JPWO2007145094A1 - 熱現像感光材料 - Google Patents

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Abstract

本発明は、処理前の保存性と現像性を両立する熱現像感光材料を提供する。この手段として、支持体上に非感光性脂肪族カルボン酸銀塩粒子、感光性ハロゲン化銀粒子、銀イオン還元剤及び、バインダーを含有する画像形成層を有する熱現像感光材料において、該画像形成層を構成するバインダー量が、該画像形成層を構成する総固形分量に対して25〜35質量%であり、かつ該バインダーの少なくとも1種が重合度1000以上3000以下であることを特徴とする熱現像感光材料を特徴とする。

Description

本発明は支持体上に非感光性有機銀塩、感光性ハロゲン化銀粒子、バインダー及び銀イオンの還元剤を含有する熱現像感光材料(単に熱現像材料又は感光材料ともいう。)に関する。
従来、医療や印刷製版の分野では、画像形成材料の湿式処理に伴う廃液が作業性の上で問題となっており、近年では環境保全、省スペースの観点からも処理廃液の減量が強く望まれている。そこで、熱を加えるだけで画像形成ができる熱現像感光材料が実用化され、上記分野で急速に普及してきている。
熱現像感光材料自体は既に古くから提案されて(例えば、特許文献1、2参照。)いる。
この熱現像感光材料は、反応に必要な素材は全てフィルム中に含有され、処理後もフィルム中に残存するという特徴から、熱現像前の保存期間にカブリを生じたり、現像性が低下する等の課題を抱えており、保存性と現像性を両立するために、多くの研究が進められ報告されている。特に、保存期間中のカブリ上昇については、保存期間中に生じたカブリ核をポリハロゲン化合物で漂白する技術(例えば、特許文献3参照。)や、バインダーのTgや重合度を制御する方法が有効(例えば、特許文献4〜6参照。)である。しかしながら、いずれの方法も、少なからず現像性を損ない、市場要求を満たす充分なレベルに達していないのが現状である。
米国特許第3,152,904号明細書 米国特許第3,457,075号明細書 特開平07−002781号公報 特開2002−341483号公報号公報 特開2002−156727号公報 特開2004−279500号公報
本発明は上記の背景的事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、処理前の保存性と現像性を両立する熱現像感光材料を提供することにある。
本発明の上記目的は、以下の構成により達成することができる。
1.支持体上に非感光性脂肪族カルボン酸銀塩粒子、感光性ハロゲン化銀粒子、銀イオン還元剤及び重合体からなるバインダーを含有する画像形成層を有する熱現像感光材料において、該画像形成層のバインダー量が、該画像形成層に含有された総固形分量に対して25〜35質量%であり、かつ該バインダーが重合度1000以上3000以下の重合体を含有することを特徴とする熱現像感光材料。
2.画像形成層に、イソシアネート化合物を該画像形成層のバインダー量に対して、0質量%よりも多く3.5質量%以下の範囲で添加されたことを特徴とする1記載の熱現像感光材料。
3.前記バインダーのTgが70〜105℃であることを特徴とする1又は2記載の熱現像感光材料。
4.前記画像形成層がバインダーの少なくとも1種として、ポリビニルアセタール樹脂を含有することを特徴とする1〜3のいずれか1項記載の熱現像感光材料。
5.前記非感光性脂肪族カルボン酸銀塩粒子が、ベヘン酸含有率70〜99.99mol%の脂肪酸の銀塩からなることを特徴とする1〜4のいずれか1項記載の熱現像感光材料。
6.前記銀イオン還元剤が下記一般式(1)で表されることを特徴とする1〜5のいずれか1項記載の熱現像感光材料。
(式中、R1は水素原子、又は置換基を表す。R2及びR3は各々独立に、炭素原子数が3〜8の分岐アルキル基を表す。A1及びA2は各々独立に、水酸基、又は還元、脱保護されることにより水酸基を形成しうる基を表し、n及びmは3〜5の整数を表す。)
7.前記非感光性脂肪族カルボン酸銀塩粒子と前記感光性ハロゲン化銀粒子の合計銀量が0.8〜1.5g/m2であることを特徴とする1〜6のいずれか1項記載の熱現像感光材料。
本発明により、処理前の保存性と現像性を両立する熱現像感光材料を提供することができた。
本発明を更に詳しく説明する。
〔バインダー〕
(画像形成層のバインダー)
本発明に係る画像形成層に含まれる重合体からなるバインダーは、銀塩、ハロゲン化銀粒子、還元剤、その他の成分を担持し得、好適に用いられるバインダーは、透明又は半透明で、一般に無色であり、天然ポリマーや合成ポリマー及びコポリマー、その他フィルムを形成する媒体、例えば特開2001−330918号の段落「0069」に記載のものが挙げられる。これらの内、特に好ましい例としてアセタール基を持つ高分子化合物、メタクリル酸アルキルエステル類、メタクリル酸芳香族エステル類、スチレン類等が挙げられる。この様な重合体(高分子化合物)の中でも、アセタール基を持つ高分子化合物を用いることが好ましい。
アセタール基を持つ高分子化合物でも、アセトアセタール構造を持つポリビニルアセタールであることがより好ましく、例えば米国特許2,358,836号、同3,003,879号、同2,828,204号、英国特許771,155号等に示されるポリビニルアセタールを挙げることができる。本発明に好ましいバインダーはポリビニルアセタール類であり、特に好ましくはポリビニルブチラールであり、感光性層の主バインダーとして用いることが好ましい。ここで言う主バインダーとは、「画像形成層の全バインダーの50質量%以上を上記ポリマーが占めている状態」を言う。従って、全バインダーの50質量%未満の範囲で他のポリマーをブレンドして用いてもよい。
ポリビニルアセタール樹脂は、ポリビニルアルコールと各種アルデヒドとのアセタール化反応により合成されるが、ブチルアルデヒド及び/又はアセトアルデヒドでアセタール化されたものが好ましい。特に、ポリビニルアセタール樹脂のアセタール化された部分の割合が、全アセタール化部分に対して60〜100%の範囲にあることが好ましく、より好ましくは85%以上である。アルデヒドによりアセタール化された部分が60%以上の場合は、得られるポリビニルアセタール樹脂が吸湿しにくく、本発明の熱現像感光材料となった際のカブリの原因となる水が分散液中に持ち込まれることを防止するため好ましい。
ここで、アルデヒドとしては、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ブチルアルデヒド、プロピルアルデヒドなどアセタール化できるアルデヒドであればどのようなアルデヒドを用いてもよいが、本発明の場合、ブチルアルデヒドをそれぞれ単独で用いるか、或いはブチルアルデヒドとアセトアルデヒドを併用するのが好ましい。
(画像形成層中のバインダー含有量)
本発明の熱現像感光材料は、画像形成層中のバインダー量が、画像形成層に含有される総固形分に対して25〜35質量%であることを特徴とする。画像形成層に含有される総固形分とは、バインダー含め、非感光性脂肪族カルボン酸銀塩粒子、感光性ハロゲン化銀粒子、銀イオン還元剤等、画像形成層に含有される全ての素材の固形分質量を指す。画像形成層中に含有される素材に特に制限はなく、以下明細書中に記す様に、画像形成層は多岐にわたる素材を含有することができる。バインダーが2種以上含まれる場合、本発明におけるバインダー量とは、全バインダーの質量を合計したものを指す。
(画像形成層のバインダー重合度)
本発明の熱現像感光材料に係る画像形成層中に含有されるバインダーは、少なくとも1種の、重合度が1000以上3000以下の重合体を含有することが好ましい。更には、上記の重合度が1250以上2750以下の範囲のものが好ましい。また、バインダーを複数種用いる場合、上記重合度1000以上3000以下の重合体は全バインダー量に対して20質量%以上95質量%以下(20〜95質量%)であることが好ましく、更には、30質量%以上50質量%以下であることが好ましい。
(画像形成層のバインダーのTg)
本発明の熱現像感光材料は、画像形成層に用いるバインダーのガラス転移温度(Tg)が70〜105℃以上であることが好ましい。更には、70〜95℃であることが好ましい。バインダーのTgは各層の内部における熱的相転移温度の目安となる値であり、Tgが低すぎると保存時の素材の拡散による写真性能の変動や、熱現像後の濃度変化を促進してしまうため好ましくない。又、Tgが高すぎると乾燥温度や熱現像温度のような高温での樹脂流動性の適正化ができない。乾燥時には、塗布液溶媒の乾燥速度の低下、現像時には画像形成に必要な素材の拡散速度の低下を招くため好ましくない。Tgが適正化されることにより、画像形成において十分なカブリ濃度、最高濃度が得ることが出来る点で好ましい。従って、本発明においては、上記のTgの範囲が好ましい。なお、本発明のバインダーのTgは、熱現像感光材料の画像形成層を剥離し、これを、いわゆるDSC法にて測定することができる。
(非画像形成層用バインダー)
又、上塗り層や下塗り層、特に保護層やバックコート層等の非画像形成層(感光性層)に対しては、より軟化温度の高いポリマーであるセルロースエステル類、特にトリアセチルセルロース、セルロースアセテートブチレート等のポリマーが好ましい。なお、必要に応じて、2種以上のバインダー樹脂を組み合わせて用い得る。
これらのバインダーは、各層の要素を固定するバインダーとして機能するのに効果的な範囲で用いられる。効果的な範囲は当業者が容易に決定し得る。
(イソシアネート化合物)
本発明の熱現像感光材料は、バインダー同士を橋架け結合によって繋ぐことができる架橋剤として、イソシアネート化合物を含有させることができる。添加量は、バインダーに対し、0よりも多く3.5質量%以下の範囲であることが好ましい。
本発明に用いられるイソシアネート化合物とは、イソシアネート基を少なくとも2個有しているイソシアネート類及びその付加体(アダクト体)であり、具体的には脂肪族ジイソシアネート類、環状基を有する脂肪族ジイソシアネート類、ベンゼンジイソシアネート類、ナフタレンジイソシアネート類、ビフェニルジイソシアネート類、ジフェニルメタンジイソシアネート類、トリフェニルメタンジイソシアネート類、トリイソシアネート類、テトライソシアネート類、これらのイソシアネート類の付加体及びこれらのイソシアネート類と2又は3価のポリアルコール類との付加体等が挙げられる。具体例として、特開昭56−5535号の10〜12頁に記載されるイソシアネート化合物を利用することができる。
尚、イソシアネートとポリアルコールの付加体は、特に層間接着を良くし、層の剥離や画像のズレ及び気泡の発生を防止する能力が高い。かかるイソシアネートは、熱現像感光材料のどの部分に含有されてもよい。例えば支持体中(特に支持体が紙の場合、そのサイズ組成中に含ませることができる)、画像形成層(感光性層)、表面保護層、中間層、アンチハレーション層、下引層等の支持体の感光性層側の任意の層に添加でき、これらの層の中の1層又は2層以上に添加することができるが、本発明では、上記の如く画像形成層に、バインダー量に対して0よりも多く3.5質量%以下の範囲で添加することが好ましい。
又、使用可能なチオイソシアネート系化合物としては、上記のイソシアネート類に対応するチオイソシアネート構造を有する化合物も有用である。
(非感光性脂肪族カルボン酸銀塩粒子)
本発明に用いることのできる非感光性脂肪族カルボン酸銀塩は、光に対して比較的安定であるが、露光された感光性ハロゲン化銀及び還元剤の存在下で、80℃或いはそれ以上に加熱された場合に銀イオン供給体として機能し、銀画像を形成せしめる銀塩である。非感光性脂肪族カルボン酸銀塩は還元剤により還元されうる銀イオンを供給できる任意の脂肪族カルボン酸塩であってよい。脂肪族カルボン酸の銀塩は、特に(炭素数が10〜30、好ましくは15〜28の)長鎖脂肪族カルボン酸の銀塩が好ましい。脂肪族カルボン酸銀塩の好ましい例としては、リグノセリン酸銀、ベヘン酸銀、アラキジン酸銀、ステアリン酸銀、オレイン酸銀、ラウリン酸銀、カプロン酸銀、ミリスチン酸銀、パルミチン酸銀、エルカ酸銀およびこれらの混合物などを含む。本発明においては、脂肪族カルボン酸銀塩は70〜99mol%のベヘン酸銀を含有することが好ましい。更には、80mol%以上90mol%未満のベヘン酸銀を含有することが好ましい。また、エルカ酸銀含有率が2mol%以下、より好ましくは1mol%以下、更に好ましくは0.1mol%以下の脂肪族カルボン酸銀塩を用いる事が好ましい。
本発明の脂肪族カルボン酸銀塩は所望の量で使用できるが、ハロゲン化銀を含めた合計銀量として0.8〜1.5g/m2が好ましく、更には1.0〜1.3g/m2の範囲であることが好ましい。
本発明の非感光性脂肪族カルボン酸銀塩粒子の球相当直径は、0.05μm以上0.5μm以下であることが好ましい。更に好ましくは、0.10μm以上0.5μm以下である。またその粒子サイズ分布は単分散であることが好ましい。単分散度は、平均直径の標準偏差で表す事ができ、本発明の脂肪族カルボン酸銀塩粒子の標準偏差は0.3μm以下であることが好ましい。更には、0.2μm以下であることが好ましい。
この場合の粒子サイズ及びサイズ分布の測定は、レーザー回折法、遠心沈降光透過法、X線透過法、電気的検知帯法、遮光法、超音波減衰分光法、画像より算出する方法等、一般的に知られる粒度分布の測定方法により各々求めることができるが、その中でも、微細な粒子に対しては、レーザー回折法、画像より算出する方法が好ましい。更にはレーザー回折法が好ましく、液中に分散した脂肪族カルボン酸銀塩粒子を市販のレーザー回折粒度分布測定装置により行うことができる。
粒子サイズ及び、サイズ分布測定方法の具体例を示す。
100mlのビーカーに、0.01gの脂肪族カルボン酸銀塩粒子サンプルをとり、0.1gのノニオンNS−210(日本油脂(株)製)、40mlの水を加えた後、室温で超音波分散し、得られた分散液でレーザー回折粒度測定装置SALD−2000(島津製作所(株)製)により、平均粒子径及び、標準偏差を測定することができる。
本発明における脂肪族カルボン酸銀塩粒子は、銀イオンを含む溶液と、脂肪族カルボン酸アルカリ金属塩溶液もしくは懸濁液とを反応させることによって調製されることが好ましい。銀イオンを含む溶液は硝酸銀水溶液、脂肪族カルボン酸金属塩溶液もしくは懸濁液は水溶液もしくは水分散液であることが好ましく、その添加混合は、同時に行われることが好ましく、その方法については、反応浴の液面に添加する方法、液中に添加する方法等何れの方法で行っても構わないが、移送手段中に添加混合する方法が好ましい。移送手段中の混合とは、ラインミキシングを意味し、銀イオンを含む溶液と脂肪族カルボン酸アルカリ金属塩溶液もしくは懸濁液との混合が反応物を含む混合液を貯留するバッチに入る前に行われることが好ましい。混合部の攪拌手段は、ホモミキサー等の機械的攪拌、スタチックミキサー、乱流効果等いずれの手段を用いても構わないが、機械的攪拌を用いない方が好ましい。尚、移送手段中の混合は、銀イオンを含む溶液、脂肪族カルボン酸アルカリ金属塩溶液もしくは懸濁液に加えて、水、混合後バッチに貯留された混合液の循環液等、第3の液もしくは懸濁液を混合しても構わない。
更に本発明において、硝酸銀水溶液濃度は1〜15質量%、脂肪族カルボン酸金属塩水溶液もしくは水分散液の濃度は1〜5質量%の範囲にあることが好ましい。上記濃度範囲外において、低濃度域では生産性が著しく劣化し現実的ではなく、高濃度域では粒径サイズ及びサイズ分布を本発明の範囲に調整することが困難になる。また、脂肪族カルボン酸アルカリ金属塩に対する硝酸銀の混合モル比は0.9〜1.1の範囲にあることが好ましく、範囲外では粒径サイズ及びサイズ分布を本発明の範囲に調整することが困難になるのに加え、脂肪族カルボン酸銀塩の収率低下や、カブリ原因になる酸化銀の生成に繋がりやすくなる。
本発明において、調製された脂肪族カルボン酸銀塩は、その保存性の観点から、水洗され、その後乾燥されることが好ましい。水洗は、未反応イオン等の除去を主目的に行うが、その後の乾燥工程を考慮して、有機溶剤で行っても構わない。水洗に際しては、50℃以下で行われることが好ましい。更には、30℃以下で行うことが好ましい。50℃以上で実施すると粒径サイズ及びサイズ分布を本発明の範囲に調整することが困難になる。また、乾燥については、脂肪族カルボン酸銀塩の相転移温度以下で行うことが好ましい。更には、50℃以下で行うことが好ましく極力低温で行うことが好ましい。相転移温度以上での乾燥では粒径サイズ及びサイズ分布を本発明の範囲に調整することが困難になる。
本発明において、脂肪族カルボン酸銀塩の調製は感光性ハロゲン化銀粒子の非存在下で行われることが好ましい。感光性ハロゲン化銀存在下での調製では、カブリ性能との両立から、脂肪族カルボン酸銀塩粒子のサイズ及びサイズ分布を本発明の範囲に調整することが困難になる。
本発明の脂肪族カルボン酸銀塩は所望の量で使用できるが、ハロゲン化銀を含めた合計銀量は熱現像感光材料の塗布量として0.8〜1.5g/m2が好ましく、更には1.0〜1.3g/m2の範囲であることが好ましい。
(アルカリ金属塩の種類)
本発明で使用できるアルカリ金属塩の種類の例としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムなどがある。これらのうちの1種類のアルカリ金属塩、例えば、水酸化カリウムを用いることが好ましいが、水酸化ナトリウムと水酸化カリウムを併用することも好ましい。併用比率としては前記の水酸化塩の両者のモル比が10:90〜75:25の範囲であることが好ましい。脂肪族カルボン酸と反応して脂肪族カルボン酸のアルカリ金属塩となったときに上記の範囲で使用することで、反応液の粘度を良好な状態に制御できる。
(高銀化率銀塩粒子)
本発明に係る脂肪族カルボン酸銀塩粒子を含有する乳剤は、銀塩を形成していない遊離脂肪族カルボン酸と脂肪族カルボン酸銀塩の混合物であるが、前者の比率が後者に対して低いことが、画像保存性等の観点から、好ましい。すなわち、本発明に係る当該乳剤は脂肪族カルボン酸を該脂肪族カルボン酸銀塩粒子に対して3〜10mol%含有することが好ましい。特に好ましくは、4〜8mol%含有することである。なお、具体的には、下記の方法にて、全脂肪族カルボン酸量、遊離脂肪族カルボン酸量をそれぞれ求めることにより、脂肪族カルボン酸銀塩と遊離脂肪族カルボン酸量及びそれぞれの比率又は全脂肪族カルボン酸に対する遊離脂肪酸の比率等を計算することとする。
(全脂肪族カルボン酸量(上記の脂肪族カルボン酸銀塩と遊離酸の両方に由来するものの総計)の定量)
(1)試料約10mg(感光材料から剥離するときは剥離した質量)を正確に秤量し、200mlナス型フラスコに入れる。
(2)メタノール15mlと4mol/L塩酸3mlを加え、1分間超音波分散する。
(3)テフロン(登録商標)製沸石を入れ、60分間リフラックスする。
(4)冷却後、冷却管の上からメタノール5mlを加え、冷却管に付着したものをナス型フラスコに洗い入れる(2回)。
(5)得られた反応液を酢酸エチルで抽出する(酢酸エチル100ml、水70mlを加えて分液抽出を2回行う)。
(6)常温で30分間真空乾燥する。
(7)10mlメスフラスコに内部標準としてベンズアントロン溶液を1ml入れる(ベンズアントロン約100mgをトルエンに溶解し、トルエンで100mlに定容する)。(8)試料をトルエンに溶かして(7)のメスフラスコに入れ、トルエンで定容する。
(9)下記測定条件にてガス・クロマトグラフィー(GC)測定を行う。
装置:HP−5890+HP−ケミステーション
カラム:HP−1 30m×0.32mm×0.25μm(HP製)
注入口:250℃
検出器:280℃
オーブン:250℃一定
キャリアガス:He
ヘッド圧:80kPa
(遊離脂肪族カルボン酸量の定量)
(1)試料約20mgを正確に秤量し、200mlナス型フラスコに入れ、メタノール10mlを加えて25℃にて1分間超音波分散を行う(遊離有機カルボン酸が抽出される)。
(2)それをろ過して、ろ液を200mlナス型フラスコに入れ、乾固する(遊離有機カルボン酸が分離される)。
(3)メタノール15mlと4mol/L塩酸3mlを加え、1分間超音波分散を行う。(4)テフロン(登録商標)製沸騰石を入れ、60分間リフラックスする。
(5)得られた反応液に水60ml、酢酸エチル60mlを加えて、有機カルボン酸のメチルエステル化物を酢酸エチル相に抽出する。酢酸エチル抽出は2回行う。
(6)酢酸エチル相を乾固し、30分間真空乾燥する。
(7)10mlのメスフラスコにベンズアントロン溶液(内部標準:約100mgのベンズアントロンをトルエンに溶かし、100mlに定容したもの)1mlを入れる。
(8)(6)をトルエンで溶かして、(7)のメスフラスコに入れ、トルエンで定容する。
(9)下記測定条件にてGC測定を行う。
装置:HP−5890+HP−ケミステーション
カラム:HP−1 30m×0.32mm×0.25μm(HP製)
注入口:250℃
検出器:280℃
オーブン:250℃一定
キャリアガス:He
ヘッド圧:80kPa
(脂肪族カルボン酸銀塩の構造と形状)
本発明に用いることができる脂肪族カルボン酸銀塩の形状としては、特に制限はなく、針状、棒状、平板状、りん片状いずれでもよい。本発明においては、りん片状の脂肪族カルボン酸銀塩及び長軸と短軸の長さの比が5以下の短針状又は直方体状の脂肪族カルボン酸銀塩が好ましく用いられる。
なお、本明細書において、りん片状の脂肪族カルボン酸銀塩とは、次のようにして定義する。脂肪族カルボン酸銀塩を電子顕微鏡で観察し、脂肪族カルボン酸銀塩粒子の形状を直方体と近似し、この直方体の辺を一番短かい方からa、b、cとした(cはbと同じであってもよい。)とき、短い方の数値a、bで計算し、次のようにしてxを求める。
x=b/a
このようにして200個程度の粒子についてxを求め、その平均値x(平均)としたとき、x(平均)≧1.5の関係を満たすものをりん片状とする。好ましくは30≧x(平均)≧1.5、より好ましくは20≧x(平均)≧2.0である。因みに針状とは1≦x(平均)<1.5である。
りん片状粒子において、aはbとcを辺とする面を主平面とした平板状粒子の厚さとみることができる。aの平均は0.01μm以上、0.23μmが好ましく、0.1μm以上、0.20μm以下がより好ましい。c/bの平均は好ましくは1以上、6以下、より好ましくは1.05以上、4以下、更に好ましくは1.1以上、3以下、特に好ましくは1.1以上、2以下である。
本発明に係る脂肪族カルボン酸銀塩は、欧州特許1168069A1号及び特開2002−23303号に開示されているようなコア/シェル構造を有する結晶粒子であってもよい。なお、コア/シェル構造にする場合には、コア部またはシェル部のいずれかの全部または一部を脂肪族カルボン酸銀以外の有機銀塩、例えば、フタル酸、ベンゾイミダゾールなどの有機化合物の銀塩を当該結晶粒子の構成成分として使用してもよい。
本発明において、平板状の脂肪族カルボン酸銀塩粒子は、必要に応じバインダーや界面活性剤などと共に予備分散した後、メディア分散機または高圧ホモジナイザなどで分散粉砕することが好ましい。上記予備分散方法としては、例えば、アンカー型、プロペラ型等の一般的撹拌機や高速回転遠心放射型撹拌機(ディゾルバ)、高速回転剪断型撹拌機(ホモミキサ)を使用することができる。
また、上記メディア分散機としては、例えば、ボールミル、遊星ボールミル、振動ボールミルなどの転動ミルや、媒体撹拌ミルであるビーズミル、アトライター、その他バスケットミルなどを用いることが可能であり、高圧ホモジナイザとしては壁、プラグなどに衝突するタイプ、液を複数に分けてから高速で液同士を衝突させるタイプ、細いオリフィスを通過させるタイプなど様々なタイプを用いることができる。
メディア分散時に使用されるセラミックスビーズに用いられるセラミックスとしては、分散時におけるビーズや分散機との摩擦による不純物生成が少ない等の理由から、イットリウム安定化ジルコニア、ジルコニア強化アルミナ(これらジルコニアを含有するセラミックスを以下においてジルコニアと略す)が特に好ましく用いられる。
本発明に係る平板状脂肪族カルボン酸銀塩粒子を分散する際に用いられる装置類において、脂肪族カルボン酸銀塩粒子が接触する部材の材質として、例えば、ジルコニア、アルミナ、窒化珪素、窒化ホウ素などのセラミックス類またはダイヤモンドを用いることが好ましく、中でもジルコニアを用いることが好ましい。上記分散を行う際、バインダー濃度は脂肪族カルボン酸銀質量の0.1〜10%添加することが好ましく、予備分散から本分散を通して液温が45℃を上回らないことが好ましい。また、本分散の好ましい運転条件としては、例えば、高圧ホモジナイザを分散手段として用いる場合には、29〜100MPa、運転回数は2回以上が運転条件として好ましい。又、メディア分散機を分散手段として用いる場合には、周速が6〜13m/秒が好ましい条件として挙げられる。
本発明では、非感光性脂肪族カルボン酸銀塩粒子が、結晶成長抑制剤又は分散剤として機能する化合物の存在下で形成されたものであることが好ましい。また、結晶成長抑制剤又は分散剤として機能する化合物が、ヒドロキシル基又はカルボキシル基を有する有機化合物であることが好ましい。
本発明において、脂肪族カルボン酸銀粒子に対する結晶成長抑制剤ないし分散剤として機能する化合物とは、脂肪族カルボン酸銀粒子の製造工程において、当該化合物を共存させた条件下で脂肪族カルボン酸銀を製造したときに、共存させない条件下で製造したときより小粒径化や単分散化する機能、効果を有する化合物をいう。具体例として、炭素数が10以下の一価アルコール類、好ましくは第2級アルコール、第3級アルコール、エチレングリコール、プロピレングリコールなどのグリコール類、ポリエチレングリコールなどポリエーテル類、グリセリンが挙げられる。好ましい添加量としては、脂肪族カルボン酸銀に対して10〜200質量%である。
一方で、イソヘプタン酸、イソデカン酸、イソトリデカン酸、イソミリスチン酸、イソパルミチン酸、イソステアリン酸、イソアラキジン酸、イソベヘン酸、イソヘキサコ酸など、それぞれ異性体を含む分岐脂肪族カルボン酸も好ましい。この場合、好ましい側鎖として、炭素数4以下のアルキル基又はアルケニル基が挙げられる。また、パルミトレイン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、モロクチン酸、エイコセン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、エルカ酸、ドコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、セラコレン酸などの脂肪族不飽和カルボン酸が挙げられる。好ましい添加量は、脂肪族カルボン酸銀の0.5〜10mol%である。
グルコシド、ガラクトシド、フルクトシドなどの配糖体類、トレハロース、スクロースなどトレハロース型二糖類、グリコーゲン、デキストリン、デキストラン、アルギン酸など多糖類、メチルセロソルブ、エチルセロソルブなどのセロソルブ類、ソルビタン、ソルビット、酢酸エチル、酢酸メチル、ジメチルホルムアミドなど水溶性有機溶媒、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、アクリル酸共重合体、マレイン酸共重合体、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ゼラチンなどの水溶性ポリマー類も好ましい化合物として挙げられる。好ましい添加量としては脂肪族カルボン酸銀に対して0.1〜20質量%である。
炭素数が10以下のアルコール、好ましくは、イソプロピルアルコールなどの第二級アルコール、t−ブチルアルコールなどの第三級アルコールは、粒子製造工程での脂肪族カルボン酸アルカリ金属塩の溶解度を上げることにより減粘し、撹拌効率を上げることで単分散で、かつ小粒径化する。分岐脂肪族カルボン酸及び脂肪族不飽和カルボン酸は、脂肪族カルボン酸銀が結晶化する際にメイン成分である直鎖脂肪族カルボン酸銀よりも立体障害性が高く、結晶格子の乱れが大きくなるため大きな結晶は生成せず、結果的に小粒径化する。
(還元剤)
本発明においては、銀イオンの還元剤として、前記一般式(1)で表される化合物を単独又は他の異なる化学構造を有する還元剤と併せて用いることが好ましい。ここで併用する還元剤についてもビスフェノール型の還元剤であることが好ましい。一般式(1)で表される化合物と併用できる還元剤は、例えば特開平11−65021号の段落番号「0043」〜「0045」、欧州特許公開(EP0803764A1号)の7頁34行〜18頁12行、特開2003−302723号の段落番号「0124」〜「0133」、特開2003−315954号の段落番号「0124」〜「0127」、特開2004−4650号の段落番号「0042」〜「0057」に記載されている。一般式(1)で表される化合物は有機酸銀塩を含有する画像形成層に含有させることが好ましいが、隣接する非画像形成層に含有させてもよい。
前記一般式(1)において、R1は水素原子又は置換基を表す。置換基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、複素環基、ハロゲン原子、シアノ基等が挙げられる。好ましくは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基又はアルケニル基であり、更に好ましくは、水素原子又はアルキル基である。これらの置換基は、更に置換基を有してもよく、該置換基としては、アルキル基、シクロアルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、複素環基、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、複素環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基、アニリノ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキル及びアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキル及びアリールスルフィニル基、アルキル及びアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アリール及び複素環アゾ基、イミド基、シリル基、ヒドラジノ基、ウレイド基、ボロン酸基、ホスファト基、スルファト基、その他の公知の置換基が挙げられる。
R2及びR3は各々、炭素原子数が3〜8の分岐アルキル基を表す。分岐アルキル基としては、t−ブチル基、t−アミル基、i−プロピル基、i−ブチル基、i−プロピル基、1,1−ジメチルブチル基、1−メチルシクロペンチル基、1−メチルシクロブチル基、1−メチルシクロプロピル基、1−メチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、1−メチルプロピル基、1,1,2−トリメチルプロピル基、1−エチル−1−メチルプロピル基等が挙げられる。好ましくはt−ブチル基、1,1−ジメチルブチル基又はt−アミル基であり、更に好ましくはt−アミル基である。これらの分岐アルキル基は更に置換基を有してもよく、該置換基としては、ヒドロキシル基、シアノ基、メルカプト基、ハロゲン原子、アミノ基、イミド基、シリル基、ヒドラジノ基等が挙げられる。
1及びA2は各々ヒドロキシル基又は脱保護されることによりヒドロキシル基を形成し得る基を表し、好ましくはヒドロキシル基である。脱保護されてヒドロキシル基を形成しうる基とは、酸及び/又は熱の作用により脱保護してヒドロキシル基を形成する基が挙げられる。具体的には、エーテル基(メトキシ、t−ブトキシ、アリルオキシ、ベンジルオキシ、トリフェニルメトキシ、トリメチルシリルオキシ等)、ヘミアセタール基(テトラヒドロピラニルオキシ等)、エステル基(アセチルオキシ、ベンゾイルオキシ、p−ニトロベンゾイルオキシ、ホルミルオキシ、トリフルオロアセチルオキシ、ピバロイルオキシ等)、カルボナート基(エトキシカルボニルオキシ、フェノキシカルボニルオキシ、t−ブチルオキシカルボニルオキシ等)、スルホナート基(p−トルエンスルホニルオキシ、ベンゼンスルホニルオキシ等)、カルバモイルオキシ基(フェニルカルバモイルオキシ等)、チオカルボニルオキシ基(ベンジルチオカルボニルオキシ等)、硝酸エステル基、スルフェナート基(2,4−ジニトロベンゼンスルフェニルオキシ等)が挙げられる。n及びmは各々3〜5の整数を表すが、好ましくは3又は4であり、更に好ましくは3である。
上記に例示した置換基R1、R2、R3、A1及びA2の構造は、ビスフェノール型還元剤
の熱的物性ならびに結晶性を決定する因子の一つであり、熱現像感光材料における還元剤の融点、熱分解温度、結晶性が写真性能に大きく相関する。
本発明に係る熱現像感光材料に用いる場合、融点は80〜250℃、熱分解温度は200℃以上であることが好ましい。現像処理後に感材中に還元剤が残留する熱現像感光材料は、結晶性の高い還元剤の方が保存時の物質拡散が抑制されるため、画像保存時の還元反応によるカブリ部分の濃度変動が小さくなることから、還元剤の結晶性は高い方がより好ましい。
以下に、一般式(1)で表される還元剤の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されない。
上記還元剤は、溶液形態、乳化分散形態、固体微粒子分散物形態など、如何なる方法で塗布液に含有せしめ、熱現像感光材料に含有させてもよい。
本発明では、更に米国特許3,589,903号、同4,021,249号、英国特許1,486,148号及び特開昭51−51933号、同50−36110号、同50−116023号、同52−84727号もしくは特公昭51−35727号に記載されたポリフェノール化合物、例えば2,2′−ジヒドロキシ−1,1′−ビナフチル、6,6′−ジブロモ−2,2′−ジヒドロキシ−1,1′−ビナフチル等の米国特許3,672,904号に記載されたビスナフトール類、更に、例えば4−ベンゼンスルホンアミドフェノール、2−ベンゼンスルホンアミドフェノール、2,6−ジクロロ−4−ベンゼンスルホンアミドフェノール、4−ベンゼンスルホンアミドナフトール等の米国特許3,801,321号に記載されるようなスルホンアミドフェノール又はスルホンアミドナフトール類も、銀イオン還元剤として用いることができる。
還元剤の使用量は、脂肪族カルボン酸銀塩や還元剤の種類、その他の添加剤によって変化するが、一般的には、脂肪族カルボン酸銀塩1モル当たり0.05〜10モル、好ましくは0.1〜3モルが適当である。本発明においては、還元剤を塗布直前に感光性ハロゲン化銀及び脂肪族カルボン酸銀塩粒子及び溶媒から成る感光乳剤溶液に添加混合し、その、塗布する方が停滞時間による写真性能変動が小さく好ましい場合がある。
(感光性ハロゲン化銀)
感光性ハロゲン化銀(ハロゲン化銀とも言う)とは、ハロゲン化銀結晶の固有の性質として本来的に光吸収し得て、又は人為的に物理化学的な方法により可視光〜赤外光を吸収し得て、かつ紫外光領域〜赤外光領域の光波長範囲内の何れかの領域の光を吸収した時に、当該ハロゲン化銀結晶内及び/又は結晶表面において物理化学的変化が起こり得るように処理製造されたハロゲン化銀結晶粒子を言う。
本発明に係るハロゲン化銀は、公知の方法を用いてハロゲン化銀粒子乳剤(ハロゲン化銀乳剤とも言う)として調製することができる。即ち、酸性法、中性法、アンモニア法等の何れでもよく、又、可溶性銀塩と可溶性ハロゲン塩を反応させる方法としては、片側混合法、同時混合法、それらの組合せ等の何れを用いてもよいが、上記方法の中、でも形成条件をコントロールしつつハロゲン化銀粒子を調製する、所謂コントロールド・ダブルジェット法が好ましい。
通常、ハロゲン化銀種粒子は、粒子の核の生成と粒子成長の2段階に分けられ、一度にこれらを連続的に行う方法でもよく、又、核(種粒子)形成と粒子成長を分離して行う方法でもよい。粒子形成条件であるpAg、pH等をコントロールして粒子形成を行うコントロールド・ダブルジェット法が粒子形状やサイズのコントロールが出来るので好ましい。例えば、核生成と粒子成長を分離して行う方法を行う場合には、先ず銀塩水溶液とハライド水溶液をゼラチン水溶液中で均一、急速に混合させ、核生成(核生成工程)した後、コントロールされたpAg、pH等の下で銀塩水溶液とハライド水溶液を供給しつつ粒子成長させる粒子成長工程によりハロゲン化銀粒子を調製する。粒子形成後、脱塩工程により、不要な塩類等をヌードル法、フロキュレーション法、限外濾過法、電気透析法等、公知の脱塩法により除くことで所望のハロゲン化銀乳剤を得ることができる。
本発明に係るハロゲン化銀粒子の粒径分布は単分散であることが好ましい。ここで言う単分散とは、下記式で求められる粒径の変動係数が30%以下を言う。好ましくは20%以下であり、更に好ましくは15%以下である。
粒径の変動係数(%)=(粒径の標準偏差/粒径の平均値)×100
ハロゲン化銀粒子の形状としては、立方体、八面体、14面体粒子、平板状粒子、球状粒子、棒状粒子、ジャガイモ状粒子等を挙げることができるが、これらの中、特に立方体、八面体、14面体、平板状ハロゲン化銀粒子が好ましい。
平板状ハロゲン化銀粒子を用いる場合の平均アスペクト比は、好ましくは1.5〜100、より好ましくは2〜50である。これらについては、米国特許5,264,337号、同5,314,798号、同5,320,958号に記載されており、容易に目的の平板状粒子を得ることができる。更に、ハロゲン化銀粒子のコーナーが丸まった粒子も好ましく用いることができる。
ハロゲン化銀粒子外表面の晶癖についても特に制限はないが、ハロゲン化銀粒子表面への増感色素の吸着反応において、晶癖(面)選択性を有する増感色素を使用する場合には、その選択性に適応する晶癖を相対的に高い割合で有するハロゲン化銀粒子を使用することが好ましい。例えば、ミラー指数〔100〕の結晶面に選択的に吸着する増感色素を使用する場合には、ハロゲン化銀粒子外表面において〔100〕面の占める割合が高いことが好ましく、この割合が50%以上であることが好ましく、70%以上であることがより好ましく、80%以上であることが特に好ましい。なお、ミラー指数〔100〕面の比率は、増感色素の吸着における〔111〕面と〔100〕面との吸着依存性を利用したT.Tani,J.ImagingSci.,29,165(1985年)により求めることができる。
本発明に用いられるハロゲン化銀粒子は、該粒子形成時に平均分子量5万以下の低分子量ゼラチンを用いて調製することが好ましいが、特にハロゲン化銀粒子の核形成時に用いることが好ましい。低分子量ゼラチンは平均分子量5万以下のものが好ましく、より好ましくは2,000〜40,000であり、特に好ましくは5,000〜25,000である。ゼラチンの平均分子量はゲル濾過クロマトグラフィーで測定することができる。低分子量ゼラチンは、通常用いられる平均分子量10万程度のゼラチン水溶液にゼラチン分解酵素を加えて酵素分解したり、酸又はアルカリを加えて加熱し加水分解したり、大気圧下又は加圧下での加熱により熱分解したり、超音波照射して分解したり、それらの方法を併用したりして得ることができる。ハロゲン化銀粒子の核形成時の分散媒の濃度は5質量%以下が好ましく、0.05〜3.0質量%の低濃度で行うのがより好ましい。
本発明に用いられるハロゲン化銀粒子は、粒子形成時に下記の一般式で表される化合物を用いることが好ましい。
YO(CH2CH2O)m(CH(CH3)CH2O)p(CH2CH2O)n
式中、Yは水素原子、−SO3M、または−CO−B−COOMを表し、Mは水素原子、アルカリ金属原子、アンモニウム基または炭素原子数5以下のアルキル基にて置換されたアンモニウム基を表し、Bは有機2塩基性酸を形成する鎖状または環状の基を表す。m及びnは各々0〜50を表し、pは1〜100を表す。
上記の一般式で表されるポリエチレンオキシド化合物は、通常のハロゲン化銀写真感光材料を製造するに際し、ゼラチン水溶液を製造する工程、ゼラチン溶液に水溶性ハロゲン化物及び水溶性銀塩を添加する工程、乳剤を支持体上に塗布する工程等、乳剤原料を撹拌したり、移動したりする場合の著しい発泡に対する消泡剤として好ましく用いられて来たものであり、消泡剤として用いる技術は、例えば特開昭44−9497号に記載されている。上記ポリエチレンオキシド化合物は、核形成時の消泡剤としても機能する。上記一般式で表される化合物は、銀に対して1質量%以下で用いるのが好ましく、より好ましくは0.01〜0.1質量%で用いる。
上記ポリエチレンオキシド化合物は核形成時に存在していればよく、核形成前の分散媒中に予め加えておくのが好ましいが、核形成中に添加してもよいし、核形成時に使用する銀塩水溶液やハライド水溶液に添加して用いてもよい。好ましくは、ハライド水溶液もしくは両方の水溶液に0.01〜2.0質量%で添加して用いることである。又、該化合物は、核形成工程の少なくとも50%に亘る時間で存在せしめるのが好ましく、更に好ましくは70%以上に亘る時間で存在せしめる。上記ポリエチレンオキシド化合物は、粉末で添加しても、メタノール等の溶媒に溶かして添加してもよい。
なお、核形成時の温度は、通常、5〜60℃、好ましくは15〜50℃であり、一定の温度であっても、昇温パターン(核形成開始時の温度が25℃で、核形成中徐々に温度を上げ、核形成終了時の温度が40℃の様な場合)や、その逆のパターンであっても、前記温度範囲内で制御するのが好ましい。
核形成に用いる銀塩水溶液及びハライド水溶液の濃度は3.5モル/L以下が好ましく、更には0.01〜2.5モル/Lの低濃度域で使用されるのが好ましい。核形成時の銀イオンの添加速度は、反応液1L当たり1.5×10-3〜3.0×10-1モル/分が好ましく、更に好ましくは3.0×10-3〜8.0×10-2モル/分である。
核形成時のpHは、通常、1.7〜10の範囲に設定できるが、アルカリ側のpHでは形成する核の粒径分布を広げてしまうので、好ましくはpH2〜6である。又、核形成時のpBrは、通常、0.05〜3.0であり、好ましくは1.0〜2.5、より好ましくは1.5〜2.0である。
ハロゲン化銀粒子の平均粒径は、通常、10〜50nm、好ましくは10〜40nmであり、より好ましくは10〜35nmである。ハロゲン化銀粒子の平均粒径が10nmより小さいと画像濃度が低下したり、光照射画像保存性(熱現像によって得た画像を明室で診断等のために使用したり、明室に保管した場合の保存性)が劣化したりすることがある。又、50nmを超えると画像濃度が低下してしまうことがある。
ここで言う平均粒径とは、ハロゲン化銀粒子乳剤中に含まれているハロゲン化銀粒子が立方体、あるいは八面体のいわゆる正常晶である場合には、ハロゲン化銀粒子の稜の長さを言う。又、ハロゲン化銀粒子が平板状粒子である場合には、主表面の投影面積と同面積の円像に換算した時の直径を言う。その他、正常晶でない場合、例えば球状粒子、棒状粒子等の場合には、当該ハロゲン化銀粒子の体積と同等な球を考えた時の直径を粒径として算出する。測定は電子顕微鏡写真を用いて行い、300個の粒子の粒径の測定値を平均することで平均粒径を求めた。
又、本発明においては、平均粒径が55〜100nmであるハロゲン化銀粒子と平均粒径が10〜50nmであるハロゲン化銀粒子とを併用することで、画像濃度の階調を調整することができる他、画像濃度を向上させたり、経時での画像濃度低下を改善(小さく)することができる。平均粒径が10〜50nmであるハロゲン化銀粒子と平均粒径が55〜100nmであるハロゲン化銀粒子との割合(質量比)は、95:5〜50:50が好ましく、より好ましくは90:10〜60:40である。
なお、上記のように、2種の平均粒径のハロゲン化銀粒子乳剤を用いる場合には、当該2種のハロゲ化銀乳剤を混合して、感光性層に含有させてもよい。又、階調調整等のために、感光性層を2層以上の層で構成し、それぞれの層に当該2種の平均粒径のハロゲン化銀粒子乳剤を別個に含有させることも好ましい。
(沃化銀含有量が5〜100モル%のハロゲン化銀粒子)
ハロゲン化銀粒子としては、沃化銀を含有するハロゲン化銀粒子を好ましく使用することができる。ハロゲン組成としては、沃化銀含有量が5〜100モル%であることが好ましい。より好ましくは40〜100モル%、更に好ましくは70〜100モル%であり、特に好ましくは90〜100モル%である。沃化銀含有率がこの範囲であれば、粒子内ハロゲン組成分布が均一であっても、段階的に変化したものでもよく、あるいは連続的に変化したものでもよい。又、内部及び/又は表面に沃化銀含有率が高いコア/シェル構造を有するハロゲン化銀粒子も好ましく用いることができる。構造として好ましいものは2〜5重構造であり、より好ましくは2〜4重構造のコア/シェル粒子である。
ハロゲン化銀粒子に沃化銀を導入する方法としては、粒子形成中に沃化アルカリ水溶液を添加する方法、微粒子沃化銀、微粒子沃臭化銀、微粒子沃塩化銀、微粒子沃塩臭化銀の中、少なくとも一つの微粒子を添加する方法、特開平5−323487号及び同6−11780号に記載の沃化物イオン放出剤を用いる方法などが好ましい。
本発明に係るハロゲン化銀粒子は、350〜440nmの間の波長に沃化銀結晶構造に由来する直接遷移吸収を示すことが好ましい。これらハロゲン化銀が直接遷移の光吸収を持っているかどうかは、400〜430nm付近に直接遷移に起因する励起子吸収が見られることで容易に区別することができる。
(熱変換内部潜像型ハロゲン化銀粒子)
本発明に係る感光性ハロゲン化銀粒子は、特開2003−270755号、特開2005−106927号に開示される熱変換内部潜像型(熱現像後内部潜像型)ハロゲン化銀粒子、即ち熱現像によって表面潜像型から内部潜像型に変換することにより表面感度が低下するハロゲン化銀粒子であることが好ましい。換言すると、熱現像前の露光では、現像反応(銀イオン還元剤による銀イオンの還元反応)の触媒として機能し得る潜像を該ハロゲン化銀粒子の表面に形成し、熱現像過程経過後の露光では、該ハロゲン化銀粒子の表面より内部に多くの潜像を形成するようになるため、表面における潜像形成が抑制されるハロゲン化銀粒子であることが、感度及び画像保存性上、好ましい。
熱変換内部潜像型ハロゲン化銀粒子は、通常の表面潜像型ハロゲン化銀粒子と同様に、銀イオン供給源として機能し得る脂肪族カルボン酸銀塩1モルに対し0.001〜0.7モル、好ましくは0.03〜0.5モルの範囲で使用するのが好ましい。
(ハロゲン化銀粒子両親媒性分散物)
熱現像感光材料の製造過程においては、写真性能、色調を改良するという観点から、ハロゲン化銀粒子の凝集を防止し、比較的均一にハロゲン化銀粒子を分散させ、最終的に現像銀を所望の形状に制御できるようにすることが好ましい。
凝集防止、均一分散等のため、用いられるゼラチンは、使用条件等に応じて、ゼラチンが有するアミノ基やカルボキシル基などの親水性基を化学修飾し、ゼラチンの特性を改変させたものが好ましい。例えば、ゼラチン分子内のアミノ基の疎水化修飾としては、フェニルカルバモイル化、フタル化、琥珀化、アセチル化、ベンゾイル化、ニトロフェニル化などが挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。又、これらの置換率は95%以上が好ましく、更に好ましくは99%以上である。又、カルボキシル基の疎水化修飾を組み合わせてもよく、メチルエステル化やアミド化などが挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。カルボキシル基の置換率は50〜90%が好ましく、更に好ましくは70〜90%である。ここで、上記の疎水化修飾の疎水基とは、ゼラチンのアミノ基及び/又はカルボキシル基を置換することによって、疎水性が増す基のことを言う。
又、ハロゲン化銀粒子乳剤は、ゼラチンの代わりに又はゼラチンとの併用において、下記のような水と有機溶媒の両方に溶解するポリマーを使用して調製することも、目的によって好ましい。例えばハロゲン化銀粒子乳剤を有機溶媒系に均一に分散させて塗布するような場合に、特に好ましい。なお、有機溶媒としては、アルコール系、エステル系、ケトン系の化合物が挙げられる。特に、ケトン系有機溶媒、例えばメタノール、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン等が好ましい。
上記水と有機溶媒の両方に溶解するポリマーとしては、天然ポリマー、合成ポリマー及びコポリマーの何れであってもよい。例えばゼラチン類、ゴム類等を改質して本発明の範疇に属するよう改質したものを用いることもできる。又は、以下の分類に属するポリマーを、凝集防止、均一分散等の目的に適する官能基を導入して用いることが可能である。
上記ポリマーとしては、ポリビニルアルコール類、ヒドロキシエチルセルロース類、セルロースアセテート類、セルロースアセテートブチレート類、ポリビニルピロリドン類、カゼイン、澱粉、ポリアクリル酸及びアクリル酸エステル類、ポリメチルメタクリル酸及びメタクリル酸エステル類、ポリ塩化ビニル類、ポリメタクリル酸類、スチレン−無水マレイン酸共重合体類、スチレン−アクリロニトリル共重合体類、スチレン−ブタジエン共重合体類、ポリビニルアセタール類(ポリビニルホルマール及びポリビニルブチラール)、ポリエステル類、ポリウレタン類、フェノキシ樹脂、ポリ塩化ビニリデン類、ポリエポキシド類、ポリカーボネート類、ポリ酢酸ビニル類、ポリオレフィン類、セルロースエステル類、ポリアミド類等が挙げられる。これらのポリマーは、数種類がコポリマーとなっていてもよいが、特にアクリル酸、メタクリル酸及びそれらのエステル類のモノマーを共重合したポリマーが好ましい。
当該ポリマーは、同一の状態で水と有機溶媒の両方に溶解するポリマーでもよいが、pHの制御や温度の制御で水や有機溶媒に溶解させたり、不溶化したりできるものも含まれる。例えば、カルボキシル基のような酸性基を有するポリマーは、種類によっては解離状態では親水性となるが、pHを下げ非解離状態にすると親油性となり溶剤に可溶にできる。逆にアミノ基を有するポリマーは、pHを上げると親油性となり、pHを下げるとイオン化し水溶性が上昇する。ノニオン活性剤では曇点の現象が良く知られているが、温度の上昇で親油性になり有機溶媒に可溶となり、温度の低下で親水性、即ち水に溶解できるような性質を有する感温性ポリマー(有名な感温性ポリマーとして、ポリ−N−i−プロピルアクリルアミド及びそのコポリマー等)も本発明に含まれる。完全に溶解しなくともミセルを形成し均一に乳化できればよい。
本発明においては、各種のモノマーを組み合わせるため、一概にどのモノマーをどの程度用いるのが良いかは述べられないが、親水性のモノマーと疎水性のモノマーを適当な割合で組み合わせることで所望のポリマーが得られることは容易に理解できる。
前記水と有機溶媒の両方に溶解するポリマーとしては、前記の如きpH等の溶解時の条件の調整により、あるいは未調整でもよいが、水に対して少なくとも1質量%以上(25℃)の溶解度を有し、かつ有機溶剤としてメチルエチルケトンに5質量%以上(25℃)の溶解度を有するものが好ましい。本発明に用いる水と有機溶媒の両方に溶解するポリマーとしては、溶解性の観点から、直鎖のポリマーよりも所謂ブロックポリマー、グラフトポリマー、櫛型ポリマー等が適している。特に櫛型ポリマーは好ましい。なお、ポリマーの等電点はpH6以下であることが好ましい。
櫛型ポリマーを製造する場合は、各種の手法を用いることができるが、櫛部(側鎖)に200以上の分子量の側鎖を導入できるモノマーを用いることが望ましい。特にエチレンオキシド、プロピレンオキシド等、ポリオキシアルキレン基含有エチレン性不飽和モノマーを用いることが好ましい。ポリオキシアルキレン基含有エチレン性不飽和モノマーとしては、特に下記一般式で表されるポリオキシアルキレン基を有するものが好ましい。
−(EO)k−(PO)m−(TO)n−R
式中、Eはエチレン基、Pはプロピレン基、Tはブチレン基を表し、Rは置換基を表す。ブチレン基としてはテトラメチレン、i−ブチレン基等を含む。kは1〜300、mは0〜60、nは0〜40の整数を表す。好ましくはkは1〜200、mは0〜30、nは0〜20である。ただし、櫛型ポリマーとなるためにはk+m+n≧2であることが好ましい。ポリオキシアルキレン基含有エチレン性不飽和モノマーは、1種類だけを用いても2種類以上を同時に用いても構わない。
Rで表される置換基としては、アルキル基、アリール基、複素環基などを表し、アルキル基としてはメチル、エチル、プロピル、ブチル、へキシル、オクチル、ドデシル等の喜が、又、アリール基としてはフェニル、ナフチル等の基が、又、複素環基としてはチエニル、ピリジル等の基が挙げられる。又、これらの基は、更にハロゲン原子、アルコキシ基(メトキシ、エトキシ、ブトキシ等)、アルキルチオ基(メチルチオ、ブチルチオ等)、アシル基(アセチル、ベンゾイル等)、アルカンアミド基(アセトアミド、プロピオンアミド等)、アリールアミド基(ベンゾイルアミド等)等によって置換されてもよい。又、これらの置換基が、更にこれらの基により置換されてもよい。
前記一般式で表されるポリオキシアルキレン基は、これらポリオキシアルキレン基を有するエチレン性不飽和モノマーを用いることでポリマー中に導入できる。これらの基を有するエチレン性不飽和モノマーとしては、例えばポリオキシアルキレンアクリレート(及びメタアクリレート)等があり、これ等は市販されているヒドロキシポリ(オキシアルキレン)材料、例えば商品名”プルロニック”[Pluronic(旭電化工業社製)]、アデカポリエーテル(旭電化工業社製)、カルボワックス[Carbowax(グリコ・プロダクス社製)]、トリトン[Toriton(ローム・アンド・ハース社製)]及びP.E.G(第一工業製薬社製)等を、公知の方法でアクリル酸、メタクリル酸、アクリルクロリド、メタクリルクロリド又は無水アクリル酸等と反応させることによって製造できる。別に、公知の方法で製造したポリ(オキシアルキレン)ジアクリレート等を用いることもできる。
又、市販品のモノマーとしては、日本油脂社製のヒドロキシル基末端ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレートとして、ブレンマーPE−90、ブレンマーPE−200、ブレンマーPE−350、ブレンマーAE−90、ブレンマーAE−200、ブレンマーAE−400、ブレンマーPP−1000、ブレンマーPP−500、ブレンマーPP−800、ブレンマーAP−150、ブレンマーAP−400、ブレンマーAP−550、ブレンマーAP−800、ブレンマー50PEP−300、ブレンマー70PEP−350B、ブレンマーAEPシリーズ、ブレンマー55PET−400、ブレンマー30PET−800、ブレンマー55PET−800、ブレンマーAETシリーズ、ブレンマー30PPT−800、ブレンマー50PPT−800、ブレンマー70PPT−800、ブレンマーAPTシリーズ、ブレンマー10PPB−500B、ブレンマー10APB−500B等が挙げられる。同様に、日本油脂社製のアルキル末端ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレートとして、ブレンマーPME−100、ブレンマーPME−200、ブレンマーPME−400、ブレンマーPME−1000、ブレンマーPME−4000、ブレンマーAME−400、ブレンマー50POEP−800B、ブレンマー50AOEP−800B、ブレンマーPLE−200、ブレンマーALE−200、ブレンマーALE−800、ブレンマーPSE−400、ブレンマーPSE−1300、ブレンマーASEPシリーズ、ブレンマーPKEPシリーズ、ブレンマーAKEPシリーズ、ブレンマーANE−300、ブレンマーANE−1300、ブレンマーPNEPシリーズ、ブレンマーPNPEシリーズ、ブレンマー43ANEP−500、ブレンマー70ANEP−550等;共栄社化学社製のライトエステルMC、ライトエステル130MA、ライトエステル041MA、ライトアクリレートBO−A、ライトアクリレートEC−A、ライトアクリレートMTG−A、ライトアクリレート130A、ライトアクリレートDPM−A、ライトアクリレートP−200A、ライトアクリレートNP−4EA、ライトアクリレートNP−8EA等が挙げられる。
ポリマーとしては、所謂マクロマーを使用したグラフトポリマーを用いることもできる。例えば、”新高分子実験学2、高分子の合成・反応”高分子学会編,共立出版社,1995に記載されている。又、山下雄也著”マクロモノマーの化学と工業”アイピーシー刊,1989にも詳しく記載されている。マクロマーの内、有用な分子量は1万〜10万の範囲、好ましい範囲は1万〜5万、特に好ましい範囲は1万〜2万の範囲である。分子量が1万未満では効果を発揮できず、又、10万を超えると主鎖を形成する共重合モノマーとの重合性が悪くなる。具体的には、東亞合成社製:AA−6、AS−6S、AN−6S等を用いることができる。
なお、本発明が上記具体例によって、何等限定されないことは勿論である。ポリオキシアルキレン基含有エチレン性不飽和モノマーは、1種類だけを用いても2種類以上を同時に用いても構わない。
上記モノマーと具体的に反応させる他のモノマーとしては、(メタ)アクリル酸エステル類、(メタ)アクリルアミド類、アリルエステル類、アリルオキシエタノール類、ビニルエーテル類、ビニルエステル類、イタコン酸ジアルキル、フマール酸のモノ(又はジ)アルキルエステル類等、その他、クロトン酸、イタコン酸、(メタ)アクリロニトリル、マレイロニトリル、スチレン等が挙げられる。
具体的な例としては、以下の化合物が挙げられる。
アクリル酸エステル類:アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、クロルエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、トリメチロールプロパンモノアクリレート、ベンジルアクリレート、メトキシベンジルアクリレート、フルフリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート等、メタクリル酸エステル類:メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、クロルエチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、トリメチロールプロパンモノメタクリレート、ベンジルメタクリレート、メトキシベンジルメタクリレート、フルフリルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート等、アクリルアミド類:アクリルアミド、N−アルキルアクリルアミド(アルキル基として炭素数1〜3のもの、例えばメチル、エチル、プロピル)、N,N−ジアルキルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチル−N−メチルアクリルアミド、N−2−アセトアミドエチル−N−アセチルアクリルアミドなど。又、アルキルオキシアクリルアミドとして、メトキシメチルアクリルアミド、ブトキシメチルアクリルアミド等、メタクリルアミド類:メタクリルアミド、N−アルキルメタクリルアミド、N−ヒドロキシエチル−N−メチルメタクリルアミド、N−2−アセトアミドエチル−N−アセチルメタクリルアミド、メトキシメチルメタアクリルアミド、ブトキシメチルメタアクリルアミド等、アリル化合物:アリルエステル類(酢酸アリル、カプロン酸アリル、カプリル酸アリル、ラウリン酸アリル、パルミチン酸アリル、ステアリン酸アリル、安息香酸アリル、アセト酢酸アリル、乳酸アリル等)、アリルオキシエタノール等、ビニルエーテル類:アルキルビニルエーテル(ヘキシルビニルエーテル、オクチルビニルエーテル、デシルビニルエーテル、エチルヘキシルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル、エトキシエチルビニルエーテル、クロルエチルビニルエーテル、1−メチル−2,2−ジメチルプロピルビニルエーテル、2−エチルブチルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ジエチレングリコールビニルエーテル、ジメチルアミノエチルビニルエーテル、ジエチルアミノエチルビニルエーテル、ブチルアミノエチルビニルエーテル、ベンジルビニルエーテル、テトラヒドロフルフリルビニルエーテル等)、ビニルエステル類:ビニルブチレート、ビニル−i−ブチレート、ビニルトリメチルアセテート、ビニルジエチルアセテート、ビニルバレート、ビニルカプロエート、ビニルクロルアセテート、ビニルジクロルアセテート、ビニルメトキシアセテート、ビニルブトキシアセテート、ビニルラクテート、ビニル−β−フェニルブチレート、ビニルシクロヘキシルカルボキシレート等、イタコン酸ジアルキル類:イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジエチル、イタコン酸ジブチル等。フマール酸のジアルキルエステル類又はモノアルキルエステル類:ジブチルフマレート等、その他、クロトン酸、イタコン酸、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、マレイロニトリル、スチレン等。
アミド基や炭素数4〜22の直鎖又は分岐アルキル基、芳香族基、5員環以上の複素環基を導入する場合は、上記のモノマーあるいは、その他のモノマーの中で、これらの官能基を含有するモノマーを選択すればよい。例えば5員環以上の複素環基の導入には、1−ビニルイミダゾールやその誘導体を用いることができる。更に、予めポリマー中にイソシアネート基やエポキシ基を導入しておき、それらを直鎖又は分岐アルキル基、芳香族基、5員環以上の複素環基を含有するアルコール類や、アミン類と反応させることで、ポリマー中に各種の官能基を導入してもよい。イソシアネートやエポキシを導入するには、カレンズMOI(昭和電工社製)やブレンマーG(日本油脂社製)を用いることができる。ウレタン結合を導入することも好ましい。
以下に、本発明に用いるハロゲン化銀調製用の両親媒性ポリマーの具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(重合開始剤)
重合開始剤としては、アゾ系高分子重合開始剤、有機過酸化物を用いることができる。アゾ系高分子重合開始剤としては、日本ヒドラジン工業社製ABN−R(2,2′−アゾビスイソブチロニトリル)、ABN−V(2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル))、ABN−E(2,2′−アゾビス(2−メチルブチロニトリル))等がある。又、有機過酸化物としては、過酸化ベゾイル、ジメチルエチルケトンパーオキサイド、ラウリルパーオキサイド、日本油脂社製パーテトラA、パーヘキサHC、パーヘキサTMH、パーヘキサC、パーヘキサV、パーヘキサ22、パーヘキサMC、パーブチルH、パークミルH、パークミルP、パーメンタH、パーオクタH、パーブチルC、パーブチルD、パーヘキシルD、パーロイルIB、パーロイル355、パーロイルL、パーロイルS、パーロイルSA、ナイパーBW、ナイパーBMT−K40、ナイパーBMT−T40、ナイパーBMT−M、パーロイルIPP、パーロイルNPP、パーロイルTCP、パーロイルEEP、パーロイルMBP、パーロイルOPP、パーロイルSBP、パークミルND、パーオクタND、パーシクロND、パーヘキシルND、パーブチルND、パーヘキシルPV、パーヘキサ250、パーオクタO、パーヘキシルO、パーブチルO、パーブチルIB、パーブチルL、パーブチル355、パーヘキシルI、パーブチルI、パーブチルE、パーヘキサ25Z、パーヘキサ25MT、パーブチルA、パーヘキシルZ、パーブチルZT、パーブチルZ等が挙げられる。
又、重合禁止剤としてはキノン系の禁止剤が用いられるが、ハイドロキノン、p−メトキシフェノールが挙げられる。セイコーケミカル社製フェノチアジン、メトキノン、ノンフレックスアルバ、MH(メチルハイドロキノン)、TBH(t−ブチルハイドロキノン)、PBQ(p−ベンゾキノン)、トルキノン、TBQ(t−ブチル−p−ベンゾキノン)、2,5ジフェニル−p−ベンゾキノン等が挙げられる。
ポリマーの等電点はpH6以下であることが好ましい。等電点が高いポリマーを用いると、後述するように、凝集沈殿法により、ハロゲン化銀粒子の脱塩を行う時、ハロゲン化銀粒子の分解を促進し、写真性能に悪影響を与えるからである。又、溶剤中にハロゲン化銀微粒子を分散する時にもpHを上げないと分散させ難く、カブリの観点から好ましくない。ポリマーの等電点の測定は、例えば等電点電気泳動法や、1%水溶液をカチオン及びアニオン交換樹脂の混床カラムに通した後のpHを測定する。
ポリマーの等電点を下げるため、各種の酸性基を導入することができる。例としては、カルボキシル基やスルホ基が挙げられる。カルボキシル基の導入には、アクリル酸、メタクリル酸のモノマーを用いる他、メタクリル酸メチル等を含有するポリマーを、一部加水分解して得ることも可能である。カルボキシル基の導入には、スチレンスルホン酸や2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸をモノマーとして用いる他、各種硫酸化の手法でポリマー作製後に導入することもできる。特にカルボン酸を用いると、未中和の状態で溶媒に対する溶解性が比較的高く、中和ないし半中和にすることで水溶性に性質を変えることができ特に好ましい。中和はナトリウムやカリウム塩で行うこともでき、アンモニアやモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の有機塩としてもよい。イミダゾール類やトリアゾール類、アミドアミン類を用いることもできる。
重合は、溶媒の存在下又は不存在下の何れでも実施できるが、作業性の点から溶媒存在下の場合の方が好ましい。なお、好ましい溶媒としては、エタノール、i−プロピルアルコール、ブタノール、i−ブタノール、t−ブタノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチル−i−ブチルケトン、メチルアミルケトン等のケトン類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル等のエステル類、2−オキシプロピオン酸メチル、2−オキシプロピオン酸エチル、2−オキシプロピオン酸プロピル、2−オキシプロピオン酸ブチル、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−メトキシプロピ
オン酸ブチル等のモノカルボン酸エステル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン等の極性溶媒、メチルセロソルブ、セロソルブ、ブチルセロソルブ、ブチルカルビトール、エチルセロソルブアセテート等のエーテル類、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート等のプロピレングリコール類及びそのエステル類、1,1,1−トリクロルエタン、クロロホルム等のハロゲン系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族類、更にパーフロロオクタン、パーフロロトリブチルアミン等の弗素化イナートリキッド類等が挙げられる。
各モノマーの重合性に応じ、反応容器にモノマーと開始剤を滴下しながら重合する滴下重合法なども、均一な組成のポリマーを得るために有効である。カラム濾過、再沈精製、溶媒抽出などによって除去することで、未反応モノマーを除去できる。あるいは、低沸点の未反応モノマーはストリッピングにより除去することが可能である。
(化学増感、分光増感、強色増感)
感光性ハロゲン化銀粒子には化学増感を施すことができる。例えば特開2001−249428号及び同2001−249426号に記載される方法等により、硫黄、セレン、テルル等のカルコゲンを放出する化合物や金イオンなどの貴金属イオンを放出する貴金属化合物の利用により、感光性ハロゲン化銀粒子又は当該粒子上の分光増感色素の光励起によって生じた電子又は正孔(ホール)を捕獲することができる化学増感中心(化学増感核)を形成付与できる。特に、カルコゲン原子を含有する有機増感剤により化学増感されているのが好ましい。
これらカルコゲン原子を含有する有機増感剤は、ハロゲン化銀へ吸着可能な基と不安定カルコゲン原子部位を有する化合物であることが好ましい。これらの有機増感剤としては、特開昭60−150046号、特開平4−109240号、同11−218874号、同11−218875号、同11−218876号、同11−194447号等に開示される種々の構造を有する有機増感剤を用いることができるが、それらの内、カルコゲン原子が炭素原子又は燐原子と二重結合で結ばれている構造を有する化合物の少なくとも1種であることが好ましい。特に、複素環基を有するチオ尿素誘導体及びトリフェニルホスフィンサルファイド誘導体等が好ましい。化学増感を施す方法としては、従来の湿式処理用のハロゲン化銀感光材料の製造の際に慣用されている種々の化学増感技術に準じた技術が使用できる(T.H.James編”The Theory of the Photographic Process”第4版,Macmillan PublishingCo.,Ltd.1977、日本写真学会編”写真工学の基礎(銀塩写真編),コロナ社,1979参照)。特に、ハロゲン化銀粒子乳剤に予め化学増感を施し、その後に非感光性脂肪族カルボン酸銀塩粒子と混合する場合には、従来の慣用方法により化学増感を施すことができる。
有機増感剤としてのカルコゲン化合物の使用量は、使用するカルコゲン化合物、ハロゲン化銀粒子、化学増感を施す際の反応環境などにより変わるが、ハロゲン化銀1モル当たり、10-8〜10-2モルが好ましく、より好ましくは10-7〜10-3モルを用いる。
化学増感を施す際の環境条件としては特に制限はないが、感光性ハロゲン化銀粒子上のカルコゲン化銀又は銀核を消滅あるいは、それ等の大きさを減少させ得る化合物の存在下において、又、特に銀核を酸化し得る酸化剤の共存下において、カルコゲン原子を含有する有機増感剤を用いてカルコゲン増感を施すことが好ましい場合がある。この場合の増感条件は、pAgとしては6〜11が好ましく、より好ましくは7〜10であり、pHは4〜10が好ましく、より好ましくは5〜8、又、温度としては30℃以下で増感を施すことが好ましい。
これらの有機増感剤を用いた化学増感は、分光増感色素又はハロゲン化銀粒子に対して吸着性を有するヘテロ原子含有化合物の存在下で行われることが好ましい。ハロゲン化銀粒子に吸着性を有する化合物の存在下で化学増感を行うことで、化学増感中心核の分散化を防ぐことができ、高感度、低カブリを達成できる。分光増感色素については後述するが、ハロゲン化銀に吸着性を有するヘテロ原子含有化合物としては、特開平3−24537号に記載されている含窒素複素環化合物が好ましい例として挙げられる。含窒素複素環化合物において、複素環としては、例えばピラゾール、ピリミジン、1,2,4−トリアゾール、1,2,3−トリアゾール、1,3,4−チアジアゾール、1,2,3−チアジアゾール、1,2,4−チアジアゾール、1,2,5−チアジアゾール、1,2,3,4−テトラゾール、ピリダジン、1,2,3−トリアジン環、これらの環が2〜3個結合した環、例えばトリアゾロトリアゾール、ジアザインデン、トリアザインデン、ペンタザインデン環などを挙げることができる。単環の複素環と芳香族環の縮合した複素環、例えばフタラジン、ベンズイミダゾール、インダゾール、ベンズチアゾール環なども適用できる。
これらの中で好ましいのはアザインデン環であり、かつ置換基としてヒドロキシル基を有するアザインデン化合物、例えばヒドロキシトリアザインデン、テトラヒドロキシアザインデン、ヒドロキシペンタザインデン化合物等が更に好ましい。
複素環にはヒドロキシル基以外の置換基を有してもよい。該置換基としては、例えばアルキル基、置換アルキル基、アルキルチオ基、アミノ基、ヒドロキシアミノ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アリールアミノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、ハロゲン原子、シアノ基などを有してもよい。
これら含複素環化合物の添加量は、ハロゲン化銀粒子の大きさや組成その他の条件等に応じて広い範囲に亘って変化するが、大凡の量はハロゲン化銀1モル当たり10-6〜1モルの範囲であり、好ましくは10-4〜10-1モルの範囲である。
感光性ハロゲン化銀には、金イオン等の貴金属イオンを放出する化合物を利用して貴金属増感を施すことができる。例えば金増感剤として、塩化金酸塩や有機金化合物が利用できる。なお、特開平11−194447号に開示される金増感技術が参考となる。
又、上記の増感法の他、還元増感法等も用いることができ、還元増感の貝体的な化合物として、アスコルビン酸、2酸化チオ尿素、塩化第1錫、ヒドラジン誘導体、ボラン化合物、シラン化合物、ポリアミン化合物等を用いることができる。又、乳剤のpHを7以上又はpAgを8.3以下に保持して熟成することにより還元増感することができる。
本発明において、化学増感を施されるハロゲン化銀粒子は、脂肪族カルボン酸銀塩の存在下で形成されたのでも、当該脂肪族カルボン酸銀塩の存在しない条件下で形成されたものでも、又、両者が混合されたものでもよい。
感光性ハロゲン化銀粒子の表面に化学増感を施した場合においては、熱現像過程経過後に該化学増感の効果が実質的に消失することが好ましい。ここで、化学増感の効果が実質的に消失するとは、前記の化学増感技術によって得た当該イメージング材料の感度が熱現像過程経過後に化学増感を施していない場合の感度の1.1倍以下に減少することを言う。なお、化学増感効果を熱現像過程において消失させるためには、熱現像時に、化学増感中心(化学増感核)を酸化反応によって破壊できる酸化剤、例えば前記のハロゲンラジカル放出性化合物等の適当量を当該イメージング材料の乳剤層又は/及び非感光性層に含有させておくことが必要である。当該酸化剤の含有量については、酸化剤の酸化力、化学増感効果の減少幅等を考慮して調整することが好ましい。
感光性ハロゲン化銀には、分光増感色素を吸着させ分光増感を施すことが好ましい。分光増感色素としてシアニン色素、メロシアニン色素、コンプレックスシアニン色素、コンプレックスメロシアニン色素、ホロポーラーシアニン色素、スチリル色素、ヘミシアニン色素、オキソノール色素、ヘミオキソノール色素等を用いることができる。例えば特開昭63−159841号、同60−140335号、同63−231437号、同63−259651号、同63−304242号、同63−15245号、米国特許4,639,414号、同4,740,455号、同4,741,966号、同4,751,175号、同4,835,096号に記載された増感色素が使用できる。
本発明に使用される有用な増感色素は、例えばリサーチ・ディスクロージャー(以下、RDと略す)17643IV−A項(1978年12月23頁)、RD18431X項(1978年8月437頁)に記載もしくは引用された文献に記載されている。特に、各種レーザーイメージャーやスキャナーの光源の分光特性に適した分光感度を有する増感色素を用いるのが好ましい。例えば、特開平9−34078号、同9−54409号、同9−80679号に記載の化合物が好ましく用いられる。
有用なシアニン色素は、例えばチアゾリン核、オキサゾリン核、ピロリン核、ピリジン核、オキサゾール核、チアゾール核、セレナゾール核及びイミダゾール核などの塩基性核を有するシアニン色素である。有用なメロシアニン染料で好ましいものは、上記の塩基性核に加えて、チオヒダントイン核、ローダニン核、オキサゾリジンジオン核、チアゾリンジオン核、バルビツール酸核、チアゾリノン核、マロノニトリル核及びピラゾロン核などの酸性核も含む。
本発明においては、特に赤外に分光感度を有する増感色素を用いることもできる。好ましく用いられる赤外分光増感色素としては、例えば米国特許4,536,473号、同4,515,888号、同4,959,294号等に開示される赤外分光増感色素が挙げられる。
本発明の熱現像感光材料においては、特開2004−309758号に記載されているような下記一般式(SD1)で表される増感色素及び下記一般式(SD2)で表される増感色素の中から少なくとも1種を選び含有することが好ましい。
式中、Y1及びY2は各々、酸素原子、硫黄原子、セレン原子又は−CH=CH−基を表し、L1〜L9は各々メチン基を表す。R1及びR2は各々、脂肪族基を表す。R3及びR4は各々、低級アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基又は複素環基を表す。W1、W2、W3、W4は各々、水素原子、置換基、あるいはW1とW2、W3とW4の間で結合して縮合環を形成するのに必要な非金属原子群を表す。あるいはR3とW1、R3とW2、R4とR3、R4とW4の間で結合して5又は6員の縮合環を形成するのに必要な非金属原子群を表す。X1は分子内の電荷を相殺するに必要なイオンを表し、k1は分子内の電荷を相殺するに必要なイオンの数を表す。m1は0又は1を表し、n1及びn2は各々0、1又は2を表す。ただし、n1とn2は同時に0とはならない。
上記の赤外増感色素は、例えばエフ・エム・ハーマー著:The Chemistry of Heterocyclic Compounds,第18巻,The Cyanine Dyes and Related Compounds(A.Weissberger ed.Interscience社刊,New York,1964年)に記載の方法によって容易に合成することができる。
これらの赤外増感色素の添加時期はハロゲン化銀調製後の任意の時期でよく、例えば溶剤に添加して、あるいは微粒子状に分散した、いわゆる固体分散状態でハロゲン化銀粒子あるいはハロゲン化銀粒子/脂肪族カルボン酸銀塩粒子を含有する感光性乳剤に添加できる。又、前記のハロゲン化銀粒子に対し吸着性を有するヘテロ原子含有化合物と同様に、化学増感に先立ってハロゲン化銀粒子に添加し吸着させた後、化学増感を施すこともでき、これにより化学増感中心核の分散化を防ぐことが出来、高感度、低カブリを達成できる。
上記の分光増感色素は1種類を単独に用いてもよいが、上述のように、分光増感色素の複数の種類の組合せを用いることが好ましく、そのような増感色素の組合せは、特に強色増感及び感光波長領域の拡大や調整等の目的でしばしば用いられる。
熱現像感光材料に用いられる感光性ハロゲン化銀、脂肪族カルボン酸銀塩を含有する乳剤は、増感色素と共に、それ自身分光増感作用を持たない色素あるいは可視光を実質的に吸収しない物質であって、強色増感効果を発現する物質を乳剤中に含ませ、これによりハロゲン化銀粒子が強色増感されてもよい。
有用な増感色素、強色増感を示す色素の組合せ及び強色増感を示す物質は、RD17643(1978年12月発行),23頁IVのJ項、あるいは特公平9−25500号、同43−4933号、特開昭59−19032号、同59−192242号、特開平5−341432号等に記載されるが、強色増感剤としては、下記で表される複素芳香族メルカプト化合物又はメルカプト誘導体化合物が好ましい。
Ar−SM
式中、Mは水素原子又はアルカリ金属原子であり、Arは1個以上の窒素、硫黄、酸素、セレニウム、又はテルリウム原子を有する芳香環又は縮合芳香環である。複素芳香環として好ましくは、ベンズイミダゾール、ナフトイミダゾール、ベンゾチアゾール、ナフトチアゾール、ベンズオキサゾール、ナフトオキサゾール、ベンゾセレナゾール、ベンゾテルラゾール、イミダゾール、オキサゾール、ピラゾール、トリアゾール、トリアジン、ピリミジン、ピリダジン、ピラジン、ピリジン、プリン、キノリン、又はキナゾリンである。しかしながら、他の複素芳香環も含まれる。
なお、脂肪族カルボン酸銀塩又はハロゲン化銀粒子乳剤の分散物中に含有させた時に実質的に上記のメルカプト化合物を生成するメルカプト誘導体化合物も含まれる。特に下記で表されるメルカプト誘導体化合物が、好ましい例として挙げられる。
Ar−S−S−Ar
式中、Arは上記で表されたメルカプト化合物の場合と同義である。
上記の複素芳香環は、例えばハロゲン原子(塩素、臭素、沃素)、ヒドロキシル基、アミノ基、カルボキシル基、アルキル基(1個以上の炭素原子、好ましくは1〜4個の炭素原子を有するもの)及びアルコキシ基(1個以上の炭素原子、好ましくは、1〜4個の炭素原子を有するもの)から成る群から選ばれる置換基を有し得る。
上記の強色増感剤の他に、特開2001−330918号に開示されるヘテロ原子を有する大環状化合物も強色増感剤として使用できる。
強色増感剤は、脂肪族カルボン酸銀塩及びハロゲン化銀粒子を含む感光性層中に銀1モル当たり0.001〜1.0モルで用いるのが好ましい。特に好ましくは、銀1モル当たり0.01〜0.5モルである。
本発明においては、感光性ハロゲン化銀粒子の表面に分光増感色素を吸着せしめ分光増感が施されており、かつ熱現像過程経過後に該分光増感効果が実質的に消失することが好ましい。ここで、分光増感効果が実質的に消失するとは、増感色素、強色増感剤等によって得た当該イメージング材料の感度が熱現像経過後に分光増感を施していない場合の感度の1.1倍以下に減少することを言う。
なお、分光増感効果を熱現像過程において消失させるためには、熱現像時に、熱によってハロゲン化銀粒子より脱離し易い分光増感色素を使用する又は/及び分光増感色素を酸化反応によって破壊できる酸化剤、例えば前記のハロゲンラジカル放出性化合物等の適当量を当該イメージング材料の乳剤層又は/及び非感光性層に含有含有させておくことが必要である。当該酸化剤の含有量については、酸化剤の酸化力、分光増感効果の減少幅等を考慮して調整することが好ましい。
(色調調整剤)
次に、熱現像感光材料を熱現像処理して得られる画像の色調について述べる。
従来のレントゲン写真フィルムのような医療診断用の出力画像の色調に関しては、冷調の画像調子の方が、判読者にとってより的確な診断観察結果が得易いと言われている。ここで冷調な画像調子とは、純黒調もしくは黒画像が青味を帯びた青黒調であることを言う。一方、温調な画像調子とは、黒画像が褐色味を帯びた温黒調であると言われているが、より厳密な定量的な議論ができるように、以下、国際照明委員会(CIE)の推奨する表現法に基づき説明する。
色調に関しての用語「より冷調」及び「より温調」は、最低濃度Dmin及び光学濃度D=1.0における色相角habにより表現できる。即ち、色相角habは、国際照明委員会(CIE)が1976年に推奨した知覚的にほぼ均等な歩度を持つ色空間であるL***色空間の色座標a*、b*を用いて次の式によって求める。
(式) hab=tan−1(b*/a*
上記色相角に基づく表現法により検討した結果、本発明の熱現像感光材料の現像後の色調は、色相角habの範囲が180度<hab<270度であることが好ましく、更に好ましくは200度<hab<270度、最も好ましくは220度<hab<260度であることが判った。このことは、特開2002−6463号に開示されている。
尚、従来、光学濃度1.0付近でのCIE 1976(L***)色空間又は(L***)色空間におけるu*、v*又はa*、b*を特定の数値に調整することにより、見た目の色調が好ましい診断画像が得られることが知られており、例えば特開2000−29164号に記載されている。
しかしながら、熱現像感光材料について更に鋭意検討の結果、CIE 1976(L***)色空間又は(L***)色空間において横軸をu*又はa*、縦軸をv*又はb*としたグラフ上に、様々な写真濃度でのu*、v*又はa*、b*をプロットし、線形回帰直線を作成した際に、その線形回帰直線を特定の範囲に調整することにより、従来の湿式の銀塩感光材料同等以上の診断性を持つことを見い出した。以下に好ましい条件範囲について述べる。
(1)熱現像感光材料を熱現像処理後に得られた銀画像の光学濃度0.5、1.0、1.5及び最低光学濃度の各濃度を測定し、CIE 1976(L***)色空間の横軸をu*、縦軸をv*とする2次元座標に、上記各光学濃度でのu*、v*を配置し作成した線形回帰直線の決定係数(重決定)R2が0.998〜1.000であることが好ましい。更に、当該線形回帰直線の縦軸との交点のv*値が−5〜5であること、且つ傾き(v*/u*)が0.7〜2.5であることが好ましい。
(2)又、当該熱現像感光材料の光学濃度0.5、1.0、1.5及び最低光学濃度の各濃度を測定し、CIE 1976(L***)色空間の横軸をa*、縦軸をb*とする2次元座標に、上記各光学濃度でのa*、b*を配置し作成した線形回帰直線の決定係数(重決定)R2が0.998〜1.000であることが好ましい。更に、当該線形回帰直線の縦軸との交点のb*値が−5〜5であること、かつ傾き(b*/a*)が0.7〜2.5であることが好ましい。
尚、次に、上述の線形回帰直線の作成法、則ちCIE 1976色空間におけるu*、v*及びa*、b*の測定法の一例を説明する。
熱現像装置を用いて未露光部、及び光学濃度0.5、1.0、1.5を含む4段のウエッジ試料を作製する。このようにして作製した、それぞれのウエッジ濃度部を分光色彩計(コニカミノルタ社製:CM−3600d等)で測定し、u*、v*又はa*、b*を算出する。その際の測定条件は光源としてF7光源、視野角を10度として透過測定モードで測定を行う。横軸をu*又はa*、縦軸をv*又はb*としたグラフ上に測定したu*、v*又はa*、b*をプロットし線形回帰直線を求め、決定係数(重決定)R2、切片及び傾きを求める。
次に、上記のような特徴を持つ線形回帰直線を得るための具体的な方法について説明する。
本発明においては、還元剤(現像剤)、ハロゲン化銀粒子、脂肪族カルボン酸銀及び下記の調色剤等の現像反応過程において、直接的及び間接的に関与する化合物等の添加量の調整により、現像銀形状を最適化して好ましい色調にすることができる。例えば、現像銀形状をデンドライト状にすると青味を帯びる方向になり、フィラメント状にすると黄色味を帯びる方向になる。即ち、このような現像銀形状の性向を考慮して調整できる。
従来、調色剤としてはフタラジノン又はフタラジンとフタル酸類、フタル酸無水物類が一般的に使用されている。好適な調色剤の例は、RD17029号、米国特許4,123,282号、同3,994,732号、同3,846,136号、同4,021,249号等に開示される。
このような調色剤の他に、特開平11−288057号、欧州特許1,134,611A2号等に開示されているカプラー、及び以下で詳述するロイコ染料を使用して色調を調整することもできる。特に、色調の微調整のためにカプラー又はロイコ染料を用いることが好ましい。
熱現像感光材料は、上記のように、ロイコ染料を使用して色調を調整することもできる。ロイコ染料として好ましくは、約80〜200℃の温度で約0.5〜30秒間加熱した時に、酸化されて着色形態になる何れの無色又は僅かに着色した化合物でよく、上記の還元剤の酸化体等により酸化して色素を形成する何れのロイコ染料を用いることもできる。pH感受性を有し、かつ着色状態に酸化できる化合物は有用である。
本発明に使用するのに適した代表的なロイコ染料は特に限定されないが、例えばビフェノールロイコ染料、フェノールロイコ染料、インドアニリンロイコ染料、アクリル化アジンロイコ染料、フェノキサジンロイコ染料、フェノジアジンロイコ染料及びフェノチアジンロイコ染料等が挙げられる。有用なものは、米国特許3,445,234号、同3,846,136号、同3,994,732号、同4,021,249号、同4,021,250号、同4,022,617号、同4,123,282号、同4,368,247号、同4,461,681号、及び特開昭50−36110号、同59−206831号、特開平5−204087号、同11−231460号、特開2002−169249号、同2002−236334号等に開示されるロイコ染料である。
所定の色調に調整するために、種々の色のロイコ染料を単独使用又は複数の種類の併用をすることが好ましい。本発明においては、高活性な還元剤を使用することに伴ってその使用量や使用比率によって色調(特に黄色味)が変化したり、微粒子のハロゲン化銀を用いることにより、特に濃度が2.0以上の高濃度部で画像が過度に赤みを帯びることを防止するために、黄色及びシアン色に発色するロイコ染料を併用して、その使用量を調整するのが好ましい。
発色濃度は現像銀自身による色調との関係で適切に調整することが好ましい。本発明では、0.01〜0.05の反射光学濃度又は0.005〜0.50の透過光学濃度を有するように発色させ、上記の好ましい色調範囲の画像になるように色調を調整することが好ましい。ロイコ染料により形成される色素像の極大吸収波長における最高濃度の総和を0.01〜0.50とするのが好ましく、より好ましくは0.02〜0.30、特に好ましくは0.03〜0.10を有するように発色させるのが好ましい。
(黄色発色性ロイコ染料)
熱現像感光材料は、上記のように、ロイコ染料を使用して色調を調整することもできる。本発明において、黄色発色性ロイコ染料として好ましく用いられるのは、酸化されることにより360〜450nmの吸光度が増加する色像形成剤である。これらの色像形成剤としては、下記一般式(YA)で表される色像形成剤であることが特に好ましい。
式中、R11は置換又は無置換のアルキル基を表し、R12は水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基又はアシルアミノ基を表すが、R11、R12は2−ヒドロキシフェニルメチル基であることはない。R13は水素原子又は置換もしくは無置換のアルキル基を表し、R14はベンゼン環に置換可能な置換基を表す。
11は置換又は無置換のアルキル基を表すが、R12が水素原子以外の置換基である場合、R11はアルキル基を表す。当該アルキル基としては炭素数1〜30のアルキル基が好ましく、置換基を有してもよい。具体的には、メチル、エチル、ブチル、オクチル、i−プロピル、t−ブチル、t−オクチル、t−ペンチル、sec−ブチル、シクロヘキシル、1−メチル−シクロヘキシル等が好ましく、i−プロピルよりも立体的に大きな基(i−プロピル、i−ノニル、t−ブチル、t−アミル、t−オクチル、シクロヘキシル、1−メチル−シクロヘキシル、アダマンチル等)であることが好ましく、その中でも2級又は3級のアルキル基が好ましく、3級アルキル基であるt−ブチル、t−オクチル、t−ペンチル等が特に好ましい。R11が有してもよい置換基としては、ハロゲン原子、アリール基、アルコキシ基、アミノ基、アシル基、アシルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、スルホンアミド基、アシルオキシ基、オキシカルボニル基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルホニル基、ホスホリル基等が挙げられる。
12は水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基又はアシルアミノ基を表す。アルキル基は炭素数1〜30のアルキル基が好ましく、アシルアミノ基は炭素数1〜30のアシルアミノ基が好ましい。この内、アルキル基の説明は前記R11と同様である。アシルアミノ基は無置換でも置換基を有してもよく、具体的にはアセチルアミノ基、アルコキシアセチルアミノ基、アリールオキシアセチルアミノ基等が挙げられる。R12として好ましくは、水素原子又は無置換の炭素数1〜24のアルキル基であり、具体的にはメチル、i−プロピル、t−ブチルが挙げられる。又、R11、R12は2−ヒドロキシフェニルメチル基であることはない。
13は水素原子又は置換もしくは無置換のアルキル基を表す。アルキル基としては炭素数1〜30のアルキル基が好ましく、アルキル基の説明は前記R11と同様である。R13として好ましくは、水素原子又は無置換の炭素数1〜24のアルキル基で、具体的にはメチル、i−プロピル、t−ブチル等が挙げられる。又、R12、R13の何れか一方は水素原子であることが好ましい。
14はベンゼン環に置換可能な基を表し、例えば前記一般式(RD1)における置換基R4で説明したのと同様な基である。R14として好ましいのは、置換又は無置換の炭素数1〜30のアルキル基、炭素数2〜30のオキシカルボニル基であり、炭素数1〜24のアルキル基がより好ましい。アルキル基の置換基としてはアリール基、アミノ基、アルコキシ基、オキシカルボニル基、アシルアミノ基、アシルオキシ基、イミド基、ウレイド基等が挙げられ、アリール基、アミノ基、オキシカルボニル基、アルコキシ基がより好ましい。これらのアルキル基の置換基は、更にこれらの置換基で置換されてもよい。
次に、一般式(YA)で表される化合物の中でも特に本発明で好ましく用いられる、下記一般式(YB)で表されるビスフェノール化合物について説明する。
式中、Zは−S−又は−C(R21)(R21′)−を表し、R21、R21′は各々、水素原子又は置換基を表す。R21、R21′が表す置換基としては、前記一般式(RD1)のR1の説明で挙げた置換基と同様な基が挙げられる。R21、R21′として好ましくは、水素原子又はアルキル基である。
22、R23、R22′及びR23′は各々置換基を表すが、置換基としては一般式(RD1)におけるR2、R3で挙げた置換基と同様な基が挙げられる。
22、R23、R22′及びR23′として、好ましくはアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、複素環基であるが、アルキル基が更に好ましい。アルキル基上の置換基としては、一般式(RD1)における置換基の説明で挙げた置換基と同様な基が挙げられる。R22、R23、R22′及びR23′として、更に好ましくはt−ブチル、t−ペンチル、t−オクチル、1−メチル−シクロヘキシル等の3級アルキル基である。
24及びR24′は各々、水素原子又は置換基を表すが、置換基としては、一般式(RD1)におけるR4の説明で挙げた置換基と同様な基が挙げられる。
一般式(YA)及び(YB)で表される化合物としては、例えば特開2002−169249号の段落「0032」〜「0038」に記載の化合物II−1〜II−40、欧州特許1,211,093号の段落「0026」に記載の化合物ITS−1〜ITS−12を挙げることができる。
以下に、一般式(YA)及び(YB)で表されるビスフェノール化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されない。
一般式(YA)の化合物(ヒンダードフェノール化合物、一般式(YB)の化合物も含む)の添加量は、通常、銀1モル当たり0.00001〜0.01モルであり、好ましくは0.0005〜0.01モル、より好ましくは0.001〜0.008モルである。
又、黄色発色性ロイコ染料の還元剤の総和に対する添加量比は、モル比で0.001〜0.2であることが好ましく、0.005〜0.1であることがより好ましい。
(シアン発色性ロイコ染料)
本発明の熱現像感光材料は、上記の黄色発色性ロイコ染料の他に、シアン発色性ロイコ染料も使用して色調を調整することもできる。シアン発色性ロイコ染料としては、好ましくは、約80〜200℃の温度で約0.5〜30秒間加熱した時に、酸化されて着色形態になる何れの無色又は僅かに着色した化合物でよく、還元剤の酸化体等により酸化して色素を形成する何れのロイコ染料を用いることもできる。pH感受性を有し、かつ着色状態に酸化できる化合物は有用である。
シアン発色性ロイコ染料として好ましく用いられるのは、酸化されることにより600〜700nmの吸光度が増加する色像形成剤である。これらの化合物としては、例えば特開昭59−206831号(特にλmaxが600〜700nmの範囲内にある化合物)、特開平5−204087号の一般式(I)〜(IV)の化合物(具体的には段落「0032」〜「0037」に記載の(1)〜(18)の化合物)及び特開平11−231460号の一般式4〜7の化合物(具体的には段落「0105」に記載されるNo.1〜No.79の化合物)が挙げられる。
本発明に好ましく用いられるシアン発色性ロイコ染料は、下記一般式(CLA)、一般式(CLB−I)で表される化合物である。一般式(CLB−I)で表される色像形成剤は発色効率が高く、少量の添加でも色調調整が可能であり、又、画像保存性にも優れている点で特に好ましい。
以下、一般式(CLA)、一般式(CLB−I)の化合物について詳細に説明する。
式中、R31、R32は水素原子、ハロゲン原子、置換又は無置換の、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、−NHCOR30基(R30はアルキル基、アリール基、複素環基を表す。)であるか、又はR31、R32は互いに連結して脂肪族炭化水素環、芳香族炭化水素環又は複素環を形成する基である。A3は−NHCO−基、−CONH−基又は−NHCONH−基を表し、R33は置換又は無置換の、アルキル基、アリール基又は複素環基を表す。
又、−A333は水素原子であってもよい。例えば−A333部分は、水素原子を表すか、又はA3は−NHCO−基、−CONH−基もしくは−NHCONH−基を表し、R33は置換もしくは無置換のアルキル基、アリール基又は複素環基を表す。
3は水素原子又は−CONHR35基、−COR35基又は−COOR35基(R35は置換又は無置換のアルキル基、アリール基又は複素環基を表す。)を表し、R34は水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは無置換のアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、カルバモイル基又はニトリル基を表す。R36は−CONHR37基、−COR37基又は−COOR37基(R37は置換又は無置換の、アルキル基、アリール基又は複素環基を表す。)X3は、置換又は無置換の、アリール基、複素環基を表す。
一般式(CLA)において、R31、R32で表されるハロゲン原子としては、例えば弗素原子、臭素原子、塩素原子等が挙げられ、アルキル基としては炭素原子数が20までのアルキル基(メチル基、エチル、ブチル、ドデシル等)が挙げられ、アルケニル基としては炭素原子数20までのアルケニル基(ビニル、アリル、ブテニル、ヘキセニル、ヘキサジエニル、エテニル−2−プロペニル、3−ブテニル、1−メチル−3−プロペニル、3−ペンテニル、1−メチル−3−ブテニル等)が挙げられ、アルコキシ基としては炭素原子数20までのアルコキシ基(メトキシ、エトキシ等)が挙げられる。又、−NHCOR30基におけるR30で表されるアルキル基としては、炭素原子数が20までのアルキル基(メチル、エチル、ブチル、ドデシル等)が挙げられ、アリール基としてはフェニル、ナフチ
ルのような炭素原子数6〜20の基が挙げられ、複素環基としては、例えばチエニル、フリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピロリル等が挙げられる。R33で表されるアルキル基は、好ましくは炭素原子数20までのアルキル基であり、例えばメチル、エチル、ブチル、ドデシル等が挙げられ、アリール基は好ましくは炭素数6〜20のアリール基であり、例えばフェニル、ナフチル等が挙げられ、複素環基としては、例えばチエニル、フリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピロリル等が挙げられる。
3で表される−CONHR35基、−COR35基又は−COOR35基において、R35で表されるアルキル基は、好ましくは炭素原子数20までのアルキル基であり、例えば、メチル、エチル、ブチル、ドデシル等が挙げられ、アリール基は、好ましくは炭素数6〜20までのアリール基であり、例えばフェニル、ナフチル等が挙げられ、複素環基としては、例えばチエニル、フリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピロリル等が挙げられる。
34で表されるハロゲン原子としては、例えば弗素、塩素、臭素、沃素等が挙げられ、アルキル基としては鎖状若しくは環状のアルキル基、例えばメチル、ブチル、ドデシル、シクロヘキシル等が挙げられ、アルケニル基としては炭素原子数20までのアルケニル基(ビニル、アリル、ブテニル、ヘキセニル、ヘキサジエニル、エテニル−2−プロペニル、3−ブテニル、1−メチル−3−プロペニル、3−ペンテニル、1−メチル−3−ブテニル等)が挙げられ、アルコキシ基としては、例えばメトキシ、ブトキシ、テトラデシルオキシ等が挙げられ、カルバモイル基としては、例えばジエチルカルバモイル、フェニルカルバモイル等が挙げられる。又、ニトリル基も好ましい。これらの中でも、水素原子、アルキル基がより好ましい。
前記R33とR34は、互いに連結して環構造を形成してもよい。上記の基は更に単一の置換基又は複数の置換基を有することができる。典型的な置換基としては、ハロゲン原子(弗素、塩素、臭素等)、アルキル基(メチル、エチル、プロピル、ブチル、ドデシル等)、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アルコキシ基(メトキシ、エトキシ等)、アルキルスルホンアミド基(メチルスルホンアミド、オクチルスルホンアミド等)、アリールスルホンアミド(フェニルスルホンアミド、ナフチルスルホンアミド基等)、アルキルスルファモイル基(ブチルスルファモイル等)、アリールスルファモイル(フェニルスルファモイル等)、アルキルオキシカルボニル基(メトキシカルボニル等)、アリールオキシカルボニル基(フェニルオキシカルボニル等)、アミノスルホンアミド基、アシルアミノ基、カルバモイル基、スルホニル基、スルフィニル基、スルホキシ基、スルホ基、アリールオキシ基、アルコキシ基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アミノカルボニル基等が挙げられる。
30又はR35は好ましくはフェニル基であり、より好ましくは、ハロゲン原子及びシアノ基を置換基として複数有するフェニル基である。
36で表される−CONHR37基、−COR37基又は−COOR37基において、R37で表されるアルキル基は、好ましく炭素原子数20までのアルキル基であり、例えばメチル、エチル、ブチル、ドデシル等が挙げられ、アリール基は、好ましくは炭素数6〜20のアリール基であり、例えばフェニル、ナフチル等が挙げられ、複素環基としては、例えばチエニル、フリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピロリル等が挙げられる。
37で表される基が有することができる置換基としては一般式(CLA)のR31〜R34の説明において挙げた置換基と同様のものが使用できる。
3で表されるアリール基としては、フェニル、ナフチルのような炭素原子数6〜20のアリール基が挙げられ、複素環基としては、例えばチエニル、フリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピロリル等が挙げられる。X3で表される基が有することができる置換基としては一般式(CLA)のR31〜R34の説明において挙げた置換基と同様のものを挙げることができる。X3で表される基としては、パラ位にアルキルアミノ基(ジエチルアミノ等)を有するアリール基又は複素環基が好ましい。
これらの基は写真的に有用な基を含んでもよい。
以下にシアン発色性ロイコ染料(CLA)の具体例を示すが、本発明で用いられるシアン発色性ロイコ染料はこれらに限定されるものではない。
次に一般式(CLB−I)で表される化合物について説明する。一般式(CLB−I)で表される化合物は、更に後記一般式(CLB−II)又は(CLB−III)で表される化合物が好ましく、(CLB−III)で表される化合物が最も好ましい。
まず一般式(CLB−I)で表される化合物について説明する。
式中、R41、R42、R40a及びR40bは各々、水素原子、脂肪族基、芳香族基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、カルバモイル基、ハロゲン原子を表す。R43は水素原子、脂肪族基、芳香族基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボキニル基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルホニル基を表す。X41及びX42はベンゼン環上に置換可能な基を表す。m41及びm42は0〜5の整数を表す。m41及びm42が2以上の場合、複数のX41及びX42は同じでも異なってもよい。
41、R42、R40a及びR40bで表される脂肪族基の具体例としては、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基等の炭化水素基が挙げられる。これらの炭化水素基は炭素数1〜25であることが好ましく、炭素数1〜20であることがより好ましい。炭素数1〜25のアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、i−プロピル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、シクロヘキシル等、シクロアルキル基としてはシクロヘキシル、シクロペンチル基等、アルケニル基としてはエテニル−2−プロペニル、3−ブテニル、1−メチル−3−プロペニル、3−ペンテニル、1−メチル−3−ブテニル等、アルキニル基としてはエチニル、1プロピニル、プロパルギル等が挙げられる。
41、R42、R40a及びR40bで表される芳香族基の具体例としては、アリール基(フェニル、ナフチル等)、複素環基(ピリジル、チアゾリル、オキサゾリル、イミダゾリル、フリル、ピロリル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、セレナゾリル、スリホラニル、ピペリジニル、ピラゾリル、テトラゾリル等)が挙げられる。
アルコキシ基の具体例としては、メトキシ、エトキシ、i−プロピポキシ基、t−ブトキシ等が、アリールオキシ基の具体例としては、フェノキシ、ナフチルオキシ等が、アシルアミノ基としては、アセチルアミノ、ベンゾイルアミノ等が、スルホンアミド基の具体例としては、メタンスルホンアミド、ブタンスルホンアミド、オクタンスルホンアミド、ベンゼンスルホンアミド等が、カルバモイル基としては、アミノカルボニル、メチルアミノカルボニル、ジメチルアミノカルボニル、プロピルアミノカルボニル、ペンチルアミノカルボニル、シクロヘキシルアミノカルボニル、フェニルアミノカルボニル、2−ピリジルアミノカルボニル等が挙げられる。
又、ハロゲン原子としては、塩素、臭素、沃素である。
41及びR42として好ましくは脂肪族基、アルコキシ基、アリールオキシ基、より好ましくはアルキル基又はアルコキシ基、更に好ましくは2級又は3級アルキル基、アルコキシ基である。
40a及びR40bとして好ましくは水素原子、脂肪族基、より好ましくは水素原子である。
43で表される脂肪族基、芳香族基、アルコキシ基、アリールオキシ基の例としては、前記R41、R42で、それぞれ具体例として挙げた基が挙げられる。
43で表されるアシル基の具体例としては、アセチル、プロピオニル、ブタノイル、ヘキサノイル、シクロヘキサノイル、ベンゾイル、ピリジノイル等が挙げられる。
43で表されるアルコキシカルボニル基の具体例としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基等が挙げられる。
43で表されるアリールオキシカルボニル基の具体例としてはフェノキシカルボニル等が挙げられ、カルバモイル基としては、例えばアミノカルボニル、メチルアミノカルボニル、ジメチルアミノカルボニル、プロピルアミノカルボニル、ペンチルアミノカルボニル、シクロヘキシルアミノカルボニル、フェニルアミノカルボニル、2−ピリジルアミノカルボニル等が挙げられ、スルファモイル基としては、メチルスルファモイル、ジメチルスルファモイル、フェニルスルファモイル等が挙げられ、スルホニル基としては、メチルスルホニル、ブチルスルホニル、オクチルスルホニル等が挙げられる。
43として好ましくは水素原子、アルキル基、アシル基、より好ましくは水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、アシル基である。
41及びX42で表されるベンゼン環上に置換可能な基としては、具体的には炭素数1〜25のアルキル基(メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシルシクロヘキシル等)、シクロアルキル基(シクロヘキシル、シクロペンチル等)、アルケニル基(ビニル、アリル、ブテニル、ヘキセニル、ヘキサジエニル、エテニル−2−プロペニル、3−ブテニル、1−メチル−3−プロペニル、3−ペンテニル、1−メチル−3−ブテニル等)、アルキニル基(エチニル、プロパルギル等)、グリシジル基、アクリレート基、メタクリレート基、アリール基(フェニル、ナフチル等)、複素環基(ピリジル、チアゾリル、オキサゾリル、イミダゾリル、フリル、ピロリル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、セレナゾリル、スリホラニル、ピペリジニル、ピラゾリル、テトラゾリル等)、ハロゲン原子(塩素、臭素、沃素、弗素等)、アルコキシ基(メトキシ、エトキシ、プロピルオキシ、ペンチルオキシ、シクロペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、シクロヘキシルオキシ等)、アリールオキシ基(フェノキシ等)、アルコキシカルボニル基(メチルオキシカルボニル、エチルオキシカルボニル、ブチルオキシカルボニル等)、アリールオキシカルボニル基(フェニルオキシカルボニル等)、スルホンアミド基(メタンスルホンアミド、エタンスルホンアミド、ブタンスルホンアミド、ヘキサンスルホンアミド、シクロヘキサンスルホンアミド、ベンゼンスルホンアミド等)、スルファモイル基(アミノスルホニル、メチルアミノスルホニル、ジメチルアミノスルホニル、ブチルアミノスルホニル、ヘキシルアミノスルホニル、シクロヘキシルアミノスルホニル、フェニルアミノスルホニル、2−ピリジルアミノスルホニル等)、ウレイド基(メチルウレイド、エチルウレイド、ペンチルウレイド、シクロヘキシルウレイド、フェニルウレイド、2−ピリジルウレイド等)、アシル基(アセチル、プロピオニル、ブタノイル、ヘキサノイル、シクロヘキサノイル、ベンゾイル、ピリジノイル等)、カルバモイル基(アミノカルボニル、メチルアミノカルボニル、ジメチルアミノカルボニル、プロピルアミノカル
ボニル、ペンチルアミノカルボニル、シクロヘキシルアミノカルボニル、フェニルアミノカルボニル、2−ピリジルアミノカルボニル等)、アミド基(アセトアミド、プロピオンアミド、ブタンアミド、ヘキサンアミド、ベンズアミド等)、スルホニル基(メチルスルホニル、エチルスルホニル、ブチルスルホニル、シクロヘキシルスルホニル、フェニルスルホニル、2−ピリジルスルホニル等)、スルホンアミド基(メチルスルホンアミド、オクチルスルホンアミド、フェニルスルホンアミド、ナフチルスルホンアミド等)、アミノ基(アミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ、ブチルアミノ、シクロペンチルアミノ、アニリノ、2−ピリジルアミノ等)、シアノ基、ニトロ基、スルホ基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、オキザモイル基等を挙げることができる。又、これらの基は更にこれらの基で置換されていてもよい。
41及びX42として好ましくアルコキシ基、アリールオキシ基、カルバモイル基、アミド基、スルホンアミド基、アミノ基、更に好ましくはアルコキシ基、アミノ基である。
次に、一般式(CLB−I)で表される化合物の内、好ましく用いられる一般式(CLB−II)及び一般式(CLB−III)で表される化合物について述べる。
式中、R41、R42、R43は、それぞれ上記一般式(CLB−I)のR41、R42、R43と同義である。X43及びX44は各々、脂肪族基、芳香族基、アミノ基、アルコキシ基又はアリールオキシ基を表す。
43及びX44で表される脂肪族基、芳香族基、アミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基の例は、前記一般式(CLB−I)のX41及びX42で表される脂肪族基、芳香族基、アミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基の具体例と同じ基が挙げられる。X43及びX44として好ましくはアルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基であり、更に好ましくはアルコキシ基、アミノ基である。
44、R45、R46及びR47は各々、水素原子又はアルキル基を表す。該アルキル基の具体例としては、メチル、エチル、プロピル、i−プロピル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル等が挙げられる。これらの基は任意の位置に置換基を有していてもよく、該置換基の例としては前記一般式(CLB−I)における置換基の例として挙げた基が挙げられる。R44、R45、R46及びR47として好ましくは、炭素数1〜10のアルキル基、より好ましくはメチル、エチルである。
一般式(CLB−I)〜(CLB−III)で表される化合物は、従来公知の方法、例えば特公平7−45477号に記載の方法等で容易に合成することができる。以下に、一般式(CLB−I)〜(CLB−III)で表されるロイコ染料の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されない。
シアン発色性ロイコ染料の添加量は、通常、銀1モル当たり0.00001〜0.05モルであり、好ましくは0.0005〜0.02モル、より好ましくは0.001〜0.01モルである。シアン発色性ロイコ染料の還元剤の総和に対する添加量比は、モル比で0.001〜0.2が好ましく、0.005〜0.1がより好ましい。
本発明の熱現像感光材料は、シアンロイコ染料により形成される色素像の極大吸収波長における最高濃度の総和を0.01〜0.50とするのが好ましく、より好ましくは0.02〜0.30、特に好ましくは0.03〜0.10を有するように発色させることが好ましい。
本発明においては、上記のシアン発色性ロイコ染料に加えてマゼンタ発色性ロイコ染料又は黄色発色性ロイコ染料を併用することで、更に微妙な色調の調整を可能とすることができる。
前記一般式(YA)、(YB)で表される黄色発色性ロイコ染料及びシアン発色性ロイコ染料の添加方法としては、一般式(1)で表される還元剤の添加方法と同様な方法で添加することができ、溶液形態、乳化分散形態、固体微粒子分散物形態等、任意の方法で塗布液に含有せしめ、感光材料に含有させてよい。
一般式(1)の還元剤、一般式(YA)、(YB)の黄色発色性ロイコ染料及びシアン発色性ロイコ染料は、脂肪族カルボン酸銀塩を含有する感光性層に含有させることが好ましいが、一方を感光性層に、他方を該感光性層に隣接する非感光性層に含有させてもよく、両者を非感光性層に含有させてもよい。又、感光性層が複数層で構成されている場合には、それぞれ別層に含有させてもよい。
(省銀化剤)
本発明に係る感光性層又は非感光性層には、省銀化剤を含有させることができる。ここでいう、省銀化剤とは、一定の銀画像濃度を得るために必要な銀量を低減化し得る化合物をいう。
この必要な銀量を低減化する機能の作用機構は種々考えられるが、現像銀の被覆力を向上させる機能を有する化合物が好ましい。ここで、現像銀の被覆力とは、銀の単位量当たりの光学濃度をいう。この省銀化剤は感光性層又は非感光性層、更にはそのいずれにも存在せしめることができる。省銀化剤としては、ヒドラジン誘導体化合物、ビニル化合物、フェノール誘導体、ナフトール誘導体、4級オニウム化合物及びシラン化合物が好ましい例として挙げられる。具体例としては、特開2003−270755号公報の段落「0195」〜「0235」に開示されている省銀化剤が挙げられる。
本発明に係る省銀化剤として、特に好ましい省銀化剤は、下記一般式(SE1)および(SE2)で表される化合物である。
一般式(SE1)
1−NHNH−Q2
式中、Q1は炭素原子部位で−NHNH−Q2と結合する芳香族基、またはヘテロ環基を表し、Q2はカルバモイル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカル
ボニル基、スルホニル基、またはスルファモイル基を表す。
式中、R11はアルキル基、アシル基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基を表す。R12は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アシルオキシ基、炭酸エステル基を表す。R13、R14はそれぞれベンゼン環に置換可能な基を表す。R13とR14は互いに連結して縮合環を形成してもよい。
一般式(SE2)においてR13とR14が互いに連結して縮合環を形成する場合、縮合環としてはナフタレン環が特に好ましい。一般式(SE2)がナフトール系の化合物であるとき、R11はカルバモイル基であることが好ましい。その中でもベンゾイル基であることが特に好ましい。R12はアルコキシ基、アリールオキシ基であることが好ましく、アルコキシ基であることが特に好ましい。
(熱溶剤)
本発明の熱現像感光材料には熱溶剤が含まれていることが好ましい。ここで、熱溶剤とは、熱溶剤含有熱現像感光材料に対して、熱溶剤を含まない熱現像感光材料に比べて熱現像温度を1℃以上低くすることができる素材と定義する。さらに好ましくは、2℃以上熱現像温度を低くできる素材であり、特に好ましくは3℃以上低くできる素材である。例えば、熱溶剤を含む熱現像感光材料Aに対して、熱現像感光材料Aから熱溶剤を含まない熱現像感光材料をBとした時に、熱現像感光材料Bを露光し熱現像温度120℃、熱現像時間20秒で処理して得られる濃度を、熱現像感光材料Aで同一露光量、熱現像時間で得るための熱現像温度が119℃以下になる場合を熱溶剤とする。熱溶剤は極性基を置換基として有しており、一般式(TS)で表されるのが好ましいが、これらに限定されるものではない。
一般式(TS)
(Y)nZ
一般式(TS)において、Yはアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基または複素環基を表す。Zはヒドロキシ基、カルボキシ基、アミノ基、アミド基、スルホンアミド基、リン酸アミド基、シアノ基、イミド、ウレイド、スルホキシド、スルホン、ホスフィン、ホスフィンオキシドまたは含窒素複素環基から選ばれる基を表す。nは1ないし3の整数を表し、Zが1価の基である場合には1、Zが2価以上の基である場合にはZの価数と同一である。nが2以上の場合、複数のYは同一であっても異なっていても良い。
Yは更に置換基を有していても良く、置換基としてZで表される基を有していても良い。Yについてさらに詳しく説明する。一般式(TS)において、Yは直鎖、分岐または環状のアルキル基(好ましくは炭素数1〜40、より好ましくは1〜30、特に好ましくは1〜25であり、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、iso−プロピル、sec−ブチル、t−ブチル、t−オクチル、n−アミル、t−アミル、n−ドデシル、n−トリデシル、オクタデシル、イコシル、ドコシル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどが挙げられる。)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜40、より好ましくは2〜30、特に好ましくは2〜25であり、例えば、ビニル、アリル、2−ブテニル、3−ペンテニルなどが挙げられる。)、アリール基(好ましくは炭素数6〜40、より好ましくは6〜30、特に好ましくは6〜25であり、例えば、フェニル、p−メチルフェニル、ナフチルなどが挙げられる。)、複素環基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは2〜16、特に好ましくは2〜12であり、例えば、ピリジル、ピラジル、イミダゾイル、ピロリジルなどが挙げられる。)を表す。これらの置換基はさらに他の置換基で置換されていても良い。また、これらの置換基は互いに結合して、環を形成していても良い。
Yは更に置換基を有していても良く、置換基の例としては、特開2004−21068号公報の「0015」に記載の置換基が挙げられる。熱溶剤を使用することにより現像活性となる理由としては、熱溶剤が現像温度付近で溶融することにより現像に関与する物質と相溶し、熱溶剤を添加しないときよりも低い温度での反応を可能としているためと考えられる。熱現像は、比較的極性の高いカルボン酸や銀イオン輸送体が関与している還元反応であるため、極性基を有している熱溶剤により適度の極性を有する反応場を形成することが好ましい。
本発明に好ましく用いられる熱溶剤の融点は50℃以上200℃以下であるが、より好ましくは60℃以上150℃以下である。特に、本発明の目的であるような、画像保存性などの外的環境に対しての安定性を重視した熱現像感光材料では、融点が100℃以上150℃以下の熱溶剤が好ましい。
熱溶剤の具体例としては特開2004−21068号公報の「0017」に記載される化合物、米国公開特許US2002/0025498号公報の「0027」に記載の化合物、MF−1〜MF−3、MF6、MF−7、MF−9〜MF−12、MF−15〜MF−22をあげることができる。
本発明において熱溶剤の添加量は0.01〜5.0g/m2であることが好ましく、より好ましくは0.05〜2.5g/m2で、さらに好ましくは0.1〜1.5g/m2である。熱溶剤は感光性層に含有させることが好ましい。また、上記熱溶剤は単独で用いてもよいが、2種以上を組み合わせて用いてもよい。本発明において熱溶剤は溶液形態、乳化分散形態、固体微粒子分散物形態など、いかなる方法で塗布液に含有せしめ、感光材料に含有させてもよい。
よく知られている乳化分散法としては、ジブチルフタレート、トリクレジルフォスフェート、グリセリルトリアセテートあるいはジエチルフタレートなどのオイル、酢酸エチルやシクロヘキサノンなどの補助溶媒を用いて溶解し、機械的に乳化分散物を作製する方法が挙げられる。
また、固体微粒子分散法としては、熱溶剤の粉末を水等の適当な溶媒中にボールミル、コロイドミル、振動ボールミル、サンドミル、ジェットミル、ローラーミルあるいは超音波によって分散し、固体分散物を作製する方法が挙げられる。尚、その際に保護コロイド(例えば、ポリビニルアルコール)、界面活性剤(例えばトリイソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウム(3つのイソプロピル基の置換位置が異なるものの混合物)などのアニオン性界面活性剤)を用いてもよい。上記ミル類では分散媒体としてジルコニア等のビーズが使われるのが普通であり、これらのビーズから溶出するZr等が分散物中に混入することがある。分散条件にもよるが通常は1ppm〜1000ppmの範囲である。感材(熱現像感光材料)中のZrの含有量が銀1g当たり0.5mg以下であれば実用上差し支えない。水分散物には防腐剤(例えばベンゾイソチアゾリノンナトリウム塩)を含有させることが好ましい。
(カブリ防止剤、画像安定化剤)
本発明の熱現像感光材料の何れかの構成層には、熱現像前の保存時におけるカブリ発生を防止するためのカブリ防止剤、及び熱現像後における画像の劣化を防止するための画像安定化剤を含有させておくことが好ましい。以下、本発明に用いることができるカブリ防止及び画像安定化剤について説明する。
還元剤として、主にビスフェノール類やスルホンアミドフェノール類のようなプロトンを持った還元剤が用いられているので、これらの水素を安定化し還元剤を不活性化し、銀イオンを還元する反応を防止防止できる化合物が含有されることが好ましい。又、生フィルムや画像の保存時に生成する銀原子ないし金属銀(銀クラスター)を酸化漂白できる化合物が含有されることが好ましい。これらの機能を有する化合物の具体例として、例えば特開2003−270755号の段落「0096」〜「0128」に記載されるビイミダゾリル化合物、ヨードニウム化号物及びハロゲン原子を活性種として放出できる化合等を挙げることができる。
又、特開2003−91054号に開示されるようなハロゲンラジカル放出基を有するモノマーの繰返し単位を少なくとも一つ有するポリマー、特開平6−208192号の段落「0013」に記載のビニルスルホン類及び/又はβ−ハロスルホン類、及び特開2005−107496号に記載される電子吸引基を有するビニル型抑制剤等の種々なカブリ防止及び画像安定化剤等が好ましい具体例として挙げられる。
本発明に用いる還元剤が芳香族性のヒドロキシル基(−OH)を有する場合、特にビスフェノール類の場合には、これらの基と水素結合を形成することが可能な基を有する非還元性の化合物を併用することが好ましい。本発明で、特に好ましい水素結合性の化合物の具体例としては、例えば特開2002−90937号の段落「0061」〜「0064」に記載の化合物(II−1)〜(II−40)が挙げられる。
又、一方、カブリ防止及び画像安定化剤として、ハロゲン原子を活性種として放出できる化合物も多くのものが知られている。これらの活性ハロゲン原子を生成する化合物の具体例としては、特開2002−287299号の段落「0264」〜「0271」に記載の一般式(9)の化合物が挙げられる。
これらの化合物の添加量は、当該化合物から放出されるハロゲンと銀イオンが反応してハロゲン化銀の生成によるプリントアウト銀の増加が実質的に問題にならない範囲が好ましい。これらの活性ハロゲン原子を生成する化合物の具体例としては、上記特許の他に、特開2002−169249号の段落「0086」〜「0087」に記載される化合物(III−1)〜(III−23)、特開2003−50441号の段落「0031」〜「0034」記載の化合物1−1a〜1−1o、1−2a〜1−2o、段落「0050」〜「0056」記載の化合物2a〜2z、2aa〜2ll、2−1a〜2−1f、特開2003−91054号の段落「0055」〜「0058」記載の化合物4−1〜4−32、段落「0069」〜「0072」記載の化合物5−1〜5−10を挙げることができる。
本発明で好ましく使用されるカブリ防止剤としては、例えば特開平8−314059号の段落「0012」に記載の化合物例a〜j、特開平7−209797号の段落「0028」に記載のチオスルホネートエステルA〜K、特開昭55−140833号の14頁から記載の化合物例(1)〜(44)、特開2001−13627号の段落「0063」記載の化合物(I−1)〜(I−6)、段落「0066」記載の(C−1)〜(C−3)、特開2002−90937号の段落「0027」記載の化合物(III−1)〜(III−108)、ビニルスルホン類及び/又はβ−ハロスルホン類の化合物として特開平6−208192号の段落「0013」に記載の化合物VS−1〜VS−7、化合物HS−1〜HS−5、スルホニルベンゾトリアゾール化合物として特開2000−330235号に記載のKS−1〜KS−8の化合物、置換されたプロペンニトリル化合物として特表2000−515995号に記載のPR−01〜PR−08、特開2002−207273号の段落「0042」〜「0051」に記載の化合物(1)−1〜(1)−132、を挙げることができる。
上記カブリ防止剤は、一般に、銀1モルに対して少なくとも0.001モル用いる。通常、その範囲は銀の1モルに対して化合物は0.01〜5モル、好ましくは0.02〜0.6モルである。
なお、上記の化合物の他に、熱現像感光材料中には、従来カブリ防止剤として知られている各種化合物が含まれてもよいが、上記の化合物と同様な反応活性種を生成することができる化合物であっても、カブリ防止機構が異なる化合物であってもよい。例えば米国特許3,589,903号、同4,546,075号、同4,452,885号、特開昭59−57234号、米国特許3,874,946号、同4,756,999号、特開平9−288328号、同9−90550号に記載されている化合物が挙げられる。更に、その他のカブリ防止剤としては、米国特許5,028,523号及び欧州特許600,587号、同605,981号、同631,176号に開示される化合物が挙げられる。
(活性剤・滑り剤)
(弗素系界面活性剤)
本発明ではレーザーイメージャー(熱現像処理装置)でのフィルム搬送性や環境適性(生体内への蓄積性)を改良するために、下記一般式(SF)で表される弗素系界面活性剤が好ましく用いられる。
一般式(SF)
(Rf−(Lf)n1−)p1−(Yf)m1−(Af)q1
式中、Rfは弗素原子を含有する置換基を表し、Lfは弗素原子を有しない2価の連結基を表し、Yfは弗素原子を有さない(p1+q1)価の連結基を表し、Afはアニオン基又はその塩を表し、n1、m1は各々0又は1の整数を表し、p1は1〜3の整数を表し、q1は1〜3の整数を表す。ただし、q1が1の時はn1とm1は同時に0ではない。
一般式(SF)において、Rfが表す弗素原子を含有する置換基としては、例えば炭素数1〜25の弗化アルキル基(トリフロロメチル、トリフロロエチル、パーフロロエチル、パーフロロブチル、パーフロロオクチル、パーフロロドデシル及びパーフロロオクタデシル等)又は弗化アルケニル基(パーフロロプロペニル、パーフロロブテニル、パーフロロノネニル及びパーフロロドデセニル等)等が挙げられる。Rfは炭素数2〜8であることが好ましく、より好ましくは炭素数が2〜6である。又、Rfは弗素原子数2〜12であることが好ましく、より好ましくは弗素原子数が3〜12である。
Lfが表す弗素原子を有さない2価の連結基としては、例えばアルキレン基(メチレン、エチレン、ブチレン等)、アルキレンオキシ基(メチレンオキシ、エチレンオキシ、ブチレンオキシ等)、オキシアルキレン基(オキシメチレン、オキシエチレン、オキシブチレン等)、オキシアルキレンオキシ基(オキシメチレンオキシ、オキシエチレンオキシ、オキシエチレンオキシエチレンオキシ等)、フェニレン基、オキシフェニレン基、フェニルオキシ基、オキシフェニルオキシ基又はこれらの基を組み合わせた基等が挙げられる。
Afはアニオン基又はその塩を表すが、例えばカルボキシル基又はその塩(ナトリウム塩、カリウム塩及びリチウム塩)、スルホ基又はその塩(ナトリウム塩、カリウム塩及びリチウム塩)、硫酸ハーフエステル基又はその塩(ナトリウム塩、カリウム塩及びリチウム塩)、及び燐酸基又はその塩(ナトリウム塩及びカリウム塩等)等が挙げられる。
Yが表す弗素原子を有さない(p1+q1)価の連結基としては、例えば弗素原子を有さない3又は4価の連結基として、窒素原子又は炭素原子を中心にして構成される原子群が挙げられる。n1は0又は1の整数を表すが、1であるのが好ましい。
一般式(SF)で表される弗素系界面活性剤は、弗素原子を導入した炭素数1〜25のアルキル化合物(トリフロロメチル、ペンタフロロエチル、パーフロロブチル、パーフロロオクチル及びパーフロロオクタデシル等を有する化合物)及びアルケニル化合物(パーフロロヘキセニル及びパーフロロノネニル等を有する化合物)と、それぞれ弗素原子を導入していない3〜6価のアルカノール化合物、ヒドロキシル基を3〜4個有する芳香族化合物又はヘテロ化合物との付加反応や縮合反応によって得られた化合物(一部Rf化されたアルカノール化合物)に、更に例えば硫酸エステル化等によりアニオン基(Af)を導入することにより得られる。
上記3〜6価のアルカノール化合物としては、グリセリン、ペンタエリスリトール、2−メチル−2−ヒドロキシメチル1,3−プロパンジオール、2,4−ジヒドロキシ−3−ヒドロキシメチルペンテン、1,2,6−ヘキサントリオール、1,1,1−トリス(ヒドロキシメチル)プロパン、2,2−ビス(ブタノール)−3、脂肪族トリオール、テトラメチロールメタン、D−ソルビトール、キシリトール、D−マンニトール等が挙げられる。又、上記ヒドロキシル基を3〜4個有する芳香族化合物及びへテロ化合物としては、1,3,5−トリヒドロキシベンゼン(フロログルシン)及び2,4,6−トリヒドロキシピリジン等が挙げられる。
以下に、一般式(SF)で表される弗素系界面活性剤の好ましい具体的化合物を示す。
一般式(SF)で表される弗素系界面活性剤を塗布液に添加する方法としては、公知の添加法に従って添加することができる。即ち、メタノールやエタノール等のアルコール類、メチルエチルケトンやアセトン等のケトン類、ジメチルスルホキシドやジメチルホルムアミド等の極性溶媒等に溶解して添加することができる。又、サンドミル分散やジェットミル分散、超音波分散やホモジナイザ分散により1μm以下の微粒子にして水や有機溶媒に分散して添加することもできる。微粒子分散技術については多くの技術が開示されているが、これらに準じて分散することができる。一般式(SF)で表される弗素系界面活性剤は最外層の保護層に添加することが好ましい。
一般式(SF)で表される弗素系界面活性剤の添加量は1m2当たり1×10-8〜1×10-1モルが好ましく、1×10-5〜1×10-2モルが特に好ましい。前者の範囲未満では帯電特性が得られないことがあり、前者の範囲を超えると湿度依存性が大きく、高湿下の保存性が劣化することがある。
(表面物性調整剤)
熱現像感光材料は、塗布、乾燥、加工などの製造工程等における当該感光材料の巻取り、巻返し、搬送の際に種々の装置との接触、又は感光表面とバッキング面との間におけるような感光材料同士の接触によって、好ましからざる影響を受けることが多い。例えば、当該感光材料表面の引掻き傷や滑り傷の発生や、現像装置等の中での当該感光材料の搬送性劣化等である。
従って、熱現像感光材料においては、上記の表面の傷や搬送性劣化を防止するために、当該材料の構成層の内の何れかの構成層、特に支持体上の最外層に、潤滑剤、マット剤等を含有させ、当該感光材料の表面物性を調整することが好ましい。
本発明の熱現像感光材料においては、支持体上の最外層に平均径1〜30μmの有機固体潤滑剤粒子を含有し、この有機固体潤滑剤粒子が高分子分散剤によって分散されていることがこのましい。又、当該潤滑剤粒子の融点は、熱現像処理温度よりも高いことが好ましく、80℃以上、より好ましくは110℃以上である。
本発明に用いる有機固体潤滑剤粒子としては、表面のエネルギーを下げる化合物が好ましく、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、及びこれらの共重合体などを粉砕して形成した粒子などが挙げられる。ポリエチレン、ポリプロピレンから成る有機固体潤滑剤粒子の一例としては、ポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレン/ポリエチレン共重合、ポリエチレン(低密度)、ポリエチレン(高密度)、ポリプロピレン等がある。
上記有機固体潤滑剤粒子が、下記一般式(SC1)又は一般式(SC2)で表される化合物であることが好ましい。
一般式(SC1) (RSC1p2−XSC1−L6−XSC2−(RSC2q2
一般式(SC2) (RSC1−COO−)z -−M+z
式中、RSC1、RSC2は各々、炭素数6〜60の置換もしくは無置換のアルキル基、アルケニル基、アラルキル基又はアリール基であり、p2又はq2が2以上である場合、複数のRSC1及びRSC2は互いに同一でも相違してもよい。XSC1、XSC2は各々、窒素原子を含む2価の連結基を示す。L6は置換又は無置換のp2+q2価のアルキル基、アルケニル基、アラルキル基又はアリール基を示す。MはZ価の金属イオンを示す。
上記一般式(SC1)又は(SC2)で表される化合物において、総炭素数は特に限定されないが、一般的には20以上が好ましく、30以上が更に好ましい。RSC1とRSC2の定義におけるアルキル基、アルケニル基、アラルキル基又はアリール基が有していてもよい置換基の例としては、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アミノ基、アシルアミノ基、スルホニルアミノ基、ウレイド基、カルバモイル基、スルファモイル基、アシル基、スルホニル基、スルフィニル基、アリール基及びアルキル基等を挙げることができる。これらの基は更に置換基を有してもよく、好ましい置換基としては、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルコキシカルボニル基、アシルアミノ基、スルホニルアミノ基、アシル基及びアルキル基である。ハロゲン原子としては、弗素、塩素原子が好ましい。
アルコキシ基、アルキルチオ基、アルコキシカルボニル基におけるアルキル成分は、後述するRSC2のアルキル基と同じである。アシルアミノ基、スルホニルアミノ基のアミノ基は、N置換アミノ基であってもよく、置換基はアルキル基が好ましい。アシルアミノ基、アシル基のカルボニル基及びスルホニルアミノ基のスルホニル基に結合する基はアルキル基、アリール基であるが、上記アルキル基が好ましい。
SC1及びRSC2は、炭素数6〜60、好ましくは炭素数6〜40、より好ましくは炭素数10〜30の置換もしくは無置換のアルキル基、アルケニル基、アラルキル基又はアリール基であり、これらアルキル基、アルケニル基、アラルキル基は、直鎖でも分岐鎖でも環状構造を含むものでもよく、これらが混合したものでもよい。好ましいRSC1及びRSC2の例としては、オクチル、t−オクチル、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、2−ヘキシルデシル、オクタデシル、Cn2n-1(nは20〜60)、エイコシル、ドコサニル、メリシニル、オクテニル、ミリストレイル、オレイル、エルシル、フェニル、ナフチル、ベンジル、ノニルフェニル、ジペンチルフェニル、シクロヘキシルの各基及びこれらの上記置換基を有する基等を挙げることができる。
窒素原子を含む2価の連結基XSC1、XSC2として好ましくは、−CON(R3)−、−N(R4)CON(R5)−、−N(R6)COO−である。ここで、R3〜R6は各々、水素原子又は置換基を示す。
6は置換もしくは無置換のp+q価のアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基を示す。これら炭化水素基の炭素数は特に限定されないが、好ましくは1〜60、より好ましくは1〜40、更に好ましくは10〜40である。p2+q2価の炭化水素基における「p2+q2価」とは炭化水素中のp2+q2個の水素原子が除かれて、そこにp2個のXSC1−基とq2個の−XSC2基が結合することを示す。p2及びq2は0〜6の整数を表し、1≦p2+q2≦6であり、好ましくは1≦p2+q2≦4である。又、p2及びq2が共に1である場合が好ましい。
上記一般式(SC1)で表される化合物は、合成物でも天然物でもよい。天然物あるいは合成物であっても、天然物の高級脂肪酸やアルコールを原料とした合成化合物は、炭素数の異なるものや直鎖と分岐のものを含み、これらの混合物となるが、これらの混合物を使用することは何等差し支えない。組成の品質安定性の観点からは合成物が好ましい。
以下に、好ましい一般式(SC)で表される化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されない。
ラウリン酸アミド、パルチミン酸アミド、ステアリン酸アミド、ベヘン酸アミド、ヒドロキシステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、N−ラウリルラウリン酸アミド、N−パルミチルパルミチン酸アミド、N−ステアリルステアリン酸アミド、N−オレイルオレイン酸アミド、N−ステアリルオレイン酸アミド、N−オレイルステアリン酸アミド、N−ステアリルエルカ酸アミド、N−オレイルパルミチン酸アミド、N−ステアリル−ヒドロキシステアリン酸アミド、N−オレイル−ヒドロキシステアリン酸アミド、メチロールステアリン酸アミド、メチロールベヘン酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド、メチレンビスラウリン酸アミド、メチレンビスヒドロキシステアリン酸アミド、エチレンビスカプリル酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスイソステアリン酸アミド、エチレンビスヒドロキシステアリン酸アミド、エチレンビスベヘン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミド、ヘキサメチレンビスベヘン酸アミド、ヘキサメチレンビスヒドロキシステアリン酸アミド、ブチレンビスヒドロキシステアリン酸アミド、N,N′−ジステアリルアジピン酸アミド、N,N′−ジステアリルセバシン酸アミド、メチレンビスオレイン酸アミド、エチレンビスオレイン酸アミド、エチレンビスエルカ酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N′−ジオレイルアジピン酸アミド、N,N′−ジオレイルセバシン酸アミド、m−キシリレンステアリン酸アミド、N,N′−ジステアリルイソフタル酸アミド、エタノールアミンジステアレート、N−ブチル−N′−ステアリル尿素、N−フェニル−N′−ステアリル尿素、N−ステアリル−N′−ステアリル尿素、キシリレンビスステアリル尿素、トルイレンビスステアリル尿素、ヘキサメチレンビスステアリル尿素、ジフェニルメタンビスステアリル尿素。
有機固体潤滑剤は、予め塗布液中に分散した状態で用いるのが好ましい。有機固体潤滑剤は、名の如く表面が滑り易い性質になっているため、水とも有機溶媒とも親和性は十分に高くないことが多く、分散液の安定性が低いと塗布液中で凝集もしくは沈降などを起こす場合がある。塗布液中での凝集もしくは沈降は、フィルムに加工した際に塗布故障の原因となり好ましくない。分散液の安定性を高める方法としては、表面を改質し静電気的な効果を用いる方法や高分子分散剤による表面吸着層を利用した立体障害の効果を用いる方法などが上げられる。前者は一般的な分散安定化方法であるが、熱現像感光材料に用いるという点から表面改質剤自身の他の性能への影響が懸念されるため、又、水系、非水系のどちらでも効果の発現し易い後者の方法が好ましい。
なお、高分子分散剤としては、当該感光材料に用いられているバインダーを利用することができる。具体的には、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリビニルアルコール、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネート等を利用できる。
高分子分散剤の量は、被分散物である有機固体潤滑剤粒子に対し1〜200質量%の範囲で用いることが好ましい。分散方法は特に限定されないが、デゾルバー式、超音波式、圧力式などを用いることができ、発熱しないよう冷却装置の調った分散装置で分散処理することが好ましい。
上記有機固体潤滑剤粒子の平均粒径は、下記方法による分散後の平均粒径を指す。本発明で言う平均粒径を求めるには、潤滑剤粒子を含む分散液を希釈して、カーボン支持膜付きグリッド上に滴下、乾燥させた試料を透過型電子顕微鏡(日本電子社製:2000FX型など)、直接倍率5000倍にて撮影を行った後、スキャナにてネガをデジタル画像として取り込み、適当な画像処理ソフトを用いて、それぞれの粒径(円相当径)を300個以上測定し、その算術平均より平均粒径を求めることができる。
本発明の感光材料においては、支持体上の少なくとも1層が前記一般式(SC)で表される化合物を含有し、かつ非イオン性含弗素界面活性剤とアニオン性含弗素界面活性剤とを含有することが好ましい。
用いることのできる非イオン性含弗素界面活性剤としては特に制限はないが、下記一般式(AIF)で表される化合物が好ましい。
一般式(AIF) Rf1−(AO)n3−Rf2
式中、Rf1及びRf2は弗素含有脂肪族基を表し、同じでも異なってもよい。AOは少なくとも一つのアルキレンオキシ基を有する2価基を表し、n3は1〜30の整数を表す。
Rf1及びRf2で表される弗素含有脂肪族基としては、直鎖、分岐鎖及び環式、又はこれらの組合せから成る脂肪族基、例えばアルキルシクロ脂肪族基が挙げられる。好ましい弗素含有脂肪族基としては、それぞれ炭素数1〜20のフルオロアルキル基(−C49、−C817等)、スルホフルオロアルキル基(C715SO3−、C817SO3−等)、Cn2n+1SO2N(R1)R2−基(R1は水素原子、それぞれ炭素数1〜20のアルキル基、アルコキシ基、アルキルカルボキシル基又はアリール基、R2は、それぞれ炭素数1〜20のアルキレン基、アルキレンカルボニル基を表し、nは1〜20の整数を表す。C715SO2N(C25)CH2−、C817SO2N(CH2COOH)CH2CH2CH2−等)で、これらは更に置換基を有してもよい。
AOはエチレンオキシ、プロピレンオキシ、i−プロピレンオキシ等のアルキレンオキシ基を有する基で、末端にアミノ基等の置換基を有してもよい。nは好ましくは5〜15の整数である。一般式(AIF)で表される非イオン性含弗素界面活性剤の例としては、C1225(CH2CH2O)241225、C817(CH2CH2O)8817、C715CH2CH(OH)CH2(CH2CH2O)15CH2CH(OH)CH2715、C715(CH2CH2O)10715、C1225(CH2CH2O)151225、C817CH2CH(OH)CH2(CH2CH2O)20CH2CH(OH)CH2817、C817(CH2CH2O)18817、C817(CH2CH2O)20817、C715SO2N(C25)CH2(CH2CH2O)22CH2N(CH3)SO2715、C917O(CH2CH2O)22917等が挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
又、本発明で用いることのできるアニオン性含弗素界面活性剤(FA)としては、特に制限はなく、下記に具体的化合物を示すが、本発明はこれらに限定されない。
各含弗素系界面活性剤の使用量は、一般に感光材料1m2当たり0.01〜1gがよく、10〜500mgが好ましい。より好ましくは50〜300mgである。
含弗素系界面活性剤としては、上記の他に特開昭60−244945号、同63−306437号、特開平1−24245号に記載のイオン性の弗素系界面活性剤、特開平5−197068号、同5−204115号等に記載のアニオン・カチオン併用の弗素系界面活性剤を用いることができる。
含弗素系界面活性剤の添加層としては特に限定がなく、どの層にあってもよいが、最表面層に含有されることが好ましい。
(染料、顔料)
本発明の熱現像感光材料においては、感光性層を透過する光の量または波長分布を制御するために感光性層と同じ側または反対の側にフィルター層を形成するか、感光性層に染料又は顔料を含有させることが好ましい。用いられる染料としては、感光材料の感色性に応じて種々の波長領域の光を吸収する公知の化合物が使用できる。
例えば、本発明の熱現像感光材料材料を赤外光による画像記録材料とする場合には、特開2001−83655号に開示されているようなチオピリリウム核を有するスクアリリウム染料(本明細書ではチオピリリウムスクアリリウム染料と呼ぶ)及びピリリウム核を有するスクアリリウム染料(本明細書ではピリリウムスクアリリウム染料と呼ぶ)、又スクアリリウム染料に類似したチオピリリウムクロコニウム染料、又はピリリウムクロコニウム染料を使用することが好ましい。
尚、スクアリリウム核を有する化合物とは、分子構造中に1−シクロブテン−2−ヒドロキシ−4−オンを有する化合物であり、クロコニウム核を有する化合物とは分子構造中に1−シクロペンテン−2−ヒドロキシ−4,5−ジオンを有する化合物である。ここで、ヒドロキシル基は解離していてもよい。以下本明細書ではこれらの色素を便宜的に一括してスクアリリウム染料とよぶ。尚、染料としては特開平8−201959号の化合物も好ましい。
(支持体)
熱現像感光材料に用いる支持体の素材としては、各種高分子材料、ガラス、ウール布、コットン布、紙、金属(アルミニウム等)等が挙げられるが、情報記録材料としての取扱い上は、可撓性のあるシート又はロールに加工できるものが好適である。従って、本発明の熱現像感光材料における支持体としては、セルロースアセテートフィルム、ポリエステルフィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリエチレンナフタレート(PEN)フィルム、ポリアミドフィルム、ポリイミドフィルム、セルローストリアセテートフィルム(TAC)又はポリカーボネート(PC)フィルム等のプラスチックフィルムが好ましく、特に2軸延伸したPETフィルムが特に好ましい。支持体の厚みとしては50〜300μm程度、好ましくは70〜180μmである。
帯電性を改良するために金属酸化物及び/又は導電性ポリマー等の導電性化合物を構成層中に含ませることができる。これらは何れの層に含有させてもよいが、好ましくはバッキング層又は感光性層側の表面保護層、下引層等に含まれる。米国特許5,244,773号のカラム14〜20に記載の導電性化合物等が好ましく用いられる。
中でも、本発明では、バッキング層側の表面保護層に導電性金属酸化物を含有することが好ましい。ここで、導電性金属酸化物とは、結晶性の金属酸化物粒子であり、酸素欠陥を含むもの及び用いられる金属酸化物に対してドナーを形成する異種原子を少量含むもの等は、一般的に言って導電性が高いので特に好ましく、特に後者はハロゲン化銀乳剤にカブリを与えないので好ましい。金属酸化物の例としてZnO、TiO2、SnO2、Al23、In23、SiO2、MgO、BaO、MoO3、V25等、又はこれらの複合酸化物がよく、特にZnO、TiO2及びSnO2が好ましい。異種原子を含む例としては、例えばZnOに対してはAl、In等の添加、SnO2に対してはSb、Nb、P、ハロゲン元素等の添加、又、TiO2に対してはNb、Ta等の添加が効果的である。これら異種原子の添加量は0.01〜30モル%の範囲が好ましいが、0.1〜10モル%であれば特に好ましい。更に又、微粒子分散性、透明性改良のために、微粒子作製時に珪素化合物を添加してもよい。
本発明に用いられる金属酸化物微粒子は導電性を有しており、その体積抵抗率は10Ω・cm以下、特に10Ω・cm以下である。これらの酸化物については、特開昭56−143431号、同56−120519号、同58−62647号等に記載されている。更に又、特公昭59−6235号に記載の如く、他の結晶性金属酸化物粒子あるいは繊維状物(酸化チタン等)に上記の金属酸化物を付着させた導電性素材を使用してもよい。
利用できる粒子サイズは1μm以下が好ましいが、0.5μm以下だと分散後の安定性が良く使用し易い。又、光散乱性をできるだけ小さくするために0.3μm以下の導電性粒子を利用すると、透明感光材料を形成することが可能となり大変好ましい。又、導電性金属酸化物が針状あるいは繊維状の場合は、その長さは30μm以下で直径が1μm以下が好ましく、特に好ましくは長さが10μm以下で直径0.3μm以下であり、長さ/直径比が3以上である。なお、SnOとしては石原産業社より市販されており、SNS10M、SN−100P、SN−100D、FSS10M等を用いることができる。
(層構成)
本発明の熱現像感光材料は、支持体上に少なくとも1層の画像形成層である感光性層を有している。支持体上に感光性層のみを形成してもよいが、感光性層の上に少なくとも1層の非画像形成層を形成することが好ましい。例えば感光性層の上には、感光性層を保護する目的で保護層が設けられるのが好ましく、又、支持体の反対の面には、感光材料間の、又は感光材料ロールにおける「くっ付き」を防止するために、バックコート層が設けられる。
これらの保護層やバックコート層に用いるバインダーとしては、感光性層よりもガラス転位点(Tg)が高く、擦傷や変形の生じ難いポリマー、例えばセルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネート等のポリマーが、前記バインダーの中から選ばれる。
なお、階調調整等のために、感光性層を支持体の一方の側に2層以上、又は支持体の両側に1層以上ずつ設置してもよい。
(構成層の塗布)
熱現像感光材料は、上述した各構成層の素材を溶媒に溶解又は分散させた塗布液を作り、それら塗布液を複数同時に重層塗布した後、加熱処理を行って形成されることが好ましい。ここで「複数同時に重層塗布」とは、各構成層(感光性層、保護層など)の塗布液を調製し、これを支持体へ塗布する際に、各層個別に塗布・乾燥の繰返しをするのではなく、同時に重層塗布を行い、乾燥する工程も同時に行える状態で各構成層を形成することを意味する。即ち、下層中の全溶剤の残存量が70質量%以下(より好ましくは90質量%以下)となる前に上層を設けることである。
各構成層を複数同時に重層塗布する方法には特に制限はなく、例えばバーコーター法、カーテンコート法、浸漬法、エアーナイフ法、ホッパー塗布法、リバースロール塗布法、グラビア塗布法、エクストリュージョン塗布法等の公知の方法を用いることができる。これらの各種方法の内、より好ましくはスライド塗布法、エクストリュージョン塗布法である。これらの塗布方法は感光性層を有する側について述べたが、バック層を設ける際、下引き層と共に塗布する場合についても同様である。熱現像感光材料における同時重層塗布方法に関しては、特開2000−15173号に詳細な記載がある。
尚、塗布銀量は感光材料の目的に応じた適量を選ぶことが好ましいが、医療用画像を目的とする場合には、0.8〜1.5g/m2が好ましく、1.0〜1.3g/m2がより好ましい。当該塗布銀量の中、ハロゲン化銀に由来するものは、全銀量に対して2〜18%を占めることが好ましく、更には5〜15%が好ましい。又、0.01μm以上(球相当換算粒径)のハロゲン化銀粒子の塗布密度は1×1014〜1×1018個/m2が好ましい。更には1×1015〜1×1017個/m2が好ましい。
更に、前記の非感光性長鎖脂肪族カルボン酸銀の塗布密度は、0.01μm以上(球相当換算粒径)のハロゲン化銀粒子1個当たり1×10-17〜1×10-14gが好ましく、1×10-16〜1×10-15gがより好ましい。
上記のような範囲内の条件において塗布した場合には、一定塗布銀量当たりの銀画像の光学的最高濃度、即ち銀被覆量(カバーリング・パワー)及び銀画像の色調等の観点から好ましい結果が得られる。
本発明の熱現像感光材料は、現像時に溶剤を5〜1,000mg/m2の範囲で含有していることが好ましい。10〜150mg/m2であるように調整することがより好ましい。それにより、高感度、低カブリ、最高濃度の高い熱現像感光材料となる。溶剤としては、特開2001−264930号の段落「0030」に記載のものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。又、これらの溶剤は、単独又は数種類組み合わせて用いることができる。尚、感光材料中の上記溶剤の含有量は、塗布工程後の乾燥工程等における温度条件等の条件変化によって調整できる。又、当該溶剤の含有量は、含有させた溶剤を検出するために適した条件下におけるガスクロマトグラフィーで測定できる。
(熱現像処理)
本発明の熱現像感光材料は、像様露光後、所望の現像温度で加熱することで画像形成する熱現像機で処理することを特徴とする。熱現像温度は110〜150℃の範囲であることが好ましく、更には115〜135℃の範囲が好ましい。加熱温度が80℃未満では短時間に十分な画像濃度が得られず、又、高温(特に200℃以上)ではバインダーの溶融等によるローラーへの転写や、搬送性、現像機等へも悪影響を及ぼす。加熱することで脂肪族カルボン酸銀塩(酸化剤として機能する)と還元剤との間の酸化還元反応により銀画像を生成する。この反応過程は、外部からの水等の処理液の供給を一切行わないで進行する。
加熱手段は加熱ドラム、加熱プレート等との接触加熱、輻射等の非接触加熱、何れの手段を用いても構わないが、加熱プレートとの接触加熱が好ましい。接触加熱面は画像形成層(感光性層)側、非画像形成層(非感光性層)側の何れでも構わないが、処理環境に対する安定性から非画像形成層(感光層)側が接触加熱面であることが好ましい。現像部は独立して温度制御された複数のゾーン及び複数の手段を組み合わせて構成されていることが好ましく、更には、特定の現像温度を維持する保温ゾーンを少なくとも一つ有していることが好ましい。従って、本発明に好ましく使用できる熱現像装置においては、熱現像プロセスを昇温部と保温部とで個別の構成を採用でき、昇温部で加熱部材等の加熱手段とシートフィルムとの密な接触を図り濃度ムラの発生を抑え、保温部では、そのような密な接触を図る必要がなく、昇温部と保温部とで異なる最適な加熱方式を用いることで、濃度ムラのない高画質を維持しながら熱現像プロセスの迅速処理、装置の小型化及びコストダウンが可能な構成にできる。
上記熱現像装置において、前記昇温部は、前記シートフィルムを対向ローラーによりプレートヒータに押圧して接触させながら加熱し、前記保温部は、少なくとも一方にヒータを有するガイド間に形成されたスリット内において前記シートフィルムを加熱する構成にできる。昇温部ではシートフィルムを対向ローラーによりプレートヒータに押圧して接触させることで、プレートヒータとシートフィルムとを密に接触させることができる一方、保温部では昇温部の対向ローラーによる搬送力でスリット間において加熱(保温)しながら搬送すればよいので、搬送系の駆動部品が不要になり、又、スリット寸法の精度もさほど要求されずに、装置の小型化及びコストダウンが可能になる。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明の態様はこれに限定されるものではない。なお、特に断りない限り、実施例中の「部」は「質量部」を、「%」は「質量%」を示す。
(下引き済み支持体の作製)
青色染料濃度0.113の2軸延伸済みPETフィルムの両面に10W/m2・minの条件でコロナ放電処理を施し、一方の面に下記組成のバック面側下引き下層用塗布液を乾燥膜厚0.06μmになるように塗設し140℃で乾燥し、続いて下記組成のバック面側下引き上層用塗布液を乾燥膜厚0.2μmになるように塗設した後140℃で乾燥した。又、反対側の面には、下記組成の画像形成面側下引き下層用塗布液を乾燥膜厚0.25μmになるように塗設し、続いて下記組成の画像形成面側下引き上層用塗布液を乾燥膜厚0.06μmになるように塗設した後140℃で乾燥した。これらを140℃で2分間熱処理し、下引き済み支持体を得た。
下引層用界面活性剤:
[2,4−(C919)]−C63−(CH2CH2O)12SO3Na
(バック面側下引き下層用塗布液)
スチレン/グリシジルメタクリレート/ブチルアクリレート(20/20/40)の共重合ポリマーラテックス(固形分30%) 16.0g
スチレン/ブチルアクリレート/ヒドロキシメチルメタクリレート(25/45/30)の共重合ポリマーラテックス(固形分30%) 4.0g
酸化錫ゾル(固形分10%,特開平10−059720号記載の方法で合成)91g
下引層用界面活性剤 SA−1 0.5g
以上に蒸溜水を加えて1,000mlとし、塗布液とした。
(バック面側下引き上層用塗布液)
バック層用変性水性ポリエステル*(固形分18%) 215.0g
下引層用界面活性剤 0.4g
真球状シリカマット剤(シーホスター KE−P50:日本触媒社製) 0.3g
以上に蒸溜水を加えて1,000mlとし、塗布液とした。
〈バック層用変性水性ポリエステルの合成*〉
重合用反応容器に、テレフタル酸ジメチル35.4部、イソフタル酸ジメチル33.63部、5−スルホ−イソフタル酸ジメチルナトリウム塩17.92部、エチレングリコール62部、酢酸カルシウム一水塩0.065部、酢酸マンガン四水塩0.022部を投入し、窒素気流下において、170〜220℃でメタノールを溜去しながらエステル交換反応を行った後、燐酸トリメチル0.04部、重縮合触媒とし三酸化アンチモン0.04部及び1,4−シクロヘキサンジカルボン酸6.8部を加え、220〜235℃の反応温度で、ほぼ理論量の水を溜去し、エステル化を行った。その後、更に反応系内を約1時間かけて減圧、昇温し最終的に280℃、133Pa以下で約1時間重縮合を行い、変性水性ポリエステルの前駆体を得た。前駆体の固有粘度は0.33であった。
攪拌翼、環流冷却管、温度計を付した2Lの三つ口フラスコに、純水850mlを入れ、攪拌翼を回転させながら、150gの上記前駆体を徐々に添加した。室温でこのまま30分間攪拌した後、1.5時間かけて内温が98℃になるように加熱し、この温度で3時間加熱・溶解した。加熱終了後、1時間かけて室温まで冷却し、一夜放置して、固形分濃度15%の前駆体の溶液を調製した。
攪拌翼、環流冷却管、温度計、滴下ロートを付した3Lの四つ口フラスコに、上記前駆体溶液1900mlを入れ、攪拌翼を回転させながら、内温度を80℃まで加熱した。この中に、過酸化アンモニウムの24%水溶液を6.52ml加え、単量体混合液(メタクリル酸グリシジル28.5g、アクリル酸エチル21.4g、メタクリル酸メチル21.4g)を30分間かけて滴下し、更に3時間反応を続けた。その後、30℃以下まで冷却し、濾過して、固形分濃度18%のバック層用変性水性ポリエステルの溶液を調製した。
(画像形成面側下引き下層用塗布液)
スチレン/アセトアセトキシエチルメタクリレート/グリシジルメタクリレート/ブチルアクリレート(40/40/20/0.5)の共重合ポリマーラテックス(固形分30%) 70g
下引層用界面活性剤 0.3g
以上に蒸溜水を加えて1,000mlとし、塗布液とした。
(画像形成面側下引き上層用塗布液)
画像形成面用変性水性ポリエステル*(固形分18%) 80.0g
下引層用界面活性剤 0.4g
真球状シリカマット剤(シーホスター KE−P50:前出) 0.3g
以上に蒸溜水を加えて1,000mlとし、固形分濃度0.5%の塗布液とした。
〈画像形成面用変性水性ポリエステルの合成*〉
前記の変性水性ポリエステルの前駆体溶液を1800ml、単量体混合液組成をスチレン31g、アセトアセトキシエチルメタクリレート31g、グリシジルメタクリレート61g、ブチルアクリレート7.6gとした以外、バック層用変性水性ポリエステルと同様にして固形分濃度18%の画像形成面用変性水性ポリエステルの溶液を作製した。
(ハロゲン化銀乳剤の調製)
(溶液A)
フタル化ゼラチン(フタル化修飾率95%) 66.2g
界面活性剤AO−1(10%メタノール水溶液) 10ml
臭化カリウム 0.32g
水で5429mlに仕上げる。
AO−1:HO−(CH2CH2O)n−(CH(CH3)CH2O)17−(CH2CH2O)m−H(m+n=5〜7)
(溶液B)
0.67mol/L硝酸銀水溶液 2635ml
(溶液C)
臭化カリウム 51.55g
沃化カリウム 1.47g
水で660mlに仕上げる
(溶液D)
臭化カリウム 154.9g
沃化カリウム 4.41g
六シアン化鉄(II)カリウム(0.5%溶液) 15ml
六塩化イリジウム酸(III)カリウム(1%溶液) 0.93ml
水で1982mlに仕上げる
(溶液E)
0.4mol/L臭化カリウム水溶液 下記銀電位制御量
(溶液F)
水酸化カリウム 0.71g
水で20mlに仕上げる
(溶液G)
56%酢酸水溶液 10.0ml
(溶液H)
無水炭酸ナトリウム 1.16g
水で107mlに仕上げる
特公昭58−58288号に示される混合攪拌機を用いて、溶液Aに溶液Bの1/4量及び溶液Cの全量を温度35℃、pAg8.09に制御しながら、同時混合法により4分45秒を要して添加し核形成を行った。1分後、溶液Fの全量を添加した。この間pAgの調整のために溶液Eを用いて適宜行った。6分経過後、溶液Bの3/4量及び溶液Dの全量を、温度35℃、pAg8.09に制御しながら、同時混合法により14分15秒かけて添加した。5分間攪拌した後、30℃に降温し、溶液Gを全量添加し、ハロゲン化銀乳剤を沈降させた。沈降部分2000mlを残して上澄み液を取り除き、水を10リットル加え、攪拌後、再度ハロゲン化銀乳剤を沈降させた。沈降部分1500mlを残し、上澄み液を取り除き、更に水を10リットル加え、攪拌後、ハロゲン化銀乳剤を沈降させた。沈降部分1500mlを残し、上澄み液を取り除いた後、溶液Hを加え、60℃に昇温し、更に100分攪拌した。最後にpHが5.8になるように調整し、最終仕上がりが1150gになるように水を添加し、感光性ハロゲン化銀乳剤を得た。この乳剤は、平均粒子サイズ0.043μm、(100)面比率92%の単分散立方体沃臭化銀粒子であった。
(両親媒性分散用ポリマーの調製)
0.5リットルの四つ口セパラブルフラスコに、滴下装置、温度計、窒素ガス導入管、攪拌装置及び還流冷却管を付し、メチルエチルケトン(MEK)50g、ダイアセトンアクリルアミド20g、メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート(日本油脂社製:ブレンマーPME−400)20g、ステアロキシポリエチレングリコールモノメタクリレート(日本油脂社製:ブレンマーPSE−400)20g、更にラウリルパーオキサイド0.12gを仕込み、80℃に加熱した。更にN−iso−プロピルアクリルアミド40gをMEK43gに溶解した液をセパラブルフラスコ中に2時間かけて滴下した。その後1時間かけて昇温し、還流状態になった時点で、ラウリルパーオキサイド0.17gをMEK33gに溶解した液をフラスコ中に2時間かけて滴下し、同温度にて更に3時間反応させた。その後、メチルハイドロキノン0.33gをMEK107gに溶解した液を添加し、冷却後、ポリマー30%の両親媒性分散用ポリマー溶液を得た。分子量は、GPC(ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィ)によるポリエチレンオキシド換算の質量平均分子量で約12万であった。続いて、このポリマー溶液を十分量の水に滴下し、上澄みを取り除いてポリマー固形分を取り出した。
(ハロゲン化銀粒子両親媒性分散物の調製)
両親媒性分散用ポリマー固形分7.5gにメタノール38gを加えて45℃で30分攪拌しながら溶解させた。そこに、45℃に調温した前記ハロゲン化銀乳剤42gを2分かけて滴下し、更に30分攪拌した。この液を30℃に降温した後、30分間静置した液は2層分離する。液の上澄みを除去し、残液にMEK500gを加え、よく攪拌した後、液中の含水率が5%未満になるまで減圧蒸留した。最後に10%ポリビニルブチラールMEK溶液50gと全量が157gとなるようにMEKを添加し、ハロゲン化銀粒子両親媒性分散物を得た。
(脂肪族カルボン酸銀粒子の作製)
脂肪族カルボン酸(組成モル比は、ベヘン酸:アラキジン酸:ステアリン酸=85/11/4)1,850g及び、濃度5%に調整する純水量の90%量を85℃で撹拌しながら5mol/Lの水酸化カリウム水溶液1,036mlを、5分かけて添加した後に60分間反応させて、脂肪族カルボン酸カリウム水溶液を得た。次いで、脂肪族カルボン酸カリウム水溶液の濃度が5%になるように追加の純粋を加えた。一方、硝酸銀5%水溶液38,300gを用意し、10℃に保温した。脂肪族カルボン酸カリウム水溶液および硝酸銀から一定流量で送液できるポンプを用意し、Y字型の混合装置内において双方の液が反応できるような反応装置を用意した。先の脂肪族カルボン酸カリウム水溶液、硝酸銀水溶液を同時に、それぞれ一定の添加速度で、4分かけて全量を混合装置に添加し、Y字型管の下側部より出てきた液をストックした。なお、添加中、ストックタンクは35℃に保温した。その後、吸引濾過で固形分を濾別し、固形分を透過水の伝導度が30μS/cmになるまで25℃で水洗した。得られた脱水済みケーキを流動層を用いて50℃で乾燥して脂肪族カルボン酸銀塩粒子の乾燥済み粉体を得た。
(脂肪族カルボン酸銀塩分散乳剤液の作製)
ポリビニルブチラール(積水化学工業社製:エスレックB・BL−SHP)41gをMEK1,239gに溶解し、VMA−GETZMANN社製デゾルバーDISPERMAT CA−40M型にて攪拌しながら、粉末脂肪族カルボン酸銀塩412gを徐々に添加して十分に混合することにより予備分散液を調製した。粉末脂肪族カルボン酸銀塩を全量添加してからは、1,500rpmで15分攪拌を行った。この予備分散液をポンプを用いてミル内滞留時間が1.2分間となるように、0.5mm径のジルコニアビーズ(東レ社製:トレセラム)を内容積の80%充填したメディア型分散機DISPERMAT SL−C125EX型(VMA−GETZMANN社製)に供給し、ミル周速9m/sにて分散を行うことにより脂肪族カルボン酸銀塩分散乳剤液を調製した。得られた脂肪族カルボン酸銀塩分散乳剤液の固形分濃度は約27%であった。
(画像形成層、表面保護層、バック層の塗設)
前記下引き済み支持体の画像形成層面側下引き上に、銀量がそれぞれ1.26g/m2、0.06g/m2になるように画像形成層及びスリップ層を、その上にウェット付量が23g/m2になるように表面保護層を重層塗布した。続いて反対側の画像形成層面側下引き上に、ウェット付量が25g/m2になるようにバック層を塗布した。なお、乾燥は各々60℃・2分間行った。両面塗布された試料を搬送しながら79℃で10分熱処理をして熱現像感光材料を得た。
(画像形成層塗布液の調製)
前記脂肪族カルボン酸銀塩分散乳剤液1,692gに前記ハロゲン化銀粒子両親媒性分散物157gを添加し、撹拌しながら18℃に保温し、ビス(ジメチルアセトアミド)ジブロモブロメート(1.1%メタノール溶液)9.4gを添加して1時間撹拌した。続いて、臭化カルシウム(11%メタノール溶液)11.3gを添加して30分間撹拌した。更に、赤外増感色素液を添加して1時間撹拌し、その後、温度を13℃まで降温して更に30分間撹拌した。13℃に保温したまま、表1に示すポリビニルブチラール樹脂粉末を画像形成層中の総固形分に対し表1に示す割合になる量添加して溶解させた。溶解を確認した後、テトラクロロフタル酸(4.3%MEK溶液)37gを添加し、更に撹拌を続けながら以下の添加物を15分間隔で添加し、画像形成層塗布液とした。
フタラジン 12.9g
DesmodurN3300(モーベイ社製:多官能脂肪族イソシアネート)
表1、2に示す量
ロイコ染料−1 1.4g
ロイコ染料−2 0.6g
4−メチルフタル酸 11g
カブリ防止剤液 下記
現像剤液 下記
〈赤外増感色素液の調製〉
赤外増感色素−1を200mg、赤外増感色素−2を200mg、5−メチル−2−メルカプトベンズイミダゾール100mg、2−クロロ−安息香酸16g、増感色素溶解剤1.5gをMEK135gに溶解し、赤外増感色素液を調製した。
〈現像剤液の調製〉
還元剤1−1:160gと染料−A:500mgをMEKに溶解し、800gに仕上げて現像剤液とした。
〈カブリ防止剤液の調製〉
トリブロモメチルスルホニルピリジン16gをMEKに溶解し、180gに仕上げてカブリ防止剤液とした。
(スリップ層塗布液)
上記調製した画像形成層塗布液 16.5g
MEK 1.5g
ポリメチルメタクリレート(ロームアンドハース社製、パラロイドA21) 25g
(表面保護層塗布液)
MEK 1056g
セルロースアセテートブチレート(イーストマンケミカル社製:CAB171−15)
148g
ポリメチルメタクリレート(ロームアンドハース社製、パラロイドA21) 6g
ステアリン酸カルシウム(日本油脂社製:MC−2) 3g
架橋剤 (CH=CHSOCHCH(OH) 2.5g
ベンゾトリアゾール 2g
弗素系界面活性剤 C917O(CH2CH2O)23917 5.4g
(バック層塗布液)
MEK 1350g
セルロースアセテートプロピオネート
(イーストマンケミカル社製:CAP482−20) 155g
染料−A 0.71g
染料−B 1.7g
弗素系アクリル共重合体(ダイキン工業社製:オプトフロンFM450) 1.6g
非結晶性飽和共重合ポリエステル(東洋紡績社製:バイロン240P) 12g
真球状架橋マット剤(積水化成工業社製:MBX−8) 4.0g
界面活性剤 C917O(CH2CH2O)23917 7.1g
界面活性剤 LiO3S(CF23SO3Li 1.1g
〈試料の評価〉
《保存による感度、カブリ濃度、最高濃度の変動評価》
上記のように作製した熱現像感光材料試料を半切サイズ(34.5cm×43.0cm)に加工した後、25℃50%の環境下で以下の包装材料に包装した試料を2袋づつ作製した。2週間常温下で保管した後、1袋は23℃/10日、もう1袋は55℃/10日保存し、その後、以下の評価を行った。
(包装材料)
PET10μm/PE12μm/アルミ箔9μm/Ny15μm/カーボン3%を含むポリエチレン50μm(酸素透過率:0.05ml/atm・m2・day(25℃)、水分透過率:0.001g/m2・day(40℃90%RH))のバリア袋及び、紙トレーを使用。(1atmは、1.013×105Paである。)
最大50mW出力の786nm半導体レーザー搭載のレーザーイメージャーにて露光と同時に129℃にて8秒間熱現像し、得られた画像の評価を濃度計により行った。(ここで、「露光と同時に熱現像する」とは、熱現像感光材料からなる1枚のシート感光材料で、一部が露光されながら、同時に既に露光が為されたシートの一部分で現像が開始されることを意味する。露光部と現像部との距離は12cmで、この時の線速度は30mm/秒であった。また、感光材料供給装置部から画像露光装置部までの搬送速度、画像露光部での搬送速度、熱現像部での搬送速度は、それぞれ30mm/秒で行った。)露光は最高出力から1段ごとに露光エネルギー量をlogE0.05ずつ減じながら階段状に行った。
上記のようにして得られた形成画像に対し、濃度計を用いて濃度測定を行い、横軸−露
光量、縦軸−濃度から成る特性曲線を作成した。特性曲線において、感度は未露光部分よりも1.0高い濃度を与える露光量の逆数を感度と定義し、最小濃度カブリ濃度(最小濃度)及び最高濃度を測定した。なお、感度は、試料1の23℃10日保存品を100とする相対値で表した。
*1:画像形成層中の総固形分量に対する割合(質量%)
*2:画像形成層中の総固形分量に対する画像形成層用バインダー総量の割合(質量%)
*3:モーベイ社製:多官能脂肪族イソシアネート
*4:画像形成層中のバインダー総量に対する割合(質量%)
*5:23℃/10日保存品(常温2週間保存後)の性能
*6:55℃/10日保存品(常温2週間保存後)の性能
表1、2より明らかなように、本発明の熱現像感光材料は、比較に比べ、カブリ(最小濃度)、感度を損なうことなく、高温保存におけるカブリ上昇及び、感度低下を大巾に抑制できることがわかる。

Claims (7)

  1. 支持体上に非感光性脂肪族カルボン酸銀塩粒子、感光性ハロゲン化銀粒子、銀イオン還元剤及び重合体からなるバインダーを含有する画像形成層を有する熱現像感光材料において、該画像形成層のバインダー量が、該画像形成層に含有された総固形分量に対して25〜35質量%であり、かつ該バインダーが重合度1000以上3000以下の重合体を含有することを特徴とする熱現像感光材料。
  2. 画像形成層に、イソシアネート化合物を該画像形成層のバインダー量に対して、0質量%よりも多く3.5質量%以下の範囲で添加されたことを特徴とする請求の範囲第1項に記載の熱現像感光材料。
  3. 前記バインダーのTgが70〜105℃であることを特徴とする請求の範囲第1項又は第2項に記載の熱現像感光材料。
  4. 前記画像形成層がバインダーの少なくとも1種として、ポリビニルアセタール樹脂を含有することを特徴とする請求の範囲第1項〜第3項のいずれか1項に記載の熱現像感光材料。
  5. 前記非感光性脂肪族カルボン酸銀塩粒子が、ベヘン酸含有率70〜99.99mol%の脂肪酸の銀塩からなることを特徴とする請求の範囲第1項〜第4項のいずれか1項に記載の熱現像感光材料。
  6. 前記銀イオン還元剤が下記一般式(1)で表されることを特徴とする請求の範囲第1項〜第5項のいずれか1項に記載の熱現像感光材料。

    (式中、R1は水素原子、又は置換基を表す。R2及びR3は各々独立に、炭素原子数が3〜8の分岐アルキル基を表す。A1及びA2は各々独立に、水酸基、又は還元、脱保護されることにより水酸基を形成しうる基を表し、n及びmは3〜5の整数を表す。)
  7. 前記非感光性脂肪族カルボン酸銀塩粒子と前記感光性ハロゲン化銀粒子の合計銀量が0.8〜1.5g/m2であることを特徴とする請求の範囲第1項〜第6項のいずれか1項に記載の熱現像感光材料。
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