JPWO2007083638A1 - シガトキシンctx1b類の合成方法及びシガトキシンctx1b類の合成に有用な化合物類 - Google Patents

シガトキシンctx1b類の合成方法及びシガトキシンctx1b類の合成に有用な化合物類 Download PDF

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Abstract

CTX3Cなどシガトキシン類縁体の合成において開発され、確立した反応をより効率的にCTX1Bの全合成反応において適用可能としたCTX1Bの全合成方法において、特に、新規化合物3を合成するO,S−アセタール形成反応、新規化合物6から新規化合物8までの、9員環形成反応を構築すると共に、前記化合物Dを得るラジカル環化反応、CTX1Bを得る脱保護反応を含むCTX1Bの全合成方法、及び、CTX1Bの合成に特に有用であり、シガトキシン類縁体の合成に利用可能な、化合物1−8の新規化合物。

Description

本発明は基本的にはシガトキシン同族体であるシガトキシンCTX1B類の全合成の確立であり、更に前記全合成の効率的な製造を可能にする有用な化合物類を提供することである。
本来無毒な魚類が毒化して起こる食中毒シガテラは、熱帯、亜熱帯の珊瑚礁域で広く発生し、年間の患者数は5万人を超える。死亡率は低いものの、知覚異常、下痢、倦怠感、関節痛、痒みなどの症状が場合によっては数ヶ月も続く。このシガテラの主要原因毒として単離・構造決定されたシガトキシン(CTX)類は、13個のエーテル環が縮環する分子長3nmの巨大分子であり、20種類以上の同属体が存在する。CTX類は渦鞭毛藻(Gambierdiscus toxicus)により生産され、食物連鎖を通じて魚類に蓄積する。400種類にも達する毒魚は、見た目、味、においなどが正常であることから、南方海域の魚類資源開発の大きな障害となっており、CTX類の簡便かつ高感度な免疫学的測定法による検出法の開発が待たれている。
CTX類は神経興奮膜の電位依存性Naチャネル(voltage−sensitive sodium channels(VSSC)of excitable membranes)に特異的に結合し、これを活性化して毒性を発揮するが、その構造レベルでの活性発現機構は明らかにされていない。自然界のCTX類は微量成分であり、生産微細藻による培養生産も遅いことから、天然物による詳細な生物学的研究、抗CTX抗体調製は事実上不可能である。このような状況下、実用的な化学合成による天然物の量的供給が強く望まれている。
本発明者らは既に主要なシガトキシン同属体のひとつであるCTX3Cの全合成を提案した(非特許文献1、Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.101,12013−12018(2004))。さらに、CTX3Cを簡便に検出できるサンドイッチイムノアッセイを開発し(非特許文献2、J.Am.Chem.Soc.125,7608−7612(2003))、実際のシガテラ魚同定への適用を検討している。しかしながら、CTX3Cは主に草食魚に含まれるため、肉食魚からのシガトキシン検出には、他の同属体を用いた抗体作成が必要不可欠であった。
CTX3Cは、肉食魚に主に含まれるもっとも代表的なシガトキシンであり、CTX3Cより複雑な構造を有する。また、1989年に世界で初めて構造決定されたシガトキシンとして歴史的に最も重要な同属体として知られている。構造決定では、毒ウツボ4000kgから単離された0.3mgのCTX3Cが用いられた。しかし更なるサンプルを自然界から得ることは事実上不可能であり、標準サンプルとしてのCTX1Bの利用は、全合成を待たなければならなかった。
一般的に全合成においては、部分構造が異なれば新たな合成ルートの開発が必要となる。しかし、我々は多数存在するシガトキシン同属体を網羅的に合成するため、競合法よりも圧倒的に簡便かつ信頼性の高い収束的全合成法を開発した。これにより現在までに、数mg以上のCTX3C供給を可能にした。このようなコンセプトの下に、肉食魚のほうが、食物連鎖上上位にいるため、シガトキシンをより高濃度で濃縮している可能性があるので、シガテラ毒魚としては、より危険度が高いということが考えられCTX1Bの研究のために新たな効率的なCTX1Bの全合成法を開発することを考えた。
そこで、新たな効率的な全合成法の開発に当たり、前記既に開発されてきた適用が合理的と思われる反応モデルはできる限り利用することを考えた。すなわち、CTX1BのABCDE環部とHIJKLM環部との連結とFG環の形成反応へ適用することを考えた。しかし、CTX1BのA環部に存在する側鎖、7員環であるE構造は、CTX3Cと構造が異なり、CTX3Cで利用した方法論の直接的適用をすることが出来なかった。そこで、前記確立された合成反応の適用を可能とするために、目的化合物を製造至るまでの、改良された中間体の設計を効率的な製造の観点から以下に示した改良を加え、収率のより高い製造工程の向上を図った。(1)ラジカル環化反応による化合物Dの7員環形成では、CTX3Cにおける製造工程を利用することはできなかった。そこで、従来用いていたメチルアクリレートではなくペンタフルオロアクリレートをもつ化合物5を設計し、環化反応の収率を大幅に向上した。(2)ナフチルメチル(NAP)基脱保護において、A環部側鎖は、極めて酸に不安定であるため、従来のアセタールの酸加水分解では化合物Eアセタール中間体が生成したため、様々な条件検討を行った結果、1N塩酸/メタノールという条件で、アセタールを除去できることがわかり、初めてのCTX1Bの全合成をすることが出来た。また、前記開発において、すでに論文として報告しているHIJKLM環化合物A(非特許文献3、J.Org.Chem.69,2797−2804(2004))、化合物C(非特許文献4,Org.Lett.,6,751−754(2004))を、我々が開発した中性条件化行える連結反応により、重要中間体であるO,S−アセタール化合物3を合成できるとの考えの下にCTX1Bの合成における中間体の1つとして利用することを考えた。
発明が解決しようとする課題
本発明の課題は収率のよい、効率的なCTX1Bの全合成方法を提供することであり、そのためには、シガトキシン類縁体の合成において合理的と考えられる確立された反応を効率的に適用できる中間体の設計が重要であることから、効率的なCTX1Bの全合成方法に利用可能であることはもとより、シガトキシン類縁体の合成の改良にも繋がる有用な新規化合物を提供することである。このような観点から色々検討し、シガトキシン類縁体の合成において合理的な公知反応として、化合物3を合成するO,S−アセタール形成反応、化合物6から8までの、9員環形成反応を採用すると共に、前記化合物Dを得るラジカル環化反応、CTX1Bを得る脱保護反応などを新しく開発し、中間体を目的化合物に繋げるためのすべての新規化合物を合成することにより、前記課題を解決することができた。
本発明の第1は、請求の範囲1に記載の化合物A
Figure 2007083638
の二重結合を四酸化オスミウムで酸化しジオールとし、つづく過ヨウ素酸ナトリウムによる酸化開裂でアルデヒドへと変換後、水素化ホウ素ナトリウムを用いアルコールへ還元し化合物1
Figure 2007083638
とする工程(工程1)、前記化合物1のアルコールをジフェニルジスルフィド・トリブチルフォスフィンを用いて化合物2
Figure 2007083638
に変換する工程(工程2)、前記化合物2をα−クロロスルフィドへ変換し化合物B
Figure 2007083638
を合成したのち、前記化合物BとDTBMP(dimethylsulfoxide)存在下、銀トリフレートを用いてO,S−アセタールとして連結し化合物3
Figure 2007083638
とする工程(工程3)、前記化合物3のTIPS基(triisopropylsilyl基)をTBAF(tetrabutylammonium fluoride)を用いて除去し、化合物4
Figure 2007083638
とする工程(工程4)、前記化合物4のアルコールにペンタフルオロフェニルプロピオレートとトリメチルフォスフィンを用いて化合物5
Figure 2007083638
とする工程(工程5)、前記化合物5に対し、AIBN(α、α‘−azobis(isobutyronitrile)と水素化トリブチルスズで処理しラジカル環化反応を行って、G環部を構築しカルボン酸化合物D
Figure 2007083638
としたのち、トリメチルシリルジアゾメタンを作用させメチルエステルへ変換し化合物6
Figure 2007083638
とする工程(工程5)、前記化合物6のメチルエステルを低温条件下、水素化ジイソブチルアルミニウムでアルデヒドへ還元し、つづくWittig反応でオレフィンに変換して化合物7
Figure 2007083638
とする工程(工程6)、前記化合物7にグラブス触媒を作用させ閉環メタセシス反応をおこなって、F環部を構築し化合物8
Figure 2007083638
とする工程(工程7)及び前記化合物8の6つのNAP基(2−naphthylmethyl基)をDDQ(2,3−dichloro−5,6−dicyano−1,4−benzoquinone)を用いて酸化し5つのNAP基の除去とともに、A環側鎖の1,2−ジオールがナフチルアセタールで保護された化合物E
Figure 2007083638
を合成し(工程8)、および前記化合物Eを酸処理して(工程9)目的化合物であるCTX1B
Figure 2007083638
を製造する方法である。
本発明の第2は、前記化合物1であらわされる前記CTX1Bを製造する方法において有用な新規化合物であり、本発明の第3は、前記化合物2であらわされる前記CTX1Bを製造する方法において有用な新規化合物であり、本発明の第4は、前記化合物3であらわされる前記CTX1Bを製造する方法において有用な新規化合物であり、本発明の第5は、前記化合物4であらわされる前記CTX1Bを製造する方法において有用な新規化合物であり、本発明の第6は、前記化合物5であらわされる前記CTX1Bを製造する方法において有用な新規化合物であり、本発明の第7は、前記化合物6であらわされる新規化合物であり、本発明の第8は、前記化合物7であらわされる前記CTX1Bを製造する方法において有用な新規化合物であり、更に、本発明の第9は、前記化合物8であらわされる前記CTX1Bを製造する方法において有用な新規化合物である。
発明の効果
本発明の効率的なCTX1Bの全合成反応の提供は、生物科学研究やシガテラ毒魚検定法開発を進める上で必要な量の前記化合物を初めて提供可能とした点において重要であり、世界中で発生するシガテラ食中毒の標準サンプルとして活用されるという効果をもたらす8
本発明をより詳細に説明する。
A.前記非特許文献3に報告しているHIJKLM環化合物A(J.Org.Chem.69,2797−2804(2004))を、CTX1Bの半分に相当する構造を持つことからCTX1B合成の中間体として用い、下記の反応式内に記入の反応条件等において化合物Aの二重結合を四酸化オスミウムで酸化しジオールとし、つづく過ヨウ素酸ナトリウム(室温、rt)による酸化開裂でアルデヒドへと変換後、水素化ホウ素ナトリウムを用いアルコールへ還元し、化合物1とした(2工程の収率は91%である。)。
化合物1のアルコールをジフェニルジスルフィド・トリブチルフォスフィンを用いて化合物2に変換した(室温、rt、収率96%)。
Figure 2007083638
化合物2を四塩化炭素対ジクロロメタン6対1の混合溶媒中、NSCを用いてα−クロロスルフィドへ変換し化合物Bを合成した。続いて、すでに論文にて報告しているABCDE環アルコール化合物C(前記非特許文献4,Org.Lett.,6,751−754(2004))と化合物Bを、四塩化炭素対ジクロロメタン1対5の混合溶媒でDTBMP存在下、銀トリフレートを用いてO,S−アセタールとして連結し化合物3からとした(収率は、化合物Cに対して63%)。
Figure 2007083638
化合物3のTIPS基をTBAFを用いて除去し、化合物4とした(収率92%)。化合物4のアルコールにペンタフルオロフェニルプロピオレートとトリメチルフォスフィンを用いて、ペンタフルオロフェニルプロピオレートアクリレートを導入して、化合物5とした(収率94%)。
Figure 2007083638
化合物5に対し、トルエン溶媒中85℃でAIBNと水素化トリブチルスズで処理しラジカル環化反応を行って、G環部を構築しカルボン酸化合物Dとした。化合物Dにベンゼン−メタノール混合溶媒中、トリメチルシリルジアゾメタンを作用させメチルエステルへ変換し化合物6とした。
Figure 2007083638
化合物6のメチルエステルを低温条件下、水素化ジイソブチルアルミニウムでアルデヒドへ還元し、つづくWittig反応でオレフィンに変換して化合物7とした。化合物7にGrubbs触媒を作用させ閉環メタセシス反応をおこなって、F環部を構築し化合物8とした。
Figure 2007083638
化合物8の6つのNAP基をDDQを用いて酸化し、5つのNAP基の除去とともに、A環側鎖の1,2−ジオールがナフチルアセタールで保護された化合物Eを合成した。最後に、化合物Eをメタノール溶媒中1規定塩酸で処理し、目的化合物であるCTX1Bの全合成を達成した。
Figure 2007083638
ここでは、更に具体的な例を実施例として示すが、これは本発明をより理解し易くするためのものであり、本発明を限定するものではない。
実施例1
化合物1の合成
Figure 2007083638
HIJKLM環部化合物A(151mg,129μmol)のTHF(0.86mL)−水(0.43mL)混合溶媒(0.1M)に四酸化オスミウム(19mM t−BuOH溶液、710μL、13.4μmol)とNMO(50%水溶液、94μL、402μmol)を加え室温で2時間、激しく攪拌した。この溶液にリン酸緩衝溶液(pH=7.0、3.0mL、0.04M)、過ヨウ素酸ナトリウム(120mg、536μmol)を順次加え、室温で3時間攪拌した。この溶液に、飽和Na水溶液を加え反応を停止し、酢酸エチルと飽和NaHCO水溶液で希釈した。水槽を酢酸エチルで3回抽出し、合わせた有機層を飽和食塩水で洗い、NaSOで乾燥した。溶媒を濃縮し、粗アルデヒドを精製することなく次の反応に用いた。
アルデヒドのCHCl(5.0mL、0.25M)溶液を0℃に冷却し、水素化ホウ素ナトリウム(25mg、670μmol)を加え30分間攪拌した。この溶液に飽和NHCl水溶液を加え反応を停止し、酢酸エチルで希釈した。水槽を酢酸エチルで3回抽出し、合わせた有機層を飽和食塩水で洗い、NaSOで乾燥した。溶媒を濃縮し、フラッシュカラムで精製して、化合物1のアルコール(138mg、117μmol)2工程合計収率91%)を得た。化合物1の物性を表1に示す。
Figure 2007083638
Figure 2007083638
化合物2の合成
Figure 2007083638
化合物1(138mg,117μmol)のピリジン(1.2mL,0.1M)溶液にPhSSPh(153mg,702μmol)とn−PBu(175μL、702μmol)を加え室温で6時間攪拌した。この溶液に飽和NHCl水溶液を加え反応を停止し、酢酸エチルで希釈した。水槽を酢酸エチルで3回抽出し、合わせた有機層を飽和食塩水で洗い、NaSOで乾燥した。溶媒を濃縮し、フラッシュカラムで精製して、化合物2のチオフェニルエーテル(143mg,113μmol、96%)を得た。化合物2の物性を表2に示す。
Figure 2007083638
Figure 2007083638
Figure 2007083638
化合物3の合成
Figure 2007083638
化合物2(24.6mg,19.4μmolのCCl(280μL、0.07M)溶液にN−クロロスクシンイミド(2.67mg,20μmol)をCHCl(50μL)に溶かして加え、室温で2時間攪拌し、化合物Bを調整した。この混合溶液を、−80℃に冷却した化合物C(11.2mg,12.1mol)、銀トリフレート(7.5mg,32.3μmol)、DTBMP(13.3mg,64.5μmol)と活性化MS4A(40mg)のCHCl(1.5mL)溶液にゆっくり滴下した後、5時間攪拌して−10℃まで昇温させた。この反応溶液を0℃に冷やしたオープンカラムによりろ過し濃縮した。その後、フラッシュカラムを用いて精製し、化合物3のO,S−アセタール(16.6mg,7.57μmol、63%)を得た。化合物3の物性を表3に示す。
Figure 2007083638
Figure 2007083638
Figure 2007083638
Figure 2007083638
化合物4の合成
Figure 2007083638
化合物3(12.6mg,5.74μmol)のTHF(300μL、0.02M)溶液にTBAF(1.0M THF溶液,23μL、23μmol)を加え、35℃で4時間攪拌した。この溶液を濃縮した後、フラッシュカラムを用いて精製し、化合物4のアルコール(10.8mg,5.30μmol、92%)を得た。化合物4の物性を表4に示す。
Figure 2007083638
Figure 2007083638
Figure 2007083638
Figure 2007083638
化合物5の合成
Figure 2007083638
化合物4(6.7mg,3.29μmol)とペンタフェニルプロピオレート(3.1mg,13.2μmol)のCHCl(330μL、0.01M)溶液にPMe3(1.0M THF溶液,6.6μL、6.6μmol)を加え、室温で30分間攪拌した。さらに同じ等量のペンタフェニルプロピオレートとPMeを加え30分間攪拌を4回繰り返した。この溶液を濃縮した後、フラッシュカラムを用いて精製し、化合物5のアクリレート(7.0mg,3.08μmol、94%)を得た。化合物5の物性を表5に示す。
Figure 2007083638
Figure 2007083638
Figure 2007083638
Figure 2007083638
化合物6の合成
Figure 2007083638
化合物5(9.7mg,4.27μmol)、AIBN(7.1mg,43μmol)とn−BuSnH(58μL、215μmol)の凍結脱気したトルエン(4.3mL,0.001M)溶液を、85℃に加熱し3時間攪拌した。この反応液を冷却した後、直接フラッシュカラムを用いて精製し、化合物Dのカルボン酸(5.0mg,2.50μmol、59%)を得た。化合物Dはこれ以上の精製をせずに次の反応に使用した。
化合物Dのカルボン酸(5.0mg,2.50μmol)のベンゼン(0.86mL)−メタノール(0.43mL)混合溶媒(0.01M)にTMSCHN2(2.0Mヘキサン溶液,13μL、25mol)を加え、30分間攪拌した。この溶液をベンゼンと水で希釈し、酢酸を滴下して反応を停止した。この溶液に酢酸エチルと飽和NaHCO水溶液を加え、水槽を酢酸エチルで3回抽出した。有機層を飽和食塩水で洗い、NaSOで乾燥した。溶媒を濃縮し、フラッシュカラムで精製して、化合物6のメチルエステル(4.2mg,2.09μmol、84%)を得た。化合物6の物性を表6に示す。
Figure 2007083638
Figure 2007083638
Figure 2007083638
Figure 2007083638
化合物7の合成
Figure 2007083638
−100℃に冷却した化合物6(3.2mg,1.51μmol)のCHCl(1.5mL、0.001M)溶液にDIBAL(0.9Mヘキサン溶液、17μL、15.1μmol)をゆっくり滴下し、30分間攪拌し−90℃まで昇温させた。この溶液に酢酸エチルと飽和NHCl水溶液を加え反応を停止し、酢酸エチルで希釈した。水槽を酢酸エチルで3回抽出し、合わせた有機層を飽和食塩水で洗い、NaSOで乾燥した。溶媒を濃縮し、粗アルデヒドを得た。このアルデヒドは精製せずに次の反応に使用した。
トリフェニルフォスホニウムブロミド(54mg,151μmol)のTHF(1.0mL、0.001M)をt−BuOK(8.4mg,75μmol)で、0℃で処理し、混合物を0℃で20分間攪拌した。この溶液にアルデヒドのTHF溶液(0.5mL)を導入し、0℃で30分間攪拌した。この溶液に飽和NHCl水溶液を加え反応を停止し、水槽を酢酸エチルで3回抽出した。有機層を飽和食塩水で洗い、NaSOで乾燥した。溶媒を濃縮し、フラッシュカラムで精製して、化合物7のヘキサエン(2.3mg、1.16μmol、2工程合計77%)を得た。化合物7の物性を表7に示す。
Figure 2007083638
Figure 2007083638
Figure 2007083638
Figure 2007083638
化合物8の合成
Figure 2007083638
凍結脱気した化合物7(1.3mg,0.66μmol)のCHCl(1.0mL、0.7mM)溶液に、(PCyClRu=CHPh(Grubbs触媒,0.2mg,0.24μmol)を加え、40℃で4時間攪拌した。この溶液にEtN(0.1mL)を導入し反応を停止し、濃縮し、フラッシュカラムで精製して、化合物8のヘキサエン(1.0mg,0.51μmol、78%)を得た。化合物8の物性表8に示す。
Figure 2007083638
Figure 2007083638
Figure 2007083638
目的化合物であるCTX1Bの合成
Figure 2007083638
化合物8(450μg、0.23μmol)のCHCl(100μL)−水(100μL)溶液に、DDQ(1.6mg,6.9μmol)を加え、室温で45分間攪拌した。この溶液に、飽和NaO3O水溶液を加え反応を停止し、酢酸エチルと飽和NaHCO水溶液で希釈した。水槽を酢酸エチルで5回抽出し、合わせた有機層を飽和食塩水で洗い、溶媒を濃縮した。この混合物をHPLCで精製し化合物Eとした。
化合物Eのメタノール(200μL)溶液に、塩酸(1N.50μL)を加え、室温で30分間攪拌した。この溶液に飽和NaHCO水溶液を加え反応を停止し、濃縮した。この混合物を水と酢酸エチルで希釈し、水槽を酢酸エチルで5回抽出し、あわせた有機層を濃縮した。粗CTX1BをHPLCで精製し合成CTX1B(108μmg,0.097μmol,42%)とした。合成CTX1Bの物性を表9に示す。
Figure 2007083638
Figure 2007083638
Figure 2007083638
本明細書における略号の説明
AIBN α、α‘−azobis(isobutyronitrile)
Cy cyclohexyl
DDQ 2,3−dichloro−5,6−dicyano−1,4−benzoquinone
DIBAL diisobutylaluminum hydride
DMSO dimethylsulfoxide
DTBMP 2,6−di−butyl−4−methylpyridine
Grubbs触媒
benzylidene−bis(tricyclohexylphosphine)dichlororuthenium
HPLC high performance liquid chromatography
Me methyl
NaHMDS sodium bis(trimethylsilyl)amide
NAP 2−naphthylmethyl
Ph phenyl
TBAF tetrabutylammonium fluoride
Tf trifluoromethanesulfonyl
THF tetrahydrofuran
TMS trimethylsilyl
TIPS triisopropylsilyl
本発明は、生物科学研究やシガテラ毒魚検定法開発を進める上で必要な量の前記化合物を初めて提供可能としたものであり、世界中で発生するシガテラ食中毒の標準サンプルとして活用される化合物を提供することにおいて産業上の利用性がある。

Claims (9)

  1. 下記の化合物A
    Figure 2007083638
    の二重結合を四酸化オスミウムで酸化しジオールとし、つづく過ヨウ素酸ナトリウムによる酸化開裂でアルデヒドへと変換後、水素化ホウ素ナトリウムを用いアルコールへ還元し化合物1とする工程(工程1)、
    Figure 2007083638
    前記化合物1のアルコールをジフェニルジスルフィド・トリブチルフォスフィンを用いて化合物2に変換する工程(工程2)、
    Figure 2007083638
    前記化合物2をα−クロロスルフィドへ変換し化合物B
    Figure 2007083638
    を合成したのち、前記化合物BとDTBMP存在下、銀トリフレートを用いてO,S−アセタールとして連結し化合物3とする工程(工程3)、
    Figure 2007083638
    前記化合物3のTIPS基をTBAFを用いて除去し、下記の化合物4とする工程(工程4)、
    Figure 2007083638
    前記化合物4のアルコールにペンタフルオロフェニルプロピオレートとトリメチルフォスフィンを用いて化合物5とする工程(工程5)、
    Figure 2007083638
    前記化合物5に対し、AIBNと水素化トリブチルスズで処理しラジカル環化反応を行って、下記のG環部を構築しカルボン酸化合物Dとしたのち、
    Figure 2007083638
    トリメチルシリルジアゾメタンを作用させメチルエステルへ変換し化合物6とする工程(工程5)、
    Figure 2007083638
    前記化合物6のメチルエステルを低温条件下、水素化ジイソブチルアルミニウムでアルデヒドへ還元し、つづくWittig反応でオレフィンに変換して化合物7とする工程(工程6)、
    Figure 2007083638
    前記化合物7にグラブス触媒を作用させ閉環メタセシス反応をおこなって、F環部を構築し化合物8とする工程(工程7)
    Figure 2007083638
    及び前記化合物8の6つのNAP基をDDQを用いて酸化し5つのNAP基の除去とともに、A環側鎖の1,2−ジオールがナフチルアセタールで保護された化合物Eを合成し(工程8)、
    Figure 2007083638
    および前記化合物Eを酸処理して(工程9)目的化合物であるCTX1Bを製造する方法。
    Figure 2007083638
    前記化合物A、B、D、E、CTX1B、及び化合物1−8において、NAPは2−naphthylmethyl基、Meはmethyl基、TIPSはtriisopropylsilyl基、Phはphenyl基を表す。また、略号、DTBMPは2,6−di−butyl−4−methylpyridine、TBAFはtetrabutylammonium fluoride、AIBNはα、α‘−azobis(isobutyronitrile)、DDQは2,3−dichloro−5,6−dicyano−1,4−benzoquinone、を表す。
  2. 請求の範囲1に記載のCTX1Bの製造に用いられる化合物1であらわされる新規化合物
  3. 請求の範囲1に記載のCTX1Bの製造に用いられる化合物2であらわされる新規化合物
  4. 請求の範囲1に記載のCTX1Bの製造に用いられる化合物3であらわされる新規化合物
  5. 請求の範囲1に記載のCTX1Bの製造に用いられる化合物4であらわされる新規化合物
  6. 請求の範囲1に記載のCTX1Bの製造に用いられる化合物5であらわされる新規化合物
  7. 請求の範囲に記載のCTX1Bの製造に用いられる化合物6であらわされる新規化合物
  8. 請求の範囲に記載のCTX1Bの製造に用いられる化合物7であらわされる新規化合物
  9. 請求の範囲に記載のCTX1Bの製造に用いられる化合物8であらわされる新規化合物
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