JPWO2007105698A1 - コスト算出システム、コストデータ入力システム、並びに、そのプログラム、データ構造、および、それらを記録した記録媒体 - Google Patents

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Abstract

トランザクション、および、そのトランザクションを実施するために行われる作業の業務項目に関連付けて記憶されるコストデータのうち、そのコストデータの示す作業が外部発注トランザクションを発生させる場合、コストデータに関連付けられたトランザクションを示すトランザクションデータには、当該作業の業務項目に関連付けて、上記外部発注トランザクションを示すトランザクションデータを指し示すElements Outsourced from Third Party属性が付与されている。また、TC算出部(71)は、トランザクションのコストを算出する際、当該トランザクションを示すトランザクションデータに上記属性が付与されていれば、外部発注トランザクションのコストも集計する。これにより、大小様々な経済活動に関する、間接業務を含めたトランザクションを統一したデータ構造で表現して処理可能なシステムを実現することができる。

Description

本発明は、大小様々な経済活動に関する、間接業務を含めたトランザクションを統一したデータ構造で表現して処理可能なコスト算出システムおよびコストデータ入力システムに関するものである。
近年では、経済活動のソフト化、付加価値化に伴って、ビジネスプロセスおよび間接業務の重要性が急増している。ここで、間接業務とは、売上の計上には直接関係しない業務であって、長期的、あるいは、間接的観点から、組織の諸活動(ビジネスプロセス)の改善を管理(あるいは提言)したり、その手法を開発したりする業務である。すなわち、本明細書においては、「間接業務」には、販売、研究・応用開発(R&D)、設計開発、マーケティング、戦略企画など、通常の間接部門以外のコストも含めるものとする。
企業などの各組織においては、上記間接業務は、各部門内の間接業務担当者、あるいは、間接業務部門の者によって行われる。これらの間接業務部門としては、例えば、企画部門、計画部門、統括部門、管理部門などが挙げられる。また、間接業務は、ライン業務に対するスタッフ業務として認識されることも多い。
ここで、例えば、15世紀の中世北イタリアに端を発する従前の会計制度は、基本的に、ハードの処理に関連した作業に着目したコスト管理手法である。したがって、売上計上に関連するハードの処理コストは精緻に追跡されるが、間接業務については全く分析対象とはなっていない。
また、それを補い管理を実行するために、例えば、以下の手法、すなわち、企業独自に管理会計を導入して、間接業務が、製品の売上増加に、どの程度貢献したかを評価し、間接業務のコストを、各製品に按分して還元するという手法が採用される場合もある。
さらに、従来の経営管理手法および会計制度が、有形物(ハード)の動きや処理に焦点を当てたものであったのに対し、取引費用経済学においては、人と人のトランザクションの認識、分析、評価に対する研究が進展している。当該取引費用経済学では、経済行為の最小単位としてのトランザクションをベースに、間接業務をとらえなおし、その分析に役立てようというアプローチを取っており、その発展性は大きいと考えられる(例えば、後述の非特許文献1参照)。
また、後述の非特許文献2および3では、トランザクションの統一的分類(トランザクションの汎用プロセスのモデル化)、トランザクション・コストのFIF(ビジネスプロセス/組織制度による執行)、AHIF(個別対応での執行)、内部コストへの分類、FIFの開発コストおよび置換コストへの分類が行われており、トランザクションの概念自体についての研究は蓄積されつつある。
Cannon, J. P. and C. Homburg (2001), "Buyer-Supplier Relationships and Customer Firm Costs," Journal of Marketing, 65(January), pp. 29-43. 末松 千尋、経済論叢(京都大学) 第175巻第3号、2005年3月「モジュールとインターフェース、あるいはネットワークの効用」 Suematsu, C and M. Ueda (2005), "Module and Interfaces from the Transaction Cost Approach," Proceeding, IFSR2005 The First World Congress of the International Federation for Systems Research, Kobe.
しかしながら、上記企業独自の管理会計を導入して、間接業務のコストを、各製品に按分して還元したとしても、製品の売上増加に、どの程度貢献したかは、各企業独自の基準に従わざるを得ず、例えば、企業間の比較など、企業を越えて処理することが難しいという問題を生じる。
また、上記非特許文献1に記載の取引費用経済学においては、概念的な枠組の提示(あるいは代替変数としての「資産特殊性」「不確実性」「取引頻度」を使用しての市場か組織かといった極めて基本的なガバナンス構造の示唆)に留まっており、実際にそのコストを測定するための手法についてまで提示、示唆に至るものではない。したがって、当該非特許文献1に記載の研究は、その研究が拠って立つ極めて特殊な要因を前提とせざるをえないものばかりであり、その応用可能性は極めて限定されている。
さらに、非特許文献2および3においても、その現実課題(間接業務、スタッフ業務など)への適用は行われておらず、従って現実のコストが測定できないという問題がある。さらにそれに起因して、当然のことながらそのコストデータをいかに応用するかという手法についての研究も行われてはいない。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、大小様々な経済活動に関する、間接業務を含めたトランザクションを統一したデータ構造で表現でき、同じ手順で、大小様々な経済活動に関する、間接業務を含めたトランザクションを処理可能なシステムを実現することにある。
本発明に係るコスト算出システムは、上記課題を解決するために、経済主体間で行われるトランザクションを示すトランザクションデータと、当該トランザクション、および、そのトランザクションを実施するために行われる作業の業務項目に関連付けて記憶されるコストデータとを記憶する記憶手段、並びに、当該記憶手段に記憶されたトランザクションデータおよびコストデータに基づいて、トランザクションのコストを算出するコスト算出手段を備えるコスト算出システムであって、当該コストデータには、その作業のうち、固定的な固定インターフェースを介して行われる作業のコストを示す固定インターフェース情報と、その作業のうち、固定的でないアドホック・インターフェースを介して行われる作業のコストを示すアドホック・インターフェース情報とが付与され、上記コストデータのうち、そのコストデータの示す作業が、当該コストデータに関連付けられたトランザクション以外のトランザクションである外部発注トランザクションを発生させる場合、当該コストデータ、および/または、当該コストデータに関連付けられたトランザクションを示すトランザクションデータには、当該作業の業務項目に関連付けて、上記外部発注トランザクションを示すトランザクションデータを指し示すリンク情報、および/または、上記外部発注トランザクションを示す他のトランザクションデータに付与されている属性情報と同じ属性情報が付与されており、上記コスト算出手段は、トランザクションのコストを算出する際、当該トランザクションに関連して記憶されたコストデータに付与された固定インターフェース情報およびアドホック・インターフェース情報の示すコストを集計すると共に、当該トランザクションを示すトランザクションデータおよび/または上記コストデータにリンク情報が付与されている場合、リンク情報によって指し示されたトランザクションデータが示すトランザクションのコストも集計し、また、当該トランザクションを示すトランザクションデータおよび/または上記コストデータに属性情報が付与されている場合、当該属性情報と同じ属性情報が付与されたトランザクションデータが示すトランザクションのコストも集計することを特徴としている。
当該構成によれば、トランザクションを実施するための作業が外部発注トランザクションを発生させる状況を、リンク情報および/または属性情報によって表現できるので、大小様々な経済活動に関する、間接業務を含めたトランザクションを表現できる。また、大きな経済活動に関するトランザクションが、複数のトランザクションの入れ子構造で表現されていても、あるトランザクションのコストを算出する際、リンク情報によって指し示されたトランザクションデータが示すトランザクションのコストも集計するとともに、属性情報を参照して、同じ属性情報が付与された他のトランザクションデータが示すトランザクションのコストも集計することによって、当該大きな経済活動に関するトランザクションのコストを算出できる。この結果、大小様々な経済活動に関する、間接業務を含めたトランザクションを統一したデータ構造で表現でき、同じ手順で、大小様々な経済活動に関する、間接業務を含めたトランザクションを処理できる。
ここで、属性情報を参照して、同じ属性情報が付与されたトランザクションデータが示すトランザクションのコストを集計することが可能であるため、例えば、経済主体、使用する固定インターフェース(業務プロセス、情報システムなど)、上記固定インターフェースの属性情報(種類、市場普及度、所有権保持の有無など)、トランザクションの対象となる製品(あるいはプロジェクト)、対象となる最終顧客などの属性のうちの少なくとも1つが同じであるトランザクションを抽出して、コストを集計することができる。
さらに、上記構成に加えて、分析対象とするトランザクションおよび業務項目に関連付けて記憶されたコストデータに付与されたアドホック・インターフェース情報の示すコストと、上記コスト算出手段よって算出された上記トランザクションのコストとを比較する比較手段を備えていてもよい。
当該構成では、トランザクションのコストと、アドホック・インターフェースを介して行われる作業のコストとを比較できるので、ビジネスプロセス化の対象候補を探したり、検証したりできる。
また、上記構成に加えて、上記トランザクションには、ある経済主体へ固定インターフェースを導入するためのトランザクションも含まれており、上記コストデータには、それに関連する業務項目で使用した固定インターフェースを示すインターフェース情報が含まれており、上記固定インターフェース情報には、固定インターフェースの開発および導入コストを示す開発コスト情報および導入コスト情報と、固定インターフェースの執行コストを示す執行コスト情報とが含まれていると共に、固定インターフェースを開発して、測定対象とする経済主体に導入して、それを執行する際のコストを集計する固定インターフェース関連コスト累計手段を備えていてもよい。当該固定インターフェース関連コスト累計手段は、上記コスト算出手段へ指示して、測定対象に関するトランザクションのコストを算出する際に、集計対象とするコストデータのうち、インターフェース情報が当該固定インターフェースを示しているコストデータの開発、導入および執行コスト情報を集計させる。さらに、上記固定インターフェース関連コスト累計手段は、上記固定インターフェースが新規開発の場合、上記測定対象に関連するトランザクションのうち、固定インターフェースの開発および導入に関するトランザクションのコストを上記コスト算出手段に集計させ、当該集計結果と、上記開発、導入および執行コスト情報の集計結果との合計を算出する。
当該構成では、固定インターフェースの開発・導入に関わるコストを集計できるので、経済主体のビジネスプロセス資産(ビジネスプロセスに対する投資の蓄積)を評価することができる。
また、上記構成に加えて、固定インターフェースが導入される前と後とのそれぞれについて、分析対象とするトランザクションおよび上記固定インターフェースが導入される業務項目に関連付けて記憶されたコストデータに付与されたアドホック・インターフェース情報の示すコストを集計するアドホック・コスト算出手段と、上記固定インターフェース関連コスト累計手段の集計結果、および、上記固定インターフェース導入後の上記アドホック・コスト算出手段の集計結果の合計(固定インターフェースを導入した場合のコスト)と、上記固定インターフェース導入前のアドホック・コスト算出手段の集計結果(固定インターフェースを導入しなかった場合のアドホック・インターフェースのコスト)とを比較するコスト比較手段とを備えていてもよい。
当該構成では、固定インターフェースを導入しなかった場合のアドホック・インターフェースのコスト(固定インターフェースによって置換されるアドホック・インターフェースのコスト)と、固定インターフェースを導入した場合のコストとを比較できるので、固定インターフェースの導入による効果を定量的に評価できる。
さらに、上記構成に加えて、上記コスト算出手段の算出するトランザクションのコスト、上記比較手段による比較結果、上記固定インターフェース関連コスト累計手段の集計結果、および、上記アドホック・コスト手段の集計結果のうちの少なくとも1つを、経済主体としての組織同士、業務項目同士および上記各作業の執行者としての経済主体同士、業務プロセス同士、情報システム同士、固定インターフェース同士、業務の対象となる製品(あるいはプロジェクト)同士、対象となる最終顧客同士、および上記各項目の附帯属性同士のうちの少なくとも1つで比較する測定対象間比較手段を備えていてもよい。
当該構成では、測定対象間比較手段が、上記トランザクションのコスト、比較結果および集計結果のうちの少なくとも1つを、組織同士、業務項目同士および上記各作業の執行者としての経済主体同士のうちの少なくとも1つの間で比較するので、組織の効率等を多面的に比較評価できる。
また、本発明に係るコストデータ入力システムは、上記課題を解決するために、経済主体間で行われるトランザクションを示すトランザクションデータと、当該トランザクション、および、そのトランザクションを実施するために行われる作業の業務項目に関連付けて記憶されるコストデータとを記憶する記憶手段、並びに、当該記憶手段にトランザクションデータおよびコストデータを格納するデータ入力手段を備えるコストデータ入力システムであって、上記データ入力手段は、経済主体間で行われる新たなトランザクションの入力が指示されると、当該トランザクションを示すトランザクションデータを上記記憶手段へ格納すると共に、そのトランザクションを実施するために行われる作業の業務項目、当該作業のうち、固定的な固定インターフェースを介して行われる作業のコスト、および、作業のうち、固定的でないアドホック・インターフェースを介して行われる作業のコストの入力を受け付けると、当該作業のコストデータとして、入力された両コストを示す固定インターフェース情報およびアドホック・インターフェース情報とが付与されたデータを生成して、当該トランザクションのトランザクションおよび入力された業務項目に関連付けて当該コストデータを上記記憶手段に記憶し、さらに、上記データ入力手段は、上記作業が当該トランザクション以外のトランザクションである外部発注トランザクションを発生させることの入力を受け付けた場合、当該トランザクションを示すトランザクションデータおよび/または上記コストデータに、当該作業の業務項目に関連付けて、上記外部発注トランザクションを示すトランザクションデータを指し示すリンク情報、および/または、上記外部発注トランザクションを示す他のトランザクションデータに付与されている属性情報と同じ属性情報を付与することを特徴としている。
当該構成では、上記大小様々な経済活動に関するトランザクションを統一して表現可能なデータ構造を持ったトランザクションデータおよびコストデータを記憶手段に記憶でき、上記コスト算出システムに、大小様々な経済活動に関する、間接業務を含めたトランザクションを同じ手順で処理させることができる。
ところで、上記コスト算出システムおよびコストデータ入力システムは、ハードウェアで実現してもよいし、プログラムをコンピュータに実行させることによって実現してもよい。具体的には、本発明に係るプログラムは、コスト算出システムの各手段、および/または、上記コストデータ入力システムの各手段として、コンピュータを動作させるプログラムであり、本発明に係る記録媒体には、当該プログラムが記録されている。
例えば、上記記録媒体をコンピュータが読み取るなどして、これらのプログラムがコンピュータによって実行されると、当該コンピュータは、上記コスト算出システムおよび/またはコストデータ入力システムとして動作する。したがって、上記各システムと同様に、大小様々な経済活動に関する、間接業務を含めたトランザクションを統一的に処理したり、上記大小様々な経済活動に関する、間接業務を含めたトランザクションを統一して表現可能なデータ構造を持ったトランザクションデータおよびコストデータを記憶手段に記憶したりできる。
一方、本発明に係るデータ構造は、上記課題を解決するために、経済主体間で行われるトランザクションを示すトランザクションデータと、当該トランザクション、および、そのトランザクションを実施するために行われる作業の業務項目に関連付けて記憶されるコストデータとを含むデータ構造であって、上記コストデータには、その作業のうち、固定的な固定インターフェースを介して行われる作業のコストを示す固定インターフェース情報と、その作業のうち、固定的でないアドホック・インターフェースを介して行われる作業のコストを示すアドホック・インターフェース情報とが付与され、上記コストデータのうち、そのコストデータの示す作業が、当該コストデータに関連付けられたトランザクション以外のトランザクションである外部発注トランザクションを発生させる場合、当該コストデータ、および/または、当該コストデータに関連付けられたトランザクションを示すトランザクションデータには、当該作業の業務項目に関連付けて、上記外部発注トランザクションを示すトランザクションデータを指し示すリンク情報、および/または、上記外部発注トランザクションを示す他のトランザクションデータに付与されている属性情報と同じ属性情報が付与されていることを特徴としている。また、本発明に係る記録媒体には、当該データ構造が記録されている。
当該トランザクションを実施するための作業が外部発注トランザクションを発生させる状況を、リンク情報および/または属性情報によって表現できるので、大小様々な経済活動に関する、間接業務を含めたトランザクションを統一したデータ構造で表現できる。したがって、大きな経済活動に関するトランザクションが、複数のトランザクションの入れ子構造で表現されていても、あるトランザクションのコストを算出する際、コンピュータに、リンク情報によって指し示されたトランザクションデータが示すトランザクションのコストも集計させるとともに、属性情報を参照して、同じ属性情報が付与された他のトランザクションデータが示すトランザクションのコストも集計させることによって、当該経済活動に関する、間接業務を含めたトランザクションのコストを算出させることができる。
本発明によれば、当該トランザクションを実施するための作業が外部発注トランザクションを発生させる状況を、リンク情報および/または属性情報によって表現できるので、大小様々な経済活動に関する、間接業務を含めたトランザクションを統一したデータ構造で表現できるので、大きな経済活動に関するトランザクションが、複数のトランザクションの入れ子構造で表現されていても、あるトランザクションのコストを算出する際、リンク情報によって指し示されたトランザクションデータが示すトランザクションのコスト、および、同じ属性情報が付与された他のトランザクションデータが示すトランザクションのコストも集計させることによって、当該経済活動に関する、間接業務を含めたトランザクションのコストを算出させることができる。
本発明の実施形態を示すものであり、組織効率評価会計システムの要部構成を示すブロック図である。 上記組織効率評価会計システムが採用しているトランザクション・インターフェース・モデルを説明するためのものであり、トランザクションと業務項目との関係を示す図である。 上記トランザクション・インターフェース・モデルを説明するためのものであり、トランザクション・インターフェースの例を示す図面である。 上記トランザクション・インターフェース・モデルを説明するためのものであり、固定インターフェースと、その場対応処理のインターフェースとの関係を示す図である。 上記各業務項目の種別と関連付けながら、上記固定インターフェースと、その場対応処理のインターフェースとの関係を示す図である。 上記各業務項目における外部発注処理によって発生したトランザクションの連鎖関係を示す図である。 トランザクションを示すトランザクションデータに付与された属性を示す図である。 トランザクション番号の生成方法を示す図である。 上記各トランザクションの各業務項目に関連して設けられたトランザクションデータに付与された属性を示す図である。 上記組織効率評価会計システムにおいて、業務項目での分類時に使用される業務項目を示す図である。 上記固定インターフェースを示すFIFデータに付与された属性を示す図である。 対象者番号の生成方法を示す図である。 上記組織効率評価会計システムに設けられたデータ入力装置の要部構成を示すブロック図である。 該データ入力装置に設けられた第1TC入力装置の動作を示すフローチャートである。 該データ入力装置に設けられた第2TC入力装置の動作を示すフローチャートである。 該データ入力装置に設けられた第3TC入力装置の動作を示すフローチャートである。 該データ入力装置に設けられた第4TC入力装置の動作を示すフローチャートである。
符号の説明
1 組織効率評価会計システム(コスト算出システム;コストデータ入力システム)
3 記憶装置(記憶手段)
5 データ入力装置(データ入力手段)
7 計算処理部
71 TC算出部(コスト算出手段)
73 AC算出部(比較手段)
74 FC算出部(固定インターフェース関連コスト累計手段)
81 評価部(比較手段、測定対象間比較手段)
本発明の一実施形態について図1ないし図17に基づいて説明すると以下の通りである。すなわち、本実施形態に係る組織効率評価会計システムは、ビジネスプロセスおよび間接業務に関するコストを測定し、分析および評価するためのシステムである。
以下では、組織効率評価会計システムの構成について説明する前に、当該システムが採用しているモデルについて説明する。
本実施形態に係るモデルでは、経済主体による経済行為の最小単位として定義されるトランザクションをベースにして、間接業務を捉え直している。具体的には、間接業務を、トランザクション業務を改善する業務として捉え直している。
上記トランザクション業務には、図2に示すように、受発注業務、決済業務、実体や所有権の移動業務などを含む交換/輸送業務だけではなく、交換/輸送業務の後に行われる検査/組込業務と、交換/輸送業務に先立って行われる接続業務、情報探索業務、相互理解/合意業務、および、経済主体内で行われる、製造・制作などの内部業務なども含まれる。なお、各トランザクションを実施する際には、必ずしも、これらの各トランザクション業務全てを行う必要はないが、多くの場合、上記各トランザクション業務が図2に示す順番で実施される。
また、上記モデルでは、上記各トランザクション業務のうち、経済主体同士の間で行われる各トランザクション業務(内部業務以外のもの)を、後述する各業務項目に分類すると共に、それら各業務項目の業務が、トランザクション・インターフェースを介して行われるものとモデル化している。
ここで、上記トランザクション・インターフェースは、経済主体間でトランザクションを行うための規定であって、例えば、図3に示すようなものが挙げられる。具体的には、交換/輸送関連の業務項目の業務のためのインターフェースとしては、取引の対象となるサービスあるいは財を受発注する際のインターフェース、決済する際のインターフェース、および、これらの実体および所有権を移動する際のインターフェースが含まれ、交換/輸送関連の業務項目の業務は、これらのインターフェースに従って行われる。
同様に、検査/組込関連の業務項目の業務のためのインターフェースとしては、モニター(監視)、検査、組込、評価、訓練・教育、管理、問題解決、強制執行などの際のインターフェースが挙げられる。また、相互理解/合意関連の業務項目の業務のためのインターフェースとしては、取引相手とのQ&A、交渉、調整、合意および契約の際のインターフェースなどが挙げられる。
さらに、情報探索関連の業務項目の業務のためのインターフェースのうち、取引相手の理解に関するものとしては、取引相手の探索、認証の際のインターフェース、あるいは、信用を把握(理解)する際のインターフェースなどが挙げられる。また、情報探索関連の業務項目の業務のためのインターフェースのうち、製品/サービスの理解に関するものとしては、それらに関する価格、納期、品質などを把握(理解)する際のインターフェースが挙げられる。
また、接続関連の業務項目の業務のためのインターフェースには、コンテキストに関するもの、表現形態に関するもの、コミュニケーションツールに関するもの、あるいは、媒体に関するものなどが挙げられる。
これらの項目は、トランザクションおよびトランザクション・コストを入力・分類する際の主要かつ標準的な分類基準となり、これを“TEC(Transaction Element Class)分類”と呼ぶことにする。
なお、TEC分類が、データ入力者にとってなじみのない場合には、当該入力者の業務・作業に応じた分類を作成し、それに従ってデータ入力を行わせ、そのデータを人為的、あるいは自動でTEC分類に割り当てることにより処理してもよい。
なお、上述した各トランザクション・インターフェースの中には、例えば、各業務を管理するためのコンピュータシステム、コミュニケーションツールとしてのインターネットなどのように、装置によって実現されるものだけではなく、契約などのように、予め決まったルールに従って人が行うものが含まれる。さらに、トランザクション・インターフェースの中には、明示的に表現されていない慣習や信頼なども含まれる。
また、本実施形態に係る上記モデル(トランザクション・インターフェース・モデル)では、図4に示すように、トランザクション・インターフェースを、固定的な固定インターフェース(FIF:Fixed Interface )と、固定的でない、その場対応処理のアドホック・インターフェース(AHIF:Ad Hoc Interface)とに大別している。
また、上記モデルでは、図5中、C_AHIFに示すように、上記AHIFを実施するために必要なコストを、開発コストC_Dおよび執行コストC_EXに大別する。一方、FIFを実施するために必要なコストC_FIFは、開発コストC_D、導入コストC_SWおよび執行コストC_EXに大別される。なお、あるトランザクション業務項目に対して、1つのFIFを適用してもよいし、詳細は後述するように、複数のFIFを適用してもよい。また、あるFIFが、複数のトランザクション業務に適用される場合もある。
一般に、FIFの開発および導入には、AHIFの開発と比較して、当初に大きな投資が必要になる。ただし、AHIFの場合は、開発コストが実施の度に必要になるのに対して、FIFの場合は、FIFを変更しない限り、その後の開発および導入コストは不要である。したがって、FIFが的確に設計され導入されれば、FIFを使用する度に必要な執行コストは、AHIFの場合よりも少なくなる。この結果、このようなFIFが導入されれば、想定した実施回数を超えた時点で、単位コストを削減できる。
ここで、間接業務によって、トランザクションが効率化され、トランザクションのコストが削減されれば、トランザクションの質を高め、量を増やすことができるので、間接業務による付加価値の分析を、本実施形態に係るモデルによるコストの問題として処理することが可能になる。なお、図5では、暗黙の(非明示的)FIF、既存のFIF、および、新たに開発するFIFを重畳したものとして、各業務に適用されるFIFを図示している。ここで、暗黙のFIFとしては、例えば、信頼、あるいは、価値観、ビジョンまたは慣習などが挙げられ、自身、取引主体間、あるいは、市場に既存のFIFとしては、例えば、戦略やビジネスプロセス、組織制度、規則、社会標準などが挙げられる。
さらに、本実施形態に係るモデルでは、企業内外のトランザクションだけではなく、例えば、非営利組織(官公庁、政府、自治体、NPOを含む)内外における活動などもトランザクションとして取り扱うことができる。
また、本実施形態に係るトランザクション・インターフェース・モデルでは、ある経済主体の内部業務だけではなく、トランザクション(例えば、T1)を実施する際に必要な他の業務についても、その一部または全部が外部発注された場合、その外部発注業務も、トランザクション(T1とは別のトランザクションT2)として把握する。
図6は、各トランザクションT1〜T4を、それぞれを構成する各業務項目の業務で表現し、しかも、各業務項目の業務と外部発注業務によるトランザクションとの関係を示している。例えば、トランザクションT2は、トランザクションT1の情報探索業務における外部発注業務によって発生したトランザクションであって、トランザクションT3およびT4は、トランザクションの内部業務における外部発注業務によって発生したトランザクションである。また、トランザクションT3は、外部の発注先へのトランザクションであって、その業務についてコンペンセーションが支払われる。一方、トランザクションT4は、例えば、部下への指示などによって発生するトランザクションであって、トランザクションを構成する各業務に要した時間によって、そのトランザクションのコストが算出される。なお、図6では、一例として、トランザクションが2段階に連鎖している場合、すなわち、あるトランザクションから他のトランザクションが発生し、他のトランザクションからは、さらに他のトランザクションが発生していない場合を例示したが、本実施形態に係るトランザクション・インターフェース・モデルでは、複数段階の連鎖を表現できる。また、図6では、各業務に使用したFIFおよびAHIFも合わせて、例えば、AやF1からF6のように図示している。
このように、大小様々なトランザクションを、原単位のトランザクション(最小単位のトランザクション)の連鎖(入れ子構造)としてモデル化することによって、大小様々な経済行為をモデル化することが可能になり、組織の形態や組織間でやり取りされる成果物に拘らず、あらゆる経済行為に対して、上記モデルを汎用的に適用できるようになる。したがって、間接業務に要するコストであっても、経済行為のコストであれば、当該コストを上記モデルに従って分類/蓄積できるようになる。
さらに、このモデルに従って蓄積されたデータを処理することによって、各トランザクションおよびトランザクション・インターフェースのコストを、統一された基準で測定、集計、評価および分析できるようになる。この結果、大小様々な経済行為に関係する間接業務の付加価値を、定性的かつ定量的に処理できるようになる。
例えば、FIFの導入前後で、AHIFに関連する全コスト(導入前のコスト)と、FIFに関連する全コスト(導入後のコスト)とを集計し、比較することによって、FIF導入の効果を定性的かつ定量的に測定/評価できる。
また、上記モデルに従って大小様々な経済行為のコストを分類することによって、コスト投資額、削減効果、活動の効率などの定量評価が可能になる。
例えば、IT(情報技術)投資の成果は、これまで組織制度、規定、ルール、帳票など、ITとは関係しないビジネスプロセスの成果を峻別することなく、混在したままの状態で「ITの効果」として測定されてきた。このため、測定法に関する様々な提起はあったものの、現在まで、広く受け入れられているIT投資効果測定手法は存在しない。
これに対して、上記モデルでは、大小様々な経済行為のコストを細分化して測定することが可能になり、ITとは直接関係しない効果の部分を除外して処理できる。したがって、真のIT投資分についてのみ、投資額(従来は無視されていたものも含まれる)と投資効果とを測定/評価することが可能となる。
このように、大小様々な経済行為のコストを定量評価することによって、組織(企業など)のビジネスプロセス資産(投資額の累計)、ビジネスプロセス化の能力について、統一的な比較、検討が可能となる。
なお、上記モデルでは、対象(固定インターフェース)に、「標準」を含めてもよい。企業や政府が制定する標準についても、標準とはすなわちFIFであるので、同様の議論が可能である。標準の制定における開発、導入のコストと、それが削減するAHIFのコストを比較することにより、当該標準の投資効果を算出することが可能である。
続いて、本実施形態に係る組織効率評価会計システム1、すなわち、上記トランザクション・インターフェース・モデルに従ってデータを分類/蓄積し、それを分析および評価することによって、ビジネスプロセスおよび間接業務に関するコストと効果とを測定し、分析および評価するシステムについて説明する。
図1に示すように、本実施形態に係る組織効率評価会計システム1は、上記モデルに従って分類されたデータを蓄積する記憶装置3と、当該記憶装置3へデータを格納するデータ入力装置5と、記憶装置3に格納されたデータに基づいて、ビジネスプロセスおよび間接業務を分析および評価するための指標を算出する計算処理部7とを備えている。
上記記憶装置3には、各トランザクションの情報を記憶するトランザクション・データベース(トランザクションDB)31と、FIFの情報を記憶するFIFデータベース(FIF・DB)32と、トランザクションの当事者となり得る、あらゆる対象者の情報を記憶する対象者データベース(対象者DB)33とが設けられている。
上記トランザクションDB31には、各トランザクションに関連する情報として、図7に示す属性(attribute )を持ったトランザクションデータ(Tデータ)が記憶されている。
具体的には、図7に示すように、各トランザクション毎に生成されるTデータには、そのトランザクションに固有の情報として、Transaction Identification Number (TID)を示すTID属性と、何回目の発生かを示すNumber of Occurrences of Transaction with this Identity Number(NOT)属性とが付与されている。なお、一般に、同一のトランザクションは、繰り返されることが多いため、本実施形態では、これらの類似したトランザクション同士に互いに同じTIDを付与し、TIDと、互い同じTIDを持ったトランザクションのうちの何回目かを示す序数とによって、個々のトランザクションを区別している。なお、本実施形態では、個々のトランザクションに固有のトランザクション番号として、図8に示すように、上記TIDおよび何回目かなどを含む番号が規定されている。
さらに、上記Tデータには、そのトランザクションの当事者となる経済主体のうち、発注側となる経済主体を示すバイヤー(Buyer )属性と、請負側となる経済主体を示すサプライヤー(Supplier)属性と、そのトランザクションが発注された時点を示すDate of Order 属性と、そのトランザクションの成果物の数を示すNumber of Outputs 属性と、そのトランザクションの成果物を示すOutput属性とが付与されている。また、本実施形態では、Output属性には、資源、FIFのいずれかを示す値を設定可能であり、さらに、上記Tデータには、トランザクションの成果物の詳細を示すOutput detail 属性も付与されている。また、上記Tデータには、そのトランザクションの最終製品およびエンドユーザを示す属性として、End Product 属性、End User属性が付与されている。
さらに、上述したように、本実施形態に係るトランザクション・インターフェース・モデルでは、あるトランザクションT1のための業務の一部または全部が外部発注された場合、その外部発注業務もトランザクション(T1とは別のトランザクションT2)として把握する。
これに伴って、本実施形態に係るTデータには、その中で外部発注が行われる業務の業務項目種別(エレメント)を示すTE(Transaction Element)値と、その外部発注によって発生するトランザクションのTIDを示すTransaction 値とを持ったElements Outsourced from Third Party属性が付与されている。なお、あるトランザクションにおいて、複数のエレメントで、外部発注が行われることがある。また、あるエレメントで、複数の外部発注が行われることがある。この場合、TデータのElements Outsourced from Third Party属性には、複数のエレメントおよびトランザクションを示す値が設定される。
また、上述したように、本実施形態に係るモデルにおいて、あるトランザクションT1の請負側となる経済主体が内部業務を実施する際にもコストが必要になる。また、本実施形態に係るモデルでは、当該経済主体が、内部業務において、例えば、部下や下請け会社など、他の経済主体へ外部発注する場合、その外部発注業務をトランザクションとして把握している。
これに伴って、本実施形態に係るTデータには、内部業務において、発生するコストを示すSelf Cost属性、および、内部業務において発生したトランザクションを示すTransactions in Internal Cost 属性も付与されている。なお、上述したように、内部業務においても、複数の外部発注が行われることがあるが、この場合、TデータのTransaction ins Internal Cost 属性には、複数のトランザクションを示す値が設定される。また、上記Self Cost属性の値は、後述するように、執行者の時間入力の確からしさを検証するためにも使用される。
さらに、本実施形態では、Tデータには、コンペンセーション(報酬、価格)を示すコンペンセーション属性を付与することもでき、例えば、発注先に、トランザクションに対して支払うコンペンセーションを記憶することができる。
なお、本実施形態では、上記Transactions in Internal Cost 属性には、トランザクションのトランザクション番号(複数の値が設定される場合は、その組み合わせ)が設定され、それによって、外部発注された各トランザクションのTデータを指し示している。
さらに、図1に示すトランザクションDB31には、上記各トランザクションを構成する各作業のコストに関連する情報として、図9に示す属性を持ったトランザクション・コストデータ(TCデータ)も記憶されている。
具体的には、トランザクションの各作業毎に生成されるTCデータには、トランザクションを特定するための属性として、TIDおよびNOT属性が付与されている。また、TCデータには、その作業の執行者を示すEntity属性(E属性)と、その作業のトランザクションにおける業務項目を示すTransaction Element属性(TE属性)と、その作業の際に使用したFIFを示すFIFs used 属性とが付与されている。なお、上述したように、本実施形態に係るトランザクション・インターフェース・モデルでは、図2に示すように、トランザクション業務(内部業務は含まれない)が、接続関連の業務項目と、情報探索関連の業務項目と、相互理解/合意関連の業務項目と、交換/輸送関連の業務項目と、検査/組込関連の業務項目との要素項目に分類されているので、上記TE属性は、これらのいずれかを示す値に設定される。本実施形態では、一例として、上記図2に示す分類を、さらに細分化して、図3に示す各業務項目のうち、図10に示す業務項目で、各作業を分類している。
さらに、上記TCデータには、その作業に要したコストを示す属性群として、FIF development Cost属性(FIF開発コスト属性)、FIF Switching Cost属性(FIF導入コスト属性)、FIF execution Cost属性(FIF執行コスト属性)、AHIF development Cost属性(AHIF開発コスト属性)、AHIF execution Cost属性(AHIF執行コスト属性)が含まれている。これらの各コスト属性には、上述したFIFの開発と導入のコストのうち継続的に発生するものおよび執行、並びに、AHIFの開発および執行に要したコストを示す情報として、所要時間を示す情報が設定される。必要な場合は、それぞれにおいて必要とされた資源のコストが、資源コスト属性として付与されてもよい。なお、図9では、これらの資源コスト属性も付与された場合を例示している。本実施形態では、後述するように、所要時間がコストとして算出されるので、当該所要時間を示す情報として、開始時点と終了時点とを示す情報が記憶されている。また、上記TCデータには、AHIFに関する作業の詳細を示すDetail description of AHIF属性も付与されている。
上述したように、各作業について、複数のFIFを使用することがあるので、その場合は、FIFs used 属性には、複数のFIFを示す値が設定される。また、この場合、上記FIF開発、導入および執行コスト属性の値も、使用したFIFのそれぞれの所要時間を示す値に設定される。
ここで、各対象者において、Self Costを発生させる作業とトランザクションとの合計が、全作業に相当する。したがって、評価部81は、ある執行者のTCデータのFIF開発コスト属性の示すコスト(所要時間)と、FIF導入コスト属性の示すコストと、FIF執行コスト属性の示すコストと、AHIF開発コスト属性の示すコストとAHIF執行コスト属性の示すコストとに、さらに、当該各執行者のTデータのSelf Cost属性の示すコストも加えた値と、執行者の業務時間の合計とを比較して、両者がどの程度一致しているかによって、執行者の時間入力の確からしさを検証できる。このように、Self Costの集計は、後述するデータの入力作業の精度を高めるためにも活用される。
一方、図1に示すFIF・DB32には、FIFに関するデータとして、図11に示す属性を持ったFIFデータが記憶されている。具体的には、FIF毎に生成されるFIFデータには、図11に示すように、そのFIFを適用可能な業務項目を示すTageted Transaction Elements属性と、そのFIFの適用回数および適用期間の想定値をそれぞれ示すExpected Number of Usage属性およびExpected Duration 属性と、そのFIFがターゲットとしているユーザを示すTargeted Users属性とが含まれている。なお、複数の業務項目に適用できる場合、Tageted Transaction Elements属性には、それぞれの業務項目を示す値が設定される。また、上記Targeted Users属性には、ターゲットとしているユーザを示す値(または、その定性情報、あるいは、それらの組み合わせ)が設定される。また、上記FIFデータには、スポンサーまたは買い手を示すバイヤー属性、開発者を示すDevelopers属性、あるいは、それらの組み合わせが付与されている。
また、上述したように、本実施形態に係るトランザクション・インターフェース・モデルでは、FIFの導入時に開発および導入コストが必要となるので、上記各FIFのFIFデータには、当該FIFの開発および導入コストを示す属性(Costs 属性)として、Development Cost属性およびSwitching Cost属性が付与されている。
加えて、FIFデータには、FIFの種別を示す属性(FIF種別属性)が付されており、当該FIF種別属性の値によって、そのFIFが新規なものか、既存のものか、暗黙的なものか、あるいは、IT系のものか否かなどを区別できる。
なお、モジュール構造の分析・評価の場合には、FIFデータの属性として、上記に加え、種類、市場普及度、所有権保持の有無などを示す属性を設けてもよい。
また、図1に示す対象者DB33には、予め各対象者(経済主体)を示す対象者データが登録されている。各対象者データは、対象者番号(Entity Number)で区別されており、各対象者データには、対象者番号の属性が付与されている。当該対象者の対象者番号は、図12に示すように、組織に属している人物の場合、対象者の対象者番号は、役割を示す部分(例では、英字)と識別番号とから構成されている。また、本実施形態では、作業者の対象者番号は、組織における上下関係をも示しており、本実施形態では、その上司になる者の識別番号に、その上司の配下では固有の番号を付加して生成されている。なお、図12の例では、直接資源(direct resources)を提供する者(直接業務の従事者)の対象者番号は、役割を示す英字として、ラインを示すLが設定され、間接資源(indirect resources)を提供する者(間接業務の従事者)の対象者番号には、スタッフを示すSが設定されている。また、対象者が外部企業の場合は、その対象者番号は、企業を示す部分(図の例ではC)に、その企業に固有の識別番号を付加したものに設定される。
これにより、対象者DB33の対象者データを参照するもの(例えば、後述する各産出部71〜74、評価部81など)は、対象者データの対象者番号を比較することによって、各対象者データの示す対象者が、別の対象者データの示す対象者の直接/間接の部下であるか否かを特定でき、各対象者の属する組織や部門などを特定できる。
また、上記対象者データには、人件費の属性として、例えば、各時点におけるその対象者の単位時間あたりの人件費(福利厚生費、家賃の按分、消耗品費などを加えてもよい)を示す属性が付与されている。この属性には、例えば、単位時間あたりの人件費を示す値と、その値であった期間を示す値との組み合わせなどが設定され、組織効率評価会計システム1は、上記TおよびTCデータのうち、コストを示す属性の値として設定された所要時間と、その所要時間(期間)における、その執行者の単位時間あたりの人件費とから、その作業における作業者のコストを算出できる。
さらに、上記対象者データには、対象者の氏名、部門、組織および公式関係を示す属性も付与されている。なお、公式関係とは、その対象者の属する組織が、対象者との間でトランザクションが発生し得る対象者として予め定めた対象者と、当該対象者との関係であって、例えば、組織の上司と部下との間の関係、資源をやりとりする部門長間の関係などが挙げられる。
一方、計算処理部7には、指定された測定対象(例えば、ある組織、ある部門、あるいは、ある作業者など)によるトランザクションのコストを上記記憶装置3を参照して算出するトランザクション・コスト算出部(TC算出部)71と、記憶装置3を参照して各業務項目におけるFIFおよびAHIF関連コストを算出するエレメント・コスト算出部(EC算出部)72と、記憶装置3を参照してAHIF関連コストを算出するAHIFコスト算出部(AC算出部)73と、記憶装置3を参照してFIFの開発・導入に関わるコストを算出するFIFコスト算出部(FC算出部)74と、各産出部71〜74の算出結果に基づいて、予め定められた手順で評価結果を算出したり、評価のための支援処理を行う評価部81とが設けられている。
具体的には、上記TC算出部71は、測定対象が指定されると、その測定対象によるトランザクションのコストを、内部コストを含めずに算出できる。また、TC算出部71は、トランザクションのコストを算出する際、当該トランザクションが外部発注のトランザクションを含んでいれば、その外部発注のトランザクションのリンクを辿って、外部発注のトランザクションのコストも合計することができる。
より詳細には、上記TC算出部71は、例えば、ある組織、ある部門、あるいは、ある作業者など、測定対象が指定されると、上記トランザクションDB31に蓄積されたTデータのうち、そのサプライヤー属性(図7参照)が上記指定された測定対象に設定されているTデータを抽出する。さらに、TC算出部71は、トランザクションDB31に蓄積されたTCデータのうち、当該Tデータに関連付けられたTCデータを抽出する。また、TC算出部71は、各TCデータのコストとして、そのFIF開発、導入コストおよび執行コスト属性、並びに、AHIF開発コストおよび執行コスト属性の示すコストの合計を算出し、各TCデータのコストを集計する。
なお、上述したように、これらの属性では、コストが期間で設定されており、対象者DB33には、各期間における単位時間あたりの各対象者(執行者)の人件費を示すデータが蓄積されている。したがって、TC算出部71は、TCデータのE属性の示す対象者(執行者)と、これらの属性の示す期間とに基づいて、対象者DB33から、当該期間における単位時間あたりの、当該執行者の人件費を読み出し、これらの属性の示す期間から算出した各期間の長さと人件費とから、例えば、両者の乗算結果などとして、FIF開発、導入および執行コスト、並びに、AHIF開発および執行コストを算出し、それらの合計を、上記TCデータのコストとして設定する。
これにより、TC算出部71は、バイヤーあるいはサプライヤーが上記指定された測定対象であるトランザクションのFIF関連コスト(FIF開発、導入および執行コスト)、並びに、AHIF関連コスト(AHIF開発および執行コスト)を集計できる。
また、TC算出部71は、上記各トランザクションについて、FIF関連コストのうち、開発コストを想定使用回数で除した単位あたりの開発コストを算出し、その累積使用回数分のコストを集計できる。
また、TC算出部71は、上記各トランザクションについて、外部発注トランザクションのコストを算出し、当該外部発注トランザクションのコストも、上記測定対象のトランザクション・コストに集計する。
また、上記TC算出部71は、各TデータのElements Outsourced from Third Party属性の示すTransaction 値およびTransactions in Internal Cost 属性の示すトランザクションについて、トランザクション・コストを算出し、そのトランザクション・コストを、上記測定対象のトランザクション・コストの集計結果に加算する。なお、これらのトランザクションのTデータのうち、コンペンセーション属性が設定されているTデータについては、当該コンペンセーション属性に設定されたコストを、当該トランザクションのコストとして、上記のコストの集計結果に加算する。
このように、外部発注のトランザクションのリンクを辿りながら、トランザクション・コストを算出していくので、各測定対象の関係に拘わりなく、測定対象のトランザクション・コストを集計できる。
なお、上述したように、対象者DB33には、各対象者が取引する経済主体を特定するための情報が記憶されている。したがって、TC算出部71は、対象者DB33を参照することによって、Elements Outsourced from Third Party属性の示すTデータのサプライヤー属性の示すサプライヤーが、上記指定されたトランザクションに関連しているか否かを何ら支障なく判定できる。
これにより、上記測定対象のトランザクションを構成する業務項目に関する外部発注のトランザクションのうち、内部業務以外のトランザクション・エレメントに関する外部発注のトランザクションのコストは、上記測定対象のトランザクションのコストに算出され、TC算出部71は、上記測定対象のトランザクションのコストを測定対象の内部コストを含めずに算出できる。
このように、上記TC算出部71は、指定された測定対象のトランザクションに関連する、全業務項目、全対象者のFIFおよびAHIF関連コストを集計して、その測定対象のトランザクション・コストを算出できる。したがって、例えば、各組織または部門のトランザクション・コストをTC算出部71が算出し、上記評価部81が、例えば、組織毎または部門毎のトランザクション・コストを互いに比較するなどして、それらのトランザクション・コストを評価することで、各組織または部門におけるトランザクション・コストを評価できる。
加えて、上記TC算出部71は、トランザクション・コストとして、指定されたトランザクションに関連付けられたTCデータのFIF開発、導入コストおよび執行コスト属性の示すコストと、AHIF開発コストおよび執行コスト属性の示すコストを集計した結果を返すこともできる。なお、この場合、TC算出部71は、トランザクションDB31に格納されたTCデータの中から、E属性が上記指定された測定対象に含まれる対象者であるTCデータを抽出し、そのFIF開発、導入および執行コスト属性の示すコストと、FIF開発コストの按分分のコスト(後述)と、AHIF開発コストおよび執行コスト属性の示すコストを集計してもよい。なお、上記指定された測定対象に含まれる対象者であるか否かの判定方法については後述する。
また、上記では、ある測定対象の全トランザクション(測定対象内の対象者をサプライヤーまたはバイヤーとする全トランザクション)という条件で、トランザクション・コストの算出対象とするトランザクションが指定される場合について説明したが、例えば、ある測定対象の全トランザクションのうち、特定の測定対象をバイヤー(あるいはサプライヤー)とするトランザクションなど、他の条件で算出対象とするトランザクションが指定されてもよい。この場合、TC算出部71は、当該条件に合ったトランザクションのTデータをトランザクションDB31から抽出し、そのトランザクションのコストの合計を算出する。これにより、ある測定対象の全トランザクション・コストを、バイヤー(あるいはサプライヤー)毎に集計することも可能になる。
また、上記評価部81は、上記TC算出部71の算出した、測定対象の全トランザクション・コストと、当該測定対象が事業にかけている全てのコストとの比率を算出することもできる。これにより、事業活動におけるトランザクションの比率を評価することもできる。なお、本実施形態では、各測定対象が事業にかけている全てのコストは、図示しないデータベースに予め格納されており、評価部81は、当該データベースから、上記測定対象が事業にかけている全てのコストを読み出してもよいし、上記測定対象の全トランザクション・コストに、資源のコスト、FIF開発・導入・執行における人件費以外のコスト(インフラ、ITなどのハード、会計データからの関連コスト)、および、Self Costを追加的に含めた値を当該全てのコストとしてもよい。なお、この場合、資源のコストに関するデータベースを設置し、そのデータを使用して、資源のコストを算出する。また、評価部81は、例えば、全トランザクションを示すTデータ、または、それに関連するTCデータのSelf Cost属性の示すコストを集計するなどして、上記Self Costを算出できる。なお、当該資源のコストに関するデータベースのデータを使用して、真の利益率算出に活用してもよい。
さらに、上記評価部81は、戦略上の意思決定に影響するデータとして、製品別の売り上げから、その製品に関わる全直接コストだけでなく、全間接コストを引いて利益額を算出すると共に、製品別の売り上げに対する真の利益額の比率を算出できる。このように、評価部81は、間接コストの追跡も含めた、製品別の真の利益率を算出できる。
また、評価部81は、部門の業績評価に関するデータとして、部門別の売り上げから、その部門の全直接コストおよび全間接コストを引いて利益額(あるいは付加価値額)を算出すると共に、部門別の売り上げに対する真の利益額(あるいは付加価値額)の比率を算出できる。このように、評価部81は、間接コストの追跡も含めて、部門別の真の採算性を評価できる。
同様に、評価部81は、個人の業績評価および人事考課に関するデータとして、個人別の売り上げから、その個人の全直接コストおよび全間接コストを引いて利益額(あるいは付加価値額)を算出すると共に、個人別の売り上げに対する利益額(あるいは付加価値額)の比率を算出できる。このように、評価部81は、間接コストの追跡も含めて、各個人の真の採算性を評価できる。
なお、製品別、部門別および個人別の売り上げも、各測定対象が事業にかけている全てのコストと同様に、図示しないデータベースに予め格納されており、評価部81は、当該データベースから、これらのデータを読み出している。また、評価部81は、上記TC算出部71に間接コストを、その測定対象のトランザクション・コストとして算出させることができる。なお、評価部81は、図示しないデータベースから、測定対象の直接コストを読み出すことができる。
一方、上記EC算出部72は、算出の対象とする測定対象および業務項目(トランザクション・エレメント)が指定されると、その測定対象におけるトランザクションのコストのうち、指定された業務項目のコストを集計できる。
具体的には、EC算出部72は、算出の対象とする測定対象および業務項目が指定されると、上記TC算出部71が内部コストを含めないトランザクション・コストを算出する場合と略同様に、外部発注のトランザクションがある場合は、そのリンクを辿りながら、コストを集計できる。ただし、トランザクション・コストを算出する場合とは異なって、集計するコストは、指定された業務項目のコストのみである。
より詳細には、上記TC算出部71がTデータに関連付けられたTCデータをトランザクションDB31から抽出する代わりに、EC算出部72は、Tデータに関連付けられ、しかも、E属性が上記指定された業務項目であるTCデータを抽出する。また、上記TC算出部71が、TデータのElements Outsourced from Third Party属性の示すトランザクション全てのトランザクション・コストを集計結果に加算する代わりに、EC算出部72は、TデータのElements Outsourced from Third Party属性によって特定される各トランザクションのうち、上記指定されたエレメントを示すTE値に関連付けられたTransaction値で特定されるトランザクションのトランザクション・コストのみを集計結果に加算する。
また、EC算出部72は、TC算出部71と同様に、他の条件で算出対象とするトランザクションを絞り込むこともできる。これにより、ある測定対象の全トランザクション・コストのうち、特定の業務項目(エレメント)に要したコスト(FIFおよびAHIF関連コスト;ただし、そのエレメントに関する外部発注のトランザクションのコストを含む)を、バイヤー毎(あるいはサプライヤー毎)に集計することも可能になる。
これにより、例えば、ある組織において交渉エレメントのコストをEC算出部72が集計したり、それを部門別、作業者別、および、作業者−バイヤー別に分類することが可能になる。また、評価部81が、それらと、上記TC算出部71の算出した全トランザクション・コストとの比率を算出したり、それらをそれぞれの比率の順番(例えば、降順)で並べたりすることも可能になり、交渉エレメントのビジネスプロセス化対象候補としての検証(例えば、全組織、部門別など)を実施することができる。
同様に、交渉エレメントに代えて、情報探索エレメントを対象にして、上記各処理を行えば、情報探索のビジネスプロセス化対象候補としての検証(例えば、全組織、部門別など)を実施することも可能になる。
なお、検証対象となるエレメントは、交渉エレメントおよび情報探索エレメントに限るものではなく、各エレメントについて、ビジネスプロセス化対象候補を検証することができる。
一方、AC算出部73は、算出の対象とする測定対象および業務項目(エレメント)が指定されると、その測定対象に属する対象者と、その業務項目とに関連付けられたTCデータをトランザクションDB31から抽出し、そのTCデータのAHIF関連コストを集計できる。
具体的には、AC算出部73は、トランザクションDB31に格納されたTCデータの中から、E属性が上記指定された測定対象に含まれる対象者であり、TE属性が上記指定されたエレメントであるTCデータを抽出する。また、AC算出部73は、当該TCデータのAHIF開発コストおよび執行コスト属性の示すコストを集計する。これにより、算出の対象とする測定対象および業務項目のAHIF関連コストを算出できる。
なお、上記抽出の際に、各対象者が上記指定された測定対象に含まれているか否かの判定は、AC算出部73などの計算処理部7によって、対象者DB33を参照することにより行われる。具体的には、対象者DB33には、各対象者の属する部署(組織や部門など)を特定するための情報が記憶されており、各対象者の対象者番号の識別番号は、その対象者が含まれる部署番号の識別番号を含んでいる。したがって、計算処理部7は、対象者DB33を参照して各対象者の識別番号を比較することによって、各対象者が上記指定された測定対象に含まれているか否かを判定できる。
また、AC算出部73は、上記各TCデータのAHIF関連コストを集計する際、TCデータに関連付けられているTデータのサプライヤー属性およびバイヤー属性から、当該TCデータの作業者−バイヤーを特定し、作業者−バイヤー別に、当該測定対象のAHIF関連コストを集計することもできる。
ここで、上述したように、AHIF関連コストは、FIFに変換されずに残っているAHIFのコストである。したがって、例えば、ある測定対象(組織など)における交渉エレメントのAHIF関連コストをAC算出部73が集計し、上記TC算出部71によって算出された全トランザクション・コストとの比率を評価部81が算出したり、評価部81が、AHIF関連コストを、部門別、対象者別、対象者−バイヤー別に分類して、それらを互いに比較したり、それらや上記比率を順番に(例えば降順に)並べたりしたりして、交渉エレメントのAHIF関連コストを評価することもできる。この結果、交渉エレメントのビジネスプロセス化対象候補としての検証(例えば、全組織、部門別など)を実施することができる。また、上記比率によって、交渉エレメントにおけるビジネスプロセス化の度合いを、例えば、全組織、部門別などで評価することもできる。
同様に、交渉エレメントに代えて、情報探索エレメントを対象にして、上記各処理を行えば、情報探索エレメントのビジネスプロセス化対象候補としての検証(例えば、全組織、部門別など)、および、ビジネスプロセス化の度合いの評価を実施することも可能になる。
なお、検証対象となるエレメントは、交渉エレメントおよび情報探索エレメントに限るものではなく、各エレメント、あるいは、全エレメントについて、ビジネスプロセス化対象候補を検証したり、ビジネスプロセス化の度合いを評価したりできる。
また、上記評価部81は、全AHIF関連コストと全トランザクション・コストとの比率を、例えば、組織や部門など、測定対象別に集計して、互いに比較したり、順番に(例えば降順に)並べたりすることにとって、各測定対象毎のビジネスプロセス化の度合いを比較/評価することもできる。
加えて、上記AC算出部73は、ある測定対象内のトランザクション、あるいは、特定の測定対象間のトランザクションのAHIF関連コストのうち、公式関係にない対象者−スポンサー間のトランザクションのAHIF関連コストを集計することもできる。上述したように、対象者DB33の対象者データには、対象者の公式関係を示す属性が付与されている。したがって、AC算出部73は、対象者DB33を参照して、公式関係にない対象者間のトランザクションに限定して、上記AHIF関連コストを算出することによって、公式関係にない(組織規定されていない)対象者間のトランザクションのAHIF関連コストを集計できる。さらに、評価部81は、当該AHIF関連コストと、上記TC算出部71により算出された全トランザクション・コストとの比率を算出できる。また、評価部81は、当該比率の算出を、各測定対象内のトランザクション、あるいは、各部門間のトランザクション毎に繰り返すと共に、それらの比率を順番に並べることもできる。これにより、組織化の対象候補を抽出できる。
また、FC算出部74は、指定された測定対象(例えば、組織や部門別など)について、これまでに導入したFIFの開発・導入に関わる全コストを集計できる。また、FC算出部74は、当該FIFの開発・導入に関わる全コストを、FIF別に分類することもできる。加えて、FC算出部74は、これまでに導入したFIFのうち、IT系と登録されたFIFに限定して、FIFの開発・導入に関わる全コストを算出することもできる。
さらに、評価部81は、これらのFIFの開発・導入に関わるコストを順番に(例えば降順に)並べることができる。これにより、各測定対象のビジネスプロセス資産(あるいは、IT資産)を、組織や部門毎に、あるいは、FIF毎に評価することができる。
より詳細には、FC算出部74は、トランザクションDB31に格納されているTデータの中から、上記指定された測定対象をバイヤー(スポンサー)とし、Output属性がFIFを示しているTデータを抽出し、そのTデータの示すトランザクション・コストを集計する。ここで、FIFを成果物とする場合、FIFは、実物なので、FIFの開発コストには、内部コストが含まれる。したがって、FC算出部74は、例えば、TC算出部71へ指示して算出させるなどして、上記抽出したTデータについて、外部発注を含む全ての内部コストを含む当該Tデータのトランザクション・コストを算出して集計する。
さらに、FC算出部74は、トランザクションDB31から、当該測定対象に含まれる対象者に関連付けられたTCデータを抽出し、各TCデータのFIF導入コスト属性の示すコストを算出して、上記集計結果に加算する。なお、特定のFIFの開発・導入コストを計算する場合、FC算出部74は、上記TデータおよびFIF開発・導入コスト属性のうち、特定のFIFに関連付けられたもののみを集計する。また、IT系のFIFの開発・導入コストを計算する場合、FC算出部74は、上記TデータおよびFIF開発・導入コスト属性のうち、FIF・DB32においてFIF種別属性の値がIT系に設定されているFIFに関連付けられたもののみを集計する。
また、FC算出部74は、上記記憶装置3に格納されたデータを参照して、FIFを測定対象に実際に導入したときに必要になったコストを集計すると共に、評価部81は、上記FIFを導入しなかった場合に必要になるコストを集計し、両者を比較して、FIFの導入によって実際に削減されたコストを算出し、想定値と比較することができる。また、評価部81は、部門毎あるいはFIF毎に、両者を比較して、FIFの導入によるコストの変化額を算出したり、変化率を算出したりするなどの評価を行うことができる。また、評価部81は、各部門毎あるいはFIF毎の評価結果を順番に(例えば降順に)並べるなどして、評価結果を提示できる。これらの結果、FIFの導入による効果を定量的に評価できる。なお、比較する期間は、ユーザの指示に応じて任意の長さに設定できる。
より詳細には、FC算出部74は、FIFが新たに開発されたものの場合、当該FIFのFIFデータのDevelopment Cost属性およびSwitching Cost属性の示すコストを集計して、当該FIFの開発・導入時に要したコストを集計できる。これとは逆に、FIFが新たに開発されたものではない場合(既存の場合)、FC算出部74は、当該FIFのFIFデータのSwitching Cost属性の示すコストを集計して、当該FIFの導入時に要したコストを集計できるし、FIFデータの登録者が別途、Development Cost属性およびSwitching Cost属性のコストの値を入力してもよい。
なお、複数の業務項目で使用される場合、上記FC算出部74は、ある業務項目別の開発コストとして、例えば、当該FIFを使用している全業務項目での使用回数において、当該業務項目の使用回数が占める割合を乗算するなど、予め定められた手順で、当該集計結果(開発コスト)を、各業務項目に按分して、各業務項目別の開発コストを算出することもできる。また、上記FC算出部74は、想定使用回数で除した単位あたりの開発コストを算出し、当該単位あたりの開発コストに実際の使用回数を乗算した値を、開発コストとしてもよい。
ここで、上記TC算出部71は、当該FIFの開発・導入時に要したトランザクションのデータ(Tおよび/またはTCデータ)がトランザクションDB31に格納されている場合、FIFの開発・導入時に要したトランザクションのコストを算出して、FIFデータのDevelopment Cost属性およびSwitching Cost属性の値として設定する。なお、各Cost属性の値は、初期の開発および導入に要したコストを示す情報であって、この場合、TC算出部71はは、トランザクションのコストを算出する際、開発と導入に関係する、資源のコストを含むあらゆるコストも合計して、FIFデータのDevelopment Cost属性およびSwitching Cost属性の値として設定する。したがって、これらの各Cost属性の値は、実際に要したコストを正確に反映している。なお、当該FIFの開発・導入時に要したトランザクションのデータ(Tおよび/またはTCデータ)がトランザクションDB31に格納されていない場合、FIF登録装置52は、FIFデータの登録者の入力によって、各Cost属性の値を設定する。ここで、各Cost属性の値は、初期の開発および導入に要したコストを示す情報であって、開発と導入に関係する、資源のコストを含むあらゆるコストを含んだ値が入力される。
さらに、FC算出部74は、新規開発か否かに拘らず、例えば、測定対象において、当該FIFを使用している業務項目のTCデータをトランザクションDB31から抽出し、当該TCデータのFIF開発、導入および執行コスト属性の値、並びに、AHIF開発および執行コスト属性の値を集計するなどして、FIF導入後のFIFの使用に要したコストの実測値を算出し、上記FIFの開発・導入コストの集計結果(あるいは、その按分された値)に加算する。これにより、FIFを実際に導入したときに必要であった全てのコストを集計できる。なお、FIF導入後のFIFの使用に要したコストを算出する際に、集計されているFIF開発コストは、例えば、執行者が、FIFを使用する際に、当該FIFを運営/メンテナンス/改善するために必要になったコストを示しており、その値は、後述する第1〜第4TC入力装置61〜64によって予め入力されている。
また、FIFの使用に際してコスト按分されるFIF開発コストは、運用やメンテナンス、改善の作業を含む開発コストと導入コストとを、想定使用回数で按分したものを適用してもよい。この場合、新規開発コストは、全想定使用期間中の想定回数で、運用やメンテナンスに関わる開発コストは、当該作業が適用される期間の想定使用回数で、改善に関わる開発コストは、当該改善作業が適用される期間の想定使用回数で、按分される。一方、導入コストは、導入後の想定使用回数で按分される。改善により、想定使用回数が増加した場合も、同様の按分計算処理が適用されるので、当初の想定使用回数を越える使用に関しては、開発コストの按分が大幅に削減される。なお、FIFを使用する際に、当該FIFを改善/修正するために必要になったコスト(上記FIFデータのDevelopment Cost属性およびSwitching Cost属性の値から算出コスト(初期費用)を除いたコスト)は、TCデータから算出されている。したがって、改善等によって、想定使用回数が増加した場合には、按分計算処理をやり直すことによって、改善後の想定使用回数を反映した評価が可能である。
一方、評価部81は、上記FIFを導入しなかった場合に必要になるコストとして、上記FIFの使用回数分だけ、AHIFを実行した場合に必要になるAHIFの開発および執行コストを上記AC算出部73に集計させることができる。なお、この場合、AC算出部73は、評価部81の指示に応じて、上記測定対象のFIF導入前の期間におけるTおよびTCデータを参照して当該AHIFの開発/執行コストを集計する。これにより、当該測定対象において、上記FIFを導入しなかった場合に必要になるコストを高精度に算出できる。この結果、評価部81は、上記両コストを比較することによって、FIFの導入によって実際に削減されたコストを高精度に算出でき、高い精度で、当該FIFを評価できる。
なお、上記では、FIFを実際に導入することによって実際に削減された値と、導入前の想定値とを比較したが、評価部81は、上記FC算出部74へ指示して、FIFの開発・導入・執行に必要であったコストに代えて、予め定められた想定値を用いることによって、FIFを導入したと仮定したときに必要なコストを算出させてもよい。この場合は、評価部81は、当該FIFの導入によって削減されるであろうコストを評価でき、ユーザは、評価結果に基づいて、FIF導入の是非を検討できる。
この場合、FC算出部74は、実際のFIFの使用回数に代えて、測定対象におけるAHIFの実際の使用回数、または、FIF・DB32に格納されているFIFデータの想定使用回数を用いてもよい。また、他の測定対象におけるFIFの使用回数を想定値として使用してもよい。また、FC算出部74は、FIFの開発・導入・執行に要するコストとして、他の測定対象における実際のコストを用いてもよいし、FIF・DB32に格納されているFIFデータの導入コストを参照してもよい。いずれの場合であっても、他の測定対象、あるいは、各測定対象での実測値によって検証される値を用いて、これらのコストを算出できるので、当該FIFの導入によって削減されるコストを比較的高精度に推定できる。
このように、評価部81は、FIF関連コストとAHIF関連コストとを、部門別またはFIF別などに分類して比較し、FIFの導入によって削減されるコストを評価できるので、ビジネスプロセス化能力(ビジネスプロセス投資効率)を評価できる。
また、FC算出部74は、上記FIFを導入したと仮定したときに必要になるコストを算出する際、導入を仮定するFIFをIT関係のFIFに限定して算出できる。また、評価部81は、IT以外のFIFの導入を仮定する場合と同様に、当該IT関係のFIFを導入しなかった場合に必要になるコストを算出したり、両コストを比較したりして、IT関係のFIF導入の効果を評価できる。なお、この場合のFC算出部74および評価部81の動作は、上記ビジネスプロセス化能力(ビジネスプロセス投資効率)を評価するときの動作と略同様であるが、FIF・DB32において、導入を仮定するFIFを、FIF種別属性がIT系に設定されているFIFデータの示すFIFに限定している点で異なっている。
このように、評価部81は、評価部81は、IT関係のFIF関連コストと、それを導入しなかった場合のAHIF関連コストとを、部門別またはFIF別(IT別)などに分類して比較し、FIFの導入によって削減されるコストを評価できるので、IT化能力(IT投資効率)を評価できる。
続いて、上記記憶装置3にデータを格納するデータ入力装置5の動作について説明する。本実施形態に係るデータ入力装置5は、図13に示すように、上述した対象者データを入力する対象者登録装置51と、上記FIFデータを入力するFIF登録装置52と、上記Tデータを入力するトランザクション入力装置60と、上記TCデータを入力する第1〜第4TC入力装置61〜64とを備えている。また、データ入力装置5には、製品のデータを入力する製品登録装置53も設けられている。なお、詳細は、後述するように、第1〜第4TC入力装置61〜64は、製品/サービスの上流側および下流側となるトランザクション、並びに、FIFの上流側および下流側となるトランザクションで、それぞれのコストを入力するために使用される。
上記対象者登録装置51は、対象者データを入力するものであって、対象者の氏名、部門、人件費、公式関係および組織の入力を受け付け、対象者データを作成/編集できる。具体的には、新たな対象者が入力される場合、対象者登録装置51は、その対象者の氏名、部門、組織の入力を受け付け、図12に示すように、新たな対象者データとして、氏名、部門および組織の属性の値が、それぞれ入力された値に設定されたデータを作成し、対象者DB33に登録する。また、例えば、上司となり得る対象者のリストを提示して選択を促すなどして、上司の入力を受け付けると、対象者登録装置51は、その上司の識別番号に、その上司の配下で固有の番号を付加して、新たに登録する対象者の識別番号を作成すると共に、当該対象者の役割の入力を受け付けると、その役割と、当該作成した識別番号とから、対象者番号を生成し、上記対象者データの対象者番号属性に当該対象者番号を設定する。また、対象者登録装置51は、例えば、対象者登録装置51に登録されている対象者のリストを提示して、それらからの選択を促すなどして、上記新たに登録する対象者の属する組織が、当該対象者との間でトランザクションが発生し得る対象者の入力を受け付け、受け付けた対象者(あるいは、その組み合わせ)を示す値を、上記対象者データの公式関係の属性として設定する。また、人件費の入力を受け付けると、人件費の属性として、その時点における対象者の人件費を示す値を設定する。なお、対象者が外部企業の場合、対象者登録装置51は、他とは異なる値が対象者番号として設定された対象者データを対象者DB33に登録する。
一方、FIF登録装置52は、新たなFIFデータの登録が指示され、対象業務項目、開発コスト(インフラ系コスト、運用系コスト、ITコストを含む)、導入コスト、スポンサー、想定使用回数、想定使用期間およびFIF種別が入力されると、それらに応じた値に各属性が設定されたFIFデータをFIF・DB32に登録できる。
また、トランザクション入力装置60は、トランザクション番号(TID含む)などの入力として、図7に示す各属性の値が入力されると、対応する属性に、入力された値が設定されたTデータを生成して、トランザクションDB31に格納できる。なお、新たに入力しようとするトランザクションが、既にトランザクションDB31に格納されているトランザクションと同じトランザクションIDを持つべきトランザクションである場合、その旨の指示と、既にトランザクションDB31に格納されているトランザクションのTIDの入力とを受け付けると、トランザクション入力装置60は、トランザクションDB31から、入力されたTIDを持ったTデータを抽出し、それを雛型として、新たなTデータを作成できる。これにより、トランザクション入力装置60は、例えば、バイヤー属性や、サプライヤー属性やEnd Product 属性など、雛形としてのTデータから流用するように、予め定められた属性の値を自動的に設定でき、それらの入力を省略できる。
一方、第1〜第4TC入力装置61〜64のうち、第1TC入力装置61は、製品/サービスに関するトランザクションの上流側(部下側;請負側)で、そのトランザクションに関する作業のコストを示すデータを入力するために用いられるものであって、図14に示す動作を行って、トランザクションの各作業のTCデータを生成してトランザクションDB31に登録すると共に、トランザクションDB31に格納されている当該トランザクションのTデータにおいて、Self Cost属性および外部発注トランザクションに関する属性に値を設定できる。
具体的には、第1TC入力装置61は、S11において、例えば、トランザクションあるいはバイヤーの選定指示などによって、コストを入力するトランザクションの指定を受け付ける。さらに、S12において、ある対象者から、当該トランザクションの対象エレメントの選定指示を受け付けると、当該対象者、並びに、トランザクションを示す値に、図9に示すE属性、並びに、TID属性およびNOT属性が設定され、当該選定された対象エレメントを示す値にTE属性が設定されたTCデータを作成する。
なお、ある対象者がトランザクション入力装置60にトランザクションのTデータを登録した後、第1TC入力装置61によって、そのトランザクションの対象エレメントのTCデータを登録する場合、第1TC入力装置61は、トランザクション入力装置60によって生成された最新のTデータを示す値をTID属性およびNOT属性に設定すればよい。また、第1TC入力装置61が、常時ある対象者によって使用されている場合は、予め定められた当該対象者を示す値を上記E属性に設定すればよい。また、それらに代えて、第1TC入力装置61は、例えば、トランザクションDB31に登録されているトランザクションのリスト、あるいは、対象者DB33に登録されている対象者のリストを提示するなどして、トランザクションあるいは対象者の入力を促し、入力された値を、上記E属性、あるいは、TID属性およびNOT属性に設定してもよい。
いずれの場合であっても、上記S12にて対象エレメントが選択されると、第1TC入力装置61は、S13において、その対象エレメント(業務項目)の作業で使用されているFIFと、そのFIFの使用に対象者が必要としたコスト(使用の開始時間および終了時間)との入力を受け付け、それらの入力された値を、上記TCデータのFIFs used 属性、FIF開発、導入および執行コスト属性に設定する。
また、第1TC入力装置61は、S14において、上記対象エレメントの作業で使用されたAHIFの開発コストおよび執行コストの入力を受け付け、上記TCデータのAHIF開発コスト属性およびAHIF執行コスト属性に、入力された値を設定する。
さらに、第1TC入力装置61は、S15において、当該対象エレメントの作業で外部に発注したトランザクションの指定を受け付けると、指定された外部発注トランザクションを、上記TCデータに関連付けられたTデータに設定する。具体的には、第1TC入力装置61は、上記TCデータのTID属性およびNOT属性の値によって、TCデータに関連付けられたトランザクションのTデータを、トランザクションDB31から抽出する。さらに、第1TC入力装置61は、当該TデータのElements Outsourced from Third Party属性に、TCデータのE属性の示す値と、上記入力されたトランザクションを示す値(トランザクション番号)との組み合わせを設定する。なお、本実施形態では、トランザクションを示す値として、例えば、TデータのTID属性とNOT属性を含むトランザクション番号を使用しており、未だトランザクション番号が決定されていないトランザクションの場合は、例えば、第1TC入力装置61がトランザクション入力装置60へトランザクションの入力画面の表示を指示してユーザに入力を促すなどして、トランザクションDB31に当該トランザクションのTデータを入力させた後、第1TC入力装置61は、そのトランザクション番号を、上記Elements Outsourced from Third Party属性のTransaction 値として設定する。また、複数の外部発注トランザクションが入力された場合は、それらを示す値を設定する。
上記S12〜S15の処理は、入力が行われるべき全ての対象エレメント(内部業務を除く)についてのコスト/外部発注トランザクションが入力されるまでの間(S16にてYES の間)繰り返される。
それらの全てが入力されると(S16にてNOの場合)、第1TC入力装置61は、S17において、内部業務のコストとして、自身のコスト(Self Cost)の入力を受け付け、入力された値を、上記TCデータに関連付けられたTデータのSelf Cost属性に設定する。また、第1TC入力装置61は、上記S15と同様に、内部業務において発生したトランザクションの入力を受け付け、受け付けたトランザクションを示す値を、当該TデータのTransactions in Internal Cost 属性に設定する。
さらに、第1TC入力装置61は、S18において、S12以降で入力されているTCデータに関連付けられたトランザクションが、同じTIDを持ったトランザクションのうちの何回目の入力であるかを計測し、その計測値を、当該トランザクションのTデータのNumber of Occurrences of Transaction with this Identity Number(NOT)属性に設定する。
上記S11〜S18の処理における、トランザクションのTデータの各属性の設定処理、並びに、当該Tデータに関連付けられたTCデータの生成処理および属性設定処理は、これらを設定すべきトランザクションがなくなるまでの間(S19にてYES の間)、繰り返され、全てのトランザクションについて、これらが設定されると(S19にてNOの場合)、第1TC入力装置61によるトランザクション・コスト入力処理は終了される。
一方、第1〜第4TC入力装置61〜64のうち、第2TC入力装置62は、製品/サービスに関するトランザクションの下流側(上司側;バイヤー側)で、そのトランザクションに関する作業のコストを示すデータを入力するために用いられるものであって、図15に示す動作を行って、トランザクションの各作業のTCデータを生成してトランザクションDB31に登録すると共に、トランザクションDB31に格納されている当該トランザクションのTデータにおいてコンペンセーション属性に値を設定できる。
ここで、図15に示す処理は、図13に示す処理と略同様であるが、S17に代えて、S17aが設けられており、当該S17aにおいて、第2TC入力装置62は、コンペンセーションの入力を受け付けると、その値を、上記Tデータのコンペンセーション属性に設定する。
また、第2TC入力装置62は、上記S11に代えて設けられたS11aにおいて、例えば、サプライヤーの選定指示を受け付けた後、そのサプライヤーと自らとの間のトランザクションの中から、コストを入力すべきトランザクションを選択させるなどして、トランザクションの選定を受け付けている。なお、第2TC入力装置62は、例えば、図7に示すサプライヤー属性およびバイヤー属性に、選択されたサプライヤーおよび自らを示す値が設定されているTデータをトランザクションDB31から抽出するなどして、サプライヤーと自らとの間のトランザクションを特定している。
同様に、第3TC入力装置63は、FIFに関するトランザクションの上流側(請負側)で、そのトランザクションに関する作業のコストを示すデータを入力するために用いられるものであって、図16に示す動作を行って、トランザクションの各作業のTCデータを生成してトランザクションDB31に登録すると共に、トランザクションDB31に格納されている当該トランザクションのTデータにおいて、Self Cost属性および外部発注トランザクションに関する属性に値を設定できる。
具体的には、図16に示す処理は、図14に示す処理と略同様であるが、トランザクションの回数を入力するステップS18が省略されている。また、第3TC入力装置63は、上記S11に代えて設けられたS11bにおいて、例えば、FIFおよび相手の選定指示を受け付けた後、トランザクションDB31に格納されたTデータの示すトランザクションの中から、以下の条件に合ったトランザクション、すなわち、そのFIFについて、相手と自分との間のトランザクションを特定するなどして、コストを入力すべきトランザクションを特定している。なお、第3TC入力装置63は、例えば、図7に示すサプライヤー属性およびバイヤー属性に、自ら、および、選択された相手を示す値が設定されており、しかも、Output属性が、選定されたFIFを示しているTデータをトランザクションDB31から抽出するなどして、上記条件に合ったトランザクションを特定している。
また、第4TC入力装置64は、FIFに関するトランザクションの下流側(発注側)で、そのトランザクションに関する作業のコストを示すデータを入力するために用いられるものであって、図17に示す動作を行って、トランザクションの各作業のTCデータを生成してトランザクションDB31に登録すると共に、トランザクションDB31に格納されている当該トランザクションのTデータにおいて、コンペンセーション属性に値を設定できる。
具体的には、図17に示す処理は、図15に示す処理と略同様であるが、トランザクションの回数を入力するステップS18が省略されている。また、第4TC入力装置64は、上記S11に代えて設けられたS11cにおいて、例えば、FIFおよび相手の選定指示を受け付けた後、トランザクションDB31に格納されたTデータの示すトランザクションの中から、以下の条件に合ったトランザクション、すなわち、そのFIFについて、相手と自分との間のトランザクションを特定するなどして、コストを入力すべきトランザクションを特定している。なお、第4TC入力装置64は、例えば、図7に示すサプライヤー属性およびバイヤー属性に、選択された相手および自らを示す値が設定されており、しかも、Output属性が、選定されたFIFを示しているTデータをトランザクションDB31から抽出するなどして、上記条件に合ったトランザクションを特定している。
なお、上記では、TCデータに、トランザクション(より詳細には、Tデータ)を特定するための属性(TID属性およびNOT属性)を付与することによって、TCデータとTデータとを関連付けているが、これに限るものではない。両者を関連付けることができれば、例えば、Tデータに、TCデータを示す属性を付与してもよい。
同様に、上記では、Tデータに、Elements Outsourced from Third Party属性、並びに、Self Cost属性、および、Transactions in Internal Cost属性を付与することによって、そのトランザクションの内部コスト、そのトランザクションの内部業務で発生した外部発注トランザクション、そのトランザクションの内部業務以外の業務項目で発生した外部発注トランザクションを特定しているが、これに限るものではない。例えば、TCデータに、その業務項目で発生した外部発注トランザクションを示す属性を付してもよい。また、内部コストを、内部業務に関連して設けたTCデータに付与した属性によって記憶してもよい。
いずれの場合であっても、コストデータのうち、そのコストデータの示す作業が、当該コストデータに関連付けられたトランザクション以外のトランザクションである外部発注トランザクションを発生させる場合、当該コストデータ、または、当該コストデータに関連付けられたトランザクションを示すトランザクションデータには、当該作業の業務項目種別に関連付けて、上記外部発注トランザクションを示すトランザクションデータを指し示すリンク情報が付与されていれば、TC算出部71は、トランザクションのコストを算出する際、当該トランザクションを示すトランザクションデータまたは上記コストデータにリンク情報が付与されているときに、リンク情報によって指し示されたトランザクションデータが示すトランザクションのコストも集計することができる。また、コストデータのうち、そのコストデータの示す作業が、当該コストデータに関連付けられたトランザクション以外のトランザクションである外部発注トランザクションを発生させる場合、当該コストデータ、または、当該コストデータに関連付けられたトランザクションを示すトランザクションデータには、当該作業の業務項目種別に関連付けて、上記外部発注トランザクションを示す他のトランザクションデータに付与されている属性情報と同じ属性情報が付与されていれば、TC算出部71は、トランザクションのコストを算出する際、当該トランザクションを示すトランザクションデータまたは上記コストデータに属性情報が付与されているときに、当該属性情報と同じ属性情報が付与されたトランザクションデータが示すトランザクションのコストも集計することができる。したがって、上述した組織効率評価会計システム1と同様に、大小様々な経済活動に関する、間接業務を含めたトランザクションを統一したデータ構造で表現して処理できる。
このように、上記構成によれば、大小様々な経済活動に関する、間接業務を含めたトランザクションを統一したデータ構造で表現して処理できるので、ITの投資効果の測定も可能になる。
なお、データ入力装置5における入力を支援する機能として、例えば以下の機能が考えられる。そして、これらの入力支援機能を追加することにより測定コストが削減される場合には、その手段を組み合わせてもよい。
(a)過去履歴からの支援
「対象者」「対象製品」「対象プロセス」「TEC分類」などのデータを蓄積し、その頻度の順に入力画面に提示する。その頻度の算出の期間は、複数の期間を実験的に使用し、算出された頻度順位と、実際に入力された頻度順位とを比較した結果、一致の程度が高いものを採用する。これにより、算出期間の妥当性を検証することができる。
(b)メールソフトへのデータ入力装置の付加
現在、メールの作成・閲覧時間は、トランザクション・コストの大きな部分を占めるようになっている。そこで、メール・ソフトに、各メールの「対象者」「対象製品」「対象プロセス」などのデータをユーザが選択入力する機能を追加すれば、メールに関わるトランザクション・コストの入力を支援することが可能である。
(c)電話機へのデータ入力装置の付加
同様に、現在、電話通話もトランザクション・コストの大きな部分を占める。そこで同様に、電話機に「対象者」「対象製品」「対象プロセス」「TEC分類」などのデータをユーザが選択入力する機能を追加すれば、電話に関わるトランザクション・コストの入力を支援することが可能である。
(d)あいまい入力処理(自然言語処理)
データ入力者によっては、「対象者」「対象製品」「対象プロセス」「TEC分類」などを個別に入力するよりも、「昨日は、○○社の△△常務と、新製品に関する販促打ち合わせを行った」などの自然言語で記述する方が効率的である場合もある。そこで、そのような自然言語から必要なデータを抽出し蓄積する機能を追加することも可能である。この機能は、例えばスケジュール・ソフトなどのデータをそのまま転用する際にも、重要な役割を担うことになる。
ここで、MIT教授ロバート・ソローが、「生産性パラドクス」として「情報化の影響は生産性統計に現れない」ことを指摘し、広く知れ渡ることになったように、IT投資効果の測定は不可能とされてきていた。なお、この原因としては、各々インターフェースとしての、IT、戦略、組織を分離して測定する手段がなかったため、本来ITシステムによって置換されたインターフェースだけではなく、戦略、組織におけるインターフェースについても、投資評価対象に加えてしまい、IT化(情報化)の影響を正しく測定できなかったことなどが挙げられる。また、従来の方法では、ITシステムに限らず、企業の構築したビジネスプロセスについても、同様の理由で、定量的かつ定性的に評価することが難しい。
ここで、企業など組織の競争優位性が、従来の有形物(ハード)を扱う作業・管理ノウハウから、特許、技術、知財などの無形財を処理する付加価値業務へと移行してきていることに着目する必要がある。その経済活動の質的変化は情報革命、経済のソフト化などと形容されるが、それらの新形態の活動を精確に評価し、的確に行う能力(“ビジネスプロセス化能力”)、それらのノウハウの蓄積(“ビジネスプロセス資産”)を客観的に測定、評価することが必要であることは論を待たない。
しかしながら、従来のコスト把握の手法は、旧態の経済活動の基盤となる直接業務に焦点を当てたものである。上記の活動が包含される間接業務は、“販管費”として全体一括で扱われ、細分化されず、従って、的確な分析、評価、管理のための指標が存在していない。
これらの結果、ある組織が、優れた組織構造、業務システム、戦略、組織制度、規定、モジュール(製品、業務、技術、ノウハウなど)、マニュアルなどのビジネスプロセスを整備する活動に膨大な人的資源を投資し、組織内における業務効率を究極にまで高めたとしても、その投資を評価する軸は、売上か、長期に渡る様々な領域の活動の成果を無作為に混合した「販管費」という、実態とは全く乖離した代替変数でしかありえない。これでは、市場が加速度的に変化する競争環境において、的確、迅速な管理を行うことは不可能である。なお、これらの業務は、実際には、コストをかけるほど、将来価値を組織に与える資産として蓄積されているのである。そして、その業務遂行の的確性も評価できれば、その資産価値の判断の有効性が、より高まることになる。
これに対して、上述したように、本実施形態に係る組織効率評価会計システム1では、大小様々な経済活動に関する、間接業務を含めたトランザクションを統一したデータ構造で表現して処理することによって、戦略、組織、ビジネスプロセス、規定、マニュアル、ITなどの投資効果を個別に、定量的かつ定性的に測定できる。この結果、従来、ほとんど感覚的にしか管理できなかったITコストについても、極めて有効な評価・管理手法を提供できる。
また、本実施形態に係る組織効率評価会計システム1では、大小様々な経済活動に関する、間接業務を含めたトランザクションを統一したデータ構造で表現して処理することによって、原トランザクションのレベルから、それらの連鎖としての組織間のトランザクションのレベルにまで、様々なレベルで、組織(例えば、企業など)を分析でき、例えば、投資分析、企業買収評価などに広く活用できる。さらに、ビジネスプロセス化能力、ビジネスプロセス資産は、企業の収益性、発展性など、競争力基盤を形成するものであり、従来は、ほとんど考慮されてこなかったが、上述したように、本実施形態に係る組織効率評価会計システム1は、ビジネスプロセス化能力(あるいは組織化能力)、ビジネスプロセス資産(あるいは組織資産)を評価できるので、それらを含めた企業の価値を適切に評価でき、投資、買収における投資効果を高めることが可能となる。一例として、投資銀行、コンサルティング会社、あるいは、企業(および組織)レーティングを行う格付機関における企業の評価システムとして、本実施形態に係る組織効率評価会計システム1を好適に使用できる。また、本実施形態に係る組織効率評価会計システム1は、ビジネスプロセスおよび組織制度の効果、効率の向上のための管理・評価指標を算出/評価したり、ビジネスプロセスおよび組織制度の管理・改善に携わる間接業務およびスタッフ業務の効果、効率の向上のための管理・評価指標を算出/評価したりするために、好適に使用できる。
また、本実施形態に係る組織効率評価会計システム1は、大小様々な経済活動に関する、間接業務を含めたトランザクションを統一したデータ構造で表現して処理している。具体的には、本実施形態に係る組織効率評価会計システム1は、トランザクションチェーンの概念を導入し、あらゆる業務のトランザクションの連結としての構造化している。また、トランザクション・リレーションをリンク情報または属性情報によって可視化することにより、任意のレベルの測定対象を明示的抽出できる。
さらに、組織の執行コストの概念を導入し、開発、運用部分と執行部分とを峻別することによって、FIFの開発コスト、導入コストおよび執行コスト、並びに、AHIFの開発コストおよび執行コストを別個に集計できる。
ここで、FIFの開発・導入・執行によるコスト分類は、図2等に示したトランザクション・インターフェース・モデルによる分類(TEC分類(Transaction Element))と実質同じである。そこで、FIFの開発・導入・執行に関するトランザクション・データを通常と同様にTEC分類によってトランザクション・エレメント毎に追跡してもよい。
また、組織効率評価会計システム1は、トランザクションを、各具体的業務項目に分類することによって、それぞれを別個に評価できる。
また、本実施形態に係る組織効率評価会計システム1では、上述したように評価することによって、ビジネスプロセス/組織制度の開発コスト(各組織は、どの程度、組織制度の開発にコストをかけているか)を分析したり、各業務項目の執行コストの集計によって、各組織の業務項目別の執行コストを算出したり、開発コスト額対執行コスト削減額によって、ビジネスプロセスの執行コスト削減効果を分析したりしている。
さらに、上記組織効率評価会計システム1は、FIFの開発・導入コストの累計を算出することによって、組織(全体および各部門)におけるビジネスプロセス/組織制度の蓄積の程度、すなわち、各組織(企業など)が、どの程度、組織制度を資産として蓄積しているか(その組織資産)を評価している。これにより、各組織を組織資産という指標で評価できる。
また、上記組織効率評価会計システム1は、上述したように、ビジネスプロセスの開発プロジェクト、および、その成果としてのビジネスプロセス(組織制度)が、どの程度の執行コスト削減に寄与したかを評価することによって、ビジネスプロセス/組織制度の開発プロジェクト(およびそのビジネスプロセス自体)によるコスト削減効果を評価しているので、ビジネスプロセス/組織制度の開発プロジェクト(およびそのビジネスプロセス自体)の能力(組織能力)の指標から、各組織/ビジネスプロセス/組織制度の開発プロジェクトの優劣を評価できる。
さらに、上記組織効率評価会計システム1は、上述したように、各組織(および組織内の各部門)は、どの程度、コストを削減する能力を有しているか(組織全体、あるいは各部門のコスト削減能力)も評価できる。
さらに、組織効率評価会計システム1は、上記全項目を時系列で比較できるので、それらの比較結果から、上記全項目改善、管理のための指針を抽出できる。また、上記組織効率評価会計システム1は、上記全項目を組織間で比較できるので、それらの比較結果から、改善、管理のための指針を抽出できる。
さらに、組織効率評価会計システム1は、トランザクション・コストの削減がトランザクションの質と量の向上に寄与することから、付加価値の増大を、コストを代替変数として測定することができる。
ここで、上記組織効率評価会計システム1では、大小様々な経済活動に関する、間接業務を含めたトランザクションを統一したデータ構造で表現して処理しているので、あらゆる組織のあらゆる間接業務に共通し、適用可能な分類基準、測定基準、解析論理を提供できる。
さらに、上記組織効率評価会計システム1は、社会システムに適用することが可能である。具体的には、対象となる領域における全ての企業のトランザクション・コストのデータを集計し、企業間の重複・欠落部分を算出・調整し、トランザクション・コスト総額を算出する。これにより、例えば、政府機関が標準(住基ネット、電子政府、タウンミーティングなど)を制定し導入する際に、その開発、導入、維持管理、改善のコストと、それにより削減されたトランザクション・コストを分析することが可能となり、制定・導入した標準の投資効果を算出することができる。また、上記の集計データを活用することにより、国家、社会の活動を定量的に描写し、またその効率化、効果化の活動を評価するための指標、GDPを補完する国家指標としての「総トランザクション・コスト」の算出が可能となる。
なお、上記実施形態では、一例として、組織効率評価会計システム1を構成する各部材が、「CPUなどの演算手段がROMやRAMなどの記録媒体に格納されたプログラムコードを実行することで実現される機能ブロックである」場合を例にして説明したが、同様の処理を行うハードウェアで実現してもよい。また、処理の一部を行うハードウェアと、当該ハードウェアの制御や残余の処理を行うプログラムコードを実行する上記演算手段とを組み合わせても実現することもできる。さらに、上記各部材のうち、ハードウェアとして説明した部材であっても、処理の一部を行うハードウェアと、当該ハードウェアの制御や残余の処理を行うプログラムコードを実行する上記演算手段とを組み合わせても実現することもできる。なお、上記演算手段は、単体であってもよいし、装置内部のバスや種々の通信路を介して接続された複数の演算手段が共同してプログラムコードを実行してもよい。また、上記各部材のうちの記憶装置11は、メモリなどの記憶装置自体であってもよい。
上記演算手段によって直接実行可能なプログラムコード自体、または、後述する解凍などの処理によってプログラムコードを生成可能なデータとしてのプログラムは、当該プログラム(プログラムコードまたは上記データ)を記録媒体に格納し、当該記録媒体を配付したり、あるいは、上記プログラムを、有線または無線の通信路を介して伝送するための通信手段で送信したりして配付され、上記演算手段で実行される。
なお、通信路を介して伝送する場合、通信路を構成する各伝送媒体が、プログラムを示す信号列を伝搬し合うことによって、当該通信路を介して、上記プログラムが伝送される。また、信号列を伝送する際、送信装置が、プログラムを示す信号列により搬送波を変調することによって、上記信号列を搬送波に重畳してもよい。この場合、受信装置が搬送波を復調することによって信号列が復元される。一方、上記信号列を伝送する際、送信装置が、デジタルデータ列としての信号列をパケット分割して伝送してもよい。この場合、受信装置は、受信したパケット群を連結して、上記信号列を復元する。また、送信装置が、信号列を送信する際、時分割/周波数分割/符号分割などの方法で、信号列を他の信号列と多重化して伝送してもよい。この場合、受信装置は、多重化された信号列から、個々の信号列を抽出して復元する。いずれの場合であっても、通信路を介してプログラムを伝送できれば、同様の効果が得られる。
ここで、プログラムを配付する際の記録媒体は、取外し可能である方が好ましいが、プログラムを配付した後の記録媒体は、取外し可能か否かを問わない。また、上記記録媒体は、プログラムが記憶されていれば、書換え(書き込み)可能か否か、揮発性か否か、記録方法および形状を問わない。記録媒体の一例として、磁気テープやカセットテープなどのテープ、あるいは、フロッピー(登録商標)ディスクやハードディスクなどの磁気ディスク、または、CD−ROMや光磁気ディスク(MO)、ミニディスク(MD)やデジタルビデオディスク(DVD)などのディスクが挙げられる。また、記録媒体は、ICカードや光カードのようなカード、あるいは、マスクROMやEPROM、EEPROMまたはフラッシュROMなどのような半導体メモリであってもよい。あるいは、CPUなどの演算手段内に形成されたメモリであってもよい。
なお、上記プログラムコードは、上記各処理の全手順を上記演算手段へ指示するコードであってもよいし、所定の手順で呼び出すことで、上記各処理の一部または全部を実行可能な基本プログラム(例えば、オペレーティングシステムやライブラリなど)が既に存在していれば、当該基本プログラムの呼び出しを上記演算手段へ指示するコードやポインタなどで、上記全手順の一部または全部を置き換えてもよい。
また、上記記録媒体にプログラムを格納する際の形式は、例えば、実メモリに配置した状態のように、演算手段がアクセスして実行可能な格納形式であってもよいし、実メモリに配置する前で、演算手段が常時アクセス可能なローカルな記録媒体(例えば、実メモリやハードディスクなど)にインストールした後の格納形式、あるいは、ネットワークや搬送可能な記録媒体などから上記ローカルな記録媒体にインストールする前の格納形式などであってもよい。また、プログラムは、コンパイル後のオブジェクトコードに限るものではなく、ソースコードや、インタプリトまたはコンパイルの途中で生成される中間コードとして格納されていてもよい。いずれの場合であっても、圧縮された情報の解凍、符号化された情報の復号、インタプリト、コンパイル、リンク、または、実メモリへの配置などの処理、あるいは、各処理の組み合わせによって、上記演算手段が実行可能な形式に変換可能であれば、プログラムを記録媒体に格納する際の形式に拘わらず、同様の効果を得ることができる。
産業上の利用の可能性
本発明に係るコスト算出システムは、投資銀行、経営コンサルティングサービス、企業の評価格付サービス、ビジネスプロセス分析ソフトウェア、IT投資効果測定に関する上記の全形態を行うシステムをはじめとして、大小様々な経済活動に関わる間接業務および直接業務を統一的かつ定量的に評価可能なコスト分析・評価システム、さらに付加価値の算出・分析・評価システムなど、種々のシステムに広く適用できる。

Claims (10)

  1. 経済主体間で行われるトランザクションを示すトランザクションデータと、当該トランザクション、および、そのトランザクションを実施するために行われる作業の業務項目に関連付けて記憶されるコストデータとを記憶する記憶手段、並びに、当該記憶手段に記憶されたトランザクションデータおよびコストデータに基づいて、トランザクションのコストを算出するコスト算出手段を備えるコスト算出システムであって、
    当該コストデータには、その作業のうち、固定的な固定インターフェースを介して行われる作業のコストを示す固定インターフェース情報と、その作業のうち、固定的でないアドホック・インターフェースを介して行われる作業のコストを示すアドホック・インターフェース情報とが付与され、
    上記コストデータのうち、そのコストデータの示す作業が、当該コストデータに関連付けられたトランザクション以外のトランザクションである外部発注トランザクションを発生させる場合、当該コストデータ、または、当該コストデータに関連付けられたトランザクションを示すトランザクションデータには、当該作業の業務項目に関連付けて、上記外部発注トランザクションを示すトランザクションデータを指し示すリンク情報、または、上記外部発注トランザクションを示す他のトランザクションデータに付与されている属性情報と同じ属性情報が付与されており、
    上記コスト算出手段は、トランザクションのコストを算出する際、当該トランザクションに関連して記憶されたコストデータに付与された固定インターフェース情報およびアドホック・インターフェース情報の示すコストを集計すると共に、当該トランザクションを示すトランザクションデータまたは上記コストデータにリンク情報が付与されている場合、リンク情報によって指し示されたトランザクションデータが示すトランザクションのコストも集計し、また、当該トランザクションを示すトランザクションデータまたは上記コストデータに属性情報が付与されている場合、当該属性情報と同じ属性情報が付与されたトランザクションデータが示すトランザクションのコストも集計することを特徴とするコスト算出システム。
  2. 分析対象とするトランザクションおよび業務項目に関連付けて記憶されたコストデータに付与されたアドホック・インターフェース情報の示すコストと、上記コスト算出手段によって算出された上記トランザクションのコストとを比較する比較手段を備えていることを特徴とする請求項1記載のコスト算出システム。
  3. 上記トランザクションには、ある経済主体へ固定インターフェースを導入するためのトランザクションも含まれており、
    上記コストデータには、それに関連する業務項目で使用した固定インターフェースを示すインターフェース情報が含まれており、
    上記固定インターフェース情報には、固定インターフェースの開発および導入コストを示す開発コスト情報および導入コスト情報と、固定インターフェースの執行コストを示す執行コスト情報とが含まれていると共に、
    固定インターフェースを開発して、測定対象とする経済主体に導入して、それを執行する際のコストを集計する固定インターフェース関連コスト累計手段を備え、
    上記固定インターフェース関連コスト累計手段は、上記コスト算出手段へ指示して、測定対象に関するトランザクションのコストを算出する際に、集計対象とするコストデータのうち、インターフェース情報が当該固定インターフェースを示しているコストデータの開発、導入および執行コスト情報を集計させると共に、
    上記固定インターフェース関連コスト累計手段は、上記固定インターフェースが新規開発の場合、上記測定対象に関連するトランザクションのうち、固定インターフェースの開発および導入に関するトランザクションのコストを上記コスト算出手段に集計させ、当該集計結果と、上記開発、導入および執行コスト情報の集計結果との合計を算出することを特徴とする請求項1または2記載のコスト算出システム。
  4. 固定インターフェースが導入される前と後とのそれぞれについて、分析対象とするトランザクションおよび上記固定インターフェースが導入される業務項目に関連付けて記憶されたコストデータに付与されたアドホック・インターフェース情報の示すコストを集計するアドホック・コスト算出手段と、
    上記固定インターフェース関連コスト累計手段の集計結果、および、上記固定インターフェース導入後の上記アドホック・コスト算出手段の集計結果の合計と、上記固定インターフェース導入前のアドホック・コスト算出手段の集計結果とを比較するコスト比較手段とを備えていることを特徴とする請求項3記載のコスト算出システム。
  5. 上記コスト算出手段の算出するトランザクションのコスト、上記比較手段による比較結果、上記固定インターフェース関連コスト累計手段の集計結果、および、上記アドホック・コスト手段の集計結果のうちの少なくとも1つを、経済主体としての組織同士、業務項目同士および上記各作業の執行者としての経済主体同士のうちの少なくとも1つで比較する測定対象間比較手段を備えていることを特徴とする請求項1、2、3または4記載のコスト算出システム。
  6. 経済主体間で行われるトランザクションを示すトランザクションデータと、当該トランザクション、および、そのトランザクションを実施するために行われる作業の業務項目に関連付けて記憶されるコストデータとを記憶する記憶手段、並びに、当該記憶手段にトランザクションデータおよびコストデータを格納するデータ入力手段を備えるコストデータ入力システムであって、
    上記データ入力手段は、経済主体間で行われる新たなトランザクションの入力が指示されると、当該トランザクションを示すトランザクションデータを上記記憶手段へ格納すると共に、そのトランザクションを実施するために行われる作業の業務項目、当該作業のうち、固定的な固定インターフェースを介して行われる作業のコスト、および、作業のうち、固定的でないアドホック・インターフェースを介して行われる作業のコストの入力を受け付けると、当該作業のコストデータとして、入力された両コストを示す固定インターフェース情報およびアドホック・インターフェース情報とが付与されたデータを生成して、当該トランザクションのトランザクションおよび入力された業務項目に関連付けて当該コストデータを上記記憶手段に記憶し、
    さらに、上記データ入力手段は、上記作業が当該トランザクション以外のトランザクションである外部発注トランザクションを発生させることの入力を受け付けた場合、当該トランザクションを示すトランザクションデータまたは上記コストデータに、当該作業の業務項目に関連付けて、上記外部発注トランザクションを示すトランザクションデータを指し示すリンク情報、または、上記外部発注トランザクションを示す他のトランザクションデータに付与されている属性情報と同じ属性情報を付与することを特徴とするコストデータ入力システム。
  7. 請求項1、2、3、4または5記載のコスト算出システムの各手段、あるいは、請求項6記載のコストデータ入力システムの各手段として、コンピュータを動作させるプログラム。
  8. 請求項7記載のプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  9. 経済主体間で行われるトランザクションを示すトランザクションデータと、当該トランザクション、および、そのトランザクションを実施するために行われる作業の業務項目に関連付けて記憶されるコストデータとを含むデータ構造であって、
    上記コストデータには、その作業のうち、固定的な固定インターフェースを介して行われる作業のコストを示す固定インターフェース情報と、その作業のうち、固定的でないアドホック・インターフェースを介して行われる作業のコストを示すアドホック・インターフェース情報とが付与され、
    上記コストデータのうち、そのコストデータの示す作業が、当該コストデータに関連付けられたトランザクション以外のトランザクションである外部発注トランザクションを発生させる場合、当該コストデータ、または、当該コストデータに関連付けられたトランザクションを示すトランザクションデータには、当該作業の業務項目に関連付けて、上記外部発注トランザクションを示すトランザクションデータを指し示すリンク情報、または、上記外部発注トランザクションを示す他のトランザクションデータに付与されている属性情報と同じ属性情報が付与されていることを特徴とするデータ構造。
  10. 請求項9記載のデータ構造が記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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