JPWO2007043172A1 - タバコ用フィルタ - Google Patents

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政司 松永
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文人 吉田
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    • A24D3/06Use of materials for tobacco smoke filters
    • A24D3/14Use of materials for tobacco smoke filters of organic materials as additive

Abstract

【課題】タバコ喫煙時に発生する、主流煙中のダイオキシン類やベンツピレンなどの発ガン性物質を特に効果的に吸着・除去し得、かつ、タバコ独特の香喫味やタバコフィルタの通気性を維持し得るタバコ用フィルタを提供すること。【解決手段】二本鎖DNA及びトウモロコシの穂軸粉砕物からなる有害物質除去材を含有してなるタバコ用フィルタ。【選択図】 なし

Description

本発明は、喫煙時において、タバコの主流煙中の有害物質を効果的に除去し得る、DNA及びトウモロコシ穂軸粉砕物からなる有害物質除去材を含有し、且つ、タバコ独特の香喫味及びフィルタの通気性を損なうことが少ない、タバコ用フィルタに関するものである。
従来、タバコ用フィルタとしては一般にセルロース化合物が用いられてきた。たとえばセルロースアセテート繊維からなるフィルタが香喫味を損なわうことなく、タバコの主流煙中の有害成分を吸着・除去できるとして、広く使用されている。具体的には、たとえばセルロースアセテート繊維を捲縮トウに加工し、このトウの単繊維繊度を小さくしたり、繊維充填量を大きくしたりするなどにより、フィルタの濾過効率を改善している。
さらに、有害成分の吸着性の改良を目的として、上記タバコ用フィルタに活性炭やゼオライトなどの無機系吸着剤を添加することも知られており、代表的な例として以下を挙げることができる。
(1)ゼオライト粉末を吸着剤として含有するもの(特許文献1)。
(2)少なくともCaO、B23、SiO2、及びAlO3で構成された多孔質ガラスを含むもの(特許文献2)。
また、上記無機系吸着剤だけでなく、活性成分としてDNAをフィルタに直接付着させ、タバコ煙に含有される発ガン性の毒性生成物を捕捉することも知られている(特許文献3)。
一方、有害成分を吸着・除去する材料としては、一例として、土壌、砂、砂礫、粘土、石、コンクリート、アスファルト、煉瓦、ブロック、たとえば活性炭やカーボンブラックなどのカーボン、ゼオライト、ポリマー、プラスチック、エラストマー材料、金属及びスチールのような金属合金、ガラス、ガラス繊維、セラミックス、織布や編布などのテキスタイル類、セルロース性材料、及びこれらの組合せ、などが知られている。
このうち、具体的なセルロース性材料としては、木材、木材チップ、おがくず、紙、ボール紙、トウモロコシの穂軸粉砕物(コーンコブ)、などが知られている。
特開平02−308784 特開2001−95552 仏国特許第2798302号明細書
ところで近年、タバコ主流煙中の有害物質、特にダイオキシン類及びベンツピレンに関し、その発ガン性が注目され、これら有害物質を効果的に吸着・除去できるフィルタを望む声が大きくなっている。しかしながら前述の無機系吸着剤の添加による改良を施して有害物質の吸着・除去能を改善させたタバコ用フィルタにあっては、タバコ主流煙中のタールやニコチンの除去効果については言及されているものの、ダイオキシン類及びベンツピレンに関する除去効果については示されていなかった。
また、タバコ主流煙中の有害物質を除去できるタバコ用フィルタは、有害物質除去能を有するだけでなく、タバコ独特の風味、すなわち風味の元となる化学物質まで除去してしまったり、あるいはフィルタに用いた材料の風味が添加されてしまうなど、タバコの喫味を損なわせることもあり得た。さらに、フィルタの通気性が損なわれてしまい、タバコ煙の吸いこみに抵抗感を感じてしまうなど、タバコの品質低下につながる事態もあり得、これらの点について注意を要する。
本発明者らは、前記従来技術の課題を解決すべく鋭意研究を重ね、その結果、意外なことに、有害物質除去材としてDNAを付着させたトウモロコシの穂軸粉砕物を用い、タバコ用フィルタに該有害物質除去材を含ませることによって、従来の活性炭などをタバコ用フィルタに含ませた場合と比較しては勿論のこと、トウモロコシの穂軸粉砕物のみ又はDNAのみをタバコ用フィルタに含ませた場合よりも、タバコ主流煙中の有害物質をより効果的に吸着・除去できることを見出し、かつそれだけでなく、タバコ独特の風味とフィルタの良好な通気性を維持することができることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、ダイオキシン類やベンツピレンなどの発ガン性物質を特に効果的に吸着でき、かつ、タバコ独特の香喫味とフィルタの通気性を維持できるタバコ用フィルタを提供することを目的とする。
本発明は二本鎖DNA及びトウモロコシの穂軸粉砕物からなる有害物質除去材を含有してなるタバコ用フィルタに関する。
本発明のタバコ用フィルタにおいて、該有害物質除去材に含まれる二本鎖DNAは、該トウモロコシ穂軸粉砕物の該表面に付着して存在することが望ましい。
また、前記有害物質除去材に含まれる該トウモロコシ穂軸粉砕物は、5質量%以下の水分含量を有する乾燥されたトウモロコシ穂軸粉砕物からなることが望ましい。
また、前記有害物質除去材を、繊維質フィルタ材からなるフィルタロッドの中に混入させて、本発明のタバコ用フィルタとなってもよく、その場合、好ましくは該有害物質除去材は、二本鎖DNA及び150μm乃至500μmの粒径を有するトウモロコシ穂軸粉砕物からなってもよい。
あるいは、繊維質フィルタ材からなる複数のフィルタロッドを備え、前記有害物質除去材からなる層を、該フィルタロッドと該フィルタロッドの間に介在させて、本発明のタバコ用フィルタとなってもよく、その場合、好ましくは該有害物質除去材は、二本鎖DNA及び500μm乃至1,000μmの粒径を有するトウモロコシ穂軸粉砕物からなってもよい。
また、本発明のタバコ用フィルタにおいて除去される有害物質としてはダイオキシン類又は/並びにベンツピレンであってよい。
本発明によれば、有害物質除去材としてトウモロコシ穂軸粉砕物の表面に二本鎖DNAを付着させた構成とすることによって、タバコ喫煙時に有害物質、特にダイオキシンやベンツピレンなどを、該二本鎖DNA分子間にインターカレーション捕捉し、同時に、該トウモロコシ穂軸粉砕物が有する多孔質体構造もまた上記有害物質を吸着できることから、これらにより主流煙中の該有害物質の効果的な除去を可能としている。
また、上記構成、すなわち、二本鎖DNAをトウモロコシ穂軸粉砕物の外表面に付着させることによって、二本鎖DNAはタバコフィルタ(繊維質フィルタ材)に直接付着させるよりも脱落しにくくなり、有害物質除去能が長期間維持できるという利点も有する。
さらに、トウモロコシ穂軸粉砕物への二本鎖DNAの付着量、並びに、トウモロコシ穂軸粉砕物の粒径及び使用量を調整することにより、上記有害物質除去能を有しながら、同時に、タバコ独特の香喫味とフィルタの良好な通気性の維持を可能とすることができる。
加えて、トウモロコシ穂軸粉砕物は通常、農業地域の産業廃棄物として処理されており、安価に有害物質除去材原料の一種を調達することができる。
以下、本発明のタバコ用フィルタの各構成要素及びその機能に関してさらに説明する。
(1)二本鎖DNAについて
本発明における有害物質除去材に含まれる二本鎖DNAは、螺旋型を有する二本のポリヌクレオチド鎖(二重螺旋)からなり、たとえば、サケ、ニシン、タラ等の魚類の白子(精巣)から得られるDNA、あるいは、ウシ、ブタ、ニワトリ等の哺乳動物若しくは鳥類の胸線から得られるDNAが好ましい。
二本鎖DNAは、二本のポリヌクレオチド鎖の糖−リン酸骨格から、構造的相補性を有する平面的な塩基同士が、螺旋の軸に対して垂直に、螺旋の中央部に向かって突出し合い、水素結合で結合している。DNAの二本鎖の塩基対と塩基対の間には、B型構造の場合、幅約1.1nm、高さ0.34nmの隙間があり、平面構造を有する小分子はこの隙間に入り込むことが可能であり、これを「インターカレーション」と呼ぶ。この現象は、小分子の電荷や疎水性により促進される場合がある。ダイオキシン類などの人間にとっての有害な物質は、複数のベンゼン環からなるものが多く、これらは平面構造を有する。従って、二本鎖DNAを利用して、喫煙時にタバコ主流煙から発生する有害物質をより効果的に捕捉・除去することが可能である。
該二本鎖DNAの形態としては、トウモロコシ穂軸粉砕物の外表面に付着され得るものであればよく、たとえば粉末状、繊維状、又はフィルム状といった形態であり得、好ましくは粉末状、特に微粉末の形態がより好ましい。二本鎖DNAを微粉末の形状となすことにより、二本鎖DNAの全表面積が相対的に大きなものとなり、有害物質の捕捉・除去能をさらに向上し得る。
(2)トウモロコシの穂軸粉砕物について
本発明における有害物質除去材に含まれるトウモロコシの穂軸粉砕物とは、トウモロコシの穂軸部分を粉砕することにより得られるもので、好ましくはトウモロコシの穂軸部分を粉砕することにより得られるものをいう。好ましくは、トウモロコシの穂軸部分を天日又は乾燥機等で乾燥した後に粉砕することにより得られるものが挙げられる。
該トウモロコシ穂軸粉砕物の形状は特に限定されず、粉砕することにより得られる種々の形状(例えば、4面体、6面体、8面体のような多面体、球形、扁平な球形等)をとることができる。なお、該トウモロコシ穂軸粉砕物の内部構造は多孔質性でハニカム構造(蜂の巣状)を呈し、さらに孔を形成する隔壁面に多数の小孔を有することが知られており(石郷岡清基ら、第39回日本実験動物技術者協会総会講演要旨)、こうした小孔に有害物質が吸着するものと推測される。すなわち、トウモロコシ穂軸粉砕物の有害物質除去能は、それ自身が有する内部構造によるものとみられる。
該トウモロコシ穂軸粉砕物の粒径は、繊維質フィルタ材からなるフィルタロッドの中に混入できるか、あるいは該繊維質フィルタ材からなる複数のフィルタロッドの間に有害物質除去材からなる層として介在でき、かつ、効果的な有害物質除去能を有し得、かつ、タバコの香喫味とタバコ用フィルタの良好な通気性が維持できるようにするべく考慮し、適宜選択するものとする。該粒径が大きすぎると、粉砕物の全表面積が相対的に小さなものとなり、前記二本鎖DNAの目的量を付着できないという事態が起こり得、又、有害物質除去能の点で相対的に劣り、その上、該繊維質フィルタ材からなるフィルタロッドの中への混入が難しくなり得、また、反対に該粒径が小さすぎると、二本鎖DNAの付着量及び有害物質除去能は高い水準を維持するものの、フィルタ全体の通気性が低下し、繊維質フィルタ材の目詰まりを引き起こし易くなる。このため、該繊維質フィルタ材からなるフィルタロッドの中に混入させる場合には、該粒径は150μm乃至500μmの範囲にあることが好ましい。また、該フィルタロッドの間にトウモロコシ穂軸粉砕物からなる層として介在させる場合には、該粒径は500μm乃至1,000μmの範囲にあることが好ましい。
また、該トウモロコシ穂軸粉砕物は乾燥状態であることが好ましく、水分含有量が5質量%以下であることが特に好ましい。
(3)有害物質除去材の作成方法
本発明における有害物質除去材は、二本鎖DNAをトウモロコシ穂軸粉砕物の表面に付着させてなることが望ましく、この場合、該二本鎖DNAを該トウモロコシ穂軸粉砕物に散布することなどにより、付着させ得る。このとき、該二本鎖DNAは、該トウモロコシ穂軸粉砕物に対して物理的な力、たとえば分子間力、静電気力により、あるいは、化学的結合、たとえば共有結合、イオン結合、配位結合により、あるいは、それら両方の結合によって付着され得る。なお、本発明において、二本鎖DNAがトウモロコシ穂軸粉砕物から脱落しない状態で存在していれば、二本鎖DNAはトウモロコシ穂軸粉砕物に付着されているとみなすものとする。
(4)有害物質除去材のタバコ用フィルタ内の設置方法について
本発明における有害物質除去材は、繊維質フィルタ材からなるフィルタロッドの中に混入させてもよいし、あるいは、有害物質除去材からなる層を形成させ、該繊維質フィルタ材からなる複数のフィルタロッドの間に該層を介在させてもよい。
該有害物質除去材を、該繊維質フィルタ材からなるフィルタロッドの中に混入させる場合、該フィルタロッド中の該有害物質除去材の分布は、有害物質の効果的な吸着・除去効果の発揮を考慮し、タバコ用フィルタのタバコと接する一端側に部分的に分布させることが好ましい。
また、有害物質除去材からなる層を形成させ、該繊維質フィルタ材からなる複数のフィルタロッドの間に該層を介在させる場合、すなわち、該繊維質フィルタ材で該層を挟みこむサンドイッチ構造とする場合、有害物質の効果的な吸着・除去効果の発揮を考慮し、該層はタバコ用フィルタの略中央部に介在させることが好ましい。
(5)有害物質除去材(二本鎖DNA及びトウモロコシ穂軸粉砕物)の量について
本発明における有害物質除去材、すなわち前記二本鎖DNA及び前記トウモロコシ穂軸粉砕物の使用量は、タバコ用フィルタに加工した際に効果的な有害物質除去能を有し得、かつ、タバコの香喫味とタバコ用フィルタの良好な通気性が維持できるようにするべく考慮し、適宜選択するものとする。
該二本鎖DNA及び該トウモロコシ穂軸粉砕物の使用量が少なすぎると目的とする有害物質除去能に達し得ないことがあり得、また、多すぎるとフィルタに目詰まりを起こすなどして、フィルタの通気性を損し得る。
このため、たとえば、前記繊維質フィルタ材からなるフィルタロッドの中に混入させる場合には、該フィルタロッドに対して該二本鎖DNAは0.001質量%乃至0.1質量%の範囲で、好ましくは0.002質量%乃至0.05質量%の範囲で、より好ましくは0.005質量%乃至0.01質量%の範囲で用いることが好ましく、又、該トウモロコシ穂軸粉砕物は0.05質量%乃至10質量%の範囲で、好ましくは0.1質量%乃至5質量%の範囲で、より好ましくは0.3質量%乃至1質量%の範囲で用いることが望ましい。
また、有害物質除去材からなる層を形成させ、該繊維質フィルタ材からなる複数のフィルタロッドの間に該層を介在させてなる場合には、該フィルタロッドに対して該二本鎖DNAは0.0001質量%乃至0.1質量%の範囲で、好ましくは0.001質量%乃至0.05質量%の範囲で、より好ましくは0.003質量%乃至0.01質量%の範囲で用いることが望ましく、又、該トウモロコシ穂軸粉砕物は0.01質量%乃至10質量%の範囲で、好ましくは0.05質量%乃至3質量%の範囲で、より好ましくは0.1質量%乃至1.5質量%の範囲で用いることが望ましい。
(6)繊維質フィルタ材について
本発明における繊維質フィルタ材の素材としては、タバコ用フィルタとして慣用に用いられる素材を用いて良く、たとえばセルロース繊維、セルロースエステル繊維、たとえばセルロースアセテート、セルロースプロピオネート、セルロースブチレートなどの有機酸エステル;セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレートなどの混酸エステル;及びポリカプロラクトングラフト化セルロースエステルなどのセルロースエステル誘導体などであって良い。これらは単独で用いても良いし、二種以上を組合せて用いても良い。
(7)その他の含有物質について
本発明のタバコ用フィルタはまた、二本鎖DNA及びトウモロコシ穂軸粉砕物が有する有害物質除去能を害せず、また、タバコの香喫味と良好な通気性が維持される場合において、さらなる有害物質を除去し得る物質、たとえば活性炭や、又は香料などをさらに含有してなってもよい。
次に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例はいかなる場合も本発明を限定するものと解釈してはならない。
本実施例及び比較例においては、以下に述べる手順にて作成したタバコ用フィルタ4種を用いて試験用タバコ4種を作成し、タバコ主流煙中の各種有害物質の除去効果、及び、喫煙感に関する喫煙試験を行った。
<試験用タバコ用フィルタの作成>
実施例1
トウモロコシ穂軸粉砕物(レンゴー社製、粒径0.6mm〜)およそ100gに対して、微粉末状の二本鎖DNA1.5gを散布して、付着させた(DNA濃度:1.5質量%)。続いて、市販のアセテートフィルタ(長手方向0.8cm幅)を二個用い、該フィルタで前記DNAを付着させたトウモロコシ穂軸粉砕物114mg/本からなる顆粒層(約0.5cm幅)を挟み、試験用タバコ用フィルタとした。
比較例1
本比較例においては、顆粒層に実施例1で使用のトウモロコシ穂軸粉砕物のみを用いた構成以外は実施例1と同様にして、試験用タバコ用フィルタとした。
比較例2
本比較例においては、顆粒層を活性炭(韓国セネティン社、粒径0.51mm〜)、189mg/本として用いた構成以外は実施例1と同様にして、試験用タバコ用フィルタとした。
比較例3
本比較例においては、市販のアセテートフィルタ(長手方向2.1cm幅)のみを用いて試験用タバコ用フィルタとした。
<試験用タバコの作成>
実施例1、比較例1〜3にて作成された試験用タバコ用フィルタを、相対湿度60%、温度22℃の環境下で48時間以上保存した。
タバコ部分には市販のタバコ(JT社製、商品名 セブンスター)を用い、該タバコ部分もまた、相対湿度60%、温度22℃の環境下で48時間以上保存し、喫煙試験開始直前に試験用タバコ用フィルタと接続し、試験用タバコとした。
得られた試験用タバコを以下の試験例1、2の試験方法に従って、それぞれ試験を行った。
<試験方法>
試験例1:有害物質除去能試験
HamburgII自動喫煙装置に、上記の通り作成した4種のタバコの、それぞれの主流煙(空気:タバコ=7:3)を1puff/35ml/2秒で20本/に地、計10回喫煙させた。その後、排気された総気体に含まれるベンツピレン量を測定した。その結果を図1並びに表1に示す。
Figure 2007043172
図1ならびに表1に示す通り、DNAを付着させたトウモロコシ穂軸粉砕物を用いたタバコ用フィルタにおいて、主流煙中の平均ベンツピレン濃度は、アセテートフィルタのみの場合より約54%低減し、また、活性炭を用いた場合より約30%、トウモロコシ穂軸粉砕物のみを用いた場合より約12%低減し、ベンツピレンの吸着・除去効果が高いことが明らかとなった。
試験例2:喫煙感の試験
上記手順にて作成された4種の試験用タバコを、30人の被験者に喫煙してもらい、このうち、DNAを付着させたトウモロコシの穂軸粉砕物を加えたもの、トウモロコシの穂軸粉砕物のみを加えたもの、及び活性炭を加えたものと、アセテートフィルタのみとを、香喫味及び吸いこみ感の観点から比較した。
評価は、アセテートフィルタのみと比べて、香喫味及び吸いこみ感がどの程度低下したかを、
変わらない、或いは、全く気づかなかった…3点
やや違和感が感じられた…2点
明らかに違和感が感じられた…1点
として評価し、DNAを付着させたトウモロコシの穂軸粉砕物を加えたもの、トウモロコシの穂軸粉砕物を加えたもの、活性炭を加えたもののそれぞれについて平均点を算出した。
結果を表2に示す。
Figure 2007043172
表2に示す通り、DNAを付着させたトウモロコシ穂軸粉砕物を用いたタバコ用フィルタは、タバコ独特の香喫味並びに吸いこみ感が、アセテートフィルタのみの場合とほぼ変わらない結果となった。
図1は試験用タバコフィルタの違いによる主流煙中のベンツピレンの検出量を示す図である。

Claims (8)

  1. 二本鎖DNA及びトウモロコシの穂軸粉砕物からなる有害物質除去材を含有してなるタバコ用フィルタ。
  2. 該二本鎖DNAは該トウモロコシ穂軸粉砕物の外表面に付着して存在することを特徴とする、請求項1記載のタバコ用フィルタ
  3. 該トウモロコシ穂軸粉砕物は、乾燥されて5質量%以下の水分含量を有すること特徴とする、請求項1又は請求項2に記載のタバコ用フィルタ。
  4. 前記有害物質除去材を、繊維質フィルタ材からなるフィルタロッドの中に混入させてなることを特徴とする、請求項1乃至請求項3のうちいずれか一項に記載のタバコ用フィルタ。
  5. 該有害物質除去材は、前記二本鎖DNA及び、150μm乃至500μmの粒径を有するトウモロコシ穂軸粉砕物からなることを特徴とする、請求項4に記載のタバコ用フィルタ。
  6. 繊維質フィルタ材からなる複数のフィルタロッドを備え、前記有害物質除去材からなる層を、該フィルタロッドと該フィルタロッドの間に介在させてなることを特徴とする、請求項1乃至請求項3のうちいずれか一項に記載のタバコ用フィルタ。
  7. 該有害物質除去材は、前記二本鎖DNA及び、500μm乃至1,000μmの粒径を有するトウモロコシ穂軸粉砕物からなることを特徴とする、請求項6に記載のタバコ用フィルタ。
  8. 該有害物質はダイオキシン類又は/並びにベンツピレンである、請求項1乃至請求項7のうちいずれか一項に記載のタバコ用フィルタ。
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