本発明は、移動端末が複数の異なる通信網で構成された領域において通信する際の移動通信制御方法、移動端末及びアクセスルータに関する。
従来から、複数のインターフェースを有する移動端末が複数の異なる通信網内を移動しながら通信相手と通信する技術が知られている。異なる通信網として、例えば3G(3rd Generation)セルラー網やWLAN(Wireless Local Area Network)などが挙げられる。以下の説明では2つの異なる通信網を用いて説明するが、2つの異なる通信網に限られるものではなく、より多くの異なる通信網があってもよい。なお、ここでの異なる通信網とは、例えば無線の種別が異なる通信網(異種網間ハンドオーバーが実現されるような通信網)や運営主体が異なる通信網(ローミングが実現されるような通信網)などを言う。図12に示すように、3Gセルラー網(以下、単に3Gとも言う)用とWLAN用の2つのインターフェースを有する移動端末10(MN:Mobile Node)は、3GとWLANとで構成された領域を移動しながら通信している。このようなシームレスなファーストハンドオーバーにおいてCTP(Context Transfer Protocol)(下記の非特許文献1を参照)が提案されている。なお、移動端末のユーザにとっては、常に通信が接続された状態で、かつ必要なときにはより早いデータレートで通信できることが望ましい。
ここで、従来、MN10がハンドオーバーをする場合、図13に示すように、MN10は、サービスを受けるためにすべてのプロトコルフロー(MN10、AR(Access Router)、CN(Correspondent Node:通信相手)やHA(Home Agent)間でのIPsec SA(IPsec Security Association)、NSIS(Next Step In Signaling)QoS(Quality of Service)を認識するルータであるQNE(QoS NSIS Entity)との間におけるQoS状態の確保、ヘッダのコンプレッション(HC)など)を行う必要がある。しかし、これらの処理を始めから行うと負荷が大きいため時間がかかってしまう。そこで、上述したCTPが用いられる。CTPは、MN10とMN10が接続するARとの間でCTD(ConText Data)を持ち続けるよう仮定する。CTDとは、MN10とARとの間で設定された環境の情報などであり、例えばAAA(Authentication Authorization Accounting)の情報、QoSに関する情報、ヘッダのコンプレッション情報、MN10、AR、CN間でのIPsec SAなどの情報を言う。
図14に示すように、MN10とMN10の移動前のARであるpAR(previous AR)は、両者間のCTDに関するコンテキスト情報を有しており、MN10がハンドオーバーをすると、あるトリガによりMN10は新たな接続先のARであるnAR(new AR)に対して、pARからCTDを取得するよう指示するCTAR(ConText Act Request)を送信する。このとき、CTARにはpARに関する情報やコンテキスト情報などが含まれていてもよい。CTARを受信したnARは、pARに対してCTDの取得要求を示すCT−reqを送信し、pARはCT−reqの受信に基づいて自身が有するCTDをnARに送信する。こうすることにより、始めからすべてのプロトコルフローをせずに素早く必要なプロトコル状態を再構築できる。なお、この方法はMN10やpARが上述のようなコンテキスト情報を有さない場合にも実現可能であるが、この場合にはMN10、pAR、nARの三者の間の信用が前提となる。
また、上述した従来のハンドオーバーによって時間がかかってしまう問題を回避するための他の方法について図15を用いて説明する。図15に示すように、MN10はあるトリガに基づいてハンドオーバーを開始する。そのとき、MN10はpARに対してCTARを送信する。CTARを受信したpARは、CARD(Candidate Access Router Discovery)情報(下記の非特許文献2を参照)を有するCARDデータベースに対してCARD情報を取得するための取得要求であるCARD reqを送信し、CARDデータベースからCARD replyによりCARD情報を取得する。CARD情報とは、MN10の次の接続先の候補となるARの情報を予測するための情報などを言う。pARはCARD情報に基づいてCTDをnARに送信する。そして、MN10がハンドオーバーを完了すると、MN10はCTAR(確認用)をnARに送信する。こうすることにより、ハンドオーバーが完了する前にCTDがnARに送信される場合があり、より素早く必要なプロトコル状態を再構築できる。
J. Loughney(editor)et al., "Context Transfer Protocol(draft-ietf-seamoby-ctp-11.txt)",Internet Draft,Internet Engineering Task Force,Work in Progress
Marco Liebsch(editor)et al.,"Candidate Access Router Discovery(draft-ietf-seamoby-card-protocol-08.txt)",Internet Draft,Internet Engineering Task Force,Work in Progress
(draft-ietf-seamoby-ctp-11.txt), Internet Draft,Internet Engineering Task Force,Work in Progress
しかしながら、MN10のハンドオーバーには時間がかかる。すなわち、レイヤ1のサーチ、レイヤ2のプロトコル状態の再構築、レイヤ3やその上位のレイヤのプロトコル状態の再構築などに時間がかかる。また、WLANがカバーするホットスポットが3G内に配置されていないかもしれない。すなわち、nARがpARから大変遠くに存在するかもしれない。また、コンピュータプロセッシングにおいて見られるように(上記の非特許文献3を参照)、CTDがメインメモリなどの資源の節約のため所定の時間が経過すると休止し(ドーマント(dormant)状態)、その後更に所定の時間が経過すると消滅する場合において、図16Aに示す場合ではpARでCTDが消滅する前にnARにCTDが送信されたためにCTDは消滅しなかったが、図16Bに示す場合ではpARからnARにCTDが到達する前に所定の時間が経過したためにCTDが消滅してしまった。このように、pARがnARから大変遠く(遠方)に存在する場合には図16Bに示すようなことが起こり得る。そして、CTDの転送がうまくされずにCTDが消滅してしまった場合などの場合には、図17に示すように、プロトコル状態の再構築(セットアップ)をしなければならず、時間がかかり要求するデータレートで通信を行うことができない。
本発明は、上記問題を解決するためのものであり、ハンドオーバー後に、新たに始めからすべてのプロトコル状態の構築をせずに通信を継続することができる移動通信制御方法、移動端末及びアクセスルータを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明によれば、複数の異なる通信網にそれぞれ対応する複数のインターフェースを有し、前記複数の異なる通信網のそれぞれの領域における通信を前記それぞれ対応する複数のインターフェースを介して行う移動端末が、前記複数の異なる通信網のうち所定の通信網のサブネットを構成する第1のアクセスルータを介して通信相手と通信を行い、その後の前記移動端末のハンドオーバーにより前記所定の通信網の他のサブネットを構成する第2のアクセスルータを介して前記通信相手と通信を行う際に継続して効率的に通信を行うための移動通信制御方法であって、前記移動端末が、前記第1のアクセスルータを介して行う通信の環境に関する、所定の時間経過後に消滅するよう構成された通信環境情報を有するアクセスルータに対して、前記通信環境情報を所定の時間経過後に消滅させないようにするための維持要求メッセージを前記複数のインターフェースのいずれかを介して送信するステップと、前記維持要求メッセージを受信した前記アクセスルータが、前記維持要求メッセージに基づいて経過する消滅までの所定時間をリセットするステップと、前記第2のアクセスルータが、維持された前記通信環境情報に基づいて、自身を介して行われる前記移動端末の通信の通信環境を構築するステップとを有する移動通信制御方法が提供される。この構成により、ハンドオーバー後に、新たに始めからすべてのプロトコル状態の構築をせずに通信を継続することができる。
また、本発明の移動通信制御方法において、前記移動端末が、前記通信環境情報が消滅するまでの前記所定時間よりも短い時間間隔で定期的に前記維持要求メッセージを送信することは、本発明の好ましい態様である。この構成により、通信環境情報が消滅することを防ぐことができる。
また、本発明の移動通信制御方法において、前記移動端末が、自身のハンドオーバーが完了するまでの間、前記通信環境情報を有する前記第1のアクセスルータに対して前記維持要求メッセージを前記複数のインターフェースのいずれかを介して送信することは、本発明の好ましい態様である。この構成により、通信環境情報が第2のアクセスルータに引き渡される前に消滅することを防ぐことができる。
また、本発明の移動通信制御方法において、前記移動端末が、前記第1のアクセスルータが有する前記通信環境情報を取得するよう指示する通信環境情報取得メッセージを前記第2のアクセスルータに送信し、前記通信環境情報取得メッセージに基づいて前記通信環境情報を取得した前記第2のアクセスルータに対して、前記維持要求メッセージを前記複数のインターフェースのいずれかを介して送信することは、本発明の好ましい態様である。この構成により、移動端末のハンドオーバー後により早く通信を確立することができる。
また、本発明の移動通信制御方法において、前記第1のアクセスルータが、前記通信環境情報を前記第2のアクセスルータに送信した旨を前記移動端末に送信することは、本発明の好ましい態様である。この構成により、移動端末は維持要求メッセージを送信するタイミングを判断することができる。
また、本発明の移動通信制御方法において、前記移動端末が、自身のハンドオーバーが完了するまでの間、前記通信環境情報を有する前記第1のアクセスルータに対して前記維持要求メッセージを前記複数のインターフェースのいずれかを介して送信し、前記ハンドオーバーが完了した後は、前記第1のアクセスルータが有する前記通信環境情報を取得するよう指示する通信環境情報取得メッセージを前記第2のアクセスルータに送信し、前記通信環境情報取得メッセージに基づいて前記通信環境情報を取得した前記第2のアクセスルータに対して、前記維持要求メッセージを前記複数のインターフェースのいずれかを介して送信することは、本発明の好ましい態様である。この構成により、通信環境情報が第1のアクセスルータにあっても第2のアクセスルータにあっても、通信環境情報の消滅を防ぐことができる。
また、本発明の移動通信制御方法において、前記第1のアクセスルータが、前記通信環境情報を前記第2のアクセスルータに送信した旨を前記移動端末に送信することは、本発明の好ましい態様である。この構成により、移動端末は維持要求メッセージを送信するタイミングを判断することができる。
また、本発明の移動通信制御方法において、前記移動端末が、ハンドオーバー先のアクセスルータを予測するための予測情報を提供するアクセスルータ予測情報提供端末から前記予測情報を取得し、取得された前記予測情報に基づく前記第2のアクセスルータに対して、前記第1のアクセスルータが有する前記通信環境情報を取得するよう指示する通信環境情報取得メッセージを送信し、受信した前記通信環境情報取得メッセージに基づいて前記通信環境情報を取得した前記第2のアクセスルータに対して、前記維持要求メッセージを前記複数のインターフェースのいずれかを介して送信することは、本発明の好ましい態様である。この構成により、ハンドオーバー先を容易に予測でき、移動端末のハンドオーバー後により早く通信を確立することができる。
また、本発明の移動通信制御方法において、前記第1のアクセスルータが、前記通信環境情報を前記第2のアクセスルータに送信した旨を前記移動端末に送信することは、本発明の好ましい態様である。この構成により、移動端末は維持要求メッセージを送信するタイミングを判断することができる。
また、本発明の移動通信制御方法において、前記移動端末が、前記通信環境情報を有する前記第1のアクセスルータに対して前記維持要求メッセージを前記複数のインターフェースのいずれかを介して送信するとともに、ハンドオーバー先のアクセスルータを予測するための予測情報を提供するアクセスルータ予測情報提供端末から取得した前記予測情報に基づく前記第2のアクセスルータに対して、前記第1のアクセスルータが有する前記通信環境情報を取得するよう指示する通信環境情報取得メッセージを送信し、受信した前記通信環境情報取得メッセージに基づいて前記通信環境情報を取得した前記第2のアクセスルータに対して、前記維持要求メッセージを前記複数のインターフェースのいずれかを介して送信することは、本発明の好ましい態様である。この構成により、ハンドオーバー先を容易に予測でき、通信環境情報が第1のアクセスルータにあっても第2のアクセスルータにあっても、通信環境情報の消滅を防ぐことができる。
また、本発明の移動通信制御方法において、前記第1のアクセスルータが、前記通信環境情報を前記第2のアクセスルータに送信した旨を前記移動端末に送信することは、本発明の好ましい態様である。この構成により、移動端末は維持要求メッセージを送信するタイミングを判断することができる。
また、本発明によれば、複数の異なる通信網にそれぞれ対応する複数のインターフェースを有し、前記複数の異なる通信網のそれぞれの領域における通信を前記それぞれ対応する複数のインターフェースを介して行う移動端末が、前記複数の異なる通信網のうち所定の通信網のサブネットを構成する第1のアクセスルータを介して通信相手と通信を行い、その後の前記移動端末のハンドオーバーにより前記所定の通信網の他のサブネットを構成する第2のアクセスルータを介して前記通信相手と通信を行う際に継続して効率的に通信を行うための移動通信制御方法であって、前記移動端末が、前記第1のアクセスルータを介して行う通信の環境に関する、所定の時間経過後に消滅するよう構成された通信環境情報を有する前記第1のアクセスルータの前記通信環境情報が所定の時間経過によって消滅する前に、前記第2のアクセスルータに対して、前記通信環境情報を取得するよう指示する通信環境情報取得メッセージを前記複数のインターフェースのうちの所定のインターフェースを介して送信するステップと、前記第2のアクセスルータが、前記通信環境情報取得メッセージに基づいて前記通信環境情報を前記第1のアクセスルータから取得し、取得された前記通信環境情報に基づいて、自身を介して行われる前記移動端末の通信の通信環境を構築するステップとを有する移動通信制御方法が提供される。この構成により、ハンドオーバー後に、新たに始めからすべてのプロトコル状態の構築をせずに通信を継続することができる。
また、本発明の移動通信制御方法において、前記移動端末が、前記通信環境情報取得メッセージを送信する先の前記第2のアクセスルータを、ハンドオーバー先のアクセスルータを予測するための予測情報を提供するアクセスルータ予測情報提供端末から取得した前記予測情報に基づいて決定することは、本発明の好ましい態様である。この構成により、容易に移動端末のハンドオーバー先を予測することができる。
また、本発明によれば、複数の異なる通信網にそれぞれ対応する複数のインターフェースを有し、前記複数の異なる通信網のそれぞれの領域における通信を前記それぞれ対応する複数のインターフェースを介して行う移動端末が、前記複数の異なる通信網のうち所定の通信網のサブネットを構成する第1のアクセスルータを介して通信相手と通信を行い、その後の前記移動端末のハンドオーバーにより前記所定の通信網の他のサブネットを構成する第2のアクセスルータを介して前記通信相手と通信を行う際に継続して効率的に通信を行うための移動通信制御方法で用いられる前記移動端末であって、前記第1のアクセスルータを介して行う通信の環境に関する、所定の時間経過後に消滅するよう構成された通信環境情報を有するアクセスルータに対して、前記通信環境情報を所定の時間経過後に消滅させないようにするための維持要求メッセージを生成する生成手段と、生成された前記維持要求メッセージを前記複数のインターフェースのいずれかを介して送信する送信手段とを備える移動端末が提供される。この構成により、ハンドオーバー後に、新たに始めからすべてのプロトコル状態の構築をせずに通信を継続することができる。
また、本発明の移動端末において、前記送信手段が、前記通信環境情報が消滅するまでの所定時間よりも短い時間間隔で定期的に前記維持要求メッセージを送信することは、本発明の好ましい態様である。この構成により、通信環境情報が消滅することを防ぐことができる。
また、本発明の移動端末において、前記送信手段が、自身のハンドオーバーが完了するまでの間、前記通信環境情報を有する前記第1のアクセスルータに対して前記維持要求メッセージを前記複数のインターフェースのいずれかを介して送信することは、本発明の好ましい態様である。この構成により、通信環境情報が第2のアクセスルータに引き渡される前に消滅することを防ぐことができる。
また、本発明の移動端末において、前記送信手段が、前記第1のアクセスルータが有する前記通信環境情報を取得するよう指示する通信環境情報取得メッセージを前記第2のアクセスルータに送信し、前記通信環境情報取得メッセージに基づいて前記通信環境情報を取得した前記第2のアクセスルータに対して、前記維持要求メッセージを前記複数のインターフェースのいずれかを介して送信することは、本発明の好ましい態様である。この構成により、移動端末のハンドオーバー後により早く通信を確立することができる。
また、本発明の移動端末において、前記移動端末が、外部からのメッセージを受信する受信手段を更に備え、前記受信手段が、前記通信環境情報を前記第2のアクセスルータに送信した旨を前記第1のアクセスルータから受信することは、本発明の好ましい態様である。この構成により、移動端末は維持要求メッセージを送信するタイミングを判断することができる。
また、本発明の移動端末において、前記送信手段が、自身のハンドオーバーが完了するまでの間、前記通信環境情報を有する前記第1のアクセスルータに対して前記維持要求メッセージを前記複数のインターフェースのいずれかを介して送信し、前記ハンドオーバーが完了した後は、前記第1のアクセスルータが有する前記通信環境情報を取得するよう指示する通信環境情報取得メッセージを前記第2のアクセスルータに送信し、前記通信環境情報取得メッセージに基づいて前記通信環境情報を取得した前記第2のアクセスルータに対して、前記維持要求メッセージを前記複数のインターフェースのいずれかを介して送信することは、本発明の好ましい態様である。この構成により、通信環境情報が第1のアクセスルータにあっても第2のアクセスルータにあっても、通信環境情報の消滅を防ぐことができる。
また、本発明の移動端末が、外部からのメッセージを受信する受信手段を更に備え、前記受信手段が、前記通信環境情報を前記第2のアクセスルータに送信した旨を前記第1のアクセスルータから受信することは、本発明の好ましい態様である。この構成により、移動端末は維持要求メッセージを送信するタイミングを判断することができる。
また、本発明の移動端末において、前記送信手段が、ハンドオーバー先のアクセスルータを予測するための予測情報を提供するアクセスルータ予測情報提供端末から前記予測情報を取得し、取得された前記予測情報に基づく前記第2のアクセスルータに対して前記第1のアクセスルータが有する前記通信環境情報を取得するよう指示する通信環境情報取得メッセージを送信し、受信した前記通信環境情報取得メッセージに基づいて前記通信環境情報を取得した前記第2のアクセスルータに対して、前記維持要求メッセージを前記複数のインターフェースのいずれかを介して送信することは、本発明の好ましい態様である。この構成により、ハンドオーバー先を容易に予測でき、移動端末のハンドオーバー後により早く通信を確立することができる。
また、本発明の移動端末が、外部からのメッセージを受信する受信手段を更に備え、前記受信手段が、前記通信環境情報を前記第2のアクセスルータに送信した旨を前記第1のアクセスルータから受信することは、本発明の好ましい態様である。この構成により、移動端末は維持要求メッセージを送信するタイミングを判断することができる。
また、本発明の移動端末において、前記送信手段が、前記通信環境情報を有する前記第1のアクセスルータに対して前記維持要求メッセージを前記複数のインターフェースのいずれかを介して送信するとともに、ハンドオーバー先のアクセスルータを予測するための予測情報を提供するアクセスルータ予測情報提供端末から取得した前記予測情報に基づく前記第2のアクセスルータに対して、前記第1のアクセスルータが有する前記通信環境情報を取得するよう指示する通信環境情報取得メッセージを送信し、受信した前記通信環境情報取得メッセージに基づいて前記通信環境情報を取得した前記第2のアクセスルータに対して、前記維持要求メッセージを前記複数のインターフェースのいずれかを介して送信することは、本発明の好ましい態様である。この構成により、ハンドオーバー先を容易に予測でき、通信環境情報が第1のアクセスルータにあっても第2のアクセスルータにあっても、通信環境情報の消滅を防ぐことができる。
また、本発明の移動端末が、外部からのメッセージを受信する受信手段を更に備え、前記受信手段が、前記通信環境情報を前記第2のアクセスルータに送信した旨を前記第1のアクセスルータから受信することは、本発明の好ましい態様である。この構成により、移動端末は維持要求メッセージを送信するタイミングを判断することができる。
また、本発明によれば、複数の異なる通信網にそれぞれ対応する複数のインターフェースを有し、前記複数の異なる通信網のそれぞれの領域における通信を前記それぞれ対応する複数のインターフェースを介して行う移動端末が、前記複数の異なる通信網のうち所定の通信網のサブネットを構成する第1のアクセスルータを介して通信相手と通信を行い、その後の前記移動端末のハンドオーバーにより前記所定の通信網の他のサブネットを構成する第2のアクセスルータを介して前記通信相手と通信を行う際に継続して効率的に通信を行うための移動通信制御方法で用いられる前記移動端末であって、前記第1のアクセスルータを介して行う通信の環境に関する、所定の時間経過後に消滅するよう構成された通信環境情報を有する前記第1のアクセスルータの前記通信環境情報が所定の時間経過によって消滅する前に、前記第2のアクセスルータに対して、前記通信環境情報を取得するよう指示する通信環境情報取得メッセージを生成する生成手段と、生成された前記通信環境情報取得メッセージを前記複数のインターフェースのうちの所定のインターフェースを介して送信する送信手段とを備える移動端末が提供される。この構成により、ハンドオーバー後に、新たに始めからすべてのプロトコル状態の構築をせずに通信を継続することができる。
また、本発明の移動端末において、前記通信環境情報取得メッセージを送信する先の前記第2のアクセスルータを、ハンドオーバー先のアクセスルータを予測するための予測情報を提供するアクセスルータ予測情報提供端末から取得した前記予測情報に基づいて決定する決定手段を更に備えることは、本発明の好ましい態様である。この構成により、容易に移動端末のハンドオーバー先を予測することができる。
また、本発明によれば、複数の異なる通信網にそれぞれ対応する複数のインターフェースを有し、前記複数の異なる通信網のそれぞれの領域における通信を前記それぞれ対応する複数のインターフェースを介して行う移動端末が、前記複数の異なる通信網のうち所定の通信網のサブネットを構成する第1のアクセスルータを介して通信相手と通信を行い、その後の前記移動端末のハンドオーバーにより前記所定の通信網の他のサブネットを構成する第2のアクセスルータを介して前記通信相手と通信を行う際に継続して効率的に通信を行うための移動通信制御方法で用いられるアクセスルータであって、前記アクセスルータが前記第1のアクセスルータとして処理を行う場合には、前記第1のアクセスルータを介して行う通信の環境に関する、所定の時間経過後に消滅するよう構成された通信環境情報を、所定の時間経過後に消滅させないようにするための維持要求メッセージを前記複数のインターフェースのいずれかを介して前記移動端末から、前記移動端末のハンドオーバーが完了するまでの間、受信し、前記維持要求メッセージを受信すると経過する消滅までの所定時間をリセットし、前記アクセスルータが前記第2のアクセスルータとして処理を行う場合には、前記第1のアクセスルータにおいて維持された前記通信環境情報を取得し、取得された前記通信環境情報に基づいて、自身を介して行われる前記移動端末の通信の通信環境を構築するアクセスルータが提供される。この構成により、ハンドオーバー後に、新たに始めからすべてのプロトコル状態の構築をせずに通信を継続することができる。
また、本発明によれば、複数の異なる通信網にそれぞれ対応する複数のインターフェースを有し、前記複数の異なる通信網のそれぞれの領域における通信を前記それぞれ対応する複数のインターフェースを介して行う移動端末が、前記複数の異なる通信網のうち所定の通信網のサブネットを構成する第1のアクセスルータを介して通信相手と通信を行い、その後の前記移動端末のハンドオーバーにより前記所定の通信網の他のサブネットを構成する第2のアクセスルータを介して前記通信相手と通信を行う際に継続して効率的に通信を行うための移動通信制御方法で用いられるアクセスルータであって、前記アクセスルータが前記第2のアクセスルータとして処理を行う場合には、前記第1のアクセスルータが有する、前記第1のアクセスルータを介して行う通信の環境に関する、所定の時間経過後に消滅するよう構成された通信環境情報を取得するよう指示する通信環境情報取得メッセージを前記移動端末から受信し、受信した前記通信環境情報取得メッセージに基づいて前記通信環境情報を取得し、前記通信環境情報を所定の時間経過後に消滅させないようにするための維持要求メッセージを前記複数のインターフェースのいずれかを介して前記移動端末から受信し、前記維持要求メッセージを受信すると経過する消滅までの所定時間をリセットし、維持された前記通信環境情報に基づいて自身を介して行われる前記移動端末の通信の通信環境を構築するアクセスルータが提供される。この構成により、ハンドオーバー後に、新たに始めからすべてのプロトコル状態の構築をせずに通信を継続することができる。
また、本発明のアクセスルータが前記第1のアクセスルータとして処理を行う場合に、前記通信環境情報が前記第2のアクセスルータに取得された後、前記移動端末に対して前記通信環境情報が取得された旨を通知することは、本発明の好ましい態様である。この構成により、移動端末は維持要求メッセージを送信するタイミングを判断することができる。
また、本発明によれば、複数の異なる通信網にそれぞれ対応する複数のインターフェースを有し、前記複数の異なる通信網のそれぞれの領域における通信を前記それぞれ対応する複数のインターフェースを介して行う移動端末が、前記複数の異なる通信網のうち所定の通信網のサブネットを構成する第1のアクセスルータを介して通信相手と通信を行い、その後の前記移動端末のハンドオーバーにより前記所定の通信網の他のサブネットを構成する第2のアクセスルータを介して前記通信相手と通信を行う際に継続して効率的に通信を行うための移動通信制御方法で用いられるアクセスルータであって、前記アクセスルータが前記第1のアクセスルータとして処理を行う場合には、前記第1のアクセスルータを介して行う通信の環境に関する、所定の時間経過後に消滅するよう構成された通信環境情報を、所定の時間経過後に消滅させないようにするための維持要求メッセージを前記複数のインターフェースのいずれかを介して前記移動端末から、前記移動端末のハンドオーバーが完了するまでの間、受信し、前記維持要求メッセージを受信すると経過する消滅までの所定時間をリセットし、前記アクセスルータが前記第2のアクセスルータとして処理を行う場合には、前記第1のアクセスルータが有する前記通信環境情報を取得するよう指示する通信環境情報取得メッセージを前記移動端末から受信し、受信した前記通信環境情報取得メッセージに基づいて前記通信環境情報を取得し、前記維持要求メッセージを前記複数のインターフェースのいずれかを介して前記移動端末から受信し、前記維持要求メッセージを受信すると経過する消滅までの所定時間をリセットし、維持された前記通信環境情報に基づいて、自身を介して行われる前記移動端末の通信の通信環境を構築するアクセスルータが提供される。この構成により、ハンドオーバー後に、新たに始めからすべてのプロトコル状態の構築をせずに通信を継続することができる。
また、本発明のアクセスルータが前記第1のアクセスルータとして処理を行う場合に、前記通信環境情報が前記第2のアクセスルータに取得された後、前記移動端末に対して前記通信環境情報が取得された旨を通知することは、本発明の好ましい態様である。この構成により、移動端末は維持要求メッセージを送信するタイミングを判断することができる。
また、本発明によれば、複数の異なる通信網にそれぞれ対応する複数のインターフェースを有し、前記複数の異なる通信網のそれぞれの領域における通信を前記それぞれ対応する複数のインターフェースを介して行う移動端末が、前記複数の異なる通信網のうち所定の通信網のサブネットを構成する第1のアクセスルータを介して通信相手と通信を行い、その後の前記移動端末のハンドオーバーにより前記所定の通信網の他のサブネットを構成する第2のアクセスルータを介して前記通信相手と通信を行う際に継続して効率的に通信を行うための移動通信制御方法で用いられるアクセスルータであって、前記アクセスルータが前記第2のアクセスルータとして処理を行う場合には、前記第1のアクセスルータが有する、前記第1のアクセスルータを介して行う通信の環境に関する、所定の時間経過後に消滅するよう構成された通信環境情報を取得するよう指示する通信環境情報取得メッセージを前記移動端末から受信し、受信した前記通信環境情報取得メッセージに基づいて前記通信環境情報を取得し、前記通信環境情報を所定の時間経過後に消滅させないようにするための維持要求メッセージを前記複数のインターフェースのいずれかを介して前記移動端末から受信し、前記維持要求メッセージを受信すると経過する消滅までの所定時間をリセットし、維持された前記通信環境情報に基づいて、自身を介して行われる前記移動端末の通信の通信環境を構築するアクセスルータが提供される。この構成により、ハンドオーバー後に、新たに始めからすべてのプロトコル状態の構築をせずに通信を継続することができる。
また、本発明のアクセスルータが前記第1のアクセスルータとして処理を行う場合、前記通信環境情報が前記第2のアクセスルータに取得された後、前記移動端末に対して前記通信環境情報が取得された旨を通知することは、本発明の好ましい態様である。この構成により、移動端末は維持要求メッセージを送信するタイミングを判断することができる。
また、本発明によれば、複数の異なる通信網にそれぞれ対応する複数のインターフェースを有し、前記複数の異なる通信網のそれぞれの領域における通信を前記それぞれ対応する複数のインターフェースを介して行う移動端末が、前記複数の異なる通信網のうち所定の通信網のサブネットを構成する第1のアクセスルータを介して通信相手と通信を行い、その後の前記移動端末のハンドオーバーにより前記所定の通信網の他のサブネットを構成する第2のアクセスルータを介して前記通信相手と通信を行う際に継続して効率的に通信を行うための移動通信制御方法で用いられるアクセスルータであって、前記アクセスルータが前記第1のアクセスルータとして処理を行う場合には、前記第1のアクセスルータを介して行う通信の環境に関する、所定の時間経過後に消滅するよう構成された通信環境情報を、所定の時間経過後に消滅させないようにするための維持要求メッセージを前記複数のインターフェースのいずれかを介して前記移動端末から受信し、前記維持要求メッセージを受信すると経過する消滅までの所定時間をリセットし、前記アクセスルータが前記第2のアクセスルータとして処理を行う場合には、前記第1のアクセスルータが有する前記通信環境情報を取得するよう指示する通信環境情報取得メッセージを前記移動端末から受信し、受信した前記通信環境情報取得メッセージに基づいて前記通信環境情報を取得し、前記維持要求メッセージを前記複数のインターフェースのいずれかを介して前記移動端末から受信し、前記維持要求メッセージを受信すると経過する消滅までの所定時間をリセットし、維持された前記通信環境情報に基づいて、自身を介して行われる前記移動端末の通信の通信環境を構築するアクセスルータが提供される。この構成により、ハンドオーバー後に、新たに始めからすべてのプロトコル状態の構築をせずに通信を継続することができる。
また、本発明のアクセスルータが前記第1のアクセスルータとして処理を行う場合、前記通信環境情報が前記第2のアクセスルータに取得された後、前記移動端末に対して前記通信環境情報が取得された旨を通知することは、本発明の好ましい態様である。この構成により、移動端末は維持要求メッセージを送信するタイミングを判断することができる。
また、本発明のアクセスルータにおいて、前記通信環境情報が消滅するまでの前記所定時間よりも短い時間間隔で定期的に前記維持要求メッセージを前記移動端末から受信することは、本発明の好ましい態様である。この構成により、通信環境情報が消滅することを防ぐことができる。
また、本発明によれば、複数の異なる通信網にそれぞれ対応する複数のインターフェースを有し、前記複数の異なる通信網のそれぞれの領域における通信を前記それぞれ対応する複数のインターフェースを介して行う移動端末が、前記複数の異なる通信網のうち所定の通信網のサブネットを構成する第1のアクセスルータを介して通信相手と通信を行い、その後の前記移動端末のハンドオーバーにより前記所定の通信網の他のサブネットを構成する第2のアクセスルータを介して前記通信相手と通信を行う際に継続して効率的に通信を行うための移動通信制御方法で用いられるアクセスルータであって、前記アクセスルータが前記第2のアクセスルータとして処理を行う場合には、前記第1のアクセスルータを介して行う通信の環境に関する、所定の時間経過後に消滅するよう構成された通信環境情報を有する前記第1のアクセスルータの前記通信環境情報が所定の時間経過によって消滅される前に、前記通信環境情報を取得するよう指示する通信環境情報取得メッセージを前記複数のインターフェースのうちの所定のインターフェースを介して前記移動端末から受信し、受信された前記通信環境情報取得メッセージに基づいて、前記通信環境情報を前記第1のアクセスルータから取得し、取得された前記通信環境情報に基づいて自身を介して行われる前記移動端末の通信の通信環境を構築するアクセスルータが提供される。この構成により、ハンドオーバー後に、新たに始めからすべてのプロトコル状態の構築をせずに通信を継続することができる。
また、本発明のアクセスルータにおいて、前記移動端末から受信する前記通信環境情報取得メッセージの送信先が、ハンドオーバー先のアクセスルータを予測するための予測情報を提供するアクセスルータ予測情報提供端末から取得した前記予測情報に基づいて決定されることは、本発明の好ましい態様である。この構成により、容易に移動端末のハンドオーバー先を予測することができる。
本発明の移動通信制御方法、移動端末及びアクセスルータは、上記構成を有し、ハンドオーバー後に、新たに始めからすべてのプロトコル状態の構築をせずに通信を継続することができる。
本発明の第1から第6の実施の形態における移動端末が移動する通信領域を示す図
本発明の第1の実施の形態に係る移動通信制御方法における動作シーケンスの一例について説明するためのシーケースチャート
本発明の第1の実施の形態に係る移動端末の構成の一例を示す構成図
本発明の第1の実施の形態に係るアクセスルータの構成の一例を示す構成図
本発明の第2の実施の形態に係る移動通信制御方法における動作シーケンスの一例について説明するためのシーケースチャート
本発明の第3の実施の形態に係る移動通信制御方法における動作シーケンスの一例について説明するためのシーケースチャート
本発明の第4の実施の形態に係る移動通信制御方法における動作シーケンスの一例について説明するためのシーケースチャート
本発明の第5の実施の形態に係る移動通信制御方法における動作シーケンスの一例について説明するためのシーケースチャート
本発明の第6の実施の形態に係る移動通信制御方法における動作シーケンスの一例について説明するためのシーケースチャート
本発明の第6の実施の形態に係るアクセスルータの構成の一例を示す構成図
本発明の第1から第6の実施の形態に係る移動通信制御方法以外における動作シーケンスの一例について説明するためのシーケースチャート
従来の移動端末が移動する通信領域を示す図
従来の移動端末のハンドオーバーについて説明するための図
従来のCTDを用いた移動端末のハンドオーバーについて説明するための図
従来のCTDを用いた移動端末の他のハンドオーバーについて説明するための図
従来のCTDを用いた移動端末のハンドオーバー後のCTDの受け渡しが成功した際のシーケンスチャート
従来のCTDを用いた移動端末のハンドオーバー後のCTDの受け渡しが失敗した際のシーケンスチャート
従来の移動端末のハンドオーバーによる実際のデータレートを示す図
<第1の実施の形態>
以下、本発明の第1の実施の形態に係る移動通信制御方法、移動端末及びアクセスルータについて図1から図4を用いて説明する。まず、図1に示すように、複数のインターフェースを有する移動端末(MN)100が複数の異なる通信網内を移動しながら通信相手と通信している。異なる通信網として、例えば3Gセルラー網やWLANなどが挙げられ、以下の説明では2つの異なる通信網を用いて説明するが、2つの異なる通信網に限られるものではなく、より多くの異なる通信網があってもよい。図1に示すように、3G用とWLAN用の2つのインターフェースを有するMN100は、3GとWLANとで構成された領域を移動しながら通信している。この場合、3Gのインターフェースは常にオン(起動)しているが、WLANのインターフェースは、MN100がWLANの通信領域であるWALNホットスポット101、102、103(後述するアクセスルータが構成するサブネット)内に入った場合に高いデータレートで通信を行うために起動する。
ここで、本発明の第1の実施の形態に係る移動通信制御方法における動作シーケンスの一例について図2を用いて説明する。まず、MN100は、WLANホットスポットである1つのサブネットを構成するアクセスルータ(AR)を介して所定の通信相手と通信をしている。そのARをここではpAR200とする。MN100とpAR200との間では、通信を行う際の通信環境(コンテキストデータ:CTD)が生成され、通信が確立されている。ここで、CTDは、上述したAAAの情報、QoSに関する情報、ヘッダのコンプレッション情報、MN100、pAR200、不図示の通信相手のCN間でのIPsec SAなどの情報である。このCTDは、所定の時間が経過すると休止状態(ドーマント状態)に入り、さらに所定の時間が経過すると消滅するよう構成されている。
ここで、MN100は、ハンドオーバーをしてもハンドオーバー先のnAR201を介して不図示の通信相手とできるだけ途切れなく継続してハンドオーバー前と同様の通信を行いたいと考える。それを解決するため、ハンドオーバー前に生成されているCTDをハンドオーバー先で用い、素早くハンドオーバー先での通信の確立をすることが考えられる。しかし、上述したように、CTDは所定の時間が経過すると消滅してしまうため、消滅しないような処理をしなければならない。消滅しないような処理は、nAR201がpAR200から遠方にある場合に特に有効である。
そこで、図2に示すように、MN100は、CTDが消滅する前に消滅させないようにするための維持要求メッセージをpAR200に対して送信する。なお、維持要求メッセージは、3G若しくはWLANのインターフェースを介して送信される。また、維持要求メッセージは、CTDが消滅するまでの時間間隔T2よりも短い時間間隔T3で定期的に送信されることが望ましい。ただし、維持要求メッセージは送信途中で失われる場合があり、その場合CTDは消滅してしまう可能性があるため、時間間隔T3はより短い時間間隔であるほうがよい。
MN100は、pAR200との通信が開始されると、pAR200に対して維持要求メッセージを時間間隔T3で定期的に送信する。その後、MN100がハンドオーバーを開始しハンドオーバーが完了するまで、維持要求メッセージは定期的に送信される。そして、MN100がハンドオーバーを完了すると、MN100はnAR201に対してCTDをpAR200から取得するよう指示するCTAR(ConText Act Request:上述した通信環境情報取得メッセージに相当)を送信する。CTARを受信したnAR201は、pAR200に対してCTDを送信してくれるよう要求するCT−req(ConText Request)を送信し、CTDを取得する。そして、nAR201は、取得したCTDに基づいて自身を介して行われるMN100の通信を確立する。
次に、本発明の第1の実施の形態に係る移動端末(MN)について図3を用いて説明する。図3はMN100の構成の一例を示す構成図である。図3に示すように、MN100は、受信手段300、メッセージ生成手段301、送信手段302から構成されている。なお、構成要素は、これらに限られるものではなく、MN100自身の動作を制御するための制御手段や情報の記憶手段などがあってもよい。受信手段300は、例えば、通信相手からの情報を受信したり、ハンドオーバーを開始するトリガとなる電波などを受信したりするものである。
メッセージ生成手段301は、CTDを有するpAR200に対して送信する維持要求メッセージやCTDを取得するよう指示するCTARを生成するものである。例えば、メッセージ生成手段301は、MN100とpAR200との通信が確立されると同時に維持要求メッセージを生成し、MN100のハンドオーバーが完了すると同時にCTARを生成する。送信手段302は、メッセージ生成手段301によって生成された維持要求メッセージをpAR200に送信したり、生成されたCTARをnAR201に送信したりするものである。例えば、送信手段302は、メッセージ生成手段301によって生成された維持要求メッセージをpAR200に送信する際、CTDが消滅しないような時間間隔で定期的に送信する。
次に、本発明の第1の実施の形態に係るアクセスルータについて図4を用いて説明する。図4はアクセスルータの構成の一例を示す構成図である。図4に示すように、アクセスルータは、受信手段400、時間リセット手段401、送信手段402、構築手段403から構成されている。なお、構成要素は、これらに限られるものではなく、アクセスルータ自身の動作を制御するための制御手段や情報の記憶手段などがあってもよい。受信手段400は、MN100やMN100の通信相手などからの情報や、他のアクセスルータから情報の取得要求のメッセージなどを受信するものである。例えば、受信手段400は、CTDを有している場合にMN100から維持要求メッセージを受信したり、MN100から他のアクセスルータが有するCTDを取得するよう指示するCTARを受信したり、CTARに基づいてCTDを送信してくれるよう要求するCT−reqを受信したり、CT−reqに基づいてCTDを受信したりする。
時間リセット手段401は、例えば、アクセスルータがCTDを有している場合に、MN100から送信される維持要求メッセージに基づいて、経過するCTDが消滅するまでの所定時間をリセット(CTDの消滅するまでの時間を始めからカウントさせるようにする処理)するものである。送信手段402は、例えば、MN100から送信されたCTARに基づいてCT−reqをCTDを有するアクセスルータに送信したり、受信したCT−reqに基づいてCTDを送信したりするものである。構築手段403は、例えば、受信手段400によって受信されたCTDに基づいて、MN100の新たな通信を確立するものである。なお、これらの構成要素はすべてのアクセスルータに組み込まれているが、アクセスルータが上述したpAR200として動作する場合とnAR201として動作する場合とでは用いられる構成要素及び処理は異なる。
<第2の実施の形態>
以下、本発明の第2の実施の形態に係る移動通信制御方法、移動端末及びアクセスルータについて図3から図5を用いて説明する。第2の実施の形態におけるMNが移動する領域の環境は第1の実施の形態のものと同様であるため説明は省略する。まず、本発明の第2の実施の形態に係る移動通信制御方法における動作シーケンスの一例について図5を用いて説明する。図5に示すように、第2の実施の形態においても第1の実施の形態と同様、MN500とpAR501との間にはCTDが生成され、通信が確立されている。このような状態において、MN500は、nAR502に対してpAR501が有するCTDを取得するよう指示するCTARを送信する。nAR502は、受信したCTARに基づいて、pAR501に対してCTDを送信してくれるよう要求するCT−reqを送信し、CTDを取得する。
MN500は、ハンドオーバーを開始すると、CTDが消滅する前に消滅させないようにするための維持要求メッセージをnAR502に対して送信する。なお、維持要求メッセージは、3G若しくはWLANのインターフェースを介して送信される。また、維持要求メッセージは、CTDが消滅するまでの時間間隔T2よりも短い時間間隔T3で定期的に送信されることが望ましい。ただし、維持要求メッセージは送信途中で失われる場合があり、その場合CTDは消滅してしまう可能性があるため、時間間隔T3はより短い時間間隔であるほうがよい。
MN500は、例えばハンドオーバーが完了するまで維持要求メッセージを送信し続け、ハンドオーバーが完了すると、nAR502が受信したCTDが正規のものかを確認するためのCTARをWLANのインターフェースを介してnAR502に対して送信する。そして、nAR502は、確認のためのCTARを受けて、取得したCTDが正規のものであると判断した場合に取得したCTDに基づいて自身を介して行われるMN500の通信を確立する。なお、pAR501は、nAR502にCTDを送信した旨を伝えるためのCTD通知をMN500に対して送信してもよい。このCTD通知により、MN500は維持要求メッセージの送信開始のタイミングを判断することができる。また、MN500がCTARの送信先を判断する際、例えば上述したCARD情報(以下、予測情報とも言う)に基づいて判断することが可能である。
次に、本発明の第2の実施の形態に係る移動端末(MN)について説明する。第2の実施の形態に係る移動端末の構成要素は、第1の実施の形態に係る移動端末の構成要素と基本的に同様であるため、第2の実施の形態に係る移動端末については、第1の実施の形態に係る移動端末の説明で用いた図3を参照して説明し、その説明の際に用いる符号は図3と同一の符号を用いて説明する。
図3に示すように、MN500は、受信手段300、メッセージ生成手段301、送信手段302から構成されている。なお、構成要素は、これらに限られるものではなく、MN500自身の動作を制御するための制御手段や情報の記憶手段などがあってもよい。受信手段300は、例えば、通信相手からの情報を受信したり、ハンドオーバーを開始するトリガとなる電波などを受信したり、pAR501からCTD通知を受信したりするものである。
メッセージ生成手段301は、CTDを取得するよう指示するCTAR、CTDを有するnAR502に対して送信する維持要求メッセージ、MN500のハンドオーバーが完了した後、nAR502が受信したCTDが正規のものかを確認するためのCTARなどを生成するものである。例えば、メッセージ生成手段301は、MN500とpAR501との通信が確立されると同時にCTARを生成し、またMN500のハンドオーバーが開始され、CTD通知を受けると維持要求メッセージを生成し、またMN500のハンドオーバーが完了すると同時にCTDが正規のものかを確認するためのCTARを生成する。送信手段302は、例えば、メッセージ生成手段301によって生成されたCTARをnAR502に送信したり、生成された維持要求メッセージをCTDを取得したnAR502に送信したり、生成されたCTDが正規のものかを確認するためのCTARをnAR502に送信したりするものである。なお、送信手段302は、例えば、メッセージ生成手段301によって生成された維持要求メッセージをnAR502に送信する際、受けたCTD通知に基づいて維持要求メッセージの送信開始のタイミングを判断し、CTDが消滅しないような時間間隔で定期的に送信する。
次に、本発明の第2の実施の形態に係るアクセスルータについて説明する。第2の実施の形態に係るアクセスルータの構成要素は、第1の実施の形態に係るアクセスルータの構成要素と基本的に同様であるため、第2の実施の形態に係るアクセスルータについては、第1の実施の形態に係るアクセスルータの説明で用いた図4を参照して説明し、その説明の際に用いる符号は図4と同一の符号を用いて説明する。
図4に示すように、アクセスルータは、受信手段400、時間リセット手段401、送信手段402、構築手段403から構成されている。なお、構成要素は、これらに限られるものではなく、アクセスルータ自身の動作を制御するための制御手段や情報の記憶手段などがあってもよい。受信手段400は、MN500やMN500の通信相手などからの情報や、他のアクセスルータから情報の取得要求のメッセージなどを受信するものである。例えば、受信手段400は、MN500から他のアクセスルータが有するCTDを取得するよう指示するCTARを受信したり、CTARに基づいてCTDを送信してくれるよう要求するCT−reqを受信したり、CT−reqに基づいてCTDを受信したり、CTDを取得した場合にMN500から維持要求メッセージを受信したり、受信したCTDが正規のものかを確認するためのCTARを受信したりする。
時間リセット手段401は、例えば、アクセスルータがCTDを取得した場合に、MN500から送信される維持要求メッセージに基づいて、経過するCTDが消滅するまでの所定時間をリセット(CTDの消滅するまでの時間を始めからカウントさせるようにする処理)するものである。送信手段402は、例えば、MN500から送信されたCTARに基づいてCT−reqをCTDを有するアクセスルータに送信したり、受信したCT−reqに基づいてCTDを送信したり、CTDを送信した場合にMN500に対してCTD通知を送信したりするものである。構築手段403は、受信手段400によって受信されたCTDに基づいて、MN500の新たな通信を確立するものである。例えば、構築手段403は、取得したCTDが正規のものかを確認するためのCTARが受信手段400によって受信されると同時に、受信されたCTDに基づいてMN500の新たな通信を確立する。なお、これらの構成要素はすべてのアクセスルータに組み込まれているが、アクセスルータが上述したpAR501として動作する場合とnAR502として動作する場合とでは用いられる構成要素及び処理は異なる。
<第3の実施の形態>
以下、本発明の第3の実施の形態に係る移動通信制御方法、移動端末及びアクセスルータについて図3、図4、図6を用いて説明する。第3の実施の形態におけるMNが移動する領域の環境は第1の実施の形態のものと同様であるため説明は省略する。まず、本発明の第3の実施の形態に係る移動通信制御方法における動作シーケンスの一例について図6を用いて説明する。図6に示すように、第3の実施の形態においても第1の実施の形態と同様、MN600とpAR601との間にはCTDが生成され、通信が確立されている。
このような状態において、MN600は、pAR601との通信が開始されると、pAR601に対して維持要求メッセージを時間間隔T3で定期的に送信開始する。その後、MN600がハンドオーバーを開始しハンドオーバーが完了するまで、維持要求メッセージは定期的に送信される。なお、維持要求メッセージは、3G若しくはWLANのインターフェースを介して送信される。また、維持要求メッセージは、CTDが消滅するまでの時間間隔T2よりも短い時間間隔T3で定期的に送信されることが望ましい。ただし、維持要求メッセージは送信途中で失われる場合があり、その場合CTDは消滅してしまう可能性があるため、時間間隔T3はより短い時間間隔であるほうがよい。
そして、MN600がハンドオーバーを完了すると、MN600はnAR602に対してCTDをpAR601から取得するよう指示するCTARを送信する。CTARを受信したnAR602は、pAR601に対してCTDを送信してくれるよう要求するCT−reqを送信し、CTDを取得する。そして、MN600は、nAR602に移動したCTDを消滅させないようにするため、nAR602に維持要求メッセージを送信する。nAR602は、MN600から維持要求メッセージを受けている間に、取得したCTDに基づいて自身を介して行われるMN600の通信を確立する。なお、pAR601は、nAR602にCTDを送信した旨を伝えるためのCTD通知をMN600に対して送信してもよい。このCTD通知により、MN600は維持要求メッセージの送信開始のタイミングを判断することができる。以上により、CTDがnAR602に移動した後、新たなMN600との通信が確立するまでに時間がかかってもCTDがnAR602で消滅することがなくなる。
次に、本発明の第3の実施の形態に係る移動端末(MN)について説明する。第3の実施の形態に係る移動端末の構成要素は、第1の実施の形態に係る移動端末の構成要素と基本的に同様であるため、第3の実施の形態に係る移動端末については、第1の実施の形態に係る移動端末の説明で用いた図3を参照して説明し、その説明の際に用いる符号は図3と同一の符号を用いて説明する。
図3に示すように、MN600は、受信手段300、メッセージ生成手段301、送信手段302から構成されている。なお、構成要素は、これらに限られるものではなく、MN600自身の動作を制御するための制御手段や情報の記憶手段などがあってもよい。受信手段300は、例えば、通信相手からの情報を受信したり、ハンドオーバーを開始するトリガとなる電波などを受信したり、pAR601からCTD通知を受信したりするものである。
メッセージ生成手段301は、CTDを有するpAR601やnAR602に対して送信する維持要求メッセージ、CTDを取得するよう指示するCTARなどを生成するものである。例えば、メッセージ生成手段301は、MN600とpAR601との通信が確立されると同時に維持要求メッセージを生成し、またMN600のハンドオーバーが完了すると同時にCTARを生成し、CTD通知を受けると同時に維持要求メッセージを生成する。送信手段302は、例えば、メッセージ生成手段301によって生成された維持要求メッセージをpAR601やnAR602に送信したり、生成されたCTARをnAR602に送信したりするものである。なお、送信手段302は、例えば、メッセージ生成手段301によって生成された維持要求メッセージをnAR602に送信する際、受けたCTD通知に基づいて維持要求メッセージの送信開始のタイミングを判断し、CTDが消滅しないような時間間隔で定期的に送信する。
次に、本発明の第3の実施の形態に係るアクセスルータについて説明する。第3の実施の形態に係るアクセスルータの構成要素は、第1の実施の形態に係るアクセスルータの構成要素と基本的に同様であるため、第3の実施の形態に係るアクセスルータについては、第1の実施の形態に係るアクセスルータの説明で用いた図4を参照して説明し、その説明の際に用いる符号は図4と同一の符号を用いて説明する。
図4に示すように、アクセスルータは、受信手段400、時間リセット手段401、送信手段402、構築手段403から構成されている。なお、構成要素は、これらに限られるものではなく、アクセスルータ自身の動作を制御するための制御手段や情報の記憶手段などがあってもよい。受信手段400は、MN600やMN600の通信相手などからの情報や、他のアクセスルータから情報の取得要求のメッセージなどを受信するものである。例えば、受信手段400は、CTDを有している場合にMN600から維持要求メッセージを受信したり、MN600から他のアクセスルータが有するCTDを取得するよう指示するCTARを受信したり、CTARに基づいてCTDを送信してくれるよう要求するCT−reqを受信したり、CT−reqに基づいてCTDを受信したり、CTDを取得した場合にMN600から維持要求メッセージを受信したりする。
時間リセット手段401は、例えば、アクセスルータがCTDを有している場合や取得した場合に、MN600から送信される維持要求メッセージに基づいて、経過するCTDが消滅するまでの所定時間をリセット(CTDの消滅するまでの時間を始めからカウントさせるようにする処理)するものである。送信手段402は、例えば、MN600から送信されたCTARに基づいてCT−reqをCTDを有するアクセスルータに送信したり、受信したCT−reqに基づいてCTDを送信したり、CTDを送信した場合にMN600に対してCTD通知を送信したりするものである。構築手段403は、例えば、受信手段400によって受信されたCTDに基づいて、MN600の新たな通信を確立するものである。なお、これらの構成要素はすべてのアクセスルータに組み込まれているが、アクセスルータが上述したpAR601として動作する場合とnAR602として動作する場合とでは用いられる構成要素及び処理は異なる。
<第4の実施の形態>
以下、本発明の第4の実施の形態に係る移動通制御信方法、移動端末及びアクセスルータについて図3、図4、図7を用いて説明する。第4の実施の形態におけるMNが移動する領域の環境は第1の実施の形態のものと同様であるため説明は省略する。まず、本発明の第4の実施の形態に係る移動通信制御方法における動作シーケンスの一例について図7を用いて説明する。図7に示すように、第4の実施の形態においても第1の実施の形態と同様、MN700とpAR701との間にはCTDが生成され、通信が確立されている。
このような状態において、MN700は、pAR701との通信開始後にハンドオーバーを開始すると、pAR701に存在するCTDを次のハンドオーバー先のアクセスルータに取得させるよう指示するCTARを送信する先を決定するため、ハンドオーバー先のアクセスルータを予測するための予測情報を提供するCARDデータベース(上述したアクセスルータ予測情報提供端末に相当)に予測情報の取得要求を示すCARD要求メッセージを送信する。そして、CARD要求メッセージに基づいて送信された該当する予測情報を含むCARD供給メッセージを受信したMN700は、CARD供給メッセージに含まれる予測情報に基づいてCTARの送信先を決定し、決定されたアクセスルータであるnAR702に対して3Gのインターフェースを介してCTARを送信する。
CTARを受信したnAR702は、pAR701に対してCTDを送信してくれるよう要求するCT−reqを送信し、CTDを取得する。MN700は、CTDを取得したnAR702に対してCTDが消滅しないようにするための維持要求メッセージを時間間隔T3で定期的に送信する。その後、MN700のハンドオーバーが完了するまで、維持要求メッセージは定期的に送信される。なお、維持要求メッセージは、3G若しくはWLANのインターフェースを介して送信される。また、維持要求メッセージは、CTDが消滅するまでの時間間隔T2よりも短い時間間隔T3で定期的に送信されることが望ましい。ただし、維持要求メッセージは送信途中で失われる場合があり、その場合CTDは消滅してしまう可能性があるため、時間間隔T3はより短い時間間隔であるほうがよい。
そして、MN700は、例えばハンドオーバーが完了するまで維持要求メッセージを送信し続け、ハンドオーバーが完了すると、nAR702が受信したCTDが正規のものかを確認するためのCTARをWLANのインターフェースを介してnAR702に対して送信する。そして、nAR702は、確認のためのCTARを受けて、取得したCTDが正規のものであると判断した場合に取得したCTDに基づいて自身を介して行われるMN700の通信を確立する。なお、pAR701は、nAR702にCTDを送信した旨を伝えるためのCTD通知をMN700に対して送信してもよい。このCTD通知により、MN700は維持要求メッセージの送信開始のタイミングを判断することができる。
次に、本発明の第4の実施の形態に係る移動端末(MN)について説明する。第4の実施の形態に係る移動端末の構成要素は、第1の実施の形態に係る移動端末の構成要素と基本的に同様であるため、第4の実施の形態に係る移動端末については、第1の実施の形態に係る移動端末の説明で用いた図3を参照して説明し、その説明の際に用いる符号は図3と同一の符号を用いて説明する。
図3に示すように、MN700は、受信手段300、メッセージ生成手段301、送信手段302から構成されている。なお、構成要素は、これらに限られるものではなく、MN700自身の動作を制御するための制御手段や情報の記憶手段などがあってもよい。受信手段300は、例えば、通信相手からの情報を受信したり、ハンドオーバーを開始するトリガとなる電波などを受信したり、CARDデータベースから予測情報を含むCARD供給メッセージを受信したり、pAR701からCTD通知を受信したりするものである。
メッセージ生成手段301は、例えば、MN700とpAR701との通信が確立され、ハンドオーバーが開始されると同時にCARD要求メッセージを生成し、またCARD供給メッセージを受信すると同時に、予測情報に基づいて送信先に決定されたnAR702に送信するためのCTARを生成し、またpAR701からCTD通知を受けると維持要求メッセージを生成し、またnAR702が受信したCTDが正規のものかを確認するためのCTARなどを生成するものである。送信手段302は、例えば、メッセージ生成手段301によって生成されたCARD要求メッセージをCARDデータデースに送信したり、生成されたCTAR、維持要求メッセージ、受信したCTDが正規のものかを確認するためのCTARをnAR702に送信したりするものである。なお、送信手段302は、例えば、メッセージ生成手段301によって生成された維持要求メッセージをnAR702に送信する際、受けたCTD通知に基づいて維持要求メッセージの送信開始のタイミングを判断し、CTDが消滅しないような時間間隔で定期的に送信する。
次に、本発明の第4の実施の形態に係るアクセスルータについて説明する。第4の実施の形態に係るアクセスルータの構成要素は、第1の実施の形態に係るアクセスルータの構成要素と基本的に同様であるため、第4の実施の形態に係るアクセスルータについては、第1の実施の形態に係るアクセスルータの説明で用いた図4を参照して説明し、その説明の際に用いる符号は図4と同一の符号を用いて説明する。
図4に示すように、アクセスルータは、受信手段400、時間リセット手段401、送信手段402、構築手段403から構成されている。なお、構成要素は、これらに限られるものではなく、アクセスルータ自身の動作を制御するための制御手段や情報の記憶手段などがあってもよい。受信手段400は、MN700やMN700の通信相手などからの情報や、他のアクセスルータから情報の取得要求のメッセージなどを受信するものである。例えば、受信手段400は、MN700から他のアクセスルータが有するCTDを取得するよう指示するCTARを受信したり、CTARに基づいてCTDを送信してくれるよう要求するCT−reqを受信したり、CT−reqに基づいてCTDを受信したり、CTDを取得した場合にMN700から維持要求メッセージを受信したり、受信したCTDが正規のものかを確認するためのCTARを受信したりする。
時間リセット手段401は、例えば、アクセスルータがCTDを取得した場合に、MN700から送信される維持要求メッセージに基づいて、経過するCTDが消滅するまでの所定時間をリセット(CTDの消滅するまでの時間を始めからカウントさせるようにする処理)するものである。送信手段402は、例えば、MN700から送信されたCTARに基づいてCT−reqをCTDを有するアクセスルータに送信したり、受信したCT−reqに基づいてCTDを送信したり、CTDを送信した場合にMN700に対してCTD通知を送信したりするものである。構築手段403は、例えば、取得したCTDが正規のものかを確認するためのCTARが受信手段400によって受信されると同時に、受信されたCTDに基づいてMN700の新たな通信を確立する。なお、これらの構成要素はすべてのアクセスルータに組み込まれているが、アクセスルータが上述したpAR701として動作する場合とnAR702として動作する場合とでは用いられる構成要素及び処理は異なる。
<第5の実施の形態>
以下、本発明の第5の実施の形態に係る移動通信制御方法、移動端末及びアクセスルータについて図3、図4、図8を用いて説明する。第5の実施の形態におけるMNが移動する領域の環境は第1の実施の形態のものと同様であるため説明は省略する。まず、本発明の第5の実施の形態に係る移動通信制御方法における動作シーケンスの一例について図8を用いて説明する。図8に示すように、第5の実施の形態においても第1の実施の形態と同様、MN800とpAR801との間にはCTDが生成され、通信が確立されている。
このような状態において、MN800は、pAR801との通信が開始されると、pAR801に対して維持要求メッセージを時間間隔T3で定期的に送信開始する。そして、ハンドオーバーを開始すると、MN800は、pAR801に存在するCTDを次のハンドオーバー先のアクセスルータに取得させるよう指示するCTARを送信する先を決定するため、ハンドオーバー先のアクセスルータを予測するための予測情報を提供するCARDデータベースに予測情報の取得要求を示すCARD要求メッセージを送信する。そして、CARD要求メッセージに基づいて送信された該当する予測情報を含むCARD供給メッセージを受信したMN800は、CARD供給メッセージに含まれる予測情報に基づいてCTARの送信先を決定し、決定されたアクセスルータであるnAR802に対して3Gのインターフェースを介してCTARを送信する。
CTARを受信したnAR802は、pAR801に対してCTDを送信してくれるよう要求するCT−reqを送信し、CTDを取得する。MN800は、CTDを取得したnAR802に対してCTDが消滅しないようにするための維持要求メッセージを時間間隔T3で定期的に送信する。その後、MN800のハンドオーバーが完了するまで、維持要求メッセージは定期的に送信される。図8の例では、MN800のハンドオーバーが完了していない状態でnAR802に維持要求メッセージが送信されているが、MN800のハンドオーバーが完了していてもよい。なお、維持要求メッセージは、3G若しくはWLANのインターフェースを介して送信される。また、維持要求メッセージは、CTDが消滅するまでの時間間隔T2よりも短い時間間隔T3で定期的に送信されることが望ましい。ただし、維持要求メッセージは送信途中で失われる場合があり、その場合CTDは消滅してしまう可能性があるため、時間間隔T3はより短い時間間隔であるほうがよい。
そして、MN800がハンドオーバーを完了すると、MN800は、nAR802が受信したCTDが正規のものかを確認するためのCTARをWLANのインターフェースを介してnAR802に対して送信する。そして、nAR802は、確認のためのCTARを受けて、取得したCTDが正規のものであると判断した場合に取得したCTDに基づいて自身を介して行われるMN800の通信を確立する。なお、pAR801は、nAR802にCTDを送信した旨を伝えるためのCTD通知をMN800に対して送信してもよい。このCTD通知により、MN800は維持要求メッセージの送信開始のタイミングを判断することができる。以上により、CTDがnAR802に移動した後、新たなMN800との通信が確立するまでに時間がかかってもCTDがnAR802で消滅することがなくなる。
次に、本発明の第5の実施の形態に係る移動端末(MN)について説明する。第5の実施の形態に係る移動端末の構成要素は、第1の実施の形態に係る移動端末の構成要素と基本的に同様であるため、第5の実施の形態に係る移動端末については、第1の実施の形態に係る移動端末の説明で用いた図3を参照して説明し、その説明の際に用いる符号は図3と同一の符号を用いて説明する。
図3に示すように、MN800は、受信手段300、メッセージ生成手段301、送信手段302から構成されている。なお、構成要素は、これらに限られるものではなく、MN800自身の動作を制御するための制御手段や情報の記憶手段などがあってもよい。受信手段300は、例えば、通信相手からの情報を受信したり、ハンドオーバーを開始するトリガとなる電波などを受信したり、CARDデータベースから予測情報を含むCARD供給メッセージを受信したり、pAR801からCTD通知を受信したりするものである。
メッセージ生成手段301は、例えば、MN800とpAR801との通信が確立され、ハンドオーバーが開始されると同時にCARD要求メッセージを生成し、またCARD供給メッセージを受信すると同時に、予測情報に基づいて送信先に決定されたnAR802に送信するためのCTARを生成し、またCTDを有するpAR801に対して維持要求メッセージを生成し、またpAR801からCTD通知を受けるとnAR802に対して維持要求メッセージを生成し、またnAR802が受信したCTDが正規のものかを確認するためのCTARなどを生成するものである。
送信手段302は、例えば、メッセージ生成手段301によって生成されたCARD要求メッセージをCARDデータデースに送信したり、生成されたCTAR、維持要求メッセージ、受信したCTDが正規のものかを確認するためのCTARをpAR801やnAR802に送信したりするものである。なお、送信手段302は、例えば、メッセージ生成手段301によって生成された維持要求メッセージをnAR802に送信する際、受けたCTD通知に基づいて維持要求メッセージの送信開始のタイミングを判断し、CTDが消滅しないような時間間隔で定期的に送信する。
次に、本発明の第5の実施の形態に係るアクセスルータについて説明する。第5の実施の形態に係るアクセスルータの構成要素は、第1の実施の形態に係るアクセスルータの構成要素と基本的に同様であるため、第5の実施の形態に係るアクセスルータについては、第1の実施の形態に係るアクセスルータの説明で用いた図4を参照して説明し、その説明の際に用いる符号は図4と同一の符号を用いて説明する。
図4に示すように、アクセスルータは、受信手段400、時間リセット手段401、送信手段402、構築手段403から構成されている。なお、構成要素は、これらに限られるものではなく、アクセスルータ自身の動作を制御するための制御手段や情報の記憶手段などがあってもよい。受信手段400は、MN800やMN800の通信相手などからの情報や、他のアクセスルータから情報の取得要求のメッセージなどを受信するものである。例えば、受信手段400は、CTDを有している場合にMN800から維持要求メッセージを受信したり、MN800から他のアクセスルータが有するCTDを取得するよう指示するCTARを受信したり、CTARに基づいてCTDを送信してくれるよう要求するCT−reqを受信したり、CT−reqに基づいてCTDを受信したり、CTDを取得した場合にMN800から維持要求メッセージを受信したり、受信したCTDが正規のものかを確認するためのCTARを受信したりする。
時間リセット手段401は、例えば、アクセスルータがCTDを有している場合や取得した場合に、MN800から送信される維持要求メッセージに基づいて、経過するCTDが消滅するまでの所定時間をリセット(CTDの消滅するまでの時間を始めからカウントさせるようにする処理)するものである。送信手段402は、例えば、MN800から送信されたCTARに基づいてCT−reqをCTDを有するアクセスルータに送信したり、受信したCT−reqに基づいてCTDを送信したり、CTDを送信した場合にMN800に対してCTD通知を送信したりするものである。構築手段403は、例えば、取得したCTDが正規のものかを確認するためのCTARが受信手段400によって受信されると同時に、受信されたCTDに基づいてMN800の新たな通信を確立する。なお、これらの構成要素はすべてのアクセスルータに組み込まれているが、アクセスルータが上述したpAR801として動作する場合とnAR802として動作する場合とでは用いられる構成要素及び処理は異なる。
<第6の実施の形態>
以下、本発明の第6の実施の形態に係る移動通信制御方法、移動端末及びアクセスルータについて図3、図9、図10、図11を用いて説明する。第6の実施の形態におけるMNが移動する領域の環境は第1の実施の形態のものと同様であるため説明は省略する。まず、本発明の第6の実施の形態に係る移動通信制御方法における動作シーケンスの一例について図9を用いて説明する。図9に示すように、第6の実施の形態においても第1の実施の形態と同様、MN900とpAR901との間にはCTDが生成され、通信が確立されている。
このような状態において、MN900は、pAR901との通信が開始されると、pAR901に存在するCTDを次のハンドオーバー先のアクセスルータに取得させるよう指示するCTARを送信する先を決定するため、ハンドオーバー先のアクセスルータを予測するための予測情報を提供する、第4及び第5の実施の形態で説明したCARDデータベースに予測情報の取得要求を示すCARD要求メッセージを送信する。そして、CARD要求メッセージに基づいて送信された該当する予測情報を含むCARD供給メッセージを受信したMN900は、CARD供給メッセージに含まれる予測情報に基づいてCTARの送信先を決定し、決定されたアクセスルータであるnAR902に対して3Gのインターフェースを介してCTARを送信する。
CTARを受信したnAR902は、pAR901に対してCTDを送信してくれるよう要求するCT−reqを送信し、CTDを取得する。MN900は、CTDが消滅する前に、nAR902が受信したCTDが正規のものかを確認するためのCTARをWLANのインターフェースを介してnAR902に対して送信する。そして、nAR902は、確認のためのCTARを受けて、取得したCTDが正規のものであると判断した場合に取得したCTDに基づいて自身を介して行われるMN900との通信を確立する。以上により、CTDが消滅する前にnAR902を介しての通信を確立するため、第1から第5の実施の形態で説明した維持要求メッセージを送信する必要はない。
次に、本発明の第6の実施の形態に係る移動端末(MN)について説明する。第6の実施の形態に係る移動端末の構成要素は、第1の実施の形態に係る移動端末の構成要素と基本的に同様であるため、第6の実施の形態に係る移動端末については、第1の実施の形態に係る移動端末の説明で用いた図3を参照して説明し、その説明の際に用いる符号は図3と同一の符号を用いて説明する。
図3に示すように、MN900は、受信手段300、メッセージ生成手段301、送信手段302から構成されている。なお、構成要素は、これらに限られるものではなく、MN900自身の動作を制御するための制御手段や情報の記憶手段などがあってもよい。受信手段300は、例えば、通信相手からの情報を受信したり、ハンドオーバーを開始するトリガとなる電波などを受信したり、CARDデータベースから予測情報を含むCARD供給メッセージを受信したりするものである。
メッセージ生成手段301は、例えば、MN900とpAR901との通信が確立され、ハンドオーバーが開始されると同時にCARD要求メッセージを生成し、またCARD供給メッセージを受信すると同時に、予測情報に基づいて送信先に決定されたnAR902に送信するためのCTARを生成し、またnAR902が受信したCTDが正規のものかを確認するためのCTARなどを生成するものである。送信手段302は、例えば、メッセージ生成手段301によって生成されたCARD要求メッセージをCARDデータデースに送信したり、生成されたCTAR、受信したCTDが正規のものかを確認するためのCTARをnAR902に送信したりするものである。
次に、本発明の第6の実施の形態に係るアクセスルータについて図10を用いて説明する。図10に示すように、アクセスルータは、受信手段1000、送信手段1001、構築手段1002から構成されている。なお、構成要素は、これらに限られるものではなく、アクセスルータ自身の動作を制御するための制御手段や情報の記憶手段などがあってもよい。受信手段1000は、MN900やMN900の通信相手などからの情報や、他のアクセスルータから情報の取得要求のメッセージなどを受信するものである。例えば、受信手段1000は、MN900から他のアクセスルータが有するCTDを取得するよう指示するCTARを受信したり、CTARに基づいてCTDを送信してくれるよう要求するCT−reqを受信したり、CT−reqに基づいてCTDを受信したり、受信したCTDが正規のものかを確認するためのCTARを受信したりする。
送信手段1001は、例えば、MN900から送信されたCTARに基づいてCT−reqをCTDを有するアクセスルータに送信したり、受信したCT−reqに基づいてCTDを送信したりするものである。構築手段1002は、例えば、取得したCTDが正規のものかを確認するためのCTARが受信手段1000によって受信されると同時に、受信されたCTDに基づいてMN900との新たな通信を確立する。なお、これらの構成要素はすべてのアクセスルータに組み込まれているが、アクセスルータが上述したpAR901として動作する場合とnAR902として動作する場合とでは用いられる構成要素及び処理は異なる。
なお、上述した第1から第6の実施の形態以外に、例えば図11に示すように、MN1100とpAR1101との間にはCTDが生成され、通信が確立されると、MN1100は、pAR1101が有するCTDを休止状態にさせないよう指示する起動維持メッセージをハンドオーバー前に3G若しくはWLANのインターフェースを介してpAR1101に送信する。pAR1101は、起動維持メッセージに基づいてCTDが休止状態になるまでの時間T1を無限に設定したり、若しくは大変長い時間に設定したりする。これにより、MN1100がハンドオーバーをし、pAR1101に存在するCTDがnAR1102に送信され、nAR1102を介したMN1100の通信が確立されるまでに時間がかかっても、CTDは消滅することはなく、より効率的に通信を確立することができる。
また、上述した第1から第6の実施の形態では主にMNとAR間通信の主にレイヤ3コンテキストに関する移動通信制御方法として説明をしてきたが、これはその他のレイヤの通信に関わるコンテキストであってもよい。例えば、レイヤ2コンテキストの場合には、通信端末とネットワーク内のレイヤ2エンティティとの間の通信に用いられるコンテキストがある。ここでネットワーク内のレイヤ2エンティティとは、GSM、GPRS、3G、WiMaxなど携帯電話網の基地局や通信制御局であってもよいし、無線LANやBluetoothのアクセスポイントであってもよい。さらに、レイヤ2コンテキストとは、例えば携帯電話網ではPDCPコンテキストなどであってもよいし、無線LANではアクセスポイントと端末が通信をする際のコンテキストであってもよい。このようなレイヤ2コンテキストである場合は、例えば、無線LANアクセスポイントに保存されているレイヤ2コンテキストを3Gネットワーク経由で他の無線LANアクセスポイントに送る際に本発明の移動通信制御方法を用いてもよい。このようにレイヤ2コンテキストを制御する場合は、それが可能であるならばCTPに代表されるレイヤ3手段に限らずともよい。
また、本発明のモバイルノードは、個別の実体を持つ端末デバイスであることはもちろん、例えば、実際の移動端末の接続点となる固定局間を論理エンティティとして移動し移動端末に対してモバイルネットワークを提供する、ソフトウェアなどで実装された論理的存在に対しても適用可能である。
なお、上記各実施の形態の説明に用いた各機能ブロックは、典型的には集積回路であるLSIとして実現される。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部又はすべてを含むように1チップ化されてもよい。ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路又は汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。さらには、半導体技術の進歩又は派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。例えばバイオ技術の適応などが可能性としてあり得る。
本発明に係る移動通信制御方法、移動端末及びアクセスルータは、ハンドオーバー後に、新たに始めからすべてのプロトコル状態の構築をせずに通信を継続することができるため、移動端末が複数の異なる通信網で構成された領域において通信する際の移動通信制御方法、移動端末及びアクセスルータなどに有用である。
本発明は、移動端末が複数の異なる通信網で構成された領域において通信する際の移動通信制御方法、移動端末及びアクセスルータに関する。
従来から、複数のインターフェースを有する移動端末が複数の異なる通信網内を移動しながら通信相手と通信する技術が知られている。異なる通信網として、例えば3G(3rd Generation)セルラー網やWLAN(Wireless Local Area Network)などが挙げられる。以下の説明では2つの異なる通信網を用いて説明するが、2つの異なる通信網に限られるものではなく、より多くの異なる通信網があってもよい。なお、ここでの異なる通信網とは、例えば無線の種別が異なる通信網(異種網間ハンドオーバーが実現されるような通信網)や運営主体が異なる通信網(ローミングが実現されるような通信網)などを言う。図12に示すように、3Gセルラー網(以下、単に3Gとも言う)用とWLAN用の2つのインターフェースを有する移動端末10(MN:Mobile Node)は、3GとWLANとで構成された領域を移動しながら通信している。このようなシームレスなファーストハンドオーバーにおいてCTP(Context Transfer Protocol)(下記の非特許文献1を参照)が提案されている。なお、移動端末のユーザにとっては、常に通信が接続された状態で、かつ必要なときにはより早いデータレートで通信できることが望ましい。
ここで、従来、MN10がハンドオーバーをする場合、図13に示すように、MN10は、サービスを受けるためにすべてのプロトコルフロー(MN10、AR(Access Router)、CN(Correspondent Node:通信相手)やHA(Home Agent)間でのIPsec SA(IPsec Security Association)、NSIS(Next Step In Signaling)QoS(Quality of Service)を認識するルータであるQNE(QoS NSIS Entity)との間におけるQoS状態の確保、ヘッダのコンプレッション(HC)など)を行う必要がある。しかし、これらの処理を始めから行うと負荷が大きいため時間がかかってしまう。そこで、上述したCTPが用いられる。CTPは、MN10とMN10が接続するARとの間でCTD(ConText Data)を持ち続けるよう仮定する。CTDとは、MN10とARとの間で設定された環境の情報などであり、例えばAAA(Authentication Authorization Accounting)の情報、QoSに関する情報、ヘッダのコンプレッション情報、MN10、AR、CN間でのIPsec SAなどの情報を言う。
図14に示すように、MN10とMN10の移動前のARであるpAR(previous AR)は、両者間のCTDに関するコンテキスト情報を有しており、MN10がハンドオーバーをすると、あるトリガによりMN10は新たな接続先のARであるnAR(new AR)に対して、pARからCTDを取得するよう指示するCTAR(ConText Act Request)を送信する。このとき、CTARにはpARに関する情報やコンテキスト情報などが含まれていてもよい。CTARを受信したnARは、pARに対してCTDの取得要求を示すCT−reqを送信し、pARはCT−reqの受信に基づいて自身が有するCTDをnARに送信する。こうすることにより、始めからすべてのプロトコルフローをせずに素早く必要なプロトコル状態を再構築できる。なお、この方法はMN10やpARが上述のようなコンテキスト情報を有さない場合にも実現可能であるが、この場合にはMN10、pAR、nARの三者の間の信用が前提となる。
また、上述した従来のハンドオーバーによって時間がかかってしまう問題を回避するための他の方法について図15を用いて説明する。図15に示すように、MN10はあるトリガに基づいてハンドオーバーを開始する。そのとき、MN10はpARに対してCTARを送信する。CTARを受信したpARは、CARD(Candidate Access Router Discovery)情報(下記の非特許文献2を参照)を有するCARDデータベースに対してCARD情報を取得するための取得要求であるCARD reqを送信し、CARDデータベースからCARD replyによりCARD情報を取得する。CARD情報とは、MN10の次の接続先の候補となるARの情報を予測するための情報などを言う。pARはCARD情報に基づいてCTDをnARに送信する。そして、MN10がハンドオーバーを完了すると、MN10はCTAR(確認用)をnARに送信する。こうすることにより、ハンドオーバーが完了する前にCTDがnARに送信される場合があり、より素早く必要なプロトコル状態を再構築できる。
J. Loughney(editor)et al., "Context Transfer Protocol(draft-ietf-seamoby-ctp-11.txt)",Internet Draft,Internet Engineering Task Force,Work in Progress
Marco Liebsch(editor)et al.,"Candidate Access Router Discovery(draft-ietf-seamoby-card-protocol-08.txt)",Internet Draft,Internet Engineering Task Force,Work in Progress
(draft-ietf-seamoby-ctp-11.txt), Internet Draft,Internet Engineering Task Force,Work in Progress
しかしながら、MN10のハンドオーバーには時間がかかる。すなわち、レイヤ1のサーチ、レイヤ2のプロトコル状態の再構築、レイヤ3やその上位のレイヤのプロトコル状態の再構築などに時間がかかる。また、WLANがカバーするホットスポットが3G内に配置されていないかもしれない。すなわち、nARがpARから大変遠くに存在するかもしれない。また、コンピュータプロセッシングにおいて見られるように(上記の非特許文献3を参照)、CTDがメインメモリなどの資源の節約のため所定の時間が経過すると休止し(ドーマント(dormant)状態)、その後更に所定の時間が経過すると消滅する場合において、図16Aに示す場合ではpARでCTDが消滅する前にnARにCTDが送信されたためにCTDは消滅しなかったが、図16Bに示す場合ではpARからnARにCTDが到達する前に所定の時間が経過したためにCTDが消滅してしまった。このように、pARがnARから大変遠く(遠方)に存在する場合には図16Bに示すようなことが起こり得る。そして、CTDの転送がうまくされずにCTDが消滅してしまった場合などの場合には、図17に示すように、プロトコル状態の再構築(セットアップ)をしなければならず、時間がかかり要求するデータレートで通信を行うことができない。
本発明は、上記問題を解決するためのものであり、ハンドオーバー後に、新たに始めからすべてのプロトコル状態の構築をせずに通信を継続することができる移動通信制御方法、移動端末及びアクセスルータを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明によれば、複数の異なる通信網にそれぞれ対応する複数のインターフェースを有し、前記複数の異なる通信網のそれぞれの領域における通信を前記それぞれ対応する複数のインターフェースを介して行う移動端末が、前記複数の異なる通信網のうち所定の通信網のサブネットを構成する第1のアクセスルータを介して通信相手と通信を行い、その後の前記移動端末のハンドオーバーにより前記所定の通信網の他のサブネットを構成する第2のアクセスルータを介して前記通信相手と通信を行う際に継続して効率的に通信を行うための移動通信制御方法であって、前記移動端末が、前記第1のアクセスルータを介して行う通信の環境に関する、所定の時間経過後に消滅するよう構成された通信環境情報を有するアクセスルータに対して、前記通信環境情報を所定の時間経過後に消滅させないようにするための維持要求メッセージを前記複数のインターフェースのいずれかを介して送信するステップと、前記維持要求メッセージを受信した前記アクセスルータが、前記維持要求メッセージに基づいて経過する消滅までの所定時間をリセットするステップと、前記第2のアクセスルータが、維持された前記通信環境情報に基づいて、自身を介して行われる前記移動端末の通信の通信環境を構築するステップとを有する移動通信制御方法が提供される。この構成により、ハンドオーバー後に、新たに始めからすべてのプロトコル状態の構築をせずに通信を継続することができる。
また、本発明の移動通信制御方法において、前記移動端末が、前記通信環境情報が消滅するまでの前記所定時間よりも短い時間間隔で定期的に前記維持要求メッセージを送信することは、本発明の好ましい態様である。この構成により、通信環境情報が消滅することを防ぐことができる。
また、本発明の移動通信制御方法において、前記移動端末が、自身のハンドオーバーが完了するまでの間、前記通信環境情報を有する前記第1のアクセスルータに対して前記維持要求メッセージを前記複数のインターフェースのいずれかを介して送信することは、本発明の好ましい態様である。この構成により、通信環境情報が第2のアクセスルータに引き渡される前に消滅することを防ぐことができる。
また、本発明の移動通信制御方法において、前記移動端末が、前記第1のアクセスルータが有する前記通信環境情報を取得するよう指示する通信環境情報取得メッセージを前記第2のアクセスルータに送信し、前記通信環境情報取得メッセージに基づいて前記通信環境情報を取得した前記第2のアクセスルータに対して、前記維持要求メッセージを前記複数のインターフェースのいずれかを介して送信することは、本発明の好ましい態様である。この構成により、移動端末のハンドオーバー後により早く通信を確立することができる。
また、本発明の移動通信制御方法において、前記第1のアクセスルータが、前記通信環境情報を前記第2のアクセスルータに送信した旨を前記移動端末に送信することは、本発明の好ましい態様である。この構成により、移動端末は維持要求メッセージを送信するタイミングを判断することができる。
また、本発明の移動通信制御方法において、前記移動端末が、自身のハンドオーバーが完了するまでの間、前記通信環境情報を有する前記第1のアクセスルータに対して前記維持要求メッセージを前記複数のインターフェースのいずれかを介して送信し、前記ハンドオーバーが完了した後は、前記第1のアクセスルータが有する前記通信環境情報を取得するよう指示する通信環境情報取得メッセージを前記第2のアクセスルータに送信し、前記通信環境情報取得メッセージに基づいて前記通信環境情報を取得した前記第2のアクセスルータに対して、前記維持要求メッセージを前記複数のインターフェースのいずれかを介して送信することは、本発明の好ましい態様である。この構成により、通信環境情報が第1のアクセスルータにあっても第2のアクセスルータにあっても、通信環境情報の消滅を防ぐことができる。
また、本発明の移動通信制御方法において、前記第1のアクセスルータが、前記通信環境情報を前記第2のアクセスルータに送信した旨を前記移動端末に送信することは、本発明の好ましい態様である。この構成により、移動端末は維持要求メッセージを送信するタイミングを判断することができる。
また、本発明の移動通信制御方法において、前記移動端末が、ハンドオーバー先のアクセスルータを予測するための予測情報を提供するアクセスルータ予測情報提供端末から前記予測情報を取得し、取得された前記予測情報に基づく前記第2のアクセスルータに対して、前記第1のアクセスルータが有する前記通信環境情報を取得するよう指示する通信環境情報取得メッセージを送信し、受信した前記通信環境情報取得メッセージに基づいて前記通信環境情報を取得した前記第2のアクセスルータに対して、前記維持要求メッセージを前記複数のインターフェースのいずれかを介して送信することは、本発明の好ましい態様である。この構成により、ハンドオーバー先を容易に予測でき、移動端末のハンドオーバー後により早く通信を確立することができる。
また、本発明の移動通信制御方法において、前記第1のアクセスルータが、前記通信環境情報を前記第2のアクセスルータに送信した旨を前記移動端末に送信することは、本発明の好ましい態様である。この構成により、移動端末は維持要求メッセージを送信するタイミングを判断することができる。
また、本発明の移動通信制御方法において、前記移動端末が、前記通信環境情報を有する前記第1のアクセスルータに対して前記維持要求メッセージを前記複数のインターフェースのいずれかを介して送信するとともに、ハンドオーバー先のアクセスルータを予測するための予測情報を提供するアクセスルータ予測情報提供端末から取得した前記予測情報に基づく前記第2のアクセスルータに対して、前記第1のアクセスルータが有する前記通信環境情報を取得するよう指示する通信環境情報取得メッセージを送信し、受信した前記通信環境情報取得メッセージに基づいて前記通信環境情報を取得した前記第2のアクセスルータに対して、前記維持要求メッセージを前記複数のインターフェースのいずれかを介して送信することは、本発明の好ましい態様である。この構成により、ハンドオーバー先を容易に予測でき、通信環境情報が第1のアクセスルータにあっても第2のアクセスルータにあっても、通信環境情報の消滅を防ぐことができる。
また、本発明の移動通信制御方法において、前記第1のアクセスルータが、前記通信環境情報を前記第2のアクセスルータに送信した旨を前記移動端末に送信することは、本発明の好ましい態様である。この構成により、移動端末は維持要求メッセージを送信するタイミングを判断することができる。
また、本発明によれば、複数の異なる通信網にそれぞれ対応する複数のインターフェースを有し、前記複数の異なる通信網のそれぞれの領域における通信を前記それぞれ対応する複数のインターフェースを介して行う移動端末が、前記複数の異なる通信網のうち所定の通信網のサブネットを構成する第1のアクセスルータを介して通信相手と通信を行い、その後の前記移動端末のハンドオーバーにより前記所定の通信網の他のサブネットを構成する第2のアクセスルータを介して前記通信相手と通信を行う際に継続して効率的に通信を行うための移動通信制御方法であって、前記移動端末が、前記第1のアクセスルータを介して行う通信の環境に関する、所定の時間経過後に消滅するよう構成された通信環境情報を有する前記第1のアクセスルータの前記通信環境情報が所定の時間経過によって消滅する前に、前記第2のアクセスルータに対して、前記通信環境情報を取得するよう指示する通信環境情報取得メッセージを前記複数のインターフェースのうちの所定のインターフェースを介して送信するステップと、前記第2のアクセスルータが、前記通信環境情報取得メッセージに基づいて前記通信環境情報を前記第1のアクセスルータから取得し、取得された前記通信環境情報に基づいて、自身を介して行われる前記移動端末の通信の通信環境を構築するステップとを有する移動通信制御方法が提供される。この構成により、ハンドオーバー後に、新たに始めからすべてのプロトコル状態の構築をせずに通信を継続することができる。
また、本発明の移動通信制御方法において、前記移動端末が、前記通信環境情報取得メッセージを送信する先の前記第2のアクセスルータを、ハンドオーバー先のアクセスルータを予測するための予測情報を提供するアクセスルータ予測情報提供端末から取得した前記予測情報に基づいて決定することは、本発明の好ましい態様である。この構成により、容易に移動端末のハンドオーバー先を予測することができる。
また、本発明によれば、複数の異なる通信網にそれぞれ対応する複数のインターフェースを有し、前記複数の異なる通信網のそれぞれの領域における通信を前記それぞれ対応する複数のインターフェースを介して行う移動端末が、前記複数の異なる通信網のうち所定の通信網のサブネットを構成する第1のアクセスルータを介して通信相手と通信を行い、その後の前記移動端末のハンドオーバーにより前記所定の通信網の他のサブネットを構成する第2のアクセスルータを介して前記通信相手と通信を行う際に継続して効率的に通信を行うための移動通信制御方法で用いられる前記移動端末であって、前記第1のアクセスルータを介して行う通信の環境に関する、所定の時間経過後に消滅するよう構成された通信環境情報を有するアクセスルータに対して、前記通信環境情報を所定の時間経過後に消滅させないようにするための維持要求メッセージを生成する生成手段と、生成された前記維持要求メッセージを前記複数のインターフェースのいずれかを介して送信する送信手段とを備える移動端末が提供される。この構成により、ハンドオーバー後に、新たに始めからすべてのプロトコル状態の構築をせずに通信を継続することができる。
また、本発明の移動端末において、前記送信手段が、前記通信環境情報が消滅するまでの所定時間よりも短い時間間隔で定期的に前記維持要求メッセージを送信することは、本発明の好ましい態様である。この構成により、通信環境情報が消滅することを防ぐことができる。
また、本発明の移動端末において、前記送信手段が、自身のハンドオーバーが完了するまでの間、前記通信環境情報を有する前記第1のアクセスルータに対して前記維持要求メッセージを前記複数のインターフェースのいずれかを介して送信することは、本発明の好ましい態様である。この構成により、通信環境情報が第2のアクセスルータに引き渡される前に消滅することを防ぐことができる。
また、本発明の移動端末において、前記送信手段が、前記第1のアクセスルータが有する前記通信環境情報を取得するよう指示する通信環境情報取得メッセージを前記第2のアクセスルータに送信し、前記通信環境情報取得メッセージに基づいて前記通信環境情報を取得した前記第2のアクセスルータに対して、前記維持要求メッセージを前記複数のインターフェースのいずれかを介して送信することは、本発明の好ましい態様である。この構成により、移動端末のハンドオーバー後により早く通信を確立することができる。
また、本発明の移動端末において、前記移動端末が、外部からのメッセージを受信する受信手段を更に備え、前記受信手段が、前記通信環境情報を前記第2のアクセスルータに送信した旨を前記第1のアクセスルータから受信することは、本発明の好ましい態様である。この構成により、移動端末は維持要求メッセージを送信するタイミングを判断することができる。
また、本発明の移動端末において、前記送信手段が、自身のハンドオーバーが完了するまでの間、前記通信環境情報を有する前記第1のアクセスルータに対して前記維持要求メッセージを前記複数のインターフェースのいずれかを介して送信し、前記ハンドオーバーが完了した後は、前記第1のアクセスルータが有する前記通信環境情報を取得するよう指示する通信環境情報取得メッセージを前記第2のアクセスルータに送信し、前記通信環境情報取得メッセージに基づいて前記通信環境情報を取得した前記第2のアクセスルータに対して、前記維持要求メッセージを前記複数のインターフェースのいずれかを介して送信することは、本発明の好ましい態様である。この構成により、通信環境情報が第1のアクセスルータにあっても第2のアクセスルータにあっても、通信環境情報の消滅を防ぐことができる。
また、本発明の移動端末が、外部からのメッセージを受信する受信手段を更に備え、前記受信手段が、前記通信環境情報を前記第2のアクセスルータに送信した旨を前記第1のアクセスルータから受信することは、本発明の好ましい態様である。この構成により、移動端末は維持要求メッセージを送信するタイミングを判断することができる。
また、本発明の移動端末において、前記送信手段が、ハンドオーバー先のアクセスルータを予測するための予測情報を提供するアクセスルータ予測情報提供端末から前記予測情報を取得し、取得された前記予測情報に基づく前記第2のアクセスルータに対して前記第1のアクセスルータが有する前記通信環境情報を取得するよう指示する通信環境情報取得メッセージを送信し、受信した前記通信環境情報取得メッセージに基づいて前記通信環境情報を取得した前記第2のアクセスルータに対して、前記維持要求メッセージを前記複数のインターフェースのいずれかを介して送信することは、本発明の好ましい態様である。この構成により、ハンドオーバー先を容易に予測でき、移動端末のハンドオーバー後により早く通信を確立することができる。
また、本発明の移動端末が、外部からのメッセージを受信する受信手段を更に備え、前記受信手段が、前記通信環境情報を前記第2のアクセスルータに送信した旨を前記第1のアクセスルータから受信することは、本発明の好ましい態様である。この構成により、移動端末は維持要求メッセージを送信するタイミングを判断することができる。
また、本発明の移動端末において、前記送信手段が、前記通信環境情報を有する前記第1のアクセスルータに対して前記維持要求メッセージを前記複数のインターフェースのいずれかを介して送信するとともに、ハンドオーバー先のアクセスルータを予測するための予測情報を提供するアクセスルータ予測情報提供端末から取得した前記予測情報に基づく前記第2のアクセスルータに対して、前記第1のアクセスルータが有する前記通信環境情報を取得するよう指示する通信環境情報取得メッセージを送信し、受信した前記通信環境情報取得メッセージに基づいて前記通信環境情報を取得した前記第2のアクセスルータに対して、前記維持要求メッセージを前記複数のインターフェースのいずれかを介して送信することは、本発明の好ましい態様である。この構成により、ハンドオーバー先を容易に予測でき、通信環境情報が第1のアクセスルータにあっても第2のアクセスルータにあっても、通信環境情報の消滅を防ぐことができる。
また、本発明の移動端末が、外部からのメッセージを受信する受信手段を更に備え、前記受信手段が、前記通信環境情報を前記第2のアクセスルータに送信した旨を前記第1のアクセスルータから受信することは、本発明の好ましい態様である。この構成により、移動端末は維持要求メッセージを送信するタイミングを判断することができる。
また、本発明によれば、複数の異なる通信網にそれぞれ対応する複数のインターフェースを有し、前記複数の異なる通信網のそれぞれの領域における通信を前記それぞれ対応する複数のインターフェースを介して行う移動端末が、前記複数の異なる通信網のうち所定の通信網のサブネットを構成する第1のアクセスルータを介して通信相手と通信を行い、その後の前記移動端末のハンドオーバーにより前記所定の通信網の他のサブネットを構成する第2のアクセスルータを介して前記通信相手と通信を行う際に継続して効率的に通信を行うための移動通信制御方法で用いられる前記移動端末であって、前記第1のアクセスルータを介して行う通信の環境に関する、所定の時間経過後に消滅するよう構成された通信環境情報を有する前記第1のアクセスルータの前記通信環境情報が所定の時間経過によって消滅する前に、前記第2のアクセスルータに対して、前記通信環境情報を取得するよう指示する通信環境情報取得メッセージを生成する生成手段と、生成された前記通信環境情報取得メッセージを前記複数のインターフェースのうちの所定のインターフェースを介して送信する送信手段とを備える移動端末が提供される。この構成により、ハンドオーバー後に、新たに始めからすべてのプロトコル状態の構築をせずに通信を継続することができる。
また、本発明の移動端末において、前記通信環境情報取得メッセージを送信する先の前記第2のアクセスルータを、ハンドオーバー先のアクセスルータを予測するための予測情報を提供するアクセスルータ予測情報提供端末から取得した前記予測情報に基づいて決定する決定手段を更に備えることは、本発明の好ましい態様である。この構成により、容易に移動端末のハンドオーバー先を予測することができる。
また、本発明によれば、複数の異なる通信網にそれぞれ対応する複数のインターフェースを有し、前記複数の異なる通信網のそれぞれの領域における通信を前記それぞれ対応する複数のインターフェースを介して行う移動端末が、前記複数の異なる通信網のうち所定の通信網のサブネットを構成する第1のアクセスルータを介して通信相手と通信を行い、その後の前記移動端末のハンドオーバーにより前記所定の通信網の他のサブネットを構成する第2のアクセスルータを介して前記通信相手と通信を行う際に継続して効率的に通信を行うための移動通信制御方法で用いられるアクセスルータであって、前記アクセスルータが前記第1のアクセスルータとして処理を行う場合には、前記第1のアクセスルータを介して行う通信の環境に関する、所定の時間経過後に消滅するよう構成された通信環境情報を、所定の時間経過後に消滅させないようにするための維持要求メッセージを前記複数のインターフェースのいずれかを介して前記移動端末から、前記移動端末のハンドオーバーが完了するまでの間、受信し、前記維持要求メッセージを受信すると経過する消滅までの所定時間をリセットし、前記アクセスルータが前記第2のアクセスルータとして処理を行う場合には、前記第1のアクセスルータにおいて維持された前記通信環境情報を取得し、取得された前記通信環境情報に基づいて、自身を介して行われる前記移動端末の通信の通信環境を構築するアクセスルータが提供される。この構成により、ハンドオーバー後に、新たに始めからすべてのプロトコル状態の構築をせずに通信を継続することができる。
また、本発明によれば、複数の異なる通信網にそれぞれ対応する複数のインターフェースを有し、前記複数の異なる通信網のそれぞれの領域における通信を前記それぞれ対応する複数のインターフェースを介して行う移動端末が、前記複数の異なる通信網のうち所定の通信網のサブネットを構成する第1のアクセスルータを介して通信相手と通信を行い、その後の前記移動端末のハンドオーバーにより前記所定の通信網の他のサブネットを構成する第2のアクセスルータを介して前記通信相手と通信を行う際に継続して効率的に通信を行うための移動通信制御方法で用いられるアクセスルータであって、前記アクセスルータが前記第2のアクセスルータとして処理を行う場合には、前記第1のアクセスルータが有する、前記第1のアクセスルータを介して行う通信の環境に関する、所定の時間経過後に消滅するよう構成された通信環境情報を取得するよう指示する通信環境情報取得メッセージを前記移動端末から受信し、受信した前記通信環境情報取得メッセージに基づいて前記通信環境情報を取得し、前記通信環境情報を所定の時間経過後に消滅させないようにするための維持要求メッセージを前記複数のインターフェースのいずれかを介して前記移動端末から受信し、前記維持要求メッセージを受信すると経過する消滅までの所定時間をリセットし、維持された前記通信環境情報に基づいて自身を介して行われる前記移動端末の通信の通信環境を構築するアクセスルータが提供される。この構成により、ハンドオーバー後に、新たに始めからすべてのプロトコル状態の構築をせずに通信を継続することができる。
また、本発明のアクセスルータが前記第1のアクセスルータとして処理を行う場合に、前記通信環境情報が前記第2のアクセスルータに取得された後、前記移動端末に対して前記通信環境情報が取得された旨を通知することは、本発明の好ましい態様である。この構成により、移動端末は維持要求メッセージを送信するタイミングを判断することができる。
また、本発明によれば、複数の異なる通信網にそれぞれ対応する複数のインターフェースを有し、前記複数の異なる通信網のそれぞれの領域における通信を前記それぞれ対応する複数のインターフェースを介して行う移動端末が、前記複数の異なる通信網のうち所定の通信網のサブネットを構成する第1のアクセスルータを介して通信相手と通信を行い、その後の前記移動端末のハンドオーバーにより前記所定の通信網の他のサブネットを構成する第2のアクセスルータを介して前記通信相手と通信を行う際に継続して効率的に通信を行うための移動通信制御方法で用いられるアクセスルータであって、前記アクセスルータが前記第1のアクセスルータとして処理を行う場合には、前記第1のアクセスルータを介して行う通信の環境に関する、所定の時間経過後に消滅するよう構成された通信環境情報を、所定の時間経過後に消滅させないようにするための維持要求メッセージを前記複数のインターフェースのいずれかを介して前記移動端末から、前記移動端末のハンドオーバーが完了するまでの間、受信し、前記維持要求メッセージを受信すると経過する消滅までの所定時間をリセットし、前記アクセスルータが前記第2のアクセスルータとして処理を行う場合には、前記第1のアクセスルータが有する前記通信環境情報を取得するよう指示する通信環境情報取得メッセージを前記移動端末から受信し、受信した前記通信環境情報取得メッセージに基づいて前記通信環境情報を取得し、前記維持要求メッセージを前記複数のインターフェースのいずれかを介して前記移動端末から受信し、前記維持要求メッセージを受信すると経過する消滅までの所定時間をリセットし、維持された前記通信環境情報に基づいて、自身を介して行われる前記移動端末の通信の通信環境を構築するアクセスルータが提供される。この構成により、ハンドオーバー後に、新たに始めからすべてのプロトコル状態の構築をせずに通信を継続することができる。
また、本発明のアクセスルータが前記第1のアクセスルータとして処理を行う場合に、前記通信環境情報が前記第2のアクセスルータに取得された後、前記移動端末に対して前記通信環境情報が取得された旨を通知することは、本発明の好ましい態様である。この構成により、移動端末は維持要求メッセージを送信するタイミングを判断することができる。
また、本発明によれば、複数の異なる通信網にそれぞれ対応する複数のインターフェースを有し、前記複数の異なる通信網のそれぞれの領域における通信を前記それぞれ対応する複数のインターフェースを介して行う移動端末が、前記複数の異なる通信網のうち所定の通信網のサブネットを構成する第1のアクセスルータを介して通信相手と通信を行い、その後の前記移動端末のハンドオーバーにより前記所定の通信網の他のサブネットを構成する第2のアクセスルータを介して前記通信相手と通信を行う際に継続して効率的に通信を行うための移動通信制御方法で用いられるアクセスルータであって、前記アクセスルータが前記第2のアクセスルータとして処理を行う場合には、前記第1のアクセスルータが有する、前記第1のアクセスルータを介して行う通信の環境に関する、所定の時間経過後に消滅するよう構成された通信環境情報を取得するよう指示する通信環境情報取得メッセージを前記移動端末から受信し、受信した前記通信環境情報取得メッセージに基づいて前記通信環境情報を取得し、前記通信環境情報を所定の時間経過後に消滅させないようにするための維持要求メッセージを前記複数のインターフェースのいずれかを介して前記移動端末から受信し、前記維持要求メッセージを受信すると経過する消滅までの所定時間をリセットし、維持された前記通信環境情報に基づいて、自身を介して行われる前記移動端末の通信の通信環境を構築するアクセスルータが提供される。この構成により、ハンドオーバー後に、新たに始めからすべてのプロトコル状態の構築をせずに通信を継続することができる。
また、本発明のアクセスルータが前記第1のアクセスルータとして処理を行う場合、前記通信環境情報が前記第2のアクセスルータに取得された後、前記移動端末に対して前記通信環境情報が取得された旨を通知することは、本発明の好ましい態様である。この構成により、移動端末は維持要求メッセージを送信するタイミングを判断することができる。
また、本発明によれば、複数の異なる通信網にそれぞれ対応する複数のインターフェースを有し、前記複数の異なる通信網のそれぞれの領域における通信を前記それぞれ対応する複数のインターフェースを介して行う移動端末が、前記複数の異なる通信網のうち所定の通信網のサブネットを構成する第1のアクセスルータを介して通信相手と通信を行い、その後の前記移動端末のハンドオーバーにより前記所定の通信網の他のサブネットを構成する第2のアクセスルータを介して前記通信相手と通信を行う際に継続して効率的に通信を行うための移動通信制御方法で用いられるアクセスルータであって、前記アクセスルータが前記第1のアクセスルータとして処理を行う場合には、前記第1のアクセスルータを介して行う通信の環境に関する、所定の時間経過後に消滅するよう構成された通信環境情報を、所定の時間経過後に消滅させないようにするための維持要求メッセージを前記複数のインターフェースのいずれかを介して前記移動端末から受信し、前記維持要求メッセージを受信すると経過する消滅までの所定時間をリセットし、前記アクセスルータが前記第2のアクセスルータとして処理を行う場合には、前記第1のアクセスルータが有する前記通信環境情報を取得するよう指示する通信環境情報取得メッセージを前記移動端末から受信し、受信した前記通信環境情報取得メッセージに基づいて前記通信環境情報を取得し、前記維持要求メッセージを前記複数のインターフェースのいずれかを介して前記移動端末から受信し、前記維持要求メッセージを受信すると経過する消滅までの所定時間をリセットし、維持された前記通信環境情報に基づいて、自身を介して行われる前記移動端末の通信の通信環境を構築するアクセスルータが提供される。この構成により、ハンドオーバー後に、新たに始めからすべてのプロトコル状態の構築をせずに通信を継続することができる。
また、本発明のアクセスルータが前記第1のアクセスルータとして処理を行う場合、前記通信環境情報が前記第2のアクセスルータに取得された後、前記移動端末に対して前記通信環境情報が取得された旨を通知することは、本発明の好ましい態様である。この構成により、移動端末は維持要求メッセージを送信するタイミングを判断することができる。
また、本発明のアクセスルータにおいて、前記通信環境情報が消滅するまでの前記所定時間よりも短い時間間隔で定期的に前記維持要求メッセージを前記移動端末から受信することは、本発明の好ましい態様である。この構成により、通信環境情報が消滅することを防ぐことができる。
また、本発明によれば、複数の異なる通信網にそれぞれ対応する複数のインターフェースを有し、前記複数の異なる通信網のそれぞれの領域における通信を前記それぞれ対応する複数のインターフェースを介して行う移動端末が、前記複数の異なる通信網のうち所定の通信網のサブネットを構成する第1のアクセスルータを介して通信相手と通信を行い、その後の前記移動端末のハンドオーバーにより前記所定の通信網の他のサブネットを構成する第2のアクセスルータを介して前記通信相手と通信を行う際に継続して効率的に通信を行うための移動通信制御方法で用いられるアクセスルータであって、前記アクセスルータが前記第2のアクセスルータとして処理を行う場合には、前記第1のアクセスルータを介して行う通信の環境に関する、所定の時間経過後に消滅するよう構成された通信環境情報を有する前記第1のアクセスルータの前記通信環境情報が所定の時間経過によって消滅される前に、前記通信環境情報を取得するよう指示する通信環境情報取得メッセージを前記複数のインターフェースのうちの所定のインターフェースを介して前記移動端末から受信し、受信された前記通信環境情報取得メッセージに基づいて、前記通信環境情報を前記第1のアクセスルータから取得し、取得された前記通信環境情報に基づいて自身を介して行われる前記移動端末の通信の通信環境を構築するアクセスルータが提供される。この構成により、ハンドオーバー後に、新たに始めからすべてのプロトコル状態の構築をせずに通信を継続することができる。
また、本発明のアクセスルータにおいて、前記移動端末から受信する前記通信環境情報取得メッセージの送信先が、ハンドオーバー先のアクセスルータを予測するための予測情報を提供するアクセスルータ予測情報提供端末から取得した前記予測情報に基づいて決定されることは、本発明の好ましい態様である。この構成により、容易に移動端末のハンドオーバー先を予測することができる。
本発明の移動通信制御方法、移動端末及びアクセスルータは、上記構成を有し、ハンドオーバー後に、新たに始めからすべてのプロトコル状態の構築をせずに通信を継続することができる。
<第1の実施の形態>
以下、本発明の第1の実施の形態に係る移動通信制御方法、移動端末及びアクセスルータについて図1から図4を用いて説明する。まず、図1に示すように、複数のインターフェースを有する移動端末(MN)100が複数の異なる通信網内を移動しながら通信相手と通信している。異なる通信網として、例えば3Gセルラー網やWLANなどが挙げられ、以下の説明では2つの異なる通信網を用いて説明するが、2つの異なる通信網に限られるものではなく、より多くの異なる通信網があってもよい。図1に示すように、3G用とWLAN用の2つのインターフェースを有するMN100は、3GとWLANとで構成された領域を移動しながら通信している。この場合、3Gのインターフェースは常にオン(起動)しているが、WLANのインターフェースは、MN100がWLANの通信領域であるWALNホットスポット101、102、103(後述するアクセスルータが構成するサブネット)内に入った場合に高いデータレートで通信を行うために起動する。
ここで、本発明の第1の実施の形態に係る移動通信制御方法における動作シーケンスの一例について図2を用いて説明する。まず、MN100は、WLANホットスポットである1つのサブネットを構成するアクセスルータ(AR)を介して所定の通信相手と通信をしている。そのARをここではpAR200とする。MN100とpAR200との間では、通信を行う際の通信環境(コンテキストデータ:CTD)が生成され、通信が確立されている。ここで、CTDは、上述したAAAの情報、QoSに関する情報、ヘッダのコンプレッション情報、MN100、pAR200、不図示の通信相手のCN間でのIPsec SAなどの情報である。このCTDは、所定の時間が経過すると休止状態(ドーマント状態)に入り、さらに所定の時間が経過すると消滅するよう構成されている。
ここで、MN100は、ハンドオーバーをしてもハンドオーバー先のnAR201を介して不図示の通信相手とできるだけ途切れなく継続してハンドオーバー前と同様の通信を行いたいと考える。それを解決するため、ハンドオーバー前に生成されているCTDをハンドオーバー先で用い、素早くハンドオーバー先での通信の確立をすることが考えられる。しかし、上述したように、CTDは所定の時間が経過すると消滅してしまうため、消滅しないような処理をしなければならない。消滅しないような処理は、nAR201がpAR200から遠方にある場合に特に有効である。
そこで、図2に示すように、MN100は、CTDが消滅する前に消滅させないようにするための維持要求メッセージをpAR200に対して送信する。なお、維持要求メッセージは、3G若しくはWLANのインターフェースを介して送信される。また、維持要求メッセージは、CTDが消滅するまでの時間間隔T2よりも短い時間間隔T3で定期的に送信されることが望ましい。ただし、維持要求メッセージは送信途中で失われる場合があり、その場合CTDは消滅してしまう可能性があるため、時間間隔T3はより短い時間間隔であるほうがよい。
MN100は、pAR200との通信が開始されると、pAR200に対して維持要求メッセージを時間間隔T3で定期的に送信する。その後、MN100がハンドオーバーを開始しハンドオーバーが完了するまで、維持要求メッセージは定期的に送信される。そして、MN100がハンドオーバーを完了すると、MN100はnAR201に対してCTDをpAR200から取得するよう指示するCTAR(ConText Act Request:上述した通信環境情報取得メッセージに相当)を送信する。CTARを受信したnAR201は、pAR200に対してCTDを送信してくれるよう要求するCT−req(ConText Request)を送信し、CTDを取得する。そして、nAR201は、取得したCTDに基づいて自身を介して行われるMN100の通信を確立する。
次に、本発明の第1の実施の形態に係る移動端末(MN)について図3を用いて説明する。図3はMN100の構成の一例を示す構成図である。図3に示すように、MN100は、受信手段300、メッセージ生成手段301、送信手段302から構成されている。なお、構成要素は、これらに限られるものではなく、MN100自身の動作を制御するための制御手段や情報の記憶手段などがあってもよい。受信手段300は、例えば、通信相手からの情報を受信したり、ハンドオーバーを開始するトリガとなる電波などを受信したりするものである。
メッセージ生成手段301は、CTDを有するpAR200に対して送信する維持要求メッセージやCTDを取得するよう指示するCTARを生成するものである。例えば、メッセージ生成手段301は、MN100とpAR200との通信が確立されると同時に維持要求メッセージを生成し、MN100のハンドオーバーが完了すると同時にCTARを生成する。送信手段302は、メッセージ生成手段301によって生成された維持要求メッセージをpAR200に送信したり、生成されたCTARをnAR201に送信したりするものである。例えば、送信手段302は、メッセージ生成手段301によって生成された維持要求メッセージをpAR200に送信する際、CTDが消滅しないような時間間隔で定期的に送信する。
次に、本発明の第1の実施の形態に係るアクセスルータについて図4を用いて説明する。図4はアクセスルータの構成の一例を示す構成図である。図4に示すように、アクセスルータは、受信手段400、時間リセット手段401、送信手段402、構築手段403から構成されている。なお、構成要素は、これらに限られるものではなく、アクセスルータ自身の動作を制御するための制御手段や情報の記憶手段などがあってもよい。受信手段400は、MN100やMN100の通信相手などからの情報や、他のアクセスルータから情報の取得要求のメッセージなどを受信するものである。例えば、受信手段400は、CTDを有している場合にMN100から維持要求メッセージを受信したり、MN100から他のアクセスルータが有するCTDを取得するよう指示するCTARを受信したり、CTARに基づいてCTDを送信してくれるよう要求するCT−reqを受信したり、CT−reqに基づいてCTDを受信したりする。
時間リセット手段401は、例えば、アクセスルータがCTDを有している場合に、MN100から送信される維持要求メッセージに基づいて、経過するCTDが消滅するまでの所定時間をリセット(CTDの消滅するまでの時間を始めからカウントさせるようにする処理)するものである。送信手段402は、例えば、MN100から送信されたCTARに基づいてCT−reqをCTDを有するアクセスルータに送信したり、受信したCT−reqに基づいてCTDを送信したりするものである。構築手段403は、例えば、受信手段400によって受信されたCTDに基づいて、MN100の新たな通信を確立するものである。なお、これらの構成要素はすべてのアクセスルータに組み込まれているが、アクセスルータが上述したpAR200として動作する場合とnAR201として動作する場合とでは用いられる構成要素及び処理は異なる。
<第2の実施の形態>
以下、本発明の第2の実施の形態に係る移動通信制御方法、移動端末及びアクセスルータについて図3から図5を用いて説明する。第2の実施の形態におけるMNが移動する領域の環境は第1の実施の形態のものと同様であるため説明は省略する。まず、本発明の第2の実施の形態に係る移動通信制御方法における動作シーケンスの一例について図5を用いて説明する。図5に示すように、第2の実施の形態においても第1の実施の形態と同様、MN500とpAR501との間にはCTDが生成され、通信が確立されている。このような状態において、MN500は、nAR502に対してpAR501が有するCTDを取得するよう指示するCTARを送信する。nAR502は、受信したCTARに基づいて、pAR501に対してCTDを送信してくれるよう要求するCT−reqを送信し、CTDを取得する。
MN500は、ハンドオーバーを開始すると、CTDが消滅する前に消滅させないようにするための維持要求メッセージをnAR502に対して送信する。なお、維持要求メッセージは、3G若しくはWLANのインターフェースを介して送信される。また、維持要求メッセージは、CTDが消滅するまでの時間間隔T2よりも短い時間間隔T3で定期的に送信されることが望ましい。ただし、維持要求メッセージは送信途中で失われる場合があり、その場合CTDは消滅してしまう可能性があるため、時間間隔T3はより短い時間間隔であるほうがよい。
MN500は、例えばハンドオーバーが完了するまで維持要求メッセージを送信し続け、ハンドオーバーが完了すると、nAR502が受信したCTDが正規のものかを確認するためのCTARをWLANのインターフェースを介してnAR502に対して送信する。そして、nAR502は、確認のためのCTARを受けて、取得したCTDが正規のものであると判断した場合に取得したCTDに基づいて自身を介して行われるMN500の通信を確立する。なお、pAR501は、nAR502にCTDを送信した旨を伝えるためのCTD通知をMN500に対して送信してもよい。このCTD通知により、MN500は維持要求メッセージの送信開始のタイミングを判断することができる。また、MN500がCTARの送信先を判断する際、例えば上述したCARD情報(以下、予測情報とも言う)に基づいて判断することが可能である。
次に、本発明の第2の実施の形態に係る移動端末(MN)について説明する。第2の実施の形態に係る移動端末の構成要素は、第1の実施の形態に係る移動端末の構成要素と基本的に同様であるため、第2の実施の形態に係る移動端末については、第1の実施の形態に係る移動端末の説明で用いた図3を参照して説明し、その説明の際に用いる符号は図3と同一の符号を用いて説明する。
図3に示すように、MN500は、受信手段300、メッセージ生成手段301、送信手段302から構成されている。なお、構成要素は、これらに限られるものではなく、MN500自身の動作を制御するための制御手段や情報の記憶手段などがあってもよい。受信手段300は、例えば、通信相手からの情報を受信したり、ハンドオーバーを開始するトリガとなる電波などを受信したり、pAR501からCTD通知を受信したりするものである。
メッセージ生成手段301は、CTDを取得するよう指示するCTAR、CTDを有するnAR502に対して送信する維持要求メッセージ、MN500のハンドオーバーが完了した後、nAR502が受信したCTDが正規のものかを確認するためのCTARなどを生成するものである。例えば、メッセージ生成手段301は、MN500とpAR501との通信が確立されると同時にCTARを生成し、またMN500のハンドオーバーが開始され、CTD通知を受けると維持要求メッセージを生成し、またMN500のハンドオーバーが完了すると同時にCTDが正規のものかを確認するためのCTARを生成する。送信手段302は、例えば、メッセージ生成手段301によって生成されたCTARをnAR502に送信したり、生成された維持要求メッセージをCTDを取得したnAR502に送信したり、生成されたCTDが正規のものかを確認するためのCTARをnAR502に送信したりするものである。なお、送信手段302は、例えば、メッセージ生成手段301によって生成された維持要求メッセージをnAR502に送信する際、受けたCTD通知に基づいて維持要求メッセージの送信開始のタイミングを判断し、CTDが消滅しないような時間間隔で定期的に送信する。
次に、本発明の第2の実施の形態に係るアクセスルータについて説明する。第2の実施の形態に係るアクセスルータの構成要素は、第1の実施の形態に係るアクセスルータの構成要素と基本的に同様であるため、第2の実施の形態に係るアクセスルータについては、第1の実施の形態に係るアクセスルータの説明で用いた図4を参照して説明し、その説明の際に用いる符号は図4と同一の符号を用いて説明する。
図4に示すように、アクセスルータは、受信手段400、時間リセット手段401、送信手段402、構築手段403から構成されている。なお、構成要素は、これらに限られるものではなく、アクセスルータ自身の動作を制御するための制御手段や情報の記憶手段などがあってもよい。受信手段400は、MN500やMN500の通信相手などからの情報や、他のアクセスルータから情報の取得要求のメッセージなどを受信するものである。例えば、受信手段400は、MN500から他のアクセスルータが有するCTDを取得するよう指示するCTARを受信したり、CTARに基づいてCTDを送信してくれるよう要求するCT−reqを受信したり、CT−reqに基づいてCTDを受信したり、CTDを取得した場合にMN500から維持要求メッセージを受信したり、受信したCTDが正規のものかを確認するためのCTARを受信したりする。
時間リセット手段401は、例えば、アクセスルータがCTDを取得した場合に、MN500から送信される維持要求メッセージに基づいて、経過するCTDが消滅するまでの所定時間をリセット(CTDの消滅するまでの時間を始めからカウントさせるようにする処理)するものである。送信手段402は、例えば、MN500から送信されたCTARに基づいてCT−reqをCTDを有するアクセスルータに送信したり、受信したCT−reqに基づいてCTDを送信したり、CTDを送信した場合にMN500に対してCTD通知を送信したりするものである。構築手段403は、受信手段400によって受信されたCTDに基づいて、MN500の新たな通信を確立するものである。例えば、構築手段403は、取得したCTDが正規のものかを確認するためのCTARが受信手段400によって受信されると同時に、受信されたCTDに基づいてMN500の新たな通信を確立する。なお、これらの構成要素はすべてのアクセスルータに組み込まれているが、アクセスルータが上述したpAR501として動作する場合とnAR502として動作する場合とでは用いられる構成要素及び処理は異なる。
<第3の実施の形態>
以下、本発明の第3の実施の形態に係る移動通信制御方法、移動端末及びアクセスルータについて図3、図4、図6を用いて説明する。第3の実施の形態におけるMNが移動する領域の環境は第1の実施の形態のものと同様であるため説明は省略する。まず、本発明の第3の実施の形態に係る移動通信制御方法における動作シーケンスの一例について図6を用いて説明する。図6に示すように、第3の実施の形態においても第1の実施の形態と同様、MN600とpAR601との間にはCTDが生成され、通信が確立されている。
このような状態において、MN600は、pAR601との通信が開始されると、pAR601に対して維持要求メッセージを時間間隔T3で定期的に送信開始する。その後、MN600がハンドオーバーを開始しハンドオーバーが完了するまで、維持要求メッセージは定期的に送信される。なお、維持要求メッセージは、3G若しくはWLANのインターフェースを介して送信される。また、維持要求メッセージは、CTDが消滅するまでの時間間隔T2よりも短い時間間隔T3で定期的に送信されることが望ましい。ただし、維持要求メッセージは送信途中で失われる場合があり、その場合CTDは消滅してしまう可能性があるため、時間間隔T3はより短い時間間隔であるほうがよい。
そして、MN600がハンドオーバーを完了すると、MN600はnAR602に対してCTDをpAR601から取得するよう指示するCTARを送信する。CTARを受信したnAR602は、pAR601に対してCTDを送信してくれるよう要求するCT−reqを送信し、CTDを取得する。そして、MN600は、nAR602に移動したCTDを消滅させないようにするため、nAR602に維持要求メッセージを送信する。nAR602は、MN600から維持要求メッセージを受けている間に、取得したCTDに基づいて自身を介して行われるMN600の通信を確立する。なお、pAR601は、nAR602にCTDを送信した旨を伝えるためのCTD通知をMN600に対して送信してもよい。このCTD通知により、MN600は維持要求メッセージの送信開始のタイミングを判断することができる。以上により、CTDがnAR602に移動した後、新たなMN600との通信が確立するまでに時間がかかってもCTDがnAR602で消滅することがなくなる。
次に、本発明の第3の実施の形態に係る移動端末(MN)について説明する。第3の実施の形態に係る移動端末の構成要素は、第1の実施の形態に係る移動端末の構成要素と基本的に同様であるため、第3の実施の形態に係る移動端末については、第1の実施の形態に係る移動端末の説明で用いた図3を参照して説明し、その説明の際に用いる符号は図3と同一の符号を用いて説明する。
図3に示すように、MN600は、受信手段300、メッセージ生成手段301、送信手段302から構成されている。なお、構成要素は、これらに限られるものではなく、MN600自身の動作を制御するための制御手段や情報の記憶手段などがあってもよい。受信手段300は、例えば、通信相手からの情報を受信したり、ハンドオーバーを開始するトリガとなる電波などを受信したり、pAR601からCTD通知を受信したりするものである。
メッセージ生成手段301は、CTDを有するpAR601やnAR602に対して送信する維持要求メッセージ、CTDを取得するよう指示するCTARなどを生成するものである。例えば、メッセージ生成手段301は、MN600とpAR601との通信が確立されると同時に維持要求メッセージを生成し、またMN600のハンドオーバーが完了すると同時にCTARを生成し、CTD通知を受けると同時に維持要求メッセージを生成する。送信手段302は、例えば、メッセージ生成手段301によって生成された維持要求メッセージをpAR601やnAR602に送信したり、生成されたCTARをnAR602に送信したりするものである。なお、送信手段302は、例えば、メッセージ生成手段301によって生成された維持要求メッセージをnAR602に送信する際、受けたCTD通知に基づいて維持要求メッセージの送信開始のタイミングを判断し、CTDが消滅しないような時間間隔で定期的に送信する。
次に、本発明の第3の実施の形態に係るアクセスルータについて説明する。第3の実施の形態に係るアクセスルータの構成要素は、第1の実施の形態に係るアクセスルータの構成要素と基本的に同様であるため、第3の実施の形態に係るアクセスルータについては、第1の実施の形態に係るアクセスルータの説明で用いた図4を参照して説明し、その説明の際に用いる符号は図4と同一の符号を用いて説明する。
図4に示すように、アクセスルータは、受信手段400、時間リセット手段401、送信手段402、構築手段403から構成されている。なお、構成要素は、これらに限られるものではなく、アクセスルータ自身の動作を制御するための制御手段や情報の記憶手段などがあってもよい。受信手段400は、MN600やMN600の通信相手などからの情報や、他のアクセスルータから情報の取得要求のメッセージなどを受信するものである。例えば、受信手段400は、CTDを有している場合にMN600から維持要求メッセージを受信したり、MN600から他のアクセスルータが有するCTDを取得するよう指示するCTARを受信したり、CTARに基づいてCTDを送信してくれるよう要求するCT−reqを受信したり、CT−reqに基づいてCTDを受信したり、CTDを取得した場合にMN600から維持要求メッセージを受信したりする。
時間リセット手段401は、例えば、アクセスルータがCTDを有している場合や取得した場合に、MN600から送信される維持要求メッセージに基づいて、経過するCTDが消滅するまでの所定時間をリセット(CTDの消滅するまでの時間を始めからカウントさせるようにする処理)するものである。送信手段402は、例えば、MN600から送信されたCTARに基づいてCT−reqをCTDを有するアクセスルータに送信したり、受信したCT−reqに基づいてCTDを送信したり、CTDを送信した場合にMN600に対してCTD通知を送信したりするものである。構築手段403は、例えば、受信手段400によって受信されたCTDに基づいて、MN600の新たな通信を確立するものである。なお、これらの構成要素はすべてのアクセスルータに組み込まれているが、アクセスルータが上述したpAR601として動作する場合とnAR602として動作する場合とでは用いられる構成要素及び処理は異なる。
<第4の実施の形態>
以下、本発明の第4の実施の形態に係る移動通制御信方法、移動端末及びアクセスルータについて図3、図4、図7を用いて説明する。第4の実施の形態におけるMNが移動する領域の環境は第1の実施の形態のものと同様であるため説明は省略する。まず、本発明の第4の実施の形態に係る移動通信制御方法における動作シーケンスの一例について図7を用いて説明する。図7に示すように、第4の実施の形態においても第1の実施の形態と同様、MN700とpAR701との間にはCTDが生成され、通信が確立されている。
このような状態において、MN700は、pAR701との通信開始後にハンドオーバーを開始すると、pAR701に存在するCTDを次のハンドオーバー先のアクセスルータに取得させるよう指示するCTARを送信する先を決定するため、ハンドオーバー先のアクセスルータを予測するための予測情報を提供するCARDデータベース(上述したアクセスルータ予測情報提供端末に相当)に予測情報の取得要求を示すCARD要求メッセージを送信する。そして、CARD要求メッセージに基づいて送信された該当する予測情報を含むCARD供給メッセージを受信したMN700は、CARD供給メッセージに含まれる予測情報に基づいてCTARの送信先を決定し、決定されたアクセスルータであるnAR702に対して3Gのインターフェースを介してCTARを送信する。
CTARを受信したnAR702は、pAR701に対してCTDを送信してくれるよう要求するCT−reqを送信し、CTDを取得する。MN700は、CTDを取得したnAR702に対してCTDが消滅しないようにするための維持要求メッセージを時間間隔T3で定期的に送信する。その後、MN700のハンドオーバーが完了するまで、維持要求メッセージは定期的に送信される。なお、維持要求メッセージは、3G若しくはWLANのインターフェースを介して送信される。また、維持要求メッセージは、CTDが消滅するまでの時間間隔T2よりも短い時間間隔T3で定期的に送信されることが望ましい。ただし、維持要求メッセージは送信途中で失われる場合があり、その場合CTDは消滅してしまう可能性があるため、時間間隔T3はより短い時間間隔であるほうがよい。
そして、MN700は、例えばハンドオーバーが完了するまで維持要求メッセージを送信し続け、ハンドオーバーが完了すると、nAR702が受信したCTDが正規のものかを確認するためのCTARをWLANのインターフェースを介してnAR702に対して送信する。そして、nAR702は、確認のためのCTARを受けて、取得したCTDが正規のものであると判断した場合に取得したCTDに基づいて自身を介して行われるMN700の通信を確立する。なお、pAR701は、nAR702にCTDを送信した旨を伝えるためのCTD通知をMN700に対して送信してもよい。このCTD通知により、MN700は維持要求メッセージの送信開始のタイミングを判断することができる。
次に、本発明の第4の実施の形態に係る移動端末(MN)について説明する。第4の実施の形態に係る移動端末の構成要素は、第1の実施の形態に係る移動端末の構成要素と基本的に同様であるため、第4の実施の形態に係る移動端末については、第1の実施の形態に係る移動端末の説明で用いた図3を参照して説明し、その説明の際に用いる符号は図3と同一の符号を用いて説明する。
図3に示すように、MN700は、受信手段300、メッセージ生成手段301、送信手段302から構成されている。なお、構成要素は、これらに限られるものではなく、MN700自身の動作を制御するための制御手段や情報の記憶手段などがあってもよい。受信手段300は、例えば、通信相手からの情報を受信したり、ハンドオーバーを開始するトリガとなる電波などを受信したり、CARDデータベースから予測情報を含むCARD供給メッセージを受信したり、pAR701からCTD通知を受信したりするものである。
メッセージ生成手段301は、例えば、MN700とpAR701との通信が確立され、ハンドオーバーが開始されると同時にCARD要求メッセージを生成し、またCARD供給メッセージを受信すると同時に、予測情報に基づいて送信先に決定されたnAR702に送信するためのCTARを生成し、またpAR701からCTD通知を受けると維持要求メッセージを生成し、またnAR702が受信したCTDが正規のものかを確認するためのCTARなどを生成するものである。送信手段302は、例えば、メッセージ生成手段301によって生成されたCARD要求メッセージをCARDデータデースに送信したり、生成されたCTAR、維持要求メッセージ、受信したCTDが正規のものかを確認するためのCTARをnAR702に送信したりするものである。なお、送信手段302は、例えば、メッセージ生成手段301によって生成された維持要求メッセージをnAR702に送信する際、受けたCTD通知に基づいて維持要求メッセージの送信開始のタイミングを判断し、CTDが消滅しないような時間間隔で定期的に送信する。
次に、本発明の第4の実施の形態に係るアクセスルータについて説明する。第4の実施の形態に係るアクセスルータの構成要素は、第1の実施の形態に係るアクセスルータの構成要素と基本的に同様であるため、第4の実施の形態に係るアクセスルータについては、第1の実施の形態に係るアクセスルータの説明で用いた図4を参照して説明し、その説明の際に用いる符号は図4と同一の符号を用いて説明する。
図4に示すように、アクセスルータは、受信手段400、時間リセット手段401、送信手段402、構築手段403から構成されている。なお、構成要素は、これらに限られるものではなく、アクセスルータ自身の動作を制御するための制御手段や情報の記憶手段などがあってもよい。受信手段400は、MN700やMN700の通信相手などからの情報や、他のアクセスルータから情報の取得要求のメッセージなどを受信するものである。例えば、受信手段400は、MN700から他のアクセスルータが有するCTDを取得するよう指示するCTARを受信したり、CTARに基づいてCTDを送信してくれるよう要求するCT−reqを受信したり、CT−reqに基づいてCTDを受信したり、CTDを取得した場合にMN700から維持要求メッセージを受信したり、受信したCTDが正規のものかを確認するためのCTARを受信したりする。
時間リセット手段401は、例えば、アクセスルータがCTDを取得した場合に、MN700から送信される維持要求メッセージに基づいて、経過するCTDが消滅するまでの所定時間をリセット(CTDの消滅するまでの時間を始めからカウントさせるようにする処理)するものである。送信手段402は、例えば、MN700から送信されたCTARに基づいてCT−reqをCTDを有するアクセスルータに送信したり、受信したCT−reqに基づいてCTDを送信したり、CTDを送信した場合にMN700に対してCTD通知を送信したりするものである。構築手段403は、例えば、取得したCTDが正規のものかを確認するためのCTARが受信手段400によって受信されると同時に、受信されたCTDに基づいてMN700の新たな通信を確立する。なお、これらの構成要素はすべてのアクセスルータに組み込まれているが、アクセスルータが上述したpAR701として動作する場合とnAR702として動作する場合とでは用いられる構成要素及び処理は異なる。
<第5の実施の形態>
以下、本発明の第5の実施の形態に係る移動通信制御方法、移動端末及びアクセスルータについて図3、図4、図8を用いて説明する。第5の実施の形態におけるMNが移動する領域の環境は第1の実施の形態のものと同様であるため説明は省略する。まず、本発明の第5の実施の形態に係る移動通信制御方法における動作シーケンスの一例について図8を用いて説明する。図8に示すように、第5の実施の形態においても第1の実施の形態と同様、MN800とpAR801との間にはCTDが生成され、通信が確立されている。
このような状態において、MN800は、pAR801との通信が開始されると、pAR801に対して維持要求メッセージを時間間隔T3で定期的に送信開始する。そして、ハンドオーバーを開始すると、MN800は、pAR801に存在するCTDを次のハンドオーバー先のアクセスルータに取得させるよう指示するCTARを送信する先を決定するため、ハンドオーバー先のアクセスルータを予測するための予測情報を提供するCARDデータベースに予測情報の取得要求を示すCARD要求メッセージを送信する。そして、CARD要求メッセージに基づいて送信された該当する予測情報を含むCARD供給メッセージを受信したMN800は、CARD供給メッセージに含まれる予測情報に基づいてCTARの送信先を決定し、決定されたアクセスルータであるnAR802に対して3Gのインターフェースを介してCTARを送信する。
CTARを受信したnAR802は、pAR801に対してCTDを送信してくれるよう要求するCT−reqを送信し、CTDを取得する。MN800は、CTDを取得したnAR802に対してCTDが消滅しないようにするための維持要求メッセージを時間間隔T3で定期的に送信する。その後、MN800のハンドオーバーが完了するまで、維持要求メッセージは定期的に送信される。図8の例では、MN800のハンドオーバーが完了していない状態でnAR802に維持要求メッセージが送信されているが、MN800のハンドオーバーが完了していてもよい。なお、維持要求メッセージは、3G若しくはWLANのインターフェースを介して送信される。また、維持要求メッセージは、CTDが消滅するまでの時間間隔T2よりも短い時間間隔T3で定期的に送信されることが望ましい。ただし、維持要求メッセージは送信途中で失われる場合があり、その場合CTDは消滅してしまう可能性があるため、時間間隔T3はより短い時間間隔であるほうがよい。
そして、MN800がハンドオーバーを完了すると、MN800は、nAR802が受信したCTDが正規のものかを確認するためのCTARをWLANのインターフェースを介してnAR802に対して送信する。そして、nAR802は、確認のためのCTARを受けて、取得したCTDが正規のものであると判断した場合に取得したCTDに基づいて自身を介して行われるMN800の通信を確立する。なお、pAR801は、nAR802にCTDを送信した旨を伝えるためのCTD通知をMN800に対して送信してもよい。このCTD通知により、MN800は維持要求メッセージの送信開始のタイミングを判断することができる。以上により、CTDがnAR802に移動した後、新たなMN800との通信が確立するまでに時間がかかってもCTDがnAR802で消滅することがなくなる。
次に、本発明の第5の実施の形態に係る移動端末(MN)について説明する。第5の実施の形態に係る移動端末の構成要素は、第1の実施の形態に係る移動端末の構成要素と基本的に同様であるため、第5の実施の形態に係る移動端末については、第1の実施の形態に係る移動端末の説明で用いた図3を参照して説明し、その説明の際に用いる符号は図3と同一の符号を用いて説明する。
図3に示すように、MN800は、受信手段300、メッセージ生成手段301、送信手段302から構成されている。なお、構成要素は、これらに限られるものではなく、MN800自身の動作を制御するための制御手段や情報の記憶手段などがあってもよい。受信手段300は、例えば、通信相手からの情報を受信したり、ハンドオーバーを開始するトリガとなる電波などを受信したり、CARDデータベースから予測情報を含むCARD供給メッセージを受信したり、pAR801からCTD通知を受信したりするものである。
メッセージ生成手段301は、例えば、MN800とpAR801との通信が確立され、ハンドオーバーが開始されると同時にCARD要求メッセージを生成し、またCARD供給メッセージを受信すると同時に、予測情報に基づいて送信先に決定されたnAR802に送信するためのCTARを生成し、またCTDを有するpAR801に対して維持要求メッセージを生成し、またpAR801からCTD通知を受けるとnAR802に対して維持要求メッセージを生成し、またnAR802が受信したCTDが正規のものかを確認するためのCTARなどを生成するものである。
送信手段302は、例えば、メッセージ生成手段301によって生成されたCARD要求メッセージをCARDデータデースに送信したり、生成されたCTAR、維持要求メッセージ、受信したCTDが正規のものかを確認するためのCTARをpAR801やnAR802に送信したりするものである。なお、送信手段302は、例えば、メッセージ生成手段301によって生成された維持要求メッセージをnAR802に送信する際、受けたCTD通知に基づいて維持要求メッセージの送信開始のタイミングを判断し、CTDが消滅しないような時間間隔で定期的に送信する。
次に、本発明の第5の実施の形態に係るアクセスルータについて説明する。第5の実施の形態に係るアクセスルータの構成要素は、第1の実施の形態に係るアクセスルータの構成要素と基本的に同様であるため、第5の実施の形態に係るアクセスルータについては、第1の実施の形態に係るアクセスルータの説明で用いた図4を参照して説明し、その説明の際に用いる符号は図4と同一の符号を用いて説明する。
図4に示すように、アクセスルータは、受信手段400、時間リセット手段401、送信手段402、構築手段403から構成されている。なお、構成要素は、これらに限られるものではなく、アクセスルータ自身の動作を制御するための制御手段や情報の記憶手段などがあってもよい。受信手段400は、MN800やMN800の通信相手などからの情報や、他のアクセスルータから情報の取得要求のメッセージなどを受信するものである。例えば、受信手段400は、CTDを有している場合にMN800から維持要求メッセージを受信したり、MN800から他のアクセスルータが有するCTDを取得するよう指示するCTARを受信したり、CTARに基づいてCTDを送信してくれるよう要求するCT−reqを受信したり、CT−reqに基づいてCTDを受信したり、CTDを取得した場合にMN800から維持要求メッセージを受信したり、受信したCTDが正規のものかを確認するためのCTARを受信したりする。
時間リセット手段401は、例えば、アクセスルータがCTDを有している場合や取得した場合に、MN800から送信される維持要求メッセージに基づいて、経過するCTDが消滅するまでの所定時間をリセット(CTDの消滅するまでの時間を始めからカウントさせるようにする処理)するものである。送信手段402は、例えば、MN800から送信されたCTARに基づいてCT−reqをCTDを有するアクセスルータに送信したり、受信したCT−reqに基づいてCTDを送信したり、CTDを送信した場合にMN800に対してCTD通知を送信したりするものである。構築手段403は、例えば、取得したCTDが正規のものかを確認するためのCTARが受信手段400によって受信されると同時に、受信されたCTDに基づいてMN800の新たな通信を確立する。なお、これらの構成要素はすべてのアクセスルータに組み込まれているが、アクセスルータが上述したpAR801として動作する場合とnAR802として動作する場合とでは用いられる構成要素及び処理は異なる。
<第6の実施の形態>
以下、本発明の第6の実施の形態に係る移動通信制御方法、移動端末及びアクセスルータについて図3、図9、図10、図11を用いて説明する。第6の実施の形態におけるMNが移動する領域の環境は第1の実施の形態のものと同様であるため説明は省略する。まず、本発明の第6の実施の形態に係る移動通信制御方法における動作シーケンスの一例について図9を用いて説明する。図9に示すように、第6の実施の形態においても第1の実施の形態と同様、MN900とpAR901との間にはCTDが生成され、通信が確立されている。
このような状態において、MN900は、pAR901との通信が開始されると、pAR901に存在するCTDを次のハンドオーバー先のアクセスルータに取得させるよう指示するCTARを送信する先を決定するため、ハンドオーバー先のアクセスルータを予測するための予測情報を提供する、第4及び第5の実施の形態で説明したCARDデータベースに予測情報の取得要求を示すCARD要求メッセージを送信する。そして、CARD要求メッセージに基づいて送信された該当する予測情報を含むCARD供給メッセージを受信したMN900は、CARD供給メッセージに含まれる予測情報に基づいてCTARの送信先を決定し、決定されたアクセスルータであるnAR902に対して3Gのインターフェースを介してCTARを送信する。
CTARを受信したnAR902は、pAR901に対してCTDを送信してくれるよう要求するCT−reqを送信し、CTDを取得する。MN900は、CTDが消滅する前に、nAR902が受信したCTDが正規のものかを確認するためのCTARをWLANのインターフェースを介してnAR902に対して送信する。そして、nAR902は、確認のためのCTARを受けて、取得したCTDが正規のものであると判断した場合に取得したCTDに基づいて自身を介して行われるMN900との通信を確立する。以上により、CTDが消滅する前にnAR902を介しての通信を確立するため、第1から第5の実施の形態で説明した維持要求メッセージを送信する必要はない。
次に、本発明の第6の実施の形態に係る移動端末(MN)について説明する。第6の実施の形態に係る移動端末の構成要素は、第1の実施の形態に係る移動端末の構成要素と基本的に同様であるため、第6の実施の形態に係る移動端末については、第1の実施の形態に係る移動端末の説明で用いた図3を参照して説明し、その説明の際に用いる符号は図3と同一の符号を用いて説明する。
図3に示すように、MN900は、受信手段300、メッセージ生成手段301、送信手段302から構成されている。なお、構成要素は、これらに限られるものではなく、MN900自身の動作を制御するための制御手段や情報の記憶手段などがあってもよい。受信手段300は、例えば、通信相手からの情報を受信したり、ハンドオーバーを開始するトリガとなる電波などを受信したり、CARDデータベースから予測情報を含むCARD供給メッセージを受信したりするものである。
メッセージ生成手段301は、例えば、MN900とpAR901との通信が確立され、ハンドオーバーが開始されると同時にCARD要求メッセージを生成し、またCARD供給メッセージを受信すると同時に、予測情報に基づいて送信先に決定されたnAR902に送信するためのCTARを生成し、またnAR902が受信したCTDが正規のものかを確認するためのCTARなどを生成するものである。送信手段302は、例えば、メッセージ生成手段301によって生成されたCARD要求メッセージをCARDデータデースに送信したり、生成されたCTAR、受信したCTDが正規のものかを確認するためのCTARをnAR902に送信したりするものである。
次に、本発明の第6の実施の形態に係るアクセスルータについて図10を用いて説明する。図10に示すように、アクセスルータは、受信手段1000、送信手段1001、構築手段1002から構成されている。なお、構成要素は、これらに限られるものではなく、アクセスルータ自身の動作を制御するための制御手段や情報の記憶手段などがあってもよい。受信手段1000は、MN900やMN900の通信相手などからの情報や、他のアクセスルータから情報の取得要求のメッセージなどを受信するものである。例えば、受信手段1000は、MN900から他のアクセスルータが有するCTDを取得するよう指示するCTARを受信したり、CTARに基づいてCTDを送信してくれるよう要求するCT−reqを受信したり、CT−reqに基づいてCTDを受信したり、受信したCTDが正規のものかを確認するためのCTARを受信したりする。
送信手段1001は、例えば、MN900から送信されたCTARに基づいてCT−reqをCTDを有するアクセスルータに送信したり、受信したCT−reqに基づいてCTDを送信したりするものである。構築手段1002は、例えば、取得したCTDが正規のものかを確認するためのCTARが受信手段1000によって受信されると同時に、受信されたCTDに基づいてMN900との新たな通信を確立する。なお、これらの構成要素はすべてのアクセスルータに組み込まれているが、アクセスルータが上述したpAR901として動作する場合とnAR902として動作する場合とでは用いられる構成要素及び処理は異なる。
なお、上述した第1から第6の実施の形態以外に、例えば図11に示すように、MN1100とpAR1101との間にはCTDが生成され、通信が確立されると、MN1100は、pAR1101が有するCTDを休止状態にさせないよう指示する起動維持メッセージをハンドオーバー前に3G若しくはWLANのインターフェースを介してpAR1101に送信する。pAR1101は、起動維持メッセージに基づいてCTDが休止状態になるまでの時間T1を無限に設定したり、若しくは大変長い時間に設定したりする。これにより、MN1100がハンドオーバーをし、pAR1101に存在するCTDがnAR1102に送信され、nAR1102を介したMN1100の通信が確立されるまでに時間がかかっても、CTDは消滅することはなく、より効率的に通信を確立することができる。
また、上述した第1から第6の実施の形態では主にMNとAR間通信の主にレイヤ3コンテキストに関する移動通信制御方法として説明をしてきたが、これはその他のレイヤの通信に関わるコンテキストであってもよい。例えば、レイヤ2コンテキストの場合には、通信端末とネットワーク内のレイヤ2エンティティとの間の通信に用いられるコンテキストがある。ここでネットワーク内のレイヤ2エンティティとは、GSM、GPRS、3G、WiMaxなど携帯電話網の基地局や通信制御局であってもよいし、無線LANやBluetoothのアクセスポイントであってもよい。さらに、レイヤ2コンテキストとは、例えば携帯電話網ではPDCPコンテキストなどであってもよいし、無線LANではアクセスポイントと端末が通信をする際のコンテキストであってもよい。このようなレイヤ2コンテキストである場合は、例えば、無線LANアクセスポイントに保存されているレイヤ2コンテキストを3Gネットワーク経由で他の無線LANアクセスポイントに送る際に本発明の移動通信制御方法を用いてもよい。このようにレイヤ2コンテキストを制御する場合は、それが可能であるならばCTPに代表されるレイヤ3手段に限らずともよい。
また、本発明のモバイルノードは、個別の実体を持つ端末デバイスであることはもちろん、例えば、実際の移動端末の接続点となる固定局間を論理エンティティとして移動し移動端末に対してモバイルネットワークを提供する、ソフトウェアなどで実装された論理的存在に対しても適用可能である。
なお、上記各実施の形態の説明に用いた各機能ブロックは、典型的には集積回路であるLSIとして実現される。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部又はすべてを含むように1チップ化されてもよい。ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路又は汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。さらには、半導体技術の進歩又は派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。例えばバイオ技術の適応などが可能性としてあり得る。
本発明に係る移動通信制御方法、移動端末及びアクセスルータは、ハンドオーバー後に、新たに始めからすべてのプロトコル状態の構築をせずに通信を継続することができるため、移動端末が複数の異なる通信網で構成された領域において通信する際の移動通信制御方法、移動端末及びアクセスルータなどに有用である。
本発明の第1から第6の実施の形態における移動端末が移動する通信領域を示す図
本発明の第1の実施の形態に係る移動通信制御方法における動作シーケンスの一例について説明するためのシーケースチャート
本発明の第1の実施の形態に係る移動端末の構成の一例を示す構成図
本発明の第1の実施の形態に係るアクセスルータの構成の一例を示す構成図
本発明の第2の実施の形態に係る移動通信制御方法における動作シーケンスの一例について説明するためのシーケースチャート
本発明の第3の実施の形態に係る移動通信制御方法における動作シーケンスの一例について説明するためのシーケースチャート
本発明の第4の実施の形態に係る移動通信制御方法における動作シーケンスの一例について説明するためのシーケースチャート
本発明の第5の実施の形態に係る移動通信制御方法における動作シーケンスの一例について説明するためのシーケースチャート
本発明の第6の実施の形態に係る移動通信制御方法における動作シーケンスの一例について説明するためのシーケースチャート
本発明の第6の実施の形態に係るアクセスルータの構成の一例を示す構成図
本発明の第1から第6の実施の形態に係る移動通信制御方法以外における動作シーケンスの一例について説明するためのシーケースチャート
従来の移動端末が移動する通信領域を示す図
従来の移動端末のハンドオーバーについて説明するための図
従来のCTDを用いた移動端末のハンドオーバーについて説明するための図
従来のCTDを用いた移動端末の他のハンドオーバーについて説明するための図
従来のCTDを用いた移動端末のハンドオーバー後のCTDの受け渡しが成功した際のシーケンスチャート
従来のCTDを用いた移動端末のハンドオーバー後のCTDの受け渡しが失敗した際のシーケンスチャート
従来の移動端末のハンドオーバーによる実際のデータレートを示す図