JPWO2007010586A1 - 造血幹細胞同定剤 - Google Patents
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Abstract
造血幹細胞を直接的に同定することができる、造血幹細胞同定剤、造血幹細胞の同定方法、及び造血幹細胞高度濃縮画分の調製方法の提供。Robo−4タンパク質を抗原として生成され、該タンパク質に特異的に結合する抗体からなる造血幹細胞同定剤、Robo−4遺伝子からなる造血幹細胞同定剤、これを用いる造血幹細胞の同定方法及び造血幹細胞高度濃縮画分の調製方法。
Description
本発明は、造血幹細胞同定剤、造血幹細胞の同定方法、及び造血幹細胞高度濃縮画分の調製方法に関する。
幹細胞は、胚性幹細胞と体性幹細胞に分けられる。胚性幹細胞は、胚を構成する全ての種類の細胞に分化する能力を有し、無限に近い増殖能力を有する。一方、体性幹細胞は、ある一定の細胞系列への分化が運命付けられているが、その中で多分化能と自己増殖能を示す。
造血幹細胞とは、体性幹細胞の一つであり、すべての系列の血液細胞を作り出すことのできる多分化能と自分と同じ細胞を作り続けることができる自己複製能を有し、かつ、骨髄移植した場合には、数ヶ月以上の長期にわたり全ての血球系列を再構成することができる細胞をいう。
造血幹細胞の効率的な濃縮方法としては、FACS(fluorescence−activated cell sorter)を用いた方法がある。FACSを利用する際の指標として、細胞表面マーカー、蛍光物質GFP(green fluorescent protein)及びDNAに結合する色素であるHoechst 33342を排出する性質を持つSP(side population)細胞などが知られている。
FACSでの細胞表面マーカーを用いた分画では、c−Kit陽性、Sca−1陽性かつlineage marker陰性という細胞表面抗原の発現パターンを持つ分画(KSL分画)、さらにCD34陰性を加えたCD34−−KSL分画、KSL−SP分画が造血幹細胞を高濃度に含んでいることが明らかにされており、これらの分画がしばしば造血幹細胞と同義に用いられている。しかし、これらの細胞表面マーカーは、造血幹細胞に特異的なものではなく、直接的に造血幹細胞を同定することはできなかった。
また、今日まで、造血幹細胞を特異的に識別するための細胞表面マーカーは、全く知られていなかった。
Robo−4は、Slit−2に対する細胞表面レセプターであり、胎児及び成体内皮細胞で発現される。心臓においては高度に発現されるが、脳における発現は極めて低い。また、Robo−4は、ヒト微小血管内皮細胞(HMVEC)の移動を阻害する。
最近、Phillipsらは、幹細胞の調節経路及びそのグローバルな遺伝的プログラムを明らかにするためにゲノムレベルでの遺伝子発現解析を報告している。それによると、Robo−4及びSlit−2は、Lin−c−kit+Sca−1+Rholowマウス成体骨髄(BM)細胞(長期造血幹細胞:long−term HSCs)及びLin−AA4.1+c−kit+Sca−1+マウス胎児肝細胞(胎児肝HSCs)の両者において濃縮されていた。また、Slit−2は、神経幹細胞(NSC)及び胚幹細胞(ESC)の両者において濃縮されており、Robo−4は、ESCにおいて濃縮されていたが、Slit−2及びRobo−4は、ヒト胎児肝HSCsにおいて濃縮されていなかった。(非特許文献1)
しかし、非特許文献1には、Robo−4が造血幹細胞において特異的に発現されていることは、何らの記載も示唆もない。
また、特開2004−242513には、JAM−1をマーカーとして用いる未分化造血細胞の同定・分離方法が記載されている(特許文献1)。しかし、この文献には、造血幹細胞に特異的なマーカーについては、何ら記載されていない。
したがって、造血幹細胞同定剤、造血幹細胞の同定方法、及び造血幹細胞高度濃縮画分の調製方法の開発が待たれていた。
特開2004−242513 Phillips RL,et.al.,Science.288:1635−40(2000)
本発明は、造血幹細胞同定剤、造血幹細胞の同定方法、及び造血幹細胞高度濃縮画分の調製方法を提供する。
本発明者は、鋭意研究を重ねた結果、予想外にも、Robo−4が造血幹細胞の表面に特異的に発現されていることを見出し、本発明を完成させたものである。したがって、本発明は、下記に関する。
1.Robo−4タンパク質を抗原として生成され、該タンパク質に特異的に結合する抗体からなる造血幹細胞同定剤。
2.抗体が、モノクローナル抗体である、上記1に記載の造血幹細胞同定剤。
3.抗体が、受託番号がATCC PTA−6809、ATCC PTA−6810又はATCC PTA−6811であるハイブリドーマによって産生されるモノクローナル抗体である、上記2に記載の造血幹細胞同定剤。
4.Robo−4遺伝子からなる造血幹細胞同定剤。
5.Robo−4遺伝子とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする連続する15個以上のヌクレオチドからなる造血幹細胞同定剤。
6.上記1〜5のいずれか1に記載の造血幹細胞同定剤を用いる造血幹細胞の同定方法。
7.上記1〜6のいずれか1に記載の造血幹細胞同定剤を用いる造血幹細胞高度濃縮画分の調製方法。
2.抗体が、モノクローナル抗体である、上記1に記載の造血幹細胞同定剤。
3.抗体が、受託番号がATCC PTA−6809、ATCC PTA−6810又はATCC PTA−6811であるハイブリドーマによって産生されるモノクローナル抗体である、上記2に記載の造血幹細胞同定剤。
4.Robo−4遺伝子からなる造血幹細胞同定剤。
5.Robo−4遺伝子とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする連続する15個以上のヌクレオチドからなる造血幹細胞同定剤。
6.上記1〜5のいずれか1に記載の造血幹細胞同定剤を用いる造血幹細胞の同定方法。
7.上記1〜6のいずれか1に記載の造血幹細胞同定剤を用いる造血幹細胞高度濃縮画分の調製方法。
本発明は、造血幹細胞の分化における多能性のメカニズムの解明や、骨髄移植や遺伝子治療のための造血幹細胞の単離・精製のために有用である。
本発明のRobo−4は、細胞外ドメインに2つのインテグリン様のループ構造を有する、膜一回貫通型のタンパク質である。Robo−4のリガンドとしては、Slit−2が知られている。Robo4を発現している細胞は、Slit2と結合することによりSlit2の濃度勾配とは逆の方向に移動する。本発明でRobo−4とは、配列番号1に示す塩基配列を有する遺伝子によってコードされ、配列番号2に示すアミノ酸配列を有するタンパク質をいう。たとえば、マウスのcDNAは、GenBank accession number NM 028783であり、ヒトのcDNAは、GenBank accession number NM 019055である。
本発明においては、本発明のRobo−4タンパク質の同定に際して、該タンパク質のポリペプチドを抗原として生成され、該ポリペプチドに特異的に結合する抗体を用いることができる。該抗体としては、モノクローナル抗体及びポリクローナル抗体を挙げることができる。また、ファージディスプレイ(phagedisplay)法等により作製された一本鎖(Singlechain)抗体も利用が可能である。該抗体の作製は、本発明のポリペプチドを抗原として、従来公知の方法によって調製することができる。抗体は、好ましくは、モノクローナル抗体である。
抗ヒトRobo−4モノクローナル抗体は、ハイブリドーマATCC PTA−6809(クローン265721.111)、ATCC PTA−6810(クローン265722.111)又はATCC PTA−6811(クローン274914.111)を用いて産生することができる。これらのハイブリドーマは、2000年6月21日付けで国際寄託機関である米国のATCCに国際寄託されている。
抗ヒトRobo−4モノクローナル抗体は、ハイブリドーマATCC PTA−6809(クローン265721.111)、ATCC PTA−6810(クローン265722.111)又はATCC PTA−6811(クローン274914.111)を用いて産生することができる。これらのハイブリドーマは、2000年6月21日付けで国際寄託機関である米国のATCCに国際寄託されている。
本発明の抗体を用いて、被検細胞における造血幹細胞を同定するためには、公知の抗体を用いる免疫学的測定法を用いることができる。該免疫学的測定法としては、例えばRIA法、ELISA法、蛍光抗体法等を挙げることができる。
本発明の造血幹細胞同定剤を用いて、被検細胞におけるRobo−4遺伝子及び/又はRobo−4タンパク質の発現を同定し、同定した造血幹細胞を濃縮し、造血幹細胞高度濃縮画分を調製することができる。
例えば、本発明の抗体を用いて蛍光抗体法を用いて造血幹細胞を、同定・濃縮するためには、造血幹細胞を標識し、標識された造血幹細胞をセルソーターにより分離し、採取することができる。
たとえば、本発明の抗体を蛍光標識し、これを造血幹細胞で発現されている抗原に結合させて、造血幹細胞を標識することができる(直接蛍光抗体法)。または、抗原を発現している造血幹細胞に、未標識の本発明の抗体を結合させた後に、標識した二次抗体(抗免疫グロブリン抗体)を結合させて造血幹細胞を標識することもできる(間接蛍光抗体法)。該標識された造血幹細胞を蛍光活性化セルソーター等により、同定し、濃縮することができる。
また、未標識の本発明の抗体を造血幹細胞と接触させ、本発明の抗体を造血幹細胞で発現される抗原と結合させ、次いで、磁気ビーズを結合させた二次抗体と接触させて、該造血幹細胞を磁気によって標識することもできる。
また、本発明の抗体をビオチン標識し、これを造血幹細胞と接触させ、造血幹細胞で発現される抗原に結合させ、次いで、ストレプトアビジン標識磁気ビーズを結合させることもできる。該磁気ビーズで標識された造血幹細胞を、磁気分離カラム等を用いて濃縮することができる。
また、造血幹細胞を同定するために、Robo−4遺伝子のDNA配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNA配列を有するプローブを用いることができる。該プローブを用いて造血幹細胞を同定するには、公知の方法を用いて適宜実施することができる。例えば、配列表に示したDNA配列から適宜の長さ、好ましくは、連続する15以上、より好ましくは連続する20以上のヌクレオチドからなるDNAプローブを作成し、これらのプローブを蛍光標識し、これを試料とハイブリダイズさせることにより、造血幹細胞の同定を行うことができる。
該DNAプローブとしては、配列表に示した本発明の遺伝子の塩基配列のアンチセンス鎖の全部又は一部からなるプローブを用いることができる。
また、該プローブを、少なくとも1つ以上を固定化させたマイクロアレイ又はDNAチップの形で用いることもできる。
なお、上記DNAプローブの作製に際して、本発明の塩基配列において、「ストリンジェントな条件下でハイブリダイズする」条件としては、例えば、42℃でのハイブリダイゼーション、及び1×SSC(0.15M NaCl、0.015Mクエン酸ナトリウム)、0.1%のSDS(Sodium dodecylsulfate)を含む緩衝液による42℃での洗浄処理を挙げることができ、65℃でのハイブリダイゼーション、及び0.1×SSC、0.1%のSDSを含む緩衝液による65℃での洗浄処理をより好ましく挙げることができる。なお、ハイブリダイゼーションのストリンジェンシーに影響を与える要素としては、上記温度条件以外に種々の要素があり、当業者であれば種々の要素を組み合わせて、上記例示したハイブリダイゼーションのストリンジェンシーと同等のストリンジェンシーを実現することが可能である。
造血幹細胞におけるRobo−1〜Robo−4のmRNAの発現
マウス大腿骨より骨髄単核球を採取、MACS Lineage depletion kit(Miltenyl Biotech)を用いてLineage marker陽性細胞(分化マーカー陽性細胞)を除去した後、抗c−Kit抗体と抗Sca−1抗体で染色した。FACS Vantage(Beckton Dickinson)を用いてc−Kit+Sca−1+Lineage(Lin)−細胞(KSL)およびLineage+細胞をソーティングした。これらの細胞よりRNAを抽出し、半定量RT−PCR法によりRobo4 mRNA量を定量した。
コントロールとしてハウスキーピング遺伝子であるGAPDHを用いた。その結果、Roboファミリーの中でもRobo−4のみが、KSLに特異的な発現が認められた。
マウス大腿骨より骨髄単核球を採取、MACS Lineage depletion kit(Miltenyl Biotech)を用いてLineage marker陽性細胞(分化マーカー陽性細胞)を除去した後、抗c−Kit抗体と抗Sca−1抗体で染色した。FACS Vantage(Beckton Dickinson)を用いてc−Kit+Sca−1+Lineage(Lin)−細胞(KSL)およびLineage+細胞をソーティングした。これらの細胞よりRNAを抽出し、半定量RT−PCR法によりRobo4 mRNA量を定量した。
コントロールとしてハウスキーピング遺伝子であるGAPDHを用いた。その結果、Roboファミリーの中でもRobo−4のみが、KSLに特異的な発現が認められた。
造血幹細胞・造血前駆細胞におけるRobo−4mRNAの発現
造血幹細胞を高濃度にふくむKSL細胞、造血前駆細胞である骨髄球系共通前駆細胞(CMP)、巨核球・赤芽球系前駆細胞(MEP)、顆粒球/マクロファージ系前駆細胞(GMP)、リンパ球系共通前駆細胞(CLP)を既に報告されている方法によりFACSソーティングした(Kondo M,et.al.Cell 91:661−672,1997;Akashi K,et.al.Nature.404:193−197,2000)。これらの細胞よりRNAを抽出、半定量的RT−PCR法によりRobo4 mRNA量を測定した。コントロールとしてGAPDHを用いた。その結果、CMP、MEP、GMP、CLPなどの造血前駆細胞ではRobo−4の発現を認めず、KSLのみでRobo−4の特異的な発現が認められた。
造血幹細胞を高濃度にふくむKSL細胞、造血前駆細胞である骨髄球系共通前駆細胞(CMP)、巨核球・赤芽球系前駆細胞(MEP)、顆粒球/マクロファージ系前駆細胞(GMP)、リンパ球系共通前駆細胞(CLP)を既に報告されている方法によりFACSソーティングした(Kondo M,et.al.Cell 91:661−672,1997;Akashi K,et.al.Nature.404:193−197,2000)。これらの細胞よりRNAを抽出、半定量的RT−PCR法によりRobo4 mRNA量を測定した。コントロールとしてGAPDHを用いた。その結果、CMP、MEP、GMP、CLPなどの造血前駆細胞ではRobo−4の発現を認めず、KSLのみでRobo−4の特異的な発現が認められた。
KSL−SP及びKSL−MP細胞におけるRobo−4mRNAの発現。
Hoechst33342を排出する性質を持つ細胞群をside population(SP)と呼ぶ。また、FACS上SP以外の細胞群(non−SP)を構成する主たる細胞集団をmain population(MP)と呼ぶ。KSL細胞をさらにSPとMPに分画(KSL−SP、KSL−MP)すると、造血幹細胞はKSL−SP分画により濃縮されていることが知られている。マウス骨髄単核球より図1と同様の方法でKSL細胞を染色し、さらにHoechst33342で染色、FACSによりKSL−SP細胞、KSL−MP細胞、KSL細胞、Lineage陽性細胞を分取した。これら細胞よりRNAを抽出、半定量的RT−PCR法によりRobo−4 mRNA量を定量した。コントロールとしてハウスキーピング遺伝子であるGAPDHを用いた。Robo−4は造血幹細胞を最も高濃度に含むKSL−SP分画に最も強く発現し、次いでKSL−MPに強い発現が見られた。
Hoechst33342を排出する性質を持つ細胞群をside population(SP)と呼ぶ。また、FACS上SP以外の細胞群(non−SP)を構成する主たる細胞集団をmain population(MP)と呼ぶ。KSL細胞をさらにSPとMPに分画(KSL−SP、KSL−MP)すると、造血幹細胞はKSL−SP分画により濃縮されていることが知られている。マウス骨髄単核球より図1と同様の方法でKSL細胞を染色し、さらにHoechst33342で染色、FACSによりKSL−SP細胞、KSL−MP細胞、KSL細胞、Lineage陽性細胞を分取した。これら細胞よりRNAを抽出、半定量的RT−PCR法によりRobo−4 mRNA量を定量した。コントロールとしてハウスキーピング遺伝子であるGAPDHを用いた。Robo−4は造血幹細胞を最も高濃度に含むKSL−SP分画に最も強く発現し、次いでKSL−MPに強い発現が見られた。
本発明は、造血幹細胞の分化における多能性のメカニズムの解明や、骨髄移植や遺伝子治療のための造血幹細胞の単離・精製のために有用である。
Claims (7)
- Robo−4タンパク質を抗原として生成され、該タンパク質に特異的に結合する抗体からなる造血幹細胞同定剤。
- 抗体が、モノクローナル抗体である、請求項1に記載の造血幹細胞同定剤。
- 抗体が、受託番号がATCC PTA−6809、ATCC PTA−6810又はATCC PTA−6811であるハイブリドーマによって産生されるモノクローナル抗体である、請求項2に記載の造血幹細胞同定剤。
- Robo−4遺伝子からなる造血幹細胞同定剤。
- Robo−4遺伝子とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする連続する15個以上のヌクレオチドからなる造血幹細胞同定剤。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の造血幹細胞同定剤を用いる造血幹細胞の同定方法。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載の造血幹細胞同定剤を用いる造血幹細胞高度濃縮画分の調製方法。
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JPN6010071544, Dev.Biol., 2003, Vol.261, p.251−267 * |
JPN6010071546, Int.J.Hematol., 2001, Vol.74, p.266−271 * |
JPN6010071549, 血液・腫瘍科, 2002, Vol.44, No.2, p.104−111 * |
JPN6010071552, Arch.Med.Res., 2003, Vol.34, p.461−475 * |
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