれ異なる機能をもっている。つまり、人間の免疫力はこうした異なる機能を持つ、いろいろな亜集団の機能の総合能力からなっている。
従って、一つの機能を代表する亜集団をみても、個体全体を代表することにはならない。
以上詳述したように、多種類、多様なリンパ球の各亜集団について、それらの機能や全体に対する比率を見ることは可能ではある。即ち、T細胞数は1540/μl、B細胞数は105/μl、NK細胞225/μlという個々のデータを取得することはできるが、それらの個々のデータがヒトの免疫力とどのような相関関係になっているかについては不明である。換言すると、個々の人が自分の免疫力(免疫機能)のレベルを客観的に評価する方法がないという問題がある。
そこで本発明は、総合的、包括的な免疫力を客観的に評価することができる免疫力評価方法、免疫力評価装置、免疫力評価プログラム、及び免疫力評価プログラムを記録した情報記録媒体を提供することを目的としている。
本発明によれば、採取した血液に含まれる免疫細胞に対応する免疫細胞マーカーを用いて免疫力を評価する免疫力評価方法は、選択した2種類以上の免疫細胞マーカー毎に、採取した血液に含まれる各免疫細胞マーカーに基づく評価値を求めるステップと、選択した2種類以上の免疫細胞マーカーに関する求めた評価値を合算するステップと、合算した結果から免疫力を評価するステップとを備えている。複数の免疫細胞マーカーの評価値を加算して総合的な免疫機能の評価を行っているため、総合的,包括的な免疫力を客観的に評価することができる。
評価値を求めるステップが各免疫細胞マーカーの値に応じた点数化を所定の基準値に基づいて行う点数化ステップであり、合算するステップが点数化して得た点数を合算してスコアを求める合算ステップであることが好ましい。選択した2種類以上の免疫細胞マーカー毎に、採取した血液に含まれる各免疫細胞マーカーの値に応じた点数化を所定の基準値に基づいて行い、各点数を合算してなるスコアに基づき、免疫力を評価しているので、血液を採取した者の総合的,包括的な免疫力を客観的に評価することができる。
評価するステップが、免疫力の評価を点数に応じた複数の段階に区分しておき、いずれの区分にスコアが含まれるかを判定することにより免疫力を段階的に評価する評価ステップであることも好ましい。免疫力の評価を点数に応じた複数の段階に区分しておき、いずれの区分にスコアが含まれるかを判定することにより免疫力を段階的に評価しているので、免疫力の評価を明確に行うことができる。
選択した2種類以上の免疫細胞マーカーが、T細胞数、T細胞増殖係数、CD4T細胞/CD8T細胞比率、ナイーブT細胞数、ナイーブT細胞/メモリーT細胞比率、IL‐2サイトカイン産生能、IFN‐γサイトカイン産生能、IL‐4サイトカイン産生能、B細胞数、及びNK細胞数のうちの少なくとも2つを含むことも好ましい。T細胞数、T細胞増殖係数、CD4T細胞/CD8T細胞比率、ナイーブT細胞数、ナイーブT細胞/メモリーT細胞比率、IL‐2サイトカイン産生能、IFN‐γサイトカイン産生能、IL‐4サイトカイン産生能、B細胞数、及びNK細胞数のうち、2種類以上を免疫細胞マーカーとされるので、総合的、包括的な免疫力の高低を正確に評価することができる。
選択した2種類以上の免疫細胞マーカーが、T細胞数又はT細胞増殖係数の少なくともいずれか一方を含むことも好ましい。T細胞数又はT細胞増殖係数の少なくともいずれか一方を含んでいるので、免疫力の高低が反映されやすい。
本発明によれば、さらに、採取した血液から検出したT細胞増殖係数又はCD3再発現量を用いて免疫力を評価する免疫力評価方法は、T細胞増殖係数又はCD3再発現量と年齢との相関関係に基づいた回帰直線を予め求めておくステップと、入力された実年齢を回帰直線に代入してT細胞増殖係数又はCD3再発現量の予測値を求めるステップと、求めた予測値と検出したT細胞増殖係数又はCD3再発現量とから免疫力年齢の推定範囲を求めるステップとを備えている。年齢と相関の強いT細胞増殖係数又はCD3再発現量を用いて免疫力を年齢表現しているため、総合的、包括的な免疫力を客観的に評価することができる。
さらにまた、本発明によれば、採取した血液に含まれる免疫細胞に対応する免疫細胞マーカーを用いて免疫力を評価する免疫力評価装置は、選択した2種類以上の免疫細胞マーカー毎に、採取した血液に含まれる各免疫細胞マーカーに基づく評価値を求める手段と、選択した2種類以上の免疫細胞マーカーに関する求めた評価値を合算する手段と、合算した結果から免疫力を評価する手段とを備えている。複数の免疫細胞マーカーの評価値を加算して総合的な免疫機能の評価を行っているため、総合的,包括的な免疫力を客観的に評価することができる。
評価値を求める手段が各免疫細胞マーカーの値に応じた点数化を所定の基準値に基づいて行う点数化手段であり、合算する手段が点数化して得た点数を合算してスコアを求める合算手段であることが好ましい。選択した2種類以上の免疫細胞マーカー毎に、入力部から入力された各免疫細胞マーカーの値に応じた点数化を所定の基準値に基づいて行い、上記各点数を合算してなるスコアに基づいて免疫力を評価しているので、総合的,包括的な免疫力を客観的に評価することができる。
免疫力の評価を点数に応じて段階的に区分した評価テーブルを記憶した記憶部が設けられており、評価する手段が、評価テーブルのいずれの区分にスコアが含まれるかを判定することにより免疫力を段階的に評価する評価手段であることも好ましい。免疫力の評価を点数に応じて段階的に区分した評価テーブルを記憶した記憶部が設けられており、免疫力評価手段は、評価テーブルのいずれの区分にスコアが含まれるかを判定しているので、免疫力の評価を容易に行うことができる。
複数の免疫細胞に対応する所定の基準値となる健常者の免疫細胞マーカーの値を、健常者の関連情報に対応させたデータベースを記憶した記憶部を有していることも好ましい。複数の免疫細胞に対応する所定の基準値となる健常者の免疫細胞マーカーの値を、健常者の関連情報に対応させたデータベースを記憶した記憶部を有しているので、免疫力の評価をばらつきなく行うことができる。
選択した2種類以上の免疫細胞マーカーが、T細胞数、T細胞増殖係数、CD4T細胞/CD8T細胞比率、ナイーブT細胞数、ナイーブT細胞/メモリーT細胞比率、IL‐2サイトカイン産生能、IFN‐γサイトカイン産生能、IL‐4サイトカイン産生能、B細胞数、及びNK細胞数のうちの少なくとも2つを含むことも好ましい。T細胞数、T細胞増殖係数、CD4T細胞/CD8T細胞比率、ナイーブT細胞数、ナイーブT細胞/メモリーT細胞比率、IL‐2サイトカイン産生能、IFN‐γサイトカイン産生能、IL‐4サイトカイン産生能、B細胞数、及びNK細胞数のうち、2種類以上を免疫細胞マーカーとされるので、総合的,包括的な免疫力の高低を正確に評価することができる。
選択した2種類以上の免疫細胞マーカーが、T細胞数又はT細胞増殖係数の少なくともいずれか一方を含むことも好ましい。T細胞数又はT細胞増殖係数の少なくともいずれか一方を含んでいるので、免疫力の高低が反映されやすい。
本発明によれば、さらに、採取した血液から検出したT細胞増殖係数又はCD3再発現量を用いて免疫力を評価する免疫力評価装置は、T細胞増殖係数又はCD3再発現量と年齢との相関関係に基づいた回帰直線を予め求めておく手段と、入力された実年齢を回帰直線に代入してT細胞増殖係数又はCD3再発現量の予測値を求める手段と、求めた予測値と検出したT細胞増殖係数又はCD3再発現量とから免疫力年齢の推定範囲を求める手段とを備えている。年齢と相関の強いT細胞増殖係数又はCD3再発現量を用いて免疫力を年齢表現しているため、総合的、包括的な免疫力を客観的に評価することができる。
本発明によれば、さらにまた、採取した血液に含まれる免疫細胞に対応する免疫細胞マーカーを用いて免疫力を評価する機能をコンピュータに実現するための免疫力評価プログラムは、選択した2種類以上の免疫細胞マーカー毎に、入力部に入力された各免疫細胞マーカーに基づく評価値を求める機能と、該記選択した2種類以上の免疫細胞マーカーに関する求めた評価値を合算する機能と、合算した結果から免疫力を評価する機能とを実現するように構成されている。複数の免疫細胞マーカーの評価値を加算して総合的な免疫機能の評価を行っているため、総合的,包括的な免疫力を客観的に評価することができる。
評価値を求める機能が各免疫細胞マーカーの値に応じた点数化を所定の基準値に基づいて行う点数化機能であり、合算する機能が点数化して得た点数を合算してスコアを求める合算機能であることが好ましい。選択した2種類以上の免疫細胞マーカー毎に、入力部から入力された各免疫細胞マーカーの値に応じた点数化を所定の基準値に基づいて行い、上記各点数を合算してなるスコアに基づき、免疫力を評価しているので、総合的,包括的な免疫力を客観的に評価することができる。
評価する機能が、免疫力の評価を点数に応じた複数の段階に区分した評価テーブルのいずれの区分にスコアが含まれるかを判定することにより免疫力を段階的に評価する評価機能であることも好ましい。免疫力の評価を点数に応じて段階的に区分した評価テーブルが用意されており、免疫力評価機能は、評価テーブルのいずれの区分にスコアが含まれるかを判定することにより、免疫力を段階的に評価しているので、免疫力の評価を容易に行うことができる。
本発明によれば、さらに、採取した血液から検出したT細胞増殖係数又はCD3再発現量を用いて免疫力を評価する機能をコンピュータに実現するための免疫力評価プログラムは、T細胞増殖係数又はCD3再発現量と年齢との相関関係に基づいた回帰直線を予め求めておく機能と、入力された実年齢を回帰直線に代入してT細胞増殖係数又はCD3再発現量の予測値を求める機能と、求めた予測値と検出したT細胞増殖係数又はCD3再発現量とから免疫力年齢の推定範囲を求める機能とを実現するように構成されている。年齢と相関の強いT細胞増殖係数又はCD3再発現量を用いて免疫力を年齢表現しているため、総合的、包括的な免疫力を客観的に評価することができる。
本発明のコンピュータにより読み取り可能な情報記録媒体は、上述した免疫力評価プログラムを記録している。
図1は本発明の一実施形態に係る免疫力評価装置全体の構成を示すブロック図である。 図2はコンピュータ本体が有する機能を示すブロック図である。 図3は疾患を有しない健常者の免疫細胞マーカーの値を示す説明図である。 図4はT細胞数と累積度数との関係を示す関係図である。 図5はCD4T細胞/CD8T細胞比率と累積度数との関係を示す関係図である。 図6は免疫力の評価を点数に応じて段階的に区分した評価表である。 図7は人数とグレードとの関係を示すグラフである。 図8は採血から10種類の免疫細胞マーカーを算出するためのデータを取得するまでの手順を示す説明図である。 図9は入力部に入力された免疫細胞マーカーの値に基づいて、コンピュータ本体が行う免疫力の評価処理の例を説明するフローチャートである。 図10は各免疫細胞マーカーと、これらに付与された点数との具体例を示す説明図である。 図11は免疫力スコアと年齢との相関関係を示す相関図である。 図12は本発明の他の実施形態におけるT細胞増殖係数と年齢との相関関係を示す相関図である。 図13は設定した年齢表現の範囲の区切りを示す図である。 図14は他の実施形態におけるコンピュータ本体が有する機能を示すブロック図である。 図15はコンピュータ本体が行う免疫力の評価処理の例を説明するフローチャートである。 図16はT細胞増殖係数の検査値及び予測値に対する免疫評価ランク及び免疫力年齢の評価表を表す図である。 図17はある検体について求めた免疫評価ランク及び免疫力年齢を示す図である。 図18はある検体について求めた免疫評価ランク及び免疫力年齢を示す図である。 図19はある検体について求めた免疫評価ランク及び免疫力年齢を示す図である。 図20はある検体について求めた免疫評価ランク及び免疫力年齢を示す図である。 図21はある検体について求めた免疫評価ランク及び免疫力年齢を示す図である。 図22は本発明のさらに他の実施形態におけるCD3再発現量と年齢との相関関係を示す相関図である。 図23はさらに他の実施形態におけるコンピュータ本体が有する機能を示すブロック図である。 図24はコンピュータ本体が行う免疫力の評価処理の例を説明するフローチャートである。
本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照して説明する。図1は本発明の一実施形態に係る免疫力評価装置全体の構成を示すブロック図、図2はコンピュータ本体が有する機能を示すブロック図、図3は疾患を有しない健常者の免疫細胞マーカーの値を示す説明図である。
図1に示すように、本発明の一実施形態に係る免疫力評価装置Aは、入力部10、コンピュータ本体20、記憶部である外部記憶装置30及び表示部40等を含むデジタルコンピュータから主として構成されている。
入力部10は、免疫力の評価を受ける者(血液を採取された者)の関連情報、後述する免疫細胞マーカーの値、健常者の関連情報等を入力できるキーボードやマウス等からなる。
「免疫力の評価を受ける者の関連情報」とは、免疫力の評価を受ける者の氏名、住所、性別、実年齢、既往症、及び現症等である。
コンピュータ本体20は、CPU(中央処理ユニット)21の他に、メインメモリ22、及び外部回路と接続するためのインターフェース回路(図示しない)等から主として構成されている。
外部記憶装置30は、例えばハードディスク装置等であり、これには、後述する免疫力評価プログラムとともにデータベース50及び評価テーブル80等が記憶されており、必要に応じてその内容がコンピュータ本体20のメインメモリ22に読み出されて実行されるようになっている。
データベース50は、複数の免疫細胞に対応する所定の基準値となる健常者の免疫細胞マーカーの値と健常者の関連情報とを対応させたデータを記憶するものであり、また、新たな健常者の免疫細胞マーカーの値を上記した入力部10から逐次追加して記憶できる構造になっている。
「健常者」とは、一般的な健康診断において特別な異常を認められなかった者であり、「健常者の関連情報」とは、健常者の氏名、住所、性別、実年齢、体重や身長等の身体値、及び免疫細胞マーカーの値等である。
免疫力評価プログラムは、以下に示す本実施形態に係る免疫力評価方法に基づいてコンピュータ本体を作動させる公知のプログラム言語によりプログラミングしたものである。このプログラムは、実行することにより、図2に示すように、コンピュータ本体20に、点数化手段60の機能、合算手段61の機能、免疫力の評価手段62の機能、マーカー選択手段63の機能、評価段階設定手段64の機能、点数化段階設定手段65の機能、及びマーカー抽出手段66の機能を提供する。各機能については、後に詳細に説明する。
本実施形態に係る免疫力評価方法は、採取した血液に含まれる複数の免疫細胞に対応する免疫細胞マーカーを用いて免疫力を評価することを内容としており、予め選択した2つ以上の免疫細胞マーカー毎に、所定の基準値に基づいて各免疫細胞マーカーの値に応じた点数化を行い、点数化の結果である各点数を合算してなるスコアに基づき、免疫力を評価するものである。
本実施形態においては、予め選択した2つ以上の免疫細胞マーカー毎に、所定の基準値に基づいて各免疫細胞マーカーの値に応じた複数段階の点数化を行い、点数化した結果を合算してなるスコアに基づき、免疫力を段階的に評価している。
ここで「免疫細胞マーカー」は、採取された血液に含まれる複数の免疫細胞に対応するものである。
本実施形態においては、末梢血液内のリンパ球に含まれる免疫細胞に対応する10種類の免疫細胞マーカーを採用している。
10種類の免疫細胞免疫細胞マーカーは、図3に示すように、μl当たりのT細胞数(a)、T細胞増殖係数(b)、CD4T細胞/CD8T細胞比率(c)、μl当たりのナイーブT細胞数(d)、ナイーブT細胞/メモリーT細胞比率(e)、μl当たりのB細胞数(f)、μl当たりのNK(ナチュラルキラー)細胞数(g)、IL‐2サイトカイン産生能(h)、IFN‐γサイトカイン産生能(i)、IL‐4サイトカイン産生能(j)からなるが、これらに限るものではなく、他の免疫細胞マーカーを採用することができる。
なお、IL‐2サイトカイン産生能(h)、IFN‐γサイトカイン産生能(i)、及びIL‐4サイトカイン産生能(j)は免疫細胞が有する機能であるが、本実施形態においては、それらの機能を含めて免疫細胞マーカーという。
なお、本実施形態においてはμl当たりのT細胞数等について説明しているが、これに限らず、単位液量当たりの数であればよいことは勿論である。
ところで、本実施形態においては、T細胞数/μl(a)、T細胞増殖係数(b)等の10種類の免疫細胞マーカーを全てを選択しているが、2種類以上の免疫細胞マーカーを選択する場合には次のような組み合わせが好適である。
2種類の免疫細胞マーカーを組み合わせる場合には、T細胞数又はT細胞増殖係数の少なくともいずれか一方を含むようにする。好ましくはT細胞数/μl(a)とT細胞増殖係数(b)とを選択するとよい。
また、3種類以上の免疫細胞マーカーを組み合わせるときにも同様であるが、T細胞数/μl(a)とT細胞増殖係数(b)とを含むようにする。このような組み合わせにすることにより、免疫力の変動が反映されやすく、また、免疫力(免疫機能)を総合的,包括的に評価しやすい。
T細胞増殖係数(b)は、T細胞の数とその増殖能力の両方を反映させることができる、今までにない新規な概念の値であり、次式で表される。
T細胞増殖係数=OD(490nm)値×(μl当たりのT細胞数/1000)
なお、μl当たりのT細胞数を1000で除しているが、これは、図3に示す他の値と桁数を揃えるためであり、必ずしも1000で除する必要はない。
OD(Optical Density)値はT細胞の増殖能力を反映した吸光度のことであり、本実施形態においてはアイソトープを使用しないMTS法に基づいて算出している。なお、カッコ内の490(nm)は光の波長である。
このMTS法の概略は次のとおりである。
CellTiter 96(登録商標) AQueous One Solution Cell Proliferation Assayは、細胞増殖や細胞毒性試験における生細胞数を測定する比色定量分析用試薬である。
試薬には新しいテトラゾリウム化合物[3-(4,5-dimethylthiazol-2-yl)-5-(3-carboxymethoxyphenyl)-2-(4-sulfophenyl)-2H-tetrazolium, inner salt (MTS)]と電子捕獲剤phenazine ethosulfate(PES)が含まれる。MTSとの共存下でPESがより安定化するため、便利な単一溶液にすることができる。
他のMTTやINTのようなテトラゾリウム化合物と比較し、CellTiter 96(R) AQueous One Solution Assayは作業行程を短縮することができる。これは、本製品が安定な単一溶液として供給される上に、MTSホルマザン産物の可溶化が不要なためである。アッセイ操作では、培養ウエルに少量のCellTiter 96 AQueous One Solution Reagentを直接添加して、1〜4時間のインキュベーションを行いう。MTS (Owen's Reagent)が生細胞によって還元され、培地に可溶な有色のホルマザン産物に変換される。96ウェルプレートリーダーを用いて490(nm)で測定すれば、容易に測定できる。490(nm)のホルマザン定量値が、培地中の生細胞数に比例する。本製品は、[3H]-thymidine取り込み法の代わりに使用できる。
以上のとおり、アイソトープを使用することなくT細胞増殖係数を算出することができるので、核医学検査を実施するための高価な設備を有しない診療所等においても本発明を容易に実施することができる。
本実施形態に係る免疫力評価プログラムは、予め選択した2種類以上の免疫細胞マーカー毎に、所定の基準値に基づいて各免疫細胞マーカーの値に応じた点数化を行う点数化機能と、各点数を合算してなるスコアに基づき、免疫力を評価する免疫力評価機能とをコンピュータに実現させるものである。
本実施形態においては、予め選択した2種類以上の免疫細胞マーカー毎に、所定の基準値に基づいて各免疫細胞マーカーの値に応じた複数段階の点数化を行う点数化機能と、各点数を合算してなるスコアに基づき、免疫力を段階的に評価する免疫力評価機能とをデジタルコンピュータによって実現させている。
ここで、「デジタルコンピュータ」は、本実施形態においては免疫力評価装置Aと同義である。
免疫力評価プログラムは、外部記憶装置30に記憶されているが、これに限らず、可般型の磁気ディスク、光‐磁気ディスク、半導体メモリ等の各種の情報記録媒体に記録されていても良い。即ち、必要に応じてインストールできるようにしてもよい。また、可般型の情報記録媒体に記録しておけば、改良版へのグレードアップも容易である。
免疫力評価プログラムの情報記録媒体への記録は、実行可能形式で記録しておくことに限らず、圧縮、暗号化したものを含んでいる。
コンピュータ本体20、従って、免疫力評価装置Aは、上記の免疫力評価プログラムを実行することにより、次の機能を発揮する。
(1)選択した2種類以上の免疫細胞マーカー毎に、所定の基準値に基づいて各免疫細胞マーカーの値に応じた点数化を行う機能(点数化手段60)。
本実施形態においては、前記した10種類の免疫細胞マーカー毎に、所定の基準値に基づいて各免疫細胞マーカーの値に応じた複数段階の点数化を行っている。
「所定の基準値」は、健常者の免疫細胞マーカーの値であり、具体的には、図3に示す値となっている。
「各免疫細胞マーカーの値に応じた複数段階の点数化」は、健常者の免疫細胞マーカーの値を、累積度数10(%)未満の範囲、累積度数10(%)以上40(%)未満の範囲、及び累積度数40(%)以上の範囲からなる3つの段階に区分し、免疫力の高い区分から低い区分に向けて次第に小さな点数を割り当てている。このような累積度数に基づいて3つの段階に区分することにより、点数化を的確に行うことができる。
換言すると、累積度数10(%)の値と、累積度数40(%)の値を基準として、累積度数10(%)以下であれば1(点)、累積度数10(%)の値と累積度数40(%)の値との間であれば2(点)、累積度数40(%)の値を超えていれば3(点)を割り当てている。
即ち、健常者の値について累積度数10(%)未満の範囲を免疫力が低いレベルを示す1(点)とし、累積度数10(%)以上40(%)未満の範囲を免疫力が中等度のレベルを示す2(点)とし、累積度数40(%)以上の範囲を免疫力が充分に高いレベルを示す3(点)とする。
要するに、免疫力が高いレベルには対応する高い点数を、また、低いレベルには対応する低い点数を割り当てている。
本実施形態においては、3つの区分にそれぞれ1、2、3(点)をそれぞれ割り当てている例について説明するが、これに限るものではなく、免疫力が高いレベルには対応する高い点数を、また、低いレベルには対応する低い点数を割り当てればよい。
なお、上記した累積度数10(%)、累積度数40(%)は、データベース50に蓄積される健常者の数が増加するのに従ってやや変動する。
前記した免疫細胞マーカーのうち、ここではT細胞数とCD4T細胞/CD8T細胞比率を例として、具体的な点数化について説明する。図4は、T細胞数と累積度数との関係を示す関係図、図5は、CD4T細胞/CD8T細胞比率と累積度数との関係を示す関係図である。
図4に示すように、累積度数10(%)に相当する末梢血液中のT細胞数が717個であるので、採取した末梢血液中のT細胞数が717個未満であれば1(点)を付与する。
また、累積度数40(%)に相当する末梢血液中のT細胞数が1177個であるので、T細胞数が717個以上1177個未満であれば2(点)を付与し、同様にしてT細胞数が1177個以上であれば3(点)を付与する。
CD4T細胞/CD8T細胞比率は、上記のT細胞数等をはじめとする他の免疫細胞マーカーと異なり、次のようにして点数化する。
図5に示すように、累積度数10(%)に相当するCD4T細胞/CD8T細胞比率が1.0、累積度数40(%)に相当するCD4T細胞/CD8T細胞比率が1.3、累積度数80(%)に相当するCD4T細胞/CD8T細胞比率が2.6である。
そこで、累積度数10(%)未満の範囲を1(点)とし、累積度数10(%)以上40(%)未満の範囲を2(点)、累積度数40(%)以上80(%)未満の範囲を3(点)、累積度数80(%)以上90(%)未満の範囲を2(点)、累積度数90(%)以上を1(点)としている。
具体的には、CD4T細胞/CD8T細胞比率が1.0未満であれば1(点)、1.0以上1.3未満であれば2(点)、1.3以上2.6未満であれば3(点)、2.6以上3.5未満であれば2(点)、3.5以上であれば1(点)をそれぞれ割り当て点数化する。
なお、累積度数80(%)以上90(%)未満のものに2(点)、90(%)以上のものに1(点)を付与するのは、CD4T細胞/CD8T細胞比率は、加齢とともに増加する傾向にあるからである。
(2)各点数を合算してなるスコアに基づき、免疫力を段階的に評価する機能(合算手段61及び評価手段62)。
図6は、免疫力の評価を点数に応じて段階的に区分した評価表であり、この評価表をテーブル化した評価テーブル80が外部記憶装置30に記憶されている。
具体的には、免疫力の評価を点数に応じて段階的に区分した評価表(ア)に対応する評価テーブル80を参照し、いずれの区分にスコアが含まれるかを判定することにより、免疫力を段階的に評価している。
評価表(ア)、従って評価テーブル80は、次のようになっている。
前記した10種類の免疫細胞マーカーについての点数を合算(加算)すると、30〜10(点)の間に分布する。
そこで、本実施形態においては、免疫力の評価を点数に応じた5段階に区分している。
各評価段階(以下、「グレード」という)は、次のように区分している。
グレード5:充分に高い免疫力を有していることを示しており、30〜29(点)の範囲が対応している。
グレード4:高い免疫力を有していることを示しており、28〜26(点)の範囲が対応している。
グレード3:普通若しくは初期低下の免疫力を有していることを示しており、22〜25(点)の範囲が対応している。
グレード2:軽度低下の免疫力を有していることを示しており、21〜17(点)の範囲が対応している。
グレード1:高度低下の免疫力を有していることを示しており、16〜10(点)の範囲が対応している。
グレード5は、2(点)の範囲、グレード4は3(点)の範囲、グレード3は4(点)の範囲、グレード2は5点の範囲、グレード1は7点の範囲になっている。
グレードが低くなるのに従って点の範囲を広くしているのは、健常者がグレード2.1に低下することは稀である一方、免疫力の変動が激しい癌患者等の疾患を有する者が含まれることになるからである。
健常者の多くはグレード5〜3に分布する。一方、疾患を有する患者は多くの場合グレード4〜2に分布し、グレード1はかなり危険な状態と判断評価する。
本発明者は、実際に健常者60人と癌患者30人の免疫力を5段階のグレードに分けて実験した結果、図7に示すデータを得た。図7は、人数とグレードとの関係を示すグラフである。なお縦軸が人数、横軸がグレードである。
図7から明らかなように、健常者ではグレード3以上であるが、癌患者ではグレード3以下が多く、また、グレード2にピークがある。即ち、疾病によりグレードの低下が明瞭であり、グレード2以下の場合には感染に対しての注意が必要なことが分かる。
上記においては、10種類の免疫細胞マーカーを予め設定した例について説明したが、予め設定しておくことに限らず、次のようにしてもよい。
(3)2種類以上の免疫細胞マーカーを選択する機能(マーカー選択手段63)。
具体的には、表示部40に前記した10種類の免疫細胞マーカーを選択可能に表示しておき、入力部10を操作することにより表示されている任意の免疫細胞マーカーを選択し、例えばエンターキーを操作することにより決定する。
これら免疫細胞マーカーの選択は、疾病に対応した組み合わせにしてもよく、また、実年齢(加齢)に応じた組み合わせにしてもよい。
「疾病に対応した組み合わせ」の例としては、例えば当該疾病によって値の変動が生じやすい免疫細胞マーカーを組み合わせるとよい。また、「実年齢(加齢)に応じた組み合わせ」としては、加齢により変動が生じやすい免疫細胞マーカーを組み合わせるとよい。
このようなマーカー選択手段62を設けた場合には、点数化手段は、選択した2種類以上の免疫細胞マーカー毎に、所定の基準値に基づいて各免疫細胞マーカーの値に応じた複数段階の点数化を行えばよい。
前記した(1)〜(3)に示す機能の他、次のような機能を設けた構成にすることができる。
(4)免疫力の評価段階の段階数を増減設定する機能(評価段階設定手段64)。
前述した実施形態においては、免疫力の評価段階の段階数を5段階にした例について説明したが、次のように段階数を増減してもよい。
<癌患者等の疾病を有している場合>
グレード2とグレード1を、細分化することにより免疫力の評価段階の段階数を増加させる。例えばグレード2とグレード1をそれぞれ3段階に分化して9段階にする等である。
段階数の増減は、前述した5段階にしたグレードの評価テーブルと、9段階にした評価テーブルとを予め作成しておき、例えば入力部10から血液採取者の既往症が入力されたときに、それらの評価テーブルを自動的に切り替えるようにすることができる。これにより、疾病に対応した細やかな対応をすることができる。
<加齢による場合>
例えば実年齢が50歳未満であれば、例えば3種類の免疫細胞マーカー毎に、所定の基準値に基づいて各免疫細胞マーカーの値に応じた複数段階の点数化を行う一方、50歳以上であれば、10種類の免疫細胞マーカー毎に、所定の基準値に基づいて各免疫細胞マーカーの値に応じた複数段階の点数化を行う。
3種類の免疫細胞マーカーを組とした評価テーブルと、10種類の免疫細胞マーカーを組とした評価テーブルとを作成しておき、例えば入力部10から供血者の実年齢が入力部10から入力されたときに、それらの参照テーブルを入力された実年齢が50歳以上であるか否かを判定することにより切り替えることができる。
(5)点数化の段階数を増減設定する機能(点数化段階設定手段65)。
例えば実年齢が50歳未満であれば、前述した3段階の点数化を行い、また、50歳以上であれば5段階の点数化を行う等である。
このような点数化の段階設定は、例えば入力部10から実年齢が入力されたときに、入力された実年齢が50歳以上であるか否かを判定することにより、段階数を切り替えることができる。
また、癌患者等の特定の既往症が入力部10から入力されたときに、前述した3段階の点数化から5段階の点数化に切り替えるようにすることもできる。このような判定は、特定の既往症が入力されたか否かを判定することにより行うとよい。
(6)健常者の免疫細胞マーカーの値を、健常者の関連情報に基づいて抽出する機能(マーカー抽出手段66)。
例えば表示部40に抽出しようとする実年齢等の入力を促す画面を表示させるようにし、その表示に従って入力部10から特定の実年齢を入力する。
これにより、健常者の免疫細胞マーカーを実年齢毎に抽出した値を、所定の基準値とすることができるので、図10において説明しているように、加齢とともに低下する免疫力を考慮した評価を行うことができる。
なお、健常者の免疫細胞マーカーを、性別のみ又は実年齢と性別との組み合わせに基づいて抽出するようにしてもよい。
次に、採血から免疫力の評価に至るまでの流れを説明する。図8は、採血から10種類の免疫細胞マーカーを算出するためのデータを取得するまでの手順を示す説明図である。
同図に示すように、採取した血液から単核細胞を回収し、回収した単核細胞を元に、フローサイトメトリ解析、MTS法によるT細胞増殖能解析、培養上清内サイトカインのELISA解析を行うことにより、免疫細胞マーカー若しくは免疫細胞マーカーを算出するためのデータを取得し、これらのデータを入力部10から入力する。
<単核細胞の回収>
血液に含まれる単核細胞を回収するが、その回収工程は次のとおりである。
1.CPT単核球分離用真空採血管(BD社:8362761)に8(ml)に採血する。
2.室温において、3000(rpm)、20分間の遠心分離をする。
3.遠心分離によって得られたリンパ球層を回収する。
4.回収したリンパ球層に生理食塩水を加える。
5.室温において、1500(rpm)、10分間の遠心分離を行う。
6.上清を捨て、再度生理食塩水を加える。
7.室温において、1200(rpm)、5分間の遠心分離を行う。
8.上清を捨て、細胞培養液(RPMI‐1640)を加えて細胞浮遊液とする。
9.細胞濃度を測定する(0.2%Trypanblue液使用)。
10.細胞濃度を1×10/mlに細胞培養液にて調整する。
<フローサイトメトリ解析>
回収された単核細胞に基づいて、フローサイトメトリ解析を行う。
1.1×10/ml細胞浮遊液300(μl)を、0.83%NHCl溶液3(ml)中に添加して攪拌した後、3分間放置して赤血球を溶血させる。
2.2%FBS‐PBS溶液を加えて、1500(rpm)で5分間の遠心分離を行う。
3.上清を吸引除去する。
4.2%FBS‐PBS溶液を300(μl)加えて、細胞を再浮遊させることによって細胞浮遊液を調整する。
5.細胞浮遊液50(μl)を4本の染色用試験管(BD;352002)に分注する。
6.蛍光標識抗体溶液を試験管に添加する。
a)FITC-CD20/PE-CD3
b)FITC-CD4/PE-CD8
c)FITC-CD4/PE-CD8/ECD-CD45RA
d)FITC-CD16/PE-CD56
7.30分間、暗所にて放置する。
8.2%FBS‐PBS溶液を400(μl)加えて、フローサイトメトリ解析用細胞を調整する。
9.フローサイトメーターにて蛍光標識抗体陽性細胞率を機器専用ソフトによって算出する。
このフローサイトメトリ解析により、T細胞数、CD4T細胞/CD8T細胞比率、ナイーブT細胞数、ナイーブT細胞/メモリーT細胞比率、B細胞数、及びNK細胞数の6種類の免疫細胞マーカーを得ることができる。
<抗CD3抗体刺激>
抗CD3抗体の96穴及び24穴プレートへのコーティングを行う。
1.Orthoclone OKT3 溶液 (ORTHO BIOTECH: 672993402) 30(μl)を、生理食塩水10(ml)の割合で希釈する。
2.OKT3希釈溶液を96穴プレートには100(μl/well)、24穴プレートには400(μl/well)を入れる。
3.室温にて2時間の静置を行う。
4. OKT3希釈溶液を吸引廃棄、生理食塩水を96穴プレートには200(μl/well)、24穴プレートには1000(μl/well)を入れる。
5.生理食塩水を吸引廃棄、再度、生理食塩水を96穴プレートには200(μl/well)、24穴プレートには1000(μl/well)を入れる。
6.この操作を計5回繰返す。
7.生理食塩水を96穴プレートには200(μl/well)、24穴プレートには2000(μl/well)を入れ使用時まで冷蔵保管する。
<MTS法によるT細胞増殖能解析>
1.準備した上記抗CD3抗体コーティングした69穴プレートに10%FBS‐RPMl100(μl/well)、1×10/ml、細胞浮遊液100(μl/well)を入れる。各サンプルにつき3穴使用する。
2.5%炭酸ガス−37℃条件の細胞培養器にて培養する。
3.培養68時間の時点で、MTS溶液を40(μl/well)添加する。
4.培養72時間の時点で、比色計(490nm)で測定する。
これにより、上記したT細胞増殖係数を算出することができるようになる。
<培養上清内サイトカインのELISA解析>
ELISA(enzyme-linked immunosorbent assay)とは、酵素免疫測定法のことであり、抗原抗体反応を利用し、定量的に抗体やペプチド等を測定する方法である。上記のように、抗原(測定したい物質)に対する特異抗体を予め測定用プレートに塗布しておいたところに(固層化)、抗原(測定したい抗原が含まれる液性のサンプル、血清等。)を加え、さらに発色用酵素を標識した特異抗体を加えて抗原抗体反応を起こさせる。反応を起こさなかった余分な抗体を除いた後、酵素を基質により発色させ、その色素濃度を抗原量として検出することを内容としている。これにより、IL‐2サイトカイン産生能、INFγサイトカイン産生能、IL‐4サイトカイン産生能を測定することができる。
<複数の免疫細胞マーカーに基づく免疫力の評価>
図9は、入力部10に入力された免疫細胞マーカーの値に基づいて、コンピュータ本体20が行う免疫力の評価処理の例を説明するフローチャートである。
ステップS1:免疫力の評価を受ける者の住所、氏名、実年齢、性別、既往症、現症、等の関連情報、上記の解析により求めた10種類の免疫細胞マーカーの値、及び健常者の関連情報等を入力部10から入力し、エンターキーを押下操作すると、ステップS2に進む。
ステップS2:全ての免疫細胞マーカーの値が入力されたか否かを判定し、全ての値が入力されていればステップS3に進む。
ステップS3:入力部10から入力された免疫細胞マーカーがCD4T細胞/CD8T細胞比率であるか否かを判定し、そうであると判定されればステップS10に進み、そうでなければステップS4に進む。
ステップS4:入力部10から入力された免疫細胞マーカーが累積度数10(%)未満であればステップS5に進んで、その免疫細胞マーカーに「1点」を付与した後にステップS9に進み、また、累積度数10(%)未満でなければ、ステップS6に進む。
ステップS6:入力部10から入力された免疫細胞マーカーが累積度数10(%)以上、かつ、累積度数40(%)未満であるか否かを判定し、そうであると判定すればステップS7に進み、そうではないと判定すればステップS8に進む。
ステップS7:その免疫細胞マーカーに「2点」を付与した後にステップS9に進む。
ステップS8:当該免疫細胞マーカーに「3点」を付与した後にステップS9に進む。
ステップS9:各免疫細胞マーカー毎に付与された点数を合算して、ステップS17に進む。
ステップS10:入力部10から入力された免疫細胞マーカーがCD4T細胞/CD8T細胞比率であるので、まず、入力部10から入力された免疫細胞マーカーが累積度数10(%)未満であればステップS11に進み、累積度数10(%)未満でなければステップS12に進む。
ステップS11:その免疫細胞マーカーに「1点」を付与した後にステップS9に進む。
ステップS12:入力部10から入力された免疫細胞マーカーが累積度数10(%)以上、かつ、累積度数40(%)未満であるか否かを判定し、そうであると判定すればステップS13に進み、そうではないと判定すればステップS14に進む。
ステップS13:その免疫細胞マーカーに「2点」を付与した後にステップS9に進む。
ステップS14:入力部10から入力された免疫細胞マーカーが累積度数40(%)以上、かつ、累積度数80(%)未満であるか否かを判定し、そうであると判定すればステップS15に進み、そうではないと判定すればステップS16に進む。
ステップS15:その免疫細胞マーカーに「1点」を付与した後にステップS9に進む。
ステップS16:当該免疫細胞マーカーに「2点」を付与した後にステップS9に進む。
図10は、ステップS9において合算処理される各免疫細胞マーカーに付与された点数の具体例を示す説明図である。
同図に示すように、例えばT細胞数(a)=3、T細胞増殖係数(b)=1、CD4T細胞/CD8T細胞比率(c)=2、ナイーブT細胞数(d)=3、ナイーブT細胞/メモリーT細胞比率(e)=2、B細胞数(f)=3、NK細胞数(g)=2、IL‐2サイトカイン産生能(h)=2、IFN‐γサイトカイン産生能(i)=3、及びIL‐4サイトカイン産生能(j)=2とすると、これらを合算したスコアは「23」となる。
以下のステップS17〜S21においては、スコアが、5段階にした評価のいずれかに含まれるかを判定している。
ステップS17:スコアがグレード5に含まれるかを判定し、グレード5に含まれていると判定すればその旨を記憶した状態でステップS21に進み、そうでなければステップS18に進む。
ステップS18:スコアがグレード4に含まれるかを判定し、グレード4に含まれていると判定すればその旨を記憶した状態でステップS21に進み、そうでなければステップS19に進む。
ステップS19:スコアがグレード3に含まれるかを判定し、グレード3に含まれていると判定すればその旨を記憶した状態でステップS21に進み、そうでなければステップS20に進む。
図10に示す場合には、スコアが「23」であるので、グレード3であると評価される。
ステップS20:スコアがグレード2に含まれるかを判定し、グレード2に含まれていると判定すればその旨を記憶した状態でステップS21に進み、そうでなければグレード1に含まれると判定してその旨を記憶した状態でステップS21に進む。
ステップS21:評価段階に対応する文言を表示部40に表示して処理を終了する。文言としては、グレード5に対しては「充分に高い免疫力を有しています。」、グレード4に対しては「高い免疫力を有しています。」、グレード3に対しては「普通若しくは初期低下の免疫力を有しています。」、グレード2に対しては「軽度低下の免疫力を有しています。」、そして、グレード1に対しては「高度低下の免疫力を有しています。」等である。
図10に示す場合には、グレード3と評価されるので、「普通若しくは初期低下の免疫力を有しています。」という文言が表示部40に表示される。
これらの文言は、グレード1〜5にそれぞれ対応づけられて外部記憶装置30に記憶される。
なお、必要であれば、レーダーグラフ等を作成して表示部40に表示し、また、印刷を実行することによりプリントアウトする。
さらに、上記のレーダーグラフや既往症,現症,他の採血者の値等を考慮した上で、免疫力に関するコメントを個々にプリント用紙に記述することになる。
図11は、免疫力スコアと年齢との相関関係を示す関係図である。なお、図中縦軸yが免疫力スコア、横軸xが年齢、また、Rが回帰係数を示している。
同図からも明らかなように、免疫細胞の能力は、加齢や老化ともに低下する。10種類の免疫細胞の数と機能を測定しスコア化し、総合能力をいろいろな実年齢の健常者でみると、加齢や老化と共に確実に低下することが明らかである。
また、癌患者についてみると、健常者とは違った分布をし、健常者より明らかに総合能力のスコアが低い者が多く、本願発明がヒトの健康状態を知る上で極めて有用である。
前述した本発明によれば、ヒトの総合的かつ包括的な免疫力を客観的に評価することができるので、自分の免疫力を数字として把握でき、適宜測定することにより変動がわかり、評価が低下することにより疾病の発生を予測できるようになる。
また、総合的,包括的な免疫力を客観的に評価することができるので、種々の免疫力回復方法の効果判定を行うことができる。例えば、食事療法を1ヶ月続けた前後で測定することにより、その効果を判定できる。
さらに、癌患者における化学療法等を行っている場合において、免疫力への副作用をモニターすることができる。例えば癌患者に対する化学療法は骨髄・免疫系には抑制効果があるが、化学療法は間隔をおいて行うものの治療直後は免疫力が低下し、治療を休止した時に回復する。
度重なる治療の結果、免疫力の回復が起こらなくなると、患者には感染の危険が及ぶことになる。しかしながら、本発明により免疫力を逐次測定評価していれば、免疫力の低下を容易に知ることができ、感染を予防することが可能となる。
なお、前述した実施形態を次のように変更した変更態様も本発明に含まれるものである。
前述した実施形態においては、免疫力が高いレベルから低いレベルに向けて少ない点数を付与している例について説明したが、免疫力が高いレベルから低いレベルに向けて高くなるような点数化をしても良い。要するに、免疫力の高低を判別できるような点数化を行えば良い。
また、前述した実施形態においては、1〜3の点数を付与する3段階の点数化を例として説明したが、疾病に応じて2段階又は3段階以上の段階数に設定しても良い。また、実年齢に応じた段階数に設定することもできる。
さらに、培養上清内サイトカインのELISA解析を行う例について説明したが、リアルタイムPCR解析やDNAアレイによって、IL‐2サイトカイン産生能、IFN‐γサイトカイン産生能、及びIL‐4サイトカイン産生能について求めるようにしても良い。
さらにまた、前述した実施形態においては、コンピュータ本体にデータベースを構築している外部記憶装置を直接的に接続している例について説明したが、本発明は、前述したものと同等の入力部と表示部とを備えた1又は2以上の端末側コンピュータと、複数の免疫細胞に対応する所定の基準値となる免疫細胞マーカーをデータベース化して記憶したデータベースサーバとが電気通信回線を介して接続されている構成であって、端末側コンピュータに、予め選択した2種類以上の免疫細胞マーカー毎に、所定の基準値に基づいて各免疫細胞マーカーの値に応じた点数化を行う点数化手段と、点数化して得た各点数を合算してなるスコアに基づき、免疫力を評価する免疫力評価手段とを設けた構成の免疫力評価システムであっても良い。この場合には、共通のデータベースサーバを2つ以上の端末側コンピュータ(免疫力評価装置)で使用できるため、効率的である。
<免疫力年齢に基づく免疫力の評価>
免疫力の評価方法として、免疫細胞マーカーの値に応じて点数化を行い、点数化して得た各点数を合算してなるスコアにより総合的な免疫機能を評価した実施形態について説明してきたが、免疫力年齢によっても総合的な免疫機能を評価することも可能である。以下、免疫力年齢に基づいて免疫力の評価を行う場合にT細胞増殖係数を用いた実施形態について説明する。
まず、健常人約300名から、T細胞増殖係数と年齢の相関を求める。ここで、T細胞増殖係数の求め方は、前にも述べたように、健常人について抗CD3抗体に対するT細胞増殖能をMTS法により測定し、得られた測定値を次式に従いT細胞増殖係数を求める。なお、吸光度はT細胞の増殖能を比色法で得た値である。
T細胞増殖係数 = 吸光度OD ×(末梢血中T細胞数(μl当たり)/1000
図12はこのようにして求められた、健常人約300名のT細胞増殖係数と年齢との相関関係を表す相関図である。T細胞増殖係数は加齢変化が明瞭であり、統計的に優位な相関を有している。従って、この相関関係より回帰直線を求めると、
y=−0.0174x+2.5348
となる。ただし、yは各年齢における予測値、xは実年齢である。
次に、このようにして得られた回帰直線に各年齢を入力し、各年齢のおけるT細胞増殖係数の予測値を求め、得られた予測値とT細胞増殖係数の検査値との差を求め、残差を求める。即ち、残差は、残差 = 検査値(T細胞増殖係数)− 予測値(回帰直線より得られる値)から求められる。
次に、免疫力年齢を算出する。計算式による免疫力年齢(計算値年齢)は、前述した回帰直線を変換した下式に被検者のT細胞増殖係数の検査値を代入することにより、求められる。
計算値年齢 = (2.5348−検査値)/0.0174
しかしながら、このようにして得られる計算値年齢は推定値であり、実用的には、ある程度の幅をもって表す方が実際に則している。そこで、次に示すように、T細胞増殖係数の検査値と予測値との差である残差が、正規分布を示すところから、免疫力年齢の幅を定める。
被検者の実年齢から得られる予測値と検査値との差、即ち残差が正規分布を示すので、残差の標準偏差を下式から求めることが出来る。
得られた残差の標準偏差SDを基にして年齢表現の範囲の区切りを図13に示すように設定する。即ち、±0.5SD、±1.0SD、±1.5SD、±2.0SDである。この場合、残差は、±0.25(0.5SD)、±0.5(1.0SD)、±0.75(1.5SD)、±1.0(2.0SD)となる。
これらの標準偏差を基にした残差から被険者の実年齢と免疫力年齢との隔たりを計算した。まず、計算値年齢を前述の式から求め、これと実年齢との差を見ると、いずれの年齢においても標準偏差から求められる値は同じとなり、±0.5SDは各年齢±約15歳であり、±1.0SDは±約30歳であり、±1.5SDは±約45歳であり、±2.0SDは±約60歳であり、±2.0SD以上は±約60歳以上である。
実際に計算してみると、+1SD方向にずれた場合の計算値年齢は、まず、実年齢を回帰直線に代入してT細胞増殖係数の予測値を求め、その予測値に1SDに相当する残差を加えた値を計算値年齢の式に代入することにより得られる。
(A)40才においては、予測値+1SDは、1.839+0.5=2.339で11.253歳となり、
(B)50才においては、予測値+1SDは、1.665+0.5=2.165で21.253歳となり、
(C)60才においては、予測値+1SDは、1.491+0.5=1.991で31.253歳となる。
即ち、計算値年齢と実年齢の差は年齢を問わずに約30才となる。前述の各SD幅における年齢幅はこのようにして計算したものである。
免疫年齢は実際上の年齢の値に対応するよう、およそ17〜99歳の範囲で評価できるように設定するため、この範囲に対応できるよう、以上のようにして得られた計算値年齢と実年齢との差を20%とし表現形年齢とする。即ち、表現形年齢を、次式から求める。
表現形年齢 = 実年齢+(計算値年齢−実年齢)×0.2
次に、本実施形態の免疫力評価を実際に行う免疫力評価装置の構成について説明する。本実施形態における免疫力評価装置全体の構成は図1に示したものと同様である。
ただし、入力部10は、免疫力の評価を受ける者(血液を採取された者)の関連情報、特にT細胞増殖係数を含む免疫細胞マーカーの値、健常者の特に実年齢を含む関連情報等を入力できるキーボードやマウス等からなる。
外部記憶装置30のデータベース50は、複数の免疫細胞に対応する所定の基準値となる健常者の免疫細胞マーカーの値と健常者の関連情報とを対応させたデータを記憶するものであり、また、新たな健常者の免疫細胞マーカーの値を上記した入力部10から逐次追加して記憶できる構造になっている。外部記憶装置30の評価テーブル80は、先の実施形態で述べた免疫力の評価を点数に応じて段階的に区分した評価表の他に、後述するT細胞増殖係数の検査値及び予測値に対する免疫評価ランク及び免疫力年齢の評価表(図16)をテーブル化して記憶している。
免疫力評価プログラムは、以下に示す本実施形態に係る免疫力評価方法に基づいてコンピュータ本体を作動させる公知のプログラム言語によりプログラミングしたものである。このプログラムは、実行することにより、図14に示すように、コンピュータ本体20に、点数化手段60の機能、合算手段61の機能、免疫力評価手段62の機能、マーカー選択手段63の機能、評価段階設定手段64の機能、点数化段階設定手段65の機能、及びマーカー抽出手段66の機能に加えて、又はこれらとは別個に、T細胞増殖係数の予測値算出手段67の機能、T細胞増殖係数の残差算出手段68の機能、並びにT細胞増殖係数に基づくランク判定及び免疫年齢算出手段69の機能を提供する。
この免疫力評価プログラムは、外部記憶装置30に記憶されているが、これに限らず、可般型の磁気ディスク、光‐磁気ディスク、半導体メモリ等の各種の情報記録媒体に記録されていても良い。即ち、必要に応じてインストールできるようにしてもよい。また、可般型の情報記録媒体に記録しておけば、改良版へのグレードアップも容易である。
免疫力評価プログラムの情報記録媒体への記録は、実行可能形式で記録しておくことに限らず、圧縮、暗号化したものを含んでいる。
コンピュータ本体20、従って、免疫力評価装置Aは、上記の免疫力評価プログラムを実行することにより、次の機能を発揮する。
(1)入力された実年齢を、予め求めて記録されている回帰直線に代入してT細胞増殖係数の予測値を算出する機能(T細胞増殖係数の予測値算出手段67)。
(2)入力されたT細胞増殖係数の検査値とステップS32で求めた予測値とからT細胞増殖係数の残差を算出する機能(T細胞増殖係数の残差算出手段68)。
(3)得られた残差から、ランク判定及び免疫力年齢を算出する機能(ランク判定及び免疫年齢算出手段69)。
図15は、入力部10に入力されたT細胞増殖係数である検査値及び実年齢に基づいて、コンピュータ本体20が行う免疫力の評価処理の例を説明するフローチャートである。
ステップS31:免疫力の評価を受ける者の住所、氏名、実年齢、性別、既往症、現症、等の関連情報、及びT細胞増殖係数を含む免疫細胞マーカーの値等を入力部10から入力し、エンターキーを押下操作すると、ステップS32に進む。
ステップS32:入力された実年齢を、予め求めて記録されている回帰直線に代入してT細胞増殖係数の予測値を算出する。
ステップS33:入力されたT細胞増殖係数の検査値とステップS32で求めた予測値とから残差を算出する。
ステップS34:得られた残差から、換言すれば、予測値と検査値とから、図16に示すような検査値のランクA〜Iを判定すると共に、免疫力年齢を求める。即ち、評価テーブル80には、図16に示すような、T細胞増殖係数の検査値及び予測値に対する免疫評価ランク及び免疫力年齢の評価表が格納されており、ステップS34では、検査値及び予測値に基づいて、この評価表からランク判定及び免疫力年齢を算出する。なお、図16の免疫力年齢において、最若年齢は17〜20歳とし、最高年齢は96〜99歳とする。
ステップS35:以上によって得られた評価結果を表示部40に表示して処理を終了する。評価内容としては、「被験者の実年齢を含む関連情報」、「T細胞増殖係数の検査値」、「T細胞増殖係数の予測値」、「残差」、「免疫評価ランク」及び「免疫力年齢」等である。
図17〜21は、5つの検体について、実際に求めた免疫評価ランク及び免疫力年齢を表している。
例えば、図17の検体(ケース1)においては、実年齢が68歳であるが、T細胞増殖係数の検査値が0.58であり、残差が−0.77であるため、免疫評価ランクはHであり、免疫力年齢は77〜80歳と実年齢より老けて評価されている。また、図18の検体(ケース2)においては、実年齢が57歳であるが、T細胞増殖係数の検査値が2.11であり、残差が0.57であるため、免疫評価ランクはCであり、免疫力年齢は48〜51歳と実年齢より若く評価されている。図19の検体(ケース3)においては、実年齢が39歳であるが、T細胞増殖係数の検査値が2.72であり、残差が0.86であるため、免疫評価ランクはBであり、免疫力年齢は27〜30歳と実年齢よりかなり若く評価されている。図20の検体(ケース4)においては、実年齢が72歳であるが、T細胞増殖係数の検査値が0.85であり、残差が−0.43であるため、免疫評価ランクはFであり、免疫力年齢は75〜78歳と実年齢より老けて評価されている。図21の検体(ケース5)においては、実年齢が56歳であるが、T細胞増殖係数の検査値が1.63であり、残差が0.07であるため、免疫評価ランクはEであり、免疫力年齢は53〜59歳と実年齢と同等に評価されている。
以上述べたように、本実施形態によれば、年齢と相関の強いT細胞増殖係数を用いて免疫力を年齢表現しているため、総合的、包括的な免疫力を客観的に評価することができる。
なお、本実施形態は、T細胞増殖係数の検査値に基づいて求めた免疫力年齢によって総合的な免疫機能を評価するものであるが、免疫細胞マーカーの値に応じて点数化を行い、点数化して得た各点数を合算してなるスコアにより総合的な免疫機能を評価する先の実施形態の機能を本実施形態においても、さらに有するように構成しても良いことはもちろんである。
次に、免疫力年齢に基づいて免疫力の評価を行う場合にCD3再発現を利用した実施形態について説明する。
まず、健常人30名から、CD3発現量と年齢の相関を求める。ここで、CD3発現量の求め方は、以下の通りである。T細胞は抗CD3抗体で刺激されると分裂増殖期に入る。それと共に、細胞膜表面にあるCD3抗原は抗CD3抗体と結合して細胞内に取り込まれ、細胞表面から消失する。その後、細胞膜のCD3量が元のレベルに回復するには2〜3日間を要する。そこで、健常人について抗CD3抗体でT細胞を刺激したあと、3日後のT細胞のCD3を測定した。
図22はこのようにして求められた、健常人約300名のCD3再発現量と年齢との相関関係を表す相関図である。CD3量は加齢変化が明瞭であり、統計的に優位な相関を有している。従って、この相関関係より回帰直線を求めると、
y=−0.9782x+287.39
となり、再発現するCD3量は加齢と共に低下することが分かる。ただし、yは各年齢における予測値、xは実年齢である。
次に、このようにして得られた回帰直線に各年齢を入力し、各年齢のおけるCD3再発現量の予測値を求め、得られた予測値とCD3再発現量の検査値との差を求め、残差を求める。即ち、残差は、残差 = 検査値(CD3再発現量)− 予測値(回帰直線より得られる値)から求められる。
次に、免疫力年齢を算出する。計算式による免疫力年齢(計算値年齢)は、前述した回帰直線を変換した下式に被検者のCD3再発現量の検査値を代入することにより、求められる。
計算値年齢 = (287.39−検査値)/0.9782
しかしながら、このようにして得られる計算値年齢は推定値であり、実用的には、ある程度の幅をもって表す方が実際に則している。そこで、T細胞増殖係数の場合と同様に、検査値と予測値との差である残差が正規分布することを利用して免疫力年齢の幅を定める。
免疫年齢は実際上の年齢の値に対応するよう、およそ17〜99歳の範囲で評価できるように設定するため、この範囲に対応できるよう、以上のようにして得られた計算値年齢と実年齢との差を20%とし表現形年齢とする。即ち、表現形年齢を、次式から求める。
表現形年齢 = 実年齢+(計算値年齢−実年齢)×0.2
本実施形態の免疫力評価を実際に行う免疫力評価装置の構成、プログラムの構成、評価表の構成、及びこれらの機能等は、T細胞増殖係数の場合と全く同様である。
ただし、入力部10は、免疫力の評価を受ける者(血液を採取された者)の関連情報、特にCD3再発現量を含む免疫細胞マーカーの値、健常者の特に実年齢を含む関連情報等を入力できるキーボードやマウス等からなる。
外部記憶装置30のデータベース50は、複数の免疫細胞に対応する所定の基準値となる健常者の免疫細胞マーカーの値と健常者の関連情報とを対応させたデータを記憶するものであり、また、新たな健常者の免疫細胞マーカーの値を上記した入力部10から逐次追加して記憶できる構造になっている。外部記憶装置30の評価テーブル80は、先の実施形態で述べた免疫力の評価を点数に応じて段階的に区分した評価表の他に、後述するCD3再発現量の検査値及び予測値に対する免疫評価ランク及び免疫力年齢の評価表(図16に示したものと同様)をテーブル化して記憶している。
免疫力評価プログラムは、以下に示す本実施形態に係る免疫力評価方法に基づいてコンピュータ本体を作動させる公知のプログラム言語によりプログラミングしたものである。このプログラムは、実行することにより、図23に示すように、コンピュータ本体20に、点数化手段60の機能、合算手段61の機能、免疫力評価手段62の機能、マーカー選択手段63の機能、評価段階設定手段64の機能、点数化段階設定手段65の機能、及びマーカー抽出手段66の機能に加えて、又はこれらとは別個に、CD3再発現量の予測値算出手段70の機能、CD3再発現量の残差算出手段71の機能、並びにCD3再発現量に基づくランク判定及び免疫年齢算出手段72の機能を提供する。
この免疫力評価プログラムは、外部記憶装置30に記憶されているが、これに限らず、可般型の磁気ディスク、光‐磁気ディスク、半導体メモリ等の各種の情報記録媒体に記録されていても良い。即ち、必要に応じてインストールできるようにしてもよい。また、可般型の情報記録媒体に記録しておけば、改良版へのグレードアップも容易である。
免疫力評価プログラムの情報記録媒体への記録は、実行可能形式で記録しておくことに限らず、圧縮、暗号化したものを含んでいる。
コンピュータ本体20、従って、免疫力評価装置Aは、上記の免疫力評価プログラムを実行することにより、次の機能を発揮する。
(1)入力された実年齢を、予め求めて記録されている回帰直線に代入してCD3再発現量の予測値を算出する機能(CD3再発現量の予測値算出手段70)。
(2)入力されたCD3再発現量の検査値とステップS32で求めた予測値とからCD3再発現量の残差を算出する機能(CD3再発現量の残差算出手段71)。
(3)得られた残差から、ランク判定及び免疫力年齢を算出する機能(ランク判定及び免疫年齢算出手段72)。
図24は、入力部10に入力されたCD3再発現量である検査値及び実年齢に基づいて、コンピュータ本体20が行う免疫力の評価処理の例を説明するフローチャートである。
ステップS41:免疫力の評価を受ける者の住所、氏名、実年齢、性別、既往症、現症、等の関連情報、及びCD3再発現量を含む免疫細胞マーカーの値等を入力部10から入力し、エンターキーを押下操作すると、ステップS32に進む。
ステップS42:入力された実年齢を、予め求めて記録されている回帰直線に代入してCD3再発現量の予測値を算出する。
ステップS43:入力されたCD3再発現量の検査値とステップS32で求めた予測値とからCD3再発現量の残差を算出する。
ステップS44:得られた残差から、換言すれば、予測値と検査値とから、図16に示すような検査値のランクA〜Iを判定すると共に、免疫力年齢を求める。即ち、評価テーブル80には、図16に示すような、CD3再発現量の検査値及び予測値に対する免疫評価ランク及び免疫力年齢の評価表が格納されており、ステップS44では、検査値及び予測値に基づいて、この評価表からランク判定及び免疫力年齢を算出する。なお、図16の免疫力年齢において、最若年齢は17〜20歳とし、最高年齢は96〜99歳とする。
ステップS45:以上によって得られた評価結果を表示部40に表示して処理を終了する。評価内容としては、「被験者の実年齢を含む関連情報」、「CD3再発現量の検査値」、「CD3再発現量の予測値」、「残差」、「免疫評価ランク」及び「免疫力年齢」等である。
以上述べたように、本実施形態によれば、年齢と相関の強いCD3再発現量を用いて免疫力を年齢表現しているため、総合的、包括的な免疫力を客観的に評価することができる。
なお、本実施形態は、CD3再発現量の検査値に基づいて求めた免疫力年齢によって総合的な免疫機能を評価するものであるが、免疫細胞マーカーの値に応じて点数化を行い、点数化して得た各点数を合算してなるスコアにより総合的な免疫機能を評価する先の実施形態の機能を本実施形態においても、さらに有するように構成しても良いことはもちろんである。
以上述べた実施形態は全て本発明を例示的に示すものであって限定的に示すものではなく、本発明は他の種々の変形態様及び変更態様で実施することができる。従って本発明の範囲は特許請求の範囲及びその均等範囲によってのみ規定されるものである。

Claims (23)

  1. 採取した血液に含まれる免疫細胞に対応する免疫細胞マーカーを用いて免疫力を評価する免疫力評価方法であって、
    選択した2種類以上の免疫細胞マーカー毎に、前記採取した血液に含まれる各免疫細胞マーカーに基づく評価値を求めるステップと、
    前記選択した2種類以上の免疫細胞マーカーに関する前記求めた評価値を合算するステップと、
    該合算した結果から免疫力を評価するステップとを備えたことを特徴とする免疫力評価方法。
  2. 前記評価値を求めるステップが前記各免疫細胞マーカーの値に応じた点数化を所定の基準値に基づいて行う点数化ステップであり、前記合算するステップが前記点数化して得た点数を合算してスコアを求める合算ステップであることを特徴とする請求項1に記載の免疫力評価方法。
  3. 前記評価するステップが、免疫力の評価を点数に応じた複数の段階に区分しておき、いずれの区分に前記スコアが含まれるかを判定することにより免疫力を段階的に評価する評価ステップであることを特徴とする請求項2に記載の免疫力評価方法。
  4. 前記選択した2種類以上の免疫細胞マーカーが、T細胞数、T細胞増殖係数、CD4T細胞/CD8T細胞比率、ナイーブT細胞数、ナイーブT細胞/メモリーT細胞比率、IL‐2サイトカイン産生能、IFN‐γサイトカイン産生能、IL‐4サイトカイン産生能、B細胞数、及びNK細胞数のうちの少なくとも2つを含むことを特徴とする請求項1に記載の免疫力評価方法。
  5. 前記選択した2種類以上の免疫細胞マーカーが、T細胞数又はT細胞増殖係数の少なくともいずれか一方を含むことを特徴とする請求項1に記載の免疫力評価方法。
  6. 採取した血液から検出したT細胞増殖係数を用いて免疫力を評価する免疫力評価方法であって、
    T細胞増殖係数と年齢との相関関係に基づいた回帰直線を予め求めておくステップと、
    入力された実年齢を回帰直線に代入してT細胞増殖係数の予測値を求めるステップと、
    該求めた予測値と前記検出したT細胞増殖係数とから免疫力年齢の推定範囲を求めるステップとを備えたことを特徴とする免疫力評価方法。
  7. 採取した血液から検出したCD3再発現量を用いて免疫力を評価する免疫力評価方法であって、
    CD3再発現量と年齢との相関関係に基づいた回帰直線を予め求めておくステップと、
    入力された実年齢を回帰直線に代入してCD3再発現量の予測値を求めるステップと、
    該求めた予測値と前記検出したCD3再発現量とから免疫力年齢の推定範囲を求めるステップとを備えたことを特徴とする免疫力評価方法。
  8. 採取した血液に含まれる免疫細胞に対応する免疫細胞マーカーを用いて免疫力を評価する免疫力評価装置であって、
    選択した2種類以上の免疫細胞マーカー毎に、前記採取した血液に含まれる各免疫細胞マーカーに基づく評価値を求める手段と、
    前記選択した2種類以上の免疫細胞マーカーに関する前記求めた評価値を合算する手段と、
    該合算した結果から免疫力を評価する手段とを備えたことを特徴とする免疫力評価装置。
  9. 前記評価値を求める手段が前記各免疫細胞マーカーの値に応じた点数化を所定の基準値に基づいて行う点数化手段であり、前記合算する手段が前記点数化して得た点数を合算してスコアを求める合算手段であることを特徴とする請求項8に記載の免疫力評価装置。
  10. 免疫力の評価を点数に応じて段階的に区分した評価テーブルを記憶した記憶部が設けられており、前記評価する手段が、該評価テーブルのいずれの区分にスコアが含まれるかを判定することにより免疫力を段階的に評価する評価手段であることを特徴とする請求項9に記載の免疫力評価装置。
  11. 複数の免疫細胞に対応する所定の基準値となる健常者の免疫細胞マーカーの値を、健常者の関連情報に対応させたデータベースを記憶した記憶部を有していることを特徴とする請求項8に記載の免疫力評価装置。
  12. 前記選択した2種類以上の免疫細胞マーカーが、T細胞数、T細胞増殖係数、CD4T細胞/CD8T細胞比率、ナイーブT細胞数、ナイーブT細胞/メモリーT細胞比率、IL‐2サイトカイン産生能、IFN‐γサイトカイン産生能、IL‐4サイトカイン産生能、B細胞数、及びNK細胞数のうちの少なくとも2つを含むことを特徴とする請求項8に記載の免疫力評価装置。
  13. 前記選択した2種類以上の免疫細胞マーカーが、T細胞数又はT細胞増殖係数の少なくともいずれか一方を含むことを特徴とする請求項8に記載の免疫力評価装置。
  14. 採取した血液から検出したT細胞増殖係数を用いて免疫力を評価する免疫力評価装置であって、
    T細胞増殖係数と年齢との相関関係に基づいた回帰直線を予め求めておく手段と、
    入力された実年齢を回帰直線に代入してT細胞増殖係数の予測値を求める手段と、
    該求めた予測値と前記検出したT細胞増殖係数とから免疫力年齢の推定範囲を求める手段とを備えたことを特徴とする免疫力評価装置。
  15. 採取した血液から検出したCD3再発現量を用いて免疫力を評価する免疫力評価装置であって、
    CD3再発現量と年齢との相関関係に基づいた回帰直線を予め求めておく手段と、
    入力された実年齢を回帰直線に代入してCD3再発現量の予測値を求める手段と、
    該求めた予測値と前記検出したCD3再発現量とから免疫力年齢の推定範囲を求める手段とを備えたことを特徴とする免疫力評価装置。
  16. 採取した血液に含まれる免疫細胞に対応する免疫細胞マーカーを用いて免疫力を評価する機能をコンピュータに実現するための免疫力評価プログラムであって、
    選択した2種類以上の免疫細胞マーカー毎に、入力部に入力された各免疫細胞マーカーに基づく評価値を求める機能と、
    前記選択した2種類以上の免疫細胞マーカーに関する前記求めた評価値を合算する機能と、
    該合算した結果から免疫力を評価する機能とを実現することを特徴とする免疫力評価プログラム。
  17. 前記評価値を求める機能が前記各免疫細胞マーカーの値に応じた点数化を所定の基準値に基づいて行う点数化機能であり、前記合算する機能が前記点数化して得た点数を合算してスコアを求める合算機能であることを特徴とする請求項16に記載の免疫力評価プログラム。
  18. 前記評価する機能が、免疫力の評価を点数に応じた複数の段階に区分した評価テーブルのいずれの区分に前記スコアが含まれるかを判定することにより免疫力を段階的に評価する評価機能であることを特徴とする請求項17に記載の免疫力評価プログラム。
  19. 採取した血液から検出したT細胞増殖係数を用いて免疫力を評価する機能をコンピュータに実現するための免疫力評価プログラムであって、
    T細胞増殖係数と年齢との相関関係に基づいた回帰直線を予め求めておく機能と、
    入力された実年齢を回帰直線に代入してT細胞増殖係数の予測値を求める機能と、
    該求めた予測値と前記検出したT細胞増殖係数とから免疫力年齢の推定範囲を求める機能とを実現することを特徴とする免疫力評価プログラム。
  20. 採取した血液から検出したCD3再発現量を用いて免疫力を評価する機能をコンピュータに実現するための免疫力評価プログラムであって、
    CD3再発現量と年齢との相関関係に基づいた回帰直線を予め求めておく機能と、
    入力された実年齢を回帰直線に代入してCD3再発現量の予測値を求める機能と、
    該求めた予測値と前記検出したCD3再発現量とから免疫力年齢の推定範囲を求める機能とを実現することを特徴とする免疫力評価プログラム。
  21. 採取した血液に含まれる免疫細胞に対応する免疫細胞マーカーを用いて免疫力を評価する機能をコンピュータに実現するための免疫力評価プログラムであって、選択した2種類以上の免疫細胞マーカー毎に、入力部に入力された各免疫細胞マーカーに基づく評価値を求める機能と、前記選択した2種類以上の免疫細胞マーカーに関する前記求めた評価値を合算する機能と、該合算した結果から免疫力を評価する機能とを実現する免疫力評価プログラムを記録していることを特徴とするコンピュータにより読み取り可能な情報記録媒体。
  22. 採取した血液から検出したT細胞増殖係数を用いて免疫力を評価する機能をコンピュータに実現するための免疫力評価プログラムであって、T細胞増殖係数と年齢との相関関係に基づいた回帰直線を予め求めておき、前記検出したT細胞増殖係数を該回帰直線に代入して免疫力年齢の予測値を求める機能と、該求めた予測値と前記検出したT細胞増殖係数とから免疫力年齢の推定範囲を求める機能とを実現する免疫力評価プログラムを記録していることを特徴とするコンピュータにより読み取り可能な情報記録媒体。
  23. 採取した血液から検出したCD3再発現量を用いて免疫力を評価する機能をコンピュータに実現するための免疫力評価プログラムであって、CD3再発現量と年齢との相関関係に基づいた回帰直線を予め求めておき、前記検出したCD3再発現量を該回帰直線に代入して免疫力年齢の予測値を求める機能と、該求めた予測値と前記検出したCD3再発現量とから免疫力年齢の推定範囲を求める機能とを実現する免疫力評価プログラムを記録していることを特徴とするコンピュータにより読み取り可能な情報記録媒体。
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