JPWO2007073005A1 - メチル基転移反応調節物質 - Google Patents

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Abstract

本発明は、一酸化炭素を含有することを特徴とする、生体高分子のメチル化調節剤及び生体高分子のメチル化調節方法を提供する。また、本発明は、細胞の分化誘導剤及び細胞の分化誘導方法がを提供する。

Description

本発明は、生体高分子のメチル化に影響を与える物質に関する。詳しくは、生体高分子におけるメチル基転移反応を調節する物質に関する。
生体高分子のメチル化は、細胞や臓器の保護にかかわる重要な生体制御機構の調節系として重要な役割を果たしている。このような生体高分子の修飾は、蛋白質、酵素及びDNAなどに対して起こる。特にDNAの場合には、アセチル化が遺伝子発現のスイッチを入れる機構であるのに対して、メチル化は発現スイッチを切る機構であり、極めて重要である。
ところで、一酸化炭素(CO)は、低酸素、活性酸素、過剰な一酸化窒素(NO)、重金属、熱ショック、ホルモン産生などにより各種の細胞に誘導されるheme oxygenaseから生成されるガスメディエーターである。このガス分子は未知の細胞保護効果や炎症反応の抑制、移植免疫寛容、細胞の分化誘導などに関与していることが知られているが、そのメカニズムは明らかにされていない(文献1〜4)。
(文献)
1.Hayashi S,Takamiya R,Yamaguchi T,Matsumoto K,Tojo SJ,Tamatani T,Kitajima M,Makino N,Ishimura Y,Suematsu M(1999)Induction of heme oxygenase−1 suppresses venular leukocyte adhesion elicited by oxidative stress:role of bilirubin generated by the enzyme.Circ Res 85:663−671.
2.Goda N,Suzuki K,Naito M,Takeoka S,Tsuchida E,Ishimura Y,Tamatani T,Suematsu M(1998)Distribution of heme oxygenase isoforms in rat liver.Topographic basis for carbon monoxide−mediated microvascular relaxation.J Clin Invest 101:604−612.
3.Kyokane T,Norimizu S,Taniai H,Yamaguchi T,Takeoka S,Tsuchida E,Naito M,Nimura Y,Ishimura Y,Suematsu M(2001)Carbon monoxide from heme catabolism protects against hepatobiliary dysfunction in endotoxin−treated rat liver.Gastroenterology 120:1227−1240.
4.Wakabayashi Y,Takamiya R,Mizuki A,Kyokane T,Goda N,Yamaguchi T,Takeoka S,Tsuchida E,Suematsu M,Ishimura Y(1999)Carbon monoxide overproduced by heme oxygenase−1 causes a reduction of vascular resistance in perfused rat liver.Am J Physiol 277(5 Pt 1):G1088−1096.
本発明が解決しようとする課題は、生体高分子におけるメチル基転移反応を調節し得る物質及びメチル基転移反応の調節方法を提供することにある。
また、本発明の別の課題は、細胞の分化を誘導する物質及び細胞の分化誘導方法を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決するべく鋭意検討を行った。その結果、生体内で一酸化炭素(CO)が、蛋白質やDNA等の生体高分子におけるメチル化に関与し、メチル基転移反応を調節し得る物質であることを見出し、本発明を完成した。
すなわち本発明は、以下のとおりである。
(1) 一酸化炭素を含有することを特徴とする、生体高分子のメチル化調節剤。
(2) 生体高分子が、タンパク質又はDNAである、(1)に記載の調節剤。
(3) 生体高分子が、transketorase又はalpha−enolaseである、(1)に記載の調節剤。
(4) 生体高分子に一酸化炭素を接触させることを特徴とする、生体高分子のメチル化調節方法。
(5) 一酸化炭素を含有することを特徴とする、細胞の分化誘導剤。
(6) 細胞に一酸化炭素を接触させ、細胞中のタンパク質の脱メチル化を亢進することを特徴とする、細胞の分化誘導方法。
また、本発明は以下に関する。
(7) 一酸化炭素を含有する生体高分子のアセチル化調節剤。
(8) 生体高分子に一酸化炭素を接触させることを特徴とする、生体高分子のアセチル化調節方法。
(9) 一酸化炭素を含有するheme oxygenase−1の発現誘導方法。
(10) 生体高分子に一酸化炭素を接触させ、heme oxygenase−1の発現を誘導することを特徴とする、生体高分子における一酸化炭素の産生方法。
図1は、Chromatin immnoprecipitationによるCOの遺伝子修飾作用の検証方法の概要を示すフロー図である。
図2は、U937の分化マーカーであるCD11aのCO投与によるクロマチン動態の変化を示す図である。
図3は、ADMA抗体を用いたWestern blottingによるglobal protein methylationの解析とCO添加による効果を示す図である(Ru:Ru(DMSO)Cl,CO donor:CORM−2)。
図4は、一酸化炭素(CO)処理により、メチル化修飾を受けるタンパク質の同定のストラテジーを示す図である。
図5は、ADMA抗体を用いたWestern blottingによるメチル化タンパク質の検出を示す図である。スポット3,5,6,34,35,36はCO処理でメチル化の増強したスポットを示す。
図6は、2次元電気泳動ゲルから切り出したスポットのMALDI−TOF/MS解析結果を示す図である。
図7は、ADMA抗体を用いたWestern blottingによるメチル化タンパク質の検出を示す図である。
図8は、MALDI−TOF/MS解析結果をまとめた図である。
以下、本発明について詳しく説明するが、本発明の範囲はこれらの説明に拘束されることはなく、以下の例示以外についても、本発明の趣旨を損なわない範囲で適宜変更し実施し得る。
なお、本明細書において引用された全ての刊行物、例えば先行技術文献、及び公開公報、特許公報その他の特許文献は、その全体が参照として本明細書に組み入れられる。また、本明細書は、本願優先権主張の基礎となる米国仮出願第60/753,388号の開示内容を包含する。
ガスメディエータは、細胞膜を容易に通過することが可能であり、蛋白質やDNAなどの生体高分子と結合して特異的な機能を付与する分子群である。一酸化炭素は、このガスメディエータの一つであり、ヘムがヘムオキシゲナーゼにより、ビリベルジン、ビリルビンなどの胆汁色素と一酸化炭素と還元鉄(Fe2+)とに分解されることにより生じることが知られている。しかし、一酸化炭素の特異的な機能については十分に明らかにされていなかった。
本発明において、一酸化炭素は、生体高分子のメチル化又は脱メチル化を亢進する作用を有することが明らかになった。すなわち、本発明おいて、一酸化炭素は、生体高分子のメチル化調節に使用できることが示された。したがって、本発明は、一酸化炭素を含有する生体高分子のメチル化調節剤及び一酸化炭素による生体高分子のメチル化調節方法に関する。
また、本発明において、一酸化炭素は、生体高分子のアセチル化を制御する作用、特に生体高分子のアセチル化を亢進する作用を有することが明らかになった。すなわち、本発明において、一酸化炭素は生体高分子のアセチル化調節に使用できることが示された。したがって、本発明は、一酸化炭素を含有する生体高分子のアセチル化調節剤及び一酸化炭素による生体高分子のアセチル化調節方法に関する。生体高分子のアセチル化は、遺伝子発現の制御に関係することが知られているため、一酸化炭素は生体高分子のアセチル化調節を介して遺伝子発現を制御することが可能といえる。
また、生体高分子のメチル化若しくは脱メチル化またはアセチル化は、遺伝子発現の制御に関係することが知られているため、一酸化炭素は、生体高分子のメチル化またはアセチル化の調節を介して、遺伝子発現、さらに細胞の分化誘導を制御することが可能といえる。実際、実施例において、白血病細胞株U937を一酸化炭素で処理することにより、細胞の分化誘導が引き起こされることが示された。したがって、本発明は、一酸化炭素を含有する細胞の分化誘導剤又は一酸化炭素による細胞の分化誘導方法に関する。
さらにまた、本発明において、一酸化炭素は、heme oxygenase−1(HO−1)の発現を誘導することが示された。HO−1はヘムを分解する酵素であり、ヘムの分解により一酸化炭素が生成される。すなわち、本発明において、一酸化炭素はHO−1の発現誘導を介する一酸化炭素の産生に使用できることが示された。したがって、本発明は、一酸化炭素による生体高分子における一酸化炭素の産生方法にも関する。
本発明において、「メチル化の調節」又は「メチル基転移反応の調節」は、生体高分子におけるメチル基修飾状態の制御、メチル基の転移もしくは離脱の亢進、又は生体高分子のメチル化若しくは脱メチル化の亢進を意味する。また、「アセチル化の調節」は、生体高分子におけるアセチル基の転移もしくは離脱の亢進、又は生体高分子のアセチル化もしくは脱アセチル化の亢進を意味する。亢進の程度は、特に限定されないが、一酸化炭素で処理しない対照生体高分子のメチル化またはアセチル化の程度の5%以上、好ましくは10%以上、より好ましくは30%以上、さらに好ましくは40%以上である。
本発明において、生体高分子は、メチル化またはアセチル化可能な側鎖を有する生体由来の分子であれば特に限定されないが、例えば、タンパク質、核酸(DNA、RNAなど)、脂質、糖質などが挙げられる。本発明において、生体高分子は、好ましくはタンパク質又はDNA、より好ましくはタンパク質である。一酸化炭素によりメチル化される生体高分子としては、例えば、解糖系の酵素であるtransketolase又はalpha−enolaseが挙げられる。
本発明において、一酸化炭素によりメチル化またはアセチル化される側鎖には、アミノ酸の側鎖、より好ましくはアルギニンの側鎖を挙げることができるが、特に限定されるものではない。また、一分子あたりのメチル化またはアセチル化の数は特に限定されない。
本発明において、一酸化炭素は、そのまま使用してもよいし、あるいは、一酸化炭素を含有するリポソーム、一酸化炭素を含有するヘムおよびヘム蛋白質、一酸化炭素を含有する赤血球又は水溶液中で一酸化炭素を放出できる一酸化炭素含有錯体等の修飾型一酸化炭素、さらには体内で代謝されてCOを放出する化合物(アリルハイドロカーボンなど)を使用してもよい。気体の一酸化炭素を使用することが好ましい。また、操作の安全性の点から、修飾型一酸化炭素を使用することが好ましい。後述する一酸化炭素を含有する医薬組成物を使用しても良い。
一酸化炭素含有錯体には、CORM−1、CORM−2([Ru(CO)Cl)(Ozawa N,Goda N,Makino N,Yamaguchi T,Yoshimura Y,Suematsu M(2002)Leydig cell−derived heme oxygenase−1 regulates apoptosis of premeiotic germ cells in response to stress.J Clin Invest 109:457−467.))、CORM−3、CORM−A1、CORM−F3などのCO releasing moleculeを挙げることができる。それぞれ中心金属は、マンガン(CORM−1)、ルテニウム(CORM−2、−3)、ホウ素(CORM−A1)及び鉄(CORM−F3)である。本発明において、一酸化炭素含有錯体は、生体高分子に対する中心金属の作用が比較的小さい点で、CORM−2が好ましい。
本発明において、一酸化炭素による生体高分子のメチル化またはアセチル化の調節は、生体高分子に一酸化炭素を接触させることにより行うことができる。より具体的には、メチル化調節またはアセチル化調節の対象となる生体高分子を含む細胞、組織、体液などに一酸化炭素を接触させることにより行うことができる。
本発明において、「接触」は、生体高分子又は生体高分子を含む細胞、組織、体液を一酸化炭素の存在する環境にさらすことを意味する。接触には、例えば、一酸化炭素の存在下で細胞若しくは組織を培養する態様、一酸化炭素を含む培地で細胞若しくは組織を培養する態様、又は細胞、組織若しくは体液に一酸化炭素ガスを吹きつける態様などがある。
細胞又は組織の培養液に添加する場合の一酸化炭素の濃度は、0.1〜10000μmol/L、好ましくは1〜1000μmol/L、より好ましくは10〜100μmol/L、さらに好ましくは25μmol/Lである。また、細胞、組織又は体液に一酸化炭素を暴露する場合の濃度は、5−100μmol/L、より好ましくは10−30μmol/Lである。
接触は、10℃〜60℃、好ましくは20℃〜50℃、より好ましくは30℃〜40℃、最も好ましくは37℃で、10分〜72時間、好ましくは20分〜60時間、さらに好ましくは30分〜48時間行うことができる。
このように生体高分子のメチル化またはアセチル化を調節することができるが、メチル化またはアセチル化の程度は、抗メチル化抗体または抗アセチル化抗体を用いるウエスタンブロット解析、ELISA(Enzyme−linked immunosorbent assay)法、免役沈降法などの免疫化学的方法により検出することができる。また、免疫化学的方法に、公知の生体高分子の抽出、分離、精製方法を適宜組み合わせて、目的の生体高分子のメチル化またはアセチル化を検出することもできる。
メチル化の検出に使用する抗メチル化抗体は、メチル化された生体高分子を認識する抗体又はメチル基を認識する抗体であればよく、例えば、抗メチル化シトシン抗体(Filgen社、ASB社)、抗メチル化リジン抗体、抗ジメチルアルギニン抗体(ADMA)、抗メチル化ヒストンH3(K9)抗体(Upstate社、Abcam社、SIGMA社)、抗ジメチルヒストンH3(K9)抗体(upstate#07−441)、抗メチル化DNA抗体、抗メチルグリオキサール抗体(日本油脂、日本老化制御研究所)を挙げることができる。
アセチル化の検出に使用する抗アセチル化抗体は、アセチル化された生体高分子を認識する抗体又はアセチル基を認識する抗体であればよく、限定されるわけではないが、例えば、抗アセチルヒストンH3(Lys9)抗体(Upstate#07−352)を挙げることができる。
例えば、ヒストンのメチル化状態(修飾状態)は、クロマチン免疫沈降法により検出することができる。
クロマチン免疫沈降法は、まず、一酸化炭素に接触させた細胞をformaldehydeなどで固定し、酵素的に切断して250〜500bp平均になるようにDNAを断片化する。このサンプルから、anti−dimethyl histone H3(Lys9)antibody(upstate#07−441)を用いて免疫沈降する。次に、reverse−crosslinking及び溶出を行い、溶出液を用いてPCRにより目的遺伝子の増幅を行う。増幅産物を電気泳動し、ヒストンH3のメチル化状態を判断することができる。
このクロマチン免疫沈降法は、後述する一酸化炭素による細胞の分化誘導を検出するために使用することもできる。
一酸化炭素処理により、メチル基またはアセチル基による修飾状態が変動したタンパク質は、公知のタンパク質同定手法により同定することができる。
例えば、2次元電気泳動とウエスタンブロット解析において、対照に比べて修飾状態が変動したスポット中のタンパク質は、質量分析計を用いて同定することができる。場合により、スポット中のタンパク質をトリプシンなどにより消化してから質量分析計で解析してもよい。質量分析計は、例えば、マトリックス支援レーザー脱離イオン化−飛行時間型マススペクトロメトリー(MALDI−TOF/MS)、エレクトロスプレーマススペクトロメトリー(ESI/MS)、液体クロマトグラフィーマススペクトロメトリー(LC/MS)、ガスクロマトグラフィーマススペクトロメトリー(GC/MS)等を使用することができる。MALDI−TOF/MSで質量分析した場合は、解析結果からペプチドマスフィンガープリント法(PMF法)によりタンパク質を同定することができる。
また、本発明者は、ヒト白血病細胞株U937において、一酸化炭素処理によりU937の分化が誘導されることを、上記のクロマチン免疫沈降法を用いて示した。つまり、分化誘導剤であるPMAでU937を処理すると、U937の分化マーカーであるCD11aの転写調節領域中のヒストンH3の脱メチル化およびアセチル化が亢進するが、このヒストンH3の脱メチル化およびアセチル化の亢進は、一酸化炭素処理によっても同様に確認された。このことは、一酸化炭素は白血病細胞などの未分化な細胞の分化を誘導できること示している。したがって、本発明は、一酸化炭素を含有する細胞の分化誘導剤(以下、「本発明の分化誘導剤」とも称する)を提供する。また、本発明は、細胞に一酸化炭素を接触させ、細胞中のタンパク質の脱メチル化又はアセチル化を亢進することを特徴とする、細胞の分化誘導方法も提供する。本発明の分化誘導剤は、細胞の分化誘導方法及び細胞の分化誘導療法に使用することができる。
また、本発明において、一酸化炭素は、リンパ系細胞の分化誘導に関係するため、炎症反応や移植における拒絶反応の人為的制御、及びこの制御に用いる医薬組成物(以下、「本発明の免疫調節剤」とも称する)に使用することができる。
また、本発明において、生体高分子に一酸化炭素を接触させるとHO−1の発現が誘導されるため、一酸化炭素はHO−1の誘導に使用することができる。さらに、一酸化炭素により、発現量の増加したHO−1を介して、生体内で一酸化炭素の産生が亢進するため、一酸化炭素は生体高分子における内因性一酸化炭素の産生に使用することができる。すなわち、COの外因性投与は内因性のCOを増加させ、細胞機能制御を相加的に制御する可能性がある。
さらに、一酸化炭素は生体高分子が担う多様な生物機能に関与していると考えられるため、本発明により、メチル化制御またはアセチル化制御を受ける全てのタンパク質又は遺伝子を人為的に制御することが可能となった。本発明は、メチル化制御またはアセチル化制御を受けることが将来的に解明されるタンパク質又は遺伝子についても、適用することができる。
本発明の分化誘導剤又は本発明の免疫調節剤の有効成分である一酸化炭素には、前述の通り、一酸化炭素又は一酸化炭素含有錯体等を使用することができるが、これに限定されるものではない。
なお、COはhemoglobinに結合して末梢組織に運ばれるものである。そのため、COを生体に投与する方法に関しては、(1)低濃度(100ppm程度)の吸入とすること、(2)赤血球、修飾ヘモグロビン及びliposome−encapsulated hemoglobin等に結合させて血管内投与すること、並びに(3)protoheme IX及びprotoporphyrin IX等を体内に投与すること(経口投与、又は腹腔内若しくは筋肉内注射:40〜100μmol/L)が好適であると考えられ、さらには、(4)dopamine及びdobutamine等の、細胞のcyclic AMPを増加させてHO−1を誘導する能力のあるすべての薬剤等により代替投与が可能であると考えられる。
本発明の分化誘導剤又は本発明の免疫調節剤の投与量は、年齢、性別、症状、投与経路、投与回数、剤形によって異なる。
例えば、気体の一酸化炭素を使用する場合は、成人(60kg)、1日当たり0.1〜300ppm、好ましくは10〜200ppm、より好ましくは100ppmの濃度で1分〜24時間、好ましくは5分〜12時間、より好ましくは10分〜6時間、吸入投与する。吸入は、一酸化炭素元(例えば、一酸化炭素ボンベ又は濃縮装置)に接続したマスク、鼻カテーテル、鼻カニューレを用いて行うことができる。またCOの飽和溶液(生理食塩水)を血管から投与することも可能である。
また、一酸化炭素含有錯体、又は赤血球、修飾ヘモグロビン、代謝によりCOを放出する化合物及びliposome−encapsulated hemoglobin等に結合した一酸化炭素(修飾型一酸化炭素)を使用する場合は、成人(60kg)、1日当たり、0.1nmol〜1000μmol、好ましくは1nmol〜100μmol、より好ましくは10nmol〜10μmolで投与する。protoheme IX又はprotoporphyrin IXの成人(60kg)1日当たりの投与量は、0.1〜10000μmol/kg、好ましくは1〜1000μmol/kg、より好ましくは10〜100micromol/kgである。
修飾型一酸化炭素を使用する場合は、そのまま使用しても良いし、薬理学的に許容された担体と組み合わせて製剤化したものを使用しても良い。また、protoheme IX若しくはprotoporphyrin IX、又はdopamine若しくはdobutamineを使用する場合も、そのまま使用しても良いし、製剤化したものを使用しても良い。
薬理学的に許容される担体としては、例えば通常医薬に使用される、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、潤滑剤、乳化剤、着色剤、矯味矯臭剤、界面活性剤、溶解補助剤、懸濁化剤、等張剤、安定化剤、緩衝剤、抗酸化剤などを挙げることができる。
製剤としては、錠剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤、シロップ剤などの経口剤、坐剤、軟膏剤、点眼剤、パップ剤などの外用剤、又は注射剤を挙げることができる。
上記注射剤は、点滴、筋注、皮下注、静注などの方法で使用することができる。注射剤は、上記の薬理学的に許容される担体を適宜組み合わせて、リポソーム製剤として製剤化してもよい。
また、本発明は、一酸化炭素を含むキット(以下、「本発明のキット」とも称する)を提供する。本発明のキットは、生体高分子のメチル化の調節もしくはアセチル化の調節又は細胞の分化誘導に用いるものである。本発明のキットに含まれる一酸化炭素は、特に限定されず、例えば、気体の一酸化炭素、修飾型一酸化炭素、又は製剤化した一酸化炭素である。本発明のキットは、一酸化炭素の他に、生体高分子のメチル化もしくはアセチル化の調節又は細胞の分化誘導の実施及び検出に使用する他の試薬、例えば、メチル化検出試薬(例えば抗メチル化抗体)、アセチル化検出試薬(例えば抗アセチル化抗体)生体高分子又は細胞、酵素基質(発色性基質など)、酵素反応停止剤を含めることができる。さらに、本発明のキットには、各種緩衝液、滅菌水、培養容器、反応容器、実験操作説明書などを含めることもできる。
以下に、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Chromatin immnoprecipitation methodによるDNA修飾の検出
<方法>(図1)
COによる細胞内のmethionine poolの上昇が遺伝子発現に影響するかを検討するために、ヒト細胞株U937の分化マーカーであるCD11aの基本転写調節領域中のヒストンH3の修飾状態をクロマチン免疫沈降(ChIP)法により調べた。CD11aは血球細胞の分化誘導マーカーであり、白血病細胞であるU937が単球マクロファージ系に分化する際に細胞膜上に発現する。U937細胞1x10 cellsを10ng/ml phorbor myristate acetate(PMA)又はCO除放剤(CO releasing molecule−2:CORM−2/[Ru(CO)Cl(Ozawa N,Goda N,Makino N,Yamaguchi T,Yoshimura Y,Suematsu M(2002)Leydig cell−derived heme oxygenase−1 regulates apoptosis of premeiotic germ cells in response to stress.J Clin Invest 109:457−467.))25μmol/Lで48時間処理した。細胞を1%formaldehydeで固定した後、enzymatic shearingにより250〜500bp平均になるようにDNAを断片化し、anti−dimethyl histone H3(Lys 9)antibody(upstate#07−441)及びanti−acetyl histone H3(Lys9)antibody(Upstate#07−352)を用いて免疫沈降を行った。その後、reverse−crosslinking及びelutionを施して、続いてPCRにより遺伝子増幅を行った。PCRでは、図2に示すように、CD11a遺伝子の上流の約−200〜+100を増幅した。CO処理のコントロールとしてはRu(DMSO)Clを用いた。
<結果>
図2に示すように、CORM−2を添加すると、コントロールであるRu(DMSO)Cl処理群に比べてchromatinのヒストンH3のLysine残基のメチル化(MeH3)が低下し(青色枠で囲んだパネル(左から2列目のパネルの上2つ)参照)、一方ではヒストンH3のLysine残基(Lys9)のアセチル化が顕著に増加する(オレンジ色枠で囲んだパネル(最右列のパネルの上2つ)参照)ことが明らかになった。この変化は、分化誘導物質であるPMAの処理によっても同様の変化が認められたことから、COは白血病細胞の分化誘導を惹起したことが明らかになった(図2)。
Anti−dimethyl−arginine antibody(ADMA)を用いた蛋白質メチル化の検出
<方法>
細胞内の蛋白質のメチル化を検出するためにanti−dimethyl−arginine antibody(ADMA)を用いたWestern blot analysisを行った。細胞としてヒト胎児肝芽細胞腫細胞株であるHepG2,副腎由来細胞PC12を用い、それぞれから蛋白質を抽出し、15μgをWestern解析に用いてblottingを行った。CORM−2(50μmol/L又は100μmol/L)あるいはそのコントロール化合物であるRu(DMSO)Cl(50μmol/L)を細胞培養液に加えて、6−24時間培養したときのメチル化蛋白質の増加を検出した。COを加えた際の内因性のCO生成系であるheme oxygenase−1(HO−1)の消長を確認するため、同じサンプルについてanti−HO−1 antibody GTS−1を用いたWestern blottingを行った。
<結果>
図3に示すように、HepG2及びPC12をCORM−2で処理すると、複数の蛋白質(異なる分子量の位置)においてメチル化が亢進していることが明らかであったため、COが細胞内蛋白質のメチル化を活性化することが明確に示された。
さらに、図3の最下段に示すように、外因性のCOを添加すると内因性のHO−1の誘導がかかることが合わせて明らかになった。すなわち、COの外因性投与は内因性のCOを増加させ、細胞機能制御を相加的に制御する可能性も示された。
CO処理によりメチル化修飾を受けるタンパク質の同定
<方法>
CO処理によりメチル化修飾を受けるタンパク質の同定は、以下のように行った(図4)。
まず、細胞を、コントロールであるRu(DMSO)Cl(100μM)、又はCOドナーであるCORM−2(100μM)の存在下で30分培養し、細胞を回収した。次に、回収した細胞から調製した全細胞溶解液(160μg/ゲル)を2次元電気泳動し(pH6−11)、分離されたタンパク質を実施例2で使用した抗ジメチルアルギニン(ADMA)抗体を用いてWestern blot analysisした。
Ru(DMSO)Clで処理したサンプルのスポットと、CORM−2で処理したサンプルのスポットを比較し、メチル化の程度に差のあるスポットを切り出した。切り出したスポットのタンパク質をトリプシンによりゲル内消化し、次にMALDI−TOF/MSにより質量分析を行った。質量分析の結果から、PMF法によりタンパク質を同定した。
<結果>
Western blot analysisの結果、CO処理により、スポット3,5,6,34,35及び36のメチル化がコントロール処理に比べて亢進していることが確認された(図5)。これらのスポットを切り出し、MALDI−TOF/MS解析し、PMF法でタンパク質を同定した結果を図6に示す。
同定の結果、図5でCO処理により発現の増強が確認されたスポットの中、スポット3,5及び6はtransketoraseであり、スポット34,35及び36はalpha−enolaseであった。
また、同様にヒト単球由来U937細胞を30分間CORM−2又はコントロールであるRu(DMSO)Cl処理したときの細胞から、細胞質画分を分離し、2次元電気泳動を行い、ADMA抗体を用いてWestern blot analysisを行った。その結果、CO処理により、コントロール処理に比べてメチル化が亢進しているスポット(矢印)と脱メチル化が生じているスポットが(白抜き矢印)確認された(図7)。
本実施例で検討したスポットとその同定結果を図8にまとめた。スポット3,5及び6のtransketorase、並びにスポット34,35及び36のalpha−enolaseを線で囲んだ。
この結果から、COは、タンパク質のメチル化の調節作用を有することが示された。また、COによりメチル化が亢進するタンパク質として、transketolase及びalpha−enolaseが同定された。
本発明では、以上の結果から鑑み、次のような応用例を実施することもできると考えられる。
(1)白血病細胞や未分化な細胞の形質転換による分化誘導療法
例えば、一酸化炭素により、癌細胞などの未分化な細胞を正常細胞に分化させるような分化誘導療法に対して一酸化炭素を使用することが可能である。
(2)炎症反応や移植における拒絶反応の人為的制御
(3)これまでの解析でまだ明らかになっていないメチル化制御を受ける蛋白質及び遺伝子の特定が行われることを前提とした、これら生体高分子が担う生物機能すべての人為的制御
本発明により、生体高分子のメチル化調節剤及び生体高分子のメチル化調節方法が提供される。また、本発明より、細胞の分化誘導剤及び細胞の分化誘導方法が提供される。
本発明により、一酸化炭素が担う生物機能を制御することが可能となるため、本発明は、例えば、炎症反応や移植における拒絶反応の制御に適用することができる。

Claims (6)

  1. 一酸化炭素を含有することを特徴とする、生体高分子のメチル化調節剤。
  2. 生体高分子が、タンパク質又はDNAである、請求項1に記載の調節剤。
  3. 生体高分子が、transketorase又はalpha−enolaseである、請求項1に記載の調節剤。
  4. 生体高分子に一酸化炭素を接触させることを特徴とする、生体高分子のメチル化調節方法。
  5. 一酸化炭素を含有することを特徴とする、細胞の分化誘導剤。
  6. 細胞に一酸化炭素を接触させ、細胞中のタンパク質の脱メチル化を亢進することを特徴とする、細胞の分化誘導方法。
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